説明

鮮明性に優れたポリエステル繊維およびその製造方法

【課題】カチオン染料により染色可能であり、アクリル系繊維に近い鮮明性を有し、しかも実用性が高い、鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%であり、該繊維が下記(1)〜(3)の要件を同時に満足するポリエステル繊維とする。
(1)結晶化度が10〜30%
(2)面指数(100)、面指数(010)における結晶サイズがそれぞれ、45〜110Å、50〜120Å
(3)沸水収縮率が5〜20%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン染料により染色可能であり、アクリル系繊維に近い鮮明性を持つ、鮮明性に優れたポリエステル繊維およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリエステルは、耐熱性、耐薬品性などに優れており、合成繊維、ビデオやオーディオ用の2軸延伸テープ、そして食品容器としての透明ボトルなどに広く用いられている。特に衣料用の合成繊維用途では、ウオッシュ・アンド・ウェア(W&W)性、形状記憶安定性などに優れるため、大きいシェアを持っている。しかし、ポリエステル繊維は屈折率が非常に高いため、繊維表面での表面反射率が高く、染色性が良好でないという問題点がある。
【0003】
一方で、アクリル系繊維の鮮明性の良さは定評がある。そこで、アクリル系繊維の鮮明性をL値(明度)、C値(彩度)の観点から観察した結果、アクリルの鮮明性はL値が20程度と低く、かつ、C値が35程度と高い発色特性であることがわかった。アクリル繊維は通常のポリエステル繊維に比べて結晶化度が約1/2であり、配向度は10%程度低い。この結晶配向構造により、上記の鮮明性が得られる。
【0004】
従来からポリエステルの染色性改良の目的で、ポリエステルポリマーの改質により染色性を向上させる方法は数多く考えられている。その1つに表面反射率を低下させるために、繊維表面に微細凹凸を形成させる技術がある。例えば特許文献1には粒子径10ミクロン〜150ミクロンのシリカを含有せしめ、後に減量加工で繊維表面に凹凸を形成させる技術が提案されている。また、ポリマーブレンドや複合紡糸による2成分系の繊維の一部を抽出する方法もある。しかし、これらの方法では凹凸変化が粗大すぎて、アクリル系繊維に比べて、L値は約2倍と高くC値は約1/3倍と低いため、アクリル系繊維の持つ鮮明性は得られない。
【0005】
また、ポリエステルの染色性改良の目的で、ポリエステルポリマーの改質により染色性を向上させる方法もある。例えば、には金属スルホネート基含有エステル形成成分を0.8〜1.5モル%、ポリエチレングリコールを0.5〜3.0wt%共重合したポリエステルが開示されているが、金属スルホネート基含有エステル形成成分が少ないためにアクリル系繊維に近い鮮明性は得られない。
【0006】
【特許文献1】特公昭45−39055号公報
【特許文献2】特公平6−116813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点を克服し、カチオン染料により染色可能であり、アクリル系繊維に近い鮮明性を有し、しかも実用性が高い、鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、表面反射率を低下させるために、繊維表面に微細凹凸を形成させるのとは異なり、次の構成により本発明に達成できることがわかった。すなわち、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%であり、該繊維が下記(1)〜(3)の要件を同時に満足していることを特徴とする鮮明性に優れたポリエステル繊維。
(1)結晶化度が10〜30%
(2)面指数(100)、面指数(010)における結晶サイズがそれぞれ、45〜110Å、50〜120Å
(3)沸水収縮率が5〜20%
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カチオン染料により染色可能であり、アクリル系繊維に近い鮮明性を持つ、実用性の高い鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明の鮮明性に優れたポリエステル繊維は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる。
本発明においては、上記ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%、好ましくは4〜17mol%であること、また、上記ポリエステル繊維が後述する結晶化度、結晶サイズ、沸水収縮率の要件を同時に満足していることが肝要である。
【0011】
ここで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合成分は結晶化度を下げて結晶のサイズを大きくする効果があり、これにより染料が入り込み易くなるだけでなく、スルホネート基がカチオン染料の染着座席として機能するため、ポリエステル繊維の鮮明性が極めて優れたものでとなる。さらに、分散染料を用いる場合でもスルホネート基の導入により分散染料と静電気的な結合がおこるので、染色堅牢性を高める効果がある。
【0012】
一方、イソフタル酸成分を含むことにより結晶サイズの格子定数が大きくなるので、結晶構造的に結晶サイズの大きいアクリル系繊維に近い構造となり、アクリル系繊維に近い鮮明性に優れたポリエステル繊維が得られる。
【0013】
本発明においては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分共重合量および/またはイソフタル酸成分の共重合量の合計は、4〜20mol%、好ましくは4〜17mol%である。上記の共重合量の合計が4以下であると、本発明の目的とするアクリル系繊維に近い鮮明性が得られない。一方、上記20以上であると、5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分共重合量とイソフタル酸成分共重合量が多すぎるために、紡糸性の悪化や得られた繊維の物性低下をきたし、実用性に欠けたものとなり易い。
【0014】
前述したように、本発明のポリエステル繊維は下記の要件(1)〜(3)を満足することが必要である。これにより、本発明の目的とするアクリル系繊維と同等の優れた鮮明性が得られる。
(1)結晶化度が10〜30%
(2)面指数(100)、面指数(010)における結晶サイズがそれぞれ、45〜110Å、50〜120Å
(3)沸水収縮率が5〜20%
【0015】
すなわち、結晶化度が10%未満では、鮮明性に問題はないが、力学物性や耐熱性が低下し実用性に欠けたものとなる。一方、結晶化度が30%を超えると、染料が入り込み難くなるため、鮮明性に優れたポリエステル繊維が得られない。なお、上記結晶化度は好ましくは13〜25%である。
【0016】
また、面指数(100)の結晶サイズが45Å以下では、アクリル系繊維に近い鮮明性を持つポリエステル繊維が得られない。また、結晶サイズが110Å以上では繊維の力学物性に問題が出てきて、製織・編の段階で断糸するので実用性に欠ける。結晶サイズは面指数(100)におけるおいて、45〜110Åであることが必要である。より好ましくは50〜100Åである。
【0017】
さらに、面指数(100)の結晶サイズが50Å以下では、アクリル系繊維に近い鮮明性を持つポリエステル繊維が得られない。また、結晶サイズが120Å以上では繊維の力学物性に問題が出てきて、製織・編の段階で断糸するので実用性に欠ける。面指数(010)においては、50〜120Åであることが必要である。より好ましくは55〜110Åである。
【0018】
沸水収縮率が5%未満では、結晶配向度も低下する傾向にあり、染料が繊維に入りにくくなるため、鮮明性に優れたポリエステル繊維が得られない。一方、沸水収縮率が20%を超えると、製織編後した布帛を染色した際、過度に布帛が収縮するため、風合いの硬い織編物となり、実用性に欠けたものとなり易い。上記沸水収縮率は好ましくは7〜18%である。
【0019】
また、本発明のポリエステル繊維のC値が5〜40、L値が5〜30であることが好ましい。アクリル系繊維の鮮明性をL値(明度)、C値(彩度)の観点から観察した結果、C値が35程度と高く、かつ、L値が20程度と低い発色特性であることがわかった。よってアクリル系繊維に近い鮮明性を持つポリエステル繊維のC値は5〜40、L値は5〜30であることが好ましい。また、より好ましくはC値は10〜38、L値は8〜27である。C値が5未満の場合には、くすんだ色となり見た目が悪い。C値が40を超える場合には目的とするアクリル系繊維に近い鮮明性を持つポリエステル繊維が得られない。L値が5未満の場合には暗さを感じるためよくない。L値が30を超えると光沢感はあるが、鮮明性は感じられ難くなる傾向にある。
【0020】
本発明のポリエステル繊維は次の方法に製造することができる。すなわち、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%であるポリエステルを紡糸口金孔から溶融吐出し、吐出した糸条を700〜6000m/分、より好ましくは1000〜5500m/分の速度で引き取る製造方法である。かかる引取速度とすることで、本発明の構造を有するポリエステル繊維を製造することができる。また、引取速度が700m/分未満では生産性が悪く、6000m/分を超えると紡糸安定性が悪くなる。
【0021】
また、本発明のポリエステル繊維は、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%であるポリエステルを紡糸口金孔から溶融吐出し、吐出した糸条を700〜3500m/分の速度で引き取って未延伸糸を得、これを残留伸度が25〜40%となる倍率で、60〜200℃にて延伸する方法によっても製造することができる。
【0022】
紡糸速度が700m/分未満であると生産性が悪く、3500m/分を超えると延伸後の力学物性が低下するため実用性に欠ける。また、延伸した糸の残留伸度が25%未満ででは延伸工程において単糸切れしやすく、一方40%を超えると、沸水収縮率が高くなり、熱的安定性に問題がでるため実用性に欠ける。配向結晶化温度は60℃未満であると熱的安定性が低下し易く、一方200℃を超えると、繊維の力学物性が低下しやすく風合いが硬くなりやすい。
【0023】
本発明のポリエステル繊維の断面形状には特に制限はない。丸断面、三角断面等の異形断面などどの断面でもよい。また、中空部を有しない中実繊維であっても、中空部を有する中空繊維であってもどちらでもよい。中空部の形状も円形であっても異形であってもよい。
本発明のポリエステル繊維は、ジャケット、スカート、パンツ、コート等の衣料用途全般に使うことができる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。各評価項目は下記の方法で測定した。
【0025】
(1)結晶化度、結晶サイズ
広角X線回折法による。理学電気社製X線発生装置(RAD−3A型)を用い、ニッケルフィルターで単色化したCu−Kα線で散乱強度を測定し、次式で結晶化度を計算する。
結晶化度 =結晶部の散乱強度/全散乱強度×100(%)
結晶サイズは反射の半値幅からScherrerの式を用いて計算した。
L:結晶サイズ(Å)
λ:X線の波長(1.5418オングストローム)
θB:ブラッグ角、β0:(βE2−βI21/2
βE:半値幅の測定値、βI:装置定数(1.046×10-2
Scherrerの式 L=λ/β0cosθB
【0026】
(2)沸水収縮率
繊維を10ターンしたカセを作成し、荷重1/30g/de(1/26cN/dtex)をかけて、原長L0を測定する。該荷重を除去後、フリー状態で、100℃沸水中に20分間浸漬する。沸水処理後、24時間フリーで40℃以下の温度で自然乾燥する。そして、再び1/30の荷重をかけて、沸水処理後の長さL1を測定する。そして以下の式にて、沸水収縮率BWSを測定する。
BWS(%)=(L0−L1)/L0×100(%)
【0027】
(3)明度L値及び彩度C
マクベス カラーアイ(Macbeth COLOR−EYE)モデルM−2020PLを使用し、JISZ8729−1980に規定された、国際照明委員会(CIE)推奨のL系色表示により表される明度L値及び彩度C値を測定した。
【0028】
(4)強度・伸度
海島型複合繊維の重量をn=3回測定して平均値から繊度を求めた。そして、室温で初期試料長を200mm、引っ張り速度を200m/分として得た応力−伸長曲線を測定し、繊維破断点の強度を求めた。
【0029】
(5)鮮明性
繊維の鮮明性の程度を、○(鮮明性大)、△(やや鮮明)、×(不鮮明)の3段階で視感判定した。
【0030】
(6)風合い
繊維の風合いの程度を、○(ソフト)、△(やや硬い)、×(硬い)の3段階で感覚判定した。
【0031】
[実施例1]
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を6モル%共重合した改質ポリエチレンテレフタレートポリマー(帝人ファイバー株式会社製)を溶融して紡糸口金から溶融吐出し、1000m/分で巻き取って未延伸糸を得た。この未延伸糸を、延伸温度90℃、熱セット温度160℃で延伸し、繊度83dtex/36fil、強度2.7cN/dtex、伸度38%、BWS9.2%のポリエステル繊維を得た。得られたポリエステル繊維を丸編みとした。
この編物を1g/Lのスコアロール400(花王(株))水溶液中、80℃で20分間精錬した。その後水洗い、乾燥したあと、180℃で2分間プレセットした。その後編物を下記洗浴で常温から2℃/分で昇温し、98℃で60分間、浴比1:100で染色した。
染色条件
染料:エストロールNavy Blue 2RL(カチオン染料)
濃度:1%owf
その後編物を十分水洗いして、80℃で乾燥、160℃で1分間熱セットを行った。結果を表1に示す。得られたポリエステル繊維は、アクリル系繊維に近い鮮明性を有し、風合いは良好であった。
【0032】
[実施例2〜4]
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分およびイソフタル酸成分の共重合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に併せて示す。得られたポリエステル繊維はいずれも、アクリル系繊維に近い鮮明性を有し、風合いは良好であった。
【0033】
[比較例1]
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分およびイソフタル酸成分の共重合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。得られたポリエステル繊維は、強度が低く、沸水収縮率が高いために風合いが硬くなるという問題があった。
【0034】
[比較例2]
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分およびイソフタル酸成分を共重合していないポリエチレンテレフタレート(帝人ファイバー株式会社製)を用いて実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。得られたポリエステル繊維は、鮮明性が悪く、くすんだ色であった。
【0035】
[実施例5]
実施例1と同じポリマーを溶融して紡糸口金から吐出し、3000m/分で巻き取って未延伸糸を得た。この未延伸糸を、延伸温度90℃、熱セット温度160℃で延伸し、繊度が78dtex/36filのポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。得られたポリエステル繊維は、アクリル系繊維に近い鮮明性を有し、風合いは良好であった。
【0036】
[実施例6]
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分およびイソフタル酸成分の共重合量を表1に示すように変更し、5500m/分で巻き取った以外は実施例1と同様に実施し、ポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。得られたポリエステル繊維は、アクリル系繊維に近い鮮明性を有し、風合いは良好であった。
【0037】
[比較例3]
5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分およびイソフタル酸成分の共重合量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に実施し、ポリエステル繊維を得た。結果を表1に示す。得られたポリエステル繊維は、沸水収縮率が高いために風合いが硬くなるという問題があった。
【0038】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、アクリルに近い鮮明性を有し、しかも実用性が高いポリエステル繊維を得ることができる。このため、本発明のポリエステル繊維は、ジャケット、スカート、パンツ、コートなどをはじめ、衣料用途全般に幅広く用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%であり、該繊維が下記(1)〜(3)の要件を同時に満足していることを特徴とする鮮明性に優れたポリエステル繊維。
(1)結晶化度が10〜30%
(2)面指数(100)、面指数(010)における結晶サイズがそれぞれ、45〜110Å、50〜120Å
(3)沸水収縮率が5〜20%
【請求項2】
エストロールNavy Blue 2RLを主成分とするカチオン染料の1%owf溶液を用いて染色したとき、L表色系により表される彩度C値が5〜40である請求項1記載の鮮明性に優れたポリエステル繊維。
【請求項3】
エストロールNavy Blue 2RLを主成分とするカチオン染料の1%owf溶液を用いて染色したとき、L表色系により表される明度L値が5〜30であること1または2に記載の鮮明性に優れたポリエステル繊維。
【請求項4】
エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%であるポリエステルを紡糸口金孔から溶融吐出し、吐出した糸条を700〜6000m/分の速度で引き取ることを特徴とする鮮明性に優れたポリエステル繊維の製造方法。
【請求項5】
エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルからなる繊維であって、該ポリエステルが5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分を共重合成分として含み、それらの共重合量の合計が4〜20mol%であるポリエステルを紡糸口金孔から溶融吐出し、吐出した糸条を700〜3500m/分の速度で引き取って未延伸糸を得、これを残留伸度が25〜40%となる倍率で、60〜200℃にて延伸することを特徴とする鮮明性に優れたポリエステル繊維の製造方法。