説明

高圧放電ランプ

【課題】
透光性多結晶アルミナセラミックスを用いた透光性気密容器を備えていて配光制御が容易で、しかも自動車前照灯用として好適な高圧放電ランプを提供する。
【解決手段】
高圧放電ランプは、透光性アルミナ多結晶セラミックスからなり放電空間1cを包囲する包囲部1aおよび包囲部1aの管軸方向の両端から延在する一対の小径筒部1b、1bを連続して一体化しているとともに包囲部1aにおける主要部の直線透過率が小径筒部1bにおける直線透過率より高くて、かつ、20%を超えている透光性気密容器1と、透光性気密容器1内に封装された一対の電極2、2と、透光性気密容器1内に封入されたイオン化媒体とを備えた発光管ITを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性セラミックスからなる透光性気密容器を備えた高圧放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
透光性セラミックスからなる透光性気密容器を備えた高圧放電ランプは既知である(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1においては、透光性セラミック放電容器の直線透過率が60〜85%の液晶バックライト用セラミック製メタルハライドランプを得るために、透光性セラミック放電容器に平均粒径が5μm以下の結晶からなる多結晶イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を用いている。
【0003】
一方、透光性多結晶アルミナセラミックスの直線透過率を高める開発が行われている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−255719号公報
【非特許文献1】K.Morinaga, T. Torikai, K. Nakagawa, and S. Fujino, “lochFabrication of fine α loch-alumina powders by thermaldecomposition of ammonium aluminium carbonate hydro-oxide (AACH)” lochActamaterialia, 48, p4375-4741(2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載されているメタルハライドランプの場合、多結晶YAGセラミックスからなる透光性セラミック放電容器を工業的規模で、しかも安価に得ることが困難である。また、自動車前照灯用として好適な透光性セラミックスからなる透光性気密容器を備えた高圧放電ランプは、その透光性気密容器を液晶バックライト用とは異なる構造にする必要があるが、特許文献1は、この点については開示していない。
【0006】
一方、非特許文献1は、直線透過率の高い多結晶アルミナセラミックスを得る技術を開示しているものの、高圧放電ランプの透光性気密容器の構成については言及していない。
【0007】
本発明は、透光性多結晶アルミナセラミックスを用いた透光性気密容器を備えていて配光制御が容易な高圧放電ランプを提供することを一般的な目的とする。
【0008】
また、本発明は、透光性多結晶アルミナセラミックスを用いた透光性気密容器を備えていて配光制御が容易で、しかも自動車前照灯用として好適な高圧放電ランプを提供することを具体的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の高圧放電ランプは、透光性アルミナ多結晶セラミックスからなり放電空間を包囲する包囲部および包囲部の管軸方向の両端から延在する一対の小径筒部を連続して一体化しているとともに包囲部における主要部の直線透過率が小径筒部における直線透過率より高くて、かつ、20%を超えている透光性気密容器と、透光性気密容器内に封装された一対の電極と、透光性気密容器内に封入されたイオン化媒体とを備えた発光管を具備していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、透光性多結晶アルミナセラミックスを用いて形成した透光性気密容器を備えていて、かつ、包囲部の直線透過率が20%超であるため、放電アークが見かけ上細く見えるので、配光制御が容易になるとともに、小径筒部の直線透過率が包囲部のそれより小さいので、工業的規模で比較的安価に得やすくて、しかも自動車前照灯用などに好適な高圧放電ランプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の高圧放電ランプを実施するための第1の形態を示す断面図である。図において、高圧放電ランプは、透光性気密容器1、この透光性気密容器1内に封着した一対の電極2、2と、透光性気密容器1内に封入された放電媒体とを備えた発光管ITを具備している。なお、図中、1点鎖線は発光管ITの中心線である。
【0013】
最初に透光性気密容器1について説明する。
【0014】
透光性気密容器1は、透光性多結晶アルミナセラミックスからなるとともに、一体に成形して形成されている。そして、包囲部1aおよび一対の小径筒部1b、1bを有している。
【0015】
包囲部1aは、その内部に放電空間1cを包囲する中空の部分であり、自動車前照灯用などの高圧放電ランプなどの場合には、上記放電空間1cが好ましくはほぼ円柱状をなしていて、少なくとも後述する一対の電極間に対向する領域の肉厚がほぼ均一であるのが好ましいので、この場合の包囲部はほぼ円筒状をなす。しかし、包囲部の外形および放電空間の形状は、所望によりその他の形状、例えば球状および楕円球状などの形状を有していることを許容する。包囲部1aの内部に形成される放電空間1cの容積は、高圧放電ランプの定格ランプ電力、電極間距離などに応じてさまざまな値が選択され得る。
【0016】
また、本発明において、包囲部1aは、その主要部の直線透過率が20%超、好適には30%超、より一層好適には50%超である。なお、上記主要部は、放電により発生する光の導出に対して配光上影響の大きい重要な部分であり、主として後述する一対の電極2、2間に対向する部位である。
【0017】
そうして、直線透過率が上記の範囲内であれば、反射鏡などの光学系との組合せにおいて配光制御が容易になるため、自動車前照灯用などの用途に適した高圧放電ランプを得ることができる。しかしながら、直線透過率が20%以下であると、見かけ上放電アークが太くなりすぎて配光制御が困難になり、所望の配光パターンを得ることができない。したがって、自動車前照灯などに組み込んで所定の規格を満足するように配光を厳格に制御することが要求される場合に、それが困難になる。加えて、直線透過率が30%超であれば見かけ上の放電アークがさらに細くなって配光制御がさらに容易になり、50%超であればなお一層配光制御が容易になる。なお、本発明において、直線透過率は高い方が好ましいので、その上限はない。
【0018】
直線透過率の高い包囲部1aを形成する手段は既知である。したがって、既知の手段を用いれば、上記のように直線透過率が高い包囲部1aを実現することができる。そのために、本発明においては、直線透過率の高い包囲部1aを形成する手段は特段限定されない。しかし、直線透過率の高い包囲部1aを形成する手段の一例を列挙すれば、次のとおりである。
(1)透光性多結晶アルミナセラミックスの材料であるアルミナ微粒子の平均粒径をサブミクロンのオーダー、例えば平均粒径0.1〜6μmの高直線透過率アルミナ微粒子を用いて透光性気密容器1を成形する。
(2)透光性多結晶アルミナセラミックスの成形後に透光性気密容器1の所望部分の表面、例えば内面、外面または内面および外面を研磨する。
(3)包囲部1aには高直線透過率アルミナ微粒子を用いるとともに小径筒部1bには一般的な平均粒径が高直線透過率アルミナ微粒子のそれより1桁以上大きなアルミナ微粒子を用いて一体に成形する。
(4)上記(1)ないし(3)の各手段を適宜組み合わせる。
【0019】
高直線透過率アルミナ微粒子を用いて形成された透光性セラミックスは、従来一般に用いられている透光性セラミックスに比べて機械的強度が高いので、前者のセラミックスを用いて形成されている包囲部1aは、後者のセラミックスを用いて形成されている小径筒部の肉厚に比較して肉厚を小さくしても所要の機械的強度を保有させることができることが分かった。
【0020】
上記の理由から、透光性気密容器1における包囲部1aの好ましくは一対の電極2、2間Lに対向する領域において、肉厚を0.2〜0.75mmの範囲内で、かつ、実質的一定に形成することができる。上記部位における肉厚が上記の範囲内であれば、点灯時における包囲部1aに耐圧の問題がないとともに、肉厚が小さい分に応じて包囲部1aの直線透過率を本発明所定の範囲内に収めるのが容易に容易になる。しかしながら、上記肉厚が0.2mm未満になると耐圧が低下しすぎるし、また0.75mmを超えると直線透過率を前記範囲内に収めるのが困難になる。包囲部1aの上記肉厚は、好適には0.3〜0.5mmである。この範囲内であれば、直線透過率および耐圧がともになお一層好ましくなる。なお、包囲部の管軸方向のサイズは、後述する小径筒部が接合する部分までであり、当該部分は曲率が大きく変化する部位である。
【0021】
また、包囲部1aの上記所定部分の肉厚がほぼ一定であれば、肉厚の不均一によって高圧放電ランプの配光パターンが不所望な劣化や配光設計の困難化を生じることがない。なお、包囲部1aの肉厚を一定にするのは、一対の電極2、2間Lに対向した領域についてだけでよく、残余の領域は肉厚が異なっていてもよいし、肉厚が不均一であってもよい。残余の領域は、配光に対する影響が少ないからである。
【0022】
例えば、図6に示すように、包囲部1aの残余の領域が、一対の電極2、2間Lに対向する領域から小径筒部1bに至る部分に向かって順次肉厚が増すような構成であってもよい。なお、図6は、本発明を実施するための第4の形態を示す要部拡大断面図である。図中、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0023】
所望により、包囲部1aにおける一対の電極2、2間Lに対向する領域を除いた透光性気密容器1の残余の領域すなわち電極2の先端から小径筒部1bに至るまでの領域において平均肉厚が、一対の電極2、2間Lに対向する部分におけるそれより大きく、かつ、最厚部が0.8〜2.5mmの範囲内にあるように構成することができる。
【0024】
そうして、上記残余の領域は、高圧放電ランプの配光にあまり影響がないので、肉厚であっても差し支えない。また、このような構成により、透光性気密容器1の機械的強度が確保され、また透光性気密容器1の設計の自由度が増大し、製造が容易になる。
【0025】
次に、上記の場合に許容される包囲部1aの中央部における肉厚および中央部に隣接する部分から小径筒部1bに至る領域における最大肉厚の比率範囲について説明する。包囲部の管軸方向の中央部における肉厚をTとし、小径筒部の中央部に隣接する部分から小径筒部1bに至る領域における最大肉厚をTとしたとき、肉厚比T/Tを数式1.5≦T/T≦8.3を満足するように設定すると好適である。また、上記において、包囲部1aの一対の電極1b、1b間に対向する領域における肉厚がT±10%を満足するように包囲部1aを形成することにより、加えて包囲部1aの肉厚がほぼ均一になる。その結果、例えば自動車用前照灯などにおいて、光学系を用いて高圧放電ランプの発光を集光する場合に、包囲部1aの内部に形成される放電アークの像を歪が問題になることなく投影できる。そのため、所望の配光パターンを得ることが可能になる。
【0026】
包囲部1aの内部に形成される放電空間1cが図示のようにほぼ円柱状をなす場合には、包囲部1aを以上の説明に基づいて次のように構成するのが好ましい。すなわち、包囲部1aが一対の電極2、2間Lに対向する領域の中央を基準として、その両側にわたって好ましくは対称な長さ2.5mm以上、好適には3.5mm以上の直線部1a1が形成されるように円筒状に構成されている。上記の構成に加えて、上記直線部1a1における円柱状をなす放電空間1cの内径が4.5mm以下、好適には3.4mm以下で、かつ、肉厚が0.5mm以下であるのが好ましい。なお、上記包囲部1aの態様において、一対の電極2、2の間に形成される電極間距離は2.5mm以上であるのが好ましい。
【0027】
そうして、包囲部1aの上記直線部1a1の長さ、内径および肉厚が上述の範囲内であれば、自動車前照灯用の高圧放電ランプなどの場合に、放電アークの湾曲が抑制されるために配光制御が一層容易になるので、所望の配光パターンを得ることができる。さらに詳述すれば、放電空間1cが上記サイズの円柱状であると、一対の電極2、2間Lに形成される放電アークが放電空間1cの内壁により押さえ付けられるために、放電アークの不所望な曲がりが低減してほぼ直線状になる。その結果、配光、特に水平点灯時における水平カットラインを明瞭にすることができる。また、透光性気密容器1が放電アークにより素早く昇温するので、最冷部温度の上昇が早まり、これに伴って高圧放電ランプの光束立ち上がりが早くなる。
【0028】
しかし、本発明において、包囲部1aの内径は特段限定されない。なお、自動車前照灯用などの高圧放電ランプの場合、放電空間1cがほぼ円柱状をなしていて、包囲部1aの主要部が円筒状をなし、かつ、内径が好適には2.1〜3.7mmまたは4.5mm、好適には2.4〜3.4mmの範囲内であることにより最適となる。このようなサイズが最適なのは、以下の理由による。
【0029】
すなわち、本発明の場合は、透光性気密容器が石英ガラスからなる場合とは異なり、材料の屈折率および肉厚が相違するために、仮に同一形状の放電アークが生起したとしても、見かけ上のアーク湾曲量が多結晶アルミナセラミックスと石英ガラスとでは異なって見えるためである。しかし、内径が2.1mm未満になると、放電アークの高熱によって包囲部の内面が、セラミックスの昇華により白濁したり、クラックが発生したりしやすくなる。また、3.7mmまたは4.5mmを超えると、透光性気密容器1の内部に形成される最冷部の温度が低下しすぎる。
【0030】
次に、一対の小径筒部1b、1bは、包囲部1aの管軸方向の両端に接続している。小径筒部1bの内径は、包囲部1aの内径より明らかに小さくて、例えばその1/10以下である。そして、透光性気密容器1が封止されない状態において、小径筒部1aの内部には管軸方向に延在する細長い貫通孔を有していて、その一端が包囲部1aの放電空間1cに連通し、他端が外部へ開口している。
【0031】
また、一対の小径筒部1b、1bは、その直線透過率が包囲部1aにおける直線透過率より低い。小径筒部1bの直線透過率は直接配光に影響することが少ないので、包囲部1aの直線透過率より低くてもよい。
【0032】
そうして、直線透過率が相対的に低ければ、例えば包囲部1aの表面、例えば外面を研磨して直線透過率を高める場合であっても、小径筒部1bの表面、例えば外面は研磨しなくてよくなったり、通常用いられる平均粒径が前述のように大きい透光性セラミックス粒子を用いて小径筒部1bを形成することができる。そのため、高圧放電ランプの製造が容易で、しかも安価になる。
【0033】
透光性気密容器1の包囲部1aおよび一対の小径筒部1b、1bは連続して一体化している。このため、透光性気密容器1には熱的および光学的な不連続部分が形成されていない。この構成における最も典型的な構造によれば、透光性気密容器1の包囲部1aおよび一対の小径筒部1b、1bは一体成形により形成されている。また、異なる構造によれば、透光性気密容器1を形成する前の段階において、包囲部1aおよび一対の小径筒部1b、1bの全体またはそれらの部分がそれぞれ別の部材としてセラミックス微粒子材料を圧縮成形するか、または仮焼結して用意され、次にそれぞれの部材を焼結型内にて透光性気密容器の形になるように組み込んで本焼結することで、隣接する別部材間のアルミナ粒子が直接結合して熱的および光学的な不連続部分の存在しない透光性気密容器1を得る。なお、いわゆる焼き嵌め構造の透光性気密容器では、熱的および光学的な不連続部分が形成されているので、本発明の目的を達成することができない。
【0034】
次に、一対の電極2、2について説明する。
【0035】
一対の電極2、2は、透光性気密容器1に封装されてその内部の放電空間1cに離間して臨むように配設される。一対の電極2、2間Lに形成される電極間距離は、一般的には5mm以下が好適であり、自動車前照灯用の高圧放電ランプの場合には、中心値で4.2mmが規格化されている。
【0036】
また、電極2の構成材としては、耐火性があって、導電性の金属、例えば純タングステン(W)、ドープ剤(例えばスカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)およびケイ素(Si)などのグループから選択された一種または複数種)を含有するドープドタングステン、酸化トリウムを含有するトリエーテッドタングステン、レニウム(Re)またはタングステン−レニウム(W−Re)合金などを用いて形成することができる。
【0037】
さらに、小形の高圧放電ランプの場合、直棒状の線材や先端部に径大部を形成した線材を電極として用いることができる。中形ないし大形の電極の場合、電極軸の先端部に電極構成材製の電極コイルを巻回したりすることができる。なお、一対の電極2、2は、交流で作動する場合に同一構造とする。しかし、直流で作動する場合には、一般に陽極は温度上昇が激しいから、陰極より放熱面積の大きい、したがって主部が太いものを用いることができる。
【0038】
また、一対の電極2、2は、その中間部および基端が透光性気密容器1の小径筒部1b、1b内に挿入され、小径筒部1bの内面との間にキャピラリーと称されるわずかな隙間が形成される。なお、一対の電極2、2の基端は、後述する導入導体3の先端に接続して支持される。
【0039】
次に、イオン化媒体について説明する。
【0040】
イオン化媒体は、少なくとも始動ガスおよび発光に寄与するイオン化媒体を含んでいる。なお、発光に寄与する媒体は、所望により始動ガスがこれを兼ねていていもよい。また、好ましくはランプ電圧形成用のイオン化媒体を含んでいる。
【0041】
始動ガスは、緩衝ガスとしても作用し、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)およびネオン(Ne)などのグループの一種を単独で、または複数種を混合して封入することができる。希ガスの封入圧力は、高圧放電ランプの用途に応じて適宜設定することができる。
【0042】
希ガスの中でもキセノンは、その原子量が他の希ガスより大きいため、熱伝導率が相対的に小さいので、これを0.6気圧以上、好適には5気圧以上封入することにより、点灯直後のランプ電圧形成に寄与するとともに、ハロゲン化物の蒸気圧が低い段階で白色の可視光放射を行って光束立ち上がりに寄与するので、前照灯用の高圧放電ランプの場合に効果的である。この場合、キセノンの好ましい封入圧は、6気圧以上、より好適には8〜16気圧の範囲である。このため、点灯直後からの光束立ち上がりおよび光色立ち上がりに寄与して点灯直後から自動車前照灯用のHID光源としての白色発光の規格を満足することができる。
【0043】
発光に寄与する媒体は、発光金属のハロゲン化物を主体とする他、所望により発光金属をそのまま封入することも許容される。発光金属は、本発明において、特段限定されないが、一好適例としてツリウム(Tm)ハロゲン化物を主体として封入することができる。
【0044】
ツリウムハロゲン化物は、水銀フリーランプとして好適な発光金属のハロゲン化物であり、放電により主として可視光を放射する。また、ツリウムハロゲン化物は、透光性気密容器1内に封入されるイオン化媒体中最大封入比率、好適にはこの条件に加えて40〜90質量%で封入することができる。そして、ツリウムハロゲン化物は、後述するランプ電圧形成用のイオン化媒体であるところの蒸気圧が高くて、可視光発光の少ない金属のハロゲン化物との共存下において、それ自体電極2、2間の電位傾度、したがってランプ電圧を高くする作用を有している。
【0045】
また、ツリウムハロゲン化物は、その蒸気圧が低いが、ツリウムの発光のピークが視感度曲線のピークに一致するので、発光効率を向上させるのに極めて効果的な発光金属である。ツリウムの発光強度は、高圧放電ランプの点灯中の動作温度に大きく依存しており、その最冷部温度が約800℃となる条件下で効率が最大になる。透光性気密容器1が透光性セラミックスからなる場合、最冷部温度が約800℃となる条件下での動作に全く問題がなく、しかも耐薬品性が強いので、本発明の場合、ツリウムハロゲン化物の封入は、ランプ寿命および光束維持率に悪影響を与えない。すなわち、ツリウムハロゲン化物は、透光性セラミックスからなる気密容器を用いる高圧放電ランプに好適な発光金属ハロゲン化物である。
【0046】
上記以外に封入することが許容されるその他の発光金属のハロゲン化物としては以下がある。
【0047】
1.(アルカリ金属) アルカリ金属を封入する場合には、透光性気密容器内に封入されている全ての金属ハロゲン化物に対して10質量%未満の範囲内で許容される。アルカリ金属の封入比率が10質量%以上になると、ランプ電圧が低下しやすくなるので、ランプ電圧の形成の観点からは好ましくない。しかしながら、アルカリ金属の封入比率が10質量%未満であれば、ランプ電圧の低下は最小限に抑制される一方、発光効率、ランプ寿命改善および光色調整、特に色偏差改善が可能になる。このような観点から、所要のランプ電圧を確保できる場合には、上記の範囲内であれば封入が許容される。なお、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜7質量%、なお一層好ましくは4〜6質量%である。また、アルカリ金属としては、主としてナトリウム(Na)、しかし所望によりまたは/およびセシウム(Cs)およびリチウム(Li)の少なくとも一方を選択的に封入することができる。
【0048】
ナトリウム(Na)は、主として発光効率向上に寄与する。セシウム(Cs)は、放電アーク温度の適正化による寿命特性の向上に寄与する。リチウム(Li)は、赤色演色性の改善に寄与する。
【0049】
2.(その他の希土類金属のハロゲン化物) ツリウムハロゲン化物に加えて以下の金属ハロゲン化物を主として発光金属のハロゲン化物として封入することができる。プラセオジム(Pr)、セリウム(Ce)、ホルミウム(Ho)、ネオジム(Nd)およびサマリウム(Sm)からなるグループの希土類金属の一種または複数種のハロゲン化物である。
【0050】
上記希土類金属は、ツリウムハロゲン化物に次いで発光金属として有用であり、所定量以下の封入比率で封入することが許容される。すなわち、上記希土類金属は、そのいずれも視感度特性曲線のピーク波長付近で無数の輝線スペクトルを有するため、発光効率向上に寄与することができる。
【0051】
また、上記希土類金属のハロゲン化物を添加する場合には、ツリウム(Tm)ハロゲン化物を含めて全イオン化媒体に対する封入比率が50質量%以上になるように構成するのが好ましい。
【0052】
3.(タリウムまたは/およびインジウムのハロゲン化物) タリウム(Tl)または/およびインジウム(In)のハロゲン化物は、所望の演色性および/または色温度などを得るなどの目的で副成分として選択的に封入することが許容される。また、インジウムは、ランプ電圧形成用のイオン化媒体としても効果的である。
【0053】
タリウム(Tl)ハロゲン化物は、波長535nmに輝線を有するタリウムの緑色成分を発光中に加えることができる。なお、一般的に採用し得るタリウムハロゲン化物の封入比率範囲は、封入される全ての金属ハロゲン化物に対して30質量%未満であるのが望ましい。タリウムハロゲン化物の封入比率範囲が30質量%以上になると、発光効率の低下が顕著になる。なお、好適には15質量%未満の範囲で封入するのがよい。
【0054】
また、インジウム(In)ハロゲン化物を添加することにより、ハロゲン化物の発光中に青色成分を増加させることができるとともに、ランプ電圧形成にも寄与する。
【0055】
以上説明した各発光金属ハロゲン化物のハロゲンとしては、適度の反応性を有していることからヨウ素が好適であるが、所望により臭素および塩素のいずれかでもよく、またヨウ素、臭素および塩素のうち所望の二種以上を用いてもよい。
【0056】
次に、ランプ電圧形成用のイオン化媒体は、水銀フリーの高圧放電ランプを得る場合には、前記のように蒸気圧が高くて、可視光発光の少ない金属のハロゲン化物を封入するのがよい。この場合、水銀(Hg)は、全く含まないのが環境負荷物質削減のために好ましいことであるが、不純物程度に含んでいても許容される。また、水銀入りの高圧放電ランプを得る場合には、水銀を封入する。
【0057】
また、水銀フリーの場合に、ランプ電圧形成用のイオン化媒体として封入するのが効果的な金属は、例えば次のとおりである。すなわち、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ベリリウム(Be)、レニウム(Re)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)からなるグループから選択された一種または複数種の金属である。上記の各金属のハロゲン化物は、蒸気圧が高く、電子との衝突断面積が大きくて、しかもイオン化ポテンシャルが大きいため、前述の透光性気密容器1との組み合わせにおいて、水銀に代わるランプ電圧形成用のイオン化媒体として好適な物質である。
【0058】
本形態において、発光管ITは、以上の各構成に加えて導入導体3およびシール材を具備している。
【0059】
導入導体3は、電極2に給電するための機能、小径筒部1bおよび後述するシール材4と協働して透光性気密容器1を封止する機能および電極2を支持する機能を有する部材である。そして、その基端部が小径筒部1bの端部から外部に露出して図示しない点灯回路に接続し、先端部が電極2の基端に接続する。導入導体3の先端部は、透光性気密容器1の小径筒部1bの内部に挿入され、さらに小径筒部1bの内部において電極2の基端に接続している。
【0060】
また、導入導体3の小径筒部1b内に挿入される部分の直径を、電極2の少なくとも基端部、好ましくは電極軸の直径より大きくすることができる。これにより、電極2または電極軸2aの直径を導入導体3の直径に影響されることなく最適なサイズに設定することができるとともに、イオン化媒体の滞留に伴う侵食が低減する。
【0061】
さらに、導入導体3は、その全体を封着性導電部材により形成してもよいし、また封着性導電部材および耐ハロゲン性導電部材の直列接続構体により形成することができる。導入導体3の全体を封着性導電部材により形成する場合には、当然ながら封着性導電部材が上記3機能を奏するように配慮して構成される。これに対して、導入導体3が封着性導電部材および耐ハロゲン性導電部材の直列接続構体により形成される場合には、封着性導電部材が小径筒部および後述するシール材4と協働して透光性気密容器1を封止する機能を担当し、耐ハロゲン性導電部材が電極を支持する機能を担当し、さらに両部材はともに電極に給電する機能を担当する。
【0062】
封着性導電部材としては、電極の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する導電性部材を用いるのがよい。例えば、透光性セラミックスの種類に応じてニオブ(Nb)、タンタル(Ta)および白金(Pt)などを用いることができる。なお、透光性気密容器1が透光性多結晶アルミナセラミックスからなる場合にはニオブが好適である。
【0063】
耐ハロゲン性導電部材としては、電極からの伝熱に耐える耐火性と電極構成物質の接近した熱膨張係数を有している部材を用いるのがよい。例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびサーメットなどから選択することができる。なお、サーメットは、セラミックス粒子と耐火性の導電性金属(例えば、MoやW)粉末の混合体を焼成して形成される。
【0064】
導入導体3に予め電極2を接続して電極2を支持し、透光性気密容器1に対する組立を容易にするために、例えば両者を突合せ溶接により一体化して電極マウントを構成することができる。また、導入導体3を封着性導電部材および耐ハロゲン性導電部材により形成する場合にもこれらを突合せ溶接して一体化することができる。
【0065】
シール材4は、高融点フリットガラスなどからなり、透光性気密容器1の小径筒部1bの内面と導入導体3との間に進入して透光性気密容器1を気密に封止する。この封止を行うには、一般的な方法として採用されているように、小径筒部1bの端部において、導入導体3の周囲にシール材4のペレットを施与して、加熱溶融させることができる。そうすると、高温で溶融したシール材4が小径筒部1bの内面と導入導体3との間に形成されるわずかな隙間に進入して固化するので、封止が形成される。なお、シール材4は、導入導体3の封止に機能する部位を被覆するので、ニオブのように耐ハロゲンに劣る物質であっても問題ない。
【実施例1】
【0066】
実施例1は、図1に示す高圧放電ランプについてのものである。
【0067】
透光性気密容器 :一体成形、包囲部長8mm、最大内径2.9mm、
肉厚0.3mm均一、包囲部直線透過率45%、
小径筒部内径0.7mm、肉厚0.5mm、長さ12mm、
小径筒部直線透過率20%
イオン化媒体 :TmI−TlI−NaI−ZnI=3mg、
(50:20:20:10)、Xe10気圧、
()内の数字は封入比率(質量%)

【実施例2】
【0068】
透光性気密容器 :一体成形、包囲部長8mm、最大内径2.9mm、
電極間対向部肉厚0.3mm均一、電極先端から放電空間端部まで 肉厚0.3mmから1mmまで連続的に増加、電極間対向部直線透 過率45%、小径筒部内径0.7mm、肉厚0.5mm、長さ12 mm、小径筒部直線透過率20%、
その他は実施例1と同じ。

【実施例3】
【0069】
透光性気密容器 :一体成形、包囲部長8mm、最大内径2.9mm、
電極間対向部肉厚0.3mm均一、電極先端から放電空間端部まで 肉厚0.3mmから1.5mmまで連続的に増加、電極間対向部直 線透過率45%、小径筒部内径0.7mm、肉厚0.5mm、長さ 12mm、小径筒部直線透過率20%、
その他は実施例1と同じ。

【実施例4】
【0070】
透光性気密容器 :一体成形、包囲部長8mm、最大内径3mm、肉厚0.5mm、
直線透過率30%、直線部長5.1mm、小径筒部内径0.7mm、 肉厚0.5mm、長さ12mm
電極 :電極間距離4.2mm
その他は実施例1と同じ。
【0071】
アーク湾曲量 :0.75mm(ヘッドランプ規格Reg.99に準じた測定による。)

図2は、本発明の高圧放電ランプを実施するための第2の形態を示す断面図である。本形態は、透光性気密容器1の小径筒部1bと包囲部1aとの接合部の構造が異なる。なお、図中、図1と部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0072】
すなわち、本形態において、透光性気密容器1は、その包囲部1aの内径が2.1〜3.7mmであるとともに、0.1〜1.9mm、好適には0.3〜1.0mmの範囲内にある第1の曲率R1で小径筒部1bから内径が拡大し、0.1〜1.9mm、好適には0.3〜1.0mmの範囲内にある第2の曲率R2で内径がほぼ一定になっていて、かつ、少なくとも一対の電極2、2間に対向する位置において形状に変曲点が存在しない。なお、その他の構成については図1に示す第1の形態と同様である。
【0073】
そうして、本形態によれば、電極2と、この電極2との間の最短距離が適正化されるために、寿命中の黒化が効果的に抑制される。
【実施例5】
【0074】
実施例5は、図2に示す高圧放電ランプについてのものである。内面の凸曲率
透光性気密容器 :包囲部長8mm(R1、R2部を含む)、最大内径3mm、
肉厚0.5mm、内面の凸曲率R1=0.5mm、
内面の凹曲率R2=0.5mm、
直線部長さ5.1mm、包囲部直線透過率30%、
小径筒部内径0.7mm、肉厚0.5mm、長さ12mm
その他は実施例1と同じ。
【0075】
1000h点灯:顕著な黒化なし。

図3は、本発明の高圧放電ランプを実施するための第3の形態を示す断面図である。本形態は、外管OT備えている点で異なる。なお、図中、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
【0076】
すなわち、外管OTは、その内部に発光管ITを所定位置に支持して気密に収納している。なお、発光管ITとしては、図1に示す第1の形態または図2に示す第2の形態における本発明のものを用いる。
【0077】
外管OTの内面と、発光管ITの外面との径方向の距離Gを0.4〜3.5mm、好適には2.8mm以下に設定するのが好ましい。
【0078】
また、透光性の主要部の直線透過率T1(%)/100と外管OTの直線透過率T2(%)/100との積の値を0.3〜0.87の範囲内に設定するのが好ましい。
【0079】
外管OT内の雰囲気としては、真空または不活性ガス、例えば窒素やアルゴンなどを封入することができる。また、外管OTの材質としては、硬質ガラス、半硬質ガラスおよび石英ガラスなどが一般である。しかし、要すれば、発光管ITと同じ透光性セラミックス製の外管OTであってもよい。なお、図に示す外管OTは、石英ガラスからなり、その両端部がピンチシールされていて、内部が気密に封止されている。上記ピンチシールの部分には、封着金属箔5が気密に埋設されていて、封着金属箔5の両端には発光管ITから管軸方向の両側へ延在する一対の内部導入線6、6および外部導入線7、7がそれぞれ溶接されている。なお、内部導入線6は導入導体3に接続している。
【0080】
また、外管OTには、常法にしたがって図示しない口金を装着することが許容される。
【実施例6】
【0081】
実施例6は、図3に示す高圧放電ランプについてのものである。
【0082】
[発光管] :実施例1に示すのと同じ仕様である。
【0083】
[外管] :最大外径9mm、最大内径7mm

【実施例7】
【0084】
[発光管] :実施例2に示すのと同じ仕様である。
【0085】
その他は実施例6と同じである。

【実施例8】
【0086】
[発光管] :実施例3に示すのと同じ仕様である。
【0087】
その他は実施例6と同じである。

図4は、本発明の高圧放電ランプを点灯するための高圧放電ランプ点灯装置を示す回路図である。図において、高圧放電ランプ点灯装置は、直流電源21、昇圧チョッパ22、インバータ23および制御回路24からなり、図1ないし図3のいずれかの高圧放電ランプ13を点灯する。直流電源21は、電池電源、整流化直流電源などからなり、直流出力端間に接続された平滑コンデンサC1を有している。昇圧チョッパ22は、直流電源21から供給される直流電圧を所要の電圧まで昇圧し、かつ、平滑化して後述するインバータ23に入力電圧を供給する。なお、符号22aは駆動回路で、昇圧チョッパ22のスイッチング素子を駆動する。インバータ23は、フルブリッジ形インバータからなる。そして、4個のスイッチング素子Q1〜Q4をブリッジ接続し、その対向2辺を構成する一対のスイッチング素子Q1、Q3と他の対向2辺を構成する一対のスイッチング素子Q2、Q4とを交互にスイッチングさせて、その出力端間に矩形波交流電圧を出力する。なお、符号23aは駆動回路で、インバータ23の各スイッチング素子Q1〜Q4を駆動する。制御回路24は、昇圧チョッパ22およびインバータ23を所要に、例えば高圧放電ランプ13が冷却状態のときには、高圧放電ランプ13を始動直後の数秒間定格ランプ電力の約2倍以上、例えば2.5倍程度で点灯し、その徐々に低減させて安定点灯時の定格ランプ電力に移行させるように制御する。
【0088】
始動器12Bは、高圧放電ランプ13の始動時に高電圧パルスを出力して高圧放電ランプ13に印加して、これを瞬時に始動させる。
【0089】
図5は、本発明の高圧放電ランプを装着した自動車前照灯を示す概念図である。図において、11は前照灯本体、12は高圧放電ランプ点灯装置、13は高圧放電ランプである。
【0090】
前照灯本体11は、容器状をなし、内部に反射鏡11a、前面にレンズ11bおよび図示を省略しているランプソケットなどを備えている。
【0091】
高圧放電ランプ点灯装置12は、図4に示す回路構成を備えていて、主点灯回路12Aおよび始動器12Bを具備している。
【0092】
高圧放電ランプ13は、上記ランプソケットに装着されて点灯する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の高圧放電ランプを実施するための第1の形態を示す断面図
【図2】本発明の高圧放電ランプを実施するための第2の形態を示す断面図
【図3】本発明の高圧放電ランプを実施するための第3の形態を示す断面図
【図4】本発明の高圧放電ランプを点灯するための高圧放電ランプ点灯装置を示す回路図
【図5】本発明の高圧放電ランプを装着した自動車前照灯を示す概念図
【図6】本発明の高圧放電ランプを実施するための第4の形態を示す要部拡大断面図
【符号の説明】
【0094】
1…透光性気密容器、1a…包囲部、1a1…直線部、1b…封止部、1c…放電空間、2…電極、3…導入導体、4…シール材、IT…発光管、L…電極間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性アルミナ多結晶セラミックスからなり放電空間を包囲する包囲部および包囲部の管軸方向の両端から延在する一対の小径筒部を連続して一体化しているとともに包囲部における主要部の直線透過率が小径筒部における直線透過率より高くて、かつ、20%を超えている透光性気密容器と、透光性気密容器内に封装された一対の電極と、透光性気密容器内に封入されたイオン化媒体とを備えた発光管を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項2】
前記透光性気密容器は、その包囲部の肉厚が一対の電極間に対向する位置において0.2〜0.75mmで、かつ、ほぼ均一であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
【請求項3】
前記透光性気密容器は、その包囲部の中央部における肉厚をTとし、包囲部の中央部に隣接する位置から小径筒部に至る領域おける最大肉厚をTとしたとき、1.5≦T/T≦8.3を満足することを特徴とする請求項1または2記載の高圧放電ランプ。
【請求項4】
前記透光性気密容器は、その包囲部の肉厚が一対の電極間に対向する位置においてT±10%を満足することを特徴とする請求項3記載の高圧放電ランプ。
【請求項5】
前記透光性気密容器は、その包囲部の肉厚が一対の電極間に対向する領域において0.2〜0.75mmで、かつ、ほぼ均一であるとともに、包囲部の残余の領域における最大肉厚が0.8〜2.5mmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
【請求項6】
前記透光性気密容器は、その包囲部が一対の電極間の中央側にほぼ直線状をなしていて、かつ、長さ2.5mm以上の直線部を有していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
【請求項7】
前記透光性気密容器は、その包囲部の内径が2.1〜3.7mmであるとともに、小径筒部から0.1〜1.9mmの範囲内の第1の曲率で内径が拡大し、0.1〜1.9mm範囲内の第2の曲率で内径がほぼ一定になっていて、かつ、少なくとも一対の電極間に対向する位置において形状に変曲点が存在しないことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一記載の発光管と;
発光管を内部に収納し、径方向に0.4〜3.5mmの間隙を有するガラス外管と;
を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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