説明

高性能圧力容器および圧力容器用炭素繊維

容器本体と、この容器本体の表面に形成された繊維強化樹脂層と、を有し、前記繊維強化樹脂層は、強化繊維に樹脂を含侵した繊維強化樹脂を有し、前記強化繊維のストランド弾性率が305GPa以上、前記強化繊維の引張伸度が1.45〜1.70%である圧力容器である。ストランド弾性率が305GPa以上、かつ引張伸度が1.45〜1.70%である圧力容器用炭素繊維である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、高圧ガス用の貯蔵容器などに用いられる圧力容器およびそれに用いる炭素繊維に関する。
本願は、2003年8月28日に出願された日本国特許出願第2003−305228号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
従来一般に、高圧ガスの貯蔵容器としては、鋼鉄製の容器が用いられていた。
しかしながら、鋼鉄製の貯蔵容器は重量が大きく、移動や輸送等に多大な労力を必要とした。
例えば、気体燃料を用いる自動車では、車両重量を小さくして燃料消費量を抑制するため、燃料貯蔵容器を軽量化することが求められている。
そこで、高圧ガスの貯蔵容器として、従来の鋼鉄製に代えて、樹脂や金属製のライナー材(容器本体)を強化繊維で補強した複合材料を有する圧力容器が用いられるようになっている。この繊維強化複合材料を有する圧力容器は、充填圧力を高くでき、かつ軽量化が可能となる。
この繊維強化複合材料を有する圧力容器を製造する工程において、強化繊維を巻き付けるための代表的な方法として、フィラメントワインディング法(以下、FW法という)がある。
この方法は、樹脂を含浸した連続強化繊維をライナー材(容器本体)に巻き付け、その後、樹脂を硬化させることにより繊維強化複合材料を有する圧力容器を製造する方法である。
このFW法を採用することによって、容易に圧力容器を製造できる。しかし、例えば破裂圧力(破壊圧)が65MPaを越える高圧となる圧力容器を製造する場合、強化繊維の強度の発現率が低くなる傾向がある。このため、その対策として強化繊維を厚く巻く必要があり、その結果、容器重量が大きくなる問題があった。
そこで、特開平8−285189号公報では、引張強度が5500MPa以上の炭素繊維を用いた圧力容器が提案されている。この圧力容器では、高い充填圧力を得るために、高い強度を有する強化繊維が用いられている。また、特開平9−280496号公報では、弾性率が200GPa〜350GPaであり、かつ強度が4.5GPa〜10GPaの炭素繊維を用いることによって、高性能化を図った容器が開示されている。
しかしながら、上記した従来の圧力容器では、十分な破壊圧は得られるが、以下に示されたように別の問題点が挙げられる。
圧力容器に要求される特性としては、破裂特性だけでなく疲労特性も重要である。
特にアルミニウムなどの金属を有するライナー材(容器本体)が用いられた圧力容器の場合、高圧で自緊処理を行うことによって、ライナー材に圧縮応力を与えることができる。この圧縮応力がライナー材の線形特性の範囲となるように自緊処理を行うことによって、疲労特性を向上させることができる。しかしながら、ライナー材に与える圧縮応力を重視して圧力容器を設計した場合、必要以上に破壊圧が低くなることがある。他方、破壊圧を重視して圧力容器を設計した場合、必要な圧縮応力が加えられなくなる。これらの結果として、適正な圧力容器とする為には強化繊維の使用量を増加しなければならず、容器重量が大きくなるなどの問題があった。
【発明の開示】
本発明は、疲労特性および破裂特性の両特性に優れ、かつ軽量である圧力容器およびその圧力容器に用いられる強化繊維を提供することを目的とする。
本発明は、容器本体と、この容器本体の表面に形成された繊維強化樹脂層と、を有し、前記繊維強化樹脂層は、強化繊維に樹脂を含浸した繊維強化樹脂を有し、前記強化繊維のストランド弾性率が305GPa以上、前記強化繊維の引張伸度が1.45〜1.70%である圧力容器である。
前記態様によれば、偏った容器特性とならず疲労特性および破裂特性の両特性に優れ、かつ軽量な圧力容器を提供できる。
前記強化繊維のストランド弾性率は305GPa〜420GPaであってもよい。
前記容器本体は、金属製であってもよい。
充填圧力は、30MPa以上であってもよい。
本発明は、ストランド弾性率が305GPa以上、かつ引張伸度が1.45〜1.70%である圧力容器用炭素繊維である。
前記態様によれば、この樹脂が含浸された繊維を有する繊維強化樹脂層を容器本体の表面に形成することによって、疲労特性および破裂特性の両特性に優れ、かつ軽量な圧力容器を提供できる。
ストランド弾性率は、305GPa〜420GPaであってもよい。
圧力容器用炭素繊維は、平均直径が6μm以下の単繊維を複数有してもよい。
圧力容器用炭素繊維は、最高部と最低部の高低差が40nm以上の皺を表面に有する単繊維を複数有してもよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の圧力容器の一実施形態の例を示す部分断面図である。
図2Aは、圧力容器の製法のうち、繊維強化樹脂層を形成する工程を示す模式図である。
図2Bは、圧力容器の製法のうち、樹脂層を硬化させる工程を示す模式図である。
図2Cは、圧力容器の製法のうち、自緊処理の工程を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について説明する。ただし、本発明は以下の各実施例に限定されるものではなく、例えばこれら実施例の構成要素同士を適宜組み合わせてもよい。
本発明の圧力容器は、容器本体と、この容器本体の表面に形成された繊維強化樹脂層と、を有する。繊維強化樹脂層は、強化繊維に樹脂が含浸された繊維強化樹脂を有し、この強化繊維として特定の強化繊維を用いている。特定の強化繊維とは、ストランド弾性率が305GPa以上、引張伸度が1.45〜1.70%を満たす繊維である。
強化繊維のストランド弾性率が305GPaよりも小さい場合、十分な剛性を得るために、強化繊維の巻き量を多くする必要があり、その結果、厚肉の容器となり、容器重量が大きくなる。
強化繊維の引張伸度が1.45%をよりも小さい場合、強化繊維に十分な強度がないことから、やはり強化繊維の巻き量を多くしなければならない。このため厚肉化せざるを得ないので、結果的に重量が大きな過剰疲労特性を有する容器となる。一方、強化繊維の引張伸度が1.70%よりも大きい場合、強化繊維の強度は十分ある反面、その強度に見合う十分な弾性率がないために、繊維強化樹脂層では剛性が他の特性に比べて過剰に高く、結果的に破裂特性が過剰な容器となる。
強化繊維のストランド弾性率の上限については、好ましくは420GPa以下のものが良い。ストランド弾性率が420GPaよりも大きい強化繊維では、容器本体に巻きつける複合材料の量を減らしても十分な剛性が得られるため、軽量な圧力容器が得られる。しかし、得られる薄肉の圧力容器には、衝撃性能や火炎暴露性能に劣る問題がある。さらに強化繊維に含浸された樹脂(マトリックス樹脂)との界面接着性が十分でなくなり、圧力容器の性能(耐圧性)が低下してしまう。
このような強化繊維の性能のバランスは、金属ライナーが用いられた高圧容器や充填圧力が30MPa以上の高圧容器では特に重要となる。金属ライナーが用いられ充填圧力が30MPa以上の高圧容器では、疲労性能と破裂性能のバランスが崩れてどちら一方のみが過剰性能となりやすく、その結果、もう一方の特性を満足させるために繊維強化樹脂層の厚さを増す必要があり、圧力容器の重量が増加するからである。
したがって、本発明では強化繊維の弾性率と強度のバランスを考慮して、十分な強度とその強度に見合う弾性率を有する強化繊維を用いる。このような強化繊維を有する繊維強化樹脂層が容器本体に形成されたことによって、圧力容器の破裂特性や疲労特性などの特性がバランスよく良好であり、かつ強化繊維の使用量が最小限に抑えられ、従来のような厚肉になることによる重量増加が抑制され、無駄の少ない圧力容器を提供できる。
このような圧力容器用の強化繊維としては、ストランド弾性率が305GPa以上、かつ引張伸度が1.45〜1.70%の繊維であり、例えばこれら特性を有する炭素繊維、ボロン繊維等が挙げられる。中でも、炭素繊維が好適である。ストランド弾性率は310GPa以上が好ましく、より好ましくは320GPa以上である。引張伸度は、1.50%〜1.70%が好ましく、より好ましくは1.55%〜1.70%である。
さらにより好ましくは、ストランド弾性率が420GPa以下の炭素繊維である。特に、ストランド弾性率が420GPaを超える炭素繊維は、製造時に2000℃を超える炭素化温度が必要となる。その結果、圧縮強度、剪断強度などが小さくなりやすく、また複合材料としての異方性が大きくなり、圧力容器の機械特性の低下が生じ易くなる。さらに繊維としての取り扱い性が悪くなり、フィラメントワインディングなどの成型工程での作業性が悪くなるなどの問題も生じる易くなる。
ストランド弾性率の上限値は400GPaが好ましく、より好ましくは380GPaである。
さらに、炭素繊維を構成する単繊維は、平均直径6μm以下の単繊維であることがより好ましい。平均直径が小さい前駆体繊維ほど弾性率の発現性が良く、その結果同じストランド弾性率の炭素繊維束を製造する場合でも、より低い炭素化温度による製造が可能となる。炭素化温度が低い場合、高いストランド強度を発現し、さらに剪断強度、圧縮強度も高く、機械的な特性に優れた炭素繊維束を製造できる。したがって、繊維径の細い炭素繊維がより好適であり、特に平均直径が6μm以下の炭素繊維、さらに好ましくは5.5μm以下の炭素繊維である。直径の下限は、特に制限はないが、繊維径は細くなるほど、前駆体繊維の紡糸性が悪くなることから、3μm以上が好ましい。
通常、炭素繊維は、平均直径5〜8μm程度の単繊維が1000〜50000本程度まとまった形態をなしている。
炭素繊維を構成する各単繊維は、その表面に、最高部と最低部の高低差が40nm以上の複数の皺を有することがより好ましい。この表面の皺により、炭素繊維とマトリックス樹脂との濡れ性が向上し、さらに界面の接着がより強固となる。その結果、優れた機械的特性を有する圧力容器が安定して得られ、品質の安定した圧力容器の製造が可能となる。
さらに、その皺の最高部と最低部の高低差は、単繊維の直径の10%以下であることがより好ましい。
炭素繊維の単繊維表面に存在する皺の深さは、円周方向に長さ2μm×繊維軸方向に長さ1μmの範囲における最高部と最低部の高低差として定義される。単繊維の表面の皺とは、ある方向に1μm以上の長さを有する凹凸の形態である。またその方向には特に限定はなく、繊維軸方向に平行、あるいは垂直、あるいはある角度を有してもよい。一般的な炭素繊維束の製造方法によって得られた通常の炭素繊維表面には、繊維軸方向にほぼ平行に皺が存在する。
この皺の高低差は、走査型原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定された単繊維の表面形状の観察結果を基に、以下のようにして計測できる。
炭素繊維束の単繊維を数本試料台上にのせ、両端を固定し、さらに周囲にドータイトを塗り測定サンプルとする。AFMには、先端に探針が形成されたシリコンナイトライド製のカンチレバーが設けられた原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ(株)製、SPI3700/SPA−300(商品名))を使用する。AFMモードにて単繊維の繊維軸方向に長さ1μmに渡って探針を走査し、この探針の走査を単繊維の円周方向に長さ2〜2.5μmにおいて、少しづつづらしながら繰り返し行う。これにより単繊維表面の円周方向に2〜2.5μm、繊維軸方向に1μmの範囲の表面形状を測定する。得られた測定画像を二次元フーリエ変換にて低周波成分を除去したのち逆変換を行う。このようにして単繊維の曲率を除去した断面の平面画像より、円周方向の長さ2μm×繊維軸方向の長さ1μmの範囲での最高部と最低部の高低差を読み取る。
図1は、本発明の圧力容器の一実施形態の例を示す部分断面図である。
図1に示された圧力容器1は、略円筒形の容器本体2上に、上述した繊維強化樹脂を有する繊維強化樹脂層10、12が設けられたものである。この例では、繊維強化樹脂層10、12は、容器本体2の開口部4を除く全域、即ち、胴部3及び底部5を覆うように形成されている。
容器本体2は、内部に充填した気体が漏れ難い材質を有するものであれば特に限定されないが、プラスチックスや金属を有するものが好ましい。プラスチックスとしては、例えば高密度ポリエチレンが挙げられ、金属としては、例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金、鉄などが挙げられる。特に、アルミニウム合金は、容器本体2を軽量化するには好適である。
繊維強化樹脂層は、単層でもかまわないが、本例のように多層構造とすることが好ましい。
ここでは、繊維の配向方向が容器本体2の周方向となるように繊維強化樹脂を巻きつけて形成した繊維強化樹脂層(周方向配向層)10上に、繊維の配向方向が容器本体2の長軸方向となるように繊維強化樹脂を巻きつけて形成した繊維強化樹脂層(軸方向配向層)12を有する2層構成とされている。
本発明において、繊維強化樹脂層は、図示した構成に限らず、周方向配向層と軸方向配向層とが容器本体上に交互に積層された3層以上の多層構造とすることもできる。
特に、繊維強化樹脂層の最外層を周方向配向層とすることが好ましく、これにより、良好な外観状態が得られる。各層の数および厚みは、容器の用途、内容物の種類、大きさ等によって任意に選択できる。
強化繊維に含浸させる樹脂(マトリックス樹脂)としては、繊維強化樹脂層に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
上記した圧力容器1を製造する方法の一例について説明する。
(1)繊維強化樹脂層形成
図2Aに示すように、貯槽18内に貯留したマトリックス樹脂を強化繊維16に含浸させ、繊維強化樹脂14を得る。
引き続き、容器本体2を周方向に回転させつつ、繊維強化樹脂14を容器本体2に巻き付ける。これによって、繊維強化樹脂14の繊維配向方向が容器本体2の周方向となる周方向配向層10を形成する。
次いで、軸方向配向層12を形成する。軸方向配向層12を形成する際には、繊維強化樹脂14の繊維配向方向が容器本体2の長軸方向となるようにすればよい。これによって、周方向配向層10と軸方向配向層12とが積層した多層構成の繊維強化樹脂層を有する中間体容器20を得る。
なお、軸方向配向層12の上にさらに層を形成するには、上述の方法を繰り返せばよい。
(2)樹脂層硬化
次に、図2Bに示すように、中間体容器20を加熱炉22内で加熱し、繊維強化樹脂層10、12を硬化させる。
加熱温度は、40〜180℃とするのが好ましい。加熱温度が前記範囲よりも低い場合または上記範囲よりも高い場合、得られる圧力容器1の疲労特性および破裂特性が劣化する。
(3)自緊処理
その後、図2Cに示すように、自緊処理装置24を用いて、自緊後の容器表面の周方向の圧縮応力が容器降伏点応力の95%程度になるように自緊処理する。ここで、自緊処理とは、中間体容器20の容器の内圧を高め(このときの容器の内圧の最大値を自緊処理圧力という)、ライナー材(容器本体2)を永久変形させた後、容器の内圧を低下させることによって、繊維強化樹脂層10、12の剛性により圧縮応力を容器本体2に与える処理である。
こうして、圧力容器が製造される。
【実施例】
以下、具体例を示して本発明の圧力容器を詳説する。
強化繊維の評価手法は以下の通りである。
(ストランド強度、弾性率、引張伸度)
JIS R7601に準拠して評価した。
引張伸度は、ストランド強度をストランド弾性率で割って算出した。
(炭素繊維束の単繊維断面の平均直径)
まず繊維束の繊度、密度、及びフィラメント数(単繊維本数)を用いて、以下の数式(1)から、炭素繊維束の単繊維断面の平均断面積を算出した。
ここで、繊維束の繊度とは、炭素繊維束の単位長さあたりの質量であり、JIS R7601に準じて測定した。
繊維束の密度は、JIS R7601に準じて、密度勾配管法により測定した。

そして、得られた単繊維の平均断面積より、断面形状を真円と仮定して平均直径を算出した。
(炭素繊維束の単繊維表面の皺の深さ)
炭素繊維束の単繊維表面に存在する皺の深さは、単繊維表面のうち、円周方向の長さが2μm×繊維軸方向の長さが1μmの範囲における最高部と最低部の高低差として定義した。高低差は、走査型原子間力顕微鏡(AFM)を用いて単繊維の表面に探針を走査して得られる表面形状の測定結果を基にして測定した。具体的には以下の通りである。
炭素繊維束の単繊維を数本試料台上にのせ、両端を固定し、さらに周囲にドータイトを塗り測定サンプルとした。AFMには、先端に探針が形成されたシリコンナイトライド製のカンチレバーが設けられた原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ(株)製、SPI3700/SPA−300(商品名))を使用した。AFMモードにて単繊維の繊維軸方向に長さ1μmに渡って探針を走査し、この探針の走査を単繊維の円周方向に長さ2〜2.5μmにおいて、少しづつづらしながら繰り返し行った。これにより単繊維表面の円周方向に2〜2.5μm、繊維軸方向に1μmの範囲の表面形状を測定した。得られた測定画像を二次元フーリエ変換にて低周波成分を除去したのち逆変換を行った。このようにして単繊維の曲率を除去した断面の平面画像より、円周方向の長さ2μm×繊維軸方向の長さ1μmの範囲での最高部と最低部の高低差を読み取って評価した。
(1)強化繊維
以下に示された強化繊維(i)〜(viii)を用意した。
強化繊維(i):単繊維直径約5μm、フィラメント数24000本で、ストランド強度5250MPa、ストランド弾性率350GPa、伸度1.50%である。また、皺深さは80nmである。
強化繊維(ii):単繊維直径約5μm、フィラメント数24000本で、ストランド強度4960MPa、ストランド弾性率320GPa、伸度1.55%である。また、皺深さは80nmである。
強化繊維(iii):三菱レイヨン株式会社製炭素繊維MR35E−12Kを使用した。この炭素繊維は、単繊維直径7μm、フィラメント数12000本で、ストランド強度4410MPa、ストランド弾性率295GPa、伸度1.49%である。また、皺深さは100nmである。
強化繊維(iv):三菱レイヨン株式会社製炭素繊維HR40−12Kを使用した。この炭素繊維は、単繊維直径6μm、フィラメント数12000本で、ストランド強度4610MPa、ストランド弾性率390GPa、伸度1.18%である。また、皺深さは20nmである。
強化繊維(v):三菱レイヨン株式会社製炭素繊維MR60H−24Kを使用した。この炭素繊維は、単繊維直径約5μm、フィラメント数24000本で、ストランド強度5800MPa、ストランド弾性率290GPa、伸度2.00%である。また、皺深さは80nmである。
強化繊維(vi):単繊維直径約5μm、フィラメント数24000本で、ストランド強度5220MPa、ストランド弾性率360GPa、伸度1.45%である。また、皺深さは80nmである。
強化繊維(vii)この炭素繊維は、単繊維直径約5μm、フィラメント数24000本で、ストランド強度5250MPa、ストランド弾性率320GPa、伸度1.64%である。また、皺深さは80nmである。
強化繊維(viii):単繊維直径約5μm、フィラメント数24000本で、ストランド強度5270MPa、ストランド弾性率310GPa、伸度1.70%である。また、皺深さは80nmである。
ここで、強化繊維(i)、強化繊維(ii)、強化繊維(vi)、強化繊維(vii)および強化繊維(viii)は以下のように製造した。
アクリルニトリル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解することによって紡糸原液を調製し、この紡糸原液を以下に示されたように湿式紡糸することによって炭素繊維前駆体繊維束を作製した。まず濃度50〜70質量%、温度30〜50℃のジメチルアセトアミド水溶液を有する第一凝固浴中に、紡糸原液を吐出させて凝固糸を作製した。次いで凝固糸を、濃度50〜70質量%、温度30〜50℃のジメチルアセトアミド水溶液を有する第2凝固浴中にて所定量の延伸を施し、さらに長さが延伸前の3.5倍以上となるように湿熱延伸を行い、炭素繊維前駆体繊維束を得た。
炭素繊維前駆体繊維束の断面平均直径、皺の深さは、凝固浴濃度および温度、さらに延伸条件を変更することにより調整した。また、紡糸工程での安定性維持を目的に、シリコン系の油剤を付着させた。
次いで、複数の前駆体繊維束を平行に揃えた状態で耐炎化炉に導入し、−2.0%以上の伸長率下(2.0%以上縮む条件下)で、200〜300℃に加熱された空気などの酸化性気体を前駆体繊維束に吹き付けることによって、前駆体繊維束を耐炎化して耐炎繊維束を得た。次いで、この耐炎繊維束を炭素化炉に導入し、不活性雰囲気中、1300〜2000℃の温度で伸長率−5.0%以上の高伸長率下で、炭素化して炭素繊維束を得た。ここで、強化繊維(i)、強化繊維(ii)、強化繊維(vi)、強化繊維(vii)および強化繊維(viii)を製造する際の炭素化温度は、それぞれ1800℃、1550℃、1950℃、1600℃および1550℃であった。
これら炭素繊維束は、樹脂との親和性を向上させる目的で、湿式電解酸化処理を施して炭素繊維束表面に酸素含有官能基を導入した。さらに表1に示す組成のエポキシ系サイズ剤を炭素繊維束に1.0質量%付着させた後、ボビンに巻き取った。

(2)マトリックス樹脂
三菱レイヨン株式会社製エポキシ樹脂「#700B」(組成Ep828/XN1045/BYK−A506)を使用した。
(3)容器本体
容量9リットルのアルミニウム製容器本体(全長540mm、胴部長さ415mm、胴部外径163mm、胴部の中央での肉厚3mm)を使用した。
[実施例1]
常用充填圧70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。
図2Aに示すように、強化繊維(i)(伸度1.50%、弾性率350GPa)にマトリックス樹脂を含浸させて繊維強化樹脂14を得た。エンテック・コンポジットマシンズ・インク(Entec Composite Machines Inc.)社製のフィラメントワインディング機を用いて繊維強化樹脂14を容器本体2に巻き付け、5層構成の繊維強化樹脂層を形成した。
繊維強化樹脂層は、内側(容器本体側)から外側(外方側)に向かって、周方向配向層(C)/軸方向配向層(H)/周方向配向層(C)/軸方向配向層(H)/周方向配向層(C)の5層構造を有する。
得られた中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定した結果、約13mmであった。
次に、図2Bに示すように、中間体容器20を加熱炉22に入れ、炉内の温度を室温から135℃まで1℃/分で上昇させた。
繊維強化樹脂層の表面温度が135℃に到達したことを確認した後、この温度で1時間放置した。
その後、炉内温度を1℃/分で60℃まで降下させた後、中間体容器20を加熱炉22から取り出して中間体容器20を室温まで放冷した。繊維強化樹脂層の質量は5612gであった。
そして、図2Cに示すように、自緊処理装置24を用いて、中間体容器20を自緊処理圧力158MPaで自緊処理し、容器本体20に圧縮応力を与え、圧力容器1を得た。
得られた圧力容器について、破裂特性、疲労特性、軽量性を評価した。
(1)破壊圧力試験(破裂特性)
水圧破壊試験機(三菱レイヨン社製)に圧力容器をセットし、昇圧速度1.4MPa以下で圧力容器に水圧を負荷し、圧力容器が破裂したときの圧力を測定した。
一般的に常用充填圧70MPaの充填容器に求められる容器性能としては、破裂圧(破壊圧)が164.5MPa以上と規格で定められており、安全性を考慮すると、破裂圧(破壊圧)は175MPa以上が要求される。
(2)疲労特性試験
水圧サイクル試験機(三菱レイヨン社製)に圧力容器をセットし、圧力容器の内圧を大気圧から常用充填圧力の5/3倍の圧力まで上昇させた後、大気圧に戻す圧力変動操作を約2回/minの速度にて繰り返すことで圧力容器を破裂させ、破裂するまでの圧力変動操作の繰返し回数を測定した。
一般的に常用充填圧70MPaの充填容器に求められる容器性能としては、疲労特性試験で11,250回以上と規格で定められており、安全性を考慮すると、疲労特性は12,500回以上が要求される。
(3)軽量性
各圧力容器の繊維強化樹脂層の質量を測定した。
得られた圧力容器1の破壊圧力(BP)は211MPaであった。この値は、常用充填圧(FP)の約3倍に相当した。このときの破裂状態は、いずれも胴部中央付近に穴があくのみで圧力容器が分割しない理想的な破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器1が破裂するまでの圧力変動操作の繰り返し数は16190回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この実施例1の圧力容器1は、破裂特性、疲労特性において優れた結果が得られており、更に軽量化できる可能性を有していることが分かる。
[実施例2]
常用充填圧(FP)70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。
実施例1と同様に、強化繊維(ii)(伸度1.64%、弾性率320GPa)にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂14を有する繊維強化樹脂層を容器本体2上に形成し、中間体容器20を得た。
繊維強化樹脂層は、実施例1と同様の5層構造とした。中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約13mmであった。
中間体容器20を実施例1と同様にして加熱処理した。繊維強化樹脂層の質量は5633gであった。
次いで、中間体容器20を実施例1と同様にして自緊処理し、圧力容器を得た。自緊処理圧力は140MPaとした。
実施例1と同様の評価を行った。
圧力容器の破壊圧力(BP)は198MPaであった。この値は、常用充填圧(FP)の約2.8倍に相当した。このときの破裂状態は、いずれも胴部中央付近に穴があくのみで圧力容器が分割しない理想的な破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器が破裂するまでの圧力変動操作繰り返し数は、13308回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この圧力容器では、弾性率が低いが理想的伸度を有する強化繊維を使用した例であるが、一般的に言われているこのクラスの容器特性と比較すると、規格的にも安全率を考慮した場合も、破裂特性および疲労特性において十分な性能を有している。また、若干ではあるが軽量化することに余地も残されている。
[実施例3]
常用充填圧(FP)70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。
実施例1と同様に、強化繊維(vi)(伸度1.45%、ストランド弾性率360GPa)にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂14を有する繊維強化樹脂層を容器本体2上に形成し、中間体容器20を得た。
繊維強化樹脂層は、実施例1と同様の5層構造とした。中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約13mmであった。
中間体容器20を実施例1と同様にして加熱処理した。繊維強化樹脂層の質量は5580gであった。
次いで、中間体容器20を実施例1と同様にして自緊処理し、圧力容器を得た。自緊処理圧力は140MPaとした。
得られた圧力容器1の破壊圧力(BP)は208MPaであった。この値は、常用充填圧(FP)の約3倍に相当した。このときの破裂状態は、いずれも胴部中央付近に穴があくのみで圧力容器が分割しない理想的な破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器1が破裂するまでの圧力変動操作繰り返し数は18310回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この実施例1の圧力容器1は、破裂特性、疲労特性において優れた結果が得られており、更に軽量化できる可能性を有していることが分かる。
[実施例4]
常用充填圧(FP)70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。
実施例1と同様に、強化繊維(vii)(伸度1.64%、弾性率320GPa)にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂14を有する繊維強化樹脂層を容器本体2上に形成し、中間体容器20を得た。
繊維強化樹脂層は、実施例1と同様の5層構造とした。中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約13mmであった。
中間体容器20を実施例1と同様にして加熱処理した。繊維強化樹脂層の質量は5633gであった。
次いで、中間体容器20を実施例1と同様にして自緊処理し、圧力容器を得た。自緊処理圧力は140MPaとした。
実施例1と同様の評価を行った。
圧力容器の破壊圧力(BP)は206MPaであった。この値は、充填圧の約約2.9倍に相当した。このときの破裂状態は、いずれも胴部中央付近に穴があくのみで圧力容器が分割しない理想的な破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器が破裂するまでの圧力変動操作繰り返し数は、13500回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この圧力容器では、弾性率が低いが理想的伸度を有する強化繊維を使用した例であるが、一般的に言われているこのクラスの容器特性と比較すると、規格的にも安全率を考慮した場合も、破裂特性および疲労特性において十分な性能を有している。また、若干ではあるが軽量化することに余地も残されている。
[実施例5]
常用充填圧70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。
実施例1と同様に、強化繊維(viii)(伸度1.70%、弾性率310GPa)にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂14を有する繊維強化樹脂層を容器本体2上に形成し、中間体容器20を得た。
繊維強化樹脂層は、実施例1と同様の5層構造とした。中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約13mmであった。
中間体容器20を実施例1と同様にして加熱処理した。繊維強化樹脂層の質量は5640gであった。
次いで、中間体容器20を実施例1と同様にして自緊処理し、圧力容器を得た。自緊処理圧力は140MPaとした。
実施例1と同様の評価を行った。
圧力容器の破壊圧力(BP)は207MPaであった。この値は、常用充填圧の約3倍に相当した。このときの破裂状態は、いずれも胴部中央付近に穴があくのみで圧力容器が分割しない理想的な破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器が破裂するまでの圧力変動操作繰り返し数は、12600回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この圧力容器では、弾性率が低いが理想的伸度を有する強化繊維を使用した例であるが、一般的に言われているこのクラスの容器特性と比較すると、規格的にも安全率を考慮した場合も、破裂特性および疲労特性において十分な性能を有している。
(比較例1)
常用充填圧(FP)70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。この比較例では、理想的伸度を有するが弾性率が圧力容器としては若干低い強化繊維を用いた。
実施例1と同様に、強化繊維(iii)(伸度1.5%、弾性率295GPa)にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂14を有する繊維強化樹脂層を容器本体2上に形成し、中間体容器20を得た。
繊維強化樹脂層は、実施例1と同様の5層構造とした。中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約13mmであった。
中間体容器20を実施例1と同様にして加熱処理した。繊維強化樹脂層の質量は5648gであった。
次いで、中間体容器20を実施例1と同様にして自緊処理し、圧力容器を得た。自緊処理圧力は130MPaとした。
圧力容器の破壊圧力(BP)は179MPaであった。この値は、充填圧の2.56倍に相当した。このときの破裂状態は、いずれも胴部中央付近に穴があくのみで圧力容器が分割しない理想的な破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器が破裂するまでの圧力変動操作繰り返し数は、10533回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この圧力容器では、弾性率が低いが理想的伸度を有する強化繊維を使用した例であるが、一般的に言われているこのクラスの容器特性と比較すると、規格的には満足できるが、安全率を考慮した場合、疲労特性において若干の不足感が否めない
(比較例2)
常用充填圧(FP)70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。
実施例1と同様に、強化繊維(iv)(伸度1.20%、弾性率390GPa)にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂14を有する繊維強化樹脂層を容器本体2上に形成し、中間体容器20を得た。
繊維強化樹脂層は、実施例1と同様の5層構造とした。中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約13mmであった。
中間体容器20を実施例1と同様にして加熱処理した。繊維強化樹脂層の質量は5640gであった。
次いで、中間体容器20を実施例1と同様にして自緊処理し、圧力容器を得た。自緊処理圧力は125MPaとした。
圧力容器の破壊圧力(BP)は181MPaであった。この値は、充填圧の約2.6倍に相当した。このときの破裂状態は、胴部中央部で発生しており、ライナー自体は胴部中央付近に穴があくのみであったが、外側の繊維強化樹脂層は2分以上に分裂する破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器が破裂するまでの圧力変動操作繰り返し数は、19821回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この圧力容器では、弾性率が高い強化繊維を使用した例である。一般的なこの常用充填圧の容器特性と比較すると、容器特性の規格値や、安全性を考慮した場合に要求される破裂特性および疲労特性を満足していると言える。しかし必要以上に疲労特性が十分である反面、自緊処理圧と破壊圧に差が少ないことから、強化繊維の強度のばらつきによっては、自緊処理中に破裂する可能性がある。このため、強化繊維の強度と弾性率とのバランスが十分であるとは言えない。
(比較例3)
常用充填圧(FP)70MPaの圧力容器を以下の手順で作製した。
実施例1と同様に、強化繊維(v)(伸度2.0%、弾性率290GPa)にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂14を有する繊維強化樹脂層を容器本体2上に形成し、中間体容器20を得た。
繊維強化樹脂層は、実施例1と同様の5層構造とした。中間体容器20の胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約13mmであった。
中間体容器20を実施例1と同様にして加熱処理した。繊維強化樹脂層の質量は5652gであった。
次いで、中間体容器20を実施例1と同様にして自緊処理し、圧力容器を得た。自緊処理圧力は125MPaとした。
圧力容器の破壊圧力(BP)は228MPaであった。この値は、常用充填圧の約3.3倍に相当した。このときの破裂状態は、いずれも胴部中央付近に穴があくのみで圧力容器が分割しない理想的な破裂の仕方であった。
疲労特性試験の結果、圧力容器が破裂するまでの圧力変動操作繰り返し数は、9815回であった。この時の破裂位置は、圧力容器の直胴部のライナー部に発生した。
この圧力容器では、強度の比較的高い強化繊維を使用した例である。一般的なこの常用充填圧の容器特性と比較すると、破裂特性は容器特性の規格値を十分満足できるが、疲労特性においては満足していない。このため、強化繊維の強度と弾性率とのバランスが十分であるとは言えない。
上記実施例および比較例の結果を表2に示す。

実施例1、2の圧力容器は、破裂特性および疲労特性のバランスが優れ、弾性率が高い分、更なる軽量化の可能性が確認された。
これに対して、強化繊維が、理想的な伸度を有していても、十分な弾性率を有していなければ、破裂特性、疲労特性を満足させるために、繊維強化樹脂層の厚さを増す必要があり、重量が増加する問題があった(比較例1)。
一方、一般的な破裂特性または疲労特性を満足しても、破裂特性と疲労特性とのバランスが良好ではないために、一方の特性を満足させるために繊維強化樹脂層の厚さを増す必要があり、重量が増加する問題があった(比較例2、3)。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、高性能な圧力容器の軽量化を図ることができ、特に、自動車等の種々の輸送機器の燃料タンクに好適である。
【図1】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、この容器本体の表面に形成された繊維強化樹脂層と、を有し、
前記繊維強化樹脂層は、強化繊維に樹脂を含浸した繊維強化樹脂を有し、
前記強化繊維のストランド弾性率が305GPa以上、前記強化繊維の引張伸度が1.45〜1.70%である圧力容器。
【請求項2】
前記強化繊維のストランド弾性率が305GPa〜420GPaである請求項1に記載の圧力容器。
【請求項3】
前記容器本体が金属製である請求項1に記載の圧力容器。
【請求項4】
充填圧力が30MPa以上である請求項1に記載の圧力容器。
【請求項5】
ストランド弾性率が305GPa以上、かつ引張伸度が1.45〜1.70%である圧力容器用炭素繊維。
【請求項6】
ストランド弾性率が305GPa〜420GPaである請求項5に記載の圧力容器用炭素繊維。
【請求項7】
平均直径が6μm以下の単繊維を複数有する請求項5に記載の圧力容器用炭素繊維。
【請求項8】
最高部と最低部の高低差が40nm以上の皺を表面に有する単繊維を複数有する請求項5に記載の圧力容器用炭素繊維。

【国際公開番号】WO2005/022026
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【発行日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513532(P2005−513532)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012709
【国際出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】