説明

高能率シロアリ群誘導集殺方法並びに防水型シロアリ群誘導集殺器

【課題】新しい技術として、建物の周囲にシロアリ誘導容器を埋設し、先ず誘導餌を用いてシロアリを中に誘導し、次に毒餌を与えて誘殺する方法が開発されたが、それだけでは、シロアリの各集団の行動とテリトリーが把握されないので、駆除が部分的にとどまり、根絶に至らず不十分である。本発明ではこれらシロアリを群毎に行動と全テリトリーを把握し、根絶手段を設計する方策を確立し、併せて該誘導容器の横からの雨水、その他の水の進入を防止する構造とする。
【解決手段】シロアリ生体の着色方法を開発し、該シロアリ群の行動範囲全テリトリーを把握し、シロアリ群誘導集殺を容易にし更に、該誘導容器に横方向からの雨水等の侵入を防止するため、誘導餌である材木の組み立て構造を進歩的に創造し防水型シロアリ群誘導集殺器を開発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人畜、特に子供に安全で、一層地球環境にやさしい技術内容を有し、かつ、シロアリを群として大量に制御駆除しうる高能率シロアリ群誘導集殺方法並びに防水型のシロアリ誘導集殺容器に関するものである。阪神淡路大震災時、建築物の土台、柱などにシロアリの食害のあった建物の耐力が低下し、倒壊が多かった。しかし、毒物使用によるシロアリ駆除の方法は、需要がなくなり或いは使用禁止の傾向になったので、本発明者は、以前に、安全なシロアリ誘殺方法と誘導容器を発明し特許出願を行なった(特願2006−332167)。今回は更にこれを高能率化するため、シロアリ群の行動範囲、全テリトリーを把握し、その群を極力大量に根絶駆除するため、その具体的詳細な方法の設計に資するシロアリ生体着色処理による高能率シロアリ群誘導集殺方法及び屋外設置で必要となる防水型シロアリ群誘導集殺容器を開発し、更に出願提案するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術を要約すると、我国におけるシロアリ駆除方法には主として、砒素剤を食物の形にして毒餌剤を作り、これらを用いる方法が、昭和43年頃までシロアリ駆除の主流であった。しかし、砒素剤は猛毒であるので、当時は人畜無害と称された有機塩素系シロアリ防除薬剤を使用するようになった。しかしながら、これらも間も無く、環境への負荷が高いことがわかってきたので、建築物の床下の土台組材や床下土壌に非塩素系のシロアリ防除薬剤処理へと変わった。ところが更に最近では、薬物アレルギーなどにより、建築物に直接薬剤で処理しない方法が検討されてきた。
また、この時点での各個の従来技術は6件あり、それらの詳細は前願明細書中に記載したが、念のため、これらの要点と欠点についてわかりやすく並記する。
1番目の従来技術(実願平6−61083)は、シロアリ用毒餌ブロツクを使用するが、この毒餌ブロックを床下に放置することは環境保全上有害という欠点がある。
2番目の従来技術(特願平9−526877)は、シロアリ捕獲容器の側壁の内害部に固定された毒餌をとりつけたものであり、その欠点は毒物を使用することと、シロアリの坑道を破壊しやすいことの欠点がある。
3番目の従来技術(実願平11−9403)はシロアリ検出器であるが、シロアリを検出するだけで、駆除の方法が全く開示されていないという欠点がある。
4番目の従来技術(特願平5ー240321)はシロアリの検出と活動抑制の系であるが、この系の構造はシロアリの坑道を破壊する欠点、雨水や土砂が容器内に入りやすい欠点、子供が毒餌に接する危険があるという欠点を有する。
5番目の従来技術(特願平5−217669)はシロアリの監視、抑制方法、組成物であるが、無毒の餌を検査するため周期的に取り出す行為はシロアリに刺激を与えてシロアリを逃避させる欠点、次に毒餌も使用するので環境上の欠点もある。
6番目の従来技術(特願平6−500744)は、毒物含有マトリクスを使用する。この技術は無毒の餌と毒餌剤を取り替えるときにシロアリが逃避する欠点と、毒餌自体による環境汚染の欠点もある。
【0003】
上記従来技術の特許文献は次の通りである。
【特許文献1】実願平4ー72324;実開平6ー61083
【特許文献2】特願平9ー526877;特表2000ー503844
【特許文献3】実願平11ー9043;実登録3069278
【特許文献4】特願平5ー240321;特開平6ー205632
【特許文献5】特願平5ー240314;特開平6ー217669
【特許文献6】特願平6ー500744;特表平9ー501041
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記いずれの従来技術によっても、これらの内容手段が、一匹一匹のシロアリを追いかけて誘殺しているという原始的方法によるのみでは、常に各地域に独立した何十万匹の集団が、夫々分散して棲息して、通常の木造住宅や歴史的著名なる神社仏閣などの建築構造材及び造作材等を食害するのであるから、これは上記いずれの従来方法によつても、シロアリの集団を根本的に殱滅することは永久にできない。
本発明は上記すべての従来技術の欠点を除去し、更に駆除の対象を従来の個々のシロアリからシロアリの大群のテリトリーの全てに広げ、その地点のシロアリの活動範囲全体を調べることにより、根本的にシロアリの大群の位置方向を探り、それらを捕捉絶滅する手段を設計することを目的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するため下記の手段をとる。
その第1の特徴は、縦細長で中空状の円筒型又は角筒型で最下部は尖頭状で円錐状又は角錐状をなし、該側壁部にはシロアリが移動通過可能な大きさの孔を多数設けたシロアリ誘導容器を、(Step1)個人住宅、事業所、公営・公共施設、公園、街路樹のいずれかの周辺の地中に、上部を地表面と同じ高さにして埋設状態を選び、該容器上部にはロック機構付き蓋を冠設し、(Step2)最初にシロアリの種類及び棲息状況並びに該シロアリの集団の大きさにより該誘導容器における無毒の誘導餌の設置方法を、誘導容器外部、誘導容器内部、誘導容器底部、もしくは地中のいずれかの設置にするかを選択し、(Step3)該選択した誘導餌を誘導容器に設置し、(Step4)ロック機構付きの蓋を上部に冠設した誘導容器を所定の場所に埋設し、(Step5)誘導容器底部から誘導餌を地中に打ち込む場合は底部に誘導餌を設置しないで誘導容器を埋設した後に誘導餌を打ち込み、(Step6)底部の誘導餌を設置する場合は誘導餌を地中に打ち込んだ後に底部の誘導餌を設置し、(Step7)ロック機構付きの蓋をし、更に、前記誘導容器の点検方法の各ステップとして、(Step8)一定期間毎に該誘導容器の蓋を外して、その内部を目視により点検し、誘導容器の中の誘導餌の摂食及び蟻土の現象により、シロアリの棲息を確認したときは、該誘導容器の中に誘殺餌を投与して蓋をし、(Step9)その後、一定期間毎に該誘導容器の蓋を外して、目視により誘殺餌の変化について点検し、誘殺餌をシロアリが摂食して誘殺餌が少なくなっていたら、誘殺餌を補充し、(Step10)かつまた一定期間毎に誘導容器の蓋を外して、目視により誘殺餌の摂食状況を点検し、摂食をしなくなるまで誘殺餌を補充し、(Step11)誘殺餌の摂食が無くなり、シロアリの死体その他の状態によりシロアリの集団を誘殺したことを推定し、(Step12)更に、シロアリの食べ残しの誘殺餌を回収し、土砂などを取り除き再び誘導餌を再設置の後本体の蓋をして、最初のステツプに戻り、一定期間毎にシロアリの再侵入を点検する、という一連のステップを繰り返すものであるシロアリの誘導集殺方法において、前記誘導餌、誘殺餌に着色剤又は染料を混和又は混入し、該着色剤又は染料を混和又は混入した誘導餌、誘殺餌を入れた容器を地面に埋設、又は加害木材に取り付け、対象地域に複数箇処設置し、次いで、着色剤又は染料を混和又は混入した誘導餌、誘殺餌を摂食して、シロアリの体が各色別に着色されたシロアリを複数の監視場所で観察することにより、該シロアリ群毎に、それらの行動範囲、規模、全テリトリーを把握し、駆除効果を検討確認し、依つて得られた情報により、誘導餌、誘殺餌の使用箇所、方法を設計実施するものである、高能率にシロアリを集合させる誘導・集殺方法であることである。
【0006】
その第2の特徴は、前記シロアリ誘導容器の構造が、その外壁の内面に誘導餌を取り付けるための取り付け部が脱着自在の構成を有し、かつ、誘導餌の設置場所が該容器の外部、該容器の内部、該誘導容器の底部、もしくは地中の、いずれにするかを選択できる構造であり、誘導餌のそれぞれがシロアリの種類及び棲息状況並びに該シロアリの集団の大きさにより選択できる構造であり、更に誘殺毒餌を該容器の空間部にも投与しうる構造であって、本体は断面円筒形又は多角形の筒型で、該筒面をシロアリの誘導のために、シロアリが通り抜けできる大きさで貫通する複数の切り込みの孔を螺旋状又は斜線状に設け、その外部に誘導餌を設置しかつ、該筒下部は円錐型又は角錘型に構成し該錘体面にもシロアリが通り抜け可能の貫通する複数の切り込みの孔を設け、かつ、その底部に誘導餌を地中に打ち込むための孔を設け、かつまた、その餌を打ち込むため、かつ更に、容器内部の餌の被摂食状況を観察するために該容器の内部は中空とし、更にまた該筒部外部と内部並びに錐体の内部に誘導餌の保持部を設け、更に加えて該筒の上部には雨水、その他の水がシロアリ誘導容器内に進入しないために防水かつロック機構付きの蓋を冠設した構造のシロアリ誘導容器で、該容器の底部を下方を尖頭とする錘体形とし、かつ、該下部の錘体部分の最下部にも孔を設け、該孔から地中へ誘導餌を打ち込み可能の形状として設け、また、前記シロアリ誘導容器の内部を空間とし、かつ該容器内部に雨水又は土砂の流入防止用の切り込みの孔の列を螺旋状又は斜線状に設け、かつまた、前記螺旋状又は斜線状の切り込みの孔の列に対し、雨水その他の水が該容器の外側下部に流れ落ちる勾配の突起部と、該容器の側面からの水の流入防止用の上部鍔を設け、更に、前記容器本体の開口部に冠設されるロック機構付蓋は、蓋本体と、その上面側に側に着脱可能に係着され、該本体を回転するための蓋回転用治具と、前記蓋本体の下面にに設けられ前記容器本体に係着するフック及び前記容器本体の水切り用凸部に嵌まり込む水切り用凹部と、前記蓋本体の回転を拘束する錠部とを有するシロアリの誘導容器において、前記シロアリ誘導容器の外壁内面に誘導餌を設置する構成が、該容器の内部に取付ける木材や発泡スチロール等の誘導餌を、該容器の内外面に密接して隙間なく設置し、又は凹凸嵌合防水組合わせ構造により、該誘導容器の外部からの水の進入を阻止するものである防水型シロアリ誘導集殺容器であることである。
【発明の効果】
【0007】
1)従来はシロアリの巣から出てきて、誘導餌、誘殺餌を摂食した個々のシロアリを防除する方式で効果が限られたものであったところ、本発明においては、染料入り誘導餌をシロアリに摂食させてシロアリ生体に着色させ、着色の有無により集団の行動範囲、全テリトリーを識別し、それら集団別の行動を観察把握し、該誘導容器及び蟻道の方向を察知することにより、それら被着色シロアリ生体群の行動範囲、全テリトリー及び女王蟻の所在位置をも推定可能とし、根絶のための根本方策を検討設計することができるようになるという画期的な効果を得ることができる。
2)従来のシロアリ誘導容器は、上部に防水蓋を設けたものでも、大雨のときなど、周囲の横方面から、雨水その他の水並びに水と一諸に土砂が誘導容器に浸入してシロアリの誘導の機能が失われることが多かったが、本発明の誘導容器は、誘導餌を例えば円筒の形に誘導餌の材木を組み立てて構成するが個々の材木の合わせ目を上記の防水構造にしたことにより、雨期にも器内防水が保たれ、シロアリはこの誘導餌の材木を食べて、その孔から該トラップ内に入るので、誘導容器の機能が失われず防水構造が保たれるという大きな効果も生ずる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本件出願人は本発明を実施するための最良の形態を探究するべく、シロアリ虫体への着色形態について、国立の京都大学に研究を依頼した。京都大学では、この研究を同大学内生存圏研究所の居住圏環境共生分野において、一連の実験を行なった。実験の詳細は実施例の記載に詳記することとし、ここでは、それらの実験の結果から、本発明の実施のための最良の形態について要約して説明する。
1)シロアリ生体への2反復着色実験結果によれば、現研究段階で、赤色系着色剤として2種類のINK.REDを用い、摂食させた結果では、その着色程度は、一部の個体の着色は認められたが、一般的には、どの濃度においても赤色では、あまり明瞭ではなかつた。しかし、こらに対し、INK.BLUEなる青色系の着色剤を用いると、死虫率は約40〜80%であったが、肉眼でもシロアリ生体の鮮明な着色が認められた。
2)上記実験結果によって、現段階においての、実施をするための最良の形態としては、INK.BLUE12なる着色剤を混入したベイト剤を用いるのが最良であり、その結果青色に着色されたシロアリの行動、帰巣の方角、着色シロアリ死体の残存方向を察知することが出来、それによってシロアリ大群の棲息する本巣の方向を検出し、シロアリの絶滅を目的として、複数の誘導容器の埋設の位置等を最も的確に設計できるようになった。
【実施例】
【0009】
上記一部説明したように、本件出願人は、国立の京都大学に研究を依頼したので、その実験の経過は一つの実施例となっている。
シロアリ生体着色試験
1)試験材料
試験には特許出願人会社が提供したベイト剤及び4種類の着色剤を用いた。ベイト剤の着色処理方法は以下の通りである。
5gのベイト剤を量りとり、乾燥後に着色剤が所定濃度となるように調整した水溶液を5ml添加し、良く混和した。この処理ベイト剤を2週間風乾し、着色ベイト剤とした。尚、対照として無着色のベイト剤を用いた。表1に使用した着色剤及び処理濃度を示す。
【0010】
【表1】

【0011】
2)シロアリ
シロアリとしては、京都大学生存圏研究所居住圏環境共生分野で室内飼育中のイエシロアリを用いた。
3)試験方法
試験は、JIS K1571−2004に規定する防蟻性能試験容器を用いた選択摂食試験によって行なった。
底部を歯科用硬セッコウで固めた内径80mm、高さ60mmのアクリル製円筒容器に内径20mm、高さ13mmのプラスチック容器に入れた着色ベイト剤及び無着色ベイト剤を一対セットした。イエシロアリ職蟻100頭及び兵蟻10頭を投入した後、蒸留水で湿らせた脱脂綿上に置いて水分を補給しながら、温度28±2℃、湿度85%以上のシロアリ飼育室に4週間保管した。試験期間終了後にシロアリの着色状況を観察するとともに生存しているシロアリの頭数を数え、試験前後のプラスチック容器の全乾重量(容器+ベイト剤)の差から摂食量を算出した。繰り返し数は2とした。
結果と考察
表1に試験結果を示す。シロアリの着色の程度については肉眼的な判断である。
肉眼的な着色の判断からは、INK.BLUE12の1%及び0.1%処理の場合が可能性を有すると判断された。1週間後の着色の様子を夫々肉眼により観察し考察を加えた。INK.RED32の場合、1%処理において一部の個体の着色が認められたが、その他の個体では不明瞭であった。INK.RED33では、どの濃度においても着色は不明瞭であった。これは、赤色系色素はシロアリ生体の着色に不適当である、という以前の観察(吉村:未発表)と一致している。一方、摂食比を見るとINK.BLUE12が最も低い傾向があるが、摂食量として極端に低いものではない。
表2にイエシロアリを用いた4種着色ベイト剤の選択摂食試験結果を示す。
【0012】
【表2】

【0013】
以上の結果から、総合的に判断して、今回の4種着色剤の中では、INK.BLUE
12がベイト剤の着色剤として最も可能性が高いと考えられる。
上記報告された実験実施の結果から、シロアリ生体に着色して観察することにより、シロアリの特定群の行動範囲を把握し、大群の棲息する本巣の位置方向を察知し、全滅根絶の方策を設計することが可能となった。
防水型シロアリ誘導集殺器の水の侵入試験
上記発明の開示の項で説明した防水型シロアリ誘導集殺器を地面に設置し、上方から、最初は通常の雨の状態で、次に大雨時同様大量の水を注ぎ、両方の場合の該容器中への水の侵入量の試験を行なった。試験結果は次の通りであつた。
通常の雨の状態では該容器中への水の進入は全然見られず、大雨の状態でも該容器内部は僅かに湿った程度であった。これは円筒状に組合わせた餌木が膨張することにより、相互に密着した状態になることによるものである。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は、シロアリの防除に関し、従来の個別的殺虫方法から、シロアリ群別一括防除手段への画期的方法の進歩を具体化することにより、シロアリ防除産業上の利用を推進するものである。即ち、従来、シロアリの防除は、個別のシロアリに対する手段のみが知られ実施されて来たが、それでは、防除の数が繁殖の数に追いつかず、防除産業は停滞する状況にあった。本発明では、各独立したシロアリの集団、本巣を根絶するべく、先ずその付近で活動している一群のシロアリ生体に着色して、その群の行動範囲を把握し、該本巣の所在方角を推定し、根絶の方法の設計をするものである。その結果、着色に成功したので、具体的方法が大幅に進歩した結果、シロアリ防除産業への利用可能性が高くなった。更に、シロアリ誘導容器の防水構造を、従来より以上に水密に改良したので、シロアリ防除産業への利用可能性は益々向上することになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦細長で中空状の円筒型又は角筒型で最下部は尖頭状で円錐状又は角錐状をなし、該側壁部にはシロアリが移動通過可能な大きさの孔を多数設けたシロアリ誘導容器を、(Step1)個人住宅、事業所、公営・公共施設、公園、街路樹のいずれかの周辺の地中に、上部を地表面と同じ高さにして埋設状態を選び、該容器上部にはロック機構付き蓋を冠設し、(Step2)最初にシロアリの種類及び棲息状況並びに該シロアリの集団の大きさにより該誘導容器における無毒の誘導餌の設置方法を、誘導容器外部、誘導容器内部、誘導容器底部、もしくは地中のいずれかの設置にするかを選択し、(Step3)該選択した誘導餌を誘導容器に設置し、(Step4)ロック機構付きの蓋を上部に冠設した誘導容器を所定の場所に埋設し、(Step5)誘導容器底部から誘導餌を地中に打ち込む場合は底部に誘導餌を設置しないで誘導容器を埋設した後に誘導餌を打ち込み、(Step6)底部の誘導餌を設置する場合は誘導餌を地中に打ち込んだ後に底部の誘導餌を設置し、(Step7)ロック機構付きの蓋をし、更に、前記誘導容器の点検方法の各ステップとして、(Step8)一定期間毎に該誘導容器の蓋を外して、その内部を目視により点検し、誘導容器の中の誘導餌の摂食及び蟻土の現象により、シロアリの棲息を確認したときは、該誘導容器の中に誘殺餌を投与して蓋をし、(Step9)その後、一定期間毎に該誘導容器の蓋を外して、目視により誘殺餌の変化について点検し、誘殺餌をシロアリが摂食して誘殺餌が少なくなっていたら、誘殺餌を補充し、(Step10)かつまた一定期間毎に誘導容器の蓋を外して、目視により誘殺餌の摂食状況を点検し、摂食をしなくなるまで誘殺餌を補充し、(Step11)誘殺餌の摂食が無くなり、シロアリの死体その他の状態によりシロアリの集団を誘殺したことを推定し、(Step12)更に、シロアリの食べ残しの誘殺餌を回収し、土砂などを取り除き再び誘導餌を再設置の後本体の蓋をして、最初のステツプに戻り、一定期間毎にシロアリの再侵入を点検する、という一連のステップを繰り返すものであるシロアリの誘殺方法において、前記誘導餌、誘殺餌に着色剤又は染料を混和又は混入し、該着色剤又は染料を混和又は混入した誘導餌、誘殺餌を入れた容器を地面に埋設、又は加害木材に取り付け、次いで、着色剤又は染料を混和又は混入した誘導餌、誘殺餌を摂食して、シロアリの体が各色別に着色されたシロアリを複数の監視場所で観察することにより、該シロアリ群毎に、それらの行動範囲、全テリトリー、規模、駆除効果を検討確認し、依って得られた情報により、誘導餌、誘殺餌の使用箇所、方法を設計実施することを特徴とする、高能率シロアリ群誘導集殺方法。
【請求項2】
前記シロアリ誘導容器の構造が、その外壁の内面に誘導餌を取り付けるための取り付け部が脱着自在の構成を有し、かつ、誘導餌の設置場所が該容器の外部、該容器の内部、該誘導容器の底部、もしくは地中の、いずれにするかを選択できる構造であり、誘導餌のそれぞれがシロアリの種類及び棲息状況並びに該シロアリの集団の大きさにより選択できる構造であり、更に誘殺毒餌を該容器の空間部にも投与しうる構造であって、本体は断面円筒形又は多角形の筒型で、該筒面をシロアリの誘導のために、シロアリが通り抜けできる大きさで貫通する複数の切り込みの孔を螺旋状又は斜線状に設け、その外部に誘導餌を設置しかつ、該筒下部は円錐型又は角錘型に構成し該錘体面にもシロアリが通り抜け可能の貫通する複数の切り込みの孔を設け、かつ、その底部に誘導餌を地中に打ち込むための孔を設け、かつまた、その餌を打ち込むため、かつ更に、容器内部の餌の被摂食状況を観察するために該容器の内部は中空とし、更にまた該筒部外部と内部並びに錐体の内部に誘導餌の保持部を設け、更に加えて該筒の上部には雨水、その他の水がシロアリ誘導容器内に進入しないために防水かつロック機構付きの蓋を冠設した構造のシロアリ誘導容器で、
該容器の底部を下方を尖頭とする錘体形とし、かつ、該下部の錘体部分の最下部にも孔を設け、該孔から地中へ誘導餌を打ち込み可能の形状として設け、また、前記シロアリ誘導容器の内部を空間とし、かつ該容器内部に雨水又は土砂の流入防止用の切り込みの孔の列を螺旋状又は斜線状に設け、かつまた、前記螺旋状又は斜線状の切り込みの孔の列に対し、雨水その他の水が該容器の外側下部に流れ落ちる勾配の突起部と、該容器の側面からの水の流入防止用の上部鍔を設け、更に、前記容器本体の開口部に冠設されるロック機構付蓋は、蓋本体と、その上面側に側に着脱可能に係着され、該本体を回転するための蓋回転用治具と、前記蓋本体の下面にに設けられ前記容器本体に係着するフック及び前記容器本体の水切り用凸部に嵌まり込む水切り用凹部と、前記蓋本体の回転を拘束する錠部とを有するシロアリの誘導容器において、前記シロアリ誘導容器の外壁内面に誘導餌を設置する構成が、該容器の内部に取付ける誘導餌となる木材を、該容器の内外面に、横方向各材片の突き合わせ部分を凹凸嵌合密着構造によって隙間なく設置することにより、該誘導容器の外部からの水の進入を阻止することを特徴とする防水型シロアリ群誘導集殺容器。