麻酔噴霧器のためのアダプタ
アダプタ(10)は、液体麻酔剤を含むボトル(18)に据え付け可能な基部(12)を提供される。基部から上方に延びている噴出口(14)は、可動バルブアセンブリ(72)と放射状の棚(82)のような固定部分とを有する麻酔噴霧器(70)の入口ポート(68)によって受け取られる。噴出口は、噴出口が入口ポートに挿入されたときに、噴霧器バルブアセンブリ(16)に接触して開くように構成された固定の接触部材(40)を含む。アダプタは、可動バルブアセンブリも含み、該可動バルブアセンブリは、噴出口が入口ポートに挿入されたときには、入口ポートの固定部分によって接触されて開かれる。噴出口が入口ポートに挿入されたときには、入口ポートの固定部分がアダプタバルブアセンブリを開く前に、接触部材が噴霧器バルブアセンブリを開くように、接触部材とアダプタバルブアセンブリとが配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、麻酔剤の容器と麻酔噴霧器との間の選択的な流体連通を可能にする装置に関する。さらに詳細には、本発明は、容器を麻酔噴霧器の入口ポートに接続するために、麻酔剤の容器上に据え付け可能なアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
外科処置の間、多くの場合に、患者に麻酔をかけることが必要となる。麻酔を送達する1つの方法は、患者によって吸入される気体の形式である。患者および医療従事者の安全のために、麻酔剤は、一般的には、適切な容器内で液体の形式で輸送される。公知の液体麻酔は、ハロセン、イソフルラン、およびセボフルランを含む。液体麻酔は、最終的に、麻酔噴霧器の中に分配され、該麻酔噴霧器は、患者が吸入可能であるキャリアガス、例えば、酸素または亜酸化窒素と液体麻酔を混合する。
【0003】
液体麻酔は、比較的に揮発性があり、室温で蒸発し得る。麻酔剤が使用され得る前に、麻酔剤は、第1の閉環境、例えば、容器またはボトルから、第2の閉環境、例えば、噴霧器に移送されなければならない。麻酔を移送するためには、噴霧器の入口ポートにバルブシステムを提供することが周知であり、該バルブシステムは、液体麻酔剤が噴霧器の内部サンプに注がれることを可能にするように選択的に開くことができる。セボフルランのためのかかるバルブシステムが、特許文献1(Braatzら)と、特許文献2(Grabenkortら)とに記述されており、該特許文献は、本明細書において参考として援用される。Grabenkortらの特許文献2において記述されたシステムは、Abbott LaboratoriesのQuik−FilTMと商業的には呼ばれていることが理解され、同様なシステムが、多数の噴霧器、例えば、Datex−Ohmeda,Inc.からのSevotec 5TM噴霧器に見出され得る。
【0004】
上記の特許は、麻酔剤の容器が、麻酔剤の容器の中に含まれている液体麻酔の選択的な分配を可能にするために、噴霧器バルブシステムと嵌合するように構成されたバルブシステムを有する一体または別個のアダプタが提供される配置を記述する。容器から噴霧器に麻酔剤を移送するために、アダプタは、噴霧器の入口ポートに挿入される。アダプタにおける付勢バネと噴霧器における対抗する付勢バネの結果として、アダプタの挿入が、噴霧器の入口ポートと関連付けられるバルブと、アダプタと関連付けられるバルブとの順次的な開きをもたらし、液体麻酔剤が容器からアダプタを通って噴霧器サンプに流れることを可能にする。その後、アダプタと容器とは、噴霧器の入口ポートから取り外され、アダプタバルブシステムと噴霧器バルブシステムとは、付勢バネによって別個に自動的に閉じられる。
【0005】
Braatzらの充填システムとGrabenkortらの充填システムとに伴う1つの潜在的な欠点は、充填システムが、アダプタに先立つ噴霧器の好適な順次的な開きをもたらすために、アダプタと噴霧器バルブシステムとにおける強度の異なる対抗する付勢バネの適切な選択と品質管理とに依存するということである。当然、製造時の品質管理が不足して、または他の理由のために、バネが適切な強度ではない場合には、このシステムは適切に働かない。従って、代替の充填システムを提供する試みが行われてきた。代替の充填システムの一例が、特許文献3(Falligantら)に記述されており、該特許文献3は、本明細書において参考として援用される。Falligantの充填システムの変化形が、特許文献4および特許文献5に記述されており、該特許文献4および該特許文献5の両方が、本明細書において参考として援用される。これらのシステムは、概して、噴霧器の入口の開口部において固定の中央ロッドまたはフィンガを利用することにより、アダプタ内のバルブヘッドと直接的に接触し、アダプタが噴霧器の入口の開口部に挿入されたときに、バルブヘッドを開かせる。
【0006】
上記の充填システムは、付勢バネを適切に選択または較正する必要性を排除するが、上記の充填システムに伴う1つの欠点は、上記の充填システムが異なる噴霧器バルブシステムを必要とすることであり、該異なる噴霧器バルブシステムは、従来の対抗するバネシステムと適合性がないことがあり得、そして、市場において、および麻酔医または技術者の間において混乱をもたらし得る。
【0007】
以下でさらに詳細に述べられるように、本発明は、上記の欠点のうちの1つ以上を被らない改良型アダプタを提供する。
【特許文献1】米国特許第5,381,836号明細書
【特許文献2】米国特許第5,505,236号明細書
【特許文献3】米国特許第6,585,016号明細書
【特許文献4】米国特許第6,817,390号明細書
【特許文献5】米国特許第6,929,041号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、麻酔剤の容器上に据え付け可能なアダプタを提供する。アダプタは、可動噴霧器バルブアセンブリと固定部分とを有する噴霧器の入口ポートによって受け取られるように構成された噴出口を含む。噴出口は、固定の接触部材と可動アダプタバルブアセンブリとを含む。噴出口が噴霧器の入口ポートに挿入されたときに、この接触部材は、可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすように構成されている。噴出口が噴霧器の入口ポートに挿入されたときに、可動アダプタバルブアセンブリは、噴霧器の入口ポートの固定部分との接触によって開かれる。本発明のこの局面に従ったアダプタは、対抗するバネと、関連する欠点とを排除するということが理解される。
【0009】
本発明はまた、麻酔剤の容器から麻酔剤の噴霧器に麻酔剤を移送する方法を提供する。アダプタが、麻酔剤の容器上に提供され、該アダプタは、噴出口と、可動アダプタバルブアセンブリと、実質的に固定の接触部材とを含む。固定の接触部材が可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすまで、噴出口は、噴霧器の入口ポートに挿入される。次に、噴霧器の入口ポートの固定部分がアダプタバルブアセンブリに接触して動かすまで、噴出口はさらに挿入され、このことが、麻酔剤が、容器から噴霧器の中に流れることを可能にする。本発明のこの局面に従った方法は、噴霧器およびアダプタにおける対抗するバネを必要とすることなく、アダプタバルブに先立つ噴霧器バルブの順次的な開きを可能にするということが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、好適な実施形態の添付の図面に例示されているように記述されているが、開示された実施形態は、様々な形式で具体化される本発明の単なる例示であるということを理解されたい。従って、本明細書において開示された特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、事実上あらゆる適切な方法で本発明を様々に利用するに、当業者を教示するための代表的な基本原理として解釈されるべきである。
【0011】
図1A〜図1Dは、本発明に従ったアダプタを示す。アダプタは、図1A〜図1Dにおいては、概略的に、要素10として識別される。例示されたアダプタ10は、基部12と、噴出口14と、可動アダプタバルブアセンブリ16とを含む。別個の部分として例示されているが、所望される場合には、これらのうちのいくつかが、単一の部分として組み合わせられ得るか、または成形され得る。基部12は、アダプタ10の下側端に配置されており、図2に例示されている液体麻酔剤の容器またはボトル18に取り付けられるように構成されている。アダプタ10の要素と、要素の相対位置とを記述するために本明細書において使用される場合、用語「下側」、「下」、「下部」、「下方」、「上側」、「上」、「上部」、「上方」およびそれらの変化形は、図1A〜図1Dに例示されているような方向を記述することを意図している。
【0012】
基部12は、好適には、硬質のプラスチックで成形され、内側のねじ山20を含み、該内側のねじ山20は、容器への取り付けのための他の手段も、本発明を逸脱することなく使用され得るが、容器18の首部分24の外側のねじ山22と嵌合するように構成されている。また、基部とアダプタとが容器から取り外し可能であるということを必要ではなく、本発明を利用する上でも、基部とアダプタとは永久的に取り付けられ得る。
【0013】
好適には、基部12はまた、一対のスロット26を含み、スロット26の両方が図1Aに例示されており、該スロット26は、カラー30の一対のリブ28に嵌まるように構成されており、該カラー30は、容器18の首24において回転することができる。スロットおよびリブの目的および動作は、当業者には周知であるように、アダプタへの不適切な麻酔剤の容器の取り付けを防止することである。基部12の上部は、中央アパーチャを有し、該中央アパーチャを通って、噴出口14が挿入される。
【0014】
噴出口14は、概ね管状の部材であり、基部12から上方に延びている。噴出口14もまた、好適には、硬質のプラスチックで成形され、本明細書において記述されるように、噴霧器の入口ポートと相互作用するために、外面33に少なくとも1つのスプライン32を含む。噴出口14の下部端34は、基部12の中にプレス嵌めされ得るか、もしくは基部12に他の適切な手段を用いて取り付けられ得るか、または基部12の一体の部分であり得る。好適な実施形態において、プレス嵌めは、噴出口が基部に対して回転することを可能にする。噴出口14の上部端またはリップ36は、下部端34から上に選択された距離で位置を定められており、該選択された距離は、以下でさらに詳細に記述されるように、噴霧器の入口への挿入と、噴霧器の入口との相互作用とのために充分なものである。
【0015】
以下でさらに詳細に考察されるバルブプラグとの協働のために、噴出口14は、下部端34に隣接した弁座38を形成する内側環状肩部を含む。内側環状肩部は、図1Cおよび図1Dに最良に示されているように、先細りの表面またはコーナーエッジのような様々な形式を取り得、該内側環状肩部は、バルブプラグによって係合されたときには、液体密閉を形成する。
【0016】
アダプタ10はまた、接触部材40を含む。接触部材40は、好適には、上部端36と下部端34との中間の位置において、噴出口14の内部部分に取り付けられる。接触部材40は、別個の部分であり得るか、または、さらに好適には、接触部材40は、噴出口14と一体で成形され得るか、もしくは噴出口14の中に形成され得る。図3は、一対の直径が交差している十字部材またはビーム41で形成されているような接触部材40を例示しており、該十字部材またはビーム41は、十字または「X」を画定し、噴出口の内部を4つの同一の開口部または四半分42に分割する。接触部材40が噴出口14に対して実質的に固定されていれば、接触部材40の正確な構成は変更し得る。接触部材40の少なくとも一部分は、好適には、噴霧器の入口において中央に配置されたバルブ部材に接触するために、噴出口14の内部部分の中央にあるか、または配置される。本明細書において使用される場合、用語「中央」とその変化形とは、噴霧器の要素に対する管状の噴霧器の入口ポートの中央軸を指し、一方では、アダプタ10の要素に対する管状の噴出口14の中央軸を指しており、このことは、本明細書においてさらに詳細に記述される。
【0017】
噴出口14は、好適には、図1A〜図1Dに示されているように、基部12から上方に延びている、基部12の上部における中央オリフィスまたは開口部へのスナップ嵌めによって組み立てられる。あるいは、先に示したように、噴出口14と基部12とは、ワンピース構成であり得る。
【0018】
アダプタバルブアセンブリ16は、アダプタ10を通って流体が流れるようにアダプタ10を開閉するために、噴出口14と基部12との中に可動に配置されている。図1B〜図1Dおよび図4Bに最良に示されているように、例示されているようなアダプタバルブアセンブリ16は、ポペット46とバルブプラグ60とを含む。ポペット46は、好適には、硬質のプラスチック材料で成形され、かつ、下側ステム部分56と、上側の概ね円筒形の中空または管状の部分57を含む。上側円筒形部分57は、噴出口14の中での滑動可能な配置のためのサイズにされている。円筒形部分57は、好適には、噴出口14の中に配置された接触部材40の十字部材またはビーム41を受け取るために、かつ、噴出口14の中でのポペット46の軸方向の動きを可能にするために、90°離れて配置された、軸方向に延びているスロット54を有する。
【0019】
スロット54の結果として、上側円筒形部分57の壁が、弧の部分を形成する4つの細長い部材44に分割され、弧の部分のそれぞれが、90°をわずかに下回る弧の大きさを有する。ポペット46が噴出口14の中に挿入されたときには、各細長い部材44は、噴出口14の中に配置されている交差ビーム41によって形成される四半分42のうちの1つを通って延びる。ポペット46の上側円筒形部分57の長さは、アダプタバルブアセンブリ16が閉位置にあるときには、各細長い部材44の上側端48が、選択された距離だけ噴出口14の固定端36を越えて延びるようなサイズにされる。後にさらに詳細に記述されているように、細長い部材44の上側端48が、噴霧器の入口における固定表面に向けて押されるときには、ポペット46が、噴出口14の中で下方に押しやられ、アダプタ10を通って流体が流れるようにアダプタ10を開く。ポペットの細長い部材44が噴出口14を越えて延びる距離は、必要に応じて選択され得るが、好適には、約3〜4ミリメートルである。
【0020】
ポペット46の上側円筒形部分57とステム56との間の接合部は、おそらくは、図1C、図1D、および図4Aを参照することによって最良に理解される。特に、例示された実施形態において、ステムの上側端と円筒形部分の下側端とは、90°離れて間隔を空けられた、4つの放射状に延びる支持50で終端する。支持の間の領域が、開いていることにより、円筒形部分57の内側を通ってポペット46を通過して流体が流れることを可能にする。図3と図4Aとを比較することによって理解され得るように、ポペット支持50の構成は、噴出口14のビームまたは十字部材41の構成と実質的に同一である。支持50と十字部材41との間の開いた四半分42が、さほどの妨害または抵抗がなく、アダプタ10を通って流体が流れることを可能にする。この構成が好ましいものであり得るが、ステム56と円筒形部分57との接合部は、アダプタ10を通って流体が流れることを可能にするその他任意の形状であり得る。
【0021】
ポペットステムの下部において、アダプタバルブアセンブリ16は、バルブプラグ60を含む。バルブプラグ60は、好適には、ゴム、ネオプレンのような弾性のある材料か、または特定の麻酔剤との接触に適しており、かつ、弁座38と接触したときに信頼可能な密閉を形成することに適した他の材料で作られる。バルブプラグ60は、好適には、ポペットステム56を受け取るための円筒形キャビティ58と、円錐台のバルブ表面61とを有し、該円錐台のバルブ表面61は、図1Cに最良にみられ得るように、弁座38を係合するために直線状の表面を形成する。バルブ表面の形状は、所望に応じて変更され得るが、例示されたバブルプラグ60の直線状の湾曲していないシーリング面が、閉位置において、アダプタ10を通って流体が流れることを遮断するために、弁座38を係合するためには好適となり得る。
【0022】
バルブプラグ60は、好適には、図1Bに示されたように閉位置に付勢される。例示された実施形態において、バルブプラグ60は、コイルバネ62によって付勢され、該コイルバネ62は、バネ保持器64によって適切に保持されており、該バネ保持器64は、噴出口14の下部端34から下方に延びている。好適な実施形態において、バネ保持器64は、噴出口14の下部端34にプレス嵌めされるが、バネ保持器64は、その他任意の適切な手段を用いて取り付けられ得る。バネ保持器64は、基部12の中で下方に延びており、それによりバネ保持器64は、アダプタ10が容器18に接続されたときに、麻酔剤の容器18の口66によって受け取られる。図1Bに最良に見られるように、バネ保持器64は、間隔を空けられた垂下壁65を備えており、該間隔を空けられた垂下壁65は、概ね開いた枠組を形成する。開位置にあるときには、これが、麻酔剤が自由にアダプタ10を通って流れることを可能にする。コイルバネ62は、保持器64の下部とバルブプラグ60の下側との間で、圧縮された位置で保持されている。バネの力が、バルブプラグ60を上方に付勢し、円錐台のバルブ表面61を弁座38に向けて押すことにより、アダプタ10を通って麻酔剤が流れることを遮断する、通常は閉じたバルブの位置を提供する。
【0023】
一般的には、麻酔剤の容器18は、ひねって開けるキャップ(例示されていない)を提供され、該ひねって開けるキャップは、開いた口66を露出させるために取り除かれ、該開いた口66の中へ、バネ保持器64は進む。しかしながら、一部のボトルは、アダプタ10が取り付けられたときには、バネ保持器64によって強制的に壊され得る、口に重なっているホイル密閉または他の壊れやすい膜を含む。あるいは、バネ保持器の下部は、容器の口におけるあらゆる壊れやすい膜の破壊を容易にするために、追加的な切刃または貫通部材などを提供され得る。
【0024】
アダプタバルブアセンブリと噴霧器バルブアセンブリとの順次的な開きを決定するアダプタの要素の配置(orientation and spacing)とは、本発明に従ったアダプタと共に使用するのに適したバルブシステムと入口ポートとを有する麻酔噴霧器の対応する要素を参照して、最良に理解される。
【0025】
例示の目的として、図6は、麻酔噴霧器の入口ポート68と、噴霧器バルブアセンブリ72と、米国特許第5,505,236号に例示されているような他の特徴とを描いているが、本発明に従ったアダプタはまた、他の噴霧器と共に使用され得るということが理解される。特に、図6は、噴霧器70を示しており、該噴霧器70は、入口ポート68を含み、該入口ポート68は、噴霧器の内部サンプにアクセスすることを可能にする、概ね管状の斜めに向けられた通路である。
【0026】
入口ポート68の中に配置されるものは、噴霧器バルブアセンブリ72であり、該噴霧器バルブアセンブリ72は、入口ポート68の中で軸方向に動くことができる。噴霧器バルブアセンブリ72は、下部端を有する中央の接触ピン74を含み、該下部端は、噴霧器バルブ部材76と関連付けられ、かつ、噴霧器バルブ部材76と共に動くことができる。噴霧器バルブ部材76は、バネ78によって、図6に示された閉位置に付勢されることにより、噴霧器弁座80を係合して密閉する。接触ピン74の上部端75に加えられる力が、接触ピン74を入口ポート68の中にさらに押し、それによりバネ78を圧縮し、噴霧器弁座80から図8の開位置に噴霧器バルブ部材76を離す。
【0027】
入口ポート68は、さらに、放射状の棚82として例示された固定表面または部分を含み、該放射状の棚82は、接触ピン74の周りを延びている。放射状の棚82は、細長い部材44と相互作用することにより、本明細書において記述されるように、アダプタ10のアダプタバルブアセンブリ16を開く。
【0028】
最後に、入口ポート68は、1つ以上の溝84を含み得、該溝のうちの1つが、図6に例示されている。入口ポート68の溝84とアダプタ10のスプライン32との相互作用は、本明細書において記述される。
【0029】
使用の際、基部12のスロット26をカラー30のリブ28と位置合わせし、容器18の口66上に基部12を下げ、そして内側のねじ山20と外側のねじ山22とを回転可能に嵌合させることによって、アダプタ10は、液体麻酔剤を含む容器18に取り付けられる。当然、アダプタ10はまた、容器に事前に取り付けられ得る。
【0030】
アダプタ10が、容器18に取り付けられているとき、噴霧器の入口ポート68は、覆いを取られ、噴出口14の好適には単一のスプライン32が、入口ポート68の溝84と位置合わせされる。スプライン32は、噴霧器バルブアセンブリ72またはアダプタバルブアセンブリ16のいずれかが、開位置に動かされる前に、溝84と位置合わせされ、溝84によって受け取られなければならないような充分な長さであり得る。しかしながら、スプライン32が入口ポート68の中への噴出口14の完全な挿入を防止するようには、スプライン32は構成されるべきではない。
【0031】
スプライン32と溝84とが適合する場合には、噴出口14の中に配置されている固定の接触部材40の端表面43が、噴霧器の入口の中に配置されている可動接触ピン74の端75と接触するまで、噴出口14は、入口ポート68の中にさらに挿入され得る。図8に示されているように、アダプタ10がさらに挿入されると、固定の接触部材40の力が、接触ピン74を入口ポート68の中に押し下げ、このことが、バネ78を圧縮し、噴霧器バルブ部材76を噴霧器弁座80から離し、開位置に動かす。図8に見られ得るように、アダプタバルブアセンブリのポペット46の細長い部材44が、噴霧器の入口68内の放射状の棚82と接触する前に、アダプタ10の接触部材40は、噴霧器内で接触ピン74と接触し、噴霧器バルブアセンブリ72を開く。このようにして、アダプタ10の中の接触部材40および細長い部材44の配置(spacing and orientation)が、アダプタバルブと噴霧器バルブとの順次的な開きを提供する。
【0032】
図7は、アダプタバルブアセンブリ16と噴霧器バルブアセンブリと72が閉位置にあるときには、接触部材40の上面43と細長い部材44の端48との間の軸方向の距離d1が、接触ピン74の接触端75と放射状の棚82との間の距離d2より短いということを最良に例示する。この間隔を用いると、アダプタバルブアセンブリ16が開く前に、噴霧器バルブアセンブリ72が開くが、そうでなければ、液体麻酔剤が、閉じられた入口ポート68の中に注ぐことを可能となり、液体麻酔剤があふれるか、または蒸発し得る。
【0033】
さらに詳細には、使用の際、噴霧器内の接触ピン74の端75が、アダプタ接触部材40の表面43に触れるまで、アダプタ10が噴霧器の入口の中に挿入される。この時点においては、細長い部材44の端48は、棚82から間隔を空けられている。アダプタ10の継続的な挿入が、細長い部材44が棚82に接触する前に、アダプタ10の固定の接触部材40が噴霧器の接触ピン74を押し下げ、それにより噴霧器バルブアセンブリ72が開く結果をもたらす。d2がd1よりも大きいので、細長い部材44の端48が棚82に接触する前に、噴霧器バルブアセンブリ72は開かれる。
【0034】
噴霧器バルブ部材76が、噴霧器弁座80から離れるように動かされ、噴霧器バルブアセンブリ72が、図8の開位置に置かれた後、細長い部材44の接触端48が放射状の棚82に接触するまで、噴出口14は入口ポート68の中にさらに挿入される。放射状の棚82は動くことができず、従って、入口ポート68の中への噴出口14のさらなる動きは、細長い部材44を容器18に向けて押しやる。この動きは、アダプタ10内のバネ62を圧縮し、このことが、アダプタプラグ60をアダプタ弁座38から離れるように動かし、図1Dおよび図9の開位置にアダプタバルブアセンブリ16を置く。放射状リッジ82に接触する単一の細長い部材44が、アダプタバルブを開くために必要な力を提供するが、より均一な軸方向の力がアダプタバルブアセンブリ16に伝えられるということを確実にするために、複数の細長い部材44を使用することが好ましいということが理解される。
【0035】
噴霧器バルブアセンブリ72とアダプタバルブアセンブリ16との両方が、図9に示された開位置にあるときには、液体麻酔剤は、アダプタ10を通って噴霧器70の中に自由に流れる。所望される場合には、アダプタ10のコンポーネントのうちの1つ以上が、アダプタバルブアセンブリ16が開かれた後のある時点において、入口ポート68の中への噴出口14のさらなる挿入を防止する終点を画定するように構成され得る。例えば、噴出口14のさらなる挿入を防止するために、スプライン32が上側の棚86に接触するような長さを、スプライン32は有し得る。あるいは、基部12は、噴出口14のさらなる挿入を防止するために、入口ポート68の上部に当たるように設計され得る。
【0036】
麻酔剤の供給量が、噴霧器70に部分的にまたは完全に分配された後、アダプタ10は入口ポート68から取り外される。噴霧器バルブアセンブリ72が閉じられる前に、アダプタバルブアセンブリ16が、図9の開位置から図8の閉位置に動くような、取り外しプロセスは、充填プロセスの反転である。従って、アダプタプラグ60と噴霧器バルブ部材76との間のあらゆる麻酔剤が、噴霧器バルブ部材76を通って噴霧器サンプの中に流れる。
【0037】
入口ポート68からのアダプタ10のさらなる引き抜きは、接触部材40を接触ピン74から脱着させ、噴霧器バルブアセンブリ72は、図7の閉位置となる。最後に、アダプタ10が完全に取り外されることにより、噴霧器70を図6の元々の構成に戻すように置く。
【0038】
記述されてきた本発明の実施形態は、本発明の原理の適用の一部の例示であるということが理解される。本発明の精神および範囲を逸脱することなく、多数の改変が当業者によって行われ得、該多数の改変は、本明細書において個々に開示または主張された特徴の組み合わせを含む。これらの理由で、本発明の範囲は、上の記述に限定されないが、添付の特許請求の範囲で述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1A】図1Aは、本発明の好適な実施形態に従ったアダプタの正面斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのアダプタの分解図である。
【図1C】図1Cは、閉位置における、図1Aのアダプタの横断面図である。
【図1D】図1Dは、開位置における、図1Aのアダプタの横断面図である。
【図2】図2は、図1Aのアダプタと共に使用するのに適した液体麻酔剤の容器の正面斜視図である。
【図3】図3は、図1Bの噴出口の上面図である。
【図4A】図4Aは、図1Bのアダプタバルブアセンブリの上面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのアダプタバルブアセンブリの正面斜視図である。
【図5】図5は、図3の噴出口の中に組み立てられた、図4Aのアダプタバルブアセンブリの上面図である。
【図6】図6は、本発明に従ったアダプタと共に使用するのに適した麻酔噴霧器の入口ポートの横断面図である。
【図7】図7は、図6の麻酔噴霧器の入口ポートの横断面図であり、噴霧器バルブアセンブリが閉位置にあり、本発明に従ったアダプタが、入口ポートの中に部分的に挿入されている。
【図8】図8は、図7の入口ポートとアダプタとの横断面図であり、噴霧器バルブアセンブリが開位置にあり、アダプタは、入口ポートにさらに挿入されている。
【図9】図9は、図8の入口ポートとアダプタとの横断面図であり、噴霧器バルブアセンブリが開位置にあり、アダプタは、入口ポートにまたさらに挿入されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、麻酔剤の容器と麻酔噴霧器との間の選択的な流体連通を可能にする装置に関する。さらに詳細には、本発明は、容器を麻酔噴霧器の入口ポートに接続するために、麻酔剤の容器上に据え付け可能なアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
外科処置の間、多くの場合に、患者に麻酔をかけることが必要となる。麻酔を送達する1つの方法は、患者によって吸入される気体の形式である。患者および医療従事者の安全のために、麻酔剤は、一般的には、適切な容器内で液体の形式で輸送される。公知の液体麻酔は、ハロセン、イソフルラン、およびセボフルランを含む。液体麻酔は、最終的に、麻酔噴霧器の中に分配され、該麻酔噴霧器は、患者が吸入可能であるキャリアガス、例えば、酸素または亜酸化窒素と液体麻酔を混合する。
【0003】
液体麻酔は、比較的に揮発性があり、室温で蒸発し得る。麻酔剤が使用され得る前に、麻酔剤は、第1の閉環境、例えば、容器またはボトルから、第2の閉環境、例えば、噴霧器に移送されなければならない。麻酔を移送するためには、噴霧器の入口ポートにバルブシステムを提供することが周知であり、該バルブシステムは、液体麻酔剤が噴霧器の内部サンプに注がれることを可能にするように選択的に開くことができる。セボフルランのためのかかるバルブシステムが、特許文献1(Braatzら)と、特許文献2(Grabenkortら)とに記述されており、該特許文献は、本明細書において参考として援用される。Grabenkortらの特許文献2において記述されたシステムは、Abbott LaboratoriesのQuik−FilTMと商業的には呼ばれていることが理解され、同様なシステムが、多数の噴霧器、例えば、Datex−Ohmeda,Inc.からのSevotec 5TM噴霧器に見出され得る。
【0004】
上記の特許は、麻酔剤の容器が、麻酔剤の容器の中に含まれている液体麻酔の選択的な分配を可能にするために、噴霧器バルブシステムと嵌合するように構成されたバルブシステムを有する一体または別個のアダプタが提供される配置を記述する。容器から噴霧器に麻酔剤を移送するために、アダプタは、噴霧器の入口ポートに挿入される。アダプタにおける付勢バネと噴霧器における対抗する付勢バネの結果として、アダプタの挿入が、噴霧器の入口ポートと関連付けられるバルブと、アダプタと関連付けられるバルブとの順次的な開きをもたらし、液体麻酔剤が容器からアダプタを通って噴霧器サンプに流れることを可能にする。その後、アダプタと容器とは、噴霧器の入口ポートから取り外され、アダプタバルブシステムと噴霧器バルブシステムとは、付勢バネによって別個に自動的に閉じられる。
【0005】
Braatzらの充填システムとGrabenkortらの充填システムとに伴う1つの潜在的な欠点は、充填システムが、アダプタに先立つ噴霧器の好適な順次的な開きをもたらすために、アダプタと噴霧器バルブシステムとにおける強度の異なる対抗する付勢バネの適切な選択と品質管理とに依存するということである。当然、製造時の品質管理が不足して、または他の理由のために、バネが適切な強度ではない場合には、このシステムは適切に働かない。従って、代替の充填システムを提供する試みが行われてきた。代替の充填システムの一例が、特許文献3(Falligantら)に記述されており、該特許文献3は、本明細書において参考として援用される。Falligantの充填システムの変化形が、特許文献4および特許文献5に記述されており、該特許文献4および該特許文献5の両方が、本明細書において参考として援用される。これらのシステムは、概して、噴霧器の入口の開口部において固定の中央ロッドまたはフィンガを利用することにより、アダプタ内のバルブヘッドと直接的に接触し、アダプタが噴霧器の入口の開口部に挿入されたときに、バルブヘッドを開かせる。
【0006】
上記の充填システムは、付勢バネを適切に選択または較正する必要性を排除するが、上記の充填システムに伴う1つの欠点は、上記の充填システムが異なる噴霧器バルブシステムを必要とすることであり、該異なる噴霧器バルブシステムは、従来の対抗するバネシステムと適合性がないことがあり得、そして、市場において、および麻酔医または技術者の間において混乱をもたらし得る。
【0007】
以下でさらに詳細に述べられるように、本発明は、上記の欠点のうちの1つ以上を被らない改良型アダプタを提供する。
【特許文献1】米国特許第5,381,836号明細書
【特許文献2】米国特許第5,505,236号明細書
【特許文献3】米国特許第6,585,016号明細書
【特許文献4】米国特許第6,817,390号明細書
【特許文献5】米国特許第6,929,041号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、麻酔剤の容器上に据え付け可能なアダプタを提供する。アダプタは、可動噴霧器バルブアセンブリと固定部分とを有する噴霧器の入口ポートによって受け取られるように構成された噴出口を含む。噴出口は、固定の接触部材と可動アダプタバルブアセンブリとを含む。噴出口が噴霧器の入口ポートに挿入されたときに、この接触部材は、可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすように構成されている。噴出口が噴霧器の入口ポートに挿入されたときに、可動アダプタバルブアセンブリは、噴霧器の入口ポートの固定部分との接触によって開かれる。本発明のこの局面に従ったアダプタは、対抗するバネと、関連する欠点とを排除するということが理解される。
【0009】
本発明はまた、麻酔剤の容器から麻酔剤の噴霧器に麻酔剤を移送する方法を提供する。アダプタが、麻酔剤の容器上に提供され、該アダプタは、噴出口と、可動アダプタバルブアセンブリと、実質的に固定の接触部材とを含む。固定の接触部材が可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすまで、噴出口は、噴霧器の入口ポートに挿入される。次に、噴霧器の入口ポートの固定部分がアダプタバルブアセンブリに接触して動かすまで、噴出口はさらに挿入され、このことが、麻酔剤が、容器から噴霧器の中に流れることを可能にする。本発明のこの局面に従った方法は、噴霧器およびアダプタにおける対抗するバネを必要とすることなく、アダプタバルブに先立つ噴霧器バルブの順次的な開きを可能にするということが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、好適な実施形態の添付の図面に例示されているように記述されているが、開示された実施形態は、様々な形式で具体化される本発明の単なる例示であるということを理解されたい。従って、本明細書において開示された特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、事実上あらゆる適切な方法で本発明を様々に利用するに、当業者を教示するための代表的な基本原理として解釈されるべきである。
【0011】
図1A〜図1Dは、本発明に従ったアダプタを示す。アダプタは、図1A〜図1Dにおいては、概略的に、要素10として識別される。例示されたアダプタ10は、基部12と、噴出口14と、可動アダプタバルブアセンブリ16とを含む。別個の部分として例示されているが、所望される場合には、これらのうちのいくつかが、単一の部分として組み合わせられ得るか、または成形され得る。基部12は、アダプタ10の下側端に配置されており、図2に例示されている液体麻酔剤の容器またはボトル18に取り付けられるように構成されている。アダプタ10の要素と、要素の相対位置とを記述するために本明細書において使用される場合、用語「下側」、「下」、「下部」、「下方」、「上側」、「上」、「上部」、「上方」およびそれらの変化形は、図1A〜図1Dに例示されているような方向を記述することを意図している。
【0012】
基部12は、好適には、硬質のプラスチックで成形され、内側のねじ山20を含み、該内側のねじ山20は、容器への取り付けのための他の手段も、本発明を逸脱することなく使用され得るが、容器18の首部分24の外側のねじ山22と嵌合するように構成されている。また、基部とアダプタとが容器から取り外し可能であるということを必要ではなく、本発明を利用する上でも、基部とアダプタとは永久的に取り付けられ得る。
【0013】
好適には、基部12はまた、一対のスロット26を含み、スロット26の両方が図1Aに例示されており、該スロット26は、カラー30の一対のリブ28に嵌まるように構成されており、該カラー30は、容器18の首24において回転することができる。スロットおよびリブの目的および動作は、当業者には周知であるように、アダプタへの不適切な麻酔剤の容器の取り付けを防止することである。基部12の上部は、中央アパーチャを有し、該中央アパーチャを通って、噴出口14が挿入される。
【0014】
噴出口14は、概ね管状の部材であり、基部12から上方に延びている。噴出口14もまた、好適には、硬質のプラスチックで成形され、本明細書において記述されるように、噴霧器の入口ポートと相互作用するために、外面33に少なくとも1つのスプライン32を含む。噴出口14の下部端34は、基部12の中にプレス嵌めされ得るか、もしくは基部12に他の適切な手段を用いて取り付けられ得るか、または基部12の一体の部分であり得る。好適な実施形態において、プレス嵌めは、噴出口が基部に対して回転することを可能にする。噴出口14の上部端またはリップ36は、下部端34から上に選択された距離で位置を定められており、該選択された距離は、以下でさらに詳細に記述されるように、噴霧器の入口への挿入と、噴霧器の入口との相互作用とのために充分なものである。
【0015】
以下でさらに詳細に考察されるバルブプラグとの協働のために、噴出口14は、下部端34に隣接した弁座38を形成する内側環状肩部を含む。内側環状肩部は、図1Cおよび図1Dに最良に示されているように、先細りの表面またはコーナーエッジのような様々な形式を取り得、該内側環状肩部は、バルブプラグによって係合されたときには、液体密閉を形成する。
【0016】
アダプタ10はまた、接触部材40を含む。接触部材40は、好適には、上部端36と下部端34との中間の位置において、噴出口14の内部部分に取り付けられる。接触部材40は、別個の部分であり得るか、または、さらに好適には、接触部材40は、噴出口14と一体で成形され得るか、もしくは噴出口14の中に形成され得る。図3は、一対の直径が交差している十字部材またはビーム41で形成されているような接触部材40を例示しており、該十字部材またはビーム41は、十字または「X」を画定し、噴出口の内部を4つの同一の開口部または四半分42に分割する。接触部材40が噴出口14に対して実質的に固定されていれば、接触部材40の正確な構成は変更し得る。接触部材40の少なくとも一部分は、好適には、噴霧器の入口において中央に配置されたバルブ部材に接触するために、噴出口14の内部部分の中央にあるか、または配置される。本明細書において使用される場合、用語「中央」とその変化形とは、噴霧器の要素に対する管状の噴霧器の入口ポートの中央軸を指し、一方では、アダプタ10の要素に対する管状の噴出口14の中央軸を指しており、このことは、本明細書においてさらに詳細に記述される。
【0017】
噴出口14は、好適には、図1A〜図1Dに示されているように、基部12から上方に延びている、基部12の上部における中央オリフィスまたは開口部へのスナップ嵌めによって組み立てられる。あるいは、先に示したように、噴出口14と基部12とは、ワンピース構成であり得る。
【0018】
アダプタバルブアセンブリ16は、アダプタ10を通って流体が流れるようにアダプタ10を開閉するために、噴出口14と基部12との中に可動に配置されている。図1B〜図1Dおよび図4Bに最良に示されているように、例示されているようなアダプタバルブアセンブリ16は、ポペット46とバルブプラグ60とを含む。ポペット46は、好適には、硬質のプラスチック材料で成形され、かつ、下側ステム部分56と、上側の概ね円筒形の中空または管状の部分57を含む。上側円筒形部分57は、噴出口14の中での滑動可能な配置のためのサイズにされている。円筒形部分57は、好適には、噴出口14の中に配置された接触部材40の十字部材またはビーム41を受け取るために、かつ、噴出口14の中でのポペット46の軸方向の動きを可能にするために、90°離れて配置された、軸方向に延びているスロット54を有する。
【0019】
スロット54の結果として、上側円筒形部分57の壁が、弧の部分を形成する4つの細長い部材44に分割され、弧の部分のそれぞれが、90°をわずかに下回る弧の大きさを有する。ポペット46が噴出口14の中に挿入されたときには、各細長い部材44は、噴出口14の中に配置されている交差ビーム41によって形成される四半分42のうちの1つを通って延びる。ポペット46の上側円筒形部分57の長さは、アダプタバルブアセンブリ16が閉位置にあるときには、各細長い部材44の上側端48が、選択された距離だけ噴出口14の固定端36を越えて延びるようなサイズにされる。後にさらに詳細に記述されているように、細長い部材44の上側端48が、噴霧器の入口における固定表面に向けて押されるときには、ポペット46が、噴出口14の中で下方に押しやられ、アダプタ10を通って流体が流れるようにアダプタ10を開く。ポペットの細長い部材44が噴出口14を越えて延びる距離は、必要に応じて選択され得るが、好適には、約3〜4ミリメートルである。
【0020】
ポペット46の上側円筒形部分57とステム56との間の接合部は、おそらくは、図1C、図1D、および図4Aを参照することによって最良に理解される。特に、例示された実施形態において、ステムの上側端と円筒形部分の下側端とは、90°離れて間隔を空けられた、4つの放射状に延びる支持50で終端する。支持の間の領域が、開いていることにより、円筒形部分57の内側を通ってポペット46を通過して流体が流れることを可能にする。図3と図4Aとを比較することによって理解され得るように、ポペット支持50の構成は、噴出口14のビームまたは十字部材41の構成と実質的に同一である。支持50と十字部材41との間の開いた四半分42が、さほどの妨害または抵抗がなく、アダプタ10を通って流体が流れることを可能にする。この構成が好ましいものであり得るが、ステム56と円筒形部分57との接合部は、アダプタ10を通って流体が流れることを可能にするその他任意の形状であり得る。
【0021】
ポペットステムの下部において、アダプタバルブアセンブリ16は、バルブプラグ60を含む。バルブプラグ60は、好適には、ゴム、ネオプレンのような弾性のある材料か、または特定の麻酔剤との接触に適しており、かつ、弁座38と接触したときに信頼可能な密閉を形成することに適した他の材料で作られる。バルブプラグ60は、好適には、ポペットステム56を受け取るための円筒形キャビティ58と、円錐台のバルブ表面61とを有し、該円錐台のバルブ表面61は、図1Cに最良にみられ得るように、弁座38を係合するために直線状の表面を形成する。バルブ表面の形状は、所望に応じて変更され得るが、例示されたバブルプラグ60の直線状の湾曲していないシーリング面が、閉位置において、アダプタ10を通って流体が流れることを遮断するために、弁座38を係合するためには好適となり得る。
【0022】
バルブプラグ60は、好適には、図1Bに示されたように閉位置に付勢される。例示された実施形態において、バルブプラグ60は、コイルバネ62によって付勢され、該コイルバネ62は、バネ保持器64によって適切に保持されており、該バネ保持器64は、噴出口14の下部端34から下方に延びている。好適な実施形態において、バネ保持器64は、噴出口14の下部端34にプレス嵌めされるが、バネ保持器64は、その他任意の適切な手段を用いて取り付けられ得る。バネ保持器64は、基部12の中で下方に延びており、それによりバネ保持器64は、アダプタ10が容器18に接続されたときに、麻酔剤の容器18の口66によって受け取られる。図1Bに最良に見られるように、バネ保持器64は、間隔を空けられた垂下壁65を備えており、該間隔を空けられた垂下壁65は、概ね開いた枠組を形成する。開位置にあるときには、これが、麻酔剤が自由にアダプタ10を通って流れることを可能にする。コイルバネ62は、保持器64の下部とバルブプラグ60の下側との間で、圧縮された位置で保持されている。バネの力が、バルブプラグ60を上方に付勢し、円錐台のバルブ表面61を弁座38に向けて押すことにより、アダプタ10を通って麻酔剤が流れることを遮断する、通常は閉じたバルブの位置を提供する。
【0023】
一般的には、麻酔剤の容器18は、ひねって開けるキャップ(例示されていない)を提供され、該ひねって開けるキャップは、開いた口66を露出させるために取り除かれ、該開いた口66の中へ、バネ保持器64は進む。しかしながら、一部のボトルは、アダプタ10が取り付けられたときには、バネ保持器64によって強制的に壊され得る、口に重なっているホイル密閉または他の壊れやすい膜を含む。あるいは、バネ保持器の下部は、容器の口におけるあらゆる壊れやすい膜の破壊を容易にするために、追加的な切刃または貫通部材などを提供され得る。
【0024】
アダプタバルブアセンブリと噴霧器バルブアセンブリとの順次的な開きを決定するアダプタの要素の配置(orientation and spacing)とは、本発明に従ったアダプタと共に使用するのに適したバルブシステムと入口ポートとを有する麻酔噴霧器の対応する要素を参照して、最良に理解される。
【0025】
例示の目的として、図6は、麻酔噴霧器の入口ポート68と、噴霧器バルブアセンブリ72と、米国特許第5,505,236号に例示されているような他の特徴とを描いているが、本発明に従ったアダプタはまた、他の噴霧器と共に使用され得るということが理解される。特に、図6は、噴霧器70を示しており、該噴霧器70は、入口ポート68を含み、該入口ポート68は、噴霧器の内部サンプにアクセスすることを可能にする、概ね管状の斜めに向けられた通路である。
【0026】
入口ポート68の中に配置されるものは、噴霧器バルブアセンブリ72であり、該噴霧器バルブアセンブリ72は、入口ポート68の中で軸方向に動くことができる。噴霧器バルブアセンブリ72は、下部端を有する中央の接触ピン74を含み、該下部端は、噴霧器バルブ部材76と関連付けられ、かつ、噴霧器バルブ部材76と共に動くことができる。噴霧器バルブ部材76は、バネ78によって、図6に示された閉位置に付勢されることにより、噴霧器弁座80を係合して密閉する。接触ピン74の上部端75に加えられる力が、接触ピン74を入口ポート68の中にさらに押し、それによりバネ78を圧縮し、噴霧器弁座80から図8の開位置に噴霧器バルブ部材76を離す。
【0027】
入口ポート68は、さらに、放射状の棚82として例示された固定表面または部分を含み、該放射状の棚82は、接触ピン74の周りを延びている。放射状の棚82は、細長い部材44と相互作用することにより、本明細書において記述されるように、アダプタ10のアダプタバルブアセンブリ16を開く。
【0028】
最後に、入口ポート68は、1つ以上の溝84を含み得、該溝のうちの1つが、図6に例示されている。入口ポート68の溝84とアダプタ10のスプライン32との相互作用は、本明細書において記述される。
【0029】
使用の際、基部12のスロット26をカラー30のリブ28と位置合わせし、容器18の口66上に基部12を下げ、そして内側のねじ山20と外側のねじ山22とを回転可能に嵌合させることによって、アダプタ10は、液体麻酔剤を含む容器18に取り付けられる。当然、アダプタ10はまた、容器に事前に取り付けられ得る。
【0030】
アダプタ10が、容器18に取り付けられているとき、噴霧器の入口ポート68は、覆いを取られ、噴出口14の好適には単一のスプライン32が、入口ポート68の溝84と位置合わせされる。スプライン32は、噴霧器バルブアセンブリ72またはアダプタバルブアセンブリ16のいずれかが、開位置に動かされる前に、溝84と位置合わせされ、溝84によって受け取られなければならないような充分な長さであり得る。しかしながら、スプライン32が入口ポート68の中への噴出口14の完全な挿入を防止するようには、スプライン32は構成されるべきではない。
【0031】
スプライン32と溝84とが適合する場合には、噴出口14の中に配置されている固定の接触部材40の端表面43が、噴霧器の入口の中に配置されている可動接触ピン74の端75と接触するまで、噴出口14は、入口ポート68の中にさらに挿入され得る。図8に示されているように、アダプタ10がさらに挿入されると、固定の接触部材40の力が、接触ピン74を入口ポート68の中に押し下げ、このことが、バネ78を圧縮し、噴霧器バルブ部材76を噴霧器弁座80から離し、開位置に動かす。図8に見られ得るように、アダプタバルブアセンブリのポペット46の細長い部材44が、噴霧器の入口68内の放射状の棚82と接触する前に、アダプタ10の接触部材40は、噴霧器内で接触ピン74と接触し、噴霧器バルブアセンブリ72を開く。このようにして、アダプタ10の中の接触部材40および細長い部材44の配置(spacing and orientation)が、アダプタバルブと噴霧器バルブとの順次的な開きを提供する。
【0032】
図7は、アダプタバルブアセンブリ16と噴霧器バルブアセンブリと72が閉位置にあるときには、接触部材40の上面43と細長い部材44の端48との間の軸方向の距離d1が、接触ピン74の接触端75と放射状の棚82との間の距離d2より短いということを最良に例示する。この間隔を用いると、アダプタバルブアセンブリ16が開く前に、噴霧器バルブアセンブリ72が開くが、そうでなければ、液体麻酔剤が、閉じられた入口ポート68の中に注ぐことを可能となり、液体麻酔剤があふれるか、または蒸発し得る。
【0033】
さらに詳細には、使用の際、噴霧器内の接触ピン74の端75が、アダプタ接触部材40の表面43に触れるまで、アダプタ10が噴霧器の入口の中に挿入される。この時点においては、細長い部材44の端48は、棚82から間隔を空けられている。アダプタ10の継続的な挿入が、細長い部材44が棚82に接触する前に、アダプタ10の固定の接触部材40が噴霧器の接触ピン74を押し下げ、それにより噴霧器バルブアセンブリ72が開く結果をもたらす。d2がd1よりも大きいので、細長い部材44の端48が棚82に接触する前に、噴霧器バルブアセンブリ72は開かれる。
【0034】
噴霧器バルブ部材76が、噴霧器弁座80から離れるように動かされ、噴霧器バルブアセンブリ72が、図8の開位置に置かれた後、細長い部材44の接触端48が放射状の棚82に接触するまで、噴出口14は入口ポート68の中にさらに挿入される。放射状の棚82は動くことができず、従って、入口ポート68の中への噴出口14のさらなる動きは、細長い部材44を容器18に向けて押しやる。この動きは、アダプタ10内のバネ62を圧縮し、このことが、アダプタプラグ60をアダプタ弁座38から離れるように動かし、図1Dおよび図9の開位置にアダプタバルブアセンブリ16を置く。放射状リッジ82に接触する単一の細長い部材44が、アダプタバルブを開くために必要な力を提供するが、より均一な軸方向の力がアダプタバルブアセンブリ16に伝えられるということを確実にするために、複数の細長い部材44を使用することが好ましいということが理解される。
【0035】
噴霧器バルブアセンブリ72とアダプタバルブアセンブリ16との両方が、図9に示された開位置にあるときには、液体麻酔剤は、アダプタ10を通って噴霧器70の中に自由に流れる。所望される場合には、アダプタ10のコンポーネントのうちの1つ以上が、アダプタバルブアセンブリ16が開かれた後のある時点において、入口ポート68の中への噴出口14のさらなる挿入を防止する終点を画定するように構成され得る。例えば、噴出口14のさらなる挿入を防止するために、スプライン32が上側の棚86に接触するような長さを、スプライン32は有し得る。あるいは、基部12は、噴出口14のさらなる挿入を防止するために、入口ポート68の上部に当たるように設計され得る。
【0036】
麻酔剤の供給量が、噴霧器70に部分的にまたは完全に分配された後、アダプタ10は入口ポート68から取り外される。噴霧器バルブアセンブリ72が閉じられる前に、アダプタバルブアセンブリ16が、図9の開位置から図8の閉位置に動くような、取り外しプロセスは、充填プロセスの反転である。従って、アダプタプラグ60と噴霧器バルブ部材76との間のあらゆる麻酔剤が、噴霧器バルブ部材76を通って噴霧器サンプの中に流れる。
【0037】
入口ポート68からのアダプタ10のさらなる引き抜きは、接触部材40を接触ピン74から脱着させ、噴霧器バルブアセンブリ72は、図7の閉位置となる。最後に、アダプタ10が完全に取り外されることにより、噴霧器70を図6の元々の構成に戻すように置く。
【0038】
記述されてきた本発明の実施形態は、本発明の原理の適用の一部の例示であるということが理解される。本発明の精神および範囲を逸脱することなく、多数の改変が当業者によって行われ得、該多数の改変は、本明細書において個々に開示または主張された特徴の組み合わせを含む。これらの理由で、本発明の範囲は、上の記述に限定されないが、添付の特許請求の範囲で述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1A】図1Aは、本発明の好適な実施形態に従ったアダプタの正面斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのアダプタの分解図である。
【図1C】図1Cは、閉位置における、図1Aのアダプタの横断面図である。
【図1D】図1Dは、開位置における、図1Aのアダプタの横断面図である。
【図2】図2は、図1Aのアダプタと共に使用するのに適した液体麻酔剤の容器の正面斜視図である。
【図3】図3は、図1Bの噴出口の上面図である。
【図4A】図4Aは、図1Bのアダプタバルブアセンブリの上面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのアダプタバルブアセンブリの正面斜視図である。
【図5】図5は、図3の噴出口の中に組み立てられた、図4Aのアダプタバルブアセンブリの上面図である。
【図6】図6は、本発明に従ったアダプタと共に使用するのに適した麻酔噴霧器の入口ポートの横断面図である。
【図7】図7は、図6の麻酔噴霧器の入口ポートの横断面図であり、噴霧器バルブアセンブリが閉位置にあり、本発明に従ったアダプタが、入口ポートの中に部分的に挿入されている。
【図8】図8は、図7の入口ポートとアダプタとの横断面図であり、噴霧器バルブアセンブリが開位置にあり、アダプタは、入口ポートにさらに挿入されている。
【図9】図9は、図8の入口ポートとアダプタとの横断面図であり、噴霧器バルブアセンブリが開位置にあり、アダプタは、入口ポートにまたさらに挿入されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
麻酔剤の容器に据え付け可能であり、かつ、麻酔噴霧器の入口ポートによって受け取られるように構成されたアダプタであって、該噴霧器は、開位置と閉位置との間で動くことができる可動噴霧器バルブアセンブリを含み、該アダプタは、
基部と、
該基部から上方に延びている概ね管状の噴出口と、
可動アダプタバルブアセンブリと、
噴霧器バルブアセンブリ接触部材であって、該噴霧器バルブアセンブリ接触部材は、該噴出口に対して固定しており、かつ、該アダプタが噴霧器の入口ポートに挿入されたときには、該可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすように位置を定められ、該噴出口が該入口ポートに挿入されたときには、該アダプタバルブアセンブリが、該入口ポートの固定部分との接触によって動かされる、噴霧器バルブアセンブリの接触部材と
を備えている、アダプタ。
【請求項2】
前記噴出口が前記入口ポートに挿入されたときには、該入口ポートの前記固定部分が前記アダプタバルブアセンブリに接触する前に、前記接触部材は、前記噴霧器バルブアセンブリに接触する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記噴霧器バルブアセンブリが閉じられているときの、該噴霧器バルブアセンブリの接触端と前記入口ポートの前記固定部分との間の軸方向の距離は、前記アダプタバルブアセンブリが閉位置にあるときの、該アダプタバルブアセンブリの接触端と前記接触部材の接触端との間の軸方向の距離よりも大きい、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記入口ポートは溝を含み、前記アダプタはスプラインを含み、前記噴霧器バルブアセンブリが前記接触部材によって接触される前に、該溝は該スプラインを受け取らなければならない、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記接触部材は、前記噴出口に取り付けられている、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記接触部材は、複数の交差ビームから構成される、請求項5に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記ビームのそれぞれは、前記噴出口の直径である、請求項6に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記接触部材は、前記噴出口の概ね中央に位置を定められている接触端を含む、請求項5に記載のアダプタ。
【請求項9】
前記接触部材は、前記噴出口の内側の少なくとも一部分を複数の開口部に分割する、請求項5に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記アダプタバルブアセンブリは、前記噴出口が前記入口ポートに挿入されたときには、該入口ポートの前記固定部分に接触するように構成された複数の細長い部材を含み、各部材は、前記開口部を通って延びている、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記各開口部は、前記噴出口の中に四半分を画定する、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項12】
麻酔剤の容器に据え付け可能であり、かつ、可動噴霧器バルブアセンブリを含む麻酔噴霧器の入口ポートによって受け取られるように構成されたアダプタであって、該アダプタは、
麻酔剤の容器と係合可能な基部と、
概ね管状の噴出口であって、該概ね管状の噴出口は、該基部から上方に延び、かつ、該噴出口の内側部分に固定し取り付けられ、該噴出口の中央の中に延びている接触部材と、該接触部材の接触端より上に位置を定められている該噴出口の上端と、該接触部材より下に位置を定められているアダプタ弁座とを含む、概ね管状の噴出口と、
可動アダプタバルブアセンブリであって、該可動アダプタバルブアセンブリは、該噴出口の該内側部分において受け取られ、かつ、該アダプタ弁座に向けて付勢されるプラグと、該プラグに動作可能に接続され、該プラグが該アダプタ弁座に向けて付勢されたときには、該噴出口の該上端の上に延びている細長い部材とを含む、可動アダプタバルブアセンブリと
を備え、
該アダプタが該噴霧器の入口ポートに挿入されたときには、該接触部材は、該可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすように位置を定められており、該噴出口が該入口ポートに挿入されたときには、該プラグは、該細長い部材の接触端と該入口ポートの固定部分との間の接触によって、該アダプタ弁座から離れるように動かされる、アダプタ。
【請求項13】
前記噴出口の外面に取り付けられたスプラインをさらに備えている、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記噴出口が前記入口ポートに挿入されたときには、該入口ポートの前記固定部分が前記細長い部材の前記接触端に接触する前に、前記接触部材の該接触端が前記噴霧器バルブアセンブリに接触するように、前記アダプタは寸法を決められる、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記プラグは、バネによって前記アダプタ弁座に向けて付勢される、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記接触部材は、複数の交差ビームから構成される、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項17】
前記ビームのそれぞれは、前記噴出口の直径である、請求項16に記載のアダプタ。
【請求項18】
前記接触部材は、噴出口の概ね中央に位置を定められた接触端を含む、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項19】
麻酔剤の容器から麻酔噴霧器に麻酔剤を移送する方法であって、該方法は、
該麻酔剤容器上にアダプタを提供することであって、該アダプタは、基部と、該基部から上方に延びている概ね管状の噴出口と、可動アダプタバルブアセンブリと、実質的に固定の接触部材とを含む、ことと、
該固定の接触部材が、該麻酔噴霧器の可動噴霧器バルブアセンブリに接触し、該可動噴霧器バルブアセンブリを動かすまで、該麻酔噴霧器の入口ポートに該噴出口を挿入することと、
該入口ポートの固定部分が該アダプタバルブアセンブリに接触し、該アダプタバルブアセンブリを動かし、麻酔剤が、該麻酔剤容器から該麻酔噴霧器に麻酔剤が流れることを可能にするまで、該入口ポートの中に該噴霧器をさらに挿入することと
を包含する、方法。
【請求項20】
前記噴出口は、スプラインを含み、前記挿入することは、前記入口ポートと関連付けられた溝と該スプラインを位置を合わせることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
麻酔剤の容器に据え付け可能であり、かつ、麻酔噴霧器の入口ポートによって受け取られるように構成されたアダプタであって、該噴霧器は、開位置と閉位置との間で動くことができる可動噴霧器バルブアセンブリを含み、該アダプタは、
基部と、
該基部から上方に延びている概ね管状の噴出口と、
可動アダプタバルブアセンブリと、
噴霧器バルブアセンブリ接触部材であって、該噴霧器バルブアセンブリ接触部材は、該噴出口に対して固定しており、かつ、該アダプタが噴霧器の入口ポートに挿入されたときには、該可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすように位置を定められ、該噴出口が該入口ポートに挿入されたときには、該アダプタバルブアセンブリが、該入口ポートの固定部分との接触によって動かされる、噴霧器バルブアセンブリの接触部材と
を備えている、アダプタ。
【請求項2】
前記噴出口が前記入口ポートに挿入されたときには、該入口ポートの前記固定部分が前記アダプタバルブアセンブリに接触する前に、前記接触部材は、前記噴霧器バルブアセンブリに接触する、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記噴霧器バルブアセンブリが閉じられているときの、該噴霧器バルブアセンブリの接触端と前記入口ポートの前記固定部分との間の軸方向の距離は、前記アダプタバルブアセンブリが閉位置にあるときの、該アダプタバルブアセンブリの接触端と前記接触部材の接触端との間の軸方向の距離よりも大きい、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記入口ポートは溝を含み、前記アダプタはスプラインを含み、前記噴霧器バルブアセンブリが前記接触部材によって接触される前に、該溝は該スプラインを受け取らなければならない、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記接触部材は、前記噴出口に取り付けられている、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記接触部材は、複数の交差ビームから構成される、請求項5に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記ビームのそれぞれは、前記噴出口の直径である、請求項6に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記接触部材は、前記噴出口の概ね中央に位置を定められている接触端を含む、請求項5に記載のアダプタ。
【請求項9】
前記接触部材は、前記噴出口の内側の少なくとも一部分を複数の開口部に分割する、請求項5に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記アダプタバルブアセンブリは、前記噴出口が前記入口ポートに挿入されたときには、該入口ポートの前記固定部分に接触するように構成された複数の細長い部材を含み、各部材は、前記開口部を通って延びている、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項11】
前記各開口部は、前記噴出口の中に四半分を画定する、請求項9に記載のアダプタ。
【請求項12】
麻酔剤の容器に据え付け可能であり、かつ、可動噴霧器バルブアセンブリを含む麻酔噴霧器の入口ポートによって受け取られるように構成されたアダプタであって、該アダプタは、
麻酔剤の容器と係合可能な基部と、
概ね管状の噴出口であって、該概ね管状の噴出口は、該基部から上方に延び、かつ、該噴出口の内側部分に固定し取り付けられ、該噴出口の中央の中に延びている接触部材と、該接触部材の接触端より上に位置を定められている該噴出口の上端と、該接触部材より下に位置を定められているアダプタ弁座とを含む、概ね管状の噴出口と、
可動アダプタバルブアセンブリであって、該可動アダプタバルブアセンブリは、該噴出口の該内側部分において受け取られ、かつ、該アダプタ弁座に向けて付勢されるプラグと、該プラグに動作可能に接続され、該プラグが該アダプタ弁座に向けて付勢されたときには、該噴出口の該上端の上に延びている細長い部材とを含む、可動アダプタバルブアセンブリと
を備え、
該アダプタが該噴霧器の入口ポートに挿入されたときには、該接触部材は、該可動噴霧器バルブアセンブリに接触して動かすように位置を定められており、該噴出口が該入口ポートに挿入されたときには、該プラグは、該細長い部材の接触端と該入口ポートの固定部分との間の接触によって、該アダプタ弁座から離れるように動かされる、アダプタ。
【請求項13】
前記噴出口の外面に取り付けられたスプラインをさらに備えている、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記噴出口が前記入口ポートに挿入されたときには、該入口ポートの前記固定部分が前記細長い部材の前記接触端に接触する前に、前記接触部材の該接触端が前記噴霧器バルブアセンブリに接触するように、前記アダプタは寸法を決められる、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項15】
前記プラグは、バネによって前記アダプタ弁座に向けて付勢される、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項16】
前記接触部材は、複数の交差ビームから構成される、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項17】
前記ビームのそれぞれは、前記噴出口の直径である、請求項16に記載のアダプタ。
【請求項18】
前記接触部材は、噴出口の概ね中央に位置を定められた接触端を含む、請求項12に記載のアダプタ。
【請求項19】
麻酔剤の容器から麻酔噴霧器に麻酔剤を移送する方法であって、該方法は、
該麻酔剤容器上にアダプタを提供することであって、該アダプタは、基部と、該基部から上方に延びている概ね管状の噴出口と、可動アダプタバルブアセンブリと、実質的に固定の接触部材とを含む、ことと、
該固定の接触部材が、該麻酔噴霧器の可動噴霧器バルブアセンブリに接触し、該可動噴霧器バルブアセンブリを動かすまで、該麻酔噴霧器の入口ポートに該噴出口を挿入することと、
該入口ポートの固定部分が該アダプタバルブアセンブリに接触し、該アダプタバルブアセンブリを動かし、麻酔剤が、該麻酔剤容器から該麻酔噴霧器に麻酔剤が流れることを可能にするまで、該入口ポートの中に該噴霧器をさらに挿入することと
を包含する、方法。
【請求項20】
前記噴出口は、スプラインを含み、前記挿入することは、前記入口ポートと関連付けられた溝と該スプラインを位置を合わせることを含む、請求項19に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2009−528088(P2009−528088A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556561(P2008−556561)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/062728
【国際公開番号】WO2007/101109
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/062728
【国際公開番号】WO2007/101109
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
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