説明

高圧強化ゴムホース用改良型エンドコネクタ

強化材のサイン波ロックを利用した高圧大径強化型フレキシブルゴムホース用であり、特に石油化学及び掘削業界に適した、改良型加締め装着エンドコネクタに関する。ワイヤ強化薄型内側チューブホースに使用する改良型コネクタの2つの実施例が開示されている。一つは、直径3インチ、最大破裂圧力20,000psiであり、もう一つは、直径5インチ、最大破裂圧力18,000psiである。すべての改良型コネクタが、ポンプオフや漏れが生じることなくホースの定格破裂圧力に耐え、従って、改良型デバイスを用いたホースは、コネクタがホースからはずれる前に機能が停止する。この改良型コネクタは、2006年10月から施行される新APIの温度範囲と新APIフレキシブルスペックレベルに合うように、あるいはこれを超えるように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に強化ゴムホース産業に関し、特に、エネルギィ、海洋、石油化学などの産業に使用され、新API基準に合致する、大口径高圧フレキシブル強化ゴムホースの終端処理に用いる加締めたホース継ぎ手に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧ゴムホースは産業界で良く用いられているが、特に、鉱業、建設業、エネルギィ、海洋、及び石油化学産業で使用されている。フレキシブルゴムホースは、一方あるいは両方が互いに対して移動する、あるいは空間における別の固定地点へ移動する、2つの地点間で様々な圧力や温度下で流体を移送するのに使用される。この2つの地点における配管は、通常金属(あるいはその他の型の固定導管)であり、フレキシブルホースを配管の両端部に取り付ける必要がある。これは、ホースの各端部に継ぎ手を必要とする。
【0003】
掘削業界では、掘削装置のポンプパイピングシステムと、回転するドリルストリングに連結されたケリーの間をフレキシブルゴムホースが通っている。このポンプシステムは、裸孔から切屑を洗い流す(加えて、裸孔に安定性を提供する等)ために、流体を掘削パイプの中央へ降ろして、裸孔を通して戻す。この場合、フレキシブルホースが高圧にさらされる。この高圧は、掘削した流体を裸孔に移送するため、及び折り返しヘッド水圧(裸孔が深いほど、圧力が高くなる)に打ち勝つために必要である。
【0004】
回転式ドリルホースは、ホースの金属継ぎ手によって各端部で支持されているデリック内につり下げられており、掘削作業中にケリーが文字通り上下に数千回動くことで、更なるストレスにさらされる。このことは、ホースが金属継ぎ手においてストレスがかかることを意味している(さらに、ホースの長さ全体にストレスがかかる)。従って、人と装置を保護するために、ホースと継ぎ手の間に非常に信頼性の高い結合を必要とする。ホースが継ぎ手から外れると、ホースが容易に落下することがあり、掘削装置のドリル床に重大なダメージが生じる。同様に、ホースが破壊されると、循環が失われ、油井が暴噴状態になるであろう。
【0005】
高圧フレキシブルゴムホース(ゴムという用語は一般的に用いられており、特に天然のラバーゴムを意味するものではない)を得るために、ホース製造者は強化材を組み込むようにしている。従って、ホースは内側シーリング膜−流体密エレメント、内側ゴムエレメント、強化エレメント、外側ゴムエレメント、そして最後にある種の摩擦抵抗被覆、からなるであろう。強化エレメントは、通常ワイヤまたはケーブルの形状をした、ポリエステル、又は同様の有機材料、カーボンファイバ、又は同様のハイテク材料、又は金属(スチール)である。この補強は、一般的には、「プライ」と呼ばれる多層で用いられ、通常スチールでできている。
【0006】
ホース製造者によって使用されている強化材には4つのタイプがあり、例えば2層、4層、6層等といった偶数層に規定されており、評点方式を用いてホースの破裂圧力を特定する。例えば、回転式ドリル業界では、グレードCのホースの最低破裂圧力は10,000psiであり、グレードDのホースの最低破裂圧力は12,500psiであり、グレードEのホースの最低(保証)破裂圧力は18,750psiである。グレードCとDのホースは2プライホースであるが、4プライのDホースもいくつかある。最もグレードの高いEホースは4プライである。加締めエンドコネクタは、現在では、2プライホース用に入手可能であり、従って、CホースとDホースの破裂圧力範囲は、現在の技術によって扱うことができる。
【0007】
一般的にホース製造者は、長さ、直径、圧力、サービス率、及び必要なエンドコネクタを特定した、購入者によるオーダーに特化したフレキシブルホースを製造する。これらのフレキシブルホースは、通常、「エンドコネクタ付ホースアッセンブリ」又は「組み立てホースアッセンブリ」と呼ばれている。この用語は、業界を通じて使用されている。
【0008】
エンドコネクタ付組み立てホースアッセンブリでは、製造者は、購入者に指定された通り、製造工程中に、金属取付具(エンドコネクタ)内にゴムホースの終端処理を行う。従って、製造者は、内側ラバー膜(一次カーカス)とそれに関連する内側シール層(チューブ又は内側チューブ)を作り、このアッセンブリをエンドコネクタで終端処理する。次いで、製造者は必要に応じてワイヤ強化材を加え、各強化ワイヤ(又はケーブル)をエンドコネクタで終端処理する。通常、ホース製造者は、エンドコネクタ自体の中又は上でワイヤ強化を終端処理するのに2つの技術を用いるが、これは本開示の範囲を超えるものである。最後に、外側ラバー層(二次カーカス)及び外側カバー(カバー)が、強化ワイヤ又はケーブルの周りに形成され、製品全体を加硫処理して、結束した製品を作る。
【0009】
この方法でエンドコネクタ付ホースアッセンブリを製造するには時間がかかり、しばしばこのようなホースは、業種によっては、常に即座に必要である。この要求に応えるために、ローカル市場卸業者と呼ばれる別の業種が発達している。このローカル市場卸業者は、大量の強化ホース(エンドコネクタの付いていないホース)を在庫で保有している。購入者は、径、長さ、圧力定格、及びエンドコネクタといったホース条件を、ローカル市場卸業者に特定する。ローカル市場卸業者は、在庫から大量の強化ホースを取り出して、必要な長さにホースを切り、ホースの各端部に継ぎ手を配置する。ホース製造業者から長さの異なる大量のホースが入手可能であり、実際のバルク長さ(90フィートと110フィートの間)は、製造者が使用するマンドレルによって異なるであろう。
【0010】
できたホースは、ホースにエンドコネクタを配置する方法によって「加締め(加締め型)」または「クリンプ(ひだ型)」ホースと呼ばれる。ここで、「配置する」とは、加締め及び/又はクリンプ作業を含めて使用されている。なお、加締めを行ってもクリンプを行っても、同様の仕上がりとなる。
【0011】
加締め(又はクリンプ)コネクタにおける現在の技術は、ホースの端部に挿入されているステム周囲の強化ホース端部を圧縮した、ランド(内側リッジ)付外側フェルールを用いて発達した。このステムは、ホースとエンドコネクタ間の「握り」を改善する返しを有していても、いなくても良い。強化ホースの外側層は、しばしば、外側カーカス(ゴム製外側層と摩擦抵抗カバー)を除去し、これによって、強化材を露出させることを意味する(いくらかのローカル市場卸業者は、はがさないこともある)「スカイブ」を行うことがある。
【0012】
強化ホースは、実際には、ホースをステムに対して圧縮することによって強化部分をグリップしているフェルールのリッジによって、エンドコネクタで保持されている。強化材に対して、及び、フェルールの内側ステムに対しての圧縮動作(加締め又はクリンプ)が、ホースのゴム内、及び特に強化材に、せん断応力と歪みを作る。
【0013】
多重プライ強化ホースには、製造上の欠点がある(実際は、すべての強化ホースが欠点を含む)。製造中に、プライが適所から外れてしまうことがある。すなわち、互いに隣にあるのではなく、プライ間にボイド(もちろん、ゴムで満たされている)が存在し、プライが中心を外れてしまう、あるいは、一又はそれ以上のケーブルが飛び出てしまう(すなわち、その他のケーブルの若干上にある)。これらの欠陥が、加締めまたはクリンプしたエンドコネクタの境界内あるいは近傍にあると、事故が生じることがある。
【0014】
この事故の理由は比較的単純であり、エンドコネクタによってプライに係るストレスに通じる。ケーブル又はプライが適所から外れると、このエレメントが他のエレメントより圧迫される。この追加の圧迫によってより多くのストレスが適所から外れた強化材にかかり、事故につながる。
【0015】
ゴムホース用の高圧で加締めたエンドコネクタの開発は数年間に及び、この技術は、低温及び/又は低圧アプリケーションから高温及び/又は高圧アプリケーションへの挑戦に及ぶ。ホース径は、数センチメートル(数インチ)乃至数メートル(数十インチ)の範囲であり、コネクタの製造者/供給者は、取付部材における吸引力が、ホース内径と加わった圧力に比例することを認識している。
【0016】
本開示に引用によって全体が組み込まれているBaldwin et al.に付与された米国特許第7,388,090号に説明されているように、標準的な従来技術のほとんどが、鋸歯状ステムを使用しており、このステムは後方を向いた歯を有しており、ホースの内張りに引っかけて、ステムをホース内に保持するようになっている。また、この技術は、フェルール内に一連のランド(リッジ)を用いており、このランドがホースの外側層と強化材内に噛んで、おそらく前記ステムの歯(又は返し部分)を内張りに更に噛ませている。
【0017】
Baldwin et al.は、コネクタの鋭利なエッジが強化材を傷つけるため、標準的な技術がこの強化ケーブル(又はワイヤ)の深刻な欠点を引き起こすと説明している。この基本的な欠点を克服するべく、Baldwin et al.は、「波型」フェルールと、フレキシブルな強化ゴムホースへエンドコネクタを連結するステムとからなり、これによって、フェルールとステムの間に「二重サイン波ロック」を形成する発明を提供したが、主にこのロックは、フェルール内に形成されている(米国特許第7,388,090号参照)。フェルールとステムは継ぎ手端部において、開口を残して互いに溶接されており、通常の「リッジ付」フェルールや、「返し付」ステム取付部材とほぼ同様に、この開口が強化ゴム(エラストマ)ホースを受けている。直線状側部を有するのではなく、フェルールのランドと、ステムの頂点がサイン形状−波を形成している。この波パターンは、水中に投石することによって生じる波紋のような外観を有する。
【0018】
「二重サイン波ロック」の発明は、ステムとフェルールの間で、エンドコネクタ内部のホース強化材のすべてのプライを、フェルールとステムに対して圧迫したサイン波の状態でロックして、取付部材に全体的な強度を与え、ホースに圧力がかかっているかどうかにかかわらず、独立したホース(エンドコネクタがない)の強度が過剰になる。グレードEのホースは、最小破裂圧が18,750psiであり;グレードEのホースを使用する場合の即時デバイスは、18,750psi以上の全体強度をもつことになる(これらの圧力において、吸い上げる力は、断面積によって、240,000ポンドフォースに届くか、あるいはこれを超える)。本発明は、フェルールとステムを形成する材料と、エンドコネクタをホースに取り付けている間のこれらの材料の相対的移動を、ゴムとフレキシブルホース構造と共に熟考し、ホース強化材中に誘発されるストレスを最小限にしている。フェルールとステムのサイン波形状と、好ましい2段階取付方法(ステムの内部拡張と、それに続くフェルールの外部加締め)を含むこれらの要因のすべてが相互に作用して、オリジナルのBaldwin et al.の発明を形成している。
【0019】
発明の概要において、オリジナルのBaldwin et al.の「二重サイン波ロック」の発明は、フェルールとステム内のサイン線波状ロックを用いて、波型フェルールと波型ステムとの間にホースと強化部材を圧縮することによって、強化プライとホースを接続端部にロックしている。強化部材の応力と歪み、及び、強化部材がゴムホースから引き裂かれる(あるいはもぎ取られる)傾向が、取付作業を行う間に常に生じるフェルールとステム間の相対的な軸上変位を注意深く低減することによって、最小限に抑えられる。伸長強度が高いスチール、ホースとエンドコネクタ間の最小非接触クリアランス、及びノード、ランド及びフルートの慎重な設計を使うことによってこの相対的軸上変位は最小になり、臨界断面におけるステムとフェルールの半径方向の厚さが最小となり、取付部材の結果としての強度を考慮しながら、サイン状波ができる。
【0020】
Baldwinの「二重サイン波ロック」は、ケーブル又は高圧強化ホースとの連携を示しており、実際、エンドコネクタ付「組み立て式」ホースを置き換えたものである。なぜなら、Baldwinの二重サイン波ロックエンドコネクタを使用しているホースは、ホースとエンドコネクタとの間が破綻していないためである。圧力下にあるホースの欠陥は、ホース自体の中にあるからである。エンドコネクタはホースから緩まないであろう。この記載は、組み立て式ホースに関してはなされない。従って、「二重サイン波ロック」式のBaldwinエンドコネクタは、職場において安全に改良されている。ホースはもはや緩まず、装置を傷つけたり、人を傷つける場所に落ちることがなくなる。
【0021】
「二重ロック」エンドコネクタは、2段階の連結プロセスが必要である。コネクタをホースの上に配置して、内部でステムを拡張させる。結果としてできた組み立て体を次いで加締めプレスに配置して、ホース/ステムの上でフェルールを加締める。本発明を開発するときに、発明者は、このような2段階プロセスが必要かどうか、及び、ステムの上に(比較的)大きなランドと溝が必要かどうか疑問に思った。フェルールと、ステムと強化部材との間に最小限のロック(ポンプを切る力を転送する)を有する強化材との間に実際にロックが生じることが知られていた。ステムを小さい凹凸(バンプ)があるように設計することができれば、また、連結ステップを除くことができれば、改善されたデバイスができるであろう。より重要なことは、拡張ステップを除くことによって、加締め/拡張プロセス間にホース内を移動する材料の量が減ることであろう。ホース自体の中の材料の移動が低減すると、誘発ストレスが減少して、改良されたシールとロックとなるであろう。
【0022】
ここ数年間、ホース製造業者(特にヨーロッパで)は、軽量高圧強化ゴムホースを製造してきた。このホースは、ワイヤ又はケーブルでできた強化材を使用しているが、より薄い内側チューブを使用している。この内側チューブは、漏れのないフレキシブル管であり、これを高圧流体が通過する。拡張力が強化材に伝わって、内側チューブの破裂を防止している。ホース全体の重量を軽くするために、製造者は薄いチューブと薄い外側カバーを使用している。これらの材料が薄くなるほど、ホースの構成要素(すなわち、内側チューブ、強化材、及び外側カバー)間の動きがより重要な意味を持つようになる。従って、コネクタと、ロータリーホースやその他の高圧ゴムホースに用いている強化ホース管との接続プロセスにおいて、最小ストレスを生じるサイン波ロック装置が必要とされる。
【0023】
API(American Petroleum Institute;業界用の最も信頼性のある基準を決める)は、2006年10月に、ロータリーホースについてより厳格な基準を取り入れた。これらの厳格な基準によって、高圧ロータリーホースについての3つの温度範囲と、3つの「柔軟性レベル指定(Flexible Specification Levels (standards)」がもたらされた。この温度基準は:
温度範囲I:−20℃乃至+82℃(華氏−4°F乃至+180°F)
温度範囲II:−20℃乃至+100℃(華氏−4°F乃至+212°F)
温度範囲III:−20℃乃至+121℃(華氏−4°F乃至+250°F)
である。
【0024】
柔軟性レベル指定は:
柔軟性レベル0:セメントホースのみ−脈動なし
柔軟性レベル1:ロータリー、振動、ジャンパーホース−通常使用のみ−高周波振動なし
柔軟性レベル2:ロータリー、振動、ジャンパーホース−作動中に6.9MPa(1000psi)を超える高周波振動が生じる可能性がある
である。
【0025】
残念なことに、これらの新API基準では、試験中にほとんどの(全部ではないが)加締め型エンドコネクタ、特に、温度範囲IIIと柔軟性レベル2で一連の不具合を引き起こした。温度範囲IIIの場合、内側チューブ(高圧強化ホースにおける実際に液体を含有する要素)ホースが溶けて、ホースからコネクタが外れ、エンドコネクタ又はエンドコネクタとホースの両方に漏れが生じた。残念なことに、同じ不具合が、組み立てたホースにも同じ理由で生じた。これらの条件のいずれも耐えられるものではなく、従って、新API基準に合う高圧エンドコネクタが求められている。
【発明の概要】
【0026】
本発明の両実施例は、Baldwin et al.に付与された米国特許第7,333,090号に開示されているサイン波ロックの改良型であり、この改良は、すべてのフルートが変形(サインx)/x関数に従っているフェルールである。ここで、フルートは、コネクタの終端における最大高さから、コネクタのホース端部における最小高さへ続いている。フルート間のランドは、変形(サインx)/x関数に従ってスロープ又はカーブになっている。関連するステムは、一連の整合したバンプを有し、加締め動作が完了すると、フェルールのランド中央に整列する。バンプの高さは、コネクタの終端における最大高さからコネクタのホース端における最小高さへと変化するが、バンプを規定する真の変形(サインx)/x関数は存在しない(オリジナルのBaldwin et al.の発明と異なる)。ステムとフェルールは、溶接など適宜のプロセスによって互いに連結される。
【0027】
エンドコネクタは、標準的な方法で強化ホースに連結されており、この方法は、第1の実施例については外側ジャケットをスカイブするステップを、また、第2の実施例については、外側ジャケットと内側カーカスの両方をスカイブするステップを具える。このホースは、フェルールとステムの間に形成されたエンドコネクタキャビティ内に、内側チューブの端部が最後のフルートをちょうど通り過ぎる地点に対して、又、第1の実施例におけるコネクタの終端における最後のランド内に注意深く配置されている。第2の実施例では、内側チューブが最後のフルートを過ぎて最後のランド内にまだあるが、強化材は、一連の追加フルートとランドが露出した強化材に接触しているコネクタ内へ更に延びている。次いで、この取付部材を、標準的な技術を用いてホースの上に優先的に加締める。
【0028】
加締め工程が生じると、ステム上の小さなバンプがオフセット力を作り、これが、強化材をフェルールのランド内に拡張させて、強化材と、フェルールのランド及びフルートとの間にサイン波ロックを形成する。
【0029】
ステムは、製造中あるいはどの時点でも、減摩擦材でコーティングを行って、強化ホースの内側チューブが、コネクタをホースに加締める(又はクリンプする)工程で、ステムに沿ってより自在にスライドするようにしても良い。加締め行程のときの過剰ゴム及びその他の「副産物」(「押し出された強化材」など)用の拡張領域が、コネクタの終端(例えば、コネクタの終端におけるフェルールとステムの間)に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、典型的なケーブル強化型フレキシブルゴムホースを示す断面図である。
【図2】図2は、現在の技術状況におけるNTP終端を有する標準コネクタを示す断面図である(これは、数十年間使用されている古いスタイルの連結部である)。
【図3】図3は、「二重ロックサイン波」エンドコネクタの現在の進化した状況で使用されているフェルールの断面を示す図である(この「二重ロックサイン波」エンドコネクタは、過去5年間使用されている)。
【図4】図4は、「二重ロックサイン波」エンドコネクタの現在の進化した状況で使用されているステムの断面を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施例に使用されているフェルールの断面図であり、「二重ロックサイン波」コネクタの通常の改良型である(図3及び5は類似であることに留意)。
【図6】図6は、本発明の第1実施例に使用されているステムの断面図であり、「二重ロックサイン波」コネクタの通常の改良型であり、デバイス全体に単一のロックサイン波を形成している(図4及び6は類似でないことに留意)。
【図7】図7は、改良型エンドコネクタの第1実施例を長手方向中心線を中心に示す図であり、ステムに取り付けたフェルールを示している。
【図8】図8は、改良型エンドコネクタの第2の好ましい実施例のフェルールを長手方向中心線に沿って側面から示す図である。
【図9】図9は、改良型エンドコネクタの第2の好ましい実施例のステムを長手方向中心軸に沿って側面から示す図である。
【図10】図10は、改良型エンドコネクタの第2の好ましい実施例のステムを長手方向中心軸に沿って示す図であり、このステムにフェルールを取り付けた状態を示す。この図も、本開示に示す所定の用語と、特許請求の範囲で使用されているグリップゾーンを規定している。
【図11】図11は、「ダブルスカイブした」高圧強化ホースをエンドコネクタに挿入する直前の第2の好ましいエンドコネクタを示す図である。外側カバーと同様に内側チューブを除去して、強化材が露出している点に留意されたい。
【図12】図12は、「ダブルスカイブした」高圧強化ホースをエンドコネクタに挿入した直後であり、加締めの前の第2の好ましいエンドコネクタを示す図である。
【図13】図13は、エンドコネクタに挿入した「ダブルスカイブした」高圧強化ホースを伴う、加締め完了後の第2の好ましいエンドコネクタを示す図である。
【図14】図14は、第2の実施例のコネクタ寸法を英国単位系で示す表である。
【図15】図15は、第2の実施例の「スカイブ」を英国単位系で示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、標準重量表Dのケーブル強化ホースを示す。スケジュールEホースは、一般的に4つの連結強化プライを有する。ヨーロッパの軽量ワイヤ強化ホースの断面には示されていないが、6つの連結ワイヤプライがある点と内側チューブがゴムでできた薄い層を1枚具えている点を除いて、図1に示すものと同様である。
【0032】
本発明の第1の実施例のフェルールが図5に断面図で示されており、このフェルールは、4インチ×0.337Wのスケジュール80のパイプから機械加工されたものである(メートル法換算値で示すのは困難である)。第2実施例のフェルールは図8に断面図で示されており、これは、9.00×0.750のウォール機械チューブ(DOM)から機械加工されている(メートル法換算値で示すのは困難である)。一方の端部(ステムに溶接される方の端部)を、ロールダイに配置して圧縮し、図5及び8の左側に示すような狭くなったネック部分を形成する。フェルールの内側を機械加工して、一連のランドとフルートを作る(トータルで6個が図5に示されており、トータル10個が図8に見られる)。
【0033】
図5における第1の実施例では、すべてのランドがフェルールの軸中心線から測定して、4.03φの同じ半径方向の高さを有する。第1及び第2のフルート(フェルールのホース端部から連続している)は、3.88φの半径方向の高さを有しており、第3のフルートは、高さが3.86φであり、最後の3つのフルートは、高さが3.83φである。図8は、異なる第2の実施例を示す図であり、後のパラグラフで詳細に説明する。両実施例において、フルートはフェルールに沿って軸方向に等距離に間隔が空いていない。なぜなら、フェルールを加締める時(ホース端部から始まる)、フェルールが、強化材がフェルールとステムの間でロックされるまで取付具のホース端部に向けて軸方向に移動するからである。実際のロックは、加締めがフェルールに沿って約半分になるまで生じないであろう。この時点まで、内側チューブとホースは、取付具の終端から軸方向に自在に移動する。ロックが生じると、内側チューブとホースのすべてが取付具の終端方向へ動く。
【0034】
適用する加締めの材料特性と角度に基づいて単純な機械的計算を行うことにより、設計者はフルートの間隔を計算することができ、取付具をホースへ加締めた後、ステムのバンプが、フェルールのランド内側のほぼ真ん中で凹む。ランド内のほぼ中央にあるバンプの最終位置がこのデバイスには重要であり、強化材とフェルール間にサイン波ロックを得る方法である。
【0035】
ランドとフルートの高さ寸法は、限定ではなく一例にすぎない。同様に、ここに示すフルートの間隔も限定ではなく、一例である。ある状況(ホース径が大きい)では、これらの寸法を調整して、ホース端からの距離を変化させ、スロープ全体を形成するようにすることが必要である。
【0036】
ホースに最も近いコネクタ端部では、フェルールの内径が大きく、フェルールを加締めるときに、ゴム製の外側カバーに最低圧力がかかるようにする。ホース端は、図に示すように丸い。
【0037】
本発明の第1実施例のステムが、図6に断面図で示されており、これは、3インチ×.437W スケジュールSMLSのパイプから機械加工されたものである。6個の「バンプ」は、0.06インチであり、ステムに同等に機械加工されている。上述した通り、関連するフェルールのステムとランド上のバンプの相対位置は、フェルールと強化材との間にサイン波ロックを形成するのに重要である。また、ここに記載の寸法は、限定でなく一例にすぎない。これは、この寸法が、取付具のサイズと強化ホースのタイプによって変わるためである。材料と加締めに関する知識を有する技術者であれば、この開示に調整を行って、取付具の製造者に置いて使用することができるように取付具、ホース、ホースのタイプ、及び材料のサイズを変えることができる。実際、バンプのサイズは、試行錯誤によって選択して、ちょうどバンプによってフェルールに強化材プライのサイン波ロックができるような最小高さを有するようにすべきである。フルート、ランド、及びバンプの正しい寸法とスペースを得る最良の方法は、試行錯誤による方法である。計算は役に立つであろう。
【0038】
図5に示すフェルールは、ステムの突起において、図6に示すステムに溶接されており、完全な組立て体(第1の実施例である)が図7に示されている。この溶接は、品質を確かなものにするために注意深く検査される。出来上がった取付具がHSサービスに使用されるものである場合は、取付具を熱処理して、硫化水素応力亀裂の可能性を低減しなくてはならない。
【0039】
取付具の第1の実施例は、業界の標準技術−デバイスに更なるプラスをもたらす−を用いて強化型高圧ゴムホースに永久的に取り付けられている。通常、外側カバーを外して強化材がむき出しになっている。スカイブの軸方向長さは、フェルールの実際の長さによって設定される。一つには、外側カバーの約1/2インチを、加締め前にフェルールのホース端部に確実に該当しなければならない。次いで、ホースをフェルールとステムの間に形成されているキャビティ内に、キャビティの遠位端から約1/2インチのところに注意深く配置する。このスペースによって、加締め行程の間にホースが拡張することができる。
【0040】
先に述べたように、加締め工程は、取付具のホース端で始まり、軸方向に取付具に沿って終端まで移動する。フェルールを加締める場合、半径方向内側へステムに向かって、また、軸方向に外側へホースに向かって移動する。フェルールは軸方向内側に移動するので、ステムバンプが強化材のプライをすべてフェルールのランドへ動かすように作動する。フェルールに沿ってほぼ中央に(加締め中に)、ホース端部の強化材がサイン波の形でロックする(フェルールの形成に続いて)。加締め行程が続くと、フェルールがホースと共に、取付具のホース端部から軸方向に置いて遠ざかる。このサイン波ロックが加締めと共に順次移動して、加締めが最後のフルートをちょうど通過して止まるまで、ホース端から離れる。フェルールは、実際に、ステムの周りで半径方向に拡張して、ホースからの過剰なゴムを受ける体積となる。
【0041】
第1の実施例では、ホースの内側チューブとステムの間には機械的ロックがないと解するべきである。機械的ロックは、フェルールのランドとフルートの間に、変形サイン波と強化材の形で見られる。新API標準への合致を試験するコースにおいては、第1の実施例は、温度とフレキシビリティについての新API標準に合わず、従って、デバイスを更に強化して第2の実施例とした。しかしながら、デバイスの第1実施例は、二重ロックBaldwin 装置の改良型であり、この分野への付加である。
【0042】
第2の好ましい実施例を検証すると、これは、温度とフレキシビリティの両方についてロータリーホースの新API標準に必要な第1の実施例の変形例である。この特許の背景のところで説明したように、温度が高いと、強化ホースの内側チューブが多かれ少なかれぐしゃぐしゃになって、2つの問題が生じる。第1に、ゴムがゼリー状になって強化材とコネクタ間のロックが外れ、第2に、加締めたコネクタがホースから滑り落ちる。加締めたコネクタ、及び、組み立てたホースアッセンブリの場合、(温度によって)ぐしゃぐしゃになった内側ホースに漏れが生じ、ホースとコネクタの間に流体があふれる。加締めたコネクタがゆるくなる傾向と、加締めたコネクタと組み立てたホースコネクタの両方に漏れが生じる傾向の双方とも、フレキシビリティ標準に関して悪化する。このように、この問題を解決するには第1の実施例の概念を拡大する。
【0043】
図8は、第2の好ましい実施例のフェルールを示す図である。基本的に、3セットのフルート(バンプ)とランド(溝)と、終端グリップ部分がある。ホースから最も遠くにあるコネクタの端部(図の左側)で開始して、「ゼロ」あるいは拡張領域があり、次いで、フェルールの軸方向中央線から測定して7.52φの高さを同じ半径方向に有する4本のフルートでなる第1セットがある。このフルートは、半径方向の深さが7.78φの第1セットのフルートの間にランドを有する。第2セットのフルート(2本)は、半径方向の高さが同じであり、第3セットは、7.50φのフルート(4本)であり、これらの2本のフルート間のランドは、半径方向の深さが7.76φである。第3セットのフルート間のランドは、半径方向の深さが8.03φである。最後に、終端フルートがあり、これはスロープになっており、半径方向の高さ7.67φから、ホースの外側ジャケットに接触しているコネクタの端部に向けて細くなるようにテーパが付いている。上述したように、両方の実施例において、フルートはフェルールに沿って軸方向に同等に間隔があいていない。
【0044】
本発明の第2実施例のステムが図9に断面図で示されており、6と5/8インチの外径の機械チューブ、すなわち、Gr.4130から機械加工されたものである(これもメートル法換算値にすることは困難である)。ホースから最も遠くにある部分(図の左側)から開始して、6.413φ及び5.46φの相対高さを有する2本の細長い平坦な領域がある。この2本の領域のうち最初の領域は、加締め後及び加締めの間フェルールと共働して、拡張ゾーン(ゾーン1)を形成する。2番目の領域は、完成したコネクタ内にホースが配置されているときに、強化材に対するストップとして作用すると共に、加締めを行う間に加締め工程がこのゾーンに届くまで強化材をいくらか移動させる。このゾーンでは、フェルールとステムが強化材の周りをクリンプして、コネクタを加締める時の第1のグリップゾーン(ゾーン2)を形成する。
【0045】
これに、相対高さ5.46φを有する4本のフルートが続く。このフルートとランドのセットは、加締めの後にこのフェルールのフルートとランドの第1のセットに整列して、第2のグリップゾーン(ゾーン3)を形成する。これらのフルート間のランドは、相対深さが5.33φである。最後のフルートは、少し異なっており、相対高さ4.98φのもう一つの(第3の)細長い平坦領域に続いている。この領域は、この第2セットのフェルールのフルートとランドに整列して、第3のグリップゾーン(ゾーン4)を形成しており、これが、コネクタを加締めるときに二重のクリンプのように作用する(フルートと平坦スポットの間の移行部分は後側に向かう傾斜になっている。これは必要なものではないが、説明する)。これに続いて、高さ4.98φの一連の4つのバンプがあり、このバンプの間に相対深さ4.88φのランドがある。これらのバンプは、このフェルールの第3セットのフルートとランドと整列して、サイン波状の第4のグリップゾーン(ゾーン5)を形成する。
【0046】
次いで、ゆったりとした移行部分が、相対高さ4.98φの平坦領域へ戻っている。この移行部分は、フェルールと共働して応力低減及び終端ゾーン(ゾーン6)を形成する。上記に説明したように、関連するフェルールのステムとランド上のバンプとフルートの相対位置は、フェルールと、強化材と、ステム間のサイン波ロックを形成するのに重要である。
【0047】
これらの寸法は限定でなく、一例である。なぜなら、この寸法は、取付具のサイズと強化ホースのタイプによって変動するからである。材料と加締めに関する知識を有する技術者であれば、この開示に調整を行って、取付具の製造者が使用できるように取付具、ホース、ホースタイプ、及び材料のサイズを変更できる。実際、バンプのサイズは、試行錯誤によって選択して、バンプによってフェルールに強化材プライのサイン波ロックがちょうどできるような最小高さにすべきである。正しい高さ、深さ及びスペースを得るためには、第1実施例で用いたものと同じ技術、すなわち、試行錯誤法を用いるべきである。
【0048】
図8のフェルールは、ステムの突出部において、図9に示すステムに溶接されており、完全な組み立て体(第2の実施例である)が図10に示されている。この溶接は、品質を確かなものにするために注意深く検査される。完成した取付具をHSサービスに使用する場合は、取付具を熱処理して、硫化水素応力亀裂の可能性を低減しなくてはならない。
【0049】
取付具の第2の実施例は、高度に修正した業界の標準技術を用いた強化型高圧ゴムホースに永久的に取り付けられている。まず、外側カバーを外して強化材を露出させる。外側スカイブの軸方向長さは、フェルールの実際の長さに応じて設定される。一つは、外側カバーの約1/2インチが、加締め前にフェルールのホース端部に確実に該当しなければならない。次いで、基本的に内側チューブである内側カーカスをはがして、強化材を露出させる(ロータリーホースでは、一般的な手順ではない)。内部スカイブの軸方向の長さは、地点「B」と「D」間の取付具の軸方向の長さによって設定される(図10参照)。
【0050】
次いで、フェルールとステムの間に形成されているキャビティ内の地点「B」に対して強化材がおかれているところへホースを注意深く配置する。この地点は、強化材に対するストップとして作用する。また、内側チューブは地点「D」に対して置かれており、コネクタ内でホースが正しい位置に置かれるようにする。地点「A」と「B」間のスペースによって、加締め行程の間にホースが拡張できる。
【0051】
先に述べたように、加締め工程は、取付具のホース端で始まり、取付具に沿って軸方向に連結端まで移動する。フェルールを加締める場合、これは半径方向内側へステムに向かって、また、軸方向外側へホースに向かって移動する。フェルールは軸方向内側に移動するので、ステムバンプが強化材のプライをすべてフェルールのランドへ動かすように作用する。コネクタ内の地点「D」あたりにおいて(加締め中に)、ホース端部の強化材がサイン波形状でロックする(フェルールの形成に続いて)。地点「D」を通って地点[A」に向けて加締め行程が続くと、フェルールがホースと共に、取付具のホース端部から軸方向に遠ざかる。ステム、強化材、及びフェルール間のサイン波ロックが、加締めと共に、加締めが地点「B」近傍の最後のフルートをちょうど通過して止まるまで、順次移動する。加締めは時々、地点[B」と地点[A」の間の地点まで続くことがある。実際には、フェルールがステムの周りを半径方向に拡張して、ホースからの過剰なゴムを受ける体積(ゾーン1)になる。
【0052】
地点「B」と「C」間のステムとフェルールの間には、「クリンプ」として機械的ロックがある(第1のグリップゾーン−ゾーン2)と解するべきであり、次いで、地点「C」と「D」の間には、変形サイン波の形の重要な機械的ロックがある(ゾーン3)。コネクタをホースに保持しているのは、このサイン波ロック(第2のグリップゾーン)である。次いで、地点「D」と「E」の間に更なる機械的ロックが見られ、これがフェルール上のフルートとランドの第2セットとステムの第3の平坦領域(ゾーン4)の間に形成された第3のグリップゾーンである。
【0053】
ステムの地点「E」と「F」の間に位置するバンプセットは、このフェルール上の第3セットのフルートとランドと相互作用して、第4のグリップゾーンを形成し、内側カーカスと強化材の間に変形サイン波形状を作る(ゾーン5)。内側チューブが高温によってぐしゃぐしゃになった時に、コネクタのステム周囲からホース外部への液体の漏れを止めているのはこのロックである。基本的に、このサイン波ロックは、第1の実施例のものと同じである。
【0054】
最終的に、地点「F」とコネクタ端部間の移行領域は、フェルールの終端フルートと相互作用して、第5のグリップ及び終端ゾーン(ゾーン6)を形成している。このプロセスは、図11乃至13に記載されている。第1実施例にあるような第2のスカイブ(すなわち、ゾーン5に当たるホース部分)を省略することもできる。しかし、流体漏れの可能性が残る。
【0055】
ここで、内側チューブがぐしゃぐしゃになる(すなわち、内側チューブが強度を失い、ゼリー状になる)傾向にある高温の流体にホースがさらされた場合の、加締めコネクタの動作を説明する。地点「D」における弁が、型崩れしたゴムがコネクタの開口端に戻らないようにする。同様に、コネクタのホース端部におけるフェルールとステムの対応するスロープ部分(加締めの時に互いに対してスロープとなる)が、地点「D」と「E」の間の二重クリンプロックと共働し、コネクタの地点「E」と「F」間のサイン波ロックが、ぐしゃぐしゃになった内側カーカスを保持するように作用し、これによって、コネクタからの流体漏れを防ぐ。最終的に、強化材、ステム、及びフェルール間(地点「C」と「D」の間)のサイン波ロックによって、コネクタはホースからポンプオフしない。ポンプオフ力は、第1のコネクタ(ホースの一端)から強化材まで、ホース(実際の強化材)を通って、第2のコネクタ(ホースの他端)へ伝わる。強化材の提供は、ダメージとならず(サイン波ロック地点)、強化材は、コネクタ内で機能しなくなることがない。しかし、ホース内で何らかの障害が生じ、これが組み立て体全体をより安全なものにする。
【0056】
進歩性は、ステムの一連のバンプがBaldwin et al.の装置のオリジナルの二重サイン波ロックにとって代わることを実現したことである。更に、このデバイスは、ステムを拡張させる必要がなく、ステムにおいて柱の座屈を低減するステップが不要である。更に、機械加工が簡単であり、多くの要素(二重ロックサイン)が単一ロックサイン波に低減される。この装置の第2の実施例は、二重ロックBaldwin装置の改良であり、この技術分野への追加であり、新APIスペックに適合する。
【0057】
本開示におけるすべての寸法は例示であり、限定とするべきではない。なぜなら、寸法はホース径と圧力との比によって変わるからである。対応するフルートとランドの数は、ホース径と圧力の比によって設定され、従って、変化する。3インチのホース用のもの(第1の実施例)と、5インチのホース用のもの(第2の実施例)の2つの例について述べた。図14と15に2つ表が示されており、これは第2の実施例のコネクタの基本的寸法、並びにスカイブする寸法の詳細である。ここに開示した技術によって、製造業界における当業者は、様々な直径と圧力比で、2つの実施例を再現することができる。
【0058】
高圧ロータリーホース組み立て体は、ホース製造業者又は現地流通業者によって、上述の2つの実施例のいずれかで特定された高圧ホースの特定の長さから容易に組み立てることができる。スペックの温度とフレキシビリティの要求が高い場合は、ホース組み立て体は、第2の好ましい実施例から加締めることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化ホースに永久的に取り付けるエンドコネクタにおいて:
連結端とホース端を有するステムと;
前記連結端近傍において前記ステムに内部が固定されているフェルールであって、前記ステムの周りに同心状に前記ホース端に向けて延在しており、前記フェルールの内部に形成された変形(サインx)/x波と類似するサイン波グリップ手段を具えるフェルールと;
を具えることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のエンドコネクタにおいて、前記ステムが更に外側部分を具え;
前記ステムの外側部分に前記サイン波グリップ手段を作動させるバンプ手段を具えることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のエンドコネクタにおいて、前記サイン波グリップ手段が、前記フェルール内に軸方向に機械加工され、前記強化ホースの上に前記エンドコネクタを加締めるように配置された一連のランドとフルートを具え、前記ランドが前記ステムのバンプ手段と整列していることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項4】
請求項1に記載のエンドコネクタにおいて、前記ステムが摩擦低減材でコーティングされており、これによって、加締め工程中に前記ステムに沿って軸方向に前記強化ホースを容易に移動させることができることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項5】
高圧強化ホースアッセンブリにおいて:
第1及び第2の端部と、強化材と、ゴム製内側層と、外側カーカスとを有する高圧強化ゴムホース部分と;
フェルールとステムを組み入れており、当該フェルールとステムの間にサイン波グリップ手段を形成した第1及び第2のエンドコネクタであって、当該第1のエンドコネクタが前記ホースの第1の端部に永久的に取り付けられており、これによって前記第1のエンドコネクタと前記ホースの第1の端部との間にサイン波ロックを形成しており、前記第2のエンドコネクタが前記ホースの第2の端部に永久的に取り付けられており、これによって前記第2のエンドコネクタと前記ホースの第2の端部の間にサイン波ロックを形成している、第1及び第2のエンドコネクタと;
を具えることを特徴とする高圧強化ホースアッセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載の高圧強化ホースアッセンブリであって、前記ホースを前記エンドコネクタに永久的に取り付ける前に前記外側カーカスの一部を除去することによって第1のスカイブを行って、これによって前記強化材を露出させ、前記強化材が、前記サイン波グリップ手段を含む前記エンドコネクタの部分において前記フェルールに接触し、前記内側ゴムが、前記サイン波グリップ手段を含む前記エンドコネクタの部分に置いて前記ステムと接触することを特徴とする高圧強化ホースアッセンブリ。
【請求項7】
内側チューブと、外側カーカスであって当該外側カーカスと内側チューブとの間に強化材を配置した外側カーカスを有する強化ホースへ永久的に取り付けを行うエンドコネクタにおいて:
連結端部と、ホース端部と、外側部分とを有するステムと;
前記連結端部近傍において前記ステムに固定され、前記ステムの周囲に前記ホース端部に向けて同心状に延在する内側部分を有するフェルールと;
前記ステムの外側と前記フェルールの内側との間にあり、前記強化ホースの一方の端部を受けるように構成されている円形キャビティであって、当該キャビティが、拡張領域として構成された第1のゾーンと、ストップ及び第1のグリップ領域として構成された第2のゾーンと、第2のグリップ領域として構成された第3のゾーンと、第3のグリップ領域として構成された第4のゾーンと、第4のグリップ領域として構成された第5のゾーンと、応力緩和及び終端領域として構成された第6のゾーンと、の6つのゾーンに分かれており、前記第1のゾーンが前記連結端部に位置しており、前記第6のゾーンが軸上にある前記ホース端部に前記第2、第3、第4、及び第5のゾーンと共に、前記第1乃至第6のゾーンが数値順に位置しており、前記第1のグリップ領域が前記フェルールと前記ステムとの間の強化材をクリンプするように構成されており、前記第2のグリップ領域が、前記フェルールと前記ステムとの間で変形サイン波に前記強化材をロックするように構成されており、前記第3のグリップ領域が前記強化材と内側チューブを前記フレールと前記ステムとの間にロックするように構成されており、前記第4のグリップ領域が前記強化材と内側チューブを前記フェルールと前記ステムの間に変形サイン波にロックするように構成されており、前記応力緩和及び終端ゾーンが前記外側カーカスと内側チューブとの間の前記エンドコネクタ内で徐々にホースが終端するように構成されている、円形キャビティと;
を具えることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項8】
請求項7に記載のエンドコネクタにおいて、前記第1のグリップ領域が、前記フェルールと、前記強化材と、前記ステムとの間にクリンプ手段を具えることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項9】
請求項7に記載のエンドコネクタにおいて、前記第2のグリップ領域が、前記フェルールと、前記強化材と、前記ステムとの間にサイン波ロック手段を具えることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項10】
請求項7に記載のエンドコネクタにおいて、前記第3のグリップ領域が、前記フェルールと、前記強化材と、前記内側チューブと、前記ステムとの間に二重クリンプ手段を具えることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項11】
請求項7に記載のエンドコネクタにおいて、前記第4のグリップ領域が、前記フェルールと、前記強化材と、前記内側チューブと、前記ステムとの間に変形サイン波ロック手段を具えることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項12】
請求項7に記載のエンドコネクタにおいて、前記第3及び第4のゾーン間の移行部分が鋭角になっており、これによって、高温流体が強化ホースを通過することによって生じる内側チューブの変形を抑制することを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項13】
請求項9に記載のエンドコネクタにおいて、前記サイン波ロック手段が、前記ステムに形成された複数のフルートとランドに相補である前記フェルールに形成された複数のフルートとランドを具え、前記エンドコネクタが前記強化ホースに永久的に取り付けられている場合に、前記強化材が変形サイン波の形状をとり、これによって前記フェルールと前記ステムとの間が機械的にロックされことを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項14】
請求項11のエンドコネクタにおいて、前記ステムが更に前記ステムの外側部分に形成した複数のバンプを具え、前記サイン波グリップ手段が、前記フェルール内に軸方向に機械加工された一連のランドとフルートであって、前記エンドコネクタを前記強化ホースに永久的に取り付けたときに前記ランドが前記ステムのバンプに整列するように配置されたランドとフルートを具え、前記ステムの前記フェルールとバンプの上の前記フルートとランドの間の機械的相互作用によって、前記強化材が変形サイン波の形をとり、これによって、前記フェルールと前記ステムを前記強化ホースにシールすることを特徴とするエンドコネクタ。
【請求項15】
高圧強化ホース組み立て体において:
第1及び第2の端部と、強化材と、ゴム製内側層と、外側カーカスとを有する高圧強化ゴムホース部分と;
フェルールとステムを組み入れた第1及び第2のエンドコネクタであって、前記ホースが前記エンドコネクタに永久的に取り付けを行う前に、前記外側カーカスとゴム製内側層の一部を除去することによって前記ホースの第1のスカイブを両端に行い、これによって、前記強化材を完全に露出させて、前記強化材を前記フェルールと前記ステムに直接的に接触させ、前記両コネクタが第1及び第2のサイン波グリップ手段がある前記フェルールと前記ステムとの間に形成した複数のグリップ手段を具え;前記第1のエンドコネクタが前記ホースの第1の端部に永久的に取り付けられており、これによって、前記ホースの第1の端部と前記第1のサイン波グリップ手段における前記ホースの第1の端部との間に、前記強化材に対してサイン波ロックを形成しており;前記第2のエンドコネクタが前記ホースの第2の端部に永久的に取り付けられており、これによって前記ホースの第2の端部と前記第1のサイン波グリップ手段における前記第2のエンドコネクタとの間に、前記強化材に対してサイン波ロックを形成している、第1及び第2のエンドコネクタと;
を具えることを特徴とする高圧強化ホース組み立て体。
【請求項16】
高圧強化ホース組み立て体において:
第1及び第2の端部と、強化材と、ゴム製内側層と、外側カーカスを有する高圧強化ゴムホース部分と;
フェルールとステムを組み入れた第1及び第2のエンドコネクタであって;前記ホースが前記エンドコネクタに永久的に取り付けを行う前に、前記外側カーカスとゴム製内側層の一部を除去することによって前記ホースの第1のスカイブを両端に行い、これによって、前記強化材を完全に露出させて、前記強化材を前記フェルールと前記ステムに直接的に接触させ;前記外側カーカスの更なる部分を除去して、前記強化材を前記フェルールにのみ直接接触させ、前記両コネクタが第1及び第2のサイン波グリップ手段がある前記フェルールと前記ステムとの間に形成した複数のグリップ手段を具え;前記第1のエンドコネクタが前記ホースの第1の端部に永久的に取り付けられており、これによって、前記ホースの第1の端部と前記第1のサイン波グリップ手段における前記第1のエンドコネクタとの間に、前記強化材に対して直接サイン波ロックを形成しており;前記第1のコネクタが、前記フェルールと、強化材と、内側チューブと、ステムとの間の前記第2のサイン波グリップ手段にさらに永久的に取り付けられており;前記第2のエンドコネクタが前記ホースの第2の端部に永久的に取り付けられており、これによって前記ホースの第2の端部と前記第1のサイン波グリップ手段における前記第2のエンドコネクタとの間に、前記強化材に対して直接サイン波ロックを形成しており;前記第2のコネクタが、前記フェルールと、強化材と、内側チューブと、ステムとの間の前記第2のサイン波グリップ手段において、更に永久的に取り付けられている第1及び第2のエンドコネクタと;
を具えることを特徴とする高圧強化ホース組み立て体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−518770(P2012−518770A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552024(P2011−552024)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/000520
【国際公開番号】WO2010/098833
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511206434)ジョージ マイヤー カンパニー,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GEORGE MYER COMPANY,INC.
【Fターム(参考)】