説明

6,14−エポキシモルヒナン誘導体およびその医薬用途

【課題】オピオイドκ受容体に関連する様々な疾患、症状、特に疼痛の予防または治療に有用な新規医薬を提供すること。
【解決手段】下記に代表される6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩、および該化合物を有効成分として含有する医薬を提供した。


【効果】本発明の新規化合物及びその薬理学的に許容される酸付加塩は、高いオピオイドκ受容体への選択的結合性を有し、オピオイドκ受容体に関連する様々な疾患、症状、特に疼痛の治療または予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な6,14-エポキシモルヒナン誘導体、および医薬としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
古くから鎮痛薬として用いられてきたモルヒネなどが結合する膜タンパクとして、三種(μ、δ、κ)のタイプのオピオイド受容体が同定された。オピオイド受容体は鎮痛作用を含む様々な薬理作用に関与していることが報告されており、その受容体のリガンド(アゴニスト、アンタゴニスト)は、様々な疾患、症状に対する治療薬として利用しうる。また、オピオイド受容体の各タイプに選択的に結合するリガンドを用いれば、他のタイプの受容体に起因する副作用が軽減される可能性があり、より有用な医薬となりうる。中でもオピオイドκ受容体リガンドは、モルヒネなどのμ受容体アゴニストの有する副作用(例えば薬物依存性、呼吸抑制など)のない医薬として期待されている。
【0003】
ところで、モルヒナン骨格の6位と14位が酸素原子によって架橋された6,14-エポキシモルヒナン化合物としては、下記の化合物が知られている。
(1) 合成中間体として開示された6,14-エポキシモルヒナン化合物(特許文献1)。
【0004】
【化1】

【0005】
(2) オピオイドリガンドとして開示された6,14-エポキシモルヒナン化合物(非特許文献1および2)。
【0006】
【化2】

【0007】
(3) オピオイド結合性、鎮痛作用と共に開示された6,14-エポキシモルヒナン化合物1、および今後合成予定として示された化合物2(非特許文献3)。
【0008】
【化3】

【0009】
しかしながら、特許文献1および非特許文献1、2には、本願化合物のように6位に側鎖を有するものは開示されていない。また、非特許文献3は、本願になる新規化合物が、そこで開示された化合物に比較してオピオイドκ受容体選択的な結合性を有し、より有用な医薬となりうることをなんら示唆してはいない。
【0010】
【特許文献1】国際公開WO02/080918号公報
【非特許文献1】Portoghese P.S.et.al., J.Org.Chem., 55, 2957-2959, 1990.
【非特許文献2】Nelson W.L.et.al., J.Heterocyclic Chem., 31, 1509-1511, 1994.
【非特許文献3】根本徹、北里大学大学院、修士論文、2006年。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、オピオイドκ受容体に関連する様々な疾患、症状の予防または治療に有用な6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩、および該化合物を有効成分として含有する医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため鋭意検討した結果、6,14-エポキシモルヒナン構造の特定の位置に特定の置換基を有する化合物が、予想外にも非特許文献3に記載の公知化合物に比較して高いオピオイドκ受容体への選択的結合性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち本発明は、一般式(I)
【0014】
【化4】

【0015】
[式中R1は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、炭素数6から9のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数3から7のアルケニル、フラニル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、チエニル、チエニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、ピリジル、またはピリジルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)を表し;
R2、R3は、それぞれ別個に水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数3から7のアルケニルオキシ、炭素数7から13のアラルキルオキシ、または炭素数1から5のアルカノイルオキシを表し;
R4は、水素、または炭素数1から5のアルキルを表し;
Xは、-C(=O)-、または-SO2-を表し;
R5は、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、フラニル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、フラニルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、チエニル、チエニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、チエニルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、ピリジル、ピリジルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、ピリジルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、カンファー、-NR62(ここでR6は水素、または炭素数1から5のアルキルを表し、各R6は同一でも異なっていてもよい)を表し;
上記で示された置換基に含まれるアリール部分、ヘテロアリール部分、シクロアルキル部分は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のチオアルコキシ、及び炭素数1から5のアルカノイルオキシから成る群より選ばれる1以上の置換基R7で置換されていてもよく;
ただし、R1がシクロプロピルメチル、R3、R4が水素、Xが-C(=O)-、R5がフェニルまたはベンジルの場合は、該フェニルまたはベンジル基は1以上の置換基R7で置換されていなければならない。]で示される6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を提供する。また、本発明は、上記本発明の6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する医薬、特に、鎮痛薬を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により新規化合物が提供された。本発明の新規化合物及びその薬理学的に許容される酸付加塩は、オピオイドκ受容体に関連する様々な疾患、症状、特に疼痛の治療または予防に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記の通り、本発明は、前記一般式(I)で表される6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩、および当該化合物を有効成分として含有する医薬を提供する。一般式(I)としては、(+)体、(−)体及び(±)体が含まれる。また、一般式(I)において、下記の各置換基に含まれるアルキル部分には直鎖及び分枝鎖が包含される。
【0018】
一般式(I)で表される化合物の中でもR3としては、水素のものが好ましい。
【0019】
R1としては、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、または炭素数7から13のアラルキルが好ましく、中でもイソブチル、シクロプロピルメチル、またはベンジルが好ましい。
【0020】
R2としては、水素、ヒドロキシ、または炭素数1から5のアルコキシが好ましく、中でもヒドロキシが好ましい。
【0021】
R4としては、水素、メチルが好ましく、中でも水素が好ましい。
【0022】
R5としては、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、フラニルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、カンファー、または-NR62(R6は両者共に炭素数1から5のアルキル、中でも両者共にメチルが好ましい)が好ましく、中でも、フェニル、ヒドロキシフェニル、ベンジル、フェネチル、カンファー、またはジメチルアミノが好ましい。
【0023】
上記で示された置換基に含まれるアリール部分、ヘテロアリール部分、シクロアルキル部分は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のチオアルコキシ、及び炭素数1から5のアルカノイルオキシから成る群より選ばれる1以上の置換基R7で置換されていてもよい。
【0024】
ただし、一般式(I)において、R1がシクロプロピルメチル、R3、R4が水素、Xが-C(=O)-、R5がフェニルまたはベンジルの場合は、該フェニルまたはベンジル基は1以上の置換基R7で置換されていなければならない。
【0025】
薬理学的に好ましい酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩等の有機カルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファ−スルホン酸塩等の有機スルホン酸塩等があげられ、中でも、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファ−スルホン酸塩等が好ましく用いられるが、これらに限られるものではない。
【0026】
本発明になる一般式(I)で表される化合物の具体例を表1に示す。
【0027】
【化5】

【0028】
【表1−1】

【0029】
【表1−2】

【0030】
また一般式(I)の化合物のうち、R1がベンジル、R2がヒドロキシ、R3 、R4が水素、Xが-C(=O)-、R5が4-ヒドロキシフェニルである下記の化合物を、
【0031】
【化6】

【0032】
N-[(17-ベンジル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-4-ヒドロキシベンズアミドと命名する。
【0033】
一般式(I)で示される、6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩は、具体的にはスキーム1の方法によって製造することができる。なお、「Ms」はメシル基を表す。
【0034】
【化7】

【0035】
すなわち、以下の工程による:
(a) Nagase H.et.al., Tetrahedron Lett., 2007, 48(14), 2547-2553.に記載の方法などによって得られるヒドロキシメチル体(II)[ただし、R1, R2, R3は上記した一般式(I)における定義に同じ]をメシル化する。
(b) 一般式(III)[ただし、R1, R2, R3は上記した一般式(I)における定義に同じ]で表される化合物を、アジド化する。
(c) 一般式(IV)[ただし、R1, R2, R3は上記した一般式(I)における定義に同じ]で表される化合物を還元する。
(d) 一般式(V)[ただし、R1, R2, R3は上記した一般式(I)における定義に同じ]で表される化合物を、一般式(VI)で表される化合物[ただし、R5, Xは上記した一般式(I)における定義に同じであり、Yはハロゲン、ヒドロキシ、アシロキシなどの脱離基である]と縮合し、アミドまたはスルホンアミド化する。
(e) 一般式(Ia)[ただし、R1, R2, R3, R5, Xは上記した一般式(I)における定義に同じ]で表される化合物に、一般式(VII)で表されるハロゲン化アルキル[ただし、R4は上記した一般式(I)における定義に同じであり、Zはハロゲンである]を反応させてアルキル化する。
【0036】
それぞれの工程は具体的には以下の方法によって行うことができる。
【0037】
(a)のメシル化工程は、ヒドロキシメチル体(II)に、塩基の存在下、ハロゲン化メタンスルホニルを反応させて行うことができる。ハロゲン化メタンスルホニルは、ヒドロキシメチル体(II)に対して1〜10当量用いるのが好ましく、特に1〜5当量とするのが好ましい。生成するメシル体(III)が不安定な場合には、精製することなく、次工程のアジド化を行うとよい結果が得られる場合がある。用いる塩基としては、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基が好ましく用いられ、特にピリジンが好ましい。反応溶媒としては、ピリジンなどの常温で液体の塩基を溶媒兼用として用いるか、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒が好ましく用いられるが、ピリジンを塩基/溶媒兼用とする方法が好ましく用いられる。反応温度としては-78℃〜50℃で行うことができ、-30℃〜30℃がより好ましい。反応時間としては、0.5〜30時間で実施可能であり、1から10時間がより好ましい。基質濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
【0038】
(b)のアジド化工程は、メシル体(III)にアジ化メタルを溶媒中で反応させて行うことができる。アジ化メタルとしては、アジ化ナトリウム、アジ化カリウムなどが好ましく用いられるが、特にアジ化ナトリウムが好ましい。アジ化メタルはメシル体(III)に対して、1〜30当量用いるのが好ましく、特に1〜20当量とするのが好ましい。反応溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒などが好ましく用いられるが、非プロトン性極性溶媒、特にDMSOが好ましく用いられる。反応温度としては0℃〜200℃で行うことができ、50℃〜150℃がより好ましい。反応時間としては、0.5〜30時間で実施可能であり、1から10時間がより好ましい。基質濃度は特に限定しないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lで実施可能である。
【0039】
(c)の還元工程は、アジド体(IV)に対し、金属触媒存在下、場合によっては酸を共存させた水素添加条件で行うことができる。用いる金属触媒の種類は特に限定されないが、例えば水酸化パラジウム、酸化白金、パラジウム/炭素が好ましく用いられ、パラジウム/炭素で十分満足すべき結果が得られる。触媒は1〜50 w%、特に好ましくは5〜30 w%用いるとよい。酸を共存させる場合には、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、酒石酸等の有機酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機スルホン酸などを用いることができるが、有機スルホン酸、特に、カンファースルホン酸で好ましい結果が得られる。酸は、アジド体(IV)に対して1〜10当量、より好ましくは1〜5当量が用いられる。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒などが好ましく用いられるが、アルコール系溶媒、特にメタノールが好ましく用いられる。反応温度、反応時間、基質濃度は適宜選択され、特に限定されないが、0〜100 ℃、より好ましくは10〜50 ℃で、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜15時間反応させることで、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lの濃度で目的とする化合物を収率よく得ることができる。
【0040】
(d)のアミド化またはスルホンアミド化工程は、アミノ体(V)に対し、塩基または縮合剤の存在下、溶媒中、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、スルホン酸ハロゲン化物等を反応させて行うことができる。アミド化またはスルホンアミド化剤はアミノ体(V)に対して0.5〜50当量を用いることが可能であるが、1〜20当量を用いることが好ましく、中でも1〜10当量で良好な結果が得られる。溶媒としては、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSOなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、酢酸、プロピオン酸などの酸性溶媒を用いることができるが、中でもDMF、トルエン、酢酸が好ましく用いられる。必要に応じて共存させる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基を用いることができるが、中でもトリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好ましく用いられる。また用いる塩基は基質に対して、1〜30当量、好ましくは1〜10当量が用いられる。反応温度としては通常-20〜200 ℃の範囲で実施可能であり、好ましくは0〜150 ℃の範囲で満足すべき結果が得られる。反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常、30分から30時間程度で満足すべき結果が得られる。また反応系中の基質の濃度は、特に限定されるものではないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/L程度が好ましい。
【0041】
(e)のアルキル化工程は、2級アミドまたはスルホンアミド体(Ia)に対し、塩基の共存下、ハロゲン化アルキルを反応させて行うことができる。塩基としては、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属水素化物、ナトリウムエトキシド、カリウム t-ブトキシドなどの金属アルコキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基を用いることができる。また用いる塩基は基質に対して、1〜30当量、好ましくは1〜10当量が用いられる。溶媒としては、DMF、ジメチルアセトアミド、DMSOなどの非プロトン性極性溶媒、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を用いることができるが、中でもDMF、THFが好ましく用いられる。反応温度は通常-20〜200 ℃,好ましくは-10〜150 ℃で満足すべき結果が得られる。反応時間は、反応温度等の条件に応じて適宜選択されるが、通常、30分〜100時間程度で満足すべき結果が得られる。また反応系中の基質の濃度は、特に限定されるものではないが、通常、1 mmol/L〜1 mol/Lが好ましい。
【0042】
一般式(I)で示される6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩がオピオイドκ受容体に選択的に結合し、オピオイドκ受容体に関連する疾患の治療または予防薬として有用なことは、例えば、実施例に記載したモルモット脳ホモジネートを用いた受容体結合アッセイ法によって、また、当該化合物が鎮痛作用を有することは、実施例に記載した酢酸ライジング試験によって確認することができる。
【0043】
本発明になる医薬を臨床で使用する際には、薬剤はフリーの塩基またはその塩自体でもよく、また賦形剤、安定化剤、保存剤、緩衝剤、溶解補助剤、乳化剤、希釈剤、等張化剤などの添加剤が適宜混合されていてもよい。また、当該薬剤は、これらの薬剤用担体を適宜用いて通常の方法によって製造することができる。投与形態としては、錠剤・カプセル剤・顆粒剤・散剤・シロップ剤などによる経口剤、注射剤・座剤・液剤などによる非経口剤、あるいは軟膏剤・クリーム剤・貼付剤などによる局所投与等を挙げることができる。
【0044】
本発明になる医薬は上記有効成分を0.00001〜90重量%、より好ましくは0.0001〜70重量%含有することが望ましい。その使用量は症状、年齢、体重、投与方法等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、成人に対する1日の有効成分量としては、注射剤の場合0.1μg〜1g、経口剤の場合1μg〜10gであり、それぞれ1回または数回に分けて投与することができる。
【0045】
本発明になる医薬は、オピオイドκ受容体に関連する種々の疾患又は症状の予防又は治療に用いることができる。ここで、「オピオイドκ受容体に関連する疾患又は症状」とは、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合が症状の発現に関与している疾患又は症状のことを言う。より具体的には、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合により症状の発現が促進される疾患等、又は該結合により症状の発現が抑制される疾患等を言う。下記実施例に記載するとおり、本発明の化合物は、オピオイドκ受容体に対し選択的な結合性を有する。従って、例えば、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合によって症状の発現が促進される疾患の場合、本発明の医薬を患者に投与すれば、患者体内で該リガンドと本発明の化合物とが競合することにより、本発明の化合物が受容体−リガンドの結合に拮抗的に作用することになるため、結果として疾患の症状を改善し得る。この場合には、本発明の化合物はアンタゴニストとして作用する。また、例えば、オピオイドκ受容体へのリガンドの結合により症状の発現が抑制される疾患の場合、本発明の医薬を患者に投与すれば、患者体内で本発明の化合物がオピオイドκ受容体に結合するので、それにより症状を緩和し得る。この場合、本発明の化合物はアゴニストとして作用する。そのようなオピオイドκ受容体に関連する疾患又は症状としては、特に限定されないが、例えば疼痛、咳嗽、掻痒、虚血性脳疾患、薬物依存などの他、WO 05/015242にオピオイドκ受容体に関連する疾患として記載されたものなどを挙げることができる。それらの疾患のうち、実施例53に示したように疼痛に対する治療効果が確認できており、本発明の医薬を疼痛の予防または治療に用いることができる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これらはあくまでも例示のためにあげたものであり、いかなる意味においても限定的に捉えられるべきものではない。なお、化学式中の略号はそれぞれ以下の意味を表す。
Ms:メシル基
nPr:ノルマルプロピル基
tBoc:tert-ブトキシルカルボニル基
【0047】
参考例1
(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチルメタンスルホネート(3)の合成
【0048】
【化8】

【0049】
文献(Nagase H.et.al., Tetrahedron Lett., 2007, 48(14), 2547-2553.)既知の方法で得られた(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メタノール (700 mg, 1.97 mmol) をピリジン (4 ml) に溶かし、アルゴン下、氷冷して、塩化メタンスルホニル (0.46 ml, 5.97 mmol) を加えて2.5時間攪拌後、反応液に少量の水を加えて濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水を加えてpH9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、表題化合物の粗精製物 (790 mg) を白色アモルファスとして得た。不安定であったため、精製せずに次の反応へと進んだ。
【0050】
参考例2
6α-アジドメチル-17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン(4)の合成
【0051】
【化9】

【0052】
参考例1で得られた粗精製物3(790 mg)を無水DMSO (4 ml) に溶かし、アジ化ナトリウム (700 mg, 10.8 mmol) を加え、アルゴン下110 ℃で攪拌した。5時間後反応液を濃縮し、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮すると、粗生成物が褐色油状物として得られた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (50 g; クロロホルム/メタノール 50/1〜15/1) で精製すると、表題化合物 (628 mg, 84%, 2 steps) が橙色油状物として得られた。
IR (neat): 2100 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.17 (2H, m), 0.42-0.58 (2H,m), 0.93 (1H, m), 1,24 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.45 (1H, dt, J = 13.0, 6.0 Hz), 1.54-1.94 (5H, m), 2.14 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.28 (1H, dt, J = 12.5, 4.5 Hz), 2.42 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.57 (1H, dd, J = 6.0, 12.5 Hz), 2.65 (1H, ddd, J = 2.0, 4.5, 12.5 Hz), 2.66 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.12 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.66 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.67 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.74 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.78 (3H, s), 6.57 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.70 (1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 7.02 (1H, d, J = 8.5 Hz)
MS (FAB) m/z = 381 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C22H29NO2 [M+H]+: 381.2291; Found 381.2290
【0053】
参考例3
(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メタンアミン(5)の合成
【0054】
【化10】

【0055】
参考例2で得られた化合物4(630 mg, 1.66 mmol) とカンファースルホン酸 (962 mg, 4.14 mmol) をメタノール (10 ml) に溶解し、10%パラジウム (300 mg, 1.32 mmol) を加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。12時間後に反応液を濾過後、濃縮した。1N NaOH水を加えてpH=9として、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して表題化合物の粗精製物 (541 mg) を透明油状物として得た。不安定であったため、精製せずに次の反応へと進めた。
【0056】
参考例4
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチル]ベンズアミド(6)の合成
【0057】
【化11】

【0058】
参考例3で得られた粗精製物5(250 mg) をピリジン (2.0 ml) に溶かし、無水安息香酸 (208 mg, 0.918 mmol) を加え、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌した。3時間後、反応液を濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水を加えてpH=9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、粗精製物を油状物として得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (50 g; クロロホルム/メタノール 50/1〜25/1) で精製して、表題化合物 のフリー体(221 mg, 63%, 2 steps) を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1651 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.20 (2H, m), 0.40-0.62 (2H, m), 0.98 (1H, m), 1,27 (1H, dt, J = 13.0, 2.0 Hz), 1.47 (1H, m), 1.53-2.16 (6H, m), 2.25 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.37 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.54-2.68 (3H, m), 3.14 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.72 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.77 (3H, s), 3.88-4.02 (2H, m), 6.58 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.69 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.84 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.00 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.39-7.56 (3H, m), 7.80-7.89 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 459 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H35N2O3 [M+H]+: 459.2648; Found 459.2639
【0059】
参考例5
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]ベンズアミド塩酸塩(1)の合成
【0060】
【化12】

【0061】
参考例4で得られた化合物6(110 mg, 0.240 mmol)をDMF(4 ml) に溶かし、アルゴン下、カリウムt-ブトキシド (240 mg, 2.14 mmol) と1-プロパンチオール (0.33 ml, 3.65 mmol) を加え、150 ℃で攪拌した。12時間後反応液を濃縮し、残渣に1N HClを加えてpH=9にして、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮すると粗精製物が褐色油状物として得られた。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (11 g; クロロホルム/メタノール 50/1〜15/1) で精製すると、表題化合物のフリー体 (71 mg, 67%) が透明油状物として得られた。
IR (neat): 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.18 (2H, m), 0.42-0.60 (2H, m), 0.93 (1H, m), 1,28 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.37(1H ,m), 1.51-1.90 (5H, m), 2.09 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.23 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.34 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.52-2.62 (3H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.70 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.85-4.02 (2H, m), 6.61 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.89 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40-7.56 (3H, m), 7.81-7.88 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 445 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H33N2O3 [M+H]+: 445.2491; Found 445.2504
【0062】
得られたフリー体をメタノール中で塩酸塩化し、表題化合物(54 mg, 76%) を白色粉末として得た。
mp 181-185 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H32N2O3・HCl・4/5H2O : C, 67.88; H, 7.04; N, 5.65. Found: C, 67.85; H, 7.16; N, 5.46.
【0063】
参考例6
2-フェニル-N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]アセトアミド塩酸塩(2)の合成
【0064】
【化13】

【0065】
参考例3で得られたアミノ体5を用い、参考例4、5と同様にして、ピリジンの代わりにTHF、トリエチルアミンを、安息香酸無水物の代わりにフェニルアセチルクロリドを用いて表題化合物のフリー体とした(54%, 3 steps)後、塩化して目的物を得た。
IR (neat): 1652 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.18 (2H, m), 0.43-0.60 (2H, m), 0.90 (1H, m), 1,10 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.26 (1H ,m), 1.51-1.90 (5H, m), 2.09 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.23 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.34 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.52-2.62 (3H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.70 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.85-4.02 (2H, m), 6.61 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.89 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40-7.56 (3H, m), 7.81-7.88 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 459 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H35N2O3 [M+H]+: 459.2648; Found 459.2649
塩酸塩
mp 172-172 ℃(dec).
Anal. Calcd for C29H34N2O3HCl0.7H2O : C, 68.61; H, 7.23; N, 5.52. Found: C, 68.52; H, 7.31; N, 5.37.
【0066】
参考例7
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチル]ホルムアミド(7)の合成
【0067】
【化14】

【0068】
無水酢酸 (3.75 ml) にギ酸(1.4 ml)を加え50 ℃で20分、アルゴン下反応させた。氷冷し、参考例3で得られたアミノ体5(700 mg) をこの溶液に溶かし、アルゴン雰囲気下、氷冷温度で攪拌した。1.5時間後、反応液を濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水を加えてpH=9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、表題化合物の粗精製物 (751 mg) を透明油状物として得た。このものを精製することなく次反応に供した。
【0069】
参考例8
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-N-メチルホルムアミド(8)の合成
【0070】
【化15】

【0071】
参考例7で得られた化合物7(71.3 mg, 0.18 mmol)を、THF(2.0 ml) に溶かし、NaH(80 mg, 18.3 mmol) を加え、アルゴン雰囲気下、氷冷温度でヨウ化メチル(0.1 ml, 0.66 mmol)を加え、攪拌した。30分後、反応液を濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水を加えてpH=9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、粗精製物を油状物として得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (11 g; クロロホルム/メタノール 50/1〜20/1) で精製して、表題化合物 (36%, 3steps) を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1668 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.19 (2H, m), 0.42-0.59 (2H, m), 0.89 (1H, m), 1.16-1.92 (8H, m), 1.92-2.22 (2H, m), 2.40 (1H, m), 2.52-2.74 (4H, m), 3.02-3.24 (4H, m), 3.60-3.94 (5H, m), 6.52-6.59 (1H, m), 6.64-6.72 (1H, m), 6.96-7.04 (1H, m), 8.12-8.18 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 397 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C24H33N2O3 [M+H]+: 397.2491; Found 397.2493
【0072】
参考例9
(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)-N-メチルメタンアミン(9)の合成
【0073】
【化16】

【0074】
参考例8で得られた化合物8(290 mg) を1 mol/L HCl (15.0 ml) に溶かし、加熱還流した。4時間後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水を加えてpH=9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、表題化合物の粗精製物 (232 mg) を透明油状物として得た。このものは精製することなく次反応に供した。
【0075】
実施例1〜13
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-トランス-3-フランアクリルアミド塩酸塩(10)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-3-n-プロピルチオベンズアミド塩酸塩(11)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-4-メチルベンズアミド塩酸塩(12)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-3-メチルベンズアミド塩酸塩(13)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-2-メチルベンズアミド塩酸塩(14)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-4-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(15)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-3-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(16)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-2-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(17)、3-フェニル-N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]プロピオンアミド塩酸塩(18)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-1-ナフトアミド塩酸塩(19)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-2-ナフトアミド塩酸塩(20)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-(1S)-カンファースルホンアミド塩酸塩(21)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-(1R)-カンファースルホンアミド塩酸塩(22)の合成
【0076】
【化17】

【0077】
【化18】

【0078】
【化19】

【0079】
【化20】

【0080】
【化21】

【0081】
【化22】

【0082】
【化23】

【0083】
【化24】

【0084】
【化25】

【0085】
【化26】

【0086】
【化27】

【0087】
【化28】

【0088】
【化29】

【0089】
参考例3で得られたアミノ体5を用い、参考例4、5と同様にして、ピリジンの代わりにTHF、トリエチルアミンを、安息香酸無水物の代わりに3-トランス-3-(3-フリル)アクリロイルクロリド、3-フルオロ安息香酸、4-トルオイルクロリド、3-トルオイルクロリド、2-トルオイルクロリド、4-メトキシベンゾイルクロリド、3-メトキシベンゾイルクロリド、2-メトキシベンゾイルクロリド、ヒドロシンナモイルクロリド、1-ナフトイルクロリド、2-ナフトイルクロリド、(1S)-カンファースルホニルクロリド、(1R)-カンファースルホニルクロリドを用いて、化合物10(37%, 3 steps) 、化合物11 (32%, 3 steps) 、化合物12(54%, 3 steps) 、化合物13(40%, 3 steps) 、化合物14(37%, 3 steps) 、化合物15(52%, 3 steps) 、化合物16(67%, 3 steps) 、化合物17(74%, 3 steps) 、化合物18(66%, 3 steps) 、化合物19(52%, 3 steps) 、化合物20(65%, 3 steps) 、化合物21(61%, 3 steps) 、化合物22(69%, 3 steps)のフリー体を得、それぞれ塩酸塩化して表題化合物を得た。
【0090】
化合物10
IR (neat): 1666, 1619 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.18 (2H, m), 0.43-0.60 (2H, m), 0.93 (1H, m), 1.26-1.40 (2H ,m), 1.51-1.65 (2H, m), 2.04-2.28 (3H, m), 2.23 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.38 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.52-2.69 (3H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.70 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.70 (1H, dd, J = 6.5, 15.0 Hz), 3.91 (1H, dd, J = 6.5, 15.0 Hz), 6.21 (1H, d, J = 15.0 Hz), 6.52 (1H, t, J = 6.5 Hz), 6.56 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.61 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.67 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40 (1H, t, J = 2.0 Hz), 7.54 (1H, d, J = 15.0 Hz), 7.60 (1H, s)
MS (FAB) m/z = 461 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H33N2O4 [M+H]+: 461.2440; Found 461.2441.
塩酸塩
mp 198-201 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H32N2O4HCl0.7H2O : C, 65.99; H, 6.80; N, 5.50. Found: C, 66.30; H, 7.11; N, 5.39.
【0091】
化合物11
IR (neat): 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.06-0.19 (2H, m), 0.43-0.60 (2H, m), 0.94 (1H, m), 1,10 (3H, dt, J = 7.5 Hz), 1.20-1.42 (2H, m), 1.51-1.87 (4H, m), 1.68 (2H, tq, J = 7.5, 7.5 Hz), 2.09 (2H, m), 2.37 (1H, m), 2.52-2.70 (3H, m), 2.95 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.71 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.87 (1H, dd, 6.0, 15.0 Hz), 3.94 (1H, 6.0, 15.0 Hz), 6.59 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.95 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.28-7.83 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 519 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H39N2O3S [M+H]+: 519.2681; Found 519.2686
塩酸塩
Anal. Calcd for C31H38N2O3SHClH2O : C, 64.96; H, 7.21; N, 4.89. Found: C, 64.79; H, 7.01; N, 4.63
【0092】
化合物12
IR (neat): 1642 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.24 (2H, m), 0.44-0.62 (2H, m), 0.98 (1H, m), 1,27 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.37 (1H, m), 1.51-1.90 (5H, m), 2.00-2.34 (3H, m), 2.40 (3H, s), 2.52-2.75 (3H, m), 3.12 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.74 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.85-4.02 (2H, m), 6.62 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.67 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.88 (1H, m), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.20-7.34 (2H, m), 7.70-7.86 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 459 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H35N2O3 [M+H]+: 459.2648; Found 459.2635.
塩酸塩
mp 184-187 ℃(dec).
Anal. Calcd for C29H34N2O3HClH2O : C, 67.89; H, 7.27; N, 5.46. Found: C, 67.60; H, 7.26; N, 5.44
【0093】
化合物13
IR (neat): 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.05-0.23 (2H, m), 0.44-0.62 (2H, m), 0.97 (1H, m), 1,27 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.34 (1H, m), 1.51-1.88 (5H, m), 2.00-2.34 (3H, m), 2.40 (3H, s), 2.52-2.74 (3H, m), 3.12 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.74 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.85-4.02 (2H, m), 6.62 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.67 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.90 (1H, m), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.28-7.36 (2H, m), 7.58-7.74 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 459 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H35N2O3 [M+H]+: 459.2648; Found 459.2640
塩酸塩
mp 176-180 ℃(dec).
Anal. Calcd for C29H34N2O3HCl0.8H2O : C, 68.37; H, 7.27; N, 5.50. Found: C, 68.31; H, 7.15; N, 5.35
【0094】
化合物14
IR (neat): 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.02-0.22 (2H, m), 0.40-0.62 (2H, m), 0.92 (1H, m), 1,28 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.40 (1H, m), 1.51-1.94 (5H, m), 2.00-2.40 (3H, m), 2.48 (3H, s), 2.51-2.73 (3H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.70 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.85-4.02 (2H, m), 6.48 (1H, m), 6.60 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.63 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.17-7.48 (4H, m)
MS (FAB) m/z = 459 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H35N2O3 [M+H]+: 459.2648; Found 459.2662.
塩酸塩
mp 181-185 ℃(dec).
Anal. Calcd for C29H34N2O3HCl0.8H2O : C, 68.37; H, 7.24; N, 5.50. Found: C, 68.48; H, 7.27; N, 5.43
【0095】
化合物15
IR (KBr): 1641 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 0.14-0.28 (2H, m), 0.48-0.68 (2H, m), 0.93 (1H, m), 1,18 (1H, m), 1.47-1.67 (3H, m), 1.72-1.92 (3H, m), 2.12-2.28 (2H, m), 2.45 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.57 (1H, m), 2.61 (1H, dd, J = 6.0, 12.5 Hz), 2.65 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.14 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.71 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.66 (1H, d, J = 14.5 Hz), 4.00 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.48 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.57 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.80-6.88 (2H, m), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.75-7.84 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 461 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H33N2O4 [M+H]+: 461.2440; Found 461.2456
塩酸塩
mp 215-220 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H32N2O4HClH2O : C, 65.30; H, 6.85; N, 5.44. Found: C, 65.07; H, 6.87; N, 5.35
【0096】
化合物16
IR (KBr): 1640 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 0.13-0.30 (2H, m), 0.48-0.66 (2H, m), 0.93 (1H, m), 1,20 (1H, m), 1.47-1.69 (3H, m), 1.72-1.94 (3H, m), 2.11-2.30 (2H, m), 2.44 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.56 (1H, m), 2.59 (1H, dd, J = 6.0, 12.5 Hz), 2.65 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.14 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.67 (1H, d, J = 14.5 Hz), 3.70 (1H, d, J = 5.5 Hz), 4.00 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.48 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.58 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.96 (1H, m), 7.24-7.38 (3H, m)
MS (FAB) m/z = 461 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H33N2O4 [M+H]+: 461.2440; Found 461.2447.
塩酸塩
mp 202-208 ℃ (dec).
Anal. Calcd for C28H32N2O4HClH2O : C, 65.30; H, 6.85; N, 5.44. Found: C, 65.41; H, 6.82; N, 5.30
【0097】
化合物17
IR (KBr): 1642 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 0.16-0.30 (2H, m), 0.48-0.70 (2H, m), 0.95 (1H, m), 1,22 (1H, dt, 13.0, 2.0), 1.49-1.72 (3H, m), 1.72-1.94 (3H, m), 2.18-2.34 (2H, m), 2.57 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.61 (1H, m), 2.64 (1H, dd, J = 6.0, 12.5 Hz), 2.74 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.15 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.76 (1H, d, J = 14.5 Hz), 3.77 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.99 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.50 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.59 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.82-6.93 (3H, m), 6.95 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.89 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 461 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H33N2O4 [M+H]+: 461.2440; Found 461.2436
塩酸塩
mp 198-202 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H32N2O4HCl1.25H2O : C, 64.73; H, 6.89; N, 5.39. Found: C, 64.63; H, 6.74; N, 5.31
【0098】
化合物18
IR (neat): 1658 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.20 (2H, m), 0.43-0.60 (2H, m), 0.92 (1H, m), 1,18 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.18-1.34 (2H ,m), 1.38-1.78 (5H, m), 2.09 (2H, m), 2.36 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.52-2.62 (4H, m), 2.90-3.06 (2H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.57 (1H, dd, J = 6.0, 14.0 Hz), 3.66 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.76 (1H, dd, J = 6.0, 14.0 Hz), 6.28 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.59 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.14-7.31 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 473 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H37N2O3 [M+H]+: 473.2804; Found 473.2811
塩酸塩
mp 160-164 ℃(dec).
Anal. Calcd for C30H36N2O3HCl1.33H2O : C, 67.59; H, 7.50; N, 5.25. Found: C, 67.43; H, 7.28; N, 5.17
【0099】
化合物19
IR (neat): 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.06-0.22 (2H, m), 0.41-0.60 (2H, m), 0.84 (1H, m), 1,20 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.52-1.84 (4H, m), 1.95 (1H, d, J = 12.0 Hz), 1.97 (1H, dd, J = 2.5, 12.0 Hz), 2.19 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.39 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.47 (1H, m), 2.48(1H, dd, J = 6.0, 12.5 Hz), 2.64 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.12 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.65 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.76 (1H, d, J = 14.0 Hz), 4.12 (1H, d, J = 14.0 Hz), 6.55 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.60 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.50-7.64 (3H, m), 7.70 (1H, m), 7.90-8.06 (3H, m), 8.25 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 495 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C32H35N2O3 [M+H]+: 495.2648; Found 495.2646
塩酸塩
mp 191-194 ℃(dec).
Anal. Calcd for C32H34N2O3HCl1.2H2O : C, 69.54; H, 6.82; N, 5.07. Found: C, 69.54; H, 6.62; N, 5.14
【0100】
化合物20
IR (neat): 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.11-0.26 (2H, m), 0.46-0.65 (2H, m), 0.93 (1H, m), 1,18 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.50-1.83 (4H, m), 1.89 (1H, dd, J = 2.5, 12.0 Hz), 1.91 (1H, d, J = 12.0 Hz), 2.17 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.24 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.42 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.54 (1H, m), 2.59 (1H, dd, J = 6.0, 12.5 Hz), 2.66 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.14 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.71 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.77 (1H, d, J = 14.0 Hz), 4.07 (1H, d, J = 14.0 Hz), 6.50 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.58 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.52-7.64 (4H, m), 7.90-8.04 (2H, m), 8.46 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 495 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C32H35N2O3 [M+H]+: 495.2648; Found 495.2652
塩酸塩
mp 185-190 ℃(dec).
Anal. Calcd for C32H34N2O3HClH2O : C, 69.99; H, 6.79; N, 5.10. Found: C, 70.23; H, 6.74; N, 5.18
【0101】
化合物21
IR (neat): 1742 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.22 (2H, m), 0.42-0.60 (2H, m), 0.91 (1H, m), 0.91 (3H, s), 1.06 (3H, s), 1,26 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.38-1.52 (2H, m), 1.60 (1H ,m), 1.68-2.18 (9H, m), 2.26 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.28-2.46 (3H, m), 2.48-2.68 (3H, m), 2.96 (1H, d, J = 15.0 Hz), 3.10 (1H, m), 3.46 (1H, d, J = 15.0 Hz), 3.46 (1H, d, J = 14.5 Hz), 3.57 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.57 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.54 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.67 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.96 (1H, d, J = 8.0 Hz)
MS (FAB) m/z = 555 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H43N2O5S [M+H]+: 555.2893; Found 555.2886
塩酸塩
mp 190-194 ℃(dec).
Anal. Calcd for C31H42N2O5SHCl0.5H2O : C, 62.03; H, 7.39; N, 4.67. Found: C, 62.05; H, 7.29; N, 4.58
【0102】
化合物22
IR (neat): 1741 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.20 (2H, m), 0.42-0.60 (2H, m), 0.91 (1H, m), 0.91 (3H, s), 1.08 (3H, s), 1,26 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.36-1.52 (2H, m), 1.60 (1H ,m), 1.70-2.16 (9H, m), 2.24 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.30-2.46 (3H, m), 2.48-2.68 (3H, m), 2.95 (1H, d, J = 15.0 Hz), 3.10 (1H, d, 18.0 Hz), 3.53 (1H, d, J = 15.0 Hz), 3.55 (1H, dd, J = 6.0, 14.5 Hz), 3.63 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.65 (1H, dd, J = 6.0, 14.5 Hz), 5.34 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.53 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.63 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz)
MS (FAB) m/z = 555 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H43N2O5S [M+H]+: 555.2893; Found 555.2882
塩酸塩
mp 197-201 ℃(dec).
Anal. Calcd for C31H42N2O5SHCl0.5H2O : C, 62.03; H, 7.39; N, 4.67. Found: C, 62.17; H, 7.39; N, 4.69
【0103】
実施例14
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-N-メチルベンズアミド(23)の合成
【0104】
【化30】

【0105】
参考例4で得られた化合物6(81 mg, 0.18 mmol) をTHF(2.0 ml) に溶かし、NaH(80 mg, 18.3 mmol) を加え、アルゴン下、氷冷下でヨウ化メチル(0.1 ml, 0.66 mmol)を加え攪拌した。30分後、反応液を濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水を加えてpH=9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、粗精製物を油状物として得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (11 g; クロロホルム/メタノール 50/1〜20/1) で精製して、表題化合物 (64 mg, 77%) を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1620 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.19 (2H, m), 0.40-0.60 (2H, m), 0.91 (1H, m), 1,25 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.46-1.82 (5H, m), 1.86-2.03 (2H, m), 2.06-2.30 (2H, m), 2.32-2.78 (3H, m), 3.20 (3H, s), 3.26 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.66 (1H, m), 3.78 (3H, m), 3.90 (1H, d, J = 14.5 Hz), 4.21 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.60 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.70 (1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 7.01 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.34-7.50 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 473 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H37N2O3 [M+H]+: 473.2804; Found 473.2803
【0106】
実施例15
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-N-メチルベンズアミド塩酸塩(24)の合成
【0107】
【化31】

【0108】
実施例14で得られた化合物23より、参考例5の方法と同様にして収率84%で表題化合物のフリー体を透明油状物として得た。
IR (neat): 1621 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.19 (2H, m), 0.40-0.60 (2H, m), 0.92 (1H, m), 1,10 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.26 (1H, m), 1.39-1.56 (2H, m), 1.57-1.77 (3H, m), 1.90 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.06 (1H, dt, J = 13.0, 2.0 Hz), 2.32-2.62 (4H, m), 3.06 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.54-3.64 (3H, m), 3.56 (1H, dd, J = 6.5, 14.5 Hz), 3.77 (1H, dd, 6.5, 14.5 Hz), 6.21 (1H, t, 6.5 Hz), 6.53 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.63 (1H, dd, J = 2.0, 8.0 Hz), 6.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.20-7.38 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 459 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H35N2O3 [M+H]+: 459.2648; Found 459.2633
【0109】
定法にしたがって塩酸塩とし、表題化合物を得た。
mp 177-183 ℃(dec).
Anal. Calcd for C29H34N2O3HCl1.2H2O : C, 67.51; H, 7.51; N, 5.36. Found: C, 67.36; H, 7.31; N, 5.28
【0110】
実施例16〜17
2-フェニル-N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-N-メチルアセトアミド塩酸塩(25)、N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-N-メチル-2-メチルベンズアミド塩酸塩(26)の合成
【0111】
【化32】

【0112】
【化33】

【0113】
参考例9で得られた化合物9を用い、参考例4、5の方法に従い、参考例4において、室温を氷冷下にし、ピリジンの代わりにTHF、トリエチルアミンを用い、無水安息香酸の代わりに、フェニルアセチルクロリド、2-トルオイルクロリドを用いて、化合物25(35%, 3 steps)、化合物26(42%, 3 steps)のフリー体を得、塩酸塩として表題化合物を得た。
【0114】
化合物25
IR (neat): 1624 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.19 (2H, m), 0.40-0.59 (2H, m), 0.90 (1H, m), 1,03 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.12-1.27 (1H, m), 1.33-1.49 (2H, m), 1.50-1.68 (3H, m), 1.74 (1H, m), 1.90 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.06 (1H, m), 2.32-2.72 (4H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.18 (3H, s), 3.62 (1H, m), 3.67 (1H, d, J = 14.5 Hz), 3.75-3.83 (2H, m), 4.02 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.53 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.64 (1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 6.90 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.18-7.38 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 473 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H37N2O3 [M+H]+: 473.2804; Found 473.2813
塩酸塩
mp 157-160 ℃(dec).
Anal. Calcd for C30H36N2O3HCl1.6H2O : C, 66.99; H, 7.53; N, 5.21. Found: C, 66.93; H, 7.44; N, 5.13
【0115】
化合物26
IR (neat): 1613 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.05-0.22 (2H, m), 0.42-0.61 (2H, m), 0.94 (1H, m), 1.13-1.32 (2H, m), 1.36-1.49 (1H, m), 1.49-1.77 (4H, m), 1.77-1.96 (2H, m), 2.20 (1H, dt, J = 2.0, 12.0 Hz), 2.38 (3H, s), 2.52-2.79 (3H, m), 3.18 (3H, s), 3.20 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.73 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.98 (1H, d, J = 14.5 Hz), 4.08 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.58 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.64 (1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 6.92 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.12-7.38 (4H, m)
MS (FAB) m/z = 473 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H37N2O3 [M+H]+: 473.2804; Found 473.2823
塩酸塩
mp 170-174 ℃(dec).
Anal. Calcd for C30H36N2O3HCl1.1H2O : C, 68.13; H, 7.47; N, 5.30. Found: C, 68.01; H, 7.35; N, 5.18
【0116】
参考例10
6α-アジドメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン(27)の合成
【0117】
【化34】

【0118】
参考例2で得られた化合物4(2.68 g) を1,1,2,2-テトラクロロエタン (25 ml) に溶かし、1-クロロエチルクロロホルメイト (3.8 ml, 35.2 mmol) を加え、アルゴン下100 ℃で攪拌した。2.5時間後反応液を濃縮し、MeOH (20 ml) を加えて溶解してから加熱還流した。2時間後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗い、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮すると、粗精製物が褐色油状物として得られた。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (50 g; クロロホルム/メタノール 33/1〜20/1) で精製し、表題化合物 (1.38 g, 60%) を橙色油状物として得た。
IR (neat): 2101 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 1,23 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.40-1.76 (4H, m), 1.85 (1H, d, J = 12.0 Hz), 1.90 (1H, dd, J = 2.0, 12.0 Hz), 2.04 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.55 (1H, m), 2.66 (1H, ddd, J = 2.0, 4.5, 12.5 Hz), 3.01 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.15 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.48 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.57 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.72 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.78 (3H, s), 6.56 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.72 (1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 7.06 (1H, d, J = 8.5 Hz)
MS (FAB) m/z = 327 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C18H23N4O2 [M+H]+: 327.1821; Found 327.1831
【0119】
参考例11
6α-アジドメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシ-17-メチルモルヒナン(28)の合成
【0120】
【化35】

【0121】
参考例10で得られた化合物27(1.3 g, 3.98 mmol) を2N 酢酸 (150 ml) に溶かし、酢酸ナトリウム (1.6 g, 19.9 mmol), 37%ホルムアルデヒド水溶液 (1.6 ml) を加えてアルゴン雰囲気下、室温で攪拌した。3h後、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム (1.5 g, 39.8 mmol) を加えて、5分攪拌後、アンモニア水溶液を加えpH=10にしてクロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮すると、粗精製物 (1.28 g) が無色油状物として得られた。得られた粗精製物をエタノールから再結晶して、表題化合物 (0.90 g, 66%) を白色結晶として得た。
IR (KBr): 2091 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 1,28 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.40-1.78 (4H, m), 1.84-1.94 (2H, m), 2.15 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.26 (1H, dt, J = 4.0, 12.5 Hz), 2.42 (1H, m), 2.44 (3H, s), 2.64 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.20 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.30 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.70 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.71 (1H, d, J = 13.0 Hz), 3.78 (3H, s), 6.57 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.70 (1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 7.04 (1H, d, J = 8.5 Hz)
MS (FAB) m/z = 341 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C19H25N4O2 [M+H]+: 341.1978; Found 341.1992
【0122】
実施例18
N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-メチル-モルヒナン-6α-イル)メチル]ベンズアミド(29)塩酸塩の合成
【0123】
【化36】

【0124】
参考例11で得られた化合物28より、参考例3、4、5の方法と同様にして表題化合物のフリー体 (57%、3 steps)を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1621 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 1,29 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.37 (1H, m), 1.50-1.92 (6H, m), 2.12-2.32 (2H, m), 2.50 (3H, s), 2.66 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.22 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.34 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.92 (1H, dd, J = 6.5, 14.5 Hz), 3.96 (1H, dd, 6.5, 14.5 Hz), 6.60 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 2.0, 8.0 Hz), 6.94 (1H, m), 6.96 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40-7.56 (3H, m), 7.80-7.92 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 405 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C25H29N2O3 [M+H]+: 405.2178; Found 405.2166
【0125】
また、得られたフリー体を塩酸塩化して表題化合物を得た。
mp 181-185 ℃(dec).
Anal. Calcd for C25H28N2O3HCl0.9H2O : C, 65.71; H, 6.85; N, 6.11. Found: C, 65.77; H, 6.84; N, 5.99
【0126】
参考例12
(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メタンアミン(30)の合成
【0127】
【化37】

【0128】
参考例3で得られた化合物5(160 mg, 0.45 mmol)をDMF (4 ml)に溶かし、アルゴン下、カリウムt-ブトキシド (336 mg, 3.0 mmol) と1-プロパンチオール (0.38 ml, 4.23 mmol) を加え、150 ℃で攪拌した。6時間後、反応液を濃縮し、残渣に1N HClを加えてpH=9にして、(クロロホルム:2-プロパノール=3:2)で3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、表題化合物の粗精製物 (202 mg) を褐色油状物として得た。
【0129】
実施例19
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-3-フルオロベンズアミド塩酸塩(31)の合成
【0130】
【化38】

【0131】
参考例12で得られた粗精製物30(199 mg)より、参考例4に従い、室温を氷冷下にし、ピリジンの代わりにTHF、トリエチルアミンを用い、無水安息香酸の代わりに3-フルオロベンゾイルクロリドを用いて、表題化合物の3位ベンゾイル体(130 mg, 49%, 2 steps)を白色アモルファスとして得た。
【0132】
このもの(100 mg)をTHF (2 ml)に溶かし、4N NaOH (1 ml)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌した。4時間後、反応液に2N HClを加えてpH=9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、粗精製物を油状物として得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (20 g; クロロホルム/メタノール 100/2〜33/1) で精製して、表題化合物のフリー体(62 mg, 78%) を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1649 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.18 (2H, m), 0.41-0.60 (2H, m), 0.91 (1H, m), 1.26 (1H, dt, 13.0, 2.0 Hz), 1.36 (1H, m), 1.50-1.86 (5H, m), 2.10 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.21 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.36 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.50-2.68 (3H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.71 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.81 (1H, dd, J = 6.5, 14.5 Hz), 3.96 (1H, dd, 6.5, 14.5 Hz), 6.58 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.95 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.19 (1H, m), 7.39 (1H, m), 7.55-7.66 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 445 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H32FN2O3 [M+H]+: 463.2397; Found 463.2388
【0133】
また、得られたフリー体を塩酸塩化し、表題化合物を得た。
mp 181-185 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H31FN2O32HCl0.67H2O : C, 61.43; H, 6.32; N, 5.12. Found: C, 61.57; H, 6.24; N, 4.88
【0134】
実施例20
N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-4-ニトロベンズアミド塩酸塩(32)の合成
【0135】
【化39】

【0136】
参考例12で得られた粗精製物30より、実施例19と同様にして、3-フルオロベンゾイルクロリドの代わりに4-ニトロベンゾイルクロリドを用いて、表題化合物のフリー体(18%, 3 steps)を得た。
IR (neat): 1651 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.04-0.20 (2H, m), 0.42-0.60 (2H, m), 0.91 (1H, m), 1,18-1.32 (2H, m), 1.44 (1H ,m), 1.53-1.90 (5H, m), 2.11 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.20 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.37 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.50-2.70 (3H, m), 3.12 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.74 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.80 (1H, dd, J = 6.5, 14.5 Hz), 4.06 (1H, dd, 6.5, 14.5 Hz), 6.54 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.63 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.95 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.00-8.10 (2H, m), 8.21-8.29 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 490 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H32N3O5 [M+H]+: 490.2342; Found 490.2327
【0137】
このものを塩酸塩化して表題化合物を得た。
mp 200-205 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H31N3O52HCl0.33H2O : C, 59.30; H, 6.15; N, 7.32. Found: C, 59.47; H, 5.97; N, 6.94
【0138】
参考例13
(6β,14-エポキシ-17-イソブチル-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メタンアミン(33)の合成
【0139】
【化40】

【0140】
参考例2で得られた化合物4(1.09 g, 2.87 mmol) とカンファースルホン酸 (4.0 g, 17.2 mmol) をメタノール (15 ml) に溶解し、酸化白金 (546 mg, 2.4 mmol) を加え、水素雰囲気下、室温で攪拌した。96時間後に、反応液を濾過後、濃縮した。1N NaOH水を加えてpH=9として、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して表題化合物の粗精製物 (937 mg) を透明油状物として得た。不安定であったため、精製せずに次の反応へと進んだ。
【0141】
実施例21
N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-イソブチルモルヒナン-6α-イル)メチル]ベンズアミド塩酸塩(34)の合成
【0142】
【化41】

【0143】
参考例13で得られた化合物33より参考例4、5と同様にして表題化合物のフリー体(23%, 3 steps)を得た。
IR (neat): 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.93 (6H, d, 6.0 Hz), 1,23 (2H, m), 1.37(1H ,m), 1.48-1.90 (7H, m), 2.15 (1H, m), 2.24-2.50 (2H, m), 2.61 (1H, m), 3.13 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.32 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.87 (1H, dd, J = 6.0, 14.5 Hz), 3.99 (1H, dd, J = 6.0, 14.5 Hz), 6.59 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.95 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40-7.56 (3H, m), 7.81-7.92 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 447 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H35N2O3 [M+H]+: 447.2491; Found 447.2663
【0144】
このものを塩酸塩化して、表題化合物を得た。
mp 184-188 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H34N2O3HCl1.33H2O : C, 66.32; H, 7.49; N, 5.52. Found: C, 66.52; H, 7.21; N, 5.28
【0145】
実施例22
N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-イソブチルモルヒナン-6α-イル)メチル]-N-メチルベンズアミド塩酸塩(35)の合成
【0146】
【化42】

【0147】
参考例13で得られた化合物33より、参考例4、6、5と同様にして表題化合物のフリー体 (22%, 3 steps)を得た。
IR (neat): 1614 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.90 (6H, d, 6.0 Hz), 1,23 (2H, m), 1.35 (1H ,m), 1.41-1.90 (7H, m), 2.17 (1H, m), 2.24-2.48 (2H, m), 2.67 (1H, m), 3.10 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.23 (3H, s), 3.27 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.67 (1H, d, J = 14.5 Hz), 4.38 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.58 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.66 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.37-7.52 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 447 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H37N2O3 [M+H]+: 461.2804; Found 461.2811
【0148】
このものを塩酸塩化して表題化合物を得た。
mp 178-182 ℃(dec).
Anal. Calcd for C29H36N2O31.5HCl0.8H2O : C, 65.75; H, 7.44; N, 5.29. Found: C, 65.68; H, 7.30; N, 5.25
【0149】
実施例23〜26
N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-イソブチルモルヒナン-6α-イル)メチル]-トランス-3-フランアクリルアミド塩酸塩(36)、N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-イソブチルモルヒナン-6α-イル)メチル]-4-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(37)、N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-イソブチルモルヒナン-6α-イル)メチル]-3-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(38)、N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-イソブチルモルヒナン-6α-イル)メチル]-2-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(39)の合成
【0150】
【化43】

【0151】
【化44】

【0152】
【化45】

【0153】
【化46】

【0154】
参考例13で得られた化合物33より、参考例4、5に従い、参考例4において、室温を氷冷下にし、ピリジンの代わりにTHF、トリエチルアミンを用い、無水安息香酸の代わりに3-トランス-3-(3-フリル)アクリロイルクロリド、4-メトキシベンゾイルクロリド、3-メトキシベンゾイルクロリド、2-メトキシベンゾイルクロリドを用いて、化合物36(22%, 3 steps)、化合物37(26%, 3 steps)、化合物38(35%, 3 steps)、化合物39(46%, 3 steps)のフリー体を得、それぞれを塩酸塩化して表題化合物を得た。
【0155】
化合物36
IR (neat): 1665, 1619 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.92 (6H, d), 1.19-1.36 (2H ,m), 1.44-1.65 (2H, m), 1.65-1.88 (4H, m), 2.04-2.50 (5H, m), 2.60 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.13 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.32 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.74 (1H, dd, J = 6.5, 15.0 Hz), 3.89 (1H, dd, J = 6.5, 15.0 Hz), 6.20 (1H, d, J = 15.0 Hz), 6.48 (1H, t, J = 6.5 Hz), 6.55 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.63 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.69 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.95 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40 (1H, t, J = 2.0 Hz), 7.54 (1H, d, J = 15.0 Hz), 7.60 (1H, s)
MS (FAB) m/z = 463 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H35N2O4 [M+H]+: 463.2597; Found 463.2594
塩酸塩
mp 200-206 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H34N2O4HCl1.2H2O : C, 64.59; H, 7.24; N, 5.38. Found: C, 64.67; H, 7.37; N, 5.18
【0156】
化合物37
IR (KBr): 1637 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 0.96 (3H, d), 0.98 (3H, d), 1.18 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.47-1.65 (3H, m), 1.70-1.92 (4H, m), 2.12-2.32 (2H, m), 2.27 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.39 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.45 (1H, dd, J = 6.5, 12.5 Hz), 2.63 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.14 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.36 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.62 (1H, d, J = 14.5 Hz), 4.03 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.48 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.57 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.82-6.88 (2H, m), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.75-7.82 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 463 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H35N2O4 [M+H]+: 463.2597; Found 463.2591
塩酸塩
mp 203-208 ℃ (dec).
Anal. Calcd for C28H34N2O4HCl1.33H2O : C, 64.29; H, 7.26; N, 5.36. Found: C, 64.33; H, 7.03; N, 5.28
【0157】
化合物38
IR (KBr): 1640 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 0.95 (3H, d), 0.97 (3H, d), 1.17 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.45-1.66 (3H, m), 1.68-1.90 (4H, m), 2.10-2.32 (2H, m), 2.24 (1H, dd, J = 7.5, 12.5 Hz), 2.37 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.43 (1H, dd, J = 6.5, 12.5 Hz), 2.61 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.13 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.34 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.62 (1H, d, J = 14.5 Hz), 4.03 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.48 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.58 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.96 (1H, m), 7.24-7.37 (3H, m)
MS (FAB) m/z = 463 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H35N2O4 [M+H]+: 463.2597; Found 463.2597
塩酸塩
mp 182-186 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H34N2O4HCl0.8H2O : C, 65.50; H, 7.18; N, 5.46. Found: C, 65.50; H, 7.15; N, 5.43
【0158】
化合物39
IR (KBr): 1639 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 0.97 (3H, d), 0.99 (3H, d), 1.19 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.49-1.70 (3H, m), 1.71-1.94 (4H, m), 2.18-2.32 (2H, m), 2.24 (1H, dd, J = 7.5, 12.5 Hz), 2.27 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.45 (1H, m), 2.57 (1H, dd, J = 6.5, 12.5 Hz), 2.75 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.16 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.48 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.73 (1H, d, J = 14.5 Hz), 4.03 (1H, d, J = 14.5 Hz), 6.50 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.60 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.86-6.95 (2H, m), 6.96 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.38 (1H, m), 7.87 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 461 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C28H35N2O4 [M+H]+: 463.2597; Found 463.2586.
塩酸塩
mp 180-185 ℃(dec).
Anal. Calcd for C28H34N2O4HCl0.67H2O : C, 65.81; H, 7.17; N, 5.48. Found: C, 65.79; H, 7.18; N, 5.37
【0159】
参考例14
t-ブチル N-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチル]カルバメート(40)の合成
【0160】
【化47】

【0161】
参考例3で得られたアミノ体5(1.32 g) をピリジン (8.0 ml) に溶かし、二炭酸ジ-t-ブチル (2.6 ml, 11.2 mmol) を加え、アルゴン雰囲気下室温で攪拌した。3時間後、反応液に少量の水を加え濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水を加えてpH=9にし、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、粗精製物を油状物として得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (50 g; クロロホルム/メタノール 50/1) で精製して、表題化合物 (1.13 g, 61%, 2 steps) を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1712 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 0.03-0.20 (2H, m), 0.40-0.60 (2H, m), 0.94 (1H, m), 1,26 (1H, dt, J = 13.0, 2.0 Hz), 1.38 (1H, m), 1.45 (9H, s), 1.50-1.92 (5H, m), 2.06 (1H, dt, J = 2.0, 12.5 Hz), 2.23 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.31 (1H, dd, J = 7.0, 12.5 Hz), 2.48-2.68 (3H, m), 3.11 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.54 (1H, dd, J = 6.5, 13.5 Hz), 3.59 (1H, dd, J = 6.5, 13.5 Hz), 3.68 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.77 (3H, s), 5.12 (1H, t, J = 6.5 Hz), 6.57 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 7.00 (1H, d, J = 8.0 Hz)
MS (FAB) m/z = 455 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C27H39N2O4 [M+H]+: 455.2910; Found 455.2901.
【0162】
参考例15
t-ブチル N-[(6β,14-エポキシ-3-メトキシ-17-トリクロロエトキシカルボニルモルヒナン-6α-イル)メチル]カルバメート(41)の合成
【0163】
【化48】

【0164】
参考例14で得られた化合物40(1.0 g) をジクロロメタン (30.0 ml) に溶かし、プロトンスポンジ (1.04 g, 4.84 mmol)と2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルクロリド (2.6 ml, 11.2 mmol) を加え、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌した。2時間後、反応液に1N HClを加え、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、粗精製物を油状物として得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (30 g; クロロホルム) で精製して、表題化合物(1.22 g, 96%) を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1784, 1713 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 1.20-1.40 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.54-1.92 (4H, m), 2.12 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.66-3.02 (2H, m), 2.93 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.22 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.54 (1H, dd, J = 5.5, 13.5 Hz), 3.59 (1H, m), 3.80 (3H, s), 3.91 (1H, m), 4.50-5.13 (4H, m), 6.60 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.68 (1H, m), 7.03 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 597 [M+Na]+
HRMS (FAB) Calcd for C26H33Cl3N2O6 [M+Na]+: 597.1302; Found 597.1331
【0165】
参考例16
t-ブチル N-[(6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチル]カルバメート(41)の合成
【0166】
【化49】

【0167】
実施例15で得られた化合物41(1.22 g)を酢酸 (8 ml) に溶かし、亜鉛 (555 mg, 8.48 mmol) を加え、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌した。 6時間後、反応液を濾過して、濃縮し、アンモニア水を加えてpH=9にして、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、表題化合物の粗精製物 (921 mg) を透明油状物として得た。
【0168】
参考例17
t-ブチル N-[(17-ベンジル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メチル]カルバメート(43)の合成
【0169】
【化50】

【0170】
参考例16で得られた粗精製物42(920 mg) をDMF (10 ml)に溶かし、炭酸カリウム (1.59 g, 11.5 mmol) とベンジルブロミド (0.81 ml, 6.9 mmol) を加え、アルゴン雰囲気下、室温で攪拌した。 40分後、反応液を濃縮し、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、粗精製物を油状物として得た。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ- (30 g; クロロホルム) で精製して、表題化合物 (884 mg, 85%, 2steps) を白色アモルファスとして得た。
IR (neat): 1712 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 1,23 (1H, dt, J = 13.0, 2.0 Hz), 1.37 (1H, m), 1.47 (9H, s), 1.48-1.91 (5H, m), 2.14-2.32 (2H, m), 2.48 (1H, ddd, J = 2.0, 4.5, 12.0 Hz), 2.64 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.26 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.35 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.54 (1H, dd, J = 6.5, 13.5 Hz), 3.64 (1H, dd, J = 6.5, 13.5 Hz), 3.76 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.78 (3H, s), 3.85 (1H, d, J = 13.5 Hz), 5.15 (1H, t, J = 6.5 Hz), 6.58 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.71 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 7.05 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.22-7.45 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 491 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C30H39N2O4 [M+H]+: 491.2910; Found 491.2917.
【0171】
参考例18
(17-ベンジル-6β,14-エポキシ-3-メトキシモルヒナン-6α-イル)メタンアミン(44)の合成
【0172】
【化51】

【0173】
参考例17で得られた化合物43(890 mg)を、メタノール (8 ml)に溶かし、1N HCl (4 ml) 加え、アルゴン雰囲気下、60 ℃で攪拌した。 8時間後、反応液を濃縮し、炭酸水素ナトリウム水溶液でpH=9にして、クロロホルムで3回抽出した。クロロホルム層を合わせて、飽和食塩水で2回洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して、表題化合物の粗精製物 (721 mg) を透明油状物として得た。
【0174】
実施例27〜30
N-[(17-ベンジル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]ベンズアミド塩酸塩(45)、N-[(17-ベンジル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-4-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(46)、N-[(17-ベンジル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-3-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(47)、N-[(17-ベンジル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]-2-ヒドロキシベンズアミド塩酸塩(48)の合成
【0175】
【化52】

【0176】
【化53】

【0177】
【化54】

【0178】
【化55】

【0179】
参考例18で得られた粗精製物44より、参考例4、5と同様にして化合物45 (33%、3 steps) を得、参考例4において、室温を氷冷下にして、ピリジンの代わりにTHF、トリエチルアミンを用い、無水安息香酸のかわりに4-メトキシベンゾイルクロリド、3-メトキシベンゾイルクロリド、2-メトキシベンゾイルクロリドを用いて化合物46 (47%、3 steps)、化合物47 (43%、3 steps)、化合物48 (59%、3 steps)のフリー体を得た。それぞれを塩酸塩化して表題化合物とした。
【0180】
化合物45
IR (neat): 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 1,18 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.26-1.82 (6H, m), 2.04-2.25 (2H, m), 2.40 (1H, m), 2.55 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.16 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.28 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.62-3.74 (2H, m), 3.82 (1H, dd, J = 6.5, 14.0 Hz), 3.92 (1H, dd, J = 6.5, 14.0 Hz), 6.53 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.60 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.82 (1H, t, 6.5 Hz), 6.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.17-7.49 (8H, m), 7.72-7.85 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 481 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H33N2O3 [M+H]+: 481.2491; Found 481.2474
塩酸塩
mp 186-192 ℃(dec).
Anal. Calcd for C31H32N2O3HCl1.4H2O : C, 68.66; H, 6.65; N, 5.17. Found: C, 68.51; H, 6.55; N, 5.19
【0181】
化合物46
IR (KBr): 1640 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 1,10-1.24 (2H, m), 1.36-1.60 (3H, m), 1.71 (1H, m), 1.78-1.91 (2H, m), 2.22 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.30 (1H, dt, J = 2.0, 12.0 Hz), 2.48 (1H, m), 2.57 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.24 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.28 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.64 (1H, d, J = 14.0 Hz), 3.74 (1H, d, J = 13.5 Hz), 3.78 (1H, d, J = 13.5 Hz), 4.03 (1H, d, J = 14.0 Hz), 6.50 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.59 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94-7.02 (2H, m), 6.97 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.21-7.38 (6H, m), 7.38-7.46 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 497 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H33N2O4 [M+H]+: 497.2440; Found 497.2456
塩酸塩
mp 177-181 ℃(dec).
Anal. Calcd for C31H32N2O4HCl0.8H2O : C, 68.01; H, 6.37; N, 5.12. Found: C, 67.87; H, 6.38; N, 5.03
【0182】
化合物47
IR (KBr): 1638 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 1,14-1.32 (2H, m), 1.38-1.64 (3H, m), 1.70 (1H, m), 1.80-1.89 (2H, m), 2.21 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.29 (1H, dt, J = 2.0, 12.0 Hz), 2.48 (1H, m), 2.57 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.25 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.27 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.63 (1H, d, J = 14.0 Hz), 3.75 (1H, d, J = 13.5 Hz), 3.79 (1H, d, J = 13.5 Hz), 4.02 (1H, d, J = 14.0 Hz), 6.49 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.60 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.82-6.90 (2H, m), 6.97 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.21-7.45 (5H, m), 7.74-7.84 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 497 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H33N2O4 [M+H]+: 497.2440; Found 497.2462
塩酸塩
mp 190-195 ℃(dec)
【0183】
化合物48
IR (KBr): 1639 cm-1
1H NMR (300 MHz, CD3OD):δ 1,14-1.23 (2H, m), 1.40-1.66 (3H, m), 1.72 (1H, m), 1.82-1.91 (2H, m), 2.25 (1H, dt, J = 4.5, 13.0 Hz), 2.33 (1H, dt, J = 2.0, 12.0 Hz), 2.47 (1H, m), 2.62 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 3.26 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.28 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.73 (1H, d, J = 14.0 Hz), 3.78 (1H, d, J = 13.5 Hz), 3.82 (1H, d, J = 13.5 Hz), 4.03 (1H, d, J = 14.0 Hz), 6.49 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.60 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.88-6.95 (2H, m), 6.98 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.21-7.46 (6H, m), 7.88 (1H, m)
MS (FAB) m/z = 497 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C31H33N2O4 [M+H]+: 497.2440; Found 497.2444
塩酸塩
mp 182-187 ℃(dec).
Anal. Calcd for C31H32N2O4HCl0.67H2O : C, 68.31; H, 6.35; N, 5.14. Found: C, 68.38; H, 6.41; N, 5.18
【0184】
実施例31〜32
N-[(6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-17-フェネチルモルヒナン-6α-イル)メチル]ベンズアミド塩酸塩(49)、N-[(17-シクロブチルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシ-6α-イル)メチル]ベンズアミド塩酸塩(50)の合成
【0185】
【化56】

【0186】
【化57】

【0187】
参考例16で得られた粗精製物42より、参考例17、18、4、5と同様にして参考例17でベンジルブロミドの代わりにフェネチルブロミド、シクロブチルメチルブロミドを用いて化合物49(36%、5steps)、化合物50(32%、5steps)のフリー体を得た。これらを塩酸塩化して表題化合物を得た。
【0188】
化合物49
IR (neat): 1644 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ1,20-1.42 (2H, m), 1.50-1.90 (5H, m), 2.12-2.32 (2H, m), 2.58 (1H, m), 2.64 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 2.70-2.94 (4H, m), 3.20 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.52 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.92 (1H, dd, J = 6.5, 14.0 Hz), 3.96 (1H, dd, J = 6.5, 14.0 Hz), 6.64 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.70 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.96 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.98 (1H, t, 6.5 Hz), 7.14-7.32 (5H, m), 7.39-7.56 (3H, m), 7.82-7.91 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 481 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C32H35N2O3 [M+H]+: 495.2648; Found 495.2653
塩酸塩
mp 183-187 ℃(dec).
Anal. Calcd for C32H34N2O3HClH2O : C, 69.99; H, 6.79; N, 5.10. Found: C, 70.09; H, 6.74; N, 5.13
【0189】
化合物50
IR (neat): 1645 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ1,16-1.36 (2H, m), 1.44-1.92 (9H, m), 1.94-2.24 (4H, m), 2.38 (1H, m), 2.54 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 2.54-2.64 (3H, m), 3.18 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.31 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.83 (1H, dd, J = 6.5, 14.0 Hz), 3.93 (1H, dd, J = 6.5, 14.0 Hz), 6.60 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.95 (1H, t, 6.5 Hz), 7.37-7.54 (3H, m), 7.80-7.88 (2H, m)
MS (FAB) m/z = 459 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C29H35N2O3 [M+H]+: 459.2648; Found 459.2651
塩酸塩
mp 188-193 ℃(dec).
Anal. Calcd for C29H34N2O31.5HCl0.6H2O : C, 66.49; H, 7.11; N, 5.33. Found: C, 66.76; H, 6.98; N, 5.07
【0190】
実施例51
1,1-ジメチル-3-[(17-シクロプロピルメチル-6β,14-エポキシ-3-ヒドロキシモルヒナン-6α-イル)メチル]ウレア(51)の合成
【0191】
【化58】

【0192】
参考例17で得られた化合物43に、参考例4と同様にしてジメチルアミンを反応させ、参考例5と同様に脱メチル化して表題化合物(53%)を得た。薬理評価は塩酸塩にて行った。
IR (NaCl): 1632 cm-1
1H NMR (300 MHz, CDCl3):δ 1,14-1.32 (2H, m), 1.44 (1H, dt, J = 12.5, 2.0 Hz), 1.56 (1H, m), 1.64-1.82 (3H, m), 2.16 (1H, dt, J = 4.5, 12.5 Hz), 2.24 (1H, dt, J = 2.0, 12.0 Hz), 2.46 (1H, m), 2.58 (1H, dd, J = 5.5, 18.0 Hz), 2.96 (6H, s), 3.23 (1H, d, J = 18.0 Hz), 3.30 (1H, d, J = 5.5 Hz), 3.63-3.82 (4H, m), 5.10 (1H, t, J = 5.5 Hz), 6.68 (1H, dd, J = 2.5, 8.0 Hz), 6.71 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.96 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.18-7.42 (5H, m)
MS (FAB) m/z = 448 [M+H]+
HRMS (FAB) Calcd for C27H34N3O3 [M+H]+: 448.2600; Found 448.2614
【0193】
実施例52
モルモット脳ホモジネートを用いる受容体結合試験
モルモット前脳および小脳を氷冷バッファー(50 mM Tris-HCl、pH 7.4)にてホモジナイズした後、遠心分離(12,000 ×g、20分、4℃)し、上清を捨てた。この操作を3回繰り返し、得られた沈渣をバッファーにて再懸濁させ、膜標本とした。
【0194】
ポリプロピレンチューブに膜標本(0.2-0.6 mg/チューブ)、放射性リガンド(μ受容体:0.5 nM [3H]-DAMGO、δ受容体:0.1 nM [3H]-NTI、κ受容体:0.5 nM [3H]-U69593)、被験化合物を添加し、25℃にて120分間インキュベートした。反応終了後、0.1%ポリエチレンイミンに少なくとも2時間浸したGF/Bフィルター(Whatman社製)を通して、迅速に吸引濾過し、氷冷バッファーにて洗浄した(3 mLを5回)。フィルターをバイアルに移し、シンチレーションカクテルを5 mLずつ添加し、バイアル中の放射活性(dpm)を液体シンチレーションカウンター(Packard社製)にて計測した。
【0195】
特異的結合(SB)は、総結合(TB)から各受容体に対する過剰量の非放射性リガンド添加によって得られる非特異的結合(NSB)を差し引くこと(TB−NSB)により算出し、種々の被験化合物の存在下におけるSBを、対照SBの百分率で表した。放射性リガンドによる特異的結合を50%阻害する被験化合物の濃度(IC50)を表計算ソフトMicrosoft Excel(Microsoft社製)により算出した(50%を挟む2点の直線回帰)。次いで、阻害定数Kiを次式により算出し、μ受容体とκ受容体のKi値の比を求めた。
Ki=IC50/(1+[L*]/Kd) L*:放射性リガンドの濃度, Kd:解離定数
μ:[3H] DAMGO [L*]: 0.5 nM, Kd:0.54 nM
κ:[3H] U-69,593 [L*]: 0.5 nM, Kd:0.87 nM
【0196】
その結果、化合物16、17、18、21、34、38、39、45、46、47、48、51は、オピオイドκ受容体に対して選択的な結合性を有することが明らかとなり、オピオイドκ受容体に関連する疾患、症状の治療または予防剤として有用であることが示された。
【0197】
【表2】

【0198】
実施例53
マウス酢酸ライジング試験による鎮痛作用評価
ddY系雄性マウスを用い、投与溶媒または被験化合物を0.1 (mL/10 g体重) の投与容量で皮下投与した。その15分後に0.6% (v/v) 酢酸溶液を0.1 (mL/10 g体重) の投与容量で腹腔内に投与し、その10分後から10分間に生じたライジング反応(体を反らしたり、ひねったりする行動)の発現回数を測定し、この回数を痛みの指標にした。被験化合物の溶媒を投与した群におけるライジング反応の回数を50%にする被験化合物量をED50とし、その値にて鎮痛活性を評価した。なお被験化合物の投与溶媒として、生理食塩液あるいは10% DMSOを用いた。
【0199】
表3に示すように、化合物45、46、48、51は酢酸ライジング抑制作用を有しており、実施例52と合わせて、有用なオピオイドκ選択的鎮痛薬として期待できることが分かった。
【0200】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中R1は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、炭素数6から9のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数3から7のアルケニル、フラニル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、チエニル、チエニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、ピリジル、またはピリジルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)を表し;
R2、R3は、それぞれ別個に水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数3から7のアルケニルオキシ、炭素数7から13のアラルキルオキシ、または炭素数1から5のアルカノイルオキシを表し;
R4は、水素、または炭素数1から5のアルキルを表し;
Xは、-C(=O)-、または-SO2-を表し;
R5は、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、フラニル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、フラニルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、チエニル、チエニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、チエニルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、ピリジル、ピリジルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、ピリジルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、カンファー、または-NR62(ここでR6は水素、または炭素数1から5のアルキルを表し、各R6は同一でも異なっていてもよい)を表し;
上記で示された置換基に含まれるアリール部分、ヘテロアリール部分、およびシクロアルキル部分は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数1から5のチオアルコキシ、及び炭素数1から5のアルカノイルオキシから成る群より選ばれる1以上の置換基R7で置換されていてもよく;
ただし、R1がシクロプロピルメチル、R3、R4が水素、Xが-C(=O)-、R5がフェニルまたはベンジルの場合は、該フェニルまたはベンジル基は1以上の置換基R7で置換されていなければならない。]で示される6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項2】
一般式(I)において、R3が水素である請求項1に記載の6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項3】
一般式(I)において、R1が、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から9のシクロアルキルアルキル、または炭素数7から13のアラルキルであり、R2が、水素、ヒドロキシ、または炭素数1から5のアルコキシであり、R4が、水素またはメチルであり、R5が、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、フラニルアルケニル(アルケニル部の炭素数は1から5)、カンファー、または-NR62(R6は両者共に炭素数1から5のアルキル)である請求項2に記載の6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項4】
一般式(I)において、R1が、イソブチル、シクロプロピルメチル、またはベンジルであり、R2が、ヒドロキシであり、R4が、水素であり、R5が、フェニル、ヒドロキシフェニル、ベンジル、フェネチル、カンファー、またはジメチルアミノである請求項3に記載の6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の6,14-エポキシモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分とする疼痛の予防または治療剤。

【公開番号】特開2009−51749(P2009−51749A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218193(P2007−218193)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【出願人】(598041566)学校法人北里研究所 (180)
【Fターム(参考)】