説明

鼾防止装置

【課題】製造コストを大幅に低減することができるとともに装着快適性を向上することができる鼾防止装置を提供する。
【解決手段】口腔内部における上下顎の歯が噛み合うようにした、上歯カバー31、下歯カバー32及び接続部材33を有する鼾防止装置3において、前記上歯カバーと下歯カバーは、隔壁312、322、311、321及び噛み合い部313、323を有し、上下顎の歯の位置決めを行い、歯に力が均一に加わるようにし、下顎を前へ突き出させ、喉の軟組織(咽頭)の部分が気道へ沈降することによる気道の縮小を防止し、気道内における空気抵抗が大きくならないようにし、気道の粘膜又は分泌物が振動することによって音が生じることを低減し、これによって鼾を効果的に防止することができる。この鼾防止装置は、弾性材料で一体に成形されているため、前記上歯カバーと下歯カバーの接続工程を省略することができ、噛み合わされた後に弾性変形が可能となるため、ユーザの歯形に応じた歯型を製造する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼾防止装置に関し、より詳しくは、口腔内部における上下顎の歯が噛み合うようにした鼾防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
睡眠時の鼾には、例えば気道の閉塞、高齢、肥満等、様々な原因がある。鼾の主な原因としては、図1に示すように、軟口蓋、舌根等の喉の軟組織12の部分が重力に引っ張られて沈降することによって気道11が狭くなった場合には、吸い込まれた空気が狭い箇所を通過せざるを得ず、この場合空気抵抗が大きくなり、気道11の狭くなった部分の粘膜又は分泌物が振動又は摩擦の音を生じることが挙げられる。このような振動音、摩擦音が鼾である。
【0003】
医学界では、睡眠時の鼾の解決策として例えば鼾防止装置による下顎の前方移動調節法が提案されている。下顎の前方移動調節法では、図2に示すように、歯14上に嵌設された鼾防止装置2を介して、口を一定の角度だけ拡開させることで下顎13を前方へ移動させ、これに伴い、軟口蓋、舌根等の喉の軟組織12も前方へ移動し、喉の軟組織12の部分が気道11へ沈降することを防止し、気道11をスムーズに確保し、鼾を効果的に防止することができる。
【0004】
図3は、従来の鼾防止装置2を模式的に示す。図3に示すように、鼾防止装置2は、硬質材料からなる上歯カバー21及び下歯カバー22(以下、上下歯カバー)を含み、それらの上下歯カバー21、22には鼾防止装置2と歯14との隙間を減少させるためにユーザの歯形に応じて凹み部212、222が設けられるとともに、その左右の両側に接合パッド23が設けられることにより、所定の距離だけ離間された上下歯カバー21、22が一体に接続され、ユーザが噛み合わせを行えるようにしたものである。また、上歯カバー21は、ユーザの歯茎に当接し位置決めできるように、金属材質からなる位置決め柱211を有する。
【0005】
しかしながら、鼾防止装置2を形成するために、凹み部212、222の設置においては、ユーザの歯形に応じた歯型を製造しなければ鼾防止装置2と歯14との間隙を効果的に減少させることができず、且つ接合パッド23を使用しなければ上下歯カバー21、22を接続することができないことから、鼾防止装置2は製造コストが増大しており、このことが同装置2の普及が阻害される要因の一つとなっている。
【0006】
また、美観性を考量して、繊細化されたステンレス金属線を位置決め柱211として使用することが一般的である。しかしながら、位置決め柱211の当接により歯茎の一部の領域が圧迫され、鼾防止装置2を装着したユーザに不快感を与えることがあり、さらには歯茎に炎症が生じる虞もある。
【0007】
従って、製造コストを節約するとともに装着快適性を向上することができる鼾防止装置を提供することは、医学界の技術領域において解決すべき極めて重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで以上のとおりの事情に鑑み、本発明は、製造コストを節約するとともに装着快適性を向上することができる鼾防止装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、少なくとも第1の噛み合い部と第1の内隔壁及び第1の外隔壁とからなり、前記第1の外隔壁の高さが5〜10mmであり、前記第1の内隔壁の高さが前記第1の外隔壁の高さよりも小さい上歯カバーと、
少なくとも第2の噛み合い部と第2の内隔壁及び第2の外隔壁とからなり、前記第2の内隔壁の高さが6〜10mmであり、前記第2の外隔壁の高さが前記第2の内隔壁の高さよりも小さく、前記第1と第2の外隔壁の離間距離が5〜9mmである下歯カバーと、
前記上歯カバー及び下歯カバーに接続され、前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面を離間させ、それらの噛み合い面の離間距離がそれらの噛み合い部の中間部位から両端側に向けて次第に減少し、それらの噛み合い面の間にある開口を有する接続部材と、を備え、
前記上歯カバー、下歯カバー及び接続部材は弾性材料で一体に成形され、前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の中間部位は12〜20mmの離間距離を有し、前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の両端側は4〜8mmの離間距離を有することを特徴とする鼾防止装置を提供する。
【0010】
また、前記上歯カバー及び下歯カバーにおける、前記開口に対向する両端側には切り欠きが設けられてもよい。前記上歯カバー、下歯カバー及び接続部材はゴム、樹脂又はプラスチックからなってもよい。前記開口の形状は、矩形、楕円形又は円形であってもよい。前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面は、8〜15度の傾斜角を有してもよい。前記第1、第2の内隔壁の高さは、それらの噛み合い部の中間部位から両端側に向けて次第に減少してもよい。
【0011】
さらに、前記鼾防止装置は、前記開口の周壁に設けられた支持リブをさらに備えてもよい。前記第1の外隔壁又は第2の内隔壁の中間部位には凹み部が設けられてもよい。前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の中間部位の離間距離は、13〜17mmであってもよい。前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の両端側の離間距離は、5〜7mmであってもよい。前記第1の内隔壁の高さは、2〜5mmであり、前記第2の外隔壁の高さは、5〜8mmであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
上述のように、本発明に係る鼾防止装置は、上歯カバー、下歯カバー及び接続部材を有し、前記上歯カバーと下歯カバーは、隔壁及び噛み合い部を有し、上顎と下顎の歯の位置決めを行うことで下顎を前方へ突き出させ、喉の軟組織の一部が気道へ沈降することを防止し、気道内における空気抵抗が大きくならないようにし、鼾を効果的に防止することができる。この鼾防止装置は、弾性材料で一体に成形されているため、前記上歯カバーと下歯カバーの接続工程を省略することができ、噛み合わされた後に弾性変形が可能となるため、ユーザの歯形に応じた歯型を製造する必要がない。従って、製造コストを大幅に低減することができるとともに装着快適性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】鼾をかいている時の人体の喉の構造図である。
【図2】鼾防止装置装着時の人体の喉の構造図である。
【図3】従来の鼾防止装置の構造図である。
【図4】本発明に係る一実施例の鼾防止装置の構造図である。
【図5】ユーザが図4の鼾防止装置を装着した場合の外観図である。
【図6】図4の鼾防止装置を装着した場合の人体の喉の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、具体的な実施例を用いて本発明の実施形態を説明する。この技術分野に精通した者は、本明細書の記載内容によって簡単に本発明のその他の利点や効果を理解できる。本発明は、その他の異なる実施例によって応用を加えることが可能であり、本明細書の記載内容も、異なる観点や応用に基づき、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な修正や変更が可能である。そうした修正や変更は、本発明の特許請求の範囲に入るものである。
【0015】
図4ないし図6を参照して、本発明の一実施例を説明する。図4は、本発明に係る一実施例の鼾防止装置の構造図である。図5は、ユーザが図4の鼾防止装置を装着した場合の外観図である。図6は、図4の鼾防止装置を装着した場合の人体の喉の構造図である。
【0016】
本実施例に係る鼾防止装置3は、口腔内部における上顎15及び下顎13の歯151、131の噛み合わせ位置を決めるように構成されたものである。
鼾防止装置3は、上歯カバー31、下歯カバー32及び接続部材33を備える。上歯カバー31、下歯カバー32及び接続部材33は、例えばゴム、樹脂又はプラスチックである弾性材料からなり、これにより、ユーザが鼾防止装置3を噛み合わせた後、噛み合い力によって上歯カバー31と下歯カバー32が変形することで、鼾防止装置3と歯との間の間隙を減少し、装着快適性を向上することができる。従って、ユーザの歯形に応じた歯型を製造する必要がなく、製造工程を減少することができ、さらにはロット生産を行うことができ、鼾防止装置3の製造コストを大幅に低減することができる。
【0017】
また、上歯カバー31、下歯カバー32及び接続部材33は一体に成形されているため、鼾防止装置3は、その製造において、上歯カバー31と下歯カバー32の製造工程を省略することができ、これにより鼾防止装置3の製造コストを低減することができる。
【0018】
上歯カバー31は、第1の噛み合い部313と第1の内隔壁312及び第1の外隔壁311とからなる。図に示すように、これらの隔壁312、311は、シート状構造であり、上顎15の歯列形状に応じた断面(例えばU字形)を有しているため、上顎15の歯151に対して力が均一に加えられ、それによって装着快適性を向上することができる。第1の噛み合い部313は、上顎15の歯151が噛み合うための噛み合い面を有する(図5、6参照)。第1の外隔壁311の高さは、上顎15の門歯の歯冠の1/2の高さに等しいか又はそれより大きく、これにより、上顎15の歯151の外歯面に当接するのに十分な面積を提供し、口腔内部の方向へ上顎15の歯151を押圧することができる。
一般的には、上顎15の門歯の歯冠の高さは、ほぼ8〜9mmであり、従って、第1の外隔壁311の高さは、ほぼ5〜10mmであり、好ましくは、7〜9mmである。
第1の内隔壁312の高さは、第1の外隔壁311の高さよりも小さく(例えば上顎15の門歯の歯冠の1/2の高さよりも小さく)、これにより、上顎門歯の内歯面に当接するのに十分な面積を提供することができ、第1の外隔壁311と組み合わせることにより上顎15の歯151が第1の噛み合い部313と噛み合わなくなることを回避することができる。第1の内隔壁312の高さは、2〜5mmであり、好ましくは、3〜4.5mmである。上述した門歯とは、従来の前歯である。
【0019】
この実施例において、第1の内隔壁312及び第1の外隔壁311は、上顎15の歯茎の方向へ延在することにより、上顎15の歯151の歯面に効果的に当接することを確保し、上歯カバー31を上顎15の歯151上に嵌設させることができる。第1の内隔壁312と第1の外隔壁311の離間距離は、上歯カバー31が上顎15の歯151に嵌設されるように上顎15の歯列の厚さに応じて決められる。
また、第1の外隔壁311の中間部位には、ユーザが鼾防止装置3を正確に使用できるように、識別及び装着を容易にできるようにするための凹み部3111が設けられてもよい。図6に示すように、第1の外隔壁311は、第1の外隔壁311の構造強度を高めるために、上顎15の歯形に応じてその厚さを上から下へ次第に増大させるように構成されてもよい。
【0020】
下歯カバー32は、第2の噛み合い部323と第2の内隔壁322及び第2の外隔壁321とからなる。図に示すように、それらの隔壁322、321はシート状構造であり、下顎13の歯列形状に応じた断面(例えばU字形)を有する。第2の噛み合い部323は、下顎13の歯131が噛み合うための噛み合い面を有する(図5、6参照)。第2の内隔壁322の高さは、下顎13の門歯の歯冠の1/2の高さに等しいか又はそれより大きく、これにより、下顎13の門歯の内歯面に当接するのに十分な面積を提供し、仰臥した場合には口腔外部の方向へ下顎13の門歯を押圧し、上顎15を定点として下顎13を前方へ突き出させ、即ち下顎13を前方へ移動させることにより、喉の軟組織12が前方へ移動し、喉の軟組織12の一部が気道11へ沈降することを防止し、気道11をスムーズに確保する(即ち狭くならないようにする)ことができ、気道11内における空気抵抗が大きくならないようにし、気道11の粘膜成分又は分泌物が振動又は摩擦の音を生じることを減少することができる。従って、本発明に係る鼾防止装置3は、鼾を効果的に防止することができる。この実施例において、第2の内隔壁322の高さは、ほぼ6〜10mmであり、好ましくは、7〜9mmである。
【0021】
第2の外隔壁321の高さは、第2の内隔壁322の高さよりも小さく(例えば下顎13の門歯の歯冠の1/2の高さよりも小さく)、これにより、下顎13の門歯の外歯面に当接するのに十分な面積を提供することができ、第2の内隔壁322と組み合わせることにより下顎13の歯131が第2の噛み合い部323と噛み合わなくなることを回避することができる。第2の外隔壁321の高さは、5〜8mmであり、好ましくは、6〜7mmである。
【0022】
第2の内隔壁322及び第2の外隔壁321は、下顎13の歯茎の方向へ延在することにより、下顎13の歯131の歯面に効果的に当接することを確保し、下歯カバー32を下顎13の歯131上に嵌設させることができる。第2の内隔壁322と第2の外隔壁321の離間距離は、下歯カバー32が下顎13の歯131に嵌設されるように下顎13の歯列の厚さに応じて決められる。図6に示すように、第2の内隔壁321は、第2の内隔壁321の構造強度及び鼾防止装置3の装着快適性を高めるために、その厚さを下顎13の歯形に応じて上から下へ次第に増大させるように構成されてもよい。
【0023】
接続部材33は、第1と第2の外隔壁311、321の歯接触面の離間距離D1が上顎15と下顎13の門歯の歯冠の厚さの1.5〜2.5倍となるように上歯カバー31と下歯カバー32に接続される。一般的には、上顎15と下顎13の門歯の歯冠の厚さは、ほぼ3〜4mmであるため、第1と第2の外隔壁311、321の離間距離は、5〜9mmであり、好ましくは、5.5〜7.5mmである。接続部材33は、第1と第2の噛み合い部313、323の噛み合い面を離間させ、それらの噛み合い面の離間距離は、それらの噛み合い部313、323の中間部位から両端側に向けて次第に減少し、第1と第2の噛み合い部313、323の噛み合い面がほぼ8〜15度(好ましくは9〜13度)の傾斜角θを有することにより、上顎15と下顎13を一定の角度だけ拡開させ、下顎13を前方へ押圧させ、喉の軟組織12の部分が沈降することを防止し、気道11をスムーズに確保し、鼾を効果的に防止することができる。言い換えれば、本発明に係る鼾防止装置3は、上下顎の歯151、131を上歯カバー31と下歯カバー32で位置決めすることにより、下顎13を前方へ突き出させ、さらには下顎13の後退を回避することができるため、気管が圧迫されることによって気道11が縮小することはない。
【0024】
第1と第2の噛み合い部313、323の噛み合い面の中間部位の離間距離D2は、上顎15と下顎13の門歯の歯冠の高さの1.5〜2倍である。一般的には、上顎15の門歯の歯冠の高さは、ほぼ8〜9mmであるため、第1と第2の噛み合い部313、323の噛み合い面の中間部位の離間距離は、ほぼ12〜20mmであり、好ましくは、13〜17mmである。この実施例において、第1と第2の噛み合い部313、323の噛み合い面の両端側の離間距離は、4〜8mmであり、好ましくは、5〜7mmである。
【0025】
接続部材33には、睡眠中においてもユーザがスムーズに呼吸できるように、空気が口腔における気道を出入りするための、上歯カバー31と下歯カバー32の間にある開口331がさらに設けられている。
【0026】
この実施例において、開口331の形状は矩形であるが、ユーザの呼吸状況に応じて開口331の形状を楕円形又は円形等として構成してもよい。鼾防止装置3は、鼾防止装置3の構造強度を高めるために、開口331の周壁上に設けられた支持リブ34をさらに備える。
【0027】
この実施例において、上歯カバー31及び下歯カバー32の内隔壁312、322と外隔壁311、321は、それぞれ上顎15と下顎13の歯151、131の内歯面と外歯面に当接されることにより歯151、131に力が均一に加わるようにしており、従来の鼾防止装置のように歯の局所領域に圧力がかかる問題を効果的に解決することができ、鼾防止装置3を装着したユーザは不快感を感じることがない。
【0028】
好ましくは、上歯カバー31の第1の噛み合い部313及び第1の内隔壁312と第1の外隔壁311が、上顎15の臼歯に対応する箇所まで延在され、下歯カバー32の第2の噛み合い部323及び第2の内隔壁322と第2の外隔壁321が、下顎13の臼歯に対応する箇所まで延在されることにより、第1と第2の噛み合い部313、323が十分な噛み合い面積を有するようにするとともに第1の内隔壁312、第1の外隔壁311及び第2の内隔壁322、第2の外隔壁321が十分な当接面積を有するように確保するために、上歯カバー31と下歯カバー32を上顎15と下顎13の歯151、131上に嵌設させる。第2の内隔壁322の中間部位には、識別及び装着を容易にできるようにするための凹み部が設けられてもよい。
【0029】
図4に示すように、上歯カバー31と下歯カバー32における、開口331に対向する両端側には、上顎15と下顎13の歯151、131のそれぞれを通過させ、ユーザが鼾防止装置3を容易に装着できるようにするための切り欠き314、324がそれぞれ設けられている。第1と第2の内隔壁312、322は、上顎15と下顎13が押圧されることを回避するとともに鼾防止装置3の装着快適性を向上させるために、開口331に対向した一端の高さがそれぞれ上顎15と下顎13の形状に応じて次第に減少するように形成される。
【0030】
上述のように、本発明は、口腔内部における上下顎の歯が噛み合うようにした、上歯カバー、下歯カバー及び接続部材を有する鼾防止装置において、前記上歯カバーと下歯カバーは、隔壁及び噛み合い部を有し、上下顎の歯を位置決めすることで下顎を前へ突き出させ、喉の軟組織の部分が気道へ沈降することを防止し、気管が圧迫され気道が縮小することで気道内における空気抵抗が大きくならないようにし、さらには気道の粘膜又は分泌物が振動又は摩擦の音を生じることを減少させることができるため、鼾を効果的に防止することができる。
【0031】
また、本発明に係る鼾防止装置によれば、上歯カバー、下歯カバー及び接続部材は、弾性材料で一体に成形されているため、前記上歯カバーと下歯カバーの接続工程を省略することができ、噛み合わされた後に弾性変形が可能となり、鼾防止装置と歯との間の間隙を効果的に減少することができるため、ユーザの歯形に応じた歯型を製造する必要がない。従って、製造工程を削減することができ、また、汎用性を有し、ロット生産を行うことができるため、製造コストを大幅に低減することができる。
【0032】
さらに、上歯カバーと下歯カバーの隔壁は、それぞれ上顎と下顎の歯に当接されることにより、十分な当接面積を提供することができるため、歯茎の局所領域に圧力がかかることを効果的に回避することができ、ユーザに不快感を与えることはない。
【0033】
上記のように、これらの実施形態は本発明の原理および効果・機能を例示的に説明するに過ぎず、本発明は、これらによって限定されるものではない。本発明に係る実質的な技術内容は、特許請求の範囲に定義される。本発明は、この技術分野に精通した者により本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に修正や変更されることが可能であり、そうした修正や変更は、本発明の特許請求の範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0034】
11 気道
12 舌根
13 下顎
131 歯
14 歯
15 上顎
151 歯
2 鼾防止装置
21 上歯カバー
211 位置決め柱
212 凹み部
22 下歯カバー
222 凹み部
23 接合パッド
3 鼾防止装置
31 上歯カバー
311 第1の外隔壁
3111 凹み部
312 第1の内隔壁
313 第1の噛み合い部
314 切り欠き
32 下歯カバー
321 第2の外隔壁
322 第2の内隔壁
323 第2の噛み合い部
324 切り欠き
33 接続部材
331 開口
34 支持リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の噛み合い部と第1の内隔壁及び第1の外隔壁とからなり、前記第1の外隔壁の高さが5〜10mmであり、前記第1の内隔壁の高さが前記第1の外隔壁の高さよりも小さい上歯カバーと、
少なくとも第2の噛み合い部と第2の内隔壁及び第2の外隔壁とからなり、前記第2の内隔壁の高さが6〜10mmであり、前記第2の外隔壁の高さが前記第2の内隔壁の高さよりも小さく、前記第1と第2の外隔壁の離間距離が5〜9mmである下歯カバーと、
前記上歯カバー及び下歯カバーに接続され、前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面を離間させ、それらの噛み合い面の離間距離がそれらの噛み合い部の中間部位から両端側に向けて次第に減少し、それらの噛み合い面の間にある開口を有する接続部材と、を備え、
前記上歯カバー、下歯カバー及び接続部材は弾性材料で一体に成形され、前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の中間部位は12〜20mmの離間距離を有し、前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の両端側は4〜8mmの離間距離を有することを特徴とする鼾防止装置。
【請求項2】
前記上歯カバー及び下歯カバーにおける、前記開口に対向する両端側には切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項3】
前記上歯カバー、下歯カバー及び接続部材は、ゴム、樹脂又はプラスチックからなることを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項4】
前記開口の形状は、矩形、楕円形又は円形であることを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項5】
前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面は、8〜15度の傾斜角を有することを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項6】
各前記隔壁の高さは、各前記噛み合い部の中間部位から両端側に向けて次第に減少することを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項7】
前記開口の周壁に設けられた支持リブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項8】
前記第1の外隔壁又は第2の内隔壁の中間部位には凹み部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項9】
前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の中間部位の離間距離は、13〜17mmであり、
前記第1と第2の噛み合い部の噛み合い面の両端側の離間距離は、5〜7mmであることを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。
【請求項10】
前記第1の内隔壁の高さは、2〜5mmであり、
前記第2の外隔壁の高さは、5〜8mmであることを特徴とする請求項1に記載の鼾防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−55699(P2012−55699A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198195(P2011−198195)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(511222216)
【Fターム(参考)】