説明

高圧放電ランプ及び照明装置

【課題】封止部において封着性に優れ、長時間の使用によってもリークし難くする。
【解決手段】放電空間を形成する包囲部11及びこの包囲部11の両側に連通してそれぞれ設けられた小径筒部12a、12bを備えてなる透光性アルミナセラミックス製の放電容器1と;小径筒部12a、12bに挿入されて小径筒部12a、12bの両端側で封着される導電体23a、23bと;放電容器1の包囲部11内に設けられ、導電体23a、23bの先端側に設けられた電極2Aと;導電体23a、23bと小径筒部2a、12bの間隙に設けられて両者を封着し、少なくとも一部にアルミナの結晶が析出しているフリットガラス13と;放電容器1内部に封入された放電媒体と;を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、透光性セラミックスの放電容器を備えた高圧放電ランプ及びこれを用いた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高圧放電ランプに対する高効率化、小型化の要求が強まっており、これに伴って点灯時の温度や内圧などが従来品より高くなっている。また、高圧放電ランプの放電容器についても、石英ガラスよりも融点が高く、点灯温度を高く保つことが可能なアルミナ(Al2 3 )を主成分とする透光性アルミナセラミックスが用いられるようになりつつある。このようなセラミックスを用いた高圧放電ランプとしては、特許文献1、特許文献2に記載されたランプを挙げることができる。
【0003】
上記透光性アルミナセラミックスを用いた高圧放電ランプにあっては、封着部分にフリットガラスを使用している例が多い。フリットガラスによる封着に関しては特許文献3に記載されている。
【特許文献1】特表2005−532250号公報
【特許文献2】特開2006−160595号公報
【特許文献3】特開2006−202728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記セラミックスを用いた放電容器では、封止部にフリットガラスやサーメットと称される封止用導体を用いているために、現状では石英ガラスのモリブデン箔を用いた封着構造に比べて耐熱性が低い。このため、セラミックス製の放電容器は封着部の信頼性が劣り、リークが発生し易く長寿命化を図ることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、封止部において封着性に優れ、長時間の使用によってもリークし難く、長寿命化を図ることの可能な高圧放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る高圧放電ランプは、放電空間を形成する包囲部及びこの包囲部の両側に連通してそれぞれ設けられた小径筒部を備えてなる透光性アルミナセラミックス製の放電容器と;小径筒部に挿入されて小径筒部の両端側で封着される導電体と;放電容器の包囲部内に設けられ、導電体の先端側に設けられた電極と;導電体と小径筒部の間隙に設けられて両者を封着し、少なくとも一部にアルミナの結晶が析出しているフリットガラスと;放電容器内部に封入された放電媒体と;を具備することを特徴とする。
【0007】
フリットガラスは、放電容器の小径筒部と電極につながる導電体との間を封着する封着材である。また、フリットガラスは、加熱により溶融して小径筒部と導電体との間の隙間に進入して固化することにより、小径筒部と導電体との間を封着することによって放電容器内を気密に封止する。
【0008】
透光性アルミナセラミックスは、アルミナ(Al23 )を主成分として形成されたものであり、透光性と耐熱性を有する。
【0009】
放電容器は、放電空間を内部に形成する包囲部を備える。放電空間は球状、楕円球状、紡錘形状、ほぼ円柱状などであり、包囲部はこれらの形状に対応するものである。放電容器のアルミナセラミックス成分として、酸化物セラミックス以外に焼結助剤を含むことを許容する。焼結助剤としては酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、二酸化ケイ素(SiO2 )などを許容する。
【0010】
小径筒部は、一対の電極を封装するために通常2本設けられる。しかし、ランプ構造に応じて1または3本以上備えられても良い。電極は、タングステン、ドープドタングステン、レニウム、タングステン−レニウム合金などを用いて作成される。放電媒体は、放電による発光を得るためのもので、好ましくは発光金属のハロゲン化物、ランプ電圧形成媒体及び希ガスにより構成される。
【0011】
本発明に係る高圧放電ランプのガラスフリットは、封着用セラミックスを含有している。封着用セラミックスには、SiO2を含むことを許容する。また、SiO2 −Al2 3 −Dy2 3 系を含んでも良い。この封着用セラミックスは、共晶に寄与するので、フリットガラス内部のクラックを防止するように働き、長時間の使用によってもリークし難く、長寿命化を図ることが可能である。
【0012】
析出は、フリットガラスと小径筒部における内表面との界面に発生し易いが、このほかの部位に発生しても良い。すなわち、析出の位置は、フリットガラス内部であってよい。析出物は連続的に析出されていても、不連続に析出されていても良い。
【0013】
本発明に係る高圧放電ランプでは、小径筒部において、その内表面における構成物の平均粒径が1μm以下で、粒径の標準偏差が0.5以下であることを特徴とする。
【0014】
粒径の標準偏差は、小径筒部の適当な測定部位における顕微鏡写真の所定面積エリアにおいて粒径の大きさを観測して、標準偏差を計算することにより得られる。
【0015】
本発明に係る照明装置は、請求項1または2に記載の高圧放電ランプと;高圧放電ランプを保持する照明装置本体と;高圧放電ランプを点灯させる点灯回路と;を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る高圧放電ランプでは、放電空間を形成する包囲部及びこの包囲部の両側に連通してそれぞれ設けられた小径筒部を備えてなる透光性アルミナセラミックス製の放電容器と;小径筒部に挿入されて小径筒部の両端側で封着される導電体と;放電容器の包囲部内に設けられ、導電体の先端側に設けられた電極と;導電体と小径筒部の間隙に設けられて両者を封着し、少なくとも一部にアルミナの結晶が析出しているフリットガラスと;放電容器内部に封入された放電媒体と;を具備し、小径筒部において、アルミナの結晶析出部を有するので、これがクラックの進行を阻止するように機能し、点灯と消灯を繰り返した場合にも熱膨張率差によるクラックの発生を防ぐため、長時間の使用によってもリークし難く、長寿命化を図ることが可能であるという効果を奏する。
【0017】
本発明に係る高圧放電ランプでは、小径筒部において、その内表面における構成物の内表面の平均粒径が1μm以下で、粒径の標準偏差が0.5以下であるので、小径筒部の内表面では、同径に近い粒が存在することにより表面積が大きくなり、フリットガラスの成分との接触面積が増大し、小径筒部の内表面において共晶が起き易くなる。これにより、小径筒部の内表面からAl2 3 の結晶の析出が促進される。このため、フリットガラスと小径筒部界面において長手方向に生じるずり応力を低減させ、また、小径筒部の内部に生じた結晶はクラックの進行を阻止するように機能する。即ち、点灯と消灯を繰り返した場合にも熱膨張率差によるクラックの発生を防ぐため、長時間の使用によってもリークし難く、長寿命化を図ることが可能であるという効果を奏する。
【0018】
本発明に係る照明装置は、請求項1または2に記載の高圧放電ランプを備えた構成であるから、封着性の向上が図られた高圧放電ランプの採用により、長時間の使用によってもリークし難く、長寿命な照明装置を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明に係る高圧放電ランプ及びそれを用いた照明装置の実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し重複する説明を省略する。本実施例に係る高圧放電ランプは、図1および図2に示す構成を有している。これらの図に示す高圧放電ランプは、定格ランプ電力100W用として好適な構造であり、図1に示すように、発光管1A、外管5、UVエンハンサ7、シュラウドガラス3、支持構体4A、4Bおよび口金6を具備している。
【0020】
図2に示す発光管1Aについて説明する。発光管1Aは、放電容器1、電極2A、2B、一対の導電体23a、23b、一対のフリットガラス13、13および放電容器1の内部に封入された放電媒体を備えている。
【0021】
放電容器1は、透光性アルミナセラミックスからなり、焼結助剤を含むものである。包囲部11および包囲部11の両端に連通して配設された一対の小径筒部12a、12bを備えている。そして、小径筒部12a、12bおよび包囲部11は、鋳込み成形により一体化されている。
【0022】
包囲部11は、2つの半球体が、互いに向かい合うように軸方向に離間した状態で、半球状の部分の間を直線で結んで形成されるほぼ俵形の形状をなしていており、肉厚が0.8mmである。
【0023】
一対の小径筒部12a、12bは、それぞれ内径約1mmのパイプ状をなし、先端が対応する包囲部11の半球状部分の中央部に一体的に接続されている。なお、包囲部11および小径筒部12a、12bの境界部は、その内外両面が曲面によって形成されている。小径筒部12a、12bにおいて、その内表面における構成物の平均粒径が1μm以下で、粒径の標準偏差が0.5以下である。
【0024】
電極2A、2Bは、それぞれ外径0.5mmのタングステン棒からなる細長い軸部21および電極主部22を備えている。細長い軸部21は、小径筒部12a、12b内に挿通されていて、タングステン細線を巻き付けてその周囲にコイル部24、24を形成している。そして、細長い軸部21と小径筒部12a、12bの内面との間にわずかな隙間が形成されている。電極主部22は、細長い軸部21の先端部に外径0.1mmのタングステン細線を5ターン巻き付けて形成されていて、包囲部11内に突出している。
【0025】
一対の導電体23a、23bは、それぞれニオブ棒状体Nbと、電極主部22側に存在する封止用導体としてのサーメットSMからなり、これらニオブ棒状体NbとサーメットSMが直線状に溶接されて一体に形成されている。ニオブ棒状体Nbは、その先端が小径筒部12a、12b内に挿入されるとともに、基端が小径筒部12a、12bから外部へ突出している。棒状体のサーメットSMは、外径0.6mmで、モリブデン−アルミナセラミックスの焼結体からなり、その先端に電極2A、2Bの細長い軸部21の基端部が溶接などにより一体に接続されている。本発明の高圧放電ランプは、フリットガラス13を用いて封止されている。
【0026】
放電媒体は、始動ガスおよびバッファガスとしてアルゴン(Ar)、下記のハロゲン化金属、ならびにバッファ蒸気としての水銀からなり、透光性セラミックスの放電容器1内に封入されている。なお、金属ハロゲン化物および水銀は、蒸発する分より過剰に封入されているので、その一部が安定点灯時に小径筒部12a、12b内に形成されるわずかな隙間内のコイル部24、24に形成された隙間内に液相状態で滞留している。そして、点灯中下側となる例えば小径筒部12b内に液相状態で滞留している放電媒体の表層部付近に最冷部が形成される。
【0027】
外管5は、硬質ガラスからなるT形バルブ状をなしていて、そのネック部にフレアステム4sを封着して備えている。フレアステム4sは、一対の導入線41a、41bを気密に導入している。そして、外管5は、その内部の所定位置に発光管1Aを後述する支持構体4A、4Bにより支持して収納している。
【0028】
UVエンハンサ7は、気密容器、導入線、内部電極、放電媒体および外部電極を具備して構成されている。気密容器は、石英ガラスなどの紫外線透過性ガラス製で、その一端部にピンチシール部が形成されていることにより、内部に細長い放電空間が形成されている。導入線は、先端が後述する内部電極に溶接し、ピンチシール部から外部へ導出され、基端部の部分で図1に示すように、後述する支持枠42aに溶接されている。
【0029】
上記内部電極は、モリブデン製の板状をなしていて、気密容器の放電空間内に封装されており、その基部がピンチシール部内に気密に埋設されている。外部電極は、外径0.4mmのモリブデン線からなり、気密容器の外周に密着して5ターン巻き付けられているとともに、その基端部が支持構体42bに溶接されている。そうして、UVエンハンサ7は、その導入線の基端部および外部電極の基端部により、外管5内の所定の位置に配置されている。以上説明した構造により、UVエンハンサ7は、外管5内において発光管1Aと並列に接続されているとともに、発光管1Aの一方の電極に接近した位置に保持されている。
【0030】
シュラウドガラス3は、肉厚1.0mmで外管5内に収納可能な外径の円筒状石英ガラス体からなり、外管5内において発光管1Aを包囲する位置に後述する支持部材45aによって保持されている。
【0031】
支持構体4Aは、支持枠42a、ブリッジ導体43a、スプリング片44a、44aおよび支持部材45aからなる。支持枠42aは、図1において下端が導入線41aに接続し、上端が延長されてスプリング片44aを形成している。ブリッジ導体43aは、発光管1Aの図において上側の導電体23aに溶接されることによって発光管1Aの上部を支持している。スプリング片44aは、外管5の内面に弾力的に当接して、支持枠42aの上部を外管5の内面に対して横揺れを防止している。支持部材45aは、シュラウドガラス3の上下両端を支持している。
【0032】
支持構体4Bは、直棒状をなしていて、その下部がフレアステム4sに封着されている導入線41bに溶接されることによって電気的に接続し、かつ、機械的に支持されている。そして、上端部が発光管1Aの図において下側の導電体23bに接続導体を介して溶接されて、発光管1Aの下部を支持している。
【0033】
口金6は、E39形口金であり、外管5のネック部に固着され、外管5から外部へ露出した図示しない一対の導入線の一方がシェル部に、他方がセンターコンタクトに、それぞれ接続している。なお、図1において、符号Gはゲッタであり、外管5内を清浄化するもので、支持枠42aの上部に溶接されている。
【0034】
本発明の高圧放電ランプの発光管1Aは、フリットガラス13を用いて封止されている。その手順では、まず図3(a)に示すような電極マウント8を用いる。電極マウント8は、電極主部22とサーメットSM及び導電体23aにより構成される。電極マウント8は、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)などの金属を含有するものである。このような電極マウント8を小径筒部12aの開口から所定の位置まで挿入する。電極マウント8において、導電体23a、23bの所定位置にはストッパ8sが形成されている。このため、ストッパ8sが小径筒部12aの端面に当接した位置が所定の挿入位置となる(図3(b))。
【0035】
次に、電極マウント8の導電体23aの上から予めリング状に成形したフリットガラス成形体13Aを挿入して、上向きに延在する小径筒部12aの端面に載置する。ここにおいて、フリットガラス成形体13Aを含む封着予定部に対し、例えばレーザビームなどのレーザ光Rを小径筒部12aの軸方向から照射して加熱する(図3(c))。フリットガラス成形体13Aが溶融すると、フリットガラス13の一部が小径筒部12aの端面から内部に進入し、導電体23aの挿入部分を包囲して放電容器1を封止する(図3(d))。
【0036】
上記加熱は炉内において行い、例えば、1250℃以上(好ましくは1700℃程度)において行い、その後、徐々に冷却すれば発光管1Aの一端側の封止が形成される。小径筒部12bに係る他端側も同様に封止する。この封止部位には、結晶の析出が見られた。また、電極マウント8に含有されたW(タングステン)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)などの金属の拡散も確認された。
【0037】
フリットガラス13の一部が小径筒部12aの端面から内部に進入し、導電体23aの挿入部分を包囲して封止した部位における小径筒部12a(12b)を構成する粒子の粒子状態について、図面代用写真(電子顕微鏡写真)を図4に示す。図4(a)は小径筒部12a(12b)の内表面の状態を示し、図4(b)は小径筒部12a(12b)の外表面の状態を示す。また、図5に縦軸方向を数の相対値とした、粒子の粒径の分布を示す。図4(a)に対応する図5(a)の粒径は平均が0.31μmであり、標準偏差が0.17である。また、図4(b)に対応する図5(b)の粒径は平均が0.63μmであり、標準偏差が0.33である。図5に明らかな通り、平均粒径が小さい図5(a)のものが、表面積が大きくなっておりフリットガラス13に触れる表面積が大きく、共晶によりフリットガラス13と小径筒部12aとの界面に析出物アルミナ(Al2 3 )が析出する確率を高くしている。また、小径筒部12a(12b)のフリットガラス13との接触面が溶融している割合が大きいほどアルミナ析出物の量が多くなることが確認された。
【0038】
析出物が連続的或いは不連続的に析出されていることにより、析出した結晶周辺にフリットガラス13が存在し、フリットガラス13の境界面が平坦ではなく、概ねくさび状となるので、リークの原因となる所謂ずり応力を低減することができる。析出物が析出しない場合には、フリットガラス13と小径筒部12aとの界面において所謂ずり応力が大きく封着部分にリークが生じやすく、また点灯消灯を繰り返すことにより、クラックがフリットガラス13内に生じ易い。
【0039】
また、析出物が小径筒部12a(12b)内に析出している場合には、クラックが例え発生しても、小径筒部12a(12b)内の析出物がクラック進行の障害となりクラックが析出物の部分で途切れて、そこから延びることなく、リークまでの時間を長くする効果がある。
【0040】
<実施例1>
本実施例1はSiO2を含むフリットガラス13と小径筒部12a(12b)との界面に析出物を析出させた4つの試作品(高圧放電ランプ)である。この4つの試作品は、レーザ封着の際の温度を制御すると共に、高温に保つ時間を変化させて得られたもので、小径筒部12a(12b)における内表面の平均粒径と粒径の標準偏差を変えて図6に示す4つの試作品1〜6を作成し、2000時間連続点灯させてその特性を検査した。図6は、これら4つの試作品1〜6について連続点灯試験を行い、リークの有無を調べた結果を示している。図6におけるAl2 3析出量は、試作品4の析出量を100とした場合の相対比率を示している。
【0041】
なお、ランプの放電容器1の肉厚は1mm、外形15mmであり、封入ガスをキセノン(Xe)とし、封入薬品としてScI3 −NaI系のものを用いた。この結果、図6に示すように、平均粒径が0.5μm、1.0μmである試作品1、2においては、それぞれ2000時間を超えて問題がなく、1900時間までリークが生じなかった。平均粒径が、1.3μmを超える試作品3、6においては、1000時間以内の点灯でリークを生じ、実際上は製品化が難しいものであることが分かった。
【0042】
また、平均偏差が0.6と0.8の試作品4〜6においては、1200時間以内の点灯でリークを生じ、実際上は製品化が難しいものであることが分かった。以上から、平均粒径が1.0μm以下であって、平均偏差が0.5以下であるものについて、共晶を生じリークまでの時間を長くする効果があると結論された。
【0043】
図7に、たとえば上記高圧放電ランプL1が用いられた本発明に係わる照明装置9を示す一部断面正面図を示す。この照明装置9は天井91に埋め込み設置される埋込形照明装置で、天井91側に取り付けられる器具(装置)本体92を有し、この器具(装置)本体92内に設けられたソケット93に上記高圧放電ランプL1の口金6が装着される。また、この器具(装置)本体92内にはランプL1の放射光を下方に反射させる反射鏡94が配設され、この反射鏡94の開口側を覆ってガラスなどからなるカバー部材やレンズなどからなる制光体95が配設されている。
【0044】
そして、上記高圧放電ランプL1は、器具(装置)本体92やあるいはこの本体92とは別置された安定器などを有する点灯装置と電気的に接続され、この点灯装置からの給電により点灯することができる。
【0045】
また、照明装置は上記実施の形態に限らず、他の構造や用途をなすものであってもよく、点灯方式も矩形波点灯回路装置を用いるものに限らず、チョークコイル式やトランス式などの磁気式の安定器を用いるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の高圧放電ランプにおける実施形態としてのランプの全体を示す正面図。
【図2】本発明の高圧放電ランプにおける実施形態としてのランプの発光管の拡大断面図。
【図3】本発明の高圧放電ランプにおける実施形態としてのランプの小径筒部に関する封止過程を示す断面図。
【図4】本発明の高圧放電ランプにおける実施形態としてのランプの小径筒部における内表面及び外表面の状態を示す図面代用写真。
【図5】図4に示す本発明の高圧放電ランプにおける実施形態としてのランプの小径筒部に関する粒子の大きさ分布を示す図。
【図6】本発明の高圧放電ランプにおける実施例1に係るランプ試作品についてリーク試験結果を示す図。
【図7】本発明の照明装置における一実施形態としての照明装置を示す概念的側面図。
【符号の説明】
【0047】
Nb ニオブ棒状体 SM サーメット
1 放電容器 1A 発光管
2A 電極 3 シュラウドガラス
5 外管 6 口金
8 電極マウント 9 照明装置
11 包囲部 12a、12b 小径筒部
13 フリットガラス 13A フリットガラス成形体
23a、23b 導電体 91 天井
92 本体 93 ソケット
94 反射鏡 95 制光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電空間を形成する包囲部及びこの包囲部の両側に連通してそれぞれ設けられた小径筒部を備えてなる透光性アルミナセラミックス製の放電容器と;
小径筒部に挿入されて小径筒部の両端側で封着される導電体と;
放電容器の包囲部内に設けられ、導電体の先端側に設けられた電極と;
導電体と小径筒部の間隙に設けられて両者を封着し、少なくとも一部にアルミナの結晶が析出しているフリットガラスと;
放電容器内部に封入された放電媒体と;
を具備することを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項2】
小径筒部において、その内表面における構成物の平均粒径が1μm以下で、粒径の標準偏差が0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の高圧放電ランプと;
高圧放電ランプを保持する照明装置本体と;
高圧放電ランプを点灯させる点灯回路と;
を具備することを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−54333(P2009−54333A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217838(P2007−217838)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】