説明

2−置換−6−アミノ−5−アルキル、アルケニル又はアルキニル−4−ピリミジンカルボン酸及び6−置換−4−アミノ−3−アルキル、アルケニル又はアルキニルピコリン酸並びに除草剤としてのそれらの使用

式Iの、5位にアルキル、アルケニル又はアルキニル置換基を有する6−アミノ−4−ピリミジンカルボン酸、及び3位にアルキル、アルケニル又はアルキニル置換基を有する4−アミノピコリン酸、並びにそれらのアミン及び酸誘導体は、幅広い雑草防除スペクトルを示す強力な除草剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は米国仮特許出願第60/997,210号(2007年10月2日出願)及び米国仮特許出願第61/049,536号(2008年5月1日出願)の利益を主張する。本発明は、一定の新規2−(置換)−6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジン−カルボキシレート及び6−(置換)−4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリネート並びにそれらの誘導体に関すると共に、除草剤としてのこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
当分野ではいくつかのピリミジンカルボン酸類及びそれらの殺虫特性が記載されている。国際公開第2005/063721号A1、国際公開第2007/092184号A2及び米国特許第7,300,907号B2には、一群の2−置換−6−アミノ−4−ピリミジンカルボン酸と、5位にハロゲン、シアノ、チオシアナト、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルキル及びアミノ置換基を有するそれらの誘導体、並びに除草剤としてのそれらの使用が開示されている。
【0003】
当分野ではいくつかのピコリン酸類及びそれらの殺虫特性が記載されている。米国特許第6,297,197号B1;同第6,784,137号B2;及び同第7,314,849号B2並びに米国特許出願公開第2004/0198608号A1には、一群の6−置換−4−アミノピコリン酸と、3位にハロゲン、シアノ、チオシアナト、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、チオアルキル及びアリールオキシ置換基を有するそれらの誘導体、並びに除草剤としてのそれらの使用が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/063721号A1
【特許文献2】国際公開第2007/092184号A2
【特許文献3】米国特許第7,300,907号B2
【特許文献4】米国特許第6,297,197号B1
【特許文献5】米国特許第6,784,137号B2
【特許文献6】米国特許第7,314,849号B2
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0198608号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一定の2−(置換)−6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジンカルボン酸及び6−(置換)−4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリン酸並びにそれらの誘導体は、木本植物、イネ科植物及びカヤツリグサ科植物並びに広葉雑草に対して幅広い雑草防除スペクトルを有し、有益植物種に対して優れた選択性を有する、並外れた除草剤であることが、ここに見いだされた。さらに、これらの化合物は優れた毒性プロファイル又は環境プロファイルも有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式Iの化合物:
【化1】


[式中、
Aは、N又はCRを表し;
は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルチオアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルコキシアルケニル、C−Cチオアルキルアルケニル、C−Cアルキニル又はC−Cハロアルキニル、ホルミル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルカルボニルを表し;
は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル又は
【化2】


(式中、
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、C−Cアルケニルチオ、C−Cアルキニルチオ、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロアルコキシ、C−Cハロアルコキシアルキル、C−Cハロアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cトリアルキルシリル、C−Cハロアルケニルオキシ、C−Cハロアルキニルオキシ、C−Cハロアルケニルチオ、C−Cハロアルキニルチオ、−C(O)OR、−C(O)NR、−CRNOR、−NR、−NROR、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR又は−NCRNRを表し;
は、H、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルケニル又はC−Cハロアルケニルを表すか、X及びYが全体として、−O(CHCH−、又は−O(CHO−(式中、n=1又は2)を表し;且つ
は、H又はハロゲンを表す)
を表し;
及びRは、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アミノ、C−Cアシル、C−Cカルボアルコキシ、C−Cアルキルカルバミル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cトリアルキルシリル又はC−Cジアルキルホスホニルを表すか、R及びRがNと共に全体として5員又は6員飽和環を表し;且つ
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表し;且つ
は、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表す]
及びそのカルボン酸基の農業上許容できる誘導体を包含する。
【0007】
好ましい式(I)の化合物には、以下のクラスが含まれる。
(1)Rが、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cハロアルケニルであり、最も好ましくはRがビニルである、式(I)の化合物。
【0008】
(2)Rがシクロプロピルである、式(I)の化合物。
【0009】
(3)R
【化3】


である、式(I)の化合物
【0010】
(4)WがH又はFを表し、XがH、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ又は−NRを表し、YがCl又はハロメチルを表し、且つZがH又はFを表す、クラス(3)の化合物。
【0011】
(5)R及びRがH又はC−Cアルキルである、式(I)の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
最も好ましい化合物が一般に上記好ましいクラスの組合せから構成されるものであることは、当業者には理解されるだろう。
【0013】
本発明は、農業上許容できる佐剤又は担体と混合された除草有効量の式Iの化合物及びそのカルボン酸基の農業上許容できる誘導体を含む除草組成物を包含する。本発明は、望ましくない植生を、その植生又はその植生の場に、及びその植生の発芽に先だって土壌に、除草量の化合物を施用することによって、枯死させる又は防除するために、本発明の化合物及び組成物を使用する方法も包含する。
【0014】
本発明の除草化合物は、式:
【化4】


[式中、
Aは、N又はCRを表し;
は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルチオアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルコキシアルケニル、C−Cチオアルキルアルケニル、C−Cアルキニル又はC−Cハロアルキニル、ホルミル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルカルボニルを表し;
は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル又は
【化5】


(式中、
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、C−Cアルケニルチオ、C−Cアルキニルチオ、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロアルコキシ、C−Cハロアルコキシアルキル、C−Cハロアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cトリアルキルシリル、C−Cハロアルケニルオキシ、C−Cハロアルキニルオキシ、C−Cハロアルケニルチオ、C−Cハロアルキニルチオ、−C(O)OR、−C(O)NR、−CRNOR、−NR、−NROR、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR又は−NCRNRを表し;
は、H、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルケニル又はC−Cハロアルケニルを表すか、X及びYが全体として、−O(CHCH−、又は−O(CHO−(式中、n=1又は2)を表し;且つ
は、H又はハロゲンを表す)
を表し;
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表し;且つ
は、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表す]
の6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジンカルボン酸又は4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリン酸の誘導体である。
【0015】
ピリミジン環の6位又はピリジン環の4位にあるアミノ基は無置換であるか、1つ又はそれ以上のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ又はアミノ置換基で置換することができる。アミノ基はさらに、アミド、カルバメート、ウレア、スルホンアミド、シリルアミン又はホスホルアミデートとして誘導体化することができる。そのような誘導体はアミンに分解することができる。無置換アミノ基又は1つ若しくは2つのアルキル置換基で置換されたものが好ましい。
【0016】
式Iaのカルボン酸は、望ましくない植生を実際に枯死させ又は防除する化合物であると考えられ、概して好ましい。これらの化合物の類似体であって、ピリミジンカルボン酸又はピコリン酸の酸基が誘導体化されて、植物内又は環境内で酸基に転換されうる関連置換基を形成しているものも、本質的に同じ除草効果を有し、本発明の範囲に含まれる。したがって、「農業上許容できる誘導体」は、それがピリミジン環の4位又はピリジン環の2位にあるカルボン酸官能基を説明する際に用いられる場合には、(a)活性成分、即ち2−(置換)−6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジンカルボン酸又は6−(置換)−4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリン酸の除草活性に実質的に影響を及ぼさず、且つ(b)植物中又は土壌中で、pHに依存して解離型又は非解離型である式Iaの4−ピリミジンカルボン酸又はピコリン酸に、加水分解、酸化若しくは代謝される、又は加水分解、酸化若しくは代謝されうる、任意の塩、エステル、アシルヒドラジド、イミデート、チオイミデート、アミジン、アミド、オルトエステル、アシルシアニド、アシルハライド、チオエステル、チオノエステル、ジチオールエステル、ニトリル又は当分野において周知の他の任意の酸誘導体と定義される。カルボン酸の好ましい農業上許容できる誘導体は、農業上許容できる塩、エステル及びアミドである。同様に、「農業上許容できる誘導体」は、それが6位又は4位のアミン官能基を説明するために用いられる場合には、(a)活性成分、即ち2−(置換)−6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジンカルボン酸又は6−(置換)−4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリン酸の除草活性に実質的に影響を及ぼさず、且つ(b)植物中又は土壌中で遊離アミンに加水分解される、又は加水分解されうる、任意の塩、シリルアミン、ホスホリルアミン、ホスフィンイミン、ホスホルアミデート、スルホンアミド、スルフィルイミン、スルホキシミン、アミナール、ヘミアミナール、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、アミジン、ウレア、イミン、ニトロ、ニトロソ、アジド、又は当分野において周知の他の任意の窒素含有誘導体と定義される。同様に親ピリミジン又は親ピリジンに分解しうるN−オキシドも、本発明に範囲に包含される。
【0017】
適切な塩には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属から誘導されるもの並びにアンモニア及びアミンから誘導されるものが含まれる。好ましいカチオンには、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及び式:
10NH
[式中、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素又はC−C12アルキル、C−C12アルケニル又はC−C12アルキニル(これらはそれぞれ、場合によっては、1つ又はそれ以上のヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ又はフェニル基で置換される)表す。ただし、R、R及びR10は立体的に共存できるものとする]のアミニウムカチオンが含まれる。また、R、R及びR10のうちの任意の2つが、全体として、1〜12個の炭素原子と2個までの酸素原子又は硫黄原子とを含有する脂肪族二官能性部分を表してもよい。式Iの化合物の塩は、式Iの化合物を、金属水酸化物、例えばナトリウムヒドロキシド、又はアミン、例えばアンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチルチオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、モルホリン、シクロドデシルアミン、若しくはベンジルアミンで処理することによって、製造することができる。アミン塩は、多くの場合、式Iの化合物の好ましい形態である。なぜなら、それらは水溶性であり、望ましい水性除草組成物の製造に役立つからである。
【0018】
適切なエステルには、C−C12アルキル、C−C12アルケニル又はC−C12アルキニルアルコール、例えばメタノール、イソ−プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール又はシクロヘキサノールから誘導されるものが含まれる。エステルは、4−ピリミジンカルボン酸化合物若しくはピコリン酸化合物を、数多くの適切な活性化剤、例えばペプチドカップリングに使用されるもの、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)若しくはカルボニルジイミダゾール(CDI)を使って、アルコールとカップリングすることによって、又は式Iの4−ピリミジンカルボン酸若しくはピコリン酸の対応する酸クロライドを適当なアルコールと反応させることによって、又は対応する式Iの4−ピリミジンカルボン酸若しくはピコリン酸を酸触媒の存在下で適当なアルコールと反応させることによって、又はエステル交換反応によって、製造することができる。適切なアミドには、アンモニアから誘導されるもの、又はC−C12アルキル、C−C12アルケニル若しくはC−C12アルキニル一置換若しくは二置換アミン、例えば限定するわけではないが、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチルチオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、シクロドデシルアミン、ベンジルアミン、又は追加ヘテロ原子を有する、若しくは追加ヘテロ原子を有さない、環状若しくは芳香族アミン、例えば限定するわけではないが、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、テトラゾール若しくはモルホリンなどから誘導されるものが含まれる。アミドは、対応する式Iの4−ピリミジンカルボン酸又はピコリン酸クロライド、混合無水物、又はカルボン酸エステルをアンモニア又は適当なアミンと反応させることによって、製造することができる。
【0019】
本明細書で使用する用語「アルキル」「アルケニル」及び「アルキニル」並びに派生用語「アルコキシ」「アシル」「アルキルチオ」及び「アルキルスルホニル」は、その範囲に、直鎖、分岐鎖及び環状部分を包含する。用語「アルケニル」及び「アルキニル」は1つ又はそれ以上の不飽和結合を含むものとする。
【0020】
用語「アリール」並びに派生用語、例えば「アリールオキシ」は、フェニルを指す。
【0021】
特に別段の限定がない限り、用語「ハロゲン」は「ハロ」などの派生用語を含めて、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0022】
用語「ハロアルキル」「ハロアルコキシ」及び「ハロアルキルチオ」は、1つ〜最大可能数のハロゲン原子で置換されたアルキル基及びアルコキシ基を指す。
【0023】
式Iの化合物は周知の化学的手法を使って製造することができる。式Iの化合物を製造するための手法の詳細は、次に挙げる特許出願に、数多く見いだすことができる:国際公開第2007/082076号A1;国際公開第2005/063721号A1;米国特許第7,300,907号B2;同第6,297,197号B1;同第6,784,137号B2;同第7,314,849号B2;及び米国特許出願公開第2004/0198608号A1。上記の特許出願において具体的に言及されていない中間体は市販されているか、化学文献に開示されている経路によって製造することができるか、或いは市販の出発物質から標準的な手法を利用して容易に合成することができる。
【0024】
スキーム1に示すように、多くの、式Iの2−(置換)−6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジンカルボン酸エステル又は6−(置換)−4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリン酸エステルは、適当に置換された式IIの5−ハロピリミジン又は3−ハロピリジンと、タイプIIIの有機金属化合物とを、不活性溶媒中、遷移金属触媒の存在下で反応させることによって製造することができる。
スキーム1
【化6】

【0025】
この場合、Wは、N又はCRであることができ;Qは、塩素、臭素又はヨウ素であることができ;Rは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、又はアルキニル基であることができ;Mは、トリ−(C−Cアルキル)スズ又はB(OR11)(OR12)であることができ(式中、R11及びR12は、互いに独立して、水素、C−Cアルキルであるか、或いは全体として、エチレン基又はプロピレン基を形成する);「触媒」は遷移金属触媒、特にパラジウム触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライドであることができる。スキーム1の方法を実施例17、18、21、22、24、25、27、28、及び30に例示する。
【0026】
スキーム2に示すように、多くの、式IIの2−(置換)−6−アミノ−5−ハロ−4−ピリミジンカルボン酸エステルは、式IVの化合物から、ハロゲン化試薬、例えばN−ブロモスクシンイミドと、クロロホルム又はアセトニトリルなどの溶媒中で反応させることによって製造することができる。この場合、Qは、塩素、臭素又はヨウ素であることができる。スキーム2の方法を実施例16に例示する。
スキーム2
【化7】

【0027】
スキーム3に示すように、多くの、式I及びIVの2−(置換)−6−アミノ−4−ピリミジンカルボン酸エステルは、適当に置換された式V及びVIの2−クロロピリミジン類とタイプVIIの有機金属化合物とを不活性溶媒中、遷移金属触媒の存在下で反応させることによって製造することができる。
スキーム3
【化8】

【0028】
この場合、Rは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、又はアルキニル基であることができ;Rは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル又はアリール基であることができ;Mは、トリ−(C−Cアルキル)スズ又はB(OR11)(OR12)であることができ(式中、R11及びR12は、互いに独立して、水素、C−Cアルキルであるか、或いは全体として、エチレン基又はプロピレン基を形成する);「触媒」は遷移金属触媒、特にパラジウム触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライドであることができる。スキーム3の方法を実施例15及び19に例示する。
【0029】
スキーム4に示すように、多くの、式Vの2−クロロ−6−アミノ−5−アルキル、アルケニル又はアルキニル−4−ピリミジンカルボン酸エステルは、適当に置換された式VIIIのピリミジン類とタイプIIIの有機金属化合物とを、不活性溶媒中、遷移金属触媒の存在下で反応させることによって得ることができる。
スキーム4
【化9】

【0030】
この場合、Rは、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル又はアルキニル基;Mは、トリ−(C−Cアルキル)スズ又はB(OR11)(OR12)であることができ(式中、R11及びR12は、互いに独立して、水素、C−Cアルキルであるか、或いは全体として、エチレン基又はプロピレン基を形成する);「触媒」は遷移金属触媒、特にパラジウム触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライドであることができる。スキーム4の方法を実施例13に例示する。
【0031】
スキーム5に示すように、多くの、式VIIIの2−クロロ−6−アミノ−5−ヨード−4−ピリミジンカルボン酸エステルピリミジンは、式IXのピリミジン類をタイプXのアミンと反応させることによって得ることができる。式IXのピリミジン類は、式XIの化合物から、ホスホラスオキシクロライド(phosphorous oxychloride)などの試薬と、ニートで、又は触媒量のジメチルホルムアミドの存在下で反応させることによって製造することができる。スキーム5の方法を実施例11及び12に例示する。
スキーム5
【化10】

【0032】
式Iの製造に関して本明細書又は化学文献に開示されるいくつかの試薬及び反応条件が、中間体中に存在する一定の官能基には適合しない可能性があることは理解される。そのような場合は、合成への保護/脱保護シークエンス又は官能基相互変換の組み込みが、所望の生成物を得る助けになるだろう。保護基の使用及び選択は化学合成の当業者には明白であるだろう。
【0033】
場合によっては、本明細書又は化学文献に開示されている所与の試薬を導入した後に、式Iの化合物の合成を完了させるために、詳述されていない追加のルーチン合成ステップを行なう必要があり得ることは、当業者には理解されるだろう。式Iの化合物を製造するために、提示されたそのシークエンスが暗示するものとは異なる順序で、本明細書又は化学文献に開示されているステップの組合せを行なう必要があり得ることも、当業者には理解されるだろう。
【0034】
最後に、式Iの化合物及び本明細書又は化学文献に記載されている中間体を、さまざまな求電子反応、求核反応、ラジカル反応、有機金属反応、酸化反応、及び還元反応に供して、置換基を付加し、又は既存の置換基を修飾することができることも、当業者には理解されるだろう。
【0035】
式Iの化合物は発芽前除草剤及び発芽後除草剤として有用であることがわかった。これらは、ある区域における広スペクトルの植生を防除するために非選択的(高)施用率で使用するか、望ましくない植生の選択的防除のために低施用率で使用することができる。施用区域には、望ましくない植生の防除が望ましい、牧草地及び野草地、路傍及び道路用地、送電線及び任意の工業区域、並びに芝生及び鑑賞環境が含まれる。もう1つの用途は、トウモロコシ、イネ及び穀類などの作物における望まれていない植生の防除である。これらは、樹木作物、例えば柑橘、リンゴ、ゴム、アブラヤシ、森林などにおける望ましくない植生を防除するためにも使用することができる。通常は、本化合物を発芽後に使用することが好ましい。さらにまた、通常は、広スペクトルの木本植物、広葉雑草及びイネ科雑草、並びにカヤツリグサ科植物を防除するために本化合物を使用することが好ましい。定着した作物における望ましくない植生を防除するための本化合物の使用はとりわけ望ましい。式Iによって包含される2−(置換)−6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジンカルボキシレート化合物と6−(置換)−4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリン酸化合物のそれぞれは本発明の範囲に包含されるが、得られる除草活性の程度、作物選択性、及び雑草防除のスペクトルは、存在する置換基に依存して変動する。個々の具体的除草用途に関して、適当な化合物は、本明細書に提示する情報及びルーチン試験を使って同定することができる。
【0036】
除草剤という用語は、本明細書では、植物を枯死させ、防除し、又はその成長に他の形で有害な改変を加える活性成分を意味する。除草有効量又は植生防除量は、有害改変効果を引き起こし、自然な発育からの逸脱、枯死、調節、脱水、遅滞などを誘発する活性成分量である。植物及び植生という用語は、発芽する種子、発芽した実生及び定着した植生を包含する。
【0037】
本発明の化合物を、任意の成長段階で、又は植付け前若しくは発芽前に、直接、植物に又は植物の場に施用すると、本発明の化合物により、除草活性が示される。観察される効果は、防除しようとする植物種、その植物の成長段階、希釈率及び噴霧液滴径の施用パラメータ、固形構成要素の粒径、使用時の環境条件、使用する具体的化合物、使用する具体的佐剤及び担体、土壌タイプなどと、施用される化学薬品の量とに依存する。これらの要因及び他の要因は、当分野において公知であるとおり、非選択的又は選択的除草作用を増進するために、調節することができる。一般に、雑草の最大防除を達成するには、発芽後の比較的未熟な望ましくない植生に、式Iの化合物を施用することが好ましい。
【0038】
発芽後作業には一般に1〜1,000g/Haの施用率が使用され;発芽前施用には10〜2,000g/Haの施用率が一般に使用される。ここに示した高施用率は、一般に、広範囲にわたる種々の望ましくない植生の非選択的防除をもたらす。低施用率は、典型的には、選択的防除をもたらし、作物の場で使用することができる。
【0039】
本発明の除草化合物は、多くの場合、より幅広い種々の望ましくない植生を防除するために、1つ又はそれ以上の他の除草剤と一緒に施用される。他の除草剤と一緒に使用される場合、本願に係る化合物は、他の1つ又は複数の除草剤と共に処方するか、他の1つ又は複数の除草剤とタンク混合するか、他の1つ又は複数の除草剤と逐次的に施用することができる。本発明の化合物と一緒に使用することができる除草剤の一部として、以下の除草剤が挙げられる:アミド系除草剤、例えばアリドクロール、ベフルブタミド、ベンザドックス、ベンジプラム、ブロモブチド、カフェンストロール、CDEA、クロルチアミド、シプラゾール、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジフェナミド、エプロナズ、エトニプロミド、フェントラザミド、フルポキサム、ホメサフェン、ハロサフェン、イソカルバミド、イソキサベン、ナプロパミド、ナプタラム、ペトキサミド、プロピザミド、キノナミド及びテブタム;アニリド系除草剤、例えばクロラノクリル、シサニリド、クロメプロップ、シプロミド、ジフルフェニカン、エトベンザニド、フェナスラム、フルフェナセット、フルフェニカン、メフェナセット、メフルイジド、メタミホップ、モナリド、ナプロアニリド、ペンタノクロル、ピコリナフェン及びプロパニル;アリールアラニン系除草剤、例えばベンゾイルプロップ、フラムプロップ及びフラムプロップ−M;クロロアセトアニリド系除草剤、例えばアセトクロール、アラクロール、ブタクロール、ブテナクロール、デラクロール、ジエタチル、ジメタクロール、メタザクロール、メトラクロール、S−メトラクロール、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、プリナクロール、テルブクロール、テニルクロール及びキシラクロール;スルホンアニリド系除草剤、例えばベンゾフルオール、ペルフルイドン、ピリミスルファン及びプロフルアゾール;スルホンアミド系除草剤、例えばアシュラム、カルバスラム、フェナスラム及びオリザリン;抗生物質系除草剤、例えばビラナホス;安息香酸系除草剤、例えばクロラムベン、ジカンバ、2,3,6−TBA及びトリカンバ;ピリミジニルオキシ安息香酸系除草剤、例えばビスピリバック及びピリミノバック;ピリミジニルチオ安息香酸系除草剤、例えばピリチオバック;フタル酸系除草剤、例えばクロルタール;ピコリン酸系除草剤、例えばアミノピラリド、クロピラリド及びピクロラム;キノリンカルボン酸系除草剤、例えばキンクロラック及びキンメラック;ヒ素系除草剤、例えばカコジル酸、CMA、DSMA、ヘキサフルレート、MAA、MAMA、MSMA、カリウムアルセナイト及びナトリウムアルセナイト;ベンゾイルシクロヘキサンジオン系除草剤、例えばメソトリオン、スルコトリオン、テフリルトリオン及びテンボトリオン;ベンゾフラニルアルキルスルホネート系除草剤、例えばベンフレセート及びエトフメセート;カルバメート系除草剤、例えばアシュラム、カルボキサゾール クロルプロカルブ、ジクロルマート、フェナスラム、カルブチレート及びテルブカルブ;カルバニラート系除草剤、例えばバルバン、BCPC、カルバスラム、カルベタミド、CEPC、クロルブファム、クロルプロファム、CPPC、デスメディファム、フェニソファム、フェンメディファム、フェンメディファム−エチル、プロファム及びスウェップ;シクロヘキセンオキシム系除草剤、例えばアロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、プロホキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム及びトラルコキシジム;シクロプロピルイソオキサゾール系除草剤、例えばイソキサクロルトール及びイソキサフルトール;ジカルボキシイミド系除草剤、例えばベンズフェンジゾン、シニドン−エチル、フルメジン、フルミクロラック、フルミオキサジン及びフルミプロピン;ジニトロアニリン系除草剤、例えばベンフルラリン、ブトラリン、ジニトラミン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、メタルプロパリン、ニトラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、プロフルラリン及びトリフルラリン;ジニトロフェノール系除草剤、例えばジノフェネート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、DNOC、エチノフェン及びメジノテルブ;ジフェニルエーテル系除草剤、例えばエトキシフェン;ニトロフェニルエーテル系除草剤、例えばアシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、クロメトキシフェン、クロルニトロフェン、エトニプロミド、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロニトロフェン、ホメサフェン、フリロキシフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン及びオキシフルオルフェン;ジチオカルバメート系除草剤、例えばダゾメット及びメタム;ハロゲン化脂肪族系除草剤、例えばアロラック、クロロポン、ダラポン、フルプロパネート、ヘキサクロロアセトン、ヨードメタン、メチルブロマイド、モノクロロ酢酸、SMA及びTCA;イミダゾリノン系除草剤、例えばイマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン及びイマゼタピル;無機系除草剤、例えばアンモニウムスルファメート、ボラックス、カルシウムクロレート、硫酸銅、硫酸第一鉄、カリウムアジド、カリウムシアネート、ナトリウムアジド、ナトリウムクロレート及び硫酸;ニトリル系除草剤、例えばブロモボニル、ブロモキシニル、クロロキシニル、ジクロベニル、ヨードボニル、アイオキシニル及びピラクロニル;有機リン系除草剤、例えばアミプロホス−メチル、アニロホス、ベンスリド、ビラナホス、ブタミホス、2,4−DEP、DMPA、EBEP、ホサミン、グルホシネート、グリホサート及びピペロホス;フェノキシ系除草剤、例えばブロモフェノキシム、クロメプロップ、2,4−DEB、2,4−DEP、ジフェノペンテン、ジスル、エルボン、エトニプロミド、フェンテラコール及びトリホプシム;フェノキシ酢酸系除草剤、例えば4−CPA、2,4−D、3,4−DA、MCPA、MCPA−チオエチル及び2,4,5−T;フェノキシ酪酸系除草剤、例えば4−CPB、2,4−DB、3,4−DB、MCPB及び2,4,5−TB;フェノキシプロピオン酸系除草剤、例えばクロプロップ、4−CPP、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、3,4−DP、フェノプロップ、メコプロップ及びメコプロップ−P;アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤、例えばクロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ、シハロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェンチアプロップ、フルアジホップ、フルアジホップ−P、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、イソキサピリホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ−P及びトリホップ;フェニレンジアミン系除草剤、例えばジニトラミン及びプロジアミン;ピラゾリル系除草剤、例えばベンゾフェナップ、ピラゾリネート、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン、ピロキサスルホン及びトプラメゾン;ピラゾリルフェニル系除草剤、例えばフルアゾレート及びピラフルフェン;ピリダジン系除草剤、例えばクレダジン、ピリダホール及びピリデート;ピリダジノン系除草剤、例えばブロムピラゾン、クロリダゾン、ジミダゾン、フルフェンピル、メトフルラゾン、ノルフルラゾン、オキサピラゾン及びピダノン;ピリジン系除草剤、例えばアミノピラリド、クリオジネート、クロピラリド、ジチオピル、フルロキシピル、ハロキシジン、ピクロラム、ピコリナフェン、ピリクロール、チアゾピル及びトリクロピル;ピリミジンジアミン系除草剤、例えばイプリミダム及びチオクロリム;4級アンモニウム系除草剤、例えばシペルコート、ジエタムコート、ジフェンゾコート、ジクワット、モルファムコート及びパラコート;チオカルバメート系除草剤、例えばブチレート、シクロエート、ジアレート、EPTC、エスプロカルブ、エチオレート、イソポリネート、メチオベンカルブ、モリネート、オルベンカルブ、ペブレート、プロスルホカルブ、ピリブチカルブ、スルファレート、チオベンカルブ、チオカルバジル、トリアレート及びベルノレート;チオカーボネート系除草剤、例えばジメクサノ、EXD及びプロキサン;チオウレア系除草剤、例えばメチウロン;トリアジン系除草剤、例えばジプロペトリン、トリアジフラム及びトリヒドロキシトリアジン;クロロトリアジン系除草剤、例えばアトラジン、クロラジン、シアナジン、シプラジン、エグリナジン、イパジン、メソプラジン、プロシアジン、プログリナジン、プロパジン、セブチラジン、シマジン、テルブチラジン及びトリエタジン;メトキシトリアジン系除草剤、例えばアトラトン、メトメトン、プロメトン、セクブメトン、シメトン及びテルブメトン;メチルチオトリアジン系除草剤、例えばアメトリン、アジプロトリン、シアナトリン、デスメトリン、ジメタメトリン、メトプロトリン、プロメトリン、シメトリン及びテルブトリン;トリアジノン系除草剤、例えばアメトリジオン、アミブジン、ヘキサジノン、イソメチオジン、メタミトロン及びメトリブジン;トリアゾール系除草剤、例えばアミトロール、カフェンストロール、エプロナズ及びフルポキサム;トリアゾロン系除草剤、例えばアミカルバゾン、ベンカルバゾン、カルフェントラゾン、フルカルバゾン、プロポキシカルバゾン、スルフェントラゾン及びチエンカルバゾン−メチル;トリアゾロピリミジン系除草剤、例えばクロランスラム、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツラム、メトスラム、ペノキススラム及びピロキススラム;ウラシル系除草剤、例えばブタフェナシル、ブロマシル、フルプロパシル、イソシル、レナシル及びテルバシル;3−フェニルウラシル類;ウレア系除草剤、例えばベンズチアズロン、クミルロン、シクルロン、ジクロラールウレア、ジフルフェンゾピル、イソノルロン、イソウロン、メタベンズチアズロン、モニソウロン及びノルウロン;フェニルウレア系除草剤、例えばアニスロン、ブツロン、クロルブロムロン、クロレツロン、クロロトルロン、クロロクスロン、ダイムロン、ジフェノクスロン、ジメフロン、ジウロン、フェヌロン、フルオメツロン、フルオチウロン、イソプロツロン、リヌロン、メチウロン、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトクスロン、モノリヌロン、モヌロン、ネブロン、パラフルロン、フェノベンズロン、シデュロン、テトラフルロン及びチジアズロン;ピリミジニルスルホニルウレア系除草剤、例えばアミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、メソスルフロン、ニコスルフロン、オルトスルファムロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン及びトリフロキシスルフロン;トリアジニルスルホニルウレア系除草剤、例えばクロルスルフロン、シノスルフロン、エタメツルフロン、ヨードスルフロン、メツルフロン、プロスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフルスルフロン及びトリトスルフロン;チアジアゾリルウレア系除草剤、例えばブチウロン、エチジムロン、テブチウロン、チアザフルロン及びチジアズロン;並びに未分類除草剤、例えばアクロレイン、アリルアルコール、アザフェニジン、ベナゾリン、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ブチダゾール、カルシウムシアナミド、カムベンジクロール、クロルフェナック、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、シンメチリン、クロマゾン、CPMF、クレゾール、オルト−ジクロロベンゼン、ジメピペレート、エンドタール、フルオロミジン、フルリドン、フルロクロリドン、フルタモン、フルチアセット、インダノファン、メタゾール、メチルイソチオシアネート、ニピラクロフェン、OCH、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、フェニルメルクリアセテート、ピノキサ







デン、プロスルファリン、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、キノクラミン、ローデタニル、スルグリカピン、チジアジミン、トリジファン、トリメツロン、トリプロピンダン及びトリタック。さらに、本発明の除草化合物は、グリホサート耐性、グルホシネート耐性、ジカンバ耐性、イミダゾリノン耐性又は2,4−D耐性作物に対して、グリホサート、グルホシネート、ジカンバ、イミダゾリノン類又は2,4−Dと一緒に使用することができる。本発明の化合物は、処理される作物に関して選択的な除草剤であって、且つ使用する施用率においてこれらの化合物によって防除される雑草のスペクトルを補完するような除草剤と組み合わせて使用することが、一般に好ましい。さらに、本発明の化合物及び他の補完的除草剤を、複合製剤として、又はタンクミックスとして、同時に施用することが、一般に好ましい。
【0040】
一般に、本発明の化合物は、その選択性を強化するために、公知の除草剤毒性緩和剤、例えばベノキサコル、ベンチオカルブ、ブラシノライド、クロキントセット(メキシル)、シオメトリニル、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジメピペレート、ジスルホトン、フェンクロラゾール−エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、MG191、MON4660、ナフタル酸無水物(NA)、オキサベトリニル、R29148及びN−フェニル−スルホニル安息香酸アミドと組み合わせて使用することができる。これらはさらに、遺伝子操作によって、又は突然変異及び選抜によって、それら又は他の除草剤に対する耐性又は抵抗性が付与されている数多くの作物において、望ましくない植生を防除するために使用することもできる。例えば、感受性植物におけるアセト乳酸シンターゼ阻害剤である化合物に対する耐性又は抵抗性が付与されている、トウモロコシ、コムギ、イネ、ダイズ、サトウダイコン、ワタ、セイヨウアブラナ、及び他の作物を、処理することができる。数多くのグリホサート及びグルホシネート耐性作物も同様に、これらの除草剤を単独で使用して、又は併用して、処理することができる。いくつかの作物(例えばワタ)は、オーキシン系除草剤、例えば2,4−ジクロロフェンオキシ酢酸に対する耐性が付与されている。これらの除草剤は、そのような抵抗性作物又は他のオーキシン耐性作物を処理するために使用することができる。
【0041】
式Iの2−(置換)−6−アミノ−5−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)−4−ピリミジンカルボキシレート化合物及び6−(置換)−4−アミノ−3−(アルキル、アルケニル又はアルキニル)ピコリネート化合物は、そのまま除草剤として利用することもできるが、除草有効量の化合物を少なくとも1つの農業上許容できる佐剤又は担体と共に含有する混合物として、それらを使用することが好ましい。適切な佐剤又は担体は、有用作物に対して、特に、作物の存在下で選択的雑草防除のために組成物を施用する際に使用される濃度において、植物毒性であってはならず、式Iの化合物又は他の組成物成分と化学的に反応してはならない。そのような混合物は、そのまま雑草若しくは雑草の場に施用されるように設計するか、又は通常は施用前に追加の担体及び佐剤で希釈される濃縮物(concentrate)又は製剤(formulation)とすることができる。それらは固形物、例えば粉剤(dust)、粒剤(granule)、水和性顆粒剤(water dispersible granule)、若しくは水和剤(wettable powder)などであるか、液状物、例えば乳剤(emulsifiable concentrate)、溶液、エマルション又は懸濁液であることができる。
【0042】
本発明の除草混合物を製造する際に役立つ適切な農業用佐剤及び担体は、当業者には周知である。
【0043】
使用することができる液状担体には、水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、クロップオイル(crop oil)、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、エチルアセテート、アミルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料などが含まれる。水は一般に濃縮物の希釈に好んで使用される担体である。
【0044】
適切な固形担体には、タルク、パイロフィライトクレー、シリカ、アタパルガスクレー、カオリンクレー、キースラガー、チョーク、珪藻土、石灰、カルシウムカーボネート、ベントナイトクレー、フラー土、綿実殻、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニンなどが含まれる。
【0045】
通常は、1つ又はそれ以上の界面活性剤を、本発明の組成物に組み込むことが望ましい。そのような界面活性剤は、固形組成物にも、液状組成物にも、とりわけ施用前に担体で希釈するように設計されているものも、有利に使用される。界面活性剤はアニオン性、カチオン性又はノニオン性であることができ、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤として、又は他の目的のために、使用することができる。典型的な界面活性剤には、アルキルサルフェートの塩、例えばジエタノールアンモニウムラウリルサルフェート;アルキルアリールスルホネート塩、例えばカルシウムドデシルベンゼンスルホネート;アルキルフェノール−アルキレンオキサイド付加生成物、例えばノニルフェノール−C18エトキシレート;アルコール−アルキレンオキサイド付加生成物、例えばトリデシルアルコール−C16エトキシレート;石鹸、例えばナトリウムステアレート;アルキルナフタレンスルホネート塩、例えばナトリウムジブチルナフタレンスルホネート;スルホサクシネート塩のジアルキルエステル、例えばナトリウムジ(2−エチルヘキシル)スルホサクシネート;ソルビトールエステル、例えばソルビトールオレート;4級アミン、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えばポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックコポリマー;並びにモノ及びジアルキルホスフェートエステルの塩が含まれる。
【0046】
農業用組成物に一般に使用される他の佐剤には、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤及び緩衝剤、腐蝕防止剤、色素、発臭剤、展着剤、浸透助剤、固着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗微生物剤などが含まれる。組成物は、適合する他の構成要素、例えば他の除草剤、植物成長調節剤、殺真菌剤、殺虫剤なども含有することができ、液体肥料又は固形粒状肥料担体、例えばアンモニウムナイトレート、ウレアなどと共に処方することができる。
【0047】
本発明の除草組成物における活性成分の濃度は、一般に0.001〜98重量パーセントである。0.01〜90重量パーセントの濃度がしばしば使用される。濃縮物として使用されるように設計された組成物では、活性成分が一般に5〜98重量パーセント、好ましくは10〜90重量パーセントの濃度で存在する。そのような組成物は、典型的には、施用前に不活性担体、例えば水で希釈される。雑草又は雑草の場に通常施用される希釈された組成物は、一般に、0.0001〜1重量パーセントの活性成分を含有し、好ましくは0.001〜0.05重量パーセントを含有する。
【0048】
本組成物は、通常の地上又は空中散粉機、噴霧機、及び散粒機を使って、静水における拡散によって、潅漑水への添加によって、及び当業者に公知の他の通常の手段によって、雑草又はそれらの場に施用することができる。
【0049】
以下の実施例は本発明のさまざまな態様を例示するために記載するものであり、特許請求の範囲の限定であると解釈してはならない。
【実施例】
【0050】
実施例1
4−クロロ−2,5−ジフルオロフェニルアミンの製造
【化11】


スズ(II)クロライド二水和物(15.5g、68.7mmol)をエチルアセテート(50mL)に溶解し、1−クロロ−2,5−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(2.65g、13.7mmol)を滴下した。次に、反応混合物を70℃で1時間撹拌した。次に、反応混合物を注意深く飽和ナトリウムバイカーボネート水溶液に加え、エチルアセテートで抽出した。有機相をさらに数回水で洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル)で精製することにより、標題の化合物を白色固形物として得た(1.65g、収率73.9%):H NMR(CDCl)δ7.02(dd,1H),6.57(dd,1H),3.81(br s,2H).
【0051】
実施例2
1−ブロモ−4−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼンの製造
【化12】


無水臭化銅(II)(2.7g、12.1mmol)及びt−ブチルナイトライト(1.56g、15.1mmol)を無水アセトニトリル(25mL)中で混合した。その結果生じた混合物を65℃まで加熱し、4−クロロ−2,5−ジフルオロ−フェニルアミン(1.65g、10.1mmol)の無水アセトニトリル(2mL)溶液を滴下した(激しい気体発生が認められた)。反応混合物を周囲温度まで冷却した後、それを2N HClに加え、ジエチルエーテルで2回抽出した。次に、有機抽出物を合わせ、2N HClで洗浄し、飽和ナトリウムバイカーボネートで洗浄し、乾燥し、濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類)で精製することにより、標題の化合物を白色固形物として得た(1.11g、収率48.4%):H NMR(CDCl)δ7.38(dd,2H),7.21(dd,2H).
【0052】
実施例3
2−(4−クロロ−2,5−ジフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの製造
【化13】


1−ブロモ−4−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼン(1.11g、4.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF;15mL)に溶解し、−10℃まで冷却した。イソプロピル−マグネシウムクロライドの2.0M THF溶液(2.7mL、5.4mmol)をシリンジから滴下した。反応混合物を−10℃で1時間撹拌し、0℃へと1時間温まらせてから、再び−10℃まで冷却した。次に、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.0g、5.4mmol)のTHF(1.0mL)溶液を滴下し、反応混合物を周囲温度まで温まらせた。次に反応混合物をジエチルエーテルに加え、1Nナトリウムヒドロキシドで2回抽出した。水相を合わせ、濃HClでpH3に酸性化し、ジクロロメタンで2回抽出した。有機相を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮することによって得た標題の化合物(0.97g、収率72.3%)を、これ以上精製することなく使用した:H NMR(CDCl)δ7.45(dd,1H),7.09 dd,1H),1.36(s,12H).
【0053】
実施例3の手法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化14】


2−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランである:H NMR(CDCl)δ7.58(d,1H),7.03(d,1H),2.32(s,3H),1.35(s,12H).
【0054】
実施例4
1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−エタノールの製造
【化15】


ナトリウムボロハイドライド(1.182g、51.4mmol)を、撹拌した1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)エタノン(10g、42.8mmol)のメタノール溶液に、0℃で加えた。その結果生じた発泡する白色混合物を周囲温度まで温まらせて、2時間撹拌した。反応混合物をアセトン(50mL)でクエンチし、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。残渣をエチルアセテートと水とに分配した。有機相を乾燥し、濃縮することにより、標題の化合物(10g、収率99%)を白色固形物として得た:H NMR(CDCl)δ7.75(d,1H),7.32(m,1H),7.19(m,1H),5.23(q,1H),1.95(d,1H),1.48(d,3H).
【0055】
実施例4の手法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化16】


1−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)エタノールである:H NMR(300 MHz,CDCl)δ7.14−7.22(m,2H),6.99(m,1H),5.38(m,1H),2.48(m,1H),1.63(dd,3H,J=1,7 Hz).
【0056】
実施例5
4−ブロモ−1−クロロ−2−(1−フルオロエチル)−ベンゼンの製造
【化17】


ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオライド(4.5g、20.34mmol)を、撹拌した1−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)エタノール(3.99g、16.95mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、0℃で加えた。その結果生じた溶液を0℃で3時間撹拌した。反応混合物を5%ナトリウムバイカーボネート水溶液(100mL)でクエンチし、その結果生じた発泡する二相反応混合物を0℃で15分間、激しく撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層を1M塩酸で洗浄し、乾燥し、ロータリーエバポレーションによって濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類)で精製することにより、標題の化合物(2.65g、11.16mmol、収率65.8%)を透明な油状物として得た:H NMR(CDCl)δ7.65(d,1H),7.37(m,1H),7.20(m,1H),5.88(dq,1H),1.61(dd,3H).
【0057】
実施例5の手法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化18】


1−クロロ−3−フルオロ−2−(1−フルオロエチル)ベンゼンである:H NMR(300 MHz,CDCl)δ7.15−7.26(m,2H),7.02(m,1H),6.12(dq,1H,J=6,46 Hz),1.76(ddd,3H,J=1,7,23 Hz).
【0058】
実施例6
1−クロロ−2−ジフルオロメトキシ−3−フルオロベンゼンの製造
【化19】


2−クロロ−6−フルオロフェノール(1.8g、12.33mmol)をジメチルホルムアミド(DMF;22mL)及び水(2.2mL)に溶解した。次に、カリウムカーボネート(2.55g、18.5mmol)及びナトリウムクロロジフルオロアセテート(4.7g、30.8mmol)を加え、その溶液を100℃に3時間加熱した。次に、冷却した反応混合物を濃HCl(10mL)で希釈し、その結果生じた溶液を2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水で洗浄し、1M NaOHで2回洗浄し、ブラインで1回洗浄し、乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮することによって得た標題の化合物(1g、収率41%)を、これ以上精製することなく後続の反応に使用した。
【0059】
実施例7
2−[4−クロロ−3−(1−フルオロエチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの製造
【化20】


4−ブロモ−1−クロロ−2−(1−フルオロエチル)ベンゼン(2.55g、10.74mmol)を乾燥ジエチルエーテル(50mL)に溶解し、−75℃まで冷却した。温度を−70℃未満に維持しながら、n−ブチルリチウム(4.72mL、11.81mmol)を滴下した。次に、反応混合物を15分間撹拌してから、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.197g、11.81mmol)を加え、反応混合物を周囲温度まで温まらせた。次に、反応混合物を水及びジエチルエーテルで希釈した。水相を12N HClで酸性化した後、生成物をジエチルエーテルで抽出した。有機相を乾燥し、減圧下で濃縮することにより、標題の化合物(1.55g、5.45mmol、収率50.7%)を白色固形物として得た:H NMR(CDCl)δ7.94(d,1H),7.65(m,1H),7.36(m,1H),5.96(dq,1H),1.64(dd,3H),1.34(s,12H).
【0060】
実施例7の手法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化21】


[6−クロロ−2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−ジメチルアミンである:H NMR(CDCl)δ7.35(m,1H),7.13(m,1H),2.85(d,6H),1.36(s,12H).
【0061】
実施例8
2−(4−クロロ−2,3−ジフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの製造
【化22】


n−ブチルリチウムの2.5Mヘキサン類溶液(2.69ml、6.73mmol)を、−78℃まで冷却した1−クロロ−2,3−ジフルオロベンゼン(1g、6.73mmol)のTHF(25mL)溶液に滴下した。−78℃で45分後に、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.253g、6.73mmol)を滴下し、その後、反応混合物を周囲温度まで温まらせた。反応混合物を水及びエチルアセテートで希釈し、有機相を水で2回抽出した。水性抽出物を合わせ、12N HClでpH3に酸性化し、エチルアセテートで抽出した。有機抽出物を乾燥し、減圧下で濃縮することにより、標題の化合物を油状生成物として得た(0.93g、収率50%):H NMR(CDCl)δ7.42(m,1H),7.17(m,1H),1.37(s,12H).
【0062】
実施例8の手法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化23】


2−(4−クロロ−3−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランである:H NMR(CDCl)δ7.1(m,1H),7.02(m,1H),6.8(t,1H),1.23(s,12H).
【0063】
実施例9
2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−(1−フルオロエチル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの製造
【化24】


n−ブチルリチウムの2.5M溶液(13mL、33mmol)を、撹拌したジイソプロピルアミン(5.0mL、35mmol)のTHF(50mL)溶液に、−78℃で加えた。その結果生じた無色の溶液を−78℃で20分間撹拌し、0℃まで温めてから、再び20分間、−78℃に冷却した。−78℃の1−クロロ−3−フルオロ−2−(1−フルオロエチル)ベンゼン(4.8g、27mmol、1.0当量)のTHF(20mL)溶液を、カニューレを通して、塩基溶液に移した。その結果生じた暗褐色溶液を−78℃で2時間撹拌した。2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(8.3mL、41mmol、1.5当量)を加え、その褐色溶液を20時間かけて23℃までゆっくり温めた。反応混合物を0.1M塩酸(300mL)で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーションで濃縮することにより、標題の化合物を褐色油状物として得た。これは、静置しておくと、固化して半固形物になった(7.7g、収率94%)。H NMR(300 MHz,CDCl)δ7.62(m,1H),7.17(m,1H),6.13(dq,1H,J=6,46 Hz),1.75(ddd,3H,J=1,7,23 Hz),1.36(s,12 H).
【0064】
実施例10
5−ヨード−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化25】


メチルオロテート(20.0g、118mmol)をヨウ素(12.8g、50mmol)及び過ヨウ素酸(4.8g、21mmol)とメタノール(250mL)中で混合し、20時間加熱還流した。周囲温度まで冷却した後、揮発物をロータリーエバポレーションによって除去した。固形残渣を水にスラリー化し、濾過によって集め、水で十分に洗浄し、減圧下70℃で乾燥することにより、標題の化合物(34g、収率97%)を固形物として得た。それを、これ以上精製することなく使用した。MS:m/z=296。
【0065】
実施例11
2,6−ジクロロ−5−ヨードピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化26】


5−ヨード−2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(5.0g、17mmol)をPOCl(30mL)に加え、0.5mL DMFで処理し、3時間加熱還流した。過剰のPOClを減圧下で除去し、残渣を氷と共に撹拌し、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン抽出物を水で洗浄し、乾燥し、エバポレートした。残渣をシリカでのクロマトグラフィー(5−15%エチルアセテート/ヘキサン)にかけることにより、標題の化合物(2.7g、収率48%)を得た。MS:m/z=332。
【0066】
実施例12
6−アミノ−2−クロロ−5−ヨードピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化27】


2,6−ジクロロ−5−ヨードピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(12g、36mmol)を、乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO;100mL)に溶解し、外部水槽冷却と組み合わせて温度が20〜30℃の範囲内に維持されるような流量のアンモニア気流で処理した。90分後に、アンモニア添加を完了し、窒素気流を20分間注入することにより、過剰のアンモニアを混合物から除去した。その混合物を水(200mL)に撹拌しながら注ぎ込み、沈殿した生成物をエチルアセテート(75mL)で2回抽出した。合わせたエチルアセテート抽出物を水(50mL)で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄し、乾燥し、エバポレートすることによって得た標題の化合物(10g、収率89%)を、これ以上精製することなく使用した。MS:M/Z=313。
【0067】
実施例13
6−アミノ−2−クロロ−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化28】


6−アミノ−2−クロロ−5−ヨードピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(10g、32mmol)を1,2−ジクロロエタン(100mL)に溶解し、ビニルトリブチルスタンナン(11.6mL、12.6g、40mmol)で処理し、窒素気流を10分間注入した。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(1.1g、1.6mmol、5モル%)を加え、その混合物を窒素雰囲気下で3時間加熱還流した。その混合物を冷却し、10%KHF水溶液と共に30分間撹拌し、固形物を除去するために、珪藻土を通して濾過した。濾過ケーキを、新たな1,2−ジクロロエタン及びエチルアセテートで洗浄した。合わせた濾液を水で洗浄し、飽和NaHCOで洗浄し、ブラインで洗浄し、乾燥し、エバポレートした。粗製物をシリカでのクロマトグラフィー(2%酢酸を含有する5−20%エチルアセテート/ジクロロメタン)にかけて、標題の化合物(4.5g、収率70%)を得た。この物質は約5%のPPhを含有していたが、これ以上精製することなく使用した。MS.m/z=213.H NMR(CDCl)δ6.77(dd,1H),6.4(br,2H),5.70(d,1H),5.61(d,1H).
【0068】
実施例14
6−アミノ−2−クロロピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化29】


温度を70℃未満に維持するために氷浴で冷却した2,6−ジクロロ−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(20.0g、97mmol、製造についてはH. Gershon, J. Org. Chem. 1962, 27, 3507-3510参照)のDMSO(100mL)溶液に、アンモニアをゆっくり吹き込んだ。反応溶液の温度が低下し始めたら、アンモニアの追加を止めた。反応溶液の温度が44℃に到達した時に、氷浴を除去した。反応溶液の温度が32℃に到達した時に、反応混合物を200mLの水で希釈し、濾過した。濾過された生成物を水で洗浄し、エチルアセテートで洗浄し、減圧下で乾燥することによって得た標題の化合物(14.4g、収率79%)を、これ以上精製することなく使用した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより、標題の化合物の分析的に純粋な試料を得た:H NMR(DMSO−d)δ7.7(br s,2H),7.00(s,1H),3.84(s,3H).
【0069】
実施例15
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化30】


6−アミノ−2−クロロピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(2.25g、12mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニルボロン酸(3.27g、16mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(842mg、1.2mmol)を、12mLの1,2−ジメトキシエタン及び12mLの水中で混合した。反応混合物を80℃で2時間加熱し、冷却した反応混合物をエチルアセテートと水とに分配した。有機相を水で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、標題の化合物(2.0g、収率53.5%)を得た:融点188−190°C:H NMR(CDCl)δ7.66(dd,1H),7.22(dd,1H),7.14(s,1H),5.25(br s,2H),4.0(s,3H),3.99(s,3H).
【0070】
実施例15の方法によって製造される他の化合物には次に挙げるものが含まれる。
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点192−194℃。
6−アミノ−2−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点、195℃超で分解。
6−アミノ−2−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点210−213℃。
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点218−220℃。
【0071】
実施例16
6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化31】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(778mg、2.5mmol)及びN−ブロモスクシンイミド(489mg、2.75mmol)をクロロホルム(10mL)中で混合し、12時間加熱還流した。冷却した反応混合物を濃縮し、生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、標題の化合物(752mg、収率77%)を得た:融点173−175°C:H NMR(CDCl)δ7.66(dd,1H),7.24(dd,1H),5.73(br s,2H),4.03(s,3H),4.01(d,3H).
【0072】
実施例16の方法によって製造される他の化合物には次に挙げるものが含まれる。
6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点186−188℃。
6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点:154℃超で分解。
6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点146−151℃。
6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル:融点197−200℃。
【0073】
実施例17
6−アミノ−2−シクロプロピル−5−メチルピリミジン−4−カルボン酸エチルエステルの製造(化合物1)
【化32】


6−アミノ−5−ブロモ−2−シクロプロピルピリミジン−4−カルボン酸エチルエステル(300mg、1.05mmol;製造については国際公開第2005/063721号A1参照)、テトラメチルスズ(937mg、5.24mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(74mg、0.105mmol)を5mLの1,2−ジクロロエタン中で混合し、CEMマイクロ波反応器中、150℃で20分間加熱した。その結果生じた反応混合物を濾過し、濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製し、続いて逆相クロマトグラフィーで精製することにより、標題の化合物(116mg、収率50%)を得た:融点130−132°C:H NMR(DMSO−d)δ6.85(br s,2H),4.27(q,2H),1.94(s,3H),1.87(m,1H),1.28(t,3H),0.84(d,4H).
【0074】
実施例17の方法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化33】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−メチルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物2)である:融点168−170°C:H NMR(CDCl)δ7.60(m,1H),7.21(m,1H),5.21(br s,2H),3.99(d,3H),3.98(s,3H),2.29(s,3H).
【0075】
実施例18
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物3)
【化34】


6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(1.5g、3.84mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(2.436g、7.68mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.270g、0.384mmol)を1,2−ジクロロエタン(4mL)中で混合し、CEMマイクロ波反応器中、130℃で15分間加熱した。冷却した反応混合物をシリカゲル上に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(1.06g、収率82%)を得た:融点145−147°C:H NMR(CDCl)δ7.64(m,1H),7.22(m,1H),6.84(dd,1H),5.68(m,2H),5.43(br s,2H),3.99(d,3H),3.95(s,3H).
【0076】
実施例18の方法によって製造される他の化合物には次に挙げるものが含まれる。
【化35】


6−アミノ−2−シクロプロピル−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸エチルエステル(化合物4):融点155−157°C:H NMR(CDCl)δ6.69(dd,1H),5.57(dd,1H),5.52(dd,1H),5.13(br s,1H),4.39(1,2H),2.07(m,1H),1.38(t,3H),1.07(m,2H),0.96(m,1H).
【化36】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物5):融点137−139°C:H NMR(CDCl)δ7.96(m,1H),7.20(m,2H),6.83(dd,1H),5.67(m,2H),5.42(br s,2H),3.95(s,3H).
【化37】


6−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物6):融点164−167°C:H NMR(CDCl)δ8.3(m,2H),7.40(m,2H),6.80(m,1H),5.6(m,2H),5.37(br s,2H),3.96(s,3H).
【化38】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物7):融点144−148°C:H NMR(CDCl)δ7.92(m,2H),7.40(d,1H),6.78(m,1H),5.6(m,2H),5.39(br s,1H),4.01(s,3H),3.96(s,3H).
【化39】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物8):融点161−164°C;H NMR(DMSO−d)δ7.52(m,2H),6.65(m,1H),5.50(m,2H),3.88(s,3H),3.81(s,3H).
【化40】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(1−フルオロビニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(Bull. Chem. Soc. Jpn. 2002, 75(11), 2497-2502に記載の手法に従って製造されるトリブチル−(1−フルオロビニル)スタンナンを利用)(化合物9):H NMR(CDCl)δ7.67(dd,1H),7.22(dd,1H),5.52(br s,2H),5.23(dd,1H),4.9(dd,1H),3.99(d,3H),3.95(s,3H).
【化41】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(1−エトキシビニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物10):H NMR(CDCl)δ7.62(dd,1H),7.2(dd,1H),5.62(br s,2H),4.5(dd,2H),3.99(d,3H),3.92(q,2H),3.91(s,3H),1.37(t,3H).
【化42】


4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−3−(1−フルオロビニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(Bull. Chem. Soc. Jpn. 2002, 75(11), 2497-2502に記載の手法に従って製造されるトリブチル−(1−フルオロビニル)−スタンナンを利用):H NMR(CDCl)δ7.96(m,2H),7.46(m,2H),6.35(br s,1H),5.25(dd,1H),4.85(dd,1H),3.96(s,3H).この化合物は、実施例29における化合物30の出発物質である。
【0077】
実施例19
6−アミノ−2−(4−クロロ−2,3−ジフルオロフェニル)−5−ビニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物11)
【化43】


6−アミノ−2−クロロ−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.6g、2.81mmol)、2−(4−クロロ−2,3−ジフルオロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(1.0g、3.65mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)ジクロライド(197mg、0.28mmol)、及びセシウムフルオライド(0.85g、5.6mmol)を、10mLの1,2−ジメトキシエタン(DME)及び10mLの水中で混合した。反応混合物をCEMマイクロ波反応器中、100℃で15分間加熱した(以降の実施例で使用した他の温度/時間ペアは、110℃で15分、150℃で5分である)。冷却した反応混合物をエチルアセテートで希釈し、水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.336g、収率36.7%)を黄色固形物として得た(融点130−132℃):H NMR(CDCl)δ7.74(m,1H),7.22(m,1H),6.8(dd,1H),5.62−5.7(m,2H),5.67(m,1H),5.42(br s,2H),3.94(s,3H).
【0078】
実施例19の方法によって製造される他の化合物には次に挙げるものが含まれる。
【化44】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2,5−ジフルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物12):H NMR(CDCl)δ7.84(dd,1H),7.22(dd,1H),6.81(dd,1H),5.62−5.70(m,2H),5.41(br s,2H),3.92(s,3H).
【化45】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メチルフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物13):H NMR(CDCl)δ7.83(d,1H),7.18(d,1H),6.81(dd,1H),5.6−5.71(m,2H),5.41(br s,2H),3.92(s,3H),2.38(s,3H).
【化46】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−(1−フルオロエチル)フェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物14):融点144−147°C.H NMR(CDCl)δ7.88(m,1H),7.25(m,1H),6.83(dd,1H,J=12,18 Hz),6.17(dq,1H,J=6,46 Hz),5.62−5.72(m,2H),5.46(br s,2H),3.95(s,3H),1.79(ddd,3H,J=1,7,23 Hz).
【化47】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−ジフルオロメチル−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物15):H NMR(CDCl)δ8.07(m,1H),7.31(br d,1H,J=8 Hz),7.03(dd,1H,J=1,53 Hz),6.83(dd,1H,J=12.5,18 Hz),5.63−5.73(m,2H),5.44(br s,2H),3.95(s,3H).
【化48】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物16):H−NMR(CDCl)δ8.19−8.11(m,2H,)7.44(t,J=7.9Hz,s,1H),6.79(dd,J=11,6Hz 1H),5.68−5.60(m,2H),5.36(s,2H),3.95(s,3H).
【化49】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物17):H−NMR(CDCl)δ7.87(t,J=8.6Hz,1H,)7.30(dd,J=6.92,1.65Hz,1H),6.82(dd,J=11,6Hz,1H),6.63(t,J=73Hz,1H),5.8(dd,J=7.26,1.3Hz,2H),5.46(s,2H),3.94(s,3H).
【化50】


6−アミノ−2−(2,4−ジクロロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物18):H NMR(CDCl)δ7.38(s,2H),6.83(dd,1H),5.63−5.7(m,2H),5.53(br s,2H),3.92(s,3H),3.91 s,3H).
【化51】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−ジメチルアミノ−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物19):H NMR(CDCl)δ7.57(dd,1H),7.2(dd,1H),6.83(dd,1H),5.62−5.70(m,2H),5.42(br s,2H),3.94(s,3H),2.9(d,6H).
【化52】


6−アミノ−2−[4−クロロ−3−(1−フルオロエチル)フェニル]−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物20):H NMR(CDCl)δ8.53(m,1H),8.26(m,1H),7.40(m,1H),6.78(dd,1H),5.99(dt,1H),5.6−5.66(m,2H),5.35(br s,2H),3.95(s,3H),1.69(dd,3H).
【0079】
実施例20
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−エチル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物21)
【化53】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.7mmol)をエタノール(10mL)に溶解し、パラジウムヒドロキシド(炭素上20%、50mg)を加え、反応混合物を水素雰囲気下で4時間撹拌した。次に触媒を濾去し、濾液を濃縮し、生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で精製することにより、標題の化合物(148mg、収率62%)を得た:融点144−146°C:H NMR(CDCl)δ7.61(m,1H),7.20(m,1H),5.19(br s,2H),3.99(d,3H),3.98(s,3H),2.68(q,2H),1.28(t,3H).
【0080】
実施例21
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−((E)−プロペニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物22)
【化54】


6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(400mg、1.02mmol)、trans−プロペニルボロン酸(2132mg、1.54mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(72mg、0.1mmol)、及びセシウムフルオライド(311mg、2.05mmol)を、1,2−ジメトキシエタン(2mL)及び水(2mL)中で混合し、CEMマイクロ波反応器中、100℃で15分間加熱した。冷却した反応混合物をエチルアセテートと水とに分配し、有機相を乾燥し、濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で精製してから、逆相HPLCで再度精製することにより、標題の化合物を得た:融点133−135°C:H NMR(CDCl)δ7.63(m,1H),7.22(m,1H),6.43(m,1H),6.12(m,1H),5.35(br s,2H),3.99(d,3H),3.94(s,3H),1.94(dd,3H).
【0081】
実施例21の方法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化55】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−((Z)−プロペニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(化合物23)である:融点91−93°C:H NMR(CDCl)δ7.67(m,1H),7.22(m,1H),6.38(m,1H),6.07(m,1H),5.32(br s,2H),4.0(d,3H),3.93(s,3H).
【0082】
実施例22
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−トリメチルシラニルエチニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化56】


6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(1.0g、2.56mmol)、トリメチル((トリブチルスタンニル)エチニル)シラン(1.98g、5.12mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.18g、0.256mmol)を1,2−ジクロロエタン(10mL)中で混合し、CEMマイクロ波反応器中、110℃で15分間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下で濃縮してから、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エチルアセテート勾配)によって精製した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で2回目の精製を行なうことにより、標題の化合物(0.829g、収率79%)を得た:融点126−128℃。
【0083】
実施例23
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−エチニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物24)
【化57】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−トリメチル−シラニルエチニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(1.2g、2.94mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、カリウムカーボネート(0.203g、1.471mmol)を加えた。周囲温度で1時間撹拌した後、形成された沈殿物を濾別し、メタノールで洗浄し、ジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した。有機相を乾燥し、濃縮することにより、標題の化合物(0.410g、収率41.5%)を得た:融点174−176°C:H NMR(CDCl)δ7.7(m,1H),7.22(m,1H),5.82(br s,2H),4.01(s,3H),4.00(dd,3H),3.85(s,1H).
【0084】
実施例24
4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−3−メチルピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物25)
【化58】


4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.400g、1.269mmol)、テトラメチルスタンナン(3.41g、19.04mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.089g、0.127mmol)を混合し、CEMマイクロ波反応器中、130℃に25分間加熱した。冷却した反応混合物をシリカゲル上に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.143g、収率38.2%)を得た:H NMR(CDCl)δ7.88(m,2H),7.41(m,2H),4.41(br s,2H),3.96(s,3H),2.36(s,3H).
【0085】
実施例25
4−アセチルアミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−メチルピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【化59】


4−アセチルアミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(500mg、1.29mmol)、テトラメチルスズ(924mg、5.17mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(91mg、0.129mmol)、及びテトラブチルアンモニウムトリフェニルジフルオロシリケート(1.395g、2.58mmol)を、2mLのアセトニトリル中で混合し、CEMマイクロ波反応器中、110℃で15分間加熱した。その結果生じた反応混合物を濾過し、濃縮した。この中間体生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(419mg、収率88%)を得た。融点182−184℃。
【0086】
実施例26
4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【化60】


4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(3g、9.5mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(4.6g、21mmol)を周囲温度で加えた。1時間後に、反応混合物を濃縮し、生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)によって精製した。次に、このビス保護中間体(3.2g、6.2mmol)をジクロロメタン(25mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.42g、12.4mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、標題の化合物(2g、4.82mmol、2ステップで収率50.7%)を白色固形物として得た:H NMR(CDCl)δ7.91(m,2H),7.43(m,2H),6.48(br s,1H),4.0(s,3H),1.55(s,9H).
【0087】
実施例27
4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物26)
【化61】


4−アミノ−3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.5g、1.59mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(1.01g、3.17mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.111g、0.159mmol)、及びテトラブチルアンモニウムトリフェニルジフルオロシリケート(1.71g、3.17mmol)を、アセトニトリル(3ml)中で混合し、CEMマイクロ波反応器中で110℃に15分間加熱した。冷却した反応混合物をシリカゲル上に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で2回精製することにより、標題の化合物(46mg、収率5%)をオフホワイトの固形物(融点81−83℃)として得た。H NMR(CDCl)δ7.9(m,1H),7.43(m,1H),6.89(dd,1H),5.7(dd,1H),5.57(dd,1H),4.72(br s,2H),3.93(s,3H).
【0088】
実施例28
4−アセチルアミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【化62】


4−アセチルアミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.5g、1.29mmol)、トリブチル(ビニル)スズ(0.821g、2.58mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.091g、0.129mmol)、及びテトラブチルアンモニウムトリフェニルジフルオロシリケート(1.4g、2.58mmol)を、アセトニトリル(3ml)中で混合し、CEMマイクロ波反応器中で110℃に15分間加熱した。冷却した反応混合物をシリカゲル上に濃縮し、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.293g、収率60%)を白色固形物(融点143−145℃)として得た。H NMR(CDCl)δ7.66(m,1H),7.22(d,1H),7.12(m,1H),6.85(dd,1H),5.66(dd,1H),5.57(dd,1H),4.61(br s,2H),3.97(s,3H),3.94(d,3H).
【0089】
実施例28の方法によって製造される他の化合物には次に挙げるものが含まれる。
【化63】


4−アセチルアミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸メチルエステル。
【0090】
実施例29
4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物27)
【化64】


4−アセチルアミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−メチルピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(369mg、1.0mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、アセチルクロライド(1.07mL、15mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で終夜撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をエチルアセテートとナトリウムバイカーボネート水溶液とに分配し、有機相を乾燥し、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エチルアセテート勾配)で精製した後、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で2回目の精製を行なうことにより、標題の化合物(292mg、収率88%)を白色固形物(融点122−125℃)として得た。H NMR(CDCl)δ7.65(m,1H),7.26(s,1H),7.1(m,1H),4.35(br s,2H),3.99(s,3H),3.98(d,3H),2.31(s,3H).
【0091】
実施例29の方法によって製造される他の化合物には次に挙げるものが含まれる。
【化65】


4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物28):融点118−121°C:H NMR(CDCl)δ7.67(m,1H),7.24(d,1H),7.13(m,1H),6.86(dd,1H),5.55−5.71(m,2H),4.63(br s,2H),3.99(s,3H),3.94(s,3H).
【化66】


4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物29)。H NMR(CDCl)δ8.0(m,1H),7.2(d,1H),7.1(m,2H),6.8(m,1H),5.6(m,2 h),4.6(s,2H),3.9(s,3H).
【化67】


4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−3−(1−フルオロビニル)ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物30):H NMR(CDCl)δ7.9(m,2H),7.43(m,2H),5.27(dd,1H),4.84(dd,1H),4.87(br s,2H).
【0092】
実施例30
4−アセチルアミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−トリメチルシラニルエチニルピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【化68】


4−アセチルアミノ−3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.8g、2.061mmol)、トリメチル((トリブチルスタンニル)エチニル)シラン(1.596g、4.12mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.145g、0.206mmol)を、1,2−ジクロロエタン(2mL)中で混合し、CEMマイクロ波反応器中、130℃で15分間加熱した。冷却した反応混合物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.196g、収率21.1%)を得た。H NMR(CDCl)δ9.03(s,1H),8.4(br s,1H),7.67(m,1H),7.24(m,1H),4.0(s,3H),3.99(d,3H),2.29(s,3H),0.36(s,9H).
【0093】
実施例31
4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−エチニル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物31)
【化69】


4−アセチルアミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−トリメチルシラニルエチニルピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.196g、0.437mmol)をメタノール(4.36mL)に懸濁し、アセチルクロライド(0.310mL、4.37mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で終夜撹拌してから、濃縮乾固した。残渣をメタノール(4.36mL)に溶解し、カリウムカーボネート(0.121g、0.873mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、2N HClで酸性化し、濃縮したが、乾固はしなかった。残渣をエチルアセテートとナトリウムバイカーボネートとに分配し、有機相を乾燥し、濃縮した。その結果生じた生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.109g、収率74.6%)を黄色固形物(融点167−169℃)として得た:H NMR(CDCl)δ7.7(m,1H),7.24(s,1H),7.18(m,1H),5.08(br s,2H),3.99(s,3H),3.97(d,3H),3.84(s,1H).
【0094】
実施例32
5−アセチル−6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物32)
【化70】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(1−エトキシ−ビニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.235g、0.616mmol)をTHF(5mL)及び2N HCl(0.616mL、1.231mmol)に溶解し、周囲温度で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水で摩砕し、濾過した。生成物をメタノールで洗浄し、減圧下で乾燥することにより、標題の化合物(0.205g、収率94%)を得た。H NMR(DMSO−d)δ7.7(br s,2H),7.63(dd,1H),7.42(dd,1H),3.92(s,3H),3.85(s,3H),2.46(s,3H).
【0095】
実施例33
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ホルミル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物33)
【化71】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.500g、1.5mmol)をTHF(3mL)及び水(3mL)に溶解した。オスミウムテトロキシド(4mg、0.015mmol)を加え、反応混合物を2分間撹拌した。次に、過ヨウ素酸ナトリウム(0.63g、3mmol)を、2分間かけて加えた。次に、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌してから、水(150mL)に注ぎ込み、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮することにより、標題の化合物(490mg、収率98%)を、以降の反応には十分な純度で得た。逆相クロマトグラフィーによって分析試料を得た:H NMR(CDCl)δ10.31(s,1H),8.72(br s,1H),7.77(dd,1H),7.23(m,1H),6.03(br s,1H),4.06(s,3H),4.01(d,3H).
【0096】
実施例33の方法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化72】


4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−ホルミルピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物34)である:H−NMR(CDCl)δ10.27(s,1H),7.75(t,J=8.6 Hz,1H,)7.28(dd,J=8.6 1.9Hz,1H)7.25(d,J=1.7Hz,1H),7.12(m,2H),5.3(s,2H),4.03(s,3H)3.98(d,J=1.0 Hz,3H).
【0097】
実施例34
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)−5−ジフルオロメチルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物35)
【化73】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ホルミルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.120、0.35mmol)を、ジクロロメタン(5mL)及びジエチルエーテル(3mL)に、穏やかに加熱して溶解した。溶液を周囲温度まで冷却させた後、ジエチルアミノサルファートリフルオロライド(0.5g、3.15mmol)を加え、反応混合物を穏やかに加熱したところ、透明な溶液を得た。反応混合物を周囲温度で終夜撹拌してから、メタノールでクエンチし、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(62mg、収率48%)を得た:H NMR(CDCl)δ7.69(dd,1H),7.42(t,1H),7.24(dd,1H),5.83(br s,2H),4.02(s,3H),4.0(d,3H).
【0098】
実施例34の方法によって製造されるもう1つの化合物は、
【化74】


4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−ジフルオロメチルピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物36)である:H−NMR(CDCl)δ7.76(t,J=8.2 Hz,1H,)7.40(t,J=53.4Hz,s,1H)7.23(m,1H),7.14(m,1H),5.09(s,2H),3.99(s,3H),3.97(s,3H).
【0099】
実施例35
6−アミノ−5−((E)−2−ブロモビニル)−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物37)
【化75】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.720g、2.13mmol)をクロロホルム(20mL)に溶解し、臭素(0.511g、3.2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。生成物をジクロロメタン(20mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.430g、4.26mmol)で処理し、周囲温度で2時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エチルアセテート勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.5g、2ステップで収率56%)を白色固形物(融点171−173℃)として得た:H NMR(CDCl)δ7.66(dd,1H),7.22(dd,1H),7.22(d,1H),6.72(d,1H),5.37(br s,2H),4.0(s,3H),3.97(s,3H).
【0100】
実施例36
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−((E)−2−メチルスルファニルビニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物38)
【化76】


6−アミノ−5−((E)−2−ブロモビニル)−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.915g、2.196mmol)をDMSO(10mL)に溶解し、ナトリウムチオメトキシド(0.169g、2.416mmol)を加えた。周囲温度で30分後に、反応混合物を水で希釈し、エチルアセテートで抽出した。残存DMSOの溶解度を下げるために有機相を石油エーテルで希釈し、水で3回洗浄し、濾過し、濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.510g、収率60.5%)を黄色固形物として得た:H NMR(CDCl)δ7.63(dd,1H),7.19(dd,1H),6.74(d,1H),6.32(d,1H),5.34(br s,2H),3.99(d,3H),3.94(s,3H),2.41(s,3H).
【0101】
実施例37
6−アミノ−5−(2−ブロモ−1−フルオロエチル)−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造
【化77】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニル−ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.611g、1.809mmol)及びN−ブロモスクシンイミド(0.386g、2.171mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、反応混合物を0℃まで冷却した。次に、トリエチルアミントリヒドロフルオライド(0.884mL、5.43mmol)を滴下し、反応混合物を周囲温度まで温まらせ、終夜撹拌した。水及び追加のジクロロメタンを加えた。ナトリウムバイカーボネート(0.760g、9.05mmol)を、新たな気体発生が認められなくなるまで、数回に分けて加えた。有機相を乾燥し、減圧下で濃縮した。生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーで2回精製(1回目はジクロロメタン/エチルアセテート勾配、続いてヘキサン/エチルアセテート勾配)することにより、標題の化合物(352mg、0.806mmol、収率44.6%)を白色固形物(融点144−146℃)として得た:H NMR(CDCl)δ7.67(dd,1H),7.23(dd,1H),6.32(ddd,1H),5.77(br s,2H),4.01(s,3H),4.0(d,3H),3.77−3.94(m,2H).
【0102】
実施例38
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(1−フルオロエチル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステルの製造(化合物39)
【化78】


6−アミノ−5−(2−ブロモ−1−フルオロエチル)−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(324mg、0.742mmol)、トリ−n−ブチルスズハイドライド(0.396mL、1.484mmol)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(3.05mg、0.019mmol)を1,2−ジメトキシエタン(2.5mL)中で混合し、CEMマイクロ波反応器中、100℃で15分間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下で濃縮してから、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エチルアセテート勾配)によって精製した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテート勾配)で2回目の精製を行なうことにより、標題の化合物(162mg、収率61.0%)を白色固形物(融点150−152℃)として得た:H NMR(CDCl)δ7.64(dd,1H),7.22(dd,1H),6.26(dq,1H),5.73(br s,2H),4.00(d,3H),3.98(s,3H),1.80(dd,3H).
【0103】
実施例39
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(1−メトキシエチル)ピリミジン−4−カルボン酸の製造(化合物40)
【化79】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(1−フルオロエチル)ピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(0.100g、0.280mmol)をメタノール(10mL)に溶解/懸濁し、2Nナトリウムヒドロキシド(0.561mL、1.121mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で終夜撹拌し、2N HClで酸性化し、濃縮した。形成された沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥することにより、標題の化合物(0.085g、収率85%)を白色固形物(融点165−167℃)として得た:H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.60(dd,1H),7.39(dd,1H),4.55(q,1H),3.91(s,3H),3.17(s,3H),1.41(dd,3H).
【0104】
実施例40
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸の製造(化合物41)
【化80】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.59mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、2Nナトリウムヒドロキシド(1mL、2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、わずかに過剰の2N HClで酸性化し、濃縮した。形成された結晶を濾別し、水で洗浄し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥することにより、標題の化合物(136mg、収率71%)を得た:融点167−168℃:H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.62(m,1H),7.43(m,1H),6.65(dd,1H),5.67(m,2H),3.92(d,3H).
【0105】
実施例40の方法によって製造される他の化合物には次に挙げるものが含まれる。
【化81】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物42):融点167−169℃:H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.91(m,1H),7.51(m,1H),7.40(m,1H),6.65(dd,1H),5.58(m,2H).
【化82】


6−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物44):H NMR(DMSO−d)δ13.6(bs,1H),8.26(d,2H),7.53(d,2H),7.19(bs,2H),6.66(m,1H),5.54(m,2H).5.63(dd,1H),5.56(dd,1H).
【化83】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2,3−ジフルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物44):融点170−172℃:H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.76(m,1H),7.51(m,1H),6.63(dd,1H),5.52−5.61(m,2H).
【化84】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物45):H NMR(DMSO−d)δ7.96(m,1H),7.88(m,1H),7.52(m,1H),7.20(br s,2H),6.65(dd,1H),5.48−5.61(m,2H),3.93(s,3H).
【化85】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2,5−ジフルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物46):H NMR(CDCl+DMSO−d)δ7.79(dd,1H),7.07(dd,1H),6.82(dd,1H),6.02(br s,2H),5.55−5.57(m,2H).
【化86】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−(1−フルオロエチル)フェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物47):融点150−153°C.H NMR(300 MHz,DMSO−d)δ7.86(br t,1H,J=8 Hz),7.46(br d,1H,J=8 Hz),7.27(br s,2H),6.65(dd,1H,J=12,18 Hz),6.16(dq,1H,J=6,46 Hz),5.49−5.65(m,2H),1.73(dd,3H,J=7,23 Hz).
【化87】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−ジフルオロメチル−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物48):H NMR(DMSO−d)δ8.06(t,1H,J=8 Hz),7.57(d,1H,J=8 Hz),7.13−7.43(m,4H),6.66(dd,1H,J=11,17 Hz),5.51−5.67(m,2H).
【化88】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物49):H−NMR(DMSO−d)δ8.17(m,2H,)7.55(m,1H),6.76(dd,J=11,6Hz,1H),5.64−5.58(m,2H).
【化89】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−ジフルオロメトキシ−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物50):H−NMR(DMSO−d)δ13.61(s,1H,)7.85(t,J=8Hz,1H),7.53(dd,J=7,1.7Hz,1H),7.29(bs,2H),7.23(t,J=72Hz,lH),6.62(dd,J=11,6Hz,1H),5.61−5.49(m,2H).
【化90】


6−アミノ−2−(4−クロロ−3−ジメチルアミノ−2−フルオロフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物51):H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.55(dd,1H),7.34(dd,1H),6.63(dd,1H),5.51−5.62(m,2H),2.81(d,6H).
【化91】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−(1−フルオロビニル)ピリミジン−4−カルボン酸(化合物52):H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.62(dd,1H),7.42(dd,1H),5.23(dd,1H),4.94(dd,1H),3.92(s,3H).
【化92】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−メチルピリミジン−4−カルボン酸(化合物53):融点201−203℃:H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.57(m,1H),7.38(m,1H),2.11(s,3H).
【化93】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−エチルピリミジン−4−カルボン酸(化合物54):H NMR(DMSO−d)δ7.59(dd,1H),7.37(dd,1H),7.18(br s,2H),3.9(s,3H),2.56(q,2H),1.08(t,3H).
【化94】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−((Z)−プロペニル)ピリミジン−4−カルボン酸(化合物55):H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.63(m,1H),7.40(m,1H),6.17(dd,1H),5.94(m,1H),1.52(dd,3H).
【化95】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−エチニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物56):H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.67(m,1H),7.43(m,1H),4.79(s,1H),3.92(s,3H).
【化96】


6−アミノ−2−シクロプロピル−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸(化合物57):融点187−189°C:H NMR(DMSO−d)δ7.7(br s,2H),7.1(dd,1H),5.92−6.07(m,2H),2.49(m,1H),1.47(m,4H).
【化97】


4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−メチルピリジン−2−カルボン酸(化合物58):H NMR(DMSO−d+微量のDO)δ7.52(m,1H),7.43(m,1H).3.93(s,3H),2.2(s,3H).
【化98】


4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸(化合物59):H NMR(DMSO−d)δ7.62(m,1H),7.40(dd,1H),7.10(d,1H),6.70(dd,1H),6.41(br s,2H),5.45−5.57(m,2H),3.92(d,3H).
【化99】


4−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸(化合物60)、融点209−211℃。H NMR(MeOH−d)δ7.65(m,1H),7.46(m,2H),6.96(d,1H),6.76(dd,1H),5.75(dd,1H),4.68(dd,1H).
【化100】


4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−5−フルオロ−3−ビニルピリジン−2−カルボン酸(化合物61):H NMR(DMSO−d)δ7.87(m,2H),7.55(m,2H),6.74(dd,1H),5.52−5.56(m,2H).
【0106】
実施例41
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニル−ピリミジン−4−カルボン酸ブチルエステルの製造(化合物62)
【化101】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニル−ピリミジン−4−カルボン酸(0.150g、0.46mmol)、ヨードブタン(0.111g、0.60mmol)、及びリチウムカーボネート(0.044g、0.6mmol)をDMF(1.5mL)中で混合し、60℃で終夜加熱した。冷却した反応混合物を濃縮し、エチルアセテートと水とに分配した。有機相を乾燥し、濃縮した。生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(エチルアセテート/ヘキサン勾配)で精製することにより、標題の化合物(0.092g、収率52.3%)を得た:H NMR(CDCl)δ7.65(dd,1H),7.19(dd,1H),7.75(dd,1H),5.62−5.67(m,2H),5.35(br s,2H),4.34(t,3H),3.99(dd,3H),1.74(m,2H),1.45(m,2H),0.97(t,3H).
【0107】
実施例42
6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニルピリミジン−4−カルボン酸のトリエチルアミン塩の製造(化合物63)
【化102】


6−アミノ−2−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−5−ビニル−ピリミジン−4−カルボン酸(36mg)を、1mLのトリエチルアミンを添加することによって、10mLのジクロロメタンに溶解した。溶媒及び過剰のトリエチルアミンを減圧下で除去することにより、標題の化合物を定量的収率で得た。
【0108】
除草組成物の製造
実施例43
下記の例示的組成物において、部及びパーセンテージは重量による。
【表1】


【表2】



【表3】



【表4】



【表5】


【0109】
これらの濃縮物を水で希釈して、雑草防除用の適切な濃度のエマルションを得ることができる。
【表6】



【表7】



【表8】


【0110】
活性成分を対応する担体に適用し、次にそれらを混合し、粉砕して、優れた湿潤性及び懸濁力を有する水和剤を得る。これらの水和剤を水で希釈することにより、雑草防除用の適切な濃度の懸濁液を得ることができる。
【表9】

【0111】
活性成分を水和シリカに加え、次にそれを他の成分と混合し、粉末に粉砕する。その粉末を水で塊状にし、篩分して、−10〜+60メッシュの範囲の顆粒を得る。これらの顆粒を水に分散させることにより、雑草防除用の適切な濃度の懸濁液を得ることができる。
【表10】


【0112】
活性成分を、極性溶媒、例えばN−メチルピロリジノン、シクロヘキサノン、ガンマ−ブチロラクトンなどに入れて、Celetom MP88担体又は他の適切な担体に適用する。その結果得られた粒剤を、雑草を防除するために、手作業、散粒機、飛行機などによって適用する。
【表11】


【0113】
全ての材料を配合し、粉末に粉砕してから、水を加え、そのクレー混合物を、ペーストが形成されるまで撹拌する。その混合物をダイを通して押し出して、適正なサイズの粒剤を得る。
【表12】


【0114】
活性成分を適当量の水に溶解し、追加のモノエタノールアミンを緩衝剤として加える。 水溶性界面活性剤を加えてもよい。物理特性、化学特性及び/又は製剤特性を改善するために、他の助剤を組み込んでもよい。
【0115】
実施例44
一般発芽後除草活性の評価
所望する試験植物種の種子又は小堅果を、103平方センチメートルの表面積を有するプラスチック鉢で、典型的には6.0〜6.8のpH及び約30パーセントの有機物含量を有するSun Gro MetroMix(登録商標)306裁植混合物(planting mixture)に植付けた。良好な発芽及び健康な植物を確保するために必要な場合は、殺真菌剤処理及び/又は他の化学的若しくは物理的処理を施した。日中は23〜29℃、夜間は22〜28℃に維持された、明期が約15時間の温室中で、植物を7〜21日間成長させた。栄養及び水を定期的に加え、必要に応じて、オーバーヘッド金属ハライド1000ワットランプで、補光を行なった。植物が第1又は第2本葉段階に達した時に、それらを試験に使用した。
【0116】
量り取った量(これは、試験しようとする最高施用率によって決まる)の各試験化合物を25mLガラスバイアルに入れ、4mLの、アセトンとジメチルスルホキシド(DMSO)の97:3v/v(体積/体積)混合物に溶解して、濃厚原液を得た。試験化合物がすぐに溶解しない場合は、混合物を温め且つ/又は超音波処理した。得られた濃厚原液を20mLの水性混合物(アセトン、水、イソプロピルアルコール、DMSO、Atplus 411Fクロップオイルコンセントレート、及びTriton(登録商標)X−155界面活性剤を48.5:39:10:1.5:1.0:0.02のv/v比で含有するもの)で希釈して、最も高い施用率を含有する噴霧溶液を得た。12mLの高施用率溶液を、2mLの、アセトンとジメチルスルホキシド(DMSO)の97:3v/v(体積/体積)混合物と、10mLの水性混合物(アセトン、水、イソプロピルアルコール、DMSO、Atplus 411Fクロップオイルコンセントレート、及びTriton X−155界面活性剤を48.5:39:10:1.5:1.0:0.02のv/v比で含有するもの)とを含有する溶液に、段階希釈して、高施用率の1/2×、1/4×、1/8×及び1/16×の施用率を得ることによって、他の施用率を得た。化合物の必要量は、187L/haの施用率で、12mLの施用体積に基づく。処方された化合物を、植物の平均草冠高から上方に18インチ(43cm)の散布高で、187L/haが送達されるように較正された8002Eノズルを装着した、オーバーヘッドMandelトラック噴霧機(track sprayer)を使って、0.503平方メートルの施用区域に対して、植物材料に施用した。対照植物には、溶媒ブランクを同じ方法で散布した。
【0117】
処理された植物及び対照植物を上述の温室に入れ、試験化合物が洗い流されるのを防ぐために、地下潅漑によって給水した。14日後に、無処理植物の状態と比較した試験植物の状態を、目視によって決定し、0パーセントから100パーセントまでの尺度(0は傷害なしに相当し、100は完全な枯死に相当する)でスコア化した。
【0118】
試験した化合物、使用した施用率、試験した植物種、及び結果の一部を、表1に示す。
【表13】







【0119】
実施例45
一般発芽前除草活性の評価
ローム土(43パーセントシルト、19パーセントクレー、及び38パーセント砂、pH8.1、有機物含量1.5パーセント)と砂を70対30の比で混合することによって調製した土壌マトリックスに、所望する試験植物種の種子を植付けた。この土壌マトリックスは、127平方センチメートルの表面積を有するプラスチック鉢に入っていた。良好な発芽及び健康な植物を確保するために必要な場合は、殺真菌剤処理及び/又は他の化学的若しくは物理的処理を施した。
【0120】
量り取った量(これは、試験しようとする最高施用率によって決まる)の各試験化合物を25mLガラスバイアルに入れ、6mLの、アセトンとDMSOの97:3v/v(体積/体積)混合物に溶解して、濃厚原液を得た。試験化合物がすぐに溶解しない場合は、混合物を温め且つ/又は超音波処理した。得られた濃厚原液を18mLの0.1%v/v Tween(登録商標)20界面活性剤水溶液で希釈して、最も高い施用率を含有する噴霧溶液を得た。12mLの高施用率溶液を、3mLの、アセトンとDMSOの97:3v/v(体積/体積)混合物と、9mLの0.1%v/v Tween(登録商標)20界面活性剤水溶液とを含有する溶液に、段階希釈して、高施用率の1/2×、1/4×、1/8×及び1/16×の施用率を得ることによって、他の施用率を得た。化合物の必要量は、187L/haの施用率で、12mLの施用体積に基づく。処方された化合物を、土壌表面から上方に18インチ(43cm)の散布高で、187L/haが送達されるように較正された8002Eノズルを装着した、オーバーヘッドMandelトラック噴霧機を使って、0.503平方メートルの施用区域に対して、土壌表面に施用した。対照鉢には、溶媒ブランクを同じ方法で散布した。
【0121】
処理された鉢及び対照鉢を、明期が約15時間、日中は23〜29℃、夜間は22〜28℃に維持された温室に置いた。栄養及び水を定期的に加え、必要に応じて、オーバーヘッド金属ハライド1000ワットランプで、補光を行なった。水は地上潅漑(top-irrigation)によって加えた。20〜22日後に、発芽し成長した試験植物の状態を、発芽し成長した無処理植物の状態と比較して、目視によって決定し、0パーセントから100パーセントまでの尺度(0は傷害なしに相当し、100は完全な枯死又は発芽なしに相当する)でスコア化した。
【0122】
試験した化合物、使用した施用率、試験した植物種、及び結果の一部を、表2に示す。
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】


[式中、
Aは、N又はCRを表し;
は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルチオアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、C−Cアルコキシアルケニル、C−Cチオアルキルアルケニル、C−Cアルキニル又はC−Cハロアルキニル、ホルミル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルカルボニルを表し;
は、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル又は
【化2】


(式中、
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、C−Cアルケニルチオ、C−Cアルキニルチオ、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロアルコキシ、C−Cハロアルコキシアルキル、C−Cハロアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cトリアルキルシリル、C−Cハロアルケニルオキシ、C−Cハロアルキニルオキシ、C−Cハロアルケニルチオ、C−Cハロアルキニルチオ、−C(O)OR、−C(O)NR、−CRNOR、−NR、−NROR、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR又は−NCRNRを表し;
は、H、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルケニル又はC−Cハロアルケニルを表すか、X及びYが全体として、−O(CHCH−、又は−O(CHO−(式中、n=1又は2)を表し;且つ
は、H又はハロゲンを表す)
を表し;
及びRは、独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、アミノ、C−Cアシル、C−Cカルボアルコキシ、C−Cアルキルカルバミル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cトリアルキルシリル又はC−Cジアルキルホスホニルを表すか、R及びRがNと共に全体として5員又は6員飽和環を表し;且つ
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表し;且つ
は、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表す]
及びそのカルボン酸基の農業上許容できる誘導体。
【請求項2】
及びRが独立してH又はC−Cアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
カルボン酸基の農業上許容できる誘導体が農業上許容できる塩、エステル及びアミドである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
がC−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cハロアルケニルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
がビニルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
がシクロプロピルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】

【化3】


[式中、
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ホルミル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、C−Cアルケニルチオ、C−Cアルキニルチオ、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルケニル、C−Cハロアルキニル、C−Cハロアルコキシ、C−Cハロアルコキシアルキル、C−Cハロアルキルカルボニル、C−Cハロアルキルチオ、C−Cハロアルキルスルフィニル、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cトリアルキルシリル、C−Cハロアルケニルオキシ、C−Cハロアルキニルオキシ、C−Cハロアルケニルチオ、C−Cハロアルキニルチオ、−C(O)OR、−C(O)NR、−CRNOR、−NR、−NROR、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR又は−NCRNRを表し;
は、H、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cアルケニル又はC−Cハロアルケニルを表すか、X及びYが全体として、−O(CHCH−、又は−O(CHO−(式中、n=1又は2)を表し;且つ
は、H又はハロゲンを表し;
は、H又はハロゲンを表し;
は、H、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表し;且つ
は、C−Cアルキル又はC−Cハロアルキルを表す]
である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がH又はFを表し、XがH、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ又は−NRを表し、YがCl又はハロメチルを表し、且つZがH又はFをあらわす、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
式:
【化4】


[式中、
は、H又はFを表し;
は、H、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ又は−NRを表し;
は、Cl又はハロメチルを表し;
は、H又はFを表す]
を有する化合物及びそのカルボン酸基の農業上許容できる誘導体。
【請求項10】
式:
【化5】


[式中、
は、H又はFを表し;
は、H、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ又は−NRを表し;
は、Cl又はハロメチルを表し;
は、H又はFを表す]
を有する化合物及びそのカルボン酸基の農業上許容できる誘導体。
【請求項11】
農業上許容できる佐剤又は担体と混合された、除草有効量の請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物を含む除草組成物。
【請求項12】
望ましくない植生を防除する方法であって、植生若しくはその場を、除草有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物若しくは組成物と接触させること、又は植生の発芽を防止するために土壌若しくは潅漑水に、除草有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物若しくは組成物を適用することを含む方法。

【公表番号】特表2010−540652(P2010−540652A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528102(P2010−528102)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2008/078423
【国際公開番号】WO2009/046090
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】