説明

Ac−Arg−シクロ(Cys−D−Ala−His−D−Phe−Arg−Trp−Cys)−NH2の合成のための方法

本発明は、メラノコルチン類似体Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の、溶液相ペプチド化学を用いる合成のための新規方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラノコルチン類似体Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の、溶液相ペプチド化学を用いる合成のための新規方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2は非常に強力かつ薬理学的に選択的なメラノコルチンの類似体である。メラノコルチン類はプロホルモンであるプロオピオメラノコルチン(POMC;長さ131アミノ酸)の翻訳後プロセシングにより形成される調節ペプチドのファミリーである。POMCは3つのクラスのホルモンへとプロセシングされる;メラノコルチン類、副腎皮質刺激ホルモン、および様々なエンドルフィン類(例えばリポトロピン)(Cone, et al., Recent Prog. Horm. Res., 51:287-317, (1996); Cone et al., Ann. N.Y.Acad. Sci., 31:342-363, (1993))。
【0003】
メラノコルチン類は脳、副腎、皮膚、精巣、脾臓、腎臓、卵巣、肺、甲状腺、肝臓、結腸、小腸および膵臓を含む多種多様な正常なヒト組織で見付かっている(Tatro, J. B. et al., Endocrinol. 121:1900-1907 (1987); Mountjoy, K. G. et al., Science 257:1248-1251 (1992); Chhajlani, V. et al., FEBS Lett. 309:417-420 (1992); Gantz, I. et al. J. Biol. Chem. 268:8246-8250 (1993)およびGantz, I. et al., J. Biol. Chem. 268:15174-15179 (1993))。
【0004】
メラノコルチンペプチド類は、行動および記憶の制御、神経栄養および解熱特性に影響を及ぼすこと、ならびに免疫系の調節に影響を及ぼすことを含む多種多様な生理活性を示すことが示されている。副腎皮質機能への(副腎皮質刺激ホルモンまたは“ACTH”)、およびメラニン細胞への(メラニン細胞刺激ホルモンまたは“MSH”)それらのよく知られた作用は別として、メラノコルチン類は心臓血管系、鎮痛、体温調節ならびにプロラクチン、黄体形成ホルモンおよび生体アミン類を含む他の神経液性因子の放出を制御していることも示されている(De Wied, D. et al., Methods Achiev. Exp. Pathol. 15:167-199 (1991); De Wied, D. et al., Physiol. Rev. 62:977-1059 (1982); Guber, K.A. et al., Am. J. Physiol. 257:R681-R694 (1989); Walker J.M. et al., Science 210:1247-1249 (1980); Murphy, M. T. et al., Science 221:192-193 (1983); Ellerkmann, E. et al., Endocrinol. 130:133-138 (1992)およびVersteeg, D. H. G. et al., Life Sci. 38:835-840 (1986))。
【0005】
メラノコルチン類の結合部位は、涙腺および顎下腺、膵臓、脂肪、膀胱、十二指腸、脾臓、脳および生殖腺組織、ならびに悪性黒色腫を含む多くの異なる組織タイプに分布していることも示されている。現在までに5種類のメラノコルチン受容体が特性づけられている。これらには、メラニン細胞特異的受容体(MC1−R)、副腎皮質特異的ACTH受容体(MC2−R)、メラノコルチン−3受容体(MC3−R)、メラノコルチン−4受容体(MC4−R)およびメラノコルチン−5受容体(MC5−R)が含まれる。そのメラノコルチン受容体の全てが、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)のクラスのペプチドホルモンに応答する(Cone, R. D. et al., Ann. N.Y.Acad. Sci., 680:342-363 (1993); Cone, R. D. et al., Recent Prog. Horm. Res., 51:287-318 (1996))。
【0006】
当技術でメラニン細胞刺激ホルモン受容体(MSH−R)、メラノトロピン受容体またはメラノコルチン−1受容体として知られているMC1−Rは、Gタンパク質共役型受容体のファミリーに属する315アミノ酸の膜貫通タンパク質である。MC1−RはMSHおよびACTHの両方に関する受容体である。MC1−Rの活性は、アデニル酸シクラーゼを活性化するGタンパク質により仲介される。MC1−R受容体は、メラニン細胞および副腎皮質組織、ならびに様々な他の組織、例えば副腎、白血球、肺、リンパ節、卵巣、精巣、下垂体、胎盤、脾臓および子宮で見られる。副腎皮質刺激ホルモン受容体(ACTH−R)とも呼ばれるMC2−Rは、メラニン細胞および副腎皮質組織で見られる297アミノ酸の膜貫通タンパク質である。MC2−RはACTHの副腎皮質刺激作用を仲介する。ヒトでは、MC3−Rは脳組織で見られる360AAのタンパク質であり;マウスおよびラットでは、MC3−Rは323AAのタンパク質である。MC4−Rは332アミノ酸の膜貫通タンパク質であり、それは脳ならびに胎盤および腸組織でも発現している。MC5−Rは、副腎、胃、肺および脾臓において、ならびに非常に低いレベルで脳において発現する、325アミノ酸の膜貫通タンパク質である。MC5−Rは副腎皮質の3つの層、主にアルドステロン産生糸球帯細胞でも発現している。
【0007】
しかし、その5種類の既知のメラノコルチン受容体はそれらの機能が異なる。例えばMC1−Rは、MC1−Rの強力なアゴニストであるa−MSHに応答して色素形成を制御するGタンパク質共役型受容体である。MC1−R受容体の作動(Agonism)は結果としてメラニン細胞の刺激をもたらし、それはユーメラニンを生じさせ、皮膚の癌の危険性を増大させる。MC1−Rの作動は神経学的作用を有する可能性もある。MC2−R活性の刺激は、結果として副腎組織の癌腫を生じさせる可能性がある。最近の薬理学的確認により、中枢のMC4−R受容体はメラノコルチンのアゴニストおよびアンタゴニストに関してそれぞれ報告された食欲低下および食欲促進作用の主要な仲介因子であることが確証された。MC3−RおよびMC5−Rの作動の作用はまだ知られていない。
【0008】
肥満および悪液質のような体重の障害を処置するための新規の療法の設計のための標的として、メラノコルチン受容体に大きな関心が持たれてきた。遺伝学的および薬理学的証拠の両方が、中枢のMC4−R受容体を主要な標的として指し示している(Giraudo, S. Q. et al., Brain Res., 809:302-306 (1998); Farooqi, I. S. et al., NE J Med., 348:1085-1095 (2003); MacNeil, D. J. et al., Eu. J. Pharm., 44:141-157 (2002); MacNeil, D. J. et al., Eu. J. Pharm., 450:93-109 (2002); Kask, A. et al., NeuroReport, 10:707-711 (1999))。受容体選択的アゴニストおよびアンタゴニストについての現在の進歩は、メラノコルチン受容体の活性化、特にMC4−Rの療法的可能性を明示している。
【0009】
米国特許第4,395,403号において記述されている溶液相合成は、BTFA/TFAを用いてシステインのチオール基を保護しているメトキシベンジル基を除去し、続いて環化を行う。しかし、保護基の除去のためのそのような過酷な酸処理の間に、トリプトファン残基の分解が頻繁に起こることが知られている。従って、Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2を製造するための効率的な方法を開発する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,395,403号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Cone, et al., Recent Prog. Horm. Res., 51:287-317, (1996)
【非特許文献2】Cone et al., Ann. N.Y.Acad. Sci., 31:342-363, (1993)
【非特許文献3】Tatro, J. B. et al., Endocrinol. 121:1900-1907 (1987)
【非特許文献4】Mountjoy, K. G. et al., Science 257:1248-1251 (1992)
【非特許文献5】Chhajlani, V. et al., FEBS Lett. 309:417-420 (1992)
【非特許文献6】Gantz, I. et al. J. Biol. Chem. 268:8246-8250 (1993)
【非特許文献7】Gantz, I. et al., J. Biol. Chem. 268:15174-15179 (1993)
【非特許文献8】De Wied, D. et al., Methods Achiev. Exp. Pathol. 15:167-199 (1991)
【非特許文献9】De Wied, D. et al., Physiol. Rev. 62:977-1059 (1982)
【非特許文献10】Guber, K.A. et al., Am. J. Physiol. 257:R681-R694 (1989)
【非特許文献11】Walker J.M. et al., Science 210:1247-1249 (1980)
【非特許文献12】Murphy, M. T. et al., Science 221:192-193 (1983)
【非特許文献13】Ellerkmann, E. et al., Endocrinol. 130:133-138 (1992)
【非特許文献14】Versteeg, D. H. G. et al., Life Sci. 38:835-840 (1986)
【非特許文献15】Giraudo, S. Q. et al., Brain Res., 809:302-306 (1998)
【非特許文献16】Farooqi, I. S. et al., NE J Med., 348:1085-1095 (2003)
【非特許文献17】MacNeil, D. J. et al., Eu. J. Pharm., 44:141-157 (2002)
【非特許文献18】MacNeil, D. J. et al., Eu. J. Pharm., 450:93-109 (2002)
【非特許文献19】Kask, A. et al., NeuroReport, 10:707-711 (1999)
【発明の概要】
【0012】
本発明の第1観点において、Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の合成のための新規方法を提供し、それは断片縮合手順を含み、ここで保護されたアミノ酸、例えばBoc保護されたアミノ酸、ベンジルオキシカルボニル保護されたアミノ酸、Fmoc保護されたアミノ酸、および保護されたアミノ酸のフッ化物、例えばFmocアミノ酸フッ化物またはBsmocアミノ酸フッ化物が用いられ、ここで混合無水物カップリング法が用いられ、ここで保護されたペプチド断片Trp-CysまたはArg-Trp、例えばBoc-Trp-Cys(Acm)-OMeまたはBoc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeが提供される。
【0013】
本発明の第1観点の好ましい態様において、ペプチド−ヒドラジドカップリング法が用いられ、ここでアンモニアを用いてエステル官能基をアミド官能基に変換する。
本発明の第1観点は以下の工程を含んでいてよい:
(a) 断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-OHを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-OHおよびH-His-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-OHを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-OHおよびH-His(Trt)-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(b-1) 断片ベンジルオキシカルボニル-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-D-Phe-OHおよびH-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(b-2) 断片H-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、工程(b-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを水素化することにより合成する;
(c-1) 断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-OHおよび工程(b-2)で得られた断片H-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-OHおよび工程(b-2)で得られた断片H-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c-2) 断片H-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、工程(c-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを水素化することにより合成する;
あるいは、断片H-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、工程(c-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを水素化することにより合成する;
(d-1) 断片Fmoc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、Fmoc-Arg(Pbf)-OHおよびH-Cys(Acm)-OBzlから、カップリング試薬の存在下で、続いて水素化して合成する;
(d-2) 断片H-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、工程(d-1)で得られた断片Fmoc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHから、塩基の存在下で合成する;
(d-3) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、工程(d-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHから合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、Ac-Arg(Pbf)-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で、続いて塩基を用いて加水分解して合成する;
(e-1) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHおよびH-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHおよびH-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(e-2) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OHを、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを塩基の存在下で加水分解することにより合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OHを、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを塩基の存在下で加水分解することにより合成する;
(f) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2を、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、ヒドラジンの存在下で合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2を、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、ヒドラジンの存在下で合成する;
(g-1) 断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp(For)-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(g-2) H-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(g-1)で得られた断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、H-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(g-1)で得られた断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(h) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2およびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2およびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2およびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2およびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(i) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2から、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2から、TFAの存在下で合成する;そして
(j) Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2を、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2から、酸化剤を用いることにより合成する。
【0014】
本発明の上記の観点において、前記の酸化剤は好ましくはヨウ素であり、前記のカップリング剤は好ましくはDCC、HBTU、HATU、DIC、EDC、またはクロロギ酸イソブチルエステルであり、前記の塩基は好ましくはEt2NH、TAEA、ピペラジン、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムである。
【0015】
上記で要約した合成順序を、図1Aにおいて概略的に図示する。
図1Bは、上記で要約した合成順序の別の概略図を示す。
本発明の第2観点において、Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の合成のための新規方法を提供し、それは保護されたペプチド断片Cys-D-AlaまたはArg-Cysが提供されること以外は上記の第1観点と類似している。
【0016】
本発明の第2観点の好ましい態様において、前記の保護されたペプチド断片Cys-D-AlaはBoc-Cys(Acm)-D-Ala-OHである。
本発明の第2観点は以下の工程を含んでいてよい:
(a-1) 断片Boc-Cys(Acm)-D-Ala-OHを、Boc-Cys(Acm)-OHおよびH-D-Ala-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(a-2) 断片H-Cys(Acm)-D-Ala-OHを、工程(a-1)で得られた断片Boc-Cys(Acm)-D-Ala-OHから、TFAの存在下で合成する;
(b) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-OHを、Ac-Arg(Pbf)-OHおよび工程(a-2)で得られた断片H-Cys(Acm)-D-Ala-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c-1) 断片Boc-His-D-Phe-OMeを、Boc-His-OHおよびH-D-Phe-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c-2) 断片H-His-D-Phe-OMeを、工程(c-1)で得られた断片Boc-His-D-Phe-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(d-1) 断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp(For)-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(d-2) H-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(d-1)で得られた断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、H-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(d-1)で得られた断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(e-1) 断片ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-OHおよび工程(d-2)で得られた断片H-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-OHおよび工程(d-2)で得られた断片H-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(e-2) 断片H-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(e-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを水素化することにより合成する;
あるいは、断片H-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(e-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを水素化することにより合成する;
(f-1) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OMeを、工程(b)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-OHおよび工程(c-2)で得られた断片H-His-D-Phe-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(f-2) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-NHNH2を、工程(f-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OMeから、ヒドラジンの存在下で合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OHを、工程(f-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OMeを塩基の存在下で加水分解することにより合成する;
(g) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-NHNH2および工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いて合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-NHNH2および工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いて合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OHおよび工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング剤の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OHおよび工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング剤の存在下で合成する;
(h) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
(i) Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2から、TFAの存在下で合成する;そして
(j) Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2を、工程(i)で得られたAc-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2から、酸化剤を用いることにより合成する。
【0017】
図2は、すぐ上で要約した合成順序の概略図である。
図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらす。
【0018】
本発明の第3観点において、線形の(linear)段階的な合成手順を含む、Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の合成のための新規方法を提供する。
本発明の第3観点の好ましい態様において、保護されたアミノ酸、例えばBoc保護されたアミノ酸、Fmoc保護されたアミノ酸、および保護されたアミノ酸のフッ化物、例えばFmocアミノ酸フッ化物またはBsmocアミノ酸フッ化物が用いられ、ジメチルシクロプロピルメチルアミンが保護されたペプチド鎖のC末端において用いられ、そしてFmoc-Cys(Trt)-NH-CMe2CPが用いられる。
【0019】
本発明の第2観点は以下の工程を含んでいてよい:
(a) H-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(b) Fmoc-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Trp(Boc)-OHおよび工程(a)で得られたH-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c) H-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(b)で得られたFmoc-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(d) Fmoc-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(c)で得られたFmoc-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(e) H-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(d)で得られたFmoc-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(f) Fmoc-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-D-Phe-OHおよび工程(e)で得られたH-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(g) H-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(f)で得られたFmoc-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(h) Fmoc-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-His(Trt)-OHおよび工程(g)で得られたH-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(i) H-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(h)で得られたFmoc-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(j) Fmoc-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-D-Ala-OHおよび工程(i)で得られたH-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(k) H-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(j)で得られたFmoc-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(l) Fmoc-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Cys(Trt)-OHおよび工程(k)で得られたH-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(m) H-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(l)で得られたFmoc-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(n) Fmoc-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Arg(Pbf)-OHおよび工程(m)で得られたH-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(o) H-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(n)で得られたFmoc-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(p) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(o)で得られたH-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPおよびAc2O、AcClまたはAcBrから合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Ac-Arg(Pbf)-OHおよび工程(m)で得られたH-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(q) Ac-Arg-Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys-NH2を、工程(p)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、TFAの存在下で合成する;そして
(r) Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2を、工程(q)で得られたAc-Arg-Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys-NH2から、酸化剤の存在下で合成する。
【0020】
本発明の第3観点において、前記の酸化剤は好ましくはヨウ素、酸素、空気、またはDMSOであり;前記のカップリング剤は好ましくはDCC、HBTU、HATU、DIC、EDC、またはクロロギ酸イソブチルエステルであり、前記の塩基は好ましくはEt2NH、TAEA、またはピペラジンである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】図1Aは、上記で要約したような本発明の第1観点の概略図である。
【図1B】図1Bは、上記で要約したような本発明の第1観点の別の概略図を示す。
【図2】図2は、上記で要約したような本発明の第2観点の概略図である。
【図3】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図4】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図5】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図6】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図7】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図8】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図9】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図10】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【図11】図3〜11は、断片縮合工程および異なるペプチド断片を用いる様々な合成順序の概略図であり、それらは全て結果としてAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2をもたらし、それらは本明細書で特許請求される本発明の範囲内である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願は次の略語を用いる:
Ac: アセチル
Acm: アセトアミドメチル
AcOH: 酢酸
AlaまたはA: アラニン
ArgまたはR: アルギニン
Boc: tert-ブチルオキシカルボニル
Bsmoc: 1,1-ジオキソベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチルオキシカルボニル
BTFA: ボロン-トリス-トリフルオロアセテート
Bzl: ベンジル
CysまたはC: システイン
DCCI: N N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DIC: N N’-ジイソプロピルカルボジイミド
DMF: ジメチルホルムアミド
EDC: 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
Fmoc: 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
For: ホルミル
HATU: O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
HBTU: 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
HisまたはH: ヒスチジン
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
Me: メチル
MeOH: メタノール
Mtr: 4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル
Mtt: メチルトリチル
NH2-CMe2CP: ジメチルシクロプロピルメチルアミン
Pbf: 2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
Pmc: 2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル
TAEA: トリス(2-アミノエチル)アミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
TrpまたはW: トリプトファン
Trt: トリチル
ZまたはCbz: ベンジルオキシカルボニル。
【0023】
Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2中の名称“NH2”は、そのペプチドのC末端がアミド化されていることを示す。
名称“-シクロ(Cys-Cys)-”は次の構造を示す:
【0024】
【化1】


【0025】
本明細書でパラメーターおよび量と関連して用いられる用語“約”は、そのパラメーターまたは量がその明記されたパラメーターまたは量の±5%以内であることを意味する。
【実施例】
【0026】
合成
実施例1、すなわちAc-Arg-シクロ(Cvs-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の合成
工程1:Z-D-Ala-His-OHの調製
150 mLのアセトニトリル中の30 mmolのZ-D-Ala-OHを、-18℃に冷却した。その冷却した溶液に、3.4 mLのN-メチル-モルホリン、続いて4.1 mLのクロロギ酸イソブチルエステルを添加した。その溶液を-15℃で15分間攪拌し、30.3 mmolのH-His-OHの30 mLの1N NaOHおよび100 mLのアセトニトリル中における冷えた溶液を添加した。得られた溶液を、-5℃〜0℃の温度でさらに18時間攪拌した。その反応混合物を真空下で濃縮し、水で希釈し、少量のエーテルで3回抽出した。その水相を、4N H2SO4の添加により約pH 2に調節した。沈殿が形成され、それをエーテル/酢酸で抽出した。その有機相を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。真空下で蒸発させた後、その残留物をエーテル/石油エーテルから結晶化すると、表題化合物が得られた。
【0027】
工程2:Z-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeの調製
13.5 mLのクロロギ酸イソブチルエステルを、-20℃に予め冷却しておいた1200 mLのTHF中で溶解させた147 mmolのZ-DPhe-OHに、攪拌しながら添加した。攪拌を-15℃でさらに20分間継続し、158 mmolのHCTH-Arg(Pbf)-OMeの600 mLのTHF中における冷えた溶液(-21℃)を添加した。17 mLのトリエチルアミンを滴加し、反応容器の温度を-15℃の温度で維持した。その反応混合物を0℃で18時間攪拌し、生成物に真空下での濃縮を施した。エーテル/酢酸エチル(1:1)で希釈し、濾過を行った。その濾液を2 Nクエン酸、10% KHCO3、および水で洗浄した。その有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて乾燥させると、表題化合物が得られた。
【0028】
工程3:Z-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeの調製
150 mLのMeOH中の131 mmolのZ-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、Pd/Cの存在下で水素化した。その生成物を濾過し、MeOHで洗浄した。その濾液を真空下で蒸発させた。形成された残留物を、99 mmolのZ-D-Ala-His-OHおよび2.0 gのHOBtと一緒に50 mLのDMF中で溶解させた。その溶液を-15℃に冷却した。15 mLのDMF中の2.1 gのDCCIを、攪拌しながら添加した。得られた溶液を0℃でさらに2日間攪拌し、真空下で蒸発させ、酢酸/エーテル(1:1)で希釈し、濾過した。その濾液を2 Nクエン酸、10% KHCO3および水で洗浄した。その有機相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させた。その残留物を、CH2Cl2/MeOHを溶離液として用いるシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製した。望まれる生成物を含有する画分を集め、真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
【0029】
工程4:H-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeの調製
50 mLのMeOH中の1.3 mmolのZ-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを10% Pd/Cの存在下で水素化し、その溶液を濾過し、真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
【0030】
工程5:Ac-Arg(Pbf)-Cvs(Acm)-OHの調製
8.4 mLのNEt3、続いて8.3 mLのクロロギ酸イソブチルエステルを、-20℃に予め冷却した300 mLのTHF中の60 mmolのAc-Arg(Pbf)-OHに添加した。得られた混合物を-15℃で10分間攪拌した。H-Cys(Acm)-OHおよび11.5 mLのNEt3の、400 mLのTHF/水(5:1)中における冷えた溶液を、続いて滴加した。その反応混合物を0℃で約2日間攪拌し、真空下で濃縮し、1.3 Lの水で希釈し、エーテルで抽出した。その水相を4N H2SO4の添加によりpH 2.0に調節し、その沈殿を酢酸エチルで抽出した。その酢酸エチル抽出物を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空下で蒸発させた。その残留物をエーテル/1% AcOHを溶離液として用いるシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製した。望まれる生成物を含有する画分を合わせて真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
【0031】
工程6:Ac-ArgiPbf)-CvsiAcm)-D-Ala-His-D-Phe-ArgiPbf)-OMeの調製
0.30 gのDCCIを、-20℃に予め冷却した30 mLのDMF中で溶解させた1.42 mmolのAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OH、1.3 mmolのH-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeおよび0.5 gのHOBtに、攪拌しながら添加した。その反応混合物を、-5℃〜0℃の一定の温度で約12時間攪拌し、次いで室温で約4時間攪拌した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾過して除き、濾液を2 Nクエン酸、10% KHCO3および水で洗浄した。その有機相をNa2SO4で乾燥させ、精製し、濃縮した。その生成物をエーテルの添加により沈殿させ、濾過し、乾燥させると、表題化合物が得られた。
【0032】
工程7:Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2の調製
1.5 mLのヒドラジン水和物を、15 mLのDMF中で溶解させた0.07 mmolのAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeに添加した。その溶液を室温で5時間放置した。次いで水性MeOHを添加した。形成された沈殿を濾別し、MeOH/水(1:9)で洗浄し、乾燥させると、表題化合物が得られた。
【0033】
工程8:H-Trp-Cvs(AcmVOMeの調製
17.2 mmolのBoc-Trp-Cys(Acm)-OMeおよび5 mLのチオアニソールの25 mLの塩化メチレン中における溶液を、50 mLのTFAに添加し、室温で20分間放置した。その溶液を約1.5 Lのエーテルで希釈し、形成された沈殿を濾別し、エーテルで洗浄し、乾燥させると、表題化合物が得られた。
【0034】
工程9:Boc-Trp-Cys(Acrn)-OMeの調製
2.1 mLのN-メチルモルホリンを、-20℃に予め冷却した50 mLのTHF中の19.4 mmolのBoc-Trp-OHに攪拌しながら添加し、続いて-15℃で2.4 mLのクロロギ酸イソブチルエステルを滴加した。-15℃で5分間攪拌した後、30 mLのDMF中に24 mmolのH-Cys(Acm)-OMeおよび4.1 mLのN-メチルモルホリンを含む冷えた溶液(-10℃)を添加した。その混合物を0℃の一定の温度で2時間攪拌し、次いで室温でさらに2時間攪拌した。50 mLの10% KHCO3を添加した。その反応混合物を真空下で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、2 Nクエン酸で3回、次いで10% KHCO3で3回、次いで30% NaCl溶液で洗浄した。その有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空下で蒸発させると、表題化合物が得られた。
【0035】
工程10:Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-CvsfAcmVOMeの調製
0.7 mLのエーテル中5 N HClを、-20℃に予め冷却した30 mLのDMF中の0.63 mmolのAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2に攪拌しながら添加した。次いで0.8 mLのDMF中10%亜硝酸tert-ブチルを添加した。その混合物を-20℃〜-15℃で15分間攪拌した。0.56 mLのNEt3を-25℃で添加し、続いて-15℃に予め冷却した1.1mmolのH-Trp-Cys(Acm)-OMeの3 mLのDMF中における溶液を添加し、得られた混合物を-5℃〜0℃で20時間、次いで室温でさらに3時間攪拌した。その反応混合物を約100 mLのメタノールで希釈し、その生成物をおおよそ40 mLの水の添加により沈殿させた。形成された沈殿を濾別し、水性MeOHで洗浄し、乾燥させると、表題化合物が得られた。
【0036】
工程11:Ac-ArgiPbf)-CvsiAcm)-D-Ala-His-D-Phe-ArgiPbf)-Trp-Cvs(Acm)-NH2の調製
0.5 mmolのAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、液体アンモニアで数時間処理した。次いでそのアンモニアをゆっくりと蒸発させた。その残留物を約100 mLのメタノールで希釈し、その生成物をおおよそ40 mLの水の添加により沈殿させた。形成された沈殿を濾別し、水性MeOHで洗浄し、乾燥させると、表題化合物が得られた。
【0037】
工程12:Ac-Arg-シクロ(Cvs-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の調製
0.4 mmolのAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2および6.0 mLのチオアニソールを、30 mLのTFA中で0℃で溶解させた。-5℃〜-10℃の温度を維持しながら攪拌を1.5時間継続し、続いて50 mLの冷MeOH(-70℃)を添加した。追加の5分間の後、1 Lのエーテルおよび5 mLのエーテル中おおよそ5 NのHClを攪拌しながら添加した。沈殿した生成物を濾別し、エーテルで手短に洗浄した。その残留物をすぐに2.5 LのMeOH/H2O中で溶解させた。そのpHを希アンモニア溶液の添加により7〜7.5に調節した。その混合物に、持続的な色が得られるまでMeOH中のヨウ素溶液を滴加した。その反応物を室温で、その-SH基に関する試験結果(例えばエルマン試験(Ellmann test))が陰性になるまで攪拌した。その反応を、10% NaS2O3で停止した。そのpHをHQの添加により3〜4に調節した。得られた溶液を真空下で濃縮し、生成物を凍結乾燥させた。その凍結乾燥物を少量の10% AcOH中で溶解させ、HPLCにより精製した。望まれる生成物を含有する画分を集め、凍結乾燥させると、表題化合物が得られた。
【0038】
本発明の追加の態様は前記の開示から明らかであると考えられ、本明細書で完全に記述され、下記の特許請求の範囲で定義される通りの本発明に含まれることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断片縮合手順を含む、Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項2】
保護されたアミノ酸が用いられる、請求項1に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項3】
前記の保護されたアミノ酸が、Boc保護されたアミノ酸、ベンジルオキシカルボニル保護されたアミノ酸、Fmoc保護されたアミノ酸、および保護されたアミノ酸のフッ化物からなるグループから選択される、請求項2に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項4】
前記の保護されたアミノ酸のフッ化物がFmocアミノ酸フッ化物またはBsmocアミノ酸フッ化物である、請求項3に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項5】
混合無水物カップリング法が用いられる、前記の請求項のいずれか1項に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項6】
ペプチド−ヒドラジドカップリング法が用いられる、前記の請求項のいずれか1項に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項7】
アンモニアを用いてエステル官能基をアミド官能基に変換する、前記の請求項のいずれか1項に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項8】
保護されたペプチド断片Trp-CysまたはArg-Trpが提供される、前記の請求項のいずれか1項に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項9】
前記の保護されたペプチド断片Trp-CysがBoc-Trp-Cys(Acm)-OMeまたはBoc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeである、請求項8に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項10】
保護されたペプチド断片D-Ala-HisまたはHis-D-Pheが提供される、請求項8または請求項9に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項11】
前記の保護されたペプチド断片D-Ala-Hisがベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-OHまたはベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-OHである、請求項10に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項12】
以下の:
(a) 断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-OHを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-OHおよびH-His-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-OHを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-OHおよびH-His(Trt)-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(b-1) 断片ベンジルオキシカルボニル-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-D-Phe-OHおよびH-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(b-2) 断片H-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、工程(b-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを水素化することにより合成する;
(c-1) 断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His-OHおよび工程(b-2)で得られた断片H-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-OHおよび工程(b-2)で得られた断片H-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c-2) 断片H-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、工程(c-1)で得られた断片ベンジルオ
キシカルボニル-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを水素化することにより合成する;
あるいは、断片H-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、工程(c-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを水素化することにより合成する;
(d-1) 断片Fmoc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、Fmoc-Arg(Pbf)-OHおよびH-Cys(Acm)-OBzlから、カップリング試薬の存在下で、続いて水素化して合成する;
(d-2) 断片H-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、工程(d-1)で得られた断片Fmoc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHから、塩基の存在下で合成する;
(d-3) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、工程(d-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHから合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHを、Ac-Arg(Pbf)-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で、続いて塩基を用いて加水分解して合成する;
(e-1) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHおよびH-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-OHおよびH-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(e-2) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OHを、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを塩基の存在下で加水分解することにより合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OHを、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeを塩基の存在下で加水分解することにより合成する;
(f) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2を、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、ヒドラジンの存在下で合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2を、工程(e-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OMeから、ヒドラジンの存在下で合成する;
(g-1) 断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp(For)-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(g-2) H-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(g-1)で得られた断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、H-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(g-1)で得られた断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(h) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2およびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2およびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH2およびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-NHNH
2およびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いることにより合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-OHおよびH-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(i) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2から、TFAの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2から、TFAの存在下で合成する;そして
(j) Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2を、Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2から、酸化剤を用いることにより合成する;
工程を含む、請求項8〜11に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項13】
前記の酸化剤がヨウ素であり;
前記のカップリング剤がDCC、HBTU、HATU、DIC、EDC、またはクロロギ酸イソブチルエステルであり;そして
前記の塩基がEt2NH、TAEA、ピペラジン、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムで
ある、請求項12に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項14】
保護されたペプチド断片Cys-D-AlaまたはArg-Cysが提供される、請求項8または請求項9に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項15】
前記の保護されたペプチド断片Cys-D-AlaがBoc-Cys(Acm)-D-Ala-OHである、請求項14に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項16】
以下の:
(a-1) 断片Boc-Cys(Acm)-D-Ala-OHを、Boc-Cys(Acm)-OHおよびH-D-Ala-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(a-2) 断片H-Cys(Acm)-D-Ala-OHを、工程(a-1)で得られた断片Boc-Cys(Acm)-D-Ala-OHから、TFAの存在下で合成する;
(b) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-OHを、Ac-Arg(Pbf)-OHおよび工程(a-2)で得られた断片H-Cys(Acm)-D-Ala-OHから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c-1) 断片Boc-His-D-Phe-OMeを、Boc-His-OHおよびH-D-Phe-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c-2) 断片H-His-D-Phe-OMeを、工程(c-1)で得られた断片Boc-His-D-Phe-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(d-1) 断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、Boc-Trp(For)-OHおよびH-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(d-2) H-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(d-1)で得られた断片Boc-Trp-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
あるいは、H-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(d-1)で得られた断片Boc-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、TFAの存在下で合成する;
(e-1) 断片ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-OHおよび工程(d-2)で得られた断片H-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
あるいは、断片ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-OHおよび工程(d-2)で得られた断片H-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(e-2) 断片H-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(e-1)で得られたベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを水素化することにより合成する;
あるいは、断片H-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(e-1)で得られた断片ベンジルオキシカルボニル-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを水素化することにより合成する;
(f-1) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OMeを、工程(b)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-OHおよび工程(c-2)で得られた断片H-His-D-Phe-OMeから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(f-2) 断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-NHNH2を、工程(f-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OMeから、ヒドラジンの存在下で合成する;
あるいは、断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OHを、工程(f-1)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OMeを塩基の存在下で加水分解することにより合成する;
(g) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-NHNH2および工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いて合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-NHNH2および工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、酸および亜硝酸tert-ブチルを用いて合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OHおよび工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、カップリング剤の存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeを、工程(f-2)で得られた断片Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-OHおよび工程(e-2)で得られた断片H-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、カップリング剤の存在下で合成する;
(h) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-NH2を、工程(g)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(For)-Cys(Acm)-OMeから、アンモニアの存在下で合成する;
(i) Ac-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2を、工程(h)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Cys(Acm)-NH2から、TFAの存在下で合成する;そして
(j) Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2を、工程(i)で得られたAc-Arg-Cys(Acm)-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys(Acm)-NH2から、酸化剤を用いることにより合成する;
工程を含む、請求項14または請求項15に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項17】
前記の酸化剤がヨウ素であり;
前記のカップリング剤がDCC、HBTU、HATU、DIC、EDC、またはクロロギ酸イソブチルエステルであり;そして
前記の塩基がEt2NH、TAEA、ピペラジン、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムである、請求項16に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項18】
線形の段階的な合成手順を含む、Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項19】
保護されたアミノ酸が用いられる、請求項12に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項20】
前記の保護されたアミノ酸がBoc保護されたアミノ酸、Fmoc保護されたアミノ酸、および保護されたアミノ酸のフッ化物からなるグループから選択される、請求項19に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項21】
前記の保護されたアミノ酸のフッ化物がFmocアミノ酸フッ化物またはBsmocアミノ酸フッ化物である、請求項20に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項22】
ジメチルシクロプロピルメチルアミンが保護されたペプチド鎖のC末端において用いられる、請求項18〜21のいずれか1項に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-
Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項23】
Fmoc-Cys(Trt)-NH-CMe2CPが用いられる、請求項22に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項24】
以下の:
(a) H-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(b) Fmoc-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Trp(Boc)-OHおよび工程(a)で得られたH-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(c) H-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(b)で得られたFmoc-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(d) Fmoc-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Arg(Pbf)-OHおよび工程(c)で得られたH-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(e) H-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(d)で得られたFmoc-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(f) Fmoc-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-D-Phe-OHおよび工程(e)で得られたH-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(g) H-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(f)で得られたFmoc-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(h) Fmoc-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-His(Trt)-OHおよび工程(g)で得られたH-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(i) H-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(h)で得られたFmoc-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(j) Fmoc-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-D-Ala-OHおよび工程(i)で得られたH-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(k) H-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(j)で得られたFmoc-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(l) Fmoc-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Cys(Trt)-OHおよび工程(k)で得られたH-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(m) H-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(l)で得られたFmoc-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(n) Fmoc-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Fmoc-Arg(Pbf)-OHおよび工程(m)で得られたH-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する;
(o) H-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(n)で得られたFmoc-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、塩基の存在下で合成する;
(p) Ac-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、工程(o)で得られたH-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPおよびAc2O、AcClまたはAcBrから合成する;
あるいは、Ac-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPを、Ac-Arg(Pbf)-OHおよび工程(m)で得られたH-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、カップリング試薬の存在下で合成する

(q) Ac-Arg-Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys-NH2を、工程(p)で得られたAc-Arg(Pbf)-Cys(Trt)-D-Ala-His(Trt)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp(Boc)-Cys(Trt)-NH-CMe2CPから、TFAの存在下で合成する;そして
(r) Ac-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2を、工程(q)で得られたAc-Arg-Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys-NH2から、酸化剤の存在下で合成する;
工程を含む、請求項23に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。
【請求項25】
前記の酸化剤がヨウ素、酸素、空気、またはDMSOであり;
前記のカップリング剤がDCC、HBTU、HATU、DIC、EDC、またはクロロギ酸イソブチルエステルであり;そして
前記の塩基がEt2NH、TAEA、またはピペラジンである、請求項24に記載のAc-Arg-シクロ(Cys-D-Ala-His-D-Phe-Arg-Trp-Cys)-NH2の溶液相合成のための方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−510881(P2013−510881A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539055(P2012−539055)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/056696
【国際公開番号】WO2011/060355
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(509120469)イプセン ファルマ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ (51)
【氏名又は名称原語表記】IPSEN PHARMA S.A.S.
【住所又は居所原語表記】65 Quai Georges Gorse,F−92100 Boulogne Billancourt FRANCE
【Fターム(参考)】