説明

2画面携帯端末装置

【課題】タッチパネルを有する2画面携帯端末装置において、ディスプレイの表示に係る消費電力を削減する。
【解決手段】タッチパッドとディスプレイからなる2つのタッチパネルを有する本発明の携帯端末装置は、第2のタッチパネルのタッチパッドに入力があった場合に、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを省電力レートに低下させる表示制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのタッチパネルを有する携帯端末装置に関し、特に同装置に設けられたディスプレイの消費電力量を削減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯通信端末や携帯ゲーム機等の携帯端末に、複数のディスプレイが搭載されるようになってきた。これにより表示面積が増大し、同時に複数のアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションと表記)による画像を表示させることが可能となり、また、複数のディスプレイが搭載されていることを前提としたアプリケーションも登場している。
【0003】
一方、ディスプレイを複数搭載することで、消費電力が大きくなるため、携帯端末においてバッテリ駆動による連続使用時間が短くなる問題が発生している。この問題に対してはリフレッシュ動作の頻度を低下させることで対処が可能であるが、あまりにリフレッシュレートを低下させると表示のちらつきが発生したり、アプリケーションが表示しようとする一部のフレームが欠けたりする別の問題が発生する。
【0004】
そこで、画面に表示する動画の時間情報または映像情報に合わせて画面の一部のリフレッシュ動作を間引き、画面の更新による消費電力の増大を抑制する技術(特許文献1参照)や、アプリケーション毎のフレームレート情報に基づいて、高いフレームレートのアプリケーションと低いフレームレートのアプリケーションとをそれぞれ別のディスプレイに表示し、低いフレームレートのアプリケーションを表示するディスプレイのフレームレートを低減させることにより消費電力の増大を抑制する技術(特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−221923号公報
【特許文献2】特開2009−8925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、2つのディスプレイを有する装置において、ユーザーは常にその2つのディスプレイの全域を注視しているわけではない。ユーザーが2つのディスプレイのうち一方のディスプレイを注視していないのであれば、当該ディスプレイのリフレッシュレートを低下させても、ユーザーの視認性や操作性にはほとんど影響がない。
本発明は、ユーザーがディスプレイを注視していない場合において、当該注視されていないディスプレイのリフレッシュレートを低下させても視認性や操作性に影響しないことに着目し、ディスプレイのリフレッシュレートを従来よりも低くしてディスプレイの消費電力を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、2つのタッチパネルを有し、タッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートが可変である携帯端末装置に着目して、ユーザーが第2のタッチパネルのタッチパッドを操作したときは、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを低下させ、消費電力の削減を実現する。
これを実現する本発明の携帯端末装置は、画像を表示するディスプレイとタッチパッドからなる2つのタッチパネルを備え、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートが可変である携帯端末装置であって、第2のタッチパネルのタッチパッドが入力の検出をしたとき、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを省電力レートに低下させる表示制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、第2のタッチパネルのタッチパッドを操作したときに、ユーザーが注視していない第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを低下させて省電力化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における携帯端末装置の外観図
【図2】本発明の実施の形態1における携帯端末装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における携帯端末装置のタッチパッドBへの操作に対する動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における携帯端末装置の状態遷移図
【図5】本発明の実施の形態2における第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを決定する動作を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2におけるアプリケーションの最大リフレッシュレート、最小リフレッシュレートの例
【図7】本発明の実施の形態3における携帯端末装置のソフトウェアキーボードに対する動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における携帯端末装置の状態遷移図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<実施の形態1>
<構成>
図1は本実施の形態に係る携帯端末装置の外観図であり、図2は本実施の形態に係る携帯端末装置のブロック図である。
【0011】
携帯端末装置1は、第1の筺体11と第2の筺体12からなる。携帯端末装置1は図2の通り、制御部110、VRAM120、表示制御部130、タッチパネルA140、タッチパネルB150、記憶部160を含み、タッチパネルA140はさらにディスプレイA141とタッチパッドA142を含む。タッチパネルB150も同様にディスプレイB151とタッチパッドB152を含む。
<タッチパネル140、150>
タッチパネルA140は図1に示すように第1の筺体1に配置され、ディスプレイA141とタッチパッドA142から構成される。
【0012】
ディスプレイA141は、表示制御部130から入力される画像データが示す画像を表示し、例えばTFT型の液晶表示パネルである。
タッチパッドA142は透明電極であり、ディスプレイA141の前面に配置されている。タッチパッドA142はユーザーの指などによる接触を検知すると、接触があった旨と接触位置を示す座標データを含む信号を制御部110に入力し、接触が解かれたことを検知するとその旨の信号を制御部110に入力する。
【0013】
タッチパネルB150は図1に示すように第2の筺体2に配置され、ディスプレイB151、タッチパッドB152はそれぞれディスプレイA141、タッチパッドA142と同じ構成である。
<記憶部160>
記憶部160は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリによって実現される。記憶部160は、制御部110で実行可能なアプリケーションを記憶している。
<制御部110>
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と主記憶部112、OS(Operating System)113から構成される。
【0014】
制御部110はタッチパッドA142とタッチパッドB152からの入力を受け付け、その内容に応じた処理を行う。制御部110はユーザーからの指示をアプリケーションの実行指示と解釈すれば、当該アプリケーションを記憶部160より主記憶部112に読み込んで実行する。
実行中のアプリケーションはディスプレイA141とディスプレイB151のいずれか一方、または両方の一部または全部を表示領域として使用する。この領域のことをウィンドウと呼ぶ。また、ウィンドウ内のタッチ操作によりアプリケーションへの入力が可能になっている状態をアクティブと呼ぶ。アクティブなウィンドウは同時に両ディスプレイを通して1つである。非アクティブなウィンドウをアクティブにするにはそのウィンドウへのタッチ操作をすれば良く、この場合にはタッチされたウィンドウがアクティブになり、新たにアクティブとなったウィンドウ以外は非アクティブとなる。主記憶部112は、各ウィンドウがアクティブか非アクティブかを記憶している。
【0015】
また、制御部110は、OSおよび実行中のアプリケーションが発行する描画命令を表示制御部130に送信する。
<表示制御部130>
表示制御部130は、制御部110より出力された描画命令を実行してディスプレイA141とディスプレイB151とに表示させる画像データを作成し、VRAM120に格納する。この描画命令による画像データの単位をフレームと呼び、単位時間当たりに生成されるフレーム数をフレームレートと呼ぶ。
【0016】
また、表示制御部130は、ディスプレイA141のリフレッシュレートとディスプレイB151のリフレッシュレートを記憶している更新頻度記憶部131を有している。リフレッシュレートは、単位時間当たりにディスプレイA141またはディスプレイB151の画面リフレッシュ動作を行う回数である。
表示制御部130は、リフレッシュレートの値に従って、VRAM120からディスプレイA141に表示すべき画像データを読み込んで、ディスプレイA141に出力する画面リフレッシュ動作を行い、同様にVRAM120からディスプレイB151に表示すべき画像データを読み込んで、ディスプレイB151に出力する画面リフレッシュ動作を行う。
【0017】
リフレッシュレートとして、通常レートと省電力レートの2種類を用いる。
通常レートは、アプリケーションの描画命令により生成した画像データを全てディスプレイA141に出力できるようなレートであり、アプリケーションのフレームレートの最大値である。本実施の形態においては、どのアプリケーションのフレームレートも30Hz以下であり、通常レートは固定値の30Hzを使用する。
【0018】
一方、省電力レートは、消費電力を削減するための通常レートより低いリフレッシュレートである。本実施の形態においては、省電力レートは通常レートより低い10Hzを使用する。
なお、通常レートに従って画面リフレッシュしている状態を通常電力モード、省電力レートに従って画面リフレッシュしている状態を省電力モードと表記する。
【0019】
<動作>
上記のように構成した本実施の形態の動作について説明する。
図3は本実施の形態に係る携帯端末装置1のタッチパッドB152への操作に対する動作を示すフローチャートである。
また、図4は本実施の形態に係る携帯端末装置1の状態遷移図である。
【0020】
制御部110は、タッチパッドB152からのユーザーの入力を受け付ける(S11、及び図4の(a))。
入力が発生すると、制御部110はその内容を判断し、入力内容に応じた処理を行う。
また、制御部110はユーザーによるタッチパッドB152への接触検出と同時に、更新頻度記憶部131に記憶されているディスプレイA141のリフレッシュレートを省電力レートである10Hzに書き換える。表示制御部130は、更新頻度記憶部131に記憶されているディスプレイA141のリフレッシュレートが変更されていることを検知すると、次のリフレッシュタイミングから新たなレートである10HzでディスプレイA141の画面リフレッシュを開始する(S12、及び図4の(b))。
【0021】
次に、制御部110はディスプレイB151のリフレッシュレートが通常レートか省電力レートかを判断し(S21)、省電力レートである場合はディスプレイB151のリフレッシュレートを通常レートに変更するため、更新頻度記憶部131に記憶されているディスプレイB141のリフレッシュレートを通常レートである30Hzに書き換える。
表示制御部130は、更新頻度記憶部131に記憶されているディスプレイB151のリフレッシュレートが変更されていることを検知すると、次のリフレッシュタイミングから新たなレートである30HzでディスプレイB151の画面リフレッシュを開始する。(S22、及び図4の(c)から(b))。
【0022】
なお、タッチパネルAとタッチパネルBを入れ替えて全く同じ動作をすることにより、タッチパッドA142への操作に対してディスプレイB151のリフレッシュレートを省電力レートにし、ディスプレイA141のリフレッシュレートを通常レートに切り替えることが可能となる。詳細についてはS11〜S22と同様の動作であるので説明は省略する。
<まとめ>
このように本実施の形態では、第2のタッチパネルのタッチパッドが入力の検出をしたとき、表示制御部が第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを省電力レートに低下させることができる。
【0023】
これにより、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを抑えて消費電力を抑えることから、携帯端末装置の消費電力を低減させることができる。
また、本実施の形態では、第1のタッチパネルのタッチパッドが入力の検出をしたとき、表示制御部が第2のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを省電力レートに低下させることができる。
【0024】
これにより、第2のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを抑えて消費電力を抑えることから、携帯端末装置の消費電力を低減させることができる。
また、本実施の形態では、第1のタッチパネルのタッチパッドが入力を検出したとき、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートが省電力レートであれば、前記省電力レートに低下させる前の状態である通常レートに戻すことができる。
【0025】
これにより、第1のタッチパネルのタッチパッドが入力を検出したときは、第1のタッチパネルのディスプレイの描画品質を低下させずに携帯端末装置を動作させることができる。
また、本実施の形態では、第2のタッチパネルのタッチパッドに入力があった場合に、それによって第1のタッチパネルのディスプレイに表示されているアプリケーションが操作可能な状態となる場合、第1のパネルのディスプレイのリフレッシュレートの変更を抑止するようにしてもよい。
【0026】
これにより、第1のタッチパネルのディスプレイを注視するような場合に第1のタッチパネルのリフレッシュレートを低下させてしまうことを防ぐことができる。
<実施の形態2>
<構成>
本実施の形態では、記憶部160は各アプリケーションが必要とするフレームレートについての情報を記憶している点と、通常レート、省電力レートが動作中に可変である点で実施の形態1とは異なる。
【0027】
それ以外については実施の形態1と同様の構成であるから、共通する説明は省略する。
<動作>
上記のように構成した本実施の形態の動作について説明する。本実施の形態に係る動作は、通常レート、省電力レートが一定値ではないこと以外は実施の形態1と同様であるから、共通する説明は省略する。
<通常レート、省電力レートの決定動作>
図5は本実施の形態に係る携帯端末装置1のディスプレイA141のリフレッシュレートの決定動作を示すフローチャートである。
【0028】
本実施の形態においては、リフレッシュレートの決定動作はディスプレイA141を用いるアプリケーションが起動または終了する際に行う。
制御部110はまず、通常レート、省電力レートのいずれにも予め定めた既定値を設定する(S101)。次に、制御部110は、主記憶部112が記憶しているアプリケーションの実行状態から、ディスプレイA141にウィンドウが表示されているかどうかを判定する(S102)。
【0029】
判定の結果、ディスプレイA141に一つもウィンドウが表示されていない場合、制御部110は通常レート、省電力レートにはいずれもS101で設定された通りに既定値を用いる。本実施の形態においては、通常レートの既定値は25Hz、省電力レートの既定値は5Hzである。
一方、判定の結果、ディスプレイA141にウィンドウが表示されている場合には、制御部110はそのウィンドウに係るアプリケーションに係るアクティブレート、非アクティブレートを記憶部160から読み出す。図6はアプリケーションとアクティブレート、非アクティブレートの一例である。
【0030】
ここで、アクティブレートとは、アプリケーションがアクティブであるときに、当該アプリケーションが必要とするフレームレートの最大値に対応するリフレッシュレートである。例えば、動画プレーヤーである場合、再生できる動画のフレームレートの最大値が30fpsであれば、フレーム落ちを防ぐためにアクティブレートは30Hzである。また、非アクティブレートとは、非アクティブである場合に、当該アプリケーションが最低限必要とするフレームレートに対応するリフレッシュレートである。例えば、メールソフトである場合、非アクティブであるときはユーザーからの入力を受け付ける状態ではなく、メール作成画面の文字入力や受信メールの表示が発生しないため必ずしもフレームレートとして20fpsを必要としない。しかしながら、電子メールの自動着信したときにユーザーに画面表示で通知するため、最低限フレームレートとして5fpsを必要とする。このため、メールソフトの非アクティブレートは5Hzとなる。
【0031】
制御部110は、ディスプレイA141にウィンドウを表示しているアプリケーションが1つか複数存在するかを判定する(S103)。ディスプレイA141にウィンドウを表示しているアプリケーションが複数存在する場合には、当該アプリケーション群のアクティブレートと非アクティブレートの最大値をそれぞれ代表アクティブレート、代表非アクティブレートとする(S104)。次に、ディスプレイA141にウィンドウを表示しているアプリケーションのアクティブレート(S104で代表アクティブレートを算出している場合はその値)と既定の通常レートを比較し(S105)、大きい値を新たな通常レートとする(S106)。
【0032】
制御部110は、同様にディスプレイA141にウィンドウを表示しているアプリケーションの非アクティブレート(S104で代表非アクティブレートを算出している場合はその値)と既定の省電力レートを比較し(S107)、大きい値を新たな省電力レートとする(S108)。例えば、ディスプレイA142にワンセグテレビと電話帳が表示されている場合、通常レートは30Hz、省電力レートは15Hzとなる。
【0033】
制御部110は、アプリケーションの起動または終了のたびに、S101〜S123の動作を行って通常レート、省電力レートの決定を行い、タッチパッドB152に入力があったときは、このようにして決定した通常レート、省電力レートを用いてS11〜S22の動作を行ってディスプレイA141とディスプレイB151のリフレッシュレートの制御を行う。
【0034】
なお、ディスプレイA141が通常レートで画面リフレッシュされているときに通常レートが変更された場合、ディスプレイA141のリフレッシュレートを以前の通常レートから新たな通常レートへと変更してもよい。この場合においてディスプレイA141のリフレッシュレートを変更する動作は、リフレッシュレートを通常レートから省電力レートへ変更する動作(S12)、または省電力レートから通常レートへ変更する場合の動作(S22)と同じであるので詳細については省略する。
<まとめ>
このように本実施の形態では、記憶部がアプリケーション毎に当該アプリケーションが必要とする最小のフレームレートに関する情報を、制御部が実行中のアプリケーションがどのディスプレイに表示を行っているかに関する情報を記憶しており、表示制御部は、第1のタッチパネルのディスプレイに表示を行っている実行中アプリケーションの最小のフレームレートの最大値を前記第1のタッチパネルのディスプレイの省電力レートの値として用いて、前記第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを低下させることができる。
【0035】
これにより、通常レート、省電力レートのいずれにおいても、各レートはアプリケーションが最低限必要とするリフレッシュレートより低くなることはなく、リフレッシュレートを最低限のリフレッシュレートより高く設定しないことで携帯端末装置の消費電力を低減させることができる。
<実施の形態3>
<構成>
本実施の形態では、タッチパネルA140がソフトウェアキーボードであって、ディスプレイA141に複数のキーが表示され、キーが表示された領域に触れることでタッチパッドA142より当該キー内容が入力される点で実施の形態1とは異なる。
【0036】
本実施の形態において、タッチパッドA142の通常レートは20Hz、省電力レートは5Hzであり、タッチパッドB152の通常レートは20Hzである。
それ以外については実施の形態1と同様の構成であるから、共通する説明は省略する。
<動作>
上記のように構成した本実施の形態の動作について説明する。
【0037】
図7は本実施の形態に係る携帯端末装置1のタッチパネルA140上のソフトウェアキーボードへの操作に対する動作を示すフローチャートである。
図8は本実施の形態に係る携帯端末装置1の状態遷移図である。初期状態においては図8の(a)の状態である。
制御部110は、タッチパッドA142のリフレッシュレートを省電力レートに移行させるためのタイマーT1を起動する(S201)。
【0038】
制御部110は、タッチパッドA142からのユーザーの入力を受け付ける(S202)。
入力が発生すると、制御部110はその内容を判断し、入力内容に応じた処理を行う。制御部110はユーザーによるタッチパッドB152への接触検出と同時にタイマーT1を再起動し(S201)、処理が終了するとユーザーの入力を受け付ける状態となる(S202)。ここで、タイマーT1の再起動とは、タイマーT1の値を0に戻して再度タイマーT1を起動することである。
【0039】
入力がない場合、制御部110はタイマーT1の値が所定の閾値以上か判断する(S203)。タイマーT1の値が閾値以下の場合、制御部110は引き続きタイマーT1を動作させ、制御部110はユーザーの入力を受け付ける状態となる(S202)。
タイマーT1の値が閾値以上であった場合、制御部110は更新頻度記憶部131に記憶されたディスプレイA141のリフレッシュレートを省電力レートである5Hzに変更し、表示制御部130はディスプレイA141のリフレッシュレートを5Hzに変更する(S204、及び図8の(b))。動作の詳細はS11と同一であるので省略する。
【0040】
制御部110はタッチパッドA142からのユーザーの入力を受け付ける(S205)。入力が発生すると、制御部110はその内容を判断し、入力内容に応じた処理を行う。
また、制御部110は入力検出と同時に、更新頻度記憶部131に記憶されたディスプレイA141のリフレッシュレートを通常レートである20Hzに変更し、表示制御部130は、ディスプレイB151のリフレッシュレートを20Hzに変更する(S206、及び図8の(a))。動作の詳細はS22と同一であるので省略する。
<まとめ>
このように本実施の形態では、ディスプレイに複数のキーが表示された第1のタッチパネルのタッチパッドが最後に入力を検出してから一定時間を経過した場合には、前記第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを前記省電力レートに低下させることができる。
【0041】
これにより、ソフトウェアキーボードとして使用されているタッチパネルについて、一定時間操作がなかった場合にはリフレッシュレートを低下させて消費電力を低減させることができる。
<その他の変形例>
(1)実施の形態1では、タッチパッドB152に入力があったときはディスプレイB151のリフレッシュレートを通常レートに切り替える場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、制御部110はディスプレイB151にアクティブなウィンドウが表示されることとなったときに、ディスプレイB151のリフレッシュレートを通常レートに変更してもよい。
【0042】
(2)実施の形態1では、アクティブなウィンドウを表示しているディスプレイB151のリフレッシュレートを通常レートに切り替える場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、制御部110はディスプレイB151のリフレッシュレートを通常レートから省電力レートに切り替える際に主記憶部112に直前のリフレッシュレートを記憶しておき、ディスプレイB151のリフレッシュレートを省電力レートから通常レートに切り替える際に、通常レートの代わりに主記憶部112に記憶されているリフレッシュレートを使用してもよい。このようにすることで、通常レートを決定する動作を省略することができる。
【0043】
(3)実施の形態2では、通常レートと省電力レートの決定動作をディスプレイA141に表示を行うアプリケーションの起動時および終了時に行う場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、ディスプレイA141のリフレッシュレートが通常レートであるときに、当該ディスプレイにウィンドウの新規作成・消去があれば通常レートの決定動作をし、タッチパッドB152に入力があったときに省電力レートの決定動作を行うとしてもよい。このようにすることで、必要なリフレッシュレートのみを決定することができる。
【0044】
(4)実施の形態2では、通常レートをアプリケーションのアクティブレートの最大値、既定値のいずれか大きい値である場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、アプリケーションのアクティブレートの平均値、既定値のいずれか大きい値であるとしてもよいし、アプリケーションのアクティブレートの最大値を用いてもよい。
【0045】
(5)実施の形態2では、アプリケーションのアクティブレート、非アクティブレートが全て既知である場合について説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、アクティブレート、非アクティブレートが未知のアプリケーションについては、既定値を適用してもよいし、アプリケーションの名称や区分から類似のアプリケーションを検索し、その値を適用してもよい。あるいは、そのアプリケーションの表示更新頻度を制御部110が測定してもよいし、ユーザーにアクティブレート、非アクティブレートを選択させてもよい。このようにすることで、アプリケーションのアクティブレート、非アクティブレートが不明であっても本発明を適用することができる
【符号の説明】
【0046】
1 携帯端末装置
110 制御部
120 VRAM
130 表示制御部
140 タッチパネルA
141 ディスプレイA
142 タッチパッドA
150 タッチパネルB
151 ディスプレイB
152 タッチパッドB
160 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するディスプレイとタッチパッドからなる2つのタッチパネルを備え、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートが可変である携帯端末装置であって、
第2のタッチパネルのタッチパッドが入力の検出をしたとき、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを省電力レートに低下させる表示制御部
を備える
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記第1のタッチパネルのタッチパッドが入力を検出したとき、第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートが前記省電力レートであれば、最後に前記省電力レートに低下させた前の状態に戻す
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記第2のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートが可変であって、
前記第1のタッチパネルのタッチパッドが入力の検出をしたとき、前記第2のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを省電力レートに低下させる表示制御部
を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記第1のタッチパネルのディスプレイには複数のキーが表示され、
前記表示制御部は、
前記第1のタッチパネルのタッチパッドが最後に入力を検出してから一定時間を経過した場合には、前記第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを前記省電力レートに低下させる
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記携帯端末装置は、
アプリケーション毎に当該アプリケーションが必要とする最小のリフレッシュレートに関する情報
を記憶している記憶部と、
実行中のアプリケーションがどのディスプレイに表示を行っているかに関する情報と
を記憶している制御部と
を含み、
前記表示制御部は、
前記第1のタッチパネルのディスプレイに表示を行っている実行中アプリケーションが1つであれば当該アプリケーションに対応する前記最小のリフレッシュレートを前記第1のタッチパネルのディスプレイの省電力レートの値として用いて、前記第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを低下させ、
前記第1のタッチパネルのディスプレイに表示を行っている実行中アプリケーションが複数あれば当該アプリケーションに対応する複数の前記最小のリフレッシュレートの最大値を前記第1のタッチパネルのディスプレイの省電力レートの値として用いて、前記第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを低下させる
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記第2のタッチパネルのタッチパッドへの入力によって前記第1のタッチパネルのディスプレイに表示されるアプリケーションが操作可能な状態となったとき、前記表示制御部による前記第1のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートの省電力レートへの変更を抑止する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記第2のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートが可変であって、
前記第1のタッチパネルのタッチパッドが入力の検出をしたとき、前記第2のタッチパネルのディスプレイのリフレッシュレートを省電力レートに低下させる表示制御部
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−20020(P2013−20020A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152156(P2011−152156)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】