説明

3次元オブジェクト検索システム、3次元オブジェクト検索方法、3次元オブジェクト検索プログラム、および、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】一般に利用されているキーワード検索によってWEB上に多数公開された3次元オブジェクトを効率的に検索し、所望の3次元オブジェクトを的確に取得することができる3次元オブジェクト検索システムおよび3次元オブジェクト検索方法を提供する。
【解決手段】3次元オブジェクト検索システムは、3次元オブジェクトを検索するためのキーワードを取得するキーワード取得手段と、前記キーワード取得手段が取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトを取得する3次元オブジェクト検索手段と、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの形状特徴量を抽出する形状特徴量抽出手段と、前記形状特徴量抽出手段が取得した各々の形状特徴量の類似度を算出する類似度計算手段と、前記類似度計算手段が算出した類似度に基づいて、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けするランキング生成手段と、を有して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WEB上に多数公開された3次元オブジェクトを効率的に検索することができる3次元オブジェクト検索システム、3次元オブジェクト検索方法、3次元オブジェクト検索プログラム、および、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元オブジェクトの利用は増加の一途にあり、例えば、CG映画やゲームなど様々な状況で用いられている。また、実物体の3次元形状取得方法も大幅な進歩を遂げており、様々なスキャン手法が開発されている。このような背景から、今後はWEB上に公開された多くの3次元オブジェクトを検索する仕組みが必要になると考えられ、例えば特許文献1には、商品のイメージを3次元データとしてユーザに提供する検索システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−78621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の3次元オブジェクトの検索方法においては、3次元データを入力とした認識や識別法は数多く提案されているが、キーワード検索による3次元オブジェクトの取得は、これまでほとんど議論されていないのが実情である。また、3次元オブジェクト同士のマッチングによる検索方法の場合、3次元データをユーザが持っている必要がある上に、ユーザが保有している3次元オブジェクトと同じ形状しか検索できないといった問題点もあった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、一般に利用されているキーワード検索によってWEB上に多数公開された3次元オブジェクトを効率的に検索し、所望の3次元オブジェクトを的確に取得することができる3次元オブジェクト検索システムおよび3次元オブジェクト検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、3次元オブジェクトを検索するためのキーワードを取得するキーワード取得手段と、前記キーワード取得手段が取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトを取得する3次元オブジェクト検索手段と、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの形状特徴量を抽出する形状特徴量抽出手段と、前記形状特徴量抽出手段が取得した複数の形状特徴量に基づいて、各々の形状特徴量の類似度を算出する類似度計算手段と、前記類似度計算手段が算出した類似度に基づいて、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けするランキング生成手段と、を有して構成されていることを特徴とする、3次元オブジェクト検索システムである。
【0007】
また、本発明は、3次元オブジェクトを検索するためのキーワードを取得するキーワード取得ステップと、前記キーワード取得ステップで取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトを取得する3次元オブジェクト検索ステップと、前記3次元オブジェクト検索ステップで取得した3次元オブジェクトの形状特徴量を抽出する形状特徴量抽出ステップと、前記形状特徴量抽出ステップで取得した複数の形状特徴量に基づいて、各々の形状特徴量の類似度を算出する類似度計算ステップと、前記類似度計算ステップで算出した類似度に基づいて、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けするランキング生成ステップと、を有して構成されていることを特徴とする、3次元オブジェクト検索方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る3次元オブジェクト検索システムや3次元オブジェクト検索方法によれば、一般に利用されているキーワード検索によってWEB上に多数公開された3次元オブジェクトを効率的に検索し、所望の3次元オブジェクトを的確に取得することができる。これは、本発明に係る、3次元形状の視点やスケールによらない3次元形状特徴量により実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システムの内部構成と適用例を示すブロック図である。
【図2】3次元オブジェクト検索システムが行う各処理の流れを示す概略フローである。
【図3】3次元オブジェクトを複数の視点から観察している様子を示した図である。
【図4】本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システムによって検索された石膏像の一例を示した図である。
【図5】本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システムによって検索されたアヒルの玩具の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システムについて詳細に説明する。
【0011】
<全体構成>
【0012】
まず最初に、図1を用いて、本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システム10の全体構成について説明する。なお、同図は本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システム10の内部構成と適用例を示すブロック図である。
【0013】
3次元オブジェクト検索システム10は、キーワード取得手段12と、3次元オブジェクト検索手段14と、形状特徴量抽出手段16と、類似度計算手段18と、ランキング生成手段20と、検索結果出力手段22と、を有して構成されている。また、3次元オブジェクト検索システム10は、インターネットを介して、ユーザ端末30やWEBサーバ40などに代表される不特定多数の端末に通信可能に接続されている。なお、このような3次元オブジェクト検索システム10としては、例えば、サーバ機やPCなどを適用することができる。
【0014】
次に、図2を合わせて参照しながら、3次元オブジェクト検索システム10の各手段12、14、16、18、20、22が行う処理について詳細に説明する。なお、同図は、3次元オブジェクト検索システム10が行う各処理の流れを示す概略フローである。
【0015】
<キーワード取得手段>
【0016】
まず最初に、キーワード取得手段12について説明する。キーワード取得手段12は、3次元オブジェクトを検索するためのキーワード(検索キー)を取得する手段である。
【0017】
このキーワード取得手段12は、例えば、ユーザ端末30にインストールされたWEBブラウザを介して3次元オブジェクト検索システム10に送信されるキーワードを取得(受信)するためのソフトウェア(プログラム)などによって構成され、3次元オブジェクトの検索キーとなるキーワード(例えば、「コップ」などの文字情報)を取得する。
【0018】
<3次元オブジェクト検索手段>
【0019】
次に、3次元オブジェクト検索手段14について説明する。3次元オブジェクト検索手段14は、上述のキーワード取得手段12が取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトの画像情報を取得する手段である。
【0020】
この3次元オブジェクト検索手段14は、例えば、上述のキーワード取得手段12が取得したキーワードを検索キーとして、インターネットを介して接続されたWEBサーバ40などの端末にアクセスし、WEBサーバ40が提供するWEBサイトのHTMLに含まれる文字情報(例えば、「コップ」という文字情報)に何らかの関連付けがなされた3次元オブジェクトの画像情報(例えば、コップの3次元オブジェクトの画像情報)を取得するためのソフトウェア(プログラム)などによって構成される。
【0021】
例えば、WEBサイトのHTMLに「これは<IMG SRC="コップの3次元オブジェクトの画像情報">コップです」といった記述が含まれていた場合、3次元オブジェクト検索手段14は、「コップ」という文字情報の前方に記述された<IMG>タグのSRCに基づいて、コップの3次元オブジェクトの画像情報を取得する。
【0022】
<形状特徴量抽出手段>
【0023】
次に、形状特徴量抽出手段16について説明する。形状特徴量抽出手段16は、上述の3次元オブジェクト検索手段14が取得した3次元オブジェクトの画像情報に基づいて、3次元オブジェクトを複数の視点から観察した2次元画像を生成して各々の2次元画像の形状特徴量を抽出する手段であり、例えば、ソフトウェア(プログラム)などによって構成される。
【0024】
本実施形態では、形状特徴量抽出手段16は、WEBサーバ40から取得した3次元オブジェクトの画像情報に対して2次元当てはめを行い、各々の3次元オブジェクトの最大曲率と最小曲率を算出する。
【0025】
続いて、形状特徴量抽出手段16は、算出した最大曲率と最小曲率を用いてShape index値を算出して、これらを正規化した後に、2次元的に配置したグレースケール画像であるShape index画像(3次元オブジェクトの凹凸情報を表した画像)を作成するが、ここでは、画像情報を3次元から2次元に変換する際に生じる視点依存性を解消するために、図3に示すように、対象となる3次元オブジェクトを複数の視点(例えば、正二十面体の頂点のすべて(または一部)に相当する視点)から観察したShape index画像をそれぞれ作成する。なお、対象となる3次元オブジェクトが単視点(距離画像)の場合には、単視点のShape index画像を適用する。
【0026】
続いて、形状特徴量抽出手段16は、作成した複数のShape index画像の各々に対してSIFT(Scale Invariant Feature Transpose)を適用し、各々のShape index画像間のSIFT対応点数と、各Shape index画像のSIFT特徴点数を算出することによって形状特徴量を抽出する。
【0027】
<類似度計算手段>
【0028】
次に、類似度計算手段18について説明する。類似度計算手段18は、上述の形状特徴量抽出手段16が取得した2次元画像の各々の形状特徴量(本実施形態では、各々のShape index画像間のSIFT対応点数と、各Shape index画像のSIFT特徴点数)に基づいて、各々のShape index画像の類似度を算出する手段であり、例えば、ソフトウェア(プログラム)などによって構成される。
【0029】
本実施形態では、類似度計算手段18は、形状特徴量抽出手段16が算出した各々のShape index画像間のSIFT対応点数のうち、最もSIFT対応点数が多かったShape index画像を特定し、特定したShape index画像のSIFT対応点数とSIFT特徴点数を用いて隣接行列を生成することによって類似度を算出する。例えば、各々のShape index画像間のSIFT対応点数をMij、各Shape index画像のSIFT特徴点数をTi、Tjとすると、類似度Cijは、Mij/((Ti+Tj)/2)で算出することができる。
【0030】
<ランキング生成手段>
【0031】
次に、ランキング生成手段20について説明する。ランキング生成手段20は、上述の類似度計算手段18が算出した類似度に基づいて、上述の3次元オブジェクト検索手段14が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けする(ランキングを決定する)手段であり、例えば、ソフトウェア(プログラム)などによって構成される。
【0032】
このようなランキングを決定するアルゴリズムとしては、例えば、公知の技術であるVisual Rankを適用することができ、Visual Rankにおけるハイパーリンクに代えて、上述の類似度を用いることにより、類似度の高い順(他の3次元オブジェクトと関連性が高い順)に3次元オブジェクトを並び替えることができる。これにより、3次元オブジェクト間で重要度が高いもの(代表的な形状を有する3次元オブジェクト)が上位にランキングされることになる。なお、Visual Rankについては、Y. Jing, and S. Baluja, " Visual Rank: Applying Page Rank to large-scale image search "IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Intelligence, vol.30, no.11, pp.1877-1890,Nov.2008などを参照されたい。
【0033】
<検索結果出力手段>
【0034】
次に、検索結果出力手段22について説明する。検索結果出力手段22は、上述のランキング生成手段20によって付与された順位に基づいて、3次元オブジェクト検索手段14が取得した3次元オブジェクトの画像情報を出力する手段である。この検索結果出力手段22は、例えば、ランキング生成手段20によって類似度の高い順に並び替えられた3次元オブジェクトの画像情報を、ユーザ端末30のブラウザに出力するソフトウェア(プログラム)などによって構成される。
【0035】
<実験結果>
【0036】
次に、本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システム10を用いて行った検索の実験結果について説明する。
【0037】
図4は、本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システム10によって検索された石膏像の一例を示した図である。この例では、「石膏像」をキーワードにして検索された複数種類の3次元オブジェクトのうち、No.15で示される3次元オブジェクトが1位にランキングされており、この3次元オブジェクトが、石膏像の中で最も代表的な形状を有する3次元オブジェクト(3次元オブジェクト間で最も形状の類似度が高いもの)であることを示している。また、2位以降は、No.9で示される3次元オブジェクト、No.6で示される3次元オブジェクト、No.4で示される3次元オブジェクト、No.2で示される3次元オブジェクトの順番でランキングされている。なお、図中のShape Rankとは、上述のVisual Rankを3次元オブジェクトに拡張したことを示している。
【0038】
また、図5は、本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システム10によって検索されたアヒルの玩具の一例を示した図である。この例では、「アヒルの玩具」をキーワードにして検索された複数種類の3次元オブジェクトのうち、No.20で示される3次元オブジェクトが1位にランキングされており、この3次元オブジェクトが、アヒルの玩具の中で最も代表的な形状を有する3次元オブジェクト(3次元オブジェクト間で最も形状の類似度が高いもの)であることを示している。また、2位以降は、No.17で示される3次元オブジェクト、No.10で示される3次元オブジェクト、No.9で示される3次元オブジェクト、No.16で示される3次元オブジェクトの順番でランキングされている。
【0039】
以上説明したように、本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システム10は、3次元オブジェクトを検索するためのキーワードを取得するキーワード取得手段12と、前記キーワード取得手段12が取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトを取得する3次元オブジェクト検索手段14と、前記3次元オブジェクト検索手段14が取得した3次元オブジェクトの形状特徴量を抽出する形状特徴量抽出手段16と、前記形状特徴量抽出手段16が取得した複数の形状特徴量に基づいて、各々の形状特徴量の類似度を算出する類似度計算手段18と、前記類似度計算手段18が算出した類似度に基づいて、前記3次元オブジェクト検索手段14が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けするランキング生成手段20と、を有して構成されていることを特徴とする、3次元オブジェクト検索システムである。
【0040】
本実施形態に係る3次元オブジェクト検索システム10によれば、一般に利用されているキーワード検索によってWEB上に多数公開された3次元オブジェクトを効率的に検索し、所望の3次元オブジェクトを的確に取得することができる。
【0041】
また、前記形状特徴量抽出手段は、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトから2次元画像を生成し、生成した2次元画像から抽出した特徴量を前記3次元オブジェクトの形状特徴量としてもよい。
【0042】
このような構成とすれば、3次元オブジェクトの形状特徴量を迅速に抽出することができ、3次元オブジェクトの検索スピードを高めることができる。
【0043】
また、前記形状特徴量抽出手段は、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトを複数の視点から観察した2次元画像を生成し、生成した2次元画像から抽出した特徴量を前記3次元オブジェクトの形状特徴量としてもよい。
【0044】
このような構成とすれば、3次元オブジェクトの形状特徴量を迅速に抽出することができ、3次元オブジェクトの検索スピードを高めることができる。
【0045】
また、前記形状特徴量抽出手段は、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの曲率から計算される値を画素値とする2次元画像であって前記3次元オブジェクトを複数の視点から観察した2次元画像(例えば、Shape index画像)を生成し、生成した2次元画像から抽出した特徴量を前記3次元オブジェクトの形状特徴量としてもよい。
【0046】
このような構成とすれば、3次元オブジェクトの形状特徴量を迅速に抽出することができ、3次元オブジェクトの検索スピードを高めることができる。
【0047】
また、前記形状特徴量抽出手段は、前記2次元画像にSIFTを適用して前記特徴量を抽出してもよい。
【0048】
このような構成とすれば、3次元オブジェクトの形状特徴量を迅速に抽出することができ、3次元オブジェクトの検索スピードを高めることができる。
【0049】
また、前記形状特徴量抽出手段は、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトから詳細度の異なる第2の3次元オブジェクトを生成し、生成した第2の3次元オブジェクトの各々に関して2次元画像を生成し、生成した2次元画像の各々から特徴量を抽出することによって、詳細度の異なる3次元オブジェクトから共通の形状特徴量を抽出してもよい。
【0050】
このような構成とすれば、3次元オブジェクトの形状特徴量を迅速に抽出することができ、3次元オブジェクトの検索スピードを高めることができ、また、3次元オブジェクトのスケールの変化に、より詳細に対応することができる。
【0051】
また、前記類似度計算手段は、前記形状特徴量抽出手段が算出した各々の2次元画像の特徴量を用いて、前記2次元画像間の対応点数を取得し、取得した対応点数を用いて類似度行列(例えば、隣接行列)を生成し、生成した類似度行列から各々の形状間の重要度を算出してもよい。
【0052】
このような構成とすれば、3次元オブジェクトの重要度の計算を迅速に行うことができ、3次元オブジェクトの検索スピードを高めることができる。
【0053】
また、前記ランキング生成手段は、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を前記類似度計算手段によって算出された重要度が高いものほど上位に順位付けしてもよい。
【0054】
このような構成とすれば、キーワード検索でヒットした複数種類の3次元オブジェクトの中で最も代表的な形状を有する3次元オブジェクトを特定することができ、ユーザにとって有益な検索結果を提供することができる。
【0055】
また、3次元オブジェクトの曲率から計算される値を画素値として2次元画像を生成する手段と、前記3次元オブジェクトを複数の視点から観察して2次元画像を生成する手段と、前記各々の2次元画像から特徴量を抽出する手段からなり、前記3次元オブジェクト計測時の視点の方向に依存しない3次元形状特徴量を得るようにすれば、画像情報を3次元から2次元に変換する際に生じる視点依存性を解消しつつ3次元形状の特徴量を得ることができる。
【0056】
なお、本発明に係る3次元オブジェクト検索システムおよび3次元オブジェクト検索方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0057】
したがって、例えば、ランキング生成手段40ではVisual Rankのアルゴリズムを適用したが、その他のアルゴリズムを適用してもよい。また、形状特徴量抽出手段16では、SIFTを適用して形状の特徴を抽出したが、その他の方法で形状の特徴を抽出してもよい。
【0058】
また、例えば、SIFTの代わりに、詳細度の異なる3次元オブジェクトを生成し、それらのShape index画像を生成し、そこから画像特徴量を抽出し利用すれば、スケールの変化により詳細に対応することができる。その際に全ての詳細度の特徴量を保存しても良いし、SIFTのようにスケールスペースを考慮して、最も特徴的なスケールの特徴量のみを利用しても良い。
【0059】
また、多視点への対応としては、全ての視点の特徴量を保存しても良いし、僅かに視点を変化させた時の特徴量の変化を調べて、変化の少ない、視点変化に頑健なもののみを保存しても良い。あるいは、視点変化に影響のないように、例えば、2次元画像のあるピクセルに対応する3次元物体表面の方線方向からの視点を設定し、その視点からのShape index画像を生成し、その特徴量を計算しなおしても良い。そうすると、どの視点からであっても、同じShape index画像となるため、特徴量は完全に視点に非依存となり好適である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る3次元オブジェクト検索システムおよび3次元オブジェクト検索方法は、インターネットサービスプロバイダ、WEBサービスプロバイダなどが提供する検索サービスなどに適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 3次元オブジェクト検索システム
12 キーワード取得手段
14 3次元オブジェクト検索手段
16 形状特徴量抽出手段
18 類似度計算手段
20 ランキング生成手段
22 検索結果出力手段
30 ユーザ端末
40 WEBサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元オブジェクトを検索するためのキーワードを取得するキーワード取得手段と、
前記キーワード取得手段が取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトを取得する3次元オブジェクト検索手段と、
前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの形状特徴量を抽出する形状特徴量抽出手段と、
前記形状特徴量抽出手段が取得した複数の形状特徴量に基づいて、各々の形状特徴量の類似度を算出する類似度計算手段と、
前記類似度計算手段が算出した類似度に基づいて、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けするランキング生成手段と、を有して構成されていることを特徴とする、
3次元オブジェクト検索システム。
【請求項2】
前記形状特徴量抽出手段は、
前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトから2次元画像を生成し、生成した2次元画像から抽出した特徴量を前記3次元オブジェクトの形状特徴量とすることを特徴とする、
請求項1に記載の3次元オブジェクト検索システム。
【請求項3】
前記形状特徴量抽出手段は、
前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトを複数の視点から観察した2次元画像を生成し、生成した2次元画像から抽出した特徴量を前記3次元オブジェクトの形状特徴量とすることを特徴とする、
請求項2に記載の3次元オブジェクト検索システム。
【請求項4】
前記形状特徴量抽出手段は、
前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの曲率から計算される値を画素値とする2次元画像であって前記3次元オブジェクトを複数の視点から観察した2次元画像を生成し、生成した2次元画像から抽出した特徴量を前記3次元オブジェクトの形状特徴量とすることを特徴とする、
請求項3に記載の3次元オブジェクト検索システム。
【請求項5】
前記形状特徴量抽出手段は、
前記2次元画像にSIFTを適用して前記特徴量を抽出することを特徴とする、
請求項4に記載の3次元オブジェクト検索システム。
【請求項6】
前記形状特徴量抽出手段は、
前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトから詳細度の異なる第2の3次元オブジェクトを生成し、生成した第2の3次元オブジェクトの各々に関して2次元画像を生成し、生成した2次元画像の各々から特徴量を抽出することによって、詳細度の異なる3次元オブジェクトから共通の形状特徴量を抽出することを特徴とする、
請求項4に記載の3次元オブジェクト検索システム。
【請求項7】
前記類似度計算手段は、
前記形状特徴量抽出手段が算出した各々の2次元画像の特徴量を用いて、前記2次元画像間の対応点数を取得し、取得した対応点数を用いて類似度行列を生成し、生成した類似度行列から各々の形状間の重要度を算出することを特徴とする、
請求項2〜6のいずれかに記載の3次元オブジェクト検索システム。
【請求項8】
前記ランキング生成手段は、
前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を前記類似度計算手段によって算出された重要度が高いものほど上位に順位付けすることを特徴とする、
請求項7に記載の3次元オブジェクト検索システム。
【請求項9】
3次元オブジェクトを検索するためのキーワードを取得するキーワード取得ステップと、
前記キーワード取得ステップで取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトを取得する3次元オブジェクト検索ステップと、
前記3次元オブジェクト検索ステップで取得した3次元オブジェクトの形状特徴量を抽出する形状特徴量抽出ステップと、
前記形状特徴量抽出ステップで取得した複数の形状特徴量に基づいて、各々の形状特徴量の類似度を算出する類似度計算ステップと、
前記類似度計算ステップで算出した類似度に基づいて、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けするランキング生成ステップと、を有して構成されていることを特徴とする、
3次元オブジェクト検索方法。
【請求項10】
3次元オブジェクトを検索するためのキーワードを取得するキーワード取得手段と、
前記キーワード取得手段が取得したキーワードに関連する3次元オブジェクトを検索し、検索した3次元オブジェクトを取得する3次元オブジェクト検索手段と、
前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの形状特徴量を抽出する形状特徴量抽出手段と、
前記形状特徴量抽出手段が取得した複数の形状特徴量に基づいて、各々の形状特徴量の類似度を算出する類似度計算手段と、
前記類似度計算手段が算出した類似度に基づいて、前記3次元オブジェクト検索手段が取得した3次元オブジェクトの各々を順位付けするランキング生成手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする、
3次元オブジェクト検索プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の3次元オブジェクト検索プログラムが記録されていることを特徴とする、
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
3次元オブジェクトの曲率から計算される値を画素値として2次元画像を生成する手段と、前記3次元オブジェクトを複数の視点から観察して2次元画像を生成する手段と、前記各々の2次元画像から特徴量を抽出する手段からなり、前記3次元オブジェクト計測時の視点の方向に依存しない3次元形状特徴量を得ることを特徴とする、
3次元形状特徴量抽出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−180793(P2011−180793A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43659(P2010−43659)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【出願人】(510332947)
【出願人】(504322611)学校法人 京都産業大学 (27)
【Fターム(参考)】