高周波発生装置
【課題】高い周波数精度と安定性とを有し、周波数を変更可能とすると共に、雑音成分の出力を抑制する高周波発生装置を提供することを課題とする。
【解決手段】一定の透過周波数間隔を有する複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第1の周波数分波器104と、その透過周波数間隔を有し、各チャネルの透過中心周波数が第1の周波数分波器104における各チャネルの透過中心周波数と異なる複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第2の周波数分波器とを有するので、高い周波数精度と安定性とを有すると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低い高周波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【解決手段】一定の透過周波数間隔を有する複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第1の周波数分波器104と、その透過周波数間隔を有し、各チャネルの透過中心周波数が第1の周波数分波器104における各チャネルの透過中心周波数と異なる複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第2の周波数分波器とを有するので、高い周波数精度と安定性とを有すると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低い高周波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波を発生させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、0.1〜10[THz]の周波数を有するサブミリメートル波やテラヘルツ波の電磁波は、蒸気やガス状態にある分子と強い相互作用を備えており、例えば、火災現場でのけが人の有無や食品の異物混入など、直接視認できない領域に応用することが可能となるため、分子分光学や電波天文学などの分野で大きな注目を集めている。
【0003】
これらの分野で応用する場合には、広帯域で高い安定性を有し、低雑音で周波数精度の高い高周波発生装置が必要となる。ここで、従来の高周波発生装置の一例として、周波数を連続的に可変可能なテラヘルツ波発生装置について説明する。図8は、従来のテラヘルツ波発生装置の構成の一例を模式的に示した模式図である。このテラヘルツ波発生装置は、単一モードレーザ301で発生する単色光を光変調器302で多モード光に変換し、変換された多モード光を光平面回路303の内部に形成されたアレー導波路回折格子3031に導入して各モードの光に分解し、分解された任意の2つのモードを同じ光平面回路303の内部に形成された光カプラ3032で合波し、光増幅器304を介して合波された光をフォトミキサ305で光電変換してテラヘルツ波を発生させ、アンテナ306から出力する機能を備えている。
【0004】
図8に示すテラヘルツ波発生装置は、発振器307から発振するRF信号(基準信号)の逓倍波としてテラヘルツ波を発生させるため、アンテナ306から出力される信号は、RF信号と同等の極めて高い周波数精度と安定性を示すことになる。また、RF信号の周波数を変化させることで、発生するテラヘルツ波の周波数を微小に変化させることができる。更に、図9に示すように、光平面回路303の内部に複数の光スイッチ3033を集積し、アレー導波路回折格子3031で分解された各モードのうち、任意の2つのモードを光スイッチ制御器308により切り替えることで、フォトミキサ305から発生する光ビート周波数をモード間隔分シフトさせることができる。従い、発振器307によるRF信号の周波数調整と、光スイッチ制御器308によるモードの組み合わせを切り替えることで、発生するテラヘルツ波の周波数を細かく、又は粗く調整することができる。
【0005】
なお、図8で示すテラヘルツ波発生装置に関する技術については、非特許文献1に開示されている。
【非特許文献1】A. Hirata、外9名、「120-GHz-Band Millimeter-WavePhotonic Wireless Link for 10-Gb/s Data Transmission」、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、2006、vol.54、no.5、p.1937-1944
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10は、アレー導波路回折格子3031の出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。図10に示すように、i,j,kの各チャネルの周波数透過曲線は、辺縁部において隣接チャネルとクロスしている。ここで、例えば取り出したいモードがjチャネルにある信号とし、RF信号の周波数調整によりこの信号がjチャネルの辺縁部にシフトする場合には、jチャネルの信号以外に、本来であればiチャネルにあるべき信号がjチャネルに漏れ出すことになり、得られるテラヘルツ波の信号には不要な周波数の信号が混在することになる。
【0007】
即ち、各チャネルの透過損最小の周波数から離れた辺縁部に対応する周波数の光は、隣接する2つのチャネルから同時に出力されるため、発生するテラヘルツ波の周波数を連続的に変化する場合に、一部の周波数領域において、テラヘルツ波信号に不要波としての雑音成分が重畳するという問題があった。
【0008】
また、他の技術を用いた周波数連続可変テラヘルツ波を発生させる技術としては、図11に示すように、発振器307と、複数の増幅器304と、複数の逓倍器309と、アンテナ306を用いることができる。この方法では、高い周波数分解能を実現することが可能であるが、電子回路の動作周波数の上限やバンド幅の影響により、動作周波数幅が狭いという問題があった。
【0009】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、高い周波数精度と安定性とを有し、周波数を変更可能とすると共に、雑音成分の出力を抑制する高周波発生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の本発明は、所定の周波数を有する電波を発振する発振器と、前記周波数の間隔で並ぶ複数のモードを有する光コムを発生する光コム発生器と、一定の周波数間隔を有する複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器と、前記周波数間隔を有し、各チャネルの中心周波数が前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数と異なる複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器と、前記第1の周波数分波器又は前記第2の周波数分波器の出力から任意の2つのモードを取り出す光スイッチと、当該2つのモードの周波数差を周波数とする高周波を発生する発生器と、を有することを要旨とする。
【0011】
本発明にあっては、一定の周波数間隔を有する複数のチャネルにより、光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器と、その周波数間隔を有し、各チャネルの中心周波数が第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数と異なる複数のチャネルにより、光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器とを有するため、高い周波数精度と安定性とを有すると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低い高周波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、前記発振器で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、前記光スイッチで取り出すモードの変更に基づいて、前記発生器から出力される高周波の周波数が変化することを要旨とする。
【0013】
本発明にあっては、発振器で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、光スイッチで取り出すモードの変更に基づいて、発生器から出力される高周波の周波数が変化するため、周波数を変更可能な高周波発生装置を実現することができる。
【0014】
請求項3に記載の本発明は、前記光スイッチが、第1の光スイッチ及び第2の光スイッチで構成されるものであって、前記第1の光スイッチは、前記第1の周波数分波器及び前記第2の周波数分波器の出力のうち低周波数の出力端に接続され、前記第2の光スイッチは、当該第1の周波数分波器及び当該第2の周波数分波器の出力のうち高周波数の出力端に接続されることを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、前記第1の周波数分波器及び/又は前記第2の周波数分波器は、アレー導波路回折格子であることを要旨とする。
【0016】
請求項5に記載の本発明は、前記第2の周波数分波器における各チャネルの中心周波数が、前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数に対して、前記周波数間隔の半分シフトしていることを要旨とする。
【0017】
請求項6に記載の本発明は、前記高周波が、テラヘルツ波又はマイクロ波であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高い周波数精度と安定性とを有し、周波数を変更可能とすると共に、雑音成分の出力を抑制する高周波発生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の形態に係る高周波発生装置の構成を模式的に示した模式図である。この高周波発生装置は、周波数可変なマイクロ波信号を発振する発振器101と、発振されたマイクロ波信号の周波数と同じ周波数間隔で並ぶ複数のモードを有する光コム信号を発生する光コム発生器102と、発生した光コム信号を2つの出力に分岐する分配器103と、分岐された一方の光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器104と、分岐された他方の光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器105と、分波された各モードから任意の2つのモードを取り出す第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107と、取り出された2つのモードを合波する光カプラ108と、合波された2つのモードの周波数差を周波数とするテラヘルツ波を発生するフォトミキサ109と、発生したテラヘルツ波を空間に放射するアンテナ110とを備えた構成である。
【0021】
光コム発生器102は、発振器101から発振するマイクロ波信号を入力として動作する電気光学結晶を用いた光変調器であり、図2に示す構成を備えている。図2は、光コム発生器102の構成の一例を模式的に示した模式図である。光コム発生器102は、発振器101から発振するマイクロ波信号に基づいて、レーザ201から出射した単一のスペクトルを光変調器202で位相変調し、光アンプ203及び非線形ファイバ204を介して、マイクロ波信号の周波数frefと同じ周波数間隔で離散的なスペクトルを有する光コム信号を発生する。
【0022】
また、光コム発生器102は、前述したように発振器101から発振するマイクロ波信号を入力として動作し、且つ、このマイクロ波信号の周波数は発振器101により可変可能なので、マイクロ波信号の周波数を変更することにより、発生する光コム信号の周波数間隔を変更することができる。例えば、マイクロ波信号の周波数を25[GHz]に設定した場合には、周波数間隔を25[GHz]とするモード間隔の光コム信号が発生する。更に、光変調器202で与える変調の指数や光アンプ203の出力を調整することで、50次以上のモードを発生することができる。
【0023】
第1の周波数分波器104及び第2の周波数分波器105は、透過帯域幅,各チャネルの透過周波数間隔,各チャネルの周波数透過曲線の形がそれぞれ同じであって、例えば、アレー導波路回折格子などを用いることができる。但し、一方の周波数分波器における各チャネルの透過中心周波数は、他方の周波数分波器における各チャネルの透過中心周波数と異なるように設定・設計されている。具体的には、例えば図3に示すように、第2の周波数分波器105における各チャネルの透過中心周波数は、第1の周波数分波器104における各チャネルの透過中心周波数に対して、透過周波数間隔Δfchの半分の周波数(Δfch/2)分シフトしている。また、透過周波数間隔は、発振器101から発振するマイクロ波信号の周波数fref、言い換えれば光コム信号のモード間隔と同じ間隔とするか、若しくは、そのモード間隔よりも小さい間隔となるように設定しておく。例えば、前述のように光コム信号のモード間隔が25[GHz]の場合には、これら周波数分波器の出力チャネルの透過周波数間隔を25[GHz]に設定しておく。なお、周波数透過曲線は、例えばガウス関数型であってもよい。
【0024】
また、第1の周波数分波器104及び第2の周波数分波器105における出力チャネルのうち、それぞれ偶数本が後段の第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107に接続されている。ここで、第1の周波数分波器104のチャネルを低周波側から1,2,…,2nと称し、第2の周波数分波器105のチャネルを低周波側から1’,2’,…,2n’と称する場合、各チャネルの透過中心周波数を低周波側から並べると、各チャネルは1,1’,2,2’,…,2n,2n’の順となる。このうち、低周波側の半分である1,1’,2,2’,…,n,n’を第1の光スイッチ106に接続し、高周波側の半分であるn+1,n+1’,n+2,n+2’,…,2n,2n’を第2の光スイッチ107に接続する。この構成により得られるテラヘルツ波の最低周波数は、第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107により、チャネルnとn+1とを出力とするチャネルを選択した場合、又は、チャネルn’とn+1’とを出力とするチャネルを選択した場合である。一方、この構成により得られるテラヘルツ波の最高周波数は、第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107により、チャネル1と2nとを出力とするチャネルを選択した場合、又は、チャネル1’と2n’とを出力とするチャネルを選択した場合である。
【0025】
即ち、図1に示す高周波発生装置は、第1の光スイッチ106及び/又は第2の光スイッチ107で取り出すモードを変更する第1の方法、言い換えれば選択するチャネルを変更する方法により、発生するテラヘルツ波の周波数を変更することができる。また、発振器101で発振するマイクロ波信号の周波数を変更する第2の方法によっても、発生するテラヘルツ波の周波数を変更することができる。これら2つの方法は、一方の変更方法のみ行う場合であっても、両方の変更方法を同時に行う場合であっても、広帯域の周波数可変な高周波発生装置を実現することができる。
【0026】
図4は、第1の方法又は第2の方法を行う前の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。図5は、第1の方法によりチャネルを変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。図4(a)及び図5(a)は図1のAの位置、図4(b)及び図5(b)は図1のBの位置、図4(c)及び図5(c)は図1のCの位置における周波数とモードとの関係を示している。図5(b)及び図5(c)で示す例では、図4(b)及び図4(c)と比較して、取り出すモードの片方を1チャネル分低周波側のチャネルに変更している。これにより、2つのモード間隔がnからn+1に変化したとすれば、発生するテラヘルツ波信号の周波数は、図4(c)及び図5(c)に示すように、n×frefから(n+1)×frefに変化することになる。
【0027】
図6は、第2の方法によりマイクロ波信号の周波数を変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。図6(a)は図1のAの位置、図6(b)は図1のBの位置、図6(c)は図1のCの位置における周波数とモードとの関係を示している。同図に示すように、発振器101から発振するマイクロ波信号の周波数をfrefからfref+Δに変化することで、モード間の周波数差をn×frefからn×(fref+Δ)に変化することができる。
【0028】
また、前述したように、第1の周波数分波器104及び第2の周波数分波器105における各チャネルの周波数透過曲線は、なだらかに低下する辺縁部において隣接するチャネルとクロスしている。ここで、図7に示すように、取り出したい所望のモードが第1の周波数分波器104におけるjチャネルの中央に位置していた場合に、マイクロ波信号の周波数の変化によりjチャネルの辺縁部にシフトすると、jチャネルで抜き出した場合であっても、kチャネルで抜き出した場合であっても、シフト後の隣のモードが同じチャネルから同時に出力されてしまい、出力された信号の純度が劣化する可能性がある。その場合には、透過中心周波数を透過周波数の1/2シフトさせた第2の周波数分波器105のj’チャネルから取り出すことで、隣接モードの漏洩を抑えた所望のモードのみを取り出すことができる。即ち、一方の周波数分波器における各チャネルの透過中心周波数をシフトすることにより、第1の周波数分波器104と第2の周波数分波器105とで隣接モードの漏洩を抑圧できない領域が周波数軸上で交互に現れることになり、結果として、チャネルの周波数透過曲線の中央付近に位置するモードを確実に選択することができる。よって、隣接モードの漏洩を抑圧できない領域を絶えず避けるように第1の光スイッチ106及び/又は第2の光スイッチ107でチャネルを選択することで、高い周波数精度と安定性とを有し、周波数を変更可能とすると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低いテラヘルツ波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【0029】
なお、必要に応じて、フォトミキサ109に入力する光を、図示しない光増幅器又は減衰器により調整することで、発生するテラヘルツ波の強度を変化させることができる。
【0030】
最後に、本実施の形態では、テラヘルツ波の発生について説明したが、テラヘルツ波に限らず、例えばマイクロ波の発生などにも適用することができる。即ち、周波数の異なるレーザ光のビート成分から得られる高周波の発生に係る技術に適用することができる。
【0031】
本実施の形態によれば、一定の透過周波数間隔を有する複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第1の周波数分波器104と、その透過周波数間隔を有し、各チャネルの透過中心周波数が第1の周波数分波器104における各チャネルの透過中心周波数と異なる複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第2の周波数分波器とを有するので、高い周波数精度と安定性とを有すると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低い高周波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【0032】
本実施の形態によれば、発振器101で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、第1の光スイッチ106及び/又は第2の光スイッチ107で取り出すモードの変更に基づいて、フォトミキサ109から出力される高周波の周波数が変化するため、周波数を変更可能な高周波発生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の形態に係る高周波発生装置の構成を模式的に示した模式図である。
【図2】光コム発生器の構成の一例を模式的に示した模式図である。
【図3】第1の周波数分波器及び第2の周波数分波器における出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。
【図4】第1の方法又は第2の方法を行う前の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。
【図5】第1の方法によりチャネルを変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。
【図6】第2の方法によりマイクロ波信号の周波数を変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。
【図7】第1の周波数分波器及び第2の周波数分波器における出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。
【図8】従来のテラヘルツ波発生装置の構成の一例を模式的に示した模式図である。
【図9】光平面回路の構成を模式的に示した模式図である。
【図10】アレー導波路回折格子の出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。
【図11】従来のテラヘルツ波発生装置の構成の他の一例を模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
【0034】
101,307…発振器
102…光コム発生器
103…分配器
104…第1の周波数分波器
105…第2の周波数分波器
106…第1の光スイッチ
107…第2の光スイッチ
108…光カプラ
109,305…フォトミキサ
110,306…アンテナ
201…レーザ
202,302…光変調器
203…光アンプ
204…非線形ファイバ
301…単一モードレーザ
303…光平面回路
304…光増幅器
308…光スイッチ制御器
309…逓倍器
3031…アレー導波路回折格子
3032…光カプラ
3033…光スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波を発生させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、0.1〜10[THz]の周波数を有するサブミリメートル波やテラヘルツ波の電磁波は、蒸気やガス状態にある分子と強い相互作用を備えており、例えば、火災現場でのけが人の有無や食品の異物混入など、直接視認できない領域に応用することが可能となるため、分子分光学や電波天文学などの分野で大きな注目を集めている。
【0003】
これらの分野で応用する場合には、広帯域で高い安定性を有し、低雑音で周波数精度の高い高周波発生装置が必要となる。ここで、従来の高周波発生装置の一例として、周波数を連続的に可変可能なテラヘルツ波発生装置について説明する。図8は、従来のテラヘルツ波発生装置の構成の一例を模式的に示した模式図である。このテラヘルツ波発生装置は、単一モードレーザ301で発生する単色光を光変調器302で多モード光に変換し、変換された多モード光を光平面回路303の内部に形成されたアレー導波路回折格子3031に導入して各モードの光に分解し、分解された任意の2つのモードを同じ光平面回路303の内部に形成された光カプラ3032で合波し、光増幅器304を介して合波された光をフォトミキサ305で光電変換してテラヘルツ波を発生させ、アンテナ306から出力する機能を備えている。
【0004】
図8に示すテラヘルツ波発生装置は、発振器307から発振するRF信号(基準信号)の逓倍波としてテラヘルツ波を発生させるため、アンテナ306から出力される信号は、RF信号と同等の極めて高い周波数精度と安定性を示すことになる。また、RF信号の周波数を変化させることで、発生するテラヘルツ波の周波数を微小に変化させることができる。更に、図9に示すように、光平面回路303の内部に複数の光スイッチ3033を集積し、アレー導波路回折格子3031で分解された各モードのうち、任意の2つのモードを光スイッチ制御器308により切り替えることで、フォトミキサ305から発生する光ビート周波数をモード間隔分シフトさせることができる。従い、発振器307によるRF信号の周波数調整と、光スイッチ制御器308によるモードの組み合わせを切り替えることで、発生するテラヘルツ波の周波数を細かく、又は粗く調整することができる。
【0005】
なお、図8で示すテラヘルツ波発生装置に関する技術については、非特許文献1に開示されている。
【非特許文献1】A. Hirata、外9名、「120-GHz-Band Millimeter-WavePhotonic Wireless Link for 10-Gb/s Data Transmission」、IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES、2006、vol.54、no.5、p.1937-1944
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10は、アレー導波路回折格子3031の出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。図10に示すように、i,j,kの各チャネルの周波数透過曲線は、辺縁部において隣接チャネルとクロスしている。ここで、例えば取り出したいモードがjチャネルにある信号とし、RF信号の周波数調整によりこの信号がjチャネルの辺縁部にシフトする場合には、jチャネルの信号以外に、本来であればiチャネルにあるべき信号がjチャネルに漏れ出すことになり、得られるテラヘルツ波の信号には不要な周波数の信号が混在することになる。
【0007】
即ち、各チャネルの透過損最小の周波数から離れた辺縁部に対応する周波数の光は、隣接する2つのチャネルから同時に出力されるため、発生するテラヘルツ波の周波数を連続的に変化する場合に、一部の周波数領域において、テラヘルツ波信号に不要波としての雑音成分が重畳するという問題があった。
【0008】
また、他の技術を用いた周波数連続可変テラヘルツ波を発生させる技術としては、図11に示すように、発振器307と、複数の増幅器304と、複数の逓倍器309と、アンテナ306を用いることができる。この方法では、高い周波数分解能を実現することが可能であるが、電子回路の動作周波数の上限やバンド幅の影響により、動作周波数幅が狭いという問題があった。
【0009】
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、高い周波数精度と安定性とを有し、周波数を変更可能とすると共に、雑音成分の出力を抑制する高周波発生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の本発明は、所定の周波数を有する電波を発振する発振器と、前記周波数の間隔で並ぶ複数のモードを有する光コムを発生する光コム発生器と、一定の周波数間隔を有する複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器と、前記周波数間隔を有し、各チャネルの中心周波数が前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数と異なる複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器と、前記第1の周波数分波器又は前記第2の周波数分波器の出力から任意の2つのモードを取り出す光スイッチと、当該2つのモードの周波数差を周波数とする高周波を発生する発生器と、を有することを要旨とする。
【0011】
本発明にあっては、一定の周波数間隔を有する複数のチャネルにより、光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器と、その周波数間隔を有し、各チャネルの中心周波数が第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数と異なる複数のチャネルにより、光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器とを有するため、高い周波数精度と安定性とを有すると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低い高周波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明は、前記発振器で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、前記光スイッチで取り出すモードの変更に基づいて、前記発生器から出力される高周波の周波数が変化することを要旨とする。
【0013】
本発明にあっては、発振器で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、光スイッチで取り出すモードの変更に基づいて、発生器から出力される高周波の周波数が変化するため、周波数を変更可能な高周波発生装置を実現することができる。
【0014】
請求項3に記載の本発明は、前記光スイッチが、第1の光スイッチ及び第2の光スイッチで構成されるものであって、前記第1の光スイッチは、前記第1の周波数分波器及び前記第2の周波数分波器の出力のうち低周波数の出力端に接続され、前記第2の光スイッチは、当該第1の周波数分波器及び当該第2の周波数分波器の出力のうち高周波数の出力端に接続されることを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、前記第1の周波数分波器及び/又は前記第2の周波数分波器は、アレー導波路回折格子であることを要旨とする。
【0016】
請求項5に記載の本発明は、前記第2の周波数分波器における各チャネルの中心周波数が、前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数に対して、前記周波数間隔の半分シフトしていることを要旨とする。
【0017】
請求項6に記載の本発明は、前記高周波が、テラヘルツ波又はマイクロ波であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高い周波数精度と安定性とを有し、周波数を変更可能とすると共に、雑音成分の出力を抑制する高周波発生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の形態に係る高周波発生装置の構成を模式的に示した模式図である。この高周波発生装置は、周波数可変なマイクロ波信号を発振する発振器101と、発振されたマイクロ波信号の周波数と同じ周波数間隔で並ぶ複数のモードを有する光コム信号を発生する光コム発生器102と、発生した光コム信号を2つの出力に分岐する分配器103と、分岐された一方の光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器104と、分岐された他方の光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器105と、分波された各モードから任意の2つのモードを取り出す第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107と、取り出された2つのモードを合波する光カプラ108と、合波された2つのモードの周波数差を周波数とするテラヘルツ波を発生するフォトミキサ109と、発生したテラヘルツ波を空間に放射するアンテナ110とを備えた構成である。
【0021】
光コム発生器102は、発振器101から発振するマイクロ波信号を入力として動作する電気光学結晶を用いた光変調器であり、図2に示す構成を備えている。図2は、光コム発生器102の構成の一例を模式的に示した模式図である。光コム発生器102は、発振器101から発振するマイクロ波信号に基づいて、レーザ201から出射した単一のスペクトルを光変調器202で位相変調し、光アンプ203及び非線形ファイバ204を介して、マイクロ波信号の周波数frefと同じ周波数間隔で離散的なスペクトルを有する光コム信号を発生する。
【0022】
また、光コム発生器102は、前述したように発振器101から発振するマイクロ波信号を入力として動作し、且つ、このマイクロ波信号の周波数は発振器101により可変可能なので、マイクロ波信号の周波数を変更することにより、発生する光コム信号の周波数間隔を変更することができる。例えば、マイクロ波信号の周波数を25[GHz]に設定した場合には、周波数間隔を25[GHz]とするモード間隔の光コム信号が発生する。更に、光変調器202で与える変調の指数や光アンプ203の出力を調整することで、50次以上のモードを発生することができる。
【0023】
第1の周波数分波器104及び第2の周波数分波器105は、透過帯域幅,各チャネルの透過周波数間隔,各チャネルの周波数透過曲線の形がそれぞれ同じであって、例えば、アレー導波路回折格子などを用いることができる。但し、一方の周波数分波器における各チャネルの透過中心周波数は、他方の周波数分波器における各チャネルの透過中心周波数と異なるように設定・設計されている。具体的には、例えば図3に示すように、第2の周波数分波器105における各チャネルの透過中心周波数は、第1の周波数分波器104における各チャネルの透過中心周波数に対して、透過周波数間隔Δfchの半分の周波数(Δfch/2)分シフトしている。また、透過周波数間隔は、発振器101から発振するマイクロ波信号の周波数fref、言い換えれば光コム信号のモード間隔と同じ間隔とするか、若しくは、そのモード間隔よりも小さい間隔となるように設定しておく。例えば、前述のように光コム信号のモード間隔が25[GHz]の場合には、これら周波数分波器の出力チャネルの透過周波数間隔を25[GHz]に設定しておく。なお、周波数透過曲線は、例えばガウス関数型であってもよい。
【0024】
また、第1の周波数分波器104及び第2の周波数分波器105における出力チャネルのうち、それぞれ偶数本が後段の第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107に接続されている。ここで、第1の周波数分波器104のチャネルを低周波側から1,2,…,2nと称し、第2の周波数分波器105のチャネルを低周波側から1’,2’,…,2n’と称する場合、各チャネルの透過中心周波数を低周波側から並べると、各チャネルは1,1’,2,2’,…,2n,2n’の順となる。このうち、低周波側の半分である1,1’,2,2’,…,n,n’を第1の光スイッチ106に接続し、高周波側の半分であるn+1,n+1’,n+2,n+2’,…,2n,2n’を第2の光スイッチ107に接続する。この構成により得られるテラヘルツ波の最低周波数は、第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107により、チャネルnとn+1とを出力とするチャネルを選択した場合、又は、チャネルn’とn+1’とを出力とするチャネルを選択した場合である。一方、この構成により得られるテラヘルツ波の最高周波数は、第1の光スイッチ106及び第2の光スイッチ107により、チャネル1と2nとを出力とするチャネルを選択した場合、又は、チャネル1’と2n’とを出力とするチャネルを選択した場合である。
【0025】
即ち、図1に示す高周波発生装置は、第1の光スイッチ106及び/又は第2の光スイッチ107で取り出すモードを変更する第1の方法、言い換えれば選択するチャネルを変更する方法により、発生するテラヘルツ波の周波数を変更することができる。また、発振器101で発振するマイクロ波信号の周波数を変更する第2の方法によっても、発生するテラヘルツ波の周波数を変更することができる。これら2つの方法は、一方の変更方法のみ行う場合であっても、両方の変更方法を同時に行う場合であっても、広帯域の周波数可変な高周波発生装置を実現することができる。
【0026】
図4は、第1の方法又は第2の方法を行う前の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。図5は、第1の方法によりチャネルを変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。図4(a)及び図5(a)は図1のAの位置、図4(b)及び図5(b)は図1のBの位置、図4(c)及び図5(c)は図1のCの位置における周波数とモードとの関係を示している。図5(b)及び図5(c)で示す例では、図4(b)及び図4(c)と比較して、取り出すモードの片方を1チャネル分低周波側のチャネルに変更している。これにより、2つのモード間隔がnからn+1に変化したとすれば、発生するテラヘルツ波信号の周波数は、図4(c)及び図5(c)に示すように、n×frefから(n+1)×frefに変化することになる。
【0027】
図6は、第2の方法によりマイクロ波信号の周波数を変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。図6(a)は図1のAの位置、図6(b)は図1のBの位置、図6(c)は図1のCの位置における周波数とモードとの関係を示している。同図に示すように、発振器101から発振するマイクロ波信号の周波数をfrefからfref+Δに変化することで、モード間の周波数差をn×frefからn×(fref+Δ)に変化することができる。
【0028】
また、前述したように、第1の周波数分波器104及び第2の周波数分波器105における各チャネルの周波数透過曲線は、なだらかに低下する辺縁部において隣接するチャネルとクロスしている。ここで、図7に示すように、取り出したい所望のモードが第1の周波数分波器104におけるjチャネルの中央に位置していた場合に、マイクロ波信号の周波数の変化によりjチャネルの辺縁部にシフトすると、jチャネルで抜き出した場合であっても、kチャネルで抜き出した場合であっても、シフト後の隣のモードが同じチャネルから同時に出力されてしまい、出力された信号の純度が劣化する可能性がある。その場合には、透過中心周波数を透過周波数の1/2シフトさせた第2の周波数分波器105のj’チャネルから取り出すことで、隣接モードの漏洩を抑えた所望のモードのみを取り出すことができる。即ち、一方の周波数分波器における各チャネルの透過中心周波数をシフトすることにより、第1の周波数分波器104と第2の周波数分波器105とで隣接モードの漏洩を抑圧できない領域が周波数軸上で交互に現れることになり、結果として、チャネルの周波数透過曲線の中央付近に位置するモードを確実に選択することができる。よって、隣接モードの漏洩を抑圧できない領域を絶えず避けるように第1の光スイッチ106及び/又は第2の光スイッチ107でチャネルを選択することで、高い周波数精度と安定性とを有し、周波数を変更可能とすると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低いテラヘルツ波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【0029】
なお、必要に応じて、フォトミキサ109に入力する光を、図示しない光増幅器又は減衰器により調整することで、発生するテラヘルツ波の強度を変化させることができる。
【0030】
最後に、本実施の形態では、テラヘルツ波の発生について説明したが、テラヘルツ波に限らず、例えばマイクロ波の発生などにも適用することができる。即ち、周波数の異なるレーザ光のビート成分から得られる高周波の発生に係る技術に適用することができる。
【0031】
本実施の形態によれば、一定の透過周波数間隔を有する複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第1の周波数分波器104と、その透過周波数間隔を有し、各チャネルの透過中心周波数が第1の周波数分波器104における各チャネルの透過中心周波数と異なる複数のチャネルにより、光コム信号を単一のモードに分波する第2の周波数分波器とを有するので、高い周波数精度と安定性とを有すると共に、不要波の出力を抑制した雑音成分の低い高周波を出力する高周波発生装置を実現することができる。
【0032】
本実施の形態によれば、発振器101で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、第1の光スイッチ106及び/又は第2の光スイッチ107で取り出すモードの変更に基づいて、フォトミキサ109から出力される高周波の周波数が変化するため、周波数を変更可能な高周波発生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の形態に係る高周波発生装置の構成を模式的に示した模式図である。
【図2】光コム発生器の構成の一例を模式的に示した模式図である。
【図3】第1の周波数分波器及び第2の周波数分波器における出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。
【図4】第1の方法又は第2の方法を行う前の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。
【図5】第1の方法によりチャネルを変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。
【図6】第2の方法によりマイクロ波信号の周波数を変更した後の図1に示す各位置における周波数とモードとの関係を示す図である。
【図7】第1の周波数分波器及び第2の周波数分波器における出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。
【図8】従来のテラヘルツ波発生装置の構成の一例を模式的に示した模式図である。
【図9】光平面回路の構成を模式的に示した模式図である。
【図10】アレー導波路回折格子の出力チャネルの周波数透過曲線を示すグラフである。
【図11】従来のテラヘルツ波発生装置の構成の他の一例を模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
【0034】
101,307…発振器
102…光コム発生器
103…分配器
104…第1の周波数分波器
105…第2の周波数分波器
106…第1の光スイッチ
107…第2の光スイッチ
108…光カプラ
109,305…フォトミキサ
110,306…アンテナ
201…レーザ
202,302…光変調器
203…光アンプ
204…非線形ファイバ
301…単一モードレーザ
303…光平面回路
304…光増幅器
308…光スイッチ制御器
309…逓倍器
3031…アレー導波路回折格子
3032…光カプラ
3033…光スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数を有する電波を発振する発振器と、
前記周波数の間隔で並ぶ複数のモードを有する光コムを発生する光コム発生器と、
一定の周波数間隔を有する複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器と、
前記周波数間隔を有し、各チャネルの中心周波数が前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数と異なる複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器と、
前記第1の周波数分波器又は前記第2の周波数分波器の出力から任意の2つのモードを取り出す光スイッチと、
当該2つのモードの周波数差を周波数とする高周波を発生する発生器と、
を有することを特徴とする高周波発生装置。
【請求項2】
前記発振器で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、前記光スイッチで取り出すモードの変更に基づいて、前記発生器から出力される高周波の周波数が変化することを特徴とする請求項1に記載の高周波発生装置。
【請求項3】
前記光スイッチは、第1の光スイッチ及び第2の光スイッチで構成されるものであって、
前記第1の光スイッチは、前記第1の周波数分波器及び前記第2の周波数分波器の出力のうち低周波数の出力端に接続され、前記第2の光スイッチは、当該第1の周波数分波器及び当該第2の周波数分波器の出力のうち高周波数の出力端に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波発生装置。
【請求項4】
前記第1の周波数分波器及び/又は前記第2の周波数分波器は、アレー導波路回折格子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高周波発生装置。
【請求項5】
前記第2の周波数分波器における各チャネルの中心周波数は、前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数に対して、前記周波数間隔の半分シフトしていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高周波発生装置。
【請求項6】
前記高周波は、テラヘルツ波又はマイクロ波であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高周波発生装置。
【請求項1】
所定の周波数を有する電波を発振する発振器と、
前記周波数の間隔で並ぶ複数のモードを有する光コムを発生する光コム発生器と、
一定の周波数間隔を有する複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第1の周波数分波器と、
前記周波数間隔を有し、各チャネルの中心周波数が前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数と異なる複数のチャネルにより、前記光コムを単一のモードに分波する第2の周波数分波器と、
前記第1の周波数分波器又は前記第2の周波数分波器の出力から任意の2つのモードを取り出す光スイッチと、
当該2つのモードの周波数差を周波数とする高周波を発生する発生器と、
を有することを特徴とする高周波発生装置。
【請求項2】
前記発振器で発信する電波の周波数の変更、及び/又は、前記光スイッチで取り出すモードの変更に基づいて、前記発生器から出力される高周波の周波数が変化することを特徴とする請求項1に記載の高周波発生装置。
【請求項3】
前記光スイッチは、第1の光スイッチ及び第2の光スイッチで構成されるものであって、
前記第1の光スイッチは、前記第1の周波数分波器及び前記第2の周波数分波器の出力のうち低周波数の出力端に接続され、前記第2の光スイッチは、当該第1の周波数分波器及び当該第2の周波数分波器の出力のうち高周波数の出力端に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波発生装置。
【請求項4】
前記第1の周波数分波器及び/又は前記第2の周波数分波器は、アレー導波路回折格子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高周波発生装置。
【請求項5】
前記第2の周波数分波器における各チャネルの中心周波数は、前記第1の周波数分波器における各チャネルの中心周波数に対して、前記周波数間隔の半分シフトしていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高周波発生装置。
【請求項6】
前記高周波は、テラヘルツ波又はマイクロ波であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高周波発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−4858(P2009−4858A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−161352(P2007−161352)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人情報通信研究機構、ICTによる安全・安心を実現するためのテラヘルツ波技術の研究開発委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人情報通信研究機構、ICTによる安全・安心を実現するためのテラヘルツ波技術の研究開発委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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