説明

3,3−ジフェニルプロピルアミンを得る方法

本発明は、3,3−ジフェニルプロピルアミン(I)(但し、Rは、H、アルキル、ハロアルキル又はアルコキシアルキルであり、Rは、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、NO、CN、遊離であるか若しくは保護されていてもよいCHO、CHOH又はCOORであり、R及びRは、独立に、H及びアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する)を得る方法に関する。本発明の方法は、プロピレンフェニルアミンと二置換芳香族炭化水素を反応させること、必要に応じて、所望のエナンチオマー又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は化合物(I)を塩に変換することからなる。化合物(I)は、ムスカリン性受容体アンタゴニストであり、尿失禁及び膀胱機能亢進のその他の症状の治療に使用することができる。前記化合物は、トルテロジンを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3,3−ジフェニルプロピルアミン、これらのエナンチオマー若しくはその混合物、又は薬剤として許容される塩を含むこれらの塩を得る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3,3−ジフェニルプロピルアミンは、ムスカリン性受容体アンタゴニストとして作用し、尿失禁及び膀胱機能亢進のその他の症状の治療に有用であることが知られている。前記化合物には、化合物N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(その(R)エナンチオマーは、化合物(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン[(R)−トルテロジン]の国際一般名称、トルテロジンである)が含まれる。(S)エナンチオマー、(S)−(−)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン又は(S)−トルテロジン、及び泌尿器及び胃腸障害の治療へのその使用が、国際特許出願WO98/03067に記載されている。トルテロジン及びいくつかのその誘導体の哺乳動物における喘息の治療への使用が、特許US6,538,035に記載されている。
【0003】
トルテロジン及び他の3,3−ジフェニルプロピルアミン類似体は、最初に、特許US5,382,600に記載された。前記特許には、一般に、トシレートをジイソプロピルアミンで置換することに基づくトルテロジン及びその類似体を製造する方法が記載された。前記方法はいくつかの欠点を有する。この置換反応は非常に緩徐に起こり、したがって、前記反応を実施するのに数日が必要であり、総収率が低い。ヨウ化メチル又は水素化アルミニウムリチウムなどの使用される試薬のあるものは高価であり、その使用には危険が伴う。これらすべてにより、全体の方法は、高価であり、あまり生産的ではない。
【0004】
トルテロジンを得る代替方法が、特許US5,922,914に記載されている。前記方法は、トルエン中で3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2H−ベンゾピラン−2−オンをDIBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム)で還元して、対応するヘミケタール、6−メチル−4−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オールを得て、次いでこれを還元的アミノ化させて、ラセミのトルテロジンを得ることを含む。高価で、有害であるDIBAL試薬を使用するので、この方法もいくつかの欠点を有し、したがって工業レベルで実用化するのには適していない。
【0005】
国際特許出願WO03/014060には、トルテロジンを得る方法が記載されており、この方法は、先の方法のいくつかの欠点を部分的に解決するが、依然として問題となるステップ、特に、中間体3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを得て、トシレート誘導体に変換し、次に、トシレートをジイソプロピルアミンで置換するステップを含む。これらのステップは、求核的置換反応を困難にする、トシレートの置換反応におけるジイソプロピルアミンの立体障害、それに必要な高温、及び数日にさえなる長い反応時間などの依然として重大な問題を有する。
【0006】
(R)−トルテロジンエナンチオマーを製造するための異なるアプローチは、一般に非常に高価な試薬である、不斉誘導化剤又はキラル補助基それぞれの関与を必要とする方法が記載されている、特許US6,310,248に又はAnderssonらにより、J.Org.Chem.1998、63、8067〜8070に記載のものなどのいくつかのエナンチオ選択的合成からなる。
【0007】
その方法のコストを低下させることを可能にし、同時に良好な収率及び有害性の低い試薬の使用を実現する、トルテロジン合成の代替方法がスペイン特許出願ES2,235,648に記載されている。この文献には、還元剤の存在下、3,3−ジヒドロキシプロパナール誘導体とジイソプロピルアミンとの間の還元的アミノ化反応を含む合成経路を用いてトルテロジンを得ることが詳述されている。しかしながら、出発アルデヒドを得るには、全体の方法をかなり長引かせるいくつかの合成ステップを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、最新技術に属する方法に伴う問題を解決し、よりコスト効果の高い試薬及び出発材料を得ることになる合成経路のステップ数を減少させることをさらに可能にするものを使用することによって、この方法のコスト効果を改良する、トルテロジン及び他の3,3−ジフェニルプロピルアミン類似体を得る代替方法を提供することが必要である。前記方法は、有利には、工業レベルで適用可能でなければならず、良好な収率及び品質を有する所望の生成物を提供しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記最新の合成技術に現存する様々な問題を克服する、3,3−ジフェニルプロピルアミン、特にトルテロジンを得る代替方法を提供するという問題を対処するものである。
【0010】
本発明によって提供される解決法は、発明者らは、フリーデル−クラフツタイプの芳香族求電子置換反応によって、式(II)のプロピレンフェニルアミン(以下に定義される)と式(III)の二置換芳香族炭化水素(以下に定義される)との反応から、式(I)の3,3−ジフェニルプロピルアミン(以下に定義される)、これらのエナンチオマー又はその混合物、これらの溶媒和物、水和物或いはこれらの塩(薬剤として許容される塩及び薬剤として許容されない塩を含む)を得ることが可能であり、非常に良好な収率を有する前記化合物がもたらされることが分かったという事実に基づいている。式(II)の前記化合物は、市販のコスト効果の高い出発化合物から得ることができる。
【0011】
本発明によって提供されるものなどの方法は、合成ステップの数が、最新技術の方法に比較してかなり減少し、同時に、非常に単純なステップに伴う高収率が実現されるという利点を有する。同様に、前記方法は有毒でなく、安価で無害な試薬から出発して、良好な収率及び薬剤の品質を有する、3,3−ジフェニルアミン、特に、N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−アミン、これらのエナンチオマー又はその混合物、これらの溶媒和物、水和物或いはこれらの塩、特にこれらの薬剤として許容される塩を提供することを可能にする。このすべてが、この方法の全体のコストを低下させ、前記方法を商業的に興味深いものとし、工業レベルで実用化することを可能にするのに寄与する。
【0012】
したがって、一態様では、本発明は、式(II)のプロピレンフェニルアミンを式(III)の二置換芳香族炭化水素と反応させること、次いで、必要に応じて、所望の(R)若しくは(S)エナンチオマー又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は式(I)の化合物をこれらの塩に変換することを含む、式(I)の3,3−ジフェニルプロピルアミンを得る方法に関する。
【0013】
式(I)の化合物の合成で有用な、式(II)の化合物は、市販でコスト効果の高い出発化合物から容易に得ることができる。したがって、別の態様では、本発明は、求核置換反応による、(IV)の化合物(以下に定義される)と式(V)の一級又は二級アミン(以下に定義される)との間の反応を含む方法によって得られた式(II)の化合物から式(I)の3,3−ジフェニルアミンを得る方法に関する。
【0014】
前記式(II)の化合物を得る方法は、本発明の追加の目的である。
【0015】
別の態様では、本発明は、式(II)の化合物の酸付加塩に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
一態様では、本発明は、式(I)の3,3−ジフェニルプロピルアミン、
【化1】


[式中、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は式、−(CH−O−Rのアルコキシアルキル(但し、nは、1から3の間を含む整数であり、RはC〜Cアルキルである)であり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、NO、CN、遊離であるか若しくは保護されていてもよいCHO、CHOH又はCOOR(但し、Rは、H又はC〜Cアルキル基である)であり、
及びRは、独立に、H及びC〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
そのエナンチオマー若しくはその混合物、その溶媒和物、水和物、又は塩
を得る方法であって、
a)式(II)の化合物を
【化2】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
式(III)の化合物と
【化3】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
反応させること、並びに
b)必要に応じて、所望の(R)若しくは(S)エナンチオマー、又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は式(I)の化合物をこれらの塩に変換すること
を含む方法(以降、本発明の方法[1])に関する。
【0017】
本明細書では、「ハロアルキル」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素などの1個又は複数のハロゲンで置換された直鎖又は分枝アルキル基に関する。
【0018】
「保護されたCHO」という用語は、この化合物の他の官能基は反応するが、カルボニル基の官能性をブロックするのに一般的に使用される基によって官能化又は保護されたカルボニル基に関する。前記の基は、カルボニル基のマスクを取るために場合により除去することができる。カルボニル基に対する適した保護基は、最新技術では知られており、Green T.W.、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic synthesis)」、John Wiley & Sons、ニューヨーク 1999に記載のものが含まれる。カルボニル基に対する保護基の例には、とりわけ、アルキルエステル、メチルエステル、エチルエステル、tert−ブチルエステル又はベンジルエステルなどのエステル、ジメトキシ、ジエトキシ若しくは他のC〜Cジアルコキシ、ジフェノキシなどのアルコキシ基、ジオキソラン、1,3−ジオキサンなどの環状ケタール或いはカテコールが含まれる。
【0019】
式(II)の生成物は、最新技術に記載されている方法、又は以下に詳述される本発明により提供される代替方法によって得ることができる。式(III)の化合物は既知であり、市販されている。
【0020】
式(II)のプロピレンフェニルアミンと式(III)の二置換芳香族炭化水素との反応は、式(III)の化合物中に存在する芳香環のオルト位のフリーデル−クラフツタイプの求電子置換反応であり、前記フリーデル−クラフツタイプの芳香族求電子置換反応の触媒として作用する酸を含む反応媒体中で実施される。この反応を実施するために、実質的には任意のタイプの酸を使用することができる。この反応は、一般に高収率(典型的には、85%から90%の間を含む)で行われ、それによって、本発明により提供される式(I)の化合物を得る方法の高収率の一因となる。
【0021】
特定の実施形態では、前記酸は無機酸である。使用することができる無機酸の例示的で非限定的な例には、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、リン酸等、及びこれらの混合物がある。前記無機酸は、水性懸濁液又は溶液の形態で使用することができる。
【0022】
別の特定の実施形態では、前記酸は、有機酸、有利には強有機酸である。使用することができる有機酸の例示的で非限定的な例には、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等、又はこれらの混合物がある。
【0023】
別の特定の実施形態では、この反応媒体は、1種又は複数の無機酸及び1種又は複数の有機酸を含む。使用することができる前記無機及び有機酸の例示的で非限定的な例は、すでに上述されている。特定の実施形態では、この反応媒体は、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される無機酸並びに例えば酢酸などの有機酸を含む。
【0024】
別の特定の実施形態では、前記酸は、例えば、AlCl、SnCl、ZnCl、BF等、又はこれらの混合物などのルイス酸である。
【0025】
この芳香族求電子置換反応は、式(III)の化合物の反応性に応じて、異なる条件で実施することができる。
【0026】
式(III)の化合物のRが水素である場合、芳香族求電子置換反応はいくつかの方法で、例えば、
無機酸、例えば、水性臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、リン酸又はこれらの混合物、並びに場合により有機酸、例えば酢酸を含む反応媒体中で、60℃から還流温度の間、好ましくは80℃から還流温度の間を含む温度で、式(II)の化合物の当量当たり、式(III)由来のフェノール[R=H]を1から4当量の間用いて、或いは
ルイス酸を用いて(この場合は、この芳香族求電子置換反応は、好ましくは、ルイス酸に加えてジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、酢酸等の有機溶媒を含む反応媒体中で、室温(典型的には、18℃から22℃の間)から還流温度の間、好ましくは室温から60℃の間を含む温度で、式(II)の化合物の当量当たり式(III)由来のフェノール[R1=H]を1から4当量の間用いて実施する。ルイス酸としては、好ましくはA1Clを使用することができるが、他のルイス酸、例えば、SnCl、ZnCl、BF等を使用することもできる)、
有機酸、例えば、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等、及び場合により、トルエン、キシレン等の高沸点を有する溶媒、及び/又は他の(有機又は無機の)酸、例えば酢酸を含む反応媒体中で、室温(典型的には、18℃から22℃の間)から還流温度の間、好ましくは40℃から還流温度の間を含む温度で、式(II)の化合物の当量当たり式(III)由来のフェノール[R=H]を1から4当量用いて、実施することができる。
【0027】
式(III)の化合物のRが水素とは異なる、即ち、C〜Cアルキル又はC〜Cハロアルキル、或いは、式、−(CH−O−Rのアルコキシアルキル(但し、n及びRは、上で定義されたものである)の場合、この芳香族求電子置換反応は様々な方法で、例えば、
(臭化水素酸以外の)無機酸、例えば、一般に水性過塩素酸、硫酸、塩酸、リン酸又はこれらの混合物を含む反応媒体中で、80℃から還流温度の間を含む温度、好ましくは還流温度で、式(II)の化合物の当量当たり式(III)由来のアルコキシ[R≠H]を4から16当量の間用いて、或いは
前記式(II)の化合物が溶媒としての機能も果たし、ルイス酸、例えば、AlCl、SnCl、ZnCl、BF等を含む反応媒体中で、20℃から100℃の間、好ましくは40℃から60℃の間を含む温度で、式(II)の化合物の当量当たり式(III)由来のアルコキシ[R≠H]の4から16当量の間を用いて、或いは
式(II)の化合物の当量当たり式(III)由来のアルコキシ[R≠H]を4から12当量の間、及び有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等、及び、場合によりもう1つの若しくは他の有機酸、例えば酢酸等を用いて、80℃から還流温度の間、好ましくは100℃から還流温度の間を含む温度で
実施することができる。
【0028】
式(I)の化合物は、キラル炭素を有し、したがって、その単離された(R)若しくは(S)エナンチオマーの形態で又は前記エナンチオマーの混合物の形態で存在する。この説明では、「エナンチオマーの混合物」又は「エナンチオマー混合物」という用語は、両方の、ラセミ混合物及びエナンチオマーの任意の1つに富む混合物を含む。得られた式(I)の化合物の(R)及び(S)エナンチオマーは、エナンチオマーの混合物を分割する従来の方法によって、例えば、分別蒸留、慣例的なクロマトグラフの方法等を用いて分離することができる。特定の実施形態では、本発明により提供される方法によって得られた式(I)の化合物は、エナンチオマーの混合物の形態で、例えばラセミ混合物の形態で得られる。したがって、必要に応じて、得られたエナンチオマーの混合物をその対応するエナンチオマーに分割して、所望のエナンチオマーを得ることができる。特定の実施形態では、前記エナンチオマーは、エナンチオマー(R)[(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン]、又は(R)−トルテロジンとしても知られているトルテロジンであり、薬剤として有用である。他の特定の実施形態では、前記エナンチオマーは、エナンチオマー(S)[(−)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン]、又は(S)−トルテロジンであり、これも治療用途を有する。
【0029】
エナンチオマーの混合物は、任意の従来の方法、例えば、キラルクロマトグラフカラムを用いて又は適当な(キラルの)光学活性の酸に対応するエナンチオマーの塩の分別晶出を用いて分割することができる。特定の実施形態では、式(I)の化合物の(R)エナンチオマーは、エナンチオマーの混合物をL−酒石酸で処理することによる光学分割を用いて分離される。この(R)−トルテロジンL−酒石酸塩又は適当なキラルの酸に対応する任意の他の塩は、所望の純度を有する式(I)の化合物の(R)エナンチオマーを得るまでに必要な回数だけ結晶化させることができる。同様に、必要に応じて、得られたエナンチオマーを、当業者には既知の従来の方法を用いて、薬剤として許容されるこれらの塩に又は薬剤として許容されないこれらの塩に変換することができる。
【0030】
式(I)の化合物は、アミンであり、適当な酸と反応した場合、有機又は無機の酸と付加塩を形成することができる。前記塩には、薬剤として許容される塩、及び合成、所望の式(I)の化合物又は薬剤として所望の塩の単離又は精製に有用であることもある薬剤として許容できない塩(即ち、薬剤として許容されない塩)が共に含まれる。前記塩の例示的で非限定的な例には、これらに限らないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩が含まれる。前記塩は、遊離のアミンと当該の酸との反応によって従来の方法で得ることができる。特定の実施形態では、前記塩は、薬剤として許容される塩、例えば、臭化水素酸塩又は酒石酸塩である。前記塩は、遊離のアミンと臭化水素酸の反応によって、又は酢酸の存在下で臭化水素酸による処理による付加反応を実施した結果として、或いは酒石酸との反応によって得ることができる。必要に応じて、前記付加塩は、従来の方法によって、例えば、前記塩を含む溶液のpHを遊離のアミンを得るまで変化させることによって、対応する遊離のアミンに場合により変換することができる。
【0031】
式(I)の化合物は、遊離の塩基で又は塩の形態で得ることができる。いずれの場合も、共に遊離の化合物として及び溶媒和物(例えば水和物)として結晶の形態で得ることができ、両方の形態は、本発明の範囲に包含される。この溶媒和法は、最新技術で一般に知られている。
【0032】
本発明の方法[1]は、式(I)の化合物、これらのエナンチオマー、水和物、溶媒和物及び塩を提供する。特定の実施形態では、前記方法は、Rが、H又はメチルであり、Rがメチルであり、R及びRが、共にイソプロピルである式(I)の化合物、好ましくは、RがHであり、Rがメチルであり、R及びRが、共にイソプロピルである式(I)の化合物、及びこれらのエナンチオマー又はその混合物並びにこれらの塩(薬剤として許容される塩及び薬剤として許容されない塩を含む)を提供する。特定の実施形態では、前記方法は、化合物N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、そのエナンチオマー又はその塩を提供する。特定の好ましい実施形態では、本発明の方法[1]は、化合物(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン又はその塩、例えば、臭化水素酸塩又は酒石酸塩を提供する。
【0033】
別の態様では、本発明は、式(I’)の3,3−ジフェニルプロピルアミン、
【化4】


[式中、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、NO、CN、遊離であるか若しくは保護されていてもよいCHO、CHOH又はCOOR(但し、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり、
及びRは、独立にH、C〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
そのエナンチオマー若しくはその混合物、その溶媒和物、水和物、又は塩
を得る方法であって、
a)式(II)の化合物を
【化5】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
式(III’)の化合物と
【化6】


[式中、
R’は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は
式、−(CH−O−Rのアルコキシアルキル(但し、nは1から3の間を含む整数であり、RはC〜Cアルキルである)であり、
は前記の意味を有する]
反応させて、式(I”)の化合物
【化7】


[式中、R’、R、R及びRは、前記の意味を有する]
を生じさせること、
b)R’を水素に変換して、式(I’)の化合物を得ること、並びに
c)必要に応じて、所望の(R)若しくは(S)エナンチオマー、又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は式(I’)の化合物をこれらの塩に変換すること
を含む方法に関する。
【0034】
式(II)の生成物は、最新技術に記載の方法によって、又は以下に詳細に説明する本発明により提供される代替方法を用いて得ることができる。式(III’)の化合物は、既知のものであり、市販されている。
【0035】
式(II)のプロピレンフェニルアミンと式(III’)の二置換芳香族炭化水素との反応は、式(III’)の化合物中に存在する芳香環のオルト位のフリーデル−クラフツタイプの求電子置換反応であり、前記フリーデル−クラフツタイプの芳香族求電子置換反応の触媒としての機能を果たす酸を含む反応媒体中で実施する。しかしながら、本発明の方法[1]とは異なり、この方法では、このステップは、この分子のアルコキシド基を脱アルキル化することになると考えれば、臭化水素酸水溶液を使用して実施することはできず、したがって、他の酸、例えば、硫酸、過塩素酸等及びこれらの混合物などの無機酸水溶液、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等、及びこれらの混合物などの有機酸、又はA1Cl、SnCl、ZnCl、BF等のルイス酸を使用する。
【0036】
特定の実施形態では、前記酸は、上記の理由のために、臭化水素酸以外の無機酸である。使用することができる無機酸の例示的で非限定的な例には、通常、過塩素酸、硫酸水溶液等、及びこれらの混合物が含まれる。
【0037】
別の特定の実施形態では、前記酸は有機酸、有利には強有機酸である。使用することができる有機酸の例示的で非限定的な例には、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等、又はこれらの混合物が含まれる。
【0038】
別の特定の実施形態では、この反応媒体は、臭化水素酸以外の1種又は複数の無機酸、及び1種又は複数の有機酸を含む。使用することができる前記無機及び有機酸の例示的で非限定的な例は、すでに上述した。特定の実施形態では、この反応媒体は、過塩素酸、硫酸及びこれらの混合物からなる群から選択される無機酸、及び例えば酢酸などの有機酸を含む。
【0039】
別の特定の実施形態では、前記酸は、例えば、AlCl、SnCl、ZnCl、BF等又はこれらの混合物などのルイス酸である。
【0040】
この芳香族求電子置換反応は、式(III’)の化合物の反応性に応じて、異なる条件で実施することができる。実例として、前記芳香族求電子置換反応は、
一般に無機酸水溶液(臭化水素酸以外)、例えば、硫酸、過塩素酸等を含む反応媒体中で、80℃から還流温度の間を含む温度、好ましくは還流温度で、式(II)の化合物の当量当たり式(III’)由来のアルコキシを4から16当量の間用いて、或いは
ルイス酸、例えば、AlC1、SnCl、ZnCl、BF等を含む反応媒体中で、20℃から100℃の間、好ましくは40℃から60℃の間を含む温度で、溶媒としての機能も果たす式(II)の化合物の当量当たり、式(III’)由来のアルコキシを4から16当量の間用いて、或いは
式(II)の化合物の当量当たり式(III’)由来のアルコキシを4〜12当量、並びに有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等、及び場合により別の又は他の有機酸、例えば酢酸等を用いて、80℃から還流温度の間、好ましくは100℃から還流温度を含む温度で、
実施することができる。
【0041】
R’[C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は−(CH−O−Rアルコキシアルキル]を水素へ変換するステップb)は、最新技術で既知の任意の方法を用いて実施することができるが、特定の実施形態では、前記変換は、この化合物を酸、例えば、臭化水素酸水溶液で、場合により酢酸などの有機酸と共に処理することによる脱アルキル化反応を用いて実施することができる。特定の実施形態では、臭化水素酸水溶液と酢酸の混合物で処理することによってこの脱アルキル化反応を実施する。
【0042】
式(I’)の化合物は、キラル炭素を有し、したがって、その単離された(R)若しくは(S)エナンチオマーの形態で又は前記エナンチオマーの混合物の形態で存在する。得られた式(I’)の化合物の(R)及び(S)エナンチオマーは、エナンチオマーの混合物を分割する従来の方法によって、例えば、分別蒸留、慣例的なクロマトグラフの方法等を用いて分離することができる。特定の実施形態では、本発明により提供される方法によって得られた式(I’)の化合物は、エナンチオマーの混合物の形態で、例えば、ラセミ混合物の形態で得られる。したがって、必要に応じて、得られたエナンチオマーの混合物を、その対応するエナンチオマーに分割して、所望のエナンチオマーを得ることができる。特定の実施形態では、前記エナンチオマーは、(R)エナンチオマー[(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン]、又は(R)−トルテロジンとしても知られているトルテロジンであり、薬剤として有用である。他の特定の実施形態では、前記エナンチオマーは、(S)エナンチオマー[(S)−(−)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン]、又は(S)−トルテロジンであり、これも治療用途を有する。
【0043】
このエナンチオマーの混合物は、任意の従来の方法、例えば、キラルクロマトグラフカラムを用いて又は適当な(キラルの)光学活性の酸に対応するエナンチオマーの塩の分別晶出を用いて分割することができる。特定の実施形態では、式(I’)の化合物の(R)エナンチオマーは、エナンチオマーの混合物をL−酒石酸で処理することによる光学分割を用いて分離される。この(R)−トルテロジンL−酒石酸塩又は適当なキラルの酸に対応する任意の他の塩は、所望の純度を有する式(I’)の化合物の(R)エナンチオマーを得るまでに必要な回数だけ結晶化させることができる。同様に、必要に応じて、得られたエナンチオマーを、当業者には既知の従来の方法によって、薬剤として許容される塩に変換することができる。
【0044】
式(I’)の化合物は、アミンであり、適当な酸と反応する場合、有機又は無機の酸と付加塩を形成することができる。前記塩には、薬剤として許容される塩、及び合成、所望の式(I’)の化合物又は薬剤として所望の塩の単離又は精製に有用であることもある薬剤として許容されない塩が共に含まれる。前記塩の例示的で非限定的な例には、これらに限らないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩が含まれる。前記塩は、遊離のアミンと当該の酸との反応によって従来の方法で得ることができる。特定の実施形態では、前記塩は、薬剤として許容される塩、例えば、臭化水素酸塩又は酒石酸塩である。前記塩は、遊離のアミンと臭化水素酸の反応によって、又は酢酸の存在下での臭化水素酸による処理による付加反応を実施した結果として、或いは酒石酸との反応によって得ることができる。必要に応じて、前記付加塩は従来の方法によって、例えば、前記塩を含む溶液のpHを、遊離のアミンを得るまで変化させることによって、対応する遊離のアミンに場合により変換することができる。
【0045】
式(I’)の化合物は、遊離の塩基で又は塩の形態で得ることができる。いずれの場合も、遊離の化合物として及び溶媒和物(例えば水和物)として共に結晶の形態で得ることができ、両方の形態は、本発明の範囲に包含される。この溶媒和法は、最新技術で一般に知られている。
【0046】
この方法は、式(I’)の化合物、そのエナンチオマー、水和物、溶媒和物及び塩を提供する。特定の実施形態では、前記方法は、Rがメチルであり、R及びRが、共にイソプロピルである式(I’)の化合物、及びこれらのエナンチオマー又はその混合物並びにこれらの塩(薬剤として許容される塩及び薬剤として許容されない塩を含む)を提供する。特定の実施形態では、前記方法は、化合物N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、そのエナンチオマー又はその塩を提供する。特定の好ましい実施形態では、この方法は、化合物(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン又はその塩、例えば、臭化水素酸塩又は酒石酸塩を提供する。
【0047】
本発明の方法又は式(I’)の化合物の出発生成物である式(II)の化合物は、式(IV)の化合物と
【化8】


[式中、Yは脱離基である]
式(V)の一級又は二級アミン
【化9】


[式中、R及びRは、独立に、水素及び直鎖若しくは分枝C〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
とを反応させることを含む方法を用いて得ることができる。
【0048】
この反応は、式(IV)の化合物の当量当たり、1から8当量の間、好ましくは2から6当量の間で変化する比率である式(V)のアミンによる脱離基Yの求核置換反応からなる。任意の脱離基、有利には良好な脱離基を有する式(IV)の化合物を使用することができるが、Yは、ハロゲン、トシレート又はメシレートであることが好ましく、コスト効果の理由で、Yは、好ましくはBr又はClであり、YはClであることが好ましい。この反応を溶媒中で実施する。アルコール、トルエン、キシレン、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,2−ジクロロエタン等、好ましくは、アルコール、トルエン又はキシレン、さらにより好ましくは、5個以下の炭素原子を有するアルコール、例えば、エタノール又はイソプロパノール、好ましくはエタノールを溶媒として使用することができる。この反応は、室温(典型的には、18℃から22℃の間)から還流温度の間、好ましくは30℃から78℃の間、さらにより好ましくは、40℃から70℃の間を含む温度で実施する。
【0049】
アルコール溶媒、例えば、エタノール又はイソプロパノールを使用する特定の場合、この反応を0℃から溶媒の沸騰温度の間を含む温度で実施する。そしてまた、溶媒としてトルエン又はキシレンを使用する場合は、この反応を80℃から溶媒の沸騰温度の間を含む温度で実施する。
【0050】
最新技術には、脱離基としてOH基を含む式(IV)の化合物などの出発反応物を用いて、式(II)に含まれる化合物を得ることが記載されている(Masuyama,Y.ら、Chemistry Lett.、1995、12、1120)。しかしながら、このアミンが二重結合と反応するのを防止するために、SnClの存在下でのPd(PPhなどの触媒の作用が必要である。予想することができるものとは異なり本発明により提供される式(II)の化合物を得る方法では、式(V)の一級又は二級アミンは、プロペン部分の二重結合は攻撃せずに、むしろ、前記二重結合を不活性化する化合物の存在はなにも必要とせずに脱離基Yを置換する。
【0051】
特定の実施形態では、この方法は、R及びRが、共にイソプロピルである式(II)の化合物を得ることを可能にする。
【0052】
式(II)の化合物は、アミンであり、適当な酸と反応した場合、有機又は無機の塩と付加塩を形成することができる。前記塩の例示的で非限定的な例には、これらに限らないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩が含まれる。前記塩は、遊離のアミンと当該の酸との反応によって従来の方法で得ることができる。必要に応じて、前記付加塩は、従来の方法によって、例えば、前記塩を含む溶液のpHを遊離のアミンを得るまで変化させることによって、対応する遊離のアミンに場合により変換することができる。
【0053】
式(II)の化合物の酸付加塩は、それ自体本発明の追加の態様である。したがって、他の態様では、本発明は、前記式(II)の化合物及び酸を含む式(II)の化合物の酸付加塩に関する。前記酸は、有機又は無機の酸とすることができる。非限定的な一例にすぎないが、前記酸のアニオンは、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩等とすることができる。特定の実施形態では、R及びRは、共にイソプロピルである。他の特定の実施形態では、前記塩は、式(II)の化合物の塩酸塩又は臭化水素酸塩、好ましくは、N,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン塩酸塩又はN,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン臭化水素酸塩である。
【0054】
別の態様では、本発明は、式(I)の3,3−ジフェニルプロピルアミン、
【化10】


[式中、
は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は式、−(CH−O−Rのアルコキシアルキル(但し、nは1から3の間を含む整数であり、RはC〜Cアルキルである)であり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、NO、CN、遊離であるか若しくは保護されていてもよいCHO、CHOH又はCOOR(但し、Rは、H又はC〜Cアルキル基である)であり、
及びRは、独立に、H及びC〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
そのエナンチオマー若しくはその混合物、その溶媒和物、水和物、又は塩
を得る方法であって、
a)式(IV)の化合物を
【化11】


[式中、Yは脱離基である]
式(V)の一級又は二級アミンと
【化12】


[式中、R及びRは、独立に、水素及び直鎖若しくは分枝C〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
反応させて、式(II)の化合物
【化13】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
を得ること、
b)前記式(II)の化合物を式(III)の化合物と
【化14】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
反応させること、並びに
c)必要に応じて、所望の(R)若しくは(S)エナンチオマー、又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は式(I)の化合物をこれらの塩に変換することを含む方法、(以降本発明の方法[2])に関する。
【0055】
本発明の方法[2]のステップa)は、式(II)の化合物を得る方法に関連する上記のステップに対応し、一方、ステップb)及びc)は、上記の本発明の方法[1]のステップa)及びb)に対応する。
【0056】
本発明の方法[2]を用いて得ることができる式(I)の化合物、及びこれらのエナンチオマー又はその混合物、これらの溶媒和物、水和物、或いは塩は、本発明の方法[1](この内容が再現されるものとみなされる)に関連する上記のものに対応する。
【実施例】
【0057】
以下の実施例は、本発明を例示し、その範囲を限定するものとみなしてはならない。
【0058】
(実施例1)
N,N’−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン[R及びRがイソプロピルである、式(II)の化合物]の調製
A)シンナミルブロマイドから
シンナミルブロマイド10g(0.05モル、1当量)のエタノール10ml溶液を、30℃に加熱した、ジイソプロピルアミン28.5ml(0.2モル、4当量)のエタノール30ml溶液に1時間で添加する。ほぼ1時間後、反応は終了したものと考えられ、溶媒及びジイソプロピルアミンの残存物を減圧で蒸留することによって除去する。この残渣にトルエン100ml及び水150mlを加え、1から2の間のpHまで濃HClを添加し、これらの相を分離し、水相を、10から11の間のpHまで水酸化ナトリウムを添加することによって塩基化し、ヘプタン150mlで抽出し、水で洗浄する。有機抽出物を減圧で蒸留にかけて、表題の生成物に対応する重量8.6g(収率90%)の油を生じさせる。
【化15】

【0059】
B)シンナミルクロライドから
シンナミルクロライド73ml(0.52モル、1当量)のエタノール80ml溶液を、50℃に加熱した、ジイソプロピルアミン185ml(1.30モル、2.5当量)のエタノール240ml溶液に1時間で添加する。この反応を50℃で7時間及び60℃で14時間維持し、反応は終了したとみなされ、溶媒及びジイソプロピルアミンの残存物を減圧で蒸留することによって除去する。この残渣にトルエン160ml及び水240mlを加え、1から2の間のpHまで濃HClを添加し、これらの相を分離し、水相を12から13の間のpHまで水酸化ナトリウムを添加することによって塩基化し、ヘプタン250mlで抽出し、水で洗浄する。有機抽出物を減圧で蒸留にかけて、表題の生成物に対応する重量76.71g(収率67%)の油を生じさせる。
【0060】
この生成物をエタノールに溶解し、エタノール中にClH(g)の溶液を添加して、白色固体の形態で沈殿させることによって塩酸塩として単離することができる。
【0061】
(実施例2)
N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン[Rが水素であり、Rがメチルであり、R及びRがイソプロピルである、式(I)の化合物]の調製
A)臭化水素酸水溶液(aq BrH)/酢酸(AcOH)を用いて
N,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン5g(0.023モル、1当量)及びp−クレゾール6g(0.055モル、2.4当量)を、酢酸13mlの溶液に加える。形成された溶液に、48%HBr水溶液15mlを添加し、還流温度まで加熱する。この反応が終了すると、冷却し、形成した固体をろ過し、水で洗浄する。得られた固体は、未処理の臭化水素酸塩の形態のN,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(トルテロジン)を形成し、これをエタノール、メタノール又はイソプロパノール中で再結晶させて、精製されたN,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン臭化水素酸塩を得ることができる。未処理のN,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンの得られた量:6.56g。精製されたN,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンの得られた量:4.8g。
【0062】
或いは、この反応は、70%HClO水溶液又は硫酸水溶液を用い、100〜110℃に加熱して実施することができる。
【0063】
B)p−トルエンスルホン酸TsOH/酢酸(AcOH)を用いて
N,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン5g(0.023モル、1当量)及びp−クレゾール12g(0.055モル、4.8当量)を酢酸溶液に加える。前記溶液にp−トルエンスルホン酸21.86gを30分間で添加し、50℃で8時間及び最後に100℃で反応の終了まで加熱する。この揮発性物質を減圧蒸留し、反応混合物を水100mlとトルエン100mlの間に分配し、形成された懸濁液をpH9〜10にし、有機相を分離する。溶媒を減圧蒸留し、得られた反応塊をカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、油の形態の表題生成物を得る。精製されたN,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン塩基2g。
【0064】
(実施例3)
N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン[R及びRがメチルであり、R及びRがイソプロピルである、式(I)の化合物]の調製
A)AlClを用いて
アニソール8ml(0.065モル、8.2当量)及びN,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン塩酸塩2gを50mlフラスコに加える。AlCl2.1g(0.0157モル、2当量)を冷却した反応混合物に、発熱に注意して、温度が40℃を超えないように添加する。得られた懸濁液を40℃に達するまで加熱し、反応が終了したと考えられるまで15〜30時間これを維持する。N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンの大部分の存在と共に、主な不純物としてN,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって認められる。この反応混合物を、水60mlを加えてジクロロメタン100mlで抽出することによって処理する。この有機抽出物にさらに水100mlを加え、pH9〜10まで中和し、これらの相を分離し、有機相を取っておく。この溶媒を減圧で除去し、過剰なアニソール及び表題生成物(主として)からなる得られた残渣をクロマトグラフのカラムを通して、表題生成物を油として単離する。
【0065】
B)硫酸を用いて
アニソール46.8ml(0.367モル、4当量)及び水18mlを丸底フラスコに加える。得られた懸濁液を氷/水浴中で冷却し、98%硫酸24.8mlを、温度が40℃未満であるように制御して、ほぼ30分間かけて加える。反応混合物を100℃まで加熱し、この温度で塩基の形態のN,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン20gを、少なくとも30分間かけて添加する。反応の進行を、ほぼ1〜4時間におけるその終点までHPLCによって監視する。反応が終了すると、水150ml及びトルエン150mlを加え、この生成物は水相中に在り、アニソールは有機相中に在る。分離されたアニソールを含まない水相をpH12〜13まで中和し、ヘプタン150mlで抽出する。有機相を減圧蒸留し、酢酸エチルに変え、この溶液に酢酸中のBrHを滴下すると、N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンが臭化水素酸塩の形態で沈殿し、これをろ過し、追加の酢酸エチルで洗浄することができる。この母液を中和し、クロマトグラフカラムを通して、油の形態で表題生成物の第2の分画を得る。おおよその収率:50%。
【0066】
C)過塩素酸を用いて
アニソール11.7ml(0.092モル、4当量)及び水1.5mlを丸底フラスコに投入する。氷浴中で冷却されたこの混合物に、70%過塩素酸9.9mlを約30分かけて滴下する。反応混合物を80℃に加熱し、N,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン5gの添加を開始し、約30分間かける。この反応を1時間間隔でHPLCによって追跡する。5〜6時間後、主なピークとして、表題の生成物に対応するピークが観察される(過剰なアニソールを取り去ったあと、純度は80%を超える)。
【0067】
(実施例4)
(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン酒石酸塩[R及びRがメチルであり、R及びRがイソプロピルである式(I)の化合物]の調製
CHCl750ml及び水375ml中のN,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン臭化水素酸塩(53g、0.131モル)の懸濁液に、NaOH(50%)5.2mlを添加し、必要に応じて酢酸でpHを9.5に調整する。このpHに達したあと、45分間撹拌を続け、CHClで抽出して、遊離のアミン42.55gを得る。次いで、60℃のエタノール140mlに溶解した前記アミンに、60℃のエタノール280mlに溶解したL−酒石酸29.43gの溶液を添加する。この反応を60℃から70℃の間を含む温度に1時間維持し、0℃まで徐々に冷却し、前記温度にさらに1時間維持する。得られた白色沈殿をろ過し、14時間真空乾燥して、生成物31.08gを得る。次いで、エタノール1200mlを得られた生成物31.08gと混合し、80℃で30分間加熱する。蒸留によってエタノールの体積を半分に濃縮し、徐々に室温まで、続いて0℃で1時間冷却する。ろ過によって(R)−トルテロジンL−酒石酸塩が得られ、60℃で14時間真空乾燥して、生成物27.51gを得る。この方法を、再結晶した(R)−トルテロジンL−酒石酸塩27.51gで2回目の反復を行い、純度99.80%の光学活性化合物を22.23g得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の3,3−ジフェニルプロピルアミン、
【化1】


[式中、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は式、−(CH−O−Rのアルコキシアルキル(但し、nは、1から3の間を含む整数であり、RはC〜Cアルキルである)であり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、NO、CN、遊離であるか若しくは保護されていてもよいCHO、CHOH又はCOOR(但し、Rは、H又はC〜Cアルキル基である)であり、
及びRは、独立に、H及びC〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
そのエナンチオマー若しくはその混合物、その溶媒和物、水和物、又は塩
を得る方法であって、
a)式(II)の化合物を
【化2】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
式(III)の化合物
【化3】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
と反応させること、並びに
b)必要に応じて、所望の(R)若しくは(S)エナンチオマー、又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は式(I)の化合物をこれらの塩に変換すること
を含む方法。
【請求項2】
式(II)の化合物と式(III)の化合物の反応が、酸を含む反応媒体中で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸が無機酸である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無機酸が、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、リン酸及びこれらの混合物から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記酸が有機酸である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記有機酸が、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記反応媒体が、1種又は複数の無機酸及び1種又は複数の有機酸を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記反応媒体が、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、塩酸、リン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される無機酸並びに有機酸、好ましくは酢酸を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記酸がルイス酸である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記ルイス酸が、AlCl、SnCl、ZnCl、BF、又はこれらの混合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
得られた式(I)の化合物又はこれらの塩において、Rが、H又はメチルであり、Rがメチルであり、R及びRが、共にイソプロピルである、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
得られた式(I)の化合物が、(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン又はその塩である、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
得られた式(I)の化合物が、(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン臭化水素酸塩又は(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン酒石酸塩である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
式(I’)の3,3−ジフェニルプロピルアミン、
【化4】


[式中、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、NO、CN、遊離であるか若しくは保護されていてもよいCHO、CHOH又はCOOR(但し、Rは、H又はC〜Cアルキルである)であり、
及びRは、独立にH、C〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
そのエナンチオマー若しくはその混合物、その溶媒和物、水和物、又は塩
を得る方法であって、
a)式(II)の化合物を
【化5】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
式(III’)の化合物
【化6】


[式中、
R’は、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は
式、−(CH−O−Rのアルコキシアルキル(但し、nは1から3の間を含む整数であり、RはC〜Cアルキルである)であり、
は前記の意味を有する]
と反応させて、式(I”)の化合物
【化7】


[式中、R’、R、R及びRは、前記の意味を有する]
を生じさせること、
b)R’を水素に変換して、式(I’)の化合物を得ること、並びに
c)必要に応じて、所望の(R)若しくは(S)エナンチオマー、又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は式(I’)の化合物をこれらの塩に変換すること
を含む方法。
【請求項15】
式(II)の化合物と式(III’)の化合物の反応が、酸を含む反応媒体中で実施される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸が、臭化水素酸以外の無機酸である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記無機酸が、過塩素酸、硫酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記酸が有機酸である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記有機酸が、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記反応媒体が、臭化水素酸以外の1種又は複数の無機酸、及び1種又は複数の有機酸を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記反応媒体が、過塩素酸、硫酸及びこれらの混合物からなる群から選択される無機酸及び有機酸、好ましくは酢酸を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記酸がルイス酸である、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記ルイス酸が、A1Cl、SnCl、ZnCl、BF又はこれらの混合物である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
得られた式(I’)の化合物又はこれらの塩において、Rがメチルであり、R及びRが、共にイソプロピルである、請求項14から23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
得られた式(I’)の化合物が、(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン又はその塩である、請求項14から23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
得られた式(I’)の化合物が、(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン臭化水素酸塩又は(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン酒石酸塩である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
式(I)の3,3−ジフェニルプロピルアミン、
【化8】


[式中、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル又は式、−(CH−O−Rのアルコキシアルキル(但し、nは1から3の間を含む整数であり、RはC〜Cアルキルである)であり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ハロゲン、NO、CN、遊離であるか若しくは保護されていてもよいCHO、CHOH又はCOOR(但し、Rは、H又はC〜Cアルキル基である)であり、
及びRは、独立に、H及びC〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
そのエナンチオマー若しくはその混合物、その溶媒和物、水和物、又は塩
を得る方法であって、
a)式(IV)の化合物を
【化9】


[式中、Yは脱離基である]
式(V)の一級又は二級アミン
【化10】


[式中、R及びRは、独立に、水素及び直鎖若しくは分枝C〜Cアルキルから選択されるか、又はこれらが結合している窒素と一緒になって3〜7員を有する環を形成する]
と反応させて、式(II)の化合物
【化11】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
を得ること、
b)前記式(II)の化合物を式(III)の化合物
【化12】


[式中、R及びRは、前記の意味を有する]
と反応させること、並びに
c)必要に応じて、所望の(R)若しくは(S)エナンチオマー、又はエナンチオマーの混合物を分離すること、及び/又は式(I)の化合物をこれらの塩に変換することを含む方法。
【請求項28】
得られた式(I)の化合物又はこれらの塩において、Rが、H又はメチルであり、Rがメチルであり、R及びRが、共にイソプロピルである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
得られた式(I)の化合物が、(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン又はその塩である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
得られた式(I)の化合物が、(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン臭化水素酸塩又は(R)−(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン酒石酸塩である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記式(II)の化合物及び酸を含む、式(II)の化合物の酸付加塩。
【請求項32】
前記酸が、有機酸又は無機酸である、請求項31に記載の付加塩。
【請求項33】
式(II)の化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩又はマレイン酸塩から選択される、請求項31又は32に記載の付加塩。
【請求項34】
及びRが、共にイソプロピルである、請求項31から33までのいずれか一項に記載の付加塩。
【請求項35】
N,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン塩酸塩及びN,N−ジイソプロピル−3−フェニル−2−プロペンアミン臭化水素酸塩から選択される、請求項31から34までのいずれか一項に記載の付加塩。

【公表番号】特表2009−503035(P2009−503035A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524533(P2008−524533)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際出願番号】PCT/ES2006/000458
【国際公開番号】WO2007/017544
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(508036488)インテルキム、ソシエダッド アノニマ (6)
【Fターム(参考)】