説明

高度に分枝した非置換又は低置換デンプン生成物、これを含有する透析溶液及び血漿増量剤、並びにその使用

【課題】ヒドロキシエチル−若しくはヒドロキシプロピルデンプンの有利な性質を有するが、それに加えて、器官及び組織における残留断片の蓄積という不利な性質をもはや有さない作用剤(agent)を提供する。
【解決手段】高度に分枝した、非置換若しくは低置換デンプン生成物、すなわちアミロペクチンよりも有意に高い分枝度を有し、又はグリコーゲンのα−1,6分枝度若しくはこれを越えさえする分枝度を有し、置換している場合には、0.3以下の置換度MSを有するデンプン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腹膜透析におけるコロイド浸透圧剤として及び循環血代用液(volume substitute)(血漿増量剤)としての使用に特に適する、高度に分枝した非置換又は低置換デンプン生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
腹膜透析における浸透圧剤として、今までは、主としてグルコースが用いられた。これは、短時間の間欠的な使用(約2〜3時間の滞留時間)では実証されており、有害ではなく、透析溶液の他の成分とも良好に適合し、非アルカリ性条件下で蒸気殺菌可能である。さらに、グルコースは比較的安価である。それにも拘わらず、グルコースは腹膜透析の経過中に好ましくない副作用を生じる可能性があるので、グルコースは理想的な作用剤(agent)ではない。したがって、非生理的に低いpH値と、高い浸透圧濃度が必然的に刺激を
もたらす。血液中に迅速に再吸収されるために、高い血糖値及び血中脂肪値が生じる。それ故、限外濾過効率は比較的短時間にわたって維持されるに過ぎない。
【0003】
副作用を避け、腹膜の高すぎる負荷(透析溶液の頻繁な交換によって、腹膜炎の危険性は増加する)を回避するために、まさに持続的通院腹膜透析(以下では、CAPDとも呼ぶ)の場合には、グルコースを、腹腔における透析溶液のより長い滞留時間を可能にし、それによって患者の負担を軽減する作用剤と交換することが指示されていた。この場合、溶液の充分な限外濾過効率及び消耗(depletion)(“クレアランス”)が、浸透圧の調整
によってのみ達成されるのではなく、マクロ分子によって惹起される、いわゆるコロイド浸透圧によっても達成されるという知識が利用されていた。そのために、透析溶液は等浸透圧(isoosmolar)若しくは低浸透圧(hypoosmolar)領域においても使用可能であった。
【0004】
特に、非修飾トウモロコシデンプン(unmodified corn starch)の加水分解によって得られ、約20,000の分子量を有するグルコース・ポリマー(イコデキストリン)が、このために用いられる。
【0005】
このような透析溶液の滞留時間は約8〜12時間である。リンパ系への活性な受け入れによって、マクロ分子も再吸収されて、次に分解される、しかし、マルトース及びグルコース−オリゴマーとしての分解生成物は問題ないと見なされる。
【0006】
しかし、このような加水分解したデンプン画分の本質的な欠点は、分子量の増加と共に水溶性が低下することによって分子量が限定されるので、分子量が目的の使用のために最適の範囲内にないことに見られる。さらに、低分枝又は非分枝デンプン断片は、−デンプンのアミロース部分に関して一般に知られている−デンプン老化(retrogradation)を生じる傾向があり、好ましくない沈殿を生じる可能性がある。このことは、加水分解物の出発点としてアミロース富化デンプンを選択する場合に、いっそう大きく該当する。さらに、マルトデキストリン様デンプン生成物は、オートクレービング条件下で、例えばホルムアルデヒド及びアルドン酸のような、好ましくない、事情によっては有害でさえある副生成物を形成する傾向がある。
【0007】
コロイド浸透圧の発生のために先行技術で主に使用可能な、他の作用剤はコロイド浸透圧媒質(oncotic medium)として有効なヒドロキシエチルデンプン(HES)である。
HESは、現在最も近代的で、最も広範囲に普及している循環血代用液である。完成生成物が多様な(diversified)組成であることのほかに、それらの分子量並びに置換度及び
置換型によって区別される、種々な変種の有効物質(effective substance)が用いられる

【0008】
ヒドロキシエチルデンプンは、例えばゼラチン、デキストラン又は合成コロイドのような、他の循環血代用液に比べて、その化学構造において生体固有の貯蔵性物質であるグリコーゲンとの類似性を示すアミロペクチンから98%以上が構成される、特定のデンプン型であるワックストウモロコシデンプン(wax corn starch)が、HESの出発物質として
用いられることに基づく、高い適合性を根本的に特徴とする。残りの約2%は、殆ど若しくは全く分枝していないアミロースから構成される。
【0009】
アミロペクチンは、グリコーゲンと同様に、基本骨格ではα−1,4−結合によって、分枝点ではα−1,6−結合によって相互に結合されている、グルコース単位から増成される。しかし、約5%のα−1,6−結合を有する(約20グルコース単位毎に)アミロペクチンは、10〜16%のα−1,6−結合を有する(6〜10グルコース単位毎に)グリコーゲンよりも明らかに少なく分枝している。アミロペクチンは水溶性ではない。水溶性であったとしても、アミロペクチンは生体固有のアミラーゼによって迅速に分解されて、効果がないことになる。例えば、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドによって行なわれたエーテル化によって、アミロペクチンは水溶性であり、この場合、さらに、−置換度に依存して−アミラーゼによる分解は緩慢になり、このことは、次に、調節された分子量と共に、例えばHESの循環血代用液としての使用における望ましい作用期間を決定する。
【0010】
総ての既知のヒドロキシエチル化若しくはヒドロキシプロピル化デンプン型の重大な欠点は、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基による程度の差こそあれ強い置換によって、アミラーゼによる完全な分解が困難になるか又は不可能になることに見られる。その結果、残留断片が生体中に残されて、これは非常に緩慢にのみ排泄されるか、又は例えば脾臓、肝臓及び肺のような、種々な器官/組織中に蓄積される。このことは、高い及び/又は長期間の投与量の場合に特に重大な結果を及ぼす。わき腹痛又は掻痒刺激のような既知副作用が、これに帰因することが、推測される。腹膜透析への使用に関して、40,000〜450,000の分子量範囲及び0.5と0.7の置換度のHES型に関しての研究は、再吸収されたHES型とその断片が脾臓、肺及び肝臓に蓄積されるので、コロイド浸透圧剤としてのHESの使用が問題があると見なされることを明らかにした。HESの好ましくない蓄積は、高度な置換のために、生体固有のアミラーゼによるHESの完全な分解が保証されないことに帰因すべきである。
【0011】
蓄積問題のこれに関する改善は、規格(specification)130/0,4のHES型をも
たらしている、その置換型は、特定の製造方法によって、アミラーゼの作用に関連した部分がヒドロキシエチル側鎖基に維持されるが、同時に総置換度が低下するように、最適化されることができている。
これによって、器官/組織におけるHES残留断片の蓄積は、確かに明らかに減少されたが、完全には抑制されることはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それ故、本発明は、先行技術で知られたヒドロキシエチル−若しくはヒドロキシプロピルデンプンの有利な性質を有するが、それに加えて、器官及び組織における残留断片の蓄積という不利な性質をもはや有さない作用剤(agent)を提供するという課題に基づいてい
る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、高度に分枝した、非置換又は低置換デンプン生成物によって、即ち、アミロペクチンよりも有意に高い分枝度を有し、若しくはグリコーゲンのα−1,6−分枝度を有し、若しくはこれをさらに越える分枝度を有し−置換されている場合には−僅か0.3までの、主として0.05〜0.3の置換度MSを有するデンプンによって解決されう
ることが、発見された。
【0014】
MS(モル置換)なる概念は、無水グルコース単位当りのヒドロキシエチル基若しくはヒドロキシプロピル基の平均数と理解される。MSは通常、試料のヒドロキシエチル基若しくはヒドロキシプロピル基含量の測定及び試料中に含有される無水グルコース単位当りへの換算によって算出される。MSはガスクロマトグラフィーによっても測定することができる。
【0015】
分枝度は、ガスクロマトグラフィーによるメチル化分析によって、ポリマー中のα−1,4,6−グリコース結合した無水グルコースのモル%として算出することができる。本発明によるデンプン生成物は多分散化合物であるので、如何なる場合にも、分枝度は平均値である。
【0016】
デンプン及びグリコーゲン中又は本発明による生成物中のグルコース単位はα−1,4及びα−1,6−結合を介して結合する。分枝度とは、総ての無水グルコースの総量のモル%でのα−1,4,6−結合したグルコース単位の割合と理解される。
【0017】
2/C6比率は、C−2における置換の、C−6における置換に対する比率を表す。
本発明によるデンプン生成物は、8%〜20%の分枝度を有する、これは分枝酵素を用いるグルコシド交換反応工程(transglucosidation step)によって達成することができる
。このための出発物質としては、原則として、如何なるデンプンも考慮に入れることができるが、アミロペクチンの高い割合を有するワックスデンプン(wax starch)又はアミロペクチン画分自体が好ましい。本発明による使用のために必要な、デンプン生成物の分枝度は、無水グルコースのモル%として表現して、8〜20%の範囲内にある。このことは、本発明の意図において有益なデンプン生成物が、平均して12.5〜5グルコース単位毎にα−1,6−結合と、それと共に分枝点を有することを意味する。
【0018】
10%より大きく20%まで、特に11〜18%の分枝度を有するデンプン生成物が好ましい。分枝度が高ければ高いほど、本発明のデンプン生成物の溶解性並びに生体におけるこの溶解したデンプン生成物の生物学的利用可能性も高くなる。
【0019】
10%より大きい、特に11〜18%の分枝度を有する非化工デンプン生成物(unmodified starch product)が、特に好ましい。
本発明によるデンプン生成物は、いわゆる分枝−又は転移−酵素による適切な酵素分解によって、場合によっては、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基による遊離ヒドロキシル基の部分的誘導体化を続けて行なって製造することができる。その代わりに、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化デンプンをいわゆる分枝−又は転移−酵素による酵素分解によって、本発明のデンプン生成物に転化することができる。10%までの分枝度を有する、小麦デンプンからの分枝デンプン生成物を酵素によって得ることは、それ自体知られており、例えば、WO−A−00/66,633に記載されている。適当な分枝−又は転移−酵素とそれらの産生は、WO−A−00/18,893、US−A−4,454,161、EP−A−418,945、JP−A−2001/294,601又はUS−A−2002/65,410から知られている。この最後の刊行物は、4%より大きくから10%以上までの分枝度を有する非化工デンプン生成物を記載している。
【0020】
酵素によるグリコシル交換反応(transglycosilation)の実施は、それ自体知られた方法で、例えば、ワックストウモロコシデンプンを適合した酵素と共に、水溶液中で、緩和な条件下、6〜8のpH値及び25〜40℃の温度において行なうことができる。
【0021】
先行技術で臨床的に用いられるHES型の場合と同様に、平均分子量(Mw)は−使用
に応じて−特に10,000〜450,000の範囲内であり、場合によっては、C2
6比率は4〜20の範囲内である。好ましくは、CAPDに用いるためには、10,0
00〜200,000、特に20,000〜40,000の範囲内の分子量、及び血漿増量剤として用いるためには、40,000〜450,000の範囲内の分子量が考慮される。
【0022】
本明細書の意図では、分子量の重量平均は分子量Mwとして理解される。これは、それ
自体知られた方法で、種々な方法によって測定することができ、例えば、光散乱(light scatter)及びRI検出(RI detection)と組み合わせた、ゲル浸透クロマトグラフィー(G
PC)又は高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって確認することができる。
【0023】
置換デンプンの場合には、好ましいC2/C6比率は5〜9の範囲内である。例えば、アルドン酸及びホルムアルデヒドのような、好ましくない副生成物の生成は、還元性末端(reducing end)のアルデヒド基を還元又は酸化するための専門家に知られた方法によって回避される。
【0024】
本発明によるデンプン生成物の高い分枝度によって、その水溶性が上昇するので、デンプン生成物を溶解状態に維持するための、ヒドロキシエチル置換又はヒドロキシプロピル置換を全く又は大規模に断念することができる。
【0025】
それ故、特に、平均分子量を適当な方法で腹膜の透過性限界(permeability limit)を越えて高めることができることに、大きな利点が存在する。これに加えて、特徴的な量(characteristic quantity)として、いわゆるボトム画分(bottom fraction)BF90%(小分子画分の割合の尺度としての、ピーク面積(peak area)の90%の分子量)のGPC値を
用いることもできる。分子量の適当な上昇によって、高いUF効率(UF efficiency)を得
ることができ、同時に、腹膜を通しての吸収は明らかに減少する。同時に、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基による置換がないか又はごく僅かであるために、生体固有のアミラーゼによる分解によって得られた、アミラーゼによってもはやそれ以上分解されず、器官又は組織中に蓄積される高分子残留断片は、もはや生じないか、若しくは取るに足りない量でまだ生じるに過ぎない。さらに、先行技術のHES型に比べて、生体固有のグリコーゲンとの高度な生理的類似性のために、副作用は全く予想されないか、又は極僅かに予想されるに過ぎない。さらに、非置換であるか又はごく弱く置換している、このごく僅かに分枝した又は非分枝であるアミロース様構造成分が観察されているので、デンプン老化とそれに関連した沈殿の可能性は回避される。
【0026】
適当な高分枝デンプンから出発し、先行技術でそれ自体知られた方法に従って、最小の費用で、腹膜透析に適したコロイド浸透圧剤が製造され、これらのコロイド浸透圧剤は同様に知られた方法で、多様な電解質、アミノ酸、乳酸塩(lactate)、酢酸塩(acetate)、炭酸水素塩(bicarbinate)等と、並びに例えばグルコースのような、他の浸透圧的に有効な
作用物質と問題なく組み合わされる。同様に、分子量を適当に選択することによって、循環血代用液として用いるための生成物が得られ、その体積効率(volumetric efficiency)
はこのような高分枝デンプン生成物の空間的膨張(spatial expansion)によってさらにな
お促進される。さらに、分子量分布を選択することによって、生体内の滞留時間が調節される。
【0027】
本発明による生成物は、ボリューム・テラピー(volumetric therapy)に用いられるヒドロキシエチルデンプンの先行技術で知られた利点を有するが、その典型的な欠点をもはや有さないことを特徴とする。それ故、本発明による生成物は、特に、腹膜透析に用いるために非常に興味深い。本発明による生成物の利点は、循環血代用液が短時間に多量に用いられる、又は例えば聴力低下(hearing fall)の場合のように、長時間にわたって静脈内に
用いられなければならないような、用途範囲で特に有利であると実証される。というのは、腹膜透析に用いる場合に、腹膜を通過することができる又はリンパ管に収容される画分のみが、血液中に達することができるが、ボリューム・テラピーではHESは血管に直接投与される。例えば、規格130/0,4のHESに関して現在の投与上限は体重1kg及び1日当り3gであるが、本発明による生成物によってはより多量が問題なく投与される。
【0028】
本発明による生成物はさらに、有害な副生成物の生成若しくはデンプン老化の傾向という欠点を示すことなく、腹膜透析のための既知コロイド浸透圧的に作用する作用物質の利点を示すことを特徴とする。
【0029】
本発明による生成物は、平均分子量の改変によって、ボリューム・テラピーにおいても腹膜透析においても使用を見出すことができる。
本発明の対象は、同様に、水、本発明によるデンプン生成物及び他の、透析溶液に通常用いられる添加剤を含有する透析溶液である。最後に挙げたものは、例えば、電解質、アミノ酸、乳酸塩、酢酸塩又は炭酸水素塩、並びに他の、浸透圧的に有効な作用物質、例えばグルコースである。
【0030】
本発明による透析溶液中には、本発明によるデンプン生成物が、該透析溶液に関して、通常は2〜10重量%、特に4〜7.5重量%の濃度で存在する。
本発明の対象は、さらに、水、本発明によるデンプン生成物及び他の、血漿増量剤に通常用いられる添加剤を含有する循環血代用液(血漿増量剤)である。最後に挙げたものは、例えば、生理的に適合する注入溶液を製造するための塩化ナトリウムである。
【0031】
本発明による血漿増量剤中には、本発明によるデンプン生成物が、該血漿増量剤に関して、通常は2〜12重量%、特に4〜10重量%の濃度で存在する。
本発明はさらに、本発明によるデンプン生成物の、透析における、特に腹膜透析における使用に関する。
【0032】
本発明はさらに、本発明によるデンプン生成物の血漿増量剤としての使用に関する。
本発明によるデンプン生成物の能力(performance)を、次に、下記実施例に基づいて、
さらに詳しく説明する。
【実施例】
【0033】
反復投与後の組織蓄積に関する試験
雌ラット48匹において、対照付き試験を行なった。14C標識した本発明によるデンプン生成物(平均分子量Mw25,500Da;モル置換0.15;分枝度12.4モル%
)又は14C標識したHES130/0.4(平均分子量135.600;モル置換0.41;分枝度6.29モル%;その都度1g/kg体重)を連続24日間毎日注入した後に、最後の投与後2、10、22及び46日目に肝臓、肺、脾臓及び腎臓を組織蓄積に関して試験した。結果は下記表に記載する。
【0034】
表から明らかであるように、試験した総ての組織において、HES130/0.4に比べて、本発明による生成物の有意に低い蓄積(P<0.01)が保持された。この結果は、本発明による生成物が比較生成物に比べて明らかに減少した組織蓄積をもたらすことを、明白に実証する。
【0035】
試験した組織中の測定放射能(投与された全放射能の%として)
【0036】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床使用のための修飾された非置換又はヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換デンプン生成物であって、該ヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換デンプン生成物が8〜20モル%の分枝度及び0.3までの置換度MSを有し、該非置換デンプン生成物が11〜20モル%の範囲内の分枝度を有することを特徴とするデンプン生成物。
【請求項2】
ヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換されて、0.05〜0.3の範囲内の置換度MSを有することを特徴とする、請求項1記載のデンプン生成物。
【請求項3】
10,000〜450,000の範囲内の平均分子量(Mw)を有することを特徴とす
る、請求項1記載のデンプン生成物。
【請求項4】
10,000〜40,000の範囲内の平均分子量(Mw)を有することを特徴とする
、請求項2記載のデンプン生成物。
【請求項5】
40,000〜450,000の範囲内の平均分子量(Mw)を有することを特徴とす
る、請求項2記載のデンプン生成物。
【請求項6】
ヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換されて、C2/C6−比率が4〜20の範囲内であることを特徴とする、請求項1記載のデンプン生成物。
【請求項7】
2/C6−比率が5〜9の範囲内であることを特徴とする、請求項5記載のデンプン生成物。
【請求項8】
ヒドロキシエチル化デンプンであることを特徴とする、請求項1記載のデンプン生成物。
【請求項9】
その還元性末端が酸化又は還元によって不活化されることを特徴とする、請求項1記載のデンプン生成物。
【請求項10】
水、修飾された非置換又はヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換デンプン生成物、及び慣用的な添加剤を含有する透析溶液であって、該デンプン生成物が8〜20モル%の範囲内の分枝度、並びに置換している場合には、0.3までの置換度MSを有する透析溶液。
【請求項11】
水、修飾された非置換又はヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換デンプン生成物、及び慣用的な添加剤を含有する血漿増量剤であって、該デンプン生成物が8〜20モル%の範囲内の分枝度、並びに置換している場合には、0.3までの置換度MSを有する血漿増量剤。
【請求項12】
8〜20モル%の範囲内の分枝度、並びに置換している場合には、0.3までの置換度MSを有する、修飾された非置換又はヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換デンプン生成物の、透析、特に腹膜透析におけるコロイド−浸透圧剤としての使用。
【請求項13】
8〜20モル%の範囲内の分枝度、並びに置換している場合には、0.3までの置換度MSを有する、修飾された非置換又はヒドロキシエチル置換若しくはヒドロキシプロピル置換デンプン生成物の、血漿増量剤としての使用。

【公開番号】特開2010−209349(P2010−209349A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117591(P2010−117591)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【分割の表示】特願2004−533291(P2004−533291)の分割
【原出願日】平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願人】(503181026)フレセニウス・カビ・ドイチュランド・ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】