説明

ATMOSシステムにおいて使用するためのフォーミングファブリック及び/又はティシューモールディングベルト及び/又はモールディングベルト

ATMOSシステム又はTAD機械のためのフォーミングファブリック。フォーミングファブリックは、約100cfm〜約1200cfmの透気度値と、圧力及び張力を受けない場合の約0.5%〜約90%の紙面接触面積と、約1.0%〜約90%の開放面積とを有している。抄紙機のためのベルトプレスは、フォーミングファブリックを使用することができる。この要約は、明細書に開示された発明を定義しようとするものではなく、発明の範囲を限定しようとするものでもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、抄紙機、特に、ティシュー及び紙タオルを製造するためのフォーミングファブリックに関する。本発明は、抄紙機におけるベルトプレスにおいて使用するためのモールディングベルトにも関する。本発明は、良好な耐圧性、過剰な引っ張りひずみ力を有し、かつATMOSシステムにおいて発生される摩耗/加水分解効果に耐えることができるフォーミングファブリックにも関する。本発明は、スルーエアードライイング(TAD)システムを利用するティシュー又はタオルグレードの製造のためのフォーミングファブリックにも関する。ファブリックは、透気度、耐圧縮性、ゆがみ抵抗、及び耐熱性及び耐加水分解性を含む主要パラメータを有する。
【0002】
2.関連技術の説明
ティシューの製造は、TADと呼ばれる改良された技術を利用する、すなわち、空気乾燥プロセスによる。このプロセスは、ティシューペーパのより大きな嵩による紙質を高める。その結果、TADは、高級ティシューのための規格を決定する。TADティシュー製品の製造におけるTADフォーミングファブリックの使用は、技術分野において周知であり、長年、商業用に使用されている。
【0003】
ウェットプレス作業において、繊維質ウェブシートが、プレスニップにおいて、水圧が水分を繊維質ウェブから追い出す点まで圧縮される。慣用のウェットプレス方法は、ロール円周の小さな部分だけが紙ウェブを処理するために使用されるという点において非効率的であることが認識されている。この制限を克服するために、中実の非透気性ベルトを、紙ウェブを圧搾しかつ紙ウェブを脱水するための延長したニップに適応させるために、幾つかの試みがなされてきた。このようなアプローチに関する問題は、非透気性ベルトが、乾燥流体、例えば紙ウェブを通る空気、の流れを妨げるということである。延長ニッププレス(ENP)ベルトは、製紙産業を通じて、プレスニップにおける実際のプレス滞留時間を延長させる方法として使用されている。シュープレスは、ENPベルトが、押し付けられる硬い表面、例えば中実のプレスロールの曲率に合わせて構成された定置のシューを有することによって、ENPベルトを通って提供される圧力を有する能力を提供する装置である。この形式において、ニップは、ティシューの場合は120mm、フラップペーパの場合は250mmだけ、プレスロール自体の間の接触の限界を超えて延長されることができる。ENPベルトは、シュープレスにおけるロールカバーとして働く。このフレキシブルなベルトは、摩擦による損傷を防止するために、内面においてオイルシャワーによって潤滑される。ベルト及びシュープレスは非透気性部材であり、繊維質ウェブの脱水は、ほとんど専ら機械的な圧搾によって行われる。
【0004】
国際公開第03/062528号パンフレット(その開示は引用したことにより全体が本明細書に記載されたものとする)は、例えば、三次元表面構造のウェブを形成する方法を開示しており、この場合、ウェブは改良された厚さ及び吸水性を有している。この文献は、特別に設計された最新式の脱水システムを用いて脱水を改良する必要性を論じている。システムは、脱水の間に、構造化されたファブリックの裏側に荷重を加えるベルトプレスを使用する。ベルト及び構造化されたファブリックは透気性である。ベルトは、スパイラルリンクファブリックであることができ、真空及び圧搾脱水を同時に促進するために、透気性ENPベルトであることができる。ニップは、シュープレス装置を十分に超えて延長されることができる。しかしながら、ENPベルトを備えたこのようなシステムは、開放面積が制限されている等の欠点を有している。
【0005】
従来技術において、ウェブ、特にティシューウェブを乾燥するためにスルーエアードライイングプロセス(TAD)を利用することも知られている。しかしながら、巨大なTADシリンダと、複雑な空気供給・加熱システムとが必要である。このシステムは、ウェブがヤンキーシリンダに引き渡される前にウェブの所要の乾燥度を達するために高い運転費用をも必要とし、この乾燥シリンダは、ウェブを、約97%の最終乾燥度まで乾燥させる。ヤンキー表面において、クレーピングドクターによって、クレーピングも生じる。
【0006】
TADシステムの機械は、極めて高価であり、慣用のティシュー機械のほぼ2倍の費用がかかる。また、TADプロセスの場合、乾燥効率に関してスルーエアーシステムの場合に適当であるよりも高い乾燥レベルにまでウェブを乾燥させる必要があるので、運転コストが高い。その理由は、低い乾燥レベルにおいてTADシステムによって生ぜしめられる不十分なCD水分プロフィルである。水分CDプロフィルは、60%の高い乾燥レベルにおいてのみ許容可能である。30%以上では、ヤンキーのフードによるインピンジメント乾燥が、著しくより効率的である。
【0007】
慣用のティシュー製造プロセスの最大ウェブ品質は以下の通りである:製造されるティシューウェブの嵩は、9cm3/gよりも小さい。製造されるティシューウェブの水分保持能力(バスケット法によって測定される)は、9(gH2O/g)よりも小さい。
【0008】
しかしながら、TADシステムの利点は、特に、高い嵩、水分保持能力に関して極めて高いウェブ品質を生じることである。
【0009】
技術分野において必要とされているものは、連続的なウェブの高められた脱水を提供するベルトである。
【0010】
国際公開第2005/075732号パンフレット、その開示は引用により全体が本明細書に記載されたものとする、は、ティシュー又は紙タオルを製造する抄紙機における透気性ベルトを利用するベルトプレスを開示している。この文献によれば、ウェブは、TAD機械等の従来の機械における場合よりも効率的な形式で乾燥される。形成されたウェブは、同様に開放したファブリックを通過させられ、高温空気が、シートの一方の側から、ウェブを通過して、シートの他方の側へ吹き付けられる。脱水ファブリックも利用される。このような配列はフォーミングファブリックに大きな要求を課す。なぜならば、圧力がベルトプレスに加えられ、ベルトプレスにおいて高温空気がウェブを通過して吹き付けられるからである。
【0011】
国際公開第2005/075737号パンフレット、その開示は引用により全体が本明細書に記載されたものとする、は、より三次元に向き付けられたシートを形成することができる構造化されたモールディングファブリックを開示している。
【0012】
国際公開第2005/075736号パンフレット、その開示は引用により全体が本明細書に記載されたものとする、は、ベルトプレスを使用するATMOSシステムを開示している。フォーミングファブリックは、システムの顕著な特徴として開示されている。
【0013】
モールディングベルトは、技術分野において知られているが、"ベルトサンドウィッチ"構造の一部として紙ウェブにマーク、インプレッション又はエンボシングを付与するために使用されていない。ベルトサンドウィッチは、高張力ベルト及び脱水ベルト等の少なくとも2つの別のファブリックを、回転するローラ又は定置のシューによって形成された延長されたニップに組み込む。このような配列は、ATMOS製紙プロセスにおいて利用されている。
【0014】
発明の概要
プレスのために機械的なシューに依存せずに、本発明は、プレスエレメントとして透気性ベルトを使用することを許容する。ベルトは、ベルトプレスを形成するためにサクションロールに当接して緊張させられている。これは、シュープレスよりも著しく長いプレスニップ、例えば10倍長くかつ慣用のプレスよりも20倍長いプレスニップを許容し、これは、著しくより低い最大圧力、すなわち慣用のプレスのための30バール及びシュープレスのための15バールの代わりに1バール、を全てティシューのために生ぜしめる。これは、ウェブを通過してプレスニップ自体に入る空気流を許容するという所望の利点をも有しており、これは、典型的なシュープレス又は中実のヤンキードライヤに当接するサクションプレスロール等の慣用のプレスを用いる場合ではない。
【0015】
真空脱水に対する制限が存在し(TADファブリックにおける約25%固体及び脱水ファブリックにおける30%)、TADのような品質を支持しながらこの概念を用いて固体において35%以上を達するための秘密は、透気性ベルトによって形成された極めて長いプレスニップを使用することである。これは、シュープレスよりも10倍長く、慣用のプレスよりも20倍長い。ピック圧力も極めて低い、すなわちシュープレスよりも20倍低く、慣用のプレスよりも40倍低いべきである。ニップを通る空気流を提供することも極めて重要である。本発明の装置の効率は極めて高い。なぜならば、ニップを通る空気流と組み合わされた極めて長いニップを利用するからである。これは、シュープレス装置、又は、ニップを通る空気流が存在しないヤンキードライヤに当接したサクションプレスロールを使用する装置よりも優れている。透気性ベルトは、硬い構造化されたファブリック(例えばTADファブリック)と、柔軟で、厚く、弾性的な脱水ファブリックとに押し付けられ、これらのファブリックの間に紙シートが配置されている。ファブリックのこのサンドウィッチ配列は重要である。本発明は、繊維塊は、構造化されたファブリックのボディ(バレー)内で保護されたままであり、構造化されたファブリック(バレー)の突出個所の間において生じる僅かな圧搾のみが存在することを利用している。これらのバレーは、シートの繊維の塑性変形を回避するために深すぎず、しかしながら、繊維塊から過剰な水分を取り出すために浅すぎない。もちろんは、これは、脱水ファブリックの柔軟性、圧縮性及び弾性に依存する。
【0016】
本発明は、最新式の脱水システムにおいて、又は構造化されたファブリック上にウェブが形成される装置において、ベルトプレスにおいて使用されることができる特別に設計された透気性ENPベルトをも提供する。透気性ENPベルトは、非プレス/低プレスティシューフレックスプロセスにおいて使用されることもできる。
【0017】
本発明は、開放面積と、ベルトの側部における接触面積とを備えた高強度透気性プレスベルトをも提供する。
【0018】
本発明は、1つの態様において、外面を有するロールと、ロールの外面の一部に亘ってプレス接触する側部を有する透気性ベルトとを有する、ベルトプレスを含む。透気性ベルトは、この透気性ベルトに加えられる少なくとも約30KN/mの張力を有する。透気性ベルトの側部は、約25%の開放面積と、少なくともほぼ10%の接触面積、好適にはほぼ50%の開放面積とほぼ50%の接触面積とを有しており、開放面積は、開口及び溝によって包囲された全体領域(すなわち、ウェブを、接触面積と同じ程度に圧縮するように設計されていない表面の部分)を含み、接触面積は、ベルトの表面のランド領域、すなわち、開口及び/又は溝の間のベルトの表面の全体領域、によって定義される。ENPベルトの場合、50%開放面積と、50%接触面積とを使用することは不可能である。他方では、これは、例えばリンクファブリックを用いると可能である。
【0019】
本発明の利点は、特にプレス作業の間に、真空によって水分を除去するために、繊維質ウェブに実質的な空気流が到達することを許容することである。
【0020】
別の利点は、透気性ベルトに著しい張力が加えられるということである。
【0021】
さらに別の利点は、透気性ベルトが、ベルトの一方の側に沿って、接触領域に隣接した実質的な開放領域を有するということである。
【0022】
本発明のさらに別の利点は、透気性ベルトが、極めて長いニップに亘ってラインフォースを加えることができ、これにより、標準的なシュープレスと比較して、圧力がウェブに加えられる長い滞在時間を保証するということである。
【0023】
本発明は、抄紙機のためのベルトプレスをも提供し、ベルトプレスは、外面を備えたロールを有する。透気性ベルトは、第1の側を有しており、ロールの外面の一部の上を案内される。透気性ベルトは、少なくとも約30KN/mの張力を有する。第1の側は、少なくとも約25%の開放面積と、少なくとも約10%の接触面積とを有している。
【0024】
第1の側は、外面に面しており、透気性ベルトは、ロールにプレス力を加える。透気性ベルトは、貫通開口を有している。透気性ベルトは、概して規則的な対称的パターンに配置された貫通開口を有することができる。透気性ベルトは、貫通開口の概して平行な列を有することができ、その場合、列は流れ方向に沿って向けられている。透気性ベルトは、約30KPa〜約300KPa(約0.3バール〜約1.5バール及び好適には約0.07バール〜約1バール)の範囲において、ロールにプレス力を加えることができる。透気性ベルトは、貫通開口と、複数の溝とを有することができ、各溝は、貫通開口の別のセットと交差している。第1の面は外面に面しており、透気性ベルトは、ロールにプレス力を加えることができる。複数の溝は第1の側に配置されることができる。複数の溝のそれぞれは幅を有しており、各貫通開口は直径を有しており、直径が幅よりも大きい。
【0025】
ベルトの張力は、約30KN/mよりも大きく、好適には50KN/mである。ロールは真空ロールを含むことができる。ロールは、内部円周部分を有する真空ロールを含むことができる。真空ロールは、前記内部円周部分内に配置された少なくとも1つの真空ゾーンを有することができる。ロールは、サクションゾーンを有する真空ロールを含むことができる。サクションゾーンは、約200mm〜約2500mmの円周長さを有することができる。円周長さは、約800mm〜約1800mmの範囲であることができる。円周長さは、約1200mm〜約1600mmの範囲であることができる。透気性ベルトは、ポリウレタン延長ニップベルト又はスパイラルリンクファブリックの少なくとも1つを含むことができる。透気性ベルトは、複数の補強糸が埋め込まれたポリウレタン延長ニップベルトを含むことができる。複数の補強糸は、複数の流れ方向の糸と、複数の横方向の糸とを含むことができる。透気性ベルトは、複数の補強糸が埋め込まれたポリウレタン延長ニップベルトを含むことができ、前記複数の補強糸は、スパイラルリンク形式で織られている。透気性ベルトは、スパイラルリンクファブリック(重要なことに、良好な結果を生ぜしめる)又は2つ以上のスパイラルリンクファブリックを含むことができる。
【0026】
ベルトプレスは、さらに、透気性ベルトとロールとの間を走行する、第1のファブリックと第2のファブリックとを有することができる。第1のファブリックは第1の側及び第2の側を有している。第1のファブリックの第1の側は、ロールの外面と少なくとも部分的に接触している。第1のファブリックの第2の側は、繊維質ウェブの第1の側と少なくとも部分的に接触している。第2のファブリックは第1の側及び第2の側を有している。第2のファブリックの第1の側は、透気性ベルトの第1の側と少なくとも部分的に接触している。第2のファブリックの第2の側は、繊維質ウェブの第2の側と少なくとも部分的に接触している。第1のファブリックの上側に第2の透気性ベルトを有することも可能である。
【0027】
第1のファブリックは、透気度脱水ベルトを含むことができる。第2のファブリックは構造化されたファブリックを含むことができる。繊維質ウェブは、ティシューウェブ又は衛生ウェブを含むことができる。本発明は、ローラ上を案内される、無限に循環する透気度延長ニッププレス(ENP)ベルトを含む、繊維質材料乾燥装置をも提供する。ENPベルトは、少なくともほぼ30KN/mの張力を受けている。ENPベルトは、少なくとも約25%の開放面積と、少なくとも約10%の接触面積とを有する側を有している。
【0028】
本発明は、少なくとも約30KN/mの張力を受けることができる透気度延長ニッププレス(ENP)ベルトをも提供し、透気性ENPベルトは、少なくとも約25%の開放面積と、少なくとも約10%の接触面積とを有する少なくとも一方の側を有している。
【0029】
開放面積は開口によって形成されることができ、接触面積は平面によって形成されている。開放面積は、貫通開口によって形成されることができ、接触面積は、開口、凹所又は溝を備えない平面によって形成されている。開放面積は、貫通開口及び溝によって形成されることができ、接触面積が、開口、凹所又は溝を備えない平面によって形成されている。開放面積は、約15%〜約50%であることができ、接触面積は、約50%〜約85%であることができる。開放面積は、約30%〜85%であることができ、接触面積は、約15%〜70%であることができる。開放面積は、約45%〜約85%であることができ、接触面積は、約15%〜約55%であることができる。開放面積は、約50%〜約65%であることができ、接触面積は、約35%〜約50%であることができる。透気性ENPベルトは、スパイラルリンクファブリックを含むことができる。開放面積は、約10%〜約40%であることができ、接触面積は、約60%〜約90%であることができる。透気性ENPベルトは、概して対称的なパターンに配置された貫通開口を有することができる。透気性ENPベルトは、流れ方向に対して概して平行な列で配置された貫通開口を有することができる。透気性ENPベルトは、無限循環ベルトを含むことができる。
【0030】
透気性ENPベルトは、貫通開口を有することができ、透気性ENPベルトの少なくとも一方の側は、複数の溝を有することができ、複数の溝はそれぞれ、貫通孔の別のセットと交差している。複数の溝はそれぞれ、幅を有しており、貫通開口はそれぞれ、直径を有しており、直径は幅よりも大きい。複数の溝はそれぞれ、透気性ベルトの厚さよりも小さい量だけ、透気性ENPベルト内へ延びている。
【0031】
張力は、約30KN/mより大きくてよく、好適には50KN/mよりも大きいか、又は約60KN/mよりも大きいか、又は約80KN/mよりも大きい。透気性ENPベルトは、フレキシブルな補強されたポリウレタン部材を含むことができる。透気性ENPベルトは、フレキシブルなスパイラルリンクファブリックを含むことができる。透気性ENPベルトは、複数の補強糸が埋め込まれたフレキシブルなポリウレタン部材を含むことができる。複数の補強糸は、複数の流れ方向の糸と、複数の横方向の糸とを含むことができる。透気性ENPベルトは、フレキシブルなポリウレタン材料と、埋め込まれた複数の補強糸とを含むことができ、前記複数の補強糸は、スパイラルリンク形式で織られている。
【0032】
本発明は、抄紙機において繊維質ウェブにプレスを受けさせる方法をも提供し、この方法は、透気性ベルトの部分を用いて繊維質ウェブの接触面積に対して圧力を加えることを含み、接触面積は、前記部分の領域の少なくとも約10%であり、流体を前記透気性ベルトの開放面積と繊維質ウェブとを通過させ、前記開放面積が、前記部分の少なくとも約25%であり、加圧及び移動の間、前記透気性ベルトは、少なくとも約30KN/mの張力を有している。
【0033】
繊維質ウェブの接触面積は、繊維質ウェブの非接触面積よりも、部分によって加圧される領域を有することができる。透気性ベルトの部分は、開口、凹所又は溝を有しておらずかつロール上を案内される概して平坦な面を有することができる。流体は空気を含むことができる。透気性ベルトの開放面積は、貫通開口及び溝を有することができる。張力は、約50KN/mよりも多くてよい。
【0034】
方法は、さらに、流れ方向にロールを回転させることを含むことができ、前記透気性ベルトは、前記ロールと同調して移動し、前記ロール上をこのロールによって案内される。透気性ベルトは、複数の溝及び貫通開口を有することができ、前記複数の溝はそれぞれ、透気性ベルトの側部に配置されており、貫通開口の別のセットと交差している。加圧及び移動は、約25%〜約55%の範囲の繊維質ウェブ固体レベルを生ぜしめるのに十分な滞留時間に亘って生じる。好適には、固体レベルは、約30%よりも大きくてよく、最も好適には約40%よりも大きい。これらの固体レベルは、透気性ベルトがベルトプレスにおいて又は非プレス/低プレス配列において使用されているかにかかわらず、得られることができる。透気性ベルトは、スパイラルリンクファブリックを含むことができる。
【0035】
発明は、抄紙機において繊維質ウェブをプレスする方法をも提供し、この方法は、透気性ベルトを用いて繊維質ウェブの第1の部分に対して第1の圧力を、透気性ベルトのプレス部分を用いて繊維質ウェブの第2の部分に対して第2のより高い圧力を加えることを含み、第2の部分の面積が、第1の部分の面積の少なくとも約25%であり、前記透気性ベルトの貫通開放部分に空気を通過させることを含み、開放部分の面積が、第1及び第2の圧力を加える透気性ベルトのプレス部分の少なくとも約25%であり、加圧及び移動の間、透気性ベルトが、少なくとも約30KN/mの張力を有している。
【0036】
張力は、約50KN/mよりも大きいか、約60KN/mよりも大きいか、又は約80KN/mよりも大きいことができる。方法は、さらに、流れ方向にロールを回転させることを含むことができ、前記透気性ベルトは前記ロールと同調して移動する。開放部分の面積は少なくとも約50%であることができる。開放部分の面積は少なくとも約70%であることができる。第2のより大きな圧力は、約30KPa〜約150KPaの範囲であることができる。移動及び加圧は実質的に同時に生じることができる。
【0037】
方法は、さらに、約25%〜約55%の範囲で繊維質ウェブ固体を生ぜしめるのに十分な滞留時間だけ繊維質ウェブに空気を通過させることを含む。滞留時間は、約40msに等しいか又はこれよりも長くてよく、好適には約50msと等しいか又はこれよりも長い。空気流は、メートル機械幅ごとに約150m3/minであることができる。
【0038】
発明は、ロールと貫通開口を有する透気性ベルトとを備えたベルトプレスにおいて繊維質ウェブを乾燥させる方法をも提供し、貫通開口の面積は透気性ベルトのプレス部分の面積の少なくとも約25%であり、透気性ベルトは少なくとも約30KN/mに緊張させられ、方法は、ロール上で透気性ベルトの少なくともプレス部分を案内し、ロールと透気性ベルトのプレス部分との間に繊維質ウェブを移動させ、繊維質ウェブの少なくとも約25%に、貫通開口に隣接した透気性ベルトの部分によって生ぜしめられる圧力を受けさせ、流体を透気性ベルトの貫通開口及び繊維質ウェブに通過させることを含む。
【0039】
発明は、ロールと、貫通開口及び溝を有する透気性ベルトとを備えたベルトプレスにおいて繊維質ウェブを乾燥させる方法をも提供し、貫通開口の面積が透気性ベルトのプレス部分の面積の少なくとも約25%であり、透気性ベルトが少なくとも約30KN/mにまで緊張させられ、方法が、ロール上において透気性ベルトの少なくともプレス部分を案内し、ロールと透気性ベルトのプレス部分との間に繊維質ウェブを移動させ、繊維質ウェブの少なくとも約10%に、貫通開口及び溝に隣接した透気性ベルトの部分によって生ぜしめられた圧力を受けさせ、流体を透気性ベルトの貫通開口及び溝と繊維質ウェブとに通過させることを含む。
【0040】
発明の別の態様によれば、好適にはティシュー製造プロセスのために、より効率的な脱水プロセスが提供され、この場合、ウェブは、約40%乾燥度までの範囲の乾燥度を達成する。本発明によるプロセスは、機械及び運転コストにおいてより安価であり、TADプロセスと同じウェブ品質を提供する。本発明による製造されたティシューウェブの嵩は、約10g/cm3よりも大きく、約14g/cm3〜約16g/cm3の範囲である。本発明によれば、製造されたティシューウェブの水分保持能力(バスケット法によって測定された)は、約10(gH2O/gファイバ)よりも大きく、約14(gH2O/gファイバ)〜約16(gH2O/gファイバ)の範囲である。
【0041】
したがって、発明は、好適にはティシューペーパグレードのために、約42g/m2よりも小さい坪量を備えた、薄い紙ウェブのための、新たな脱水プロセスを提供する。発明は、この方法を用いる装置をも提供し、この方法の主要な機能を備えたエレメントをも提供する。
【0042】
発明の主な態様は、少なくとも1つの上部(又は第1の)ファブリックと、少なくとも1つの下部(又は第2の)ファブリックと、これらのファブリックの間に配置された紙ウェブとのパッケージを有するプレスシステムである。圧力発生エレメントの第1の面は少なくとも1つの上側ファブリックと接触している。支持構造体の第2の面は少なくとも1つの下側ファブリックと接触しており、透気性である。第1の面と第2の面との間に差圧フィールドが提供され、この差圧フィールドは、少なくとも1つの上側ファブリックと、少なくとも1つの下側ファブリックと、これらのファブリックの間に紙ウェブとのパッケージに作用し、パッケージに対して、ひいては紙ウェブに対して機械的圧力を生ぜしめる。この機械的圧力は、ウェブにおいて所定の液圧を生ぜしめ、これにより、含まれた水が排出される。上側ファブリックは、下側ファブリックよりも大きな粗さ及び/又は圧縮性を有している。少なくとも1つの上側ファブリックから、少なくとも1つの下側ファブリックへの方向に、少なくとも1つの上側ファブリックと、少なくとも1つの下側ファブリックと、これらのファブリックの間の紙ウェブのパッケージを通って、空気流が生ぜしめられる。
【0043】
異なる可能なモード及び付加的な特徴も提供される。例えば、上側ファブリックは透気性であることができ、かつ/又はいわゆる"構造化されたファブリック"であることができる。非制限的な例として、上側ファブリックは例えばTADファブリックであることができ、透気性ベースファブリックと、この透気性ベースファブリックに取り付けられた格子とを有しておりかつポリウレタン等のポリマから形成されたメンブレン又はファブリックであることができる。ファブリックの格子側は、サクションロールと接触していることができるのに対し、反対側は紙ウェブと接触している。格子は、流れ方向の糸及び横方向の糸に対して所定の角度を成していることができる。ベースファブリックは透気性であり、格子は、再濡れ防止防止(anti-rewet)層であることができる。格子は、エラストマ材料等の複合材料から形成されることもできる。格子自体は、流れ方向の糸を有しており、これらの糸の周囲に複合材料が形成されている。上記タイプのファブリックを用いることにより、織りパターンから独立して表面構造を形成することが可能である。少なくともティシューのために、重要な考慮は、シートと接触した柔軟な層を提供することである。
【0044】
上側ファブリックは、ウェブを、プレスシステムへ及びプレスシステムから搬送することができる。ウェブは、上側ファブリックの三次元構造に位置することができ、したがって、ウェブは平坦ではなく、三次元構造を有し、これは嵩高のウェブを製造する。下側ファブリックも透気性である。下側ファブリックの設計は、水を貯蔵することができるように形成されている。下側ファブリックは滑らかな面をも有している。下側ファブリックは好適には、芯層(batt layer)を備えたフェルトである。下側ファブリックの芯繊維の直径は、約11dtex以下であり、好適には約4.2dtex以下であることができるか、又はより好適には約3.3dtex以下であることができる。芯繊維は、繊維の混合であることもできる。下側ファブリックは、約67dtexからの繊維を含むベクトル層を有することもでき、例えば約100dtex、約140dtex、又はより高いdtex数等のさらに粗い繊維を含むこともできる。これは、水分の良好な吸収のために重要である。下側ファブリックの芯層及び/又は下側ファブリック自体の濡れた表面は、約35m2/m2以上のフェルト面積であることができ、好適には約65m2/m2フェルト面積以上であることができ、最も好適には約100m2/m2フェルト面積であることができる。下側ファブリックの特定の面は、約0.04m2/gフェルト重量以上であるべきであり、好適には約0.065m2/gフェルト重量以上であることができ、最も好適には約0.075m2/gフェルト重量以上であることができる。これは、水分の良好な吸収のために重要である。圧縮性のための値としての動剛性K・(N/mm)は、100000N/mm以下であるならば許容可能であり、好適な圧縮性は90000N/mm以下であり、最も好適には圧縮性は70000N/mmである。下側ファブリックの圧縮性(力による厚さ変化をmm/Nで表したもの)が、考慮されるべきである。硬い面は、上側ファブリックの構造化された面の突出した個所の間においてウェブをプレスしない。他方では、フェルトは、嵩、ひいては品質、例えば水分保持能力を損失するのを回避するために、三次元構造内に深くプレスされ過ぎないようにすべきである。
【0045】
上側ファブリックの圧縮性(力による厚さ変化をmm/Nで表している)は、下側ファブリックの圧縮性よりも小さい。上側ファブリックの圧縮性のための値としての動剛性K・(N/mm)は、3000N/mm以上であることができ、下側ファブリックよりも小さいことができる。これは、ウェブの三次元構造を維持するために、すなわち上部ベルトが剛性構造であることを保証するために重要である。
【0046】
下側ファブリックの弾性が考慮されるべきである。下側ファブリックの弾性のための値としての圧縮率のための動的弾性率G・(N/mm2)は、0.5N/mm2以上であるならば許容でき、好適な弾性は、2N/mm2以上であり、最も好適には、弾性は、4N/mm2以上である。下側ファブリックの密度は、約0.4g/cm3以上であるべきであり、好適には、約0.5g/cm3以上であり、理想的には約0.53g/cm3以上である。これは、約1200m/minよりも高いウェブ速度において有利であることができる。減じられたフェルト容積は、空気流によってフェルトから水分を除去すること、すなわち水分にフェルトを通過させることを容易にする。したがって、脱水効果はより小さい。下側ファブリックの透気度は、約80cfmよりも低く、好適には約40cfmよりも低く、理想的には約25cfm以下であることができる。減じられた透気度は、空気流によってフェルトから水分を除去すること、すなわち水分にフェルトを通過させることを容易にする。その結果、再濡れ効果がより小さい。しかしながら、高すぎる透気度は、高すぎる空気流量、与えられた真空ポンプのためのより小さな真空レベル、及び開放し過ぎた構造によるフェルトのより低い脱水を生ぜしめる。
【0047】
支持構造体の第2の面は、平坦であることができる。これに関して、支持構造体の第2の面は、平坦なサクションボックスによって形成されることができる。支持構造体の第2の面は、好適には湾曲していることができる。例えば、支持構造体の第2の面は、直径が例えば約1m以上又は約1.2m以上であるサクションロール又はシリンダ上に形成されている又は延びていることができる。例えば、200インチ幅を備えた製造装置の場合、直径は、約1.5m以上の範囲であることができる。サクション装置又はシリンダは、少なくとも1つのサクションゾーンを有することができる。2つのサクションゾーンを有することもできる。サクションシリンダは、少なくとも1つのサクションアークを備えた少なくとも1つのサクションボックスを有することもできる。少なくとも1つの機械的圧力ゾーンは、少なくとも1つの圧力フィールドによって(すなわち、ベルトの張力によって)又は例えばプレスエレメントによって第1の面を介して生ぜしめられることができる。第1の面は、透気性ベルトであることができるが、第1のファブリックに向かって開放した面、例えば溝付きの又は止り穴と溝とが設けられた開放した面を備えており、空気は、外側からサクションアークに流入することができる。第1の面は透気性ベルトであることができる。ベルトは、少なくとも約25%、好適には約35%より大きい、最も好適には50%より大きな開放面積を有することができる。ベルトは、良好なプレス接触を有するために、約10%、少なくとも約25%、好適には約50%〜約85%の接触面積を有することができる。
【0048】
さらに、圧力フィールドは、シュープレス又はロールプレス等の圧力エレメントによって生ぜしめられることができる。これは以下の利点を有する:極めて嵩高のウェブが必要とされないならば、この選択肢は、機械的な圧力荷重を慎重に調整することによって、乾燥度、ひいては製造を所望の値に増大するために使用されることができる。より柔軟な第2のファブリックにより、ウェブは、三次元構造の突出個所(バレー)の間において少なくとも部分的にプレスされる。付加的な圧力フィールドは、好適には、サクション領域の前(再濡れなし)、後又は間に配置されることができる。上部透気性ベルトは、約30KN/mよりも大きい、好適には約50KN/m、又はより高い、例えば約80KN/mの高い張力に耐えるように設計されている。この張力を使用することにより、圧力は、約0.3バールよりも大きく、好適には約1バール、又はより高く生ぜしめられることができ、例えば約1.5バールであることができる。圧力"p"は、周知の方程式p=S/Rに従って、サクションロール張力"S"及び半径"R"に依存する。方程式から分かるように、所要の圧力を達成するために、ロールの直径が大きくなるほど、張力が大きくならなければならない。上部ベルトは、ステンレス鋼及び/又は金属帯及び/又はポリマ帯であることもできる。透気性上部ベルトは、補強プラスチック又は合成材料から形成されることができる。スパイラルリンクされたファブリックであることもできる。好適には、ベルトは、第1及び第2のファブリックとウェブとの間のせん断力を回避するように駆動されることができる。サクションロールは駆動されることもできる。これらは独立して駆動されることもできる。
【0049】
第1の面は、圧力荷重のために穴あきシューによって支持された透気性ベルトであることができる。
【0050】
空気流は、以下のように、非機械的圧力フィールドのみによって生ぜしめられることができるか、又は、以下のように、サクションロールのサクションボックス内の負圧、又は平坦なサクションボックス、又は、空気、例えば、約50℃〜約180℃、好適には約120℃〜150℃の高温空気、又は好適には蒸気が供給される、例えばフードによって、圧力発生エレメントの第1の面の上方における過剰圧力、と組み合わせて生ぜしめられることができる。このようなより高い温度は、ヘッドボックスからのパルプ温度が約35℃未満である場合に特に重要でありかつ好適である。これは、ストック精製がない又はより少ない製造プロセスの場合である。もちろん、上記特徴の全て又は幾つかは組み合わされることができる。
【0051】
フード内の圧力は、約0.2バールより低く、好適には約0.1バールよりも低く、最も好適には約0.05バールよりも低い。フードに供給される空気流は、真空ポンプによってサクションロールから吸い出される流量よりも低いか又は好適には等しいことができる。所望の空気流量は、機械幅のメートルごとの約140m3/minである。大気圧でフードに供給される空気流量は、機械幅のメートルごとの約500m3/minに等しいことができる。真空ポンプによってサクションロールから吸い出された流量は、約25℃において約0.6バールの真空レベルを有することができる。
【0052】
サクションロールは、ファブリックと、圧力発生エレメント、例えばベルト、とのパッケージによって部分的に包囲されていることができ、第2のファブリックは、最大の包囲アーク"a1"であり、アークゾーンを最後に出る。ウェブは第1のファブリックと共に二番目に出て、圧力発生エレメントが最初に出る。圧力発生エレメントのアークはサクションボックスのアークよりも大きい。これは、低い乾燥度において機械的な脱水が空気流による脱水よりも効率的であるので重要である。より小さなサクションアーク"a2"は、最大乾燥度に達するために空気流量のための十分な滞留時間を保証するように十分に大きいべきである。滞留時間"T"は、約40msよりも長いべきであり、好適には約50msよりも長い。約1.2mのロール直径及び約1200m/minの機械速度のために、アーク"a2"は、約76゜よりも大きいべきであり、好適には約95゜よりも大きい。公式はa2=[滞留時間・速度・360/ロールの円周]。
【0053】
第2のファブリックは、脱水動作を改良するために、例えば、あふれたニップシャワーに付加された蒸気又はプロセス水によって加熱されることができる。より高い温度を用いる場合、水をフェルトに通過させることがより容易である。ベルトは、ヒータによって、又はフード又は蒸気ボックスによって加熱されることもできる。TADファブリックは、特に、ティシューマシンのフォーマがダブルワイヤフォーマである場合に加熱されることができる。これは、クレッセントフォーマである場合、TADファブリックは、フォーミングロールを包囲し、したがって、ヘッドボックスによって噴射されるストックによって加熱される。
【0054】
この方法の多数の利点がここに記載されている。従来のTADプロセスにおいて、10個の真空ポンプが、約25%の乾燥度にウェブを乾燥するために必要とされる。他方では、本発明の最新式の脱水システムを用いる場合、ウェブを約35%に乾燥するために6つの真空ポンプしか必要とされない。また、従来のTADプロセスを用いる場合、ウェブは、好適には、約60%〜約75%の高い乾燥レベルに乾燥されるべきであり、さもないと、不十分な水分クロスプロファイルが生ぜしめられる。このように、多くのエネルギが消費され、ヤンキー及びフード能力が僅かにしか使用されない。本発明のシステムは、ウェブを、第1のステップにおいて、良好な水分クロスプロファイルと共に、約30%〜約40%の乾燥レベルにまで乾燥することを可能にする。第2の段階において、乾燥度は、本発明のシステムと組み合わされた慣用のヤンキー/フード(インピンジメント)ドライヤを用いて約90%以上の最終乾燥度に増大されることができる。この乾燥レベルを生ぜしめるための1つの方法は、ヤンキーにおけるフードを介するさらに効率的なインピンジメント乾燥を含むことができる。
【0055】
本発明によるシステムの場合、通過空気乾燥は必要とされない。TAD機械において製造されるのと同じ品質を有する紙は、シートを35%から90%以上の固体に乾燥する場合にさらに効率的であるインピンジメント乾燥の全体能力を利用する本発明のシステムを用いて生ぜしめられる。
【0056】
本発明は、抄紙機のためのベルトプレスをも提供し、この場合、ベルトプレスは、外面及び少なくとも1つのサクションゾーンを有する真空ロールを有する。透気性ベルトは、第1の側を有しており、真空ロールの外面の一部の上を案内される。透気性ベルトは、少なくとも約30KN/mの張力を有する。第1の側は、少なくとも約25%の開放面積と、少なくとも約10%の接触面積とを有する。
【0057】
少なくとも1つのサクションゾーンは、約200mm〜約2500mmの円周長さを有することができる。円周長さは、約80゜〜約180゜の円弧を規定することができる。円周長さは、約80゜〜約130゜の円弧を規定することができる。少なくとも1つのサクションゾーンは、約40ms以上の滞留時間だけ真空を提供するように適応されることができる。滞留時間は、約50ms以上であることができる。透気性ベルトは、約40ms以上の第1の滞留時間だけ真空ロールにプレス力を加えることができる。少なくとも1つのサクションゾーンは、約40ms以上の第2の滞留時間だけ真空を提供するように適応されることができる。第2の滞留時間は約50ms以上であることができる。第1の滞留時間は約50ms以上であることができる。透気性ベルトは少なくとも1つのスパイラルリンクファブリックを含むことができる。少なくとも1つのスパイラルリンクファブリックは、合成材料、プラスチック材料、補強プラスチック材料、及び/又はポリマ材料を含むことができる。少なくとも1つのスパイラルリンクファブリックはステンレス鋼を含むことができる。少なくとも1つのスパイラルリンクファブリックは、約30KN/m〜約80KN/mの張力を有することができる。張力は約35KN/m〜約70KN/mであることができる。
【0058】
本発明は、紙ウェブをプレス及び乾燥する方法をも提供し、この方法は、圧力発生エレメントを用いて、少なくとも1つの第1のファブリックと少なくとも1つの第2のファブリックとの間において紙ウェブをプレスすることを含み、同時に、流体を、紙ウェブと少なくとも1つの第1及び第2のファブリックとに通過させることを含む。
【0059】
プレスは、約40ms以上の滞留時間だけ生じることができる。滞留時間は、約50ms以上であることができる。同時に通過させることは、約40ms以上の滞留時間だけ生じることができる。この滞留時間は、約50ms以上であることができる。圧力発生エレメントは、真空を提供する装置を含むことができる。真空は、約0.5バールよりも大きいことができる。真空は、約1バールよりも大きいことができる。真空は、約1.5バールよりも大きいことができる。
【0060】
TAD技術は、ティシューマシンのための完全に新たなセットアップとして開発された。なぜならば、従来のマシンは、コストが高いので再建されることができず、この従来の技術は、極めて大きなエネルギを消費するからである。
【0061】
本特許出願の譲受人会社は、既存のマシンが再建されることを許容する技術を開発し、また、増大した紙品質を備えたティシューを形成する、最も高い規格の新たなマシンを開発した。しかしながら、このようなマシンは、種々異なるファブリックを必要とし、本発明の1つの主な目的はこのようなファブリックを提供することである。例えば、このようなファブリックは、張力ベルトによって提供される圧力を受ける環境において適切に反応するために、極めて高い弾性及び/又は柔軟性を有する。このようなファブリックは、特に圧力がATMOSシステムの張力ベルトによって提供される場合、均一な脱水を達成するために、極めて良好な圧力転移特性をも有するべきである。ファブリックは、高温空気ブローボックスの使用から生じる温度環境において良好に働くように、高い温度安定性をも有するべきである。高温空気がファブリックの上方から吹き付けられかつ真空圧力がファブリック(又はファブリックを有する紙パッケージ)の真空側に提供される場合に、水及び空気(すなわち高温空気)の混合物がファブリック及び/又はファブリックを含むパッケージを通過するように、ある範囲の空気透気度もファブリックのために必要とされる。
【0062】
フォーミングファブリックは、高圧、熱、含水率に耐えることができかつ高い水分除去レベルを達成することができかつVoith ATMOS抄紙プロセスによって必要とされる紙ウェブを成形又はエンボス加工することができる、単層又は多層の織りファブリックであることができる。フォーミングファブリックは、幅安定性、適切な高い透気度をも有するべきである。フォーミングファブリックは、好適には、耐加水分解性及び/又は耐熱性材料をも利用するべきである。
【0063】
フォーミングファブリックは、少なくとも2つの別のベルト及び/又はファブリックを有するサンドイッチ構造の一部として利用される。これらの付加的なベルトは、高張力ベルト及び脱水ベルトを有する。サンドイッチ構造は、回転するロール又は定置の支持面によって形成された延長されたニップに亘って圧力及び張力を受ける。延長されたニップは、約30゜〜約180゜の巻付き角度を有しており、好適には約50゜〜約130゜である。ニップ長さは、約800mm〜約2500mmであることができ、好適には約1200mm〜約1500mmである。ニップは、約1000mm〜約2500mm、好適には約1400mm〜約1700mmである直径を有する回転するサクションロールによって形成されることができる。
【0064】
フォーミングファブリックは、紙シート又はウェブに形状パターンを付与する。これを達成するために、高圧が、高張力ベルトを介して、フォーミングファブリック又はモールディングファブリックに付与される。シートパターンの形状は、モールディングベルトの仕様を変更することによって、すなわち、糸直径、糸形状、糸密度及び糸タイプ等のパラメータを調整することによって、操作されることができる。異なる形状パターンは、異なる表面織りによってシートに付与されることができる。同様に、シートパターンの強度は、高張力ベルトによって付与される圧力を変化させることによって及びモールディングベルトの仕様を変更することによって、変更されることができる。シートの形状パターンの性質及び強度に影響することができるその他のファクタは、空気温度、空気速度、空気圧、延長されたニップにおけるベルト滞留時間、及びニップ長さを含む。
【0065】
以下は、フォーミングファブリックの非制限的な特徴及び/又は特性である。適切な脱水を可能にするために、単層又は多層のファブリックは、約100cfm〜約1200cfmの透気度値を有するべきであり、好適には、約200cfm〜約900cfmである。2つの別のベルト、例えば高張力ベルト及び脱水ベルトを備えたサンドイッチ構造の一部であるフォーミングファブリックは、回転する又は定置の支持面上で、約30゜〜約180゜、好適には約50゜〜約130゜の巻付き角度で、圧力及び張力を受ける。フォーミングファブリックは、圧力又は張力が加えられていない場合、約0.5%〜約90%の紙面接触面積を有するべきである。フォーミングファブリックは、約1.0%〜約90%の開放面積を有するべきである。
【0066】
フォーミングファブリックは、好適には、予接合された及び/又は継ぎ合わせられた連続的な及び/又は無端のベルトとして、ATMOSマシンに据え付けられることができる織りファブリックである。択一的に、フォーミングファブリックは、例えば、ピン−シーム配列を用いてATMOSマシンにおいて接合されることができるか、又はその他の形式でマシンにおいて継ぎ合わせられることができる。ATMOS抄紙プロセスによって生ぜしめられる高い水分及び熱に耐えるために、単層又は多層の織りベルトは、耐加水分解性及び/又は耐熱性材料を使用することができる。耐加水分解性材料は、好適には、0.72IV〜約1.0IVの範囲の、通常はドライヤ及びTADファブリックに関連した固有粘度値を有するPETモノフィラメントを含むべきであり、また適切な"安定化パッケージ"をも有するべきである。この安定化パッケージは、酸基が加水分解を触媒するので、カルボキシル末端基等価物を含み、これも加水分解の速度を増大することができるので、残留DEGすなわちジエチレングリコールを含む。これらの2つのファクタは、典型的なPETボトル樹脂から使用されることができる樹脂を分離する。加水分解のために、カルボキシル等価物は、開始するためにできるだけ低いべきであり、約12未満であるべきであることが分かっている。DEGレベルは、約0.75%未満であるべきである。カルボキシル末端基のこの低いレベルにおいてさえも、エンドキャッピング剤が添加されるべきであり、プロセスの最後において、遊離カルボキシル基が存在しないことを保証するために、押出しの間に、カルボジイミドを利用するべきである。エポキシ、オルトエステル及びイソシアネート等の末端基をキャップするために使用されることができる数種類の化学物質が存在するが、実際には、低分子量カルボジイミド、及び低分子量カルボジイミドと高分子カルボジイミドとの組み合わせが、最良であり、最も使用されている。好適には、全ての末端基は、遊離カルボキシル末端基が存在しないように、一般的に知られた材料から選択されることができるエンドキャッピング剤によってキャップされる。
【0067】
PPS等の耐熱性材料が、フォーミングファブリックにおいて使用されることができる。PEN、PBT、PEEK及びPA等のその他の材料も、安定性、清浄度、及び寿命等のフォーミングファブリックの特性を改善するために使用されることもできる。単独重合体糸及び共重合体糸が使用されることができる。ベルトのための材料は、必ずしもモノフィラメントから形成される必要はなく、マルチフィラメント、コア及びシースであることができ、非プラスチック材料、すなわち金属材料であることもできる。同様に、ファブリックは、必ずしも1つの材料から形成されなくてもよく、2つ、3つ又はそれ以上の異なる材料から形成されることができる。成形された糸、すなわち非円形の糸の使用も、紙シートのトポグラフィ又は特性を高める又は制御するために使用されることができる。成形された糸は、安定性、厚さ、表面接触面積、表面平坦度、透気度及び摩耗性等のファブリック特性を改良又は制御するために使用されることもできる。
【0068】
フォーミングファブリックは、例えば堆積によって提供される付加的なポリマ材料を用いて処理及び/又はコーティングされることもできる。材料は、ファブリック安定性、耐汚染性、排水性、摩耗性を高めるために、耐熱性及び/又は耐加水分解性を高めるために及びファブリック表面張力を減じるために、処理中に、クロスリンクされて付加されることができる。これは、シートの解放を助け及び/又は駆動荷重を低減する。処理/コーティングは、ファブリックのこれらの特性の1つ又は複数を付与/改良するために提供されることができる。前に示したように、紙ウェブにおけるトポグラフィパターンは、異なる単層又は多層の織りを用いることによって変更及び操作されることができる。パターンのさらなる向上は、さらに、糸直径、糸の数、糸タイプ、糸形状、透気度、厚さ、及び処理又はコーティングの付加等に対する変更によって、特定のファブリック織りに対する調整によって達成されることができる。最後に、フォーミングファブリック又はモールディングベルトの1つ又は2つ以上の表面は、表面特性を高めるために、サンダー仕上げ及び/又は研磨を受けることができる。
【0069】
本発明は、抄紙機のためのベルトプレスをも提供し、ベルトプレスは、紙ウェブに面した側を有しかつ支持面上を案内されるフォーミングファブリックを含む。フォーミングファブリックは、約100cfm〜約1200cfmの透気度値と、圧力及び張力を受けていない場合の約0.5%〜約90%の紙表面接触面積と、約1.0%〜約90%の開放面積とを有している。
【0070】
ベルトプレスは、ATMOSシステムに配置されることができる。ベルトプレスは、TAD機械に配置されることもできる。フォーミングファブリックの少なくとも1つの面は、研磨された面及びサンダー仕上げされた面の少なくとも1つを含むことができる。フォーミングファブリックの紙ウェブに面した側は、研磨された面及びサンダー仕上げされた面の少なくとも1つを含むことができる。透気度値は約200cfm〜約900sfmであることができる。フォーミングファブリックは1つの材料を含むことができる。フォーミングファブリックはモノフィラメント材料を含むことができる。フォーミングファブリックはマルチフィラメント材料を含むことができる。フォーミングファブリックは2つ以上の異なる材料を含むことができる。フォーミングファブリックは3つの異なる材料を含むことができる。フォーミングファブリックはポリマ材料を含むことができる。フォーミングファブリックはポリマ材料を用いて処理されることができる。フォーミングファブリックは、堆積によって提供されたポリマ材料を含むことができる。フォーミングファブリックは、成形された糸、概して円形の糸、及び非円形の糸の少なくとも1つを含むことができる。フォーミングファブリックは、加水分解及び100℃を超える温度に対して耐えることができる。支持面は定置であることができる。支持面はロールに配置されていることができる。ロールは、約1000mm〜約2500mmの直径を有する真空ロールであることができる。真空ロールは、約1400mm〜約1700mmの直径を有することができる。ベルトプレスは、支持面と共に、延長したニップを形成することができる。延長したニップは、約30゜〜約180゜の巻付き角度を有することができる。巻付き角度は約50゜〜約130゜であることができる。延長したニップは約800mm〜約2500mmのニップ長さを有することができる。ニップ長さは約1200mm〜約1500mmであることができる。フォーミングファブリックは、ベルトプレスを使用する機械に接合された端部を有する、予め継ぎ合わされた、少なくとも1つであるエンドレスベルトであることができる。フォーミングファブリックは、トポグラフィパターンをウェブに付与するように構造化及び配置されることができる。ウェブは、ティシューウェブ、衛生ウェブ及びタオルウェブの少なくとも1つを含むことができる。
【0071】
発明は、ロール上を案内される無限に循環するフォーミングファブリックを有する繊維質材料乾燥装置をも提供する。フォーミングファブリックは、約100cfm〜約1200cfmの透気度値と、圧力及び張力が加えられていない場合の約0.5%〜約90%の紙表面接触面積と、約1.0%〜約90%の開放面積とを有している。
【0072】
発明は、ここで説明された装置を使用する抄紙機において繊維質ウェブにプレスを受けさせる方法を提供し、この方法は、ベルトプレスにおいてフォーミングファブリック及び繊維質ウェブに圧力を加えることを含む。
【0073】
発明は、ここで説明されたタイプのベルトプレスを使用する抄紙機において繊維質ウェブにプレスを受けさせる方法をも提供し、方法は、ベルトプレスにおいてフォーミングファブリック及び繊維質ウェブに圧力を加えることを含む。
【0074】
発明は、ATMOSシステム又はTAD機械のためのフォーミングファブリックをも提供し、フォーミングファブリックは約100cfm〜約1200cfmの透気度値と、圧力及び張力を受けていない場合の約0.5%〜約90%の紙表面接触面積と、約1.0%〜約90%の開放面積とを有している。
【0075】
発明は、ここで説明されたタイプのフォーミングファブリックを使用する抄紙機において繊維質ウェブに圧力を受けさせる方法をも提供し、方法は、ベルトプレスを使用してフォーミングファブリック及び繊維質ウェブに圧力を加えることを含む。
【0076】
図面の簡単な説明
本発明の前述の及びその他の特徴及び利点、並びにそれらを得る形式は、より明らかにされ、発明は、添付された図面に関連した発明の実施形態の以下の説明を参照することによって、より理解されるであろう。
【0077】
図1は、本発明によるベルトプレスの実施形態を備えた進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【0078】
図2は、図1のベルトプレスの透気性ベルトの一方の側の表面図である。
【0079】
図3は、図2の透気性ベルトの反対側の図である。
【0080】
図4は、図2及び図3の透気性ベルトの断面図である。
【0081】
図5は、図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図である。
【0082】
図5aは、図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図であり、選択的な三角形の溝を示している。
【0083】
図5bは、図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図であり、選択的な半円形の溝を示している。
【0084】
図5cは、図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図であり、選択的な台形の溝を示している。
【0085】
図6は、B−B線に沿った図3の透気性ベルトの断面図である。
【0086】
図7は、A−A線に沿った図3の透気性ベルトの断面図である。
【0087】
図8は、B−B線に沿った図3の透気性ベルトの別の実施形態の断面図である。
【0088】
図9は、A−Aに沿った図3の透気性ベルトの別の実施形態の断面図である。
【0089】
図10は、本発明の透気性ベルトの別の実施形態の表面図である。
【0090】
図11は、図10の透気性ベルトの一部の側面図である。
【0091】
図12は、本発明によるベルトプレスの実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【0092】
図13は、本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる1つの脱水ファブリックの拡大した部分図である。
【0093】
図14は、本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる別の脱水ファブリックの拡大した部分図である。
【0094】
図15は、本発明による進歩した脱水システムのプレス部分の1つの実施形態の誇張された概略的な断面図である。
【0095】
図16は、本発明による進歩した脱水システムのプレス部分の別の実施形態の誇張された概略的な断面図である。
【0096】
図17は、本発明によるベルトプレスの別の実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【0097】
図18は、本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる選択的な透気性ベルトの部分的な側面図である。
【0098】
図19は、本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる別の選択的な透気性ベルトの部分的な側面図である。
【0099】
図20は、本発明によるプレスシューを使用するベルトプレスの実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【0100】
図21は、本発明によるプレスロールを使用するベルトプレスの実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【0101】
図22a〜bは、接触面積が測定されることができる1つの方法を示している。
【0102】
図23aは、本発明において使用されることができるAshworth金属ベルトの面積を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表しているのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。
【0103】
図23bは、本発明において使用されることができるCambridge金属ベルトの面積を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表しているのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。
【0104】
図23cは、本発明において使用されることができるVoith Fabrics リンクファブリックの面積を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表しているのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。
【0105】
図24は、本発明による高張力透気性ベルトを有するベルトプレスを使用する機械又はシステムの概略的な断面図である。
【0106】
図25は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの1つの非制限的な実施形態を示している。
【0107】
図26は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【0108】
図27は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンのさらに別の非制限的な実施形態を示している。
【0109】
図28は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【0110】
図29は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【0111】
図30は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【0112】
図31は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の1つの非制限的な実施形態を示している。
【0113】
図32は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の別の非制限的な実施形態を示している。
【0114】
図33は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様のさらに別の非制限的な実施形態を示している。
【0115】
図34は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の別の非制限的な実施形態を示している。
【0116】
図35は、本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の別の非制限的な実施形態を示している。
【0117】
対応する参照符号は、複数の図面を通じて対応する部材を示している。ここに示された典型的な実施形態は、発明の1つ又は2つ以上の許容可能な又は好適な実施形態を示しており、このような例示は、あらゆる形式において発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0118】
発明の詳細な説明
ここに示された詳細は例でありかつ本発明の実施形態の例示的議論のためだけのものであり、本発明の原理及び概念の側面の、最も有効でかつ容易に理解される記述であると考えられるものを提供するために表されている。これに関して、本発明の基本的な理解のために必要である以上は本発明の構造的な詳細をより詳細に示す試みはなされておらず、記述は、本発明の形式がどのように実地において具体化されるかを当業者に明らかにする図面に関連している。
【0119】
ここで図面、特に図1を参照すると、繊維質ウェブ12を処理するための進歩した脱水システムが示されている。システム10は、ファブリック14と、サクションボックス16と、真空ロール18と、脱水ファブリック20と、ベルトプレスアセンブリ22と、フード24(高温空気フードであることができる)、ピックアップサクションボックス26と、Uhleボックス28と、1つ又は2つ以上のシャワーユニット30と、1つ又は2つ以上の滴受32とを有している。繊維質材料ウェブ12は、図1に示されているように概して右側からシステム10に進入する。繊維質ウェブ12は、ファブリック15上に配置された、予め形成されたウェブ(すなわち、図示されていない機構によって予め形成されている)である。図1から明らかなように、サクション装置16は、ウェブ12の一方の側に吸引を提供するのに対し、サクションローラ18は、ウェブ12の反対側に吸引を提供する。
【0120】
繊維質ウェブ12は、ファブリック14によって流れ方向Mに、1つ又は2つ以上のガイドロールを超えて及び次いでサクションボックス16を超えて移動させられる。真空ボックス16において、走行するウェブの典型的な又は公称の20グラム毎平方メートル(gsm)における、約15%〜約25%の固体レベルを達成するために、十分な水分がウェブ12から除去される。ボックス16における真空は、約−0.2〜約−0.8バールの真空を提供し、約−0.4〜約−0.6バールの好適な作動レベルを備える。
【0121】
繊維質ウェブ12が流れ方向Mに進行すると、繊維質ウェブは脱水ファブリック20と接触する。脱水ファブリック20は、複数のガイドロールによって案内されかつサクションローラ18の周囲にも案内される無限循環ベルトであることができる。脱水ベルト20は、ここで図13及び図14に示されかつ説明されたタイプの脱水ファブリックであることができる。脱水ファブリック20は好適にはフェルトであることができる。次いで、ウェブ12は、ファブリック14と脱水ファブリック20との間において真空ロール18に向かって進行する。真空ロール18は、流れ方向Mに沿って回転しかつ約−0.2バール〜約−0.8バールの真空レベルで作動させられ、少なくとも約−0.4バール、及び最も好適には約−0.6バールの好適な作動レベルを備える。非制限的な例として、ロール18の真空ロールシェルの厚さは約25mm〜約75mmの範囲であることができる。サクションゾーンZの領域においてウェブ12を通過する平均空気流は、機械幅のメートルごとに約150m3/minであることができる。ファブリック14と、ウェブ12と、脱水ファブリック20とは、真空ロール18と透気性ベルト34とによって形成されたベルトプレス22を通って案内される。図1に示されているように、透気性ベルト34は、複数の案内ロールによって案内されかつベルトプレス22を形成するために真空ロール18に対して押し付けられる、1つの無限に循環するベルトである。
【0122】
上側ファブリック14は、ウェブ12を、ベルトプレスシステム22へ及びベルトプレスシステム22から搬送する。ウェブ12は、上側ファブリック14の三次元構造に位置し、したがって、ウェブ12も、平坦ではなく三次元構造を有しており、これが嵩高のウェブを製造する。下側ファブリック20も透気性である。下側ファブリック20の設計は、水分を貯蔵することができるように形成されている。下側ファブリック20は滑らかな面をも有している。下側ファブリック20は好適には、芯層を備えたフェルトである。下側ファブリック20の芯層の直径は、約11dtex以下であり、好適には、約4.2dtex以下、又はより好適には3.3dtex以下であることができる。芯繊維は繊維の混合であることもできる。下側ファブリック20は、ベクトル層をも有することができ、このベクトル層は、約76dtexから繊維を含み、例えば約100dtex、約140dtex、又はさらに大きなdtex数等のより粗い繊維を含むこともできる。これは水分の良好な吸収のために重要である。下側ファブリック20の芯層及び/又は下側ファブリック自体の湿った表面は、35m2/m2フェルト面積以上であることができ、好適には、約65m2/m2フェルト面積以上であることができ、最も好適には約100m2/m2フェルト面積以上であることができる。下側ファブリック20の特定の面は、約0.04m2/gフェルト重量以上であるべきであり、好適には約0.065m2/gフェルト重量以上であることができ、最も好適には約0.075m2/gフェルト重量以上であることができる。これは水分の良好な吸収のために重要である。圧縮性のための値としての動剛性K・[K/mm]は、100000N/mm以下であるならば許容可能であり、好適な圧縮性は、90000N/mm以下であり、最も好適には圧縮性は70000N/mm以下である。下側ファブリック20の圧縮性(mm/Nにおける力による厚さ変化)が考慮されるべきである。これは、ウェブを効率的に高い乾燥レベルにまで脱水するために重要である。硬い面は、上側ファブリックの構造化された表面の突出した個所の間においてウェブ12をプレスしない。他方では、フェルトは、嵩、及びひいては品質、例えば水分保持能力を損失することを回避するために、三次元構造内に深くプレスされすぎないようにすべきである。
【0123】
真空ゾーンZの円周長さは、約200mm〜約2500mmであることができ、好適には約800mm〜約1800mmであり、さらに好適には約1200mm〜約1600mmである。ウェブ12における真空ロール18を出る固体含有量は、透気性ベルトにおける真空圧力及び張力、真空ゾーンZの長さ、及び真空ゾーンZにおけるウェブ12の滞留時間に依存して約25%〜約55%で変化する。真空ゾーンZにおけるウェブ12の滞留時間は、約25%〜約55%のこの固体範囲を生じるのに十分である。図2〜図5を参照すると、ベルトプレス22の透気性ベルト34の1つの実施形態の詳細が示されている。ベルト34は複数の貫通孔又は貫通開口36を有している。孔36は、孔パターン38に配置されており、図2は、そのうち、1つの非制限的な例を示している。図3〜図5に示されているように、ベルト34は、ベルト34の一方の側、すなわちベルト34の外側又はファブリック14に接触する側に配置された溝40を有している。透気性ベルト34は、ファブリック14の上面に係合するように経路付けられており、これにより、ベルトプレス22においてウェブ12に対してファブリック14を押し付けるように作用する。それ自体は、ウェブ12をファブリック20に対して押し付け、このファブリック20は、真空ロール18によって下側において支持されている。この一時的な連結又は押付け係合は流れ方向Mで真空ロール18の周囲において継続するので、一時的な連結又は押付け係合は、真空ゾーンZに遭遇する。真空ゾーンZはフード24から空気流を受け取り、これは、空気がフード24から透気性ベルト34及びファブリック14及び乾燥ベルト12を通り、最後にベルト20を通ってゾーンZに到達することを意味する。これにより、水分がウェブ12から除去され、ファブリック20及び真空ロール18の多孔面を通って引き渡される。その結果、ウェブ12は、同時形式においてプレス及び空気流の両方を経験する又は受ける。真空ロール18内に引き込まれる又は方向付けられる水分は、主に、真空システム(図示せず)を介して出る。しかしながら、ロール18の表面からの水分の一部は、真空ロール18の下方に配置された1つ又は2つ以上の滴受32によって捕捉される。ウェブ12がベルトプレス22から出ると、ファブリック20がウェブ12から分離され、ウェブ12はファブリック14と共に真空ピックアップ装置26を通過する。装置26はさらに、ウェブ12を安定化させるために、ファブリック14及びウェブ12から水分を吸い取る。
【0124】
ファブリック20は、1つ又は2つ以上のシャワーユニット30を通過する。これらのユニット30は、ファブリック20を浄化するためにファブリック20に水分を提供する。次いで、ファブリック20は、ファブリック20から水分を除去するUhleボックス28を通過する。
【0125】
ファブリック14は、構造化されたファブリック14であることができる、すなわち、ウェブ12において反映される三次元構造を有することができ、これにより、ウェブ12のより厚いまくら領域が形成される。構造化されたファブリック14は、紙タオルのために約44メッシュ、約30メッシュ〜約50メッシュを、トイレットペーパーのために約50メッシュ〜約70メッシュを有することができる。これらのまくら領域は、ベルトプレス22におけるプレスの間、保護されている。なぜならば、まくら領域は、構造化されたファブリック14のボディ内にあるからである。このように、ウェブ12にベルトプレスアセンブリ22によって与えられるプレスは、ウェブ又はシート品質に悪影響を与えない。同時に、プレスは、真空ロール18の脱水速度を増大する。ベルトが非プレス/低プレス装置において使用される場合、圧力は、プレスファブリックとして知られた、脱水ファブリックを介して伝達されることができる。この場合、ウェブ12は、構造化されたファブリック14によって保護されていない。しかしながら、ベルト34の仕様は依然として有利である。なぜならば、プレスニップは慣用のプレスよりも著しく長く、これは、より低い特定の圧力、及びウェブ12のより少ない又は減じられたシート圧縮を生じるからである。
【0126】
図2〜図5に示された透気性ベルト34は、金属、ステンレス鋼及び/又はポリマ材料(又はこれらの材料の組み合わせ)から形成されることができ、約30KPa〜約150KPaの範囲、好適には約70KPaより大きな、低いレベルのプレスを提供することができる。すなわち、サクションロール18は約1.2mの直径を有しており、ベルト34のためのファブリック張力は、約30KN/mよりも大きい、好適には約50KN/mよりも大きいことができる。真空ロール18によって間接的に支持された、ファブリック14に対する透気性ベルト34のプレス長さは、少なくとも、ロール18のサクションゾーンZの円周長さと同じであるか又はこれよりも長いことができる。もちろん、本発明は、透気性ベルト34の接触部分(すなわち、ロール18によって又はロール18上で案内されるベルトの部分)は、サクションゾーンZよりも短いことができる。
【0127】
図2〜図5に示されているように、透気性ベルト34は、例えば、穿孔、レーザ切断、エッチング、又は織りによって形成されることができる貫通孔36のパターン38を有している。透気性ベルト34は、実質的にモノプレーナであることができる、すなわち図3〜図5に示された溝40を備えずに形成されることができる。溝40を有するベルト34の面は、ベルトプレス22における透気性ベルト34の走行の一部に沿ってファブリック14と接触して配置されることができる。ベルト34における空気の通過及び分配を許容するために、各溝40は孔36のセット又は列と結合することができる。空気はこのように溝40に沿って分配される。このように溝40及び開口36は、ベルト34の開放面積を構成し、接触面積、すなわち、ベルト34の表面がファブリック14又はウェブ12に対して圧力を加える領域に隣接して配置されている。空気は、溝40を有する側とは反対側から孔36を通って透気性ベルト34に進入し、次いで、溝40内へ及び溝40に沿って移動し、ファブリック14、ウェブ12及びファブリック20をも通過する。図3に示されているように、孔36の直径は、溝40の幅よりも大きい。円形の孔36が好ましいが、孔は、円形である必要はなく、意図した機能を果たすあらゆる形状又は構成を有することができる。さらに、溝40は、概して矩形の断面を有するように図5に示されているが、溝40は、異なる断面輪郭、例えば、図5aに示されたような三角形の断面、図5cに示されたような台形の断面、及び図5bに示されたような半円形又は半楕円形の断面を有することができる。透気性ベルト34と真空ロール18との組み合わせは、シート固体レベルを少なくとも約15%だけ増大させるために示された組み合わせである。
【0128】
非制限的な例として、図3に示された概して平行な溝40の幅は、約2.5mmであることができ、外面(すなわちベルト14に接触する表面)から測定された溝40の深さは、約2.5mmであることができる。貫通開口36の直径は約4mmであることができる。溝40の間の、(もちろん)幅方向で測定された距離は、約5mmであることができる。開口36の間の(中心線から測定された)長手方向距離は、約6.5mmであることができる。開口36、開口の列、又は溝40の間の(幅方向で中心線から測定された)距離は、約7.5mmであることができる。隣接する開口の間の長手方向距離が、同じ列の開口36の間の距離の半分、すなわち6.5mmの半分であることができるように、開口の1つおきの列における開口36は、約半分だけオフセットされていることができる。ベルト34の全幅は、紙の幅よりも160mm大きいことができ、無限循環ベルト34の全長は、約20mであることができる。ベルト34の張力限界は、例えば、約30KN/m〜約50KN/mであることができる。
【0129】
図6〜図11は、図1に示されたタイプのベルトプレス22において使用されることができる透気性ベルト34のその他の非制限的な実施形態を示している。図6〜図9に示されたベルト34は、フレキシブルな補強されたポリウレタン42から形成された延長ニッププレスベルトであることができる。ベルトは、図10及び図11に示されたタイプのスパイラルリンクファブリック48であることもできる。透気性ベルト34は、英国特許出願公開第2141749号明細書に記載されたタイプのスパイラルリンクファブリックであることもでき、その開示内容全体は引用により本明細書に記載されたものとする。図6〜図9に示された透気性ベルト34は、約30KPa〜約150KPaの範囲、好適には約70KPaよりも大きな、低レベルのプレスをも提供する。これにより、例えば、1.2mの直径を備えたサクションロールは、約30KN/mよりも大きな、好適には約50KN/mよりも大きなファブリック張力を提供することができ、張力は、約60KN/mよりも大きい、また約80KN/mよりも大きいことができる。真空ロール18によって間接的に支持されている、ファブリック14に対する透気性ベルト34のプレス長さは、少なくともロール18におけるサクションゾーンZと同じであるか又はそれよりも長いことができる。もちろん、本発明は、透気性ベルト34の接触部分はサクションゾーンZよりも短いことができることも考慮している。
【0130】
図6及び図7を参照すると、ベルト34は、透気性構造を有するポリウレタンマトリックス42の形式を有することができる。透気性構造は、ポリウレタンマトリックス42に少なくとも部分的に埋設された、補強用の流れ方向糸44及び横方向糸46を備えた織り構造の形式を有することができる。ベルト34は、貫通孔36と、図3〜図5に示された実施形態のように開口の列を結合した概して平行な長手方向溝40とを有している。
【0131】
図8及び図9は、ベルト34のためのさらに別の実施形態を示している。ベルト34は、スパイラルリンクファブリックの形式の透気性ベルトを有するポリウレタンマトリックス42を有している。リンクファブリック48は少なくとも部分的にポリウレタンマトリックス42に埋設されている。孔36は、ベルト34を貫通しており、少なくとも部分的に、スパイラルリンクファブリック38を切断することができる。概して平行な長手方向溝40は、上述の実施形態において、開口の列を結合している。本明細書に記載されたスパイラルリンクファブリック34は、ポリマ材料から形成されることができる及び/又は好適には約30KN/m〜80KN/m、好適には約35KN/m〜約50KN/mの範囲で緊張させられている。これは、高い張力に耐えることができずかつ紙ウェブの十分な脱水と平衡させられるベルトの改良された走行性を提供する。
【0132】
非制限的な例として、図6〜図9を参照すると、図7に示された概して平行な溝40の幅は約2.5mmであることができ、外面(すなわちベルト14に接触する面)から測定された溝40の深さは約2.5mmであることができる。貫通開口36の直径は約4mmであることができる。溝40の間の、(もちろん)幅方向で測定された距離は約5mmであることができる。開口36の間の、(中心線から測定された)長手方向距離は約6.5mmであることができる。開口36、開口の列、又は溝40の間の、(幅方向で中心線から測定された)距離は約7.5mmであることができる。開口の1つおきの列における開口36は約半分だけオフセットしていることができ、これにより、隣接する開口の間の長手方向距離は、同じ列の開口36の間の距離の半分、すなわち6.5mmの半分であることができる。ベルト34の全幅は、紙幅よりも約160mm大きいことができ、無限循環ベルト34の全長は約20mであることができる。
【0133】
図10及び図11は透気性ベルト34のさらに別の実施形態を示している。この実施形態において、リンクファブリック48を形成するために、概して螺旋状の織られた糸50をよこ糸52と絡み合わせることによって連結されている。このベルトの非制限的な例は、アッシュワース金属ベルト、ケンブリッジ金属ベルト、及びフォイトリンクファブリックを含むことができ、図23a〜cに示されている。本明細書に記載されたスパイラルリンクファブリックは、ポリマ材料から形成されることもでき及び/又は好適には約30KN/m〜80KN/m、好適には約35KN/m〜約50KN/mの範囲で緊張させられている。これは、高い張力に耐えることができずかつ紙ウェブの十分な脱水と平衡させられるベルト34の改良された走行性を提供する。図23aは、本発明において使用することができるアッシュワース金属ベルトの領域を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表すのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。アッシュワースベルトは、約60KN/mで緊張させられた金属リンクベルトである。開放面積は約75%〜約85%であることができる。接触面積は約15%〜約25%であることができる。図23bは、本発明に使用されることが好適なケンブリッジ金属ベルトの領域を示している。この場合もやはり、黒で示されたベルトの部分は接触面積を表すのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。ケンブリッジベルトは、約50KN/mで緊張させられた金属リンクベルトである。開放面積は約68%〜約76%であることができる。接触面積は約24%〜約32%であることができる。最後に、図23cは、本発明において使用されるのが最も好適なフォイトファブリックの領域を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表すのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。フォイトファブリックベルトは、約40KN/mで緊張させられたポリマリンクファブリックであることができる。開放面積は約51%〜約62%であることができる。接触面積は約38%〜約49%であることができる。
【0134】
前の実施形態のように、図10及び図11に示された透気性ベルト34は、少なくとも約30KN/m〜少なくとも約50KN/m以上の高い走行張力で走行することができ、約10%以上の表面接触面積、及び約15%以上の開放面積を有することができる。開放面積は約25%以上であることができる。図10及び図11に示された透気性ベルト34の組成は、透気性ベルト34内に支持層を有する薄いスパイラルリンク構造を有することができる。スパイラルリンクファブリックは金属及び/又はステンレス鋼から形成されることができる。さらに、透気性ベルト34は、約15%〜約55%の接触面積と、約45%〜約85%の開放面積とを有するスパイラルリンクファブリック34であることができる。より好適には、スパイラルリンクファブリック34は、約50%〜約65%の開放面積、及び約35%〜約50%の接触面積を有することができる。
【0135】
図1に示された、進歩した脱水システム(ADS)を使用するプロセスをここで説明する。ADS10は、ウェブが、ベルトプレス22に到達する前に最初に形成された後、ウェブ12から水分を除去するためにベルトプレス22を使用する。透気性ベルト34は、ファブリック14の表面に係合するようにベルトプレス22において経路付けられ、これにより、ファブリック14をさらにウェブ12に対して押し付け、これにより、ウェブ12を、真空ロール18によって下方に支持されたファブリック20に対して押し付ける。ベルト34によって加えられる物理的圧力は、ウェブ12内の水分に僅かな液圧を提供し、水分をファブリック14及び20に向かって移動させる。ファブリック14及び20及びベルト34とのウェブ12のこの結合は、流れ方向Mで、真空ロール18の周囲において継続しているので、ウェブは真空ゾーンZに遭遇し、この真空ゾーンを介して、空気は、フード24から、透気性ベルト34を通り、ファブリック14を通過させられ、ウェブ12を乾燥させる。ウェブ12から空気流によって取り上げられた水分はさらに、ファブリック20と、真空ロール18の多孔面とを通過する。透気性ベルト34において、フード24からの乾燥空気は孔36を通過し、ファブリック14を通過する前に溝40に沿って分配される。ウェブ12がベルトプレス22から出る時、ベルト34はファブリック14から分離する。その直後、ファブリック20はウェブ12から分離し、ウェブ12はファブリック14と共に真空ピックアップユニット26を通過し、この真空ピックアップユニットは付加的にファブリック14及びウェブ12から水分を吸い取る。
【0136】
本発明の透気性ベルト34は、シュープレスのためのニップよりも10倍長い、極めて長いニップに亘ってライン力を提供することができ、これにより、標準的なシュープレスと比較して、圧力がウェブ12に対して加えられる長い滞留時間を保証する。これは、シュープレスのための圧力よりも20倍小さい、著しく小さい特定圧力を生じ、これにより、シート圧縮を低減し、シート品質を高める。本発明はさらに、ニップ自体においてウェブを通る空気流を用いて同時真空及びプレス脱水を許容する。
【0137】
図12は、繊維質ウェブ112を処理するための、別の進歩した脱水システム110を示している。システム110は、上側ファブリック114と、真空ロール118と、脱水ファブリック120と、ベルトプレスアセンブリ122と、フード124(高温空気フードであることができる)と、Uhleボックス128と、1つ又は2つ以上のシャワーユニット130と、1つ又は2つ以上の滴受け132と、1つ又は2つ以上のヒータユニット129とを有している。繊維質材料ウェブ112は、図12に示されたように、概して右側からシステム110に進入する。繊維質ウェブ112は、ファブリック114に配置された、予め形成されたウェブ(すなわち、図示されていない機構によって予め形成されている)である。図1の場合のように、サクション装置(図示されていないが、図1に示された装置16と同様である)は、ウェブ112の一方の側に吸引を提供することができるのに対し、サクションロール118は、ウェブ112の反対側に吸引を提供する。
【0138】
繊維質ウェブ112は、1つ又は2つ以上の案内ロールを通って流れ方向Mにファブリック114によって移動させられる。必要ではないかもしれないが、サクションロールに到達する前に、ウェブ112は十分な水分がウェブ112から除去され、これにより、走行する典型的な又は公称20グラム毎平方メートル(gsm)ウェブにおいて約15%〜約25%の固体レベルを達成する。これは、約−0.4〜約−0.6バールの好適な作動レベルを備えた、約−0.2〜約−0.8バール真空のボックス(図示せず)において真空によって達成される。
【0139】
繊維質ウェブ112が流れ方向Mに沿って進行しながら、繊維質ウェブは脱水ファブリック120と接触する。脱水ファブリック120は、複数の案内ロールによって案内された、サクションロール118の周囲をも案内される無限循環ベルトであることができる。ウェブ112は次いでファブリック114と脱水ファブリック120との間において真空ロール118に向かって進行する。真空ロール118は、長手方向Mに沿って回転する、少なくとも約−0.4バールの好適な作動レベルを備えた、約−0.2〜約−0.8バールの間の真空レベルで作動させられる被駆動ロールであることができる。非制限的な例によって、ロール118の真空ロールシェルの厚さは、25mm〜75mmの範囲にあることができる。サクションゾーンZの領域においてウェブ112を通過する平均空気流は、メートル機械幅ごとに約150m3/minであることができる。ファブリック114と、ウェブ112と、脱水ファブリック120とは、真空ロール118と透気性ベルト134とによって形成されたベルトプレス122を通って案内される。図12に示されているように、透気性ベルト134は、複数の案内ロールによって案内される、ベルトプレス122を形成するために真空ロール118に対して押し付けられた、1つの無限循環ベルトである。ベルト134の張力を制御及び/又は調整するために、張力調整ロールTARが案内ロールのうちの1つとして提供されている。
【0140】
真空ゾーンZの円周長さは、約200mm〜約2500mmであることができ、好適には約800mm〜約1800mmであり、さらにより好適には約1200mm〜約1600mmである。ウェブ112における真空ロール118から出る固体は、透気性ベルトにおける真空圧力及び張力、真空ゾーンZの長さ、真空ゾーンZにおけるウェブ112の滞留時間に応じて、約25%〜約55%で変化する。真空ゾーンZにおけるウェブ112の滞留時間は、約25%〜約55%の固体範囲を生じるのに十分である。
【0141】
図12に示されたプレスシステムはこのように、少なくとも1つの上部又は第1の透気性ベルト又はファブリック114と、少なくとも1つの下部又は第2のベルト又はファブリック120と、これらの間に配置された紙ウェブ112とを使用しており、これにより、ロール118と透気性ベルト134とによって形成されたベルトプレス122を通って案内されることができるパッケージを形成している。圧力発生エレメント134の第1の面は少なくとも1つの上側ファブリック114と接触している。支持構造118の第2の面は、少なくとも1つの下側ファブリック120と接触しておりかつ透気性である。差圧フィールドが第1及び第2の面の間に提供されており、少なくとも1つの上側ファブリックと、少なくとも1つの下側ファブリックと、これらの間の紙ウェブとのパッケージに作用する。このシステムにおいて、機械的圧力が、パッケージ、ひいては紙ウェブ112に生ぜしめられる。この機械的圧力は、ウェブにおける所定の液圧を生ぜしめ、これにより、含有された水分が排出される。上側ファブリック114は、下側ファブリック120よりも大きな粗さ及び/又は圧縮性を有している。空気流は、少なくとも1つの上側ファブリック114から、少なくとも1つの上側ファブリック114と、少なくとも1つの下側ファブリック120と、これらの間の紙ウェブ112とのパッケージを通って、少なくとも1つの下側ファブリック120への方向に生ぜしめられる。
【0142】
上側ファブリック114は、透気性及び/又はいわゆる"構造化されたファブリック"であることができる。非制限的な例として、上側ファブリック114は例えばTADファブリックであることができる。フード124は、ウェブの水分又は乾燥度の横方向プロフィルに影響するために、区分構造又は設計を有する蒸気ボックスと交換されることもできる。
【0143】
図13を参照すると、下側ファブリック120は、透気性ベースファブリックBFと、この透気性ベースファブリックに取り付けられた格子LGとを有しておりかつ、ポリウレタン等のポリマから形成されたメンブレン又はファブリックであることができる。ファブリック120の格子LG側は、サクションロール118と接触することができるのに対し、反対側は紙ウェブ112に接触する。格子LGは、様々な公知の方法、例えば押出し成形技術又はスクリーン印刷技術を使用することによってベースファブリックBFに取り付けられる又は配置されることができる。図13に示されているように、格子LGは、流れ方向糸MDY及び横方向糸CDYに対して角度を成して向けられていることもできる。この向き付けは、格子LGのいかなる部分も流れ方向糸MDYと整合させられないようになっているが、図14に示されたようなその他の向き付けが使用されることもできる。格子LGは、かなり均一な格子パターンとして示されているが、このパターンは、少なくとも部分的に不連続及び/又は非対称的であることもできる。さらに、格子の交差部の間の材料は、図13に示されているように、実質的に直線的ではなく、曲がった経路を取ることができる。格子LGは、固有の接着特性によってベースファブリックBFに付着する、合成材料、例えばポリマ又は特にポリウレタンから形成されることができる。格子LGをポリウレタンから形成することは、格子に良好な摩擦特性を提供し、これにより、格子は真空ロール18に対して良好に接触する。これは、したがって、垂直の空気流を強制し、あらゆる"x、y平面"漏れを排除する。水分が格子LGを通過するとあらゆる再濡れを回避するために空気の速度は十分である。さらに、格子LGは、約35cfm以下、好適には約25cfmの透気性を有する、薄い、穿孔された疎水性フィルムであることができる。格子LGの孔又は開口は約15ミクロンであることができる。格子LGはつまり、再濡れを回避するために、高速で良好な推力の空気流を提供する。このようなファブリック120の場合、織りパターンから独立した表面構造を形成又は提供することが可能である。
【0144】
図14を参照すると、下部脱水ファブリック120が、透気性ベースファブリックBF及び格子LGをも有する、真空ロール118に接触する側を有することができることが分かる。ベースファブリックBFは、流れ方向マルチフィラメント糸MDY(等しい又は異なるポリマ材料から、モノ糸又は撚られたモノ糸又はマルチフィルとモノフィル撚られた及び撚られていない糸の組み合わせであることもできる)と、横方向マルチフィラメント糸CDY(等しい又は異なるポリマ材料から、モノ糸又は撚られたモノ糸又はマルチフィルとモノフィル撚られた及び撚られていない糸の組み合わせであることもできる)とを有しており、いわゆる"再濡れ防止層"を形成するために、格子LGに接着されている。格子は、図13に示された格子と同じであることができる、エラストマ材料等の複合材料から形成されることができる。図14に示されているように格子LG自体は、その周囲に形成されたエラストマ材料EMを備えた、流れ方向糸GMDYを有することができる。格子LGはつまり、エラストマ材料EM及び流れ方向糸GMDY上に形成された複合格子マットであることができる。これに関して、格子の流れ方向糸GMDYは、型において実質的に平行な列に配置される前にエラストマ材料EMで予めコーティングされることができ、前記型は、エラストマ材料EMを再加熱するために使用され、エラストマ材料を、図14に格子LGとして示されたパターンに再び流動させる。付加的なエラストマ材料も、型に投入されることができる。複合的な層を形成する格子構造LGは次いで、多くの技術のうちの1つによってベースファブリックBFに結合される。この技術は、透気性ベースファブリックBFへの格子LGの積層、エラストマで被覆された糸が透気性ベースファブリックBFに対する所定の位置に配置されたときにこの糸を溶融させることを含む。格子構造は、又は、透気性ベースファブリックBFに格子LGを再溶融させることによってベースファブリックBFに結合される。さらに、格子LGを透気性ベースファブリックBFに取り付けるために、接着剤が使用されることができる。複合的な層LGは、真空ロール118に対してしっかりと着座することができるべきであり、"x、y平面"漏れを回避し、再濡れを回避するために垂直の空気流を許容する。このようなファブリックを用いることにより、織りパターンから独立した表面構造を形成又は提供することが可能である。
【0145】
図13及び図14に示されたベルト120は、図1の配列に示されたベルト20の代わりに使用されることもできる。
【0146】
図15は、プレスにおける1つの可能な装置の拡大図を示している。サクション支持面SSはファブリック120,114,134及びウェブ112を支持するために働く。サクション支持面SSは、サクション開口SOを有している。開口SOは好適には、より多くの吸込み空気を提供するために入口側において面取りされている。面SSは、例えば図16に示されたタイプのサクションボックスを使用するサクション装置の場合に概して平坦であることができる。好適には、サクション面SSは、移動する湾曲したロールベルト又はサクションロール118のジャケットである。この場合、ベルト134は、すでにここで説明されたタイプの、緊張したスパイラルリンクベルトであることができる。ベルト114は、構造化されたファブリックであることができ、ベルト120は、上述のタイプの脱水フェルトであることができる。この装置において、湿った空気は、ベルト134の上方から、ベルト114、ウェブ112及びベルト120を通って、最後に開口SOを通ってサクションロール118内へ引き込まれる。図16に示された別の可能性において、サクション面SSが、移動する湾曲したロールベルト又はサクションロール118のジャケットであり、ベルト114が、SPECTRAメンブレンである。この場合、ベルト134は、ここに既に説明されたタイプの緊張したスパイラルリンクベルトであることができる。ベルト120は、上述のタイプの脱水ベルトであることができる。この配列においても、湿った空気は、ベルト134の上方から、ベルト114、ウェブ112及びベルト120を通って、最後に開口SOを通って、サクションロール118内に引き込まれる。
【0147】
図17は、ウェブ112が乾燥されることができる別の方法を示している。この場合、透気性支持ファブリックSF(ファブリック20又は120と同様であることができる)はサクションボックスSB上を移動させられる。サクションボックスSBは、ベルトSFの下面に対してシールSを用いてシールされている。支持ベルト114は、TADファブリックの形式を有しており、ベルトPFと、このベルトPF内に配置されたプレス装置PDと、支持ベルトSFと、定置のサクションボックスSBとによって形成されたプレス内へウェブ112を搬送する。循環するプレスベルトPFは、ここに既に説明されたタイプ及び/又は図18及び図19に示されたタイプの緊張したスパイラルリンクベルトであることができる。ベルトPFは、択一的に溝ベルトであることができかつ/又は透気性であることもできる。この配列において、プレス装置PDはベルトPFをプレス力PFでベルトSFに対してプレスするのに対し、サクションボックスSBは、ベルトSF、ウェブ112及びベルト114に対して真空を提供する。プレスの間、湿った空気は、少なくともベルト114、ウェブ112及びベルトSFから最終的にサクションボックスSB内へ引き込まれることができる。
【0148】
上側ファブリック114はつまり、ウェブ112をプレス及び/又はプレスシステムへ又は婦列及び/又はプレスシステムから搬送することができる。ウェブ112は、上側ファブリック114の三次元構造に位置することができ、したがってウェブは平坦ではなく、その代わりに三次元構造を有しており、これは嵩高のウェブを生ぜしめる。下側ファブリック120も透気性である。下側ファブリック120の設計は、水分を貯蔵することができるように形成されている。下側ファブリック120は、滑らかな面をも有する。下側ファブリック120は好適には、芯層を備えたフェルトである。下側ファブリック120の芯繊維の直径は、約11dtex以下であることができ、好適には、約4.2dtex以下であることができ、又はさらに好適には約3.3dtex以下であることができる。芯繊維は繊維の混合であることもできる。下側ファブリック120は、少なくとも約67dtexからの繊維を含むベクトル層を含むこともでき、例えば少なくとも約100dtex、少なくとも140dtex、又はさらに大きなdtex数等の、より粗い繊維を含むこともできる。これは、水分の良好な吸収のために重要である。下側ファブリック120の芯層の濡れた面及び/又は下側ファブリック120自体の濡れた面は、約35m2/m2フェルト面積以上であることができ、好適には、65m2/m2フェルト面積以上であることができ、最も好適には、約100m2/m2フェルト面積以上であることができる。下側ファブリック120の特定面は、約0.04m2/gフェルト重量以上であるべきであり、好適には、約0.065m2/gフェルト重量以上であることができ、最も好適には、0.075m2/gフェルト重量以上であることができる。これは、水分の良好な吸収のために重要である。
【0149】
上側ファブリック114の圧縮性(mm/Nにおける力による厚さ変化)は、下側ファブリック120の圧縮性よりも小さい。これは、ウェブ112の三次元構造を維持するために、すなわち上部ベルト114が剛性構造体であることを保証するために重要である。
【0150】
下側ファブリック120の弾性が考慮されるべきである。下側ファブリック120の密度は、約0.4g/cm3以上であるべきであり、好適には、約0.5g/cm3以上であり、理想的には約0.53g/cm3以上である。これは、1200m/minを超えるウェブ速度において有利であることができる。減じられたフェルト体積は、空気流によってフェルト120から水分を除去すること、すなわち水分がフェルト120を通過させられることをより容易にする。したがって、脱水効果がより小さくなる。下側ファブリック120の透気性は、約80cfmよりも低い、好適には40cfmよりも低い、理想的には25cfm以下であることができる。減じられた透気性は、空気流によってフェルト120から水分を除去すること、すなわち水分がフェルト120を通過させられることをより容易にする。その結果、再濡れ効果がより小さくなる。しかしながら、高すぎる透気性は、高すぎる空気流、与えられた真空ポンプのためにより低い真空レベル、及び開放しすぎた構造によるフェルトのより低い脱水を生ぜしめる。
【0151】
支持構造の第2の面、すなわちベルト120を支持する面は、平坦及び/又は平面的であることができる。これに関して、支持構造SFの第2の面は、平坦なサクションボックスSBによって形成されることができる。支持構造SFの第2の面は好適には湾曲していることもできる。例えば、支持構造SFの第2の面は、直径が例えば約1mであるサクションロール118又はシリンダ上に形成されている又は延びていることができる。サクション装置又はシリンダ118は、少なくとも1つのサクションゾーンZを有することができる。サクション装置は、図20に示されたように2つのサクションゾーンZ1及びZ2を有することもできる。サクションシリンダ218は、少なくとも1つのサクション円弧を備えた少なくとも1つのサクションボックスを有することもできる。少なくとも1つの機械的な圧力ゾーンは、少なくとも1つの圧力フィールドによって(すなわちベルトの張力によって)又は、例えばプレスエレメントによって第1の面を介して、生ぜしめられることができる。第1の面は透気性ベルト134であることができるが、空気が外部からサクション円弧内に流入することができるように、第1のファブリック114に面した開放面、例えば溝付き又はブラインドドリルされかつ溝付きの開放面を備えている。第1の面は透気性ベルト134であることができる。ベルトは、少なくとも約25%の、好適には35%よりも大きい、最も好適には約50%よりも大きい開放面積を有することができる。ベルト134は、良好なプレス接触を有するために、少なくとも約10%の、少なくとも約25%の、好適には約50%〜約85%の接触面積を有することができる。
【0152】
図20は、繊維質ウェブを処理するための、別の進歩した脱水システム210を示している。システム210は、上側ファブリック214、真空ロール218、脱水ファブリック220、及びベルトプレスアセンブリ222を有している。図示された以内その他の選択的な特徴は、図1に示されているように、(高温空気フード又は蒸気ボックスであることができる)フード、1つ又は2つ以上のUhleボックス、1つ又は2つ以上のシャワーユニット、1つ又は2つ以上の滴受け、1つ又は2つ以上のヒータユニットを含む。繊維質剤呂ウェブ212は、図20に示されているように概して右側からシステム210に進入する。繊維質ウェブ212は、ファブリック214上に配置された、予め形成されたウェブ(すなわち、図示されていない機構によって予め形成されている)である。図1の場合のように、サクション装置(図示されていないが、図1における装置16と同様である)は、ウェブ212の一方の側に吸引を提供することができるのに対し、サクションロール218は、ウェブ212の反対側に吸引を提供する。
【0153】
繊維質ウェブ212は、TADファブリックであることができるファブリック214によって流れ方向Mに1つ又は2つ以上の案内ロールを通過させられる。必要ではないかもしれないが、サクションロール218に到達する前に、ウェブ212は、十分な水分を有することができ、走行する典型的又は公称の20グラム毎平方メートル(gsm)において約15%〜約25%の固体レベルを達成するためにウェブ212から除去されることができる。これは、約−0.4〜約−0.6バールの好適な作動レベルを備えた、約−0.2〜約−0.8バール真空のボックス(図示せず)における真空によって達成されることができる。
【0154】
繊維質ウェブ212が流れ方向Mに沿って進行するとき、ウェブは脱水ファブリック220と接触する。(ここに説明されたあらゆるタイプであることができる)脱水ファブリック220は、複数の案内ロールによって案内されかつサクションロール218の周囲にも案内される無限循環ベルトであることができる。ウェブ212は次いで、ファブリック214と脱水ファブリック220との間において真空ロール218に向かって進行する。真空ロール218は、流れ方向Mに沿って回転しかつ、少なくとも約−0.5バールの好適な作動レベルを備えた、約−0.2〜約−0.8バールの真空レベルで作動させられる被駆動ロールであることができる。非制限的な例として、ロール218の真空ロールシェルの厚さは25mm〜75mmの範囲であることができる。サクションゾーンZ1及びZ2の領域におけるウェブ212の平均空気流は、機械幅の約150m3/メートルであることができる。ファブリック214,ウェブ212及び脱水ファブリック220は、真空ロール218及び透気性ベルト234によって形成されたベルトプレス222を介して案内される。図20に示されているように、透気性ベルト234は、ベルトプレス122を形成するために、複数の案内ロールによって案内されかつ真空ロール218に対して押し付けられる1つの無限循環ベルトである。ベルト234の張力を制御及び/又は調整するために、案内ロールの1つは、張力調整ロールであることができる。この配列は、ベルト234内に配置されたプレス装置をも有する。プレス装置は、ジャーナル軸受JB、1つ又は2つ以上のアクチュエータA、及び好適には穿孔された1つ又は2つ以上のプレスシューPSを有している。
【0155】
少なくとも真空ゾーン72の円周長さは、約200mm〜約2500mmであることができ、好適には約800mm〜約1800mm、より好適には約1200mm〜約1600mmである。ウェブ212における真空ロール218から出る固体は、真空圧力及び透気性ベルト234における張力及びプレス装置PS/A/JBからの圧力及び真空ゾーンZ2の長さ、及び真空ゾーンZ2におけるウェブ212の滞留時間に依存して、約25%〜約55%で変化する。真空ゾーンZ2におけるウェブ212の滞留時間は、約25%〜約55%のこの固体範囲を生じるように十分である。
【0156】
図21は、繊維質ウェブ312を処理するための、別の進歩した脱水システム310を示している。システム310は、上側ファブリック314、真空ロール318、脱水ファブリック320、及びベルトプレスアセンブリ322を有している。図示されていないその他の選択的な特徴は、図1及び図12に示されているような、(高温空気フード又は蒸気ボックスであることができる)フード、1つ又は2つ以上のUhleボックス、1つ又は2つ以上のシャワーユニット、1つ又は2つ以上の滴受け、及び1つ又は2つ以上のヒータユニットを含む。繊維質材料ウェブ312は、図21に示されているように概して右側からシステム310に進入する。繊維質ウェブ312は、ファブリック314上に配置された予め形成されたウェブ(すなわち、図示されていない機構によって予め形成されている)である。図1の場合のように、サクション装置(図示されていないが、図1における装置16と同様である)は、ウェブ312の一方の側に吸引を提供するのに対し、サクションロール318は、ウェブ312の反対側に吸引を提供する。
【0157】
繊維質ウェブ312は、TADファブリックであることができるファブリック314によって、流れ方向Mに1又は2つ以上の案内ロールを通過させられる。必要ではないかもしれないが、サクションロール318に到達する前に、ウェブ212は十分な水分を有することができ、走行する典型的な又は公称の20グラム毎平方メートル(gsm)ウェブにおける約15%〜約25%の固体レベルを達成するために、ウェブ212から除去される。これは、約−0.4〜約−0.6バールの好適な作動レベルを備えた、約−0.2〜約−0.8バールの真空のボックス(図示せず)における真空によって達成されることができる。
【0158】
繊維質ウェブ312が流れ方向Mに進行すると、繊維質ウェブは脱水ファブリック320に接触する。脱水ファブリック320(ここに説明されたあらゆるタイプであることができる)は、複数の案内ロールによって案内されかつサクションロール318の周囲をも案内される無限循環ベルトであることができる。ウェブ312は次いで、ファブリック314と脱水ファブリック320との間において真空ロール318に向かって進行する。真空ロール318は、流れ方向Mに沿って回転しかつ、少なくとも約−0.5バールの好適な作動レベルを備えた約−0.2〜約−0.8バールの真空レベルで作動される被駆動ロールであることができる。非制限的な例として、ロール318の真空ロールシェルの厚さは25mm〜75mmであることができる。サクションゾーンZ1及びZ2の領域においてウェブ312を通る平均空気流は、機械幅の約150m3/メートルであることができる。ファブリック314、ウェブ312、及び脱水ファブリック320は、真空ロール318及び透気性ベルト334によって形成されたベルトプレス322を通って案内される。図21に示されているように、透気性ベルト334は、複数の案内ロールによって案内されかつベルトプレス322を形成するために真空ロール318に対して押し付けられる1つの無限循環ベルトである。ベルト334の張力を制御及び/又は調整するために、案内ロールの1つは張力調整ロールであることができる。この配列は、ベルト334内に配置されたプレスロールRPをも有する。プレス装置RPは、プレスロールであることができ、選択的な位置OLに、ゾーンZ1の前又は2つの別個のゾーンZ1及びZ2の間に配置されることができる。
【0159】
少なくとも真空ゾーンZ1の円周長さは、約200mm〜約2500mm、好適には約800mm〜約1800mm、さらに好適には約1200mm〜約1600mmであることができる。ウェブ312における真空ロール318から出る固体は、透気性ベルト334における真空圧力及び張力、プレス装置RPからの圧力、及び真空ゾーンZ1及びZ2の長さ、及び真空ゾーンZ1及びZ2におけるウェブ312の滞留時間に応じて、約25%〜約55%で変化する。真空ゾーンZ1及びZ2におけるウェブ312の滞留時間は、約25%〜約55%の固体範囲を生じるのに十分である。
【0160】
図20及び図21に示された配列は以下の利点を有する:極めて嵩高のウェブが必要とされないならば、このオプションは、機械的な圧力荷重を慎重に調整することによって、乾燥、ひいては製造、を所望の値に高めるために使用されることができる。より柔軟な第2のファブリック220又は320により、ウェブ212又は312は、三次元構造214又は314の突出した箇所(バレー)の間にも少なくとも部分的に押し付けられる。付加的な圧力フィールドが、好適にはサクション領域の前(再濡れがない)、後、又は間に配置されることができる。上部透過性ベルト234又は334は、約30KN/mより高い、好適には約60KN/m、又はより高い、例えば約80KN/mの高い張力に耐えるように設計されている。この張力を使用することにより、約0.5バールよりも高い、好適には約1バール、又はより高い、例えば約1.5バールであることができる圧力が生ぜしめられる。圧力"p"は、周知の公式p=S/Rに従って、張力"S"及びサクションロール218又は318の半径"R"に依存する。上部ベルト234又は334は、ステンレス鋼及び/又は金属帯であることもできる。透気性ベルト234又は334は、補強プラスチック又は剛性材料から形成されていることができる。透気性ベルトは、スパイラルリンクファブリックであることもできる。好適には、ベルト234又は334は、第1のファブリック214又は314と、第2のファブリック220又は320と、ウェブ212又は312との間のせん断力を回避するように駆動されることができる。サクションロール218又は318も駆動されることができる。これらは独立して駆動されることもできる。
【0161】
透気性ベルト234又は334は、圧力荷重を提供するために、穿孔されたシューPSによって支持されることができる。
【0162】
空気流は、サクションロール(118,218又は318)のサクションボックス内の負圧によって又は平坦なサクションボックスSB(図17参照)によって、機械的な圧力フィールドによって生ぜしめられることができる。空気流は、空気、例えば約50℃〜約180℃、好適には約120℃〜約150℃の空気、又は好適に蒸気、が供給される、例えばフード124(図示されていないが、フードは、図17、図20及び図21に示された配列に設けられていることもできる)によって、圧力発生エレメント134,PS,RP,234及び334の第1の面の上方における過圧を利用することもできる。このようなより高い温度は、ヘッドボックスのパルプ温度が約35℃未満である場合に特に重要でありかつ好適である。これは、より低いストック精製を備えない又は備えた製造プロセスの場合である。もちろん、上述の特徴の全て又は一部が、有利なプレス配列を形成するように組み合わされることができる、すなわち負圧及び過圧配列/装置が一緒に使用されることができる。
【0163】
フード内の圧力は、約0.2バール未満、好適には約0.1バール未満、最も好適には0.05未満であることができる。フードに供給される空気流は、真空ポンプによってサクションロール118,218又は318から吸い出される流量よりも少ないか又は好適には等しいことができる。
【0164】
サクションロール118,218及び318は、ファブリックのパッケージ114,214、又は314及び120,220又は320及び圧力発生エレメント、例えばベルト134,234又は334によって包囲されていることができ、第2のファブリック、例えば220は、最大の巻付き円弧"a2"を有しており、最大の円弧ゾーンZ1を最後に出る(図20参照)。ウェブ212は第1のファブリック214と一緒に二番目に(第1の円弧ゾーンZ2の末端の前に)出て、圧力発生装置PS/234は最後に出る。圧力発生エレメントPS/234の円弧は、サクションゾーン円弧"a2"の円弧よりも大きい。これは重要である。なぜならば、低い乾燥度において、空気流による脱水と一緒の機械的脱水は、空気流のみによる脱水よりも効率的であるからである。より小さなサクション円弧"a1"は、最大乾燥度に達するための空気流のための十分な滞留時間を保証するために十分に大きいべきである。滞留時間"T"は、約40msよりも大きいべきであり、好適には約50msより大きい。約1.2mmのロール直径及び約1200m/minの抄紙機速度の場合、円弧"a1"は、約76°より大きいべきであり、好適には約95°より大きい。公式はa1=[滞留時間・速度・360/ロールの円周]である。
【0165】
第2のファブリック120,220,320は、脱水動作を改良するために、例えば、あふれたニップシャワーに付加された蒸気又はプロセス水によって加熱されることができる。より高い温度の場合、水をフェルト120,220,320に通過させることがより容易である。ベルト120,220,320も、ヒータ又はフード、例えば124によって加熱されることができる。TADファブリック114,214,314は、特にティシューマシンのフォーマがダブルワイヤフォーマである場合に加熱されることができる。これは、クレッセントフォーマであるならば、TADファブリック114,214,314がフォーミングロールに巻き付き、したがって、ヘッドボックスによって噴射されたストックによって加熱されるからである。
【0166】
ここに開示された装置のいずれかを使用する方法の多数の利点が存在する。従来のTAD法において、ウェブを約25%乾燥度に乾燥するために10個のポンプが必要とされる。これに対して、本発明の進歩した脱水システムを用いた場合、ウェブを約35%に乾燥させるために6個のポンプしか必要ない。また、従来のTAD法を用いる場合、ウェブは、好適には約60%〜約75%の高い乾燥度レベルに乾燥されるべきであり、さもなければ不十分な水分クロスプロフィルが生ぜしめられる。このように、多くのエネルギが消費され、ヤンキー及びフード能力が僅かにしか使用されない。本発明のシステムは、ウェブを、第1のステップにおいて、約30%〜約40%のある乾燥度レベルにまで乾燥することを可能にし、良好な水分クロスプロフィルを備える。第2の段階において、乾燥度は、本発明のシステムと組み合わされた慣用のヤンキー/フード(インピンジメント)ドライヤを用いて、約90%以上の最終乾燥度にまで増大されることができる。この乾燥度レベルを生ぜしめるための1つの方法は、ヤンキーにおけるフードを介する、より効率的なインピンジメント乾燥を含むことができる。
【0167】
図22a及び図22bに示されているように、ベルトBEの接触面積は、ベルトを、平坦かつ硬い面に配置することによって測定されることができる。低い及び/又は薄い量の金型が、ブラシ又はぼろきれを用いてベルト表面に配置される。一片の紙PAが、乾燥された領域上に配置される。70ショアーA硬度を有するゴムスタンプRSが、紙の上に配置される。90kgの荷重Lがスタンプ上にかけられる。荷重は、約90KPaの特定圧力SPを生ぜしめる。
【0168】
2004年1月30日に出願された米国特許出願第10/768485号明細書の開示全体は、引用により本明細書に記載されたものとする。さらに、本出願は、引用により、Ademar LIPPI ALVES FERNANDES他の名前で、HIGH TENSION PERMEABLE BELT FOR AN ATMOS SYSTEM AND PRESS SECTION OF PAPER MACHINE USING THE PERMEABLE BELTのタイトルで、2006年3月14日に出願された、米国特許出願第11/276789号明細書、Jeffrey HERMANの名前で、ADVANCED DEWATERING SYSTEMのタイトルで、2004年10月26日に出願された米国特許出願第10/972408号明細書、及びJeffrey HERMAN他の名前で、PRESS SECTION AND PERMEABLE BELT IN A PAPER MACHINEのタイトルで、2004年10月26日に出願され、米国特許出願第10/972431号明細書の開示全体を含んでいる。
【0169】
ここで図24に示された実施形態を参照すると、繊維質ウェブ412を処理するためのシステム400、例えば譲受人のATMOSシステムが示されている。システム400は、フォーミングロール403と、内側モールディングファブリック414と、外側フォーミングファブリック402とによって形成されたフォーミング領域に懸濁液を供給するヘッドボックス401を利用する。形成されたウェブは、ファブリック414におけるフォーミング領域から出て、外側フォーミングファブリック402はウェブ412から分離される。システム400は、サクションボックス416、真空ロール418、脱水ファブリック420、ベルトプレスアセンブリ422、フード424(高温空気フードであることができる)、ピックアップサクションボックス426、Uhleボックス428、1つ又は2つ以上のシャワーユニット430a〜430d,431及び435a〜435c、1つ又は2つ以上の滴受け432、ヤンキーロール436、及びフード437をも利用する。図24から明らかなように、サクション装置416は、ウェブ412の一方の側に吸引を提供するのに対し、サクションロール418は、ウェブ12の反対側に吸引を提供する。
【0170】
繊維質ウェブ412は、フォーミングファブリック414によって、流れ方向Mに、サクションボックス416を通過させられる。真空ボックス416において、走行する典型的な又は公称の20グラム毎平方メートル(gsm)ウェブにおいて約15%〜約25%の固体レベルを達成するために、十分な水分がウェブ412から除去される。ボックス416における真空は、約−0.4〜約−0.6バールの好適な作動レベルを備えた、約−0.2〜約−0.8バールの真空を提供する。繊維質ウェブ412が流れ方向Mに沿って進行すると、繊維質ウェブは脱水ファブリック420と接触する。脱水ファブリック420は、複数の案内ローラによって案内されかつサクションロール418の周囲にも案内される、無限純化ベルトであることができる。ファブリック420の張力は、案内ロール433を調整することによって調整されることができる。脱水ベルト420は、図13又は14に示されかつ説明されたタイプの脱水ファブリックであることができる。脱水ファブリック420は好適にはフェルトであることができる。ウェブ412は次いで、ファブリック414と脱水ファブリック420との間において真空ロール418に向かって進行する。真空ロール418は、流れ方向Mに沿って回転し、少なくとも約−0.4バール、最も好適には約−0.6バールの好適な作動レベルを備えた、約−0.2〜約−0.8バールの真空レベルで作動させられる。非制限的な例として、ロール418の真空ロールシェルの厚さは、約25mm〜約75mmの範囲であることができる。サクションゾーンZの領域におけるウェブ412を通る平均空気流は、機械幅のメートルごとに約150m3/minであることができる。フォーミングファブリック414、ウェブ412及び脱水ファブリック420は、真空ロール418及び透過性ベルト434によって形成されたベルトプレス422を通って案内される。図24に示されているように、透気性ベルト434は、複数の案内ロールによって案内されかつ、ベルトプレス422を形成するために真空ロール418に対して押圧される1つの無限循環ベルトである。
【0171】
以下に詳細に説明される上側フォーミングファブリック414は、ウェブ412を、ベルトプレスシステム422へ及びベルトプレスシステム422から、及びフォーミングロール403から、ヤンキーシリンダ436、フード437、1つ又は2つ以上のコーティングシャワー431及び1つ又は2つ以上のクレーピング装置432を含む最終乾燥配列へ搬送するエンドレスファブリックである。ウェブ412は、上側ファブリック414の三次元構造に位置し、したがってウェブは平坦ではなく、やはり三次元構造を有しており、これは嵩高のウェブを生ぜしめる。下側ファブリック420も透気性である。下側ファブリック420の設計は、水分を貯蔵することができるように形成されている。下側ファブリック420は、滑らかな面をも有している。下側ファブリック420は、好適には、芯層を備えたフェルトである。下側ファブリック420の芯繊維の直径は、約11dtex以下であり、好適には約4.2dtex以下であることができ、より好適には約3.3dtex以下であることができる。芯繊維は、繊維の混合であることもできる。下側ファブリック420は、ベクトル層を含むこともでき、このベクトル層は、約67dtexからの繊維を含み、かつ例えば約100dtex、約140dtex又はさらに高いdtex数等のより粗い繊維を含むこともできる。これは、水分の良好な吸収のために重要である。下側ファブリック420の芯層及び/又は下側ファブリック自体の濡れた綿は、約35m2/m2フェルト面積以上であることができ、好適には約65m2/m2フェルト面積以上であることができ、最も好適には約100m2/m2フェルト面積以上であることができる。下側ファブリック420の特定の面は、約0.04m2/gフェルト重量以上であるべきであり、好適には約0.065m2/gフェルト重量以上であることができ、最も好適には約0.075m2/gフェルト重量以上であることができる。これは、水分の良好な吸収のために重要である。圧縮率のための値としての動剛性K・[N/mm]は、100000N/mm以下であるならば許容可能であり、好適な圧縮率は90000N/mm以下であり、最も好適には圧縮率は70000N/mm以下である。下側ファブリック420の圧縮率(mm/Nにおける力による厚さ変化)が考慮されるべきである。これは、ウェブを効率的に高い乾燥レベルにまで脱水するための重要である。硬い面は、ウェブ412を、上側ファブリックの構造化された面の突出個所の間でプレスしない。これに対して、フェルトは、嵩、ひいては質、例えば水分保持能力を損失することを回避するために、三次元構造内に深くプレスされすぎるべきではない。
【0172】
透気性ベルト434は、高い走行張力、高い圧力、熱、含水率に耐えかつ抄紙機によって必要とされる高レベルの水分除去を達成することができる単層又は多層の織られたファブリックであることができる。ファブリック434は、好適には、高い幅安定性を有しかつ、高い走行張力、例えば約20kN/m〜約100kN/m、好適には約20kN/m以上及び約60kN/m以下、において作動することができるべきである。ファブリック434は、好適には、安定した高い透気性をも有するべきであり、耐加水分解性及び/又は耐熱性材料から形成されることができる。図24から明らかなように、透気性高張力ベルト434は、構造化されたフォーミング又はモールディングベルト414及び脱水ベルト420を含む"サンドイッチ"構造の一部を形成している。これらのベルト414及び420は、これらの間に配置されたウェブ412と共に、回転するロール418上に配置された高張力ベルト434を有するプレス装置422においてプレスされる。別の実施形態において、ベルトプレスは、図17に示されたタイプの装置、すなわち静的な延長された脱水ニップにおいて使用される。
【0173】
再び図24を参照すると、ベルトプレス422とロール418とによって形成されたニップは、約30゜〜約180゜、好適には約50゜〜約140゜の巻付き角度を有することができる。非制限的な例として、ニップ長さは、約800mm〜約2500mmであることができ、好適には約1200mm〜約1500mmであることができる。また、非制限的な例として、サクションロール418の直径は、約1000mm〜約2500mm以上であることができ、好適には、約1400mm〜約1700mmであることができる。
【0174】
適切な脱水を可能にするために、単層又は多層ファブリック434は、好適には、約100cfm〜約1200cfmの透気度値を有するべきであり、最も好適には約300cfm〜約800cfmである。ニップは、好適には50゜〜130゜である巻付き角度を有することもできる。単層又は多層ファブリック又は透気性ベルト434は、既に形成された(すなわち、予め接合された又は継ぎ合わされたベルト)であることもできる。択一的に、ベルト434は、ピン継目を介して接合された端部を有する織られたベルトであるか、その代わりに機械において継ぎ合わされることができる。単層又は多層ファブリック又は透気性ベルト434は、好適には、圧力又は張力を受けていない場合に約5%〜約70%の紙表面接触面積を有することもできる。ベルトの接触面積は、ベルトをサンディング又はグラインディングに曝すことによって、変化させられるべきである。非制限的な例として、ベルト434は、約10%〜約85%の高い開放面積を有するべきである。単層又は多層ファブリック又は透気性ベルト434は、約5糸/cm〜約60糸/cmの紙表面経糸数を有する織られたベルトであることもでき、好適には約8糸/cm〜約20糸/cm、最も好適には約10糸/cm〜約15糸/cmである。さらに、さらに、織られたベルト434は、約5糸/cm〜約60糸/cmの紙表面緯糸数を有することができ、好適には約8糸/cm〜約20糸/cm、最も好適には、約11糸/cm〜約14糸/cmである。
【0175】
ATMOS抄紙機において生ぜしめられることができる高い湿度及び熱により、織られた単層又は多層のファブリック又は透気性ベルト434は、1つ又は2つ以上の耐加水分解性及び/又は耐熱性の材料から形成されることができる。2つ又は2つ以上の耐加水分解製材量は、好適には、PETモノフィラメントであることができ、理想的には、ドライヤ及びTADファブリックに通常関連した固有粘度値、すなわち0.72IV〜1.0IVの範囲の固有粘度値を有することができる。これらの材料は、カルボキシル末端基等価物等を含む適切な"安定化パッケージ"を有することもできる。耐加水分解性を考慮する場合、酸基は加水分解を触媒するのでカルボキシル末端基等価物を考慮すべきであり、残留DEGすなわちジエチレングリコールも加水分解速度を高めることができるので残留DEGすなわちジエチレングリコールを考慮すべきである。これらのファクタは、典型的なPETボトル樹脂から使用されるべき樹脂を分離する。加水分解のために、カルボキシル等価物は、開始するためにできるだけ小さいべきであり、12未満であるべきである。DEGレベルのために、0.75%未満が好適には使用されるべきである。この低いレベルのカルボキシル末端基でさえも、末端キャッピング剤が添加されることが重要である。カルボジイミドは、プロセスの最後に遊離カルボキシル基が存在しないことを保証するために、押出しの間に使用されるべきである。エポキシ、オルトエステル及びイソシアネート等の末端基をキャップするために使用されることができる複数のクラスの化学物質が存在するが、実際には、低分子量カルボジイミド、及び低分子量カルボジイミドと高分子量カルボジイミドとの組み合わせが、最良であり、最も使用されている。好適には、全ての末端基は、遊離カルボキシル末端基が存在しないように、上述のクラスから選択されることができる末端キャッピング剤によってキャップされる。
【0176】
耐熱性材料のためにPPSが使用されることができる。PEN、PBT、PEEK及びPA等のその他の単一のポリマ材料も、安定性、清浄度及び寿命等の特性を改善するために使用されることができる。単独重合体の糸及び共重合体の糸が使用されることができる。高張力ベルト434のための材料は、必ずしもモノフィラメントから形成されていなくてもよく、コア及びシースを含むマルチフィラメントであることもできる。非プラスチック材料等のその他の材料、例えば金属材料も使用されることができる。
【0177】
透気性ベルトは、単一の材料から形成される必要はなく、2つ、3つ又は4つ以上の異なる材料から形成されることもでき、すなわち、ベルトは複合ベルトであることができる。
【0178】
透気性ベルト434は、外側層、コーティング、及び/又は堆積によって提供される及び/又は処理中にクロスリンクされることができるポリマ材料である処理を備えて形成されることもできる。好適には、コーティングは、ファブリック安定性、耐汚染性、排水性、摩耗性、改良された耐熱性及び/又は耐加水分解性を高める。シート解放を助けるために又は駆動荷重を減じるために、コーティングがファブリック表面張力を減じることも好適である。処理又はコーティングは、これらの特性の1つ又は2つ以上を付与及び/又は改良するために提供されることができる。
【0179】
理想的には、透気性ベルト434は、良好から優れた透気性及び表面接触面積を有する。ベルトの材料及び織りは、このような考慮よりも重要でない。
【0180】
このようなATMOSシステムにおいて、脱水ファブリックは、シートがヤンキーに到達する前に、所要の乾燥度、すなわちタオルのために約32%以上、ティシューのために約35%以上、を達成するために極めて効率的に働かなければならない。
【0181】
ここでフォーミングファブリック414の詳細が説明される。本特許出願の譲受人会社は、既存の機械が再建されることを許容する技術を開発し、増大した紙質を備えた最高基準のティシューを形成する新たな機械を開発した。しかしながら、このような機械は、異なるフォーミングファブリックを必要とし、発明の1つの主な目的はこのようなファブリックを提供することである。例えば、このようなファブリックは、テンションベルトによって提供される圧力を受ける環境において適切に反応するために、極めて高い弾性及び/又は柔軟性を有するべきである。このようなフォーミングファブリックは、特に圧力がATMOSシステムのテンションベルトによって提供される場合、均一な脱水を達成するために極めて良好な圧力転移特性をも有するべきである。ファブリックは、高温空気ブローボックスの使用から生じる温度環境において良好に働くように、高い温度安定性をも有するべきである。ある範囲の透気性は、高温空気がフォーミングファブリックの上方から吹き付けられかつ真空圧力がファブリック(又はファブリックを含む紙パッケージ)の真空側に提供される場合、水分及び空気(すなわち高温空気)の混合物がファブリック及び/又はファブリックを含むパッケージを通過するように、ファブリックのために必要とされる。
【0182】
フォーミングファブリック414は、高い圧力、熱、水分含有量に耐えることができかつ高いレベルの水分除去を達成することができかつVoith ATMOS 抄紙機によって要求される紙ウェブを成形又はエンボス加工することができる、単層又は多層の織られたファブリックであることができる。フォーミングファブリック414は、幅安定性、適切な高い透気性をも有するべきである。フォーミングファブリック414は、好適には耐加水分解性及び/又は耐熱性材料をも利用するべきである。
【0183】
フォーミングファブリック414は、少なくとも2つのその他のベルト及び/又はファブリックを含むサンドイッチ構造の一部として使用されている。これらの付加的なベルトは、高張力ベルト434及び脱水ベルト420を含む。サンドイッチ構造は、回転するロール、例えば418によって形成された、延長されたニップ、又は静的な支持面(例えば図15〜図17参照)に亘って圧力及び張力を受ける。延長されたニップは、約30゜〜約180゜の巻付き角度を有することができ、好適には約50゜〜約130゜である。ニップ長さは、約800mm〜約2500mmであることができ、好適には、約1200mm〜約1500mmである。ニップは、約1000mm〜約2500mm、好適には約1400mm〜約1700mmの直径を有する、回転するサクションロール、例えば418によって形成されることができる。
【0184】
フォーミングファブリック414は、紙シート又はウェブ412にトポグラフィーのパターンを与える。これを達成するために、高張力ベルト434を介してフォーミング又はモールディングファブリック414に、高圧が与えられる。シートパターンのトポグラフィーは、モールディングベルト414の仕様を変更することによって、すなわち、糸直径、糸形状、糸密度、及び糸タイプ等のパラメータを調整することによって、操作されることができる。異なるトポグラフィーパターンは、種々異なる表面織りによってシート412に与えられることができる。同様に、シートパターンの強度は、高張力ベルト434によって与えられる圧力を変更することによって、及びモールディングベルト414の仕様を変更することによって、変化させられることができる。シート412のトポグラフィーのパターンの性質及び強度に影響することができるその他のファクタは、空気温度、空気速度、空気圧力、延長されたニップにおけるベルト滞留時間、及びニップ長さを含む。
【0185】
以下は、フォーミングファブリック414の非制限的な特徴及び/又は特性である:適切な脱水を可能にするために、単層又は多層ファブリック414は、約100cfm〜約1200cfm、好適には約200cfm〜約1200cfmの透気度値を有するべきである;2つの別のベルト、例えば高張力ベルト434及び脱水ベルト420、を備えたサンドイッチ構造の一部であるフォーミングファブリック414は、回転する又は静止した支持面上で、約30゜〜約180゜、好適には約50゜〜約130゜の巻付き角度で、圧力及び張力を受ける;フォーミングファブリック414は、圧力又は張力を受けない場合に、約0.5%〜約90%の紙面接触面積を有するべきである;フォーミングファブリック414は、約1.0%〜約90%の開放面積を有するべきである。フォーミングファブリック414は、好適には、圧力又は張力を受けない場合に約5%〜約70%の紙面接触面積を、約10%〜約90%の開放面積を有することもできる。
【0186】
フォーミングファブリック414は、好適には、予め接合された及び/又は継ぎ合わされた連続的な及び/又は無限のベルトとして、ATMOS機械(図24参照)に装着されることができる織られたファブリックである。択一的に、フォーミングファブリック414は、例えばピンシーム配列を用いてATMOS機械において接合されることができるか、又はさもなければ機械において継ぎ合わされることができる。ATMOS製紙プロセスによって生ぜしめられる高い水分及び熱に耐えるために、織られた単層又は多層ベルト414は、耐加水分解性及び/又は耐熱性材料を使用することができる。耐加水分解性材料は、好適には、通常、ドライヤと、0.72IV〜約1.0IVの範囲のTADファブリックとに関連した固有粘度を有するPETモノフィラメントを含み、酸基は加水分解を触媒するので、カルボキシル末端基等価物を含む適切な"安定化パッケージ"、及び加水分解の速度を増大させることができるので残留DEG又はジエチレングリコールをも有する。これらの2つのファクタは、典型的なPETボトル樹脂から使用されることができる樹脂を分離する。加水分解のために、カルボキシル等価物は、開始するためにできるだけ低いべきであり、約12未満であるべきである。DEGレベルは約0.75%未満であるべきである。カルボキシル末端基のこの低いレベルにおいてさえも、末端キャッピング剤が添加されることが重要であり、プロセスの最後に遊離カルボキシル基が存在しないことを保証するために、押出しの間にカルボジイミドを利用するべきである。エポキシ樹脂、オルトエステル及びイソシアネート等の、末端基をキャップするために使用されることができる複数のクラスの化学物質が存在するが、実際には、低分子の及び高分子のカルボジイミドとの低分子の組み合わせが、最良であり、最も使用されている。好適には、全ての末端基は、遊離カルボキシル末端基が存在しないように1つ又は2つ以上の慣用の材料から選択されることができる末端キャッピング剤によってキャップされる。
【0187】
PPS等の耐熱性材料がフォーミングファブリック414において使用されることができる。PEN、PBT、PEEK及びPA等のその他の材料が、安定性、清浄度及び寿命等のフォーミングファブリック414の特性を改良するために使用されることもできる。単独重合体糸及び共重合体糸が使用されることができる。ベルト414のための材料は、必ずしもモノフィラメントから形成される必要はなく、マルチフィラメント、コア及びシースであることができ、非プラスチック材料、即ち金属材料であることもできる。同様に、ファブリック414は、必ずしも1つの材料から形成されなくてもよく、2つ、3つ又はそれ以上の種々異なる材料から形成されることができる。成形された糸、すなわち非円形の糸の使用は、紙シートのトポグラフィ又は特性を高める又は制御するために使用されることもできる。成形された糸は、安定性、キャリパ、表面接触面積、表面平坦度、透気度、及び摩耗性等のファブリック特徴又は特性を改良又は制御するために利用されることもできる。
【0188】
フォーミングファブリック414は、例えば堆積によって提供される付加的なポリマ材料で処理及び/又はコーティングされることもできる。材料は、ファブリック安定性、耐汚染性、排水性、摩耗性を高めかつ/又は耐熱性及び/又は耐加水分解性を改良しかつファブリック表面張力を低減するために、処理中に付加されクロスリンクされることができる。これは、シート解放を助けかつ/又は駆動荷重を低減する。処理/コーティングは、ファブリック414のこれらの特性の1つ又は複数を与える/改良するために提供されることができる。前述のように、紙ウェブ412におけるトポグラフィパターンは、種々異なる単層及び多層の織りを使用することによって変更及び操作されることができる。パターンのさらなる向上はさらに、糸直径、糸数、糸タイプ、糸形状、透気性、キャリパに対する変更、及び処理又はコーティングの付加等によって特定のファブリック織りに対する調整によって達成されることができる。ファブリック414のための織りパターン及びファブリック仕様の非制限的な例は、図25〜図35に示されている。最後に、フォーミングファブリック又はモールディングベルトの1つ又は2つ以上の表面は、表面特性を高めるためにサンディング及び/又は研磨を受けることができる。
【0189】
前記例は、説明の目的のためにのみ提供されており、本発明の制限として解釈されるべきではない。本発明は、典型的な実施形態に関して説明されたが、使用された用語は、制限の用語ではなく、説明及び例示の用語である。その態様における本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、現在述べられているように及び補正されたように、添付の請求項の範囲内で、変更が行われることができる。発明はここでは、特定の配列、材料及び実施形態に関して説明されたが、発明は、ここに開示された具体例に限定されることは意図されていない。その代わりに、発明は、添付の請求項の範囲にあるような、全ての機能的に均等な構造に拡大される。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】本発明によるベルトプレスの実施形態を備えた進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【図2】図1のベルトプレスの透気性ベルトの一方の側の表面図である。
【図3】図2の透気性ベルトの反対側の図である。
【図4】図2及び図3の透気性ベルトの断面図である。
【図5】図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図である。
【図5a】図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図であり、選択的な三角形の溝を示している。
【図5b】図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図であり、選択的な半円形の溝を示している。
【図5c】図2〜図4の透気性ベルトの拡大断面図であり、選択的な台形の溝を示している。
【図6】B−B線に沿った図3の透気性ベルトの断面図である。
【図7】A−A線に沿った図3の透気性ベルトの断面図である。
【図8】B−B線に沿った図3の透気性ベルトの別の実施形態の断面図である。
【図9】A−Aに沿った図3の透気性ベルトの別の実施形態の断面図である。
【図10】本発明の透気性ベルトの別の実施形態の表面図である。
【図11】図10の透気性ベルトの一部の側面図である。
【図12】本発明によるベルトプレスの実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【図13】本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる1つの脱水ファブリックの拡大した部分図である。
【図14】本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる別の脱水ファブリックの拡大した部分図である。
【図15】本発明による進歩した脱水システムのプレス部分の1つの実施形態の誇張された概略的な断面図である。
【図16】本発明による進歩した脱水システムのプレス部分の別の実施形態の誇張された概略的な断面図である。
【図17】本発明によるベルトプレスの別の実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【図18】本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる選択的な透気性ベルトの部分的な側面図である。
【図19】本発明の進歩した脱水システムにおいて使用されることができる別の選択的な透気性ベルトの部分的な側面図である。
【図20】本発明によるプレスシューを使用するベルトプレスの実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【図21】本発明によるプレスロールを使用するベルトプレスの実施形態を備えたさらに別の進歩した脱水システムの概略的な断面図である。
【図22】接触面積が測定されることができる1つの方法を示している。
【図23a】本発明において使用されることができるAshworth金属ベルトの面積を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表しているのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。
【図23b】本発明において使用されることができるCambridge金属ベルトの面積を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表しているのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。
【図23c】本発明において使用されることができるVoith Fabrics リンクファブリックの面積を示している。黒で示されたベルトの部分は接触面積を表しているのに対し、白で示されたベルトの部分は非接触面積を表している。
【図24】本発明による高張力透気性ベルトを有するベルトプレスを使用する機械又はシステムの概略的な断面図である。
【図25】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの1つの非制限的な実施形態を示している。
【図26】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【図27】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンのさらに別の非制限的な実施形態を示している。
【図28】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【図29】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【図30】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができる織りパターンの別の非制限的な実施形態を示している。
【図31】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の1つの非制限的な実施形態を示している。
【図32】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の別の非制限的な実施形態を示している。
【図33】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様のさらに別の非制限的な実施形態を示している。
【図34】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の別の非制限的な実施形態を示している。
【図35】本発明によるフォーミングファブリックのために使用されることができるファブリック仕様の別の非制限的な実施形態を示している。
【符号の説明】
【0191】
10 システム、 12 繊維質ウェブ、 14 ファブリック、 16 サクションボックス、 18 真空ロール、 20 脱水ファブリック、 22 ベルトプレスアセンブリ、 24 フード、 26 ピックアップサクションボックス 28 Uhleボックス、 30 シャワーユニット、 32 滴受、 34 透気性ベルト、 36 貫通孔、 38 孔パターン、 40 溝、 42 ポリウレタン、 44 流れ方向糸、 46 横方向糸、 48 スパイラルリンクファブリック、 50 織られた糸、 52 よこ糸、 112 繊維質ウェブ、 114 上側ファブリック、 118 真空ロール、 120 脱水ファブリック、 122 ベルトプレスアセンブリ、 124 フード、 128 Uhleボックス、 129 ヒータユニット、 130 シャワーユニット、 132 滴受、 134 透気性ベルト、 210 システム、 212 繊維質ウェブ、 214 上側ファブリック、 218 真空ロール、 220 脱水ファブリック、 222 ベルトプレスアセンブリ、 234 透気性ベルト、 310 システム、 312 繊維質ウェブ、 314 上側ファブリック、 318 真空ロール、 320 脱水ファブリック、 322 ベルトプレスアセンブリ、 334 透気性ベルト、 400 システム、 401 ヘッドボックス、 402 外側フォーミングファブリック、 403 フォーミングロール、 412 ウェブ、 414 内側モールディングファブリック、 416 サクションボックス、 418 真空ロール、 420 脱水ファブリック、 422 ベルトプレスアセンブリ、 424 フード、 426 ピックアップサクションボックス、 428 Uhleボックス、 430,431,435 シャワーユニット、 432 滴受け、 434 透気性高張力ベルト、 436 ヤンキーロール、 437 フード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抄紙機のためのベルトプレスにおいて、
紙ウェブ対面側を有しておりかつ支持面上を案内されるフォーミングファブリックが設けられており、該フォーミングファブリックが、約100cfm〜約1200cfmの透気度値と、圧力及び張力を受けない場合の約0.5%〜90%の紙面接触面積と、約1.0%〜約90%の開放面積とを有することを特徴とする、抄紙機のためのベルトプレス。
【請求項2】
ベルトプレスが、ATMOSシステムに配置されている、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項3】
ベルトプレスが、TAD機械に配置されている、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項4】
フォーミングファブリックの少なくとも1つの面が、研磨された面及びサンディングされた面のうちの少なくとも1つを有する、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項5】
フォーミングファブリックの紙ウェブ対面側が、研磨された面及びサンディングされた面のうちの少なくとも1つを有する、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項6】
透気度値が、約200cfm〜約900cfmである、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項7】
フォーミングファブリックが、単一の材料を含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項8】
フォーミングファブリックが、モノフィラメント材料を含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項9】
フォーミングファブリックが、マルチフィラメント材料を含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項10】
フォーミングファブリックが、2つ以上の異なる材料を含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項11】
フォーミングファブリックが、3つの異なる材料を含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項12】
フォーミングファブリックが、ポリマ材料を含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項13】
フォーミングファブリックが、ポリマ材料で処理されている、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項14】
フォーミングファブリックが、堆積によって提供されたポリマ材料を含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項15】
フォーミングファブリックが、成形された糸、概して円形の糸、及び非円形の糸のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項16】
フォーミングファブリックが、加水分解、及び100℃を超える温度のうちの少なくとも1つに対して耐性である、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項17】
支持面が、静止している、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項18】
支持面が、ロールに配置されている、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項19】
ロールが、約1000mm〜約2500mmの直径を有する真空ロールである、請求項18記載のベルトプレス。
【請求項20】
真空ロールが、約1400mm〜約1700mmの直径を有する、請求項19記載のベルトプレス。
【請求項21】
ベルトプレスが、支持面と共に、延長したニップを形成している、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項22】
延長したニップが、約30゜〜約180゜の巻付き角度を有する、請求項21記載のベルトプレス。
【請求項23】
巻付き角度が、約50゜〜約130゜である、請求項22記載のベルトプレス。
【請求項24】
延長したニップが、約800mm〜約2500mmのニップ長さを有する、請求項21記載のベルトプレス。
【請求項25】
ニップ長さが、約1200mm〜約1500mmである、請求項24記載のベルトプレス。
【請求項26】
フォーミングファブリックが、予め継ぎ合わされているか、ベルトプレスを利用する機会において接合された端部を有するか、ピン継ぎ合わせされた端部を有するか、1つのピントルワイヤを介して接合された端部を有するか、又は複数のピントルワイヤを介して接合された端部を有する、エンドレスベルトである、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項27】
フォーミングファブリックが、構造化されており、ウェブにトポグラフィーパターンを与えるように配置されている、請求項1記載のベルトプレス。
【請求項28】
ウェブが、ティシューウェブ、衛生ウェブ及びタオルウェブのうちの少なくとも1つを含む、請求項27記載のベルトプレス。
【請求項29】
繊維質材料乾燥装置において、
ロール上を案内される、無限に循環するフォーミングファブリックが設けられており、該フォーミングファブリックが、約100cfm〜約1200cfmの透気度値と、圧力及び張力を受けない場合の約0.5%〜約90%の紙面接触面積と、約1.0%〜約90%の開放面積とを有していることを特徴とする、繊維質材料乾燥装置。
【請求項30】
ベルトプレスにおいてフォーミングファブリック及び繊維質ウェブに圧力を加えることを含む、請求項29記載の装置を使用して抄紙機において繊維質ウェブにプレスを受けさせる方法。
【請求項31】
ベルトプレスにおいてフォーミングファブリック及び繊維質ウェブに圧力を加えることを含む、請求項1記載のベルトプレスを用いて抄紙機において繊維質ウェブにプレスを受けさえる方法。
【請求項32】
ATMOSシステム又はTAD機械のためのフォーミングファブリックにおいて、
約100cfm〜約1200cfmの透気度値と、
圧力及び張力を受けない場合の約0.5%〜約90%の紙面接触面積と、
約1.0%〜約90%の開放面積とを有することを特徴とする、ATMOSシステム又はTAD機械のためのフォーミングファブリック。
【請求項33】
請求項32記載のフォーミングファブリックを使用して抄紙機において繊維質ウェブにプレスを受けさせる方法において、
ベルトプレスを用いてフォーミングファブリック及び繊維質ウェブに圧力を加えることを特徴とする、請求項32記載のフォーミングファブリックを使用して抄紙機において繊維質ウェブにプレスを受けさせる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22a】
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【図22b】
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【図23a】
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【図23b】
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【図23c】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2010−503774(P2010−503774A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507085(P2009−507085)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054138
【国際公開番号】WO2007/125090
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】