説明

高圧放電ランプ

高圧放電ランプ(2)は無電極であり、マイクロ波によって励起される。音響共振はプラズマ流を制御し、これを安定させる。この安定化は、放電容器の特別な形状によってサポートされる。このためにセラミック製の縦長の放電容器は、少なくともほぼ一定の内径(ID)を有する中央部分と2つの終端部に分けられ、これらの終端部の内径は終端部に向かって低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載された高圧放電ランプに関する。
【0002】
従来技術
WO2008/048978号には、被変調マイクロ波ランプが開示されている。
【0003】
類似の共振作動ランプがUS5508592号およびUS6737825号に開示されている。この文献では無電極放電容器は常に、半球状に丸められた角を備えた円筒状である。
【0004】
発明の開示
本発明の課題は、色変動が少なく、メンテナンスを良好に行うことができる、マイクロ波によって励起される高圧放電ランプを提供することである。
【0005】
上述の課題は、請求項1の特徴部分に記載された構成によって解決される。
【0006】
特に有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明では、RF波またはマイクロ波によって励起される、高効率の無電極高圧放電ランプが提供される。このランプの対流は音響的に制御されるので、プラズマ安定性である。このランプの特徴は、色変動が少なく、メンテナンスを良好に行うことができる、ということである。
【0008】
電極を備えた今日のセラミックメタルハライドランプは、電極での損失が比較的高いという問題を有している。降下電圧およびランプ接続部または給電線へと続く熱線路を介した、電極損失は、出力バランスにおいて10〜20%であり、典型的には平均して15%の損失である。
【0009】
放電容器に対する充填物としては、既知の金属ハロゲン化物充填物が適しており、殊に放電容器は、Na、Li、Tl、Ca、希土類金属(SE)のみから成るヨウ化物群から選択された、またはこれらの組み合わせから選択された金属ハロゲン化物を含有する充填物を含んでいる。このシステムは殊に、以下の充填システムに適している:すなわち、SEJ3と組み合わされたNaJ、TlJ、CaJ2である。ここで希土類金属は、元素Tm、Ce、Pr、Ndのうちの少なくとも1つである。
【0010】
Na/Liを含有した金属ハロゲン化合物充填物および/またはCe/Nd/Prを含有した金属ハロゲン化合物充填物を使用する場合には特に、これらの溶融物が電極の引き込み領域において多かれ少なかれ強く混合されてしまう。これによって、色の質および光収率が変化してしまう恐れがある。典型的にタングステンから製造される電極は、電流負荷が低いランプ作動時にも、タングステン消磨から逃れることはできない。これによって、電極帰還燃焼および燃焼壁の黒色化が生じる。電極帰還燃焼および充填物移動によって、このようなランプの寿命は尽きてしまう。
【0011】
これまでは、セラミック製の金属ハロゲン化物放電ランプは、電極を用いて作動されてきた。このようなランプの無電極作動は商業的に、光収率が低くてもよい投影用途のための、出力の低い石英容器に制限されているか、または冷却が進歩している、典型的に少なくとも250Wの高出力に制限されている。このような作動時には元来、プラズマ安定化のために、対流の恒久的な音響的影響は使用されない。あらゆる状況における全般的な作動は、低出力のセラミック容器の場合には、プラズマ安定化が燃焼器内で低い熱応力を形成する場合にのみ可能である。
【0012】
本発明がより良好に理解されるために、以下の説明を行う:
有利には、音響共振による作動のために、金属ハロゲン化物が充填されたセラミック放電容器が使用される。作動時には120〜175lm/Wになる高い効率を保証するために、熱条件が所期のように改善されなければならないことが判明した。このためには種々異なる定格出力に対して、音響的に誘起された対流が所期のように動かされなければならない。この対流は定められた規則によって、放電容器の表面積によってスケーリングされる。これによって新たな熱条件が得られる。この熱条件によって、典型的に140〜150lm/Wのレベルの効率が長時間安定して設定される。
【0013】
長時間にわたって安定した、マルチセル対流を得ることが目的である。このマルチセル対流は大きい定格出力領域にわたって保持される。このために重要であるのは、特有の表面領域を定め、これに対する基準を考慮することである。これに適切な特性量は出力密度である。
【0014】
使用されている定格出力と表面積の比に対するスケーリング法則を明らかにすることによって、種々の出力クラスおよび光束クラスに対して、セラミック放電容器を構成することができる。
【0015】
本発明は、音響モードによって所期のように影響された、充填ガスの放電プラズマにおいて、対流を所期のように調整する。充填ガスの流れによって、付加的な熱流が、放電体の終端部へとガイドされるであろう。これによって、この終端部ひいてはコールドスポットも加熱されるであろう。このような加熱を抑制するために、効果的な終端部冷却が行われなければならず、このようにしてこのコールドスポットおよび放電容器の終端部が過度に加熱されることがなくなる。
【0016】
金属ハロゲン化物ランプを、縦音響モードにおいて作動させることを可能にするために、放電容器の形状は、少なくとも2の、いわゆるアスペクト比AVを有するべきである。有利にはアスペクト比は3.5〜6の領域にあり、殊にAV=4.5〜5.5であり、4.6〜4.8のアスペクト比AVが特に適している。アスペクト比は、放電容器の内長と内径の比である。放電容器は長手軸を有しており、実質的に円柱である。放電容器は容易に、中央で取り外し可能である。この種のランプの作動様式は、例えばUS6400100号に開示されている。
【0017】
有利には、内部容積に関して、円柱状の放電容器が使用される。放電容器は外側套面並びに外側端面または少なくとも傾斜面を有している。外側套面に、外側傾斜面および端面を足したものが、全体的な外側表面OSUMを決める。この全体的な外側表面OSUMに関連して定格出力Pを定める場合、効率を高めるために、定められた固有の定格出力PS=P/OSUMは、17〜25W/cmに達していなければならない。またこれと同時に、内側表面での内側壁負荷が高く保たれなければならない。これは少なくとも28W/cmであるべきである。
【0018】
本発明を理解するためには、放電容器を長手軸を横切る方向で3つの部分に区分するという考えが必要である。この際に境界となるのは、放電容器の曲率変化である。曲率変化が僅かであり、有利には曲率変化が0であり、内径が一定であるかまたは非常に僅かにしか変化しない(内長にわたって、15%よりも低い変化)中央領域は、高温プラズマ区間を規定する。この区間には放電プラズマが延在する。この区間は作動時には比較的高温になる。このプラズマ区間の領域における壁負荷は有利には28〜45W/cmの範囲にある。このプラズマ区間の外側表面はOHで表される。
【0019】
冷却効果を有する傾斜面または端面を含めた、その後方に位置する終端部の表面は、OKであらわされる。放電容器は2つの終端部を有しているので、2つの終端部の表面が考慮されなければならない。通常は2つの終端部は対称であり、各冷却表面はOKの半分を有する。
【0020】
OHに割り当てられている湾曲区間が、作動時に少なくとも28W/cmの高い壁負荷Wに達し、全体表面OSUM、すなわちOHとOKを足した表面が格段に低い固有定格出力17〜25W/cmを有する場合に、冷却が特に効果的である。換言すれば、表面OKは、端部領域において十分に大きくなければならない。有利にはOKとOHの比VHは、0.75〜1.00である。特に有利にはこの比は、VH=0.85〜0.90の領域内に成る。OKの領域におけるコーティング等の技術的な手法によって、VHを修正することができる。
【0021】
本発明の利点は、効率的なマイクロ波励起方法等によって、長持ちする、高効率のセラミック高圧放電ランプシステムを実現することができるということである。このランプシステムの出力は低いおよび中程度である。これによって、特に小型のランプシステムを実現することができる。
【0022】
ここでは水銀の含有量が少ない、および水銀を含有していない充填物を、金属電極および金属引き込み領域を損傷させることなく、使用することができる。対流の音響的な構成はここで、円錐形に延在する終端部を備えた、縦に長い放電容器を使用する。有利には、放電容器に陥入部が設けられる。この配置は、大気でのまたは真空外球における高負荷燃焼作動を可能にし、これと同時に、低い熱応力も可能にする。なぜなら放電プラズマは、調節された対流によって燃焼器内部に保持され、セラミック壁部との接触がほぼ安定化され、最小化されるからである。
【0023】
ランプは殊に、変調可能な半導体−高周波数発生器で作動される。これは有利にはマイクロ波(MW)発生器(AB/C、D、EまたはFクラスモードまたは種々異なる作動状態に対して切替可能なクラスにおける増幅回路)であって、周波数領域50MHz〜5GHzにおけるマッチング回路網および結合アプリケータを有している。燃焼器軸上にアーク安定性が生じるので、典型的に200MHz〜3GHzの間の範囲が有利であり、500MHzからの範囲が特に有利である。これは音響的に誘起されたアーク直線化作用を用いて生じる。このために周期的に第2の方位方向共振周波数が励起される。特に有利には、偶数の縦共振周波数の発生しているウェーブフィールドを印加することによって音響的に誘起されたマルチセル構造を設定することで、プラズマが混合される。
【0024】
搬送波周波数(典型的には200MHz〜3GHz)の変調は、振幅変調を介して次のように行われる。すなわち、周期的に第2の方位方向共振周波数が、10ms〜1msの周期においてオーバースキャンされ、詳細には、fcenter−□fからfcenter+□fまでオーバースキャンされるように行われる。ここで0.5kHz<=□f<=15kHzであり、典型的に5kHzである。
【0025】
さらなるオプションとして、この変調にさらなる変調を重ねることができる(これは例えば、変調周波数を合算することによって行われる)。これによって、出力スペクトル内に励起線が形成される。ここでこの励起線は、ランプ開始後の印加フェーズにおいて、開始周波数fstartから約50Hz/secから1kHz/secのレートを有している。これは、水平位置に存在する縦共振周波数(有利には第2の縦共振周波数)にわたって約1.25−1,3*flong_hor(水平駆動における縦共振の位置)に位置し、水平位置において測定された縦共振周波数(典型的に0.05kHz〜2.5kHz離れている)の下方の位置における停止周波数まで続き、電気的総出力の3〜35%の線形出力の出力割合に相応する。この場合には、音響的に誘起されるマルチセル対流構造が安定して調整され、長時間にわたって安定化される。ここでは、2つまたはそれよりも多くの、ランプ中央に関して対称に配置されたプラズマ収縮が、この場合に最適に励起された縦音響共振の、発生しているウェーブフィールドのプレスノットの位置に生じる。
【0026】
縦共振を励起するための線形出力の出力割合に応じて、線形出力は、継続作動にわたって、別の変調またはスイープ運動の影響を受ける。
【0027】
充填物の構成成分として、以下のグループから1つまたは複数のものが使用される。すなわち:
TlX、ZnX2、Al2O3、InX、InX3、HfX4、SnX2、MnX2、MgX2、ZrX4、TaX5、HgX2、CsX、NaX、DyX2、GaX3、CeX3、NdX3、PrX3、TmX3、ErX3、HoX3、DyX3、GdX3、TbX3、CaX2、ReX3、WX3、WOX、ReOx、S、Se、Te、Ge、Gaである。ここでX=I、Br、Cl、Fである。
【0028】
単体金属およびその混合物を使用することも同じように可能である。
【0029】
ガスとしては、全ての希ガスAr、Ne、Kr、Xe並びにN2、CO2、CO、H2、D2およびその混合物が適している。
【0030】
圧力領域は0.1mbar(冷)〜300bar(熱)である。0.5〜30barの範囲の圧力が有利である。
【0031】
容器はセラミック材料(PCA、Y2O3、AlON、AlN、Zr2O3)または、硬化された高温はんだ等のガラスセラミック材料(金属酸化物(例えばY2O3、Al2O3、Ce2O3、SiO2、Dy2O3、CaO等)の二成分または三成分共融混合物)または(石英)ガラス容器またはハイブリッド材料系から成る。
【0032】
ランプの内部直径IDは有利には0.1mm〜15mmであり、有利には最大で10mmである。内長ILは有利には0.35〜90mmであり、有利には50mmまでである。
【0033】
壁厚は典型的に約0.1mm〜3mmの範囲にある。
【0034】
以下で、本発明を複数の実施例に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】放電容器を備えた高圧放電ランプ
【図2】適切な放電容器の種々異なる実施例
【図3】適切な放電容器の種々異なる別の実施例
【図4】高圧放電ランプのシステムの詳細図
【図5】出力が50Wの場合の、種々異なる共振周波数に対するアスペク比を示すダイヤグラム
【図6】出力が100Wの場合の、種々異なる共振周波数に対するアスペク比を示すダイヤグラム
【図7】高圧放電ランプを備えた完全なシステム
【実施例】
【0036】
図1は、無電極放電ランプ1を概略的に示している。この放電ランプは、本質的にセラミックランプである。Al2O3セラミックから成る放電容器2は、例えば2mmの所期の内径IDと例えば10mmの所期の内長ILを有している。充填物は例えば、NaJ、NaBr、InBr、InJ、CeJ3、CeBr3、Xe、HgJ2およびHgを含有している。
【0037】
このランプは、マイクロ波増幅器での位相シフト器/ラムダ/2−迂回線路(バラン)を備えた条片状導体結合部3を備えたシステムで作動される。MF周波数は900MHzである。ランプ内の出力は25Wで調整される。スイープに対する変調周波数は110〜125kHzであり、AM周波数は45kHzである。線周波数の変調強度は19%である。
【0038】
図2は、種々異なる、特に良好に適している縦長の放電容器を示している。これは、幅が狭くされた終端部と長手方向軸Aを有している。ここでアスペクト比AV、すなわち比IL/IDは少なくとも2、有利には少なくともAV=3.5である。上方限界は有利にはAV=8である。終端部6での幅の狭い部分は、1/8〜1/5ILの典型的な長さにわたって延在する。
【0039】
図2aに示された簡単な実施形態では、放電容器21には円柱状の中央部分5が設けられている。2つの終端部分6は円錐状に延在しており、最長内長ILが軸Aにおいて得られる。
【0040】
円錐状に幅を狭める代わりに、図2Bのように放電容器の幅を切り株状に狭めることができる。従ってこれは軸近傍で、軸を横切っている終端面7を有する。しかしこの終端面はより小さい内径DIEを有している。このような小さい直径は典型的には、中央部分5の内径IDの30〜65%である。
【0041】
内径を狭くすることが、適切な湾曲曲線16(図2cを参照)を介して行われてもよく、または階段17の形式(図2dを参照)で行われてもよい。転換点を伴った弓なりの曲線14も、直径を低減するのに適している(図2eを参照)。
【0042】
図3に示された第2の基本的な実施形態では、放電容器の直径は、少なくとも1つ、殊に2つの陥入部または湾曲部によって得られる、またはサポートされる。これによって、最長内長ILが軸A外で得られる。これに対してこの軸A内では、短くされた内長ILRが得られる。ここでも、軸Aを横切っている終端面全体は、出っ張り部分がとがっている場合(図3b)には約0%である。またはこれは30〜65%の範囲にある(図3a)。
【0043】
図3aは、中央陥入部19が放電容器終端部に設けられている実施例を示している。軸A外では、ほぼ平らな端面20が設けられている。図3bの実施例では陥入部19が設けられており、ここでは平らな端面ではなく、湾曲した狭幅部22が、内径IDを狭くする。放電容器はこの場合には2つの、外側を指している、端面側の先端部21を有している。
【0044】
図3cに示された特別な実施形態では、中央部分25は、一定の直径を有する、まっすぐな管ではなく、中央部分における極大部IDMを伴い僅かに凹状に湾曲している。しかし終端部での内径における差は、最大値IDMの10%を越えるべきではない。この実施例では、端面はない。
【0045】
一般的に3〜6のアスペクト比AVが特に適切であり、AV=4.5〜5は非常に有利である。
【0046】
内径が狭められた終端部構造は、対流セル流を安定させるのに役立つ。直径が狭められている終端領域の軸方向長さはここで、できるだけ短くすべきである。有利にはこれは最大で、最長内長ILの30%であるべきである。終端部で温度勾配を調整するためにこれは特に効果的である。
【0047】
高められた放射率を有する可視スペクトル領域における透明なコーティング40(図2dを参照)もサポート効果を有する。この放射率は少なくともε=0.55μmである。これによって、領域1〜3μmにおける平均値が意図される。この領域は、一般的に、NIR(近IR)と称される。このコーティングは少なくとも、冷却終端領域の部分上に取り付けられるべきである。
【0048】
図4は、高圧放電ランプシステム1の基本的な実現形態を示している。中心部分は、音響共振器として作用するセラミック放電容器2である。この放電容器はここでは、切り株状の終端部を備えた円錐形である。実際の実施形態では、放電容器は一体的に、円錐状の終端部を有するシース状管6として構成される。管自体は一定の内径IDを有している。始めは開放されている第2の終端部を通じて充填物が入れられる。その後、この第2の終端部は適切な詰め物7によって塞がれる。ここでこの詰め物は次のような形状を有している。すなわち、詰め物の円錐形状が第1の終端部に相応するような形状を有している。ここでこの詰め物の外径は、開放されている終端部の直径IDに整合し、ガラスはんだ溶融物8によって密閉される。
【0049】
この詰め物は、つまみ部分47を有している。この部分は後から、詰め込みおよび密閉後に切り取られるまたは形状に関して修正される。これは例えば、レーザ切断または機械的な研磨によって行われる(矢印を参照)。
【0050】
円錐形終端部の周りに、螺旋状に巻かれたアプリケータ9が両側に置かれる。これはそれぞれ条片導体3と接続されている。接続部分には、参照番号13が付与されている。このシステムはさらに、誘電的な光反射器11によって補完される。この反射器は凹状に湾曲されており、ランプを自身の中心に保持する。
【0051】
このシステムは、毛細管および電極構造体の使用に付随してあらわれる、高い終端部損失を回避する。これは、入力パワーの10〜15%のオーダーで変動する。
【0052】
本発明の新たな容器形状によって、放電プラズマ内のガス対流の音響的マルチセル励起が実現される。ここで以下の条件を個別にまたは組み合わせて顧慮することが有効である:
全ランプ出力P(単位W)と全外側表面OSとの比は15〜30、有利には17〜25W/cmの範囲にあるべきである。P/OS=18〜22の値、殊に19.5〜21W/cmが特に適切である。
【0053】
全ランプ出力P(単位W)と中央部分の外側表面OSZ(直径が狭められた終端部を有していない)との間の比は25〜65、有利には28〜45W/cmの範囲にあるべきである。P/OSZ=30〜40の値が適切であり、34〜38W/cmが有利である。
【0054】
2つの終端部がまとめられている、生じ得る端面を含む終端部の間の外側表面と、中央部分の外側表面との比は、75〜125%の領域にあるべきである。85〜90%の値が有利である。
【0055】
内側表面の全体壁負荷は、有利には30〜45、有利には42W/cmまでである。36〜41W/cmの値が特に有利である。
【0056】
図5および6は、50Wのランプ出力(図5)と、100Wのランプ出力(図6)に対するアスペクト比AVの選択を示している。種々異なる音響共振周波数(単位kHz)の位置に対するアスペクト比AVが記載されている。第1および第2の方位方向共振周波数および第1のラジアル共振周波数の他に、第2および第4の縦共振周波数が記載されている。
【0057】
第1の方位方向共振が適していないことが分かる。これは、建設的というよりも破壊的に作用する。これは強いアーク破壊を示し、その励起によって、アークが消滅する恐れがある。
【0058】
さらに、第2および第4の縦共振に対する十分な間隔が必要である。この間隔は、少なくとも5kHzである。
【0059】
少なくとも2のアスペクト比、より良好には少なくとも3.5のアスペクト比の場合には、使用可能な音響周波数を十分に選択することができる。これは、種々異なる壁負荷および種々異なるパワーレベルの場合においても当てはまる。
【0060】
より大きいパワー領域に対して同様に有効である唯一の設計の選択時には、アスペクト比はできるだけAV=4〜6の領域内で選択されるべきである。上方の限界は殊に、殊に次のことによって得られる。すなわち、第2の縦共振周波数が約19kHzの高い閾値に達する場合である。(図5および6における矢印参照)。
【0061】
終端部分の軸方向長さに対する具体的な下方境界は、中央部分の長さの10%である。放電容器の有利な実施形態は、放電容器の終端部分で、まっすぐな端面を有している。またはこの端面は、むしろ内側へ陥入している。このようにして、そこに形成された対流セルが付加的に安定する。
【0062】
図7は、放電容器30および電圧源30並びにEVG32を備えた高圧放電ランプを示している。これは点弧補助回路33を含んでいる。
【0063】
作動時には、搬送波周波数としてRF50MHz〜3GHzが使用される。ここで殊に、振幅変調(AM)によって周期的に第2の方位方向共振周波数が励起される。
【0064】
有利には、この周波数には偶数の縦共振周波数がさらなる変調として加えられる。有利にはこれは第2のまたは第4の縦共振周波数である。
【0065】
特に有利には、搬送波周波数の変調は、10ms〜1msの周期で行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧放電ランプシステムであって、
当該高圧放電ランプシステムは無電極であり、高周波(RF)、有利にはマイクロ波によって励起され、
セラミック製の縦長の放電容器を有しており、
当該容器は軸Aを有しており、
当該放電容器は充填物を有しており、高周波パワー(RF)が当該充填物内に基体から入力結合されると当該放電容器はプラズマを形成し、
当該充填物はガスと、少なくとも1つの金属ハロゲン化物を含んでおり、
ランプを作動させるための回路が付けられており、当該回路はRFパワーを供給し、これによって、入力結合されたRFパワーが金属ハロゲン化物を気化させ、これによって光が放射される形式のものにおいて、
当該放電容器は、プラズマ流の音響的な変調制御を伴う作動に対して特別に構成されており、これは放電容器を、少なくともほぼ一定の直径の内径IDを有する中央部分と2つの終端部分に分けることによって行われ、当該終端分の内径は、終端部に向かって低減する、
ことを特徴とする、高圧放電ランプシステム。
【請求項2】
放電容器近傍に基体が配置されており、
前記ランプ基体は誘電材料を含んでいる、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項3】
内長ILと内径IDとのアスペクト比AVは、前記放電容器の中央部分Mにおいて、少なくとも2であり、有利には少なくとも3.5である、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項4】
総ランプ出力P(単位W)と総外側表面OSとの比は15〜30W/cmの領域にある、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項5】
前記総ランプ出力P(単位W)と中央部分の外側表面OSZ(直径の幅が狭められた終端部を有していない)との比は28〜45W/cmの領域にある、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項6】
両方の終端部がまとめられ、場合によっては端面を含む、終端部の間の外側表面と、中央部分との比は、75〜125%の領域にある、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項7】
前記内側表面の総壁負荷は、30〜45W/cmの領域にある、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項8】
前記ランプ雰囲気の充填圧力は、0.5〜30barの領域にある、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項9】
前記放電容器の充填物は、Na、Liのグループおよび/またはTm、Nd、Pr、Ceのグループからの金属ハロゲン化物を含んでいる、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項10】
作動時に搬送波周波数としてRF50MHz〜3GHzが使用され、
振幅変調(AM)によって周期的に、第2の方位方向共振周波数が励起される、請求項1記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項11】
前記周波数には、偶数の縦共振周波が、別の変調として印加され、有利には第2または第4の縦共振周波数が印加される、請求項10記載の高圧放電ランプシステム。
【請求項12】
前記搬送波周波数の変調は10ms〜1msの周期で行われる、請求項11記載の高圧放電ランプシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−530794(P2011−530794A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522458(P2011−522458)
【出願日】平成21年7月20日(2009.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059304
【国際公開番号】WO2010/018048
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(504458493)オスラム アクチエンゲゼルシャフト (168)
【氏名又は名称原語表記】OSRAM AG
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Str. 1, 81543 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】