説明

高−k材料の触媒補助ケイ酸塩の堆積方法

【課題】高-kケイ酸塩原子層堆積法を提供する。
【解決手段】ケイ酸ハフニウム層を得るために、基板をハフニウム前駆体の脈動と、酸化剤の脈動と、シリコン前駆体の脈動と、他の酸化剤の脈動にさらす。付加的に触媒を1以上の反応種とともに別々の入口を通してチャンバ内に並流させてもよい。変形例では、反応種を浸漬手順に導入する前に触媒をチャンバに流してもよい。触媒を別々の入口を通して並流させるか、あるいは触媒浸漬を行うことによって、ケイ酸ハフニウム形成を高速及び/又は低温で進めることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
技術分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的に、ケイ酸ハフニウム層を原子層堆積(ALD)によって堆積する方法に関する。
【関連技術の説明】
【0002】
[0002]半導体処理、フラットパネルディスプレイ処理、又は他の電子デバイス処理の分野において、気相堆積法は、材料を基板上に堆積するのに重要な役割を果たしてきた。電子デバイスの形状は、縮小し続け、デバイスの密度は増大し続けているので、特徴部のサイズとアスペクト比は、より挑戦的になってきている。従って、材料のコンフォーマルな堆積によりこれらのデバイスを形成することがますます重要になってきている。
【0003】
[0003]従来の化学気相堆積(CVD)は、約0.15μmまでのデバイスの形状とアスペクト比でうまくいくことが分かっているが、より挑戦的なデバイス形状には代わりの堆積技術が要求される。非常に注目を受けている技術の1つは、ALDである。ALDプロセス中、反応ガスが、基板を収容するプロセスチャンバ内に連続的に導入される。一般的に、第1の反応種が、プロセスチャンバ内に脈動され、基板表面上に吸着する。次いで、第2の反応種が、プロセスチャンバ内に脈動され、第1の反応種と反応して、堆積物質を形成する。各反応ガスの分配の間に、排気及び/又はパージステップが行われることがある。パージステップは、反応ガスの分配の間の、キャリヤガス又は脈動パージによる連続的なパージである。
【0004】
[0004]ALDによるケイ酸ハフニウムの形成は、当技術分野で知られている方法である。ALDによるケイ酸ハフニウムの形成において、ハフニウム前駆体がチャンバ内に脈動され、その後酸化源が脈動される。その後、シリコン前駆体がチャンバ内に脈動され、その後酸化源が脈動される。酸化源と触媒の反応性により、高-kケイ酸塩を堆積するとき、酸化源は、多くの課題を提示する。
【0005】
[0005]それゆえ、ALDにおいて高-k材料の触媒補助ケイ酸塩を堆積する方法が、当技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]ケイ酸ハフニウムALD法を高-kシリコン法の例として開示する。ケイ酸ハフニウム層を形成するために、基板をハフニウム前駆体の脈動、酸化剤の脈動、シリコン前駆体の脈動、及び他の酸化剤の脈動にさらす。触媒を付加的に1以上の反応種とともに別々の入口を通してチャンバ内に並流させてもよい。変形例では、反応種を浸漬手順に導入する前に触媒をチャンバに流してもよい。触媒を別々の入口を通して並流させるか、あるいは触媒浸漬を行うことによって、ケイ酸ハフニウム形成を高速及び/又は低温で進めることができる。
【0007】
[0007]一実施形態では、ケイ酸ハフニウム堆積法を開示する。本方法は、順次、基板をチャンバ内に位置決めするステップと、基板をハフニウム前駆体にさらすステップと、基板を第1の触媒浸漬液にさらすステップと、基板を第1の酸化源にさらすステップと、基板をシリコン前駆体にさらすステップと、基板を第2の触媒浸漬液にさらすステップと、次いで基板を第2の酸化源にさらすステップと、を含む。
【0008】
[0008]他の実施形態では、ケイ酸ハフニウム堆積法を開示する。本方法は、順次、基板をチャンバ内に位置決めするステップと、基板をハフニウム前駆体にさらすステップと、基板を第1の酸化源と第1の触媒にさらすステップであって、第1の触媒と第1の酸化源が、別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップと、基板をシリコン前駆体にさらすステップと、次いで基板を第2の酸化源と第2の触媒にさらすステップであって、第2の触媒と第2の酸化源が別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップとを含む。
【0009】
[0009]更に他の実施形態では、ケイ酸ハフニウム堆積法を開示する。本方法は、順次、基板をチャンバ内に位置決めするステップと、基板をハフニウム前駆体にさらすステップと、基板を水とピリジンにさらすステップであって、水とピリジンが、別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップと、基板をヘキサクロロジシランにさらすステップと、次いで基板を水とピリジンにさらすステップであって、水とピリジンが別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップと、を含む。
【0010】
[0010]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本発明のより詳細な記載を実施形態を参照して示し、実施形態の幾つかを添付図面に示す。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、それゆえ本発明の範囲を限定すると考えてはならず、本発明は他の効果的に等しい実施形態も含むことが留意されなければならない。
【0011】
[0017]理解を容易にするために、可能な場合は、図面間で共通である同一要素を示すために、同一の符号を用いた。一実施形態に開示された要素は、特に記載することなしに他の実施形態に有益に利用することができることを意図する。
【詳細な説明】
【0012】
[0018]ケイ酸ハフニウムALD法を高-kシリコン法の例として開示する。ケイ酸ハフニウム層を得るために、基板をハフニウム前駆体の脈動、酸化剤の脈動、シリコン前駆体の脈動、及び他の酸化剤の脈動にさらす。触媒を付加的に1以上の反応種とともに別々の入口を通してチャンバ内に並流させてもよい。変形例では、反応物質を浸漬手順に導入する前に触媒をチャンバに流してもよい。触媒を別々の入口を通して並流させるか、あるいは触媒浸漬を行うことによって、ケイ酸ハフニウム形成を高速及び/又は低温で進めることができる。
【0013】
[0019]図1Aは、本発明の一実施形態による装置100の概略図である。装置100は、真空チャンバ102を含む。装置100は、基板104が配置される1以上のサセプタ106を収容するバッチ装置100であるのがよい。一実施形態では、装置100は単一基板104装置であるのがよい。他の実施形態では、サセプタなしに、1以上の基板を保持することができるウエハボートを用いてもよい。処理量を増すために同時に1枚より多い基板104を処理するのが有益である。バッチプロセスが提示する1つの難題は、ウエハ間の均一性を維持することである。
【0014】
[0020]前駆体をインジェクタプレナム108を通して装置100に供給してもよい。インジェクタプレナム108は、プレナム壁110とインジェクションプレート114を備えるのがよく、それらは一緒にインジェクションプレナムチャンバ122を囲み、インジェクションプレナムチャンバ122を画成する。インジェクションプレート114は、複数の孔116を有し、孔116を通して前駆体ガス、パージガス、キャリヤガスが真空チャンバ102内に流れる。インジェクションプレート114は、真空チャンバ102がインジェクタプレナム108の低圧側部112となるように、インジェクタプレナム108を真空チャンバ102から分離する。前駆体、パージガス、キャリヤガスは、コンジット118a-118dを通してインジェクタプレナム108に導入することができる。
【0015】
[0021]装置100は、排気プレナム124を通して排気することができる。排気プレナムは、排気プレナムチャンバ128を取り囲み、排気プレナムチャンバ128を画成する、排気プレート126とプレナム壁130を備えるのがよい。複数の孔132が排気プレート126に存在するのがよい。ガスは、排気口136を通して排気プレナム124から排気される。
【0016】
[0022]付加的なガスをコンジット134を通して排気プレナム124に導入するのがよい。付加的なガスは、反応副生成物を軽減し又は転換することができ、さもなければ反応生成物が排気プレナム124と真空チャンバ102の表面上に凝集する。スロットルバルブ138が、真空チャンバ102の圧力を制御することができる。
【0017】
[0023]ALDによって高-kケイ酸塩を形成するとき、ハフニウム前駆体のような高-k前駆体を装置100に分配することができる。ケイ酸ハフニウム層を堆積するために用いることができるハフニウム前駆体の例は、ハロゲン化物のようなリガンドを含有するハフニウム化合物、アルキルアミノ、シクロペンタジニエル、アルキル、アルコキシド、これらの誘導体又はこれらの組み合わせを含む。ハフニウム前駆体として有用なハフニウムハライド化合物は、HfCl、Hfl、及びHfBrを含む。ハフニウム前駆体として有用なハフニウムアルキルアミノ化合物は、(RR’N)Hf(R又はR’は独立して水素、メチル、エチル、プロピル、又はブチルである)を含む。ハフニウム含有材料を堆積するのに有用なハフニウム前駆体は、(EtN)Hf(TDEAH)、(MeN)Hf(TDMAH)、(MeEtN)Hf(TEMAH)、(BuCHfCl、(CHfCl、(EtCHfCl、(MeHfCl、(Me)HfCl、(PrCHfCl、(PrCHfCl、(BuCHfMe、(acac)Hf、(hfac)Hf、(tfac)Hf、(thd)Hf、(NOHf、(BuO)Hf、(PrO)Hf、(EtO)Hf、(MeO)Hf、又はこれらの誘導体を含む。
【0018】
[0024]本発明をケイ酸ハフニウムに関して上述してきたが、本発明は、また、Al、Zr、La及びSrを含有するケイ酸塩のような他の高-k材料にも適用できることが理解されるべきである。用いることができる高-k前駆体の例は、米国特許出願公開第2006/0019033号に見られ、この開示内容は本願明細書に援用される。
【0019】
[0025]シリコン前駆体も、また、装置100に分配することができる。ケイ酸ハフニウムの堆積に有用なシリコン前駆体の例は、シラン、アルキルシラン、アミノシラン、アルキルアミノシラン、シラノール、又はアルコキシシランを含む。例えばシリコン前駆体は、(MeN)Si、(MeN)SiH、(MeN)SiH、(MeN)SiH、(EtN)Si、(EtN)SiH、(MeEtN)Si、(MeEtN)SiH、Si(NCO)、MeSi(NCO)、SiH、Si、SiCl、SiCl、MeSiCl、HSiCl、MeSiCl、HSiCl、MeSi(OH)、MeSi(OH)、(MeO)Si、(EtO)Si、又はこれらの誘導体を含む。シリコン前駆体として有用な他のアルキルアミノシラン化合物は、(RR’N)4-nSiH(R又はR’は独立して水素、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであり、n=0-3である)を含む。他のアルコキシシランは、一般化学式(RO)4-nSiL、R=メチル、エチル、プロピル、又はブチル、L=H、OH、F、Cl、Br、又はI及びこれらの混合物)によって記載することができる。また、本発明の幾つかの実施形態において高級シランをシリコン前駆体として用いるのがよい。高級シランは、同一出願人に譲渡された米国特許出願公開第2004/0224089号(この開示内容は本願明細書に全体で援用される)に開示される。幾つかの実施形態では、シリコン前駆体は、トリス(ジメチルアミノ)シラン((MeN)SiH又はトリスDMAS)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン((MeN)Si又はTDMAS)又は他のジアルキルアミノシランを含み、他の実施形態では、シリコン前駆体は、シラン(SiH)又はシラノールを含む。更に他の実施形態では、シリコン前駆体はヘキサクロロジシラン(HCDS)を含む。更に他の実施形態では、シリコン前駆体は、テトラキスエトキシシラン(TEOS)を含む。
【0020】
[0026]ALDプロセスにおいてケイ酸ハフニウムを形成するための酸化源は、酸素(O)、オゾン(O)、酸素原子(O)、過酸化水素(H)、亜酸化窒素(NO)、一酸化窒素(NO)、五酸化二窒素(N)、二酸化窒素(NO)、水(HO)、アルコール、これらの誘導体又はこれらの組み合わせを含む。例示的実施形態では、酸化源は水(HO)を含む。
【0021】
[0027]水を酸化源として用いる場合、触媒を供給して、ALDを触媒が存在しないときに起こるよりも高速且つ低温で進めることができる。用いることができる触媒の例としては、アンモニア及びピリジンが挙げられる。ピリジンと水は、相互作用してしまう。それゆえ、水とピリジンが同一の入力コンジットを通してチャンバに一緒に並流する場合、水及びピリジンは、チャンバに達する前に相互作用する。水とピリジンが相互作用する場合、ピリジンは、もはや触媒として効果的に機能せず、従って、ALD堆積速度は増大しない。
【0022】
[0028]チャンバに達する前の水とピリジンの相互作用を防ぐために、ピリジン及び水をインジェクタプレナムを分離する別々の供給コンジットを用いてチャンバに並流させるのがよい。図1Bは、本発明の一実施形態によるインジェクタプレナム108a-cの概略図である。図1Bに示すように、各コンジット118a-118dは、別々のインジェクタプレナム108a-108dに供給される。そのため、ピリジンと水がチャンバに達するまでピリジン-水相互作用を防止することができる。
【0023】
[0029]HCDS及びTEOSのようなシリコン前駆体及びTDMAH、TEMAH、TDEAH及びHfClのようなハフニウム前駆体は、ピリジンと相互作用しない。それゆえ、シリコン前駆体とピリジンは、同一のコンジット及びインジェクタプレナムを用いてチャンバに並流させることができる。一実施形態では、ピリジンとシリコン前駆体は、同一のコンジット及びインジェクタプレナムを用いてチャンバに流すことができる。他の実施形態では、ピリジンとシリコン前駆体を、別々のコンジット及びインジェクタプレナムを用いてチャンバへ流してもよい。更に、ハフニウム前駆体とピリジンを同一のコンジット及びインジェクタプレナムを用いてチャンバに並流させることができる。一実施形態では、ピリジンとハフニウム前駆体を同一のコンジット及びインジェクタプレナムを用いてチャンバに流すことができる。他の実施形態では、ピリジンとハフニウム前駆体を別々のコンジット及びインジェクタプレナムを用いてチャンバに流してもよい。
【0024】
[0030]ピリジンと水を別々のインジェクタプレナム及びコンジットを用いて並流させる代わりとして、水をチャンバに導入する前に基板をピリジン浸漬液にさらす。ピリジン浸漬は、他の前駆体又は水のような酸化剤を導入することなしに基板をピリジンにさらすことを含んでもよい。基板をピリジンで飽和させるのに十分な時間、基板をピリジンにさらすのがよい。一実施形態では、ピリジン浸漬は、10秒を超えて行う。ピリジン浸漬を行うことによって、十分な触媒がチャンバ内及び基板表面に存在することができ、水前駆体を導入するとき、触媒が確実に存在するようにする。ピリジンが既にチャンバ内にあるので、水がチャンバに達する前に、水と相互作用することによって全てのピリジンが消費されることはない。ピリジン浸漬を行う場合、付加的なピリジンを酸化剤と、シリコン前駆体と、ハフニウム前駆体と並流させるのがよい。一実施形態では、ピリジン浸漬を行い、シリコン前駆体、続いて水をチャンバに分配するとき、ピリジンをチャンバ内に流し続ける。他の実施形態では、ピリジン浸漬を行い、水分配とシリコン前駆体分配中、ピリジン分配を停止する。更に他の実施形態では、ピリジン浸漬を行い、ハフニウム前駆体、続いて水をチャンバに分配するとき、ピリジンをチャンバ内に流し続ける。更に他の実施形態では、ピリジン浸漬を行い、水分配とハフニウム前駆体分配中、ピリジン分配を停止する。ピリジンにより、約100℃から約300℃までのような低温で反応を生じることができる。一実施形態では、温度範囲は約150℃から約200℃である。温度が下がるにつれて、ケイ酸ハフニウムの成長速度が増大する。
【0025】
[0031]アンモニアを触媒として用いる場合、アンモニア浸漬をピリジン浸漬に関して上述したのと同様の方法で行うことができる。アンモニアは、同一の、又は別々の入口を用いてハフニウム及びシリコン前駆体とともにチャンバに並流させる。アンモニア流は、また、前駆体をチャンバに流す間、中断する。酸化源をチャンバに供給する間、アンモニアをチャンバに付加的に供給するのがよい。アンモニアは、酸化源と同一の入口又は別々の入口を用いて供給する。更に、アンモニア浸漬を酸化源の導入の前に行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0026】
[0032]図2は、本発明の一実施形態による堆積方法のフローチャート200である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置することができる(ステップ202)。次いで基板を所望によりピリジン浸漬液にさらしてもよい。ピリジン浸漬は、少なくとも10秒間行うのがよい。所望のピリジン浸漬に続いて、ハフニウム前駆体の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ204)。ハフニウム前駆体をチャンバに導入する間、ピリジンを所望によりチャンバに供給してもよい。
【0027】
[0033]ハフニウム前駆体の脈動に続いて、チャンバをパージ及び/又は排気することができる(ステップ206)。用いることができるパージガスの例としては、アルゴンのような不活性ガスが挙げられる。一実施形態では、パージガスは窒素を含むのがよい。チャンバを排気して、パージガスとチャンバ内に存在する全ての残留ハフニウム前駆体を除去するのがよい。一実施形態では、パージステップのみ行い、排気は行わない。変形例では、パージステップを除去し、チャンバを排気してハフニウム前駆体を除去してもよい。一実施形態では、パージガス導入の前と後の両方で排気を行うのがよい。他の実施形態では、パージ及び排気の両方を繰り返すのがよい。排気及び/又はパージは、複数回行うのがよい。更に他の実施形態では、パージ及び排気を、1つのステップに結合してもよい。
【0028】
[0034]排気及び/又はパージに続いて、ピリジン浸漬を行うことができる(ステップ208)。第1のピリジン浸漬の後、水のような酸素源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ210)。酸素源をチャンバに導入する間、ピリジンを所望によりチャンバ内に並流させてもよい。もしピリジンを水とともにチャンバ内に並流させるならば、水とピリジンが同時に同一のコンジットと入口を通してチャンバに流れないように、ピリジン及び水はチャンバへの別々の入口を有する。
【0029】
[0035]酸素源の脈動をチャンバに供給した後、チャンバを上述したように再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ212)。排気及び/又はパージの後、所望により他のピリジン浸漬を行ってもよい。その後、シリコン前駆体をチャンバ内に脈動させることができる(ステップ214)。シリコン前駆体をチャンバ内に導入する間、ピリジンを所望によりチャンバに供給してもよい。シリコン前駆体脈動に続いて、チャンバを再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ216)。
【0030】
[0036]排気及び/又はパージに続いて、基板を他のピリジン浸漬にさらすことができる(ステップ218)。ピリジン浸漬は、上述したピリジン浸漬に示される同一の処理条件下で行うことができる。ピリジン浸漬に続いて、HOのような酸化源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ220)。ピリジンが浸漬ステップから既にチャンバ内に存在するので、触媒として働くのに十分なピリジンが存在する。基板をHOのような酸化源にさらすことに続いて、他の排気及び/又はパージサイクル(ステップ222)を上述した条件下で行うことができる。
【0031】
[0037]チャンバを排気及び/又はパージした後、ケイ酸ハフニウム層の厚さを測定して所定のケイ酸ハフニウム厚さに達しているか決定することができる(ステップ224)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返すのがよい。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ226)。
【0032】
[0038]図3は、本発明の他の実施形態による堆積方法のフローチャート300である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置することができる(ステップ302)。次いで基板を所望によりアンモニア浸漬液にさらしてもよい。アンモニア浸漬は、少なくとも10秒間行うのがよい。選択的なアンモニア浸漬に続いて、ハフニウム前駆体の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ304)。ハフニウム前駆体をチャンバに導入する間、アンモニアを所望によりチャンバに供給してもよい。
【0033】
[0039]ハフニウム前駆体の脈動に続いて、上述したようにチャンバをパージ及び/又は排気することができる(ステップ306)。排気及び/又はパージに続いて、アンモニア浸漬を生じてもよい(ステップ308)。アンモニア浸漬の後、水のような酸素源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ310)。酸素源をチャンバに導入する間、アンモニアを所望によりチャンバ内に並流させてもよい。アンモニアと水のような酸素源は、同一のコンジット又は別々のコンジットを通してチャンバに供給する。
【0034】
[0040]酸素源の脈動をチャンバに供給した後、チャンバを上述したように再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ312)。排気及び/又はパージの後、他のアンモニア浸漬を所望により行ってもよい。その後、シリコン前駆体をチャンバ内に脈動させることができる(ステップ314)。シリコン前駆体をチャンバに導入する間、アンモニアを所望によりチャンバに供給してもよい。シリコン前駆体脈動に続いて、チャンバを再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ316)。
【0035】
[0041]排気及び/又はパージに続いて、基板を他のアンモニア浸漬液にさらすことができる(ステップ318)。アンモニア浸漬は、上述したアンモニア浸漬で示した同一の処理条件下で行うことができる。アンモニア浸漬に続いて、HOのような酸化源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ320)。基板をHOのような酸化源にさらすことに続いて、他の排気及び/又はパージサイクル(ステップ322)を上述した条件下で行うことができる。
【0036】
[0042]チャンバを排気及び/又はパージした後、ケイ酸ハフニウム層の厚さを測定して所定のケイ酸ハフニウム厚さに達しているか決定することができる(ステップ324)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返すのがよい。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ326)。
【0037】
[0043]図4は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート400である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置することができる(ステップ402)。ハフニウム前駆体の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ404)。ピリジンを上述したのと同様の方法で所望によりハフニウム前駆体とともにチャンバに並流させてもよい。ハフニウム前駆体の脈動に続いて、チャンバを上述したようにパージ及び/又は排気することができる(ステップ406)。
【0038】
[0044]排気及び/又はパージに続いて、水のような酸素源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ408)。酸素源をチャンバに導入する間、ピリジンをチャンバ内に並流させるのがよい。ピリジンと水は、水とピリジンが同時に同一のコンジットと入口を通してチャンバに流れないように、チャンバへの別々の入口を有する。
【0039】
[0045]酸素源とピリジンの脈動をチャンバに供給した後、チャンバを上述したように再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ410)。その後、シリコン前駆体をチャンバ内に脈動させることができる(ステップ412)。ピリジンを上述したのと同様の方法でシリコン前駆体とともにチャンバに所望により並流させてもよい。シリコン前駆体脈動に続いてチャンバを再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ414)。
【0040】
[0046]排気及び/又はパージに続いて、HOのような酸化源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ416)。酸素源をチャンバに導入する間、ピリジンをチャンバ内に並流させる。ピリジンと水は、水とピリジンが同時に同一のコンジットと入口を通してチャンバに流れないように、チャンバへの別々の入口を有する。基板をHOのような酸化源にさらすことに続いて他の排気及び/又はパージサイクル(ステップ418)を上述したような条件下で行うことができる。
【0041】
[0047]チャンバを排気及び/又はパージした後、ケイ酸ハフニウム層の厚さを測定して所定のケイ酸ハフニウム厚さに達しているか決定することができる(ステップ420)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返すのがよい。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ422)。
【0042】
[0048]図5は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート500である。最初に、1以上の基板をプロセスチャンバ内に配置することができる(ステップ502)。ハフニウム前駆体の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ504)。アンモニアを、上述したのと同様の方法で所望によりハフニウム前駆体とともにチャンバに並流させてもよい。ハフニウム前駆体の脈動に続いて、チャンバを上述したようにパージ及び/又は排気することができる(ステップ506)。
【0043】
[0049]排気及び/又はパージに続いて、水のような酸素源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ508)。酸素源をチャンバに導入する間、アンモニアをチャンバ内に並流させてもよい。水とアンモニアは、別々のコンジットと入口を通して並流してもよいし、又は同一のコンジットと入口を通して並流してもよい。
【0044】
[0050]酸素源とアンモニアの脈動をチャンバに導入した後、チャンバを上述したように再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ510)。その後、シリコン前駆体をチャンバ内に脈動させることができる(ステップ512)。アンモニアを上述したのと同様の方法で所望によりシリコン前駆体とともにチャンバに並流させてもよい。シリコン前駆体脈動に続いて、チャンバを再び排気及び/又はパージすることができる(ステップ514)。
【0045】
[0051]排気及び/又はパージに続いて、HOのような酸化源の脈動をチャンバに導入することができる(ステップ516)。酸素源をチャンバに導入する間、アンモニアをチャンバ内に並流させてもよい。アンモニアと水は、上述したように同一の又は別々のコンジットと入口を通して流れる。基板をHOのような酸化源にさらすことに続いて、他の排気及び/又はパージサイクル(ステップ518)を上述のような条件下で行うことができる。
【0046】
[0052]チャンバを排気及び/又はパージした後、ケイ酸ハフニウム層の厚さを測定して所定のケイ酸ハフニウム厚さに達しているか決定することができる(ステップ520)。もし、所定の厚さに達していなかったならば、堆積シーケンスを繰り返すのがよい。もし、所定の厚さに達していれば、次いで処理を終了する(ステップ522)。
【0047】
[0053]基板の処理について述べる場合、複数の基板を処理できることが理解されなければならない。例えば、約2枚の基板、約25枚の基板、約50枚の基板、又は約100枚の基板をバッチチャンバの中で処理することができる。更に、ピリジン浸漬は約1秒から約90分間、又は約1分から約20分間行うのがよい。変形例では、ピリジン浸漬は約30秒から約60分間、又は約20分から約40分間行ってもよい。更に他の変形例では、ピリジン浸漬を約1分から約40分間行ってもよい。
【0048】
[0054]ピリジン浸漬を行い及び/又はピリジン及びHOを別々のコンジットラインを通して並流させることによって、ピリジンが触媒として確実に働くのに十分なピリジンがチャンバ、従って基板表面に達する。HO酸化雰囲気で、ケイ酸ハフニウムALDを、約150℃から約200℃の温度範囲で増大した速度で行うことができる。更に、アンモニア浸漬を行い及び/又はアンモニアを酸化源とともに並流させることによって、ケイ酸ハフニウム層をALDによって約150℃から約200度の温度範囲で増大した速度で堆積することができる。
【0049】
[0055]上記は本発明の実施形態に関する、本発明の基本的な範囲から逸脱することなしに本発明の他の及び更なる実施形態を構成することができ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1A】図1Aは、本発明の一実施形態による装置100の概略図である。
【図1B】図1Bは、本発明の一実施形態によるインジェクタプレナム108a-cの概略図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による堆積方法のフローチャート200である。
【図3】図3は、本発明の他の実施形態による堆積方法のフローチャート300である。
【図4】図4は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート400である。
【図5】図5は、本発明の更に他の実施形態による堆積方法のフローチャート500である。
【符号の説明】
【0051】
100…装置、102…真空チャンバ、104…基板、106…サセプタ、108…インジェクタプレナム、108a…インジェクタプレナム、108b…インジェクタプレナム、108c…インジェクタプレナム、110…プレナム壁、112…低圧側部、114…インジェクションプレート、116…孔、118a…コンジット、118b…コンジット、118c…コンジット、118d…コンジット、120…ガスフロー、122…注入プレナムチャンバ、124…排気プレナム、126…排気プレート、128…排気プレナムチャンバ、130…プレナム壁、132…孔、134…コンジット、136…排気ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高-kケイ酸塩堆積法であって、連続して、
(a)少なくとも1枚の基板をチャンバ内に位置決めするステップと、
(b)該少なくとも1枚の基板を高-k前駆体にさらすステップと、
(c)該少なくとも1枚の基板を第1の触媒浸漬液にさらすステップと、
(d)該少なくとも1枚の基板を第1の酸化源にさらすステップと、
(e)該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらすステップと、
(f)該少なくとも1枚の基板を第2の触媒浸漬液にさらすステップと、次いで
(g)該少なくとも1枚の基板を第2の酸化源にさらすステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
該第1の触媒浸漬液及び第2の触媒浸漬液に用いられる触媒が、ピリジン及びアンモニアからなる群より選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該シリコン前駆体が、ヘキサクロロジシラン及びテトラキスエトキシシランからなる群より選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該少なくとも1枚の基板をパージガスにさらすステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該高-k前駆体がTDMAH、TEMAH、TDEAH、及びHfClからなる群より選ばれたハフニウム前駆体である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(b)-(g)を1回以上繰り返すステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該第1の酸化源及び第2の酸化源がHO、O、O、又は活性酸素からなる群より選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該第1の触媒浸漬液及び第2の触媒浸漬液に用いられる触媒が、同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該シリコン前駆体が、ヘキサクロロジシランを含み、該第1の触媒浸漬液及び第2の触媒浸漬液が該触媒としてピリジンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該シリコン前駆体がテトラキスエトキシシランを含み、該第1の触媒浸漬及び第2の触媒浸漬が該触媒としてアンモニアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
高-kケイ酸塩堆積法であって、連続して、
(a)少なくとも1枚の基板をチャンバ内に位置決めするステップと、
(b)該少なくとも1枚の基板を高-k前駆体にさらすステップと、
(c)該少なくとも1枚の基板を第1の酸化源と第1の触媒にさらすステップであって、該第1の触媒と該第1の酸化源が、別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップと、
(d)該少なくとも1枚の基板をシリコン前駆体にさらし、次いで、
(e)該少なくとも1枚の基板を第2の酸化源と第2の触媒にさらすステップであって、該第2の触媒と該第2の酸化源が、別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項12】
該第1の触媒及び第2の触媒が、ピリジン及びアンモニアからなる群より選ばれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該シリコン前駆体が、ヘキサクロロジシラン及びテトラキスエトキシシランからなる群より選ばれる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
該少なくとも1枚の基板をパージガスにさらすステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
該高-k前駆体が、TDMAH、TEMAH、TDEAH、及びHfClからなる群より選ばれたハフニウム前駆体である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
(b)-(e)を1回以上繰り返すステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
該第1酸化源及び第2の酸化源が、HO、O、O、又は活性酸素からなる群より選ばれる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
該シリコン前駆体が、ヘキサクロロジシランを含み、該第1の触媒及び第2の触媒が、ピリジンを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
該シリコン前駆体が、テトラキスエトキシシランを含み、該第1の触媒及び第2の触媒がアンモニアを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
ケイ酸ハフニウム堆積法であって、連続して、
少なくとも1枚の基板をチャンバ内に位置決めするステップと、
該少なくとも1枚の基板をハフニウム前駆体にさらすステップと、
該少なくとも1枚の基板を水とピリジンにさらすステップであって、該水とピリジンが、別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップと、
該少なくとも1枚の基板をヘキサクロロジシランにさらすステップと、次いで、
該少なくとも1つの基板を水とピリジンにさらすステップであって、該水とピリジンが別々の入口を通してチャンバ内に流れる、前記ステップと、
を含む前記方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−142702(P2008−142702A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−292450(P2007−292450)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】