説明

魚由来リン脂質組成物及びその製造方法

【課題】本発明は、商業上利用しやすい原料からスフィンゴミエリン、及びDHAが結合したグリセロリン脂質を共に含有するリン脂質を提供することを目的とする。さらに、スフィンゴミエリンに結合している脂肪酸に特徴があり、その構造が明確でそれぞれの含有量が調整されたリン脂質を得ることができる方法を提供することも目的とする。
【解決手段】カツオやマグロなどの魚頭部を主原料として採油された魚原油を利用し、魚油を精製する前に適切に処理することで効率的にリン脂質を分別・回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスフィンゴミエリンを含有するリン脂質組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リン脂質は動植物、微生物中に広く分布する、生体膜を構成する主要な成分であり、アルコール類に脂肪酸及びリン酸、塩基などが結合した構造を有する複合脂質である。リン脂質は結合しているアルコールの種類により、グリセロールを含むグリセロリン脂質、スフィンゴシンなどの長鎖アミノアルコールを含むスフィンゴリン脂質に大別される。リン原子の結合様式としてリン酸エステルを含むものとホスホン酸を含むものが区別される場合、天然のリン脂質は4つのグループ、すなわちグリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質、グリセロホスホノ脂質、スフィンゴホスホノ脂質に分類されることもある。
【0003】
グリセロリン脂質の例として、結合している塩基が異なるホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールが挙げられ、塩基がないものとしてホスファチジン酸が挙げられる。スフィンゴリン脂質の例として、スフィンゴミエリンが挙げられる。天然のリン脂質は、結合している脂肪酸の炭素数や二重結合の数が異なるものが種々存在する。また、結合した脂肪酸が1個はずれたリゾ体(リゾリン脂質)も知られている。
【0004】
このように比較的よく知られているリン脂質であっても、その物質構成や構造で区別すると非常に多岐にわたる。近年、その機能が深く研究され、リン脂質は界面活性だけでなく、抗酸化作用、抗癌作用、細胞内外の重要な情報伝達や生命活動に関与するなどの生理活性を有することが判明している。また、リン脂質頭部の極性基と脂肪酸の種類・結合様式及び構成アルコール類による実に多様な分子種がそれぞれ特有の機能を有することが明らかとなってきている。
【0005】
現在、リン脂質として産業上、最も多く使用されているものとして大豆リン脂質があり、いわゆる大豆レシチンと呼称され、安価であるため天然乳化剤として重宝されている。その他、卵黄レシチンやイクラ由来のDHA含有リン脂質(特許文献1)などがあるが、その原料自身が食品として使用されるものであるから、得られたリン脂質は相当高価なものとなり汎用的に使用できないものである。また、これらはいずれもグリセロリン脂質であり、スフィンゴリン脂質はわずかかほとんど含まれていない。
【0006】
一方、スフィンゴミエリンは動物の脳に多く含まれていることは知られているが、大量生産して汎用的に使用できるまでには至っていない。例えばウシ脳抽出エキスが化粧品に使用されたり、試薬用としてウシの脳や心臓由来のものが販売されている程度である。また、含有量の少ないニワトリ卵黄から高純度に濃縮したものがあるが、やはりコストの高いものとなっている。最近では牛乳由来のスフィンゴミエリン含有リン脂質(特許文献2)が開発され市場に出されているが、やはり高価なため育児用調整粉乳など用途が限定されている。
【0007】
また、構成する脂肪酸に着目したもので、DHA含有リン脂質を製造する方法としては、魚介類の加工残渣である頭部や皮や内臓から溶剤抽出する方法(特許文献3〜6)がある。しかしこれらの文献は、DHAを高含有させることを目的としており、スフィンゴリン脂質を含有させることを示唆するものではない。
【0008】
スフィンゴリン脂質を製造する方法として、醤油油や醤油粕あるいはニワトリの表皮から溶剤抽出する方法(特許文献7〜8)があるが、いずれも非常に煩雑で、品質が良く組成が安定するものを得るには原料の確保と品質維持に多大の努力が必要となり、結局コストがかかるため用途が限定される結果となっている。また、原料に対して得られるリン脂質量は思うほど効率的な収量ではない。結局は安価な原料から、リン脂質を高濃度に含有する、広範囲で汎用性の高いリン脂質組成物を得るには実用性に乏しいものである。
【0009】
このように飼料から食品、化粧品、試薬、医薬品までの広範囲にわたり、それぞれに利用できるコストに見合って使用できる実用的なリン脂質は今もなお大豆リン脂質だけであり、生理機能の関心の高まりに応じることのできるリン脂質の供給は不十分のままである。また、リン脂質に結合している脂肪酸の違いにより機能が異なることが予想されるため、起源の異なるリン脂質には大いに関心が寄せられている。特にスフィンゴミエリン等のスフィンゴ脂質やDHA含有リン脂質についてはより一層の研究や活用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−308459号公報
【特許文献2】特開2006−158340号公報
【特許文献3】特開昭63−164852号公報
【特許文献4】特開平9−77782号公報
【特許文献5】特開2004−2663号公報
【特許文献6】特開2004−26767号公報
【特許文献7】特開2000−80394号公報
【特許文献8】特開2008−179588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、商業上利用しやすい原料からスフィンゴミエリンとDHAが結合したグリセロリン脂質を共に含有するリン脂質を提供することを目的とする。さらに、スフィンゴミエリンに結合している脂肪酸に特徴があり、その構造が明確でそれぞれの含有量が調整されたリン脂質を得ることができる方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、商業的に広く入手が可能であるカツオやマグロなどの魚頭部を主原料として採油された魚原油にリン脂質が多く含有されていること、魚油を精製する前に適切に処理することで効率的にリン脂質を分別・回収できることを見出した。
【0013】
さらに、得られたリン脂質をアルカリ、有機溶剤などで処理することによりスフィンゴミエリンやグリセロリン脂質の含有量が調整でき、スフィンゴミエリンに結合している脂肪酸の50%以上が炭素数20以上という特徴的な脂肪酸であることも見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、
(1)魚頭部を主原料として採油された魚原油から調製されてなるリン脂質組成物であって、スフィンゴミエリンを5%以上、グリセロリン脂質を5%以上含有し、グリセロリン脂質中のDHA含量が5〜25%である魚由来リン脂質組成物、
(2)グリセロリン脂質中のホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリンの合計が90%以上である(1)のリン脂質組成物、
(3)スフィンゴミエリンを20〜50%含有し、グリセロリン脂質を50〜80%含有する(1)または(2)のリン脂質組成物、
(4)(1)のリン脂質組成物から調製された、スフィンゴミエリンを90%以上含有するリン脂質組成物、
(5)スフィンゴミエリンの構成脂肪酸の50%以上が炭素数20以上の脂肪酸である(1)〜(4)いずれか1のリン脂質組成物、
(6)スフィンゴミエリンの構成脂肪酸の50%以上が炭素数24の脂肪酸である(1)〜(4)いずれか1のリン脂質組成物、
(7)スフィンゴミエリンの構成脂肪酸である炭素数24の脂肪酸が飽和脂肪酸とモノ不飽和脂肪酸を含み、構成脂肪酸中の炭素数24モノ不飽和脂肪酸が25%以上である(1)〜(6)いずれか1のリン脂質組成物、
(8)カツオ及び/またはマグロの頭部を主原料とした魚原油に水和工程を施して沈降した成分を回収することを特徴とする(1)〜(7)いずれか1のリン脂質組成物の製造方法、
(9)水和工程を施して沈降した成分にジアシルグリセロールを0.1〜5%添加してリン脂質組成物と油と水を分離させることを特徴とする(8)のリン脂質組成物の製造方法、
(10)リン脂質組成物がさらにアルカリ、有機溶剤から選択される1以上の処理に供されることを特徴とする(8)または(9)に記載のリン脂質組成物の製造方法、
(11)(1)〜(10)いずれか1のリン脂質組成物を含有する飼料、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複雑な工程を必要とせずにスフィンゴミエリン、及びDHAが結合したグリセロリン脂質を共に含有するリン脂質を得ることができ、それぞれの含量や結合脂肪酸の特徴による機能を解明する研究や期待される効果を活かした用途として飼料、食品、化粧品、医薬品などに使用できる。
【0016】
しかも、本発明で使用される魚原油は商業的に広く入手が可能であるため魚体からの脂肪分抽出の煩雑さが解消される。さらに魚油の精製時に発生するフーツと呼ばれる残滓物からは抽出が困難でしかも品質が低下するが、このような問題も生じない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、魚頭部を主原料として採油された魚原油から調製されてなるリン脂質組成物であって、スフィンゴミエリンを5%以上、グリセロリン脂質を5%以上含有し、グリセロリン脂質中のDHA含量が5〜25%である魚由来リン脂質組成物である。この組成物のグリセロリン脂質は実質的にホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリンである。
【0018】
「実質的に」とは、それ以外の成分が含まれないか、含まれていてもわずかか痕跡程度である状態をいう。具体的には、対象となる成分が90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である状態をいう。より具体的に説明すると、ホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリン以外の、ホスファチジルエタノールアミン等が含まれないか、含まれていてもわずかか痕跡程度であり、グリセロリン脂質中のホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリンの合計が90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である状態をいう。
【0019】
本発明のリン脂質を得るための原料となる魚原油は魚頭部を主体として採油されたものである。具体的にはカツオやマグロの頭部から採油された魚油が望ましい。なお、採油する頭部に他の部位、例えば尾部等が少量混入していてもかまわない。例えばカツオの場合、鹿児島県の枕崎や静岡県の焼津等で鰹節等に使用した可食部以外の頭部を主体とする残渣から大規模な採油がおこなわれているが、このような魚原油を利用できる。例えばマグロの場合、生食や缶詰に使用した可食部以外の頭部を主体とする残渣から大規模な採油がおこなわれているが、このような魚原油を利用できる。魚原油はリン脂質を原油に対して0.1%以上含有するものが望ましい。イワシ油やサンマ油、サバ油のように全魚体から採油した原油はリン脂質の含量が少ないため好ましくはない。魚原油の採油は通常の工業的に行なわれる方法、すなわち連続式加熱圧搾法(クッカー・プレス)による搾汁を遠心分離し、油層部を回収する方法等で行われる。
【0020】
本発明のリン脂質組成物のスフィンゴミエリン含量は5%以上である。この含量は、リン脂質組成物の用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上とすることができる。本発明のリン脂質組成物のスフィンゴミエリン含量の好ましい例は、5〜20、5〜30、5〜40、5〜50、5〜60、5〜70、5〜80、5〜90、5〜95、10〜20、10〜30、10〜40、10〜50、10〜60、10〜70、10〜80、10〜90、20〜30、20〜40、20〜50、20〜60、20〜70、20〜80、20〜90、30〜40、30〜50、30〜60、30〜70、30〜80、30〜90、40〜50、40〜60、40〜70、40〜80、40〜90、50〜60、50〜70、50〜80、50〜90、60〜70、60〜80、60〜90、70〜80、70〜90、80〜90%などである。
【0021】
本発明のリン脂質組成物のグリセロリン脂質含量は5%以上である。この含量は、リン脂質組成物の用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上とすることができる。本発明のリン脂質組成物のグリセロリン脂質含量の好ましい例は、5〜20、5〜30、5〜40、5〜50、5〜60、5〜70、5〜80、5〜90、5〜95、10〜20、10〜30、10〜40、10〜50、10〜60、10〜70、10〜80、10〜90、20〜30、20〜40、20〜50、20〜60、20〜70、20〜80、20〜90、30〜40、30〜50、30〜60、30〜70、30〜80、30〜90、40〜50、40〜60、40〜70、40〜80、40〜90、50〜60、50〜70、50〜80、50〜90、60〜70、60〜80、60〜90、70〜80、70〜90、80〜90%などである。
【0022】
本発明のリン脂質組成物において、グリセロリン脂質中のDHA含量は5〜25%である。この含量は、リン脂質組成物の用途等に応じて適宜調整することができる。グリセロリン脂質中のDHA含量の好ましい例は、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、10〜15、10〜20、10〜25、15〜20、15〜25、20〜25%などである。
【0023】
本発明のリン脂質組成物において、グリセロリン脂質は実質的にホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリンである。また、グリセロリン脂質中のホスファチジルコリン:リゾホスファチジルコリン含量はリン脂質組成物の用途等に応じて任意の比率で適宜調整することができる。例えば、ホスファチジルコリン40〜90%:リゾホスファチジルコリン10〜50%としたり、ホスファチジルコリン30%以下:リゾホスファチジルコリン70%以上としたりすることもできる。
【0024】
本発明のリン脂質組成物において、スフィンゴミエリンの構成脂肪酸の50%以上は炭素数20以上の脂肪酸であり、好ましくは構成脂肪酸の50%以上が炭素数22以上の脂肪酸であり、さらに好ましくは構成脂肪酸の50%以上が炭素数24の脂肪酸である。さらに好ましくは、炭素数24の構成脂肪酸が飽和脂肪酸とモノ不飽和脂肪酸であり、構成脂肪酸中の炭素数24モノ不飽和脂肪酸が25%以上である。
【0025】
続いて、本発明のリン脂質組成物の製造方法について説明する。本発明のリン脂質組成物の製造方法は、魚原油を精製する前に処理を行うことを特徴とする。アルカリ脱酸等の精製後の油からではリン脂質が除去されてしまうのでリン脂質を得ることはできない。また、精製時に発生するフーツと呼ばれる油滓から回収しようとすると効率が悪く、品質の悪いものとなる。
【0026】
まず、魚原油の夾雑物を遠心分離またはろ過等の処理により除くことが望ましい。魚原油には重合物や微量の蛋白等の固形物が混在することがあり、これらがあると得られたリン脂質の品質が低下する。次に魚原油を油脂結晶が融解しており、かつできるだけ低い温度とした上で水を添加する。この温度として30〜40℃が望ましい。水の添加量は予想されるリン脂質の含有量により調整でき、魚原油に対して1〜5%、望ましくは2〜4%が好ましい。添加水の温度は油温と同じか、近い温度が好ましい。水添加後、激しく攪拌することでリン脂質の油からの遊離と凝集を促進する。さらに、添加する水粒子をできるだけ小さくして油中に供給すると、さらに遊離と凝集が促進され好ましい。したがって微細な孔径の膜を通して加水するなどの公知の方法も有効である。撹拌の後、静置すると上部に油層、中間部にリン脂質層、下部に水層となる3層に分離するので中間層を回収する。この時に遠心分離機を使用することができる。飼料用であれば後に水分や油を加える場合もあるのでこのようにして得られたリン脂質をそのまま利用できる。汎用的に使用するのであれば、工業的に公知の方法で水分を除去することが好ましい。また、残存する中性油を除くことでより良い品質のリン脂質組成物が得られるため、中性油、すなわちアシルグリセロールを更なる遠心分離、アセトン分配等により除去することが好ましい。この場合、アセトンを使用すれば水分も同時に除去が可能となる。さらにヘキサンやエタノールなどの有機溶剤を併用することもできる。
【0027】
さらに分取した前記リン脂質層に対してジアシルグリセロールを0.1〜5%添加して攪拌後静置し、前記同様中間層を回収すると混在する水や油を効率的に除去しリン脂質含量の高いものを得ることができる。ジアシルグリセロールとしては純度100%のもの、または10〜99%含有される油脂を用いることができる。ジアシルグリセロールを得る方法としては油脂を加水分解する方法、グリセリンと脂肪酸あるいはそのエステルから合成する方法等公知の方法を用いることができる。得られたリン脂質は前記と同様に水分除去や中性油除去を行うことが好ましい。
【0028】
このようにして得られたリン脂質組成物はスフィンゴミエリン、及びDHAが結合したグリセロリン脂質を含有する本発明の魚由来リン脂質組成物となる。スフィンゴミエリンを5%以上、グリセロリン脂質を5%以上含有するスフィンゴミエリン含有リン脂質組成物である。この組成物のグリセロリン脂質は実質的にホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリンである。
【0029】
得られたリン脂質組成物にはまだ脂肪酸や中性油さらにスフィンゴ糖脂質やその他未同定の脂溶性物質が含まれている。従って、本発明の別の態様では、使用する用途に応じて、さらに純度を上げたり、特定の構成物質の含量を高めることができる。例えば、有機溶剤を使用しカラム分画することで、グリセロリン脂質を40%以上でスフィンゴミエリンを20%以上にすることもできる。更には、例えば、カセイソーダ等のアルカリ水溶液で加水分解を行い、グリセロリン脂質を分解することでスフィンゴミエリン含有量の高いリン脂質組成物とすることができる。この場合、例えばスフィンゴミエリンを90%以上含有し、グリセロリン脂質が10%以下である本発明のスフィンゴミエリン高含有リン脂質組成物が得られる。より詳細には、リン脂質が実質的にスフィンゴミエリンであるスフィンゴミエリン高含有リン脂質組成物が得られる。
【実施例】
【0030】
次に実施例を示して本発明をさらに詳しく、具体的に説明する。なお、リン脂質組成物の各構成成分の測定は以下の方法で行なった。
【0031】
総リン脂質含量の測定方法
Bartlettの方法(Bartlett,G.R.,J.Biol.Chem.,234,466(1959))でリン量を定量し、リン脂質量に換算した。
【0032】
リン脂質組成物をクロロホルム/メタノール混合液(1/1)に溶解し、試料を10mg/mlの濃度に調整した。調製した試料を100μl試験管に取り溶媒を留去した後、10Nの硫酸を1ml加え、230℃で3時間加熱処理を行った。次いで30%過酸化水素水を2滴加え、150℃で1.5時間加熱処理を行った。このものを放冷した後0.22%モリブデン酸アンモニウム溶液9.2mlとFiske Subbarow試薬0.4mlを加え、沸騰水中で7分間加熱した。次にろ紙濾過を行い蒸留水で25mlにメスアップしたのち、U−2000ダブルビーム分光光度計(日立製作所製)で波長830nmの吸光度を測定した。得られた吸光度からリン含量を算出し、さらにステアロイル−オレイル−ホスファチジルコリン(分子量790)に相当するものとして、リン脂質含量に換算して総リン脂質含量とした。なお、リン濃度と吸光度の関係、吸光度からのリン脂質含量の算出式は下記に示した。
【0033】
リン濃度と吸光度の関係
10μg/ml濃度のKHPO標準液を調製し、0、0.5、1.0、2.0、3.0mlずつ試験管に取り上記と同様の分析を行い、リン濃度と吸光度の検量線を作成した。リン濃度と吸光度の関係は下記の通りであった。
検量線 y=26.9x+0.0158
y:[リン濃度(μg/ml)]
x:[吸光度]
【0034】
総リン脂質含量の算出
リン脂質としてリン含量からリン脂質への質量換算は定法に従い係数25を用いた。また、純度既知の大豆リン脂質で同様の分析操作を行い、回収率の補正を加えた。
[リン脂質含量]=(26.9×[吸光度]+0.0158)×25/[回収率]/1000×100
【0035】
グリセロリン脂質の各組成含量及びスフィンゴミエリン含量の測定方法
薄層クロマトグラフィーで各リン脂質成分を分離させた後、FID検出器による定量をイアトロスキャンMk−6(三菱化学ヤトロン社)を用いて行なった。分離された各リン脂質成分のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンの総計をリゾ体も含めてグリセロリン脂質とした。
【0036】
具体的にはリン脂質組成物をクロロホルム/メタノール混合液(1/1)に溶解し、試料を10mg/mlの濃度に調整した。続いて試料を5μlクロマロッド(登録商標)にスポットし、クロロホルム/メタノール/水/アンモニア水(47/20/2.5/0.25)の混合溶媒で15分間展開した後、クロマロッドを乾燥させ、その後同様の混合溶媒で50分間の展開を行った。リン脂質各スポットは、市販品の各リン脂質標準品を同様に分離展開し、そのRf値から判別した。前記の総リン脂質含量にイアトロスキャンで得られた各リン脂質成分の組成百分率を掛けてグリセロリン脂質の各組成含量及びスフィンゴミエリン含量とした。
【0037】
なお、リン脂質各スポットのRf値の判別に使用した標準品は以下の通りである。
ホスファチジルコリン(大豆由来・フナコシ社製)、リゾホスファチジルコリン(卵黄由来・和光純薬工業社製)、スフィンゴミエリン(牛脳由来・シグマアルドリッチ社製)、ホスファチジルエタノールアミン(卵由来・和光純薬工業社製)、リゾホスファチジルエタノールアミン(卵由来・フナコシ社製)、ホスファチジン酸(卵由来・フナコシ社製)、ホスファチジルセリン(牛脳由来・フナコシ社製)、ホスファチジルイノシトール(ブタ肝臓由来・フナコシ社製)。
【0038】
グリセロリン脂質の構成脂肪酸とその含量の測定方法
リン脂質組成物のアセトン可溶成分、即ち中性脂質や脂肪酸をアセトン洗浄により除去した。さらに得られたアセトン処理リン脂質組成物中から、分取用薄層クロマトグラフィープレート(メルク社製)を用いてグリセロリン脂質のみを集めた。すなわち、アセトン処理リン脂質組成物をクロロホルム/メタノール/水(47/20/2.5)の混合溶媒により展開分離し、グリセロリン脂質相当画分のみを掻き取り収集した。グリセロリン脂質のメチル化は、三フッ化ホウ素−メタール法により行った。得られた脂肪酸のメチルエステルを常法のガスクロマトグラフィー法により分析した。用いた装置はGC−17A(島津製作所社製)、カラムはBPX−70(SGE社製)、昇温条件は、140℃で2分保持後、240℃まで5℃/分で昇温し、240℃で20分保持とした。
【0039】
スフィンゴミエリンの構成脂肪酸とその含量の測定方法
スフィンゴミエリンの構成脂肪酸組成を以下の方法で測定した。まずリン脂質組成物のアセトン可溶成分をアセトン洗浄により除去し、得られたアセトン処理リン脂質組成物中からスフィンゴミエリンを単離した。アセトン処理して得られたリン脂質組成物を0.4N KOH−メタノール溶液で処理しグリセロリン脂質の加水分解を行った後、シリカゲルカラム精製によりスフィンゴミエリン画分を回収した。
次に精製スフィンゴミエリン画分1gに1N HCl/メタノール20mlを加え90℃で一晩静置し、スフィンゴミエリン構成脂肪酸のメチル化を行った。反応液をエバポレーターで濃縮した後、冷アセトン20mlを加え撹拌し、冷アセトン可溶部を脂肪酸メチルエステル画分として回収した。脂肪酸組成は常法のガスクロマトグラフィー法により分析した。用いた装置はGC−17A(島津製作所社製)、カラムはBPX−70(SGE社製)、昇温条件は、140℃で2分保持後、240℃まで5℃/分で昇温し、240℃で20分保持とした。
【0040】
また、上記の操作で得られたアセトン処理リン脂質組成物がスフィンゴミエリンを含むことを確認するため、LC/MS Finnigan LCQDECA(Thermo Quest社製)により構造確認を行った。上記精製スフィンゴミエリンをクロロホルム/メタノール(1/1)混合液に溶解し、LC/MS分析サンプルとした。カラムは5SL−II(4.0mm×150mm)(ナカライテスク社製)を用い、ポジティブモードで分析を行った(m/zの値はNa付加体:分子量+23)。スフィンゴミエリンの構成脂肪酸としてパルミチン酸(C16:0、分子量239.4)が結合したm/z=725.6のピークが確認できた。同様にベヘン酸(C22:0、分子量340.6)、リグノセリン酸(C24:0、分子量368.6)、ネルボン酸(C24:1、分子量366.6)が結合したスフィンゴミエリンに相当するm/z=809.6、m/z=837.6、m/z=835.6のピークをそれぞれ確認した。また上記精製スフィンゴミエリン酸分解物にて、下記(I)のR=Hである化合物に相当するm/z=487.2のピークを確認した。これらのことから、シリカゲル精製により得られたリン脂質が、下記に示す構造のスフィンゴミエリンを含むことが確認できた。
【化1】

【0041】
実施例1 カツオ原油からのリン脂質組成物の調製
カツオ原油(カツオ頭部を主体とする鰹節製造時の残渣から採油された魚原油、酸価8.5)10kgを60℃に加温した後、35℃まで下げ、300gの水温35℃の水を滴下しながら15分間攪拌し3時間静置後4500rpmで遠心分離を行い中間層を集めた。この中間層に5℃のアセトン2000mlを混合した後、アセトン不溶性画分を分取し、アセトンを真空下で留去し、リン脂質組成物40gを得た。得られたリン脂質組成物は、総リン脂質含量は35%であり、スフィンゴミエリンを11.0%、グリセロリン脂質を24.0%含有し、グリセロリン脂質中のDHA含量が9.5%であった。また、グリセロリン脂質中のホスファチジルコリンは72.3%、リゾホスファチジルコリンは26.4%で、合計で98.7%であるのに対しホスファチジルエタノールアミンはわずか1.3%であり、その他のグリセロリン脂質は検出されなかった。
カツオ原油の脂肪酸組成及び得られたリン脂質組成物中のグリセロリン脂質の構成脂肪酸組成を表1に示す。また、得られたリン脂質組成物中のスフィンゴミエリンの構成脂肪酸組成を表2に示す。
【0042】
実施例2 マグロ原油からのリン脂質組成物の調製
実施例1においてカツオ原油のかわりにマグロ由来原油(主にマグロ残渣から採油された魚原油、酸価6.7)10kgを用いた以外は同様の操作を行い、リン脂質組成物54gを得た。得られたリン脂質組成物は、総リン脂質含量32%であり、スフィンゴミエリンを9.5%、グリセロリン脂質を22.5%含有し、グリセロリン脂質中のDHA含量が12.4%であった。また、グリセロリン脂質中のホスファチジルコリンは79.0%、リゾホスファチジルコリンは20.1%で、合計で99.1%であるのに対しホスファチジルエタノールアミンはわずか0.9%であり、その他のグリセロリン脂質は検出されなかった。
得られたリン脂質組成物中のグリセロリン脂質の構成脂肪酸組成を表1に示す。
【0043】
比較例1
実施例1においてカツオ原油のかわりにメンヘーデン原油(メンヘーデンから採油された魚原油、酸価6.5)10kgを用いた以外は同様の操作を行ったが、リン脂質組成物はわずか9gしか得られなかった。また、得られたリン脂質組成物中の総リン脂質含量は10%であった。
【0044】
比較例2
実施例1においてカツオ原油のかわりにイワシ原油(主にイワシから採油された魚原油、酸価7.4)10kgを用いた以外は同様の操作を行ったが、リン脂質組成物は得られなかった。
【0045】
実施例3 リン脂質高含有リン脂質組成物の調製
実施例1で得たリン脂質組成物2gをクロロホルムに溶解し、200gのシリカゲル(ワコーゲルC−200、和光純薬工業社製)を充填したガラスカラムでのケイ酸カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、リン脂質相当画分のみを分離分取した。クロロホルム600mlで中性脂質画分を洗い流した後、メタノール1000mlでリン脂質画分を溶出させ、溶剤を留去しリン脂質高含有リン脂質組成物1gを得た。得られたリン脂質組成物は、総リン脂質含量91%であり、スフィンゴミエリンを33%、グリセロリン脂質を58%含有し、グリセロリン脂質中のDHA含量が11%であった。得られたリン脂質組成物中のスフィンゴミエリンの構成脂肪酸組成を表2に示す。
【0046】
実施例4 スフィンゴミエリン高含有リン脂質組成物の調製
実施例1で得たリン脂質組成物40gに0.4N KOH−メタノール溶液1200mlを加え、40℃で8時間攪拌し、グリセロリン脂質の加水分解処理を行なった。次にこのものに酢酸27mlを加え中和し、さらにクロロホルム2400mlと水1200mlを加え攪拌後、静置してクロロホルム層を分取した。クロロホルムを留去したものを5℃の冷アセトン200mlで3回洗浄し、冷アセトン不溶性の沈殿部に残存するアセトンを留去してリン脂質組成物を得た。
次にこのリン脂質組成物2gを、100gのシリカゲル(ワコーゲルC−200、和光純薬工業社製)を充填したガラスカラムでのケイ酸カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、分画・精製した。溶出には400mlのクロロホルム、400mlのクロロホルム−メタノール(1:4)、800mlのメタノールを用い、メタノール溶出画分を分取し、溶剤を留去しスフィンゴミエリン高含有リン脂質組成物1gを得た。得られたリン脂質組成物は、総リン脂質含量95%であり、スフィンゴミエリンが90%であった。TLCで確認したところ、グリセロリン脂質のスポットは見られなかった。得られたリン脂質組成物中のスフィンゴミエリンの構成脂肪酸組成を表2に示す。
【0047】
実施例5 グリセロリン脂質高含有リン脂質組成物の調製
実施例1で得たリン脂質組成物2gをクロロホルムに溶解し、100gのシリカゲル(ワコーゲルC−200、和光純薬工業社製)を充填したガラスカラムでのケイ酸カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、グリセロリン脂質相当画分のみを分離分取した。クロロホルム300mlで中性脂質画分を洗い流した後、300mlのクロロホルム−メタノール(2:1)、メタノール1000mlでリン脂質を溶出させ各20mlずつの溶出画分として分取し、各画分の溶剤を留去した。TLCで各画分に含まれるリン脂質種を確認し、グリセロリン脂質を主体とする画分を集め、グリセロリン脂質高含有リン脂質組成物0.4gを得た。得られたリン脂質組成物は、総リン脂質含量85.3%であり、スフィンゴミエリンを16.4%、グリセロリン脂質を68.9%含有していた。グリセロリン脂質中のDHA含量は11.6%であった。また、グリセロリン脂質中のホスファチジルコリンは72.1%、リゾホスファチジルコリンは26.3%で、合計で98.4%であるのに対しホスファチジルエタノールアミンはわずか1.6%であり、その他のグリセロリン脂質は検出されなかった。得られたリン脂質組成物中のグリセロリン脂質の構成脂肪酸組成を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
実施例6 DAG添加分離
実施例1で得た魚原油処理物の中間層に、ジアシルグリセロール(DAG)高含有油脂を添加することで、リン脂質を高純度に含む画分を回収した。
DAG高含有油脂は、なたね油、水酸化ナトリウム、グリセリン、水を真空条件下で撹拌・加温・反応させ製造した。DAG高含有油脂中のDAG含量は約40%であった。実施例1で得た魚原油処理物の中間層300gに対してDAG高含有油脂を9g(DAGとして1.2%量)添加し、よく混合した後50℃で3時間静置した。静置後、遠心分離機にかけ、上層(油)・中間層(リン脂質)・下層(水)の3層に分けた中間層を回収した。
得られた中間層は130g、中間層の水分は50%であり、これを実施例1と同様にアセトン処理して、リン脂質組成物22gを得た。得られたリン脂質組成物は、総リン脂質含量49%であり、スフィンゴミエリンを14.5%、グリセロリン脂質を34.5%含有し、グリセロリン脂質中のDHA含量が10.4%であった。これにより、実施例1より高純度のリン脂質組成物を得ることができた。
【0051】
実施例7 リン脂質組成物を含む飼料
実施例1で得られたリン脂質組成物20gを細かく切断し、20mlの水を加え撹拌した。このリン脂質溶液に魚粉42g、カゼイン60g、コーングルテン16g、セルロース15g、ビタミン10g、ミネラル16g、タウリン1gを加え、固まりが出来ないようによく混合した。この混合物に水60ml、フィードオイル20g(植田製油製)を少しずつ加え、手でよく捏ね合わせた後、−80℃冷凍庫で凍結させた。凍結乾燥機により凍結した飼料の水分を取り除いた後、ステンレスのふるいにかけ直径1mm程度の粒型に造粒したものを試験用飼料とした。
【0052】
比較例3
魚粉42g、カゼイン60g、コーングルテン16g、セルロース15g、ビタミン10g、ミネラル16g、タウリン1gを固まりが出来ないようによく混合した。この混合物に水60ml、フィードオイル20g(植田製油製)、パーム油20gを少しずつ加え、手でよく捏ね合わせた後、−80℃冷凍庫で凍結させた。凍結乾燥機により凍結した飼料の水分を取り除いた後、ステンレスのふるいにかけ直径1mm程度の粒型に造粒したものを試験用飼料とした。
【0053】
マダイ稚魚摂餌促進効果比較試験
直径70cm、深さ80cmの200Lサイズ円柱型水槽に、生後4ヶ月・体長7cm程度のマダイ稚魚を40尾用意した。喰い付きの比較試験は、2種類のエサを水槽左右の水面にそれぞれ0.1gずつ同時に投入し、集まるマダイ稚魚の個体数で判断した。試験は1日1回、3日間に渡り反復して行った。
【0054】
実施例7の飼料に集まるマダイはおよそ15尾前後であったが、比較例3の飼料に集まるマダイはおよそ7尾前後であった。また、同時に投入した2種の飼料が全て食べ尽くされるまでの時間は、実施例7の飼料がおよそ5秒、比較例3の飼料がおよそ12秒であった。本発明のリン脂質を含有する飼料は摂餌促進効果があった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上記載したごとく、本発明は複雑な工程を必要とせずにスフィンゴミエリン、及びDHAが結合したグリセロリン脂質を共に含有するリン脂質組成物を提供するものであり、それぞれの含量や結合脂肪酸の特徴による機能を解明する研究や期待される効果を活かした用途として飼料、食品、化粧品、試薬、医薬品等の分野で利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚頭部を主原料として採油された魚原油から調製されてなるリン脂質組成物であって、スフィンゴミエリンを5%以上、グリセロリン脂質を5%以上含有し、グリセロリン脂質中のDHA含量が5〜25%である魚由来リン脂質組成物。
【請求項2】
グリセロリン脂質中のホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリンの合計が90%以上である請求項1記載のリン脂質組成物。
【請求項3】
スフィンゴミエリンを20〜50%含有し、グリセロリン脂質を50〜80%含有する請求項1または2記載のリン脂質組成物。
【請求項4】
請求項1記載のリン脂質組成物から調製された、スフィンゴミエリンを90%以上含有するリン脂質組成物。
【請求項5】
スフィンゴミエリンの構成脂肪酸の50%以上が炭素数20以上の脂肪酸である請求項1〜4いずれか1項に記載のリン脂質組成物。
【請求項6】
スフィンゴミエリンの構成脂肪酸の50%以上が炭素数24の脂肪酸である請求項1〜4いずれか1項に記載のリン脂質組成物。
【請求項7】
スフィンゴミエリンの構成脂肪酸である炭素数24の脂肪酸が飽和脂肪酸とモノ不飽和脂肪酸を含み、構成脂肪酸中の炭素数24モノ不飽和脂肪酸が25%以上である請求項1〜6いずれか1項に記載のリン脂質組成物。
【請求項8】
カツオ及び/またはマグロの頭部を主原料とした魚原油に水和工程を施して沈降した成分を回収することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のリン脂質組成物の製造方法。
【請求項9】
水和工程を施して沈降した成分にジアシルグリセロールを0.1〜5%添加してリン脂質組成物と油と水を分離させることを特徴とする請求項8記載のリン脂質組成物の製造方法。
【請求項10】
リン脂質組成物がさらにアルカリ、有機溶剤処理から選択される1以上の処理に供されることを特徴とする請求項8または9に記載のリン脂質組成物の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか1項に記載のリン脂質組成物を含有する飼料。

【公開番号】特開2012−170441(P2012−170441A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38303(P2011−38303)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000189970)植田製油株式会社 (18)
【Fターム(参考)】