説明

高効率LEDのパッケージング

【課題】放熱効果を向上でき、輝度を高めることができる高効率LEDのパッケージングを提供する。
【解決手段】導熱基板10は、回路板11と、金属板13と、回路板11と金属板13の連接に用いられる連接ユニット12とを含み、その上に回路板11と金属板13を貫通する若干の穿孔14を有する。数多くの電気接続ピン20は、穿孔14に入り込み、一部分が穿孔14から露出している。少なくとも一つの高効率LED30は、金属板13上に設置され、若干の金属リード線15と電気接続ピン20を介して回路板11に電気的に接続される。金属板13は、高反射率のアルミニウムプレートである。金属板13上に高効率LED30が適切に設置されているため、導熱効果を向上できる。また、高反射率のアルミニウムプレートにより光の利用率を向上し、高効率LED30の輝度を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高効率LEDのパッケージング、詳しく言えば、放熱性が良好な高効率LEDのパッケージングの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般の高効率LED(発光ダイオード)のパッケージングは、図1に示すように、金属回路板1と高効率LED2を含み、そのうちの金属回路板1は金属板3、金属板3に分布する絶縁層4および絶縁層4の上に配置される回路層5を有し、高効率LED2は回路層5の上に設置され、若干の金属リード線6を介して回路層5に電気的に接続される(半田付けされる)ため、回路層5は高効率LED2の電源を導通させ、高効率LED2に光源を放射させることが可能である。
【0003】
高効率LEDは、輝度が従来の小型LEDより高いが、その分発生する熱も多い。上述のパッケージング構造から考えてみると、高効率LED2に生じる熱エネルギーは直接回路層5に伝導するが、回路層5は電流の流通を維持しなければならないため、回路層5の温度はそれに相応して高くなり、高効率LED2の熱を伝導させることが難しい。また、金属板3は良好な導熱性を有するが、金属板3と回路層5との間には絶縁層4を有し、絶縁層4の導熱係数は極めて低いため、回路層5の熱は金属板3に伝導し難く、全体の導熱率を低下させてしまう。従って、高効率LED2の熱が外部に伝導せず(放熱せず)に持続的に上昇し、その影響を受けて、輝度が低くなる。また、高効率LED2の温度が長時間にわたって高温状態になり、使用寿命が大幅に短縮されてしまう。
【0004】
また、LEDの放熱基板としてセラミックス基板を使用すれば、良好な熱伝導率と低誘電率を得ることが可能であるが、セラミックス基板は値段が高いという欠点があるため、まだ汎用化されず、グレードの高い製品にのみ応用されている。従って、従来のパッケージング構造は、放熱効果が不良か、コストが比較的高いという問題点を有することが一般的である。
また、従来の放熱基板は、回路製造工程が原因で、良好な反射面を呈することができないため、LEDチップに生じる光反射効果はあまりよくなく、LEDより発光した光は有効に利用されない。つまり、LEDの光利用率を向上させることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、良好な導熱性により放熱効果を向上させる高効率LEDのパッケージングを提供することである。
本発明のもう一つの目的は、輝度を高めることを可能にする高効率LEDのパッケージングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明による高効率LEDのパッケージングは、導熱基板、複数の電気接続ピン、少なくとも一つの高効率LEDおよびキャップを含む。導熱基板は回路板、金属板および回路板と金属板の接合に用いられる接合ユニットを有し、金属板は高反射率と良好な導熱効果を有するアルミニウムプレートである。また、導熱基板は、回路板と金属板を貫通する若干の穿孔を有する。電気接続ピンは、穿孔中に入り込み、そのうちの一部分が穿孔から露出する。高効率LEDは、金属板上に設置され、若干の金属リード線と電気接続ピンを介して回路板に電気的に接続される。キャップは、金属板に被り、高効率LEDと金属リード線を被覆する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
図2に示すように、本発明の第一実施例による高効率LEDのパッケージング構造100は、導熱基板10、若干の電気接続ピン20および数多くの高効率LED(発光ダイオード)30を含む。
導熱基板10は、回路板11、接合ユニット12および金属板13を有する。金属板13は、高反射率と良好な導熱効果を有する材質、例えば、アルミニウム、マグネシウム、銅またはチタンから構成される。本実施例は、真空めっきにより製作された高反射率のアルミニウムプレートを採用する。また、本実施例では、接合ユニット12は、電気的絶縁効果を有するテープである。接合ユニット12は、回路板11の頂面と金属板13の底面との間に分布するため、回路板11と金属板13は接合ユニット12を介して緊密に接合され、回路板11と金属板13との間には電気的絶縁が生じる。また、回路板11と金属板13は、金属板13の頂面と回路板11の底面を貫通する若干の穿孔14を有する。
【0008】
電気接続ピン20は、穿孔14中に入り込み、そのうちの一端が回路板11の底面に突出し、かつ回路板11は底面にスズペースト16が塗られることによって電気接続ピン20を接合固定する。
高効率LED30は、金属板13の頂面に設置されるチップ型の高効率LEDである。本実施例は、ワイヤボンディング技術により高効率LED30と金属板13の穿孔14中に位置する電気接続ピン上に金属リード線15を接合することにより、高効率LED30と電気接続ピン20を電気的に導通させる。
【0009】
以上は、本実施例による高効率LEDのパッケージング構造100のユニットと組み立て方法についての説明である。続いて、その特徴について説明を進める。
電気接続ピン20が回路板11から露出する部分と電源が導通した場合、高効率LED30は発光し、高効率LED30に生じる熱は接触した金属板13を介して伝導し、金属板13は高効率LED30が生じる熱エネルギーを迅速かつ均等に伝導させるため、高効率LED30の温度が高すぎる現象を防止し、高効率LED30の使用寿命を延ばすことが可能である。
【0010】
また、金属板13は高反射率のアルミニウムプレートであるため、高効率LED30が発光した後、高効率LED30から金属板13上に放射された光線はより反射し、輝度と光利用率を向上させることが可能である。
本実施例は、上述の構造により直接アルミニウムプレートを導熱媒体として使用するため、現在よく使用されている導熱基板と比べて導熱効果が明らかに向上する。また、コストの面では、材料は安く、製造工程は簡単であるため、金属モジュールと比べて、コストを60%までカットすることが可能である。また、実験結果から、本実施例により提示された導熱基板に対してLEDのパワーが2.196Wという条件下で測定して得た熱抵抗値は、1.23℃/Wであることが判明した。従って、本実施例により提示された導熱基板は、高効率LEDのパッケージング材料に非常に適すると考えられるだけでなく、導熱性が高く、かつ異なる応用状況によって反射率が異なるアルミニウムプレートを使用することが可能である。特に、高反射率のアルミニウムプレートは、一般の陽極表面処理によるアルミニウムプレートと比べて、光の利用率を30%向上させることが実験から証明されている。
【0011】
(第二実施例)
図3に示すように、本発明の第二実施例による高効率LEDのパッケージング構造200は、第一実施例と同じように、導熱基板40、若干の電気接続ピン50および数多くの高効率LED(発光ダイオード)60を含む。第一実施例との違いは、下記の通りである。
導熱基板40は、金属板43の頂面と回路板41の底面を貫通する第一穿孔44と、回路板41の頂面と底面を貫通する第二穿孔46とを有し、第一穿孔44と第二穿孔46は非対応に配置される。
【0012】
電気接続ピン50は第一接続ピン51と第二接続ピン52を有し、第一接続ピン51は第一穿孔44中に入り込み、金属リード線45を介して高効率LED60に電気的接続され、第二接続ピン52は第二穿孔46に位置付けられ、かつ第二接続ピン52の一端は回路板41底面に位置する第二穿孔46から露出する。また、第二接続ピン52と第一接続ピン51は電気的に接続され(本実施例では、回路板上に予め設けられた回路により電気的に接続され)、第二接続ピン52は外部の電源に接続することにより、電源を高効率LED60へ導通させる。
【0013】
また、本実施例は、第一接続ピン51と第二接続ピン52を異なる位置に配置し、別々に高効率LED60と外部の電源を電気的に接続し、かつ高効率LED60と外部の電源を導通させるため、第二接続ピン52の形を現有のLEDのパッケージング構造を差し込むための差込座(図中未表示)の形に一致させることが可能である。言い換えれば、回路板41に回路の空間変換器を形成することにより、LEDのパッケージング構造を差し込むための様々な差込座の形に応じ、第二接続ピン52の設置方法を調整し、本実施例の適用可能な範囲を広げることが可能である。
【0014】
(第三実施例)
図4に示すように、本発明の第三実施例による高効率LEDのパッケージング構造300は、第二実施例と同じように、導熱基板70、若干の電気接続ピン80および数多くの高効率LED(発光ダイオード)90を含む。第二実施例との違いは、下記の通りである。
導熱基板70の接合ユニット72は数多くのリベットであり、接合ユニット72は回路板71と金属板73を接合固定するために回路板71と金属板73上に取り付けられる。本実施例では、回路板71と金属板73との間に絶縁層74を配置することにより、金属板73と回路板71との間に電気的干渉が生じることを防止することが可能である。
【0015】
また、高効率LEDのパッケージング300は、さらにキャップ91を含み、キャップ91は金属板73に被り、高効率LED90と金属リード線75を被覆するため、外部から汚染されることを防止することが可能である。本実施例では、キャップ91はシリコン(Silicone)から構成されるゴムである。
上述した通り、本実施例は、金属板上にLEDを適切に設置するため、現在よく使用されている導熱基板と比べて、導熱効果が明らかに向上する。また、コストの面において材料の価額は安く、製造工程は簡単であるため、高効率LEDパッケージング工程に非常に適すると考えられる。また、この構造は導熱性が高く、かつ異なる応用状況に応じて反射率が異なる金属板を使用することが可能である。特に、高反射率のアルミニウムプレートにより光の利用率を向上させ、LEDモジュールの輝度を高めることは確実であることが実験から証明されている。
【0016】
上述したものをまとめてみると、本発明は、同類の製品と比べて、進歩性と実用性を兼ね備え、かつ特許出願を請求する前に同じものが刊行物により公開されたり、使用されたりする例がないため、特許要件を満たすと考えられる。
また、上述したものは本発明の比較的好ましい一例に過ぎないため、本発明の明細書と請求範囲を応用した上で効果が同等な構造変更を行うことは本発明の特許請求の範囲に属するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の高効率LEDのパッケージング構造を示す模式図である。
【図2】本発明の第一実施例による高効率LEDのパッケージング構造を示す模式図である。
【図3】本発明の第二実施例による高効率LEDのパッケージング構造を示す模式図である。
【図4】本発明の第三実施例による高効率LEDのパッケージング構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0018】
1:金属回路板、2:高効率LED、3:金属板、4:絶縁層、5:回路層、6:金属リード線、10:導熱基板、11:回路板、12:接合ユニット、13:金属板、14:穿孔、15:金属リード線、16:スズペースト、20:電気接続ピン、30:高効率LED、40:導熱基板、41:回路板、43:金属板、44:第一穿孔、45:金属リード線、46:第二穿孔、50:電気接続ピン、51:第一接続ピン、52:第二接続ピン、60:高効率LED、70:導熱基板、71:回路板、72:接合ユニット、73:金属板、74:絶縁層、75:金属リード線、80:電気接続ピン、90:高効率LED、91:キャップ、100:高効率LEDのパッケージング構造、200:高効率LEDのパッケージング構造、300:高効率LEDのパッケージング構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路板と、金属板と、回路板と金属板の接合に用いられる接合ユニットと、を含み、回路板および金属板を貫通する穿孔を有する導熱基板と、
穿孔に入り込み、一部分が穿孔から露出する複数の電気接続ピンと、
金属板上に設置され、金属リード線および電気接続ピンを介して回路板に電気的に接続される少なくとも一つの高効率LEDと、
を含むことを特徴とする高効率LEDのパッケージング。
【請求項2】
金属板は、真空めっきにより製作された高反射率のアルミニウムプレートであることを特徴とする請求項1に記載の高効率LEDのパッケージング。
【請求項3】
接合ユニットは、テープであり、回路板と金属板を緊密に接合するために、回路板の頂面と金属板の底面との間に分布することを特徴とする請求項1に記載の高効率LEDのパッケージング。
【請求項4】
導熱基板の穿孔は、金属板の頂面と回路板の底面とを貫通する第一穿孔と、回路板の頂面と底面とを貫通する第二穿孔と、を含み、第一穿孔および第二穿孔は非対応に配置され、電気接続ピンは第一接続ピンおよび第二接続ピンを有し、第一接続ピンは第一穿孔中に入り込み、金属リード線を介して高効率LEDに電気的に接続され、第二接続ピンは第二穿孔に位置付けられ、第二接続ピンの一端は回路板の底面に位置する第二穿孔から露出し、第二接続ピンと第一接続ピンとは電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の高効率LEDのパッケージング。
【請求項5】
接合ユニットは、複数のリベットであり、回路板と金属板の固定と接合に用いられることを特徴とする請求項1に記載の高効率LEDのパッケージング。
【請求項6】
さらに金属板に被り、高効率LEDと金属リード線を被覆するキャップを含むことを特徴とする請求項1に記載の高効率LEDのパッケージング。
【請求項7】
キャップは、シリコンから構成されるゴムであることを特徴とする請求項6に記載の高効率LEDのパッケージング。
【請求項8】
回路板および電気接続ピンは、スズペーストにより接合されていることを特徴とする請求項1に記載の高効率LEDのパッケージング。
【請求項9】
金属板と回路板との間には絶縁層を有することを特徴とする請求項1に記載の高効率LEDのパッケージング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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