説明

高分子材料表面のイオン化方法

ポリマー成型品を通過する電磁波を遮蔽するため、及びポリマー成型品の帯電を防止するために、ポリマー成型品表面をイオン化する方法が公開される。この方法は、主チャンバーと主チャンバーの前後に置かれたプレチャンバーを真空ポンプを使って、10−5 torrの圧力下に維持し、対象製品を入り口チャンバーのキャリヤー上のバネホルダーを使って保持し、対象製品を余熱チャンバーと第一プレチャンバーを通って主チャンバーへ移動し、フィラメントの過熱又はイオン発生銃のアーク発生によってプラズマを発生させるものである。ここでは、イオン発生銃に供給される電源イオンビームカレントは、プラズマにヘリウムあるいはアルゴンあるいは窒素を加えることによってガス陽イオンの発生するように制御され、そして対象製品へのガス陽イオンが照射され、そしてプレチャンバーと出口チャンバーを通ってイオン化された製品は放電される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー成型品の表面をイオン化する方法に関連する。より詳しくは、本発明は、ガス状陽イオンをポリマー成型品に照射することによってポリマー成型品の表面硬度を改善し、ポリマー成型品表面に帯電することを防止し、ポリマー成型品を電磁波が通るのを遮断するような、ポリマー成型品の表面イオン化の方法に関する。したがって、利用者は、ポリマー成型品からできている容器を含めて、内部の電気・電子製品の回路デバイスから放出される種々の有害な電磁波やマイクロ波、そして電気および電子製品を構成する非伝導体で起きる静電気から遮蔽される。更に、本発明によって表面でイオン化されたポリマー成型品が電気・電子製品に使われると、電気・電子製品の寿命が延びて、ポリマー成型品はますます好んで再利用されるようになり、公害が減じるようになる。
【背景技術】
【0002】
当業者に公知のように、ポリマー成型品は、伝導性コーティング材でコートされており、あるいは携帯電話やPDA(携帯情報端末)やノートパソコンのような携帯電子端末に使われる容器を作るための添加剤や充填剤が混ぜられている。ついては、ポリマー材料からできている容器の内表面や外表面をコートする伝導性コーティング材は、携帯電子端末の電子回路デバイスから放射される有害な電磁波を遮り、携帯電子端末の容器の電気伝導度を与えるという働きをする。
【0003】
携帯電話は、携帯電話の電子部品から放射される電磁波を遮るため、あるいは又携帯電話の非伝導性部品で起きる静電気を防ぐために、銀粉末を含む伝導性塗料で0.1mm以下の厚さで、その内外表面はコートされる。
【0004】
通常、ポリマー樹脂に伝導性を付与するためには、添加剤として作用する銀粉末、炭素粒子、炭素繊維、あるいは金属材料をポリマー樹脂に混ぜられる。しかしながら、炭素粒子や炭素繊維のような充填剤を含むポリマー樹脂は、望むような10 Ω/cm以下の固有抵抗値を持たない。更に、銀粉末のような金属粉末をポリマー樹脂に加えると、ポリマー樹脂でできた製品の表面で皮膜が形成される。したがって、製品の見場が悪くなる。更に、充填剤として働く銀粉末は、通常60%以上の量がポリマー樹脂に加えられるので、最終製品の重さ、質、製造コストの点でその利用は好ましいものではない。
【0005】
一般に、上記の金属粉末を使って電磁波遮蔽処理を施された製品を再利用することは非常に難しい。それは公害と資源の無駄となるのである。
【0006】
特に、銀粉末や炭素を使ったポリマー樹脂の伝導性コーティングは、物理的化学的に、ポリマー樹脂の製品の耐久性を弱めるという影響を及ぼす。すなわち、製品の表面は、用意に変色し、擦り傷が付き、磨耗し、その結果製品の寿命を短くさせることとなる。また同様に、通常、非伝導性材料からできていて携帯電子端末を構成するディスプレイ部分から放射される電磁波を遮ること、及びディスプレイ部分の帯電を防止することは非常に困難である。電磁波の遮蔽と帯電防止は、LCDやCRTの製造において重要な要素である。
【0007】
一方、ポリマー成型品の伝導性コーティングプロセスの場合、製品表面が一様な厚さの伝導性コーティング材でコートされていなければ、好ましいコーティング効果は保証されない。従って、好ましいコーティング効果を確保するために、製品の伝導性コーティングプロセスに対して、複雑で手の込んだ技術やデバイスを使うことが要求される。現時点で、複雑で手の込んだ技術やデバイスによって、伝導性コーティングプロセスに関する開発コストが増大し、そのことによる製品コストは増大している。
【0008】
また、ポリマー成型品表面が伝導性コーティング材でコートされるとき、電磁波を好ましく遮蔽し、内部の回路部品が安定して働くように前もって決めた遮蔽指数のレベル(例えば、遮蔽指数20%)を保証しなければならない。しかしながら、好ましい遮蔽指数レベルに到達することは非常に困難である。
【0009】
更にまた、ポリマー加工品に加える伝導性コーティング材は高価で、伝導性コーティング材でコートされたポリマー加工品の再利用は比較的少なく、最終生成物から出る電磁波は好ましい状態で遮蔽されず、また最終生成物の帯電防止も不十分なのでメーカーはユーザーから苦情を受けるという理由で、伝導性コーティング材でコートされたポリマー加工品の製造コストを下げることが困難である。
【発明の開示】
【0010】
従って、これまでの技術で起きている上記のような問題を踏まえて、ポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供することが本発明の目的である。最適な表面電気伝導度がそれに一様に付与され、そのことによって、イオン化ポリマー成型品は実際上、携帯電子端末のような電子通信デバイスからの電磁波を効果的に遮蔽し、そして電子通信デバイスの内部回路が安定的に作動することが可能な好ましい電子通信デバイスに利用されることとなる。
【0011】
ポリマー成型品の表面硬度が大幅に改善され、最終製品の表面変色、欠陥、磨耗を最低にするように細かく変形させ、そのことによってポリマー成型品表面の帯電を防止し、ポリマー成型品表面を通って出る電磁波を遮蔽することを可能にするような、ポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供することが本発明のもう1つの目的である。
【0012】
各ディスプレイ表面電気伝導に対する抵抗値は、ユーザーの視覚を保護するためにディスプレイの全表面に一様に分布するようになっているような、CRTを含めた種々のディスプレイ表面の帯電を防ぎ、ディスプレイ表面から出る電磁波を遮るようにポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供することが本発明の更なる目的である。
【0013】
ICパッケージやLCDを安定に運搬できるための個別の添加剤や充填剤無しで好ましい表面電気伝導度がポリマー成型品の表面に付与され、イオン化ポリマー成型品の再利用指数が、公害や資源のむだを無くするように改善されるような、ポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供することが本発明のもう1つの目的である。
【0014】
高価な添加剤を加えなくて、複雑なコーティングプロセスが省けて、そのことによってポリマー成型品イオン化のコストが減少し、ポリマー成型品の不良品の割合が最小になるような、ポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供することが本発明の更にもう1つの目的である。
【0015】
発明の更なる目的及び/あるいは利点の一部は、これからの記述で説明されるであろうし、一部はその記述から明らかになるであろう。あるいは又、発明の実行によって分かるかもしれない。
【0016】
上述の及び/あるいはその他の目的は、それを通過する電磁波を遮るためのポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供することで、次のようなステップが含まれる。即ち、第一ステップは、主チャンバーと主チャンバーの前と後に置かれた第一と第二のプレチャンバーを保持することである。これは真空ポンプを使って10−5 torrに減圧する真空ユニットが構成要素となっている。第二のステップは、入り口チャンバーのキャリヤー上に位置しているバネホルダーによって、イオンを照射するために対象製品を保持すること、及びバネホルダーに保持された対象製品を予熱チャンバーと第一プレチャンバーを通って主チャンバーへ移動させることである。第三のステップは、フィラメントの加熱によって、あるいは又主チャンバーにおいて、ヘリウムガスあるいは窒素ガスあるいはアルゴンガスをガス陽イオン発生のためのプラズマに加えて、イオン発生銃に供給される電圧のイオンビームカレントを予め決めたレベルに制御したイオン化銃のアーク発生によってプラズマを発生させること、及び対象製品にガス陽イオンを照射することである。第四のステップは、イオン化された製品をキャリヤーを使って主チャンバーから第二のプレチャンバーへ移動させ、次に出口チャンバーを通ってイオン化製品を放電させることである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明についての上述及びその他の目的、特徴、そして利点は添付した図と関連させた、以下の詳細説明から一層明確に理解されるであろう。
【0018】
図1は、本発明にしたがって、表面がイオン化された製品の電気特性を示すグラフである。
【0019】
図2は、本発明にしたがって、表面がイオン化された製品のイオン照射の深さの関数として表した表面硬度を示すグラフである。
【0020】
図3は、イオンビームカレントを適当に制御して、製品をイオン化したときのイオン照射時間に対するイオン化製品の生成量を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図を参照されたい。ここで、同一または類似の成分を示すのに、異なる図面を通じて同一の基準数字が使われる。
【0022】
真空ユニット、キャリヤー、そしてイオン発生銃で提供されるイオン化システムは、ポリマー成型品の表面硬度を増大させ、ポリマー成型品の帯電を防止し、ポリマー成型品から出る電磁波を遮るためにポリマー成型品の表面をイオン化するのに利用される。
【0023】
真空ユニットは、複数のチャンバーから構成される一連のチャンバー列を有する。それらは、キャリヤー入口チャンバー、湿気を取り除く予熱チャンバー、補助的なプレチャンバー、対象体にイオン照射するための主チャンバー、そして連続して処理される出口チャンバーである。その際、チャンバー間のポリマー成型品の移動はキャリヤーによって行われる。
【0024】
また、真空ユニットは、更に、チャンバーに加えて、PLC制御のポンプ、オートバルブ、センサー、そしてゲートが含まれる。
【0025】
チャンバー間の圧力差によってポリマー成型品の表面イオン化加工性が減じるのを防ぐために、主チャンバーと主チャンバーの前と後に置かれたプレチャンバーは、絶えず10−5 torrの減圧下に保たれている。
【0026】
キャリヤーは、ポリマー成型品を研磨、固定、移動そして回転させるのにつかわれるバネホルダー及び外部モーターを伴っている。ここで、キャリヤーの移動は、電場と磁場によるイオン照射方向に適当に制御されており、バネホルダーと、それによってポリマー成型品は安定的にチャンバー間を動かされる外部モーターによって、イオンは全ポリマー成型品に一様に照射される。
【0027】
真空ユニットの主チャンバー内に装備されたイオン発生銃において、アークあるいはイオンビームカレントが0から100mAでの電源で加熱されたフィラメントによってプラズマが形成されるとき、ガス陽イオンを発生させるためにプラズマにヘリウムや窒素やアルゴンのような雰囲気ガスを加える。発生したガス陽イオンは、主チャンバー中で、射出成型高分子材料によって作られた電子端末に前もって決められた時間、前もって決められた密度で照射される。それによって、携帯電子端末表面はイオン化される。
【0028】
これから後は、上述のイオン化システムが使われる携帯電子端末などに適用されたポリマー成型品表面のイオン化について詳細な説明をするであろう。
【0029】
第一ステップでは、真空ユニットを構成する主チャンバーと主チャンバーの前と後に置かれたプレチャンバーを、真空ポンプを使って、10−5 torrの減圧条件に維持する。
【0030】
第二ステップで、イオン照射される対象体、例えば携帯電子端末は、入口チャンバーのキャリヤー上にあるバネホルダーによって保持されている。次に、予熱チャンバーとプレチャンバーを通って主チャンバーへと移される。
【0031】
第三ステップで、主チャンバーのイオン発生銃に供給される電源ビームカレントは、フィラメントを加熱し、プラズマ発生のアークを発生させるように適当に制御される。次に、ガス陽イオンを発生させるために、プラズマにヘリウムガスや窒素ガスやアルゴンガスを加える。生じた陽イオンは、ポリマー成型品に照射される。このとき、イオン照射時間とイオン密度は、高分子材料の耐熱性、最終製品の表面硬度と電気伝導度に依存する。そして陽イオンは、キャリヤーのモーターによって、全ポリマー成型品に一様に照射される。
【0032】
第四ステップで、主チャンバーでイオン化されたポリマー成型品は次に、キャリヤーによってプレチャンバーへ移される。そして出口チャンバーを通って放電され、従ってポリマー成型品の表面イオン化が達成される。
【0033】
本発明について、説明のための次の例を参照するとより良く理解できるかもしれない。しかしそれらは本発明を制限するためのものではない。
【実施例1】
【0034】
N+N、Ar、Heを使って、50kev のイオンエネルギーレベルで、イオン発生銃から放射されたイオンビームによって、好ましい表面抵抗値が得られることを確認した。携帯電子端末について要求される表面電気抵抗は、携帯電子端末の内側、外側でそれぞれ、10から105 Ω/cmと108から1010 Ω/cmであった。従って、Nを使って、0.5x1016から1.8x1016イオン/cmの線量で、イオンを携帯電子端末表面に照射するとき、携帯電子端末の表面電気伝導度はイオンの照射時間によって、10から1012 Ω/cmであった。その結果を図1に示した。
【0035】
その表面でイオン化された携帯端末の物理特性について、表面硬度は、携帯端末に対するイオン照射前、表面から約1.5μmの深さで0.4 GPa であったが、照射後、4.4 GPa まで10倍増加した。図2にその結果を示した。
【実施例2】
【0036】
製品、例えば携帯電子端末の表面電気伝導度に依存した生産性が観測された。
【0037】
携帯電子端末の前後面に10mAのイオンビームカレントを照射すると、10 Ω/cmの表面電気伝導度の1つの携帯電子端末をイオン化するのに15秒かかった。
【0038】
また、携帯電子端末の表面電気伝導度が10 Ω/cm、10 Ω/cm、10 Ω/cmのとき、1つの携帯電子端末をイオン化するのにそれぞれ8秒、4秒、2.5秒かかった。
【0039】
本発明によって、図3に示すように、イオン化携帯電子端末の欠陥の割合は大幅に減少され、携帯電子端末のイオン化は小人力で危険無しに自動的に行われ、生産性は改善される。従って、本発明にしたがって、1ユニットのイオン化システムを使って、毎月何百何千の携帯電子端末がイオン化される。
【実施例3】
【0040】
ポリマー成型品の電気的物理的特性は、成型品のポリマー材料の耐熱性に依存することが観測された。
【0041】
ABS、PP、MPPO、MPES、MPSUそしてULTEMを、ポリマー成型品の原料として使った。種々のポリマー材料の中で50から60℃の耐熱性を持つABSあるいはPPが、20mA以下のイオンビームカレントでポリマー成型品を効果的にイオン化するのに使用された。また、イオンビームカレントが50mAのとき、耐熱性が130℃のMPPOがポリマー成型品をイオン化するのに最も有効であった。そしてイオンビームカレントが100mA以下のとき、耐熱性が150℃以上のUPES、MPSU、そしてULTEMがポリマー成型品をイオン化するのに有効であった。
【0042】
使用済みポリマー成型品の再利用について、100%使用済みポリマー成型品を使ってイオン化すると、その結果として生じたポリマー成型品の表面硬度と表面電気伝導度は、新品のポリマー成型品だけを使う場合と同一であったが、生じたポリマー成型品の強度は、新品ポリマー成型品だけを使う場合と比べて、減少した。他方、70%使用済みポリマー成型品と30%新品ポリマー成型品を互いに混合し、この混合物を本発明にしたがってイオン化すると、この混合物の物理的電気的特性の総ては新品ポリマー成型品だけを使った場合と同一であった。上の記述から、本発明にしたがって表面イオン化されたポリマー成型品の再利用が、これまでのプロセスによって表面処理されたポリマー成型品より、容易であることが明らかである。
【産業上の利用の可能性】
【0043】
上に記したように、本発明は、好ましい表面抵抗がポリマー成型品の表面に一様に分布するようなポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供する。従って、表面がイオン化されたポリマー成型品が含まれていると、携帯電子端末のような電子通信デバイスから放出される電磁波が効果的に遮蔽され、そして電子通信デバイス表面の静電気発生が防止される。(即ち、電子通信デバイス表面は帯電からシールドされる。)その結果、電子通信デバイスの内部回路は安定的に作動する。
【0044】
携帯電子端末などから出る電磁波を完全に遮蔽することによって、人類は電磁波の害から間逃れる。しかしながら、携帯電子端末の働きや性能を考えて、携帯電子端末を構成する部品間の相互作用に悪影響を及ぼす。この欠点を避けるために、部品を互いに離すことが必要となるが、部品を互いに分離させることで、携帯電子端末の生産コストが増加する要因となる。よって、好ましい遮蔽指数は20%で、携帯電子端末の表面電気伝導度が10から10 Ω/cmのときにこの値が得られる。したがって、電磁波が遮蔽され、帯電が防止された安価な最終生成物を生産するのに、本発明は大変有効であることが分かる。特に、本発明では、表面電気伝導度がポリマー成型品の表面に一様なので、電磁波が効果的に遮蔽される。
【0045】
更に、本発明は、ポリマー成型品について、表面硬度が大幅に改善される点、そしてその表面は、個別のコーティングプロセス無しに、最終生成物の表面脱色、表面欠陥、表面磨耗を最小にするように微細にデフォームされるという点で有益である。
【0046】
更にまた、本発明は、CRTを含む種々のディスプレイ表面の帯電を防止するように、そしてディスプレイ表面から出る電磁波を遮蔽するようにポリマー成型品の表面をイオン化する方法を提供する。ここでは、各ディスプレイの表面電気伝導に対する抵抗値は、ユーザーの視覚を保護するように、ディスプレイ表面全体に一様に分布している。
【0047】
本発明の他の利点は、ポリマー成型品について添加剤や充填剤無しに好ましい物理的特性を持つことである。そしてそれによって、イオン化ポリマー成型品の再利用が促進され、公害や資源のむだが防がれる。
【0048】
同様に、本発明で、ポリマー成型品に高価な添加剤を加えることがないので、複雑なコーティングプロセスが省ける。したがって、ポリマー成型品のイオン化コストは減少し、イオン化ポリマー成型品の欠陥の割合は最小となり、そのことによって加工性の改善に貢献する。
【0049】
更に、ICパッケージやLCDの輸送に使うベッセルは、最適輸送効果を保証するように生産されるときに、充填剤として働く炭素やセラミックスなどを使わないで、ヘリウムガスがイオン源として使われる。更に、軽くて、10から10 Ω/cmの一様な表面電気伝導度が容易に保証されるので、ベッセルの輸送コストが小さくなる。更に、生産コストや原材料コストは減少し、欠陥の割合は最小になり、使用済みポリマー成型品の再利用は好ましいように増える。そしてそれによって、優れた経済効率が保証される。
【0050】
本発明を説明風に記述した。使った語法は限定ではなくて説明のためのものと理解すべきである。上述の教えに照らして、本発明に関する多くの変形や変化が可能である。したがって、添付した請求の範囲内で、特定的に記述した以外のやり方で実施される可能性がある。



【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを通過する電磁波を遮蔽するためのポリマー成型品の表面をイオン化する方法で、次のようなステップから構成される:
第一ステップ:真空ユニットを構成する主チャンバーと主チャンバーの前と後に置かれたプレチャンバーを真空ポンプを使って、10−5 torrの減圧条件に維持する。
第二ステップ:イオン照射される対象体を入口チャンバーのキャリヤー上にあるバネホルダーによって保持し、バネホルダーに保持された対象製品を予熱チャンバーとプレチャンバーを通って主チャンバーへと移す。
第三ステップ:フィラメントの加熱によって、あるいはイオンガス銃のアーク発生によってプラズマを発生させる。ここでは、ガス陽イオンを発生させるためにプラズマにヘリウムガスやアルゴンガスや窒素ガスを加えて、主チャンバーのイオン発生銃に供給される電源ビームカレントを予め決められたレベルに制御し、対象製品にガス陽イオンを照射する。
第四ステップ:得られたイオン化製品を主チャンバーから第二のプレチャンバーへキャリヤーを使って移動させる。その次に、得られたイオン化製品を出口チャンバーを通して放電させる。
【請求項2】
主チャンバーが窒素ガス(N)雰囲気あるいはアルゴンガス(Ar)雰囲気である請求項1で説明した方法。
【請求項3】
主チャンバーがヘリウムガス(He)雰囲気である請求項1で説明した方法。
【請求項4】
イオンビームが対象製品に照射される時、イオンビームカレントが対象製品の耐熱範囲に制御されている請求項1で説明した方法。
【請求項5】
イオンビームが対象製品に照射される時、対象製品に対するイオンビームカレント照射時間が、対象製品の表面電気伝導度を調整するように制御されている請求項1で説明した方法。
【請求項6】
イオンビームが対象製品に照射される時、イオンビームカレントの強度が対象製品の表面電気伝導度を調整するように制御されている請求項1で説明した方法。




【公表番号】特表2006−514149(P2006−514149A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−572150(P2004−572150)
【出願日】平成15年8月18日(2003.8.18)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001659
【国際公開番号】WO2004/104074
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505402271)
【Fターム(参考)】