説明

2バルーンカテーテル

【課題】脱血が確実・効率的に行え、1本で選択的に送脱血が行える2バルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】患者の血流を遮断するための膨張性の第1バルーン2a及び第2バルーン2bが表面に付設されているカテーテルにおいて、患者の血液を脱血するためのカテーテル先端が封止された脱血用ルーメン9と、患者へ血液を送血するためのカテーテル先端が解放されている送血用ルーメン10と、第1バルーンと第2バルーンのそれぞれに気体あるいは液体を送り込む2つの気道ルーメン11と、第1バルーンと第2バルーンとの間にのみ設けられ、第1バルーンと第2バルーンとの間の血管の閉塞部位から血液を脱血ルーメンに取り込むための側孔(7a〜7e)を備え、脱血用ルーメンの断面積が送血用ルーメンの断面積よりも大きく、更に、脱血用ルーメンと送血用ルーメンが同心円の2層構造であり、脱血用ルーメンの中を送血用ルーメンが通るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択的な送脱血を行うためにバルーンにより区画を分離する2バルーンカテーテルの技術に関する。具体的には、肝静脈の血管部位を2つのバルーンで閉塞し、閉塞部分させた血管部位の血液を、2つのバルーン間に設けられたカテーテル壁部の複数の側孔から取り込んで肝静脈より選択的に脱血を行うための脱血用ルーメンと、脱血した血液を活性炭濾過した後に、2つのバルーン間の閉塞部分を貫くカテーテル内の送血用ルーメンを通してカテーテルの先端孔から心臓へ送血できる2バルーンカテーテルの技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2バルーンカテーテルに関する技術としては以下のものが知られている。
特許文献1に開示された技術は、血液流を通す血管内に一部が配置可能な改良カテーテルであって、このカテーテルが、該カテーテルの壁部以上に膨張可能な、第1バルーンと第2バルーンとを有し、第1バルーンおよび第2バルーンが、これら第1バルーンおよび第2バルーンが膨張されると第1バルーンと第2バルーンとの間に血管の閉塞部分を生じさせるように、カテーテルに沿って隔置されているカテーテルにおいて、
カテーテルの壁部に、血液流の方向に関して第1バルーンから上流側に配置された第1ポートと、 カテーテルの壁部に、血液流の方向に関して第2バルーンから下流側に配置された第2ポートと、
第1端部および第2端部を備えた、カテーテル内の管腔にして、第1端部が前記第1ポートに接続され、第2端部が前記第2ポートに接続されて、前記血管の閉塞部分を迂回するための血液流の血液用バイパスを形成する管腔とを含む2バルーンカテーテルの技術である。
【0003】
かかる特許文献1の2バルーンカテーテルでは、血管の閉塞部分を迂回するための血液流の血液用バイパスを設けているが、これとは別に、心臓へ送血するカテーテルが必要となる。すなわち、血液用バイパスは、血液流の方向に関して第1バルーンから上流側に配置された第1ポートと血液流の方向に関して第2バルーンから下流側に配置された第2ポートとの間をつなぐものであり、血管の閉塞部分を迂回するためのものである。したがって、特許文献1に開示されている2バルーンカテーテルは、脱血した血液を活性炭濾過した後に心臓へ送血するための送血用カテーテルが別に必要とし、かかる送血用ルーメンを他のルートから体に差し込むことが必要なことから患者の体に負担をかける要因となる問題がある。
【0004】
そこで、本発明者は、脱血した血液を活性炭濾過した後に心臓へ送血するための送血用カテーテルを必要としない2バルーンカテーテルを開発し過去に出願を行った。かかる出願内容は既に公開されている(特許文献2)。この特許文献2に開示された2バルーンカテーテルは、図7に示すように、患者の血流を遮断するための2つのバルーン(52a,52b)が付設されている可撓性チューブ50において、バルーンへ気体や液体等を送り込む2つの気道ルーメン11に加え、患者の血液を脱血するためのチューブ先端が封止された脱血用ルーメン59と、逆に患者へ血液を送血するためのチューブ先端が解放されている送血用ルーメン51とを備え、脱血用ルーメン59に通ずる側孔(57a〜57c)と送血用ルーメン51に通ずる側孔(58a〜58c)が空けられているものである。
【0005】
かかる特許文献2の2バルーンカテーテルでは、肝静脈より選択的に脱血を行うための脱血用ルーメン59と、脱血した血液を活性炭濾過した後に、2つのバルーン間の閉塞部分を貫いて、カテーテルの先端孔から心臓へ送血できる送血用ルーメン51を設けていることから、上述の特許文献1の2バルーンカテーテルと異なり、脱血した血液を活性炭濾過した後に心臓へ送血するための送血用カテーテルを別に設ける必要はなく、患者に過度の負担をしいることを避けることが可能である。
しかしながら、特許文献2の2バルーンカテーテルでは、2つのバルーンの間の閉塞部位以外に側孔が設けられている。具体的には閉塞部の更に下流側に側孔(58a〜58c)が設けられ、そこから血液を取り込み、閉塞部をバイパスしてカテーテルの先端孔から取り込んだ血液を送血できるようになっている。しかしながら、閉塞部の下流側に設けられた側孔付近の下大血圧は、送血用ルーメンの回路圧より低いために、血液が側孔から流出し、本来の先端孔からは排出できないという問題があった。
また一方、カテーテルの径には限界があり、限られたスペースで効率的に脱血および送血する必要があり、脱血用ルーメン或いは送血用ルーメンとは異なる他のルーメンを設けることは、脱血および送血の能力を低下させることにつながるのである。
【0006】
また、特許文献3に開示された2バルーンカテーテルは、2つのカフス(特許文献2のバルーンに相当)が付設され、2つの空気導入管(同じく気道ルーメンに相当)と輸出脚(同じく脱血用ルーメンに相当)を有するカテーテルと、輸入脚(同じく送血用ルーメンに相当)を有するカテーテルとが結合され、輸出脚と輸入脚にそれぞれ開口部(同じく側孔に相当)が形成されている。特許文献3の2バルーンカテーテルは、特許文献2の2バルーンカテーテルが空気導入管とカテーテルが一体となっているか別体となっているかが相違している。
【0007】
上述した特許文献2や3のカテーテルでは、図7に示すように、脱血用ルーメン59の断面積が送血用ルーメン51の断面積よりも小さいことから、脱血が確実・効率的に行うためには外付けポンプ等で吸引する必要がある。
また、上述した特許文献1〜3のカテーテルでは、バルーンの形状を特に意識して設計されていないが、心臓付近に設置する上流側のバルーンの形状によっては心臓のポンプ機能を低下させるという問題がある。これは、肝臓と心臓の間の血管は一般的に2〜3cm程度なために、2つのバルーンのうち上流側のバルーンは心臓の右心房内で膨らませる手技が行われている。この場合、心房内のスペースが小さくなり、1回の拍出量が減り、血圧の変動が激しくなる事態が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2000−517213号公報
【特許文献2】特開平11−47265号公報
【特許文献3】特表平3−501333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記状況に鑑みて、本発明は、従来のカテーテルよりも脱血が確実・効率的に行え、1本で選択的に送脱血が行える2バルーンカテーテルを提供することを目的とする。
また、本発明は、バルーン形状を改良し、心臓のポンプ機能を低下させることを回避できる2バルーンカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明の2バルーンカテーテルは、患者の血流を遮断するための膨張性の第1バルーン及び第2バルーンが表面に付設されているカテーテルにおいて、
1)患者の血液を脱血するためのカテーテル先端が封止された脱血用ルーメンと、
2)患者へ血液を送血するためのカテーテル先端が解放されている送血用ルーメンと、
3)第1バルーンと第2バルーンのそれぞれに気体あるいは液体を送り込む2つの気道ルーメンと、
4)第1バルーンと第2バルーンとの間にのみ設けられ、第1バルーンと第2バルーンとの間の血管の閉塞部位から血液を脱血ルーメンに取り込むための側孔と、
を備え、脱血用ルーメンの断面積が送血用ルーメンの断面積よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、2つのバルーンの間の閉塞部位のみに側孔が設けられており、脱血用ルーメン或いは送血用ルーメンとは別にルーメンを設ける必要がなく、限られたスペースで効率的に脱血および送血が可能となる。また、脱血用ルーメンの断面積が送血用ルーメンの断面積よりも大きいことから、従来のカテーテルよりも脱血が確実・効率的に行える。
【0012】
また本発明の2バルーンカテーテルにおいて、脱血用ルーメンと送血用ルーメンが同心円の2層構造であり、脱血用ルーメンの中を送血用ルーメンが通ることが好ましい態様である。脱血用ルーメンと送血用ルーメンが同心円の2層構造とし、脱血用ルーメンの中を送血用ルーメンが通ることで、カテーテル壁部の全周囲に側孔を設けることが可能となる。これによりカテーテルの壁部の一部が血管の内壁に密着したために側孔が塞がれ、脱血が行えないといった状況に陥ることを回避できる。
上記の利点を活用すべく、側孔は、第1バルーンと第2バルーンとの間のカテーテル壁部の全周囲にわたり配設されることが好ましい。
また、側孔は、カテーテル壁部の周囲に螺線状に配設されることが好ましい。
【0013】
また本発明の2バルーンカテーテルにおいて、脱血用ルーメンと送血用ルーメンの断面積の比率が、6:4で構成されることが好ましい。脱血が確実・効率的に行うために、脱血用ルーメンの断面積を送血用ルーメンの断面積よりも大きくするが、比率的には6:4程度とするのが好ましい。脱血用ルーメンと送血用ルーメンの断面積の比率を7:3としても構わない。要は、送血用ルーメンを用いて血液を送血する際はポンプで送り出すことから断面積は小さくてもよいのである。
【0014】
また本発明の2バルーンカテーテルにおいて、第1バルーンと第2バルーンが膨張した際の形状が、ドーナツ状で、直径と厚みが略2:1の扁平した形状であることが好ましい。バルーンはカテーテルの壁部以上に膨張すればよいのだが、従来のバルーンでは風船のように膨らみ、かなり膨らませない限り血管の内壁に接する部分を大きく確保できなかった。そこで、バルーンが膨らんだ状態で、直径と厚みが略2:1の扁平した形状となるようにすることで、血管の内壁に接する部分を大きく確保する。
また、第1バルーンの形状が扁平した形状であるので、心房にはみ出ることがなく、心臓のポンプ機能の低下を防ぐことができる。
【0015】
また本発明の2バルーンカテーテルにおいて、第1バルーンと第2バルーンの間隔が40〜60mmの範囲に設定されることが好ましい。肝静脈血を効果的に脱血すべく、第1バルーンと第2バルーンの間隔を40〜60mmの範囲とする。
【0016】
また本発明の2バルーンカテーテルにおける第1バルーンは、膨張した際、上流側が下流側よりも膨らむような円錐台形状を呈していることが好ましい。カテーテルの先端付近の第1バルーンの形状が、上流側が下流側よりも膨らむような円錐台形状を呈することにより、心房の入り口付近を確実に封止できる。
これは、まるでボトルワインのコルクがボトル上部の管を塞ぐように、円錐台形状の第1バルーンが心臓と肝臓の間の短い血管を塞ぐのである。
【0017】
また本発明の2バルーンカテーテルにおいて、ドーナツ状で、直径と厚みが略2:1の扁平した形状で、第1バルーンより径が大きく、第1バルーンよりも上流側に隣接して配設された第3バルーンを、更に設けることが好ましい。第1バルーンに上流側に隣接して第3バルーンを設けることで、心房の入り口付近を確実に封止できる。
この第3バルーンは心臓の心房内で膨らませる。第1バルーンより径が大きいため、心房の入り口付近を確実に封止できる。第3バルーンの形状は扁平した形状であり、心房内のスペースを確保して心臓のポンプ機能の低下を抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の2バルーンカテーテルによれば、脱血が確実・効率的に行え、1本で選択的に送脱血が行えるので、患者に全身的副作用を与えずに抗癌剤の大量投与を行う手技が、患者への侵襲も小さく、より簡便に行うことができる。本発明の2バルーンカテーテルは、特に、原発性の肝癌治療に好適に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1の2バルーンカテーテルの全体構成図
【図2】実施例1の2バルーンカテーテルの先端部分の拡大図
【図3】実施例2の2バルーンカテーテルの全体構成図
【図4】2バルーンカテーテルの第1バルーンの形状図
【図5】2バルーンカテーテルの第1バルーンと第3バルーンの形状図
【図6】肝臓癌に対する抗癌剤投与システムの回路図
【図7】従来の2バルーンカテーテルの構成図
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1の2バルーンカテーテルの全体構成図を示している。また図2は実施例1の2バルーンカテーテルの先端部分の拡大図を示している。
実施例1の2バルーンカテーテルは、図1に示すように、可撓性のカテーテルチューブ1の前方部外周面に2個のバルーン(2a,2b)が気密的に付設されている。バルーン(2a、2b)の内腔はそれぞれカテーテルチューブ1の気道ルーメン11に通じていて、気道ルーメン11の後端部には導入管3が付設されている。導入管3の後端のコネクター4に接続したシリンジから、カテーテルチューブ1の気道ルーメン11を通じてバルーン(2a,2b)の内部に生理食塩水等を注入できる構造となっている。
カテーテルチューブ1には更に先端が封止された脱血ルーメン9が、また先端が解放された送血ルーメン10が、それぞれ後端部には分岐チューブ5が付設され、その後端にコネクター6が接続されている ここで、図1(2)に示すように、脱血用ルーメン9の断面積は送血用ルーメン10の断面積よりも大きくし、脱血を確実・効率的に行うようにする。ここで、脱血用ルーメンの断面積と送血用ルーメンの断面積の比率は6:4としている。
【0022】
また、脱血用ルーメン9と送血用ルーメン10は、同心円の2層構造になっている。脱血用ルーメン9の中を送血用ルーメン10が通ることで、カテーテル壁部の全周囲に側孔を設けることが可能となる。これによりカテーテルの壁部の一部が血管の内壁に密着したために側孔が塞がれ、脱血が行えないといった状況に陥ることを回避できる。
具体的に説明する。脱血ルーメン9には、2個のバルーン(2a,2b)の間に、複数の側孔(7a〜7e)がカテーテルチューブ外に開口して設けられている。一方、送血ルーメンには10には側孔は設けられていない。
ここで、複数の側孔(7a〜7e)は、図2に示すように、2個のバルーン(2a,2b)の間に、カテーテルチューブ1の全周囲を螺線状に設けられている。これにより、カテーテルチューブ1の一部が血管内壁に接することで、一部の側孔が塞がれた場合にも他の側孔から確実に脱血することができる。
【0023】
次に、図6により本発明による2バルーンカテーテルの使用方法を説明する。図6は肝臓癌に対する抗癌剤投与システムの回路図を示している。図に示すように、患者の体内へ挿入されているのは肝静脈分離付近の上下をバルーン(2a,2b)で閉鎖した2バルーンカテーテルが鼡径部より1本挿入されているのみである。図に示すように、肝動脈32から大量投与された抗癌剤40は、2つのバルーン(2a,2b)で閉塞された部位に設けられた側孔7から、肝静脈血41ごと取り込まれる。その後、脱血ルーメン9(図示せず)より脱血され、活性炭濾過器46を通り浄化され、送血ルーメン10(図示せず)へ再び戻される。浄化され再び戻された血液は、2つのバルーン(2a,2b)で閉塞された部位をバイパスして、カテーテルの先端孔から心臓30に送られる。
【実施例2】
【0024】
図3は、実施例2の2バルーンカテーテルの全体構成図を示している。
実施例2の2バルーンカテーテルは、実施例1と同様に、可撓性のカテーテルチューブ1の前方部外周面に2個のバルーン(2a,2b)が気密的に付設されている。バルーン(2a、2b)の内腔はそれぞれカテーテルチューブ1の気道ルーメン11に通じていて、気道ルーメン11の後端部には導入管3が付設されている。導入管3の後端のコネクター4に接続したシリンジから、カテーテルチューブ1の気道ルーメン11を通じてバルーン(2a,2b)の内部に生理食塩水等を注入できる構造となっている。
カテーテルチューブ1には更に先端が封止された脱血ルーメン9が、また先端が解放された送血ルーメン10が、それぞれ後端部には分岐チューブ5が付設され、その後端にコネクター6が接続されている ここで、図3(2)に示すように、脱血用ルーメン9の断面積は、送血用ルーメン10の断面積よりも大きくし、脱血を確実・効率的に行うようにする。ここで、脱血用ルーメンの断面積と送血用ルーメンの断面積の比率は6:4としている。
【0025】
(その他の実施例)
(1)図4に示すように、2バルーンカテーテルの第1バルーン2aの形状を上流側が下流側よりも膨らむような円錐台形状にすることもできる。第1バルーン2aの形状を上流側が下流側よりも膨らむような円錐台形状にすることにより、心臓と肝臓の間の血管の内壁に接する部分を大きく確保できる。また、第1バルーンの形状が扁平した形状であるので、心房にはみ出ることがなく、心臓のポンプ機能の低下を防ぐことができる。
【0026】
(2)図5に示すように、2バルーンカテーテルの第1バルーン2aと隣接させて第1バルーン2aよりも径が大きい第3バルーン2cを設けることもできる。第3バルーン2cは心臓の右心房内で膨らませる。図5に示すように、第3バルーン2cの形状は扁平した形状であり、心房内のスペースを確保して心臓のポンプ機能の低下を抑える。第3バルーン2cの形状によれば、心房内のスペースを占有することなく、1回の拍出量を維持でき、血圧の変動が激しくなる事態を回避できる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、肝臓癌に対する抗癌剤投与システムの2バルーンカテーテルとして有用である。また、本発明の2バルーンカテーテルは、肝臓癌にとどまらず流出静脈の分離が容易な腎臓、骨盤内臓器などの腹部臓器の悪性腫瘍の治療用の医療器具にも有用である。
【符号の説明】
【0028】
1,20,50 カテーテルチューブ
2a,22a,52a 第1バルーン
2b,22b,52b 第2バルーン
3,23 導入管
4,24 コネクター
5,25 分岐チューブ
6,26 接続コネクター
7a〜7e,27a〜27c,57a〜57c,58a〜58c 側孔
9,29,59 脱血用ルーメン
10,21,51 送血用ルーメン
11 気道ルーメン
30 心臓
31 肝臓
32 肝動脈
40 抗癌剤
41 肝静脈血
42 下肢静脈血
44 チューブ
45 ポンプ
46 活性炭濾過器
C,C´ 送血の血液
B,B´ 脱血の血液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血流を遮断するための膨張性の第1バルーン及び第2バルーンが表面に付設されているカテーテルにおいて、
患者の血液を脱血するためのカテーテル先端が封止された脱血用ルーメンと、
患者へ血液を送血するためのカテーテル先端が解放されている送血用ルーメンと、
第1バルーンと第2バルーンのそれぞれに気体あるいは液体を送り込む2つの気道ルーメンと、
第1バルーンと第2バルーンとの間にのみ設けられ、第1バルーンと第2バルーンとの間の血管の閉塞部位から血液を脱血ルーメンに取り込むための側孔と、
を備え、
脱血用ルーメンの断面積が送血用ルーメンの断面積よりも大きいことを特徴とする2バルーンカテーテル。
【請求項2】
脱血用ルーメンと送血用ルーメンが同心円の2層構造であり、脱血用ルーメンの中を送血用ルーメンが通ることを特徴とする請求項1に記載の2バルーンカテーテル。
【請求項3】
前記側孔が第1バルーンと第2バルーンとの間のカテーテル壁部の全周囲にわたり配設されたことを特徴とする請求項2に記載の2バルーンカテーテル。
【請求項4】
前記側孔がカテーテル壁部の周囲に螺線状に配設されたことを特徴とする請求項2に記載の2バルーンカテーテル。
【請求項5】
脱血用ルーメンと送血用ルーメンの断面積の比率が、6:4で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の2バルーンカテーテル。
【請求項6】
第1バルーンと第2バルーンが膨張した際の形状が、ドーナツ状で、直径と厚みが略2:1の扁平した形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2バルーンカテーテル。
【請求項7】
第1バルーンと第2バルーンの間隔が40〜60mmの範囲に設定されたことを特徴とする請求項6に記載の2バルーンカテーテル。
【請求項8】
第1バルーンは、膨張した際、上流側が下流側よりも膨らむような円錐台形状を呈していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2バルーンカテーテル。
【請求項9】
ドーナツ状で、直径と厚みが略2:1の扁平した形状で、第1バルーンより径が大きく、第1バルーンよりも上流側に隣接して配設された第3バルーンを、更に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の2バルーンカテーテル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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