説明

1組の経糸にプリントする方法及び装置

【解決手段】 本発明に係る、1組の経糸にプリントする方法では、1組の経糸にインクを吹き付けて所定の装飾モチーフを経糸に形成する。本発明に係る、1組の経糸にプリントする装置では、プロッタからなるインク塗布機に、1組の経糸を供給する供給手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1組の経糸にプリントする方法及び装置であって、特に、シーネー織物(chine’ fabric)を製造するためのものに関する。
【背景技術】
【0002】
織物は、複数本の緯糸を織り込んだ複数本の経糸からなり、緯糸と織る前の、経糸の全体をチェーンという。
【0003】
シーネー織物には、特に、装飾モチーフが描かれているが、装飾モチーフは、織物にではなく経糸に装飾モチーフをプリントすることによって(すなわち、織物になる前のチェーンのみにプリントを施すことによって)形成するので、両端に乱雑なむらがあるように見える。
【0004】
シーネー織物を製造する伝統的な方法では、チェーン(すなわち、1組の経糸全体)を、前もって織機に供給して、1センチメートル当たり極めて少数本の緯糸を持つ織物を製造して、ガーゼの特性に似た特性を持つ織物を得る。
【0005】
この織物を伝統的な印刷台に供給して、所望の装飾モチーフを織物に形成する。
【0006】
プリント後、蒸気処理を行って織物に印刷された色を固定し、洗浄して余分な色を取り除く。
【0007】
こうした処理を行った後に、織物から緯糸を不連続的(通常、一度に50センチメートルづつ)に手で引き抜き、引き抜き後のチェーン(すなわち、経糸)を、経糸ビームに巻き付ける。
【0008】
次いで、経糸ビームを織機に取り付けて、既にプリントを施された経糸を供給して新たな緯糸と編んで(極めて密に編んでよい)、織物を製造する(既にプリントを施された経糸とプリントを施されていない緯糸とを用いてよい)。
【0009】
編んでいる最中、1組の経糸は、互いに若干ずれて、両端に乱雑なむらを作って所望の陰影効果を与える。
【0010】
しかしながら、上述した伝統的な方法は、プリントを施した織物を一旦製造し、緯糸を取り外し、経糸を経糸ビームに巻き付ける、事前の作業を必要とするので、実施するのに極めて時間が掛かり、複雑でコストが高い。
【0011】
こうした方法は、不連続に行われ手作業(約50センチメートルづつ)を要するので、無駄な時間が長いため、少量生産となっている。
【0012】
この伝統的な方法は、印刷枠(printing frames)又は熱転写によりチェーンに転写すべきモチーフを描いた紙を用意する必要もある。これに掛かる費用と手間とは、この方法を用いることを極めて不経済的にし、限定生産向けである。
【0013】
特に、経糸に適切に用意された紙から熱転写する工程は、数メートルの紙を用意する必要があるので、極めて費用が掛かる。ほんの少量の紙を用いて実施することもできるが、極めて費用が高い。さらに、こうして製造される最終製品は、プリント品質が極めて悪く、デザインの独創性に欠ける。このため、サンプリングを容易に又は経済的に行うことができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このため、本発明の技術的目的は、上述した、公知技術の問題点を解消できる、1組の経糸にプリントする方法及び装置を提供することにある。
【0015】
この技術的目的に範囲内において、本発明の目的は、シーネー織物を公知技術に比べて迅速かつ低コストで製造できる方法及び装置を提供することにある。
【0016】
特に、本発明に係る方法及び装置は、伝統的な方法ではプリントを施した織物を一旦製造し、次いで、製造した織物から緯糸を取り除いてプリントを施されたチェーンを得るという作業を不要にする。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、シーネー織物を連続して製造でき、極めて生産性の高い方法及び装置を提供することにある。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、印刷枠又はチェーンに熱転写すべきモチーフを描いた紙を用意する必要がない方法及び装置を提供することにある。
【0019】
このため、シーネー織物の製造が、少量生産である場合でも、融通性に富み、迅速で経済的なものになる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の技術的目的は、上述した目的及び他の目的と相俟って、請求の範囲に記載した、1組の経糸にプリントするための本発明に係る方法及び装置により達成される。
【0021】
本発明に係る方法及び装置を用いて得られる最終製品は、プリント品質が極めて高く、同時に、デザインを描く上で融通性に富んでいるという効果がある。
【0022】
さらに、本発明に係る方法及び装置では、サンプリングを容易に又は経済的に行うことができる。
【0023】
上述した以外の、本発明の特徴及び効果は、本発明に係る、1組の経糸にプリントする方法及び装置の好ましいが非限定的な実施形態であって、添付図面に非限定的な例として示した実施形態についての説明からさらに明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係る1組の経糸にプリントする方法は、1組の経糸にプロッタによりインクを吹き付けることによって、1組の経糸に所定の装飾モチーフを形成する。ここで、「インク」とは、1組の経糸に吹き付けられる染料を意味する。
【0025】
1組の経糸は、インクを吹き付けた後には乾燥させるが、インクを吹き付ける前には、1組の経糸に、インク吸収を容易にする物質を浸み込ませるとよい。好ましくは、1組の経糸を、含浸物質を収容した槽に浸すことによって含浸させてから、1組の経糸を絞って水気を取る。絞った後で、1組の経糸を乾燥させる。
【0026】
こうした含浸及び絞り出し工程中に、1組の経糸の張力は変化するが、張力を制御して所定の製造品質を確保する。このため、1組の経糸の張力を含浸工程前に測定して、1組の経糸の張力が、所定の範囲内に維持されるように制御する。
【0027】
乾燥工程も、1組の経糸の張力に影響を及ぼすことがある。このため、本発明に係る方法では、乾燥工程後に1組の経糸3の張力を測定し、張力が所定の範囲内に維持されるように制御する。
張力は、含浸工程前と乾燥工程後とに測定した1組の経糸の張力の平均値をモニターすることによって適切に制御する。
【0028】
好ましくは、1組の経糸を、支持体から巻き戻しながら、インクを連続して吹き付ける。
【0029】
本発明は、1組の経糸にプリントする装置であって、符号1で全体を示すものも対象とする。
【0030】
本発明に係る装置1は、インク吹き付け手段としてのインクジェットプロッタからなるインク塗布機4に、1組の経糸3を供給する供給手段2を備える。
【0031】
本発明に係る装置1は、1組の経糸3をプロッタ4に送り込む粘着ベルト5も備える。
【0032】
粘着ベルト5は、プロッタ4に接続されてプロッタを制御する第1モータ6により駆動される。プロッタは、装置運転制御ユニット7と、プリント作業に関する全てのデータ(例えば、形状及び色)を送信するパソコンとに接続される。
【0033】
本発明に係る装置は、乾燥機9であって、プロッタ4の下流に設けられて、プロッタ4を出た1組の経糸の部分を乾燥するものも備える。
【0034】
プロッタ4の上流には、1組の経糸3を含浸する手段11が設けられ、1組の経糸にインク吸収を容易にする(公知の)物質を、1組の経糸に含浸する。
【0035】
第1実施形態(反応性染料向けのもの)では、インク吸収を容易にする物質は、100グラム/リットルの尿素を、20グラム/リットルのオキシドール液(還元防止剤)及び20グラム/リットルの重炭酸ナトリウムと混合することによって得られる混合物からなる。次いで、10リットルの水を用意し、この水に、D.A.T.T.Chimica社製の、100グラム/リットルの「alginate ALG 30 MB」と、10グラム/リットルのヘキサリキッド(hexaliquid)金属イオン封鎖剤(水溶液)と、10グラム/リットルの吸湿剤とを加える。
【0036】
第2実施形態(酸性染料向けのもの)では、インク吸収を容易にする物質は、30グラム/リットルの尿素を、D.A.T.T.Chimica社製の、30グラム/リットルの「acidat」と混合することによって得られる混合物からなる。次いで、10リットルの水を用意し、この水に、100グラム/リットルの「my program SN 12 AZ」と、10グラム/リットルの「diaselin RB」吸湿剤とを(吹き付け混合により)加える。
【0037】
含浸手段11は、図示の態様において、1組の経糸3を浸す含浸物質を収容する槽を備える。
【0038】
含浸手段11の下流で、本発明に係る装置は、余分な含浸物質を1組の経糸3から除去する搾り出し手段12を備える。
【0039】
搾り出し手段12は、1対のローラ13を備え、これらのローラは、第2モータ14により回転され、第2モータ14は、装置運転制御ユニット7に接続される。
【0040】
これらのローラ13は、両者の母線の一方に沿って互いに組み合わされ(符号15で示す箇所で)、装置の運転中、1組の経糸3を、互い組み合ったローラ3の間で圧搾する。
【0041】
1組の経糸の張力を制御するため、本発明に係る装置は、1組の経糸3の張力を測定する第1センサ17を備える。第1センサ17は、含浸手段11の上流に設けられ、装置運転制御ユニット7に接続される。
【0042】
本発明に係る装置1は、搾り出し手段12の下流に設けられる乾燥機19も備える。1組の経糸を、含浸物質に浸した後で乾燥機により乾燥させて、インク塗布に備える。
【0043】
本発明に係る装置1は、1組の経糸3の張力を測定する第2センサ20も備える。この第2センサ20は、乾燥機19の下流に設けられ、装置運転制御ユニット7に接続される。
【0044】
供給手段2は、第3モータ22により回転される支持体を備える。処理すべき1組の経糸3を供給するビーム21を、その支持体7に取り付けてよい。第3モータ22も、装置運転制御ユニット7に接続される。
【0045】
本発明に係る装置は、第4モータ25により回転される取出し支持体も備える。この取出し支持体には、処理後に1組の経糸3を巻き付ける取出しビームを取り付ける。
【0046】
第4モータ25は、プロッタ4の下流に設けたセンサ26により制御される(第4モータ25は、独立しているが、接触器の形をしたセンサ26からの信号に基づいて、摩擦をもたらす)。センサ26は、1組の経糸の張力を測定して、第4モータ25の速度を制御して経糸の張力を所定範囲内に保つ。
【0047】
本発明に係る装置の動作は、上述し図示した事項から明らかであるが、概略として次の通りである。
【0048】
1組の経糸3が、ビーム21から巻き戻され、第1センサ17を通過して張力が測定される。次いで、1組の経糸は、槽11に浸されて含浸物質が含浸される。
【0049】
次いで、1組の経糸3は、ローラ13の間を通過して余分な含浸物質が除去される。
【0050】
次いで、1組の経糸3は、乾燥機19を通過して、乾燥されインク塗布に備えるのが好ましい。
【0051】
この箇所で、第2センサ20は、1組の経糸3の張力を測定し、測定結果を装置運転制御ユニットに送信して、装置運転制御ユニット7が、第1及び第2センサ17及び20により測定した平均値に基づいて、本発明に係る装置を制御する。
【0052】
次いで、1組の経糸3は、粘着ベルト5に載せられ、プロッタ4に案内されて、インクが塗布される。乾燥機9を通過することにより乾燥された後、取出しビーム23に巻き付けられる。
【0053】
したがって、実際において、本発明による方法は、1組の経糸自体を、プリントを施すべき織物を製造してから緯糸を取り除いて経糸を得る(ビームに巻き取られたプリントを施されたチェーンを得る)ことを要せずに、連続してプリントできる。
【0054】
本発明は、1組の経糸にプリントする装置を制御するソフトウェアも対象とする。
【0055】
本発明に係るソフトウェアは、プロッタ4によるプリントを制御する手段と、1組の経糸3を供給ビーム21からプロッタ4に供給する、第1及び第2モータ6及び14を、プロッタ4のプリント速度に対して制御する制御手段とを有する。
【0056】
ソフトウェアは、1組の経糸3の張力を表わす数値を(第1センサ17及び第2センサ20から)得る手段と、少なくとも第2モータ14の速度を制御して第1及び第2センサ17及び20により測定される張力を所定範囲内に維持する手段も有する。
【0057】
ソフトウェアは、少なくとも第1モータ6の速度を制御して第2センサ20により測定される張力を所定範囲内に維持する手段も有する。
【0058】
すでに述べた構成上の特徴に、種々の修正又は変形を加えることは可能である。例えば、図2は、予め含浸された1組の経糸、すなわち、本発明に係る装置に装着される前に含浸されている1組の経糸を、供給するのに特に適した装置の実施形態を示す。この場合、本発明に係る装置は、糸張力センサ50(例えば、第2センサ20に相当するもの)と、これに接続されて供給ビーム21を駆動するモータ22と、粘着ベルト5と、プロッタ4と、乾燥機9とを備える。この実施形態では、第2センサ20により1組の経糸を制御して所定の加工品質を確保する。
【0059】
1組の経糸3は、図3に示す装置により処理してもよく、この装置は、含浸手段と、搾り出し手段と、乾燥機とを備え、1組の経糸を取出しビーム23に巻き付ける。
【0060】
図4は、含浸手段の別の実施形態を示すもので、含浸手段は、ローラを備え、1組の経糸は、このローラ上スライドする。ローラは、含浸物質内に浸され、回転しながら含浸物質を同伴して1組の経糸を濡らす。
【0061】
図5は、含浸手段のもう一つの実施形態を示すもので、含浸手段は、固定式又は可動式の複数個のスプレーノズルを備え、1組の経糸に含浸物質を吹き付ける。
【0062】
図6は、1組の経糸を巻き付けるビームを示すもので、本体に複数個の貫通穴28が形成されている。このビーム(1組の経糸が巻かれたまま)は、含浸物質をビーム内に貫通穴28を通じて通しビームの外部に出す、適切な槽内に入れられることによって、含浸物質がビーム内を通過中に1組の経糸を濡らすようになっている。
【0063】
本発明に係る方法及び装置は、公知のデラヴェ法(delave’ process)と組み合わせて使用することも好ましい。
【0064】
樹脂を用いた、伝統的なデラヴェ処理(delave’ treatment)は、有用で、プロッタにより装飾されることになっている、1組の経糸、織物又は糸を用意するのに、好ましく用いられることが分かった。
【0065】
このため、1組の経糸は、カチオン樹脂(デラヴェ法用のものとして公知なものと)と水との混合体に浸される。
【0066】
例えば、Bozzetto社製の、30グラム/リットルのカチオン樹脂「fissat tx」を水と混合し、この混合体中に、1組の経糸を公知の方法で浸す。
【0067】
必要に応じて、水と混合する樹脂の量を、±50%分変更する。有効範囲は、少なくとも5グラム/リットルと95グラム/リットル(水1リットルに対する樹脂のグラム数)の間である。
【0068】
したがって、この場合、槽11に収容される含浸物質は、上述したカチオン樹脂混合体である。
【0069】
カチオン樹脂混合体は、図3に示す装置に使用して、ビームに巻き取るべき糸を製造してもよい。
【0070】
糸が、植物繊維(例えば、綿若しくはリネン)又は動物繊維(羊毛・カシミア・絹)である場合、デラヴェ法により糸を含浸すると、優れた結果が得られることが分かった。
【0071】
さらに、植物繊維及び動物繊維については、デラヴェ法による含浸は、特に鮮やかな色を糸(ひいては、完成品としての織物)に着けることができる。デラヴェ法による含浸は、極めて装飾的なモチーフを施すのに有用である(このことは、特に、綿及びリネンに当てはまる)。
【0072】
また、驚くべきことに、カチオン樹脂を用いたデラヴェ処理は、予備処理後にプロッタにより織物又は糸にプリントできるので、あらゆる種類の織物又は糸に実施できることが分かった。
【0073】
デラヴェ法は、色染機内での糸の処理中にも直接実施して、プリントに備えてビームにより保持される1組の経糸を用意することもできる(したがって、含浸物質を収容する浴槽に1組の経糸を浸す必要がない)。
【0074】
実際、本発明による1組の経糸をプリントする方法及び装置は、シーネー織物を、迅速かつ極めて低コストで製造できるので、特に有用であることが分かった。本発明に係る方法及び装置は、少量生産を迅速かつ低コストで実現することもできる。
【0075】
本発明により案出された、1組の経糸にプリントする方法及び装置は、本発明の要旨内において種々の修正又は変更が可能であり、ここに記載した全ての構成要素は、技術的に等価な構成要素により置換可能である。
【0076】
実際上、使用する材料及び寸法は、必要に応じて又は最新技術に応じて自由に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る装置の概略図を示す。
【図2】1組の経糸にインク着けする準備をするために、インク着け用予備処理を既に施された、1組の経糸を処理する、本発明に係る装置の別の実施形態を示す。
【図3】1組の経糸にインク着けする準備をするために、インク着け用予備処理を既に施された、1組の経糸を処理する、本発明に係る装置の別の実施形態を示す。
【図4】チェーンを含浸する手段の別の実施形態を示す。
【図5】チェーンを含浸する手段の別の実施形態を示す。
【図6】チェーンを含浸する手段の別の実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1組の経糸にインクを吹き付けて経糸に所定の装飾モチーフを形成することを特徴とする、1組の経糸にプリントする方法。
【請求項2】
前記インクを着けた後に、前記1組の経糸を乾燥することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
インクを吹き付ける前に、前記1組の経糸を、インク吸収を容易化する物質で含浸することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1組の経糸を、前記物質を収容した槽に浸すことによって含浸することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法。
【請求項5】
含浸後、前記1組の経糸に、搾り出しを施すことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1に記載の方法。
【請求項6】
前記搾り出し後、前記1組の経糸を、乾燥することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1に記載の方法。
【請求項7】
前記含浸後、前記1組の経糸の張力を測定し、その張力を所定の範囲内に維持するように制御することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
乾燥後、前記1組の経糸を、前記物質を収容した槽に浸すことによって含浸することを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記1組の経糸を、支持体から巻き戻し、インクを連続して吹き付けることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1に記載の方法。
【請求項10】
前記インク吸収を容易化する物質は、デラヴェ法用物質であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記インク吸収を容易化する物質は、デラヴェ法用カチオン樹脂と水との混合体からなることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法。
【請求項12】
前記インクは、プロッタにより吹き付けられることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法。
【請求項13】
1組の経糸をインク塗布機に供給する手段を備える、1組の経糸にプリントする装置において、インク塗布機は、1組の経糸にインクを吹き付けて所定のモチーフを再現する手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記インクを吹き付ける手段は、インクジェット式のプロッタであることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記1組の経糸を前記プロッタに移動する粘着ベルト備え、このベルトは、少なくとも1個の第1モータにより駆動されることを特徴とする、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記プロッタの下流に設けられた乾燥機であって、前記プロッタを出た1組の経糸の部分を乾燥するものを備えることを特徴とする、請求項13乃至15のいずれか1に記載の装置。
【請求項17】
1組の経糸用含浸手段であって、前記1組の経糸に、インク吸収を容易化する物質を含浸させる手段を、前記プロッタの上流に備えることを特徴とする、請求項13乃至16のいずれか1に記載の装置。
【請求項18】
前記1組の経糸から前記物質の余分な部分を除去する搾り出し手段を、前記含浸手段の下流に備えることを特徴とする、請求項13乃至17のいずれか1に記載の装置。
【請求項19】
前記搾り出し手段は、装置の運転制御ユニットに接続された、少なくとも1個の第2モータにより駆動される1対のローラを備え、これらのローラは、両者の母線の一方に沿って互いに組み合わされ、装置の運転中、前記1組の経糸を、互い組み合ったローラの間で圧搾することを特徴とする、請求項13乃至18のいずれか1に記載の装置。
【請求項20】
前記1組の経糸の張力を測定するため、前記含浸手段の上流に設けられた第1センサを備え、このセンサは、装置運転制御ユニットに接続されることを特徴とする、請求項13乃至19のいずれか1に記載の装置。
【請求項21】
前記搾り出し手段の下流に設けた乾燥機を備えることを特徴とする、請求項13乃至20のいずれか1に記載の装置。
【請求項22】
前記1組の経糸の張力を測定するため、前記乾燥機の下流に設けた第2センサを備え、この第2センサは、前記装置運転制御ユニットに接続されることを特徴とする、請求項13乃至21のいずれか1に記載の装置。
【請求項23】
運転中、前記1組の経糸は、第3モータにより回転される支持体に収容された供給ビームから巻き戻され、処理後に、第4モータにより回転される支持体に収容された取出しビームに巻き付けられ、この第3モータは、装置運転制御ユニットに接続されることを特徴とする、請求項13乃至22のいずれか1に記載の装置。
【請求項24】
前記第4モータは、張力測定センサに接続されることを特徴とする、請求項13乃至23のいずれか1に記載の装置。
【請求項25】
前記含浸手段は、前記1組の経糸が上をスライドするローラを備え、このローラは、前記含浸物質に浸されて回転しながら当該含浸物質を同伴して前記1組の経糸を濡らすことを特徴とする、請求項13乃至24のいずれか1に記載の装置。
【請求項26】
前記含浸手段は、前記含浸物質を前記1組の経糸に吹き付ける、固定式又は可動式スプレーノズルからなることを特徴とする、請求項13乃至25のいずれか1に記載の装置。
【請求項27】
前記第3モータに接続された、1組の経糸用張力センサを備えることを特徴とする、請求項13乃至26のいずれか1に記載の装置。
【請求項28】
含浸手段と、搾り出し手段と、乾燥機とを備えることを特徴とする、1組の経糸を製造する装置。
【請求項29】
1組の経糸若しくは織物又は糸を、カチオン樹脂を用いるデラヴェ法で処理することを特徴とする、プロッタによるプリント用に、1組の経糸若しくは織物又は糸を製造する方法。
【請求項30】
染色機内での前記糸の製造に直接デラヴェ法を実施し、次いで、プリントに備えてビームに保持される1組の糸を準備することを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
第1モータにより駆動される粘着ベルトを備え、1組の経糸にインクを吹き付ける手段を備える、1組の経糸にプリントする装置であって、含浸手段と、第2モータにより回転される1対のローラを有する搾り出し手段と、乾燥機とを、第3モータにより回転される支持体に収容された第1ビームから巻き戻される1組の糸を処理できるように、全て粘着ベルトの上流に備える装置を制御するソフトウェアにおいて、前記インク吹き付け手段によるプリントを制御する手段と、前記インク吹き付け手段のプリント速度に応じて、当該1組の経糸を前記第1ビームから前記インク吹き付け手段に供給するように、第1、第2及び第3モータを運転する制御手段と備えることを特徴とするソフトウェア。
【請求項32】
前記装置は、前記含浸手段の上流に設けた、1組の糸用第1張力センサを備え、前記ソフトウェアは、この第1センサから1組の経糸の張力を示す値を得る手段と、少なくとも第2及び第3モータの速度を制御して、第1センサにより測定される張力を所定範囲内に維持する手段とを備える、請求項31に記載のソフトウェア。
【請求項33】
前記装置は、前記乾燥機の下流に設けた、1組の経糸用第2張力センサを備え、前記ソフトウェアは、1組の経糸の張力を示す値を前記第1センサから得る手段と、少なくとも第1モータの速度を制御して、第2センサにより測定される張力を所定範囲内に維持する手段とを備える、請求項31又は32に記載のソフトウェア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−540867(P2008−540867A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511870(P2008−511870)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/IT2005/000283
【国際公開番号】WO2006/123372
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507378916)ゲルテックス ソチエタ ア リスポンサビリタ リミタータ (2)
【Fターム(参考)】