説明

AV機器

【課題】AV機器において、制御コマンドを送信して外部機器を操作する際に、製造メーカが異なっても外部機器を制御する。
【解決手段】TV受像機は、接続されたBDプレーヤに送信する第1ベンダーID及び第2ベンダーIDの設定を行うベンダーID設定メニューをディスプレイに表示する。ユーザによって、第1HDMIに対応する第1ベンダーIDとして格納するメーカ、及び第2HDMIに対応する第2ベンダーIDとして格納するメーカが選択されると、TV受像機は、選択されたメーカに対応するベンダーIDを第1ベンダーID及び第2ベンダーIDとしてそれぞれ格納する。図中では、第1HDMIにはB社が選択され、B社のベンダーIDが第1ベンダーIDとして格納される。TV受像機は、機器認証処理を行う際に、第1ベンダーIDとして格納されたB社を示すベンダーIDを含む<Device Vender ID>を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器に対して、ベンダーIDを送信するAV(Audio Visual)機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場で一般的に販売されているAV機器の中には、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子を有する(HDMI接続可能な)機器が多い。これらのHDMI接続可能なAV機器の中には、「○○リンク」と呼ばれるHDMI−CEC(High Definition Multimedia Interface−Consumer Electronics Control)を利用した機器間の連携機能を有しているものが多い。ここで、HDMI−CECとは、あるAV機器(例えば、テレビジョン受像機(以下、TV受像機という)やBD(Blu−ray Disc)プレーヤ)から、HDMIケーブルで接続された他のAV機器を操作する機能の規格である。
【0003】
しかしながら、HDMI−CECの規格は、緩やかな規格であり、必要最小限の機能さえ満たしていれば、その他の機能や動作については、メーカ毎に自由に仕様を定めてよいため、他のAV機器から同じCECコマンドを受信した場合に、各メーカの各AV機器(の種類)毎に異なる動作を行うことが多い。また、そのような状況から、そもそも同じメーカのAV機器から送信されたCECコマンドでなければ動作を行わないAV機器もある。
【0004】
上記AV機器の接続例として、図6に示すように、A社製のTV受像機101に、B社製のBDプレーヤ201と、C社製のBDプレーヤ202が接続されている場合がある。TV受像機101は、2つのHDMIポート131a、131bを備える。HDMIポート131a、131bのそれぞれには、HDMIケーブル301、302を介してBDプレーヤ201、202が接続されている。
【0005】
BDプレーヤ201がTV受像機101に、製造メーカを示すベンダーIDを問い合せると(S101)、TV受像機101は自機のベンダーID(A社製である旨のメッセージ)をBDプレーヤ201に返答する(S102)。その後、図7に示すように、BDプレーヤ201は、TV受像機101からCECコマンドを受信しても、TV受像機101とBDプレーヤ201とは製造メーカが異なるため、このCECコマンドを無視して動作を行わない。
【0006】
ところで、製造メーカが異なるAV機器からCECコマンドを受信した場合であっても、そのCECコマンドに従って動作を行うAV機器がある。ここでは、そのAV機器が、図6及び図7に示すBDプレーヤ202とする。このC社製のBDプレーヤ202はTV受像機101からTV受像機101のベンダーIDを受信すると(S201、S202)、図7に示すように、A社製のTV受像機101から受信したCECコマンドに従って動作を行う。しかしながら、上述したように、同じメーカのAV機器から送信されたCECコマンドでなければ動作しないBDプレーヤも多いので、TV受像機から同じCECコマンドを受信した場合であっても、BDプレーヤが意図した動作を行わないことがある。
【0007】
これに対して、特許文献1には、記憶部に記憶された自機の正式ベンダーIDと相手機器のベンダーIDとが異なり、且つ、記憶部に記憶された登録ベンダーIDに相手機器のベンダーIDが一致する場合、自機のベンダーIDを、正式ベンダーIDから一致したベンダーID(即ち相手機器のベンダーIDと同一のベンダーID)へ切り替えて、自機の暫定ベンダーIDとして送信し、ベンダーテーブルを参照して、相手機器のベンダーIDに基づき、相手機器から送信されたベンダーコマンドを解釈して動作する情報再生装置及び情報再生方法が開示されている。しかしながら、この情報再生装置及び情報再生方法では、相手機器がベンダーテーブルにベンダーコマンドが格納されているベンダーの機器でなければ動作を行うことができないという問題がある。また、多くのベンダーコマンドを記憶した記憶部が必要となるため、製造コストを抑制できないという問題もある。
【0008】
また、特許文献2には、他機器からのベンダーIDを受信すると、そのベンダーIDを解析し、所定の条件に従ったメーカの機器でない場合には、ベンダーフラグを設定せず、所定の条件に従ったメーカの機器である場合には、ベンダーフラグを設定し、“IDManufacturer Name フラグ”および“ベンダーフラグ”が設定されている場合には、ベンダーユニークなメッセージを通信ケーブルに送信し、不必要なメッセージを送信することを防止できる電子機器が開示されている。しかしながら、この電子機器であっても、同じメーカのAV機器から送信されたCECコマンドでなければ相手側のAV機器が動作を行わないという上記問題を解決できない。
【0009】
また、特許文献3には、制御対象であるCEC機器から取得したベンダー情報に基づいて、リモコンから送信された制御内容に対応するコントロール情報を制御情報記憶部から取得し、取得したコントロール情報をCEC機器へ出力することにより、CEC機器がどのベンダーであっても制御可能であるCEC制御装置が開示されている。しかしながら、このCEC制御装置では、制御情報記憶部に記憶されているコントロール情報しか送信できないという問題がある。また、リモコンから送信される制御内容に対応するコントロール情報を制御情報記憶部に記憶しておく必要があるため、制御情報記憶部が必要となり、製造コストを抑制できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4334590号公報
【特許文献2】特許第4535161号公報
【特許文献3】特開2009−194830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、制御コマンドを送信して外部機器を操作する際に、外部機器の製造メーカが異なる場合であっても、この外部機器を制御可能なAV機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、外部機器と接続するための接続手段と、前記接続手段に接続された前記外部機器に対して、制御コマンドとベンダーIDとを送信する送信手段とを備えるAV(Audio Visual)機器において、複数のベンダーIDを記憶したベンダーID記憶手段と、前記送信手段によって前記外部機器に送信されるベンダーIDを、前記ベンダーID記憶手段に記憶された複数のベンダーIDの中から選択するためのベンダーID選択手段とをさらに備え、前記送信手段は、前記ベンダーID選択手段によって選択されたベンダーIDを前記外部機器に送信するものである。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のAV機器において、前記接続手段は、複数の前記外部機器と接続され、前記送信手段は、前記複数の外部機器のそれぞれにベンダーIDを送信し、前記ベンダーID選択手段は、前記送信手段によって前記複数の外部機器のそれぞれに送信される各ベンダーIDを、前記ベンダーID記憶手段に記憶された複数のベンダーIDの中から選択するものである。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のAV機器において、前記送信手段は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)−CEC(Consumer Electronics Control)の規格に従って、前記外部機器にベンダーIDを送信するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のベンダーIDの中からベンダーID選択手段によって選択されたベンダーIDを外部機器に送信する。そのため、複数のベンダーIDの中から外部機器と同じベンダーIDを選択することにより、外部機器のベンダーIDと同じベンダーIDを外部機器に送信することができるので、同じ製造メーカのAV機器から送信された制御コマンド(例えば、CECコマンド)でなければ動作を行わない外部機器に対して、この外部機器と同じベンダーIDを送信することによって、制御コマンドにより制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るTV受像機と、BDプレーヤとを含むネットワークシステムの概略図。
【図2】上記TV受像機の電気的ブロックを示す構成図。
【図3】上記TV受像機におけるベンダーID設定処理の手順を示すフローチャート。
【図4】上記TV受像機のベンダーID設定処理におけるディスプレイの表示を示す説明図。
【図5】上記TV受像機とBDプレーヤとの機器認証処理の手順を示すフローチャート。
【図6】従来のTV受像機とBDプレーヤとを含むネットワークシステムにおけるベンダーIDの送信処理を示す説明図。
【図7】上記従来のTV受像機とBDプレーヤとを含むネットワークシステムにおけるCECコマンドの送信処理を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るテレビジョン(以下、TV)受信機(請求項におけるAV機器)について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、複数のBD(ブルーレイディスク)プレーヤ(外部機器)4a、4bと、このBDプレーヤ4a、4bが接続されたTV受像機1とを含むネットワークシステム100の概略構成を示し、図2は、TV受像機1の電気的ブロック構成を示す。
【0018】
TV受像機1と、複数のBDプレーヤ4a、4bとは、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブル3a、3bを介して相互に接続されている。TV受像機1、及び複数のBDプレーヤ4a、4bは、いずれもHDMIに対応した機器であり、HDMI−CEC(Consumer Electronics Control)に基づくCECコマンドと、CECコマンドに対するレスポンスデータとを送受信可能である。
【0019】
TV受像機1はA社製の製品であり、BDプレーヤ4aはB社製の製品であり、BDプレーヤ4bはC社製の製品である。TV受像機1、及び複数のBDプレーヤ4a、4bは、HDMI−CECに基づくCECコマンド等の送受信を行う前に、互いの機器を認証するための機器認証処理を行う。具体的には、機器認証処理では、HDMI−CECのどのバージョンに対応しているかを示す<CEC Version>メッセージや、相手機器に自機の固有名を知らせる<OSD name>メッセージや、相手機器がTV受像機1のどのHDMIポート18a、18bに接続されたのかを知らせる<Physical Address>メッセージや、自機がどのメーカの製品であるかを知らせる<Vendor ID>メッセージ等の情報のやり取りを行う。機器認証処理は、機器の電源をオンした時や、HDMIポート18a、18bに新たな外部機器を接続した際に実行される。
【0020】
TV受像機1は、図2に示すように、アンテナ11に接続され、デジタル放送信号を受信するチューナ部12と、映像を表示するディスプレイ13と、音声を出力するスピーカ14と、リモコン(ベンダーID選択手段)2から送信されるリモコン信号を受信するリモコン信号受信部15と、各種情報を記憶したメモリ16とを備える。また、TV受像機1は、第1HDMI通信部(送信手段)17aと、第2HDMI通信部(送信手段)17bと、HDMI規格に対応したBDプレーヤ4a、4bを接続するための2つのHDMIポート(接続手段)18a、18bと、メインマイコン(送信手段)10とをさらに備える。
【0021】
リモコン2は、複数のボタンを有し、ユーザによってボタンが操作されると各種動作指示をTV受像機1に対して行う。具体的には例えば、TV受像機1の電源のオン/オフの指示や、第1HDMI通信部17a、及び第2HDMI通信部17bからBDプレーヤ4a、4bに送信するベンダーIDの選択の指示等を行うことができる。
【0022】
チューナ部12は、デコーダ部12aを有し、アンテナ11を介して、放送局から配信される各チャンネルのデジタル放送信号を受信して、このデジタル放送信号に対して復調処理等を行い、映像信号及び音声信号をメインマイコン10に出力する。
【0023】
デコーダ部12aは、受信したデジタル放送信号に対して復調処理や誤り訂正処理等を行い、多重化された信号から必要なTS(トランスポートストリーム)パケットを分離するTS変換回路(図示せず)、分離した各TSパケットに対して復号化処理を行う映像デコード回路(図示せず)、音声デコード回路(図示せず)、及びデータデコード回路(図示せず)等から構成される。
【0024】
映像デコード回路は、映像信号を含むTSパケットに対して復号化処理を行い、映像信号を抽出し、抽出した映像信号をメインマイコン10に出力する。音声デコード回路は、音声信号を含むTSパケットに対して復号化処理を行い、音声信号を抽出し、抽出した音声信号をメインマイコン10に出力する。データデコード回路は、SI(Service Information)データを含むTSパケットに対して復号化処理を行い、SIデータを抽出し、抽出したSIデータをメインマイコン10に出力する。
【0025】
ディスプレイ13は、チューナ部12によって受信されたTV番組の映像や、HDMIポート18a、18bに入力された映像ストリームに基づく映像を表示する。スピーカ14は、チューナ部12によって受信されたTV番組の音声や、HDMIポート18a、18bに入力された音声ストリームに基づく音声を出力する。
【0026】
リモコン信号受信部15は、リモコン2から受信した赤外線信号を電気信号に変換してメインマイコン10に転送する。
【0027】
メモリ(ベンダーID記憶手段)16は、メインマイコン10を動作させるための制御プログラム19aと、ベンダーID群19bと、EDID(Extended Display Identification Data)19cと、第1ベンダーID(ベンダーID)19dと、第2ベンダーID(ベンダーID)19e等を格納している。
【0028】
ベンダーID群19bには、複数のメーカのベンダーIDが含まれている。EDID19cには、HDMIポート18a、18bに接続されているBDプレーヤ4a、4bのぞれぞれに割り当てられた物理アドレスや、スピーカ14によって出力可能な音声信号の音声出力情報等が含まれている。第1ベンダーID19dは、HDMIポート18aに接続されたBDプレーヤ4aに対して送信するベンダーIDである。第2ベンダーID19eは、HDMIポート18bに接続されたBDプレーヤ4bに対して送信するベンダーIDである。第1ベンダーID19d及び第2ベンダーID19eは、後述するベンダーID設定処理によってユーザにより選択されたものである。
【0029】
第1HDMI通信部17aは、HDMIポート18aを介して、BDプレーヤ4aに対するCECコマンドやベンダーID等の送受信を行うと共に、BDプレーヤ4aから受信した映像ストリームをメインマイコン10に転送する。HDMIケーブル3aの一端は、HDMIポート18aに接続され、HDMIケーブル3aの他端は、BDプレーヤ4aに接続されている。
【0030】
第2HDMI通信部17bは、HDMIポート18bを介して、BDプレーヤ4bに対するCECコマンドやベンダーID等の送受信を行うと共に、BDプレーヤ4bから受信した映像ストリームをメインマイコン10に転送する。HDMIケーブル3bの一端は、HDMIポート18bに接続され、HDMIケーブル3bの他端は、BDプレーヤ4bに接続されている。
【0031】
メインマイコン10は、映像処理部10aと、ベンダーID情報設定部10bと、機器認証処理部10cとを有し、TV受像機1の装置各部を制御する。メインマイコン10は、リモコン2から送信された入力元切換指示に応じて、映像ストリームの入力元のHDMIポート18a、18bを切り換え、切換先のHDMIポート18a、18bに接続されたBDプレーヤ4a、4bから入力された映像ストリームに基づく映像信号をディスプレイ13に出力すると共に、BDプレーヤ4a、4bから入力された音声ストリームに基づく音声信号をスピーカ14に出力する制御処理を行う。
【0032】
映像処理部10aは、リモコン2から送信された入力元切換指示に応じて、BDプレーヤ4a、4bのいずれかから入力された映像ストリームの解像度の変換処理等を行い、変換処理後の映像ストリームをディスプレイ13に表示させる処理を行う。
【0033】
ベンダーID情報設定部10bは、ベンダーID設定メニュー画面をディスプレイ13に表示させて、複数のベンダーIDを含むベンダーID群19bの中から、ユーザがリモコン2を操作することによって選択した内容に応じたベンダーIDを、第1ベンダーID19d及び第2ベンダーID19eとしてメモリ16に格納する処理を行う。
【0034】
機器認証処理部10cは、HDMIポート18a、18bに接続されたBDプレーヤ4a、4bを認証するための機器認証処理を行う。
【0035】
次に、TV受像機1におけるベンダーID設定処理について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、ベンダーID設定処理の手順を示すフローチャートである。図4は、TV受像機1のディスプレイ13の表示を示す。
【0036】
まず、ユーザがリモコン2を操作して、ベンダーID設定メニューの表示を指示すると(S1)、メインマイコン10は、ベンダーID情報設定部10bを用いて、ベンダーID設定メニューをディスプレイ13に表示する(S2)。具体的には、図4に示すように、ディスプレイ13には、第1HDMI(HDMIポート18a)に接続されたBDプレーヤ4aに送信する第1ベンダーID19dの内容の設定と、第2HDMI(HDMIポート18b)に接続されたBDプレーヤ4bに送信する第2ベンダーID19eの内容の設定とを行う画面が表示される。
【0037】
そして、ユーザがリモコン2を操作することによって、第1HDMIに対応する第1ベンダーID19dとして格納するメーカ、及び第2HDMIに対応する第2ベンダーID19eとして格納するメーカ(ベンダー)が選択されると(S3)、メインマイコン10は、ベンダーID情報設定部10bを用いて、ユーザによって選択されたメーカに対応するベンダーIDを第1ベンダーID19d及び第2ベンダーID19eとしてそれぞれ格納する。具体的には、図4では、第1HDMIにはB社が選択され、B社のベンダーIDが第1ベンダーID19dとして格納(設定)される。第2HDMIにはC社が選択され、C社のベンダーIDが第2ベンダーID19eとして格納(設定)される。
【0038】
次に、TV受像機1における機器認証処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、BDプレーヤ4aとTV受像機1との機器認証処理について説明する。
【0039】
まず、TV受像機1のメインマイコン10は、機器認証処理部10cを用いて、BDプレーヤ4aから<Polling Message>を受信すると(S21)、ACKをBDプレーヤ4aに返答する(S22)。そして、BDプレーヤ4aから、<Give Physical Address>メッセージを受信すると(S23)、<Report Physical Address>メッセージをBDプレーヤ4aに返答して、BDプレーヤ4aに物理アドレスを送信する(S24)。
【0040】
そして、TV受像機1のメインマイコン10は、機器認証処理部10cを用いて、BDプレーヤ4aから<Give Vender ID>メッセージを受信すると(S25)、<Device Vender ID>メッセージを送信する(S26)。ここで、<Device Vender ID>メッセージに含まれるベンダーIDは、第1ベンダーID19dとして格納されたベンダーIDであり、例えば、BDプレーヤ4aの製造メーカであるB社を示すベンダーIDである。
【0041】
上述したように、本実施形態に係るTV受像機1においては、複数のベンダーIDを含むベンダーID群19bの中から、ユーザがリモコン2を操作することによって選択したベンダーIDを第1ベンダーID19d及び第2ベンダーID19eとし、第1ベンダーID19dをBDプレーヤ4aに送信し、第2ベンダーID19eをBDプレーヤ4bに送信する。そのため、ベンダーID群19bに含まれる複数のベンダーIDの中から、BDプレーヤ4a、4bと同じベンダーIDをユーザが選択することにより、BDプレーヤ4a、4bのベンダーIDと同じベンダーIDをBDプレーヤ4a、4bに送信することができるので、同じベンダーIDのTV受像機から送信されたCECコマンドでなければ動作を行わないBDプレーヤについても、TV受像機1から送信したCECコマンドにより制御を行うことができる。
【0042】
また、TV受像機1においては、特許文献1の情報再生装置のようにベンダーコマンドを記憶する必要がないため、メモリ16の記憶容量を小さくできるので、製造コストを抑制できる。また、TV受像機1においては、特許文献1の装置と異なり、BDプレーヤ4a、4bがベンダーテーブルにベンダーコマンドが格納されているベンダーの機器でなくても、BDプレーヤ4a、4bにCECコマンドを送信することができるため、汎用性が高い。
【0043】
また、TV受像機1、及びBDプレーヤ4a、4bは、HDMI−CEC規格に従ったCECコマンドの送受信を行うので、独自プロトコルに対応した専用機器や専用ソフトウェア等の導入コストをかける必要がない。従って、TV受像機1の製造コストを抑制することができる。
【0044】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態において、請求項に示すAV機器がTV受像機である例を示したが、これに限られず、HDMI規格に対応したAV機器であればよい。
【0045】
また、請求項に示す外部機器がBDプレーヤである例を示したが、HDMI規格に対応した外部機器であればよい。
【符号の説明】
【0046】
1 TV受信機(AV機器)
2 リモコン(ベンダーID選択手段)
10 メインマイコン(送信手段)
4a、4b BDプレーヤ(外部機器)
17a 第1HDMI通信部(送信手段)
17b 第2HDMI通信部(送信手段)
18a、18b HDMIポート(接続手段)
19b ベンダーID群(ベンダーID記憶手段)
19d 第1ベンダーID(ベンダーID)
19e 第2ベンダーID(ベンダーID)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と接続するための接続手段と、
前記接続手段に接続された前記外部機器に対して、制御コマンドとベンダーIDとを送信する送信手段とを備えるAV(Audio Visual)機器において、
複数のベンダーIDを記憶したベンダーID記憶手段と、
前記送信手段によって前記外部機器に送信されるベンダーIDを、前記ベンダーID記憶手段に記憶された複数のベンダーIDの中から選択するためのベンダーID選択手段とをさらに備え、
前記送信手段は、前記ベンダーID選択手段によって選択されたベンダーIDを前記外部機器に送信することを特徴とするAV機器。
【請求項2】
前記接続手段は、複数の前記外部機器と接続され、
前記送信手段は、前記複数の外部機器のそれぞれにベンダーIDを送信し、
前記ベンダーID選択手段は、前記送信手段によって前記複数の外部機器のそれぞれに送信される各ベンダーIDを、前記ベンダーID記憶手段に記憶された複数のベンダーIDの中から選択することを特徴とする請求項1に記載のAV機器。
【請求項3】
前記送信手段は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)−CEC(Consumer Electronics Control)の規格に従って、前記外部機器にベンダーIDを送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のAV機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−5408(P2013−5408A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137824(P2011−137824)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】