説明

魚卵及び稚魚の保護装置

【課題】従来の魚卵及び稚魚の保護装置の利点を受け継ぎ、全体として、魚卵及び稚魚を新鮮水環境のもとで容易に安全に保護することができる魚卵及び稚魚の保護装置を提供する。
【解決手段】産卵ボックス1と、産卵ボックス1を挿入装着可能の魚卵及び稚魚保護のための保護囲い2と、水槽100に保護装置を取り付けるための取付け具3とを含む魚卵及び稚魚の保護装置であり、産卵ボックス1は、通水孔及び保護囲い2へ魚卵通過用孔を有している。又、保護囲い2は、稚魚通過阻止用ネット24を主体とする通水性周壁と該周壁に囲まれた領域の下端部を閉じる底板22とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観賞魚用水槽において魚類を観賞飼育するにあたり、親魚から産み出される卵や該卵から孵化した稚魚を、その親魚或いは他の魚の餌食になってしまわないように保護する魚卵及び稚魚の保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の魚卵及び稚魚の保護装置としては、大別して次の2種類のものが知られている。
【0003】
一つは、周壁及び該周壁で囲まれ領域の下端を閉じる底壁を含む壁部分を全体的に稚魚や魚卵の通過を阻止するための網目サイズのネットで構成したネットボックスタイプの保護装置である。
【0004】
もう一つは、親魚の通過は許さないが通水可能の通水孔を有するもとともに親魚の通過は許さないが魚卵を通過落下させる魚卵通過用孔を有する産卵室と、その外側を囲む、通水孔を有するボックス部とを含む産卵ボックスタイプの保護装置である。
【0005】
前者のネットボックスタイプの保護装置は、例えば、観賞魚用水槽の水中に略全体的に或いは上端部を残して沈め、水中に沈めた部分に、産卵しそうな親魚を入れて産卵、孵化させ、或いは保護装置外側で産みつけられた卵や孵化した稚魚を捕獲して入れ、それら卵や稚魚を保護しようとするものである。
【0006】
後者の産卵ボックスタイプの保護装置は、例えば、観賞魚用水槽の水中に略全体的に或いは上端部を残して沈め、水中に沈めた産卵室の部分に産卵しそうな親魚を捕獲して入れ、その中で産卵させて産み出された卵を外側を囲む外側ボックス部へ落下移動させるとともに該外側ボックス部で孵化させて親魚や他の魚等から保護しようとするものである。
【0007】
前者のネットボックスタイプの保護装置は例えば株式会社スドー発行の商品カタログ「2009 SUDO PET PRODUCTS CATALOGUE」の27頁に「新・産卵飼育ネット」として記載されており、また、ジエックス株式会社発行のカタログ「2009 アクアリウム用品カタログ」65頁に「産卵ネット」として記載されている。
【0008】
後者の産卵ボックスタイプの保護装置は例えば株式会社スドー発行の前記カタログの27頁に「産卵箱」として記載されており、また、株式会社マルカン ニッソー事業部発行のカタログ「2009 NISSO PRODUCTS CATALOG アクアリウム総合カタログ」の78頁に「産卵箱」として記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】株式会社スドー発行の商品カタログ「2009 SUDO PET PRODUCTS CATALOGUE」
【非特許文献2】ジエックス株式会社発行のカタログ「2009 アクアリウム用品カタログ」
【非特許文献3】株式会社マルカン ニッソー事業部発行のカタログ「2009 NISSO PRODUCTS CATALOG アクアリウム総合カタログ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ネットボックスタイプの保護装置では、保護装置内に対する水の流動性を比較的良好に保つことができ、それだけ保護装置内の水を新鮮に維持でき、また、比較的安価に提供できる利点がある。
【0011】
しかし、該保護装置内へ親魚を入れて産卵させる場合、産み出された卵やそれから孵化した稚魚が親魚に食べられてしまう恐れがある。また、該保護装置の外側の水槽内域で産みつけられた卵や孵化した稚魚を捕獲して保護装置に移しかえる場合、その作業は、産卵や孵化のタイミングを見計らって行わなければならず、手間を要するし、そのタイミングを外すと、卵や稚魚が親魚や他の魚等に食べられてしまう恐れがある。
【0012】
さらに、卵や稚魚を保護装置内で保護しても、通常、ネットは変形容易なものが採用されているから、ネットの外側から卵や稚魚が大型魚などにより危害を加えられる恐れがあり、とりわけ、保護装置底部を形成しているネット部分へ沈んだ卵が該ネット部分外側から大型魚などにより危害を加えられる恐れがある。
【0013】
一方、産卵ボックスタイプの保護装置では、親魚は産卵室に入れ、卵や稚魚はその外側のボックス部で保護するので、卵や稚魚が親魚に食べられてしまう恐れはない。また、外側ボックス部は通常、合成樹脂板から丈夫に作られているので、ボックス部の外側からその中の卵や稚魚が大型魚等に危害を加えられる恐れはない。
【0014】
しかしながら、産卵室や外側ボックス部は通常、合成樹脂等により丈夫に作られるのでネットボックスタイプの保護装置と比べると高価なものとなる。
【0015】
また、産卵室壁や外側ボックス部の壁に通水孔が形成されているものの、通常それらは、製作費の抑制や強度保持の観点から部分的に形成されているだけであり、ネットボックスタイプの保護装置と比べると保護装置内外間の水の流動性が悪く、ネットボックスタイプの保護装置と比べると親魚、卵及び稚魚に新鮮な水を供給し難い。
【0016】
このような問題を解決しようとして通水孔を大きいものにすると、稚魚がその孔から外側へ逃げ、稚魚を保護し難くなる。
【0017】
そこで本発明は、従来のネットボックスタイプの保護装置の利点及び従来の産卵ボックスタイプの保護装置の利点をそれぞれ受け継ぎ、全体として、魚卵及び稚魚を新鮮水環境のもとで容易に安全に保護することができる魚卵及び稚魚の保護装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は前記課題を解決するため、
親魚の産卵に用いる産卵ボックスと、該産卵ボックスを挿入装着可能の魚卵及び稚魚保護のための保護囲いとを含み、該産卵ボックスは、前記親魚の通過は許さないが水通過を許す通水孔を有しているとともに、該通水孔以外に、前記親魚の通過は許さないが前記保護囲いへ魚卵を通過落下させるための魚卵通過用孔を有しており、前記保護囲いは、稚魚通過阻止用ネットを主体とする通水性周壁と該周壁に囲まれた領域の下端部を閉じる底板とを含んでいる魚卵及び稚魚の保護装置を提供する。
【0019】
本発明に係る魚卵及び稚魚の保護装置は、例えば、観賞魚用水槽の上枠等に取り付け、産卵ボックス及びその外側の保護囲いのそれぞれを略全体的に、或いはそれらの上部の一部を残す等して水槽水中に沈めて用いる。
【0020】
そのように水槽にセットした状態で、産卵が近づいた、或いは産卵しそうな親魚を産卵ボックスに入れ、産み出された卵は産卵ボックスの魚卵通過用孔から外側の保護囲い内へ通過落下させる。このように保護囲いに移行した卵やそれから孵化した稚魚は該保護囲い内で親魚から隔離された状態で保護される。また、保護囲いにより他の魚等からも保護される。
【0021】
このとき、保護囲いの底板上に落下した卵やそこに集まった稚魚は、該底板に保護され、大型魚などによる底板下方からの危害から免れる。
【0022】
このような魚卵や稚魚の保護は、産卵が近づいた、あるいは産卵しそうな親魚を予め産卵ボックスに収容しておくことで行えるから、それだけ魚卵や稚魚の保護を容易に行える。
【0023】
本発明に係る保護装置では、保護囲いの周壁を構成しているネットの網目を通して保護囲いの内外間での水の流通があり、産卵ボックスについてはその通水孔を通して産卵ボックス内外間での水の流通があるから、全体として、保護装置内外間の水の流動が可能である。
【0024】
このとき、保護囲いはその周壁がネットを主体とする通水性周壁であるから、従来の産卵ボックスタイプの保護装置のように外側ボックス部の通水孔の数等が限られている場合に比べると、保護囲いの内外間での水の流動性が良好であり、それだけ、保護囲い内の卵や稚魚を新鮮な水環境におくことができる。
【0025】
また、保護囲いはその周壁がネットを主体とする通水性周壁であるから、従来の産卵ボックスタイプの保護装置のように外側ボックス部も合成樹脂等により丈夫に作られている場合と比べると、保護装置全体をそれだけ安価に提供することができる。
【0026】
また、保護囲いの通水性周壁を構成しているネットは稚魚通過阻止用ネットであるから、稚魚が該ネットの網目から外側へ逃げて他の魚等の餌食になる恐れは少ない。
【0027】
以上説明したように、本発明に係る魚卵及び稚魚の保護装置は、従来のネットボックスタイプの保護装置と比べると、魚卵及びそれから孵化する稚魚を親魚や他の魚から容易に、安全に保護でき、従来の産卵ボックスタイプの保護装置と比べると、魚卵や稚魚に対する水の流動性を良好にして、それだけ魚卵や稚魚を新鮮水環境におくことができ、また、従来の産卵ボックスタイプの保護装置と比べると稚魚が保護装置外側へ逃げだし難く、全体として、魚卵及び稚魚を新鮮水環境のもとで容易に安全に保護することができる。
【0028】
本発明に係る保護装置における前記保護囲いとしては、簡単な構成のものとして、例えば、前記産卵ボックスを装着可能の上枠と、前記底板と、該上枠と底板とを連結する柱部とを含んでおり、前記通水性周壁は、少なくとも該上枠から底板まで延在するように張設された前記稚魚通過阻止用ネットを含むものである場合を挙げることができる。
【0029】
前記産卵ボックスから保護囲いへ卵が移行しやすくするため、該産卵ボックスは、前記魚卵通過用孔として産卵ボックス底部に魚卵通過用スリットを有しているものを例示できる。また、前記通水孔を該魚卵通過用スリットより上側の産卵ボックス部分に有しているものを例示できる。また、産卵ボックス下部の周壁内面が該魚卵通過用スリットへ向かって下り傾斜しているものを例示できる。
【0030】
本発明に係る保護装置は、観賞魚用水槽に取り付けるための取付け具を備えていてもよい。そのような取付け具として、例えば、各種サイズの水槽への対応が可能であるように、前記保護囲いから上方へ立ち上がる屈曲変形可能なもの(例えば屈曲可能の板金や針金等からなるもの)を例示できる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によると、従来のネットボックスタイプの保護装置の利点及び従来の産卵ボックスタイプの保護装置の利点をそれぞれ受け継ぎ、全体として、魚卵及び稚魚を新鮮水環境のもとで容易に安全に保護することができる魚卵及び稚魚の保護装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る魚卵及び稚魚の保護装置の平面図である。
【図2】図1の保護装置の正面図である。
【図3】図1の保護装置の、周壁構成ネットを外した状態の正面図である。
【図4】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図5】図1の保護装置の使用状態例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の実施形態例を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る魚卵及び稚魚の保護装置の平面図であり、図2は図1の保護装置の正面図である。図3は図1の保護装置の、周壁構成ネットを外した状態の正面図である。図4は図1のX−X線に沿う断面図である。図5は図1の保護装置の使用状態例を示す図である。
【0034】
図示の魚卵及び稚魚の保護装置10は、
親魚F(図5参照)の産卵に用いる産卵ボックス1と、
産卵ボックス1を挿入装着可能の、魚卵e及び稚魚f(図5参照)保護のための保護囲い2と、
観賞魚用水槽100(図5参照)に保護装置10(産卵ボックス1及び保護囲い2)を取り付けるための一対の取付け具3と
を含んでいる。
【0035】
産卵ボックス1は、平面から見ると概ね四角形状のフランジ状の上枠11と、上枠11から下方へ延びて後述する魚卵通過用孔1aヘ収束する部分12とを含んでいる。
【0036】
上枠11にはその長手方向の各辺部分から外へ向け一体的に突起片111が突出しており、短手方向の各辺部分から外へ向け一体的に突起片112が突出している。
【0037】
これら突起片111、112は産卵ボックス1を後述するように保護囲い2ヘ挿入装着するためのものである。この点は後ほどさらに説明する。
【0038】
産卵ボックス1の上枠11から下へ延びた部分12の下端には魚卵通過用孔1aが形成されているが、該孔1aは、親魚Fの通過は許さず、稚魚fの通過も許し難いが、保護囲い2へ魚卵の通過落下は許すものである。本例では幅約2.5mm、長さ約48mm程度の横方向に長いスリット形状の孔である。
【0039】
上枠11から下へ延びた部分12の下部の周壁121は、その内面を含め全体的に魚卵通過用孔1aへ漏斗状に下り傾斜している。これにより産卵ボックス1内で産み出される魚卵eが孔1aへ集まり、そこから保護囲い2へ落下し易くなっている。
【0040】
上枠11から下へ延びた部分12の前記漏斗状周壁121の上端部からそれに連続する上側の周壁122にわたって通水孔1bが複数本形成されている。
通水孔1bは、親魚Fの通過は許さず、稚魚fの通過も許し難いが、水通過は許すものである。本例では幅約1mm、長さ約24mm程度の上下方向に長いスリット形状の孔である。
【0041】
保護囲い2は、産卵ボックス1を装着可能の四角形状の上枠21と、上枠21に下方から対向する底板22と、上枠21と底板22とを連結する四隅の柱部23とを含んでいる。保護囲い2はさらに、4本の柱部23の外側に位置するとともに上枠21から底板22へ延在するように張設されたネット24を含んでいる。
【0042】
ネット24は稚魚通過阻止用のネットであり、該ネットとしては、既述の従来のネットボックスタイプの保護装置で使用されている稚魚通過阻止用ネットを採用することができる。
【0043】
保護囲い2の上枠21には、図1に示すように、産卵ボックス1の上枠11の突起片111、112を嵌めて位置決めするための凹段部211、212が形成されている。
【0044】
産卵ボックス1は、保護囲い2の上枠21の開口部から保護囲い2のネット24及び底板22で囲まれた空間(領域)へ挿入し、産卵ボックス上枠11の突起片111、112を対応する保護囲い上枠21の凹段部211、212に嵌め座らせることで、保護囲い2に挿入装着できる。図1〜図5はいずれもそのように産卵ボックス1を保護囲い2に挿入装着した状態を示している。
【0045】
保護装置10(産卵ボックス1及び保護囲い2)の取付け具3は、図2等に示すように、保護囲い2の上枠21の長手方向の一方の辺部分に下端部が固定され、そこから上方へ立ち上がっている。本例で、取付け具3は、屈曲変形可能の金属板からなる、フック用部である。
【0046】
例えば、各取付け具3をフック様に屈曲させて、図5に示すように観賞魚用水槽100の上枠101に引っ掛けて、産卵ボックス1及び保護囲い2のそれぞれの略全体を、或いは図5のように上端部を残して略全体を水槽水W中へ沈めることかでき、この状態で保護装置10を使用することができる。
【0047】
保護装置10は、例えば図5に示すように水槽100にセットした状態で、産卵が近づいた、或いは産卵しそうな親魚Fを産卵ボックス1に入れ、産み出された卵eは産卵ボックス1の魚卵通過用孔1aから外側の保護囲い2内へ通過落下させる。このように保護囲いに移行した卵eやそれから孵化した稚魚fは保護囲い2内で親魚Fから隔離された状態で保護される。また、保護囲い2により他の魚F’(図5参照)等からも保護される。
【0048】
このとき、保護囲い2の底板22上に落下した卵eやそこに集まった稚魚fは、底板22に保護され、大型魚などにより底板下方からの危害を加えられることはない。
【0049】
このような魚卵eや稚魚fの保護は、産卵が近づいた、あるいは産卵しそうな親魚Fを予め産卵ボックス1に収容しておくことで行えるから、それだけ魚卵eや稚魚fの保護を容易に行える。
【0050】
また保護装置10の保護囲い2の周壁を構成しているネット24の網目を通して保護囲い2の内外間での水の流通があり、産卵ボックス1についてはその通水孔1bを通して産卵ボックス1内外間での水の流通があるから、全体として、保護装置10内外間の水の流動が可能である。
【0051】
このとき、保護囲い2はその周壁がネット24を主体とする通水性周壁であるから、従来の産卵ボックスタイプの保護装置のように外側ボックス部の通水孔の数等が限られている場合に比べると、保護囲い2の内外間での水の流動性が良好であり、それだけ、保護囲い2内の卵eや稚魚fを新鮮な水環境におくことができる。
【0052】
また、保護囲い2はその周壁がネット24を主体とする通水性周壁であるから、従来の産卵ボックスタイプの保護装置のように外側ボックス部も合成樹脂等により丈夫に作られている場合と比べると、保護装置10全体をそれだけ安価に提供することができる。
【0053】
また、保護囲い2の通水性周壁を構成しているネット24は稚魚通過阻止用ネットであるから、稚魚fが該ネットの網目から外側へ逃げて他の魚等の餌食になることは抑制されている。
【0054】
このように保護装置10は、従来のネットボックスタイプの保護装置と比べると、魚卵e及びそれから孵化する稚魚fを親魚Fや他の魚F’から容易に、安全に保護でき、従来の産卵ボックスタイプの保護装置と比べると、魚卵eや稚魚fに対する水の流動性を良好にして、それだけ魚卵eや稚魚fを新鮮水環境におくことができ、また、従来の産卵ボックスタイプの保護装置と比べると稚魚fが保護装置10外側へ逃げだし難く、全体として、魚卵e及び稚魚fを新鮮水環境のもとで容易に安全に保護することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、魚卵及び稚魚を保護する魚卵及び稚魚の保護装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0056】
10 魚卵及び稚魚の保護装置
1 産卵ボックス
11 上枠
111、112 突起片
12 上枠11から下へ延びる部分
121 部分12の下部周壁
1a 魚卵通過用孔
1b 通水孔
2 保護囲い
21 上枠
211、212 凹段部
22 底板
23 柱部
24 稚魚通過阻止用ネット
3 取付け具
F 親魚
F’ 他の魚
f 稚魚
e 魚卵
100 観賞魚用水槽
101 水槽上枠
W 水槽内の水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親魚の産卵に用いる産卵ボックスと、該産卵ボックスを挿入装着可能の魚卵及び稚魚保護のための保護囲いとを含み、該産卵ボックスは、前記親魚の通過は許さないが水通過を許す通水孔を有しているとともに、該通水孔以外に、前記親魚の通過は許さないが前記保護囲いへ魚卵を通過落下させるための魚卵通過用孔を有しており、前記保護囲いは、稚魚通過阻止用ネットを主体とする通水性周壁と該周壁に囲まれた領域の下端部を閉じる底板とを含んでいることを特徴とする魚卵及び稚魚の保護装置。
【請求項2】
前記保護囲いは、前記産卵ボックスを装着可能の上枠と、前記底板と、該上枠と底板とを連結する柱部とを含んでおり、前記通水性周壁は、少なくとも該上枠から底板まで張設された前記稚魚通過阻止用ネットを含むものである請求項1記載の魚卵及び稚魚の保護装置。
【請求項3】
前記産卵ボックスは、前記魚卵通過用孔として底部に魚卵通過用スリットを有しており、前記通水孔は該魚卵通過用スリットより上側の産卵ボックス部分に形成されており、産卵ボックス下部の周壁内面が該魚卵通過用スリットへ向かって下り傾斜している請求項1又は2記載の魚卵及び稚魚の保護装置。
【請求項4】
観賞魚用水槽に取り付けるための取付け具を備えている請求項1、2又は3記載の魚卵及び稚魚の保護装置。
【請求項5】
前記取付け具は、前記保護囲いから上方へ立ち上がる屈曲変形可能の取付け具である請求項4記載の魚卵及び稚魚の保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−115081(P2011−115081A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274289(P2009−274289)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(390021049)寿工芸株式会社 (12)
【Fターム(参考)】