説明

高い輝度を有する光散乱プラスチック組成物およびそのフラットスクリーンにおける使用

本発明は、透明プラスチック材料、特にポリカーボネート、およびマトリックス材料の光学密度と異なる光学密度を有する透明ポリマー粒子を含有するプラスチック組成物、並びにこのプラスチック組成物のフィルム、特に、フラットスクリーンにおける拡散フィルム、への使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明プラスチック材料、特に、ポリカーボネート、およびマトリックス材料の光学密度と異なる光学密度を有する透明ポリマー粒子を含有するプラスチック組成物、並びにこのプラスチック組成物の、フィルム、特にフラットスクリーンにおける拡散フィルムへの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな光散乱添加剤を有する透明プラスチック材料の光散乱半透明製品、およびそれらから製造される成形品が先行技術で既に知られている。
【0003】
US 2004/0066645 A1は、概して、光散乱粒子0.2〜5%を含有する光散乱材料を請求項に記載しており、その光透過率は70%超であり、曇り度は少なくとも10%である。
【0004】
散乱添加剤は、平均粒径3〜10μmを有する。
【0005】
JP 07−090167は、屈折率1.5未満かつ粒度1〜50μmの粒子1〜10%、および芳香族ポリカーボネート90〜99wt.%からなり、この粒子が芳香族ポリカーボネートに実質的に不溶性である光散乱プラスチック材料を請求項に記載している。
【0006】
散乱添加剤として、アクリレート、ポリスチレン、ガラス、二酸化チタンまたはカルシウムカーボネート粒子が使用されている。
【0007】
LCDが、一つの用途として言及されている。
【0008】
EP 0 269 324 B1の請求項1は、散乱添加剤組成物を記述しているが、従属請求項は更に散乱添加剤0.1〜10%を含有する光散乱熱可塑性ポリマー組成物を記述している。
【0009】
これに関連して、コア/シェルアクリレートのモルホロジーおよびそれらを含む光散乱コンパウンドのモルホロジーは、記述されたり更に特性を明らかにされたりしていない。
【0010】
EP 0 634 445 B1において、Paraloid EXL 5137が、無機粒子、例えば、二酸化チタン0.001〜0.3%と組み合わせて、とりわけポリカーボネートにおいて光散乱添加剤として使用され、耐老化性および従って色安定性の向上に貢献している。
【0011】
この利点は、散乱剤高含量(>2%)コンパウンドを長時間(>500時間)高い使用温度(例えば140℃)に曝す場合に特に重要になる。
【0012】
JP 2004−053998は、厚さ30〜200μmを有し、かつポリカーボネート90%超からなり、光透過率90%超を有し、フィルム表面の少なくとも片側に凹凸構造を有し、曇り度少なくとも50%を有し、30nm未満の位相差(retardation)を示す光散乱ポリカーボネートフィルムを記述している。これらの光学フィルムの請求項に記載された用途は、バックライトユニットにおける拡散フィルムとしての使用である。
【0013】
この出願において、低い複屈折性(位相差30nm未満、好ましくは20nm未満)を有する拡散フィルムが記述され、請求項に記載されている。なぜなら、それらはBLUにおいて高い輝度値をもたらすからである。
【0014】
散乱添加剤として、平均粒径1〜25μm、好ましくは2〜20μmの無機粒子(例えば、シリケート、カルシウムカーボネートまたはタルカム)、または有機粒子(例えば、架橋アクリレートまたはポリスチレン)1〜10%が使用されている。
【0015】
JP 08−146207は、少なくとも片側の表面が成形処理によって構造化された光学拡散フィルムを記述している。更に、一種類の透明散乱添加剤のみが使用される場合、添加剤がフィルムの厚さに対して不規則に分布されるフィルムが請求項に記載されている。二種類以上の散乱添加剤が使用される場合、それらはフィルムの厚さに対して均一に分布されうる。
【0016】
散乱添加剤の不規則分布の場合、フィルム表面において濃縮が起こる。
【0017】
使用されうる散乱添加剤は、平均粒径1〜25μmのアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ガラス、酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素粒子である。
【0018】
フィルムは厚さ100〜500μmを有しうる。
【0019】
JP 2004−272189は、粒径1〜50μmの散乱添加剤が使用され、かつ厚さ0.3〜3mmを有する光学拡散シートを記述している。輝度範囲5000〜6000Cd/mにおいて、輝度の差が3%未満であることが更に請求項に記載されている。
【0020】
WO 2004/090587は、LCDにおける使用に関する厚さ20〜200μmの拡散フィルムを記述しており、これらのフィルムは散乱添加剤0.2〜10%を含有し、少なくとも片側に20〜70%の光沢を有する。散乱添加剤として、粒径5〜30μmの、架橋シリコーン、アクリレートまたはタルカムが配合によって混和されている。
【0021】
JP 06−123802において、透明ベース材料と透明光散乱粒子との屈折率の差が少なくとも0.05である、厚さ100〜500μmのLCD用拡散フィルムが記述されている。このフィルムの片側は平滑であるが、もう一方の側において散乱添加剤が表面から突き出しており、構造化表面を形成している。
【0022】
散乱添加剤は粒径10〜120μmである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、先行技術で知られている拡散フィルムおよびシートは、特に、いわゆるバックライトユニットにおいて通常使用される一連のフィルムとともに使用する場合、輝度が不充分である。LCDフラットスクリーン用のいわゆるバックライトユニット用の光散乱シートの適合性を評価するために、システム全体の輝度を考えなければならない。
【0024】
原則として、バックライトユニット(直接光システム(direct light system))は、以下に記述する構造を有する。バックライトユニットは、一般的に、バックライトユニットのサイズに依存してさまざまな数の蛍光灯、いわゆるCCFL(冷陰極蛍光ランプ)が配列されているハウジングからなる。ハウジングの内部は光反射面が備えられている。厚さ1〜3mm、好ましくは2mmの拡散シートがこの照明システムに配置される。拡散シートにおいて、一連のフィルムが置かれ、このフィルムは以下の機能を有しうる:光散乱(拡散フィルム)、円偏光子、いわゆるBEF(輝度向上フィルム)による順方向における光の集束および直線偏光子。直線偏光フィルムは、その上に置かれるLCDディスプレイの真下に位置する。
【0025】
光学用途に関する光散乱プラスチック組成物は、通常、直径1〜50マイクロメートル、場合によっては最大120μmの無機または有機粒子を含有する。すなわち、拡散性および集束特性両方に関与する散乱中心を含む。
【0026】
透明散乱顔料として、原則として、透明プラスチック材料、好ましくはポリカーボネートの処理温度において破壊されない少なくとも300℃までの充分高い熱安定性を有するいずれのアクリレートが使用されてもよい。加えて、顔料はポリカーボネートのポリマー鎖の分解をもたらす官能性を有してはならない。
【0027】
以下の種類のコア−シェルアクリレートが挙げられる。
【0028】
例えば、Roehm&Haas製のParaloid(登録商標)または積水製のTechpolymer(登録商標)が透明プラスチック材料の着色に非常に首尾よく使用されうる。多数の異なるタイプがこの製造ラインに利用可能である。Paraloid族のコア−シェルアクリレートの使用が好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0029】
全く意外なことに、常套のマイクロメートルサイズの粒子、特にいわゆるコア−シェルアクリレート、およびできるだけ少量のナノスケールの粒子を含有するプラスチック組成物が、その輝度特性および同時の高い光散乱度のためにバックライトユニットに好適であることがわかった。この効果は、バックライトユニット(BLU)において典型的に使用される一連のフィルムとともに使用される場合に更に明白である。
【0030】
先行技術の特許明細書はどれも本発明によるプラスチック組成物に対応するナノスケール相の形成を検討していない。従って、本発明によるプラスチック組成物の光学特性に関するこれらの粒子の重要性もまた言及されていない。
【0031】
一般的に、平均粒度500nm未満の光散乱添加剤を含有するプラスチック組成物は、フィルムの光学特性に実質的に影響を与えない。
【0032】
意外なことに、平均粒径80〜200nmの粒子の含量がプラスチック組成物の表面積100μmあたり20個未満、好ましくは100μmあたり10個未満、特に好ましくは100μmあたり5個未満である場合にバックライトユニットの非常に良好な輝度が得られることがわかった。表面積あたりの粒子の数は、原子間力顕微鏡法(AFM)によって表面を調査することによって決定される。この方法は当業者に知られており、実施例において詳細に記述されている。このことは、プラスチック組成物がこれらのナノスケールの粒子500ppm未満、好ましくは300ppm未満、特に好ましくは100ppm未満を含有することを意味する。用語「ppm」は、組成物に基づく。
【0033】
従って、本発明は、マトリックス材料の屈折率と異なる屈折率を有する透明ポリマー粒子を含有し、平均粒径80〜200nmのナノスケールの粒子の含量がプラスチック組成物の表面積100μmあたり20個未満、好ましくは100μmあたり10個未満、特に好ましくは100μmあたり5個未満であること特徴とするプラスチック組成物を提供する。
【0034】
本発明の好ましい態様は、透明プラスチック材料、好ましくはポリカーボネート、約90〜99.95wt.%、および粒度が実質的に1〜50μmであるポリマー透明粒子、約0.01〜10wt.%を含有し、粒度80〜200nmのポリマー透明粒子500ppm以下を含有する組成物を含有するプラスチック組成物である。
【0035】
本発明は、更に、本発明によるプラスチック組成物の製造方法も提供する。
【0036】
本発明によるプラスチック組成物は、好ましくは熱可塑性処理により製造され、更に処理される。ナノスケールのポリマー粒子は、熱可塑性処理中剪断により形成される。この形成メカニズムは、押し出しフィルムにおけるAFM調査によって示される。結果を検証するために、材料一種類あたり三つのサンプルを製造し、それぞれの三箇所をそのモルホロジーに関して試験した。コア/シェルアクリレートが好ましく使用される。なぜなら、それらは本発明によるプラスチック組成物を生じるからである。
【0037】
本発明は、更に(特に、LCDディスプレイのバックライティングにおける)フラットスクリーン用の拡散フィルムへの本発明によるプラスチック組成物の使用にも関する。
【0038】
本発明によるプラスチック組成物から製造される拡散シートは、高い光透過率を有するが、同時に高い光散乱度を有し、例えば、高い光散乱度と同時に高い光透過率および見る人の方向への光の集束が非常に重要であるフラットスクリーン(LCDスクリーン)の照明システムにおいて使用されうる。そのようなフラットスクリーンの照明システムは、側面光入力(lateral light imput)(エッジライトシステム)または、側面光入力が充分でない大きなスクリーンサイズの場合、拡散フィルムの後ろの直接照明が拡散フィルムによってできるだけ均一に分配されなければならないバックライトユニット(BLU)(直接光システム)いずれかによってもたらされうる。
【0039】
このプラスチック組成物に好適なプラスチック材料は、あらゆる透明熱可塑性樹脂:ポリアクリレート、ポリメタクリレート(PMMA;Roehm製のPlexiglas(登録商標))、シクロオレフィンコポリマー(COC;Ticona製のTopas(登録商標);日本ゼオン製のZenoex(登録商標)または日本合成ゴム製のApel(登録商標))、ポリスルホン(BASF製のUltrason(登録商標)またはSolvay製のUdel(登録商標))、ポリエステル、例えば、PETまたはPEN、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ポリエステルブレンド、例えば、PC/PET、ポリカーボネート/ポリシクロヘキシルメタノールシクロヘキサンジカルボキシレート(PCCD;GE製のSollx(登録商標))、ポリカーボネート/PBT(Xylex(登録商標))である。
【0040】
ポリカーボネートの使用が好ましい。
【0041】
本発明によるプラスチック組成物の製造に好適なポリカーボネートは、あらゆる既知のポリカーボネートである。それらは、ホモポリカーボネート、コポリカーボネートおよび熱可塑性ポリエステルカーボネートである。
【0042】
好適なポリカーボネートは、好ましくは、平均分子量M18,000〜40,000、好ましくは26,000〜36,000、特に28,000〜35,000を有する(ジクロロメタン中またはフェノール/o−ジクロロベンゼンの等重量混合物中で相対溶液粘度を測定することにより決定され、光散乱により較正される。)。
【0043】
ポリカーボネートの製造は、好ましくは界面法(interfacial process)または溶融エステル交換法によって行われ、以下に界面法の例を用いて記述する。
【0044】
ポリカーボネートは、とりわけ、界面法によって製造される。このポリカーボネート合成法は、文献において何度も記述されている(一例として、H.Schnell,Chemistry and Physics of Polycarbonates,Polymer Reviews,第9巻,Interscience Publishers,ニューヨーク1964年33頁以降、Polymer Reviews,第10巻,“Condensation Polymers by Interfacial and Solution Methods”,Paul W.Morgan,Interscience Publishers,ニューヨーク1965年,第VIII章,325頁、Dres.U.Grigo,K.Kircher and P.−R.Mueller“Polycarbonate”in Becker/Braun,Kunststoff−Handbuch,第3/1巻,Polycarbonate,Polyacetale,Polyester,Celluloseester,Carl Hanser Verlagミュンヘン,ウィーン1992年,118〜145頁、およびEP−A 0 517 044参照。)。
【0045】
好適なジフェノールは、例えば、US−A 2 999 835、3 148 172、2 991 273、3 271 367、4 982 014および2 999 846、独国公開特許第1 570 703号、第2 063 050号、第2 036 052号、第2 211 956号および第3 832 396号、仏国特許明細書第1 561 518号、モノグラフ“H.Schnell,Chemistry and Physics of Polycarbonates,Interscience Publishers,ニューヨーク1964年,28頁以降;102頁以降”および“D.G.Legrand,J.T.Bendler,Handbook of Polycarbonate Science and Technology,Marcel Dekkerニューヨーク2000年,72頁以降”に記述されている。
【0046】
ポリカーボネートをジアリールカーボネートとジフェノールとから既知の溶融状態におけるポリカーボネート法(いわゆる溶融エステル交換法)によって製造することも更に可能であり、これは、例えば、WO−A 01/05866およびWO−A 01/05867に記述されている。加えて、エステル交換法(アセテート法およびフェニルエステル法)は、例えば、US−A 34 94 885、43 86 186、46 61 580、46 80 371および46 80 372、EP−A 26 120、26 121、26 684、28 030、39 845、39 845、91 602、97 970、79 075、14 68 87、15 61 03、23 49 13および24 03 01並びにDE−A 14 95 626および22 32 977に記述されている。
【0047】
ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネート両方が好適である。本発明による成分Aとしてのコポリカーボネートの製造に関して、ヒドロキシ−アリールオキシ末端基を有するポリジオルガノシロキサン1〜25wt.%、好ましくは2.5〜25wt.%(使用されるジフェノールの総量に基づく)を使用することも更に可能である。これらは既知(例えば、米国特許第3 419 634号参照)であるかまたは文献で知られている方法によって製造されうる。ポリジオルガノシロキサンを含むコポリカーボネートの製造は、例えば、DE−OS 33 34 782に記述されている。
【0048】
ポリエステルカーボネートおよびブロックコポリエステルカーボネート(特にWO 2000/26275に記述されているもの)が更に好適である。芳香族ポリエステルカーボネートの製造に関する芳香族ジカルボン酸二ハロゲン化物は、好ましくは、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルエーテル4,4’−ジカルボン酸およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸の二酸二塩化物である。
【0049】
ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、ポリマー鎖中に一方で芳香族カーボネート構造ユニット(1)を含み、他方でポリジオルガノシロキサン含有アリールオキシ末端基(2)を含むことを特徴とする。
【0050】
そのようなポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、例えば、US−PS 3 189 662、US−PS 3 821 325およびUS−PS 3 832 419で知られている。
【0051】
好ましいポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、α,ω−ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含むポリジオルガノシロキサンを別のジフェノールと共に、任意に分枝剤を常套の量で併用して、例えば、二相界面法(これに関連して、H.Schnell,Chemistry and Physics of Polycarbonates Polymer Rev.第IX巻,27頁以降,Interscience Publishersニューヨーク1964年参照。)によって、二官能性フェノール性反応物の比を芳香族カーボネート構造ユニットとジオルガノシロキシユニットの本発明による含量がそれから生じるように選択して反応させることによって製造される。
【0052】
α,ω−ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含むそのようなポリジオルガノシロキサンは、例えば、US 3 419 634で知られている。
【0053】
本発明により使用されるコア−シェルモルホロジーを有する好ましいアクリレートベースのポリマー粒子は、例えば、好ましくはEP−A 634 445に記述されているものである。
【0054】
ポリマー粒子は、好ましくはゴム様ビニルポリマーのコアを有する。ゴム様ビニルポリマーは、少なくとも一つのエチレン様不飽和基を有し、この分野の当業者に水性媒体におけるエマルジョン重合の条件下において付加重合に参加すると知られている所望のモノマーのホモ−またはコ−ポリマーでありうる。そのようなモノマーは、US 4 226 752、第3段、40〜62行に列挙されている。
【0055】
最も好ましくは、ポリマー粒子は、アルキル基が炭素原子を2〜8個有し、任意にコアの総重量に基づいて架橋剤0〜5%およびグラフト架橋剤0〜5%と共重合していてもよいゴム様アルキルアクリレートポリマーのコアを含む。ゴム様アルキルアクリレートは、好ましくは、一種類以上の共重合性ビニルモノマー(例えば、上記のもの)50%以下と共重合している。好適な架橋モノマーおよびグラフト架橋モノマーは、当業者によく知られており、好ましくはEP−A 0 269 324に記述されているものである。
【0056】
ポリマー粒子は、透明プラスチック材料、好ましくはポリカーボネート、に光散乱特性を与えるために使用されうる。ポリマー粒子のコアおよびジャケットの屈折率nは、好ましくはポリカーボネートの屈折率の+/−0.25ユニット以内、より好ましくは+/−0.18ユニット以内、最も好ましくは+/−0.12ユニット以内である。コアおよびジャケットの屈折率nは、好ましくはポリカーボネートの屈折率に+/−0.003ユニットより近くなく、より好ましくは+/−0.01ユニットより近くなく、最も好ましくは+/−0.05ユニットより近くない。屈折率は、規格ASTM D 542−50および/またはDIN 53 400に従って測定される。
【0057】
ポリマー粒子は、一般的に、平均粒径少なくとも0.5マイクロメートル、好ましくは少なくとも1マイクロメートルから100μm以下まで、より好ましくは2〜50マイクロメートル、最も好ましくは2〜15マイクロメートルを有する。用語「平均粒径」は数平均を意味すると理解されるべきである。好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%のポリマー粒子が2マイクロメートル超の直径を有する。ポリマー粒子は、さらさらのパウダー、好ましくは更にダストの量を減少させるために圧縮形態、すなわち、圧縮されてペレットを形成している。
【0058】
ポリマー粒子は、既知の方法で製造されうる。一般的に、コアポリマーの少なくとも一種類のモノマー成分をエマルジョンポリマー粒子の形成を伴ってエマルジョン重合させる。エマルジョンポリマー粒子をコアポリマーと同じモノマー成分または一種類以上の異なるモノマー成分で膨潤させ、モノマーをエマルジョンポリマー粒子内に重合させる。膨潤工程および重合工程は粒子が所望のコアサイズに成長するまで繰り返されうる。コアポリマー粒子を第二の水性モノマーエマルジョンに懸濁させ、第二のエマルジョンにおいてモノマーのポリマージャケットをポリマー粒子上に重合させる。一つのジャケットまたは複数のジャケットをコアポリマー上に重合させうる。コア/ジャケットポリマー粒子の製造は、EP−A 0 269 324および米国特許第3,793,402号および第3,808,180号に記述されている。
【0059】
意外なことに、少量の蛍光増白剤の使用が輝度値が更に増加することを可能にすることがわかった。
【0060】
本発明の一態様は、従って、ビスベンズオキサゾール、フェニルクマリンまたはビススチリルビフェニルの種類の蛍光増白剤0.001〜0.2wt.%、好ましくは約1000ppmを更に含有してもよい本発明によるプラスチック組成物によって構成される。
【0061】
特に好ましい蛍光増白剤は、Ciba Spezialitaetenchemie製のUvitex OBである。
【0062】
本発明によるプラスチック組成物は、押し出しによって製造されうる。
【0063】
押し出しに関して、ポリカーボネートグラニュールを押出機に供給し、押出機の可塑化システムにおいて溶融する。シートダイを通してプラスチック溶融物をプレスし、それによって成形し、フリクションカレンダー(friction calender)のロールスリットにおいて所望の最終形態にし、その形態を平滑ロールと周囲空気とにおける交互冷却によって固定させる。押し出しに使用される高い溶融粘度を有するポリカーボネートは、通常、260〜320℃の溶融温度において処理され、可塑化シリンダーのシリンダー温度およびダイ温度はそれに従って調節される。
【0064】
フィルム表面を構造化するのに使用されるゴムローラーは、Nauta Roll CorporationのDE 32 28 002(または相当するUS 4 368 240)に開示されている。
【0065】
一以上の側面押出機(lateral extruder)およびシートダイの上流の好適な溶融アダプターの使用によって、異なる組成を有するポリカーボネート溶融物を互いの上に置き、従って同時押出フィルムを形成することが可能である(例えば、EP−A 0 110 221およびEP−A 0 110 238参照。)。
【0066】
本発明による成形物体のベース層および任意に存在してもよい同時押出層の両方が更に添加剤、例えば、UV吸収剤および別の常套の加工助剤、特に離型剤およびフロー剤(flow agent)、並びにポリカーボネートに常套の安定剤、特に熱安定剤、並びに帯電防止剤、蛍光増白剤を含有してもよい。異なる添加剤または異なる添加剤濃度が各層に存在してもよい。
【0067】
好ましい態様において、フィルム組成物は、更にベンゾトリアゾール誘導体、二量体ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、二量体トリアジン誘導体、ジアリールシアノアクリレートの種類からのUV吸収剤0.01〜5wt.%を含有する。
【0068】
特に、同時押出層は、帯電防止剤、UV吸収剤および離型剤を含有しうる。
【0069】
好適な安定剤は、例えば、ホスフィン、ホスフィットまたはSi含有安定剤およびEP−A 0 500 496に記述されている別の化合物である。言及されうる例としては、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス−(ノニルフェニル)ホスフィット、テトラキス−(2,4−ジ−tert.−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィットおよびトリアリールホスフィットが挙げられる。トリフェニルホスフィンおよびトリス−(2,4−ジ−tert.−ブチルフェニル)ホスフィットが特に好ましい。
【0070】
好適な離型剤は、例えば、一価〜六価アルコール、特にグリセロール、ペンタエリトリトールまたはゲルベアルコールのエステルまたは部分エステルである。
【0071】
一価アルコールの例は、ステアリルアルコール、パルミチルアルコールおよびゲルベアルコールであり、二価アルコールの例は、グリコールであり、三価アルコールの例は、グリセロールであり、四価アルコールの例は、ペンタエリトリトールおよびメソエリトリトールであり、五価アルコールの例は、アラビトール、リビトールおよびキシリトールであり、六価アルコールの例は、マンニトール、グルシトール(ソルビトール)およびズルシトールである。
【0072】
エステルは、好ましくは、飽和脂肪族C10−〜C36−モノカルボン酸および任意にヒドロキシモノカルボン酸、好ましくは飽和脂肪族C14−〜C32−モノカルボン酸および任意にヒドロキシモノカルボン酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステルおよびヘキサエステルまたはそれらの混合物、特にランダム混合物である。
【0073】
市販の脂肪酸エステル、特にペンタエリトリトールおよびグリセロールの脂肪酸エステルは、その製造のため、60%未満の異なる部分エステルを含みうる。
【0074】
炭素原子10〜36個を有する飽和脂肪族モノカルボン酸は、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸およびモンタン酸である。
【0075】
好適な帯電防止剤の例は、カチオン性化合物、例えば、四級アンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウム塩、アニオン性化合物、例えば、アルキルスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルホスフェート、アルカリまたはアルカリ土類金属塩の形態のカルボキシレート、非イオン性化合物、例えば、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールエーテル、脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪族アミンである。好ましい帯電防止剤は、非イオン性化合物である。
【0076】
本発明によるプラスチック組成物は、厚さ35μm〜1000μmのポリカーボネートフィルムに加工されうる。適用の分野に依存して、それらはより厚くてもよい。フィルムは、更に、押し出しによって製造された少なくとも二つの充実成形物体(solid moulded bodies)(例えばフィルム)の多層コンポジットであってもよい。この場合、本発明によるフィルムは少なくとも二つのポリマー層から構成される。
【0077】
押し出しによるフィルムの製造に関して、ポリカーボネートグラニュールをスクリューおよびシリンダーからなる可塑化システムに入る押出機の充填漏斗(filling funnel)に供給する。
【0078】
可塑化システムにおいて、材料を供給し溶融する。シートダイを通じてプラスチック溶融物をプレスする。可塑化システムとシートダイとの間に、濾過装置、溶融ポンプ、固定混合要素(stationary mixing elements)および別の部品が配列されうる。ダイを通り過ぎる溶融物はフリクションカレンダー上を通る。ゴムローラーをフィルム表面の片側を構造化するのに使用した。最終成形をフリクションカレンダーのロールスリットにおいて行う。フィルム表面を構造化するのに使用されるゴムローラーは、Nauta Roll Corporation製のDE 32 28 002(または相当するUS 4 368 240)に開示されている。最後に、形状を冷却によって、特に平滑ロールおよび周囲大気における交互冷却によって固定する。別の装置が輸送、保護フィルムの適用および押し出しフィルムの巻き付けに役立つ。
【0079】
以下に示す実施例は本発明を限定することなく説明することを意図している。
【実施例】
【0080】
実施例
実施例1
配合:
250〜330℃のポリカーボネートに常套の加工温度における常套の二軸配合押出機(例えば、ZSK 32)を用いる光散乱コンパウンドの製造。
以下の組成を有するマスターバッチを製造した。
・Bayer MaterialScience AG製のポリカーボネートMakrolon 3108 550115、80wt.%および
・Rohm&Haas製のブタジエン/スチレンコアおよびメチルメタクリレートシェルを有し、粒度2〜15μmかつ平均粒度8μmのコア−シェル粒子Paraloid EXL 5137、20wt.%。
【0081】
フィルムの押し出し:
使用される装置は以下のものからなる。
−直径(D)75mmかつ長さ33×Dのスクリューを有する押出機。このスクリューはガス抜きゾーンを有する;
−溶融ポンプ;
−デフレクションヘッド(deflection head);
−幅450mmのシートダイ;
−水平ローラー配列(horizontal roller arrangement)の三本ロールフリクションカレンダー、三本目のローラーは水平面に対して+/−45°旋回可能である;
−ローラーコンベア;
−厚測定装置;
−両側に保護フィルムを適用する装置;
−テイクオフ装置(take−off device);
−巻き取りステーション(winding station)。
【0082】
溶融物がダイからフリクションカレンダーへ通過し、そのローラーは表1に示される温度を有する。第三のローラーはフィルム表面構造化用のゴムローラーである。フィルム表面の片側の構造化に関して、ゴムローラーを使用した。フィルム表面の構造化に使用されるゴムローラーは、Nauta Roll CorporationのDE 32 28 002(または相当するUS 4 368 240)に開示されている。材料の最終成形および冷却をフリクションカレンダーで行う。次に、フィルムをテイクオフ装置によって輸送し、保護フィルムを両側に適用し、次にフィルムを巻き取る。
【0083】
表1

【0084】
実施例2
以下の組成を有するコンパウンドを混合した。
・Bayer MaterialScience AG製のポリカーボネートMakrolon 3108 550115、96wt.%および
・Rohm&Haas製のブタジエン/スチレンコアおよびメチルメタクリレートシェルを有し、粒度2〜15μmかつ平均粒度8μmのコア−シェル粒子Paraloid EXL 5137を含有する実施例1によるマスターバッチ、4wt.%。
散乱添加剤0.8wt.%を含有する、片側が構造化された300μmフィルムを押し出した。
【0085】
実施例3
以下の組成を有するコンパウンドを混合した。
・Bayer MaterialScience AG製のポリカーボネートMakrolon 3108 550115、94wt.%および
・Rohm&Haas製のブタジエン/スチレンコアおよびメチルメタクリレートシェルを有し、粒度2〜15μmかつ平均粒度8μmのコア−シェル粒子Paraloid EXL 5137を含有する実施例1によるマスターバッチ、6wt.%。
散乱添加剤1.2wt.%を含有する、片側が構造化された300μmフィルムを押し出した。
【0086】
実施例4
配合:
常套の二軸配合押出機(例えば、ZSK 32)を用いる、ポリカーボネートに常套の加工温度250〜330℃における光散乱マスターバッチの製造。
以下の組成のマスターバッチを製造した。
・Bayer MaterialScience AG製のポリカーボネートMakrolon 3108 550115、80wt.%および
・積水製の粒度2〜15μmかつ平均粒度5μmのアクリレート散乱粒子MBX−5、20wt.%。
【0087】
フィルムの押し出し:
このコンパウンドを使用して幅1340mmの300μm厚ポリカーボネートフィルムを押し出す。
使用される装置は以下のものからなる。
−直径(D)105mmかつ長さ41×Dのスクリューを有する押出機。このスクリューは脱ガスゾーンを有する;
−デフレクションヘッド;
−幅1500mmのシートダイ;
−水平ローラー配列の三本ロールフリクションカレンダー、三本目のローラーは水平面に対して+/−45°旋回可能である;
−ローラーコンベア;
−両側に保護フィルムを適用する装置;
−テイクオフ装置;
−巻き取りステーション。
【0088】
溶融物がダイからフリクションカレンダーへと通過し、そのローラーは表1に示される温度を有する。材料の最終成形および冷却を平滑カレンダーにおいて行う。フィルム表面の片側の構造化に関して、ゴムローラーを使用した。フィルム表面の構造化に使用されるゴムローラーは、Nauta Roll CorporationのDE 32 28 002(または相当するUS 4 368 240)に開示されている。次にフィルムをテイクオフ装置によって輸送し、保護フィルムを両側に適用し、次にフィルムを巻き取る。
【0089】
表2

【0090】
実施例5
以下の組成を有するコンパウンドを混合した。
・Bayer MaterialScience AG製のポリカーボネートMakrolon 3108 550115、95wt.%および
・積水製の粒度2〜15μmかつ平均粒度5μmのTechpolymer MBX−5を含有する実施例4によるマスターバッチ、5wt.%。
散乱添加剤1.2wt.%を含有する、片側が構造化された300μmフィルムを押し出した。
【0091】
実施例6
以下の組成を有するコンパウンドを混合した。
・Bayer MaterialScience AG製のポリカーボネートMakrolon 3108 550115、50wt.%および
・積水製の粒度2〜15μmかつ平均粒度5μmのTechpolymer MBX−5を含有する実施例4によるマスターバッチ、50wt.%。
散乱添加剤10.0wt.%を含有する、片側が構造化された300μmフィルムを押し出した。
【0092】
実施例7
AFM調査
Paraloid 5137 EXLおよびTechpolymer MBX−5を含有する押し出しフィルム
実施例2および3および5および6の押し出しフィルムにAFM調査を行った。ナノスケール粒子の数およびサイズを三つの製品において三つの位置において決定し、平均を生じた。結果を以下の表に要約する。
【0093】
表3

【0094】
光学測定
実施例3および5において記述されるフィルムを以下の基準に従い、以下の測定装置を使用して光学特性について試験した。
光透過率(Ty(C2°))を決定するために、Hunter Associates Laboratory,Inc.製のUltra Scan XEを使用した。光反射(Ry(C2°))に関して、Perkin Elmer Optoelectronics製のLambda 900を使用した。曇り度決定(ASTM D 1003による)に関して、Byk−Gardner製のHazegard Plusを使用した。光散乱作用の強度の尺度として半値角HWをDIN 58161によって測角光度計を使用して決定した。輝度測定(明るさ測定)をDS LCD(LTA320W2−L02,32”LCD TVパネル)由来のバックライトユニット(BLU)においてMinolta製のLS100輝度計を用いて行った。シリアル拡散シート(serial diffuser sheet)を除去し、実施例3および5において製造されるフィルムと取り替えた。
【0095】
光学測定結果
表4

【0096】
表4に列挙される二つの実施例3および5において、散乱顔料の含量および光散乱層は同じであり、層厚は300μmである。使用されるベース材料も更に同一である。何といっても、実施例5の拡散フィルムがBLUにおいて最も高い輝度を示すことが意外である。
【0097】
輝度を測定するために、以下の手順を使用した。適切な断片を実施例3および5のフィルムから切り取り、DS LCD(LTA320W2−L02,32”LCD TVパネル)由来のバックライトユニット(BLU)に取り付けた。このために、バックライトユニットの拡散シートに直接置かれているフィルムを実施例由来のフィルムと取り替えた。実施例由来のフィルムを平滑面が拡散シート上に置かれるように配列した。取り替え後、二つの別のフィルム(二重輝度向上フィルム[DBEF]および輝度向上フィルム[BEF])(これらをバックライトユニットにおける置き換えフィルム上に置いた)を実施例由来のフィルム上に再度、オリジナルの順序(original order)および配列において置いた。順序は以下に示すとおりである。
BEF
DBEF
実施例のフィルム
拡散シート
【0098】
次にこのバックライトユニットにおいて使用される一連のフィルムありとなしとで輝度を調査した。バックライトユニットにおける全部で9つの異なる位置において(Minolta LS100輝度計を用いて)輝度を測定し、平均を計算した。
【0099】
実施例は、輝度がナノスケール粒子の数と相関することを示す。そのような粒子が少ないと、輝度が良好になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明プラスチック材料約90〜99.95wt.%および平均粒径が実質的に1〜100μmであり該透明プラスチック材料の光学密度と異なる光学密度を有する透明ポリマー粒子約0.01〜10wt.%を含有し、平均粒径80〜200nmのポリマー透明粒子500ppm以下を含有するプラスチック組成物。
【請求項2】
該透明プラスチック材料がポリカーボネートである、請求項1に記載のプラスチック組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかに記載のプラスチック組成物を含有するフィルム。
【請求項4】
少なくとも一つの同時押出層を有する、請求項3に記載のフィルム。
【請求項5】
平均粒径が実質的に1〜100μmであり該透明プラスチック材料の光学密度と異なる光学密度を有する該ポリマー透明粒子がコア−シェルモルホロジーを有するアクリレートベースの粒子である、請求項3または4に記載のフィルム。
【請求項6】
厚さ0.035〜1mmの請求項3〜5に記載のフィルム。
【請求項7】
厚さ0.035〜1mmのフィルムの製造における請求項1〜2に記載のプラスチック組成物の使用。
【請求項8】
フラットスクリーンにおける拡散フィルムとしての請求項3〜6のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項9】
請求項3に記載のフィルムを有するバックライトユニット。
【請求項10】
請求項3に記載のフィルムまたは請求項9に記載のバックライトユニットを有するLCDフラットスクリーン。
【請求項11】
高い輝度を有する光散乱プラスチック組成物およびそのフラットスクリーンにおける使用。

【公表番号】特表2009−510236(P2009−510236A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533893(P2008−533893)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009200
【国際公開番号】WO2007/039130
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】