説明

骨折した骨および/または病変した骨を処置するためのデバイス

【課題】骨折した骨、病変した骨を修復、補強または処置するための外科用システムを提供する。
【解決手段】遠位端206を有するシャフトを含むキャビティ形成デバイスであって、該シャフトが、少なくとも一部、海綿質によって占領される内部容量を有する椎体中への経皮接近通路を通って導入されるサイズであり、該キャビティ形成デバイスが、該シャフト内に少なくとも一部保持される拡大可能な構造210、および該シャフトから外方の所望の方向に該拡大可能な構造の拡大を方向付け該海綿質中にキャビティを生成する、該遠位端206から間隔を置かれた該シャフトの側面中の開口部を含む、キャビティ形成デバイス、および該キャビティ中に材料を運搬するための皮下接近通路を通って導入されるサイズの充填デバイスを備える、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、骨折した骨および/または病変した骨を処置するためのデバイスおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、種々のデバイス(キャビティ形成デバイスを含む)を使用して、骨折した骨および/または病変した骨を修復、補強および/または処置するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景の説明)
正常な健康な骨は、タンパク質、コラーゲンおよびカルシウム塩から作られる骨組みから構成される。健康な骨は、代表的に、ヒトの通常の日常活動の中で個人が体験する種々の応力に抵抗するのに十分な強度であり、そして正常には、衰えるまでの様々な長さの期間にわたってより強い応力に抵抗し得る。しかし、骨粗鬆症または多数の他の疾患(乳癌、血管腫、骨溶解性転移または脊髄性骨髄腫損傷のような疾患が挙げられる)、ならびにアルコール、タバコおよび/または種々の薬物の長期間の過剰な使用により、健康な骨は長期にわたって影響を受けそして有意に衰弱し得る。もし検査を受けていない場合、骨が特に、骨折しやすくなり、崩壊し、そして/または通常の日常的な応力にさえも抵抗できなくなる程度まで、このような因子は骨強度を低下させ得る。
【0003】
不運にも、骨強度の低下は、しばしば、骨の完全性がすでに重篤に損なわれるまで、発見するのが困難である。例えば、骨粗鬆症の影響は、しばしば、骨の骨折がすでに起こってしまった後まで発見されず、この時点で、大部分の患者の全体的な骨強度は、代表的に危険なレベルまで低下している。さらに、主には、子供および早期成人期に大部分の骨の発達が起こるため、骨強度の長期低下は、代表的に、不可逆的である。さらに、多数の骨疾患(骨粗鬆症、癌および他の骨関連障害を含む)は、医療発展の現段階においては、日常的に治癒することができない。
【0004】
高齢化社会集団における多数の個人について、診断未確定の骨強度および/または処置不能な骨強度の低下は、通常の日常活動さえも有意な骨折の脅威を引き起こす程度にまで、これら個人の骨をすでに弱らせている。例えば、脊椎の骨が有意に減退した場合、脊椎における圧縮力は、しばしば、椎体の骨折および/または変形を引き起こし得る。十分に弱まった骨については、階段を降りるまたは食料雑貨を運ぶような通常の日常活動さえも、ヒトの足の圧縮体重下で、まさにチョークのように、1つ以上の脊髄骨の崩壊を引き起こし得る。この様式における椎体の骨折は、代表的に、脊椎骨圧縮骨折といわれる。研究者は、50歳を超える女性全体の少なくとも25%、および幾らか少ない割合の男性が、骨粗鬆症単独に起因して、1つ以上の脊椎骨圧縮骨折を羅患することを推定する。米国では、700,000人を超える脊椎骨圧縮骨折が毎年起こり、そのうち200,000人を超えるヒトが、入院のような何らかの形態を要求されると推定されている。弱まった骨から生じる他の一般的に起こる骨折としては、いくつか挙げれば、股関節部、手首、膝および足根関節の骨折が挙げられ得る。
【0005】
脊椎骨圧縮骨折のような骨折は、しばしば、痛みの発症を引き起こし、これは、慢性的でかつ激しい。骨折それ自体により引き起こされる痛みは別にして、脊柱の関与は、神経の収縮および/または損傷を引き起こし得、完全麻痺、機能の喪失および患者身体にわたって放散する激しい痛みを引き起こす。しかし、神経に影響を与えない場合でさえも、骨折の全ての型に関連するこの激しい痛みは、消耗性であり、多数の応力、障害移動性および他の長期結果を引き起こす。例えば、進行性脊椎骨折は、長期にわたって、脊椎(「円背」)の重篤な変形を引き起こし、個体を猫背にし、そして有意な肺能力の低下および死亡率の増加もまた引き起こし得る。
【0006】
最近まで、脊椎骨圧縮骨折、ならびに骨強度における他の重篤な骨折および/または損失のための処置選択は、主として、全て並みの結果を伴う強力な経口または静脈内投薬、減少した活性、装具の装着(bracing)および/または放射線治療での痛みの取り扱いに極度に制限された。これらの問題を抱える患者が代表的に高齢であり、そしてしばしば、種々の他の重要な健康合併症を羅患するため、これら個体の多くは、侵襲性手術に耐え得ない。さらに、骨強度のさらなる喪失を阻止するために、多数の患者は、ホルモンおよび/またはビタミン/ミネラル補充を受け、再度並みの結果およびしばしば有意な副作用を伴う。
【0007】
過去十年にわたって、脊椎形成術(vertebroplasty)とよばれる技術が、米国で導入されてきた。脊椎形成術は、流動可能な補強材料(通常は、ポリメチルメタクリレート(PMMA−骨セメントとして一般に既知))の骨折して弱まったまたは病変した椎体への注射を包含する。注射直後に、液体注入材料は、硬化するかまたは重合化し、望ましくは椎体を内部から支持し、痛みを緩和し、そして注射した椎体のさらなる崩壊を防止する。
【0008】
脊椎形成術は、脊椎骨圧縮骨折に関連するいくらかの痛みを減少することが示されてきたが、この手順は、特定の固有の欠点を有する。脊椎形成術に関連する最も有意な危険性は、椎体への注射の間、液体骨結合剤の流れを制御することが開業医にできないことである。セメントの位置および流動パターンは、CTスキャンまたはX線透視鏡によりモニタリングされ得るが、一旦この液体結合剤が注射針を出ると、骨内の最小の抵抗経路に本質的に従い、これはしばしば、海綿質および/または皮質骨におけるクラックおよび/またはギャップを介する。さらに、海綿質が骨結合剤の注射に抵抗し、かつ小さい直径の針が代表的に脊椎形成術手順において使用されるため、骨結合剤が針を介して椎体内まで押し込まれるのに、非常に高い圧力が必要とされる。粘性を有する骨結合剤は、小さい直径の針を介して注射するのが困難であり、従って、多数の開業医は、セメント注射を改良するために、セメント混合物を「弱くする(thin out)」ことを選択し、これは、究極的に漏出の問題を悪化させる。現在の研究において、骨転移または多発性骨髄腫を患う37人の患者が、脊椎形成術で処置されたが、72.5%の手順は、椎体の外側へのセメントの漏出を生じた(非特許文献1)。さらに、さらなる液体モノマーをセメント混合物に添加することによってこの結合剤を「弱くする」ことを、開業医が試みた場合、非重合モノマーまたは「遊離」モノマーの量が増加し、これは、患者に対して究極的に有毒であり得る。
【0009】
椎骨形成術(vertebroplasty)の別の欠点は、椎骨内に存在する種々の静脈およびその他の軟組織構造体を(CTスキャニングまたはX線蛍光透視法を用いて)可視化する能力がないことに起因する。代表的には、椎体内の針の位置は可視化されるが、椎体内の静脈構造の位置はそうではない。従って、小直径椎骨形成術針は、椎体中の静脈内に容易に偶発的に配置され得、そして液体セメントが静脈系中に直接ポンプ輸送され、そこで、このセメントは、前外静脈叢または椎体静脈を通って椎骨の前面壁および/または後面壁から容易に出て行く。
【0010】
椎骨形成術において固有の別の顕著な欠点は、この手順が、補強材料の注入前に、椎体を前骨折状態に回復する能力のないことである。骨は骨折および/または変形し、そしてセメントの注入前に再配置されないので、椎骨形成術は、骨を、本質的に、その骨折した状態に「凍結」する。さらに、伝統的な椎骨形成術手順が有意な前骨折解剖部分を回復し得るであろうことは高度にありそうもない。なぜなら、骨セメントは最も小さい抵抗の経路に向かって流れ、皮質骨の任意の一団となった動きが、次いで骨セメントが直ぐに流れる椎体の内面および/または壁にギャップを作成し得るであろうからである。
【0011】
椎骨圧縮骨折およびその他の骨関連障害のような骨折を処置するためのより最近に開発された手順は、KyphoplastyTMとしてとして知られている。例えば、特許文献1および特許文献2を参照のこと。Kyphoplastyでは、拡張可能な本体が、骨折または弱体化した骨中の小開口部を通じて挿入され、そして次いで骨内で拡張される。この手順は、海綿質を圧縮し、そして所望されるように、骨折した骨をその前骨折配向に向かって移動させ、セメントまたは任意の数の合成骨充填物のような硬化可能な材料で充填され得る骨内のキャビティを作る。要するに、この手順は、骨をその前骨折位置またはその近傍に「調節」し、そして内部「キャスト」を作成し、骨をさらなる骨折および/または崩壊から保護する。この手順は、勿論、同様に種々のその他の骨における使用に適切である。
【特許文献1】米国特許第4,969,888号明細書
【特許文献2】米国特許第5,108,404号明細書
【非特許文献1】Cortet B.ら、Percutaneous Vertebroplasty in Patients With Osteolytic Metastases or Multiple Myeloma(1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
Kyphoplastyは骨を前骨折状態に回復し得、そして注入された骨充填剤がKyphoplasty手順の間に椎体から漏失する可能性はより少ないが、Kyphoplastyは、増大したコストで、椎骨形成術手順より大きい数の外科的ツールを必要とする。さらに、代表的には、Kyphoplastyツールは、椎骨形成術ツールより直径が大きく、そしてそれ故、より大きな切開を必要とし、そして一般により侵襲的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、弱体化した骨、病変した骨および/または骨折した骨を、修復、補強および/または処置する医療手順における現在の戦略および設計に関連する多くの課題および欠点を克服する。1つの好ましい実施形態では、本発明は、このような手順を容易にする改良された椎骨形成術手順および外科的機器に関する。
【0014】
本発明の方法の一般的な実施形態では、挿入デバイス(好適には、11ゲージ脊髄針アセンブリ)が、針の位置決めをモニターするために蛍光透視X線を用い、標的とされた椎体中に挿入される。キャビティ形成デバイスは、椎体中に針を通って挿入される。このキャビティ形成デバイスは、望ましくは、針の遠位先端部の近傍にある海綿質を圧縮し、骨内に小キャビティを形成する。このキャビティ形成デバイスは、取り出され、そしてセメントが脊髄針を通じて導入される。蛍光透視剤と混合された骨セメントのような骨充填剤が、椎体内の骨充填剤の流れをモニターするためにエックス線蛍光透視法を用いてキャビティ中に注入される。骨充填剤導入は、所望の充填量に到達するときに停止され、椎体の骨折部分は、それらの前骨折位置に接近および/または戻るか、または骨充填剤漏失が切迫する。キャビティは、椎体内に骨充填剤導入の前に作成されるので、非常に低い注入圧力が用いられ得、セメント漏失の可能性を有意に低減する。さらに、所望の流れ経路の作成は、椎体内の骨充填剤材料の配置におけるより大きな制御を可能にする。
【0015】
本発明の方法の別の一般的な実施形態は、(市販の脊髄針アセンブリのような)挿入デバイスが、針の位置決めをモニターするために蛍光透視X線を用い、標的となる骨の皮質骨領域を通じ、そして海綿質領域中に挿入される。骨充填剤のような第1の材料が、挿入デバイスを通じて海綿質領域中に導入される。次いで拡張可能な構造体がこの挿入デバイスを通じて挿入され、そして骨内で拡張し、第1の材料および/または海綿質を圧縮し、それによって、キャビティおよび/またはキャビティを実質的に取り囲む圧縮された海綿質のバリア領域を作成する。次いで、第1の材料と同じ材料であり得る第2の材料が、この挿入デバイスを通じて骨中に導入される。所望であれば、この第1の材料は、外科的手順の間にキャビティを支持するために十分な強度を有する材料を含み得、それによって、拡張可能な構造体の収縮および除去の際にこのキャビティの崩壊を防ぐ。このような第1の材料は、制限されずに、骨セメント、骨グラフト材料または金属製および非金属製ステントを含む。
【0016】
さらなる実施形態では、本発明の方法は、椎骨を強化するために、圧縮および/または骨折椎骨に対して実施され、それを、少なくとも部分的には、その前骨折位置に戻し、さらなる骨折または崩壊から椎骨を保護し、そして/または脊髄骨折および圧縮にともなう痛みを軽減する。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、キャビティ形成デバイスは、バルーンカテーテルを備える。このバルーンカテーテルは、望ましくは、バルーン材料を通って伸びる中空チューブを取り込む。このカテーテルの近位端で、チューブおよび拡張可能な構造体はフィッティングに連結される。遠位端で、この拡張可能な構造体は、上記中空チューブに、および/またはその周りに直接固定される。この拡張可能な構造体および中空チューブの遠位端はシールされる。この中空チューブの遠位端近傍には、この拡張可能構造体を拡張および収縮するために、中空チューブの中またはそれから膨張媒体が通過する1つ以上の開口部がある。
【0018】
本発明のバルーンカテーテルは、11ゲージ針アセンブリのような挿入デバイスを通じて、椎体のような骨中に、カテーテルの遠位端を医師が決定した長さまで針を超えて伸ばして挿入され得る。このカテーテルが膨張媒体で充填されるとき、針を超えて伸びるカテーテルの部分は外側に拡張し、海綿質を圧縮し、そして椎体内に所望のキャビティを形成する。
【0019】
本発明の別の実施形態では、キャビティ形成デバイスは、その遠位端に1つ以上のワイアまたは「剛毛」を取り込むシャフトを備える。このキャビティ形成デバイスは、望ましくは、挿入デバイス(例えば、脊椎針)を通じ、椎体のような骨の海綿状領域中に挿入される。この剛毛が椎体に入るとき、それらは海綿質を制御された様式で置き換え、海綿質中に1つ以上の小経路またはキャビティを作成する。このキャビティ形成デバイスは、椎体および針から取り出され、そして骨充填剤が椎体中に導入される。通常、最も小さい抵抗性の経路に向かって流れるこの骨充填剤は、最初、小キャビティを通じて流れる。所望であれば、医師は、骨充填剤の導入を中断し得、そしてキャビティ形成デバイスを再挿入することによりさらなるキャビティを作成し得る。海綿質を通る所望の経路を作成することにより、本発明は、椎体の外側からのセメント漏失の機会を低減するか、そして/または椎体の顕著な部分を通じる骨充填剤の分配を改善する。
【0020】
より特定すれば、本願発明は、以下の項目に関し得る。
(1)システムであって、遠位端を有するシャフトを含むキャビティ形成デバイスであって、該シャフトが、少なくとも一部、海綿質によって占領される内部容量を有する椎体中への経皮接近通路を通って導入されるサイズであり、該キャビティ形成デバイスが、該シャフト内に少なくとも一部保持される拡大可能な構造、および該シャフトから外方の所望の方向に該拡大可能な構造の拡大を方向付け該海綿質中にキャビティを生成する、該遠位端から間隔を置かれた該シャフトの側面中の開口部を含む、キャビティ形成デバイス、および該キャビティ中に材料を運搬するための皮下接近通路を通って導入されるサイズの充填デバイス、を備える、システム。
(2)前記拡大可能な構造が、膨張可能である、項目(1)に記載のシステム。
(3)前記拡大可能な構造が、バルーンである、項目(2)に記載のシステム。
(4)前記拡大可能な構造の少なくとも一部が、前記シャフトに結合される、項目(1)に記載のシステム。
(5)前記遠位端が、中空構築物である、項目(1)に記載のシステム。
(6)前記遠位端が、中実公知物である、項目(1)に記載のシステム。
(7)前記遠位端が、軟組織を貫通するために鋭利である、項目(1)に記載のシステム。
(8)前記シャフトが、前記拡大可能な構造の材料より拡大耐性の材料を含む、項目(1)に記載のシステム。
(9)前記シャフトが、可撓性材料を含む、項目(1)に記載のシステム。
(10)前記開口部が、前記シャフトの周縁を超えずに延びる、項目(1)に記載のシステム。
(11)前記拡大可能な構造が、海綿質を圧縮する、項目(1)に記載のシステム。
(12)前記拡大可能な構造の拡大が、海綿質を補充する、項目(1)に記載のシステム。
(13)前記充填デバイスが、骨充填材を前記腔に運搬する、項目(1)に記載のシステム。
(14)前記充填デバイスが、前記腔中に薬剤を運搬する、項目(1)に記載のシステム。
(15)前記充填デバイスが、前記腔中に補強材料を運搬する、項目(1)に記載のシステム。
【0021】
本発明はまた、別の局面で以下の項目に関し得る。
(1)脊椎骨圧縮骨折を処置または予防するためのシステムであって、該システムは以下;該椎体への経皮挿入のために適合される挿入デバイス;該挿入デバイスを介して該椎体中の海綿質の領域内への挿入のために適合されるキャビティ形成デバイスであって、該海綿質を移動させるように適合されて、キャビティおよび該キャビティを実質的に取り囲む圧縮された海綿質のバリア領域を作製する、キャビティ形成デバイス;ならびに、該キャビティの少なくとも一部を充填するのに適切な骨充填剤;を備える、システム。
(2)項目(1)に記載のシステムであって、ここで、前記キャビティ形成デバイスが、該キャビティへの挿入のために適合されて、前記バリア領域に対して前記骨充填剤の少なくとも一部を圧縮する、システム。
(3)前記挿入デバイスが、針アセンブリを備える、項目(1)に記載のシステム。
(4)前記針アセンブリが、針を備える、項目(3)に記載のシステム。
(5)前記針アセンブリが、11ゲージの針を備える、項目(3)に記載のシステム。
(6)項目(1)に記載のシステムであって、ここで、前記キャビティ形成デバイスが、機械的タンプ(tamp)、リーマー、ドリル、ホールパンチャーおよびバルーンカテーテルからなる群より選択される、システム。
(7)項目(1)に記載のシステムであって、ここで、前記キャビティ形成デバイスが、バルーンカテーテルであり、該カテーテルが以下:遠位端および近位端を備えるチューブ;拡張可能な構造体;ならびに、少なくとも1つのポートを備えるフィッティングを備える、システム。
(8)項目(7)に記載のシステムであって、ここで、前記バルーンカテーテルのチューブが、中空であり、かつ該チューブの遠位端の近位に少なくとも1つの開口部を備える、システム。
(9)項目(8)に記載のシステムであって、ここで、前記カテーテルの拡張可能な構造体が、前記チューブの遠位端に接合される、システム。
(10)項目(9)に記載のシステムであって、ここで、前記拡張可能な構造体が、膨張媒体を用いて膨張されるように適合され、それによって、前記椎体内にキャビティおよび該キャビティを取り囲むバリアを形成し、ここで、該拡張可能な構造体が、実質的に収縮され、そして前記挿入デバイスを介して取り除かれるように適合される、システム。
(11)項目(10)に記載のシステムであって、ここで、前記膨張媒体が、空気、窒素、生理食塩水、水およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、システム。
(12)前記骨充填剤が、ポリメチルメタクリレートである、項目(1)に記載のシステム。
(13)脊椎骨圧縮骨折を処置または予防するためのシステムであって、該システムは以下;椎弓根を介して椎体への経皮挿入のために適合される脊髄針を有する針アセンブリ;該脊髄針を介して該椎体内の海綿質の領域内への挿入のために適合されるバルーンカテーテルであり、その結果、該バルーンカテーテルの遠位端が、該脊髄針の遠位端から延びる、バルーンカテーテルであって、該バルーンカテーテルは、膨張媒体を用いて膨張されるように適合され、その結果、該脊髄針から延びている該バルーンカテーテルの遠位端の膨張が、該膨張するバルーンの周囲の海綿質を移動させ、該椎体の海綿質領域内の大きなクラックまたは静脈の少なくとも一部を閉鎖するバリアを該バルーンカテーテルの周囲に形成し、該椎体の海綿質領域内にキャビティを残すための収縮のため、および該針アセンブリを介して該椎体から取り除くために適応されるバルーンカテーテル;ならびに、該キャビティを充填するのに適切な骨充填材料を備える、システム。
(14)前記膨張媒体が、滅菌生理食塩水を含有する、項目(13)に記載のシステム。
(15)前記骨充填剤が、ポリメチルメタクリレートである、項目(13)に記載のシステム。
(16)バルーンカテーテルであって、以下:遠位端および近位端を備えるチューブ;該チューブ内の管腔;拡張可能な材料;該チューブに形成される開口部であり、該開口部は該管腔と連絡しており;ここで、拡張可能な材料の少なくとも一部が、該管腔内に位置し、そして、少なくとも1つのポートを備えるフィッティングを備える、バルーンカテーテル。
(17)前記チューブの遠位端に近位の該チューブの壁における少なくとも1つの開口部をさらに備える、項目(16)に記載のバルーンカテーテル。
(18)項目(17)に記載のバルーンカテーテルであって、ここで、膨張媒体が、前記チューブの遠位端に近位の少なくとも1つの開口部を通って、前記拡張可能な材料からポンピングされ得るか、該拡張可能な材料内にポンピングされ得るか、または、該拡張可能な材料内におよび該拡張可能な材料からの両方でポンピングされ得る、バルーンカテーテル。
(19)前記拡張可能な材料がポリウレタンである、項目(16)に記載のバルーンカテーテル。
(20)前記フィッティングが、2つのポートを備えるLeur Tフィッティングである、項目(16)に記載のバルーンカテーテル。
(21)脊椎骨圧縮骨折を処置または予防するためのシステムであって、該システムは以下;椎体への経皮挿入のために適合される挿入デバイス;シャフトを有し、かつ該挿入デバイスを介して該椎体中の海綿質の領域内への挿入のために適合される、キャビティ形成デバイス;ならびに、該シャフトによって運ばれる少なくとも1本の剛毛(bristle)であり、該剛毛は、骨または以前に注射された充填材料を移動させるように適合されて、該椎体に流路を形成するキャビティを作製する、剛毛を備える、システム。
(22)前記剛毛が、収縮状態および拡張状態を有する、項目(21)に記載のシステム。
(23)前記剛毛が、前記キャビティ形成デバイスの挿入の間、開業医が前記海綿質の生検サンプルを採取するのを可能にする中空剛毛である、項目(21)に記載のシステム。
(24)前記キャビティ形成デバイスが、押出しによって前記椎体中に挿入されるように適合される、項目(21)に記載のシステム。
(25)前記キャビティ形成デバイスが、ドリルによって前記椎体中に挿入されるように適合される、項目(21)に記載のシステム。
(26)項目(7)に記載のシステムであって、ここで、前記拡張可能な構造体が、第一の充填材料内で拡張するように適合されて、該第一の充填材料内にキャビティを形成する外部バリアを形成し、そして、該外部バリアによって形成されるキャビティ内に第二の充填材料を注射するための手段をさらに備える、システム。
(27)項目(26)に記載のシステムであって、ここで、前記第一の充填材料が、前記第二の充填材料が前記キャビティ内に挿入される場合、該キャビティおよび/または前記該椎体からの管外遊出に抵抗する、項目(26)に記載のシステム。
(28)前記第一の充填材料および第二の充填材料が、類似の材料を含有する、項目(26)に記載のシステム。
(29)前記第一の充填材料および第二の充填材料が、骨セメントを含有する、項目(28)に記載のシステム。
(30)前記第一の充填材料および第二の充填材料が、異なる速度で硬化するように適合される、項目(29)に記載のシステム。
(31)前記第一の充填材料および第二の充填材料の少なくとも一方が、ステントを含む、項目(26)に記載のシステム。
(32)前記第一の充填材料および第二の充填材料が、異なる材料を含有する、項目(26)に記載のシステム。
(33)前記第一の充填材料が、前記第二の充填材料よりも高い粘度の材料を含有する、項目(32)に記載のシステム。
(34)前記第一の充填材料が、前記第二の骨充填物中の粒子よりも一般に大きな粒子を有する材料を含有する、項目(32)に記載のシステム。
(35)前記第一の充填材料および第二の充填材料の少なくとも一方が、固化可能な材料を含有する、項目(26)に記載のシステム。
(36)前記充填材料が、大気圧および/または外圧でかまたはその近くで、前記キャビティ内に注射され得る、項目(1)に記載のシステム。
(37)前記充填材料が、約400 lb/平方インチ未満の圧力で、前記キャビティ内に注射され得る、項目(1)に記載のシステム。
(38)前記バルーンカテーテルが、前記椎体の少なくとも20%を超えて延びるように適合される、項目(7)に記載のシステム。
(39)前記拡張可能な構造体が、容量が少なくとも0.20 ccまで拡張するように構成される、項目(7)に記載のシステム。
(40)前記拡張可能な構造体の長手方向の拡張が、選択的に拘束される、項目(7)に記載のシステム。
(41)カニューレが、前記長手方向の拡張を拘束する、項目(40)に記載のシステム。
(42)前記長手方向の拡張を拘束するために、前記拡張可能な構造体が、少なくとも1つの位置において前記チューブに接合される、項目(40)に記載のシステム。
(43)前記カテーテルが、前記拡張可能な構造体の直径を減少するようにねじり可能である、項目(7)に記載のシステム。
(44)前記チューブが、崩壊およびたわみに抵抗する、実質的に中空のステンレス鋼製皮下チューブを含む、項目(7)に記載のシステム。
(45)前記チューブが、約0.035インチの外径および10.75インチの長さを有する、項目(7)に記載のシステム。
(46)脊椎形成術を行う前に、海綿質内にキャビティを形成するための、拡張可能な構造体を備える、脊椎形成術を行うためのシステム。
(47)項目(7)に記載のシステムであって、ここで、前記チューブがウィンドウを備え、そして、ここで、前記拡張可能な構造体が、該ウィンドウに隣接して該チューブ内に少なくとも部分的に位置し、そして、ここで、該拡張可能な構造体の拡張の際に、該拡張可能な構造体の少なくとも一部が、該ウィンドウを通って該チューブから延びる、システム。
(48)項目(1)に記載のシステムであって、ここで、挿入デバイスを使用せずに、椎体中に挿入するために、前記キャビティ形成デバイスが、軟部組織ならびに皮質骨および海綿質を貫通し得る鋭い遠位先端部を備える、項目(1)に記載のシステム。
(49)前記充填材料が、ヒドロキシアパタイト、エポキシ、PMMMA骨セメント、同種移植片組織または自家移植片組織、合成代用骨、および医療等級焼石膏のうちの少なくとも1つを含有する、項目(1)に記載のシステム。
(50)前記充填材料が、チキソトロープ剤と混合される、項目(1)に記載のシステム。
(51)前記充填材料が、透視検査剤と混合される、項目(1)に記載のシステム。
【0022】
本発明のその他の目的、利点、および実施形態は、一部、以下の明細書中に提示され、そして一部は、本明細書の記載から明らかであり、または本発明の実施から学習され得る。
【発明の効果】
【0023】
少なくとも一部がシャフトで保持された拡大可能な構造、および、海綿質中にキャビティを生成するためにシャフトから外方に任意の方向で拡大可能な本体の拡大を行うシャフトの遠位端から間隔を置かれたシャフトの側面中の開口部を含むキャビティ形成デバイスを備えるので、骨折した骨/病変した骨を修復、補強/処置するための外科用器具が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(発明の説明)
本明細書中に具体化されそして広範に記載されるように、本発明は、弱化、病変および/または骨折した骨を修復、補強および/または処置するための外科的方法に関する。本発明はさらに、このような外科的方法を容易にするための種々のデバイスに関する。
【0025】
図1は、典型的なヒトの棘1を示し、ここで圧縮骨折10が腰椎100において生じている。図3に最もよく示されるように、椎骨100は骨折しており、上部板103および底部板104は、椎骨100の前壁10に向かって全体的に押し下げられ、そしてそれらの骨折前の通常の平行な配向(平行線90として概して示されている)から離れる。
【0026】
図4は、図3の椎骨の冠状(頂面)図を示す。椎骨100は、椎体105を含み、これは椎骨100の前(すなわち、前面(front)または胸部(chest))側上に延びる。椎体105は、ほぼ楕円板の形状であり、前壁10および後壁261を含む。椎体105のジオメトリーは、一般的に対称的である。椎体105は、緻密皮質骨110から形成される外部を含む。皮質骨110は、網状海綿質(cancellous or spongy)の骨115(髄様骨または海綿質(trabecular)ともいう)の内部容積を囲う。
【0027】
脊柱管150は、各椎骨100の後(すなわち、背部)側に位置する。脊髄151は、脊柱管150を通る。椎弓135は、脊柱管150を取り囲む。椎弓135の左右の茎120は、椎体105に隣接する。棘突起130は、椎弓135の後部から延びており、左右の横突起125および乳頭突起126も同様に延びる。
【0028】
図2は、本発明の開示される方法のために準備された患者50を示す。これらの手順は、開示される手順を行うように適切に訓練されそして資格を与えられた医療専門家により外来患者または入院患者(inpatient)ベースで行われ得る。望ましくは、患者は、外科的手順の間、全身麻酔または局所麻酔下におかれる。
【0029】
本発明の1つの実施形態において、外科的方法は、挿入デバイス350(図5Aを参照のこと)を、好ましくは図2に60として示されるような背部の標的領域を通して、骨(例えば、骨折した椎体105)に経皮的に挿入する工程を包含する。挿入デバイス350は、好ましくは鋭利な末端を有する、任意の型および大きさの中空の装置であり得る。1つの好ましい実施形態において、挿入デバイス350は、直径約11ゲージの中空針を備える。11ゲージ針は、この手順に好ましい。なぜならば、この針は、種々の器具および材料の通過を可能にするのに十分な大きさの中空チューブキャビティを組み込むが、この針の全体の大きさは、患者における骨および組織の損傷を最小にするのに十分な程小さいからである。しかし、種々のその他の大きさの針アセンブリ(6〜14ゲージの針を含む)が、本発明のデバイスおよび方法と共に使用され得、種々の結果を与えることが理解されるべきである。さらに、種々の他のアクセス器具(例えば、米国特許第4,969,888号、同第5,108,404号、同第5,827,289号、同第5,972,015号、同第6,048,346号、および同第6,066,154号(これらの各々が本明細書中で参考として援用される)に記載されるような器具)は、種々の結果を伴い、本発明の技術により使用され得る。
【0030】
挿入デバイス350は、好ましくは、強固な非反応性の医療等級の材料(例えば、外科用スチール)から構成される。所望される場合、挿入デバイス350は、操作アセンブリに装着される。この操作アセンブリは、非反応性で医療等級の材料から構成され、この材料としては、プラスチック、セラミック、金属、複合材、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS),ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、または外科用スチールが挙げられるがこれらに限定されない。図5Aは、本発明の種々の実施形態と共に典型的に使用される市販の針アセンブリを示し、これらは、さらに以下に記載される。
【0031】
図5Aに示されるように、11ゲージ生検針(Franklin Lakes,NJのBecton Dickinson & Coから市販される)のような挿入デバイス350は、背部の軟質組織を通って椎体105に挿入され得る。一般的に、このような手順のためのアプローチは、経茎的(transpedicular)であるが、当業者に周知の処置レベルおよび/または邪魔になる解剖学的特徴に依存して、種々のその他のアプローチ(側方アプローチ、茎外(extrapedicular)アプローチおよび/または前方アプローチを含む)が使用され得る。1つの実施形態において、デバイス350は、当該分野で周知のように、針本体348およびスタイレット349を備える。デバイス350の挿入の間、デバイス350の位置は、望ましくは可視化装置(例えば、リアルタイムX線、CTスキャン装置70(図2を参照のこと)、MRI、または当業者に一般的に使用される任意の他のモニタリング装置)を使用してモニタリングされる。これらの装置としては、BrainLab CorporationまたはGeneral Electric Corporationから市販されるシステムのようなコンピュータ補助誘導装置およびマッピング装置を含む。
【0032】
1つの好ましい実施形態において、挿入デバイス350の遠位端351は、椎体105において、好ましくは椎体105の後側に向いた位置に位置付けられる。所望ならば、遠位端351は、前側向きを含めて、椎体105全体の種々の場所に位置付けられ得る。一旦位置決めされると、挿入デバイス350のスタイレット349は取外され(図5Bを参照のこと)、そしてキャビティ形成デバイス200が、シャフト348を通って椎体105に挿入され得る。図5Cを参照のこと。キャビティ形成デバイス200(これは、望ましくは生物学的に適合性でかつ医療用に許容可能な材料で構成される)は、小さな機械的タンプ(tamp)、リーマー、穿孔機、バルーンカテーテル(以下に記載される)または海綿質を移動させ得る任意の適切なデバイスであり得る。一旦キャビティ形成デバイスが椎体105内に位置付けられると、このデバイスを使用して、海綿質115を移動して、それによりキャビティ170を生成する。図5Fを参照のこと。
【0033】
図9および10に示される1つの実施形態において、キャビティ形成デバイスは、バルーンカテーテル200を備える。バルーンカテーテル200は、望ましくは椎体の少なくとも20%を横切って延びるが、生成されるキャビティの所望の大きさに依存して、これよりも多いかまたは少ない量を延び得る。この実施形態において、バルーンカテーテル201が膨張するにつれて、海綿質は、制御された様式でキャビティ170から全体的に外へと除去され、望ましくはキャビティ170の外周辺のかなりの部分の周りに、圧縮された骨の領域172を形成する。
【0034】
バルーンカテーテル200(これは以下により詳細に記載される)は、シャフト348の中空内部を通って椎体105へと適合するような大きさにされるかまたは折り畳まれる。一旦、椎体105内の所望の位置に位置すると、バルーンカテーテル190は、医療適用における使用に適切な加圧充填媒体275(空気、窒素、生理食塩水または水を含むがこれらに限定されない)で満たされる。図5Dおよび11を参照のこと。好ましい実施形態において、充填媒体275は、放射線不透性流体(例えば、St.Louis,MOのMallinkrodt,Inc.から市販されるConray(登録商標)液)であり、この流体により、医師は、膨張の間、カテーテル190を可視化し得る。所望の場合、カテーテルを膨張させる代替方法(機械的エキスパンダー、ジャッキ、拡張スプリングおよび/または膨張/発泡剤を含む)が種々の結果を伴って使用され得る。
【0035】
1つの実施形態において、カテーテル201は、任意の適切な容積まで膨張されて、椎体105内にキャビティ170を生成する。好ましい実施形態において、カテーテル201は、少なくとも容量が0.20ccまで膨張されるが、骨質および骨密度に依存して、1、2、4、6、または8ccのような有意に大きなサイズまで膨張され得る。キャビティを生成した後、カテーテル201は、収縮され(図5Eを参照のこと)、そして椎体105およびシャフト348から除去される。(図5Fを参照のこと)。骨充填剤180を、針本体348に適合性の任意の型のプランジャー、押出し機および/またはフィードラインアセンブリ349を使用して、シャフト348を通して椎体105に導入する。一旦骨充填剤の注入が完了すると、シャフト348が引き抜かれ得る。
【0036】
所望の場合、バルーンカテーテル201の一部は、一時的または永久に椎体105内に残され得る。例えば、キャビティ形成および膨張媒体の除去の後、バルーンカテーテル201の収縮膨張部分は、骨充填剤180で再充填されて、椎体105内に残され得る。あるいは、膨張媒体275は、骨充填剤180を含み得る。バルーンカテーテル201がこのような膨張媒体で充填された後、カテーテル201の少なくとも一部は、永久にキャビティ170内に残され得る。代替の実施形態において、カテーテル201(キャビティ170内に残ることを意図される)は、生体吸収性材料および/または拡張可能な構造体として布帛/メッシュ材料を備え得る。
【0037】
キャビティ170の生成の際に、カテーテル201の膨張は、拡張可能な材料210を海綿質115に対して押し出させ、これがキャビティ170の周辺部の大部分に沿って圧縮骨領域または「シェル」172を形成し得る。このシェル172は、望ましくは骨充填剤180がキャビティ170から出るのを阻止するかまたは防止し、それにより骨充填剤の溢出を阻止し、かつ/または所望の場合、キャビティ内での骨充填剤180の加圧を容易にする。キャビティ170内の圧力が増加するにつれて、キャビティ170の壁は、骨充填剤180によって、望ましくはさらに外側に押しやられ、椎体105内のさらなる海綿質を圧縮し、かつ/またはキャビティ170のサイズを増大させる。十分な圧力が利用可能であり、そしてシェル172の完全性が、骨充填剤180が有意に漏れることなしに維持され得る場合、骨折した皮質骨を動かし得る圧力が発生され得る。
【0038】
本発明の1つの実施形態において、キャビティ形成の後、一定量の材料(例えば、骨充填剤180)は、低圧下でシャフト348を通って椎体105に導入される。骨充填剤の量は、望ましくはキャビティ170の容積より大きいが、より少ない骨充填剤が種々の結果を伴って導入され得る。一旦キャビティ170が実質的に充填されると、骨充填剤180の続きの導入は、望ましくはキャビティ170内の骨充填剤180を加圧し、その結果、増加した圧力が、キャビティ壁の少なくとも一部を外側に移動させ、それによりキャビティ170を拡大し、そしてさらに海綿質を圧縮し、かつ/または皮質骨を移動させる。望ましくは、骨充填剤180の導入は、骨充填剤の椎体からの漏出が切迫しているように見えるか、皮質骨が骨折前の位置を回復したか、かつ/または医師が、十分な骨充填剤180が骨内に注入されたと決定するまで続けられる。所望の場合、医師は、キャビティ形成デバイスを利用して、骨充填剤のためのさらなるキャビティを生成し得るか、またはシャフト348が椎体から除去されてこの手順を完了し得る。
【0039】
骨充填剤180は、整形外科手術で使用される任意の適切な充填剤料であり得、これらの材料としては、同種移植片組織もしくは自家移植片組織、ハイドロキシアパタイト、エポキシ、PMMA骨セメント、または合成代用骨(Wright Medical Technology, medical grade plaster of parisからのOsteoset(登録商標)、Norian CorporationからのSkeletal Repair System(SRS(登録商標))セメント、またはZimmerからのCollagraft等)が挙げられるが、これらに限定されない。骨充填剤180が椎体105に導入されるにつれて、この導入は、骨充填剤180が椎体105の外側に流出しないことを確実にするために、望ましくはX線透視検査または任意の他の適切なモニタリングデバイスもしくは方法によりモニタリングされる。可視化を容易にするために、骨充填剤180は、透視検査剤(例えば、放射線不透性の硫酸バリウム)と混合され得る。別の実施形態において、骨充填剤180は、骨セメントの混合物およびチキソトロピー材料(これは、望ましくは骨セメントの溢出を制限および/または防止する)を含み得る。
【0040】
図5G〜5Lに示される、開示される方法の代替の実施形態において、第1の骨充填剤180は、キャビティ170内に導入され、第1の骨充填剤180の量は、望ましくはキャビティ170の容積より少ないか、またはキャビティ170の容積にほぼ等しい。例えば、キャビティ170を生成するために利用されたバルーンカテーテル200が1.0ccの膨張流体で膨張される場合、約1.0cc以下の骨充填剤180は、最初にキャビティ170内に注入される。当然のことながら、所望の場合、キャビティの容積より多い量の第1の骨充填剤180は、キャビティ内に注入され得る。次いで、シャフト348は、椎体105内に再び位置付けられ、(図5Hを参照のこと)デバイス350の遠位端351は、望ましくはキャビティ170に含まれる第1の骨充填剤180のボーラス400内に位置する。図5Iに最もよく示されるように、次いで第2の量の骨充填剤182は、椎体105中に注入され、この充填剤は、望ましくは第1の量の骨充填剤180を、キャビティ170の壁に対して外側に追いやる。望ましくは、第1の量の骨充填剤180は、キャビティ170からの溢出に耐え、キャビティ170の壁に対して外側に押し、さらに海綿質115を圧縮しかつ/またはキャビティ170のサイズを増大させる。第2の量の骨充填剤182の導入は、望ましくは椎体からの骨充填剤の漏出が切迫しているように見えるか、皮質骨がその骨折前の位置を回復したか、かつ/または医師が、十分な骨充填剤180が骨に注入されたと決定するまで、続けられる。所望の場合、医師は、カテーテル200を再挿入して、さらなるキャビティを生成し得るか、またはシャフト348が除去されてこの手順を完了し得る。
【0041】
図8A〜8Cは、開示される方法の代替の実施形態を示し、ここで、医師は、第1の材料(例えば、骨充填剤180)をキャビティ170に導入し、続いてキャビティ形成デバイス200を骨に挿入する。次いで、このキャビティ形成デバイス200は、拡張され、そして望ましくは、この骨充填剤180をこのキャビティの壁に対して圧縮し、任意の有意な亀裂および/またはセメントが流れる静脈通路を密封する。1つのさらなる実施形態において、医師は、このキャビティ形成デバイスを取り出す前および/または第2の材料(例えば、骨充填剤)を導入する前に、第1の骨充填剤を部分的または完全に硬化させるために、待ち得る。続いて、この第2の材料(示されず)は、ほとんど漏出の心配なく、椎体に注入され得る。所望ならば、この方法は、セメント漏出が差し迫っているようである場合はいつも使用され得、そして医師が十分な骨充填剤180が骨に注入されたことを決定するまで、複数回繰り返される。さらに、医師は、皮質骨がその以前に骨折した位置を快復するまで、この手順を繰返し得る。代替の実施形態において、医師は、第1の骨充填剤の導入の前にキャビティ形成デバイスを使用し、次いでこの第1の骨充填剤をキャビティに導入し、続いて記載される方法の1つ以上に従う。
【0042】
第1の骨充填剤は、望ましくは、キャビティに導入され得るが、第2の骨充填剤がこのキャビティに注入される場合に、このキャビティおよび/または椎体からの溢出に耐える材料を含む。本発明の一実施形態において、この第1および第2の骨充填剤は、骨セメントを含み、第1の骨セメントは、第2の骨セメントより溢出に対して抵抗性である。例えば、第1の骨セメントの成分は、第1の骨セメントが第2の骨セメントより速く硬化するように、特別に適応され得る。あるいは、この第1の骨セメントは、第2の骨セメントの前に調製され、そして/または椎体に導入され、第2の骨セメントの前に第1の骨セメントが部分的にかまたは完全に硬化され得る。あるいは、第1の骨セメントの硬化(curing)および/または固化(hardening)は、(例えば、熱を適用することによって)促進されるか、または第2の骨セメントの硬化および/または固化は、(例えば、冷却によって)遅延され得る。別の実施形態において、この第1および第2の骨充填剤は、骨セメントを含み、第1の骨セメントは、望ましくは、第2の骨セメントより粘性である。別の代替の実施形態において、この第1の骨充填剤は、拡張可能構造体(例えば、ステント)を含む。
【0043】
別の実施形態において、第1の骨充填剤は、第2の骨充填剤より粘性の材料を含み、この第1および第2の骨充填剤は、異なる材料を含む。別の実施形態において、この第1の骨充填剤は、第2の骨充填剤よりも海綿質への溢出に対してより抵抗性である材料を含む。別の実施形態において、第1の骨充填剤は、第2の骨充填剤中の粒子よりも一般的に大きな粒子を有する材料を含む。さらなる実施形態において、第1の骨充填剤の粒子は、一般的に、海綿質内の平均細孔サイズよりも大きい。別の実施形態において、第1の骨充填剤は、硬化可能(settable)材料(例えば、ツーパートプラスチック材料または他の硬化可能(curable)生体材料)を含む。
【0044】
図16A〜16Dは、開示される方法の代替の実施形態を示し、ここで、第1の材料(例えば、骨充填剤180)は、最初に、ヒト骨の海綿質115(例えば、椎体105)に導入される。続いて、拡張可能構造体210(例えば、バルーンカテーテル200の遠位端において見られるような構造体)が、椎体105に挿入される。次いで、拡張可能構造体210は、拡張され、これは骨充填剤180および/または海綿質115をずらし、椎体105内にキャビティ170を作製する。一実施形態において、拡張可能構造体210の拡張は、骨充填剤180を海綿質115の方にさらに押しつけ、そして/または海綿質をさらに圧迫する。骨充填剤180の漏出を最小化するために、この骨充填剤は、拡張可能構造体210の拡張の前に、部分的にかまたは完全に固化され得る。あるいは、この拡張可能構造体210が拡張され得、そして骨充填剤180は、この拡張可能構造体210の周りで部分的または完全に同化され得る。いずれの場合においても、第2の材料(任意のさらなる骨充填剤)は、キャビティ170に導入され得る。一実施形態において、この第2の材料は、静止位置において骨を支持する材料である。この方法は、セメント漏出が差し迫っているようである場合はいつも使用され得、そして医師が、十分な量の様々な材料が骨に導入されたことを決定するまで、複数回繰り返され得る。あるいは、この医師は、皮質骨領域または以前骨折した位置付近の場合には、充填材料の導入を停止し得る。
【0045】
海綿質内にキャビティおよび/または好ましい流路を作製することによって、本発明は、海綿質への骨充填剤の非常に高圧の注入の必要性を排除する。所望ならば、骨充填剤は、大気圧および/または周囲圧においてかまたはその付近で、あるいは、約400ポンド/平方インチ未満の圧力で、骨充填剤送達システム(例えば、PCT公開番号WO00/09024(これは本明細書中で参考として援用される)に記載されるシステム)を使用して、骨に注入され得る。従って、より粘性の骨充填剤(例えば、濃化骨セメント)が、低圧下で骨に注入され得(例えば、周囲圧または大気圧におけるかまたはその付近の送達圧で、送達デバイスを出る)、骨の外側のセメント漏出および/または溢出の機会を減少する。
【0046】
(キャビティ形成デバイス)
本発明はまた、開示される本発明の技術に従って構築されるキャビティ形成デバイスを含む。一実施形態において、このキャビティ形成デバイスは、図9、10および11に示されるように、バルーンカテーテル201を備える。このカテーテルは、中空チューブ205を備え、この中空チューブ205は、望ましくは、医療グレードの材料(例えば、プラスチックまたはステンレス鋼)から構成される。この中空チューブ205の遠位端206は、一般的にバルーンカテーテルに使用されるような可撓性材料(金属、プラスチック、複合材料、ポリエチレン、マイラー、ゴムまたはポリウレタンを含むが、これらに限定されない)から構成される拡張可能材料210により囲まれる。1つ以上の開口部250は、遠位端206付近のチューブ205に配置され、望ましくは、このチューブ205の中空内部と、このチューブ205とこの拡張可能構造体210との間に形成される管腔との間の流体連絡を可能にする。1つ以上の膨張ポート222、224を有する継手220は、このチューブ205の近位端207に固定される。この実施形態において、一旦、カテーテル201が、椎体105内の所望の位置に存在すると、膨張媒体275は、この膨張ポート222を通してこの継手220に導入され、ここで、この媒体は、継手220を通り、中空チューブ205を通り、開口部(単数または複数)250を通って、拡張可能構造体210と中空チューブ205との間の管腔274に移動する。この膨張媒体275が注入される場合、この膨張媒体275の圧力は、この拡張可能構造体210を中空チューブ205から離され、この拡張可能構造体210を外向きに膨張させ、それにより海綿質115を圧縮し、そしてキャビティ170を形成する。一旦、所望のキャビティサイズが達成されると、この膨張媒体275は、カテーテル200から引き出され、この拡張可能構造体は、キャビティ170内で圧潰し、そしてカテーテル200が引き出され得る。
【0047】
例えば、本発明の1つの好ましい実施形態に従って構築されるバルーンカテーテル201は、11ゲージの針と共に使用するために適切であり、このカテーテル201は、0.035インチの外径および10.75インチの長さを有する中空ステンレス鋼皮下チューブ205を備える。1つ以上の開口部250が、このチューブ205の遠位端から約0.25インチの所に形成される。好ましい実施形態において、中空チューブ205の遠位端206は、当該分野で周知の任意の手段(接着剤を含む)を使用して密閉して閉じられる。
【0048】
一実施形態において、中空チューブ205は、プラスチックの押出し成形したチューブを備える拡張可能構造体210により実質的に取り囲まれる。一実施形態において、このプラスチックチューブは、0.046インチの内径、0.082インチの外径、および9インチの長さを有する。このプラスチックチューブの遠位端206は、当該分野で公知の手段(例えば、適切な接着剤)によって、中空チューブ205の遠位端に結合される。あるいは、このプラスチックチューブは、当該分野で周知の手段によって、中空チューブ205の遠位端206の周りで熱密閉され得る。3/16インチの外径を有する熱収縮チューブ215の3/4インチ長の部品は、プラスチックチューブの近位端の周りに固定され得る。一実施形態において、中空チューブ205の近位端は、継手220に挿入され、そして熱収縮チューブ215は、望ましくは、当該分野で公知の適切な接着剤を使用して、継手220に結合される。この継手220は、多数の部品メーカーから市販されるルアーT型継手であり得、当業者に公知の任意の適切な材料から作製され得る。この継手220は、さらなる機器(例えば、ポンプおよびシリンジ(示されず))への取付けのために、1つ以上のポート222、224を備える。所望ならば、この中空チューブ205は同様に、適切な接着剤を使用して、この継手220に結合され得る。あるいは、図12に示されるように、拡張可能構造体210は、この中空チューブ205より有意に短くあり得、そしてその遠位端206およびその近位端209において、中空チューブ205に結合される。
【0049】
この中空チューブ205および1つ以上の開口部250は、開示される手順の間、カテーテルからの膨張媒体の引き出しを容易にする。カテーテルが収縮している場合、この拡張可能構造体210は、通常、チューブ205に対して圧潰し、このチューブ205は、しばしば管腔を密閉して閉じ(少なくとも1つの第2の引き出し経路の非存在下で)、そしてカテーテルの拡張可能構造体210からの膨張媒体のさらなる引き出しを阻止する。しかし、開示される本発明の実施形態において、チューブ205の遠位端付近の1つ以上の開口部250により、膨張媒体275は中空皮下チューブ205を通して引き出され、拡張可能構造体210をさらに収縮し得る。この中空皮下チューブ205の強固な壁は、膨張媒体を排除する真空下における圧潰に抵抗し、膨張媒体のための流路を維持し、そしてカテーテルから膨張媒体を迅速に引き出し、このことは、望ましくは、たった数秒のカテーテルの収縮を可能にする。
【0050】
開示される実施形態において、カテーテル201が膨張される場合、膨張媒体275は、代表的には、拡張可能構造体210と中空チューブ205との間の管腔全体を満たし、カテーテル201をこの拡張可能構造体210の長さ全体に沿って拡張しようとする。しかし、カテーテル201の大部分が、シャフト348の管腔内に位置され、カテーテル201の遠位端206は、椎体105内に伸張するため、シャフト348は、望ましくは、拡張可能構造体210の拡張を制限し、主にカテーテル200の遠位端206において、拡張可能構造体210を拡張させる。望ましくは、カテーテル201のさらなる挿入または引き出しは、シャフト348の遠位端から伸張する拡張可能構造体210の量を変え、これにより椎体105内を自由に拡張する拡張可能構造体210の長さを増加または減少する。椎体105へ挿入するカテーテル201の量を選択することによって、医師は、外科的手順の間、拡張可能構造の長さを変え、最終的にカテーテル201により生成されるキャビティ170のサイズを変え得る。従って、開示される実施形態は、様々な長さの複数のカテーテルの必要性を排除および/または軽減し得る。所望ならば、マーク269(図9を参照のこと)が、シャフト348から伸張するカテーテル201の長さに対応するカテーテルの近位端に沿って配置され得、これにより医師は、椎体105内のカテーテル200の拡張可能構造体210のサイズを判断し得る。同様に、以下に開示される代替の実施形態において、キャビティ形成デバイス201は、シャフト348の先端部を越えて伸張する剛毛425の長さに対応するマークを取込み得る。
【0051】
図13に示される代替の実施形態において、カテーテルの拡張可能部分211の長さは、第2の位置214に中空チューブ205に沿って拡張可能構造体210を固定および/または接着し、それにより第2の位置214を越える拡張を制限することによって、さらに制限され得る。例えば、拡張可能部分211の所望の最大長さが3インチである場合、この拡張可能構造体210は、中空チューブ205の遠位端206から約3インチ離れた第2の位置214で、中空チューブ205に固定され得る。望ましくは、この配置により、医師は、カテーテル201の残りの部分203の拡張を制限および/または防止しつつ、3インチまでの拡張可能部分211の拡張長さを選択し得る。この配置はまた、シャフト本体348の近位端191から伸張するカテーテルの部分202の望まない拡張を防止し得る(図5Cを参照のこと)。
【0052】
上記のように、開示される実施形態において、拡張可能構造体は、望ましくは、中空チューブの遠位端に固定され、このことは、この拡張可能構造体210が、例えば完全な放射状の引き裂きにより引き裂かれたかまたは傷付けられた場合、拡張可能構造体210の断片の回収を容易にする。中空チューブ205は望ましくは、拡張可能構造体210の断片(示されず)に取り付けられたままであるため、これらの断片は、中空チューブ205と共に椎体105から引き出され得る。さらに、遠位取り付けは、望ましくは、中空チューブ205の長手軸に沿った拡張可能構造体210の有意な拡張を防止および/または軽減する。
【0053】
図17は、本発明の代替の実施形態に従って構成された、キャビティ形成デバイス300を示す。この実施形態の多くの特徴は、先に記載した実施形態と類似であるので、同様の参照番号が、同様の構成要素を示すために使用される。この実施形態において、中空チューブ205は、フィッティング220(例えば、T型フィッティング)を通って延び、そしてキャップ310に固定される。好ましい実施形態において、中空チューブ205は、フィッティング220に対して回転し得る。所望であれば、シール(図示せず)(例えば、シリコーンまたはTeflon(登録商標)のOリング)が、近位フィッティング222に組み込まれて、中空チューブ205を通る膨張媒体の漏出を制限および/または防止し得る。
【0054】
使用中に、キャビティ形成デバイス300は、先に記載した実施形態と類似の様式で、海綿質を圧縮し、そして/またはキャビティを形成する。しかし、一旦、キャビティが形成され、そしてデバイス300の引き抜きが所望されると、キャップ310が回転され得、拡張可能材料210をフィッティング220に対してねじり、そして拡張可能構造体210を中空チューブ205に対して引く(望ましくは、デバイス300の拡張可能な部分の外径全体を最小にする)。次いで、デバイス300は、シャフト348を通して容易に引き抜かれ得る。拡張可能な構造体210が可塑的に変形したか、または何らかの様式で故障した場合でさえも、この実施形態は、容易な引き抜きおよび/または挿入のために、拡張可能な構造体210が中空チューブ205の周囲に巻かれることを可能にする。あるいは、中空チューブ205は、フィッティング220の長手方向軸に対して移動可能であり得、このことは、拡張可能な構造体210を、中空チューブ205に対してさらに伸縮させる。
【0055】
図6Aおよび6Bは、本発明の代替の実施形態に従って構成された、キャビティ形成デバイス410を示す。キャビティ形成デバイス410は、挿入デバイス350のシャフト348を通るように所望の大きさにされる、シャフト420を備える。ハンドルアセンブリ415(これは、キャビティ形成デバイス410の操作を容易にする)が、シャフト420の近位端412に固定されている。1つ以上のワイヤまたは「剛毛」425が、シャフト420の遠位端423に固定されている。剛毛425は、溶接、ハンダ付け、接着または当該分野において周知の他の固定手段によって、シャフト420に固定され得る。あるいは、剛毛425は、シャフト420と一体的に形成され得るか、またはレーザーもしくは当該分野において周知の他の手段を使用して、シャフトからエッチングされ得る。剛毛およびシャフトは、強靭な非反応性の医療等級の材料(例えば、外科用鋼鉄)で形成され得る。1つの実施形態において、剛毛425は、シャフト425の長手方向に沿って延びるが、シャフトの軸からわずかに外向きに放射する。この様式で、剛毛425は、シャフト348を通過するために収集または「収束」され得るが、シャフト348から出る際には拡張または「扇状に広がり」得る。所望であれば、これらの剛毛は、海綿質115への通過を容易にするために、直状または湾曲状であり得る。さらに、所望であれば、1つ以上の剛毛425は中空であり得、デバイス410の挿入の間に、開業医が海綿質の生検サンプルを採取することを可能にする。
【0056】
図7に示すように、キャビティ形成デバイス410は、望ましくは、標的の骨(例えば、椎体105)に位置するシャフト348を通して挿入され得る。剛毛425が海綿質115に入るにつれて、剛毛425は、望ましくは、骨115を移動させ、そして1つ以上のキャビティ426または好ましい流路を、椎体に作製する。所望であれば、開業医は、剛毛425をシャフト348内に引き戻し、キャビティ形成デバイス410を再配置し(例えば、デバイス410を回転させることによって)、そして剛毛425を再挿入し、これによって、海綿質115においてさらなるキャビティを作製し得る。
【0057】
キャビティ形成デバイス410の除去の後に、骨充填剤のような材料(図示せず)が、シャフト348を通して導入され得る。骨充填剤は、望ましくは、剛毛425によって作製されたキャビティ426を通って初めに移動する。所望であれば、開業医は、骨充填剤の導入を中断し得、そしてキャビティ形成デバイス410を再挿入することによって、さらなるキャビティを作製し得る。さらに、骨充填剤の漏出が起こるかまたは起こりそうである場合には、開業医は、骨充填剤の注入を中断し、上記のようにさらなるキャビティを作製し、導入された/漏出した骨充填剤が十分に固化してさらなる管外遊出に抵抗性となるまで待ち、その後、骨充填剤の導入を続け得る。先に記載したように、骨充填剤は、結果が変化する多くの異なる材料または材料の組合せを含み得る。
【0058】
図14は、本発明の代替の実施形態に従って構成された、キャビティ形成デバイス500を示す。キャビティ形成デバイス500は、挿入デバイス350のシャフト348を通過する大きさにされた、シャフト520を備える。ハンドルアセンブリ515(これは、キャビティ形成デバイス500の操作を容易にする)が、シャフト520の近位端512に固定されている。望ましくは、キャビティ形成デバイス500のシャフト520は、挿入デバイス350のシャフト348より長い。シャフト520の遠位端525は、海綿質115への通過を容易にすると考えられ得(図示せず)、または椎体105の前壁10を貫通する機会を最小にするように、丸められるかもしくは平坦にされ得る。さらに、所望であれば、シャフト520の遠位端525は、中空であり得(図示せず)、開業医がデバイス500の挿入の間に海綿質115の生検サンプルを採取することを可能にする。
【0059】
図15は、本発明の代替の実施形態に従って構成された、キャビティ形成デバイス600を示す。キャビティ形成デバイス600は、挿入デバイス350のシャフト348を通過するような大きさにされた、シャフト620を備える。ハンドルアセンブリ615(これは、キャビティ形成デバイス600の操作を容易にする)が、シャフト620の近位端612に固定されている。シャフト620は、望ましくは、挿入デバイス350のシャフト348より長い。シャフト620の遠位端625は、海綿質115を通る通過を容易にすると考えられ(図示せず)、または椎体105の前壁10の貫通の機会を最小にするために、丸められるかもしくは平坦にされ得る。この実施形態において、デバイス600の遠位端625は、ドリルねじ627を組み込み、これは、海綿質115を通してのデバイス600の前進を容易にし得る。さらに、所望であれば、シャフト620の遠位端625は、中空であり得、開業医がデバイス600の挿入の間に海綿質115の生検サンプルを採取することを可能にする。
【0060】
デバイスの除去の後に、骨充填剤(図示せず)が、シャフト348を通して導入され得る。望ましくは、この骨充填剤は、このデバイスによって作製されたキャビティを通って初めに移動する。所望であれば、開業医は、骨充填剤の導入を中断し得、そしてこのデバイスを再挿入することによって、さらなるキャビティを作製し得る。さらに、骨充填剤の漏出が起こるかまたは起こりそうな場合には、開業医は、骨充填剤の導入を中断し、上記のようにさらなるキャビティを形成し、導入された/漏出した骨充填剤が十分に固化するのを待ち、その後、骨充填剤の導入を続け得る。先に記載したように、骨充填剤は、結果が変化する多くの異なる材料または材料の組み合わせを含み得る。
【0061】
図18〜20は、本発明の別の代替の実施形態に従って構成された、キャビティ形成デバイス600aを示す。このデバイスの構成要素の多くは先に記載したものと類似であるので、類似の参照番号が、類似の構成要素を示すために使用される。キャビティ形成デバイス600aは、シャフト620aを備え、このシャフトは、挿入デバイス350のシャフト348を通過するための大きさにされる。ハンドルアセンブリ615a(これは、キャビティ形成デバイス600aの操作を容易にする)が、シャフト620aの近位端612aに固定される。シャフト620aは、望ましくは、挿入デバイス350のシャフト348より長い。シャフト620aの遠位端625aは、海綿質115への通過を容易にするために、丸められるかまたは面取りされ得、あるいは椎体105の前壁10を貫通する可能性を最小にするために、平坦にされ得る。
【0062】
開口部またはウィンドウ700が、望ましくは、シャフト620aに形成される。図19および20に示すように、拡張可能な構造体710が、シャフト620aの少なくとも部分的に内部に、望ましくはウィンドウ700に隣接した位置に、配置される。シャフト620aを通って延びる管腔を通しての膨張流体の導入の際に、拡張可能な構造体710が拡張し、そして拡張可能な構造体710の少なくとも一部が、ウィンドウ700を通ってシャフト620aの外側に延びる。望ましくは、この構造体が拡張し続ける場合に、拡張可能な構造体710は、ウィンドウ700を通って「成長」し(図20のP1→P2→P3へと)、これによって、海綿質を圧縮し、キャビティを作成し、そして/または海綿質を移動させる。拡張可能な構造体710の収縮の際に、拡張可能な構造体710の大部分は、望ましくは、このツールを椎体から除去するために、シャフト620a内に引き戻される。1つの実施形態において、拡張可能な構造体710を構成する材料の少なくとも一部は、この構造体が拡張するにつれて可塑的に変形する。
【0063】
拡張可能な構造体710は、医療デバイスの適用において一般的な、可撓性の材料(プラスチック、ポリエチレン、マイラー、ゴム、ナイロン、ポリウレタン、金属、セラミックまたは複合材料が挙げられるが、これらに限定されない)から構成され得る。望ましくは、シャフト620aは、拡張可能な構造体710の材料より拡張に対して抵抗性の材料(ステンレス鋼、セラミック、複合材料および/または硬質プラスチックが挙げられるが、これらに限定されない)を含む。代替の実施形態において、拡張可能な構造体710およびシャフト620aに対して、類似の材料であるが、異なる厚みおよび/または量で使用され得、これによって、拡張可能な構造体がシャフト620aの材料より拡張しやすくされる。拡張可能な構造体710は、当該分野において周知の種々の手段(溶接、融解、接着などのような手段が挙げられるが、これらに限定されない)によって、シャフト620aに直接結合され得る。代替の実施形態において、拡張可能な構造体は、シャフト620aの内側または外側に、あるいはその組合せで、固定され得る。
【0064】
先に記載したように、キャビティ形成デバイス500、600および600aのいずれかが、標的の骨(例えば、椎体105)に位置するシャフト348を通して挿入され得る。このデバイスが海綿質115に入るにつれて、このデバイスは、望ましくは、骨115を移動させ、そして1つ以上のキャビティを、椎体に形成する。所望であれば、医師は、このデバイスをシャフト348内に引き戻し得、そして必要なように再挿入して、所望のキャビティを海綿質115に作製し得る。
【0065】
図18〜20のキャビティ形成デバイスの実施形態において、キャビティ形成デバイス600aは、付随する挿入デバイスなしで利用され得る。このような場合には、このキャビティ形成デバイスは、望ましくは、椎体の軟部組織および皮膚性骨/海綿質を貫通し得る、鋭利な遠位端を組み込む。所望であれば、この遠位端は、中空または中実の構成であり得る。同様に、拡張可能な構造体の大きさおよび構成、ならびにキャビティ形成デバイスの所望の強度に依存して、ウィンドウが、シャフト620aの周囲のいくらかの周囲に延び得る。
【0066】
1つ以上のキャビティを海綿質115内に作製することによって、本発明のキャビティ形成デバイスは、望ましくは、骨充填剤180のための好ましい流路を作製する。さらに、このキャビティ形成デバイスはまた、望ましくは、キャビティ外の他の天然の流路(例えば、海綿質の静脈および/または亀裂)を閉鎖および/またはブロックし得る。さらに、本明細書中に開示される方法およびデバイスを使用して、骨に既に導入された骨充填剤を操作し得る。従って、本発明は、椎体の外側へのセメントの漏出の可能性を低下させ、そして/または椎体の有意な部分にわたる骨充填剤の分布を改善する。さらに、本発明に記載される、キャビティおよび所望の流路の作製は、より大きな制御下で、そしてより低い圧力下で、より安全に生体材料を交換することを可能にする。
【0067】
上記特定の用途に加えて、本明細書中に開示されるキャビティ形成デバイスおよび方法は、弱化した、罹患した、そして/または破砕した骨、ならびに身体全体にわたる種々の位置にある他の器官の処置および/または補強における使用に、十分に適合される。例えば、開示されるデバイスおよび方法を使用して、補強材料および/または医薬(例えば、癌薬、置換骨細胞、コラーゲン、骨マトリックス、鉱物質除去したカルシウム、および他の材料/医薬)を、破砕し、弱化し、そして/または病変した骨に直接送達し得、これによって、これらの材料の効力を増加させ、弱化した骨を補強し、そして/または治癒を促進する。さらに、このような材料を身体内の1つの骨に注入することにより、医薬/材料が身体内の他の骨および/または器官に移動しそして/また配送されることが可能となり得、これによって、この材料および/または医薬が直接注入されない骨および/または他の器官の質を高める。
【0068】
本発明の他の実施形態および用途は、本明細書の考察および本明細書中に開示される本発明の実施から、当業者に明らかである。本明細書中で参照された全ての文献は、具体的かつ全体的に、本明細書中に参考として援用される。本明細書および実施例は、例示のみと考えられるべきであり、本発明の真の範囲および意図は、添付の特許請求の範囲によって示される。当業者によって容易に理解されるように、開示された実施形態の各々の変形および改変は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内で、容易になされ得る。
(要約)
本発明は、骨折した骨および/または病変した骨を処置するためのデバイスおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、種々のデバイス(キャビティ形成デバイスを含む)を使用して、骨折した骨および/または病変した骨を修復、補強および/または処置するためのデバイスおよび方法に関する。1つの好ましい実施形態では、本発明は、このような手順を容易にする改良された椎骨形成術手順および外科的機器に関する。本発明の方法の一般的な実施形態では、挿入デバイス(好適には、11ゲージ脊髄針アセンブリ)が、針の位置決めをモニターするために蛍光透視X線を用い、標的とされた椎体中に挿入される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
骨折した骨/病変した骨を修復、補強/処置するための外科用器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、1つの椎骨における圧縮骨折をもつ脊柱の図である。
【図2】図2は、手術を受けようとする患者の図である。
【図3】図3は、圧縮骨折を示す腰椎の一部切り欠き側面図である。
【図4】図4は、腰椎の頂頭図である。
【図5A】図5Aは、椎体中に挿入された脊髄針を示す腰椎の側面図である。
【図5B】図5Bは、脊髄針からスタイレットが取り除かれた、図5Aの腰椎の側面図である。
【図5C】図5Cは、椎体中に挿入された本発明の1実施形態に従ってキャビティ形成デバイスが構成された、図5Bの腰椎の側面図である。
【図5D】図5Dは、キャビティ形成デバイスが膨張した、図5Cの腰椎の側面図である。
【図5E】図5Eは、キャビティ形成デバイスが収縮した、図5Dの腰椎の側面図である。
【図5F】図5Fは、キャビティ形成デバイスが椎体から除去された、図5Eの腰椎の側面図である。
【図5G】図5Gは、骨充填剤が椎体中に注入された、図5Fの腰椎の側面図である。
【図5H】図5Hは、脊髄針がキャビティ中に進行した、図5Gの腰椎の側面図である。
【図5I】図5Iは、第2の骨充填剤が椎体中に注入された、図5Hの腰椎の側面図である。
【図5J】図5Jは、さらなる骨充填剤が椎体中に注入された、図5Iの腰椎の側面図である。
【図5K】図5Kは、さらなる骨充填剤が椎体中に注入された、図5Jの腰椎の側面図である。
【図5L】図5Lは、脊髄針が椎体から取り除かれた、図5Kの腰椎の側面図である。
【図6A】図6Aは、本発明の代替の実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aのキャビティ形成デバイスの遠位端のクローズアップ図である。
【図7A】椎骨中に挿入されている図6Aのキャビティ形成デバイスを示す腰椎の側面図である。
【図7B】図7Bは、キャビティ形成デバイスが椎骨内に配置された図7Aの腰椎の側面図である。
【図7C】図7Cは、キャビティ形成デバイスが椎骨から引き抜かれた図7Bの腰椎の側面図である。
【図8A】図8Aは、本発明の教示に従う、椎体を処置する代替手順を示す、腰椎の側面図である。
【図8B】図8Bは、キャビティ形成デバイスが骨充填剤中に挿入された、図8Aの腰椎の側面図である。
【図8C】図8Cは、キャビティ形成デバイスがキャビティ中で拡張した、図8Bの腰椎の側面図である。
【図9】図9は、本発明の1つの実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図10】図10は、図9のキャビティ形成デバイスの遠位端のクローズアップ図である。
【図11】図11は、膨張媒体によるバルーン材料の膨張を示す、針の遠位端から突出するバルーンカテーテルの遠位端のクローズアップ図である。
【図12】図12は、本発明の代替の実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図13】図13は、本発明の別の代替の実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図14】図14は、本発明の別の代替の実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図15】図15は、本発明の別の代替の実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図16A】図16Aは、本発明の教示に従う椎体を処置するための代替手順を示す腰椎の側面図である。
【図16B】図16Bは、骨充填剤が椎骨中に注入された図16Aの腰椎の側面図である。
【図16C】図16Cは、キャビティ形成デバイスが椎骨中に挿入された図16Bの腰椎の側面図である。
【図16D】図16Dは、キャビティ形成デバイスがキャビティ中で拡張した図16Cの腰椎の側面図である。
【図17】図17は、本発明の別の代替の実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図18】図18は、本発明の別の代替の実施形態に従って構成されたキャビティ形成デバイスの側面図である。
【図19】図19は、図18のキャビティ形成デバイスの線19−19に沿った断面図である。
【図20】図20は、図18のキャビティ形成デバイスの線20−20に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0071】
10 圧縮骨折
50 患者
60 背部標的領域
70 CTスキャン装置
100 腰椎
150 脊柱管
350 挿入デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
遠位端を有するシャフトを含むキャビティ形成デバイスであって、該シャフトが、少なくとも一部、海綿質によって占領される内部容量を有する椎体中への経皮接近通路を通って導入されるサイズであり、該キャビティ形成デバイスが、該シャフト内に少なくとも一部保持される拡大可能な構造、および該シャフトから外方の所望の方向に該拡大可能な構造の拡大を方向付け該海綿質中にキャビティを生成する、該遠位端から間隔を置かれた該シャフトの側面中の開口部を含む、キャビティ形成デバイス、および
該キャビティ中に材料を運搬するための皮下接近通路を通って導入されるサイズの充填デバイス、を備える、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−44544(P2007−44544A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267394(P2006−267394)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【分割の表示】特願2001−574036(P2001−574036)の分割
【原出願日】平成13年4月5日(2001.4.5)
【出願人】(502140020)カイフォン インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】