2次元カラーグラデーション表示装置
【課題】2次元カラーグラデーションのパターンデータを格納する記憶装置を必要とせず、様々な色調又は形状の2次元カラーグラデーション画像を表示させることができる2次元カラーグラデーション表示装置を提供する。
【解決手段】座標算出部2では、画像信号に含まれる同期信号から画像表示位置の水平座標と垂直座標とを算出する。座標オフセット部3では、座標算出部2で算出された水平座標と垂直座標から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出する。表示座標/色情報変換部4では、座標オフセット部3で算出された表示座標と3次元RGB空間上の色座標とを対応付けることにより、該表示座標を色情報に変換する。投影処理部4aでは、表示座標/色情報変換部4で変換された色情報を投影処理により変換する。
【解決手段】座標算出部2では、画像信号に含まれる同期信号から画像表示位置の水平座標と垂直座標とを算出する。座標オフセット部3では、座標算出部2で算出された水平座標と垂直座標から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出する。表示座標/色情報変換部4では、座標オフセット部3で算出された表示座標と3次元RGB空間上の色座標とを対応付けることにより、該表示座標を色情報に変換する。投影処理部4aでは、表示座標/色情報変換部4で変換された色情報を投影処理により変換する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元カラーグラデーション表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、背景画像装置等では、所定の視覚効果を狙って、グラデーション表示を行っている。この場合、色調が変化する領域毎に、異なるパターングラフィックデータがあった。したがって、広範囲にきめ細かいグラデーション表示を行うためには、多量のパターングラフィックデータを用意しておかなければならず、パターングラフィックデータを格納しておく不揮発性の記憶装置の容量が増大してしまい、さらに高速アクセスできる描画用の記憶装置(DRAM)が必要になるという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1に示されるように、グラデーション画像の開始色と、グラデーション画像において色調を変化させる単位幅と、単位幅ごとの色調変化率とに基づいて、各単位幅ごとの色データを生成するグラデーション画像生成手段を備え、パターングラフィック画像生成手段から出力されたデータを画像データメモリに記憶させるグラデーション画像表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−259258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、グラデーション画像における色調が変化する単位幅ごとの画像データを記憶しておくことなく、グラデーション表示を行うことができ、画像データを格納するための記憶装置の容量の節約が図れるが、1次元方向のグラデーションしか実現することができないという問題があった。また、上記従来技術を2次元のグラデーションに単に適用しても、様々な色調の変化や形状の2次元カラーグラデーション画像を表示させることは困難である。
【0006】
本発明の目的は、2次元カラーグラデーションのパターンデータを格納する不揮発性の記憶装置と描画用の記憶装置(DRAM)を必要とせず、様々な色調又は形状の2次元カラーグラデーション画像を表示させることができる2次元カラーグラデーション表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像信号に含まれる同期信号から画像表示位置の水平座標と垂直座標とを算出する座標算出部と、前記座標算出部で算出された水平座標と垂直座標から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出する座標オフセット部と、前記座標オフセット部で算出された表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付けることにより該表示座標を色情報に変換する表示座標/色情報変換部と、前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報を投影処理により変換する投影処理部とを備えたことを特徴とする2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記投影処理部は、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体の断面部が含まれる平面上に当該色立方体を平行投影することを特徴とする請求項1に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、前記投影処理部は、前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、前記投影処理部は、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から加減算することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、前記投影変換率は、行列演算係数をもとに求められることを特徴とする請求項4に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、前記投影処理部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報の場合、これを背景色として処理する飽和処理部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、色情報の補正を行う色補正部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、前記3次元色空間は、RGB空間で定義されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0015】
また、請求項9に記載の発明は、前記表示座標/色情報変換部による表示座標を色情報に変換する構成は、前記行列演算係数を有する行列演算回路により実現されることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0016】
また、請求項10に記載の発明は、前記行列演算係数は、前記3次元色空間上のRに対応する座標軸回りの回転角度α、Gに対応する座標軸回りの回転角度β、Bに対応する座標軸回りの回転角度γにより求められることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0017】
また、請求項11に記載の発明は、前記α、β、γの各回転角度を外部から入力できる入力部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像信号から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出し、この表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付け、該対応付けに基づき該表示座標を色情報に変換しているので、2次元カラーグラデーションのパターンデータを格納する記憶装置を必要とせず、様々な色調又は形状の2次元カラーグラデーション画像を容易に表示させることができる。しかも、投影処理を行うことで色情報が算出される領域を拡張することができるため、カラーグラデーションの色数を容易に増加させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の2次元カラーグラデーション表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】表示画面上の座標と2次元グラデーション表示領域における座標との関係を示す図である。
【図3】2次元カラーグラデーション表示装置の動作を示すフローチャート図である。
【図4】3次元RGB色空間において色座標が選択される面を示す図である。
【図5】3次元RGB色空間において色座標が選択される面を示す図である。
【図6】投影処理を説明するための図である。
【図7】投影処理を示すフローチャートである。
【図8】投影処理(赤成分に対する処理)を示すフローチャートである。
【図9】投影処理(緑成分に対する処理)を示すフローチャートである。
【図10】投影処理(青成分に対する処理)を示すフローチャートである。
【図11】投影処理を示すフローチャートである。
【図12】3次元RGB色空間において色座標が選択される面を示す図である。
【図13】投影処理の効果を説明するための図である。
【図14】投影処理の効果を説明するための図である。
【図15】3次元ルックアップテーブルの概念を示す図である。
【図16】図15の3次元ルックアップテーブルの特定の格子点に補正パラメータを与えた状態を示す図である。
【図17】図16の補正結果を1次元グラデーションと2次元グラデーションで表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。構造に関する図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0021】
図1は、本発明の2次元カラーグラデーション表示装置の基本的な構成を示すブロック図である。2次元カラーグラデーション表示装置は、信号分離部1、座標算出部2、制御部6、2次元カラーグラデーション発生部20、選択部7、色補正部8、入力部9、表示装置10等で構成される。また、2次元グラデーション発生部20は、座標オフセット部3、表示座標/色情報変換部4、投影処理部4a、飽和処理部5で構成されている。
【0022】
信号分離部1では、画像信号を選択部7に供給する。また、信号分離部1では、画像信号から画像信号の有効期間を示すデータイネーブル信号を分離して座標算出部2に送出する。座標算出部2は取出されたデータイネーブル信号から表示画面上の水平座標、垂直座標を算出する。制御部6は、制御信号を各部に送出したり、演算・判定等の制御動作を行う。2次元カラーグラデーション発生部20は、2次元カラーグラデーション表示領域の水平・垂直座標に基づき2次元カラーグラデーションを発生させる。
【0023】
選択部7は、画像信号と2次元カラーグラデーション発生部20が生成した信号を切り変えて選択することにより、通常の画像又は2次元カラーグラデーション画像、若しくは通常の画像と2次元カラーグラデーション画像とを掛け合わせた画像データが出力される。これにより、通常の画像と2次元カラーグラデーション画像とが同一の画面上に表示される。色補正部8は、選択部7から出力される画像データの特定の色を強めたり、弱めたりする等色調に関する補正を行う。表示装置10は、色補正部8からの出力信号を表示する。
【0024】
2次元カラーグラデーション表示装置の動作を図1、図2、図3を参照しつつ、説明する。図2は、表示画面上の座標と2次元カラーグラデーション表示領域の座標との関係を示す。また、図3は、2次元カラーグラデーション表示装置の動作を示すフローチャート図である。信号分離部1には、通常の画像信号が入力されるが、入力された画像信号のうち、画像信号の有効期間を示すデータイネーブル信号(以降、1が有効期間、0が非有効期間とする)が分離されて座標算出部2に送られる。他方、入力された画像信号はそのまま選択部7に送信される。
【0025】
座標算出部2では、表示画面上における水平座標、垂直座標を上記データイネーブル信号から算出する(S1)。水平方向1周期において、データイネーブル信号が論理1となる数を画像クロックでカウントすることにより、図2に示すように、表示装置10における表示画面12上の水平座標uを算出する。一方、垂直方向1周期においてデータイネーブル信号の論理が0から1に変化するエッジの数を画像クロックでカウントすることにより、表示画面12上の垂直座標vを算出する。なお、水平座標uおよび垂直座標vを算出する場合、図2に示す表示画面12の座標0、つまり(u,v)=(0,0)の座標は、既知である水平同期信号の開始点からの座標、垂直同期信号の開始点からの座標から算出される。
【0026】
座標算出部2で算出された水平座標u及び垂直座標vは、2次元カラーグラデーション発生部20の座標オフセット部3に入力される。座標オフセット部3では、水平座標u及び垂直座標vから2次元カラーグラデーション表示座標を算出する(S2)。具体的には、以下のような演算が行われる。図2において、斜線の領域が2次元カラーグラデーション表示領域である。また、2次元カラーグラデーション表示領域の水平方向の大きさがW1、垂直方向の大きさがW2である。
【0027】
この表示領域の表示開始位置や、表示領域の大きさW1、W2は制御部6から与えられるものであっても良いし、入力部9からユーザが任意に設定できる構成としても良い。また、固定値であっても良い。
【0028】
2次元カラーグラデーション表示領域の中心を0として、横軸にx軸、縦軸にy軸をとる。2次元カラーグラデーション表示領域内の座標を(x,y)とし、表示画面12上の座標(u,v)における2次元カラーグラデーション表示領域の表示開始座標を(u0,v0)とすると、
水平座標x=u−水平座標のオフセット値
垂直座標y=v−垂直座標のオフセット値
と表される。ここで、
水平座標のオフセット値=u0+W1÷2
垂直座標のオフセット値=v0+W2÷2
である。このように、表示画面12上の座標(u,v)から、2次元カラーグラデーション表示領域の中心を原点とする座標(x,y)に変換する。
【0029】
以上のように、2次元カラーグラデーション表示領域の中心が原点となった座標(x,y)が座標オフセット部3から表示座標/色情報変換部4に供給される。表示座標/色情報変換部4では、座標オフセット部3からの表示座標(x,y)を色情報に変換する(S3)。
【0030】
表示座標/色情報変換部4は、次式で示される行列演算回路で構成され、この行列演算回路により座標オフセット部3からの表示座標(x,y)を色情報に変換する。
【数1】
【0031】
ここで、RCは出力される赤色分の色情報、GCは出力される緑色分の色情報、BCは出力される青色分の色情報である。また、x、yは、座標オフセット部3から出力された2次元座標である。
【0032】
上記数式1における係数m1〜m9(行列演算係数)は、次式により求められる。
【数2】
【0033】
また、上記数式2におけるBX、GX、RXは、次式により求められる。
【数3】
【0034】
このように、係数m1〜m9までは、上記数式2及び数式3より求められる。
【0035】
次に、α、β、γ、BX、GX、RX、S、ZW等のパラメータについて説明する。まず、3つのカラー画像信号を、それぞれX軸、Y軸、Z軸に割り当てた3次元空間を考える。この3次元空間において、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体を考える。色立方体は、1つ1つの色が立方体の中に独自の座標値を持っているものである。このような色立方体の6面の面上と色立方体の内部を含めて、3次元色空間と呼ばれる。
【0036】
本実施例では、3次元色空間について、R、G、Bの値が、それぞれX軸、Y軸、Z軸に割り当てられた3次元RGB色空間とした。なお、X軸、Y軸、Z軸には、R、G、B以外の色を割り当てることもできる。
【0037】
3次元色空間は、図4の(a)に示されるように、R、G、Bの値が、それぞれX軸、Y軸、Z軸に割り当てられている。ここで、Rは赤、Gは緑、Bは青、Cはシアン、Mはマジェンダ、YEは黄色、Wは白、Kは黒を表わす。
【0038】
3次元のXYZ軸には、色光の3原色のRGBを使用し、黒を原点とする。その際、RGBの補色であるC、M、YEと白の4色が他の頂点に配置される。ここで、3次元RGB色空間は、それぞれの一辺が1の立方体である。3次元RGB色空間における色座標がBX、GX、RXである。
【0039】
また、図4(a)に示すように、αはX軸回りのXYZ座標軸の回転角度、βはY軸回りのXYZ座標軸の回転角度、γはXYZ座標軸のZ軸回りの回転角度を示す。α、β、γの各回転角度は、原点から各座標軸の正方向を見た状態での右回りを正に取っている。
【0040】
ZWは、α、β、γの各回転角度によりXYZ座標系が回転した後に、2次元カラーグラデーションの表示部分を表わす平面領域が、回転後のZ軸と交差するZ座標値を示す。この2次元カラーグラデーションの表示部分を表わす平面領域は、Z軸と直交するものである。また、Sは2次元カラーグラデーション画像の倍率であり、画像の大きさをX軸方向にS倍、Y軸方向にS倍するものである。
【0041】
上記のように、表示領域における2次元座標(x,y)が、m1〜m9の係数により、3次元色空間における3次元の色座標(X、Y、Z)と対応付けられることになり、色情報RC、GC、BCが算出される。
【0042】
なお、係数m1〜m9は、ユーザが入力部9から入力できるようになっている。また、入力部9からα、β、γの各回転角度、及びS、ZWを入力し、制御部6で係数m1〜m9の計算を行い、2次元カラーグラデーション発生部20に与える構成としても良い。
【0043】
図4(b)の斜線部分は、α=0度、β=0度、γ=0度、ZW=1.0のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。すなわち、図4(b)は、図4(a)の状態からXYZ座標系の回転が行われない場合が示されている。辺KRはX軸と一致し、辺KGはY軸と一致し、辺KBはZ軸と一致し、ZW=1.0であるC、B、M、Wの4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。α、β、γの各回転角度およびZWを変化させると、様々な色調のグラデーションが得られる。
【0044】
図4(c)の斜線部分は、α=90度、β=0度、γ=0度、ZW=1.0のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KRはX軸と一致し、辺KGはZ軸と一致し、辺KBはY軸と一致し、ZW=1.0であるC、W、YE、Gの4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0045】
図4(d)の斜線部分は、α=90度、β=−90度、γ=0度、ZW=1.0のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KRはZ軸と一致し、辺KGはX軸と一致し、辺KBはY軸と一致し、ZW=1.0であるW、M、R、YEの4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0046】
図4(e)は、α=0度、β=0度、γ=0度、ZW=0.5のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KRはX軸と一致し、辺KGはY軸と一致し、辺KBはZ軸と一致し、ZW=0.5である辺CGの中点、辺BKの中点、辺MRの中点、辺WYEの中点の4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0047】
図4(b)〜(e)の各図ともに、太線の黒枠で囲まれた平面領域(斜線が施された領域)の色座標が2次元カラーグラデーション表示領域のx座標、y座標に対応付けられ、四角形状にカラーグラデーション表示が行われる。
【0048】
図5は、図4の四角形状の2次元カラーグラデーション画像と異なり、三角形状、六角形状のカラーグラデーション表示が行われる場合を示す。図5(a)は、投影処理off(後述する)、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷3のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷3であるB、G、Rの3点を頂点とした三角形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0049】
図5(b)の斜線部分は、投影処理off、α=45度、β=−35度、γ=0度、ZW=(31/2)÷2のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷2であるBとCの中点、CとGの中点、GとYEの中点、YEとRの中点、RとMの中点、MとBの中点を頂点とした六角形の面(Z軸に垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0050】
以上のように、3次元色空間上のX軸、Y軸、Z軸の回転角度α、β、γ及び、S、ZWの組み合わせを色々と変えることにより、様々な色調や形状の2次元カラーグラデーション画像を得ることができる。これらのパラメータは、入力部9からユーザが適宜入力することができる。
【0051】
ここで、投影処理部4aの機能は、制御部6又は入力部9からの指示に基づいてon/offすることができるようになっている。投影処理onの場合、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4で変換された色情報を投影処理により変換する(S3a→S3b)。具体的には、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定し、表示装置で表現できない色情報である場合は表示装置で表現できない色情報の大きさを算出し、算出した値に投影変換率(後述する)を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から減ずる。このようにして、3つのカラー画像信号を1組とする3組の投影処理候補を求め、3組の投影処理候補の値が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定し、1組の投影処理候補を選択して投影変換部4aの出力とする。なお、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号が、表示装置で表現できる色情報である場合は、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号を投影変換部4aの出力とする。3組の投影処理候補の色情報がいずれも表示装置で表現できない色情報である場合も、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号を投影変換部4aの出力とする。このようにして、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体の断面部が含まれる平面上に当該色立方体を平行投影する。以下、図6〜図14を用いて投影処理の内容を詳しく説明する。
【0052】
図6は、投影処理を説明するための図であり、簡易的にZ軸に垂直な方向から見た2次元で表している。この図に示すように、点P1〜P2と点P3〜P4の領域は、投影処理部4aで色情報が算出される領域(投影部)である。また、点P2〜P3の領域は、表示座標/色情報変換部4で色情報が算出される領域(断面部)である。それ以外の領域は、飽和処理部5で背景として処理される領域(背景部)である。
【0053】
投影処理部4aは、図7に示すように、表示座標/色情報変換部4から出力された各色情報(赤成分、緑成分、青成分)に対して処理を行う(S11)。その際、制御部6から与えられるn7〜n9の係数を用いる。このn7〜n9の係数は、次式に示すように、m1〜m9の逆行列から求めることができる。
【数4】
【0054】
以下、図8を用いて赤成分に対する処理を説明する。まず、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された赤成分Rcが表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定する(S21)。すなわち、Rcの値が0〜1の範囲にある場合、出力RrにRc、係数Jに0、FLAGArに0を代入する(S22)。また、Rcの値が1より大きい場合、出力Rrに1、係数JにRc、FLAGArに1を代入する(S23)。また、Rcの値が0より小さい場合、出力Rrに0、係数JにRc−1、FLAGArに1を代入する(S24)。次いで、制御部6から与えられたn7の値を判定する(S25)。ここで、n7が0である場合、FLAGBrを0にするため、出力Rr,Gr,Brに0〜1以外の値を代入する(S26)。また、n7が0以外である場合、次式に基づいて出力Gr,Brを求める(S27)。
【0055】
Gr=Gc−J×(n8/n7)
Br=Bc−J×(n9/n7)
ここで(n8/n7)や(n9/n7)は、投影変換率である。
【0056】
このように求めた出力Rr,Gr,Brのすべての値が0〜1の範囲にある場合はFLAGBrを1とし(S28→S29→S30→S32)、それ以外の場合はFLAGBrを0とする(S31)。これにより、Rr,Gr,Br,FLAGAr,FLAGBrを求めることができる。
【0057】
次に、図9を用いて緑成分に対する処理を説明する。緑成分に対する処理も赤成分に対する処理と基本的に同じである。すなわち、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された緑成分Gcの値を判定する(S41)。ここで、Gcの値が0〜1の範囲にある場合、出力GgにGc、係数Kに0、FLAGAgに0を代入する(S42)。また、Gcの値が1より大きい場合、出力Ggに1、係数KにGc、FLAGAgに1を代入する(S43)。また、Gcの値が0より小さい場合、出力Ggに0、係数KにGc−1、FLAGAgに1を代入する(S44)。次いで、制御部6から与えられたn8の値を判定する(S45)。ここで、n8が0である場合、FLAGBgを0にするため、出力Rg,Gg,Bgに0〜1以外の値を代入する(S46)。また、n8が0以外である場合、次式に基づいて出力Rg,Bgを求める(S47)。
【0058】
Rg=Rc−K×(n7/n8)
Bg=Bc−K×(n9/n8)
ここで(n7/n8)や(n9/n8)は、投影変換率である。
【0059】
このように求めた出力Rg,Gg,Bgのすべての値が0〜1の範囲にある場合はFLAGBgを1とし(S48→S49→S50→S52)、それ以外の場合はFLAGBgを0とする(S51)。これにより、Rg,Gg,Bg,FLAGAg,FLAGBgを求めることができる。
【0060】
次に、図10を用いて青成分に対する処理を説明する。青成分に対する処理も赤成分に対する処理と基本的に同じである。すなわち、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された青成分Bcの値を判定する(S61)。ここで、Bcの値が0〜1の範囲にある場合、出力BbにBc、係数Lに0、FLAGAbに0を代入する(S62)。また、Bcの値が1より大きい場合、出力Bbに1、係数LにBc、FLAGAbに1を代入する(S63)。また、Bcの値が0より小さい場合、出力Bbに0、係数LにBc−1、FLAGAbに1を代入する(S64)。次いで、制御部6から与えられたn9の値を判定する(S65)。ここで、n9の値が0である場合、FLAGBbを0にするため、出力Rb,Gb,Bbに0〜1以外の値を代入する(S66)。また、n9が0以外である場合、次式に基づいて出力Rb,Gbを求める(S67)。
【0061】
Rb=Rc−L×(n7/n9)
Gb=Gc−L×(n8/n9)
ここで(n7/n9)や(n8/n9)は、投影変換率である。
【0062】
このように求めた出力Rb,Gb,Bbのすべての値が0〜1の範囲にある場合はFLAGBbを1とし(S68→S69→S70→S72)、それ以外の場合はFLAGBbを0とする(S71)。これにより、Rb,Gb,Bb,FLAGAb,FLAGBbを求めることができる。
【0063】
次いで、図11に示すように、求めたFLAGAbとFLAGBbが両方とも1である場合はRb,Gb,Bbを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S87)。また、FLAGAbとFLAGBbのどちらかが0でFLAGAgとFLAGBgが両方とも1である場合はRg,Gg,Bgを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S82→S86)。また、FLAGAbとFLAGBbのどちらかが0でFLAGAgとFLAGBgのどちらかが0でFLAGArとFLAGBrが両方とも1である場合はRr,Gr,Brを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S82→S83→S85)。また、それ以外の場合、すなわちFLAGAbとFLAGBbのどちらかが0でFLAGAgとFLAGBgのどちらかが0でFLAGArとFLAGBrのどちらかが0である場合はRc,Gc,Bcを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S82→S83→S84)。
【0064】
これにより、投影処理on、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷3のときは、図12(a)に太線で示す六角形状の部分が出力される。すなわち、辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷3であるYE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。また、投影処理on、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷2のときは、図12(b)に太線で示す六角形状の部分が出力される。すなわち、辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷2であるYE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0065】
以下、投影処理の効果を更に詳しく説明する。
【0066】
図13は、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷3の場合において、投影処理offのときとonのときのカラーグラデーション表示を示している。投影処理offのときは、図5(a)の出力結果に相当するため、図13(a)に示すように、B、G、Rの3点を頂点とした三角形のカラーグラデーション表示となる。それに対して、投影処理onのときは、図12(a)の出力結果に相当するため、図13(b)に示すように、YE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形のカラーグラデーション表示となる。このように、投影処理をonにすれば、色情報が算出される領域が拡張されるため、カラーグラデーションの色数を増加させることができる。
【0067】
図14は、α=45度、β=−35度、γ=0度、ZW=(31/2)÷2の場合において、投影処理offのときとonのときのカラーグラデーション表示を示している。投影処理offのときは、図5(b)の出力結果に相当するため、図14(a)に示すように、BとCの中点、CとGの中点、GとYEの中点、YEとRの中点、RとMの中点、BとMの中点を頂点とした六角形のカラーグラデーション表示となる。それに対して、投影処理onのときは、図12(b)の出力結果に相当するため、図14(b)に示すように、YE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形のカラーグラデーション表示となる。このように、投影処理をonにすれば、色情報が算出される領域が拡張されるため、カラーグラデーションの色数を増加させることができる。
【0068】
次に、2次元カラーグラデーション表示領域における表示方式を説明する。飽和処理部5では、投影処理部4aで変換された色情報が表示装置で表現できない色情報だった場合、背景色として処理する。投影処理部4aから出力された色情報は、前述のようにRm,Gm,Bmである。Rm,Gm,Bmは、それぞれ表現できる色情報の範囲として0〜1までの値を取ることができる。しかし、計算上、0〜1の範囲を逸脱する場合があるので、これを以下のように処理する。
【0069】
例えば、Max=Rm,Gm,Bmの最大値、Min=Rm,Gm,Bmの最小値とし、Max及びMinを算出する(S4)。MaxとMinのどちらかがオーバーフロー(0より小さい、あるいは1より大きい)した場合、背景色(例えば黒色)を出力する(S5、S7)。それ以外の場合、2次元カラーグラデーションの色情報としてRm,Gm,Bmを出力する(S5、S6)。背景色は黒色でなくても良い。また、透明色を指定し入力画像データを出力しても良い。
【0070】
選択部7は、信号分離部1から入力された画像信号と2次元カラーグラデーション発生部20が発生させた信号を選択して出力する(S8)。また、制御部6から与えられた値により入力された画像データと2次元カラーグラデーション発生部20から出力される画像データを掛け合わせて出力しても良い。
【0071】
入力された画像データと2次元カラーグラデーション発生部20から出力される画像データを掛け合わせて出力する場合は、次のように行う。選択部7への画像データをI、選択部7への2次元カラーグラデーション発生部20から出力される画像データをIG、制御部6から与えられた混合比率をθとすると、選択部7の画像出力データIQは、次式で与えられる。
【0072】
IQ=θ×I+(1−θ)×IG
次に、色補正部8は、ルックアップテーブル(LUT)を有する回路で、選択部7から出力された画像データを基に参照されたテーブルの値を出力して、色補正を行う。
【0073】
色補正部8の一実施例を以下に示す。3次元LUT回路は、3つのカラー画像信号で表わされる3次元色空間上に格子点を備え、各格子点に対して色補正を行うことができる色変換用テーブルを備えている。色変換用テーブルには、3つのカラー画像信号値に対する補正パラメータ(3つのカラー画像出力値やオフセット値など)が格納される。3次元LUT回路には、格子点間の3つのカラー画像出力値を補間演算により生成する補間回路も含まれる。
【0074】
図15は、3次元色空間上の各RGBを4分割し、5×5×5=125個の格子点を持つ3次元LUT回路の概念図である。Q000が原点を示し、数字の部分がR、G、B軸の各方向の格子点位置を表わす。例えば、Q444は、原点からR軸方向に4番目、かつG軸方向に4番目、かつB軸方向に4番目の格子点位置であることを示す。すなわち、白色を示している。図15では、125個の各格子点に対する補正パラメータが格納された色変換用テーブルを備えている。
【0075】
選択部7から与えられた画像データの色情報を基に色変換用テーブルを参照し、補正パラメータを出力して選択部7から与えられた色情報の色補正を行う。なお、参照される色変換用テーブルの値は、制御部6から与えられるものであっても良いし、ユーザが任意に設定できる構成としても良い。また、固定値であっても良い。
【0076】
ところで、色補正を実施した後、過度な色補正によりトーンジャンプの発生の有無を検査するためにグラデーション表示を行っている。色補正を実施した後、過度な色補正によりトーンジャンプの発生の有無を検査する場合、1次元のグラデーションを何種類も表示する必要があり非常に不便であるばかりではなくトーンジャンプを発見しにくい。その例を以下に示す。
【0077】
図16は、格子点Q224に補正パラメータを与えた状態を示している。この補正による結果を検査する為に、Q224を通る太線L1のライン上を1次元グラデーションで表示する例を図17(a)に示す。一方、Q004、Q004、Q404、Q444の4つの頂点で表わされる面全体を2次元グラデーションで表示する例を図17(b)に示す。
【0078】
これらの例では、赤色、緑色、青色の各色は256段階の階調があるものとして、グラデーション画像の一部を表示している。なお、選択部7から出力される色情報の数値範囲と整合させる場合は、各色を最大値で規格化して0〜1の数値を取るようにすれば良い。また、図面ではカラー表示できないため、図17ではグレースケール表示となっている。図の濃淡部は、Q244に補正パラメータを与えたことにより色補正された領域を示す。
【0079】
図17(a)の1次元グラデーションでは、図に示されるように、1つのグラデーションパターンで、色補正結果はRの依存性しか検査できない。つまり、各色256段階とすると256色しか一度に検査できない。しかし、図17(b)の2次元グラデーションパターンでは、図に示されるように、色補正結果はRの依存性とGの依存性の両方を検査できる。つまり、各色256段階とすると256×256=65536色を一度に検査できる。したがって、本発明を用いれば、1次元グラデーション表示に比べて、256倍も検査の効率が上がる。
【0080】
以上のように、本発明によれば、画像信号から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出し、この表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付け、該対応付けに基づき該表示座標を色情報に変換しているので、2次元カラーグラデーションのパターンデータを格納する記憶装置を必要とせず、様々な色調又は形状の2次元カラーグラデーション画像を容易に表示させることができる。しかも、投影処理を行うことで色情報が算出される領域を拡張することができるため、カラーグラデーションの色数を容易に増加させることが可能である。
【0081】
なお、前記の説明では、投影処理部4aは、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から減算することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、係数J、K、Lがマイナスの値である場合は、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号に加算するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 信号分離部
2 座標算出部
3 座標オフセット部
4 表示座標/色情報変換部
4a 投影処理部
5 飽和処理部
6 制御部
7 選択部
8 色補正部
9 入力部
10 表示装置
20 2次元カラーグラデーション発生部
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元カラーグラデーション表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、背景画像装置等では、所定の視覚効果を狙って、グラデーション表示を行っている。この場合、色調が変化する領域毎に、異なるパターングラフィックデータがあった。したがって、広範囲にきめ細かいグラデーション表示を行うためには、多量のパターングラフィックデータを用意しておかなければならず、パターングラフィックデータを格納しておく不揮発性の記憶装置の容量が増大してしまい、さらに高速アクセスできる描画用の記憶装置(DRAM)が必要になるという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1に示されるように、グラデーション画像の開始色と、グラデーション画像において色調を変化させる単位幅と、単位幅ごとの色調変化率とに基づいて、各単位幅ごとの色データを生成するグラデーション画像生成手段を備え、パターングラフィック画像生成手段から出力されたデータを画像データメモリに記憶させるグラデーション画像表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−259258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、グラデーション画像における色調が変化する単位幅ごとの画像データを記憶しておくことなく、グラデーション表示を行うことができ、画像データを格納するための記憶装置の容量の節約が図れるが、1次元方向のグラデーションしか実現することができないという問題があった。また、上記従来技術を2次元のグラデーションに単に適用しても、様々な色調の変化や形状の2次元カラーグラデーション画像を表示させることは困難である。
【0006】
本発明の目的は、2次元カラーグラデーションのパターンデータを格納する不揮発性の記憶装置と描画用の記憶装置(DRAM)を必要とせず、様々な色調又は形状の2次元カラーグラデーション画像を表示させることができる2次元カラーグラデーション表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像信号に含まれる同期信号から画像表示位置の水平座標と垂直座標とを算出する座標算出部と、前記座標算出部で算出された水平座標と垂直座標から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出する座標オフセット部と、前記座標オフセット部で算出された表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付けることにより該表示座標を色情報に変換する表示座標/色情報変換部と、前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報を投影処理により変換する投影処理部とを備えたことを特徴とする2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記投影処理部は、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体の断面部が含まれる平面上に当該色立方体を平行投影することを特徴とする請求項1に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、前記投影処理部は、前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、前記投影処理部は、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から加減算することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、前記投影変換率は、行列演算係数をもとに求められることを特徴とする請求項4に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、前記投影処理部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報の場合、これを背景色として処理する飽和処理部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、色情報の補正を行う色補正部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、前記3次元色空間は、RGB空間で定義されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0015】
また、請求項9に記載の発明は、前記表示座標/色情報変換部による表示座標を色情報に変換する構成は、前記行列演算係数を有する行列演算回路により実現されることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0016】
また、請求項10に記載の発明は、前記行列演算係数は、前記3次元色空間上のRに対応する座標軸回りの回転角度α、Gに対応する座標軸回りの回転角度β、Bに対応する座標軸回りの回転角度γにより求められることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【0017】
また、請求項11に記載の発明は、前記α、β、γの各回転角度を外部から入力できる入力部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の2次元カラーグラデーション表示装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像信号から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出し、この表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付け、該対応付けに基づき該表示座標を色情報に変換しているので、2次元カラーグラデーションのパターンデータを格納する記憶装置を必要とせず、様々な色調又は形状の2次元カラーグラデーション画像を容易に表示させることができる。しかも、投影処理を行うことで色情報が算出される領域を拡張することができるため、カラーグラデーションの色数を容易に増加させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の2次元カラーグラデーション表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】表示画面上の座標と2次元グラデーション表示領域における座標との関係を示す図である。
【図3】2次元カラーグラデーション表示装置の動作を示すフローチャート図である。
【図4】3次元RGB色空間において色座標が選択される面を示す図である。
【図5】3次元RGB色空間において色座標が選択される面を示す図である。
【図6】投影処理を説明するための図である。
【図7】投影処理を示すフローチャートである。
【図8】投影処理(赤成分に対する処理)を示すフローチャートである。
【図9】投影処理(緑成分に対する処理)を示すフローチャートである。
【図10】投影処理(青成分に対する処理)を示すフローチャートである。
【図11】投影処理を示すフローチャートである。
【図12】3次元RGB色空間において色座標が選択される面を示す図である。
【図13】投影処理の効果を説明するための図である。
【図14】投影処理の効果を説明するための図である。
【図15】3次元ルックアップテーブルの概念を示す図である。
【図16】図15の3次元ルックアップテーブルの特定の格子点に補正パラメータを与えた状態を示す図である。
【図17】図16の補正結果を1次元グラデーションと2次元グラデーションで表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。構造に関する図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0021】
図1は、本発明の2次元カラーグラデーション表示装置の基本的な構成を示すブロック図である。2次元カラーグラデーション表示装置は、信号分離部1、座標算出部2、制御部6、2次元カラーグラデーション発生部20、選択部7、色補正部8、入力部9、表示装置10等で構成される。また、2次元グラデーション発生部20は、座標オフセット部3、表示座標/色情報変換部4、投影処理部4a、飽和処理部5で構成されている。
【0022】
信号分離部1では、画像信号を選択部7に供給する。また、信号分離部1では、画像信号から画像信号の有効期間を示すデータイネーブル信号を分離して座標算出部2に送出する。座標算出部2は取出されたデータイネーブル信号から表示画面上の水平座標、垂直座標を算出する。制御部6は、制御信号を各部に送出したり、演算・判定等の制御動作を行う。2次元カラーグラデーション発生部20は、2次元カラーグラデーション表示領域の水平・垂直座標に基づき2次元カラーグラデーションを発生させる。
【0023】
選択部7は、画像信号と2次元カラーグラデーション発生部20が生成した信号を切り変えて選択することにより、通常の画像又は2次元カラーグラデーション画像、若しくは通常の画像と2次元カラーグラデーション画像とを掛け合わせた画像データが出力される。これにより、通常の画像と2次元カラーグラデーション画像とが同一の画面上に表示される。色補正部8は、選択部7から出力される画像データの特定の色を強めたり、弱めたりする等色調に関する補正を行う。表示装置10は、色補正部8からの出力信号を表示する。
【0024】
2次元カラーグラデーション表示装置の動作を図1、図2、図3を参照しつつ、説明する。図2は、表示画面上の座標と2次元カラーグラデーション表示領域の座標との関係を示す。また、図3は、2次元カラーグラデーション表示装置の動作を示すフローチャート図である。信号分離部1には、通常の画像信号が入力されるが、入力された画像信号のうち、画像信号の有効期間を示すデータイネーブル信号(以降、1が有効期間、0が非有効期間とする)が分離されて座標算出部2に送られる。他方、入力された画像信号はそのまま選択部7に送信される。
【0025】
座標算出部2では、表示画面上における水平座標、垂直座標を上記データイネーブル信号から算出する(S1)。水平方向1周期において、データイネーブル信号が論理1となる数を画像クロックでカウントすることにより、図2に示すように、表示装置10における表示画面12上の水平座標uを算出する。一方、垂直方向1周期においてデータイネーブル信号の論理が0から1に変化するエッジの数を画像クロックでカウントすることにより、表示画面12上の垂直座標vを算出する。なお、水平座標uおよび垂直座標vを算出する場合、図2に示す表示画面12の座標0、つまり(u,v)=(0,0)の座標は、既知である水平同期信号の開始点からの座標、垂直同期信号の開始点からの座標から算出される。
【0026】
座標算出部2で算出された水平座標u及び垂直座標vは、2次元カラーグラデーション発生部20の座標オフセット部3に入力される。座標オフセット部3では、水平座標u及び垂直座標vから2次元カラーグラデーション表示座標を算出する(S2)。具体的には、以下のような演算が行われる。図2において、斜線の領域が2次元カラーグラデーション表示領域である。また、2次元カラーグラデーション表示領域の水平方向の大きさがW1、垂直方向の大きさがW2である。
【0027】
この表示領域の表示開始位置や、表示領域の大きさW1、W2は制御部6から与えられるものであっても良いし、入力部9からユーザが任意に設定できる構成としても良い。また、固定値であっても良い。
【0028】
2次元カラーグラデーション表示領域の中心を0として、横軸にx軸、縦軸にy軸をとる。2次元カラーグラデーション表示領域内の座標を(x,y)とし、表示画面12上の座標(u,v)における2次元カラーグラデーション表示領域の表示開始座標を(u0,v0)とすると、
水平座標x=u−水平座標のオフセット値
垂直座標y=v−垂直座標のオフセット値
と表される。ここで、
水平座標のオフセット値=u0+W1÷2
垂直座標のオフセット値=v0+W2÷2
である。このように、表示画面12上の座標(u,v)から、2次元カラーグラデーション表示領域の中心を原点とする座標(x,y)に変換する。
【0029】
以上のように、2次元カラーグラデーション表示領域の中心が原点となった座標(x,y)が座標オフセット部3から表示座標/色情報変換部4に供給される。表示座標/色情報変換部4では、座標オフセット部3からの表示座標(x,y)を色情報に変換する(S3)。
【0030】
表示座標/色情報変換部4は、次式で示される行列演算回路で構成され、この行列演算回路により座標オフセット部3からの表示座標(x,y)を色情報に変換する。
【数1】
【0031】
ここで、RCは出力される赤色分の色情報、GCは出力される緑色分の色情報、BCは出力される青色分の色情報である。また、x、yは、座標オフセット部3から出力された2次元座標である。
【0032】
上記数式1における係数m1〜m9(行列演算係数)は、次式により求められる。
【数2】
【0033】
また、上記数式2におけるBX、GX、RXは、次式により求められる。
【数3】
【0034】
このように、係数m1〜m9までは、上記数式2及び数式3より求められる。
【0035】
次に、α、β、γ、BX、GX、RX、S、ZW等のパラメータについて説明する。まず、3つのカラー画像信号を、それぞれX軸、Y軸、Z軸に割り当てた3次元空間を考える。この3次元空間において、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体を考える。色立方体は、1つ1つの色が立方体の中に独自の座標値を持っているものである。このような色立方体の6面の面上と色立方体の内部を含めて、3次元色空間と呼ばれる。
【0036】
本実施例では、3次元色空間について、R、G、Bの値が、それぞれX軸、Y軸、Z軸に割り当てられた3次元RGB色空間とした。なお、X軸、Y軸、Z軸には、R、G、B以外の色を割り当てることもできる。
【0037】
3次元色空間は、図4の(a)に示されるように、R、G、Bの値が、それぞれX軸、Y軸、Z軸に割り当てられている。ここで、Rは赤、Gは緑、Bは青、Cはシアン、Mはマジェンダ、YEは黄色、Wは白、Kは黒を表わす。
【0038】
3次元のXYZ軸には、色光の3原色のRGBを使用し、黒を原点とする。その際、RGBの補色であるC、M、YEと白の4色が他の頂点に配置される。ここで、3次元RGB色空間は、それぞれの一辺が1の立方体である。3次元RGB色空間における色座標がBX、GX、RXである。
【0039】
また、図4(a)に示すように、αはX軸回りのXYZ座標軸の回転角度、βはY軸回りのXYZ座標軸の回転角度、γはXYZ座標軸のZ軸回りの回転角度を示す。α、β、γの各回転角度は、原点から各座標軸の正方向を見た状態での右回りを正に取っている。
【0040】
ZWは、α、β、γの各回転角度によりXYZ座標系が回転した後に、2次元カラーグラデーションの表示部分を表わす平面領域が、回転後のZ軸と交差するZ座標値を示す。この2次元カラーグラデーションの表示部分を表わす平面領域は、Z軸と直交するものである。また、Sは2次元カラーグラデーション画像の倍率であり、画像の大きさをX軸方向にS倍、Y軸方向にS倍するものである。
【0041】
上記のように、表示領域における2次元座標(x,y)が、m1〜m9の係数により、3次元色空間における3次元の色座標(X、Y、Z)と対応付けられることになり、色情報RC、GC、BCが算出される。
【0042】
なお、係数m1〜m9は、ユーザが入力部9から入力できるようになっている。また、入力部9からα、β、γの各回転角度、及びS、ZWを入力し、制御部6で係数m1〜m9の計算を行い、2次元カラーグラデーション発生部20に与える構成としても良い。
【0043】
図4(b)の斜線部分は、α=0度、β=0度、γ=0度、ZW=1.0のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。すなわち、図4(b)は、図4(a)の状態からXYZ座標系の回転が行われない場合が示されている。辺KRはX軸と一致し、辺KGはY軸と一致し、辺KBはZ軸と一致し、ZW=1.0であるC、B、M、Wの4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。α、β、γの各回転角度およびZWを変化させると、様々な色調のグラデーションが得られる。
【0044】
図4(c)の斜線部分は、α=90度、β=0度、γ=0度、ZW=1.0のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KRはX軸と一致し、辺KGはZ軸と一致し、辺KBはY軸と一致し、ZW=1.0であるC、W、YE、Gの4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0045】
図4(d)の斜線部分は、α=90度、β=−90度、γ=0度、ZW=1.0のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KRはZ軸と一致し、辺KGはX軸と一致し、辺KBはY軸と一致し、ZW=1.0であるW、M、R、YEの4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0046】
図4(e)は、α=0度、β=0度、γ=0度、ZW=0.5のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KRはX軸と一致し、辺KGはY軸と一致し、辺KBはZ軸と一致し、ZW=0.5である辺CGの中点、辺BKの中点、辺MRの中点、辺WYEの中点の4点を頂点とした正方形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0047】
図4(b)〜(e)の各図ともに、太線の黒枠で囲まれた平面領域(斜線が施された領域)の色座標が2次元カラーグラデーション表示領域のx座標、y座標に対応付けられ、四角形状にカラーグラデーション表示が行われる。
【0048】
図5は、図4の四角形状の2次元カラーグラデーション画像と異なり、三角形状、六角形状のカラーグラデーション表示が行われる場合を示す。図5(a)は、投影処理off(後述する)、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷3のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷3であるB、G、Rの3点を頂点とした三角形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0049】
図5(b)の斜線部分は、投影処理off、α=45度、β=−35度、γ=0度、ZW=(31/2)÷2のときの2次元カラーグラデーションの表示部分を表す。辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷2であるBとCの中点、CとGの中点、GとYEの中点、YEとRの中点、RとMの中点、MとBの中点を頂点とした六角形の面(Z軸に垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0050】
以上のように、3次元色空間上のX軸、Y軸、Z軸の回転角度α、β、γ及び、S、ZWの組み合わせを色々と変えることにより、様々な色調や形状の2次元カラーグラデーション画像を得ることができる。これらのパラメータは、入力部9からユーザが適宜入力することができる。
【0051】
ここで、投影処理部4aの機能は、制御部6又は入力部9からの指示に基づいてon/offすることができるようになっている。投影処理onの場合、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4で変換された色情報を投影処理により変換する(S3a→S3b)。具体的には、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定し、表示装置で表現できない色情報である場合は表示装置で表現できない色情報の大きさを算出し、算出した値に投影変換率(後述する)を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から減ずる。このようにして、3つのカラー画像信号を1組とする3組の投影処理候補を求め、3組の投影処理候補の値が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定し、1組の投影処理候補を選択して投影変換部4aの出力とする。なお、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号が、表示装置で表現できる色情報である場合は、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号を投影変換部4aの出力とする。3組の投影処理候補の色情報がいずれも表示装置で表現できない色情報である場合も、表示座標/色情報変換部4から出力された3つのカラー画像信号を投影変換部4aの出力とする。このようにして、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体の断面部が含まれる平面上に当該色立方体を平行投影する。以下、図6〜図14を用いて投影処理の内容を詳しく説明する。
【0052】
図6は、投影処理を説明するための図であり、簡易的にZ軸に垂直な方向から見た2次元で表している。この図に示すように、点P1〜P2と点P3〜P4の領域は、投影処理部4aで色情報が算出される領域(投影部)である。また、点P2〜P3の領域は、表示座標/色情報変換部4で色情報が算出される領域(断面部)である。それ以外の領域は、飽和処理部5で背景として処理される領域(背景部)である。
【0053】
投影処理部4aは、図7に示すように、表示座標/色情報変換部4から出力された各色情報(赤成分、緑成分、青成分)に対して処理を行う(S11)。その際、制御部6から与えられるn7〜n9の係数を用いる。このn7〜n9の係数は、次式に示すように、m1〜m9の逆行列から求めることができる。
【数4】
【0054】
以下、図8を用いて赤成分に対する処理を説明する。まず、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された赤成分Rcが表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定する(S21)。すなわち、Rcの値が0〜1の範囲にある場合、出力RrにRc、係数Jに0、FLAGArに0を代入する(S22)。また、Rcの値が1より大きい場合、出力Rrに1、係数JにRc、FLAGArに1を代入する(S23)。また、Rcの値が0より小さい場合、出力Rrに0、係数JにRc−1、FLAGArに1を代入する(S24)。次いで、制御部6から与えられたn7の値を判定する(S25)。ここで、n7が0である場合、FLAGBrを0にするため、出力Rr,Gr,Brに0〜1以外の値を代入する(S26)。また、n7が0以外である場合、次式に基づいて出力Gr,Brを求める(S27)。
【0055】
Gr=Gc−J×(n8/n7)
Br=Bc−J×(n9/n7)
ここで(n8/n7)や(n9/n7)は、投影変換率である。
【0056】
このように求めた出力Rr,Gr,Brのすべての値が0〜1の範囲にある場合はFLAGBrを1とし(S28→S29→S30→S32)、それ以外の場合はFLAGBrを0とする(S31)。これにより、Rr,Gr,Br,FLAGAr,FLAGBrを求めることができる。
【0057】
次に、図9を用いて緑成分に対する処理を説明する。緑成分に対する処理も赤成分に対する処理と基本的に同じである。すなわち、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された緑成分Gcの値を判定する(S41)。ここで、Gcの値が0〜1の範囲にある場合、出力GgにGc、係数Kに0、FLAGAgに0を代入する(S42)。また、Gcの値が1より大きい場合、出力Ggに1、係数KにGc、FLAGAgに1を代入する(S43)。また、Gcの値が0より小さい場合、出力Ggに0、係数KにGc−1、FLAGAgに1を代入する(S44)。次いで、制御部6から与えられたn8の値を判定する(S45)。ここで、n8が0である場合、FLAGBgを0にするため、出力Rg,Gg,Bgに0〜1以外の値を代入する(S46)。また、n8が0以外である場合、次式に基づいて出力Rg,Bgを求める(S47)。
【0058】
Rg=Rc−K×(n7/n8)
Bg=Bc−K×(n9/n8)
ここで(n7/n8)や(n9/n8)は、投影変換率である。
【0059】
このように求めた出力Rg,Gg,Bgのすべての値が0〜1の範囲にある場合はFLAGBgを1とし(S48→S49→S50→S52)、それ以外の場合はFLAGBgを0とする(S51)。これにより、Rg,Gg,Bg,FLAGAg,FLAGBgを求めることができる。
【0060】
次に、図10を用いて青成分に対する処理を説明する。青成分に対する処理も赤成分に対する処理と基本的に同じである。すなわち、投影処理部4aは、表示座標/色情報変換部4から出力された青成分Bcの値を判定する(S61)。ここで、Bcの値が0〜1の範囲にある場合、出力BbにBc、係数Lに0、FLAGAbに0を代入する(S62)。また、Bcの値が1より大きい場合、出力Bbに1、係数LにBc、FLAGAbに1を代入する(S63)。また、Bcの値が0より小さい場合、出力Bbに0、係数LにBc−1、FLAGAbに1を代入する(S64)。次いで、制御部6から与えられたn9の値を判定する(S65)。ここで、n9の値が0である場合、FLAGBbを0にするため、出力Rb,Gb,Bbに0〜1以外の値を代入する(S66)。また、n9が0以外である場合、次式に基づいて出力Rb,Gbを求める(S67)。
【0061】
Rb=Rc−L×(n7/n9)
Gb=Gc−L×(n8/n9)
ここで(n7/n9)や(n8/n9)は、投影変換率である。
【0062】
このように求めた出力Rb,Gb,Bbのすべての値が0〜1の範囲にある場合はFLAGBbを1とし(S68→S69→S70→S72)、それ以外の場合はFLAGBbを0とする(S71)。これにより、Rb,Gb,Bb,FLAGAb,FLAGBbを求めることができる。
【0063】
次いで、図11に示すように、求めたFLAGAbとFLAGBbが両方とも1である場合はRb,Gb,Bbを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S87)。また、FLAGAbとFLAGBbのどちらかが0でFLAGAgとFLAGBgが両方とも1である場合はRg,Gg,Bgを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S82→S86)。また、FLAGAbとFLAGBbのどちらかが0でFLAGAgとFLAGBgのどちらかが0でFLAGArとFLAGBrが両方とも1である場合はRr,Gr,Brを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S82→S83→S85)。また、それ以外の場合、すなわちFLAGAbとFLAGBbのどちらかが0でFLAGAgとFLAGBgのどちらかが0でFLAGArとFLAGBrのどちらかが0である場合はRc,Gc,Bcを出力Rm,Gm,Bmとする(S81→S82→S83→S84)。
【0064】
これにより、投影処理on、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷3のときは、図12(a)に太線で示す六角形状の部分が出力される。すなわち、辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷3であるYE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。また、投影処理on、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷2のときは、図12(b)に太線で示す六角形状の部分が出力される。すなわち、辺KWがZ軸と一致し、ZW=(31/2)÷2であるYE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形の面(Z軸と垂直)が表示領域における2次元カラーグラデーションデータとなる。
【0065】
以下、投影処理の効果を更に詳しく説明する。
【0066】
図13は、α=45度、β=−35度、γ=30度、ZW=(31/2)÷3の場合において、投影処理offのときとonのときのカラーグラデーション表示を示している。投影処理offのときは、図5(a)の出力結果に相当するため、図13(a)に示すように、B、G、Rの3点を頂点とした三角形のカラーグラデーション表示となる。それに対して、投影処理onのときは、図12(a)の出力結果に相当するため、図13(b)に示すように、YE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形のカラーグラデーション表示となる。このように、投影処理をonにすれば、色情報が算出される領域が拡張されるため、カラーグラデーションの色数を増加させることができる。
【0067】
図14は、α=45度、β=−35度、γ=0度、ZW=(31/2)÷2の場合において、投影処理offのときとonのときのカラーグラデーション表示を示している。投影処理offのときは、図5(b)の出力結果に相当するため、図14(a)に示すように、BとCの中点、CとGの中点、GとYEの中点、YEとRの中点、RとMの中点、BとMの中点を頂点とした六角形のカラーグラデーション表示となる。それに対して、投影処理onのときは、図12(b)の出力結果に相当するため、図14(b)に示すように、YE,G,C,B,M,Rの6点を頂点とした六角形のカラーグラデーション表示となる。このように、投影処理をonにすれば、色情報が算出される領域が拡張されるため、カラーグラデーションの色数を増加させることができる。
【0068】
次に、2次元カラーグラデーション表示領域における表示方式を説明する。飽和処理部5では、投影処理部4aで変換された色情報が表示装置で表現できない色情報だった場合、背景色として処理する。投影処理部4aから出力された色情報は、前述のようにRm,Gm,Bmである。Rm,Gm,Bmは、それぞれ表現できる色情報の範囲として0〜1までの値を取ることができる。しかし、計算上、0〜1の範囲を逸脱する場合があるので、これを以下のように処理する。
【0069】
例えば、Max=Rm,Gm,Bmの最大値、Min=Rm,Gm,Bmの最小値とし、Max及びMinを算出する(S4)。MaxとMinのどちらかがオーバーフロー(0より小さい、あるいは1より大きい)した場合、背景色(例えば黒色)を出力する(S5、S7)。それ以外の場合、2次元カラーグラデーションの色情報としてRm,Gm,Bmを出力する(S5、S6)。背景色は黒色でなくても良い。また、透明色を指定し入力画像データを出力しても良い。
【0070】
選択部7は、信号分離部1から入力された画像信号と2次元カラーグラデーション発生部20が発生させた信号を選択して出力する(S8)。また、制御部6から与えられた値により入力された画像データと2次元カラーグラデーション発生部20から出力される画像データを掛け合わせて出力しても良い。
【0071】
入力された画像データと2次元カラーグラデーション発生部20から出力される画像データを掛け合わせて出力する場合は、次のように行う。選択部7への画像データをI、選択部7への2次元カラーグラデーション発生部20から出力される画像データをIG、制御部6から与えられた混合比率をθとすると、選択部7の画像出力データIQは、次式で与えられる。
【0072】
IQ=θ×I+(1−θ)×IG
次に、色補正部8は、ルックアップテーブル(LUT)を有する回路で、選択部7から出力された画像データを基に参照されたテーブルの値を出力して、色補正を行う。
【0073】
色補正部8の一実施例を以下に示す。3次元LUT回路は、3つのカラー画像信号で表わされる3次元色空間上に格子点を備え、各格子点に対して色補正を行うことができる色変換用テーブルを備えている。色変換用テーブルには、3つのカラー画像信号値に対する補正パラメータ(3つのカラー画像出力値やオフセット値など)が格納される。3次元LUT回路には、格子点間の3つのカラー画像出力値を補間演算により生成する補間回路も含まれる。
【0074】
図15は、3次元色空間上の各RGBを4分割し、5×5×5=125個の格子点を持つ3次元LUT回路の概念図である。Q000が原点を示し、数字の部分がR、G、B軸の各方向の格子点位置を表わす。例えば、Q444は、原点からR軸方向に4番目、かつG軸方向に4番目、かつB軸方向に4番目の格子点位置であることを示す。すなわち、白色を示している。図15では、125個の各格子点に対する補正パラメータが格納された色変換用テーブルを備えている。
【0075】
選択部7から与えられた画像データの色情報を基に色変換用テーブルを参照し、補正パラメータを出力して選択部7から与えられた色情報の色補正を行う。なお、参照される色変換用テーブルの値は、制御部6から与えられるものであっても良いし、ユーザが任意に設定できる構成としても良い。また、固定値であっても良い。
【0076】
ところで、色補正を実施した後、過度な色補正によりトーンジャンプの発生の有無を検査するためにグラデーション表示を行っている。色補正を実施した後、過度な色補正によりトーンジャンプの発生の有無を検査する場合、1次元のグラデーションを何種類も表示する必要があり非常に不便であるばかりではなくトーンジャンプを発見しにくい。その例を以下に示す。
【0077】
図16は、格子点Q224に補正パラメータを与えた状態を示している。この補正による結果を検査する為に、Q224を通る太線L1のライン上を1次元グラデーションで表示する例を図17(a)に示す。一方、Q004、Q004、Q404、Q444の4つの頂点で表わされる面全体を2次元グラデーションで表示する例を図17(b)に示す。
【0078】
これらの例では、赤色、緑色、青色の各色は256段階の階調があるものとして、グラデーション画像の一部を表示している。なお、選択部7から出力される色情報の数値範囲と整合させる場合は、各色を最大値で規格化して0〜1の数値を取るようにすれば良い。また、図面ではカラー表示できないため、図17ではグレースケール表示となっている。図の濃淡部は、Q244に補正パラメータを与えたことにより色補正された領域を示す。
【0079】
図17(a)の1次元グラデーションでは、図に示されるように、1つのグラデーションパターンで、色補正結果はRの依存性しか検査できない。つまり、各色256段階とすると256色しか一度に検査できない。しかし、図17(b)の2次元グラデーションパターンでは、図に示されるように、色補正結果はRの依存性とGの依存性の両方を検査できる。つまり、各色256段階とすると256×256=65536色を一度に検査できる。したがって、本発明を用いれば、1次元グラデーション表示に比べて、256倍も検査の効率が上がる。
【0080】
以上のように、本発明によれば、画像信号から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出し、この表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付け、該対応付けに基づき該表示座標を色情報に変換しているので、2次元カラーグラデーションのパターンデータを格納する記憶装置を必要とせず、様々な色調又は形状の2次元カラーグラデーション画像を容易に表示させることができる。しかも、投影処理を行うことで色情報が算出される領域を拡張することができるため、カラーグラデーションの色数を容易に増加させることが可能である。
【0081】
なお、前記の説明では、投影処理部4aは、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から減算することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、係数J、K、Lがマイナスの値である場合は、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号に加算するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 信号分離部
2 座標算出部
3 座標オフセット部
4 表示座標/色情報変換部
4a 投影処理部
5 飽和処理部
6 制御部
7 選択部
8 色補正部
9 入力部
10 表示装置
20 2次元カラーグラデーション発生部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号に含まれる同期信号から画像表示位置の水平座標と垂直座標とを算出する座標算出部と、
前記座標算出部で算出された水平座標と垂直座標から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出する座標オフセット部と、
前記座標オフセット部で算出された表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付けることにより該表示座標を色情報に変換する表示座標/色情報変換部と、
前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報を投影処理により変換する投影処理部とを備えたことを特徴とする2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項2】
前記投影処理部は、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体の断面部が含まれる平面上に当該色立方体を平行投影することを特徴とする請求項1に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項3】
前記投影処理部は、前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項4】
前記投影処理部は、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から加減算することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項5】
前記投影変換率は、行列演算係数をもとに求められることを特徴とする請求項4に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項6】
前記投影処理部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報の場合、これを背景色として処理する飽和処理部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項7】
色情報の補正を行う色補正部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項8】
前記3次元色空間は、RGB空間で定義されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項9】
前記表示座標/色情報変換部による表示座標を色情報に変換する構成は、前記行列演算係数を有する行列演算回路により実現されることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項10】
前記行列演算係数は、前記3次元色空間上のRに対応する座標軸回りの回転角度α、Gに対応する座標軸回りの回転角度β、Bに対応する座標軸回りの回転角度γにより求められることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項11】
前記α、β、γの各回転角度を外部から入力できる入力部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項1】
画像信号に含まれる同期信号から画像表示位置の水平座標と垂直座標とを算出する座標算出部と、
前記座標算出部で算出された水平座標と垂直座標から2次元カラーグラデーション表示領域用の表示座標を算出する座標オフセット部と、
前記座標オフセット部で算出された表示座標と3次元色空間上の色座標とを対応付けることにより該表示座標を色情報に変換する表示座標/色情報変換部と、
前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報を投影処理により変換する投影処理部とを備えたことを特徴とする2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項2】
前記投影処理部は、3つのカラー画像信号の割合を示す色立方体の断面部が含まれる平面上に当該色立方体を平行投影することを特徴とする請求項1に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項3】
前記投影処理部は、前記表示座標/色情報変換部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項4】
前記投影処理部は、カラー画像信号に投影変換率を乗じ、乗じた値を他のカラー画像信号から加減算することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項5】
前記投影変換率は、行列演算係数をもとに求められることを特徴とする請求項4に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項6】
前記投影処理部で変換された色情報が表示装置で表現できない色情報の場合、これを背景色として処理する飽和処理部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項7】
色情報の補正を行う色補正部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項8】
前記3次元色空間は、RGB空間で定義されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項9】
前記表示座標/色情報変換部による表示座標を色情報に変換する構成は、前記行列演算係数を有する行列演算回路により実現されることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項10】
前記行列演算係数は、前記3次元色空間上のRに対応する座標軸回りの回転角度α、Gに対応する座標軸回りの回転角度β、Bに対応する座標軸回りの回転角度γにより求められることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【請求項11】
前記α、β、γの各回転角度を外部から入力できる入力部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の2次元カラーグラデーション表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【図14】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図16】
【図13】
【図14】
【図17】
【公開番号】特開2012−247673(P2012−247673A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120228(P2011−120228)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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