説明

COS−クラウスの構成およびCOS−クラウス法

COS含有流(106)からの硫化カルボニル(COS)が、COS含有流の第1の部分をSOへと酸化し、COS含有流の第2の部分をHSへと加水分解することによって、クラウスプラント(100)において硫黄元素(152、162)へと変換される。本発明の主題の好ましい態様においては、COSの加水分解および/または酸化が、反応炉(10)において実行される一方で、COSの加水分解が、反応炉(10)、加水分解炉、および/または触媒コンバータ(120、130、150)において実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、COSの硫黄元素への変換であり、特にクラウス(Claus)プラントにおける変換である。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、クラウスプロセスへの供給ガスは、典型的には比較的低い硫化カルボニル(COS)濃度に限られており、一般的には、従来のクラウスプロセスにおける供給ガス中のCOS濃度は、脱硫効率を大幅に低下させ、および/または混入物(例えば、アンモニアと、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどを含む芳香族化合物、および/または炭化水素類)の分解のための火炎温度を損なわない限りは、約2%を超えることはできないと考えられている。
【0003】
したがって、多数の脱硫プロセスが、COSの含有量が比較的少ない供給ガスをクラウスプラントへと供給すべく、特別に構成されている。あるいは、特に供給ガス中のCOS濃度が比較的高い場合には、供給ガスがクラウスプロセスへと供給される前に、TiO触媒床を使用する供給ガス中のCOSの加水分解が使用されることがしばしばである。クラウスに先立ってCOSの加水分解を使用する典型的な構成が、米国特許第4,735,788号明細書または米国特許第6,113,872号明細書に記載されており、そのどちらも、参照により本明細書に組み込まれる。そのようなプロセスは、おおむねCOS濃度を公知のクラウスプラントに適すると考えられるレベルまで低減するもものの、依然として種々の欠点が残されている。特に、COSの加水分解は、一般的には、比較的高い資本および運転コストを必要とする。
【0004】
したがって、当技術分野において、COSの含有量が比較的多い供給ガスをクラウスプラントへと供給するための種々の構成および方法が知られているが、それらのすべてまたはほとんどすべてが、1つ以上の欠点を抱えている。したがって、クラウスプロセスの構成および方法の改善について、依然としてニーズが存在している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広くには、クラウスプラント構成を使用するCOSの硫黄元素および副生成物への変換に向けられている。本発明の主題の好ましい態様においては、COS含有流の第1の部分のCOSが、二酸化硫黄へと変換され、COS含有流の第2の部分のCOSが、HSへと変換され、次いでこのようにして生成された二酸化硫黄および硫化水素が、触媒リアクタを使用して硫黄および水へと処理される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主題の一態様においては、クラウスプラントが、COS含有流の第1の部分を受け取ってCOSから二酸化硫黄を形成する反応炉を有することができる。次いで、この炉へと接続された触媒コンバータが、反応炉から二酸化硫黄を受け取るとともに、さらにCOS含有流の第2の部分を受け取ってCOSから硫化水素を形成する。このようにして生成された二酸化硫黄と硫化水素が、続いてコンバータ内で反応して硫黄元素が形成される。
【0007】
特に好ましい構成においては、さらに反応炉が、炭化水素、アンモニア、硫化水素、有機硫化物、水、酸素、および/または空気を含んでいる流れを受け取ることが考えられる。さらに、適切な構成は、COS含有流のさらなる部分を受け取ってCOSから硫化水素を形成できる、さらなる触媒コンバータを備える(好ましくは、第1のコンバータと直列に)。
【0008】
本発明の主題の他の態様においては、クラウスプラントが、第1の部位にてCOS含有流の少なくとも一部分を受け取ってCOSから二酸化硫黄を形成する、反応炉を備えることができる。さらに、硫化水素源が備えられ、反応炉の第2の部位へと硫化水素を供給し、この第2の部位において硫化水素と二酸化硫黄が硫黄元素へと反応する(特に考えられる硫化水素源は、COS含有流の他の一部分を受け取って硫化水素を形成する加水分解炉を備えている)。
【0009】
そのようなプラントは、加水分解炉からの硫化水素の少なくとも一部分と、反応炉からの二酸化硫黄の少なくとも一部分とを受け取る、触媒コンバータをさらに備えることができ、このコンバータにおいて二酸化硫黄と硫化水素が反応して硫黄元素が形成される。考えられるプラントのCOS濃度に関しては、一般に、(例えば、予燃式脱炭素ユニットからの)COS含有流が少なくとも5%(モル)のCOSを含んでいると好ましい。
【0010】
したがって、クラウスプラントにおいてCOS含有流を硫黄生成物へと変換する方法は、COS含有流からのCOSの第1の部分を反応炉において酸化して二酸化硫黄を形成する一工程を含むことができる。他の工程において、COS含有流からのCOSの第2の部分が、加水分解炉および触媒コンバータのうちの少なくとも1つにおいて硫化水素へと加水分解され、さらに別の工程において、二酸化硫黄が硫化水素と触媒反応させられ、硫黄生成物が形成される。
【0011】
本発明の種々の目的、特徴、態様、および利点が、本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から、さらに明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明者らは、COS含有流を、所望の動作条件を失うことなくクラウスプラントへと供給できることを発見し、そこでは、COSのある部分が、二酸化硫黄への酸化のための反応炉へと供給され、他の部分が、硫化水素へと加水分解され(加水分解炉において、またはクラウスプラントの触媒コンバータにおいて)、このようにして生み出された硫化水素と二酸化硫黄とが反応させられて、硫黄元素が形成される。
【0013】
そのような構成および方法を使用することで、クラウス変換の環境を維持しつつ、COS含有流(あるいは、実質的に純粋なCOS流でもよい)の中のCOSの90%から98%を硫黄元素に変換できることを、特に理解しなければならない。さらに、少なくともいくつかの態様においては、考えられる構成が、上流の加水分解炉を必要とせずにクラウスプラントを動作させることができ、そこではクラウスプラントが、かなりの量のCOS(例えば、2モル%を超える)を受け取る。
【0014】
本発明の主題の好ましい一実施形態においては、典型的なクラウスプラントが、図1に示したような構成を有している。ここで、クラウスプラント100は、反応炉110を廃熱ボイラー140へと熱的に接続して備えており、廃熱ボイラー140において、ボイラー供給水142から蒸気144が生成される。反応炉110は、種々の燃焼可能成分および硫黄化合物(例えば、メルカプタン、硫化水素など)を含むであろう供給流106を受け取る。燃焼および/または火炎温度は、空気/酸素流108によって調節または維持される。さらに、反応炉110が、COS含有流104の第1の部分104Aを受け取る一方で、COS含有流104の第2の部分104Bおよび任意の第3の部分104Cは、それぞれ触媒コンバータ120および130へと供給される。
【0015】
反応炉110は、典型的には、混入物(例えば、アンモニア、炭化水素など)のうち、実質的にすべてではないにせよ大部分が、熱によって破壊され、かつCOS含有流104中のCOSの3分の1が、二酸化硫黄へと酸化されるように運転される。すなわち、COS含有流104および供給流106の組成に応じて、第2の部分104B(および、104C)に対する第1の部分104Aの比が変化しうることを、理解すべきである。しかしながら、一般的には、第1の部分104Aが、流れ104の全体の約20%から40%であることが好ましい。同様に、やはり主として供給流106および/または流れ104Aの化学的組成に応じ、火炎温度は、かなり様々でありうるが、供給流中の混入物に応じて、好ましくは約1800°Fから約2800°Fの温度に維持される。
【0016】
反応炉110から出るガスは、主として二酸化硫黄、水、および二酸化炭素を含んでいるが、廃熱ボイラーにおいて約400°Fから500°Fへと冷却されて、冷却済み流出物112を形成し、これが第1の触媒コンバータへの導入に先立って、COS含有流104の第2の部分104Bに組み合わせられる。このような構成において、流れ104BのCOSが、コンバータにおいて硫化水素へと加水分解され、そのようにして生み出された硫化水素が、冷却済み流出物112からの二酸化硫黄と反応し、硫黄元素が生成流122として触媒コンバータ150から出ることを、理解すべきである。次いで、生成流122が凝縮器150へと供給され、凝縮器150において硫黄元素が、(好ましくは、約280°Fから350°Fの温度で)硫黄生成物152へと凝縮する。
【0017】
クラウスプロセスは平衡によって動くプロセスであるため、次いで凝縮器からの流出物154が、約400°Fから500°Fの温度へと再加熱され、COS含有流104の第3の部分104Cに組み合わせられる。したがって、凝縮器からの流出物154中の残りの二酸化硫黄が、第1の触媒コンバータ120について上述した様相と同様の様相で、第2の触媒コンバータ130においてCOSの加水分解によって形成される硫化水素と反応する。生成流132が、排ガス164から硫黄生成物162として硫黄元素を取り去るべく第2の凝縮器160へと供給され、次いで排ガス164を、必要に応じて従来の技法を使用してさらに処理することができる。当然ながら、適切なクラウスプラントが、所望のとおり排ガス中の残留硫黄濃度を低減するため、第3、第4、およびさらに高次の触媒コンバータを有してもよいことを、理解すべきである。供給106が硫化水素を含んでいる場合、この硫化水素が、反応炉110において形成される二酸化硫黄と反応して、クラウス反応に従って反応炉110、第1のコンバータ120、および第2のコンバータ130で硫黄元素を形成する(流れ112、154、および164は、典型的には、二酸化硫黄に加えていくらかの硫化水素を含んでいる)。
【0018】
供給ガスに関しては、様々な供給ガスが適切であり、そのような供給ガスが反応炉内で少なくとも部分的に酸化されうるのであれば、本発明の主題が供給ガスの特定の性質に限定されるわけではないことを、理解すべきである。例えば、適切な供給ガスとしては、アミン抽出ユニットからの酸性ガス、サワー水ストリッパーからのサワーガス、膜ろ過ユニット、および硫黄含有量の多いガスをもたらす他の供給源が挙げられる。したがって、考えられる供給ガスは、硫化水素だけでなく、COS(好ましくは、2モル%未満の濃度で)、CS、メルカプタン、二硫化物、および多硫化物など、多数の他の硫黄化合物を含むであろう。大部分の供給ガスには、さらに、1つ以上の芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アンモニア、および/または他の様々な炭化水素(例えば、典型的には5個未満の炭素原子を含んでいる直鎖状または分岐鎖状の炭化水素)が含まれているであろう。
【0019】
同様に、COS含有流の化学的組成および供給源も、かなり様々であってよく、そのような流れにおけるCOS濃度が、1モル%(さらには、これ以下)から約95モル%(さらには、これ以上)であってよいことを、理解すべきである。しかしながら、COS含有流が、少なくとも部分的には予燃式脱炭素プラントによってもたらされることが特に好ましく、特に好ましい予燃式脱炭素プラントが、2003年4月3日に出願され本件出願と同時係属中である本発明者らによる米国特許仮出願第60/460363号明細書に記載されており、この出願は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、COS含有流の第1の部分を、供給流と組み合わせてもよく、あるいは供給流がかなりの量のCOSを含んでいる場合には、この第1の部分を完全になくしてもよいことを、理解すべきである。
【0020】
したがって、第2の部分に対する第1の部分の比は、一般的には、種々の要因に依存して様々であるが、特に供給流および/またはCOS含有流に存在するCOSの量に依存する。同様に、第3の部分に対する第2の部分の比も、様々であるが、典型的には、第3の部分のCOSは、COSの硫化水素への変換により、第1の凝縮器の流出物の二酸化硫黄との反応によって、実質的に完全に消費される。また、触媒コンバータへの進入に先立って、反応炉の流出物と第2の部分(および/または凝縮器の流出物と第3の部分)とを組み合わせることが一般的には好ましいが、これらの流れを別々に触媒コンバータへと供給してもよいことを、理解すべきである。
【0021】
反応炉、廃熱ボイラー、再加熱装置、触媒コンバータ、および硫黄凝縮器に関しては、一般的に、このような構成要素を、考えられる構成に合わせて変更する必要がなく、これらの構成要素を、当技術分野において現在使用されている構成で使用できることを、理解すべきである。
【0022】
したがって、考えられるクラウスプラントが、COSから二酸化硫黄を形成すべくCOS含有流の第1の部分を受け取る反応炉と、好ましくは酸化チタンまたはコバルト−モリブデン触媒を含んでおり、(a)反応炉からの二酸化硫黄を受け取るとともに、(b)COSから硫化水素を形成すべくCOS含有流の第2の部分を受け取る触媒コンバータとを備えることができ、二酸化硫黄と硫化水素とがコンバータにおいて反応して硫黄元素が形成されることを、理解すべきである。特に好ましい構成においては、反応炉が、炭化水素、アンモニア、硫化水素、有機硫化物、水、酸素、および空気のうちの少なくとも1つを含んでいる流れをさらに受け取る。したがって、COS含有流の特に好ましい供給源としては、予燃式脱炭素ユニットが挙げられ、典型的には少なくとも5モル%のCOSを含んでいる。第2の触媒コンバータを、上述の触媒コンバータへと直列に接続することができ、COSから硫化水素を形成すべくCOS含有流の第3の部分をさらに受け取ることができる。
【0023】
本発明の主題の他の態様において、特にCOS含有流のCOS濃度が比較的高い場合に、代案となる構成を使用することができ、そこでは図2に示されているように、COSの一部が触媒コンバータへの進入に先立って加水分解され、および/またはCOSの一部が反応炉において酸素および/または水と反応させられる。
【0024】
ここで、クラウスプラント200は、反応炉210を、ボイラー供給水242から蒸気244を生成する廃熱ボイラー240へと接続して有している。上述の図1に示した構成と同様、反応炉の前部が、供給206と、適切な火炎温度および/または硫黄化合物の酸化を維持するための、適切な量の空気/酸素208とを受け取る。COS含有流204の第1の部分204Aが、二酸化硫黄へと酸化されるべく反応炉へと供給される一方で、COS含有流204の第2の部分204Bは、COS加水分解炉280へと供給される。COS加水分解炉の流出物の第1の部分204B’が、反応炉の後部へと供給され、クラウス化学に従って、他の硫黄含有化合物の硫黄元素と反応する。結果として、反応炉の流出物212が、第1の凝縮器270へと供給され、そこで硫黄元素が硫黄生成物272として取り出される。
【0025】
次いで、凝縮器の流出物274が、再度加熱され、COS加水分解炉280にて生み出された硫化水素流の第2の部分204B’’に組み合わせられる。組み合わせられた流れが、第1の触媒コンバータ220へと進入し、加水分解炉からの硫化水素と第1の凝縮器の流出物からの二酸化硫黄が、クラウス反応にて反応し、硫黄元素を形成する。次いで、触媒コンバータの流出物222が、凝縮器250へと供給され、そこで硫黄元素が硫黄生成物252として取り出され、この凝縮器の流出物254は、再度加熱され、硫化水素流の第3の部分204B’’’と混合された後に、第3のコンバータ230へと進入する。再び、凝縮器の流出物254からの残りの二酸化硫黄と流れ204B’’’からの硫化水素とが反応して、触媒コンバータ230において硫黄元素が形成され、触媒コンバータ230からの流出物232が、凝縮器260へと供給される。硫黄元素が、硫黄生成物262として凝縮器260から取り出され、排ガス264がクラウスプラントから去る(流れ212、274、および254は、典型的には、二酸化硫黄に加えていくらかの硫化水素を含んでいる)。
【0026】
COS加水分解炉に関しては、公知のすべての加水分解炉がここでの使用に適していると考えられることを理解すべきであり、典型的なCOS加水分解炉が、例えば米国特許第4,332,781号明細書および米国特許第5,674,463号明細書に記載されており、どちらも参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、一般的には、COSの加水分解は、ニッケル、白金、およびパラジウムなどといった適切な加水分解触媒を使用して行なうことが好ましい。残りの構成要素および条件に関しては、すでに上述したものと同じ検討があてはまる。
【0027】
したがって、特に適切なクラウスプラントは、COSから二酸化硫黄を形成すべくCOS含有流の少なくとも一部を第1の部位にて受け取る反応炉、およびこの反応炉の第2の部位へと硫化水素をもたらす硫化水素源を含んでおり、硫化水素および二酸化硫黄が、第2の部位において硫黄元素および他の硫黄含有化合物へと反応する。このようなプラントは、COS含有流の少なくとも一部をもたらす予燃式脱炭素ユニットへと有利に接続することが可能であり、任意には、硫化水素を形成すべくCOS含有流の他の部分を受け取る加水分解炉をさらに含むことができる。
【0028】
触媒コンバータ(好ましくは、酸化チタン触媒またはコバルト−モリブデン触媒を含んでいる)は、典型的には、加水分解炉からの硫化水素の少なくとも一部、および反応炉からの二酸化硫黄の少なくとも一部を受け取り、二酸化硫黄と硫化水素とがコンバータにおいて反応して硫黄元素が形成される。最も典型的には、第2および第3の触媒コンバータが、第1の触媒リアクタに接続される。
【0029】
したがって、一般的に、反応炉においてCOS含有流からのCOSの第1の部分を二酸化硫黄へと酸化することによって、クラウスプラントにおいてCOS含有流を硫黄生成物へと変換できることを、理解すべきである。COS含有流からのCOSの第2の部分は、反応炉、加水分解炉、または触媒コンバータにおいて、硫化水素へと加水分解および/または酸化され、このようにして生み出された二酸化硫黄および硫化水素が、次に触媒によって反応させられて、クラウス反応に従って硫黄生成物が形成される。
【0030】
特定のプラントの構成および/またはCOS含有流のCOS濃度に依存して、COSの加水分解および/または酸化を、反応炉または触媒コンバータ(例えば、COS濃度が比較的低い場合)で実行でき、あるいは加水分解炉(例えば、COS濃度が比較的高い場合)にて実行できることが、考えられる。しかしながら、COSの加水分解および/または酸化の位置にかかわらず、適切なCOS濃度は、少なくとも5%(モル)COSであってよいと考えられる。そのような方法の構成要素および条件に関しては、上述したものと同じ検討が当てはまる。
【0031】
このように、COS−クラウスの構成および方法について、特定の実施形態および用途を開示した。しかしながら、ここに開示した本発明の概念から逸脱することなく、すでに説明したもの以外にも、さらに多くの変形が可能であることが、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の精神以外には、決して限定されない。また、明細書および特許請求の範囲の両者を解釈する際には、すべての用語は、文脈に一致する様相で可能な限り広く解釈されなければならない。特に、用語「・・・含む(comprises)」および「・・・含んでいる(comprising)」は、要素、構成部品、または工程に、非排他的な様相で言及していると解釈すべきであり、言及された要素、構成部品、または工程が、明示的には言及されていない他の要素、構成部品、または工程とともに存在し、利用され、あるいは組み合わせられてもよいことを、示している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の主題によるCOS変換のための1つの典型的な構成である。
【図2】本発明の主題によるCOS変換のための他の典型的な構成である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
COS含有流の第1の部分を受け取ってCOSから二酸化硫黄を形成する反応炉と、
反応炉から二酸化硫黄を受け取るとともに、さらにCOS含有流の第2の部分を受け取ってCOSから硫化水素を形成する触媒コンバータと
を備えており、
コンバータにおいて二酸化硫黄と硫化水素が反応して硫黄元素が形成される、クラウスプラント。
【請求項2】
反応炉が、炭化水素、アンモニア、硫化水素、有機硫化物、水、酸素、および空気のうちの少なくとも1つを含む流れをさらに受け取る、請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
触媒コンバータに直列に組み合わせられた第2の触媒コンバータをさらに備えている、請求項1に記載のプラント。
【請求項4】
第2の触媒コンバータが、COS含有流の第3の部分を受け取ってCOSから硫化水素を形成する、請求項3に記載のプラント。
【請求項5】
予燃式脱炭素ユニットが、COS含有流を供給する、請求項1に記載のプラント。
【請求項6】
触媒コンバータが、酸化チタンまたはコバルト−モリブデンを含む触媒を備えている、請求項1に記載のプラント。
【請求項7】
COS含有流が、少なくとも5%(モル)のCOSを含む、請求項1に記載のプラント。
【請求項8】
第1の部位にてCOS含有流の少なくとも一部分を受け取って、COSから二酸化硫黄を形成する反応炉と、
反応炉の第2の部位へと硫化水素をもたらす硫化水素源と
を備えており、
第2の部位において硫化水素と二酸化硫黄が硫黄元素へと反応する、クラウスプラント。
【請求項9】
予燃式脱炭素ユニットが、COS含有流を供給する、請求項8に記載のプラント。
【請求項10】
硫化水素源が、COS含有流の他の一部分を受け取って硫化水素を形成する加水分解炉を備えている、請求項8に記載のプラント。
【請求項11】
加水分解炉からの硫化水素の少なくとも一部分と、反応炉からの二酸化硫黄の少なくとも一部分とを受け取る触媒コンバータをさらに備えており、
コンバータにおいて二酸化硫黄と硫化水素が反応して硫黄元素が形成される、請求項10に記載のプラント。
【請求項12】
触媒コンバータが、酸化チタンまたはコバルト−モリブデンを含む触媒を備えている、請求項10に記載のプラント。
【請求項13】
COS含有流が、少なくとも5%(モル)のCOSを含む、請求項8に記載のプラント。
【請求項14】
COS含有流をクラウスプラントにおいて硫黄生成物へと変換する方法であって、
COS含有流からのCOSの第1の部分を、反応炉において二酸化硫黄へと酸化する工程と、
COS含有流からのCOSの第2の部分を、反応炉、加水分解炉、および触媒コンバータのうちの少なくとも1つにおいて、硫化水素へと加水分解する工程と、
二酸化硫黄を硫化水素と触媒反応させて、硫黄生成物を形成する工程と
を含む、方法。
【請求項15】
加水分解する工程および触媒反応させる工程のうちの少なくとも1つが、反応炉において実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
加水分解する工程が、触媒コンバータにおいて実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
炭化水素、アンモニア、硫化水素、有機硫化物、水、酸素、および空気のうちの少なくとも1つを含む流れを、反応炉へと供給する工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
COS含有流が、少なくとも5%(モル)のCOSを含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−533589(P2007−533589A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509440(P2007−509440)
【出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/012821
【国際公開番号】WO2005/113124
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506354434)フルオー・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (35)
【Fターム(参考)】