CDMA通信システムにおける送信レートの送受信方法および装置
【課題】連続逆チャネル送信を利用するCDMA通信システムにおいて、リモート・ユニットの送信レートを送信および受信する方法および装置を提供すること。
【解決手段】ウォルシュ・コードの冗長送信によって連続逆チャネル送信を利用する通信システムにおいて、現送信レートを、ウォルシュ・コードの極性上に変調する。即ち、連続逆チャネル送信を利用して特定の送信レートで動作しているリモート・ユニットが、現在のまたは今後のデータ・トラフィック・チャネル・レートに応じて、各ウォルシュ・コードの極性を設定することによって、送信レートを変調する。基準コヒーレント(RC)型送信を利用する通信システムでは、基準シンボル(501〜517)を二進「1」または「0」に等しく設定することによって、基準シンボル(501〜517)上に特定の送信レートを変調する。
【解決手段】ウォルシュ・コードの冗長送信によって連続逆チャネル送信を利用する通信システムにおいて、現送信レートを、ウォルシュ・コードの極性上に変調する。即ち、連続逆チャネル送信を利用して特定の送信レートで動作しているリモート・ユニットが、現在のまたは今後のデータ・トラフィック・チャネル・レートに応じて、各ウォルシュ・コードの極性を設定することによって、送信レートを変調する。基準コヒーレント(RC)型送信を利用する通信システムでは、基準シンボル(501〜517)を二進「1」または「0」に等しく設定することによって、基準シンボル(501〜517)上に特定の送信レートを変調する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、CDMA(符号分割多元接続)通信システムに関し、更に特定すれば、CDMA通信システムの送信レートの送信および受信に関するものである。
【背景技術】
【0002】
符号分割多元接続(CDMA)通信システム内における通信ユニット間の現在の通信については、TIA/EIA Interim Standard IS-95A,Mobile Station-Base Station Compatibility Standards for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular Systems,Telecommunications Industry Association,Washington,DC July 1993(IS-95A)に詳しく記載されている。その内容は、本願でも使用可能である。IS-95Aに記載されているように、フル・レート未満の逆チャネル送信レートを利用する場合、不連続(バースト型)信号が送信される。この信号は、長さが20ms(ミリ秒)の論理フレームに分割され、各フレームが個々の送信レートで送信される。フレームは、更に16個の更に小さな部分(即ち、スロット)に分割される。これらは、パワー制御群と呼ばれる。基地局の復調器は、リモート・ユニットから受信した各パワー制御群のエネルギを推定する。エネルギがスレシホルド(Es)より高い場合、基地局はリモート・ユニットに向けてパワー制御信号を返送し、その送信パワーを減少させる。エネルギがEs未満である場合、パワー制御信号をリモート・ユニットに発信し、その送信パワーを増大させる。
【0003】
1/4レートのようなフル・レートでない送信レートにおいて、問題が生ずる。今日、1/4レート送信では、1フレーム内のパワー制御群の1/4、即ち、4つにおいてのみ送信される。フレーム内の残りの12個のパワー制御群では、何も送信されない。しかしながら、使用されないパワー制御群のエネルギでさえも、測定されEsと比較される。この測定の結果、基地サイトからリモート・ユニットに、パワー制御信号の送信が行われる。現在、どのパワー制御群を用いたかについて追跡し、使用されなかったパワー制御群のエネルギ測定から得られるパワー制御コマンドを無視するか否かは、リモート・ユニットに委ねられている。
【0004】
この問題に対する解決策が、Ghosh et al.の米国特許番号第(連番第08/491,336号)POWER CONTROL FOR CDMA COMMUNICATION SYSTEMS,およびEnglish et al.の米国特許番号第5,528,593号METHOD AND APPARATUS FOR CONTROLLING POWER IN A VARIABLE RATE COMMUNICATION SYSTEMに記載されている。Ghosh et al.およびEnglish et al.に記載されているように、IS-95Aバースト型送信の代わりに、サブ・レート送信には、連続逆チャネル送信方式が利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる連続送信は、リモート・ユニットがある種のパワー制御コマンドを無視する必要性を解消するが、連続逆チャネル送信は、かかる送信方法を利用するリモート・ユニットの送信レートを決定する代わりの方法を必要とする。したがって、連続逆チャネル送信を利用するCDMA通信システムにおいて、リモート・ユニットの送信レートを送信および受信する方法および装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して言えば、連続逆チャネル送信がウォルシュ・コードの冗長送信によって利用される通信システムにおいて、現送信レートを低レート制御チャネル上に変調する。即ち、連続逆チャネル送信方式を利用して特定の送信レートで動作するリモート・ユニットは、現在または今後のデータ・トラフィック・チャネル・レートに応じて、各ウォルシュ・コードの極性を設定することによって、送信レートを変調する。あるいは、基準コヒーレント(RC:Reference Coherent)型送信を利用する通信システムにおいて、基準シンボルを二進「1」または「0」に設定することによって、基準シンボルを変調する。現送信レートを示すかかる低レート制御チャネルを形成することにより、IS-95Aバースト型送信の代わりに、連続逆チャネル送信方式をサブ・レート送信に利用することが可能となる。
【0007】
本発明は、サブ・レート送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて、送信レートを送信する方法を含む。即ち、この送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、フレームの各々は、特定の送信レートで送信される。本方法は、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信する多数のフレームについて送信レートを判定する段階と、次いでこの多数のフレームの送信レートを示す低レート制御チャネルと共に、多数のフレームを第1通信ユニットから第2通信ユニットに送信するステップから成る。好適実施例では、低レート制御チャネルは、正常に送信するチャネル上に変調され、前述のように、これを利用して、多数のフレームの送信レートを示す。
【0008】
本発明の第1実施例では、低レート制御チャネルは、フレームの送信レートを拡散コードの極性上に変調することによって形成する。即ち、連続逆チャネル送信方式を利用し特定の送信レートで動作しているリモート・ユニットが、現在または今後のデータ・トラフィック・チャネル・レートに応じて、各ウォルシュ・コードの極性(または位相)を設定することによって、送信レートを変調する。基準コヒーレント送信方式を利用する(即ち、インターリーブ・データ・シンボル間に基準シンボルを分散させる)本発明の第2実施例では、基準シンボルを二進「1」または「0」に等しく設定することによって、特定の送信レートを基準シンボル上に変調する。
【0009】
前述の本発明は、現送信レートを示す低レート制御チャネルの送信を例示したが、本発明は、更に、先の送信した低レート制御チャネルの受信,およびその後のデコードも含む。即ち、連続送信方式をサブ・レート逆チャネル送信に利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを判定する方法を提供する。この送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、フレームの各々は特定の送信レートで送信される。この方法は、多数のフレームを低レート制御チャネルと共に第1通信ユニットから受信する段階を含む。先に論じたように、低レート制御チャネルは、正常に送信されるチャネル上に変調され、これを用いて、多数のフレームの送信レートを示す。低レート制御チャネルから、多数のフレームの送信レートを判定する。
【0010】
先に論じたように、第1実施例では、低レート制御チャネルは、多数の拡散コードの極性上に送信レートを変調することによって形成され、この低レート制御チャネルを受信する。第2実施例では、低レート制御チャネルは、基準シンボルを二進「1」または「0」に等しく設定することによって、基準シンボル上に変調する。
【0011】
本発明の第1実施例にしたがって、かかる低レート制御チャネルを送信するために、本発明は、サブ・レート送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する装置を提供する。この装置は、データを入力として有し、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信する複数のフレームの送信レートを出力するエンコーダを含む。この装置は、更に、多数のフレームおよび送信レートを入力として有し、拡散コードまたはその逆のいずれかで多数のフレームを拡散することによって変調した送信レートと共に、多数のフレームを出力し、拡散データ・シーケンスを利用して送信レートを示す瞬時トラフィック・チャネル利得計算部を含む。更に、本装置は、多数のフレームを、その上に変調された送信レートと共に入力として有し、第1通信ユニットから第2通信ユニットに多数のフレームを送信する送信機を含む。
【0012】
本発明の第2実施例にしたがって(即ち、RC型送信を利用して)かかる低レート制御チャネルを送信するために、本発明は、サブ・レート送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する装置を提供する。この装置は、データを入力として有し、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信する複数のフレームの送信レートを出力するエンコーダと、多数のフレームおよび送信レートを入力として有し、インターリーブ・フレームの間に基準シンボルを分散させた多数のフレームを出力し、基準シンボルを変化させることにより、基準シンボル上に追加的に送信レートを変調し、基準シンボルのシーケンスを利用して送信レートを示す、瞬時トラフィック・チャネル利得計算部とを含む。最後に、この装置は、多数のフレームを、その上に変調された送信レートと共に入力として有し、第1通信ユニットから第2通信ユニットに多数のフレームを送信する送信機を含む。
【0013】
本発明の第1実施例にしたがってかかる低レート制御チャネルを受信するために、本発明は、サブ・レート逆チャネル送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを受信する装置を提供する。この装置は、送信レートが変調された多数のフレームを入力として有し、拡散コードまたはその逆のいずれかによって多数のフレームを拡散し、拡散データ・シーケンスを生成する受信機を含む。この拡散データ・シーケンスを利用して送信レートを示す。更に、受信機は多数のフレームを出力する。また、この装置は、前述のフレームを入力として有し、送信レートを出力するレート計算部も含む。
【0014】
本発明の第2実施例にしたがってかかる低レート制御チャネルを受信するために、本発明は、サブ・レート逆チャネル送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを受信する装置を提供する。この装置は、多数のインターリーブ・フレームを入力として有する受信機を含む。インターリーブ・フレーム上には送信レートが変調され、フレーム間に分散した基準シンボルを含む。基準シンボルを変化させることによって、追加的に基準シンボル上に送信レートを変調し、基準シンボル・シーケンスを利用して送信レートを示す。受信機は、出力として、多数のフレームを有する。更に、この装置は、多数のフレームを入力として有し、送信レートを出力するレート計算部も含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1図は、本発明が用いる種々のレートにおけるパワー制御群のIS-95A型送信を示す。明らかであろうが、本発明の好適実施例は、全ての送信レートに対してあらゆるパワー制御群(PCG)を利用する。これは、各PCGに関連付けたウォルシュ・コードの冗長送信によって行われる。例えば、先に論じたように、送信される各フレームは16PCGに分割され、一方これらは6つのウォルシュ・コードから成る。フル・レートでの送信の間、各PCG内の6つのウォルシュ・コードは全て1回だけ送信される(IS-95Aに記載されている通り)。サブ・レート送信の間、ウォルシュ・コードは直ちに繰り返される。例えば、半レート送信の間、各ウォルシュ・コードは同時に2回送信され、一方1/4レートおよび1/8レートのフレームは、同時に各ウォルシュ・コードを4回および8回それぞれ送信する。第1図に示すように、このようにウォルシュ・コードを同時に繰り返す結果、復調およびレート推定のためにウォルシュ・コードが一層素早く使用可能になる。加えて、このようにウォルシュ・コードを繰り返すことにより、時間ダイバシティが得られ、これを受信機が利用することによって、品質の向上,および送信PCGのパワー削減を図る。本発明の好適実施例では、送信パワーは、送信レートを半分にする毎に3dBずつ減少する。例えば、半レート送信における送信パワーは、フル・レートにおけるそれの半分となる。ウォルシュ・コードの繰り返しのために、システムに送信されるビット当たりの全エネルギ量は不変となる。
【0016】
次に第2図を参照して、本発明を利用する通信ユニット200内に収容されたCDMA逆チャネル送信機のブロック図を示す。送信機200は、畳み込みエンコーダ212,インターリーバ217,直交エンコーダ220,変調器252,アップコンバータ256,および瞬時トラフィック・チャネル利得計算部(ITC:instantaneous traffic channel gain computer)201を含む。
【0017】
動作の間、信号210(トラフィック・チャネル・データ・ビット)がボイス・エンコーダ(ボコーダ)によって出力され、特定の送信レート(例えば、9.6kビット/秒)で畳み込みエンコーダ212によって受信される。入力トラフィック・チャネル・データ・ビット210は、典型的に、ボコーダによってデータに変換された音声,純粋なデータ,またはこれら2種類のデータの組み合わせを含み、特定のデータ・レート(即ち、フル・レート,1/2レート、1/4レート、1/8レート...等)で出力される。畳み込みエンコーダ212は、送信レートを判定し、入力データ・ビット210を固定エンコード・レートでデータ・シンボルにエンコードする。この際、後に行うデータ・シンボルのデータ・ビットへの最尤デコードを容易にするエンコード・アルゴリズムを用いる(例えば、畳み込みまたはブロック・コーディング・アルゴリズム)。例えば、畳み込みエンコーダ212は、1データ・ビット対3データ・シンボルの固定レート(即ち、レート1/3)で、入力データ・ビット210をエンコードし(9.6kビット/秒のレートで受信する)、畳み込みエンコーダ212は28.8kシンボル/秒のレートでデータ・シンボル214を出力する。
【0018】
次に、データ・シンボル214はインターリーバ217に入力される。インターリーバ217は、シンボル・レベルでデータ・シンボル214をインターリーブする。インターリーバ217では、データ・シンボル214は、マトリクスが1列ずつ満たされていくように、マトリクス内の位置に個々に入力される。データ・シンボル214は、マトリクスが1行ずつ空になっていくように、マトリクス内の位置から個別に出力される。典型的に、マトリクスは行の数が列の数に等しい正方行列であるが、他のマトリクス形態を選択し、連続的に入力される非インターリーブ・データ・シンボル間の出力インターリーブ距離を延長することも可能である。インターリーブ・データ・シンボル218は、インターリーバ217によって、これらが入力されたのと同じデータ・シンボル・レートで出力される(例えば、28.8kシンボル/秒)。マトリクスによって規定されるデータ・シンボルのブロックの所定サイズは、所定長の送信ブロック以内の所定シンボル・レートで送信可能なデータ・シンボルの最大数から得られる。例えば、フル・レートでの送信では、送信ブロックの所定長が20ミリ秒である場合、データ・シンボルのブロックの所定長は、9.6kシンボル/秒に20ミリ秒を乗算し、更に3倍して求める。これは、576データ・シンボルに等しく、24x24マトリクスを規定する。
【0019】
インターリーブ・データ・シンボル218は、直交エンコーダ220に入力される。IS-95型送信直交エンコーダ220は、インターリーブ・データ・シンボル218をM進変調する(M-ary modulate)。例えば、64進直交エンコードでは、6つのインターリーブ・データ・シンボル218から成るシーケンスが、各々、64シンボル直交コードで置換される。これら64直交コードは、64x64アダマール・マトリクスからのウォルシュ・コードに対応することが好ましい。64x64アダマール・マトリクスでは、1つのウォルシュ・コードが当該マトリクスの単一の行または列となる。直交エンコーダ220は繰り返しウォルシュ・コード222を出力する。その回数は、決定されるフレーム・レートによって異なる(第1図に示した通りである)。
【0020】
ITC201は、基地局から受信したパワー制御コマンドに基づいて、トラフィック・チャネル利得値Gtch244を更新する。加えて(以下で論ずる)、本発明の第1実施例では、基準シンボルをインターリーブ・データ・シンボル間に分散させ、ITC201は、基準シンボルを変調し、低レート制御チャネルを形成する。本発明の第2実施例では(以下で論ずる)、ITC201は、現在または今後のデータ・トラフィック・チャネル・レート(エンコーダ212から受信する)に応じて、Gtch244の極性を設定する。言い換えると、本発明の第2実施例では、Gtchの極性を変調し、正常に送信される情報(即ち、正常に送信される拡散(ウォルシュ)コード)上に変調された低レート制御チャネルを生成する。これが現送信レートを示す。本発明の好適実施例では、ウォルシュ・コードおよび基準ビットの変調を少なくとも25%だけ直前のフレーム内に前送りするので、受信機300は、ウォルシュ・コード内にエンコードされているレート情報をデコードし、これに対して作用するだけの十分な時間を有する。次いで、Gtch244は、乗算器240に出力され、乗算器240はウォルシュコード222の振幅を利得値Gtch244と乗算し、その結果、振幅重み付けし極性変調したウォルシュ・コード242のシーケンスが得られる。振幅重み付けおよび極性変調ウォルシュ・コード242のシーケンスは、変調器252によって、通信チャネル上での送信のために用意されたものである。PN発生器227は拡散コードを与え、拡散コードは乗算器240からの出力と結合される。拡散コードは、固定のチップ・レート(例えば、1.228Mチップ/秒)で出力される特定のシンボル・シーケンスである。実際には、コード拡散エンコード・チップは、1対の疑似ランダム(PN)コードであり、I−チャネルおよびQ−チャネル・コード拡散シーケンス226を発生するために用いられる。I−チャネルおよびQ−チャネル・コード拡散シーケンス226は、シヌソイドの直交対(quadrature pair of sinusoids)のパワー・レベル制御を駆動することによって、当該シヌソイドの対をバイフェーズ変調するために用いられる。シヌソイド出力信号は、加算され、バンドパス濾波され、RF周波数に変換され、増幅され、アップコンバータ256によって濾波され、アンテナ258によって放射され、チャネル・データ・ビット210の送信を完了する。
【0021】
第3図は、本発明の好適実施例による可変レート送信の受信のために通信ユニット300内部に収容された、CDMA基地局の受信機のブロック図である。直交エンコードされたスペクトル拡散ディジタル信号330は、受信アンテナ331において受信され、受信機332によって増幅された後、ディスプレッダ336によって同相成分340および直交成分338に逆拡散される。逆拡散ディジタル・サンプルの成分338,340は、次に、サンプル信号の所定長群(例えば、64サンプル長群)に集合化され、これらは個々にアダマール変換器342,344の形態の直交デコーダに入力され、直交デコーダは、直交エンコード信号成分を逆拡散し、それぞれ、複数の逆拡散信号成分346,360を生成する(例えば、64サンプル長群を入力した場合、64個の逆拡散信号が発生する)。加えて、各変換器の出力信号346,360は、関連するウォルシュ・インデックス・シンボルを有し、これが、1組の相互直交コード内から各特定の直交コードを識別する(例えば、64サンプル長群を入力した場合、6ビット長のインデックス・データ・シンボルを、変換器出力信号に関連付け、変換器の出力信号が対応する特定の64ビット長直交コードを示すことができる)。次に、出力346,360は復調器368によって復調される。復調されたデータ370は、次に、デコーダ376による最終的な最尤デコードの前に、ディインターリーバ372によってディインターリーブされる。
【0022】
復調器368およびデコーダ376が適正に動作するためには、これらにリモート・ユニットの現送信レートを供給しなければならない。復調器368およびデコーダ376が、ウォルシュ・コード送信におけるあらゆる繰り返しを考慮することができるためには、現送信レートが必要となる。本発明の好適実施例では、レート計算部375が、復調器368およびデコーダ376に適正な送信レートを供給するように動作する。レート計算部375の動作について以下に説明する。
【0023】
本発明の好適実施例では、リモート・ユニットは、IS-95型送信が利用されるか、あるいは基準コヒーレント(RC)型送信が利用されるかに応じて、2つのアクセス方法を利用して送信することができる。Lingによる米国特許番号第5,329,547号、METHOD AND APPARATUS FOR COHERENT COMMUNICAITON IN A SPREAD-SPECTRUM COMMUNICATION SYSTEMに記載されているように、RC型送信の間、基準シンボルはインターリーブ・データ・シンボル218間に分散される。これらの基準シンボルは、同期の目的のために利用され、直交エンコードの前に、インターリーバ217によって挿入される。例えば、Lingに記載されているように、二進「1」を、3つ置きの連続インターリーブ・データ・シンボルの後ろに挿入する。次に、これらの基準シンボル(およびインターリーブ・データ・シンボル)は各々直交エンコーダ220によって、ウォルシュ・コード拡散シーケンスと乗算され、送信され、受信機によって同期を促進するために利用される。本発明の好適実施例による送信機200の動作の間、これらの参照シンボルは、ITC201によって変調され、正常に送信されるチャネル(即ち、送信基準ビット)上に変調された、低レート制御チャネルを形成する。これが、現送信レートを示す。加えて、基準ビットの変調は、少なくとも25%だけ、直前のフレーム内に前送りされ、受信機に、基準シンボル内にエンコードされているレート情報をデコードし、これに対して作用するだけの十分な時間を与える。言い換えると、フレームNの送信レートに関する情報は、(少なくとも)フレームN−1の最後の1/4に含まれている。従来技術のRC送信と好適実施例によるRC送信との比較を第4図および第5図に示す。
【0024】
第4図は、従来技術の基準コヒーレント型送信における同期に利用する基準シンボルの挿入を示す。先に論じたように、各パワー制御群は、48個のウォルシュ・コードから成り、36個のエンコード・データ・シンボルおよび12個の基準シンボルを表わす。従来技術のRC送信は、3つ置きのシンボルを基準ビット401として利用し、3つ置きのシンボル・スロットに二進「1」を挿入する。先に論じたように、受信機は基準シンボル401を利用して同期を促進する。本発明の好適実施例では、基準シンボルは、変調され、低レート(例えば、20ms毎に2ビットの情報)シグナリング・チャネルとして変調されかつ利用され、送信レートを示す。これを第5図に示す。第5図では、基準ビットは、「1」または「0」のいずれでも可能である。加えて、第5図の試験によって、基準シンボル501ないし517(二進「1」または「0」に等しい)を利用してフレームK+1の送信レートを示し、K番目のフレームに8つのスロットを先送りしたことがわかる。本発明の好適実施例では、エンコーダ220において基準シンボル501ないし517と置換するウォルシュ・シンボルは、ITC201によって次のように変調される。
【0025】
変化/無変化を示す2レベル変調では(例えば、最大または1/8レートのみが許される)、
無変化: 101010
変化: 111111となる。
【0026】
上昇レート,同一レート,または低下レートを示す3レベル変調では(例えば、3つの許されたレート、または1つ以上のフレームからフレームのレート・ジャンプが許されない場合、それ以上)、
上昇レート: 101010/101010
同一レート: 111111/111111
低下レート: 110011/001100となる。
【0027】
正確なレートを示す4レベル変調では、
フル・レート: 101010/101010
半レート: 111111/111111
1/4レート: 110011/001100
1/8レート: 111100/001111となる。
【0028】
IS-95A型送信の間、現送信レートは、エンコード・データ・シンボルによって表わされる。これらは、1回に6つずつ、当該6つのシンボルが表わす64ビット・ウォルシュ・コードで置換される。本発明の好適実施例では、送信レートの変調は、ウォルシュ・コードをその逆で置換することによって行われる。かかる変調方式は、Schaffner et al.による米国特許番号第5465269号、METHOD AND APPARATUS FOR ENCODING AND DECODING A SUPPLEMENTARY SIGNALに記載されている。この種の変調を第6図に示す。第6図に示すように、各ウォルシュ・コードは反転することができ、送信されたウォルシュ・コード・シーケンスを利用して、送信レートを判定することができる。かかる変調方式は、以下のようにウォルシュ・コードを変調することによって行うことができる。
【0029】
変化/無変化を示す2レベル変調では(例えば、最大または1/8レートのみが許される)各PCG内のウォルシュ・コードの位相に次の値を乗算する。
無変化: 101010
変化: 111111
上昇レート,同一レート,または低下レートを示す3レベル変調では(例えば、3つの許されたレート、または1つ以上のフレームからフレームへのレート・ジャンプが許されない場合、それ以上)、各PCG対内のウォルシュ・コードの位相に次の値を乗算する。
【0030】
上昇レート: 101010/101010
同一レート: 111111/111111
低下レート: 110011/001100
正確なレートを示す4レベル変調では、各PCG対内のウォルシュ・コードの位相に次の値を乗算する。
【0031】
フル・レート: 101010/101010
半レート: 111111/111111
1/4レート: 110011/001100
1/8レート: 111100/001111
ここで、1は直前にシンボルから位相に変化がないことを示し、0は180°位相変化を示す。したがって、第6図は、フレームの最初の2つのパワー制御群に対する101010/101010の変調を示す。先に論じたように、ウォルシュ・コードの変調は、直前のフレームに少なくとも25%先送りされるので、受信機は、基準シンボル内にエンコードされているレート情報をデコードしそれに作用する十分な時間量を有する。
【0032】
IS-95A型送信またはRC型送信のいずれが用いられていても、本発明の好適実施例では、フレーム境界におけるパワー不連続性を分析し、送信レートの判定に役立てる。例えば、先に論じたように、送信レートを半分にする毎にパワーは3dBずつ減少する。本発明の好適実施例では、レート計算部375は、送信パワーにおけるあらゆる増大または減少を分析し、送信レートの判定に役立てる。第7図は、レート計算部375を動作させる好適な方法を示す。ステップ701において、レート計算部375は、K番目のフレームの最後の部分(例えば、最後のPCG)について受信した現パワーを分析する。ステップ703において、(K+1)番目のフレームの最初の部分(例えば最初のPCG)について、受信パワーを算出する。次に、受信パワーの差を分析し(ステップ705)、この受信パワーの差に基づいて、レートを算出する。例えば、約3dBの受信パワー増大は、送信レートが2倍になったことの強い可能性を示す。言い換えると、受信機が現在半レートで動作しており、レート計算部375がフレーム境界において受信パワーに3dBのジャンプを検出した(experience)場合、リモート・ユニットは今ではフル・レートで送信していることの強い可能性がある。
【0033】
第8図は、本発明の第1好適実施例による、第3図のレート計算部375のブロック図である。第1実施例では、連続逆リンク送信(continuous reverse link transmission)を利用してM進ウォルシュ変調を行い、直交シンボルの繰り返し量によってレートを判定する場合に、レート計算部375を利用する。本発明の第1実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。64シンボル直交コードの複素サンプルが、レート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ801ないし807に送出される。本発明の好適実施例では、可能な送信レート毎に1つのブランチが存在し、その特定の送信レートの確率を示すレベルを出力する。例えば、図示のように、ブランチ801は、フル・レート送信が行われている確率を示すレベルを出力し、ブランチ803は、半レート送信が行われている確率を示すレベルを出力し、ブランチ805は、1/4レート送信が行われている確率を示すレベルを出力し、ブランチ807は、1/8レート送信が行われている確率を示すレベルを出力する。各ブランチは、適切な複素(またはベクトル)加算回路809〜814を有し、N個の直交シンボルの複素加算を行う。Nは1,2,4,または8であり、複素加算回路809ないし815が配置されているブランチ801〜807によって異なる。
【0034】
複素加算されたサンプルは、適切なFHT817に渡され、ここで変換処理が行われる。即ち、64サンプル長の群が入力された場合、64個の逆拡散信号が発生する。加えて、各変換器の出力信号は、関連するウォルシュ・インデックス・シンボルを有し、これが1組の相互直交コードから、特定の各直交コードを識別する(例えば、64サンプル長の群が入力される場合、6ビット長のインデックス・データ・シンボルを、変換器の出力信号に関連付け、変換器の出力信号が対応する特定の64ビット長直交コードを示すことができる)。FHT817の出力は、1x64マトリクスであり、送信されるあらゆるウォルシュ・コードの確率を示す。次に、これらのマトリクスは、回路819によって、要素毎に大きさが二乗され、各マトリクス内のあらゆる要素が二乗され、次いで2つの二乗マトリクスを互いに加算し、単一の1x64マトリクスを生成する。次に、回路821が1x64マトリクスから最大の要素を選択し、この値を適切な加算回路に渡す。加算回路では、特定のブランチに応じて、N個の要素が加算され(N=8,4,2,または1)、スケーリングが行われる。スケーリングされた和は、加算ブロック833に渡され、当該フレームの以前にスケーリングされた和に加算される。20msフレーム毎に、合計12個のスケーリングされた和がある。結果的に得られた値および全ての中間値は比較器831に渡され、全てのブランチ801ないし807からの最大値が、利用されている可能性が最も高い送信レートに対応する。例えば、最大値がブランチ801から比較器831に渡された場合、フル・レートの送信が行われており、フル・レートの送信を示す値が、レート計算部375から出力される。
【0035】
第9図は、本発明の第2好適実施例による、第3図のレート計算部のブロック図である。第2実施例では、レート計算部375を利用するのは、連続逆リンク送信を利用してRC型変調が行われ、データ・シンボルの繰り返し量によってレートを判定する場合である。
【0036】
本発明の第2実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。逆拡散データおよび基準複素シンボル・サンプルがレート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ901〜907に送出される。先に論じたように、可能な各送信レート毎に1つのブランチが存在し、当該特定の送信レートの確率を示すレベルを出力する。複素サンプルは、ディマルチプレクサ909によってディマルチプレクスされ、基準シンボルがデータから剥ぎ取られる。データはディマルチプレクサ909から出力され、適切な加算回路911ないし917に入力する。先に論じたように、各ブランチは適切な加算回路911ないし917を有し、N個のサンプルを加算する。Nは1,2,4,または8であり、加算回路911ないし917が配置されているブランチ901〜907によって異なる。
【0037】
加算された複素サンプルは、次に回路919によって、大きさが二乗され、適切な加算器/スケーラ921ないし927に渡され、特定のブランチに応じて、N個のサンプルが加算され(N=8,4,2,1)、スケーリングが行われる。スケーリングされた和は、加算ブロック929に渡され、ここで以前にスケーリングされた和に加算される。20msフレーム内に合計で72個のスケーリングされた和がある。結果的に得られた値および全ての中間値が比較器931に渡され、ここで(先に論じたように)、渡された最大値が、利用されている特定の送信レートに対応する。
【0038】
第10図は、本発明の第3好適実施例による、第3図のレート計算部のブロック図である。第3実施例では、レート計算部375が利用されるのは、連続逆リンク送信を利用してRC型変調が行われ、送信レートを基準ビットの送信上に変調する場合である。本発明の第3実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。複素データおよび基準シンボル・サンプルがレート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ1001ないし1007に送出される。先に論じたように、可能な送信レート毎に1つのブランチがあり、特定の送信レートが利用されている確率を示すレベルを出力する。次に、サンプルは、ディマルチプレクサ1009によってディマルチプレクスされ、基準シンボルからデータが剥ぎ取られる。次に、基準シンボルはディマルチプレクサ1009から出力され、混合回路1011に入力され、所定の値と乗算される。好適実施例では、各ブランチ1001ないし1007は、当該レートに用いられる変調方式に対応する適切な所定の値を有する。例えば、好適実施例では、フル・レートのブランチ1001は、"101010101010"を利用し、ディマルチプレクサ1009の出力と混合する。
【0039】
次に、混合サンプルは、1度に16個ずつ回路1019によって加算され、回路1021に渡される。ここで、加算された混合サンプルの大きさを二乗する。
ブロック加算回路1019の代わりとして、最後の(16+4*N)個のサンプルの連続加算(running sum)を行う。ここで、Nは無線チャネル相関時間に比例する整数であり、各4サンプル毎に中間結果を渡す。次に、値は適切な加算器/スケーラ1023ないし1028に渡され、以前の値に加算され、スケーリングが行われる。スケーリングによって得られた値および全ての中間値は比較器1031に渡され、ここで(先に論じたように)、渡された最大値が、利用されている特定の送信レートに対応する。
【0040】
第11図は、本発明の第4実施例による、第3図のレート計算部のブロック図である。第4実施例では、レート計算部が利用されるのは、連続逆リンク送信を利用してM進変調を行い、ウォルシュ・コード送信(即ち、ウォルシュ・コードの極性)上に送信レートを変調する場合である。本発明の第4実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。64シンボル直交コードの複素シンボル・サンプルがレート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ1101ないし1107に送出される。サンプルは混合回路1111に入力され、直交シンボル・レートで所定の値と乗算される。好適実施例では、各ブランチ1101ないし1107は、用いる変調方式に対応する適切な値を有する。例えば、好適実施例では、フル・レートのブランチ1101は"101010101010"を利用して、サンプル入力と混合する。ここで、「1」は無変化を示し、「0」は符号の変化を示す。
【0041】
次に、混合サンプルは、FHT1113に出力され、変換処理が行われる。即ち、64サンプル長の群が入力される場合、64個の逆拡散信号が発生する。加えて、各変換器の出力信号は、関連するウォルシュ・インデックス・シンボルを有し、これが、1組の相互直交コード内から各特定の直交コードを識別する(例えば、64サンプル長群を入力した場合、6ビット長のインデックス・データ・シンボルを、変換器出力信号に関連付け、変換器の出力信号が対応する特定の64ビット長直交コードを示すことができる)。FHT1113の出力は、2つの1x64マトリクスであり、あらゆるウォルシュ・コードの送信されている確率を示す。64個のベクトルの内最大のものが回路1115において選択され、その大きさおよび位相が加算回路1117に渡される。加算回路1117は、回路1115の出力を1度に8個ずつベクトル加算し、その結果を大きさ二乗回路1119に渡す。ブロック加算回路1117の代わりとして、最後の(8*N)個のサンプルの連続加算(running sum)を行う。ここで、Nは無線チャネル相関時間に比例する整数であり、各4サンプル毎に中間結果を渡す。位相推定回路1115,1117の代替物が、R.WaltonおよびM.Wallaceの"Near maximum likelihood demodulation for M-ary orthogonal signaling"(Proceedings of VTC-93,pp 5-8)に記載されている。最後に、大きさを二乗したサンプルを適切な加算器/スケーラ1121ないし1127に渡し、ここで12個のサンプルを加算し、スケーリングを行う。得られた値および全ての中間値を比較器1129に渡し、ここで(先に論じたように)、渡された最大値が、利用されている特定の送信レートに対応する。フレームの先頭では、第8図ないし第11図の加算回路は全て、その内容が0にリセットされていることを注記しておく。
【0042】
前述の本発明,具体的な詳細,および図面の説明は、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。例えば、レート計算部375の組み合わせが可能である。即ち、比較を行う前に、ブランチ801ないし807の出力をそれぞれブランチ1101ないし1107の重み付け出力に加算することによって、第8図に示した直交シンボル繰り返し方法を、第11図の直交シンボル変調方法と組み合わせることも可能である。同様に、比較931を行う前に、ブランチ901ないし907の出力をそれぞれブランチ1001ないし1007の重み付け出力に加算することによって、第9図のRC型変調データシンボル繰り返し方法を、第10図のRC型基準ビット変調方法と組み合わせることも可能である。加えて、前述のように、現フレームの先頭と直前のフレームの終端との間の受信パワーにおける差を、他のいずれかと組み合わせることも可能である。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が本発明に可能であることは、本発明者の意向であり、かかる変更は全て以下の請求項の範囲に該当するものと見なすこととする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明が用いる種々のレートにおけるパワー制御群の送信を示す。
【図2】本発明の好適実施例によるリモート・ユニットの送信機のブロック図である。
【図3】本発明の好適実施例による基地局の受信機のブロック図である。
【図4】従来技術の基準コヒーレント型送信における同期に利用される基準シンボルの挿入を示す。
【図5】本発明の好適実施例による基準コヒーレント型送信における同期およびレート決定に利用される基準シンボルの挿入を示す。
【図6】本発明の好適実施例によるレート決定に利用されるウォルシュ・コード変調を示す。
【図7】本発明の好適実施例による第3図のレート計算部の動作を示すフロー・チャートである。
【図8】本発明の第1好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【図9】本発明の第2好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【図10】本発明の第3好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【図11】本発明の第4好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、CDMA(符号分割多元接続)通信システムに関し、更に特定すれば、CDMA通信システムの送信レートの送信および受信に関するものである。
【背景技術】
【0002】
符号分割多元接続(CDMA)通信システム内における通信ユニット間の現在の通信については、TIA/EIA Interim Standard IS-95A,Mobile Station-Base Station Compatibility Standards for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular Systems,Telecommunications Industry Association,Washington,DC July 1993(IS-95A)に詳しく記載されている。その内容は、本願でも使用可能である。IS-95Aに記載されているように、フル・レート未満の逆チャネル送信レートを利用する場合、不連続(バースト型)信号が送信される。この信号は、長さが20ms(ミリ秒)の論理フレームに分割され、各フレームが個々の送信レートで送信される。フレームは、更に16個の更に小さな部分(即ち、スロット)に分割される。これらは、パワー制御群と呼ばれる。基地局の復調器は、リモート・ユニットから受信した各パワー制御群のエネルギを推定する。エネルギがスレシホルド(Es)より高い場合、基地局はリモート・ユニットに向けてパワー制御信号を返送し、その送信パワーを減少させる。エネルギがEs未満である場合、パワー制御信号をリモート・ユニットに発信し、その送信パワーを増大させる。
【0003】
1/4レートのようなフル・レートでない送信レートにおいて、問題が生ずる。今日、1/4レート送信では、1フレーム内のパワー制御群の1/4、即ち、4つにおいてのみ送信される。フレーム内の残りの12個のパワー制御群では、何も送信されない。しかしながら、使用されないパワー制御群のエネルギでさえも、測定されEsと比較される。この測定の結果、基地サイトからリモート・ユニットに、パワー制御信号の送信が行われる。現在、どのパワー制御群を用いたかについて追跡し、使用されなかったパワー制御群のエネルギ測定から得られるパワー制御コマンドを無視するか否かは、リモート・ユニットに委ねられている。
【0004】
この問題に対する解決策が、Ghosh et al.の米国特許番号第(連番第08/491,336号)POWER CONTROL FOR CDMA COMMUNICATION SYSTEMS,およびEnglish et al.の米国特許番号第5,528,593号METHOD AND APPARATUS FOR CONTROLLING POWER IN A VARIABLE RATE COMMUNICATION SYSTEMに記載されている。Ghosh et al.およびEnglish et al.に記載されているように、IS-95Aバースト型送信の代わりに、サブ・レート送信には、連続逆チャネル送信方式が利用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる連続送信は、リモート・ユニットがある種のパワー制御コマンドを無視する必要性を解消するが、連続逆チャネル送信は、かかる送信方法を利用するリモート・ユニットの送信レートを決定する代わりの方法を必要とする。したがって、連続逆チャネル送信を利用するCDMA通信システムにおいて、リモート・ユニットの送信レートを送信および受信する方法および装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して言えば、連続逆チャネル送信がウォルシュ・コードの冗長送信によって利用される通信システムにおいて、現送信レートを低レート制御チャネル上に変調する。即ち、連続逆チャネル送信方式を利用して特定の送信レートで動作するリモート・ユニットは、現在または今後のデータ・トラフィック・チャネル・レートに応じて、各ウォルシュ・コードの極性を設定することによって、送信レートを変調する。あるいは、基準コヒーレント(RC:Reference Coherent)型送信を利用する通信システムにおいて、基準シンボルを二進「1」または「0」に設定することによって、基準シンボルを変調する。現送信レートを示すかかる低レート制御チャネルを形成することにより、IS-95Aバースト型送信の代わりに、連続逆チャネル送信方式をサブ・レート送信に利用することが可能となる。
【0007】
本発明は、サブ・レート送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて、送信レートを送信する方法を含む。即ち、この送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、フレームの各々は、特定の送信レートで送信される。本方法は、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信する多数のフレームについて送信レートを判定する段階と、次いでこの多数のフレームの送信レートを示す低レート制御チャネルと共に、多数のフレームを第1通信ユニットから第2通信ユニットに送信するステップから成る。好適実施例では、低レート制御チャネルは、正常に送信するチャネル上に変調され、前述のように、これを利用して、多数のフレームの送信レートを示す。
【0008】
本発明の第1実施例では、低レート制御チャネルは、フレームの送信レートを拡散コードの極性上に変調することによって形成する。即ち、連続逆チャネル送信方式を利用し特定の送信レートで動作しているリモート・ユニットが、現在または今後のデータ・トラフィック・チャネル・レートに応じて、各ウォルシュ・コードの極性(または位相)を設定することによって、送信レートを変調する。基準コヒーレント送信方式を利用する(即ち、インターリーブ・データ・シンボル間に基準シンボルを分散させる)本発明の第2実施例では、基準シンボルを二進「1」または「0」に等しく設定することによって、特定の送信レートを基準シンボル上に変調する。
【0009】
前述の本発明は、現送信レートを示す低レート制御チャネルの送信を例示したが、本発明は、更に、先の送信した低レート制御チャネルの受信,およびその後のデコードも含む。即ち、連続送信方式をサブ・レート逆チャネル送信に利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを判定する方法を提供する。この送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、フレームの各々は特定の送信レートで送信される。この方法は、多数のフレームを低レート制御チャネルと共に第1通信ユニットから受信する段階を含む。先に論じたように、低レート制御チャネルは、正常に送信されるチャネル上に変調され、これを用いて、多数のフレームの送信レートを示す。低レート制御チャネルから、多数のフレームの送信レートを判定する。
【0010】
先に論じたように、第1実施例では、低レート制御チャネルは、多数の拡散コードの極性上に送信レートを変調することによって形成され、この低レート制御チャネルを受信する。第2実施例では、低レート制御チャネルは、基準シンボルを二進「1」または「0」に等しく設定することによって、基準シンボル上に変調する。
【0011】
本発明の第1実施例にしたがって、かかる低レート制御チャネルを送信するために、本発明は、サブ・レート送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する装置を提供する。この装置は、データを入力として有し、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信する複数のフレームの送信レートを出力するエンコーダを含む。この装置は、更に、多数のフレームおよび送信レートを入力として有し、拡散コードまたはその逆のいずれかで多数のフレームを拡散することによって変調した送信レートと共に、多数のフレームを出力し、拡散データ・シーケンスを利用して送信レートを示す瞬時トラフィック・チャネル利得計算部を含む。更に、本装置は、多数のフレームを、その上に変調された送信レートと共に入力として有し、第1通信ユニットから第2通信ユニットに多数のフレームを送信する送信機を含む。
【0012】
本発明の第2実施例にしたがって(即ち、RC型送信を利用して)かかる低レート制御チャネルを送信するために、本発明は、サブ・レート送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する装置を提供する。この装置は、データを入力として有し、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信する複数のフレームの送信レートを出力するエンコーダと、多数のフレームおよび送信レートを入力として有し、インターリーブ・フレームの間に基準シンボルを分散させた多数のフレームを出力し、基準シンボルを変化させることにより、基準シンボル上に追加的に送信レートを変調し、基準シンボルのシーケンスを利用して送信レートを示す、瞬時トラフィック・チャネル利得計算部とを含む。最後に、この装置は、多数のフレームを、その上に変調された送信レートと共に入力として有し、第1通信ユニットから第2通信ユニットに多数のフレームを送信する送信機を含む。
【0013】
本発明の第1実施例にしたがってかかる低レート制御チャネルを受信するために、本発明は、サブ・レート逆チャネル送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを受信する装置を提供する。この装置は、送信レートが変調された多数のフレームを入力として有し、拡散コードまたはその逆のいずれかによって多数のフレームを拡散し、拡散データ・シーケンスを生成する受信機を含む。この拡散データ・シーケンスを利用して送信レートを示す。更に、受信機は多数のフレームを出力する。また、この装置は、前述のフレームを入力として有し、送信レートを出力するレート計算部も含む。
【0014】
本発明の第2実施例にしたがってかかる低レート制御チャネルを受信するために、本発明は、サブ・レート逆チャネル送信に連続送信方式を利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを受信する装置を提供する。この装置は、多数のインターリーブ・フレームを入力として有する受信機を含む。インターリーブ・フレーム上には送信レートが変調され、フレーム間に分散した基準シンボルを含む。基準シンボルを変化させることによって、追加的に基準シンボル上に送信レートを変調し、基準シンボル・シーケンスを利用して送信レートを示す。受信機は、出力として、多数のフレームを有する。更に、この装置は、多数のフレームを入力として有し、送信レートを出力するレート計算部も含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1図は、本発明が用いる種々のレートにおけるパワー制御群のIS-95A型送信を示す。明らかであろうが、本発明の好適実施例は、全ての送信レートに対してあらゆるパワー制御群(PCG)を利用する。これは、各PCGに関連付けたウォルシュ・コードの冗長送信によって行われる。例えば、先に論じたように、送信される各フレームは16PCGに分割され、一方これらは6つのウォルシュ・コードから成る。フル・レートでの送信の間、各PCG内の6つのウォルシュ・コードは全て1回だけ送信される(IS-95Aに記載されている通り)。サブ・レート送信の間、ウォルシュ・コードは直ちに繰り返される。例えば、半レート送信の間、各ウォルシュ・コードは同時に2回送信され、一方1/4レートおよび1/8レートのフレームは、同時に各ウォルシュ・コードを4回および8回それぞれ送信する。第1図に示すように、このようにウォルシュ・コードを同時に繰り返す結果、復調およびレート推定のためにウォルシュ・コードが一層素早く使用可能になる。加えて、このようにウォルシュ・コードを繰り返すことにより、時間ダイバシティが得られ、これを受信機が利用することによって、品質の向上,および送信PCGのパワー削減を図る。本発明の好適実施例では、送信パワーは、送信レートを半分にする毎に3dBずつ減少する。例えば、半レート送信における送信パワーは、フル・レートにおけるそれの半分となる。ウォルシュ・コードの繰り返しのために、システムに送信されるビット当たりの全エネルギ量は不変となる。
【0016】
次に第2図を参照して、本発明を利用する通信ユニット200内に収容されたCDMA逆チャネル送信機のブロック図を示す。送信機200は、畳み込みエンコーダ212,インターリーバ217,直交エンコーダ220,変調器252,アップコンバータ256,および瞬時トラフィック・チャネル利得計算部(ITC:instantaneous traffic channel gain computer)201を含む。
【0017】
動作の間、信号210(トラフィック・チャネル・データ・ビット)がボイス・エンコーダ(ボコーダ)によって出力され、特定の送信レート(例えば、9.6kビット/秒)で畳み込みエンコーダ212によって受信される。入力トラフィック・チャネル・データ・ビット210は、典型的に、ボコーダによってデータに変換された音声,純粋なデータ,またはこれら2種類のデータの組み合わせを含み、特定のデータ・レート(即ち、フル・レート,1/2レート、1/4レート、1/8レート...等)で出力される。畳み込みエンコーダ212は、送信レートを判定し、入力データ・ビット210を固定エンコード・レートでデータ・シンボルにエンコードする。この際、後に行うデータ・シンボルのデータ・ビットへの最尤デコードを容易にするエンコード・アルゴリズムを用いる(例えば、畳み込みまたはブロック・コーディング・アルゴリズム)。例えば、畳み込みエンコーダ212は、1データ・ビット対3データ・シンボルの固定レート(即ち、レート1/3)で、入力データ・ビット210をエンコードし(9.6kビット/秒のレートで受信する)、畳み込みエンコーダ212は28.8kシンボル/秒のレートでデータ・シンボル214を出力する。
【0018】
次に、データ・シンボル214はインターリーバ217に入力される。インターリーバ217は、シンボル・レベルでデータ・シンボル214をインターリーブする。インターリーバ217では、データ・シンボル214は、マトリクスが1列ずつ満たされていくように、マトリクス内の位置に個々に入力される。データ・シンボル214は、マトリクスが1行ずつ空になっていくように、マトリクス内の位置から個別に出力される。典型的に、マトリクスは行の数が列の数に等しい正方行列であるが、他のマトリクス形態を選択し、連続的に入力される非インターリーブ・データ・シンボル間の出力インターリーブ距離を延長することも可能である。インターリーブ・データ・シンボル218は、インターリーバ217によって、これらが入力されたのと同じデータ・シンボル・レートで出力される(例えば、28.8kシンボル/秒)。マトリクスによって規定されるデータ・シンボルのブロックの所定サイズは、所定長の送信ブロック以内の所定シンボル・レートで送信可能なデータ・シンボルの最大数から得られる。例えば、フル・レートでの送信では、送信ブロックの所定長が20ミリ秒である場合、データ・シンボルのブロックの所定長は、9.6kシンボル/秒に20ミリ秒を乗算し、更に3倍して求める。これは、576データ・シンボルに等しく、24x24マトリクスを規定する。
【0019】
インターリーブ・データ・シンボル218は、直交エンコーダ220に入力される。IS-95型送信直交エンコーダ220は、インターリーブ・データ・シンボル218をM進変調する(M-ary modulate)。例えば、64進直交エンコードでは、6つのインターリーブ・データ・シンボル218から成るシーケンスが、各々、64シンボル直交コードで置換される。これら64直交コードは、64x64アダマール・マトリクスからのウォルシュ・コードに対応することが好ましい。64x64アダマール・マトリクスでは、1つのウォルシュ・コードが当該マトリクスの単一の行または列となる。直交エンコーダ220は繰り返しウォルシュ・コード222を出力する。その回数は、決定されるフレーム・レートによって異なる(第1図に示した通りである)。
【0020】
ITC201は、基地局から受信したパワー制御コマンドに基づいて、トラフィック・チャネル利得値Gtch244を更新する。加えて(以下で論ずる)、本発明の第1実施例では、基準シンボルをインターリーブ・データ・シンボル間に分散させ、ITC201は、基準シンボルを変調し、低レート制御チャネルを形成する。本発明の第2実施例では(以下で論ずる)、ITC201は、現在または今後のデータ・トラフィック・チャネル・レート(エンコーダ212から受信する)に応じて、Gtch244の極性を設定する。言い換えると、本発明の第2実施例では、Gtchの極性を変調し、正常に送信される情報(即ち、正常に送信される拡散(ウォルシュ)コード)上に変調された低レート制御チャネルを生成する。これが現送信レートを示す。本発明の好適実施例では、ウォルシュ・コードおよび基準ビットの変調を少なくとも25%だけ直前のフレーム内に前送りするので、受信機300は、ウォルシュ・コード内にエンコードされているレート情報をデコードし、これに対して作用するだけの十分な時間を有する。次いで、Gtch244は、乗算器240に出力され、乗算器240はウォルシュコード222の振幅を利得値Gtch244と乗算し、その結果、振幅重み付けし極性変調したウォルシュ・コード242のシーケンスが得られる。振幅重み付けおよび極性変調ウォルシュ・コード242のシーケンスは、変調器252によって、通信チャネル上での送信のために用意されたものである。PN発生器227は拡散コードを与え、拡散コードは乗算器240からの出力と結合される。拡散コードは、固定のチップ・レート(例えば、1.228Mチップ/秒)で出力される特定のシンボル・シーケンスである。実際には、コード拡散エンコード・チップは、1対の疑似ランダム(PN)コードであり、I−チャネルおよびQ−チャネル・コード拡散シーケンス226を発生するために用いられる。I−チャネルおよびQ−チャネル・コード拡散シーケンス226は、シヌソイドの直交対(quadrature pair of sinusoids)のパワー・レベル制御を駆動することによって、当該シヌソイドの対をバイフェーズ変調するために用いられる。シヌソイド出力信号は、加算され、バンドパス濾波され、RF周波数に変換され、増幅され、アップコンバータ256によって濾波され、アンテナ258によって放射され、チャネル・データ・ビット210の送信を完了する。
【0021】
第3図は、本発明の好適実施例による可変レート送信の受信のために通信ユニット300内部に収容された、CDMA基地局の受信機のブロック図である。直交エンコードされたスペクトル拡散ディジタル信号330は、受信アンテナ331において受信され、受信機332によって増幅された後、ディスプレッダ336によって同相成分340および直交成分338に逆拡散される。逆拡散ディジタル・サンプルの成分338,340は、次に、サンプル信号の所定長群(例えば、64サンプル長群)に集合化され、これらは個々にアダマール変換器342,344の形態の直交デコーダに入力され、直交デコーダは、直交エンコード信号成分を逆拡散し、それぞれ、複数の逆拡散信号成分346,360を生成する(例えば、64サンプル長群を入力した場合、64個の逆拡散信号が発生する)。加えて、各変換器の出力信号346,360は、関連するウォルシュ・インデックス・シンボルを有し、これが、1組の相互直交コード内から各特定の直交コードを識別する(例えば、64サンプル長群を入力した場合、6ビット長のインデックス・データ・シンボルを、変換器出力信号に関連付け、変換器の出力信号が対応する特定の64ビット長直交コードを示すことができる)。次に、出力346,360は復調器368によって復調される。復調されたデータ370は、次に、デコーダ376による最終的な最尤デコードの前に、ディインターリーバ372によってディインターリーブされる。
【0022】
復調器368およびデコーダ376が適正に動作するためには、これらにリモート・ユニットの現送信レートを供給しなければならない。復調器368およびデコーダ376が、ウォルシュ・コード送信におけるあらゆる繰り返しを考慮することができるためには、現送信レートが必要となる。本発明の好適実施例では、レート計算部375が、復調器368およびデコーダ376に適正な送信レートを供給するように動作する。レート計算部375の動作について以下に説明する。
【0023】
本発明の好適実施例では、リモート・ユニットは、IS-95型送信が利用されるか、あるいは基準コヒーレント(RC)型送信が利用されるかに応じて、2つのアクセス方法を利用して送信することができる。Lingによる米国特許番号第5,329,547号、METHOD AND APPARATUS FOR COHERENT COMMUNICAITON IN A SPREAD-SPECTRUM COMMUNICATION SYSTEMに記載されているように、RC型送信の間、基準シンボルはインターリーブ・データ・シンボル218間に分散される。これらの基準シンボルは、同期の目的のために利用され、直交エンコードの前に、インターリーバ217によって挿入される。例えば、Lingに記載されているように、二進「1」を、3つ置きの連続インターリーブ・データ・シンボルの後ろに挿入する。次に、これらの基準シンボル(およびインターリーブ・データ・シンボル)は各々直交エンコーダ220によって、ウォルシュ・コード拡散シーケンスと乗算され、送信され、受信機によって同期を促進するために利用される。本発明の好適実施例による送信機200の動作の間、これらの参照シンボルは、ITC201によって変調され、正常に送信されるチャネル(即ち、送信基準ビット)上に変調された、低レート制御チャネルを形成する。これが、現送信レートを示す。加えて、基準ビットの変調は、少なくとも25%だけ、直前のフレーム内に前送りされ、受信機に、基準シンボル内にエンコードされているレート情報をデコードし、これに対して作用するだけの十分な時間を与える。言い換えると、フレームNの送信レートに関する情報は、(少なくとも)フレームN−1の最後の1/4に含まれている。従来技術のRC送信と好適実施例によるRC送信との比較を第4図および第5図に示す。
【0024】
第4図は、従来技術の基準コヒーレント型送信における同期に利用する基準シンボルの挿入を示す。先に論じたように、各パワー制御群は、48個のウォルシュ・コードから成り、36個のエンコード・データ・シンボルおよび12個の基準シンボルを表わす。従来技術のRC送信は、3つ置きのシンボルを基準ビット401として利用し、3つ置きのシンボル・スロットに二進「1」を挿入する。先に論じたように、受信機は基準シンボル401を利用して同期を促進する。本発明の好適実施例では、基準シンボルは、変調され、低レート(例えば、20ms毎に2ビットの情報)シグナリング・チャネルとして変調されかつ利用され、送信レートを示す。これを第5図に示す。第5図では、基準ビットは、「1」または「0」のいずれでも可能である。加えて、第5図の試験によって、基準シンボル501ないし517(二進「1」または「0」に等しい)を利用してフレームK+1の送信レートを示し、K番目のフレームに8つのスロットを先送りしたことがわかる。本発明の好適実施例では、エンコーダ220において基準シンボル501ないし517と置換するウォルシュ・シンボルは、ITC201によって次のように変調される。
【0025】
変化/無変化を示す2レベル変調では(例えば、最大または1/8レートのみが許される)、
無変化: 101010
変化: 111111となる。
【0026】
上昇レート,同一レート,または低下レートを示す3レベル変調では(例えば、3つの許されたレート、または1つ以上のフレームからフレームのレート・ジャンプが許されない場合、それ以上)、
上昇レート: 101010/101010
同一レート: 111111/111111
低下レート: 110011/001100となる。
【0027】
正確なレートを示す4レベル変調では、
フル・レート: 101010/101010
半レート: 111111/111111
1/4レート: 110011/001100
1/8レート: 111100/001111となる。
【0028】
IS-95A型送信の間、現送信レートは、エンコード・データ・シンボルによって表わされる。これらは、1回に6つずつ、当該6つのシンボルが表わす64ビット・ウォルシュ・コードで置換される。本発明の好適実施例では、送信レートの変調は、ウォルシュ・コードをその逆で置換することによって行われる。かかる変調方式は、Schaffner et al.による米国特許番号第5465269号、METHOD AND APPARATUS FOR ENCODING AND DECODING A SUPPLEMENTARY SIGNALに記載されている。この種の変調を第6図に示す。第6図に示すように、各ウォルシュ・コードは反転することができ、送信されたウォルシュ・コード・シーケンスを利用して、送信レートを判定することができる。かかる変調方式は、以下のようにウォルシュ・コードを変調することによって行うことができる。
【0029】
変化/無変化を示す2レベル変調では(例えば、最大または1/8レートのみが許される)各PCG内のウォルシュ・コードの位相に次の値を乗算する。
無変化: 101010
変化: 111111
上昇レート,同一レート,または低下レートを示す3レベル変調では(例えば、3つの許されたレート、または1つ以上のフレームからフレームへのレート・ジャンプが許されない場合、それ以上)、各PCG対内のウォルシュ・コードの位相に次の値を乗算する。
【0030】
上昇レート: 101010/101010
同一レート: 111111/111111
低下レート: 110011/001100
正確なレートを示す4レベル変調では、各PCG対内のウォルシュ・コードの位相に次の値を乗算する。
【0031】
フル・レート: 101010/101010
半レート: 111111/111111
1/4レート: 110011/001100
1/8レート: 111100/001111
ここで、1は直前にシンボルから位相に変化がないことを示し、0は180°位相変化を示す。したがって、第6図は、フレームの最初の2つのパワー制御群に対する101010/101010の変調を示す。先に論じたように、ウォルシュ・コードの変調は、直前のフレームに少なくとも25%先送りされるので、受信機は、基準シンボル内にエンコードされているレート情報をデコードしそれに作用する十分な時間量を有する。
【0032】
IS-95A型送信またはRC型送信のいずれが用いられていても、本発明の好適実施例では、フレーム境界におけるパワー不連続性を分析し、送信レートの判定に役立てる。例えば、先に論じたように、送信レートを半分にする毎にパワーは3dBずつ減少する。本発明の好適実施例では、レート計算部375は、送信パワーにおけるあらゆる増大または減少を分析し、送信レートの判定に役立てる。第7図は、レート計算部375を動作させる好適な方法を示す。ステップ701において、レート計算部375は、K番目のフレームの最後の部分(例えば、最後のPCG)について受信した現パワーを分析する。ステップ703において、(K+1)番目のフレームの最初の部分(例えば最初のPCG)について、受信パワーを算出する。次に、受信パワーの差を分析し(ステップ705)、この受信パワーの差に基づいて、レートを算出する。例えば、約3dBの受信パワー増大は、送信レートが2倍になったことの強い可能性を示す。言い換えると、受信機が現在半レートで動作しており、レート計算部375がフレーム境界において受信パワーに3dBのジャンプを検出した(experience)場合、リモート・ユニットは今ではフル・レートで送信していることの強い可能性がある。
【0033】
第8図は、本発明の第1好適実施例による、第3図のレート計算部375のブロック図である。第1実施例では、連続逆リンク送信(continuous reverse link transmission)を利用してM進ウォルシュ変調を行い、直交シンボルの繰り返し量によってレートを判定する場合に、レート計算部375を利用する。本発明の第1実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。64シンボル直交コードの複素サンプルが、レート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ801ないし807に送出される。本発明の好適実施例では、可能な送信レート毎に1つのブランチが存在し、その特定の送信レートの確率を示すレベルを出力する。例えば、図示のように、ブランチ801は、フル・レート送信が行われている確率を示すレベルを出力し、ブランチ803は、半レート送信が行われている確率を示すレベルを出力し、ブランチ805は、1/4レート送信が行われている確率を示すレベルを出力し、ブランチ807は、1/8レート送信が行われている確率を示すレベルを出力する。各ブランチは、適切な複素(またはベクトル)加算回路809〜814を有し、N個の直交シンボルの複素加算を行う。Nは1,2,4,または8であり、複素加算回路809ないし815が配置されているブランチ801〜807によって異なる。
【0034】
複素加算されたサンプルは、適切なFHT817に渡され、ここで変換処理が行われる。即ち、64サンプル長の群が入力された場合、64個の逆拡散信号が発生する。加えて、各変換器の出力信号は、関連するウォルシュ・インデックス・シンボルを有し、これが1組の相互直交コードから、特定の各直交コードを識別する(例えば、64サンプル長の群が入力される場合、6ビット長のインデックス・データ・シンボルを、変換器の出力信号に関連付け、変換器の出力信号が対応する特定の64ビット長直交コードを示すことができる)。FHT817の出力は、1x64マトリクスであり、送信されるあらゆるウォルシュ・コードの確率を示す。次に、これらのマトリクスは、回路819によって、要素毎に大きさが二乗され、各マトリクス内のあらゆる要素が二乗され、次いで2つの二乗マトリクスを互いに加算し、単一の1x64マトリクスを生成する。次に、回路821が1x64マトリクスから最大の要素を選択し、この値を適切な加算回路に渡す。加算回路では、特定のブランチに応じて、N個の要素が加算され(N=8,4,2,または1)、スケーリングが行われる。スケーリングされた和は、加算ブロック833に渡され、当該フレームの以前にスケーリングされた和に加算される。20msフレーム毎に、合計12個のスケーリングされた和がある。結果的に得られた値および全ての中間値は比較器831に渡され、全てのブランチ801ないし807からの最大値が、利用されている可能性が最も高い送信レートに対応する。例えば、最大値がブランチ801から比較器831に渡された場合、フル・レートの送信が行われており、フル・レートの送信を示す値が、レート計算部375から出力される。
【0035】
第9図は、本発明の第2好適実施例による、第3図のレート計算部のブロック図である。第2実施例では、レート計算部375を利用するのは、連続逆リンク送信を利用してRC型変調が行われ、データ・シンボルの繰り返し量によってレートを判定する場合である。
【0036】
本発明の第2実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。逆拡散データおよび基準複素シンボル・サンプルがレート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ901〜907に送出される。先に論じたように、可能な各送信レート毎に1つのブランチが存在し、当該特定の送信レートの確率を示すレベルを出力する。複素サンプルは、ディマルチプレクサ909によってディマルチプレクスされ、基準シンボルがデータから剥ぎ取られる。データはディマルチプレクサ909から出力され、適切な加算回路911ないし917に入力する。先に論じたように、各ブランチは適切な加算回路911ないし917を有し、N個のサンプルを加算する。Nは1,2,4,または8であり、加算回路911ないし917が配置されているブランチ901〜907によって異なる。
【0037】
加算された複素サンプルは、次に回路919によって、大きさが二乗され、適切な加算器/スケーラ921ないし927に渡され、特定のブランチに応じて、N個のサンプルが加算され(N=8,4,2,1)、スケーリングが行われる。スケーリングされた和は、加算ブロック929に渡され、ここで以前にスケーリングされた和に加算される。20msフレーム内に合計で72個のスケーリングされた和がある。結果的に得られた値および全ての中間値が比較器931に渡され、ここで(先に論じたように)、渡された最大値が、利用されている特定の送信レートに対応する。
【0038】
第10図は、本発明の第3好適実施例による、第3図のレート計算部のブロック図である。第3実施例では、レート計算部375が利用されるのは、連続逆リンク送信を利用してRC型変調が行われ、送信レートを基準ビットの送信上に変調する場合である。本発明の第3実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。複素データおよび基準シンボル・サンプルがレート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ1001ないし1007に送出される。先に論じたように、可能な送信レート毎に1つのブランチがあり、特定の送信レートが利用されている確率を示すレベルを出力する。次に、サンプルは、ディマルチプレクサ1009によってディマルチプレクスされ、基準シンボルからデータが剥ぎ取られる。次に、基準シンボルはディマルチプレクサ1009から出力され、混合回路1011に入力され、所定の値と乗算される。好適実施例では、各ブランチ1001ないし1007は、当該レートに用いられる変調方式に対応する適切な所定の値を有する。例えば、好適実施例では、フル・レートのブランチ1001は、"101010101010"を利用し、ディマルチプレクサ1009の出力と混合する。
【0039】
次に、混合サンプルは、1度に16個ずつ回路1019によって加算され、回路1021に渡される。ここで、加算された混合サンプルの大きさを二乗する。
ブロック加算回路1019の代わりとして、最後の(16+4*N)個のサンプルの連続加算(running sum)を行う。ここで、Nは無線チャネル相関時間に比例する整数であり、各4サンプル毎に中間結果を渡す。次に、値は適切な加算器/スケーラ1023ないし1028に渡され、以前の値に加算され、スケーリングが行われる。スケーリングによって得られた値および全ての中間値は比較器1031に渡され、ここで(先に論じたように)、渡された最大値が、利用されている特定の送信レートに対応する。
【0040】
第11図は、本発明の第4実施例による、第3図のレート計算部のブロック図である。第4実施例では、レート計算部が利用されるのは、連続逆リンク送信を利用してM進変調を行い、ウォルシュ・コード送信(即ち、ウォルシュ・コードの極性)上に送信レートを変調する場合である。本発明の第4実施例によるレート計算部375の動作は、次のように行われる。64シンボル直交コードの複素シンボル・サンプルがレート計算部375に入力され、4つの別個のブランチ1101ないし1107に送出される。サンプルは混合回路1111に入力され、直交シンボル・レートで所定の値と乗算される。好適実施例では、各ブランチ1101ないし1107は、用いる変調方式に対応する適切な値を有する。例えば、好適実施例では、フル・レートのブランチ1101は"101010101010"を利用して、サンプル入力と混合する。ここで、「1」は無変化を示し、「0」は符号の変化を示す。
【0041】
次に、混合サンプルは、FHT1113に出力され、変換処理が行われる。即ち、64サンプル長の群が入力される場合、64個の逆拡散信号が発生する。加えて、各変換器の出力信号は、関連するウォルシュ・インデックス・シンボルを有し、これが、1組の相互直交コード内から各特定の直交コードを識別する(例えば、64サンプル長群を入力した場合、6ビット長のインデックス・データ・シンボルを、変換器出力信号に関連付け、変換器の出力信号が対応する特定の64ビット長直交コードを示すことができる)。FHT1113の出力は、2つの1x64マトリクスであり、あらゆるウォルシュ・コードの送信されている確率を示す。64個のベクトルの内最大のものが回路1115において選択され、その大きさおよび位相が加算回路1117に渡される。加算回路1117は、回路1115の出力を1度に8個ずつベクトル加算し、その結果を大きさ二乗回路1119に渡す。ブロック加算回路1117の代わりとして、最後の(8*N)個のサンプルの連続加算(running sum)を行う。ここで、Nは無線チャネル相関時間に比例する整数であり、各4サンプル毎に中間結果を渡す。位相推定回路1115,1117の代替物が、R.WaltonおよびM.Wallaceの"Near maximum likelihood demodulation for M-ary orthogonal signaling"(Proceedings of VTC-93,pp 5-8)に記載されている。最後に、大きさを二乗したサンプルを適切な加算器/スケーラ1121ないし1127に渡し、ここで12個のサンプルを加算し、スケーリングを行う。得られた値および全ての中間値を比較器1129に渡し、ここで(先に論じたように)、渡された最大値が、利用されている特定の送信レートに対応する。フレームの先頭では、第8図ないし第11図の加算回路は全て、その内容が0にリセットされていることを注記しておく。
【0042】
前述の本発明,具体的な詳細,および図面の説明は、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。例えば、レート計算部375の組み合わせが可能である。即ち、比較を行う前に、ブランチ801ないし807の出力をそれぞれブランチ1101ないし1107の重み付け出力に加算することによって、第8図に示した直交シンボル繰り返し方法を、第11図の直交シンボル変調方法と組み合わせることも可能である。同様に、比較931を行う前に、ブランチ901ないし907の出力をそれぞれブランチ1001ないし1007の重み付け出力に加算することによって、第9図のRC型変調データシンボル繰り返し方法を、第10図のRC型基準ビット変調方法と組み合わせることも可能である。加えて、前述のように、現フレームの先頭と直前のフレームの終端との間の受信パワーにおける差を、他のいずれかと組み合わせることも可能である。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が本発明に可能であることは、本発明者の意向であり、かかる変更は全て以下の請求項の範囲に該当するものと見なすこととする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明が用いる種々のレートにおけるパワー制御群の送信を示す。
【図2】本発明の好適実施例によるリモート・ユニットの送信機のブロック図である。
【図3】本発明の好適実施例による基地局の受信機のブロック図である。
【図4】従来技術の基準コヒーレント型送信における同期に利用される基準シンボルの挿入を示す。
【図5】本発明の好適実施例による基準コヒーレント型送信における同期およびレート決定に利用される基準シンボルの挿入を示す。
【図6】本発明の好適実施例によるレート決定に利用されるウォルシュ・コード変調を示す。
【図7】本発明の好適実施例による第3図のレート計算部の動作を示すフロー・チャートである。
【図8】本発明の第1好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【図9】本発明の第2好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【図10】本発明の第3好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【図11】本発明の第4好適実施例による第3図のレート計算部のブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続送信方式をサブ・レート送信に利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する方法であって、前記送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、該フレームの各々が特定の送信レートで送信され、当該方法は:
ボイス・エンコーダにより出力されたトラフィック・チャネル・データを受信する段階と、
前記トラフィック・チャネル・データを複数の拡散コードを用いてM進変調することによって、前記トラフィック・チャネル・データを直交エンコードする段階と、
第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信される複数のフレームについて送信レートを判定する段階と、
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階であって、前記送信レートを前記ボイス・エンコーダにより出力された前記トラフィック・チャネル・データを変調するために用いられる複数の拡散コードの極性上に変調するか、あるいは、前記直交エンコードされたトラフィック・チャネル・データのコヒーレント復調を促進するために受信機より用いられる基準シンボルを変調することによって、前記低レート制御チャネルを送信する段階を含む、前記送信する段階と
前記低レート制御チャネルの送信を先進させ、特定のフレームの送信レートを、前記低レート制御チャネルを直前のフレームの最後の1/4に含ませることにより、該直前のフレームの送信の間に送信する段階と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、サブ・レート送信が行われる場合に第1シンボルの送信を繰り返す段階を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階は、変更有りの送信レート及び変更無しの送信レートからなるグループからメッセージを送信することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階は、上昇を示す送信レート、同一送信レート、及び低下を示す送信レートからなるグループからメッセージを送信することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階は、フル・レート送信、半レート送信、1/4レート送信、及び1/8レート送信からなるグループからメッセージを送信することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
連続送信方式をサブ・レート送信に利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する装置であって、前記連続送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、該フレームの各々が特定の送信レートで送信され、当該装置は、
入力としてのデータを有し、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信される複数のフレームの送信レートを出力するエンコーダと、
前記複数のフレームおよび前記送信レートを入力として有し、インターリーブ・フレームの間に基準シンボルを分散させた複数のフレームを出力する瞬時トラフィック・チャネル利得計算部であって、前記基準シンボルを変化させることにより、該基準シンボル上に追加的に前記送信レートを変調し、基準シンボルのシーケンスは前記送信レートを示すために利用されるところの瞬時トラフィック・チャネル利得計算部か、あるいは、前記複数のフレームおよび前記送信レートを入力として有し、複数のフレームを、拡散コードにより該複数のフレームを拡散することにより該複数のフレーム上で変調された前記送信レートとともに出力する瞬時トラフィック・チャネル利得計算部であって、拡散データのシーケンスは、前記送信レートを示すために利用されるところの瞬時トラフィック・チャネル利得計算部のいずれか一方として機能する手段と、
前記複数のフレームを、その上に変調された前記送信レートと共に入力として有し、前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを送信する送信機と
を備え、
前記瞬時トラフィック・チャネル利得計算部は、特定のフレームに対する送信レートが該特定のフレームの前に送信されるフレーム上で変調され、かつ前記送信レートが前記特定のフレームの前に送信されるフレームの最後の1/4に含まれるように複数のフレームを該複数のフレーム上で変調された送信レートとともに出力することを特徴とする装置。
【請求項1】
連続送信方式をサブ・レート送信に利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する方法であって、前記送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、該フレームの各々が特定の送信レートで送信され、当該方法は:
ボイス・エンコーダにより出力されたトラフィック・チャネル・データを受信する段階と、
前記トラフィック・チャネル・データを複数の拡散コードを用いてM進変調することによって、前記トラフィック・チャネル・データを直交エンコードする段階と、
第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信される複数のフレームについて送信レートを判定する段階と、
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階であって、前記送信レートを前記ボイス・エンコーダにより出力された前記トラフィック・チャネル・データを変調するために用いられる複数の拡散コードの極性上に変調するか、あるいは、前記直交エンコードされたトラフィック・チャネル・データのコヒーレント復調を促進するために受信機より用いられる基準シンボルを変調することによって、前記低レート制御チャネルを送信する段階を含む、前記送信する段階と
前記低レート制御チャネルの送信を先進させ、特定のフレームの送信レートを、前記低レート制御チャネルを直前のフレームの最後の1/4に含ませることにより、該直前のフレームの送信の間に送信する段階と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
更に、サブ・レート送信が行われる場合に第1シンボルの送信を繰り返す段階を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階は、変更有りの送信レート及び変更無しの送信レートからなるグループからメッセージを送信することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階は、上昇を示す送信レート、同一送信レート、及び低下を示す送信レートからなるグループからメッセージを送信することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを、前記複数のフレームの送信レートを示すために利用される低レート制御チャネルと共に送信する段階は、フル・レート送信、半レート送信、1/4レート送信、及び1/8レート送信からなるグループからメッセージを送信することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
連続送信方式をサブ・レート送信に利用するマルチ・レート通信システムにおいて送信レートを送信する装置であって、前記連続送信方式は、データを送信するためにフレームを利用し、該フレームの各々が特定の送信レートで送信され、当該装置は、
入力としてのデータを有し、第1通信ユニットと第2通信ユニットとの間で送信される複数のフレームの送信レートを出力するエンコーダと、
前記複数のフレームおよび前記送信レートを入力として有し、インターリーブ・フレームの間に基準シンボルを分散させた複数のフレームを出力する瞬時トラフィック・チャネル利得計算部であって、前記基準シンボルを変化させることにより、該基準シンボル上に追加的に前記送信レートを変調し、基準シンボルのシーケンスは前記送信レートを示すために利用されるところの瞬時トラフィック・チャネル利得計算部か、あるいは、前記複数のフレームおよび前記送信レートを入力として有し、複数のフレームを、拡散コードにより該複数のフレームを拡散することにより該複数のフレーム上で変調された前記送信レートとともに出力する瞬時トラフィック・チャネル利得計算部であって、拡散データのシーケンスは、前記送信レートを示すために利用されるところの瞬時トラフィック・チャネル利得計算部のいずれか一方として機能する手段と、
前記複数のフレームを、その上に変調された前記送信レートと共に入力として有し、前記第1通信ユニットから前記第2通信ユニットに前記複数のフレームを送信する送信機と
を備え、
前記瞬時トラフィック・チャネル利得計算部は、特定のフレームに対する送信レートが該特定のフレームの前に送信されるフレーム上で変調され、かつ前記送信レートが前記特定のフレームの前に送信されるフレームの最後の1/4に含まれるように複数のフレームを該複数のフレーム上で変調された送信レートとともに出力することを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−27751(P2009−27751A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271959(P2008−271959)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【分割の表示】特願平10−546968の分割
【原出願日】平成10年3月13日(1998.3.13)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【分割の表示】特願平10−546968の分割
【原出願日】平成10年3月13日(1998.3.13)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]