説明

2線タッチ・センサ・インターフェース

2線を用いる制御システム又は被制御デバイスとのタッチ・センサ・インターフェース。タッチ・センサの出力が出力スイッチを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対するクロス・リファレンス)
2003年5月15日に出願された米国特許仮出願シリアルNo.60/470,961号からの優先権を本出願は請求し、同仮出願の開示はここで援用される。
【背景技術】
【0002】
1. 技術分野
本発明は電界効果センサを2線のみを用いて制御システムまたは被制御装置に相互に接続する方法及び装置に関する。
【0003】
2. 関連技術
タッチ・センサは、しばしば、機械的スイッチの置換用に望ましい。しかるに、機械的スイッチをタッチ・センサで置換する際には、或る限定が生じる。例えば、典型的機械的スイッチは簡単な2端子デバイスであるのに対して、従来のタッチ・センサは典型的には動作用に3線、即ち、電力入力線、接地線、出力線を必要とする。従って、タッチ・センサで機械的スイッチを置換することは、機械的スイッチでの使用に要求されない第3番目の線の追加をしばしば要する。これは、コスト及び複雑性を増加して、機械的スイッチ置換用としてのタッチ・センサの使用を或るアプリケーションでは禁止することになる。
【実施例】
【0004】
図1は本発明の好ましい実施例によるデバイス10を概念的に表すブロック線図である。端子J1,J2は動作電圧源(図示無し)、例えば、本発明によりセンサ装置で置換されるべき機械的スイッチに入出する配線に結合される。スイッチング・ダイオードD1の第1及び第2の端子が端子J1及びキャパシタC1の第1の端子に結合される。蓄積キャパシタC1の第2端子は端子J2に結合される。スイッチング・ダイオードD1と蓄積キャパシタC1の接合(junction)は電圧調整器VRの入力へ結合される。電圧調整器VRの出力はタッチ・センサTS及び下電圧検出器(undervoltage,detector)UDの入力へ結合される。タッチ・センサTS及び下電圧検出器UDの出力は出力スイッチOSの入力に結合され、その電力端子は端子J1, J2に、それぞれ結合される。電圧調整器VR, 下電圧検出器UD, 及びタッチ・センサTSの各々の接地は端子J2に結合される。
【0005】
動作において、端子J1、J2間にかかる電圧はスイッチング・ダイオードD1を介して蓄積キャパシタC1を充電する。端子J1、J2間にかかる電圧はまたスイッチング・ダイオードD1を介して電圧調整器VRをバイアスする。タッチ・センサTSの入力への電圧調整器VRからの出力が所定電圧より大である限り、下電圧検出器UDはタッチ・センサTSが出力スイッチOSを制御することを可能にする。この状態においてタッチ・センサTSが駆動されなければ、出力スイッチOSは「オフ」、若しくは、非導通であり、開いた機械的スイッチを模倣(emulating)する。この状態でタッチ・センサTSが駆動されると、出力スイッチOSは「オン」、若しくは、導通となって、閉じた機械的スイッチを模倣する。しかしながら、タッチ・センサTSの入力への電圧調整器VRからの出力が或る所定電圧より低ければ、下電圧検出器UDは出力スイッチOSを非動作(disable)にする。この状態では、出力スイッチOSはタッチ・センサTSの状態に係わらずオフに留まる。
【0006】
出力スイッチOSがオフの時は、上記のように、端子J1, J2間にかかる電圧が蓄積キャパシタC1に供給される。出力スイッチOSがオンの時は、それは端子J1, J2を実質的に短絡し、スイッチング・ダイオードD1を逆バイアスして、いかなる充電電圧も蓄積キャパシタC1から除去する。この状態では、蓄積キャパシタC1は電圧調整器VR及びタッチ・センサTSを通して放電する。結果的に、電圧調整器VRに対する入力電圧が上記の所定電圧より大の電圧調整器出力電圧(そしてタッチ・センサ入力電圧)を維持するには不十分なレベルへ蓄積キャパシタC1は放電する。電圧調整器VRからの出力電圧がその所定電圧より下がる時は、下電圧検出器UDが出力スイッチOSを非動作にし、該スイッチを開、若しくは「オフ」状態に戻す。出力スイッチOSが開、若しくは、「オフ」になると、電圧が再度スイッチング・ダイオードD1を通して蓄積キャパシタC1に印加されて、該キャパシタを充電して、電圧調整器VRをバイアスする。典型的な物理的実施例では、上記のサイクルは反復し、タッチ・センサTSが連続的に駆動される時間の約95%以上の時間で出力スイッチOSは閉若しくは「オン」であって、タッチ・センサTSが駆動されない時間の100%で開若しくは「オフ」である。
【0007】
図2は本発明の好適実施例により商業的に入手される部品を用いて構成されたデバイス20の概略を示す。デバイス20は図1で上記したデバイス10に類似するが、図1実施例の電圧調整器VR及び下電圧検出器UDの機能を単一のデバイス、即ち、電圧調整器U1に組み込んでいる。電圧調整器U1は、種々あるなかでも、ナショナル・セミコンダクタから得られるLP2951電圧調整器で好ましく実施される。同デバイスの “error”ピンが出力スイッチOSの制御入力へ結合される。電圧調整器U1の出力電圧(そして、従って、タッチ・センサTSに対する入力電圧)が所定電圧より低い時には、電圧調整器U1の“error”ピン,そして、それ故に、出力スイッチOSに対する制御入力が内部的に接地へ結ばれる。電圧調整器U1の出力電圧(そして、従って、タッチ・センサTSに対する入力電圧)がその所定電圧より大である時には、電圧調整器U1の“error”ピンは本質的にオープン回路へ内部的に結ばれる。
【0008】
デバイス20は図1の実施例には示されない次の追加の回路要素を含む:端子J1とスイッチング・ダイオードD1との間に結合された第1ピーク電流限定抵抗R5;スイッチング・ダイオードD1と蓄積キャパシタC1との間に結合された第2ピーク電流限定抵抗R1; 蓄積キャパシタC1と並列に結合されたツェナーダイオードD2; タッチ・センサTSの出力と出力スイッチOSに対する制御入力との間に結合された電流限定抵抗R2; タッチ・センサTSに対する入力と端子J2との間に結合された第2キャパシタC2. 第1及び第2ピーク電流限定抵抗R1及びR5は省略できるが、自動車用アプリケーションではEMC 関係を緩和するために望ましく、他のアプリケーションでもまた望ましいかもしれない。ツェナーダイオードD2は、例えば、誘導負荷を持つシステムで生じ得る過渡高電圧から電圧調整器VRを保護する。即ち、ツェナーダイオードD2(そして、故に、電圧調整器VRに対する入力電圧)が所定値を超えるならば、ツェナーダイオードD2は入力電圧をその所定電圧にクランプする。もし過渡保護が関心事でないならば、ツェナーダイオードD2は特定のアプリケーションから省略できる。第2キャパシタC2は電圧調整器U1を安定化するために提供される。
【0009】
好適実施例において、タッチ・センサTSはWheaton, IllinoisのTouch Sensor Technologies から得られるTS100 制御回路を用いるタッチ・センサで実施される。かかるデバイスは米国特許第6,320、282号に記載され、同特許の開示はここで援用される。出力スイッチOSは電界効果トランジスタ(FET)であることが好ましいが、当業者に知られるように、出力スイッチOSは他の方法でも実施できる。
【0010】
図2の実施例は図1の実施例に機能的に類似する。即ち、端子J1,J2間にかかる電圧はスイッチング・ダイオードD1及び第1、第2電流限定抵抗R5, R1を通して蓄積キャパシタC1を充電する。端子J1,J2間にかかる電圧は、また、スイッチング・ダイオードD1及び 第1、第2電流限定抵抗R5, R1を通して電圧調整器U1をバイアスする。タッチ・センサTSの入力に対する電圧調整器U1からの出力が所定電圧より大である限り、電圧調整器U1の“error”ピンは,上記のように、本質的にオープン回路であるものに内部的に結ばれる。この状態において、電圧調整器U1はタッチ・センサTS をして出力スイッチOSの制御を可能にする。即ち、タッチ・センサTSが非駆動であれば、出力スイッチOSは 「オフ」であり、開いた機械的スイッチを模倣し、そしてタッチ・センサTSが駆動されれば、出力スイッチOSは 「オン」であり、閉じた機械的スイッチを模倣する。しかしながら、タッチ・センサTSの入力に対する電圧調整器U1からの出力が所定電圧より下まわれば、電圧調整器U1は、上記のように、出力スイッチOSの制御入力を接地に結ぶことにより出力スイッチOSを非動作とする。この状態において、タッチ・センサTSの状態にかかわらず、出力スイッチOSはオフに留まる。
【0011】
出力スイッチOSがオフの時は、図1に関して上記したように、端子J1,J2間にかかる電圧は蓄積キャパシタC1に印加される。出力スイッチOSがオンの時は、それは端子J1, J2を実質的に短絡して、スイッチング・ダイオードD1を逆バイアスし、いかなる充電電圧も蓄積キャパシタC1から除去する。この状態では、蓄積キャパシタC1は電圧調整器U1及びタッチ・センサTSを通して放電する。結果的に、電圧調整器U1に対する入力電圧が上記の所定電圧より大の電圧調整器U1出力電圧(そしてタッチ・センサTS入力電圧)を維持するには不十分なレベルへ蓄積キャパシタC1は放電する。電圧調整器U1からの出力電圧が所定電圧より下がる時は、電圧調整器U1は(上記のように、その制御入力を電圧調整器U1を通して接地することにより)出力スイッチOSを開にし「オフ」状態に戻す。出力スイッチOSが非動作になると、電圧が再度スイッチング・ダイオードD1を通して蓄積キャパシタC1に印加されて、該キャパシタを充電して、電圧調整器U1をバイアスする。プロトタイプ実施例では、上記のサイクルは反復し、タッチ・センサTSが連続的に駆動される時間の約91.1%以上の時間で出力スイッチOSは閉若しくは「オン」であって、タッチ・センサTSが駆動されない時間の100%で開若しくは「オフ」である。これは図3で図解されて、タッチ・センサTSが連続的に活性化(stimulate)される時間の関数として出力スイッチにかかる電圧のプロットを示す。
【0012】
図4は本発明の代替実施例を図解する。図4の実施例は電圧調整器U1及びキャパシタC2を少略していることを除けば、図2の実施例に類似する。ここで、ツェナーダイオードD2は過渡保護及び電圧調整の両方を提供するために選択される。本実施例はまた出力スイッチOSの制御入力及び電流限定抵抗R2の間に結合されたプルダウン抵抗R3を追加している。プルダウン抵抗R3はタッチ・センサTSの特性に依存して、オプションである。更に,特には、当業者に知られるように、タッチ・センサTSがアクティブ・ハイ出力のみを持つならば、プルダウン抵抗R3は出力スイッチOSに対する制御入力に制御電圧を発生するのに役立つ。もし、タッチ・センサTSがアクティブ・ハイ出力及びアクティブ・ロウ出力の両方を持つならば、プルダウン抵抗R3は省略されるかオープン回路で置換されても良い。更に、電流限定抵抗R2の省略も可能である。
【0013】
動作において、端子J1,J2間にかかる電圧は第1、第2ピーク電流限定抵抗R5,R1及びスイッチング・ダイオードD1を通して蓄積キャパシタC1及びタッチ・センサTSの入力に印加される。タッチ・センサTSが活性化される時は、その出力は高(high)になり、プルダウン抵抗R3と出力スイッチOSに対する制御入力との接合に電位を生じて、出力スイッチOS を「オン」状態にバイアスする。出力スイッチOSがオンになると、端子J1は出力スイッチOSを通して端子J2と実質的に短絡し、スイッチング・ダイオードD1を逆バイアスしていかなる充電電圧も蓄積キャパシタC1から除去する。この状態において、蓄積キャパシタC1はタッチ・センサTSを通して放電する。それが放電するにつれて、蓄積キャパシタC1間の電圧がタッチ・センサTSを駆動するには不十分になるまで蓄積キャパシタC1はタッチ・センサTSを給電し続ける。この時点では、タッチ・スイッチTSは活性化されていても又は非活性であっても出力スイッチOSの制御端子にもはや出力を発生せず、スイッチOSは開になる。出力スイッチOSが開になると、端子J1, J2間にかかる電圧は再度蓄積キャパシタC1に印加されて上記サイクルが反復する。図4の実施例は図2の実施例と同程度の大きさレベルの精度と制御を提供しないけれども、図2の実施例よりも低コストで、多くのアプリケーションで十分に働くために十分な精度を持ち得る。
【0014】
図中で記述された電圧、抵抗、及びキャパシタンスの値は代表的な、好ましい値である。他の値の電圧、抵抗、及びキャパシタンスも当業者に容易に決定されるように、良く使用され得る。
【0015】
本発明の幾つかの実施例が上記に示され記載されたが、本発明の精神から離れること無く多くの修正が出来ることは当業者に自明であり、本発明の範囲は特許請求の範囲に定められる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明概念を図解するブロック線図である。
【図2】本発明の好ましい実施例による装置を図解する概略線図である。
【図3】本発明の好ましい実施例による出力スイッチの時間関数としての出力電圧を示すグラフである。
【図4】本発明の別の好ましい実施例による装置を示す概略線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2線インターフェースを持つタッチ制御スイッチ装置であって、
高電圧源に結合された入力端子と低電圧源に結合された出力端子とを持つ出力スイッチと、
前記高電圧源に結合された第1端子を持つ第1ダイオードと、
前記低電圧源に結合された第1端子と前記第1ダイオードの第2端子に結合された第2端子とを持つ第1キャパシタと、及び
前記第1ダイオードと前記第1キャパシタとの接合に結合された入力を持つタッチ・センサであって、前記出力スイッチの制御入力に結合された制御出力を更にもつ該タッチ・センサとを含む
タッチ制御スイッチ装置。
【請求項2】
前記第1ダイオードと前記第1キャパシタとの接合と前記タッチ・センサの前記入力との間に結合された電圧調整器を更に含む、請求項1のタッチ制御スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−529074(P2006−529074A)
【公表日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533024(P2006−533024)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/014970
【国際公開番号】WO2004/105244
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(505287047)タッチセンサー テクノロジーズ,エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】