説明

高分子材料の劣化度の評価方法

【課題】高分子材料の種類や形態によらず、高分子材料の劣化度を高感度で定量的に評価する。
【解決手段】高分子材料10の劣化に伴い高分子材料10の表面101に生成したカルボニル基11に、カルボニル基11との反応性を有する試薬12を選択的に作用させることにより、カルボニル基11を化学的に修飾し、カルボニル基11と試薬12との反応生成物13を高分子材料10の表面101に生成する。さらに、カルボニル基11と試薬12とを反応させた後の高分子材料10を熱分解ガスクロマトグラフ法で分析することにより、熱分解生成物14のうち、化学的に修飾されたカルボニル基11、すなわち、反応生成物13に由来する化合物141を定量し、化合物141の量をカルボニル基11の量とみなして、高分子材料10の劣化度の決定の基礎とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料の劣化度の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子材料を用いた製品の寿命は、当該製品を構成する高分子材料の劣化度に左右される。このため、高分子材料を用いた製品の寿命を判定するのにあたっては、当該製品を構成する高分子材料の劣化度を定量的に評価する必要がある。
【0003】
高分子材料の劣化度は、高分子材料の色、硬さ及びぬれ性等の物理的なパラメータの変化で評価することもできるが、製品を構成する高分子材料の絶縁性及び帯電性等のミクロな表面状態の変化が製品特性に影響する分野では、高分子材料の表面の官能基の量で高分子材料の劣化度を評価することが一般的となっている。
【0004】
なお、高分子材料の劣化度を評価する方法としては、例えば、特許文献1〜3及び非特許文献1に開示されている方法が知られている。
【0005】
特許文献1では、ポリアミドの劣化に伴い生成した末端アミノ基をアルデヒドで修飾し、修飾された末端アミノ基の量を可視紫外吸光度で特定することにより、ポリアミドの劣化度を評価している。この方法は、ポリアミドの分解に起因する劣化に係る劣化度の評価にのみ適用することができる。
【0006】
特許文献2では、架橋ポリエチレンの劣化に伴う蛍光スペクトルの変化により、架橋ポリエチレンの劣化度を評価している。この方法は、架橋ポリエチレンの劣化度の評価にのみ適用することができる。
【0007】
特許文献3では、合成樹脂製シートの表面張力により、合成樹脂製シートの劣化度を評価している。この方法では、表面が汚染されておらず、表面張力を評価可能な平坦面が存在する場合にのみ、劣化度を適切に評価することができる。
【0008】
非特許文献1には、ポリエチレンフィルムの表面に生成した官能基をSEWS(Surface Electromagnetic Wave Spectroscopy)で分析した例が開示されている。この方法は、感度が不十分であり、定量的な評価にも向いていない。
【0009】
これらの技術の他、高分子材料の劣化度の評価、特に、紙の劣化度の評価にあたって、劣化に伴って生成するカルボキシル基を一般的な中和滴定で定量することも行われているが、この方法では、空気中の二酸化炭素が妨害となるため、微小な劣化を評価する場合には、中和滴定時に空気を徹底的に排除しなければ、十分な精度を得ることができない。
【0010】
【特許文献1】特開2005−17041号公報
【特許文献2】特開2000−241351号公報
【特許文献3】特開2003−254893号公報
【非特許文献1】「第18回表面科学基礎講座」、日本表面科学会、1994年、p.48
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
すなわち、従来の技術には、劣化度を評価することができる高分子材料の種類や形態が著しく制限されたり、劣化度を高感度で定量的に評価することができないという問題がある。
【0012】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、高分子材料の種類や形態によらず、高分子材料の劣化度を高感度で定量的に評価することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、高分子材料の劣化度の評価方法であって、前記高分子材料の劣化に伴い前記高分子材料の表面に生成する官能基を化学的に修飾する修飾工程と、前記修飾工程を経た前記高分子材料を熱分解ガスクロマトグラフ法で分析し、化学的に修飾された前記官能基に由来する第1物質を定量する分析工程と、を備え、前記分析工程で定量された前記第1物質の量を、前記劣化度の決定の基礎とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1ないし請求項4の発明によれば、高分子材料の劣化に伴って高分子材料の表面に生成した官能基を高感度の熱分解ガスクロマトグラフ法で定量分析するので、高分子材料の種類や形態によらず、劣化度を高感度で定量的に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<実施形態1>
本発明の望ましい実施形態1では、空気中の酸素による高分子材料の劣化に係る劣化度を、高分子材料の表面に生成した官能基であるカルボニル基の量を特定することにより評価している。実施形態1に係る劣化度の評価方法は、劣化に伴い表面にカルボニル基が生成する有機高分子化合物であれば、天然高分子化合物または、縮合重合体、開環重合体及び付加重合体などの合成高分子化合物のいずれであっても適用可能であり、特定の元素若しくは原子団又は化学構造の有無に関わらず適用可能である。さらに、実施形態1に係る劣化度の評価方法は、高分子材料の形態、例えば、形状や繊維であるか否かによらず適用可能である。
【0016】
図1は、本発明の実施形態1に係る高分子材料10の劣化度の評価方法の原理を説明する図である。
【0017】
図1に示すように、実施形態1では、高分子材料10の劣化に伴い高分子材料10の表面101に生成したカルボニル基11に、カルボニル基11との反応性を有する試薬12を選択的に作用させることにより、カルボニル基11を化学的に修飾し、カルボニル基11と試薬12との反応生成物13を高分子材料10の表面101に生成している。ここで、「選択的」とは、試薬12を、高分子材料10の劣化に伴い生成するカルボニル基11と反応させる一方で、高分子材料10の劣化とは無関係の残余の部分とは反応させないことを意味している。
【0018】
さらに、実施形態1では、カルボニル基11と試薬12とを反応させた後の高分子材料10を熱分解ガスクロマトグラフ法で分析することにより、熱分解生成物14のうち、化学的に修飾されたカルボニル基11、すなわち、反応生成物13に由来する化合物141を定量し、化合物141の量をカルボニル基11の量とみなして、高分子材料10の劣化度の決定の基礎としている。
【0019】
なお、熱分解生成物14のうち、高分子材料10に由来するモノマー142も定量するとともに、モノマー142の量で化合物141の量を規格化し、モノマー142の量と化合物141の量との比を、高分子材料10の劣化度の決定の基礎とすれば、高分子材料10の重量の測定誤差や熱分解の進行度のバラツキの影響を受けることなく、高分子材料10の劣化度を高精度で評価することができる。
【0020】
カルボニル基11との反応性を有する試薬12としては、例えば、ヒドラジン類(ヒドラジン及びその置換体)を挙げることができ、より具体的には、ペンタフルオロフェニルヒドラジンを挙げることができる。ヒドラジン類を試薬12としてカルボニル基11に作用させた場合、カルボニル基11は化学的に修飾され、反応生成物13としてヒドラゾンが生成される。なお、ペンタフルオロフェニルヒドラジンをカルボニル基11に作用させる場合、ペンタフルオロフェニルヒドラジンをメタノール等の有機溶媒に溶解させた溶液に高分子材料10を浸漬するようにすればよい。
【0021】
<実施形態2>
本発明の望ましい実施形態2では、空気中の酸素による高分子材料の劣化に係る劣化度を、高分子材料の表面に生成した官能基である水酸基の量を特定することにより評価している。実施形態2に係る劣化度の評価方法は、劣化に伴い表面に水酸基が生成する有機高分子化合物であれば、縮合重合体、開環重合体及び付加重合体のいずれであっても適用可能であり、特定の元素若しくは原子団又は化学結合の有無に関わらず適用可能である。さらに、実施形態2に係る劣化度の評価方法は、高分子材料の形態、例えば、形状や繊維であるか否かによらず適用可能である。
【0022】
図2は、本発明の実施形態2に係る高分子材料20の劣化度の評価方法の原理を説明する図である。
【0023】
実施形態2では、高分子材料20の劣化に伴い高分子材料20の表面201に生成した水酸基21に、水酸基21との反応性を有する試薬22を選択的に作用させることにより、水酸基21を化学的に修飾し、水酸基21と試薬22との反応生成物23を高分子材料20の表面201に生成している。ここで、「選択的」とは、試薬22を、高分子材料20の劣化に伴い生成した水酸基21と反応させる一方で、高分子材料20の劣化とは無関係の残余の部分とは反応させないことを意味している。
【0024】
さらに、実施形態2では、水酸基21と試薬22とを反応させた後の高分子材料20を熱分解ガスクロマトグラフ法で分析することにより、熱分解生成物24のうち、化学的に修飾された水酸基21、すなわち反応生成物23に由来する化合物241を定量し、化合物241の量を水酸基21の量とみなして、高分子材料20の劣化度の決定の基礎としている。
【0025】
なお、熱分解生成物24のうち、高分子材料20に由来するモノマー242も定量するとともに、モノマー242の量で化合物241の量を規格化し、モノマー242の量と化合物241の量との比を、高分子材料20の劣化度の決定の基礎とすれば、高分子材料20の重量の測定誤差や熱分解の進行度のバラツキの影響を受けることなく、高分子材料20の劣化度を高精度で評価することができる。
【0026】
水酸基21との反応性を有する試薬22としては、例えば、酸無水物や酸塩化物を挙げることができ、より具体的には、無水トリフルオロ酢酸を挙げることができる。酸無水物や酸塩化物を水酸基21に作用させた場合、水酸基21は化学的に修飾(エステル化)され、反応生成物23としてエステルが生成される。なお、無水トリフルオロ酢酸をカルボニル基に作用させる場合、無水トリフルオロ酢酸をアセトニトリル等の有機溶媒に溶解させた溶液に、劣化度の評価対象となる高分子材料20を浸漬するようにすればよい。
【0027】
<その他>
上述の説明では、カルボニル基にヒドラジン類を作用させることにより、カルボニル基を化学的に修飾する例や、水酸基に酸無水物や酸塩化物を作用させることにより、水酸基を化学的に修飾する例を示したが、化学的に修飾される官能基と修飾に用いる試薬との組み合わせはこれらに制限されない。例えば、HMDS(Hexamethyldisilazane)又は塩化アセチル等の試薬によって、水酸基をシリル化又はアシル化してもよいし、塩酸メタノール混合液又はHMDS等の試薬によって、カルボキシル基をエステル化又はシリル化してもよい。
【0028】
<実施例1>
実施例1では、空気中で加熱劣化させたセルロースの劣化度を、実施形態1で説明した方法で評価した例について説明する。
【0029】
最初に、劣化度が異なる複数のセルロースを準備するとともに、ペンタフルオロフェニルヒドラジンのメタノール溶液(以下では、単に「メタノール溶液」と略記する)を準備した。劣化度が異なる複数のセルロースは、新品のセルロースを、加熱温度や加熱日数を変更しつつ空気中で加熱劣化させることにより得た。また、メタノール溶液は、メタノール10ccに対して、市販のペンタフルオロフェニルヒドラジン200mgを溶解させ、塩酸を数滴滴下することにより調製した。
【0030】
続いて、セルロースをメタノール溶液に浸漬し、セルロースの表面のカルボニル基とペンタフルオロフェニルヒドラジンとを反応させ、ヒドラゾン化合物を生成した。この反応は、一般的には、室温で数時間以内に完了するが、セルロースが繊維状となっている場合には、メタノール溶液を50℃まで加温して繊維内部の反応性を高めることにより、より確実に反応を完了させることが望ましい。
【0031】
さらに続いて、セルロースに付着したメタノール溶液をメタノールで洗浄し、未反応のペンタフルオロフェニルヒドラジンを除去した。セルロースが繊維状となっている場合には、超音波洗浄により、ペンタフルオロフェニルヒドラジンを確実に除去することが望ましい。
【0032】
そして、洗浄が完了したセルロースからメタノールを蒸発させ、セルロースを乾燥させた。セルロースの乾燥は、メタノールの沸点付近の温度で行うことが望ましい。
【0033】
このようにして得られたセルロースから、数100μgの小片を切り取り、熱分解ガスクロマトグラフ法による分析のための試料とした。なお、熱分解ガスクロマトグラフ法における熱分解を均一に行うためには、当該小片の形状は、可能な限り薄いことが望ましい。
【0034】
次に、市販の熱分解ガスクロマトグラフ装置の熱分解炉に試料を導入して600℃で熱分解し、発生した熱分解ガス(熱分解生成物)を、熱分解炉と細管で直結されたガスクロマトグラフ装置に導いた。そして、ガスクロマトグラフ装置で得られたクロマトグラムを解析して、ヒドラゾン化合物に由来するペンタフルオロフェニルヒドラジンを定量した。このようにして定量されたペンタフルオロフェニルヒドラジンの量、すなわち、セルロースの表面のカルボニル基の量の、高分子材料の加熱日数に対する変化を加熱温度ごとに図3のグラフに示す。なお、図3においては、カルボニル基の量は、セルロースに由来するモノマーの量で規格化されている(セルロースに由来するモノマーの量に比例する数値で除されている)とともに、新品の高分子材料において「1」となるように規格化されている。
【0035】
図3に示すように、実施例1では、加熱温度が高くなるにつれて、カルボニル基の量が増加するとともに、加熱日数が長くなるにつれて、カルボニル基の量が増加しており、実施例1の方法で特定したカルボニル基の量は、高分子材料の劣化度を示す指標値として適切であることがわかる。
【0036】
<実施例2>
実施例2では、空気中で加熱劣化させたセルロースの劣化度を、実施形態1で説明した方法で評価した例について説明する。
【0037】
最初に、165℃で3日かけて新品のセルロースを空気中で加熱劣化させることにより、同じ劣化度の複数のセルロースを準備した。
【0038】
このようなセルロースの劣化度を実施例1と同様の手順で評価した結果を図4に示す。図4は、定量されたペンタフルオロフェニルヒドラジンの量、すなわち、セルロースの表面のカルボニル基の量と熱分解炉に導入した試料の重量との関係を示すグラフとなっているが、当該グラフには、カルボニル基の量を、セルロースに由来するモノマーの量で規格化した(セルロースに由来するモノマーの量に比例する数値で除された)場合と規格化していない場合とが図示されている。
【0039】
図4に示すように、セルロースに由来するモノマーの量で規格化されている場合、カルボニル基の量と熱分解炉に導入した試料の重量とは略比例しているが、規格化されていない場合、比例関係からの逸脱が大きくなっている。このことは、試料の重量が変化したり熱分解の進行度がばらついたりした場合、モノマーの量とカルボニル基の量とが同期して増減するため、モノマーの量でカルボニル基の量を規格化すれば、試料の重量の測定誤差や熱分解の進行度のバラツキの影響を受けることなく、セルロースの劣化度を高精度で評価することができることを意味している。
【0040】
<実施例3>
実施例3では、空気中で加熱劣化させたポリエーテルの劣化度を、実施形態2で説明した方法で評価した例について説明する。
【0041】
最初に、劣化度が異なる複数のポリエーテルを準備するとともに、無水トリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液(以下では、単に「アセトニトリル溶液」と略記する)を準備した。劣化度が異なる複数の高分子材料は、新品のポリエーテルを、加熱温度や加熱時間を変更しつつ空気中で加熱劣化させることにより得た。また、アセトニトリル溶液は、市販のアセトニトリルと無水トリフルオロ酢酸とを1:2の割合で混合することにより調製した。
【0042】
続いて、準備したポリエーテルをアセトニトリル溶液に浸漬し、ポリエーテルの表面の水酸基と無水トリフルオロ酢酸とを反応させ、エステル化合物を生成した。この反応は、一般的には、室温で数時間以内に完了するが、ポリエーテルが繊維状となっている場合には、アセトニトリル溶液を50℃まで加温して繊維内部の反応性を高めることにより、より確実に反応を完了させることが望ましい。
【0043】
さらに続いて、ポリエーテルに付着したアセトニトリル溶液をアセトニトリルで洗浄し、未反応の無水トリフルオロ酢酸を除去した。ポリエーテルが繊維状となっている場合には、超音波洗浄により、無水トリフルオロ酢酸を確実に除去することが望ましい。
【0044】
そして、洗浄が完了したポリエーテルからアセトニトリルを蒸発させ、ポリエーテルを乾燥させた。ポリエーテルの乾燥は、アセトニトリルの沸点付近の温度で行うことが望ましい。
【0045】
このようにして得られたポリエーテルから、数100μgの小片を切り取り、熱分解ガスクロマトグラフ法による分析のための試料とした。なお、熱分解ガスクロマトグラフ法における熱分解を均一に行うためには、当該小片の形状は、可能な限り薄いことが望ましい。
【0046】
次に、市販の熱分解ガスクロマトグラフ装置の熱分解炉に試料を導入して600℃で熱分解し、発生した熱分解ガス(熱分解生成物)を、熱分解炉と細管で直結されたガスクロマトグラフ装置に導いた。そして、ガスクロマトグラフ装置で得られたクロマトグラムを解析して、エステル化合物に由来するトリフルオロ酢酸を定量した。このようにして定量されたトリフルオロ酢酸の量、すなわち、ポリエーテルの表面の水酸基の量の、ポリエーテルの加熱時間に対する変化を加熱温度ごとに図5のグラフに示す。なお、図5においては、水酸基の量は、ポリエーテルに由来するモノマーの量で規格化されている(ポリエーテルに由来するモノマーの量に比例する数値で除されている)とともに、新品のポリエーテルにおいて「1」となるように規格化されている。
【0047】
図5に示すように、実施例3では、加熱温度が高くなるにつれて、水酸基の量が増加するとともに、加熱時間が長くなるにつれて、水酸基の量が増加しており、実施例3の方法で特定した水酸基の量は、ポリエーテルの劣化度を示す指標として適切であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の望ましい実施形態1に係る高分子材料10の劣化度の評価方法の原理を説明する図である。
【図2】本発明の望ましい実施形態2に係る高分子材料20の劣化度の評価方法の原理を説明する図である。
【図3】セルロースの表面のカルボニル基の量の、高分子材料の加熱日数に対する変化を加熱温度ごとに示す図である。
【図4】セルロースの表面のカルボニル基の量と熱分解炉に導入した試料の重量との関係を示す図である。
【図5】ポリエーテルの表面の水酸基の量の、ポリエーテルの加熱時間に対する変化を加熱温度ごとに示す図である。
【符号の説明】
【0049】
10,20 高分子材料、11 カルボニル基、21 水酸基、12,22 試薬、13,23 反応生成物、14,24 熱分解生成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子材料の劣化度の評価方法であって、
前記高分子材料の劣化に伴い前記高分子材料の表面に生成する官能基を化学的に修飾する修飾工程と、
前記修飾工程を経た前記高分子材料を熱分解ガスクロマトグラフ法で分析し、化学的に修飾された前記官能基に由来する第1物質を定量する分析工程と、
を備え、
前記分析工程で定量された前記第1物質の量を、前記劣化度の決定の基礎とすることを特徴とする高分子材料の劣化度の評価方法。
【請求項2】
請求項1に記載の高分子材料の劣化度の評価方法において、
前記高分子材料に由来する第2物質を前記分析工程で定量するとともに、
前記分析工程で定量された前記第1物質の量と前記第2物質の量との比を、前記劣化度の決定の基礎とすることを特徴とする高分子材料の劣化度の評価方法。
【請求項3】
請求項2に記載の高分子材料の劣化度の評価方法において、
前記第2物質の量で規格化された前記第1物質の量を前記劣化度を示す指標値とすることを特徴とする高分子材料の劣化度の評価方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高分子材料の劣化度の評価方法において、
前記第2物質は、前記高分子材料を構成するモノマーであることを特徴とする高分子材料の劣化度の評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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