説明

麹納豆

【課題】本発明は、納豆に米麹、塩昆布、調味料等を加えて混ぜ合わせることにより非常に食べやすい納豆を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、本発明に係る麹納豆は、ほぐした米麹に、納豆および千切りした根野菜と混ぜ合わせた塩昆布を混合し、これにみりん、焼酎、醤油、はちみつの少なくとも一種を調味料として混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麹納豆に関する。詳しくは納豆に米麹、人参および塩昆布を混ぜ合わせた麹納豆に係るものである。
【背景技術】
【0002】
納豆と他の食材を合わせたものとして昆布納豆がある。この昆布納豆の製造方法として、例えば図2に示すように、蒸煮した大豆と裁断した昆布片のうち少なくともいずれかも一方に、希釈した納豆菌溶液を噴霧接種した後に、該大豆と昆布片との混合材料をパック詰めする直前のタイミングに、所定濃度に希釈した納豆菌を当該混合材料に対して、再度、噴霧接種することにより、製品パックの直前に個別に納豆菌を接種することができるので、製品の均質化を図ることが可能となる(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−276109号公報(要約書、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで納豆は昔から栄養価の高い保存食として食されてきたものであるが、大豆を醗酵させることによる特有の臭いとネバネバ感があり、人によっては臭いや食感が全く受け付けることができないなど、好き嫌いの激しいところがある。
【0005】
また、昆布納豆であっても醤油などの調味料や玉子の黄身などを加えてネバネバになるまで掻き回して、ごはんなどの上に乗せて食すものであるが、パックされた納豆に手を加えなければならず、その調理に際しての手間を嫌う者も多い。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、納豆に米麹、塩昆布、調味料等を加えて混ぜ合わせることにより非常に食べやすい納豆を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る麹納豆は、ほぐした米麹に、納豆および千切りした根野菜と混ぜ合わせた塩昆布を混合し、これにみりん、焼酎、醤油、はちみつの少なくとも一種を調味料として混合する。
【0008】
ここで、米麹とは、日本酒醸造、味噌などを作るときに加えられ米や大豆の醗酵を促進させるものである。米麹の作り方は、蒸した米をしゃもじでスライスしながら米粒の表面の水分とあら熱をとばす。そして米粒表面の水分が取り除かれてばらばらになるまでもみほぐし、米粒の温度を36度まで下げます。次に、ばらばらほぐされた米に麹カビ菌をふりかけてよく混ぜ込む。
【0009】
これを温度が30度〜31度となるように設定された麹室内で48時間程度醗酵させる。そして麹室から取り出し麹を拡げてほぐし、15度〜16度の乾燥したところで20時間ほど冷やすとともに、乾燥させることにより米麹が完成する。
【0010】
また、塩昆布には、佃煮昆布と塩ふき昆布がある。佃煮昆布は、昆布を適宜大きさにカットし、2リットルの水に対しておちょこ3杯程度の酢を入れた作った酢水によって昆布の表面のホコリや汚れを落とす。洗ったらそのまま30分程度おき、表面が乾いてきたら再度酢水で洗い置く。
【0011】
そして昆布が表面に付いた酢水を吸って、昆布から粘りが出ていることを確認したら鍋に入れます。次に、酒3に対して醤油1くらい入れてつけだれを作ります。そこで粘りが出た昆布とつけだれを鍋に入れ、昆布がつけだれでヒタヒタになる程度に漬込む。
【0012】
最初は強火で沸騰するまで炊き、沸騰したら極々弱火で時々軽く混ぜながら焦げないように炊く。そしてつけだれを足しながら3時間ほど弱火で炊くことにより昆布はかなり柔らかくなり、つけだれがなくなった時点で火から下ろして冷やして出来上がりとなる。
【0013】
また、塩ふき昆布は、適宜大きさにカットされた昆布を酢水によって昆布の表面のホコリや汚れを落とす。そして蒸気釜を使って適正な温度設定の下、醤油・酒などによる独自の調味料を配合し、炊き汁を残さないように「いり炊き」をする。炊き上がった昆布は、一日寝かせることによって昆布表面に塩が露出した塩ふき昆布が出来上がる。
【0014】
このような米麹を納豆に混ぜ合わせ、これに人参に塩昆布でまぶしたもの、さらにみりんおよび醤油などの調味料を加え合わせることにより、納豆特有の臭いが米麹によって和らげられ非常にマイルドな味覚となる。
【0015】
また、塩昆布に千切りした人参を混ぜ合わせることによって塩分によって人参の水分が滲み出るとともに、この滲み出た水を切ることにより塩分が薄められることでちょうどよい塩加減となり、かつ人参のシャキシャキした食感を楽しむことができる。
【0016】
また、みりんは沸騰させて冷やしたものを使用することによりアルコール分が抜けることによってサラットした甘みを醸し出すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の麹納豆によれば、納豆に米麹を混ぜ合わせることにより納豆特有の臭いが和らげるとともに、納豆の鮮度が維持されることで冷蔵庫に入れておけば1週間以上の保存が可能となる。
【0018】
また、人参に塩昆布をまぶして水切りを行うことにより、人参が適度の塩昆布の塩分を抜き取るとともに、塩昆布の塩分によって人参のシャキシャキ感および鮮度は保たれて塩分が控えめなまろやかな味の麹納豆となる。
【0019】
本発明の麹納豆は、米麹、納豆および塩昆布により非常に栄養価が高く、あたたかいご飯に載せて食たり、サンヂイッチの具材としておいしく食することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1に、本発明を適用した麹納豆の調理工程を示すフロー説明図である。
【0021】
ここで、準備工程で用意する麹納豆の材料は、納豆750g、米麹200g、人参500g、塩昆布140g、米焼酎150cc、みりん150cc、しょうゆ大さじ2杯および蜂蜜大さじ2杯とする。
【0022】
前記みりんは、一度沸騰させてから冷しておく。また、前記人参はせん切りにしてザル上で塩昆布と軽く混ぜ合わせる。これにより塩昆布の塩分によって人参の水分が滲みだされ、人参がしんなりとしたらザルを上げて水を切る。したがって塩昆布の塩分が染み出された水分に溶け込むことにより塩昆布の塩分が薄められ、かつ人参に塩味が付けられることになり、人参のシャキシャキ感が保たれることになる。
【0023】
次に、調理工程では、まずボールに米麹を手でほぐしながらいれる。そして前記水を切った人参と塩昆布とを混ぜ合せたものと納豆いれる。そして調味として焼酎、しょうゆ、みりんおよび蜂蜜を加える。
【0024】
そこでボール内にてこれらの具材を混ぜ合わせる。この場合には納豆と米麹、塩昆布が万遍なく混ぜ合わせられるまで掻き混ぜる。
これにより塩昆布の塩分が納豆、米麹全体に行き渡り、ちょうどよい塩加減となるとともに、みりんを沸騰させることによりサラットした甘味を加えることができる。また、焼酎は臭いの少ない米焼酎とすることにより、味を変えることなく、かつアルコール成分によって鮮度を保持させる。更に、蜂蜜は甘味を抑えてまろやかな甘みを醸し出し、かつ非常に栄養価が高いために、米麹、納豆、昆布、蜂蜜によるバランスの取れた食材となる。
【0025】
そして最終工程では、ボールにラップを施してから冷蔵庫内にて24時間ほど熟成させる。これにより米麹によるゆるやかな醗酵により納豆特有の臭いが緩和され、かつ納豆味がまろやか味となる。
【0026】
なお、本実施例では塩昆布に混ぜ合わせる野菜として人参を用いたが、必ずしも人参を用いる必要性はなく、水分を取りシャキシャキ感のある根野菜、例えば牛蒡をキンピラ風に調理し、これと塩昆布とを混ぜ合わせてよい。
【0027】
また、前記納豆は大豆そのままを納豆にしたものや、細かく刻んだ刻み納豆があり、サンドイッチの具材として作る場合には刻み納豆が適しており、ごはんのおかずとしては大豆粒が適する場合が多いが、趣向に応じてどちらかの納豆を選択することが望ましい。
【0028】
このようにして24時間ほど熟成させることによって味が染み込み、米麹によってまろやかな味となると共に、日持ちがよくなり冷蔵庫に入れておけば1週間以上鮮度が変わらずおいしく食することが可能となる。
なお、本発明の麹納豆を冷蔵庫に入れて置くことにより、米麹のゆるやかな醗酵が促進されることにより納豆や昆布がよりまろやかになるとともに鮮度が保持され一度作っておけば数週間の間補助食品として活用することができる。
【0029】
また、米焼酎、しょうゆ、みりんおよび蜂蜜は、必ずしも必要とせず、好みに応じて加える調味料の選択や分量を決めるものとする。
なお、前記塩昆布には佃煮と塩ふきとがあり、いずれを食材として用いても構わないが、塩ふき昆布は混ぜ合わせた後でも歯ごたえがあるために、塩ふき昆布を用いるほうが好ましい。
【0030】
以上の構成よりなる本発明では、米麹によって納豆特有の臭いが緩和され、かつ味覚がまろやかになるために、納豆の嫌いな者も抵抗なく食すことができる。また、米麹、納豆および昆布を栄養価の高い食材を使うことにより、ごはんなどに載せて食べることによりバランスの取れた栄養を補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明を適用した麹納豆の調理工程を示すフロー説明図である。
【図2】従来の昆布納豆の製造方法の一例を示すフロー説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぐした米麹に、納豆および千切りした根野菜と混ぜ合わせた塩昆布を混合し、これにみりん、焼酎、醤油、はちみつの少なくとも一種を調味料として混合した
ことを特徴する麹納豆。
【請求項2】
前記根野菜が人参である
ことを特徴する請求項1記載の麹納豆。
【請求項3】
前記みりんを沸騰させた後に冷ます
ことを特徴する請求項1または2記載の麹納豆。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−72114(P2009−72114A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244120(P2007−244120)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(507314774)
【Fターム(参考)】