説明

CO汚染された固体高分子型可逆セルおよび燃料電池セルの水素極の性能を回復させる方法および装置

【課題】
固体高分子電解質膜型の水電解・燃料電池可逆セルおよび燃料電池(あわせて「セル」と呼ぶ)の水素極が、燃料とする水素ガス中に微量に含まれているCOにより汚染され、水素極の性能が低下した場合に、そのCOを除去して、水素極の性能を回復させる方法および装置を提供する。
【解決手段】
セルに対して外部から直流電圧を印加して、定電流電解または定電圧電解を行ない、汚染物であるCOを酸化させることにより、除去する。まず定電流電解を行ない、水素極と酸素(空気)極のセパレータ間の電圧がゼロVに達したところで、定電圧電解に切り替えて実施する、定電流−定電圧の切り替えによる処理が好ましい。この場合、測定している電圧値が0〜−0.25Vの範囲内にある一定値を示すように直流電圧を印加して電解を続けてCOの酸化分解を行ない、電流の値が低下して飽和するに至ったところで電解を終了するとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子電解質膜型(以下「固体高分子型」と略称する)の、燃料電池・水電解可逆セル(以下「可逆セル」と略称する)および燃料電池セル(以下単に「燃料電池」という)の水素極が、長期間の使用や装置の異常に伴ってCOで汚染され、劣化したときに、性能を回復させるためのメンテナンス技術に関する。以下の説明は燃料電池を中心に行なうが、原理は、可逆セルに関してもそのまま適用できる。
【背景技術】
【0002】
固体高分子型の燃料電池は、第一次エネルギーショック以降の環境問題、エネルギー問題を契機にして、この十年ほどの間、家庭用コージェネレーションシステムや自動車の電源として利用可能にするための技術開発が急速に進められてきており、近年では、さらにオフィスビル等の大規模設備への適用や、風力等の自然エネルギーから得られる電力の安定化した供給に利用するための提案もあらわれている。
【0003】
一般に固体高分子型の燃料電池は、図1に全体の構成を示すように、基本的には1枚のMEA(膜電解質アセンブリMembrane Electrode Assembly)、2枚のセパレータ/複極板、2枚の反応ガス拡散体、2枚の給電板、2枚の絶縁板および2枚のエンドプレートから構成される。基本となる単位セルは、図2にその詳細を示すように、上記の構成部品のうちの、1枚のMEA、2枚のセパレータ/複極板および2枚の反応ガス拡散体で構成される。単位セル以上の発電出力を得るには、単位セルを複数積層し、積層体の両端に給電/集電板、絶縁板、エンドプレートを配置して、エンドプレートに設置されたボルトを締め付けて形状を維持させたものとする。これは通常、「セル・スタック」と呼ばれている。
【0004】
上記した構造をもつ単位セル内の、MEAによって区画された2室に、それぞれ水素ガスおよび酸素ガスまたは空気を供給することによって、発電が可能となる。水素を供給する空間を水素室、燃料室またはアノード室、そこに配置される電極を水素極、燃料極またはアノードと呼ぶ。一方、酸素や空気を供給する部屋を酸素室、空気室またはカソード室、そこに配置される電極を酸素極、空気極またはカソードと呼ぶ。
【0005】
純水を原料としてこれを電解し、水素と酸素とを発生させることができる固体高分子型水電解セルは、基本的構造が燃料電池と同じであって、電極反応が正反対であるという差異をもつだけである。そこで、単一のセルで燃料電池と水電解セルとの双方の機能を発揮することが可能な、固体高分子型可逆セルがある。これを、「一体化再生型燃料電池(URFC)」ともいう。固体高分子型可逆セルの燃料電池モードにおける機能や発電方法などは、基本的に通常の燃料電池セルと同じである。
【0006】
このような固体高分子型燃料電池や可逆セルの、単位セルおよびスタック内における反応物や生成物の輸送経路に関しては、それぞれの単位セルに対して外部からの導入経路を設ける「外部マニホールド方式」と、構成部材に設けた開口部を積層して形成される空間をヘッダー管構造の幹線として利用し、そこから各単位セルへ分岐流出させる機構をセル内に設ける「内部マニホールド方式」のふたつがある。通常は、構造の簡素化によるコスト低減と省スペースという点において有利な、内部マニホールド方式が採用される。
【0007】
内部マニホールド方式において、外部から供給される反応剤の流通は、まず内部マニホールドから各セルに設けられた分流機構部を経て各セルの室内へ反応剤が流入し、セパレータ上に設けられた流路を通って拡散体側へ流出して、拡散体を透過して電極面へ至るというものであるから、セル内に設けられる2個の隔離された反応室へ2種類の異なる反応剤を供給する場合には、各室用に内部マニホールドを設ける必要がある。基本的には、反応ガスAの出入り口用と反応ガスBの出入り口用として、合計4個の開口部が設けられるが、反応系が発熱的であって冷却材を導入しなければならない場合や、スタックのセル数が数十〜数百に及ぶような場合には、冷却系の出入り口用の内部マニホールドや、反応ガス用マニホールドを追加して設ける必要がある。
【0008】
上記のような運転方法や構造的な特徴を有する固体高分子型燃料電池や可逆セルに対する水素の供給は、高圧水素ボンベや、水素吸蔵合金タンク内に貯蔵された水電解由来の水素や、天然ガス、ガソリン、メタノール等の炭化水素の改質によって得られる水素の、どちらか一方または両方の併用によって行なわれる。炭化水素の改質水素を使用するのであれば、既存のインフラによる輸送・供給のルートを転用することが容易である。自動車のように移動を伴う適用場面においては、水素源としては、液体燃料が、燃料の充填に要する体積が小さく、充填も容易であるといった点にメリツトがあることから、燃料電池の普及初期の段階では、液体燃料が採用される可能性が最も高いと考えられている。
【0009】
炭化水素を燃料電池の水素源として利用する場合には、水素ステーション等に改質器を配置して炭化水素の改質を行なうか、または、燃料電池と改質器とからなるシステムを自動車や家庭に配置するといったように、炭化水素から水素を取り出すための設備が必要となる。
【0010】
炭化水素から水素を取り出す反応は、いわば炭化水素の不完全燃焼であり、水素の燃焼を極力生じないようにして、水素だけを取り出すというのがその原理である。そのため、炭化水素から取り出される改質水素中には、COが含まれることが避けられない。固体高分子型燃料電池に使用されるレベルの、高効率に発電反応を進行させることができる水素極の触媒としては、現在のところ実用的なものは、白金くらいしかない。この白金と、改質水素ガス中に含まれる10ppm程度のCOが接触すると、COはPt上に強固に吸着し、その結果、水素極側での発電反応の速度を大きく低減させることになる。
【0011】
この対策として、現在の燃料電池システムにおいては、改質器の後段に、水素ガス中のH2をできる限り損なわずに、COだけをCO2に酸化させてCO濃度を低下させることを目的とするCO選択酸化装置を設け、この装置を通過してCO濃度を10ppm以下に低下させた水素ガスを、燃料電池に供給する形態をとるのが一般的であり、そのための技術が多数開示されている(特許文献1〜7)。
【0012】
しかし、CO選択酸化装置を設けても、水素ガス中のCOを100%除去することは困難であるため、長期にわたって燃料電池を使用すれば、徐々にPt触媒がCOを吸着して活性を失うことになる。この問題に対処するため、炭化水素由来の水素ガスを用いる燃料電池においては、水素極の触媒としてPt・Ruの合金を使用し、Pt触媒に吸着したCOを、水素と同時に供給する必要がある水蒸気中の酸素を酸化剤源にして、CO2に転化させる機能をもたせる、というような工夫がなされている(特許文献8)。
【0013】
それとは別に、やはりPt上に吸着されたCOによる性能低下を防止する目的で、燃料電池自体の水素ガスの流れを制御したり、発電中のセルに不具合を与えない交流またはパルス電流を印加したりするという制御法によって、運転中に吸着脱離を繰り返させて発電性能を維持するという手法が提案されている(特許文献9および10)。
【特許文献1】特開平7−105967
【特許文献2】特開平10−216461
【特許文献3】特開2001−185180
【特許文献4】特開2001−220108
【特許文献5】特開2002−25598
【特許文献6】特開2002−50371
【特許文献7】特開2002−68710
【特許文献8】特開平11−26725
【特許文献9】特表2002−500421
【特許文献10】特表2002−514345
【0014】
以上のように、固体高分子型燃料電池の普及に当たっては、炭化水素由来の水素ガス中に含まれるCOの問題を、触媒材料や運転方法、選択酸化装置の設置、またはこれらの技術の組み合わせによって対処する。とはいえ、長期間の使用に伴う劣化などによる燃料電池の性能が低下するという懸念はぬぐえない。したがって、COの吸着によって性能の低下した燃料電池を、取りはずして、または設置したままの状態で、メンテナンスして性能を回復させる技術が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、固体高分子型可逆セルおよび燃料電池、とくにその水素極の性能が、燃料とする水素ガス中に含まれるCOによって低下した場合に、水素極の触媒に吸着されたCOを安全に除去し、性能を回復させるメンテナンスの方法と、その方法の実施に使用する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成する本発明の、CO汚染された固体高分子型可逆セルおよび燃料電池の水素極の性能を回復させる方法は、セルに対して外部から直流電圧を印加して定電流電解または定電圧電解を行ない、汚染物であるCOを酸化させて分解除去することを特徴とする。
【0017】
この水素極の性能回復方法を実施するための本発明の装置は、直流電源に加えて、定電流電解装置および/または定電圧電解装置を本質的な構成成分として有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
水素極の触媒にCOが吸着して活性が低下ないし消滅した固体高分子型燃料電池および可逆セルのセルに対して、本発明による性能回復方法を実施し、外部から直流電圧を印加し、定電流電解または定電圧電解を行なうと、酸素(空気)極からの水素発生反応や水素極からの酸素発生反応を伴わずに、汚染物質であるCOを酸化分解させて水素極の性能を回復させ、それによって燃料電池の機能を回復させることができる。
【0019】
本発明の水素極の性能を回復させるメンテナンス技術は、装置を、たとえばガソリンスタンドとしての機能を果たすことになる水素ステーションに配置しておくことにより、運び込まれた燃料電池や可逆セルの応急のメンテナンスが可能になるし、装置を可動に構成することにより、所定の場所に設置された燃料電池や可逆セルを、その場でメンテナンスすることも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施して、燃料電池の水素極に吸着したCOの酸化分解を行なう装置を模式的に示すと、図3のようになる。COの除去は、酸素極(空気極)室内に、図3の酸素(空気)加湿器(B)によって水蒸気で加湿された酸素または空気を供給しながら、水素極室への水素の供給を、バルブ(V−1)によって遮断して、セルに流れる電解電流と各セルの電圧をモニタリングしながら、直流電源装置の定電流モードまたは定電圧モードのいずれかによって、燃料電池および可逆セルにおいて電気分解反応を進行させることにより行なう。
【0021】
直流電源と燃料電池または可逆セルとの電気的結線は、直流電源のマイナス側(電子を放出する側)を、燃料電池負極側の給電板上のブスバー部またはセパレータに接続して、直流電源のプラス側(電子を受け取る側)を燃料電池正極側の給電板上のブスバー部またはセパレータに接続するように行なう。燃料電池負極側の給電板上のブスバー部またはセパレータと、燃料電池正極側の給電板上のブスバーまたはセパレータとの間における電圧を測定できるように、電圧計を設置しておく必要がある。なお、ここで記す電圧値の符号の向きは、正極側を電圧計のマイナス側端子と接続し、負極側を電圧計のプラス側端子と接続した場合の符号に従う。
【0022】
上記のように準備した装置において、MEAの有効電極面積に対して、電流密度が2〜100mA/cm2の間の値をとるように電気分解することによって、酸素(空気)極上で式(1)の陰極反応を進行させながら、水素極上では式(2)および式(3)の電極反応を逐次的に進行させる。これによって、水素極上のCOの酸化分解が進行する。
陰極反応(酸素極)
(1)0.5O+2H++2e-→H
陽極反応(水素極)
(2)H→2H++2e- (残留水素の分解反応)
(3)CO+HO→CO+2H++2e- (吸着したCOの分解除去)
【0023】
電解処理に当たっては、処理中のセル電圧をモニタリングして、その電圧値が0V(ゼロボルト)となる点まで定電流処理を施せば、COの分解除去に対する効果が得られることになる。本来は、電解処理を行なう水素極の電位を測定しながら電解を行なえばよいわけであるが、前記した構造が一般的であるセルおよびそれを積層したセルスタックは、構造的に参照電極を挿入することが困難ないし不可能であるから、酸素極上の電位をできるだけ一定に保って、これを擬似的な参照電極として利用し、処理対象である水素極における電解処理を、電位ではなく、電圧を観測しつつ、また制御しつつ進めるわけである。
【0024】
一例を挙げれば、セル温度が60℃であるとして、純酸素または空気を、その反応転化率20%以下として流通させながら、前記の電解処理を、電流密度50mA/cm2の一定電流で実施すると、電解直後においては、酸素使用時に0.87V、空気使用時にも0.87Vであったセルの電圧は、電解時間の進行とともに低下し、40分後には0Vとなる。さらに電解を続けることにより、セルの電圧は実質的にマイナスの値を示すこととなる。
【0025】
上述した処理によっても、ほぼ十分なCOの除去効果が得られるが、さらにCOの酸化分解を完全なものとするためには、この定電流処理ののち、直流電源を定電圧モードに切り替え、測定している電圧値が0〜−0.25Vの値を示すように直流電圧を印加し、その操作において電流の値が低下して飽和に達する点まで、処理を続ければよい。
【0026】
上述した電圧値の推移は、つぎのような現象に対応して生じるものと考えられる。すなわち、電解処理の間を通じて、陰極反応は前記(1)の電解反応が連続的に進行していて、その電極電位(vs.NHE))は、運転電流密度にもよるが、2〜100mA/cm2において、純酸素の場合には0.950〜0.848Vであり、空気の場合には0.955〜0.839Vである。この事実は、適切な電流密度範囲内であれば、陰極反応には、酸素を用いた場合と空気を用いた場合とで、大差は生じないことを意味している。
【0027】
一方、水素極側の陽極反応については、セル内には、運転後に残留したHガスが僅かに残存しているため、まず(2)の反応が進行する。(2)の反応の過電圧は小さく、0〜0.05V(vs.NHE)程度なので、電圧値として電解当初は0.8V以上を示すが、Hの補給が行なわれないので次第に反応剤が不足して行き、それに伴って陽極電位が上昇するとともに、測定しているセルの電圧値は小さくなり、最終的には0Vとなる。すなわち前記のように電解反応を進行させて、セル電圧が0V以下になる点まで定電流電解を行なった場合とは、水素極の電極電位が押し上げられて0.8V付近になったために生じる現象にほかならない。
【0028】
ところで、Pt上に吸着したCOの酸化電位は、PtへのCOの吸着の形態にもよるが、おおよそのことをいえば、水素極がPtの場合には、NHE基準で0.8〜0.9V付近にあり、水素極が前述したPt・Ru合金などでは、0.6〜0.8V付近にあり、水素極がその電位より高い電位に置かれれば、COはCOに酸化分解されることになる。すなわち前記のように定電流電解を実施してセル電圧が0Vを示した時点で、Pt上に吸着したCOの何%かは分解除去されている。その時点まで電解して、さらにセルに0〜−0.25Vの電圧の印加をすることで、水素極は0.8〜1.1V以下の電極電位にさらされるので、COの分解除去を完全なものとすることができるわけである。このような電位の範囲では、水素極上で水の電気分解による酸素発生反応は進行しないため、その処理において流れる電流値はCOが酸化される際の電流値とみなしてよいことになり、CO量の減少にともなって電流値は低下してゆくことになる。したがって、電流値の低下が飽和に達した点を終点とすることで、必要な電解酸化処理が終わったか否かを判定することができる。
【0029】
このように、水素極電位を1V以上にする操作は、定電流電解に続けて最終的に定電圧電解による処理をせず、定電流電解を続けるだけでも可能であるが、定電流電解では、CO濃度が低下してくると、急激に電圧が増加し、水素極上で酸素が発生してしまうといった、予期しなかった望ましくない動作を引き起こしやすいので、定電圧電解を併用する方が安全なわけである。
【0030】
一方、定電流電解を行なわずに、一貫して定電圧電解によることも可能である。しかしながら、そのような操作は、実際上は電流密度の制御が困難であって、セルに過電流を生じて急激な発熱を招き、セルが破損するおそれもある。定電流電解を実施するのは、反応速度を制御しながら、水素極室内に残留しているか、またはPt上に吸着している水素を、制御可能な方法で消費させることを目的とした操作なのである。
【0031】
ただし、水素極室内に残留している水素ガスが、不活性ガスや純水の導入によって十分に除去されているような場合であれば、前記のような定電流電解を行なわずに、定電圧による処理を最初から実施しても、大きな過電流を招くおそれがないので、問題なく処理を実施することができる。この態様は、それぞれのセルごとに残留する水素ガスの量に違いが生じている可能性が高くて均一な定電流電解処理を実施することが困難なセルスタックのCO酸化分解においては、有効な水素除去方法として、実施が推奨される。
【0032】
上記の最初から定電圧による処理を行なう操作において、純水を使用した場合には、水素極室内に不活性ガスを通して乾燥させることによって、燃料電池としての機能を復活させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一般的な固体高分子電解質膜型の水電解・燃料電池可逆セルの、全体の構造を示す展開断面図。
【図2】図1のセルの基本構成を示す拡大断面図。
【図3】COによって汚染され性能が低下した水素極の性能を回復させるために使用する、本発明の装置の構成を示す概念的な図。
【符号の説明】
【0034】
A 水電解・燃料電池可逆セル
B 酸素(空気)加湿器
C 水素加湿器
D 直流電源
V−1 バルブ
電圧計
電流計
熱源
温度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体高分子電解質膜型の水電解・燃料電池可逆セルまたは燃料電池セルの水素極が、COによって汚染され性能が低下したときに回復させるための方法であって、セルに対して外部から直流電圧を印加して定電流電解または定電圧電解を行ない、汚染物であるCOを酸化させて分解除去することを特徴とするセルの性能回復方法。
【請求項2】
請求項1に記載した固体高分子電解質膜型の水電解・燃料電池可逆セルまたは燃料電池セルの回復方法であって、はじめに定電流電解を行ない、水素極と酸素(空気)極のセパレータ間の電圧がゼロVに達したところで定電圧電解に切り替えてCOの酸化分解を続ける性能回復方法。
【請求項3】
請求項2に記載した固体高分子電解質膜型の水電解・燃料電池可逆セルまたは燃料電池セルの回復方法であって、はじめに定電流電解を行ない、水素極の電圧がゼロVに達したところで定電圧電解に切り替え、測定している電圧値が0〜−0.25Vの範囲内にある一定値を示すように直流電圧を印加して電解を続けてCOの酸化分解を行ない、電流の値が低下して飽和するに至ったところで電解を終了することからなる性能回復方法。
【請求項4】
固体高分子電解質膜型の水電解・燃料電池可逆セルまたは燃料電池セルの水素極が、COによって汚染され性能が低下したときに回復させるための装置であって、直流電源に加えて、定電流電解装置および/または定電圧電解装置を本質的な構成成分として有することを特徴とするセルの性能回復装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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