説明

3次元立体形状織物

【課題】光の遮断率の高いブラインド用に応用が可能な3次元的立体形状の織物の提供。
【解決手段】本発明により。表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層に製織されて形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で形成される3次元的立体形状であることを特徴とし、1織機および1工程で製織が可能であり、平面形状と3次元立体形状と間の形状の変化が可能な、中間層を構成する多層構造の織物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元的立体形状の発現が可能な織物およびその製造方法に関するものであって、1織機および1工程で製織が可能であり、平面形状と3次元立体形状と間の形状の変化が可能な3次元立体形状織物で、中間を構成する織物が多層構造であるため、光の遮断率の高いブラインド用に応用可能な織物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
織物とは、ある原料から製造され、製織(weaving)、編成(knitting)、プレーティング(plaiting)またはブレーディング(braiding)方法によって構成され、繊維の交差(interlock)方法によりフェルト織物が作られる。
【0003】
織物は、基本的に織物、編成物、フェルト、プレート、不織布、接着織物、モールド織物に分けられる。狭い意味の織物(woven)とは、垂直方向の経糸と水平方向の緯糸が直角に交差して織物を構成する。下着と上着に最も多く使われるものは織物である。一方、編成物(knitted)は1系統の糸がループを作り、これらのループを前後左右方向に互いに組み合わせて編成を構成する。編成物は製編が速く、着用するとだらりと垂れ弾力性がある。また、フェルトとは、1束の繊維を熱、湿気、圧力、叩きによって交差させてフェルトを構成し、糸はここには使われない。また、プレート(plaited)、ブレード(braid)、レース(lace)は、数個の糸がある1方向に走行し、1系統の糸が交差して目的とする効果を得る。不織布は、接着材料の応用、または表面の化学作用による付着繊維、または熱可塑性繊維の熱により繊維のウェブまたはシートが互いに付着して織物を構成する。また、接着織物(laminated)は、1枚または2枚の織物にフォームを接着して織物を構成する。一般に柔らかくてふんわりした触感と効果を有する。最後に、モールド織物(molded)は、モールド面積はこれが抽出された元の平面よりもその表面が大きい。モールド製品(衣類)はふんわりまたはパイル形態または扁平になっている。これらの製品は着用感が良く身体機能にもよく合い、形が変わり難い。
【0004】
織物は、2次元的立体感として存在するため、その側面を活用したりあるいは使用したりしない。そのために、縫製やその他の接合法により3次元的立体形状を具現する。
【0005】
これを応用した産業用部分において特許文献1には、布地を二重に形成させてから、中央部に移動型ブレードを形成させた後、上記布地とブレードを接合やボンディングにより接着させて使うブラインドが提案されている。上記の方法は、ブレードが水平に移動してメッシュ型織物を通じて光が内部に入り、また、ブレードが垂直に移動する場合は光を遮断して、光量を調節することができ、これを織物のやわらかさとメッシュ構造により入射光量を制御するという利点はあるが、ブレードと織物が粘着剤ないし接着剤により接合されるという理由により室内環境汚染の原因になり、さらに長期間の使用時には、紫外線による粘着剤の物性の低下により接合状態が低下したり分離したりするという問題点がある。
【0006】
これを克服するために特許文献2には、表面層、裏面層、上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は、第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と、表面経糸および上記中間層を構成する経糸で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と、裏面経糸および上記中間層を構成する経糸から形成された裏面接結部が順次反復的に製織された裏面層と中間層を構成する経糸だけで製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含む3次元立体形状織物が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記の3次元立体形状織物は、中間層が単一層で構成されて光の遮断が完璧にできないため、プロジェクターを使う映画館、講義室、プレゼンテーション室、実験室など光を完全に遮断しなければならない室内や光の遮断を完全に遮断しなければならない様々な産業現場では使うことができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,384,519号明細書
【特許文献2】韓国特許第815579号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような問題点を解決するために、本発明の目的は、1織機および1工程で製織が可能であり、平面形状と3次元立体形状と間の形状の変化が可能な3次元立体形状織物で、中間を構成する織物層が多層構造であるため、光の遮断率が高いブラインド用への応用が可能な3次元的立体形状の具現が可能な織物およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層とが製織されて形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造に形成されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0011】
また、3次元立体形状織物において、上記織物は、表面層、裏面層、上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層を構成する経糸で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と裏面経糸および上記中間層を構成する経糸から形成された裏面接結部が順次反復的に製織された裏面層と、中間層を構成する経糸だけで互いに離隔される多層構造で製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、上記裏面部の表面には上記中間層を構成する経糸が緯糸との交差なく製織されて外部に露出し、製織後に上記露出した経糸を剪毛させることで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0012】
また、本発明は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層を構成する経糸で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と裏面経糸および上記中間層を構成する経糸から形成された裏面接結部が順次反復的に製織された裏面層と、中間層を構成する経糸だけで互いに離隔される多層構造で製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、上記裏面部および表面部の表面には上記中間層を構成する経糸が緯糸との交差なく製織されて外部に露出し、製織後に上記露出した経糸を剪毛させることで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0013】
また、本発明は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層を構成する経糸で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、基本的に裏面経糸および上記中間層を構成する経糸から形成された裏面部および裏面接結部が順次反復的に製織された裏面層と、中間層を構成する経糸だけで製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、上記表面層には上記中間層を構成する経糸が別途の緯糸と交差して織物の表面に露出した突出部が形成され、製織後に上記突出部を除去することで3次元立体形状の発現が具現される3次元立体形状織物を提供する。
【0014】
また、本発明は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で形成され、基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層の織物層を構成する経糸の一部で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と裏面経糸および上記中間層の織物層を構成する経糸中の上記表面接結部を構成しないその他の経糸で製織された裏面接結部が順次反復的に形成された裏面層と、中間層を構成する経糸だけで製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、上記表面接結部と裏面接結部を連結する中間層の連結経糸を剪毛することで形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0015】
また、本発明は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層は、それぞれの表面部および裏面部と中間層と接するそれぞれの接結部から形成され、表面層および裏面層は基本的に2以上の経糸から形成され、第1中間層と第2中間層は4以上の偶数の経糸から形成され、表面部および裏面部は基本的な2以上の経糸で製織され、表面層の第1および第3接結部は表面部と第1中間層の経糸で、第2接結部は表面部と第2中間層の経糸で製織され、裏面層の第1および第3接結部は裏面部と第2中間層の経糸で、第2接結部は裏面部と第1中間層の経糸で製織され、第1、第2中間層は1つの織物層が2以上の経糸で製織されて複数の織物層が離隔されるように製織され、上記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛することで形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0016】
また、綜絖番号として表面層の経糸を1、2、裏面層の経糸を3、4、第1中間層の経糸を5、6、7、8、第2中間層の経糸を9、10、11、12とすると、表面部は1、2で、裏面部は3、4で製織され、表面層の第1および第3接結部は1、2、5、6、7、8で、第2接結部は1、2、9、10、11、12で製織され、裏面層の第1および第3接結部は3、4、9、10、11、12で、第2接結部は3、4、5、6、7、8で製織され、第1中間層は5、6から1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織され、第2中間層は9、10から1つの織物層を形成し、11、12から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織されて形成されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0017】
また、本発明は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層は、それぞれの表面部および裏面部と中間層と接するそれぞれの接結部から形成され、表面層および裏面層は基本的に2以上の経糸から形成され、第1中間層と第2中間層は4以上の偶数の経糸から形成され、表面部は基本的な2つ以上の経糸で製織され、第1、第2中間層は1つの織物層が2以上の経糸で製織されて複数の織物層が離隔されるように製織され、表面層の第1および第3接結部は表面部と第1中間層の経糸で、第2接結部は表面部と第2中間層の経糸で製織され、裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と上記接結部が裏面層と第2中間層の経糸で、それから、第2裏面接結部までは裏面部と上記接結部が裏面層と第1中間層の経糸で、続いて、第3裏面接結部までは再度裏面層と第2中間層の経糸で製織され、このような過程が順次反復されて上記表面層の外部に露出した突出部を除去することで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0018】
また、綜絖番号として表面層の経糸を1、2、裏面層の経糸を3、4、第1中間層の経糸を5、6、7、8、第2中間層の経糸を9、10、11、12とすると、表面部は1、2で製織され、第1中間層は5、6から1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織され、第2中間層は9、10から1つの織物層を形成し、11、12から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織され、表面層の第1および第3接結部は1、2、5、6、7、8で、第2接結部は1、2、9、10、11、12で製織され、裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と上記接結部が3、4、9、10、11、12で、それから第2裏面接結部までは裏面部と上記接結部が3、4、5、6、7、8で、続いて第3裏面接結部までは再度裏面部と上記接結部が3、4、9、10、11、12で製織されて順次反復されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0019】
また、3次元立体形状織物において、上記織物は、表面層、裏面層、上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で複数の織物層から形成され、表面層と裏面層は、それぞれの表面部および裏面部と中間層と接するそれぞれの接結部から形成され、表面層および裏面層は基本的に2以上の経糸から形成され、中間層は4以上の偶数の経糸から形成され、表面部および裏面部は基本的な2以上の経糸で製織され、中間層は1つの織物層が2以上の経糸で製織されて複数の織物層が離隔されるように製織され、表面接結部は表面層の経糸とそれぞれの織物層の経糸の一部で製織され、裏面接結部は裏面層経糸と上記表面接結部を構成するそれぞれの織物層の経糸を除いたその他の織物層の経糸で製織され、上記表面接結部と裏面接結部を連結する中間層の連結経糸を剪毛することで形成される3次元立体形状織物を提供する。
【0020】
また、綜絖番号として表面層の経糸を1、2、裏面層の経糸を3、4、中間層の経糸を5、6、7、8とすると、表面部は1、2で、裏面部は3、4で製織され、中間層は5、6から1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織され、表面接結部は1/2/6/8で、裏面接結部は3、4、5、7で製織されて形成されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0021】
また、織物に使われる経糸、緯糸または経糸および緯糸は低融点糸で製織されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0022】
また、上記低融点糸は、分子構造の改質、共重合、ブレンディング、紡糸工程制御、複合紡糸からなる方法から選択された1以上の方法により意図的に融点を低くし、約120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加える場合、表面が微細に融着される物性を有した原糸であることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0023】
また、織物に使われる経糸、緯糸または経糸および緯糸は、低融点糸と難燃糸が混合した原糸または低融点部と難燃部からなる複合繊維で製織されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0024】
また、織物の形態安定性をより向上させたり、剛性を補強するために製織された織物に熱処理を行うことを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0025】
また、上記表面層と裏面層はメッシュ構造で製織されることを特徴とする3次元立体形状織物提供する。
【0026】
また、上記中間層は、上記表面層と裏面層よりも織物の密度がより高い構造で製織されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【0027】
また、上記の3次元立体形状織物で製造されることを特徴とする衣類を提供する。
【0028】
また、上記の3次元立体形状織物で製造されることを特徴とする産業素材を提供する。
【0029】
また、上記の3次元立体形状織物で製造されることを特徴とするブラインドを提供する。
【発明の効果】
【0030】
上述のように、本発明の実施例に係る織物は、従来の織物の製織方法で製織するものの、2次元的形状に過ぎなかった織物を3次元的立体形状に形状変化が可能であるという効果があり、本発明の3次元立体形状織物は、中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造であるため、光を完全に遮断してプロジェクターを使う映画館、講義室、プレゼンテーション室、実験室など光を完全に遮断しなければならない室内などで有用に使用できるという効果がある。
【0031】
また、本発明の実施例による織物およびその製造方法は、2次元形状と3次元形状への変換により織物のデザイン、深色性および遮光効果をそれぞれ異にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の望ましい実施例による織物における経糸の進行方向に沿った断面図
【図2】本発明の第1実施例による織物の製織方法を示す断面概念図
【図3】本発明の第1実施例による織物の製織方法を綜絖番号で示す断面概念図
【図4】本発明の第2実施例による織物の製織方法を示す断面概念図
【図5】本発明の第3実施例による織物における経糸の進行方向に沿った断面図
【図6】本発明の第3実施例による織物の製織方法を綜絖番号で示す断面概念図
【図7】本発明の第4実施例による織物における経糸の進行方向に沿った断面図
【図8】本発明の第4実施例による織物の製織方法を綜絖番号で示す断面概念図
【図9】本発明の実施例らの3次元立体形状織物の製織の手順を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の添付の図面を参照して、本発明の望ましい一実施例を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0034】
なお、図面中、同一の構成要素または部品に対してはできるだけ同一の符号を付す。また、本発明の説明において、関連する公知の機能あるいは構成についての具体的な説明は、本発明の要旨を明確にするために省略する。
【0035】
本明細書において使われる程度の用語“約”、“実質的に”等は、言及された意味に固有の製造および物質許容誤差が提示される時に、その数値またはその数値に近接した意味として使用し、本発明の理解のために正確にまたは絶対的な数値が言及されている開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用する。
【0036】
本明細書において使われる“織物”とは、狭い意味の織物、編成物、フェルト、プレート、不織布、接着織物、モールド織物の全てを意味する用語として使われる。ただし、本発明の実施例を説明するためには狭い意味の織物(woven)を例として説明する。したがって、本発明による織物の製織方法の説明においては、経糸と緯糸が交差して製織されることは当然であり、本明細書において‘経糸だけ製織される’という表現は経糸と緯糸が交差することを意味する。ただし、具体的に緯糸と交差しないという表現がある場合にはこの限りでない。
【0037】
本発明による3次元立体形状織物は3層構造で形成できる。実際には、図1のように製織されるが、理解のために、図2〜図8のように表面層100と裏面層200を離隔させて説明する。
【0038】
図1は本発明の望ましい実施例による織物における経糸の進行方向に沿った断面図であり、図2は本発明の第1実施例による織物の製織方法を示す断面概念図であり、図3は本発明の第1実施例による織物の製織方法を綜絖番号で示す断面概念図であり、図4は本発明の第2実施例による織物の製織方法を示す断面概念図であり、図5は本発明の第3実施例による織物における経糸の進行方向に沿った断面図であり、図6は本発明の第3実施例による織物の製織方法を綜絖番号で示す断面概念図であり、図7は本発明の第4実施例による織物における経糸の進行方向に沿った断面図であり、図8は本発明の第4実施例による織物の製織方法を綜絖番号で示す断面概念図であり、図9は本発明の実施例らの3次元立体形状織物の製織手順図である。
【0039】
本発明による3次元立体形状織物は、表面層100、裏面層200および上記表面層100と裏面層200を連結する中間層300から形成される。
【0040】
上記表面層100には表面接結部110と表面部120が、裏面層200には裏面接結部220と裏面部220が形成される。上記表面部120および裏面部220はそれぞれ2以上の表面経糸および裏面経糸だけで製織され、また表面接結部110および裏面接結部210は上記表面経糸と裏面経糸および中間層を構成する経糸から形成することができる。
【0041】
中間層は、図2〜図6に示すように、互いに異なる経糸からなる第1中間層と第2中間層が4以上の偶数の経糸の第1中間経糸および第2中間経糸だけから反復して形成されることにより、3次元立体形状織物を形成することができる。また、図7、図8に示すように、第1中間層が反復して形成されることにより3次元立体形状織物を形成することができる。
【0042】
上記中間層を構成する中間経糸はそれぞれ4以上の偶数本の経糸で構成され、一例として二重の織物層が中間層を形成する場合は最小限4本の経糸を有し、図2に示すように、二重の織物層で構成された第1中間層310、312と第2中間層320、322を形成できる。上記中間層のそれぞれの織物層は互いに離隔されるように製織される。
【0043】
本発明に係る3次元立体形状織物は様々な製造方法で製織できるが、基本的な製造工程は図9に示すように表面接結形成ステップ、裏面接結形成ステップ、表面部形成ステップ、中間層形成ステップ、裏面部形成ステップの順に行われる。
【0044】
図2、図3の本発明に係る第1実施例は、基本的に表面部120と裏面部220は他の経糸の関与しなく独立した経糸(表面経糸および裏面経糸)で製織される。図2に示されたA区間からそれぞれの経糸が関与する層を中心に製織の原理は、表面経糸と第1中間層310、312を形成する経糸(第1中間経糸)が共に製織され、第1表面接結部111を形成する。
【0045】
次いで、第1中間経糸は、単独に製織されて中間層300中の互いに離隔される織物層の第1中間層310、312を形成してから、裏面経糸とともに製織されて裏面層200に第2裏面接結部213を形成する。その後、第1中間経糸は緯糸と交差なく製織され、上記領域(B区間の裏面部)で裏面経糸だけが関与して裏面部220を形成する。続いて、第3表面接結部115が始まる地点で上記緯糸と交差なく製織された第1中間経糸(連結経糸、311)は、第3裏面接結部215の開始点と第3表面接結部115を互いに連結してから、表面経糸とともに第3表面接結部115を形成する。その後の過程は第1表面接結部111を形成した後と同一である。
【0046】
一方、上記第1表面接結部111と互いに異なる層に同一の位置において、裏面層200では第1裏面接結部211が形成される。基本的に裏面層200は裏面経糸だけで製織されるが、これは表面層と同一である。上記第1裏面接結部211は裏面経糸と第2中間経糸から形成される。その後、第2中間経糸は緯糸と交差なく製織され、この領域では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部220を形成する(A区間)。続いて上記緯糸と交差なく製織された第2中間経糸(連結経糸321)は第2裏面接結部213が始まる地点で表面層100の第2表面接結部113を形成するために表面経糸とともに製織される。この時、連結経糸321は第2表面接結部113と第2裏面接結部213を連結する役割をする。ここで上記第2表面接結部113と第2裏面接結部213は互いに異なる層に同一の垂直位置で製織される。第2表面接結部113を形成した第2中間経糸は中間層(ここではB領域の第2中間層)を形成するために、上記第2中間経糸だけで製織され、さらに裏面経糸とともに第3裏面接結部215を形成する。その後の製織はA領域と同一に行われる。
【0047】
上記第2中間層は上記第1中間層と同一に離隔される織物層から形成される。
【0048】
図3は本発明による織物の製織方法を綜絖番号で単純化したものであり、二重の離隔される織物層を有する中間層を形成する時、表面経糸を1、2、裏面経糸を3、4、第1中間経糸を5、6、7、8、第2中間経糸を9、10、11、12とすると、表面部120および裏面部220は基本的に表面経糸1、2、裏面経糸3、4で製織され、表面層の第1および第3接結部111、115は1、2、5、6、7、8で、第2接結部113は1、2、9、10、11、12で製織される。裏面層の第1および第3接結部211、215は3、4、9、10、11、12で、第2接結部213は3、4、5、6、7、8で製織される。
【0049】
また、第1中間層310、312は5、6、7、8で製織され、織物層は5、6だけから1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織される。上記第2中間層320、322も9、10、11、12で製織され、それぞれの織物層は9、10/11、12で互いに離隔されるように製織される。
【0050】
図2および図3を参照して、本発明による織物を実際の製織の手順により説明する。A区間の第1表面接結部111から始まる。すなわち、表面経糸と第1中間経糸が上記綜絖により開口運動をして第1表面接結部を形成するために緯糸と1回交差する。続いて、裏面経糸と第2中間経糸が開口運動をして第2裏面接結部を形成するために緯糸と交差する。上記第1表面接結形成ステップと第1裏面接結形成ステップはあらかじめ設計された接結部の長さ(例えば1cm)により順次的に反復されて、それぞれの接結部を製織し終わるまで続く。
【0051】
上記接結部111、211が全て形成されると、表面経糸だけが関与してA区間の表面部120を形成するために緯糸と交差し、第1中間層を形成するために第1中間経糸のそれぞれの織物層の経糸だけが緯糸と交差する。また、裏面層では裏面経糸だけが緯糸と交差して裏面部220を製織し始める。上記表面部形成−第1中間層形成−裏面部形成の手順が順次反復的に行われ、あらかじめ設計された長さ分だけそれぞれの第2接結部の直前まで続けられる。
【0052】
次いで、B区間を説明すると、A区間とは関与する経糸だけに違いがあり、製織方法は同一である。第2表面接結部113は上記第2中間経糸と表面経糸で、第2裏面接結部213は第1中間経糸および裏面経糸で製織される。その後、表面部は表面経糸で、第2中間層320は第2中間経糸で、裏面部は裏面経糸で上記A区間と同一に順次反復的に製織される。
【0053】
上記では経糸と緯糸の1回交差だけを基本に説明したが、経・緯糸の繊度や組織の構成に応じてその回数は各層ごとに異にすることができ、また、表面層から形成される手順を説明したが、中間層や裏面層から開始できることは当然である。
【0054】
上記のような方式で製織された織物は、連結経糸311、321によって表面層と裏面層が結合されているため、3次元的立体形状を発現できない。したがって3次元的立体形状の発現のためには上記連結経糸311、321を除去しなければならない。図4は連結経糸311、321を除去した状態の織物を示す。上記連結経糸が除去されることにより、表面層100と裏面層200は中間層300により互いに交差した形態に連結され、3次元的立体的形状の発現が可能になる。これを接結部として説明すると、第1表面接結部111と第2裏面接結部213は第1中間層310、312により連結され、第2表面接結部113と第3裏面接結部215は第2中間層320、322により連結される。このような構造は連続的に反復可能である。
【0055】
図4は本発明の第2実施例に係る織物の製織方法を示す概念図である。本実施例は上記説明した実施例と基本的な製織原理は同一である。しかしながら、連結経糸311、321の接結地点に違いがある。先にA区間を説明する。第1裏面接結部211を形成した第2中間経糸は、裏面部220が形成される区間aで緯糸と交差なく製織されることは上述した第1実施例と同一である。上記第1実施例では、第2中間経糸が第2裏面接結部213の始まる地点から表面経糸とともに第2表面接結部113を形成するように表面層100に移動するが、本実施例では裏面部220だけが形成される区間の任意の地点から表面層100に移動し、上記表面層に移動した第2中間経糸は表面部120の区間bで緯糸との交差なく製織される。その後、第2表面接結部113が形成される領域では表面経糸とともに製織されることは上記の実施例と同一である。また第1中間経糸も同一の方式で製織される。
【0056】
これにより、本実施例により製織された織物は、表面層および裏面層に緯糸と交差しない経糸が表面に露出することになる。このような点において裏面層にだけ緯糸と交差しない経糸が露出するといった第1実施例と違いがある。
【0057】
上記第1、第2実施例により製織された織物は、連結経糸311、321によって表面層と裏面層が結合されているため、3次元的立体形状を具現するためには上記連結経糸311、321を除去しなければならない。本実施例による織物の場合は、連結経糸の除去時、切断された連結経糸が繊維のランダム移動現象によって織物の内部に流入してしまうという欠点を防止できるという利点がある。
【0058】
上記連結経糸の除去方法としては様々な方法があるが、一例として剪毛(shearing、毛刈り)法によって除去することができる。すなわち、裏面層200で緯糸と交差せず露出した経糸を切断した後吸入方式により除去することもできる。
【0059】
図5〜図6は本発明の第3実施例を示し、上述した製織方法と、基本的に表面層および裏面層を形成し、これらの間に中間層を形成する原理は同一であるが、製織中における中間層の経糸の進行に差がある。
【0060】
先ず、A区間の進行について説明する。表面層100の表面部120は他の経糸の関与なく表面経糸だけで製織され、その後、第2表面接結部113は表面経糸と第2中間経糸で製織される。一方、第2中間層320は第2中間経糸だけで製織されることは上記実施例と同一である。続いて、第2中間層320の連結経糸321は、表面層上に露出して突出部400を形成するが、図5の部分拡大図のように2本の緯糸が連結経糸321を上下方向に巻き付ける形態でなる。上記緯糸と交差した連結経糸321は、その後、裏面経糸とともにB区間の裏面層200を形成し、第3裏面接結部215でも裏面経糸とともに製織される。一方、A区間の裏面層200は、裏面経糸と第1中間経糸が共に製織されて区間を形成し、第2裏面接結部213も裏面経糸と第1中間経糸から形成する。続いて、上記第1中間経糸はB区間で第1中間層310を形成し、表面経糸と接して第3表面接結部115を形成し、別途の緯糸と表面に突出した状態で露出(400)した後、第3裏面接結部215の以後で裏面経糸と接して裏面層を共に形成する。すなわち、本実施例で裏面層200の裏面部220は、裏面経糸と第1または第2中間経糸が関与して裏面部220と裏面接結部210を形成し、他の区間では第2または第1中間経糸が関与して交互に反復的に裏面層を形成する。
【0061】
図6は本発明による織物の製織方法を綜絖番号で単純化したものであって、表面層100の経糸を1、2、裏面層200の経糸を3、4、第1中間層310の経糸を5、6、7、8、第2中間層320の経糸を9、10、11、12とすると、表面層は基本的に1、2で製織され、表面層の第1および第3接結部111、115は1、2、5、6、7、8で、第2接結部113は1、2、9、10、11、12で製織される。一方、裏面層では、第1裏面接結部211までは裏面層と上記接結部が3、4、9、10、11、12で製織され、それから第2裏面接結部213までは裏面層と上記接結部が3、4、5、6、7、8で、続いて第3裏面接結部215までは裏面層と上記接結部が再度3、4、9、10、11、12から形成され、このような過程が順次的に反復される。第1および第2中間層はそれぞれ5、6、7、8と9、10、11、12で製織される。
【0062】
一方、本実施例による織物も上記連結経糸311、321によって表面層と裏面層が互いに分離しない。そのために上記連結経糸を除去しなければならないが、上記言及した通り、剪毛工程によって除去することもできるが、上記表面層に露出した経糸400を除去することで、より容易に連結経糸を除去できる。すなわち、上記表面層に露出した連結経糸は緯糸により固定されており、上記緯糸は幅方向に連続的に上記連結経糸(除去用緯糸)とともに露出することになる。
【0063】
上記表面に露出した除去用緯糸を上昇させて除去する場合、上記緯糸に共に交差している連結経糸も共に上昇し、それぞれの接結部で切断が行われて上記緯糸とともに連結経糸は全て除去することができる。
【0064】
図7〜図8は本発明の第4実施例を示し、上述した第1実施例〜第3実施例は全て中間層が第1、第2中間層から形成される。すなわち、第1実施例〜第3実施例は、中間層が互いに異なる2本の経糸を使って2つ単位で反復されて、本発明に係る3次元立体形状織物を製造する。このような方法は緯糸が製織されない経糸が多いため剪毛しなければならない経糸が多く、工程も複雑になる。
【0065】
本発明の第4実施例は、上述した実施例らと基本的に表面層および裏面層を形成し、これらの間に複数の織物層が互いに離隔される多層構造の中間層を形成する原理は同一であるが、接結部を構成する経糸に違いがある。
【0066】
図7に示すように、先ず、表面部120と裏面部220は他の経糸の関与なく独立した経糸で製織される。
【0067】
表面接結部110は表面部120の経糸と中間層310、312のそれぞれの織物層を構成する経糸の一部で製織され、裏面接結部210は裏面部220の経糸と上記中間層310、312のそれぞれの織物層を構成する経糸中の上記表面接結部110を構成しないその他の経糸で製織される。すなわち、2本の経糸で織物層が構成される場合、その中の1本の経糸は表面接結部を構成し、他の1本の経糸は裏面接結部を構成することになる。
【0068】
上記表面接結部110を構成する織物層の経糸は、中間層を形成し、裏面接結部210が始まる地点で緯糸と交差なく表面接結部110と連結する先連結経糸313を形成し、表面部120の経糸とともに表面接結部110を形成することになる。
【0069】
上記裏面接結部210を構成する織物層の経糸は、裏面部220の経糸と裏面接結部210を形成し、裏面接結部が終わる地点で緯糸と交差なく表面接結部110と連結する後連結経糸315を形成した後、中間層310、312を形成する。
【0070】
図8は本発明による織物の製織方法を綜絖番号で単純化したものであって、二重の離隔される織物層を有する中間層を形成する時、表面経糸を1、2、裏面経糸を3、4、中間経糸を5、6、7、8とすると、表面部120および裏面部220は基本的に表面経糸1、2、裏面経糸3、4で製織され、表面接結部110は1、2、6、8で、裏面接結部210は3、4、5、7で製織される。
【0071】
また、中間層310、312は5、6、7、8で製織され、織物層は5、6だけから1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織される。
【0072】
上記第4実施例は上述した第1実施例〜第3実施例より工程が単純であり、製造された3次元立体形状織物は表面接結部と裏面接結部を連結する2本の連結経糸が形成されるが、表面層と裏面層の外部に露出する経糸がなく、突出部が形成されないという利点がある。
【0073】
本実施例で製造された織物は、先・後連結経糸313、315によって表面接結部110と裏面接結部210が結合されているため、3次元的立体形状を具現するためには上記先・後連結経糸313、315を除去しなければならない。上記連結経糸の除去は上述した方法によって行うことができる。
【0074】
上述した本発明に係る3次元立体形状織物の形態安定性をより向上させたり、剛性を補強するために熱処理工程を行うことができる。望ましくは、剪毛ステップの前に熱処理を行って織物に剛性を付与することができる。これは、熱処理前に剪毛ステップを行うと、多層織物が密着した状態で切断のような過激な作用が織物に加えられることで、織物損傷が発生するためである。
【0075】
そのために上記経糸および/または緯糸に低融点糸を使って製織することができる。上記低融点糸は、分子構造の改質、共重合、ブレンディング、紡糸工程制御、複合紡糸からなる方法から選択された1以上の方法により意図的に融点を低くし、約120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加える場合、表面が微細に融着される物性を有した原糸であればいずれも可能である。具体的に韓国特許第289414号明細書に提案されたテレフタル酸またはこれのエステル形成誘導体とエチレングリコールとネオペンチルグリコールを共重合させて製造したコポリエステル系バインダー繊維を使うこともできる。また、複合紡糸によって製造された低融点糸が使用可能であるが、上記低融点糸はコア部が支持の役割をし、シース部が熱処理時に融着される部分であって、韓国特許第587122号明細書に提案された低融点成分と高融点成分からなり、上記低融点成分が繊維方向に繊維表面の少なくとも一部を連続的に形成し、ガラス移転温度が60℃以上であり、50〜70モル%がポリエチレンテレフタレート単位からなっている共重合ポリエステル80〜99重量%とポリオレフィン20〜1重量%との混合物で構成された熱融着性複合繊維を使うこともできる。
【0076】
一方、経糸および/または緯糸を低融点糸と難燃糸を混合して使うこともでき、低融点部と難燃部から形成された複合繊維(シース−コア型、分割型、多重海島型など)やあるいは低融点糸と難燃糸の混紡糸も可能である。この場合、産業用素材として特にカーテン地やブラインド用への活用が可能である。この時、上記低融点部と難燃部または低融点糸と難燃糸の割合は約15:85〜50:50重量%が望ましい。難燃部(糸)が上記割合未満で含まれると難燃効果が低下し、上記範囲を超過して含まれると熱処理時低融点部(糸)の融着程度が低く、織物にスティッフ性質付与効果が僅かであるという欠点がある。
【0077】
本発明による織物は、上記表面層、裏面層、中間層はそれぞれ組織の密度を異にして製織できる。例えば、表面層と裏面層をメッシュ構造で製織し、中間層をこれよりもさらに密度の高い構造で形成する場合、上記織物から立体的形状が発現しない場合(図1のような場合)には織物を境に内外部が互いに露出しない構造であるが、本発明に係る3次元立体形状織物が立体的形状を発現する場合、中間層が表面層および裏面層に対して垂直形態に移動し、これにより、表面層と裏面層のメッシュ構造により織物の内外部が互いに露出される構造が実現される。
【0078】
これは遮光や保安素材への活用可能性を意味し、衣類素材としても新たな機能を発現することができる。そのために表面層および裏面層において経糸と緯糸の間隔を0.2〜2mmで位置させるとより一層望ましい効果を発現することができる。また、本発明による織物は、上記表面層、裏面層、中間層の組織構造やデザインを異にして製織できることは勿論である。
【符号の説明】
【0079】
100 表面層
110 表面接結部
120 表面部
200 裏面層
210 裏面接結部
220 裏面部
300 中間層
400 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層に製織されて形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で形成されることを特徴とする3次元立体形状織物。
【請求項2】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、
基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層を構成する経糸で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、
基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と裏面経糸および上記中間層を構成する経糸から形成された裏面接結部が順次反復的に製織された裏面層と、
中間層を構成する経糸だけで互いに離隔される多層構造で製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、
上記裏面部の表面には上記中間層を構成する経糸が緯糸との交差なく製織されて外部に露出し、製織後に上記露出した経糸を剪毛させることで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物を提供する。
【請求項3】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、
基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層を構成する経糸で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、
基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と裏面経糸および上記中間層を構成する経糸から形成された裏面接結部が順次反復的に製織された裏面層と、
中間層を構成する経糸だけで互いに離隔される多層構造で製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、
上記裏面部および表面部の表面には上記中間層を構成する経糸が緯糸との交差なく製織されて外部に露出し、製織後に上記露出した経糸を剪毛させることで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物。
【請求項4】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、
基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層を構成する経糸で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、
基本的に裏面経糸および上記中間層を構成する経糸から形成された裏面部および裏面接結部が順次反復的に製織された裏面層と、
中間層を構成する経糸だけで製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、
上記表面層には上記中間層を構成する経糸が別途の緯糸と交差して織物の表面に露出した突出部が形成され、
製織後に上記突出部を除去することで3次元立体形状の発現が具現されることを特徴とする3次元立体形状織物。
【請求項5】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で形成され、
基本的に表面経糸だけからなる表面部と表面経糸および上記中間層の織物層を構成する経糸の一部で製織された表面接結部が順次反復的に形成された表面層と、
基本的に裏面経糸だけからなる裏面部と裏面経糸および上記中間層の織物層を構成する経糸中の上記表面接結部を構成しないその他の経糸で製織された裏面接結部が順次反復的に形成された裏面層と、
中間層を構成する経糸だけで製織され、上記表面接結部および裏面接結部に順次反復的に連結された中間層とを含み、
上記表面接結部と裏面接結部を連結する中間層の連結経糸を剪毛することで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物。
【請求項6】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、表面層と裏面層は、それぞれの表面部および裏面部と中間層と接するそれぞれの接結部から形成され、
表面層および裏面層は基本的に2以上の経糸から形成され、第1中間層と第2中間層は4以上の偶数の経糸から形成され、
表面部および裏面部は基本的な2以上の経糸で製織され、
表面層の第1および第3接結部は表面部と第1中間層の経糸で、第2接結部は表面部と第2中間層の経糸で製織され、
裏面層の第1および第3接結部は裏面部と第2中間層の経糸で、第2接結部は裏面部と第1中間層の経糸で製織され、
第1、第2中間層は1つの織物層が2以上の経糸で製織されて複数の織物層が離隔されるように製織され、
上記裏面層の外部に露出した中間層の連結経糸を剪毛することで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物。
【請求項7】
綜絖番号として表面層の経糸を1、2、裏面層の経糸を3、4、第1中間層の経糸を5、6、7、8、第2中間層の経糸を9、10、11、12とすると、
表面部は1、2で、裏面部は3、4で製織され、
表面層の第1および第3接結部は1、2、5、6、7、8で、第2接結部は1、2、9、10、11、12で製織され、
裏面層の第1および第3接結部は3、4、9、10、11、12で、第2接結部は3、4、5、6、7、8で製織され、
第1中間層は5、6から1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して離隔されるように製織され、
第2中間層は9、10から1つの織物層を形成し、11、12から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織されて形成されることを特徴とする請求項6に記載の3次元立体形状織物。
【請求項8】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で第1中間層と第2中間層から形成され、表面層および裏面層は、それぞれの表面部および裏面部と中間層と接するそれぞれの接結部から形成され、
表面層および裏面層は基本的に2以上の経糸から形成され、第1中間層と第2中間層は4以上の偶数の経糸から形成され、
表面部は基本的な2つ以上の経糸で製織され、
第1、第2中間層は1つの織物層が2以上の経糸で製織されて複数の織物層が離隔されるように製織され、
表面層の第1および第3接結部は表面部と第1中間層の経糸で、第2接結部は表面部と第2中間層の経糸で製織され、
裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と上記接結部が裏面層と第2中間層の経糸で、それから第2裏面接結部までは裏面部と上記接結部が裏面層と第1中間層の経糸で、続いて第3裏面接結部までは再度裏面層と第2中間層の経糸で製織され、このような過程が順次反復されて上記表面層の外部に露出した突出部を除去することで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物。
【請求項9】
綜絖番号として表面層の経糸を1、2、裏面層の経糸を3、4、第1中間層の経糸を5、6、7、8、第2中間層の経糸を9、10、11、12とすると、
表面部は1、2で製織され、
第1中間層は5、6から1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織され、
第2中間層は9、10から1つの織物層を形成し、11、12から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織され、
表面層の第1および第3接結部は1、2、5、6、7、8で、第2接結部は1、2、9、10、11、12で製織され、
裏面層では第1裏面接結部までは裏面部と上記接結部が3、4、9、10、11、12で、それから第2裏面接結部までは裏面部と上記接結部が3、4、5、6、7、8で、続いて第3裏面接結部までは再度裏面部と上記接結部が3、4、9、10、11、12で製織されて順次反復されることを特徴とする請求項8に記載の3次元立体形状織物。
【請求項10】
3次元立体形状織物において、
上記織物は、表面層、裏面層および上記表面層と裏面層を連結する中間層から形成され、
上記中間層は複数の織物層が互いに離隔される多層構造で複数の織物層から形成され、表面層と裏面層は、それぞれの表面部および裏面部と中間層と接するそれぞれの接結部から形成され、
表面層および裏面層は基本的に2以上の経糸から形成され、中間層は4以上の偶数の経糸から形成され、
表面部および裏面部は基本的な2以上の経糸で製織され、
中間層は1つの織物層が2以上の経糸で製織されて複数の織物層が離隔されるように製織され、
表面接結部は表面層の経糸とそれぞれの織物層の経糸の一部で製織され、
裏面接結部は裏面層の経糸と上記表面接結部を構成するそれぞれの織物層の経糸を除いたその他の織物層の経糸で製織され、
上記表面接結部と裏面接結部を連結する中間層の連結経糸を剪毛することで形成されることを特徴とする3次元立体形状織物。
【請求項11】
綜絖番号として表面層の経糸を1、2、裏面層の経糸を3、4、中間層の経糸を5、6、7、8とすると、
表面部は1、2で、裏面部は3、4で製織され、
中間層は5、6から1つの織物層を形成し、7、8から他の1つの織物層を形成して互いに離隔されるように製織され、
表面接結部は1/2/6/8で、裏面接結部は3、4、5、7で製織されて形成されることを特徴とする請求項10に記載の3次元立体形状織物。
【請求項12】
織物に使われる経糸、緯糸または経糸および緯糸は低融点糸で製織されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物。
【請求項13】
上記低融点糸は、分子構造の改質、共重合、ブレンディング、紡糸工程制御、複合紡糸からなる方法から選択された1以上の方法により意図的に融点を低くし、120〜190℃の温度範囲内で熱処理を加える場合、表面が微細に融着される物性を有した原糸であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物。
【請求項14】
織物に使われる経糸、緯糸または経糸および緯糸は、低融点糸と難燃糸が混合した原糸または低融点部と難燃部からなる複合繊維で製織されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物。
【請求項15】
織物の形態安定性をより向上させたり、剛性を補強するために製織された織物に熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物。
【請求項16】
上記表面層と裏面層はメッシュ構造で製織されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物。
【請求項17】
上記中間層は、上記表面層と裏面層よりも織物の密度がより高い構造で製織されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物。
【請求項18】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物で製造されることを特徴とする衣類。
【請求項19】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物で製造されることを特徴とする産業素材。
【請求項20】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の3次元立体形状織物で製造されることを特徴とするブラインド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−180524(P2010−180524A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26532(P2010−26532)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(509284082)ウーングジン ケミカル カンパニー,リミテド (7)
【出願人】(509284071)ユーイル コーポレーション カンパニー,リミテド (5)
【Fターム(参考)】