説明

5−フルオロピラゾール誘導体、それらの製造方法及びそれらを有効成分とする殺虫・殺ダニ剤

【課題】
本発明の課題は、種々の害虫やダニ類に対して高い防除効果を示し、作物に対して高い安全性と優れた環境保全性を併せ持つ新規殺虫・殺ダニ剤の有効成分として有用な5−フルオロピラゾール誘導体とそれらの簡便な製造方法を提供することにある。
【解決手段】
ヒドラジン類(2)と2−置換−3,3−ジフルオロアクリル酸エステル(3)との反応により得られる5−フルオロピラゾール誘導体(1a)と親電子剤(4)との反応により、優れた殺虫・殺ダニ活性を有する5−フルオロピラゾール誘導体(1b)を製造することができる。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物の栽培場面における害虫類の防除に有効な5−フルオロピラゾール誘導体及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農園芸分野においては、各種病害虫あるいは雑草の防除を目的とした殺菌剤、除草剤及び殺虫、殺ダニ剤が開発され実用に供されている。しかし、従来汎用されているこれらの農薬は、その効果、スペクトル、あるいは残効性等の点において必ずしも満足すべきものではなく、さらに施用回数や施用薬量の低減等の社会的要請を充分満足しているとは言えない。また、これまで使用されてきた農薬に対して抵抗性を獲得した病害虫の出現も問題となっている。さらに、近い将来予想される世界人口増加に伴う食糧危機の解消には、重要作物の安定供給が必要不可欠である。そのためには、抵抗性を獲得した各種病害虫に対しても低薬量で十分な防除効果を示し、しかも環境への悪影響が少ない新規な殺虫・殺ダニ剤や、作物の栽培及び収穫時に障害となる雑草の経済的かつ効率のよい枯殺あるいは防除を可能とする新しい除草剤などの開発がますます重要となっている。
【0003】
本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1)はこれまでに全く報告されておらず、新規の化合物である。非特許文献1には、本発明の化合物と類似の構造を有する5−フルオロピラゾール誘導体が開示されているが、ピラゾール環4位の置換基がフェニル基である点で本発明の5−フルオロピラゾール誘導体とは異なり、さらに、殺虫・殺ダニ活性等の生物活性に関する記載は一切ない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】N.K.Parkら,Tetrahedron,60,7943(2004)
【発明の概要】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来の農園芸用殺虫・殺ダニ剤に抵抗性を示す害虫に対しても高い防除効果を示し、作物に対して高い安全性と優れた環境保全性を併せ持つ新規殺虫・殺ダニ剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(1)で示される5−フルオロピラゾール誘導体が、上記課題を解決し得る優れた殺虫・殺ダニ活性を有する化合物であることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体に関するものである。
【0011】
また本発明は、一般式(2)
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。)で示されるヒドラジン類と、一般式(3)
【0014】
【化3】

【0015】
(式中、Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。)で示される2−置換−3,3−ジフルオロアクリル酸エステルを、場合によっては塩基の存在下に反応させ、一般式(1a)
【0016】
【化4】

【0017】
(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。R2aは水素原子を表し、Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロ−3−ヒドロキシピラゾール誘導体を製造する方法に関する。
【0018】
また本発明は、一般式(1a)
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。R2aは水素原子を表し、Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体と、一般式(4)
【0021】
【化6】

【0022】
(式中、R2bは置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Zは脱離基を表す。)で示される親電子剤を塩基の存在下に反応させ、一般式(1b)
【0023】
【化7】

【0024】
(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。R2bは置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体を製造する方法に関するものである。
【0025】
さらに本発明は、一般式(1)
【0026】
【化8】

【0027】
(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体を有効成分とする殺虫・殺ダニ剤に関するものである。
【0028】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0029】
で表される置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、3−ペンチル基、t−アミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等を例示することができる。またこれらのアルキル基は、フッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子、メトキシ基やエトキシ基のようなアルコキシ基、シアノ基等で置換されていてもよい。原料の入手が容易である点や収率がよい点、高い殺虫・殺ダニ活性を示す点でメチル基やt−ブチル基が好ましい。
【0030】
及びR2bで表される置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、3−ペンチル基、t−アミル基、シクロペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等を例示することができる。またこれらのアルキル基は、フッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子、メトキシ基やエトキシ基のようなアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シアノ基等で置換されていてもよく、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、2-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2-メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、1-メトキシカルボニルエチル基、シアノメチル基等を例示することができる。
【0031】
及びR2bで表される置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基としては、直鎖状もしくは分枝状あるいは環状のいずれであってもよく、1-プロペニル基、アリル基、2-メチル-2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、1-シクロペンテニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、1-シクロヘキセニル基等を例示することができる。またこれらのアルケニル基はハロゲン原子等で置換されていてもよく、例えば、2-クロロ-2-プロペニル基、3-クロロ-2-プロペニル基、4-クロロ-2-ブテニル基等を例示することができる。
【0032】
及びR2bで表される置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、プロパルギル基、1-ブチン-3-イル基、3-メチル-1-ブチン-3-イル基、2-ブチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基等を例示することができる。また、これらのアルキニル基はハロゲン原子等で置換されていてもよく、例えば、3-クロロ-2-プロピニル基、4-ブロモ-2-ブチニル基等を例示することができる。
【0033】
及びR2bで表される置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルプロピル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基等を例示することができる。これらのアラルキル基はハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基、炭素数1〜6のハロアルキルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、(炭素数1〜6のアルキルオキシ)カルボニル基、カルボキシ基、置換されていてもよいカルバモイル基、シアノ基、ニトロ基等で一個以上置換されていてもよい。さらに具体的には、ベンジル基、2-フルオロベンジル基、3-フルオロベンジル基、4-フルオロベンジル基、2-クロロベンジル基、3-クロロベンジル基、4-クロロベンジル基、2-ブロモベンジル基、3-ブロモベンジル基、4-ブロモベンジル基、3,5-ジフルオロベンジル基、3,5-ジクロロベンジル基、3,5-ジブロモベンジル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、2,4-ジメチルベンジル基、3,5-ジメチルベンジル基、2-トリフルオロメチルベンジル基、3-トリフルオロメチルベンジル基、4-トリフルオロメチルベンジル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル基、2-メトキシカルボニルベンジル基、3-メトキシカルボニルベンジル基、4-メトキシカルボニルベンジル基、3-カルボキシベンジル基、4-カルボキシベンジル基、3-(N,N-ジメチルカルバモイル)ベンジル基、4-(N,N-ジメチルカルバモイル)ベンジル基、3-(N,N-ジエチルカルバモイル)ベンジル基、3-(N-エチル-N-プロピルカルバモイル)ベンジル基、3-シアノベンジル基、4-シアノベンジル基、2-メトキシベンジル基、3-メトキシベンジル基、4-メトキシベンジル基、3,4-ジメトキシベンジル基、4-トリフルオロメトキシベンジル基、4-メチルチオベンジル基、4-メチルスルホニルベンジル基、2-ニトロベンジル基、3-ニトロベンジル基、4-ニトロベンジル基、1-(2-フルオロフェニル)エチル基、1-(2-クロロフェニル)エチル基、1-(2-ブロモフェニル)エチル基、1-(3-フルオロフェニル)エチル基、1-(3-クロロフェニル)エチル基、1-(3-ブロモフェニル)エチル基、1-(4-フルオロフェニル)エチル基、1-(4-クロロフェニル)エチル基、1-(4-ブロモフェニル)エチル基、1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エチル基、1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル基、1-(4-トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2-(3-ブロモフェニル)エチル基、2-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基等を例示することができる。
【0034】
及びR2bで表される置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基、2−トルイル基、4−クロロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−t−ブチルベンゾイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を例示することができる。
【0035】
及びR2bで表される置換されていてもよいスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、s-ブチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニル基;クロロメチルスルホニル基、ジフルオロメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、トリクロロメチルスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル基等の炭素数1〜6のハロアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基、p−トリルスルホニル基、4−t−ブチルフェニルスルホニル基等のアリールスルホニル基;ジメチルアミノスルホニル基、ジエチルアミノスルホニル基の置換アミノスルホニル基等を例示することができる。
【0036】
及びRで表される置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基等を例示することができる。
【0037】
及びRで表される置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基としては、直鎖状もしくは分枝状あるいは環状のいずれであってもよく、アリル基、2-メチル-2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基等を例示することができる。またこれらのアルケニル基はハロゲン原子等で置換されていてもよく、例えば、2-クロロ-2-プロペニル基、3-クロロ-2-プロペニル基、4-クロロ-2-ブテニル基等を例示することができる。
【0038】
及びRで表される置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基としては、直鎖状もしくは分枝状のいずれであってもよく、プロパルギル基、1-ブチン-3-イル基、3-メチル-1-ブチン-3-イル基、2-ブチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基等を例示することができる。また、これらのアルキニル基はハロゲン原子等で置換されていてもよく、例えば、3-クロロ-2-プロピニル基、4-ブロモ-2-ブチニル基等を例示することができる。
【0039】
及びRが一体となって形成される置換されていてもよいポリメチレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等を例示することができる。またこれらのポリメチレン基はハロゲン原子等で置換されていてもよい。
【0040】
で表される炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基等を例示することができる。
【0041】
Zで表される脱離基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、p−トリルスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基等を例示することができる。
【0042】
次に本発明の製造方法について説明する。本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)及び(1b)は以下に示した製造方法−1により製造することができる。
【0043】
【化9】

【0044】
(式中、R、R2a、R2b、R、R、R、R及びZは前記と同じ意味を表す。)
すなわち、本発明の製造方法−1の工程−1は、ヒドラジン類(2)と2−置換−3,3−ジフルオロアクリル酸エステル(3)を反応させ、本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)を製造する工程であり、工程−2は、5−フルオロピラゾール誘導体(1a)と親電子剤(4)を反応させ、本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1b)を製造する工程である。以下、さらに詳細に説明する。
【0045】
工程−1の反応はフッ素原子がフッ化水素として脱離する反応であり、フッ化水素捕捉剤として塩基の共存下に行うことにより、反応を促進することができる。塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどのアミン類等を用いることができる。これらの塩基は原料であるアクリル酸エステル(3)に対して1当量以上使用すれば十分である。また、反応基質であるヒドラジン類(2)は塩基性物質であり、このものをフッ化水素捕捉剤として利用することができる。この場合には、ヒドラジン類(2)をアクリル酸エステル(3)に対して2当量以上用いることにより、収率良く本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)を得ることができる。
【0046】
本反応は有機溶媒中で実施することができる。有機溶媒としては、反応に害を及ぼすことのない溶媒であれば特に制限はなく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等を例示することができる。またこれらの溶媒を適宜組み合わせて用いてもよい。収率が良い点でDMAcやジオキサンが好ましい。
【0047】
本反応は、−20〜100℃、好ましくは0〜60℃から適宜選ばれた反応温度で実施することにより、収率よく目的の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)を得ることができる。本反応においては、ヒドラジン類(2)には二つの反応点があることより、本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)のほかに、以下に示した3−フルオロピラゾール誘導体(1a’)が生成する場合があるが、比較的低温で反応させることにより、目的の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)を選択的に合成することができる。また、混合物で得られた場合には、シリカゲルカラムで容易に分離することができる。
【0048】
【化10】

【0049】
(式中、R、R2a、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)
反応終了後は通常の後処理により、目的の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)を単離することができる。必要ならば、カラムクロマトグラフィーや再結晶等により精製することができる。
【0050】
本反応の原料である2−置換−3,3−ジフルオロアクリル酸エステル(3)は、例えば公開特許公報2008−195679号に記載の方法により調製することができる。また、調製した2−置換−3,3−ジフルオロアクリル酸エステル(3)を単離精製することなく、工程−1の原料として用いることもできる。(下記参考例参照)
工程−2の反応は、塩基の存在下に行うことが必須である。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属塩基や、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等のアミン類を例示することができる。塩基の使用量に特に制限はないが、反応基質に対して1当量以上用いることにより、収率よく目的物を得ることができる。
【0051】
本反応は有機溶媒中で実施することができる。有機溶媒としては、反応に害を及ぼすことのない溶媒であれば特に制限はなく、例えば、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、アセトン、DMF、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル等を例示することができる。またこれらの溶媒を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0052】
本反応は、0〜150℃、好ましくは20〜100℃から適宜選ばれた反応温度で実施することにより、収率よく目的物を得ることができる。反応時間に特に制限はない。
【0053】
反応終了後は、通常の操作により本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1b)を得ることができる。必要ならば、カラムクロマトグラフィーや再結晶等により精製することができる。本反応においては、原料の5−フルオロピラゾール誘導体(1a)には二つの反応点があることより、酸素原子上に置換基が導入された、本発明の5−フルオロピラゾール誘導体(1b)のほかに、窒素原子上に置換基が導入された5−フルオロ−4−ピラゾリン−3−オン誘導体が副生するが、これらはシリカゲルカラムで容易に分離することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明の5−フルオロピラゾール誘導体は、優れた殺虫・殺ダニ活性を有し、農園芸場面において、栽培作物に害を及ぼすことがなく、有害な害虫を効果的に防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
【実施例】
【0056】
以下、実施例、参考例、製剤例及び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例−1
【0057】
【化11】

【0058】
トリフェニルホスフィン(40.3g,154mmol)に無水DMAc(150mL)をアルゴン雰囲気下で加え、そこにジブロモジフルオロメタン(32.2g,154mmol)を氷冷下で加え、その混合物を室温で30分攪拌した。これを再度氷冷し、3−メチル−2−オキソ−3フェニルブタン酸メチル(15.8g,76.8mmol)を加え、さらに亜鉛粉末(10.0g,154mmol)を少しずつ加え、30分攪拌した後、80℃で1時間攪拌し、2−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3,3−ジフルオロアクリル酸メチルを含む反応溶液を得た。
【0059】
得られた反応液にメチルヒドラジン(10.6g,230.3mmol)を加え、4時間攪拌した。反応終了後、2N塩酸(450mL)を加え、トルエン(150mL×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮し、目的物を茶褐色固体(24.6g)として得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−1)の黄色油状物(2.9g,収率:9%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(3H,s),1.69(3H,s),3.45(3H,s),7.15〜7.36(5H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128(1F,s).
実施例−2
【0060】
【化12】

【0061】
3,3−ジフルオロ−2−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}アクリル酸メチル(3.41g,13.2mmol)をジオキサン(25mL)に溶解し、メチルヒドラジン(2.10mL,40.0mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で20時間撹拌した。反応液に2N塩酸(100mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、5−フルオロ−4−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(化合物−2)の白色固体(1.09g,収率:33%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.68(3H,s),3.46(3H,d,J=1.0Hz),6.82〜6.90(1H,m),7.02〜7.14(2H,m),7.19〜7.27(1H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.9(1F,s),−114.0(1F,s).
実施例−3
【0062】
【化13】

【0063】
2−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−3,3−ジフルオロアクリル酸メチル(2.12g,7.72mmol)をジオキサン(50mL)に溶解し、メチルヒドラジン(711mg,15.4mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で1.5時間撹拌した。反応液に2N塩酸(200mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮して、4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(化合物−3)の黄色固体(1.76g,収率:85%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.67(3H,s),3.47(3H,d,J=1.0Hz),7.12〜7.26(3H,m),7.32〜7.34(1H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.8(1F,s).
実施例−4
【0064】
【化14】

【0065】
2−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−3,3−ジフルオロアクリル酸メチル(2.46g,8.91mmol)をジオキサン(50mL)に溶解し、メチルヒドラジン(875mg,17.6mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で20分間撹拌した。反応液に2N塩酸(200mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮して、4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(化合物−4)の黄色固体(2.00g,収率:84%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.67(3H,s),3.46(3H,d,J=1.0Hz),7.20〜7.30(4H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.9(1F,s).
実施例−5
【0066】
【化15】

【0067】
2−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−3,3−ジフルオロアクリル酸メチル(1.97g,6.16mmol)をジオキサン(12mL)に溶解し、メチルヒドラジン(1.0mL,19.0mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で20時間撹拌した。反応液に2N塩酸(80mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、4−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(化合物−5)の黄色固体(1.30g,収率:59%)を得た。H-NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.67(3H,s),3.47(3H,d,J=1.5Hz),7.14(1H,dd,J=7.8,7.8Hz),7.28〜7.32(2H,m),7.49(1H,dd,J=1.8,1.8Hz).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F-NMR(235MHz,CDCl):δ−112.4(1F,s).
実施例−6
【0068】
【化16】

【0069】
3,3−ジフルオロ−2−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}アクリル酸メチル(4.32g,11.8mmol)をジオキサン(25mL)に溶解し、メチルヒドラジン(1.9mL,36.1mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で80分間撹拌した。反応液に2N塩酸(100mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、5−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチルピラゾール(化合物−6)の黄色固体(1.50g,収率:34%)を得た。H-NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.67(3H,s),3.47(3H,d,J=1.0Hz),7.00(1H,dd,J=8.0,8.0Hz),7.28〜7.33(1H,m),7.48〜7.53(1H,m),7.68(1H,dd,J=1.8,1.8Hz).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F-NMR(235MHz,CDCl):δ-128.5(1F,s).
実施例−7
【0070】
【化17】

【0071】
3,3−ジフルオロ−2−{1−メチル−(3−メチルフェニル)エチル}アクリル酸メチル(8.03g,31.6mmol)にジオキサン(30mL)を加えメチルヒドラジン(1.77g,38.5mmol)を氷冷下で加えた後、室温で24時間攪拌した。反応終了後、水(150mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮し、橙色半固体の粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}ピラゾール(化合物−7)の黄色固体(1.84g,収率:23%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(total 6H,each s),2.33(3H,s),3.47(3H,d,J=1.0Hz),6.98〜7.21(4H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).
実施例−8
【0072】
【化18】

【0073】
トリフェニルホスフィン(10.1g,38.5mmol)に無水DMAc(40mL)をアルゴン雰囲気下で加え、そこにジブロモジフルオロメタン(8.07g,38.5mmol)を氷冷下で加え、その混合物を室温で30分攪拌した。次いで3−メチル−3−(4−メチルフェニル)−2−オキソブタン酸メチル(4.24g,19.2mmol)を加え、氷冷下で亜鉛粉末(2.52g,38.5mmol)を少しずつ加え、30分攪拌した後、80℃で2時間攪拌し、3,3−ジフルオロ−2−{1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル}アクリル酸メチルを含む反応溶液を得た。
【0074】
得られた反応液にメチルヒドラジン(1.77g,38.5mmol)とトリエチルアミン(1.95g,19.2mmol)を加え、18時間攪拌した。反応終了後、2N塩酸(130mL)を加え、トルエン(100mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮し、茶色半固体の粗生成物を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル}ピラゾール(化合物−8)の黄土色固体(516mg,収率:11%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.67(3H,s),2.31(3H,s),3.46(3H,d,J=1.0Hz),7.07〜7.26(4H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).
実施例−9
【0075】
【化19】

【0076】
トリフェニルホスフィン(7.28g,27.8mmol)に無水DMAc(30mL)をアルゴン雰囲気下で加え、そこにジブロモジフルオロメタン(5.82g,27.8mmol)を氷冷下で加え、その混合物を室温で30分攪拌した。次いで精製した3−(4−t−ブチルフェニル)−3−メチル−2−オキソブタン酸エチル(3.84g,13.9mmol)を加え、氷冷下で亜鉛粉末(1.82g,27.8mmol)を少しずつ加え、30分攪拌した後、80℃で1時間攪拌し、2−{1−(4−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル}−3,3−ジフルオロアクリル酸エチルを含む反応溶液を得た。
【0077】
得られた反応液にメチルヒドラジン(1.28g,27.8mmol)およびトリエチルアミン(1.4g,13.9mmol)を加え、4時間攪拌した。反応終了後、2N塩酸(90mL)を加え、トルエン(50mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮し、黄褐色半固体の粗生成物(5.23g)を得た。このものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、4−{1−(4−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(化合物−9)の黄色固体(476mg,収率:12%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.30(9H,s),1.68(total 6H,each s),3.46(3H,d,J=1.0Hz),7.26〜7.28(4H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).
実施例−10
【0078】
【化20】

【0079】
3,3−ジフルオロ−2−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}アクリル酸メチル(3.41g,11.1mmol)をジオキサン(70mL)に溶解し、メチルヒドラジン(1.02g,22.1mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で1.5時間撹拌した。反応液に2N塩酸(290mL)を加え、酢酸エチル(70mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(70mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮して、5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(化合物−10)の黄色固体(2.49g,収率:74%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.69(3H,s),1.71(3H,s),3.45(3H,d,J=1.0Hz),7.34〜7.62(4H,m).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.8(1F,s),−62.6(3F,s).
実施例−11
【0080】
【化21】

【0081】
3,3−ジフルオロ−2−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}アクリル酸メチル(1.83g,6.77mmol)をジオキサン(20mL)に溶解し、メチルヒドラジン(1.8mL,33.8mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で17時間撹拌した。反応液に2N塩酸(100mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、5−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチルピラゾール(化合物−11)の黄色固体(1.30g,収率:73%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.68(3H,s),3.46(3H,d,J=1.0Hz),3.79(3H,s),6.72(1H,ddd,J=8.0,2.5,0.8Hz),6.91〜6.97(2H,m),7.21(1H,dd,J=8.0,8.0Hz).(ヒドロキシプロトンは帰属できなかった。)19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.9(1F,s).
実施例−12
【0082】
【化22】

【0083】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(580mg,2.51mmol)にアセトン(20mL)、炭酸カリウム(347mg,2.51mmol)とヨウ化メチル(1.07g,7.55mmol)を加え室温で18時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し残渣に水(30mL)を加え酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色油状の目的物(592mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)により精製して、5−フルオロ−3−メトキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−12)の黄色油状物(188mg,収率:30%)と5−フルオロ−1,2−ジメチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−I)の黄色油状物(206mg,収率:33%)を得た。5-フルオロ-3-メトキシ-1-メチル-4-(1-メチル-1-フェニルエチル)ピラゾール:H-NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),3.55(3H,d,J=1.3Hz),3.73(3H,s),7.13〜7.33(5H,m).19F-NMR(235MHz,CDCl):δ-129(1F,s).5−フルオロ−1,2−ジメチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン:H-NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(3H,s),1.69(3H,s),3.04(3H,d,J=1.5Hz),3.15(3H,d,J=1.5Hz),7.14〜7.40(5H,m).19F-NMR(235MHz,CDCl):δ-116(1F,s).
実施例−13
【0084】
【化23】

【0085】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(674mg,2.87mmol)にアセトン(20mL)、炭酸カリウム(397mg,2.87mmol)とヨウ化エチル(1.34g,8.61mmol)を加え室温で14時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、残渣に水(30mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色油状の目的物(651mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、3−エトキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−13)の黄色油状物(394mg,収率:52%)と2−エチル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−II)の黄色油状物(116mg,収率:15%)を得た。3−エトキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.17(3H,t,J=7.0Hz),1.65(3H,s),1.66(3H,s),3.53(3H,d,J=1.0Hz),4.05(2H,q,J=7.0Hz),7.12〜7.35(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).2−エチル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.10(3H,t,J=7.0Hz),1.69(3H,s),1.70(3H,s),3.02(3H,d,J=1.3Hz),3.66,3.67(total 2H,each q,J=7.3,7.0Hz),7.14〜7.39(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116(1F,s).
実施例−14
【0086】
【化24】

【0087】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(590mg,2.51mmol)に無水DMF(20mL)、炭酸カリウム(347mg,2.51mmol)とヨウ化イソプロピル(1.28g,7.55mmol)を加え、室温で2日間攪拌した。反応終了後、水(100mL)を加え、酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色油状の目的物(621mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、5−フルオロ−3−イソプロポキシ−1−メチル−4−(1−メチル1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−14)の黄色油状物(387mg,収率56%)と5−フルオロ−2−イソプロピル−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−III)の黄色油状物(26mg,収率:4%)を得た。5−フルオロ−3−イソプロピロキシ−1−メチル−4−(1−メチル1−フェニルエチル)ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.16(6H,d,J=7.0Hz),1.64(3H,s),1.65(3H,s,),3.53(3H,d,J=1.0Hz),4.73(1H,sep,J=7.0Hz),7.12〜7.34(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−130(1F,s).5−フルオロ−2−イソプロピル−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.34(6H,d,J=6.8Hz),1.67(3H,s),1.68(3H,s),3.05(3H,d,J=1.8Hz),4.73(1H,dq,J=1.5,6.8Hz),7.14〜7.37(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113(1F,s).
実施例−15
【0088】
【化25】

【0089】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(800mg,3.41mmol)に無水DMF(5mL)、炭酸カリウム(471mg,3.41mmol)とブロモメチルシクロブタン(1.07g,7.55mmol)を加え室温で1時間攪拌した後、60℃で18時間攪拌した。反応終了後、2N塩酸(20mL)を加え、トルエン(10mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色油状の粗生成物(1.01g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、3−シクロブチルメチルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−15)の淡黄色油状物(515mg,収率:50%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.66(3H,s),1.69〜1.94(6H,m),2.46〜2.59(1H,m),3.54(3H,d,J=1.3Hz),3.95(2H,d,J=6.3Hz),7.11〜7.35(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−130(1F,s).
実施例−16
【0090】
【化26】

【0091】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(876mg,3.73mmol)に無水DMF(20mL)、炭酸カリウム(516mg,3.73mmol)と臭化アリル(1.35g,11.2mmol)を加え、室温で17時間攪拌した。反応終了後、水(70mL)を加え、酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色油状の粗生成物(929mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、3−アリルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−16)の黄色油状物(346mg,収率:34%)と2−アリル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オンの(化合物−IV)の黄色油状物(254mg,収率:25%)を得た。3−アリルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.67(3H,s),3.54(3H,d,J=1.3Hz,),4.53〜4.56(2H,m),5.05〜5.17(2H,m),5.85(1H,ddt,J=17,11,5.0Hz),7.13〜7.35(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).2−アリル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.70(3H,s),1.71(3H,s),3.03(3H,d,J=1.5Hz),4.23〜4.29(2H,m),5.15〜5.22(2H,m),5.74(1H,ddt,J=17,10,5.8Hz),7.17〜7.34(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115(1F,s).
実施例−17
【0092】
【化27】

【0093】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(855mg,3.64mmol)に無水DMF(20mL)、炭酸カリウム(503mg,3.64mmol)と臭化プロパルギル(1.29g,10.9mmol)を加え、室温で17時間攪拌した。反応終了後、水(70mL)を加え、酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色油状の粗生成物(1.01g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−17)の黄色油状物(258mg,収率:26%)と5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−V)の黄色油状物(247mg,収率:25%)を得た。5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.67(3H,s),2.41(1H,t,J=2.3Hz),3.55(3H,d,J=1.0Hz),4.70(2H,d,J=2.3Hz),7.13〜7.35(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.69(3H,s),1.70(3H,s),2.24(1H,t,J=2.5Hz),3.14(3H,d,J=1.3Hz),4.37,4.38(total 2H,each d,J=1.5,1.5Hz),7.15〜7.38(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113(1F,s).
実施例−18
【0094】
【化28】

【0095】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(842mg,3.59mmol)に無水DMF(20mL)、炭酸カリウム(496mg,3.59mmol)とベンジルブロミド(1.84g,10.8mmol)を加え室温で14時間攪拌した。反応終了後、水(70mL)を加え酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し茶褐色油状の粗生成物(1.78g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、3−ベンジルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−18)の橙色油状物(195mg,収率:17%)と2−ベンジル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−VI)の橙色油状物(260mg,収率:22%)を得た。3−ベンジルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.68(3H,s),3.57(3H,d,J=1.0Hz),5.08(2H,s),7.07〜7.37(10H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).2−ベンジル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.71(3H,s),1.72(3H,s),2.97(3H,d,J=1.3Hz),5.08(2H,d,J=1.0Hz),7.15〜7.38(10H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115(1F,s).
実施例−19
【0096】
【化29】

【0097】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(849mg,3.62mmol)に無水DMF(20mL)、炭酸カリウム(500mg,3.62mmol)とブロモアセトニトリル(1.30g,10.9mmol)を加え室温で15時間攪拌した。反応終了後、水(70mL)を加え酢酸エチル(25mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し茶褐色油状の粗生成物(1.12g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、3−シアノメチルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−19)の橙色油状物(358mg,収率:36%)と2−シアノメチル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−VII)の橙色油状物(63mg,収率:6%)を得た。3−シアノメチルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),3.58(3H,d,J=1.3Hz),4.74(2H,s),7.16〜7.29(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128(1F,s,).2−シアノメチル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(3H,s),1.69(3H,s),3.13(3H,d,J=1.3Hz),4.44,4.45(total 2H,each s),7.16〜7.37(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−109(1F,s).
実施例−20
【0098】
【化30】

【0099】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(701mg,2.98mmol)に無水ジクロロメタン(5mL)、トリエチルアミン(603mg,5.96mmol)を加え、氷冷下でベンゾイルクロリド(628mg,4.47mmol)を加え室温で19時間攪拌した。反応終了後、水(30mL)を加え酢酸エチル(30mL×1,10mL×2)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し茶色固体の粗生成物(1.20g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、3−ベンゾイルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−20)の黄色固体(736mg,収率:73%)と2−ベンゾイル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−VIII)の黄色固体(16mg,収率:2%)を得た。3−ベンゾイルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),3.70(3H,d,J=1.0Hz),7.18〜7.85(10H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−127(1F,s).2−ベンゾイル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.67(3H,s),3.27(3H,d,J=1.0Hz),7.10〜7.83(10H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−108(1F,s).
実施例−21
【0100】
【化31】

【0101】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(815mg,3.47mmol)に無水ジクロロメタン(5mL)、トリエチルアミン(702mg,6.94mmol)を加え、氷冷下でクロロメチルスルホニルクロリド(776mg,5.21mmol)を加え室温で40時間攪拌した。反応終了後、水(30mL)を加え酢酸エチル(30mL×1,10mL×2)で抽出し、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し茶褐色油状の粗生成物(1.21g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−21)の黄色固体(91mg,収率:8%)と3−クロロメチルスルホニル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−IV)の黄色固体(404mg,収率:34%)を得た。3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.70(3H,s),1.71(3H,s),3.64(3H,d,J=1.3Hz),4.93(2H,s),7.12〜7.32(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−126(1F,s).3−クロロメチルスルホニル−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(3H,s),1.69(3H,s),3.29(3H,d,J=1.8Hz),4.91(2H,s),7.18〜7.36(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−101(1F,s).
実施例−22
【0102】
【化32】

【0103】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(685mg,2.92mmol)に無水DMF(5mL)、炭酸カリウム(471mg,3.41mmol)と4−t−ブチルフェニルスルホニルクロリド(1.02g,4.38mmol)を加え室温で2時間攪拌した。反応終了後、水(30mL)を加え、ジエチルエ−テル(30mL×1、10mL×2)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色半固体の粗生成物(1.47g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより、3−(4−t−ブチルフェニルスルホニルオキシ)−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−22)の黄色固体(912mg,収率:73%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.35(9H,s),1.66(3H,s),1.67(3H,s),3.59(3H,d,J=1.0Hz),7.11〜7.27(5H,m),7.51(2H,d,J=8.8Hz),7.81(2H,d,J=8.8Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−127(1F,s).
実施例−23
【0104】
【化33】

【0105】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(703mg,2.98mmol)に無水ジクロロメタン(5mL)、トリエチルアミン(603mg,5.96mmol)を加え、氷冷下でジメチルスルファモイルクロリド(642mg,4.47mmol)を加え室温で40時間攪拌した。反応終了後、水(30mL)を加え酢酸エチル(30mL×1,10mL×2)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し茶褐色油状の粗生成物(1.47g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、3−ジメチルスルファモイルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)ピラゾール(化合物−23)の黄色固体(736mg,収率:51%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(3H,s),1.69(3H,s),2.84(6H,s),3.64(3H,d,J=1.3Hz),7.14〜7.35(5H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−127(1F,s).
実施例−24
【0106】
【化34】

【0107】
5−フルオロ−4−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(487mg,1.93mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(267mg,1.93mmol)および臭化プロパルギル(0.35mL,3.93mmol)を加えて室温で19時間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を合一して、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、5−フルオロ−4−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−24)の褐色油状物(279mg,収率:50%)および5−フルオロ−4−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−X)の黄色油状物(128mg,収率:23%)を得た。5−フルオロ−4−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.66(3H,s),2.40(1H,t,J=2.5Hz),3.56(3H,d,J=1.0Hz),4.70(2H,d,J=2.5Hz),6.81〜6.89(1H,m),6.98〜7.04(1H,m),7.07〜7.11(1H,m),7.18〜7.26(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.6(1F,s),−114,2(1F,s).5−フルオロ−4−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.69(3H,s),2.25(1H,t,J=2.5Hz),3.16(3H,d,J=1.5Hz),4.37(2H,dd,J=2.5,1.5Hz),6.83〜6.91(1H,m),7.00〜7.15(2H,m),7.19〜7.29(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113.9(1F,s),−112.6(1F,s).
実施例−25
【0108】
【化35】

【0109】
4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(440mg,1.64mmol)を無水DMF(5.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(460mg,3.33mmol)および臭化ベンジル(560mg,3.27mmol)を加えて室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(30mL)を加え、トルエン(10mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、3−ベンジルオキシ−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール(化合物−25)の黄色油状物(313mg,収率:53%)および2−ベンジル−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XI)の淡黄色油状物(142mg,収率:24%)を得た。3−ベンジルオキシ−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.66(3H,s),3.58(3H,d,J=1.0Hz),5.07(2H,s),7.07〜7.37(9H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129.4(1F,s).2−ベンジル−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(3H,s),1.70(3H,s),3.00(3H,d,J=1.5Hz),4.81(2H,d,J=1.0Hz),7.14〜7.36(9H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.5(1F,s).
実施例−26
【0110】
【化36】

【0111】
4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(440mg,1.64mmol)を無水DMF(5.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(460mg,3.33mmol)および臭化アリル(400mg,3.31mmol)を加えて室温で23.5時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(30mL)を加え、トルエン(10mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、3−アリロキシ−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール(化合物−26)の黄色油状物(224mg,収率:44%)および2−アリル−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XII)の黄色油状物(92mg,収率:18%)を得た。3−アリロキシ−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),3.55(3H,d,J=1.0Hz),4.55(2H,ddd,J=5.0,1.5,1.5Hz),5.09〜5.18(2H,m),5.77〜5.93(1H,m),7.11〜7.30(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129.2(1F,s).2−アリル−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.68(3H,s),3.06(3H,d,J=1.3Hz),4.24〜4.27(2H,m),5.15〜5.23(2H,m),5.67〜5.82(1H,m),7.12〜7.31(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.6(1F,s).
実施例−27
【0112】
【化37】

【0113】
4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(440mg,1.64mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(460mg,3.33mmol)および臭化プロパルギル(390mg,3.28mmol)を加えて室温で23時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(30mL)を加え、トルエン(10mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−27)の褐色油状物(227mg,収率:45%)および4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XIII)の淡黄色油状物(118mg,収率:24%)を得た。4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),2.41(1H,t,J=2.5Hz),3.57(3H,d,J=1.0Hz),4.70(2H,d,J=2.5Hz),7.11〜7.22(3H,m),7.28〜7.29(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.5(1F,s).4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.68(3H,s),2.26(1H,t,J=2.3Hz),3.16(3H,d,J=1.5Hz),4.36(2H,dd,J=2.3,1.5Hz),7.13〜7.31(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−112.4(1F,s).
実施例−28
【0114】
【化38】

【0115】
4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(440mg,1.64mmol)を無水ジクロロメタン(5.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(500mg,4.94mmol)を加えて氷冷した。このものにクロロメチルスルホニルクロリド(490mg,3.29mmol)を加えた後、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄した。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製して、3−クロロメチルスルホニルオキシ−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール(化合物−28)の淡褐色固体(110mg,収率:18%)および2−クロロメチルスルホニル−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XIV)の淡黄色固体(218mg,収率:35%)を得た。3−クロロメチルスルホニルオキシ−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(3H,s),1.70(3H,s),3.65(3H,d,J=1.3Hz),5.00(2H,s),7.16〜7.29(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−125.6(1F,s).2−クロロメチルスルホニル−4−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.68(3H,s),3.31(3H,d,J=2.0Hz),4.91(2H,s),7.17〜7.30(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−100.7(1F,s).
実施例−29
【0116】
【化39】

【0117】
4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(500mg,1.86mmol)を無水DMF(5.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(600mg,4.34mmol)および臭化ベンジル(636mg,3.72mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、トルエン(10mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、3−ベンジルオキシ−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール(化合物−29)の淡黄色油状物(248mg,収率:37%)および2−ベンジル−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XV)の無色油状物(175mg,収率:26%)を得た。3−ベンジルオキシ−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),3.57(3H,d,J=1.0Hz),5.07(2H,s),7.04〜7.07(1H,m),7.19〜7.36(8H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129.4(1F,s).2−ベンジル−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.69(3H,s),2.99(3H,d,J=1.5Hz),4.79(2H,d,J=1.3Hz),7.14〜7.33(9H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.5(1F,s).
実施例−30
【0118】
【化40】

【0119】
4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(500mg,1.86mmol)を無水DMF(5.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(600mg,4.34mmol)および臭化アリル(450mg,3.72mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、トルエン(10mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた淡黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して3−アリロキシ−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール(化合物−30)の黄色油状物(277mg,収率:48%)および2−アリル−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XVI)の黄色油状物(163mg,収率:28%)を得た。3−アリロキシ−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),3.54(3H,d,J=1.3Hz),4.54(2H,ddd,J=5.0,1.6,1.6Hz),5.07〜5.18(2H,m),5.78〜5.93(1H,m),7.19〜7.27(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129.3(1F,s).2−アリル−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.69(3H,s),3.05(3H,d,J=1.3Hz),4.23〜4.27(2H,m),5.14〜5.23(2H,m),5.66〜5.81(1H,m),7.21〜7.32(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.8(1F,s).
実施例−31
【0120】
【化41】

【0121】
4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(500mg,1.86mmol)を無水DMF(5.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(600mg,4.34mmol)および臭化プロパルギル(443mg,3.72mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、トルエン(10mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−31)の黄色固体(228mg,収率:40%)および4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XVII)の褐色油状物(160mg,収率:28%)を得た。4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),2.40(1H,t,J=2.5Hz),3.55(3H,d,J=1.0Hz),4.70(2H,d,J=2.5Hz),7.19〜7.27(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.6(1F,s).4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.68(3H,s),2.24(1H,t,J=2.5Hz),3.15(3H,d,J=1.5Hz),4.37(2H,dd,J=2.5,1.5Hz),7.22〜7.31(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−112.8(1F,s).
実施例−32
【0122】
【化42】

【0123】
4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(500mg,1.86mmol)を無水ジクロロメタン(5.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(565mg,5.58mmol)を加えて氷冷した。このものにクロロメチルスルホニルクロリド(554mg,3.72mmol)を加えた後、室温で14時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄した。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥た後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製して、3−クロロメチルスルホニルオキシ−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール(化合物−32)の褐色油状物(96mg,収率:14%)および2−クロロメチルスルホニル−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XVIII)の黄色油状物(295mg,収率:42%)を得た。3−クロロメチルスルホニルオキシ−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチルピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.69(3H,s),3.64(3H,d,J=1.3Hz),5.01(2H,s),7.19〜7.32(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−125.5(1F,s).2−クロロメチルスルホニル−4−{1−(4−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(total 6H,each s),3.30(3H,d,J=1.5Hz),4.91(2H,s),7.24〜7.29(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−100.6(1F,s).
実施例−33
【0124】
【化43】

【0125】
4−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(511mg,1.63mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(226mg,1.63mmol)および臭化プロパルギル(0.3mL,3.37mmol)を加えて室温で18時間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を合一して、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、4−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−33)の褐色油状物(388mg,収率:68%)および4−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XIX)の黄色油状物(132mg,収率:23%)を得た。4−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.64(3H,s),1.65(3H,s),2.41(1H,t,J=2.5Hz),3.57(3H,d,J=1.0Hz),4.70(2H,d,J=2.5Hz),7.13(1H,dd,J=7.8,7.8Hz),7.22〜7.32(2H,m),7.44(1H,dd,J=1.8,1.8Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.5(1F,s).4−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.66(3H,s),1.68(3H,s),2.26(1H,t,J=2.5Hz),3.16(3H,d,J=1.5Hz),4.37(2H,dd,J=2.3,1.5Hz),7.15(1H,dd,J=7.8,7.8Hz),7.26〜7.33(2H,m),7.45(1H,dd,J=1.8,1.8Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−112.4(1F,s).
実施例−34
【0126】
【化44】

【0127】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチルピラゾール(1.64g,3.23mmol)を無水DMF(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(448mg,3.23mmol)および臭化プロパルギル(0.6mL,6.46mmol)を加えて室温で16時間撹拌した。反応液に水(30mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機層を合一して、飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/2)により精製して、5−フルオロ−4−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−34)の褐色油状物(673mg,収率:49%)および5−フルオロ−4−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XX)の黄色油状物(372mg,収率:29%)を得た。5−フルオロ−4−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.63(3H,s),1.64(3H,s),2.42(1H,t,J=2.5Hz),3.56(3H,d,J=1.0Hz),4.70(2H,d,J=2.3Hz),6.99(1H,dd,J=8.0,8.0Hz),7.26〜7.30(1H,m),7.48〜7.52(1H,m),7.64(1H,dd,J=1.8,1.8Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.5(1F,s).5−フルオロ−4−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.66(3H,s),2.27(1H,t,J=2.5Hz),3.15(3H,d,J=1.5Hz),4.36(2H,dd,J=2.5,1.5Hz),7.01(1H,dd,J=8.0,8.0Hz),7.31〜7.35(1H,m),7.49〜7.53(1H,m),7.64(1H,dd,J=1.8,1.8Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−112.4(1F,s).
実施例−35
【0128】
【化45】

【0129】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}ピラゾール(472mg,1.90mmol)に無水DMF(5mL)、炭酸カリウム(525mg,3.80mmol)と臭化アリル(460mg,3.80mmol)を加え室温で15時間攪拌した。反応終了後、水(70mL)を加え酢酸エチル(20mL,10mL,5mL)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し茶色油状の粗生成物(529mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、3−アリルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)}エチルピラゾール(化合物−35)の淡黄色油状物(91mg,収率:17%)と及び2−アリル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXI)の淡黄色油状物(171mg,収率:31%)を得た。3−アリルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.66(3H,s),2.32(3H,s),3.54(3H,d,J=1.0Hz),4.54〜4.55(2H,m),5.06〜5.20(2H,m),5.79〜5.94(1H,m),6.95〜7.19(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129(1F,s).2−アリル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.69(total 6H,each s),2.33(3H,s),3.03(3H,d,J=1.0Hz),4.23〜4.27(2H,m),5.15〜5.23(2H,m),5.67〜5.83(1H,m),6.96〜7.21(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−116(1F,s).
実施例−36
【0130】
【化46】

【0131】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}ピラゾール(580mg,2.34mmol)に無水DMF(5mL)、炭酸カリウム(647mg,4.68mmol)と臭化プロパルギル(1.84g,10.8mmol)を加え室温で15時間攪拌した。反応終了後、水(30mL)を加え酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し茶褐色油状の粗生成物(1.78g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−36)の黄色油状物(260mg,収率:34%)と5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXII)の黄色油状物(175mg,収率:26%)を得た。5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.66(3H,s),2.32(3H,s),2.40(1H,t,J=2.4Hz),3.55(3H,d,J=1.0Hz),4.71(2H,d,J=2.5Hz),6.97〜7.19(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128(1F,s).5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.68(total 6H,each s),2.32(3H,s),2.40(1H,t,J=2.5Hz),3.13(3H,d,J=1.5Hz),4.36(1H,dd,J=1.4,2.5Hz),4.37(1H,dd,J=1.4,2.5Hz),6.98〜7.23(4H,m),19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113(1F,s).
実施例−37
【0132】
【化47】

【0133】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}ピラゾール(580mg,2.34mmol)に無水ジクロロメタン(5mL)、トリエチルアミン(473mg,4.68mmol)を加え氷冷下でクロロメチルスルホニルクロリド(1.29g,10.9mmol)を加えた後、室温で15時間攪拌した。反応終了後、水(50mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、橙色油状の粗生成物(1.25g)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}ピラゾール(化合物−37)の黄色油状物(170mg,収率:20%)と2−クロロメチルスルホニル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXIII)の黄色固体(339mg,収率:40%)を得た。3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.69(total 6H,each s),2.33(3H,s),3.64(3H,d,J=1.3Hz),4.90(2H,s),7.00〜7.22(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−126(1F,s).2−クロロメチルスルホニル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−メチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.68(3H,s),2.33(3H,s),3.29(3H,d,J=2.0Hz),4.91(2H,s),7.01〜7.23(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−101(1F,s).
実施例−38
【0134】
【化48】

【0135】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(4−メチルフェニル)}エチルピラゾール(400mg,1.61mmol)に無水DMF(5mL)、炭酸カリウム(223mg,1.61mmol)と臭化プロパルギル(383mg,3.22mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応終了後、2N塩酸(20mL)を加え、トルエン(25mL×3)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色固体の粗生成物(537mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル}−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−38)の無色油状物(312mg,収率:57%)と5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル}−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXIV)の無色油状物(68mg,収率:15%)を得た。5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル}−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(total 6H,each s),2.31(3H,s),2.41(1H,t,J=2.4Hz),3.55(3H,d,J=1.3Hz),4.72(2H,d,J=2.5Hz),7.06〜7.26(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128(1F,s).5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(4−メチルフェニル)エチル}−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.68(3H,s),2.24(1H,t,J=2.5Hz),2.30(3H,s),3.13(3H,d,J=1.5Hz),4.35(2H,dd,J=1.5,2.5Hz),7.07〜7.26(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113(1F,s).
実施例−39
【0136】
【化49】

【0137】
4−{1−(4−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル}−5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチルピラゾール(352mg,1.21mmol)に無水ジクロロメタン(5mL)、トリエチルアミン(245mg,2.42mmol)を加え、氷冷下でクロロメチルスルホニルクロリド(271mg,1.82mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応終了後、水(30mL)を加え、ジエチルエ−テル(30mL×1、10mL×2)で抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、茶褐色油状の粗生成物(548mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより、4−{1−(4−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル}−3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチルピラゾール(化合物−39)の黄色固体(55mg,収率:9%)と4−{1−(4−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル}−2−クロロメチルスルホニル−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXV)の黄色固体(230mg,収率:25%)を得た。4−{1−(4−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル}−3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチルピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.30(9H,s),1.69(3H,s),1.70(3H,s),3.64(3H,d,J=1.0Hz),4.73(2H,s),7.21〜7.33(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−125(1F,s).4−{1−(4−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル}−2−クロロメチルスルホニル−5−フルオロ−1−メチル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.30(9H,s),1.68(total 6H,each s),3.28(3H,d,J=2.0Hz),4.91(2H,s),7.22〜7.33(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−100(1F,s).
実施例−40
【0138】
【化50】

【0139】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(623mg,2.06mmol)を無水DMF(7.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(570mg,4.12mmol)および臭化ベンジル(705mg,4.12mmol)を加えて室温で17.5時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(40mL)を加え、トルエン(15mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、3−ベンジルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(化合物−40)の黄色油状物(326mg,収率:40%)および2−ベンジル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXVI)の黄色油状物(186mg,収率:23%)を得た。3−ベンジルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.68(3H,s),3.58(3H,d,J=1.0Hz),5.05(2H,s),7.02〜7.05(2H,m),7.23〜60(7H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129.5(1F,s),−62.6(3F,s).2−ベンジル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.72(3H,s),1.74(3H,s),3.01(3H,d,J=1.5Hz),4.81(2H,d,J=1.3Hz),7.13〜7.16(2H,m),7.26〜7.47(5H,m),7.54〜7.58(2H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.6(1F,s),−62.6(3F,s).
実施例−41
【0140】
【化51】

【0141】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(623mg,2.06mmol)を無水DMF(7.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(570mg,4.12mmol)および臭化アリル(500mg,4.13mmol)を加えて室温で17時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(40mL)を加え、トルエン(15mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、3−アリロキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(化合物−41)の黄色油状物(163mg,収率:23%)および2−アリル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXVII)の黄色油状物(185mg,収率:26%)を得た。3−アリロキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.69(3H,s),3.56(3H,d,J=1.0Hz),4.52(2H,ddd,J=5.0,1.6,1.6Hz),5.04〜5.12(2H,m),5.73〜5.88(1H,m),7.33〜7.58(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−129.3(1F,s),−62.7(3F,s).2−アリル−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.70(3H,s),1.72(3H,s),3.06(3H,d,J=1.3Hz),4.23〜4.27(2H,m),5.13〜5.21(2H,m),5.65〜5.81(1H,m),7.36〜7.46(2H,m),7.57〜7.59(2H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−115.6(1F,s),−62.7(3F,s).
実施例−42
【0142】
【化52】

【0143】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(623mg,2.06mmol)を無水DMF(7.0mL)に溶解し、炭酸カリウム(570mg,4.12mmol)および臭化プロパルギル(490mg,4.12mmol)を加えて室温で15時間撹拌した。反応終了後、反応液に水(40mL)を加え、トルエン(15mL×3)で抽出した。合一した有機層を飽和食塩水(15mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた黒褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−42)の褐色油状物(272mg,収率:39%)および5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXVIII)の黄色油状物(107mg,収率:15%)を得た。5−フルオロ−1−メチル−3−プロパルギルオキシ−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s)1.69(3H,s),2.38(1H,t,J=2.3Hz),3.57(3H,d,J=0.8Hz),4.68(2H,d,J=2.3Hz),7.33〜7.57(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.6(1F,s),−62.6(3F,s).5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.70(3H,s),1.72(3H,s),2.24(1H,t,J=2.5Hz),3.16(3H,d,J=1.5Hz),4.36(2H,dd,J=2.5,1.5Hz),7.26〜7.55(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−112.4(1F,s),−62.6(3F,s).
実施例−43
【0144】
【化53】

【0145】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(623mg,2.06mmol)を無水ジクロロメタン(7.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(625mg,6.18mmol)を加えて氷冷した。このものにクロロメチルスルホニルクロリド(614mg,6.18mmol)を加えた後、室温で17.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL)で洗浄した。これを無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール(化合物−43)の黄色油状物(82mg,収率:9.7%)および2−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXIX)の黄色油状物(219mg,収率:26%)を得た。3−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}ピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.72(3H,s),1.74(3H,s),3.66(3H,d,J=1.3Hz),5.00(2H,s),7.38〜7.56(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−125.6(1F,s),−62.7(3F,s).2−クロロメチルスルホニルオキシ−5−フルオロ−1−メチル−4−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.70(3H,s),1.72(3H,s),3.32(3H,d,J=2.0Hz),4.90(2H,s),7.37〜7.55(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−100.6(1F,s),−62.7(3F,s).
実施例−44
【0146】
【化54】

【0147】
5−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチルピラゾール(1.30g,4.93mmol)を無水DMF(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(684mg,4.95mmol)および臭化プロパルギル(0.9mL,9.85mmol)を加えて室温で14時間撹拌した。反応液に水(50mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた褐色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製して、5−フルオロ−4−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール(化合物−44)の褐色油状物(882mg,収率:59%)および5−フルオロ−4−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン(化合物−XXX)の黄色油状物(318mg,収率:21%)を得た。5−フルオロ−4−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−3−プロパルギルオキシピラゾール:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.65(3H,s),1.67(3H,s),2.41(1H,t,J=2.5Hz),3.55(3H,d,J=1.0Hz),3.78(3H,s),4.71(2H,d,J=2.5Hz),6.71(1H,ddd,J=8.0,2.5,1.0Hz),6.86〜6.94(2H,m),7.19(1H,dd,J=8.0,8.0Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−128.4(1F,s).5−フルオロ−4−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}−1−メチル−2−プロパルギル−4−ピラゾリン−3−オン:H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.67(3H,s),1.69(3H,s),2.24(1H,t,J=2.5Hz),3.14(3H,d,J=1.5Hz),3.78(3H,s),4.37(2H,dd,J=2.5,1.5Hz),6.70〜6.74(1H,m),6.90〜6.97(2H,m),7.21(1H,dd,J=8.0,8.0Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−112.6(1F,s).
参考例−1
【0148】
【化55】

【0149】
トリフェニルホスフィン(15.7g,60.0mmol)を無水DMAc(60mL)に溶解し、ジブロモジフルオロメタン(12.6g,60.0mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で30分間撹拌した。これに3−(3−フルオロフェニル)−3−メチル−2−オキソブタン酸メチル(6.73g,30.0mmol)を加えて再度氷冷し、亜鉛(3.92g,60.0mmol)を少しずつ加えた後、60℃で6時間撹拌した。反応終了後、水(200mL)を加え、ジエチルエ−テル(100mL×3)で抽出した。有機層を合一して水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して、黄色油状の3,3−ジフルオロ−2−{1−(3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル}アクリル酸メチル(3.41g,収率:44%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.56(3H,s),1.58(3H,s),3.66(3H,s),6.86〜6.94(1H,m),7.03〜7,15(2H,m),7.22〜7.36(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−113.3(1F,s),−77.8(1F,d,J=21.2Hz),−76.3(1F,d,J=23.5Hz).
参考例−2
【0150】
【化56】

【0151】
トリフェニルホスフィン(7.90g,30.1mmol)を無水DMAc(30mL)に溶解し、ジブロモジフルオロメタン(6.30g,30.0mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で30分間撹拌した。これにを再度氷冷し、3−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−オキソブタン酸メチル(3.61g,15.0mmol)を加え、さらに亜鉛(1.96g,30.0mmol)を少しずつ加えた後、60℃で19時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧蒸留に付し、徐々に昇温させながら4mmHgで留出する成分を集めた。これに水(100mL)を加え、ジエチルエ−テル(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた黄色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して、淡黄色油状の2−{1−(3−クロロフェニル)−1−メチルエチル}−3,3−ジフルオロアクリル酸メチル(1.50g,収率:36%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.56(3H,s),1.58(3H,s),3.67(3H,s),7.16〜7.26(3H,m),7.32〜7.34(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−77.6(1F,d,J=23.1Hz),−76.1(1F,d,J=23.1Hz).
参考例−3
【0152】
【化57】

【0153】
トリフェニルホスフィン(15.7g,60.0mmol)を無水DMAc(60mL)に溶解し、ジブロモジフルオロメタン(12.7g,60.5mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で30分間撹拌した。これに3−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−2−オキソブタン酸メチル(8.56g,30.0mmol)を加えて再度氷冷し、亜鉛(3.98g,60.9mmol)を少しずつ加えた後、60℃で2時間撹拌した後、室温で12時間撹拌した。反応終了後、水(300mL)を加え、ジエチルエ−テル(100mL×3)で抽出した。有機層を合一して水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。得られた黒色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して、黄色油状の2−{1−(3−ブロモフェニル)−1−メチルエチル}−3,3−ジフルオロアクリル酸メチル(1.97g,収率:21%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(3H,s),1.57(3H,s),3.66(3H,d,J=1.8Hz),7.14〜7.36(3H,m),7.48〜7.49(1H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−77.6(1F,d,J=23.0Hz),−76.1(1F,d,J=23.3Hz).
参考例−4
【0154】
【化58】

【0155】
トリフェニルホスフィン(7.13g,27.2mmol)を無水DMAc(25mL)に溶解し、ジブロモジフルオロメタン(5.72g,27.3mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で30分間撹拌した。これに3−(3−ヨードフェニル)−3−メチル−2−オキソブタン酸メチル(4.51g,13.6mmol)を加えて再度氷冷し、亜鉛(1.80g,27.5mmol)を少しずつ加えた後、60℃で4時間撹拌した。反応終了後、水(100mL)を加え、ジエチルエ−テル(50mL×3)で抽出した。有機層を合一して水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮した。得られた黒色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して、黄色油状の3,3−ジフルオロ−2−{1−(3−ヨードフェニル)−1−メチルエチル}アクリル酸メチル(1.45g,収率:29%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.55(3H,s),1.57(3H,s),3.66(3H,s),7.04(1H,dd,J=7.8,7.8Hz),7.30〜7.35(1H,m),7.53(1H,ddd,J=7.8,1.8,1.3Hz),7.68(1H,dd,J=1.8,1.8Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−77.6(1F,d,J=23.3Hz),−76.0(1F,d,J=23.3Hz).
参考例−5
【0156】
【化59】

【0157】
トリフェニルホスフィン(7.90g,30.1mmol)を無水DMAc(30mL)に溶解し、ジブロモジフルオロメタン(6.30g,30.0mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で30分間攪拌した。これを再度氷冷し、3−メチル−2−オキソ−3−(3−トリフルオロメチルフェニル)ブタン酸メチル(4.11g,15.0mmol)を加え、さらに亜鉛(1.96g,30.0mmol)を少しずつ加えた後、60℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧蒸留に付し、徐々に昇温させながら4mmHgで留出する成分を集めた。これに水(100mL)を加え、ジエチルエ−テル(30mL×3)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して黄色油状の3,3−ジフルオロ−2−{1−メチル−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル}アクリル酸メチル(3.41g,収率:74%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.60(3H,s),1.62(3H,s),3.64(3H,s),7.40〜7.59(4H,m).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−77.7(1F,d,J=23.1Hz),−75.9(1F,d,J=23.1Hz),−62.8(3F,s).
参考例−6
【0158】
【化60】

【0159】
トリフェニルホスフィン(15.7g,60.0mmol)を無水DMAc(60mL)に溶解し、ジブロモジフルオロメタン(12.8g,61.0mmol)を氷冷下にて加えた後、室温で30分間撹拌した。これに3−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−2−オキソブタン酸メチル(7.09g,30.0mmol)を加えて再度氷冷し、亜鉛(3.96g,60.6mmol)を少しずつ加えた後、60℃で17時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧蒸留し、徐々に昇温しながら4mmHgで留出する留分を集めた。これに、水(100mL)を加え、ジエチルエ−テル(100mL×2,50mL×1)で抽出した。有機層を合一して飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮して褐色油状の3,3−ジフルオロ−2−{1−(3−メトキシフェニル)−1−メチルエチル}アクリル酸メチル(1.83g,収率:23%)を得た。H−NMR(250MHz,CDCl):δ1.56(3H,s),1.58(3H,s),3.65(3H,s),3.81(3H,s),6.75(1H,ddd,J=8.0,2.5,0.8Hz),6.91(1H,m),6.95(1H,ddd,J=8.0,1.8,0.8Hz),7.23(1H,dd,J=8.0,8.0Hz).19F−NMR(235MHz,CDCl):δ−78.4(1F,d,J=25.0Hz),−77.0(1F,d,J=25.0Hz).
以下、本発明の農園芸用殺虫・殺ダニ剤の製剤例及び試験例を示す。
製剤例−1(水和剤)
本発明化合物を20重量部、カープレックス#80(ホワイトカーボン、塩野義製薬株式会社、商品名)20重量部、STカオリンクレー(カオリナイト、土屋カオリン社、商品名)52重量部、ソルポール9047K(アニオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)5重量部、ルノックスP65L(アニオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)3重量部を配合し、均一に混合粉砕して、有効成分20重量%の水和剤を得た。
製剤例−2(粉剤)
本発明化合物を2重量部、クレー(日本タルク社製)93重量部、カープレックス#80(ホワイトカーボン、塩野義製薬株式会社、商品名)5重量部を均一に混合粉砕して、有効成分2重量%の粉剤を製造した。
製剤例−3(乳剤)
本発明化合物を20重量部に、キシレン35重量部及びDMF30重量部からなる混合溶媒に添加溶解し、これにソルポール3005X(非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、東邦化学株式会社、商品名)15重量部を加えて、有効成分20重量%の乳剤を得た。
製剤例−4(フロアブル剤)
本発明化合物を30重量部とソルポール9047K(同上)5重量部、ソルボンT-20(非イオン性界面活性剤、東邦化学株式会社、商品名)3重量部、エチレングリコール8重量部及び水44重量部をダイノミル(シンマルエンタープライゼス社製)で湿式粉砕し、このスラリー状混合物に1重量%キサンタンガム(天然高分子)水溶液10重量部を加え、良く混合粉砕して、有効成分20重量%のフロアブル剤を得た。
試験例−1(ツマグロヨコバイの幼虫に対する殺虫効果)
プラスチック製円筒容器(内径6cm×長さ9cm)に稲の芽だし苗をセットし、製剤例−3の処方に従って製造した本発明の殺虫剤(乳剤)の水希釈液(3.5mL)を上記のプラスチック製円筒容器に散布塔(みずほ理化製)を用いて散布した(1濃度、2反復)。風乾後、ツマグロヨコバイ3令幼虫を20頭放虫した。処理7日後に、幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫は死虫として殺虫率(%)求めた。
【0160】
その結果、化合物−26、化合物−27及び化合物−36が、500ppmの処理や薬量で、ツマグロヨコバイの幼虫に対してそれぞれ69.2%、100%及び85.7%の幼虫死虫率(散布7日後)を示した。
試験例−2(コナガの幼虫に対する殺虫効果)
製剤例−3の処方に従って製造した本発明の殺虫剤(乳剤)の水希釈液中に、キャベツ切葉(4cm×4cm)を15分間浸漬した。浸漬後風乾しプラスチックカップ(内径7cm)にいれ、このカップ内にコナガの3令幼虫を5頭放虫した(1濃度、2反復)。放虫2日後に幼虫の生死及び苦悶を調査し、苦悶虫は死虫として殺虫率(%)を求めた。
【0161】
その結果化合物−27と化合物−42が、コナガの幼虫に対して500ppmの処理薬量で、それぞれ100%幼虫死亡率(散布2日後)を示した。
【0162】
また、化合物−16、化合物−17、化合物−18、化合物−24、化合物−31、化合物−32、化合物−34、化合物−35、化合物−38及び化合物−41が、500ppmの処理薬量で、それぞれ100%、80%、100%、100%、100%、100%、100%、100%、100%及び100%のコナガ羽化阻害率(散布7日後)を示した。
【0163】
また、本発明の化合物には包含されないが、化合物−XV、化合物−XXVIII及び化合物−XIXが、500ppmの処理薬量で、それぞれ60%、68.2%及び60%のコナガ羽化阻害率(散布7日後)を示した。
試験例−3(ナミハダニの成虫に対する殺ダニ効果)
直径9cmのシャーレに水で湿らせたスポンジを入れ、その上に濾紙を置き、さらにその上にインゲン葉切片(3cm×3cm)を置いた。そのインゲン葉に25頭のナミハダニ雌成虫を放虫した。製剤例−3の処方に従って製剤した本発明の殺ダニ剤(乳剤)を水で所定濃度に希釈した液(3.5mL)を、上記のインゲン葉上に回転式散布搭(みずほ理化製)を用いて散布した(1濃度、2反復)。処理2日後に成虫の生死を調査し殺ダニ率(%)を求めた。
【0164】
その結果、化合物−1と化合物−27が、ナミハダニの成虫に対して500ppmの処理薬量で、それぞれ48%及び40%死亡率(散布2日後)を示した。
試験例−4(ナミハダニの卵に対する殺卵効果)
直径9cmのシャーレに水で湿らせたスポンジを入れ、その上に濾紙を置き、さらにその上にインゲン葉切片(3cm×3cm)を置いた。そのインゲン葉に10頭のナミハダニ雌成虫を放虫した。放虫後24時間インゲン葉に産卵させ、その後、雌成虫を除去した。製剤例−3の処方に従って製剤した本発明の殺ダニ剤(乳剤)を水で所定濃度に希釈した液(3.5mL)を、上記のインゲン葉に回転式散布搭(みずほ理化製)を用いて散布した(1濃度、2反復)。処理7日後に未孵化卵数と孵化幼虫数を調査し殺卵率(%)を求めた。
【0165】
その結果、化合物−1が、500ppmの処理薬量で、ナミハダニの成虫に対して48%の死亡率(散布2日後)を示した。また、本発明の化合物には包含されないが、化合物−IVが、500ppmの処理薬量で、ナミハダニの成虫に対して56.6%の死亡率(散布2日後)を示し、ナミハダニの卵に対して92.7%の未羽化卵率(散布7日後)を示した。また、化合物−XIX及び化合物−XXが、500ppmの処理薬量で、ナミハダニの卵に対してそれぞれ55.2%及び73.3%の未羽化卵率(散布7日後)を示した。
【0166】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体。
【請求項2】
一般式(2)
【化2】

(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。)で示されるヒドラジン類と、一般式(3)
【化3】

(式中、Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。Rは炭素数1から6のアルキル基を表す。)で示される2−置換−3,3−ジフルオロアクリル酸エステルを、場合によっては塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(1a)
【化4】

(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。R2aは水素原子を表し、Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体の製造方法。
【請求項3】
一般式(1a)
【化5】

(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。R2aは水素原子を表し、Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体と、一般式(4)
【化6】

(式中、R2bは置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Zは脱離基を表す。)で示される親電子剤を塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(1b)
【化7】

(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。R2bは置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体の製造方法。
【請求項4】
一般式(1)
【化8】

(式中、Rは置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基を表す。Rは水素原子、置換されていてもよい炭素数1から12のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数7から11のアラルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアシル基又は置換されていてもよいスルホニル基を表す。Rは置換されていてもよいフェニル基を表す。R及びRは各々独立に置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3から6のアルキニル基を表す。またR及びRは一体となって置換されていてもよいポリメチレン基を表す。)で示される5−フルオロピラゾール誘導体を有効成分とする殺虫・殺ダニ剤。




【公開番号】特開2010−180194(P2010−180194A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27920(P2009−27920)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【出願人】(000124269)科研製薬株式会社 (18)
【Fターム(参考)】