説明

3次元地図画像生成プログラム

【課題】実世界に存在する建物を表現した仮想空間を容易に構築する。
【解決手段】地図上の領域を指定してマップ・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、平面地図の提供を受けるステップと、当該地図上の領域に対応して、ストリートレベルビュー・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、前記地図上の領域に対応する360°パノラマ・ストリートレベルビューの提供を受けるステップと、この360°パノラマ・ストリートレベルビューを画像処理することによって、前記地図上の領域に含まれる建物を表現する柱状画像を生成するステップと、提供された平面地図に前記柱状画像を重畳することにより、前記地図上の領域に対応する仮想三次元空間において視点を自在に変更可能な景観CGを生成するステップと、をコンピュータに実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は地図画像を生成しユーザーに提供する方法及びサーバ・コンピュータに関し、特に柱状画像などの立体画像を配置した立体地図画像を生成し、実世界に存在する建物を表現した仮想空間を構築する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション装置が提供する地図表示空間やバーチャルショッピングモールを実現する仮想空間内に、現実世界の建物を表現した柱状画像などの立体画像が配置された立体地図画像が導入されるようになってきている。そうした立体地図画像は、例えば、ある地図要素を構成する各構成点のXY座標値に対応する建物の高さのデータを検索し、その各構成点により特定される地図上の場所に、その高さデータに応じた高さの柱状画像が配置されることで生成される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−149681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、柱状画像などの立体画像を配置した立体地図画像を生成するために、作業者は、各構成点のXY座標値に対応する建物の高さのデータをあらかじめ手作業で作成しておく必要がある。また、現実世界においては実際に、建物の建設、改築や取り壊しが頻繁に行われており、建物の高さのデータのメンテナンス作業にも膨大な時間がかかる。そのため、柱状画像などの立体画像を配置した立体地図画像を生成する際に生ずる作業者の手間の面において改善の余地がある。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、実世界に存在する建物を表現した仮想空間を容易に構築する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明のある態様は、3次元地図画像生成プログラムである。当該3次元地図画像生成プログラムは、インターネット上の情報を利用して、3次元の地図画像を生成するためのプログラムであって、地図上の領域を指定してマップ・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、平面地図の提供を受けるステップと、前記地図上の領域に対応して、ストリートレベルビュー・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、前記地図上の領域に対応する360°パノラマ・ストリートレベルビューの提供を受けるステップと、この360°パノラマ・ストリートレベルビューを画像処理することによって、前記地図上の領域に含まれる建物を表現する柱状画像を生成するステップと、前記平面地図に前記柱状画像を重畳することにより、前記地図上の領域に対応する仮想三次元空間において視点を自在に変更可能な景観CGを生成するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0007】
上記態様の3次元地図画像生成プログラムは、ユーザー側端末で実行されるプログラムと、ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムとからなり、前記ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムは、ユーザー側端末から送信された地図上の領域を指定したリクエスト・メッセージに応答して、この地図上の領域に対応して、ストリートレベルビュー・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、前記地図上の領域に対応する360°パノラマ・ストリートレベルビューを受信するステップと、 この360°パノラマ・ストリートレベルビューを画像処理することによって、前記地図上の領域に含まれる建物を表現する柱状画像を生成するステップと、をウェブ・サーバに実行させ、前記ユーザー側端末で実行されるプログラムは、前記マップ・サーバから提供されている前記平面地図を受信するステップと、前記ウェブ・サーバから前記地図上の領域に含まれる建物を表現する柱状画像の提供を受けるステップと、前記平面地図に前記柱状画像を重畳することにより、前記地図上の領域に対応する仮想三次元空間内の視点を自由に変更できる景観CGを生成するステップと、を前記ユーザー側端末に実行させてもよい。
【0008】
また、前記ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムは、緯度/経度およびサイズを指定することにより、ストリートレベルビュー・サーバから、指定された領域に対応する360°パノラマ・ストリートレベルビューの提供を受けるステップをウェブ・サーバに実行させてもよい。
【0009】
また、前記ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムは、緯度/経度およびサイズを指定することにより、マップ・サーバから、指定された領域に対応する地図画像の提供を受けるステップをウェブ・サーバに実行させてもよい。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、実世界に存在する建物を表現した仮想空間を容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る立体地図画像生成システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る立体地図画像生成装置の構成を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る位置情報保持部のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1に係るウェブサーバにより提供されるウェブサイトの一例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る住所情報保持部のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】図6(a)は、実施の形態1に係る施設画像が貼付された柱状画像の第1の表示態様の一例を示す図であり、一方、図6(b)は、実施の形態1に係る施設画像が貼付された柱状画像の第2の表示態様の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る施設画像が貼付された柱状画像を含む地図画像が画面に表示される様子を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る立体地図画像の生成処理の流れを示す図である。
【図9】実施の形態2に係る立体地図画像生成装置の構成を示す図である。
【図10】実施の形態2に係る施設画像が貼付された柱状画像が画面に表示される様子を示す図である。
【図11】実施の形態3に係る住所情報保持部のデータ構造の一例を示す図である。
【図12】実施の形態3に係る施設画像が貼付された柱状画像の表示態様の一例を示す図である。
【図13】実施の形態4に係る立体地図画像生成装置の構成を示す図である。
【図14】実施の形態4に係る複数の施設画像を貼付した柱状画像の一例を示す図である。
【図15】実施の形態5に係る立体地図画像生成装置の構成を示す図である。
【図16】インターネットへ接続されたウェブ・サーバとして実装された立体地図画像生成装置を示す図である。
【図17】図16に示したウェブ・サーバの典型的な使用形態を説明する図である。
【図18】本発明の実施形態で使用するフロア・デザイン・テンプレートの具体例を示す図である。
【図19】立体地図画像の提供を行うウェブ・サーバと、このウェブ・サーバから立体地図画像の提供を受けるユーザー端末と、平面地図の提供を行うマップ・サーバと、一般的なインターネットのウェブ検索を行うサーチ・エンジンと、360度ストリートレベルビューの提供を行うストリートレベルビュー・サーバ、そして施設のウェブサイトとの間で交換されるメッセージおよび情報を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る立体地図画像生成システムの構成を示す。実施の形態1に係る立体地図画像生成システム10は、ウェブサイトに掲載されたコンテンツ、電子掲示板、ブログ、電子メールやその他のインターネットを介して取得可能な情報をもとに、ビルやドームなどの建物を表現した柱状画像や球状画像などの立体画像を含む立体地図画像を生成する。なお、この明細書では、便宜上これらの情報源を、包括的にウェブサイトという用語を用いて表示する。また、この明細書では、柱状画像という用語は、一般に、四角柱等の角柱や、円柱、その他の柱状形状を表すものとする。なお、ウェブサイトに掲載されるコンテンツの表現形式の如何は問わない。すなわち、ウェブサイトに掲載されるコンテンツは、テキスト形式、画像形式、動画形式や音声形式など、いずれの形式で表現されてもよい。以下、本明細書では、柱状画像を含む立体地図画像を生成する場合を例に挙げて説明する。他の例として、表現対象の建物の形状に応じて、その形状を有する立体画像をも生成してよい。
【0014】
立体地図画像生成装置100により生成された柱状画像を含む立体地図画像は、例えば、仮想三次元空間内の視点を自由に変更できる景観CG(computer graphics)モデルとして利用される。ここで、三次元の柱状画像は仮想的なビルを表現する。この仮想的なビルの内部にさらに仮想的な店舗を配置することで、仮想的なショッピングモールをも形成できる。
【0015】
立体地図画像生成システム10は、立体地図画像生成装置100と、ウェブサーバ50と、通信ネットワーク12とを備える。通信ネットワーク12とは、実際には、インターネットである。立体地図画像生成装置100とウェブサーバ50は、例えば、パーソナルコンピュータにより実装され、通信ネットワーク12を介して互いに接続される。実施の形態1に係る通信ネットワーク12は、インターネットに接続したWAN(Wide Area Network)や、LAN(Local Area Network)を含むものとする。あるいは、所定のデータをTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規格に準じて送受信する通信網を含むものとする。
【0016】
ウェブサーバ50は、ウェブサイトに掲載されたコンテンツを、通信ネットワーク12を介して外部に公開する。コンテンツの提供主体が、例えば、ショッピング事業を展開する店舗であれば、ウェブサイトには、その店舗の施設の名称を示すコンテント、その施設が取り扱う商品やサービスを示すコンテント、施設の住所を示すコンテントが掲載される。以下、施設の名称、施設が取り扱う商品やサービス、施設の住所、施設の概要、その施設に関するユーザのコメント情報など、施設に関する情報全般を施設情報と適宜呼ぶ。
【0017】
立体地図画像生成装置100は、詳細は後述するが、ウェブサイトに掲載されたコンテンツに基づいて、施設や施設を含む建物を表現した柱状画像を生成する。立体地図画像生成装置100により生成された柱状画像は地図画像上に配置される。これにより、施設や施設を含む建物を表現した柱状画像を含んだ地図画像を生成できる。
【0018】
図2は、実施の形態1に係る立体地図画像生成装置の構成を示す。立体地図画像生成装置100は、制御部110と、表示部190と、地図画像保持部102と、位置情報保持部104と、コンテンツ保持部106と、住所情報保持部108とを備える。制御部110は、取込部120と、住所情報取得部122と、階数情報抽出部124と、階数特定部150と、属性特定部126と、施設画像関連付け部128と、区分部160と、割当部130と、立体画像生成部132とを備える。区分部160はさらにカウント部162を備える。
【0019】
これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0020】
地図画像保持部102は、地図画像を保持する。立体地図画像生成装置100は、例えば、国土地理院などの地図画像提供者により提供される地図画像を取得して、地図画像保持部102に格納する。その地図画像は、例えば、実空間上の座標系、例えば、緯度経度の座標系が設定された日本地図である。すなわち、その地図画像上の各地点には、現実世界における位置を示す位置情報である緯度経度値が対応付けられる。
【0021】
位置情報保持部104は、建物の住所を示す住所情報と、その住所情報が示す地図画像上の位置を表す位置情報との対応関係を保持する。位置情報保持部104に保持された住所情報は、現実世界に存在する住所を示す住所情報の一覧である。この住所情報は、その住所情報が示す住所に位置する建物を一意に特定することができるよう、「X番地のX」という番地レベルまで区画化されたものである。例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」という番地レベルまで区画化された住所情報が位置情報保持部104に格納される。この住所情報は、例えば、電話帳提供事業者、郵便事業者や地図提供事業者などの事業者が提供するウェブサイト(例えば、http://phonebook.yahoo.co.jp)から取得される住所一覧データに基づいて生成される。なお、位置情報保持部104の具体的なデータ構造については後述する。
【0022】
地図画像上の位置を表す位置情報の例として、緯度経度値が挙げられる。この場合、住所情報と緯度経度値との対応関係データを生成するために、立体地図画像生成装置100は、住所情報に応じた緯度経度値を出力するウェブサービスを利用してもよい。これにより、例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」という住所情報に対応付けられた「緯度31度36分、経度130度31分」という緯度経度値を、通信ネットワーク12を介して取得できる。これにより、立体地図画像生成装置100は、位置情報保持部104内の住所情報に対応付けられた緯度経度値を参照すれば、その緯度経度値が示す地図画像上の位置を特定できる。
【0023】
取込部120は、ウェブサイトに掲載されたコンテンツを、通信ネットワーク12を介して、定期的あるいは不定期に、立体地図画像生成装置100の内部に取り込む。取込部120は、いわゆるロボット検索クローラであってもよく、ハイパーリンクを再帰的に辿って、膨大な数のウェブサイトを巡回して、そのウェブサイトに掲載されるコンテンツを取り込むものである。取込部120により取り込まれたコンテンツは、後述のコンテンツ保持部内に保持される。
【0024】
コンテンツ保持部106は、取込部120により取り込まれたウェブサイト内のコンテンツを構成するコンテントどうしを、そのコンテントを含むウェブサイトごとに互いに関連付けて保持する。例えば、あるウェブサイトに、店舗の施設の名称を示すコンテント、その施設が取り扱う商品やサービスを示すコンテント、その施設の住所を示すコンテントなどが掲載されていれば、それらコンテントどうしを互いに関連付けて保持する。
【0025】
住所情報取得部122は、同一建物を表現する住所情報をコンテンツ保持部106から取得する。具体的には、住所情報取得部122は、ウェブサイトから通信ネットワーク12を介して取得されたコンテンツ内に含まれる複数の住所情報を参照して、同一建物を表現する住所情報を特定し、その特定した住所情報をコンテンツ保持部106から取得する。
【0026】
具体的には、住所情報取得部122は、位置情報保持部104に保持された住所情報を検索ワードとして設定し、その設定されたキーワードを含む住所情報をコンテンツ保持部106から取得する。この検索ワードは、住所情報の番地までを含むものとする。つまり、「○○ビル2F」といった部分を除いた住所情報である。例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」という検索ワードを設定すれば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」を示す住所情報や、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル4F」を示す住所情報を取得できる。
【0027】
例えば、「10月10日の20時に、鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1の○○ビルの4Fで待ち合わせ」というメッセージがコンテンツ保持部106内に存在すれば、その中から「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル4F」という住所情報を取得してもよい。すなわち、コンテンツの内容、情報の出所や真偽の如何は問わず、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」といった検索ワードを含む住所情報を手当たり次第に取得する。これは、建物内に設けられた階数を示す階数情報を取得しさえすればよいためである。なお、これら取得された住所情報はいずれも、「○○ビル」という同一建物を表現する。こうして住所情報取得部122により取得された住所情報は、住所情報保持部108に保持される。
【0028】
属性特定部126は、住所情報取得部122により取得された住所情報に対応付けられている施設情報をコンテンツ保持部106から取得し、施設の属性を特定する。ここで、立体地図画像生成装置100の内部には、「理容」などの属性を示す属性情報と、「ヘアー」、「シャンプー」、「カット」など、「理容」という属性を特定するためのキーワードと、を対応付けた属性情報保持部(図示せず)があらかじめ設けられる。
【0029】
属性特定部126は、施設情報の中に含まれるキーワードを抽出して、その施設の属性を特定する。具体的には、属性特定部126は、施設情報の中から名詞形式のキーワード、例えば、「ヘアー」や「シャンプー」というキーワードを抽出する。次に、それらキーワードをそれぞれ検索キーにして、属性情報保持部から属性情報を取得し、施設の属性を特定する。なお、キーワードごとに取得された属性情報が示す属性が異なれば、最も多く取得された属性情報が示す属性を施設の属性としてもよい。
【0030】
施設画像関連付け部128は、特定された施設の属性と、その施設を地図画像上に表現するための画像(以下、「施設画像」という)とを関連付ける。施設の属性情報と施設画像との対応関係情報は、後述の住所情報保持部内に保持される。なお、実施の形態1でいう施設画像は、施設の属性によらず一律に同じ画像、例えば白一色の画像を用いるとする。
【0031】
住所情報保持部108は、住所情報取得部122により取得された住所情報や、施設の名称など施設に関する情報を保持する。具体的には、住所情報保持部108は、施設の住所情報と、その住所情報に対応付けられた施設の名称、その施設を含む建物の名称、その住所情報が掲載されたウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)などを保持する。住所情報保持部108はさらに、その施設の属性を示す属性情報や、施設画像をも保持する。なお、住所情報保持部108の具体的なデータ構造については後述する。
【0032】
階数情報抽出部124は、住所情報取得部122により取得された住所情報の中から、階数を示す階数情報を抽出する。例えば、住所情報が「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」であれば、「2F」という階数情報を抽出する。もちろん、この階数情報は「地上2階」という階数を示す。
【0033】
階数特定部150は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数に基づいて、建物の最上の階数を特定する。なお、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が複数あれば、階数特定部150は、複数の階数のうち最上の階数を、建物の最上の階数と特定する。例えば、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「地上2F」、「地上4F」、「地上10F」及び「地上12F」であれば、階数特定部150は、建物の最上の階数を「地上12F」と特定する。
【0034】
立体画像生成部132は、階数特定部150により特定された最上の階数に応じた高さの柱状画像を生成する。例えば、立体画像生成部132は、「地上12F」という最上の階数に応じた高さの灰色一色の柱状画像を生成する。立体画像生成部132は、「地上12F」に対応させて、例えば、鉛直方向の高さが120画素分の柱状画像を生成する。なお、ディスプレイの解像度に応じて、柱状画像の高さの画素数が調整されてもよい。最上の階数とその階数の高さを表現する画素数との対応関係は、立体地図画像生成装置100内のデータベース(図示せず)にあらかじめ保持されてもよい。この場合、最上の階数が高いほど画素数が多くなるよう対応付けられる。ただし、住所情報にビルの高さが直接記載されていれば、その高さに応じた柱状画像を生成する。
【0035】
立体画像生成部132はさらに、地図画像保持部102や位置情報保持部104を参照し、自身が生成した柱状画像を、その同一建物の住所情報に対応付けられた位置情報で特定される地図画像上の位置に配置する。具体的には、立体画像生成部132は、例えば、同一建物の住所情報が「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」であれば、立体画像生成部132は、その住所情報に対応付けられた「緯度31度36分、経度130度31分」という緯度経度値で特定される地図画像上の位置に配置する。
【0036】
なお、緯度経度値で特定される地図画像上の位置に、以前の配置処理によってすでに柱状画像が配置されていた場合、立体画像生成部132は、そのすでに配置された柱状画像をいったん削除した後、新たに生成した柱状画像を配置し直す。一方、立体画像生成部132は、柱状画像を配置し直すのではなく、すでに配置された柱状画像の高さだけを単に上下に調整してもよい。後者の場合、例えば、新たなコンテンツ取り込み処理によって、より階数が高い建物を表現した柱状画像を配置することとなれば、その柱状画像の高さをより大きくする。
【0037】
区分部160は、前述のごとく、カウント部162を備える。カウント部162は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報をその階数情報が示す階数ごとに一つ以上のグループに分類して、その分類されたグループの数をカウントする。区分部160は、立体画像生成部132により生成された柱状画像を階層状に、カウント部162によりカウントされた数以上のブロックに区分する。ここで、ブロックとは、詳細は後述するが、施設画像を貼付するために設けられた矩形空間である。
【0038】
階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が、例えば、「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」である場合、これら4つの階数情報は4つのグループに分類される。この場合、立体画像生成部132により生成された柱状画像は、4個以上のブロックに区分される。
【0039】
一方、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数の中に同一の階数があった場合、その同一の階数を示す複数の階数情報は、一つのグループに分類される。例えば、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「2F」、「2F」、「10F」及び「12F」であれば、階数情報は、「2F」という第1のグループ、「10F」という第2のグループ、及び「12F」という第3のグループ、の3つのグループに分類される。この場合、立体画像生成部132により生成された柱状画像は、3個以上のブロックに区分される。
【0040】
割当部130は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数を、区分部160により区分されたブロックに割り当てる。例えば、割当部130は、区分部160により区分された4個のブロックのそれぞれに、下層から上層に向かって昇順に、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数、例えば、「2F」、「4F」、「10F」、及び「12F」を割り当てる。割当部130により生成された、ブロックと階数との割当関係は、立体地図画像生成装置100内に保持されてもよい。
【0041】
上述の立体画像生成部132は、その施設情報に対応付けられた階数のブロックに、その施設の識別情報に関連付けられた施設画像を貼付する。具体的には、例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」という「ABC」施設の住所情報が住所情報取得部122により取得された場合、立体画像生成部132は、「2F」の階数のブロックに、その「ABC」施設の識別情報に関連付けられた施設画像を貼付する。
【0042】
表示部190は、立体画像生成部132により施設画像が貼付された柱状画像を含む地図画像を、ディスプレイを介してユーザに表示する。このように、貼付すべき施設画像があれば、その施設画像が貼付された柱状画像を生成する。このように、ビルを表現した柱状画像に施設画像を貼付して表示することで、現実世界におけるビルの中に施設が表す施設が存在することをユーザに明示できる。もちろん、貼付すべき施設画像がなければ、施設画像が貼付されていない状態の灰色一色の柱状画像がそのまま表示される。
【0043】
図3は、実施の形態1に係る位置情報保持部のデータ構造の一例を示す。この位置情報保持部104は、建物の住所を示す住所情報と、その住所情報により特定される地図画像上の位置を表す位置情報との対応関係を保持する。図3に示す位置情報保持部104には、住所ID欄202と、住所情報欄204と、位置情報欄206とが設けられる。住所ID欄202には、住所情報を一意に識別するための住所IDが格納される。住所情報欄204には、現実世界に存在する住所を示す住所情報の一覧が格納される。位置情報欄206には、現実世界における位置を示す位置情報である緯度経度値が格納される。
【0044】
例えば、データ210についていえば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」という住所情報が、住所ID「KA0001」に対応付けられていることを示す。さらに、その住所情報により特定される地図画像上の位置として「緯度31度36分、経度130度31分」という緯度経度値が対応付けられていることを示す。すなわち、立体地図画像生成装置100は、住所情報に対応付けられた緯度経度値を参照すれば、住所情報から、その緯度経度値が示す地図画像上の位置を特定できる。
【0045】
図4は、ウェブサーバにより提供されるウェブサイトの一例を示す。図4に示すウェブサイト20に掲載されるコンテンツ28には、「ABC」店舗の施設の名称のコンテント22、その施設が提供するサービスや商品の一覧のコンテント26、さらに、その施設の住所を示す住所情報のコンテント24などが含まれる。ウェブサイトに掲載されたコンテンツ28は、取込部120により、図1に示す通信ネットワーク12を介して取得され、コンテントどうし互いに関連付けられてコンテンツ保持部106内に保持される。
【0046】
図5は、実施の形態1に係る住所情報保持部のデータ構造の一例を示す。この住所情報保持部108は、住所情報取得部122により取得された住所情報などを保持する。図5に示す住所情報保持部108には、施設ID欄212と、施設名称欄214と、住所情報欄216と、建物名称欄218と、URL欄220と、属性情報欄222と、施設画像名称欄224とが設けられる。
【0047】
施設ID欄212には、施設を一意に識別するための識別番号が格納される。住所情報欄216、及び施設名称欄214には、住所情報取得部122により取得された同一建物を表現する住所情報や、その住所情報に対応付けられた施設の名称がそれぞれ格納される。建物名称欄218には、住所情報に含まれる建物の名称、すなわち、その施設を含む建物の名称が格納される。URL欄220には、住所情報や施設の名称の取得元であるウェブサイトのURLが格納される。
【0048】
また、属性情報欄222には、その施設の属性を示す属性情報が格納される。施設画像名称欄224には、施設を地図画像上に表現するための施設画像の名称が格納される。なお、上述のごとく、実施の形態1では、施設の属性によらず一律に同じ画像の施設画像Aが格納される。
【0049】
ここで、データ230についていえば、施設IDが「0001」、施設の名称が「ABC」であり、その施設の住所情報が「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」であることを示す。さらに、「ABC」施設を含む建物の名称は、「○○ビル」であり、その施設の名称や住所情報の取得元であるウェブサイトのURLは「http://abc〜」であることを示す。さらに、「ABC」施設の属性は「理容店」であり、その施設は、「施設画像A」という名称の画像を用いて地図画像上に表現されることを示す。
【0050】
図6(a)は、施設画像が貼付された柱状画像の第1の表示態様の一例を示し、一方、図6(b)は、施設画像が貼付された柱状画像の第2の表示態様の一例を示す。参照番号61は、施設画像が貼付される領域、又は便宜的に施設画像そのものを示す。具体的には、図6(a)及び図6(b)は、図5に示すデータ構造を用いて生成される柱状画像を示す。すなわち、図6(a)及び図6(b)はいずれも、図2に示す階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」であるときに生成される柱状画像の例である。
【0051】
図6(a)及び図6(b)に示すごとく、立体画像生成部132により生成された柱状画像は、区分部160により複数の階層状のブロックに区分されている。ここで、図6(a)に示す柱状画像と、図6(b)に示す柱状画像との相違点は、区分されたブロックの数である。
【0052】
図6(a)に示す柱状画像は、カウント部162によりカウントされた数そのもののブロックに区分されている。まず、図2に示す階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」であり、複数の階数情報は4つのグループに分類される。そのため、図6(a)に示すごとく、区分部160により4個のブロックに区分される。区分された4個のブロックのそれぞれには、下層から上層に向かって昇順に、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が割当部130によって割り当てられる。すなわち、第1ブロック62には「2F」、第2ブロック64には「4F」、第3ブロック66には「10F」、及び第4ブロック68には「12F」が割り当てられる。
【0053】
「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」の階数に割り当てられた4個のブロックのそれぞれには、その階数に設けられた施設の施設画像が立体画像生成部132によって貼付される。すなわち、第1ブロック62には「ABC」施設の施設画像61、第2ブロック64には「DEF」施設の施設画像61、第3ブロック66には「GHI」施設の施設画像61、第4ブロック68には「JKL」施設の施設画像61が貼付される。なお、本図に示す施設画像61は、一律に同じ画像であり、いずれも施設画像Aである。
【0054】
一方、図6(b)に示す柱状画像は、階数特定部150により特定された最上の階数が表す数のブロックに区分されている。ただし、対応する階数情報の無い階数についてはハッチングを施し、その中の境界は省略している。例えば、図5に示すデータを用いれば、階数特定部150により最上の階数が「12F」であると特定されるため、区分部160により12個のブロックに区分される。
【0055】
区分された12個のブロックのうち、「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」の階数に割り当てられた4個のブロックのそれぞれには、その階数に設けられた施設の施設画像が立体画像生成部132によって貼付される。すなわち、第1ブロック62には「ABC」施設の施設画像61、第2ブロック64には「DEF」施設の施設画像61、第3ブロック66には「GHI」施設の施設画像61、第4ブロック68には「JKL」施設の施設画像61が貼付される。
【0056】
なお、図6(b)に示す、施設画像が貼付された4個のブロック以外の斜線ブロックには、施設画像が貼付されていない。これは、斜線ブロックに割り当てるはずの階数を示す階数情報を含んだ住所情報を、ウェブサイトから取得できなかったためである。その斜線ブロックは柱状画像の画像そのものであり、例えば、灰色一色の画像である。
【0057】
図7は、施設画像が貼付された柱状画像を含む地図画像が画面に表示される様子を示す。具体的には、各施設の施設画像が貼付された柱状画像60は、その施設を含む建物の住所情報により特定される地図画像70上の緯度経度値が示す位置に配置される。柱状画像60は、図7に示すごとく、例えば、緯度経度値が示す位置を中心とする所定サイズの矩形区域内に配置される。また、他の例として、地図画像保持部102に保持された地図画像がもともと複数の領域に区画されていれば、緯度経度値が示す位置を含む領域内に柱状画像が配置されてもよい。例えば、地図画像が上空から撮影することにより生成された衛星写真や航空写真であれば、上空から特定される建物の底面を示す領域を地図画像上に設定することができ、その結果、その領域内に柱状画像を配置できる。
【0058】
なお、地図画像70上に配置された柱状画像60を区分するブロック、例えば「12F」が割り当てられたブロックの近傍には、そのブロックに対応付けられた施設に関する情報が掲載されたウェブサイトにアクセス可能なURLが表示部190により表示されている。他の例として、店舗などの施設への来店を促進するための情報、例えばクーポンチケットやイベントの案内情報もそのブロックの近傍に表示されてもよい。立体地図画像生成装置100は、ユーザによるウェブサイトの参照要求を受け付けた場合、表示部190は、その施設に関する情報が掲載されたウェブサイトをユーザに表示する。これにより、その施設画像が示す施設に興味を持ったユーザを、その施設が発信するウェブサイトに誘導できる。
【0059】
図8は、実施の形態1に係る立体地図画像の生成処理の流れを示す。取込部120は、ウェブサイトに掲載されたコンテンツを、通信ネットワーク12を介して、定期的あるいは不定期に、例えば、一日に一回、取り込む(S10)。取込部120により取り込まれたコンテンツは、コンテンツ保持部106内に保持される。
【0060】
住所情報取得部122は、ウェブサイトから通信ネットワーク12を介して取得されたコンテンツ内に含まれる複数の住所情報を参照して、同一建物を表現する住所情報を特定し、その特定した住所情報をコンテンツ保持部106から取得する(S12)。具体的には、住所情報取得部122は、位置情報保持部104に保持された住所情報を検索ワードとして設定し、その設定されたキーワードを含む住所情報をコンテンツ保持部106から取得する。
【0061】
例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」という検索ワードを設定すれば、住所情報取得部122は、「○○ビル」という同一建物を表現する、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」を示す住所情報や、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル4F」を示す住所情報を取得する。なお、住所情報取得部122により取得された住所情報は、住所情報保持部108に保持される。
【0062】
属性特定部126は、住所情報取得部122により取得された住所情報に対応付けられている施設情報をコンテンツ保持部106から取得し、施設の属性を特定する(S14)。例えば、施設情報の中から、例えば、「ヘアー」や「シャンプー」というキーワードを抽出すれば、属性特定部126は、その施設の属性は「理容店」であると特定する。
【0063】
施設画像関連付け部128は、特定された施設の属性と、その施設の施設画像とを関連付ける(S16)。例えば、施設の属性を示す「理容店」という属性情報と、その施設の施設画像Aとを関連付ける。施設画像関連付け部128により生成された施設の属性情報と施設画像との対応関係は、住所情報保持部108内に保持される。
【0064】
階数情報抽出部124は、住所情報取得部122により取得された住所情報の中から、階数を示す階数情報を抽出する。例えば、住所情報が「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」であれば、「地上2F」という階数情報を抽出する(S18)。
【0065】
階数特定部150は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数に基づいて、建物の最上の階数を特定する(S20)。例えば、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「地上2F」、「地上4F」、「地上10F」及び「地上12F」であれば、階数特定部150は、建物の最上の階数を「地上12F」と特定する。
【0066】
立体画像生成部132は、階数特定部150により特定された最上の階数に応じた高さの立体画像、例えば柱状画像を生成する。例えば、立体画像生成部132は、「地上12F」という最上の階数に応じた高さの灰色一色の柱状画像を生成する(S22)。
【0067】
立体画像生成部132は、地図画像保持部102や位置情報保持部104を参照し、その生成した柱状画像を、同一建物の住所情報に対応付けられた位置情報で特定される地図画像上の位置に配置する(S24)。なお、位置情報保持部104には、建物の住所を示す住所情報と、その住所情報が示す地図画像上の位置を表す位置情報との対応関係が保持されている。例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」という住所情報に対して、「緯度31度36分、経度130度31分」という地図画像上の緯度経度値が対応付けられている。
【0068】
立体画像生成部132は、例えば、地図画像保持部102や位置情報保持部104を参照し、同一建物の住所情報が「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」であれば、その住所情報に対応付けられた「緯度31度36分、経度130度31分」という緯度経度値で特定される地図画像上の位置に配置する。
【0069】
カウント部162は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報をその階数情報が示す階数ごとに一つ以上のグループに分類して、その分類されたグループの数をカウントする。区分部160は、立体画像生成部132により生成された柱状画像を階層状に、カウント部162によりカウントされた数以上のブロックに区分する(S26)。
【0070】
例えば、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」である場合、カウント部162は、4つの階数情報を4つのグループに分類する。この場合、区分部160は、立体画像生成部132により生成された柱状画像を4個のブロックに区分してもよい。
【0071】
割当部130は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数を、区分部160により区分されたブロックに割り当てる(S28)。例えば、割当部130は、区分部160により区分された4個のブロックのそれぞれに、下層から上層に向かって昇順に、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数、例えば、「2F」、「4F」、「10F」、及び「12F」を割り当てる。
【0072】
立体画像生成部132は、その施設情報に対応付けられた階数のブロックに、その施設の識別情報に関連付けられた施設画像を貼付する(S30)。具体的には、例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」という「ABC」の施設の住所情報が住所情報取得部122により取得された場合、立体画像生成部132は、「2F」の階数のブロックに、その「ABC」の施設の識別情報に関連付けられた「施設画像A」を貼付する。立体画像生成部132により施設画像が貼付された柱状画像を含む地図画像は、表示部190によって、ディスプレイを介してユーザに表示される(S32)。なお、貼付すべき施設画像がなければ、施設画像が貼付されていない状態の灰色一色の柱状画像がそのまま表示される。
【0073】
実施の形態1によれば、ウェブサイトに掲載されているコンテンツに基づいて、現実世界の建物を表現する柱状画像を含む立体地図画像を自動的に手軽に生成できる。また、コンテンツを継続的に収集することで、柱状画像の高さの更新処理も自動的に行うことができる。その結果、立体地図画像の生成の際にかかる作業者による作業の手間を軽減できる。なお、実施の形態1に係る技術思想においては、柱状画像を含む立体地図画像が生成された時点において、現実世界と完全に同一の仮想世界を形成しなければならないという厳密さは求められない。すなわち、実施の形態1に係る技術思想は、ウェブサイトに掲載されているコンテンツに基づいて、まずは柱状画像を生成できる分だけ生成していくものであり、その後、現実世界と完全に一致させるべく柱状画像の高さが微調整されるものである。その意味において、実施の形態1に係る技術思想は、立体地図画像の土台となるものをまずは、立体地図画像の作り手に提供するものである。
【0074】
(実施の形態2)
実施の形態1では柱状画像を建物の住所情報に対応付けられた位置情報で特定される地図画像上の位置に配置したが、実施の形態2では、その柱状画像を建物の住所情報に対応付けられた位置情報で特定される地図画像上の地下部分の位置に配置する。
【0075】
図9は、実施の形態2に係る立体地図画像生成装置の構成を示す。図2と同等の構成には同じ符号を与え適宜説明を略す。実施の形態2に係る立体地図画像生成装置100の構成は、図2に示す立体地図画像生成装置100の構成と同様であるが、実施の形態2に係る階数特定部150はさらに地下判定部152を備える。
【0076】
地下判定部152は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が地下の階数であるか否かを判定する。具体的には、階数特定部150は、地下判定部152により少なくとも一つの階数が地下の階数であると判定された場合、地下の階数であると判定された階数のうち最下の階数を、建物の最下の階数と特定する。例えば、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「地下1F」、「地下2F」、「地上10F」及び「地上12F」であれば、地下の階数であると判定された「地下1F」、「地下2F」のうち最下の階数である「地下2F」を建物の最下の階数と特定する。なお、地下判定部152は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報の中に地下を表す「B」などの記号や、「地下」などの文字があるか否かに応じて、その階数情報が示す階数が地下であるか否かを判定する。
【0077】
立体画像生成部132は、階数特定部150により特定された最下の階数に応じた高さの柱状画像を生成し、その生成した柱状画像を建物の住所情報に対応付けられた位置情報で特定される地図画像上の地下部分の位置に配置する機能をさらに有する。例えば、立体画像生成部132は、「地下2F」という最下の階数に応じた高さ、例えば、20画素分の高さの灰色一色の柱状画像を生成する。
【0078】
図10は、施設画像が貼付された柱状画像が地図画像上の地下部分の位置に配置されて画面に表示される様子を示す。具体的には、立体画像生成部132によって、各施設の施設画像が貼付された柱状画像60は、その施設を含む建物の住所情報により特定される地図画像72上の緯度経度値が示す地下部分の位置に配置される。なお、図10に示すごとく、柱状画像60が地図画像の地下部分に配置されていることを明示するために、地上にある道路は鎖線で表現されている。また、地図画像72上には、地図画像の地上部分に切り換えるための切換アイコン74が表示部190により重畳表示されている。ここで、切換アイコン74の押下によりユーザからの切り換え指示を受け付けた場合、表示部190は、柱状画像が配置された地上部分の地図画像、例えば、図7に示す地図画像に切り換えてユーザに表示する。
【0079】
実施の形態2によれば、現実世界に存在する建物の地上部分だけでなく地下部分をも立体地図画像という仮想環境内に表現することで、現実世界をよりリアルに再現した仮想環境を形成できる。
【0080】
(実施の形態3)
実施の形態1では施設画像として同一の画像をブロックに貼付したが、実施の形態3では施設の属性に応じて異なる種類の画像を施設画像としてブロックに貼付する。
【0081】
実施の形態3に係る立体地図画像生成装置100の構成は、図2に示す立体地図画像生成装置100の構成と同様であるが、施設画像関連付け部128は以下に示す機能をさらに備える。なお、図2と同等の構成には同じ符号を与え適宜説明を略す。
【0082】
施設画像関連付け部128は、属性特定部126により特定された施設の属性に応じて異なる種類の施設画像を関連付ける機能をさらに有する。具体的には、例えば、施設画像関連付け部128は、属性特定部126により特定された施設の属性が「理容店」であれば施設画像B、一方、属性特定部126により特定された施設の属性が「ファッション店」であれば施設画像Cを関連付ける。なお、施設画像関連付け部128により生成された施設の属性情報と施設画像との対応関係は、住所情報保持部108内に保持される。
【0083】
図11は、実施の形態3に係る住所情報保持部のデータ構造の一例を示す。図11に示す住所情報保持部108は、図5に示す住所情報保持部108と比較して、施設の属性の種類に応じて異なる種類の施設画像が格納されている。
【0084】
図12は、施設画像が貼付された柱状画像の表示態様の一例を示す。具体的には、図12は、図11に示すデータ構造を用いて生成される柱状画像を示す。すなわち、図12は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」であるときに生成される柱状画像の例である。
【0085】
「2F」、「4F」、「10F」及び「12F」の階数に割り当てられた4個のブロックのそれぞれには、その階数に設けられた施設の施設画像が立体画像生成部132によって貼付される。すなわち、第1ブロック62には「ABC」施設の施設画像63、第2ブロック64には「DEF」施設の施設画像65、第3ブロック66には「GHI」施設の施設画像67、第4ブロック68には「JKL」施設の施設画像67が貼付される。ここで、施設画像63は「理容店」の属性を示す施設画像B、施設画像65は「ファッション店」の属性を示す施設画像C、施設画像67は「レストラン店」の属性を示す施設画像Dである。
【0086】
実施の形態3によれば、施設の属性ごとに異なる施設画像を地図画像上に表示することで、ユーザは施設の属性の違いを画像によって一目で把握できる。
【0087】
(実施の形態4)
実施の形態1に係る立体地図画像生成装置100は、ある階数に割り当てられたブロックに一つの施設画像を貼付した柱状画像を生成するが、実施の形態4に係る立体地図画像生成装置100は、ある階数に割り当てられたブロックに複数の施設画像を貼付した柱状画像をも生成する。例えば、ある階数に複数の施設(例えば、理容店やファッション店)が存在するのであれば、一つのブロックを複数のフロアスペース(サブブロック)に区分して、夫々の施設画像を貼付する。
【0088】
図13は、実施の形態4に係る立体地図画像生成装置の構成を示す。図2と同等の構成には同じ符号を与え適宜説明を略す。実施の形態4に係る立体地図画像生成装置100には、図2に示す立体地図画像生成装置100と比較して、さらに決定部134が設けられる。
【0089】
決定部134は、階数情報抽出部124により抽出された複数の階数情報を参照し、同一の階数に複数の施設が存在するか否かを決定する。具体的には、まず、決定部134は、複数の階数情報が示す複数の階数の中に同一の階数が含まれているか否かを判別する。同一の階数が含まれている場合、その階数に複数の施設が存在すると判断する。この後、決定部134は、その同一の階数を示す階数情報を含む住所情報に対応付けられた施設の施設名称を住所情報保持部108から取得して、それら施設を特定する。
【0090】
例えば、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数が、「2F」、「2F」、「10F」、及び「12F」であれば、決定部134は、「2F」という階数に複数の施設が存在すると決定する。
【0091】
区分部160は、決定部134により複数の施設が存在すると決定された階数に割り当てられたブロックをさらに小さな部屋に区分する機能をさらに備える。具体的には、区分部160は、同一の階数であると決定された階数に存在する施設の数を計算し、その計算した数の部屋に区分する。例えば、「2F」に存在する施設が二つあれば、区分部160は、「2F」に割り当てられたブロックを二つの小さな部屋に区分する。
【0092】
立体画像生成部132は、区分部160により生成された部屋のそれぞれに、決定部134により決定された階数に存在する複数の施設の施設画像をそれぞれ貼付する。例えば、「2F」に「ABC」施設と「DEF」施設が存在すると決定された場合、立体画像生成部132は、「2F」に割り当てられたブロック内のある部屋に、「ABC」施設の施設画像を、もう一方の部屋に「DEF」施設の施設画像をそれぞれ貼付する。以下に、部屋の区分方法、及び施設画像の貼付方法のいくつかの態様を具体例として挙げる。
【0093】
(ア)ブロックを複数の部屋に略等分し、略等分された部屋のそれぞれに各施設の施設画像を貼付する場合。
【0094】
この場合、区分部160は、決定部134により複数の施設が存在すると決定された階数に割り当てられたブロックをさらに小さな部屋に略等分する。例えば、区分部160は、同一の階数であると決定された階数に存在する施設の数を計算し、その数の分だけ略等分、例えば2等分や3等分する。立体画像生成部132は、略等分された部屋のそれぞれに、決定部134により決定された階数に存在する複数の施設の施設画像をそれぞれ貼付する。
【0095】
(イ)同一の階数に存在する各施設の相対的な位置関係に関する情報を参照して、ブロック内においてその相対的な位置関係を実現するよう部屋を生成し、その生成した部屋にその部屋に割り当てられた施設の施設画像をそれぞれ貼付する場合。
【0096】
この場合、区分部160は、同一の階数であると決定された階数に存在する各施設の相対的な位置関係を決定する情報を参照し、その階数に割り当てられたブロック内において、各施設の施設画像を設定するために生成されるそれぞれの部屋の配置位置を決定する配置決定部(図示しない)をさらに備えてもよい。
【0097】
さらに、区分部160は、自身により生成される部屋とその部屋に設定すべき施設画像とを部屋ごとに割り当てる部屋割当部(図示しない)を備えてもよい。区分部160は、同一の階数であると決定された階数に割り当てられたブロック内において、配置位置決定部によって決定された配置位置に、その階数に存在する施設の数だけ部屋を生成する。立体画像生成部132は、区分部160により生成された部屋に、その部屋に割り当てられた施設画像を部屋ごとに貼付する。
【0098】
ここで、各施設の相対的な位置関係を決定する情報とは、例えば、各施設が存在する場所の方位を示す方位情報や、各施設が存在する階の間取りを示す間取り情報など、各施設の所在を示す所在情報が挙げられる。例えば、「ABC」施設に関する情報が掲載されたウェブサイト内に、「○○ビル2F東側」という方位情報があれば、区分部160は、2Fに割り当てられたブロック内において東側(画面の上方向が北であれば、画面の右方向が東側)の位置に部屋を生成する。立体画像生成部132は、区分部160により生成された部屋に「ABC」施設の施設画像を貼付する。
【0099】
(ウ)同一の階数に存在する各施設の相対的な大小関係に関する情報を参照して、ブロック内においてその相対的な大小関係を実現するよう部屋を生成し、その生成した部屋にその部屋に割り当てられた施設の施設画像をそれぞれ貼付する場合。
【0100】
この場合、区分部160は、同一の階数であると決定された階数に存在する各施設の相対的な大小関係を決定する情報を参照し、その階数に割り当てられたブロック内において、各施設の施設画像を設定するために生成されるそれぞれの部屋のサイズを決定するサイズ決定部(図示しない)を備えてもよい。
【0101】
さらに、区分部160は、自身により生成される部屋とその部屋に設定すべき施設画像とを部屋ごとに割り当てる部屋割当部(図示しない)を備えてもよい。区分部160は、同一の階数であると決定された階数に割り当てられたブロック内において、サイズ決定部によって決定されたサイズの部屋を、その階数に存在する施設の数だけ生成する。立体画像生成部132は、区分部160により生成された部屋に、その部屋に割り当てられた施設画像を部屋ごとに貼付する。
【0102】
ここで、各施設の相対的な大小関係を決定する情報とは、例えば、各施設の売り上げを示す売上情報、人気を示す人気度情報や、各施設の信頼度を示す信頼度情報などが挙げられる。ある施設に関する人気度は、例えば、その施設に関する情報を掲載するウェブサイト内のアクセスカウンタの数が大きいほど、高い値に設定される。また、ある施設に関する信頼度は、その施設に関する情報を掲載するウェブサイト内の施設の設立年月日が古いほど、高い値に設定される。
【0103】
区分部160内の部屋割当部は、例えば、各施設の人気度情報を参照して、各施設の中で最大の人気度情報を有する「ABC」施設に対して、最大のサイズの部屋を割り当ててもよい。立体画像生成部132は、区分部160により生成された最大のサイズの部屋に「ABC」施設の施設画像を貼付する。
【0104】
図14は、ある階数に割り当てられたブロックに複数の施設画像を貼付した柱状画像の一例を示す。なお、図の煩雑さを避けるため、複数の施設画像が貼付されたブロックに割り当てられた階数部分のみ、例えば、柱状画像の「2F」部分のみを図示する。「2F」に割り当てられたブロック80は、区分部160によって、第1の部屋82と第2の部屋84の二つの部屋に区分されている。第1の部屋82には、同一の階数であると決定された階数に存在する第1の施設、例えば「ABC」施設が割り当てられ、一方、第2の部屋84には、第2の施設、例えば「DEF」施設が割り当てられる。
【0105】
さらに、第1の部屋82には、立体画像生成部132によって、その部屋に割り当てられた施設の名称「ABC」に関連付けられた施設の施設画像86が貼付され、一方、第2の部屋84には、施設の名称「DEF」に関連付けられた施設の施設画像88がそれぞれ貼付される。
【0106】
実施の形態4によれば、柱状画像上の同一ブロックにそれぞれの施設を表現する施設画像を貼付することで、同一の階に複数の施設を表現でき、その結果、現実世界をよりリアルに再現した仮想環境を形成できる。
【0107】
(実施の形態5)
実施の形態では、階数特定部150により特定された最上の階数に応じた高さの立体画像を生成したが、変形例として、所定の条件の場合においては、1階の階数に応じた高さの立体画像を自動的に生成する。
【0108】
図15は、実施の形態5に係る立体地図画像生成装置の構成を示す。図2と同等の構成には同じ符号を与え適宜説明を略す。実施の形態5に係る立体地図画像生成装置100には、図2に示す立体地図画像生成装置100と比較して、さらに階数情報有無判定部136が設けられる。なお、位置情報保持部104に保持された住所情報は、必ずしも住所情報が示す住所に位置する建物を一意に特定することができる番地レベルまで区画化されたものでなく、複数件、例えば5件の建物を特定することができる程度の番地レベルまで区画化されたものでよい。
【0109】
住所情報取得部122は、同一住所を表現する住所情報を取得する機能をさらに備える。ここで、例えば「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地店舗ABC」という住所情報、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地店舗DEF」という住所情報は、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地」という同一の住所を表現する住所情報である。
【0110】
階数情報有無判定部136は、住所情報取得部122により取得された住所情報の中に、階数を示す階数情報が含まれているか否かを判定する。取得された住所情報が例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地」であれば、階数情報が含まれていないと判定する一方、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地○○ビル3F」であれば、階数情報が含まれていると判定する。
【0111】
立体画像生成部132は、階数情報有無判定部136によって階数情報が含まれていないと判定された場合、1階の階数に応じた高さの立体画像を生成する機能をさらに有する。具体的には、立体画像生成部132は、「地上1階」に対応させて、例えば、鉛直方向の高さが10画素分の柱状画像を生成する。1階の高さを表現する画素数は、立体地図画像生成装置100内のデータベース(図示せず)にあらかじめ保持されてもよい。なお、1階の高さを表現する画素数は、立体画像内に表現される施設の建築面積(建物の土地専有面積)や材質(木造、鉄筋コンクリート等)に応じて多少、例えば20%ほどの範囲内で上下に調整されてもよい。建築面積が不明なら、便宜上、代わりに床面積を用いてもよい。例えば、施設が占有する全体の面積に応じて、画素数の増減を行う。また、建築面積は、その地域の詳細画像を取得して、そこに記載されている建物のアウトラインから算出する事もできる。
【0112】
次に、立体画像生成部132は、階数情報有無判定部136によって階数情報が含まれていないと判定された住所情報に対応付けられた位置情報で特定される地図画像上の位置にその生成した立体画像を配置する機能をさらに有する。例えば、立体画像生成部132は、階数情報が含まれていないと判定された住所情報が「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地」であれば、その住所情報に対応付けられた「緯度31度36分、経度130度31分」という緯度経度値で特定される地図画像上の位置に配置する。
【0113】
同一住所を表現する住所情報のうち、階数情報有無判定部136によって階数情報が含まれていないと判定された住所情報が複数あれば、立体画像生成部132は、以下の処理を行う。
【0114】
(ア)立体画像生成部132は、1階の階数に応じた高さの立体画像を、階数情報有無判定部136によって階数情報が含まれていないと判定された住所情報ごとに生成し、その生成したそれぞれの立体画像をその位置情報で特定される地図画像上の位置に配置する。例えば、立体画像生成部132は、1階の階数に応じた高さの立体画像をそれぞれ、「緯度31度36分、経度130度31分」という緯度経度値で特定される地図画像上の位置に配置する。例えば、緯度経度値が示す位置を中心とする所定サイズの矩形区域内に配置される。また、他の例として、地図画像保持部102に保持された地図画像がもともと複数の領域に区画されていれば、緯度経度値が示す位置を含む領域内に柱状画像を配置してもよい。さらに他の例として、地図画像保持部102に保持された地図画像が複数の領域に区画されていなくても、緯度経度値で特定される地図画像上の位置が所定の範囲を形成する場合であれば、その範囲を略等分した小範囲内のそれぞれに各柱状画像を配置してもよい。
【0115】
(イ)立体画像生成部132は、1階の階数に応じた高さの立体画像を一つ生成するとともに、その生成した立体画像を複数のブロック、例えば、階数情報有無判定部136によって階数情報が含まれていないと判定された住所情報の数分のブロックに区分する。例えば、立体画像生成部132は、1階の階数に応じた高さの立体画像を一つ生成し、その立体画像を、「緯度31度36分、経度130度31分」という緯度経度値で特定される地図画像上の位置に配置する。次に、立体画像生成部132は、その配置した立体画像を複数のブロックに区分して、複数のブロックのそれぞれに各施設の施設画像を貼付する。
【0116】
実施の形態5によれば、階数情報有無判定部136によって階数情報が含まれていないと判定された場合、1階の階数に応じた高さの立体画像を自動的に生成できるため、立体地図画像の生成の際にかかる作業者による作業の手間を軽減できる。また、階数情報有無判定部136によって階数情報が含まれていないと判定された場合に、少なくとも1階の階数に応じた高さの立体画像を自動的に生成することで、現実世界に多く存在する、比較的階数の低い家屋をできる限り仮想環境内に表現できる。日本と比較して欧米では、階数の高いビルよりも階数の低い家屋が多いため、本実施の形態に係る技術思想は、欧米において特に有益である。一方、日本では、1階の階数に応じた高さの立体画像ではなく、2階や1.5階等の階数に応じた高さの立体画像を自動的に生成しても良い。
【0117】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
【0118】
実施の形態に係る住所情報取得部122は、位置情報保持部104に保持された住所情報をそのまま検索ワードとして設定したが、変形例として、ビルの名称を検索ワードとして設定して、同一建物を表現する住所情報を取得してもよい。例えば、「○○ビル」という検索ワードを設定すれば、実施の形態1に示す例と同様に、住所情報取得部122は、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル2F」を示す住所情報や、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1○○ビル4F」を示す住所情報を取得できる。なお、この「○○ビル」という検索ワードは、コンテンツ保持部106や外部のサーバが運営する電話帳データベースから「ビル」というキーワードで検索した結果、取得されてもよい。
【0119】
実施の形態では、ウェブサイトに掲載されたコンテンツに基づいて、施設画像が貼付された柱状画像を生成したが、変形例として、外部の電話帳データベース内に保持された、現実世界における施設の住所情報を示す住所コンテンツに基づいて、施設画像が貼付された柱状画像を生成してもよい。この場合、取込部120は、外部の電話帳データベース内の住所コンテンツを、通信ネットワーク12を介して、定期的あるいは不定期に、コンテンツ保持部106内に取り込む。次に、住所情報取得部122は、同一建物を表現する住所情報をコンテンツ保持部106から取得する。なお、それ以降の処理は実施の形態と同様である。本変形例によれば、電話帳データベース内の住所コンテンツに基づいて、現実世界の建物を表現する柱状画像を含む立体地図画像を自動的に手軽に生成できる。
【0120】
実施の形態に係る階数特定部150は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報が示す階数に基づいて、建物の最上の階数を特定したが、変形例として、階数特定部150は、階数情報が示す階数が妥当であるか否かを判定し、妥当であると判定された階数のみに基づいて、建物の最上の階数を特定してもよい。例えば、「100F」という最大階数しきい値が立体地図画像生成装置100内にあらかじめ設定され、階数情報が示す階数がその最大階数しきい値である「100F」を超える場合、階数特定部150は、その階数情報が示す階数は妥当でないと判定する。
【0121】
なお、この最大階数しきい値は、県や市などの区域ごとに異なる値に設定されてもよい。また、最大階数しきい値は、近隣の他の建物の階数を考慮して決定しても良い。例えば、近隣に3階以上の建物がなければ、50階建てというのは信憑性に欠けると判断できるので、このような階数情報は除外する。その他の例として、この最大階数しきい値は、その施設の床面積の大きさや材質に応じて異なる値に設定されてもよい。この場合、階数特定部150は、階数情報抽出部124により抽出された階数情報を含む住所情報に対応付けられた施設情報内の床面積の大きさや材質を参照する。例えば、床面積が100平方メートルであれば、その施設を含む建物の階数の最大階数しきい値として「100階」が設定される。また、材質が木造であれば、その施設を含む建物の階数の最大階数しきい値として「4階」が設定される。
【0122】
本変形例によれば、はじめに、階数情報が示す階数が妥当でないものを最大の階数の特定の対象から外すことで、品質の面において一定の基準を満たした立体地図画像をユーザに提供できる。
【0123】
実施の形態では、柱状画像を区分するブロックの高さは一定であったが、変形例として、施設の属性に応じてブロックの高さを調整してもよい。この場合、立体地図画像生成装置100は、表現対象の施設の属性に応じて、柱状画像を区分するブロックの高さを調整する調整部(図示しない)をさらに備える。
【0124】
具体的には、調整部は、住所情報取得部122により取得された住所情報に対応付けられた施設情報を参照することで、その住所情報に対応付けられた施設の属性、例えば、床面積や材質を特定する。調整部は、その特定した施設の属性の属性、例えば、床面積や材質に基づいて、その施設が属する階数に割り当てられたブロックの高さを調整する。例えば、調整部は、施設の床面積が所定の閾値よりも大きければ(その施設が体育館である場合など)、その施設が属する階数に割り当てられたブロックの高さを通常の高さよりも大きくする。通常のブロックの高さが、例えば、5画素長であれば、その施設が属する階数に割り当てられたブロックの高さを6画素長へと大きくする。
【0125】
他の例として、施設の材質が木造であれば、調整部は、その施設が属する階数に割り当てられたブロックの高さを通常の高さよりも小さくする。通常のブロックの高さが、例えば、5画素長であれば、その施設が属する階数に割り当てられたブロックの高さを4画素長へと小さくする。
【0126】
本変形例によれば、施設の床面積や材質などの属性に応じてブロックの高さを調整することで、現実世界をよりリアルに再現した仮想環境を形成できる。
【0127】
実施の形態では、立体地図画像生成装置100の内部に地図画像保持部102を備えていたが、変形例として、外部のサーバがこの地図画像保持部102を備えてもよい。この場合、立体地図画像生成装置100は、その外部のサーバ内の地図画像保持部102に保持された地図画像を、図1に示す通信ネットワーク12を介して取得すればよい。これにより、立体地図画像生成装置100全体の構成がよりコンパクトになる。
【0128】
実施の形態では、建物を表現する柱状画像を地図画像上に配置したが、変形例として、GPS(Global Positioning System)などの測位システムが搭載された装置やその装置を持ち歩く人物をさらに地図画像上に配置してもよい。具体的には、測位システムが搭載された装置の位置を示す位置情報を、図1に示す通信ネットワーク12を介して取得して、地図画像上のその位置情報が示す位置に、その装置を有する主体を表す画像をさらに配置する。なお、立体地図画像生成装置100は、その装置の移動する速度に応じて、その移動主体が車両であるか人物であるかを判断する。これにより、GPSが搭載された現実世界の車両や携帯電話を手にする人間をも地図画像上に表現することが可能になり、現実世界をよりリアルに再現した仮想環境を形成できる。
【0129】
また、仮想環境内に実際の人物を表現することが可能になれば、遠方に住んでいる人物や店舗にいる店長やスタッフとの間で、立体地図画像生成装置100上の通信チャンネルを介して、メッセージや会話のやりとりもすることができる。
【0130】
実施の形態では、施設の施設画像が貼付された柱状画像を生成したが、変形例として、立体地図画像生成装置100は、施設内における商品の位置を示す位置情報を取得して、その商品の位置情報が示す柱状画像の中のブロック内の位置を特定し、その特定された位置に、その商品を示す商品画像を施設画像の上にさらに貼付してもよい。ここで、施設内における商品の位置を示す位置情報とは、例えば、施設内の東側の棚や北側の壁という方位情報などを指す。
【0131】
具体的には、各商品に、無線通信機能を備えたICタグが貼付されている場合、このICタグは、商品の位置を管理するのにも利用できる。そして、その位置情報は、施設に設けられたサーバに集められる。次に、そのサーバは、収集された商品の位置情報を図1に示す通信ネットワーク12を介して立体地図画像生成装置100に送信する。
【0132】
立体地図画像生成装置100内の立体画像生成部132は、施設内のサーバから送信された位置情報を受信し、商品の位置情報により特定されるブロック内の位置を決定する。例えば、その商品の位置情報が「施設内の東側の棚」であれば、立体画像生成部132は、ブロック内の東側(画面の上方向が北であれば、画面の右方向が東側)の位置を決定する。さらに、立体画像生成部132は、その特定した位置に、その商品を示す商品画像を施設画像の上から貼付する。これにより、例えば、現実世界の施設内に設けられた商品の位置関係を立体地図画像上に再現することが可能になり、現実世界をよりリアルに再現した仮想環境を形成できる。
【0133】
実施の形態に係る立体画像生成部132は、住所情報取得部122により取得された住所情報が示す住所に位置する施設が現実世界に存在する店舗であるか否かに関わらず、その施設の施設画像を貼付したが、変形例として、住所情報取得部122により取得された住所情報が示す住所に位置する施設が現実世界に存在する店舗でない場合は、その施設の施設画像を貼付しない処理を行う。例えば、オンライン・ショッピングモールから多くの住所情報が収集されたとしても、その多くは現実世界に存在する店舗では営業していないショップも数多く含まれている。これらのショップの情報は、除外しておく。言い換えれば、ここで実装される仮想空間(発明者はこれをMirrearth:Mirror Earthと呼んでいる)は、実際の生活動という観点から、現実空間を部分的に反映したものであり、現実空間に存在しないものは極力排除するようにしている。このような現実社会への一種のインターフェースは、高齢者など技術的なスキルを持たない人々にとっては、利用しやすいものであり、所謂デジタルデバイドの問題を軽減する効果がある。
【0134】
この場合、立体地図画像生成装置100は、住所情報取得部122により取得された住所情報が示す住所に位置する施設が店舗として現実世界に存在するか否かを判定する実店舗判定部をさらに備える。具体的には、この実店舗判定部は、住所情報取得部122により取得された住所情報に対応付けられた施設情報を参照し、その住所情報が示す住所に位置する施設が店舗として現実世界に存在するか否かを判定する。例えば、実店舗判定部は、施設情報の中に、店舗として現実世界に存在することを表す実店舗情報が含まれているか否かに応じてその有無を判定する。この実店舗情報の例として、その店舗施設に客を案内させるための案内情報や案内地図、パーキング情報や地図等のアクセス情報、開業時間や閉店時間を示す営業時間情報、クーポンチケットやイベントの案内などの、店舗施設への来店を促進するための情報が挙げられる。また、住所情報に施設の事務所が存在しても、一般の客の為の窓口が存在しない場合には、実店舗判定部は、実店舗は存在しないものと見做すこともできる。逆に、このような場合あっても、近隣に施設が少ないような地域では、実店舗が存在するものと見做すこともできる。
【0135】
立体画像生成部132は、住所情報取得部122により取得された住所情報が示す住所に位置する施設が店舗として現実世界に存在しないと実店舗判定部により判定された場合には、その施設の施設画像を貼付しない処理を行う。一般に、現実世界に店舗として実際に存在する方が、店舗として現実世界に実際に存在しない場合と比較して、信頼性が高いものとされている。このように、現実世界に店舗として実際に存在しないとされる施設の施設画像を柱状画像に貼付しないことで、現実世界に店舗として実際に存在する施設のみを表現した柱状画像の集合体を形成でき、信頼性の面において一定の基準を満たした立体地図画像をユーザに提供できる。
【0136】
また、信頼性を向上させるための別の方法もある。例えば、或るショップが建物に存在することを示している住所情報を考える。もし、その建物に他のショップが数多く入っているとすると、そのショップは実際にその建物に存在する可能性が高いと考えられる。逆に、その建物に他にショップが入っていないすると、そのショップは実際にその建物に存在する可能性が低いと考えられる。従って、建物に入っているショップの数を、現実世界に店舗として実際に存在するか否かを判断する材料の一つとすることで、信頼性を向上させることが可能となる。
【0137】
更に、本件出願人による特許出願である国際出願番号PCT/JP2005/015770の明細書に記載されているウェブページの信頼度を評価する方法を利用して、その情報の信頼性を判断することもできる。すなわち、施設情報に対応するウェブページの信頼度が、一定の水準を満たさなければ、その情報を利用しないことで、信頼性を向上させることが可能となる。
【0138】
実施の形態に係る表示部190は、現在の実空間を表現する立体地図画像をユーザに表示したが、変形例として、ユーザにより指定された年代の実空間を表現する立体地図画像をユーザに表示する。この場合、立体地図画像生成装置100にはさらに、後述の設立年特定部が設けられる。
【0139】
本変形例では、地図画像保持部102は、各年代ごとに異なる地図画像を保持する。例えば、地図画像保持部102は、1500年から現在の年までの各年の地図画像を保持する。設立年特定部は、住所情報取得部122により取得された住所情報が示す住所に位置する施設の施設情報を参照し、その施設を含む建物が設立された年を特定する。
【0140】
例えば、まず、設立年特定部は、その施設情報の中に含まれる施設の設立年月日を参照して、その施設が設立された年を特定する。次に、設立年特定部は、住所情報取得部122により取得された住所情報が一つ、すなわち、同一建物内の施設が一つであれば、その施設が設立された年を、その施設を含む建物が設立された年と特定する。住所情報取得部122により取得された住所情報が複数、すなわち、同一建物内に複数の施設があれば、その複数の施設のそれぞれの設立年のうち最も古い年を、その施設を含む建物が設立された年と特定する。もちろん、施設情報の中に、その施設を含む建物の設立年が直接記載されていれば、設立年特定部は、その年を建物の設立年として採用してもよい。
【0141】
立体画像生成部132は、設立年特定部により特定された年に対応付けられた地図画像を地図画像保持部102から取得し、その取得した地図画像上にその建物を表現する柱状画像を配置する機能をさらに有する。例えば、建物の設立年が1970年であれば、1970年代以降の地図画像上にその建物を表現する柱状画像を配置する。柱状画像が配置された地図画像は、立体地図画像生成装置100のデータベース内に保持される。表示部190は、ユーザにより指定された年代の地図画像の参照要求を受け取った場合、その指定された年代の、柱状画像が配置された地図画像をデータベースから取得してユーザに表示する。
【0142】
また、柱状画像が配置された立体地図画像は、過去や現在の実空間だけでなく、未来の実空間をも表現してもよい。この場合、設立年特定部は、住所情報取得部122により取得された住所情報が示す住所に位置する施設の施設情報を参照し、その施設が設立される予定の年代を特定する。例えば、「2050年の設立予定」とあれば、その施設の設立予定の年代を「2050年」と特定する。立体画像生成部132はさらに、設立年特定部により特定された年に対応付けられた地図画像を地図画像保持部102から取得し、その取得した地図画像上にその建物を表現する柱状画像を配置する。例えば、建物の設立予定年が2050年であれば、2050年の地図画像上にその建物を表現する柱状画像を配置する。
【0143】
また、立体画像生成部132は、柱状画像を配置した各年の地図画像上に、過去や現在の著名な人物の画像をさらに配置してもよい。具体的には、まず、立体画像生成部132は、人物の一生を示す生涯情報をウェブサイトから取得して、その人物の生存期間や出生地を特定する。例えば、ウェブサイト内に「西郷隆盛鹿児島県鹿児島市加治屋町23番1号1827年生まれ、1877年没」とあれば、立体画像生成部132は、「鹿児島県鹿児島市加治屋町23番1号」により特定される1827年から1877年までの各年の地図画像上の位置にその人物を表す画像を貼付してもよい。
【0144】
本変形例によれば、現在だけでなく過去や未来の実空間を表現した立体地図画像をユーザに表示することで、過去や未来の実空間にあたかもタイムスリップしたような感覚をユーザに与えることができる。
【0145】
実施の形態では、同一の階数に複数の施設が存在した場合に、その階数に割り当てられたブロックを複数の部屋に区分したが、変形例として、その複数の施設のうちある施設が存在しなくなった場合に、その存在しなくなった施設に対応付けられた部屋を他の部屋に統合させてもよい。本変形例に係る立体地図画像生成装置100には、図2に示す立体地図画像生成装置100と比較して、さらに統合部(図示しない)が設けられる。
【0146】
統合部は、区分部160によって区分された複数の部屋のうち一の部屋を他の部屋に統合させる。具体的には、統合部は、まず、コンテンツ保持部106に保持されたコンテンツを参照し、区分部160によって生成された部屋に対応付けられた施設の存在の有無を部屋ごとに検出する。次に、統合部は、存在しないと判断された施設に対応付けられた部屋を、存在すると判断された他の施設に対応付けられた部屋に統合させる。本変形例によれば、ブロック内の部屋のスペースを最適化できる。
【0147】
実施の形態では、コンテンツが主にテキストデータで構成されている場合の画像生成処理方法を示したが、変形例として、コンテンツがテキストデータ以外の電子データ、例えば、画像データ、動画データや音声データで構成されている場合の画像生成処理も可能である。例えば立体地図画像生成装置100は、例えば立体地図画像生成装置100は、住所情報が地図画像で示されている場合、その地図画像をOCR(Optical Character Recognition)での処理を含む解析方法により解析して、いったんテキストデータの住所情報に変換してもよい。また、ビルの画像や動画が掲載されていれば、それを解析して柱状画像を直接生成することも可能である。
【0148】
次に、立体地図画像生成装置100の典型的な使用形態を説明して、図16に示すようなウェブ・サーバ100として実装された具体例を示す。ウェブ・サーバ100は、インターネットに接続しており、汎用コンピュータ(例えばワークステーション、パーソナルコンピュータ等)により実装され、通常CPU100a、メモリ100b、HDD100cおよびバス(不図示)やその他の制御回路100dを含んでいる。この例では、ユーザーは、GPS受信機およびビルトイン・カメラを備えたスマートフォンまたはその他の移動通信機器101を使用し、基地局等を介して、インターネットに接続して、ウェブ・サーバ100と通信できる。図16において、参照番号105は、施設情報の提供元となるウェブ・サーバを示し、参照番号103は、本発明の移動通信機器101と同じように使うことの可能なデスクトップ・パーソナルコンピュータを示す。
【0149】
すなわち、まず、ウェブ・サーバ100は、ユーザーが使用する移動通信機器101から、GPS位置情報と共に、地図画像のリクエスト・メッセージを受ける。このリクエスト・メッセージに応答して、ウェブ・サーバ100は、GPS位置情報により示される位置の周囲の領域に対応する二次元の地図画像、例えば、図17にて図示したような地図画像M1を生成して、その画像データを移動通信機器101に送信する。この二次元の地図画像M1において、ユーザー自身は、図示されているような人型アイコンにより示される。移動通信機器101は、画像データを受信して、その画面上の二次元の地図画像M1を、画面上に表示する。この二次元の地図画像では、その領域に存在する建物の輪郭(ここでは1つのみ例示)が示され、アイコンやシンボルが張り付けられており、この例では、レストラン、コーヒーショップ、クリニックや空テナント・スペースといった施設の種類がアイコンやシンボルによって示されている。この二次元の地図画像から、ユーザーは、どんなタイプのサービスがそこで提供されているかを知ることができる。移動通信機器101が電子コンパスを備えている場合、移動通信機器101は、GPS位置情報と共に方位情報を送信できる。このような方位情報を含むリクエスト・メッセージを受けた場合、ウェブ・サーバ100は、その方位から見た二次元の地図画像を生成し、移動通信機器101へ送信する。
【0150】
ここで、その方位から見た二次元の地図画像というのは、例えば、ユーザーが南側を向いている場合、つまり、方位情報が南を示している場合、地図の上方向を南方向として表示された画像である。または、二次元の地図画像M1の様に、人型アイコンが含まれている場合には、その人型アイコンが向かっている方向を、方位情報が示している方向(地図画像M1では左方向)と一致させる様にしても良い。つまり、実世界でユーザーが歩いているのと同様に、地図上において人型アイコンが歩いている様に、人型アイコンの向きを合わせる。この場合、更に、人型アイコンが歩いている方向が常に上方向となる様に、地図画像の向きを調整しても良い。この明細書では、表示されている地図画像の方向と、ユーザーが見ている方向との関係が正しくわかる様に、その地図画像が表示されている場合に、「その方位から見た二次元の地図画像」という表現を用いる。
【0151】
二次元の地図画像M1の建物の画像には、ハイパーリンクが含まれている。この例では、建物の画像そのものが、ハイパーリンクとして設定されている。従って、望むなら、ユーザーは、このハイパーリンクを指やスタイラスペンやマウスによりクリックして、或いは、キーボード等を操作して、図17にて図示したように、三次元の地図画像M2を開いて見ることができる。さらに、ユーザーが、1つのフロア(この例では、4階のフロア)の詳細を表示したいと望むかもしれない。
【0152】
例えば、フロアが施設毎にサブブロック(部屋)に区分されて表示されている場合は、このサブブロックに、詳細表示の為のハイパーリンクが設定されている。また、三次元の地図画像M2の中に表示されているアイコンやシンボル等にも、詳細表示の為のハイパーリンクを設定できる。この例では、施設に対応するアイコンや文字列が、ハイパーリンクとして機能している。移動通信機器101の画面に表示されるハイパーリンクをクリックすることによって、このフロアの詳細を表示することができる。すなわち、上記の通りの方法で、4階のフロアに割り当てられた施設に対応して得られた幾つかのコンテンツが、図17に示したように、拡大された三次元の地図画像M3上に表示される。
【0153】
更に、拡大された三次元の地図画像M3上で、夫々の施設のフロアスペースには、この施設のウェブ・サイトにアクセスするためのハイパーリンクが設定されている。例えば、コーヒーショップに割り当てられたフロアスペースは、このコーヒーショップのホームページへのハイパーリンクとして機能する。コーヒーショップに割り当てられたフロアスペースをクリックすることによって、(存在するなら)このコーヒーショップのホームページを開くことができる。また、コーヒーショップに割り当てられたフロアスペースの全体ではなく、コーヒーショップの店名の文字列に対して、ハイパーリンクを設定し、この文字列の色をリンクカラーとすれば、誤操作を少なくすることができる。
【0154】
このように、二次元の地図画像M1から、三次元の地図画像M2へ、更に詳細な三次元の地図画像M3へと段階的に地図画像を表示する方法は、特に移動通信機器の場合に効果的である。なぜなら、移動通信機器は、通常、表示画面の大きさが限られているからである。
【0155】
また、ウェブ・サーバ100は、メンバ登録システムやログインシステムを備えていてもよい。例えば、コーヒーショップのオーナーは、このシステムのメンバとして登録することによって、三次元の地図画像M3内の彼の店のデザインを編集できる。システムにログインした後、新たな画像やコンテンツをアップロードして、古いものと交換することができる。従って、オーナーは、彼の店のデザインを更新し改良することによって、新たな顧客を引き入れることが可能となる。
【0156】
この場合、例えば、ウェブ・サーバ100は、業種に応じて、フロア・デザイン・テンプレートの一つを選択し、それを割り当てられたフロアスペースに適用することによって、彼の店の最初のデザインを生成する。フロア・デザイン・テンプレートは、予め、施設の種類毎にウェブ・サーバ100側に設けられており、ケータリング施設、(図18に示したような)理髪施設といった業種の典型的なレイアウトを視覚的に表現するものである。これらのテンプレートは、例えば、X3Dで提供することができる。このX3Dとは、ISOが定めたXMLベースの3次元コンピュータグラフィックスを表現するためのファイルフォーマットである。また、ウェブ・サーバ100は、このテンプレートに、上記の方法で施設のウェブサイトから収集されたコンテンツを張り付けることができる。登録ユーザは、このテンプレートをより魅力的に編集すると共に、情報の更新を行うことができる。例えば、コーヒーショップのオーナーは、図17にて図示したように、クーポン・アイコンを加えることができる。
【0157】
地図画像のユーザーは、このクーポン・アイコンをクリックすることによって、このコーヒーショップのホームページのクーポン画面を開いて、割引クーポン等を獲得することができる。
【0158】
従来のインターネット仮想世界、すなわち、実世界とは完全に切り離されて設計開発されたバーチャル・オブジェクトからなる周知のインターネット仮想世界とは異なり、本発明の仮想空間は、指定された範囲(例えば、現在地周辺)に存在する実際の施設の情報を含んだ、現実世界の簡約版としての仮想世界である。従って、仮想空間は、モバイル・コンピューティングに、単なる面白みを付け加えるだけでなくて、実際的な便益をももたらす。
【0159】
本発明によれば、住所情報に関連付けられている限り、どのようなタイプのインターネット情報でも、インデックスが付されデータベース化される。そして、三次元の地図画像において視覚化され、ユーザーによる地理的情報の有効活用を可能とする。
【0160】
再び図17を参照する。地図画像M2において建物を表す画像には、"空室"というシンボルが含まれている。このシンボルは、「空きテナントがある」ということを意味する。また、このシンボルは、この情報源のURLへのハイパーリンクを含んでいる。ユーザーは、このシンボルまたは割り当てられたフロアスペースをクリックして、URLを開けることによって、この情報の真偽や有効性を確認できる。多数の不動産情報は、「不動産」、「価格」、「場所」、「テナント」といった関連する検索タームを用いて、上記の通りの方法で収集することができる。情報の妥当性は、上記の通り、データベースを周期的にアップデートすることによって、維持できる。
【0161】
また、インターネット関連技術の発展に伴い、様々な情報提供サービスが、利用できるようになっている。本発明は、このようなサービスを利用してより効果的に実施することができる。例えば、立体画像生成部132は、360°パノラマ・ストリート・レベル・ビューを提供するウェブ・マップ・サービスを利用できる。このウェブ・マップ・サービスは、地域を選択すれば、地上から見た周囲の街角の視界をユーザーに提供するものであり、これを利用して、オフィスビル、ドーム・ビルディング、球状建築物等を表現する立体画像を生成することができる。すなわち、画像処理によって、360°パノラマ・ストリート・レベル・ビューを画像処理することによって、建物の三次元情報を得ることができ、地図画像上の建物の三次元形状を決定することもできる。
【0162】
更に、360°パノラマ・ストリート・レベル・ビューは、ユーザーがどの方向を向いているかを、決定する為に利用することができる。すなわち、移動通信機器101が電子的コンパスを備えていなくとも、ユーザーは、彼が実際に見ている景色に対応する地図画像を、移動通信機器101の画面で見ることができる。より詳しくは説明すれば、ユーザーは、GPS位置情報と共に地図画像のリクエスト・メッセージを送信するにあたって、移動通信機器101に搭載されているカメラによって撮影された映像、例えば、ユーザーの視点から見た交差点の映像をも、本発明のウェブ・サーバ100に送信する。リクエスト・メッセージを受信すると、ウェブ・サーバ100は、画像処理プロセスを実行して、ユーザーの視点から見た交差点の映像を、360°パノラマ・ストリート・レベル・ビューから得られる交差点における4つの方向の映像と比較する。ユーザー視点の方位は、4つの方向の映像との比較によって決定される。ウェブ・サーバ100は、交差点における決定された方位の映像を含む地図画像を、移動通信機器101に送信する。そして、ユーザーは、彼が実際に見ている景色に対応する地図画像を、移動通信機器101の画面で見ることができる。ただし、画面上の地図画像には、建物内部の情報が表示されている。
【0163】
更に、移動通信機器101がカメラを備えていない場合であっても、ユーザーが実際に見ている景色に対応する地図画像を、移動通信機器101の画面に表現することも可能である。この場合、ユーザーは、地図画像のリクエスト・メッセージを送信する前に、しばらくの間、直進しながらGPS測定をする必要がある。ユーザーの移動経路に沿ったGPS測定の結果から得られる方位情報と共に、地図画像のリクエスト・メッセージの送信が行われる。リクエスト・メッセージを受信すると、ウェブ・サーバ100は、その方位の地図画像を返す。そして、ユーザーは、彼が実際に見ている景色に対応する地図画像を、移動通信機器101の画面で見ることができる。
【0164】
上記した実施例によれば、立体地図画像生成装置100は、予め構築され、地図画像保持部102、位置情報保持部104、コンテンツ保持部106および住所情報保持部108に格納されているデータベースを使用して、三次元の地図画像を生成している。しかしながら、予めデータベースを構築しておくのではなく、ユーザー端末からの要求に応じて動的に三次元の地図画像を生成することも可能である。
【0165】
すなわち、ウェブ・サーバ100には、立体地図画像生成プログラムが実装されているが、この立体地図画像生成プログラムは、三次元の地図画像のリクエスト・メッセージを住所情報と共に受け取る毎に、外部のウェブ・マップ・サーバおよび外部のインターネット検索エンジンにアクセスして得た情報に基づいて、その住所情報に対応する三次元の地図画像を生成する。この立体地図画像生成プログラムは、コンピュータ読み取り可能な形式で記憶媒体に格納されており、実行された場合に、ウェブ・サーバ100は、次のステップを行う。すなわち、地理的データ(住所または緯度経度値)と共に地図画像のリクエスト・メッセージを受信する。次に、インターネットを介して利用可能なウェブ・マップ・サーバから、地理的データによって特定される位置の周囲の地図画像を取得する。また、地図画像内の住所に対応するキーワードを用い、インターネット検索エンジンを利用して、これらの住所に関連する施設情報を検索する。そして、この施設情報に対応する施設を表すシンボル、アイコン、文字列などの視覚表示を、この施設の住所に対応する地図画像の位置に張り付ける。それから、視覚表示が張り付けられた地図画像を、ユーザーに提示する。
【0166】
典型的な使用パターンでは、最初に、ウェブ・サーバ100は、ユーザーの使用している移動通信機器101から、GPS位置情報と共に地図画像のリクエスト・メッセージを受信する。このリクエスト・メッセージに応答して、ウェブ・サーバ100は、インターネットを介して利用可能なウェブ・マップ・サーバ105へ、位置情報と共に地図画像のリクエスト・メッセージを送信して、このGPS位置情報で特定される場所の地図画像を取得する。また、ウェブ・サーバ100は、インターネット検索エンジンを利用して、地図画像に含まれる住所に関連する施設情報を含んだコンテンツを検索する。一方、上記の通り方法、例えば、予め用意されたシンボルやテンプレート等の利用によって、図17に図示したような、施設情報に対応する施設を表す視覚表示を生成し、その施設の住所に対応する地図画像の位置に表示する。ウェブ・サーバ100は、視覚表示の張り付けられた地図画像を、移動通信機器101に送信する。移動通信機器101は、ユーザーに対して、この地図画像を表示する。
【0167】
なお、この動的な三次元の地図画像生成プロセスは、必ずしも外部のウェブ・サーバ(例えばウェブ・サーバ100)を必要としない。この場合、立体地図画像生成プログラムは、移動通信機器101に実装され、次の様に動作する。まず、ユーザーは、タッチパネルやボタンを使って、地図画像または移動通信機器101に地図画像のリクエストを入力する。移動通信機器101は、インターネットを介して利用可能なウェブ・マップ・サーバ105に対して、ユーザーの現在地を表すGPS位置情報と共に、地図画像のリクエスト・メッセージを送信して、この位置情報で特定される場所の近辺の地図画像を得る。また、移動通信機器101は、インターネット検索エンジンを用いて、地図画像に含まれる住所に関連する施設情報を含むコンテンツを検索する。一方、上記の通りの方法、例えば、予め用意されたシンボルやテンプレート等の利用によって、図17に図示したような、施設情報に対応する施設を表す視覚表示を生成し、その施設の住所に対応する地図画像の位置に表示する。移動通信機器101は、視覚表示の張り付けられた地図画像を、ユーザーに表示する。
【0168】
すなわち、三次元の地図画像を動的に生成するプロセスは、原理的には、ウェブ・サーバ100と移動通信機器101の何れにおいても実行できる。技術的にいえば、これは移動通信機器101の持つ処理能力の問題である。移動通信機器101の処理能力がそれ程高くない場合、動的な三次元の地図画像生成プロセスは、移動通信機器101の外部で実行されねばならない。
【0169】
この様な三次元の地図画像生成プロセスによれば、データベースを構築する必要がなく、地図画像は利用可能な最新のデータから生成される。しかしながら、しばしば、ユーザーは地図画像が完全に表示されるまで、それなりの時間待たされるということもありえる。
【0170】
次に、この待ち時間をなるべく少なくする実装例を説明する。図19は、立体地図画像の提供を行うウェブ・サーバと、このウェブ・サーバから立体地図画像の提供を受けるユーザー端末と、平面地図の提供を行うマップ・サーバと、一般的なインターネットのウェブ検索を行うサーチ・エンジンと、360度ストリートレベルビューの提供を行うストリートレベルビュー・サーバ、そして施設のウェブサイトとの間で交換されるメッセージおよび情報を示す説明図である。
【0171】
まず、ステップS1で、ユーザー端末はリクエスト・メッセージをウェブ・サーバに送信する。このリクエスト・メッセージは、現在地の位置の緯度/経度およびサイズを指定し、その領域に対応する施設情報を要求するものである。ここでサイズとは、領域の表示画像のX方向とY方向のピクセル数と、解像度(縮尺)によって指定される。このリクエスト・メッセージを受信すると、ウェブ・サーバは、ステップS2で、その領域に対応する住所を自前のデータベースで検索し、この住所(例えば、「鹿児島県鹿児島市中央町1丁目1番地の1」)をサーチタームとして、サーチ・エンジンに検索を要求するリクエスト・メッセージを送信する。サーチ・エンジンは、ステップS4で、サーチ結果をウェブ・サーバに返す。
【0172】
ユーザー端末は、ステップS1でウェブ・サーバにリクエスト・メッセージを送信した後、ステップS3で、別のコネクションを作成して、リクエスト・メッセージをマップ・サーバに送信する。このリクエスト・メッセージは、緯度/経度およびサイズを指定し、その領域に対応する地図画像を要求するものである。このリクエスト・メッセージに応答して、マップ・サーバは、ステップS5で、その領域に対応する地図画像をリスポンス・メッセージに添付してユーザー端末に返す。
【0173】
ステップS4でサーチ結果を受けたウェブ・サーバは、ステップS6でサーチ結果を解析し、施設情報を取得し、この施設情報をリスポンス・メッセージに添付してユーザー端末に返す。この施設情報とは、上記の通り、住所に関連付けられた業種や店名及び階数である。ステップS5で地図画像を受信し、ステップS6で施設情報を受信したユーザー端末は、地図画像をディスプレイに表示し、その地図画像上の対応する位置に、業種を示すシンボルや店名を表示する。
【0174】
上記ステップS2、S4、S6は、サーチタームの住所を変えながら、繰り返し行われる。すなわち、指定された緯度/経度に対応する住所を最初に処理し、この住所の番地をサイズで決まる範囲内で変化させながら、処理を繰り返す。指定された位置やサイズによっては、番地だけではなく、町名なども変えながら、上記範囲内で処理を繰り返す。ユーザー端末では、検索結果(施設情報)を受ける毎に、ディスプレイに表示された地図画像に重畳して施設情報を順に表示していく。従って、ユーザーは、徐々に地図画像に施設情報が重畳して表示されていく状態をみることができるので、待たされるという感覚が少なくなる。典型的には、ユーザー端末では、図17の画像M1のように、2次元の地図画像に対して業種を示すシンボルを重畳していく。
【0175】
更に、上記ステップS2、S4、S6の後、または、上記ステップS2とステップS4の間でサーチ・エンジンからの応答を待っている間に、ウェブ・サーバは、ステップS7およびステップS8で、施設情報に基づいて、様々な施設画像などのコンテンツを取得していく。すなわち、ステップS7で、リクエスト・メッセージを該当するウェブサイトへ送信し、ステップS8で要求されたコンテンツを、そのウェブサイトから受信する。例えば、各々の施設のホームページに含まれるページを辿って画像などを取得していく。
【0176】
また、これと平行して、ウェブ・サーバは、ステップS9で、ストリートレベルビュー・サーバにリクエスト・メッセージを送信する。このリクエスト・メッセージは、緯度/経度およびサイズを指定し、その領域に対応するストリートレベルビューを要求するものである。このリクエスト・メッセージに応答して、ストリートレベルビュー・サーバは、ステップS10で、その領域に対応するストリートレベルビューをウェブ・サーバに返す。ウェブ・サーバは、このストリートレベルビューの画像解析を行い、建物を表現する柱状画像を生成する。ストリートレベルビューが利用できない領域では、上記実施例で説明した方法によって建物を表現する柱状画像を生成する。
【0177】
その後、ユーザーが希望した場合、ユーザー端末での操作によって、ステップS11で、3次元の地図画像の生成に必要な情報(建物を表現する柱状画像)のリクエスト・メッセージをウェブ・サーバに送信する。このリクエスト・メッセージに応答して、ウェブ・サーバは、ステップS12で、建物を表現する柱状画像(立体画像)を、その位置と共に、ユーザー端末へ送信する。ユーザー端末は、受け取った柱状画像を重畳し、視点を移動して、3次元の地図画像を生成する。これにより、例えば、ユーザー端末のディスプレイには、図17の画像M2に示したような3次元の地図画像の表示が行われる。
【0178】
また、ユーザー端末での操作によって、ステップS13で、詳細画像のリクエスト・メッセージをウェブ・サーバに送信して、特定の建物の特定のフロアの画像をウェブ・サーバに要求することもできる。このリクエスト・メッセージに応答して、ウェブ・サーバは、ステップS14で、様々なコンテンツを配した3次元の地図画像(フロア画像)をユーザー端末へ送信する。これを受け取ったユーザー端末は、図17の画像M3のような拡大された3次元の地図画像をディスプレイに表示する。
【0179】
以上、本発明を実施例により詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本願中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本願の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0180】
12 通信ネットワーク、60 柱状画像、61,63,65,67,86,88 施設画像、62,64,66,68,80 ブロック、70,72 地図画像、82,84 部屋、100 立体地図画像生成装置、100a CPU、100b メモリ、100c HDD、100d 制御回路、101 移動通信機器、102 地図画像保持部、104 位置情報保持部、122 住所情報取得部、124 階数情報抽出部、126 属性特定部、128 施設画像関連付け部、130 割当部、132 立体画像生成部、134 決定部、136 階数情報有無判定部、150 階数特定部、152 地下判定部、160 区分部、162 カウント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上の情報を利用して、3次元の地図画像を生成するためのプログラムであって、
地図上の領域を指定してマップ・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、平面地図の提供を受けるステップと、
前記地図上の領域に対応して、ストリートレベルビュー・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、前記地図上の領域に対応する360°パノラマ・ストリートレベルビューの提供を受けるステップと、
この360°パノラマ・ストリートレベルビューを画像処理することによって、前記地図上の領域に含まれる建物を表現する柱状画像を生成するステップと、
前記平面地図に前記柱状画像を重畳することにより、前記地図上の領域に対応する仮想三次元空間において視点を自在に変更可能な景観CGを生成するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする3次元地図画像生成プログラム。
【請求項2】
前記3次元地図画像生成プログラムは、ユーザー側端末で実行されるプログラムと、ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムとからなり、
前記ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムは、ユーザー側端末から送信された地図上の領域を指定したリクエスト・メッセージに応答して、この地図上の領域に対応して、ストリートレベルビュー・サーバにリクエスト・メッセージを送信することにより、前記地図上の領域に対応する360°パノラマ・ストリートレベルビューを受信するステップと、 この360°パノラマ・ストリートレベルビューを画像処理することによって、前記地図上の領域に含まれる建物を表現する柱状画像を生成するステップと、をウェブ・サーバに実行させ、
前記ユーザー側端末で実行されるプログラムは、前記マップ・サーバから提供されている前記平面地図を受信するステップと、前記ウェブ・サーバから前記地図上の領域に含まれる建物を表現する柱状画像の提供を受けるステップと、前記平面地図に前記柱状画像を重畳することにより、前記地図上の領域に対応する仮想三次元空間内の視点を自由に変更できる景観CGを生成するステップと、を前記ユーザー側端末に実行させることを特徴とする請求項1に記載の3次元地図画像生成プログラム。
【請求項3】
前記ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムは、緯度/経度およびサイズを指定することにより、ストリートレベルビュー・サーバから、指定された領域に対応する360°パノラマ・ストリートレベルビューの提供を受けるステップをウェブ・サーバに実行させることを特徴とする請求項2に記載の3次元地図画像生成プログラム。
【請求項4】
前記ウェブ・サーバ側で実行されるプログラムは、緯度/経度およびサイズを指定することにより、マップ・サーバから、指定された領域に対応する地図画像の提供を受けるステップをウェブ・サーバに実行させることを特徴とする請求項3に記載の3次元地図画像生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−176703(P2010−176703A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104018(P2010−104018)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【分割の表示】特願2008−277489(P2008−277489)の分割
【原出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(596177559)インターマン株式会社 (14)
【Fターム(参考)】