説明

COX−2標的造影剤

【課題】 なし
【解決手段】
本発明に開示された主題は、COX−2選択性リガンドと、検出可能な基を含む化合物とを反応させることによって放射線造影剤を合成するための方法であって、COX−2選択性リガンドは、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の誘導体である方法を提供する。本発明に開示された主題の、本方法を用いて合成される組成物、及びこの組成物を使用する方法をも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書にその全体が組み込まれている、2003年6月25日に出願された米国仮出願第60/482,422号に基づき、その優先権を主張するものである。
【0002】
(助成に関する記載)
この研究は、米国国立衛生研究所からの助成CA85283によって支援された。よって、米国政府は、本発明に開示された主題に一定の権利を有する。
【0003】
(技術分野)
本発明に開示された主題は、一般に、COX−2選択性リガンドを含む造影剤に関する。本発明に開示された主題は、より詳細には、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)への結合を示し、それを放射線造影剤として使用することを可能にする官能基を含む非ステロイド系抗炎症薬の誘導体に関する。
【0004】
(略語表)
11C − 炭素−11
18F − フッ素−18
ACN − アセトニトリル
APCMin− − 突発性腸腫瘍の形成が極めて生じやすいマウス系統
APHS −o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド
At − アスタチン
BOC − tert−ブトキシカルボニル
(BOC)O − ジ−tert−ブチルジカーボネート
Br − 臭素
Cl − 塩素
COX−1 − シクロオキシゲナーゼ1
COX−2 − シクロオキシゲナーゼ2
CID − 衝突誘発解離
CT − コンピュータ断層撮影法
DIPEA − ジイソプロピルエチルアミン
DMAP − 4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF − ジメチルホルムアミド
DMSO − ジメチルスルホキシド
DOTA − テトラアザシクロドデシル四酢酸
DTPA − 五酢酸ジエチレントリアミン
ED50 − 50%有効量
EDCI − 1−エチル−3−(3’−ジメチル)カルボジアミン
ELISA − 酵素結合免疫吸着検定法
ESI − 電気スプレー電離
Et − エチル
ETYA − 5,8,11,14−エイコサテトライン酸
F − フッ素
FAP − 家族性腺腫様ポリープ症
F−APHS − o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィドのフルオロアセチル誘導体
FDA − 米国食品医薬品局
HCl(g) − HClガス
HOBt − N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
I − ヨウ素
IC50 − 50%抑制濃度
INDO − インドメタシン
keV − キロ電子ボルト
inact − 不活性化速度定数
− 阻害定数
LAH − 水素化アルミニウムリチウム
LPS − リポ多糖
MPM − マウス常在腹腔マクロファージ
NIR − 近赤外
NIH − 国立衛生研究所
NMe − N,N−ジメチル
NMe − N,N,N−トリメチル
NSAID− 非ステロイド系抗炎症薬
PET − 陽電子放射型断層撮影法
PG − プロスタグランジン
PGD − プロスタグランジンD
PGE − プロスタグランジンE
PGG − プロスタグランジンG
PGH − プロスタグランジンHSPECT − 単一光子放射型コンピュータ断層撮影法
TEA − トリエチルアミン
THF − テトラヒドロフラン
TLC − 薄層クロマトグラフィー
Ts−Cl − 塩化トシル
TXA − トロンボキサンATXB − トロンボキサンB
【背景技術】
【0005】
(背景)
現行の診断画像化法の限界は、画像化したい組織、又は細胞型に特異的に造影剤を配達することがしばしば不可能なことである。標的組織画像化の場合は、必要なのは、標的組織に特異的であるが、周囲の非標的細胞に顕著に結合しない薬剤である。造影剤として特に望ましいのは、陽電子放射型断層撮影法(PET)等の非侵襲的画像化技術に使用することができる化合物である。
【0006】
癌の診断画像化の分野では、腫瘍に特異的な画像化のための現行の方法は、正常組織にも蓄積する造影剤に妨げられている。加えて、多数の腫瘍型に結合することが可能なターゲティングリガンドが欠如しているため、異なる腫瘍型を画像化するために広範な薬剤の合成が必要である。理想的には、ターゲティング分子は、正常組織への実質的な結合の不在下での特異的なターゲティング、ならびに様々な腫瘍型、及び段階に対するターゲティングの能力を示す必要がある。最後に、新生物性変化の初期診断は、より効果的な癌治療をもたらすことが可能である。したがって、腫瘍化の過程の初期に造影剤を腫瘍に配達することを達成するための方法が、当該技術分野において待望されている。
【0007】
シクロオキシゲナーゼ(COX)活性は、COX−1、及びCOX−2と呼ばれる2つの異なる、独立に規制される酵素から発生する(DeWitt and Smith の論文(1988)、Yokoyama and Tanabeの論文(1989)、及びHla and Neilsonの論文(1992)を参照)。COX−1は、構成性イソ型であり、主に、胃腸管における細胞保護的プロスタグランジンの合成、及び血小板の凝集を引き起こすトロンボキサンの合成の原因となる(Allisonらの論文(1992))。一方、COX−2は、誘発性であり、短寿命である。その発現が、エンドトキシン、シトキン、及びミトゲンに応答して刺激される(Kujubuらの論文(1991)、Leeらの論文(1992)、及びO'Sullivanらの論文(1993))。
【0008】
シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)は、プロスタグランジン、トロンボキサン、及びプロスタサイクリンの生合成に関与するステップを触媒するSmithらの論文(2000))。COX−2は、たいていの正常組織には発現されないが、炎症性病変、及び腫瘍に存在する(Fuらの論文(1990)、及びEberhartらの論文(1994))。Eberhartら、及びKargmanらによる研究は、COX−2 mRNA、及びタンパク質は、結腸癌患者の腫瘍細胞に発現されるが、周囲の正常細胞に発現されないことを最初に証明した(Eberhartらの論文(1994)、及びKargmanらの論文(1995))。COX−2の発現は、結腸ポリープにおいて検出可能であるため、結腸腫瘍化における初期の事象であるように思われる(Eberhartらの論文(1994))。結腸腺癌の約85%に対して、ポリープの約55%がCOX−2の発現を示す。COX−2が悪性腫瘍、及びそれらの前駆体病変に発現されるという概念は、食道(Kandilらの論文(2001))、膀胱(Ristimakiらの論文(2001))、胸部(Ristimakiらの論文(2002))、膵臓(Tuckerらの論文(1999))、肺(Soslowらの論文(2000))、及び黒色腫(Denkertらの論文(2001))の固形腫瘍を含むより広範囲の固形腫瘍に拡大された。
【0009】
腫瘍におけるCOX−2の発現は、機能的重要性を有するものと思われる。プロスタグランジンは、細胞増殖を刺激し(Marnettの論文(1992))、細胞消滅を抑制し(Tsujii and DuBoisの論文(1995))、細胞運動性を高め(Shengらの論文(2001))、動物モデルにおける血管形成を強化する(Danielらの論文(1999)、及びMasferrerらの論文(2000))ことが証明された。COX−2の発現は、結腸癌の齧歯類モデルにおいて著しく高まり、COX−2ノックアウトマウスをAPCMin−背景(突発性腸腫瘍の形成が極めて生じやすいマウス系統)に交配させると、APCMin−対照と比較して、腸腫瘍の数が85%減少する(DuBoisらの論文(1996)、及びOshimaらの論文(1996))。COX−2の発現は、Her−2/neuの過剰発現を示す患者の部分集合からの乳癌において検出されている。経産の齧歯類の胸部を特に対照としたCOX−2の過剰発現は、乳癌を誘発する。これらの所見は、COX−2は、腫瘍の進行に寄与するため、腫瘍組織におけるその発現は重要な機能的役割を果たすことを示唆するものである。実際、腫瘍におけるCOX−2の発現は不十分な臨床結果に対応づけられる(Tuckerらの論文(1999)、Denkertらの論文(2001)、Kandilらの論文(2001)、及びRistimakiらの論文(2002))。その結果、化学予防剤、及び化学療法の補助剤としてのCOX−2の可能性を評価するためのいくつかの臨床試験が開始された。
【0010】
COX−2は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、特に最近開発されたCOX−2選択性阻害剤であるセレコキシブ(米国ニューヨーク州New YorkのPfier IncによりCELEBREX(登録商標)の商品名で販売されている)、及びロフェコキシブ(米国ニュージャージ州Whitehouse StationのMerk and Co., IncによりVIOXX(登録商標)の商品名で販売されている)の消炎、鎮痛、及び解熱効果に対する分子標的である。Vane and Bottingの論文(1996)をも参照されたい。NSAIDは、COX−2、及びCOX−1に対して変動する選択性を示すが、概して、それらのうちでCOX−2に対して高い選択性を示すものはほとんどない(Meadeらの論文(1993))。NSAIDは、癌化学予防活性を示すのに対して、COX選択性薬物は、ヌードマウスにおけるヒト腫瘍異種移植片の成長を抑制し、家族性ポリープ症の個体におけるポリープの退行を誘発する(Shengらの論文(1997)、Kawamoriらの論文(1998)、及びSteinbachらの論文(2000))。COX−2を阻害するこれらの薬物の能力は、これらの活性によるものであることがわかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
放射線造影剤を合成するための方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(要約)
放射線造影剤を合成するための方法を開示する。いくつかの実施形態において、本方法は、COX−2選択性リガンドと、検出可能な基を含む化合物とを反応させることを含み、COX−2選択性リガンドは、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。いくつかの実施形態において、NSAIDのカルボン酸基は、エステル、又は第二級アミンに誘導体化されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、NSAIDは、フェナム酸、インドール、フェニルアルカン酸、フェニル酢酸、それらの医薬として許容し得る塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、6−メトキシ−α−メチル−2−ナフチル酢酸、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ジクロフェナク、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、スリンダク、トルメチン、スプロフェン、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、アセロフェラク(aceloferac)、アルコフェナク(alcofenac)、アムフェナク(amfenac)、ベノキサプロフェン、ブロムフェナク、カルプロフェン、クリダナク、ジフルニサル、エフェナム酸、エトドリン酸(etodolic acid)、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェノプロフェン、フレクロジン酸(fleclozic acid)、インドプロフェン、イソフェゾラク、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナメート、ナプロキセン、オルパノキシン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、トルフェナム酸、ザルトプロフェン、ゾメピラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ケトロラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0014】
いくつかの実施形態において、第二級アミド誘導体は、インドメタシン−N−メチルアミド、インドメタシン−N−エタン−2−オールアミド、インドメタシン−N−オクチルアミド、インドメタシン−N−ノニルアミド、インドメタシン−N−(2−メチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(4−メチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−[(R)−α,4−ジメチルベンジル]アミド、インドメタシン−N−((S)−α,4−ジメチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(2−フェネチル)アミド、インドメタシン−N−(4−フルオロフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−クロロフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−アセトアミドフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−メチルメルカプト)フェニルアミド、インドメタシン−N−(3−メチルメルカプトフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3−エトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3−ピリジル)アミド、インドメタシン−N−5−[(2−クロロ)ピリジル]アミド、インドメタシン−N−5−[(1−エチル)ピラゾロ]アミド、インドメタシン−N−(3−クロロプロピル)アミド、インドメタシン−N−メトキシカルボニルメチルアミド、インドメタシン−N−2−(2−L−メトキシカルボニルエチル)アミド、インドメタシン−N−2−(2−D−メトキシカルボニルエチル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシカルボニルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシカルボニルメチルフェニル)アミド、インドメタシン−N−(2−ピラジニル)アミド、インドメタシン−N−2−(4−メチルチアゾリル)アミド、インドメタシン−N−(4−ビフェニル)アミド、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0015】
この方法のいくつかの実施形態において、検出可能な基は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ハロゲン含有部分は、塩素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、又はそれらの放射性同位体を含む。
【0016】
本発明に開示された主題は、対象の標的組織を画像化するための方法をも提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、放射線造影剤を、放射性造影剤を標的組織に結合させるのに十分な条件下で対象に投与することであって、放射線造影剤は、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の誘導体を含み、検出可能な基をさらに含むことと、標的組織における検出可能な基を検出することとを含む。本方法のいくつかの実施形態において、非ステロイド系抗炎症薬のカルボキシル基は、エステル、又は第二級アミドに誘導される。
【0017】
いくつかの実施形態において、標的組織は、炎症性病変、新生物発生前病変、腫瘍、新生細胞、新生物発生前細胞、及び癌細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、新生物発生前病変は、結腸ポリープ、及びバレット食道からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、腫瘍は、原発腫瘍、転移腫瘍、及び癌からなる群から選択される。
【0018】
本方法のいくつかの実施形態において、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0019】
開示された方法では、造影剤の様々な投与経路を採用することが可能である。いくつかの実施形態において、投与は、経口、静脈内、腹腔内、吸入、及び腫瘍内からなる群から選択される経路を介する。
【0020】
いくつかの実施形態において、(NSAID)は、フェナミム酸、インドール、フェニルアルカン酸、フェニル酢酸、それらの医薬として許容し得る塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、6−メトキシ−α−メチル−2−ナフチル酢酸、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ジクロフェナク、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、スリンダク、トルメチン、スプロフェン、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、アセロフェラク、アルコフェナク、アムフェナク、ベノキサプロフェン、ブロムフェナク、カルプロフェン、クリダナク、ジフルニサル、エフェナム酸、エトドリン酸、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェノプロフェン、フレクロジン酸、インドプロフェン、イソフェゾラク、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナメート、ナプロキセン、オルパノキシン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、トルフェナム酸、ザルトプロフェン、ゾメピラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ケトロラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
開示された方法は、本明細書に開示されている放射線、及び/、又は光造影剤を採用することが可能である。本発明に開示された主題のいくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0022】
【化1】


(式中、Rは、
【0023】
【化2】


からなる群から選択され、
R1は、
【0024】
【化3】


からなる群から選択され、Xは、芳香族環の1つ、又は複数の位置におけるハロゲン、又はその放射性同位体であり、
R2は、検出可能な基、又はハロ置換アリールを含み、
R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素、ハロ、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、又は分枝アルコキシ、ベンジルオキシ、SCH、SOCH、SOCH、SONH、及びCONHからなる群から選択され、
nは0〜5であり、R1、及びR2の少なくとも一方は、検出可能な基を含む)
【0025】
いくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0026】
【化4】


(式中、R7はハロゲンを含み、R8は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、及びC〜Cアリール、又は分枝アリールからなる群から選択される)いくつかの実施形態において、R3は18Fである。
【0027】
造影剤のいくつかの実施形態において、R7はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0028】
【化5】

【0029】
いくつかの実施形態において、R7はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0030】
【化6】

【0031】
いくつかの実施形態において、R7はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0032】
【化7】


(式中、m=0〜8の整数)
【0033】
いくつかの実施形態において、R7はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0034】
【化8】


いくつかの実施形態において、R2は、配位金属イオンをさらに含む。いくつかの実施形態において、配位金属イオンは、Gd3+、Eu3+、Fe3+、Mn2+、Yt3+、Dy3+、及びCr3+からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、配位金属イオンは、Gd3+、又はEu3+である。
【0035】
いくつかの実施形態において、R7はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0036】
【化9】


(式中、Xは、ハロゲン、又はその放射性同位体である)いくつかの実施形態において、Xは18Fである。
【0037】
いくつかの実施形態において、R7はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0038】
【化10】


いくつかの実施形態において、R7はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0039】
【化11】


(式中、q=0〜8の整数)
【0040】
いくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0041】
【化12】


(式中、R9はハロゲンであり、R2はp−ハロベンゼンであり、s=1〜4である)いくつかの実施形態において、R9はBrであり、s=2であり、R2はp−18F−ベンゼンである。
【0042】
いくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0043】
【化13】


いくつかの実施形態において、フッ素原子は18Fである。
【0044】
いくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0045】
【化14】

【0046】
いくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0047】
【化15】


(式中、R10は検出可能な基を含む)この態様のいくつかの実施形態において、R10は、下記の構造を有する。
【0048】
【化16】

【0049】
いくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0050】
【化17】


(式中、R11は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される検出可能な基を含む)
【0051】
いくつかの実施形態において、造影剤は、下記の構造を含む。
【0052】
【化18】


(式中、R12は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体成分、及びそれらの組合せからなる群から選択される検出可能な基を含む)
【0053】
本開示によれば、造影剤は、検出可能な基を含む。いくつかの実施形態において、検出可能な基は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体成分、及びそれらの組合せからなる群から選択される。検出可能な基は、様々な放射線、及び/、又は光検出手法を用いて検出されうる。いくつかの実施形態において、検出は、陽電子放射型断層撮影法、近赤外発光法、又は単色X線による。
【0054】
本発明に開示された主題は、検出可能な基と、インドメタシン誘導体とを含み、
【0055】
【化19】



の構造のうちの1つを有する化合物からなる群から選択される造影剤をも提供する。いくつかの実施形態において、検出可能な基は、18Fである。いくつかの実施形態において、上記構造に存在する1つ、又は複数のフッ素原子は、18Fである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
(詳細な説明)
次に、本発明に開示された主題の代表的な実施形態が示される付随の実施例を参照しながら、以下に本主題をより詳細に説明する。しかし、本発明に開示された主題は、異なる形態で具体化することが可能であり、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものと見なされるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が十分かつ完全なものとなり、本発明に開示された主題の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0057】
特に指定のない限り、本明細書に用いられているすべての技術、及び科学用語は、本発明に開示された主題が属する技術分野の当業者に広く理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたすべての出版物、特許出願、特許、及び他の文献は、参照により全面的に組み込まれている。
【0058】
明細書、及び請求項を通じて、所定の化学式、又は名称は、すべての光学、及び立体異性体、ならびにラセミ混合物を、当該異性体、及び混合物が存在する場合に包括するものである。
【0059】
明細書、図面、及び請求項を通じて、いくつかの化学構造は、一定のメチル基、及び/、又は水素を含まずに記載されている。それらの構造において、実線は、2つの原子間、そして特に指定のない限り、炭素原子間の結合を表す。したがって、一端、及び/、又は他端に具体的に原子が列挙されていない結合は、その一端、及び/、又は他端に炭素原子を有する。例えば、「−O−」と記載された構造は、C−O−Cを表す。水素がすべての構造に顕在的に配置されていなければ、必要に応じて潜在的な水素がその構造に存在するものと理解される。したがって、「−O」と記載された構造は、特定の原子の価から、適宜HC−Oを表すことが可能である。
【0060】
また、図面、及び請求項を含む明細書を通じて、
【0061】
【化20】


の如き記載される結合は、1つ、又は複数の水素が、ハロゲン、又はその放射性同位体の如き他の成分で置換された芳香族環を表すように意図されている。本明細書に用いられているように、この概略表示は、2つ以上の水素が置換された芳香族環をも表す。2つ以上の水素が置換されたそれらの実施形態において、その概略描写は、芳香族環の可能な位置のいずれかにおける異なる成分(例えばハロゲン、及び/、又はその放射性同位体)の任意の組合せを表すように意図されている。
【0062】
積年の特許法協定に従い、「不定冠詞(a and an)」は、請求項を含めて、本出願に用いられるときは「1つ、又は複数」を意味する。
【0063】
1.一般的考察
非選択性NSAIDを選択性の高いCOX−2リガンドに容易に変換することを可能にする新奇の手法が最近開発された(Kalgutkarらの論文(1998a)、及びKalgutkarらの論文(2000a))。これは、たいていのNSAIDに共通のカルボン酸官能基を誘導体に変換することによって達成される。1つの手法では、アセチル化によってCOX−1、及びCOX−2を共有結合修飾するNSAIDであるアスピリンが、COX−2に対する選択性がアスピリンの100倍であるアセチル化剤、すなわちo−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)に変換された(Kalgutkarらの論文(1998a)、図2も参照のこと)。他の手法を利用して、いくつかのカルボン酸含有NSAIDを、中性アミド、又はエステル誘導体に変換することによって選択性の高いCOX−2阻害剤に変換できることが発見された(Kalgutkarらの論文(2000b))。この手法は、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、メクロフェナム酸、ケトロラク、及びインドメタシンのNSAID(図5)の場合に有効であることが証明された。ETYA、ケトロラク、及びメクロフェナム酸の場合は、それらのアミド誘導体は、選択性COX−2阻害活性を示す。いくつかの最も効果的な阻害剤としては、ケトロラク(IC50−COX−2=80nM、IC50−COX−1>65μM)のp−フルオロベンジルアミド、及びインドメタシン(IC50−COX−2=52nM、IC50−COX−1>66μM)を含むハロアルキル、又はハロアリールアミド誘導体がある。
【0064】
NSAIDの誘導体としてのCOX−2阻害剤の開発における主な取り組みは、親化合物としてのインドメタシンに集中された。COX−2よりCOX−1に対して約15倍効果的な阻害剤であるインドメタシンを、COX−1に比べて1300倍のCOX−2選択性を示すアミド、又はエステル誘導体に単一工程で変換することが可能である(図3、及びKalgutkarらの論文(2000b)をも参照のこと)。インドメタシンのアミド、及びエステルは、ともに活性であり、多数アルキル、及び芳香族置換基が、効果的かつ選択性のCOX−2阻害を示す。図6は、インドメタシンのアミド化により生成された阻害剤のいくつかの例を示し、選択性COX−2阻害剤である広範な構造的成分を例示している。
【0065】
II.COX−2選択性リガンド
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題は、放射性造影剤を合成するための方法であって、COX−2選択性リガンドと、検出可能成分を含む官能基とを組み合わせ、COX−2選択性リガンドは、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の誘導体であることを含む方法に関する。したがって、本方法は、一方の機能がCOX−2を選択的に結合させ、他方の機能が放射性、又は光学的画像化によって検出可能である二機能性分子の合成である。
【0066】
本明細書に用いられているように、「COX−2選択性リガンド」という語句は、COX−2ポリペプチドに対する優先的結合を示す分子を意味する。本明細書に用いられているように、「選択的結合」とは、分子の混合物における1つの分子の他の分子に対する優先的結合を意味する。標的分子に対する阻害剤の結合は、結合親和性が、約1×10−1から約1×10−1以上の場合に選択的であると見なされうる。いくつかの実施形態において、COX−2選択性リガンドは、COX−2選択性阻害剤であり、「COX−2選択性阻害剤」は、COX−1に対するその阻害を相対的に超過してCOX−2を阻害する分子と定義づけられる。いくつかの実施形態において、COX−2選択性リガンドは、COX−2ポリペプチドに対して共有結合する。他の実施形態において、COX−2選択性リガンドは、COX−2ポリペプチドに対して非共有結合する。
【0067】
いくつかの実施形態において、COX−2選択性リガンドは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の誘導体である。本明細書に用いられているように、「誘導体」という用語は、1つ、又は複数の原子が変化して、親化合物と異なる1つ、又は複数の官能基を含む新たな化合物を生成した化合物の構造的変形を意味する。この変化は、任意の好適なプロセスによって生じるが、典型的には、NSAIDと中間体とを反応させ、基が中間体からNSAIDに移行されて、誘導体を生成することによって生じる。
【0068】
誘導できるNSAIDCOX−2選択性リガンドは、本質的にCOX−2リガンドでありうる。あるいは、COX−2選択性NSAIDを、本明細書に記載の方法で使用するためのCOX−2選択性リガンドに変換することが可能である。非COX−2選択性COX−2選択性リガンドに変換することは、Kalgutkarらの論文(1998a)、及び/、又はKalgutkarらの論文(1998b)、及び/、又はKalgutkarらの論文(2000a)、及び/、又はKalgutkarらの論文(2000b)に概略的に記載されている方法を含む。これらの方法としては、NSAIDをアセチル化して、COX−2選択性とする方法、及びNSAIDをそれぞれの中性アミド、又はエステル誘導体に変換して、COX−2選択性とする方法が挙げられるが、それらに限定されない。これらの方法は、COX−2を共有結合させるNSAID誘導体の製造、ならびにCOX−2を非共有結合させるNSAID誘導体の製造に有用である。
【0069】
いくつかの実施形態において、NSAIDは、フェナム酸、インドール、フェニルアルカン酸、フェニル酢酸、それらの医薬として許容し得る塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、非ステロイド系抗炎症薬は、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、6−メトキシ−α−メチル−2−ナフチル酢酸、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ジクロフェナク、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、スリンダク、トルメチン、スプロフェン、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、アセロフェラク、アルコフェナク、アムフェナク、ベノキサプロフェン、ブロムフェナク、カルプロフェン、クリダナク、ジフルニサル、エフェナム酸、エトドリン酸、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェノプロフェン、フレクロジン酸、インドプロフェン、イソフェゾラク、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナメート、ナプロキセン、オルパノキシン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、トルフェナム酸、ザルトプロフェン、ゾメピラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、非ステロイド系抗炎症薬は、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ケトロラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。
【0070】
いくつかの実施形態において、COX−2リガンドは、エステル部分、又は第二級アミド部分を含むNSAIDの誘導体である。いくつかの実施形態において、NSAIDのカルボン酸基が、エステル、又は第二級アミドに誘導されている。いくつかの実施形態において、第二級アミド誘導体は、インドメタシン−N−メチルアミド、インドメタシン−N−エタン−2−オールアミド、インドメタシン−N−オクチルアミド、インドメタシン−N−ノニルアミド、インドメタシン−N−(2−メチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(4−メチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−[(R)−α,4−ジメチルベンジル]アミド、インドメタシン−N−((S)−α,4−ジメチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(2−フェネチル)アミド、インドメタシン−N−(4−フルオロフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−クロロフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−アセトアミドフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−メチルメルカプト)フェニルアミド、インドメタシン−N−(3−メチルメルカプトフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3−エトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3−ピリジル)アミド、インドメタシン−N−5−[(2−クロロ)ピリジル]アミド、インドメタシン−N−5−[(1−エチル)ピラゾロ]アミド、インドメタシン−N−(3−クロロプロピル)アミド、インドメタシン−N−メトキシカルボニルメチルアミド、インドメタシン−N−2−(2−L−メトキシカルボニルエチル)アミド、インドメタシン−N−2−(2−D−メトキシカルボニルエチル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシカルボニルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシカルボニルメチルフェニル)アミド、インドメタシン−N−(2−ピラジニル)アミド、インドメタシン−N−2−(4−メチルチアゾリル)アミド、インドメタシン−N−(4−ビフェニル)アミド、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0071】
NSAID誘導体が合成された後におけるCOX−2酵素に対するNSAID誘導体の結合の選択性、及び効果の評価が望まれることを当業者は理解するであろう。活性についての選択性COX−2阻害剤の検査方法は、インビトロ、及び/、又は無傷細胞内で実施することが可能であり、当該技術分野において知られている。例えば、Kalgutkarらの論文(1998a)、Kalgutkarらの論文(1998b)、Kalgutkarらの論文(2000a)、Kalgutkarらの論文(2000b)、及びKalgutkarらの論文(2002)を参照されたい。インビトロ検査方法の一例は、ヒト、及びネズミ組換えCOX−2を発現させ、Sf−9細胞発現系から純粋な形で単離できることを利用している。手短には、典型的な検定法は、100mMのトリスHCl(pH8.0)、500μMフェノール、及び50μMの14C−アラキドン酸(55mCi/mmol)を含有する200μLの反応混合物中でCOX−1(44nM)、又はCOX−2(66nM)を37℃で30秒間にわたって温置することを含む。同様の発現系から純粋な形で容易に得られないCOX−1は、ヒツジ精嚢から標準的手順によって精製することが可能である。あるいは、古いヒト血小板からの膜製剤は、ヒトCOX−1源となりうる。活性について検査されているNSAID誘導体は、(競合的阻害に対する試験を行うために)アラキドン酸の添加と同時に、又は(時間依存性阻害に対する試験を行うために)アラキドン酸の添加に先立つ様々な時間にわたって、ジメチルスルホキシド(DMSO)に原液として添加される。その反応は、200μLのエタノール/メタノール/1Mクエン酸塩(pH4.0)(30:4:1)を添加することによって停止される。抽出された製品は、全製品形成の定量化ならびに製品分布の評価を可能にする薄層クロマトグラフィー(TLC)によって分離される。この検定法は、いずれかの酵素の阻害についてのIC50値を定め、阻害の時間依存性を判断するのに有用である。それは、阻害の結果として形成された製品の変化に関する情報をも提供する。
【0072】
上述のTLC検定法は相当の情報を提供するが、多数の候補NSAID誘導体を検査するのは手間がかかる。よって、代替法として、単純化された検定法を用いることができる。温置条件は、温置前時間を30分間として、1mMの濃度ですべての候補誘導体を最初に検査する以外は、本質的に上述した通りとすることが可能である。基板を放射能標識する必要はなく、2μLのギ酸を添加することによって反応を停止することが可能である。製品形成を、市販のキットを使用する免疫吸着検定法(ELISA)によって定量化することが可能である。効力、及びCOX−2に対する選択性を示すことが確認された化合物を、場合によってはTLC検定法によってさらに評価することが可能である。当業者は、NSAID誘導体を活性(例えばCOX−2酵素に対する選択性)について検査するための他のインビトロ検出法を使用することもできる。
【0073】
当業者であれば理解するように、上述した精製酵素製剤における活性は、NSAID誘導体が無傷細胞において効果的であることを保証するものではない。したがって、本明細書に記載された方法において潜在的に有用なものとして識別されるNSAID誘導体を、例えばRAW264.7ネズミマクロファージ細胞系統を使用してさらに試験することが可能である。これらの細胞は、(例えばアメリカンタイプカルチャコレクション(米国バージニア州Manassasから)容易に入手可能であり、容易に大量培養される。それらは、通常は、低レベルのCOX−1、及び非常に低レベル、又は検出不可能なレベルのCOX−2を発現する。しかし、細菌性脂質多糖体(LPS)に曝されると、COX−2レベルは、つづく24時間の期間にわたって急激に高まり、細胞は、内因性アラキドン酸貯蔵物(一般には1nmol/10細胞以下の全PG形成)からPGD、及びPGEを生成する。LPS曝露後に、内因性アラキドン酸を添加すると、新たに合成されたCOX−2による代謝の結果としてPGD、及びPGEが形成される。
【0074】
このシステムは、COX−2選択性リガンド(例えば阻害剤)の阻害効力を試験するためのいくつかの手法を提供する。概して、LPS活性化につづいて、細胞をDMSO中の所望の濃度の候補誘導体で30分間処理することが可能である。14C−アラキドン酸を添加し、細胞を37℃で15分間温置することが可能である。培地の抽出、及びTLC分離に続いて、製品形成を評価することが可能である。あるいは、LPS曝露の30分前に、細胞を所望の濃度の候補誘導体で温置することによって、内因性アラキドン酸からのPG合成に対する候補誘導体の効果を評価することが可能である。24時間の温置の後に、培地の回収、及び抽出を行い、ガスクロマトグラフィー−質量分析、液体クロマトグラフィー−質量分析、又はELISAによってPGD、及び/、又はPGEの量を測定することが可能である。外因的に供給された基質ではなく内因性アラキドン酸を使用して活性に対する測定を行うと、NSAID誘導体はより効果的であることがしばしば確認されるため、後者の方法は特に有用であることが証明できる。
【0075】
RAW264.7検定法は、NSAID誘導体の活性を検査するための細胞ベースの検定法の一例にすぎない。代替的な細胞系統、及び手法を用いた検定法を用いることができることを当業者なら理解するであろう。
【0076】
III.放射性、及び光学的造影剤
本明細書に記載されているのは、COX−2選択性リガンド、及び検出可能な基を含む放射線、及び/、又は光造影剤である。特定の実施形態において、COX−2選択性リガンドは、エステル部分、又は第二級アミド部分を含むNSAID誘導体である。本明細書に用いられているように、「放射線造影剤」という用語は、標準的な放射線、又は光画像化技術を用いて組織、又は細胞の視覚化を高めるのに使用できる化合物を意味する。
【0077】
発明の造影剤を合成する方法についても説明する。いくつかの実施形態において、本発明の造影剤は、COX−2選択性リガンドと、検出可能な基を含む化合物とを反応させることによって合成される。特定の実施形態において、COX−2−選択性リガンドは、上述のNSAID誘導体である。さらに他の特定の実施形態において、NSAID誘導体は、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む。
【0078】
本明細書に定められる「検出可能な基」は、本明細書に記載されている、1つ、又は複数の顕微鏡技術によって検出されうる官能基である。放射線、及び/、又は光造影剤ならびに検出可能な基を検出するのに用いることができる代表的な顕微鏡技術としては、蛍光、化学、及び生物学的発光、可視、紫外、X線、赤外、及びマイクロ波光波長、放射性同位体(例えば18F)によって生成された放射線等を検出する技術が挙げられるが、それらに限定されない。具体的な技術としては、シンチグラフィ画像化技術(例えば陽電子放射型断層撮影法(PET)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ガンマカメラ画像化、及び直線的走査)、近赤外発光(NIR)ならびに単色X線が挙げられるが、それらに限定されない。
【0079】
特定の顕微鏡技術の選択は、造影剤、及び検出可能な基の所望の特性、ならびに本明細書に記載されているいずれかの特定の実施形態の、選択された技術への応用性を判断する上で役割を果たすことを当業者なら理解するであろう。別の言い方をすれば、造影剤を合成する際の検出可能な基の選択は、全面的、又は部分的に、採用されている具体的な顕微鏡技術に依存しうる。
【0080】
模範的な検出可能な基としては、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、線量、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態において、ハロゲン含有部分は、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、又はそれらの放射性同位体を含む。
【0081】
陽電子放射型断層撮影法で使用される場合は、検出可能な基は、適切な陽電子放射源を含む。「陽電子放射源」という用語は、PETスキャナを使用して、直接、又は間接的に検出されうる粒子を放射する原子を意味する。PETは、一般には、走査を目的として、走査される物質(例えば対象内に存在する腫瘍)に導入された短半減期の放射線標識物質を使用する。この放射性物質は、消滅後に、標準的なPET技術を用いて検出されうる陽電子消滅放射線を生じる陽電子を放射する。代表的な陽電子放射源としては、11C、14O、15O、17F、18F、19Ne、52Fe、62Zn、64Cu、及び68Gaが挙げられるが、それらに限定されず、他の陽電子放射源を採用することも可能である。
【0082】
単色X線検出で使用される場合は、検出可能な基は、望ましくは、1つ、又は複数のヨウ素含有部分を含む。そのような成分の例としては、少なくとも1つの水素がヨウ素で置換された置換ベンゼン環が挙げられる。いくつかの実施形態において、ヨウ素含有部分は、3つの水素がヨウ素で置換されたベンゼン環を含む。
【0083】
蛍光検出で使用される場合は、検出可能な基は蛍光染料(例えば蛍光体)でありうる。これらの蛍光染料の多くは、市販されており、カルボシアニン、及びアミノスチリル染料、長鎖ジアルキルカルボシアニン(例えば、モレキュラプローブ社(米国オレゴン州Eugene)より入手可能なDil、DiO、及びDiD)ならびにジアルキルアミノスチリル染料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0084】
染料標識は、Cy5、Cy5.5、及びCy7(アマシャムバイオサイエンスコーポレーション(米国ニュージャージ州Piscataway)より入手可能)、IRS41、及びIRD700(Li-Cor社(米国ネブラスカ州Lincoln)より入手可能)、NIR−1(同仁化学研究所(日本国熊本県)より入手可能)、ならびにLaJolla Blue(ジアトロン(米国フロリダ州Miami)より入手可能)を含むスルホン化シアニン染料を含むこともできる。Lichaらの論文(2000)、Weisslederらの論文(1999)、及びVinogradovらの論文(1996)をも参照されたい。
【0085】
加えて、蛍光標識は、ランタニドイオンから誘導された有機キレート、例えばテルビウム、及びユーロピウムを含むことができる。米国特許第5,928,627号を参照されたい。そこに開示されているように、そのような標識は、NSAID誘導体と共役、又は共有結合されうる。そのキレート剤は、金属イオンを結合させる配位部位のいくつかの配位原子(これらの用語は当該技術分野で理解されている)を利用する。リンカ、又は他の成分に対する蛍光標識の共有結合を可能にするために、配位原子を官能成分で置換すると、金属イオン錯体に対する解離の半減期を減少させることにより金属イオンの毒性がより強くなるものと思われる。したがって、いくつかの実施形態において、配位部位以外の部位が、共有結合に用いられる。しかし、いくつかの用途、例えば腫瘍組織などの分析では、金属イオン錯体の毒性はさほど重大ではないため、配位部位を介する共有結合が妥当である。
【0086】
同様に、いくつかの金属イオン錯体は安定しているため、1つ、又は複数のさらなる配位原子を遮断成分で置換しても、解離の半減期に大きく影響しない。例えば、以下に説明するジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びテトラアザシクロドデシル四酢酸(DOTA)は、GD3+と複合すると極めて安定する。よって、毒性を著しく高めることなく、共有結合のために、キレート剤の配位原子の1つ、又はいくつかを1つ、又は複数の官能成分で置換することが可能である。
【0087】
ランタニド、及び他の金属イオンをキレート化するのに使用される多数の知られている大環状キレート剤が存在する。例えば、本明細書に参照により特に組み込まれており、多数の大環状キレート剤、及びそれらの合成について記載しているAlexanderの論文(1995)、及びJackelsの論文(1990)を参照されたい。同様に、そのすべてが参照により特に組み込まれている米国特許第5,155,215号、5,087,440号、5,219,553号、5,188,816号、4,885,363号、5,358,704号、5,262,532号、及びMeyerらの論文(1990)を含めて、本発明に使用される好適なキレート剤について記載しているいくつかの特許が存在する。エンタルピ、及びエントロピ効果を含めて、キレート金属イオン錯体の選択、及び安定性に影響する様々な要因が存在する(例えば、配位基の数、電荷、及び塩基性、配位子場、及び立体配座効果等)。概して、キレート剤は、金属イオンを結合させることが可能ないくつかの配位原子を有する。配位原子の数、及びキレート剤の構造は、金属イオンに依存する。したがって、当業者であれば理解するように、本明細書の教示を用いて、知られている金属イオンキレート剤、又はランタニドキレート剤のいずれかを容易に修飾して、光学染料、又はリンカに対する共有結合のための官能成分を付加することができる。
【0088】
蛍光標識のインビボ検出では、使用された特定の標識に適切な放射、及び吸収スペクトルを用いて、画像を形成する。例えば、拡散光学分光計によってその画像を視覚化することが可能である。米国特許第5,865,754号、6,083,486号、及び6,246,901号等には、さらなる方法、及び画像化システムが記載されている。
【0089】
組織に数センチメートル浸透することができる近赤外(NIR)光、及びNIR光に応答する蛍光造影剤を使用して、実行可能な画像化システムを提供することが可能である。発光検出で使用される場合は、検出可能な基は化学染料でありうる。使用できる染料としては、以下の群、すなわちシアニン、スチリル、メロシアニン、スクアライン、及びオキソノール染料から選択されるポリメチン染料群が挙げられるが、それらに限定されない。シアニン染料群の代表的な染料は、700から1000nmに最大の吸収、及び蛍光値を有し、吸収係数が約140000IM−1cm−1以上であり、1つ、又はいくつかの無置換の分枝、又は無分枝悲観視木俣は環式、あるいは場合によっては芳香族炭素−水素残基を担持し、かつ/、又は酸素、硫黄、及び窒素を含む。例えば、染料は、シアニン、スチリル、メロシアニン、スクアライン、又はオキソノール染料、あるいは前記染料の混合物を含むことができる。例えば、近赤外(NIR)領域に最大の吸収、及び発光を有するシアニン染料は、生体組織はこの領域で光学的に透明であるため、特に有用である(Wilsonの論文(1991))。例えば、NIR領域で吸収、及び発光を行うインドシアニングリーンが、心拍出量、肝機能、及び肝血流を監視するために使用され(Heらの論文(1998)、及びCaesarらの論文(1961))、診断目的で生体分子を共役させるのに、その官能化誘導体が使用された(Mujumdarらの論文(1993))。米国特許第5,453,505号、及び6,403,625号、WO98/48846、WO98/22146、WO96/17628、及びWO98/48838号をも参照されたい。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題の放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0091】
【化21】


(式中、Rは、
【0092】
【化22】


からなる群から選択され、
R1は、検出可能な基、
【0093】
【化23】


からなる群から選択され、Xは、芳香族環の1つ、又は複数の位置におけるハロゲン、又はその放射性同位体であり、
R2は、検出可能な基、又はハロ置換アリールを含み、
R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素、ハロ、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、又は分枝アルコキシ、ベンジルオキシ、SCH、SOCH、SOCH、SONH、及びCONHからなる群から選択され、
nは、0〜5であり、R1、及びR2の少なくとも一方は検出可能な基を含む)したがって、nは0、1、2、3、4、又は5でありうる。
【0094】
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題の放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0095】
【化24】


(式中、R7はハロゲンを含み、R8は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、及びC〜Cアリール、又は分枝アリールからなる群から選択される)
【0096】
本明細書に用いられるように、「ハロゲン」という用語は、元素の周期表の第VII列の原子のいずれかを意味するため、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、及びアスタチン(At)を含む。いくつかの実施形態において、ハロゲンはFであり、いくつかの実施形態において、ハロゲンはClであり、いくつかの実施形態において、ハロゲンはBrである。本明細書に用いられるように、「ハロゲン」という用語は、放射線同位体を含むが、それに限定されないF、Cl、Br、I、及びAtのすべての同位体を意味する。いくつかの実施形態において、ハロゲンは18Fである。
【0097】
いくつかの実施形態において、R2は、下記の構造を有する。
【0098】
【化25】

【0099】
いくつかの実施形態において、R2は、下記の構造を有する。
【0100】
【化26】

【0101】
いくつかの実施形態において、R2は、下記の構造を有する。
【0102】
【化27】


(式中、m=0〜8の整数である)したがって、mは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8でありうる。
【0103】
いくつかの実施形態において、R2は、下記の構造を有する。
【0104】
【化28】

【0105】
この構造のいくつかの実施形態において、造影剤は、配位金属イオンをさらに含む。いくつかの実施形態において、配位金属イオンは、Gd3+、Fe3+、Mn2+、Yt3+、Dy3+、及びCr3+からなる群から選択される。いくつかの実施解体において、配位金属イオンはGdである。
【0106】
当該放射線造影剤のいくつかの実施形態において、R1はClであり、R2は、下記の構造を有する。
【0107】
【化29】


(式中、Xは、ハロゲン、又はその放射性同位体である)いくつかの実施形態において、Xは18Fである。
【0108】
本発明の造影剤のいくつかの実施形態において、R2は、下記の構造を有する。
【0109】
【化30】

【0110】
いくつかの実施形態において、R2は、下記の構造を有する。
【0111】
【化31】


(式中、q=0〜8の整数である)したがって、qは、0、1、2、3、4、5、6、7、又は8でありうる。
【0112】
いくつかの実施形態において、放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0113】
【化32】


(式中、R9はハロゲンであり、R2はp−ハロベンゼンであり、s=1〜4である)したがって、sは、0、1、2、3、又は4でありうる。いくつかの実施形態において、R1はBrであり、s=2であり、R2はp−18F−ベンゼンである。
【0114】
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題の放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0115】
【化33】


現行の放射線造影剤のいくつかの実施形態において、フッ素原子は18Fである。
【0116】
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題の放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0117】
【化34】

【0118】
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題の放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0119】
【化35】


(式中、R10は検出可能な基を含む)いくつかの実施形態において、R10は、下記の構造を有する。
【0120】
【化36】

【0121】
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題の放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0122】
【化37】


(式中、R11は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される検出可能な基を含む)
【0123】
いくつかの実施形態において、本発明に開示された主題の放射線造影剤は、下記の構造を含む。
【0124】
【化38】


(式中、R12は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される検出可能な基を含む)
【0125】
いくつかの実施形態において、放射線造影剤は、検出可能な基と、化合物355、360、及び389からなる群から選択されるインドメタシン誘導体とを含み、化合物355、360、及び389は、下記の構造を有する。
【0126】
【化39】



当該放射線造影剤のいくつかの実施形態において、検出可能な基は18Fであり、化合物355、360、又は389に存在する1つ、又は複数のフッ素原子は18Fである。
【0127】
当業者は、場合によっては、本明細書に記載されている放射線画像化化合物を、選択された方法に対する光か、及び適正について評価することが可能である。そのような方法は、当該技術分野で知られており、かつ/、又は当業者により容易に確認されうる。例えば、合成放射線画像化化合物を無傷細胞における造影剤として評価することが可能である。そのような評価では、マウス常在腹腔マクロファージ(MPM)を使用することが可能である。これらの細胞は、通常は、単離して一晩培養した後に、比較的多量のCOX−1、及び少量、又は検出不可能な量のCOX−2を有する。しかし、続くLPS、MPSへの曝露は、1時間以内に開始し、6から8時間でピークに達するCOX−2の迅速な合成を示す。同時に、これらの細胞は、大量のプロスタシクリン(その分解生成物である6−ケトPGF1aとして特定される)、及びPGEを生成する。したがって、MPMは、RAW264.7細胞より迅速にLPSに応答し、より大量かつ異なるPG生成物の群を生成する。
【0128】
細胞可溶化物の定量ウェスタンブロット解析では、LPS処理の6時間後に、MPM細胞は、一細胞当たり10〜10ものCOX−2の分子を含みうることが示され、画像化標的化合物の濃度が高いことが示唆されている。COX−1レベルは、この時間中一定を維持するため、LPS処理されたMPMは、両イソ型を含むのに対して、未処理のMPMは、COX−1のみを含む。したがって、LPS処理された細胞と未処理の細胞とにおける造影剤の効果を比較することによって、COX−1に対する結合によるあらゆる効果に対する抑制が可能になる。また、COX−1、又はCOX−2の標的遺伝子欠失を有するマウスが入手可能である(S. K. Dey、ヴァンダービルト大学(米国テネシー州Nashville)、Langenbachらの論文(1995)、及びMorhamらの論文(1995)を参照)。これらのマウスからのMPMは、造影剤の効果がCOX−2に特異的に作用することを検証するための貴重な対照としての役割を果たすことが可能である。
【0129】
十分に実証された技術を用いて、腹膜洗浄により、野生型のマウス、又は標的遺伝子欠損を有するマウスからMPMを単離することが可能である。細胞は、固着によって容易に精製され、一晩培養される。LPSの存在、又は不在下で6時間温置した後、細胞を所望の時間にわたって阻害剤で処理し、次いで、適切な画像化様式を用いて、試薬の効果を試験することができる。
【0130】
当業者であれば、評価されている造影剤の種類、及び使用されている検出技術に基づいて、MPMをベースとした検査検定法を作成し、最適化することが可能である。例えば、単色X線のための、多数のヨウ素原子を含む放射線造影剤を試験することが可能である。これらの化合物の試験としては、LPSに曝された、又は曝されていない細胞を試験化合物で処理し、次いで培養皿から除去して遠心分離器にかけ、遠心管の基部に細胞ボタンを形成することができる。ヨウ素化剤に曝されていない同様の細胞培養物を同じように処理することができる。次いで、管をウェハ模型に吊し、ヨウ素k端に合わせて調整された単色X線ビーム(33.3キロ電子ボルト(keV))を用いて三次元画像化することが可能である。細胞ボタンのコンピュータ断層撮影(CT)の減衰特性を確立して、細胞内ヨウ素が、阻害剤に曝された細胞を曝されていない細胞から区別するとともに、LPS処理細胞を未処理細胞から区別するための検出可能信号を生成したか否かを判断することが可能である。
【0131】
光画像化技術に応じて合成された放射線画像化化合物を同様に評価することが可能である。手短に述べると、候補蛍光、又はキレート化剤による処理後に細胞を調べる。これらの細胞を懸濁状態で(分光法により)調べるか、又はカバーガラスに固着させた後に(顕微鏡法で)調べることが可能である。蛍光信号の定量測定を、バックグラウンドの存在、及び不在下で(すなわち未処理細胞を添加することによって)行うことが可能である。
【0132】
18Fで放射能標識されたPET造影剤では、阻害剤とともに温置した後に、細胞を洗浄し、培養皿からこすり取り、自動ウェルシンチレーションγカウンタでカウントすることによって、吸収された放射能の量を測定することが可能である。これらの薬剤に対する他の検査法を採用することも可能である。
【0133】
本明細書に記載されている放射線造影剤のインビボ効果を評価することも可能である。例えば、インビボでCOX−2発現腫瘍を画像化する能力について造影剤を評価することが可能である。この種の評価のための検定法は、当該技術分野で知られており、HCA−7ヒト大腸癌異種移植モデル(例えば、Shengらの論文(1997)、Williamsらの論文(2000b)、及びMannらの論文(2001)を参照)、マウスルイス肺癌モデル(例えば、Stolinaらの論文(2000)、及びEliらの論文(2001)を参照)、APCMin−マウスモデル(Suらの論文(1992)、Moserらの論文(1995)、Boolbolらの論文(1996)、Williamsらの論文(1996)、Barnes and Leeの論文(1998)、Jacobyらの論文(2000)、及びOshimaらの論文(1996)を参照)を含むが、それに限定されないマウス結腸直腸癌モデル、ならびにアゾキシメタン誘発大腸癌モデル(Fukutakeらの論文(1998))が挙げられるが、それらに限定されない。
【0134】
「独立に選択される」という用語は、本明細書では、R基、例えばR、R、R等が同一であるか、又は異なるか(例えば、R、R、及びRがすべて置換アルキルであるか、又はR、及びRが置換アルキルで、Rがアリールである等)を示唆するのに用いられる。さらに、「独立に選択される」とは、同じ名称のR基が多数存在する際に、各々の基が互いに同一であるか、又は異なるか(例えば、1つのR1はアルキルであるが、同じ化合物における他のRはアリールである;1つのR基はHであるが、同じ化合物における他のRはアルキルである等)を意味する。
【0135】
命名されたR基は、一般には、その名称を有するR基に対応するものとして当該技術分野で認識されている構造を有する。例示を目的として、上述した代表的なR基が本明細書に定められている。これらの定義は、当業者に知られている定義を捕捉・例示するものであって、排除するものではない。
【0136】
本明細書で用いられているように、「アルキル」という用語は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tertブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、及びアレニル基を含むC1〜10(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の炭素原子を含む炭素鎖、またいくつかの実施形態では、C1〜6、すなわち1、2、3、4、5、又は6の炭素原子を含む炭素鎖)直鎖状、分枝、又は環式の飽和、又は不飽和(すなわちアルケニル、及びアルキニル)炭化水素鎖を意味する。
【0137】
場合によっては、アルキル基を同一、又は異なる1つ、又は複数アルキル置換基で置換することが可能であり、「アルキル置換基」は、アルキル、ハロ、アリルアミノ、アシル、ヒドロキシ、アリロキシ、アルコキシル、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキロキシ、アラルキリチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、オキソ、及びシクロアルキルを含む。この場合、アルキルは、「置換アルキル」と称することが可能である。代表的な置換アルキルとしては、例えば、ベンジル、及びトリフルオロメチル等が挙げられる。場合によっては、1つ、又は複数の酸素、硫黄、あるいは置換、又は無置換の窒素原子をアルキル鎖とともに挿入することが可能であり、窒素置換基は水素、アルキル(本明細書では「アルキルアミノアルキル」とも称する)、又はアリールである。したがって、「アルキル」という用語は、エステル、及びアミドを含むことも可能である。「分枝」とは、メチル、エチル、又はプロピルが直鎖状アルキル鎖に結合されたアルキル基を意味する。
【0138】
「アリール」という用語は、本明細書では、単一芳香族環、あるいは相互融合、共有結合、又はメチレンもしくはエチレン成分の如き共通基に結合された多数の芳香族環でありうる芳香族置換基を示すのに用いられる。共通結合基は、ベンゾフェノン中のカルボニル、又はジフェニルエーテル中の酸素、又はジフェニルアミン中の窒素とすることも可能である。芳香族環は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、及びベンゾフェノン等を含むことができる。特定の実施形態において、「アリール」という用語は、五、及び六員炭化水素、及びヘテロ環式芳香族環を含む、約5から約10の炭素原子を含む環式芳香族を意味する。
【0139】
場合によっては、アリール基を同一、又は異なる1つ、又は複数アリール置換基で置換することが可能であり、「アリール置換基」は、アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシル(aralkoxyl)、カルボキシ、アシル、ハロ、ニトロ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル(aralkoxycarbonyl)、アシルオキシ、アシルアミノ、アロイルアミノ、カルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールチオ、アルキルチオ、アルキレン、及び−NR’R’’を含み、R’、及びR’’は、それぞれ独立に水素、アルキル、アリール、及びアラルキルでありうる。この場合、アリールは、「置換アリール」と称することができる。また、「アリール」という用語は、基礎を成すアリール基に関連づけられたエステル、及びアミドを含むことも可能である。
【0140】
アリール基の具体的な例としては、シクロペンタジエニル、フェニル、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、ピリジン、イミダゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピラゾール、ピラジン、及びピリミジン等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0141】
「アルコキシ」という用語は、本明細書では、--OZ基を示すのに用いられ、Zは、本明細書に記載されているように、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シリル基、及びそれらの組合せからなる群から選択される。好適なアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、ベンシルオキシ、及びt−ブトキシ等が挙げられる。関連用語は、Zが、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、及びそれらの組合せからなる群から選択される「アリールオキシ」である。好適なアリールオキシ基の例としては、フェノキシ、置換フェノキシ、2−ピリジンオキシ、及び8−キナリンオキシ等が挙げられる。
【0142】
「アミノ」という用語は、本明細書では、--NZ基を示すのに用いられ、Z、及びZの各々は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、シリル、及びそれらの組合せからなる群から独立に選択される。また、アミノ基を、先の定義が適用され、ZがH、又はアルキルであるNで表すことが可能である。
【0143】
本明細書に用いられるように、「アシル」という用語は、カルボキシル基の−OHが他の置換基で置換された有機酸基(すなわちRCO−(式中、Rは、本明細書に定められるアルキル、又はアリール基である))を意味する。そのように、「アシル」という用語は、具体的には、アセチルフラン、及びフェナシル基の如きアリルアシル基を含む。アシル基の具体例としてアセチル、及びベンゾイルが挙げられる。
【0144】
「アロイル」とは、アリールが先述した通りアリール−CO基を意味する。模範的なアロイル基としては、ベンゾイル、及び1−、及び2−ナフトイルが挙げられる。
【0145】
「環式」、又は「シクロアルキル」とは、約3から約10の炭素原子、例えば3、4、5、6、7、8、9、又は10の炭素原子の非芳香族単、又は多環系を意味する。場合によっては、シクロアルキル基を部分置換することが可能である。場合によっては、シクロアルキル基を、本明細書に定められているアルキル置換基、オキソ、及び/、又はアルキレンで置換することも可能である。場合によっては、1つ、又は複数の酸素、硫黄あるいは置換、又は無置換の窒素原子を環式アルキル鎖とともに挿入することが可能であり、窒素置換基は水素、低級アルキル、又はアリールで、ヘテロ環基を提供する。代表的な単環式シクロアルキル環としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。多環式シクロアルキル環としては、アダマンチル、オクタヒドロナフチル、デカリン、カンファー、カンファン、及びノラダマンチル(noradamantyl)が挙げられる。
【0146】
「アラルキル」とは、アリール、及びアルキルが先述した通りであるアリール−アルキル基を意味する。模範的なアラルキル基としては、ベンジル、フェニルエチル、及びナフチルメチルが挙げられる。
【0147】
「アラルキルオキシル」とは、アラルキル基が先述した通りであるアラルキル−O−基を意味する。模範的なアラルキルオキシル基はベンジルオキシである。
【0148】
「ジアルキルアミノ」は、R、及びR’の各々が独立に先述したアルキル基である−NRR’を意味する。模範的なアルキルアミノ基としては、エチルメチルアミノ、ジメチルアミノ、及びジエチルアミノが挙げられる。
【0149】
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−CO−基を意味する。模範的なアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、及びt−ブチルオキシカルボニルが挙げられる。
【0150】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール−O−CO−基を意味する。模範的なアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシ、及びナフトキシカルボニルが挙げられる。
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル−O−CO−基を意味する。模範的なアラルコキシカルボニル基はベンジルオキシカルボニルである。
「カルボニル」とは、HN−CO−基を意味する。
「アルキルカルバモイル」とは、R、及びR’の一方が水素で、R、及びR’の他方が先述したアルキルであるR’RN−CO−基を意味する。
「ジアルキルカルバモイル」とは、R、及びR’の各々が独立に先述したアルキルであるR’RN−CO−基を意味する。
「アシルオキシ」とは、アシルが先述した通りであるアシル−O−基を意味する。
「アシルアミノ」とは、アシルが先述した通りであるアシル−NH−基を意味する。
「アロイルアミノ」とは、アロイルが先述した通りであるアロイル−NH−基を意味する。
「アミノ」という用語は、−NH基を意味する。
【0151】
「カルボニル」という用語は、−(C=O)−基を意味する。
「カルボキシル」という用語は、−COOH基を意味する。
「ヒドロキシル」という用語は、−OH基を意味する。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、OH基で置換されたアルキル基を意味する。
「メルカプト」という用語は、−SH基を意味する。
「オキソ」という用語は、炭素原子が酸素原子で置換された、本明細書で先述した化合物を意味する。
「ニトロ」という用語は、−NO基を意味する。
「チオ」という用語は、炭素、又は酸素原子が硫黄原子で置換された、本明細書で先述した化合物を意味する。
「スルフェート」という用語は、−SO基を意味する。
【0152】
IV.インドメタシン系PET造影剤
IV.A.一般的考察
良性、及び悪性腫瘍におけるCOX−2の発現上昇、及び酵素が腫瘍の成長において果たす明白な機能的役割は、COX−2が腫瘍選択性薬剤の開発にとって魅力的な標的であることを示唆している。COX−2選択性インドメタシン類似体の開発は、非選択性COX−1、及びCOX−2阻害剤インドメタシンを選択性の高い阻害剤に一工程で変換することによって達成された(Kalgutkarらの論文(2000b)を参照)。その選択性の向上は、カルボン酸官能基をアミド、及びエステルに変換することによるものである。場合によっては、誘導体は、COX−1の1000倍のCOX−2選択性を示す。したがって、本発明に開示された主題のいくつかの実施形態において、COX−2選択性造影剤の開発は、インドメタシンの主要成分である5−メトキシ−2−メチルインドール核を主に中心としたものであった。インドメタシン系PET造影剤の製造のための開始剤として使用されるインドメタシン誘導体を合成するためのさらなる手法が米国特許第6,207,700号、6,306,890号、及び6,399,647号に開示されている。
【0153】
いくつかの実施形態において、インドメタシン誘導体PET剤の開発が提示される。陽電子放射型断層撮影は、すべての核医学画像化様式の最高の空間、及び時間的解像度を提供し、組織におけるトレーサ濃度の定量を可能にする。PET用のすべての放射性同位体のうち、18Fは、陽電子放射エネルギー(最大635KeV)が比較的低く、組織における陽電子直線範囲が最短(2.3mm)であるため、PET画像化における解像度が最大であることにより、処理するのに最も実用的である。また、その半減期(109.8分)は、比較的複雑な合成手順、及び長い画像化作業に対して、他の放射性同位体に比べて長い。
【0154】
その様式の利点にもかかわらず、18F放射性核合成は、18F固有の半減期、及び放射線危害により困難である。そのため、18Fのすべての方法、及び操作は単純で、理想的には自動化可能であるべきである。最適には、放射性同位体の導入は、合成の最後にすべきである。この理由により、求核性芳香族置換は、18FアニオンをPET放射性リガンド前駆体に導入するための選択方法である。しかし、活性化(電子欠損)芳香族が使用される場合は、交換反応が可能になるだけである。芳香族成分における好適な電子求引基の代表的な例としては、ニトロ、シアノ、及びカルボキシル基が挙げられる。同等に重要なのは、好適な脱離基の存在であり、トリメチルアンモニウムトリフレート塩が特に有用である。
【0155】
18Fの半減期(2時間)が短いため、18Fを合成の最後、又はその付近に導入するようにPETを調製しなければならない。したがって、最終生成物から一ステップ離れた18F前駆体が望まれる。設計された前駆体は、この反応の適切な求核条件下で、18Fと交換することが証明されている、知られている脱離基を導入している。トリメチルアンモニウムトリフレート、及びトシレートは効率的な前駆体であり、ニトロ、及びハロ基も有用である。
【0156】
IV.B.インドリルアミド系列インドメタシン誘導体
インドリルアミド系列におけるインドメタシン誘導体を製造するための一般化されたスキームを図16に示す。図16に示され、実施例7に記載されているように、一連の工程を通じて、インドメタシンをN−{2[1−(ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチル}−4−ニトロ−ベンズアミド(化合物389)に変換することが可能である。次いで、図19に示される手法を用いて、化合物389を18Fで標識して、COX−2に対して特異的であるPET造影剤(18F標識化合物389)を形成することが可能である。
【0157】
【化40】

【0158】
IV.C.ジアミド系列インドメタシン誘導体
ジアミド系列におけるインドメタシン誘導体を製造するための一般化されたスキームを図17に示す。図17に示され、実施例8に記載されているように、一連の工程を通じて、インドメタシンをN−(2−{2[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−フルオロ−ベンズアミド(化合物355)に変換することが可能である。次いで、図19に示される手法を用いて、化合物355を18Fで標識して、COX−2に対して特異的であるPET造影剤(18F標識化合物355)を形成することが可能である。
【0159】
【化41】

【0160】
IV.D.アミド系列インドメタシン誘導体
アミド系列におけるインドメタシン誘導体を製造するための一般化されたスキームを図18に示す。図18に示され、実施例9に記載されているように、一連の工程を通じて、共同発明人によって合成されたインドメタシン誘導体である5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール酢酸、もしくは化合物360を2−[1−(4−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−N−(4−フルオロ−フェニル)アセトアミド(化合物385)に変換することが可能である。次いで、図19に示される手法を用いて、化合物385を18Fで標識して、COX−2に対して特異的であるPET造影剤(18F標識化合物360)を形成することが可能である。
【0161】
【化42】

【0162】
本発明に開示された主題は、対象の標的組織を画像化するための方法であって、(a)放射線造影剤を標的組織に結合させるのに十分な条件下で、対象に放射線造影剤を投与し、放射線造影剤は、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のCOX−2選択性誘導体を含み、検出可能な基をさらに含み、かつ(b)標的組織における検出可能な基を検出することを含む方法をも含む。
【0163】
「標的組織」という用語は、対象に存在する任意の細胞、又は細胞群を意味する。この用語は、単一細胞、及び細胞の集合を含む。その用語は、皮膚、肝臓、心臓、腎臓、脳、膵臓、肺、及び生殖器の如き腺、及び期間を含む細胞集合を含むが、それらに限定されない。それは、骨髄の如き混合細胞集合をも含むが、それらに限定されない。さらに、それは、個別的であっても、固形、又は転移性腫瘍の一部であっても、新生、又は腫瘍細胞のような異常細胞を含むが、それらに限定されない。「標的組織」という用語は、本明細書では、対象への投与に続いて、リガンドを蓄積するための意図された部位をさらに意味する。例えば、本発明の方法は、腫瘍を含む標的組織を採用する。いくつかの実施形態において、標的組織は、炎症性病変、腫瘍、新生細胞、新生物発生前細胞、及び癌細胞からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、炎症性病変は、結腸ポリープ、及びバレット食道からなる群から選択される。
【0164】
本明細書に用いられているように、「癌」という用語は、ポリープ、新生細胞、及び新生物発生前細胞を含む全ての形の癌を包括する。
【0165】
本明細書に用いられているように、「新生物」という用語は、その通常の意味、すなわち異常に急速な細胞増殖によって特徴づけられる異常成長を意味するように意図されている。概して、「新生物」という用語は、良性、又は悪性、あるいは両者の組み合わせでありうる成長を包括する。
【0166】
本明細書に用いられている「腫瘍」という用語は、胸部、結腸、直腸、肺、口咽頭、下咽頭、食道、胃、腎臓、肝臓、胆嚢、胆管、小腸、腎臓を含む尿管、膀胱、及び尿路上皮、頚部、子宮、及び卵巣を含む女性性器(例えば絨毛癌、及び妊娠栄養疾病)、前立腺、精嚢、睾丸、及び生殖細胞腫瘍、甲状腺、腎上体、及び下垂体を含む内分泌腺、皮膚(例えば血管腫、及び黒色腫)、骨、及び軟部組織、血管(例えばカポジ肉腫)、脳、神経、目、及び髄膜(例えば星状細胞腫、膠腫、グリア芽腫、網膜芽細胞、神経丘、神経芽細胞腫、シュワン細胞腫、及び髄膜腫)を含むが、それらに限定されない対象の任意の組織の原発、及び転移固形腫瘍、及び癌を包括する。「腫瘍」という用語は、緑色腫、形質細胞腫、溶菌班、及び菌状息肉腫、皮膚T細胞リンパ腫/白血病、ならびにホジキンリンパ腫、及び非ホジキンリンパ腫を含む白血病の如き造血系悪性腫瘍から生じる固形腫瘍をも包括する。「腫瘍」という用語は、上記腫瘍のいずれかの放射線抵抗性の変形を含む放射線抵抗性腫瘍をも包括する。
【0167】
いくつかの実施形態において、腫瘍は、原発腫瘍、転移腫瘍、及び癌からなる群から選択される。
【0168】
本請求主題の方法、及び組成物は、任意の対象の標的組織の放射線画像化に有用である。本明細書に用いられている「対象」という用語は、任意の脊椎動物、例えば哺乳動物、及び鳥類の如き温血脊椎動物を含む。より詳細には、本発明の方法は、ヒトの如き哺乳動物、ならびに(シベリアトラのような)危険にさらされているために重要な哺乳動物、ヒトにとって経済的に重要な哺乳動物(ヒトによる消失のために牧場で飼育される動物)、及び/、又は社会的に重要な哺乳動物(ペットとして、又は動物園で飼育される動物)、例えばヒト以外の食肉類(猫、及び犬等)、豚類(豚、肉豚、及びイノシシ)、反芻動物、及び家畜(蓄牛、牛、羊、キリン、鹿、山羊、野牛、及びラクダ)ならびに馬の腫瘍の治療を意図している。危険にさらされている鳥類、又は動物園で飼育されている鳥類、ならびに家禽、より詳細にはヒトにとって経済的に重要であるため、七面鳥、鶏、鴨、ガチョウ、及びホロホロ鳥等の家畜化された家禽、又は養鶏の治療も意図される。いくつかの実施形態において、対象は哺乳動物である、いくつかの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0169】
いくつかの実施形態において、投与は経口投与である。いくつかの実施形態において、投与は静脈内投与である。いくつかの実施形態において、投与は筋肉内投与である。いくつかの実施形態において、投与は直腸投与である。いくつかの実施形態において、投与は吸入投与である。いくつかの実施形態において、投与は腫瘍内投与である。いくつかの実施形態において、検出可能な基を含むCOX−2選択性リガンドが、腫瘍内投与され、PETを用いて腫瘍が視覚化される。
【実施例】
【0170】
以下の実施例は、例示的な実施形態を提示する。実施形態の実践において十分に機能することが本発明人によって確認、又は想定された技術、及び手順の観点から、以下の実施例の特定の態様を説明する。本開示、及び当該技術分野における一般的な技能レベルを鑑みれば、以下の実施例は例示にすぎず、本発明に開示された主題の範囲を逸脱することなく多くの変更、改造、及び変形を採用できることを当業者なら理解するであろう。
【0171】
(実施例1)
アスピリン誘導COX−2選択性リガンドの合成
アスピリンは、高い鎮痛特性を有する代表的なNSAIDである。それは、シクロオキシゲナーゼを共有結合修飾する唯一のNSAIDである。アスピリンは、その基質に対して酵素の活性部位をブロックする(Van der Ouderaaらの論文(1980)、及びDeWittらの論文(1990))ことによって、その酵素を不活性化させるセリン残基(COX−1のSer530、及びCOX−2のSer516)をアセチル化する。アスピリンはCOX−1、及びCOX−2の両方をアセチル化するが、COX−2に対するよりCOX−1に対する方が約10〜100倍効果的である(Meadeらの論文(1993)、及びVane and Bottingの論文(1996))。
【0172】
COX−1阻害と比較して高いCOX−2阻害を示す誘導体を識別するために、COX−1、及びCOX−2を阻害する能力について、アスピリンの様々な誘導体を調べた。一連のアセトキシベンゼンをアルキルスルフィドによりオルソ位置で誘導した。o−(アセトキシフェニル)メチルスルフィドは、中程度の阻害効果、及びCOX−2に対する選択性を示した(Kalgutkarらの論文(1998a))。アシル基、アルキル基、アリール置換パターン、及びヘテロ原子特性の改変も行われた。
【0173】
効果とCOX−2選択性の最良の組み合わせを提供した化合物は、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)であった。APHSによるCOX−2、及びCOX−1の阻害に対するIC50値は、それぞれ0.8μM、及び17μMである。アスピリンと同様に、APHSは、Ser516でCOX−2をアセチル化し、アセチル化の時間経過は、酵素活性の不可逆的不活性化の時間経過に密接に対応する。完全な不活性化は、約30分間以内に達成される(kinact/K〜0.18min−1μM―1)。提案された作用のメカニズムに対応し、COX−2のS516A変異体は、APHSの阻害効果(Kalgutkarらの論文(1998a))に対する抵抗性を有する。
【0174】
APHSは、リポ多糖(LPS)処理によって活性化されたRAW264.7ネズミマクロファージ細胞系統における効果的なCOX−2の阻害剤である。外因性アラキドン酸の添加に応答するPGD合成の阻害に対するIC50は、0.12μMである。また、APHSは、高レベルのCOX−2を発現するHCA−7結腸癌細胞の軟寒天載せ胃腸を阻害し(IC50=2μM)、最大成長に対してCOX−2に依存する。対照的に、APHSは、COX−2を発現しないHCT−15結腸癌細胞の成長に対しては効果がない(Kalgutkarらの論文(1998a))。
【0175】
2つの炎症のインビボモデルを用いて、COX−2選択性阻害剤の効果の評価を行った。第1のモデルは、ラットカラギーナン足蹠モデルである。このモデル3において、カラギーナン注入の3時間後に最大の浮腫が得られる。APHSは、8mg/kg(p.o.)のED50で浮腫形成を阻害する。アスピリンによる阻害に対するED50は125mg/kgである。APHSは、100mg/kgの投与量で胃の毒性を誘発しないのに対して、100mg/kgのアスピリンで処理された動物の50%は、胃の病変を生じている。
【0176】
インビボ効果を評価するのに用いられた第2のモデルは、ラット空気嚢モデルである。このモデルでは、皮下空気嚢にカラギーナンを注入して、局所的な炎症反応を確立する。浸出液に生成されたPGEは、主にCOX−2活性の結果であるのに対して、血小板によって生成されたトロンボキサンA(TXA2)は、COX−1活性の結果である。したがって、阻害剤の選択性を直接評価することが可能である。このモデルでは、APHSは、5mg/kgの投与量で嚢浸出液におけるPGEレベルを95%低下させる。この投与量は、血清トロンボキサンB(TXB)レベルに対する効果はない。50mg/kgの投与量では、APHSは、嚢PGE、及び血清TXBレベルをそれぞれ100%、及び11%低下させる。これらの結果は、PGE、及びTXBレベルをそれぞれ100%、及び90%低下させる2mg/kgの投与量のインドメタシンで得られた結果と対照的である。したがって、APHSは、インビボの効果的で選択性を有するCOX−2である(Kalgutkarらの論文(1998a))。APHSをSDラットに対して100mg/kgの投与量で毎日投与しても、総体、又は組織病理学的評価で判断した場合に、14日間で検出可能な毒性を誘発しないことは注目に値する。
【0177】
(実施例2)
APHSのフルオロ類似体
COX−2を選択的にアセチル化するAPHSの能力は、PET造影剤の設計に対して多数の機会を提供する。技術的見地から、最も容易に達成されるのは、同位体標識されたAPHSのハロアルキル誘導体を合成することである。これには、そのような誘導体が効果的なCOX−2の阻害剤であることが必要である。この可能性を探求するために、APHSのフルオロアセチル誘導体(F−APHS)を合成し、効果的なCOX−2の阻害剤であることを証明した(IC50=4μM)。F−APHSは、2.8μmのIC50で、RAW264.7マクロファージにおけるCOX−2活性を阻害する。しかし、それは、32μMまでの濃度では、未誘発のマクロファージにおけるCOX−1活性を阻害しなかった。
【0178】
(実施例3)
APHSの放射性類似体
F−APHSのフッ素原子は、18Fの如き放射性同位体でもありうる。直接的な合成経路は、ハロゲン、メシレート、又はトシレート離脱基に対する18の単一工程の交換である。これまでの報告は、18は、ブロモ、又はヨードアセチルエステルにおけるBr、又はI、あるいはメシル、又はトシルアセチルエステルにおけるメシル、又はトシルと交換して、加水分解を生じることなく対応する18フルオロアセチルエステルを形成することを示唆している(図12、Blockらの論文(1988))。APHSのヨード誘導体を合成し、交換反応に使用することが可能である。
【0179】
あるいは、APHSのトシル誘導体との18F交換を用いることが可能である。トシル誘導体は、APHSのグリコレートエステルのトシル化を通じて入手可能である。トシレートは、Fにより容易に交換されるため、この方法は、ヨードAPHSが望ましくない場合に便利な代替法である(Blockらの論文(1988))。
【0180】
交換反応の1つの潜在的な複雑さは、18F交換時のアセチルフェノレートの加水分解である。これは起こりそうにないと思われるが、それが生じた場合のために18F−APHSの代替的な合成法を設計した(図12)。他には、18交換をエチルブロモアセテートに対して行い、次いでエチルフルオロ酢酸を求核性核と反応させてアシル化する18F含有化合物の二工程合成が報告されている(Tadaらの論文(1990)、及びJalilianらの論文(2000))。この二工程スキームは、18Fフルオロアセチルアミド、及びエステルを製造するのに用いられた。
【0181】
COX−2の共有結合画像化のための代替的な手法は、アセチル基において11Cで標識されたAPHSを合成することである(図13)。11CO11C−酢酸ナトリウムに変換し、それをクロマトグラフィー、及び溶媒蒸発によってすぐに生成する手順が記載されている(Ishiwataらの論文(1995)、及びvan den Hoffらの論文(2001))。精製された物質をプロトン化し、過剰のヒドロキシフェニルヘプチニルスルフィドと反応させて、11C−APHSを直接生成させる。APHSは、酢酸、又はヒドロキシフェニルヘプチニルスルフィドよりはるかに極性が低いため、11C−APHSは、直線相シリカ系SEP−PAK(商標)マトリックス(ウオータコーポレーション(米国マサチューセッツ州Milford))に通すことによって生成される。11C−APHSは、最初にカラムから溶出する。ヒドロキシフェニルヘプチニルスルフィドのアセチル化は、立上げ、及び生成に必要な操作と同じくらい迅速である。
【0182】
(実施例4)
インビボ造影剤としてのCOX−2選択性NSAID誘導体
インドメタシンのエタノールアミドのクマリン誘導体エステルである化合物3(図4を参照)をTimofeevskiらの論文(2002)の方法に従って合成した。この化合物は、緩衝剤における蛍光が非常に弱いが、COX−2に結合すると強い傾向信号を発する。その信号は、2つの成分、すなわちCOX−1、及びCOX−2に結合すると示される非選択生成分、及びCOX−2に対してのみ観察される選択性成分で構成される。具体的な蛍光強化の動力学は、造影剤によるCOX−2の阻害の動力学に厳密に対応する。化合物3は、アポ、及びホロCOX−2に結合するが、COX−2選択性蛍光強化は、アポタンパク質に対してのみ観察される。ホロ酵素のヘム補欠分子団は、蛍光を消滅させる。
【0183】
化合物3は、周囲の組織におけるヘモグロビンの干渉により、インビボでの極めて効果的な造影剤であると期待されないが、これらの試験から得られた結果は、他の蛍光COX−2選択性光造影剤の合成に有用である。これらの造影剤は、蛍光を消失することなくホロ酵素に結合し、ヘモグロビン、又は水からの干渉も最小限であり、細胞、及び組織での使用が可能である。近赤外(NIR)の波長に吸収、及び放射の極大値を有する蛍光体を選択することは、これらの波長がヘムと水との吸収スペクトルの間にあるため、この目的にとって理想的である(Weisslederの論文(2001))。
【0184】
効果的で選択性の高いCOX−2阻害剤であるフッ化インドメタシン、及びケトロラク誘導体を合成した。インドメタシンアミドのp−フルオロフェニル誘導体(化合物18)、及びケトロラクアミドのp−フルオロフェニル誘導体(化合物19)は、生成されたCOX−2に対してそれぞれ52nM、及び80nMのIC50値を示す。化合物18は、経口導入に続くラット足蹠水腫検定において抗炎症活性を示す。その生体利用度は、2mg/kgの投与量で30%であり、経口投与後の血漿における半減期が4時間である。化合物19は、無傷細胞で活性であり、200nMのIC50でLPS活性化RAW264.7細胞によってPGD合成を阻害する。
【0185】
化合物18、及び19は、PET画像化用18Fで合成される。いずれの場合も、次いでp−トリメチルアンモニウム前駆体が18と交換される標準的な化学現象が採用されている(図14)。ジアリールへテロシクロ群の18F標識COX−2阻害剤(化合物20)の合成についても、McCarthyらによって同様の価額減少が報告されている(McCarthyらの論文(2002))。化合物20は、化合物18、及び19におけるp−メトキシインドール基、及びピロール基に類似したp−メトキシフェニル基、及びピラゾール基を含む。18F−交換は、化合物21のp−クロロベンゾイル基に対して同等の加水分解安定性を有する単純なカルボン酸エステルを含む化合物に対して順調に報告された。化合物21のp−クロロベンゾイル基の加水分解も実施される。
【0186】
蛍光COX−2阻害剤は、アマシャムバイオサイエンスが供給するサクシンイミドエステルCy5、Cy5.5、及びCy7の如き市販のNIR蛍光体にインドメタシンを結合させることによっても合成される。活性化カルボキシル基を有する化合物の可用性は、アミンリンカを含むインドメタシンを使用することにより、所望の阻害剤の容易な合成経路を提供する。Cy5インドメタシン複合体(化合物24、及び25)の構造を図15に示す。Cy5の吸収、及び放射の極大値は、それぞれ650nm、及びよび668nmである。Cy5.5、及びCy7は、より長い波長に極大値を有する。分子プローブは、サクシンイミドエステルとして入手可能な一連のNIR蛍光体をも提供する。これらの化合物、すなわちアレキサ647、660、680、700、及び750は、650nmから780nmの範囲の吸収、及び放射極大値を有するため、NIRスペクトル全体を包括する。それらは、Cyシリーズの染料より高い吸光係数、及び安定性を提供する。
【0187】
(実施例5)
インビボ造影剤としてのCOX−2選択性NSAID誘導体:
ヨウ素含有薬剤
いくつかの手法を用いて、ヨウ素含有X線造影剤を合成した。インドメタシンエタノールアミド(化合物4)、及び2、3、5−トリヨード安息香酸(図7)をカルボジイミド結合によって、インドメタシンのエタノールアミドのエステル化を達成した。その生成物、すなわち化合物5は、効果的で選択性の高いCOX−2阻害剤である(COX−2に対するIC50=50nM、COX−1に対するIC50>50μM)。RAW264.7マクロファージ細胞系統(IC50=3.5μM)におけるCOX−2の阻害にはより高い濃度が必要とされ、それは、その化合物の疎水性(cLogP=8.5)に関連づけることができる。化合物5であるエステルに対応するアミド誘導体(化合物8、及び9)を生成する。化合物6、及び7を合成し、それらを2、3、5−トリヨード安息香酸に結合させる。
【0188】
図8に示された直接的な結合に加えて、図9に示される代替的な手法を用いて、ヨウ素含有NSAIDを生成することも可能である。図9のスキームは、インドメタシン成分の塩基不安定性p−クロロベンゾイル基を強塩基に曝さない条件下で求核性第一級アミンを生成する利点を有する。
【0189】
(実施例6)
インビボ造影剤としてのCOX−2特異的NSAID誘導体:
キレート化剤
NSAIDの重金属キレート化誘導体を含む放射線、及び/、又は光造影剤を合成する。化合物6に対するジエチルトリアミン五酢酸共役物、ならびに化合物15であるそのGd3+誘導体を合成した(図10を参照)。余剰の化合物13であるDTPA二無水物を使用することによって、所望の生成物を容易かつ効率的に生成した。逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって生成物の精製を行った。塩素二水和物を水に溶解させることによってGd3+を順調にキレート剤に添加し、順調に導入されたことを質量分析によって確認した。化合物14であるその非複合キレート剤は、COX−2、及びCOX−1に対して阻害活性を示さなかったのに対して、化合物15であるGd3+誘導体は、弱いCOX−2阻害性を示した。
【0190】
(実施例7〜9の材料、及び方法)
超高純度アルゴン雰囲気下ですべての反応を行った。購入した化学物質を受け取った通りに使用した。アナルテック社(米国デラウェア州Newark)の薄層クロマトグラフィー(TLC)プレート(プレコートされたシリカゲル60F254、20×10cm、0.25mm)を使用して、反応を監視した。シリカを使用して、カラムクロマトグラフィーで精製を行った後に、EtOAc/ヘキサンから再結晶を行った。H、及び13CのNMRデータを、特に指定のない限りCDClにおいて、それぞれ300、及び75MHzでAC−300NMRシステム(ブルッカバイオスピンコーポレーション(米国マサチューセッツ州Billerica)に記録した。化学シフトをTMS(δ=0)からダウンフィールドにかけて百万分率(ppm)で記録する。結合定数をhertzで示す。Finnigan TSQ 7000質量分析計(サーモエレクトロンコーポレーション(米国マサチューセッツ州Waltham)で陽電子チャネル電気スプレー電離(ESI)、及び衝突誘発解離(CID)質量スペクトルを得た。
【0191】
(実施例7)
インドメタシンのインドリルアミドの合成
図16に示される全体スキームを用いて、インドメタシンのインドリルアミドを合成した。
【0192】
2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセトアミド(化合物301)
インドメタシン(3.5g、0.010モル)、及びヒドロキシベンゾトリアゾール(2g、0.015モル)をDMF(100ml)に溶解させた。その混合物に、ジオキサンに溶解させたアンモニア0.5M(50ml、0.025モル)を添加した。その混合物を0℃まで冷却し、1−シクロヘキシル−3−(2−モノフォリノエチル)カルボジアミドメト−p−トルエンスルフォネート(5g、0.012モル)を添加した。反応物を一晩撹拌し、室温まで昇温させた。高真空によりすべての溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(1200ml)、及び食塩水(500ml)に吸収させた。取扱いを容易にするために、反応物を2つの1000mlエルレンマイヤフラスコに分けた。混合物を加熱して、すべての固形物を完全に溶解させた。有機層をNaOH(1N、6×30mL)で洗浄して、すべてのインドメタシンの痕跡を除去した。収率,95%;H NMR(MeOH−d)δ7.72−7.63(m,4H),7.45(s,1H),7.12(s,1H),6.97−6.91(m,2H),6.72−6.69(m,1H),3.77(s,3H),3.47(s,2H),2.23(s,3H);13C NMR(MeOH−d)171.9,168.2,155.9,137.9,135.5,134.6,131.5,131.3,130.7,129.4,114.9,111.5,102.3,55.8,31.3,13.7;ESI−CID 379(MNa),m/z 298,89,23。
【0193】
5−メトキシ−2−メチル−3−インドールアセトアミド(化合物303)。
化合物301(3.5g、9.8ミリモル)を乾燥DMF(100mL)に溶解させ、室温で撹拌した。NaOH(10N、20mL)を1時間にわたって少量ずつ徐々に添加しながら、TLCにより反応を監視した。TLCにより、反応は2時間後に完了したと判定された。HCl(4N)を添加することによってpHを9まで下げた。高真空ロトバプ(rotovap)によりDMFを蒸発させ、シロップを酢酸エチル(600ml)に吸収させ、二炭酸ナトリウム(3×300mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(3×400ml)で洗浄し、全ての有機抽出物を一緒にし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去して、99%の製品を与えた。
【0194】
2−(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチルアミン(化合物268)
化合物303(273mg、0.7ミリモル)を、新たに蒸留したTHF(30ml)に溶解させ、0℃まで冷却した。LAH(0.85ml、0.85ミリモル)の1M溶液を、強い気体突沸に注意しながら徐々に添加した。反応物を室温(RT)にて6日間(144時間)撹拌した後に、それを徐々に氷水に注ぎ、エーテル(150ml)で希釈した。水層をエーテル(2×150mL)で洗浄し、すべてのエーテル抽出物を一緒にして、HCL(1N、3×150mL)で酸性にした。酸抽出物を、pH10まで4NのNaOHで処理し、生成物をエーテル(3×150mL)に抽出し、乾燥させ、濃縮して、55%の収率で選択的に1−(4−ブロモベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−3−インドールエチルアミンを与えた。1−ベンジル−5−メトキシ−2−メチル−3−インドールエチルアミンは検出されなかった。
【0195】
[2−(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−カルバミン酸tertブチルエステル(化合物277)
化合物268(50mg、0.25ミリモル)を撹拌しながら、DMF(50μ)に溶解させたジカルボネート(64mg、0.29ミリモル)を23℃にて添加した。反応物を18時間撹拌し、TLCによって反応の完了を判定した。反応物を濃縮してシロップとし、EtOAc(5mL)に溶解させ、飽和二炭酸ナトリウム(2×2mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、次の工程でそのまま使用する製品(74mg、99%)を与えた。
【0196】
{2−[1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチル}−カルバミン酸tertブチルエステル(化合物278)
NaH(7mg、0.29ミリモル)を、DMF(10mL)に溶解させた化合物277(74mg、0.25ミリモル)の溶液に0℃にて滴下した。反応混合物を0℃で20分間撹拌し、それと同時に臭化ブロモベンジル(72mg、0.29ミリモル)を添加した。反応物を一晩撹拌し、水で慎重に希釈し、エーテル(2×10mL)で抽出し、水(2×5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させたEtOAc10%)で精製して、黄色固形物(20mg、17%)を与えた。
【0197】
2−[1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチルアミン(化合物279)
2mLバイアル内でCHClに溶解させた化合物2781mLを通じてHClガス(HCl(g))を1時間にわたって静かに通気した。反応物を水で希釈し、中和し、1NのNaOHをpH=9まで滴下した。生成物をCHCl(3×3mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、黄色油状物(13mg、84%)を与えた。
【0198】
(実施例8)
インドメタシンのジアミド誘導体の合成
図17に示す全体スキームに続いてインドメタシンのジアミド誘導体を合成した。
【0199】
(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−カルバミン酸tertブチルエステル(化合物365)
磁気撹拌棒、及びゴム製隔膜を装備したオーブン乾燥済の丸底フラスコ内に、インドメタシン(1当量)HOBt(1.1当量)、及び無水CHClに溶解させた(1−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(1.1当量)を仕込んだ。これに、CHClに溶解させたBOC保護ジアミンの溶液を添加した。撹拌を18時間続けた。次いで、反応混合物を、飽和二炭酸ナトリウム水溶液を含む分液漏斗に注ぎ、次にHOを注ぐことによって急冷させた。有機層を回収し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で溶媒を除去して、黄色油状物を与えた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサンに溶解させた50%EtOAc)によって精製を行って、白色粉末(7.7g、60%)を与えた。H NMR(CDCl)δ7.70(d,J=8.3 Hz,2H),7.48(d,J=8.1 Hz,2H),6.91−6.88(m,2H),6.69(dd,J=2.1,9.1 Hz,2 H),6.29(s,1H),3.82(s,3H),3.63(s,2H),3.35−3.29(m,2H),3.21−3.16(m 2H),2.38(s,3H),1.35(s,9H);ESI 500(MH
【0200】
N−(2−アミノ−エチル)−2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセトアミド(化合物377)
適切なインドBOCアミノアミド(1当量)を、中心に還流凝縮器が装着された三口丸底フラスコ内のCHClに溶解させた。隔膜を1つの開口に配置し、第2の隔膜に穴をあけて、ガラスパスチャピペットを含めた。テフロン(登録商標)管を介してピペットをHClガスボンベに接続した。穏やかな通気を0.5時間にわたって維持し、その間、反応物が沈殿を生じる。TLCによって、出発物質の消失を確認した。次いで、粗反応物を空胞で濃縮して、固形物(722mg、99%)を与え、それをさらに精製することなく使用した。H NMR(CDCl)δ7.66(d,J=8.3 Hz,2H),7.47(d,J=8.4 Hz,2H),6.91−6.88(m,3H),6.69(dd,J=2.2,9.0 Hz,2 H),6.29(s,1H),3.82(s,3H),3.65(s,2H),3.28−3.23(m,2H),2.75(s,2H),2.39(s,3H);13C NMR(CDCl)δ170.6,168.7,156.6,139.9,136.6,134.0,131.6,131.3,130.8,129.6,115.5,113.4,112.6,101.2,56.1,42.6,41.6,32.7,28.7,13.7;ESI 400(MH)。
【0201】
N−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−ジメチルアミノ−ベンズアミド(化合物354)
化合物351(210mg、0.5ミリモル)、ジメチルアミノ安息香酸(264mg、1.5ミリモル)、EDCl(304mg、1.5ミリモル)、HOBt(215mg、1.5ミリモル)、及びDIPEA(87μL、1.5ミリモル)をDMF(乾燥、15mL)に溶解させ、18時間撹拌させた。反応物を飽和二炭酸ナトリウム(30ml)で急冷し、CHCl(30mL)で希釈した。有機層を一緒にし、濃縮し、シリカゲル(ヘキサンに溶解させた25%EtOAc)で精製して、白色固形物(118mg、43%)を与えた。H NMR(MeOH−d)δ7.68(d,J=8.5 Hz,2H),7.48(d,J=8.9 Hz,2H),7.42(d,J=8.5 Hz,2H),6.84(d,J=9.2 Hz,2H),6.73(s,1H),6.65(dd,J=2.3,9.0 Hz,1H),6.57(d,J=8.9 Hz,1H),3.75(s,3H),3.61(s,2H),3.44(s,4H),2.34(s,3H);13C NMR(MeOH−d)δ171.9,168.8,156.6,139.5,138.0,137.0,134.2,131.7,131.4,130.7,129.5,128.8,121.7,115.6,113.0,112.5,111.4,101.1,56.1,41.3,40.5,32.5,13.7;ESI−CID 547(MH)m/z 382,148。
【0202】
N−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−フルオロ−ベンズアミド(化合物355)
化合物351(210mg、0.5ミリモル)、フルオロ安息香酸(210mg、1.5ミリモル)、EDCl(304mg、1.5ミリモル)、HOBt(215mg、1.5ミリモル)、及びDIPEA(87μL、1.5ミリモル)をDMF(乾燥、15mL)に溶解させ、18時間撹拌させた。反応物を飽和二炭酸ナトリウム(30ml)で急冷し、CHCl(30mL)で希釈した。有機層を一緒にし、濃縮し、シリカゲル(ヘキサンに溶解させた25%EtOAc)で精製して、白色固形物(72mg、30%)を与えた。H NMR(CDCl)δ7.68(d J=8.6 Hz,2H),7.65−7.62(m,1H).7.57,(d,J=8.6 Hz,1H),7.45(d,J=8.5 Hz,2H),7.32(d,J=8.6 Hz,1H),7.23−7.10(m,1H),7.04(t,J=8.6 Hz,2H),6.86−6.82(m,2H),6.65(dd,J=2.4,9.1 Hz,1H),6.56−6.50(m,1H),3.74(s,3H),3.63(s,2H),3.50−3.40(m,4H),2.34(s,3H);13C NMR(CDCl)δ172.5,168.7,167.4,156.6,139.9,137.0,134.0,131.6,130.7,129.7,129.6,129.2,128.8,116.1,115.8,115.6,112.7,112.4,101.2,56.01,41.5,40.7,32.5,13.7;ESI−CID 522(MH),m/z 312,245,174。
【0203】
N−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−トリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホニル−ベンズアミド(化合物361)
化合物354(31.2mg、0.057ミリモル)をCHCl(乾燥、20mL)に溶解させ、メトキシトリフルオロメタンスルホネート(7.5μL、0.068ミリモル)を滴下した。反応物を18時間撹拌した後、さらなる分量のトリフレート(20μL)を添加した。反応物をさらに18時間撹拌し、その際、エーテル(5mL)を添加して、わずかな沈殿を生成した。蒸留水(20mL)を添加して、沈殿を溶解させ、水層を回収し、濃縮して、緑色油状物(25mg、62%)を与えた。H NMR(MeOH−d)δ7.78(d,J=9.2 Hz,2H),7.72(d,J=9.1 Hz,2H),7.62(d,J=8.4 Hz,2H),7.46(d,J=8.4 Hz,2H),6.91−6.86(m,2H),6.53(dd,J=2.3,9.1 Hz,1H),3.66(s,3H),3.59(s,9H),3.42−3.38(m,4H),2.15(s,3H);13C NMR(MeOH−d)δESI−CID 561(MH),m/z 312,148。
【0204】
N−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−ヒドロキシ−ベンズアミド(化合物380)
化合物377(106mg、0.27ミリモル)、EDCl(76mg、0.40ミリモル)、DIPEA(70μL、0.40ミリモル)、p−ヒドロキシ安息香酸(55mg、0.40ミリモル)、及びHOBt(54mg、0.40ミリモル)をDMF(乾燥、20mL)に溶解させ、室温にて36時間撹拌させた。反応物を飽和二炭酸ナトリウム(3×30mL)で急冷し、EtOAc(30mL)で希釈した。有機層を空胞で濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させたEtOAc80%)で精製して、白色固形物を与え、それをEtOAc(52mg、38%)から再結晶させた。H NMR 400 MHz(DMSO−d)δ9.92(s,1H),8.18(t,J=5.1 Hz,1H),8.07(t,J=5.0 Hz,1H),7.67(d,J=8.6 Hz,2H),7.64−7.61(m,4H),7.08(d,J=2.3 Hz,1H),6.93(d,J=9.0 Hz,1H),6.74(d,J=8.6 Hz,2H),6.69(dd,J=2.4,9.0 Hz,1H),3.73(s,3H),3.49(s,2H),2.05−1.77(m,4H),2.49(s,3H);13C NMR 400 MHz(DMSO−d)δ170.1,168.2,166.6,160.5,155.9,137.9,136.0,135.6,135.0,134.6,131.5,131.3,130.7,129.4,115.1,114.9,114.5,111.6,102.1,55.8,31.6,13.7;ESI 520(MH)。
【0205】
N−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−ヨード−ベンズアミド(化合物381)
化合物377(109mg、0.27ミリモル)、EDCl(78mg、0.41ミリモル)、DIPEA(71μL、0.41ミリモル)、p−ヨード安息香酸(102mg、0.41ミリモル)、及びHOBt(55mg、0.41ミリモル)をDMF(乾燥、20mL)に溶解させ、室温にて36時間撹拌させた。反応物を飽和二炭酸ナトリウム(3×30mL)で急冷し、EtOAc(30mL)で希釈した。有機層を空胞で濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させたEtOAc80%)で精製して、白色固形物を与え、それをEtOAc(88.4mg、52%)から再結晶させた。H NMR 400 MHz(DMSO−d)δ7.64(m,1H),7.25(m,1H),6.94(d,J=8.1 Hz,1H),6.82(d,J=8.6 Hz,2H),6.77(d J=8.3 Hz,2H),6.67(d,J=8.1 Hz,2H),6.24(s,1H),6.08(d,J=9.0 Hz,1H),5.83(dd,J=2.2,8.9 Hz,1H),2.88(s,3H),2.65(s,2H),2.42−2.38(m,4H),1.34(s,3H);13C NMR 400 MHz(DMSO−d)δ170.2,168.2,166.2,155.9,137.9,137.4,135.6,134.6,134.2,131.5,131.2,130.7,129.5,129.4,114.9,114.5,111.6,102.2,99.1,55.7,31.6,13.7;ESI 630(MH)。
【0206】
N−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−ニトロ−ベンズアミド(化合物382)
化合物377(117mg、0.29ミリモル)、EDCl(84mg、0.44ミリモル)、DIPEA(77μL、0.44ミリモル)、p−ニトロ安息香酸(74mg、0.44ミリモル)、及びHOBt(59mg、0.44ミリモル)をDMF(乾燥、20mL)に溶解させ、室温にて36時間撹拌させた、反応物を飽和二炭酸ナトリウム(3×30mL)で急冷し、EtOAc(30mL)で希釈した。有機層を空胞で濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させたEtOAc80%)で精製して、白色固形物を与え、それをEtOAc(107mg、67%)から再結晶させた。H NMR 400 MHz(DMSO−d)δ7.86(d,J=5.4 Hz,1H),7.37(d,J=8.8 Hz,2H),7.24(d,J=5.2 Hz,1H),7.09(d,J=6.9 Hz,2H),6.81(d,J=8.4 Hz,2H),6.76(d,J=8.6 Hz,2H),6.23(d,J=2.4 Hz,1H),6.05(d,J=9.0 Hz,1H),5.81(dd,J=2.5,9.0 Hz,1H),2.87(s,3H),2.65(s,2H),2.43(m,4H),1.33(s,3H);13C NMR(DMSO−d)δ170.2,168.2,165.2,155.9,149.2,140.4,137.9,135.6,134.6,131.5,131.2,130.7,129.4,129.0,123.7,114.9,114.5,102.2,55.7,31.6,13.7;ESI−CID 549(MH)。
【0207】
トルエン−4−スルホン酸4−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチルカルバモイル)−フェニルエステル(化合物387)
化合物380(14.5mg、0.028ミリモル)をピリジン(2滴)とともにDMF(2mL)に溶解させた。塩化トシル(6mg、0.031ミリモル)を添加し、反応容器をアルゴンで浄化し、室温にて15時間撹拌した。反応物を飽和二炭酸ナトリウム(2×10mL)で急冷し、CHCl(2×20mL)に抽出した。一緒にした有機溶液を水(2×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させたEtOAc50%)で精製して、黄色固形物(6.3mg、33%)を与えた。H NMR(MeOH−d)δ7.60(d,J=8.1 Hz,4H),7.48 - 7.43(m,4H),7.30(d,J=8.0 Hz,2H),6.88 - 6.85(m,3H),6.78(d,J=9.0 Hz,1H),6.50(dd,J=9.0,2.4 Hz,1H),3.65(s,3H),3.51(s,2H),3.23(m,4H),2.34(s,3H),2.17(s,3H);13C NMR(MeOH−d)δ174.4,170.4,169.5,158.0,153.7,147.9,140.5,137.7,136.1,134.7,133.8,132.8,132.7,132.5,131.6,130.6,130.4,130.1,123.8,116.4,114.9,113.1,102.7,56.5,41.2,41.0,32.8,22.1,14.0;
【0208】
(実施例9)
インドメタシンのアミド誘導体の合成
図18に示される全体スキームを用いて、インドメタシンのアミド誘導体を合成した。
【0209】
N−(4−フルオロ−フェニル)−2−(5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセトアミド(化合物375)
(方法A)
乾燥CHCl(30mL)に5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール酢酸(1g、4.6ミリモル)を溶解させた溶液に、DMAP(0.83g、6.8ミリモル)、及びEDCl(1.3g、6.8ミリモル)を添加した後、4−フルオロアニリン(0.65mL、6.8ミリモル)を添加した。反応物を23℃にて18時間撹拌させた。混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を水(2×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させた20%EtOAc)で精製して、白色粉末(433mg、30%)を与えた。
(方法B)
化合物360(341mg、0.76ミリモル、図18を参照)を乾燥DMF(20mL)に溶解させ、10NのNaOH(513μL)を3時間にわたって一滴ずつ添加した。TLCにより反応が完了したと判定し、水(100mL)で急冷し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を水(2×30mL)で洗浄し、(MgSOで)乾燥させて、白色粉末(203mg、86%)を与え、それをさらに精製することなく使用した。H NMR 400 MHz(CDCl)δ8.04(s,1H),7.37(s,1H),7.31−7.24(m,3H),6.95−6.90(m,3H),6.83(dd,J=2.4,8.7 Hz,1H),3.81(s,3H),3.78(s,2H),2.42(s,3H)
【0210】
2−[1−(4−クロロ−2−フルオロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−N−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド(化合物360)
化合物375(57mg、0.18ミリモル)を乾燥DMF(10mL)に溶解させ、0℃まで冷却させた。NaH(8.7mg、0.36ミリモル)を一滴ずつ添加し、反応物を20分間撹拌した。その反応物に、塩化2−フルオロ−4−クロロ−ベンゾイル(70mg、0.36ミリモル)添加した。混合物を23℃にて17時間撹拌させ、その際、TLCは、出発物質の変換率が50%以下であることを示していた。反応物に塩化ベンゾイルをさらに70mg添加した後に、15mgのNaHを添加し、さらに18時間撹拌させた。反応物を氷水(20mL)に慎重に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。一緒にした有機層を10%HCl(2×10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカ(ヘキサンに溶解させた10%EtOAc)で精製して、黄色固形物(28mg、33%)を与えた。H NMR(CDCl)δ7.94(t,J=9.0 Hz,1H),7.59(t,J=8.1 Hz,1H),7.34−7.30(m,3H),7.30−7.17(m,2H),6.96(d,J=8.9 Hz,1H),6.91(d,J=1.2 Hz,1H),6.76(dd,J=2.5,9.0 Hz,1H),3.80(s,3H),3.77(s,2H),2.36(s,3H);13C NMR(CDCl)δ169.0,163.0,156.4,135.7,135.2,133.7,131.69,130.1,126.2,125.3,121.3,120.5,118.1,117.8,117.5,115.8,115.5,115.1,111.9,102.7,55.8,32.2,13.7;ESI 491(MNa)。
【0211】
4−クロロ−2−ニトロ−塩化ベンゾイル(化合物384)
4−クロロ−2−ニトロ−安息香酸(2g、9.9ミリモル)とSOCl(8.5mL、114.8ミリモル)とDMF(66μL)との混合物を26℃にて4時間撹拌した。HClの突沸が静まると、1時間にわたって撹拌しながら温度を65度まで上げた。真空蒸留によって余剰のSOClを除去した後、残留物を1、2ジクロロメタン(2mL)に溶解させ、蒸発させた。その残留物を10mLの1、2ジクロロメタンに溶解させ、脱色木炭で二度処理し、濾過して、定量的な収率の最終生成物を与え、それをさらに精製することなく使用した。H NMR(CDCl)δ7.95(s、1H)、7.74(s、2H)。
【0212】
2−[1−(4−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−N−(4−フルオロ−フェニル)アセトアミド(化合物385)
化合物375(100mg、0.32ミリモル)をDMF(乾燥、5mL)に溶解させ、0℃まで冷却した。NaH(7.7mg、0.32ミリモル)を一滴ずつ添加し、反応物を20分間撹拌させた。透明から黄色への変化に注意した。化合物384(100μL、0.48ミリモル)を滴下すると、すぐにオレンジ色に変化した。反応物を18時間撹拌し、室温まで昇温させた。反応物をCHCL(30mL)で希釈し、10%HCl(30mL)で急冷した。有機層を濃縮し、シリカゲル(ヘキサンに溶解させたEtOAc20%)で精製して、褐色シロップ(51mg、32%)を与えた。H NMR(CDCl)δ8.15(d,J=1.9 Hz,1H),7.81(dd J=1.9,8.2 Hz,1H),7.62(d,J=8.2 Hz,1H),7.40−7.36(m,2H),7.28(s,1H),6.97−6.84(m,4H),6.68(dd,J=2.3,9.0 Hz,1H),3.79(s,3H),3.74(s,2H),2.39(s,3H);13C NMR(CDCl)δ168.5,164.4,156.6,146.8,136.5,135.8,135.4,135.2,131.9,131.2,131.0,130.1,125.8,121.4,121.3,116.0,115.8,115.5,112.0,103.0,55.8,32.5,14.0;ESI 471(MH)。
【0213】
2−[1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチルアミン(化合物388)
化合物277(136mg、0.29ミリモル)をCHCL(乾燥、6mL)に溶解させ、HCl(g)を、TLCにより出発物質の完全消失が示唆されるまで混合物に静かに通気した。飽和二炭酸ナトリウム(15mL)を徐々に添加して、混合物を中和し、CHCL(2×20mL)で抽出した。一緒にした有機溶液を水(2×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、定量的収率(107mg、100%)の生成物を与え、それをさらに精製することなく使用した。
【0214】
N−{2−[1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチル}−4−ニトロ−ベンズアミド(化合物389)
化合物388(42mg、0.11ミリモル)、EDCl(25mg、0.13ミリモル)、DIPEA(23μL、0.13ミリモル)、p−ニトロ安息香酸(22mg、0.13ミリモル)、及びHOBt(18mg、0.13ミリモル)をDMF(乾燥、5mL)に溶解させ、室温にて18時間撹拌させた。反応物を飽和二炭酸ナトリウム(2×10mL)で急冷し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。一緒にした有機溶液を水(2×20mL)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させたEtOAc50%)で精製して、黄色固形物(11mg、20%)を与えた。H NMR(CDCl)δ8.18(d,J=8.8 Hz,2H),7.71(d,J=8.8 Hz,2H),7.34(d,J=8.4 Hz,2H),7.08(d,J=8.8 Hz,2H),7.00(d,J=2.3 Hz,1H),6.81−6.76(m,3H),6.20(s,1H),5.20(s,2H),3.78(s,3H),3.72−3.71(m,2H),3.08−3.06(m,2H),2.24(s,3H);13C NMR(CDCl)δ154.7,137.3,132.3,128.3,128.0,124.2,111.4,110.4,100.7,56.31,46.61,24.53,10.76;ESI−CID 522(MH)。
【0215】
N−{2−[1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチル}−4−フルオロ−ベンズアミド(化合物390)
化合物388(42mg、0.11ミリモル)、EDCl(25mg、0.13ミリモル)、DIPEA(23μL,0.13ミリモル)、p−フルオロ安息香酸(18mg、0.13ミリモル)、及びHOBt(18mg、0.13ミリモル)をDMF(乾燥、5mL)に溶解させ、室温にて18時間撹拌させた。反応物を飽和二炭酸ナトリウム(2×10mL)で急冷し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。一緒にした有機溶液を水(2×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカ(ヘキサンに溶解させたEtOAc50%)で精製して、黄色固形物(30mg、56%)を与えた。H NMR(CDCl)δδ8.11−8.08(m,1H),7.61−7.56(m,2H),7.34(d,J=8.4 Hz,2H),7.16−6.98(m,5H),6.77(d,J=8.5 Hz,2H),5.19(s,2H),3.76(s,3H),3.69−3.67(m,2H),3.06−3.01(m,2H),2.23(s,3H);13C NMR(CDCl)δ154.7,137.4,132.3,129.5,129.4,128.6,128.1,116.1,115.9,111.4,110.3,108.9,100.7,56.3,51.3,46.6,41.0,31.3,24.7,10.7;ESI−CID 595(MH),m/z 356.1,194.5。
【0216】
[1−(4−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−酢酸(化合物391)
5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−酢酸(315mg、1.43ミリモル)をDMF(乾燥、5mL)に溶解させ、0℃まで冷却した。NaH(69mg、2.88ミリモル)を一滴ずつ添加し、反応物を20分間撹拌させた。塩化4−クロロ−2−フルオロ−ベンゾイル(275μL、2.15ミリモル)を添加した。反応物を18時間撹拌させ、室温まで昇温させた。反応物を10%HCl(50mL)で急冷し、CHCL(50mL)で抽出した。一緒にした有機溶液を水(2×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲル(ヘキサンに溶解させたEtOAc25%)で精製して、褐色固形物を与えた。
【0217】
(実施例10)
インドメタシン誘導体の放射能標識
18Fの製造、及び交換化学現象をスキーム4に示す(図19を参照)。ヴァンダービルト医療センター核PET施設(ヴァンダービルト大学(米国テネシー州Nashville)において、12MeVサイクロトロンを使用して、18Oの水からフッ素−18アニオンを調製した。次いで、フッ素−18アニオンをアニオン交換カラムに捕集し、炭酸カリウムで溶出させて、K18Fを与えた。イオン対を反応容器に送り、KRYPTOFIX2、2、2(登録商標)と複合させて、[KRYPTOFIX2、2、2(登録商標)−K][F]イオン錯体を生成した。塩を乾燥させると、(5mLアセトニトリルに溶解させた)基質を反応容器に送り、温度を85℃にした。反応物を30分間靜置し、次いで立上げ、及び放射能TLC定量に向けて交換装置から除去した。
【0218】
(実施例11、及び12の材料、及び方法)
(酵素)
Nu Chek Prep(米国ミネソタ州Elysian)よりアラキドン酸を購入した。NENデュポン(米国マサチューセッツ州Boston)、又はアメリカンラジオラベルドケミカルズ社(米国ミズーリ州St. Louis)より[1−14C]アラキドン酸(55〜57mCi/ミリモル)を購入した。Marnettらの論文(1984)に記載されているように、ヒツジの精嚢(オックスフォードバイオメディカルリサーチ社(米国ミシガン州Oxford))よりCOX−1を精製した。タンパク質の比活性は、20(μM O/分)であり、ホロタンパク質の比率は13.5%であった。Odenwallerらの論文(1990)に記載されているように、分析混合物にヘマチンを添加することによる復元によってApoCOX−1を調製した。ヘマチンを分析混合物に添加することによって、アポ酵素を復元した。ヒトCOX−2をpVL1393発現ベクタ(BDバイオサイエンスファーミンゲン(米国カリフォルニア州San Diego))によりSf9昆虫細胞に発現させ、イオン交換、及びゲル濾過クロマトグラフィーによって精製した。精製タンパク質は、いずれも、7.5%SDS−PAGEゲルの比重走査により、80%を超える純度であることが証明された。
【0219】
薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いたヒツジCOX−1、及び非とCOX−2の時間、及び濃度依存性阻害
ヒツジCOX−1(44nM)、又はヒトCOX−2(66nM)のシクロオキシゲナーゼ活性を分析した。200μLの反応混合物は、37℃で30秒間にわたる、100mMのトリスHCl(pH8.0)に溶解させたヘマチン復元タンパク質、500μMフェノール、及び[1−14C]アラキドン酸(50μM)で構成されていた。pH4.0のEtO/CHOH/1Mクエン酸塩(30:4:1)による溶媒抽出によって反応を終了させた。2000gで2分間にわたる遠心分離によって相を分離させ、有機相をTLCプレート(J.T.べーカー(米国ニュージャージ州Phillipsburg)にスポットした。そのプレートを4℃のEtOAc/CHCL/氷AcOH(75:25:1)で展開させた。それぞれ異なる阻害剤濃度で観察された放射能標識プラスタノイド生成物を、DMSOと同時に予め温置されたタンパク質サンプルについて観察された生成物の比率に応じて分割した。
【0220】
活性化RAW264.7におけるCOX−2活性の阻害
RAW264.7細胞におけるCOX−2阻害の手順については、既に記載した(Kalgutkarらの論文(1998b)。手短に述べると、細胞(6.2×10個/T25フラスコ)を、血清のないDMEMに溶解させたリポ多糖(1μg/ml)、及びγ−インターフェロン(10U/mL)で7時間にわたって活性化させ、次いで37℃で30分間にわたって阻害剤(0〜2μM)で処理した。[1−14C]−アラキドン酸(20μM)を37℃で15分間添加することによって、外因性アラキドン酸塩代謝を測定した。IC50値は、2つの独立した測定値の平均である。
【0221】
(実施例11)
精製酵素における選択性COX−2阻害
試験化合物による精製ヒトCOX−2、又はヒツジCOX−1の阻害に対するIC50値を薄層クロマトグラフィー(TLC)放射線撮影法によって測定した。500μMのフェノールを含有した100mMトリスHCl(pH8.0)に溶解させたヘマチン復元COX−2(66nM)、又はCOX−1(44nM)を、25℃で20分間にわたっていくつかの濃度の阻害剤(0−2850nM)で処理した。[1−14C]−アラキドン酸(500μM)を37℃で30分間にわたって添加することによって、シクロオキシゲナーゼ反応を開始させた。以下の表1〜3に示されるように、フッ化標準化合物355、360、及び389は、IC50値が50〜100nMの範囲では、COX−1に対するより効果的で選択性の高いCOX−2に対する阻害性を示した。
【0222】
(実施例12)
RAW264.7ネズミマクロファージにおける選択性COX−2阻害
無傷細胞におけるCOX−2を阻害するインドメタシンのフッ化アミド類似体の能力を、病理学的刺激によってCOX−2活性を誘発したRAW264.7マクロファージにおいて分析した。マクロファージをリポ多糖、及びγ−インターフェロンに曝して、COX−2を誘発させ、次いでいくつかの濃度の化合物355で処理した。化合物355によるプロスタグラジンD2の生成の阻害に対するIC50値は500nMであった。
【0223】
(実施例7〜12についての考察)
陽電子放射型断層撮影法(PET)のための代表的なCOX−2選択性インドメタシン類似体前駆体を設計・調製して、COX−2選択性腫瘍造影剤の実用性を調べた。インドメタシンのフッ化アミド、インドリルアミド、及びジアミド類似体は、分析において、インビトロではCOX−1よりもCOX−2に対して効果的で選択性の高い活性を示すことが証明された(COX−1:いずれに対してもIC50>60、COX−2:IC50=50〜100nm)。2−[1−(4−クロロ−2−フルオロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−N−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド(化合物360)、N−{2−[1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチル}−4−フルオロ−ベンズアミド(化合物390)、及びN−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−アセチルアミノ}エチル)−4−フルオロ−ベンズアミド(化合物382)の合成を、いずれもEDClアミド結合を用いて行って、適切なアミド前駆体からそれぞれ33%、43%、及び56%の収率を与えた。同様にニトロベンズアミド類似体を調製して、2−[1−(4−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−N−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド(化合物360)(32%)、N−(2−{2−[1−(4−クロロ−ベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−1H―インドール−3−イル]−アセチルアミノ}−エチル)−4−ニトロ−ベンズアミド(化合物382)(67%)、及びN−{2−[1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−エチル}−4−フルオロ−ベンズアミド(化合物390)(56%)を与えた。ニトロ、又はトシル化合物を求核性芳香族置換基で置換して、18F PET剤を生成した。
【0224】
(インドメタシンのインドリルアミド)
インドリルアミド系列における造影剤には、図16に示されるスキーム1を用いて、フルオロ標準物質、すなわち化合物389、又はPET前駆体、すなわち化合物390に7つの工程で変換される市販のインドメタシンを利用した。この合成経路の開発は、いくつかの経路を試験した結果であった。インドメタシンを最初にアセトアミド、すなわち化合物301に変換し、次にp−クロロベンゾイル基の脱ベンゾイル化を行って、化合物303を与えた。第3の工程は、インドール窒素の選択的ベンジル化を達成できるように、BOC無水物を使用して遊離アミンを保護することを含むものであった。続いて、BOC基のHCl(g)脱保護の後に、適切なp−置換安息香酸を使用してアミド化を行うことによって、良好な全体収率で、それぞれ化合物390、及び389であるPET前駆体、又はフッ化標準物質を与えた。
【0225】
(インドメタシンのジアミド誘導体)
ジアミドインドメタシン造影剤の合成には、ジアミン鎖に存在する2つの利用可能なアミノ基のうちの一方のみを選択的にアミド化することが必要であった。モノtertブトキシカルボニル(BOC)保護ジアミンを使用することによって、二量体防御を達成した。スキーム2(図17を参照)を用いて、エチル−1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジアミド(EDCI)の存在下でインドメタシンをモノBOC−エチレンジアミンで処理すると、良好な収率で所望の生成物が得られた。安定した望ましくないN−アシルウレア副生成物の生成を妨害するため、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)を採用した。塩化メチレン、及びアミノアミドの溶液にHClガスを通気することによって、BOC基の脱保護を容易かつ効果的に達成した。DMFに溶解させたHOBt、及びDIPEAの存在下で、EDClにより、ベンズアミド誘導体である化合物354、355、及び380〜382の生成を達成した。
【0226】
(インドメタシンのアミド誘導体)
アミド系列は、出発物質の可溶性に応じて、多くの経路から合成されうる。化合物360の簡便なHCl(g)脱ベンゾイル化を行って、化合物375を与えた後に、スキーム3(図18を参照)に従って、対応する酸塩化物を使用してベンゾイル化を行うことによって、アミド化合物385の調製を達成した。
【0227】
あるいは、EDCl結合を介して、市販のインドール酢酸から化合物375を調製した。o−ニトロベンズアルデヒドは、PET交換を受けることが証明されているため(Ekaevaらの論文(1995)を参照)、交換可能基を塩化ベンゾイル官能基上のアミド脱離機に対するオルソに配置した。最初に、すべてのHCl生成が収まるまで、DMFに溶解させた塩化チオニルとともに安息香酸出発物質を撹拌した後に1時間還流させることによって、4−クロロ−2−ニトロベンゾイルクロリド(化合物384)を調製した。化合物384を添加する前に、インドールをNaHで10分間処理することによって、化合物384のインドール窒素へのベンゾイル化を達成した。
【0228】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのはインドメタシンの逆アミドである。逆アミド系列は、アミド結合の配置により、インドメタシン系列のアミド系列と異なっている。このアミド「逆転」設計は、従来のインドメタシン類似体に伴う代謝、及び加水分解不安定に対処するためになされた。また、前臨床生物種におけるインビボ投与に続くこれらの化合物におけるアミド結合加水分解は、インドメタシンを生成しない。
【0229】
ジアミド系列は、巨大官能基をインドメタシンに連結させて、「二重官能」阻害剤を形成する可能性に対処するために開発された。長い脂肪鎖を使用することで、巨大な第二級アミド官能基が酵素のより広大な空間に存在している間にインドメタシン官能基がCOX−2の結合ポケットに十分に浸透することが可能になる。インドメタシンとp−フルオロベンズアミドの間にジアミン鎖を導入することによって、この相互作用を助けた。化合物355の広範な試験により、この化合物は、遊離酵素ならびに無傷細胞におけるCOX−2に対して選択性を有し、効果的であることが証明された。
【0230】
最後に、アミド系列は、インドメタシン核に交換可能基を配置するために開発された。これにより、多数のアミド、又はエステルを調製して、選択性、効果、及び半減期の問題に対処することが可能になる。まず5−メトキシ−2−メチルインドールを適切なPET官能酸塩化物でベンゾイル化した後に、様々なアミンを使用してアミド化することによって、多数の誘導体の合成を達成することができた。
【0231】
逆アミド中間体の改良型合成を達成して、アミンの効率的低減、及びインドール窒素の選択的ベンジル化を果たして、グラム単位量の重要な中間体を与えた。ジアミンシリーズをPETに存分に利用して、化合物355は、遊離酵素ならびに無傷細胞の両方においてCOX−2の効果的かつ特異的な阻害剤であることがわかった。アミドシリーズも有望である。
【0232】
表1〜3は、いくつかの系列の潜在的PET前駆体、ならびに19F標準物質を示している。COX−1、及びCOX−2に対するいくつかの誘導体に対するIC50値も提示されている。
【0233】
【表1】

【0234】
【表2】

【0235】
【表3】

【0236】
(実施例13)
(薬動力学、及び代謝)
インドメタシン誘導体の薬動力学、及び薬力学は、長い半減期を示す化合物は標的組織により達しやすいという点で、造影剤の設計において関心がもたれている。3つの化合物に対して、図13に示される詳細な代謝調査を行った。化合物16、17、及び18(図11)についての精製酵素に対するIC50値がそれぞれ0.060μM、0.060μM、及び0.052μMであることによって示唆されるように、3つの化合物は、いずれも効果、及び選択性の高いCOX−2阻害剤である。3つの化合物は、いずれも66μMを上回るCOX−1に対するIC50値を示した。
【0237】
単離された肝臓ミクロソーム製剤を使用して、予備的な代謝調査を実施した。化合物16は、半減期がそれぞれ11分間、21分間、及び51分間であるラット、ヒト、及びマウス肝臓ミクロソーム(0.125mg/mlタンパク質)によって迅速に代謝された。エチレン側鎖のヒドロキシル化、及びインドール環の5−メトキシ基の脱メチル化によって生じる4つの代謝生成物を識別した。後者は小さな代謝経路である。シトクロムP450異性体、及び精製組換え型酵素の特定の阻害剤を使用した調査により、側鎖ヒドロキシル化はCYP3A4によって触媒され、O−脱メチル化はCYP2D6によって触媒される。これらの調査において、又は化合物16をラット肝臓部位ゾル、又はラット血漿とともに温置している間に、インドメタシンへの加水分解は観察されなかった。化合物16の代謝の大半がアミド側鎖で生じるという所見は、より多くの立体阻害、又は電子離脱置換基を使用すると、化合物安定性が向上しうることを示唆している。これは、いずれもラット肝臓ミクロソームによって化合物16よりゆっくりと代謝された化合物17、及び18(半減期がそれぞれ75分間、及び100分間)の場合に確認された。
【0238】
ラット肝臓ミクロソームについて得られたデータと一致して、化合物16は、ラットにおける経口投与後は低生体利用度、短半減期、及び低最大血漿濃度を示したが、静脈内投与後は長い終端半減期が観察された。インビトロ調査から期待された代謝生成物に加えて、処理されたラットの血漿にインドメタシンが検出された。投与量の約4%がインドメタシンに変換されていた。
【0239】
より遅いミクロソーム代謝速度から想定されるように、化合物18は、代謝の観点から、それら3つの化合物のなかで最も有望であることが証明された。それは、30%経口生体利用度、4時間の間隔半減期、及びインビボでの非常に低いインドメタシンへの変換率(投与量の0.5%以下)を示す。
【0240】
(実施例14)
インビボ抗炎症効果
薬動力学パラメータに大きな差があるが、化合物16、及び18は、いずれもラットカラギーナン足蹠モデルにおいて効果的な抗炎症化合物である。化合物16、及び18に対するED50値(それぞれ0.8mg/kg、及び0.25mg/kg)は、インドメタシン(ED50=2mg/kg)と比較して、これらの化合物の効果が良好であることを示唆するものであった。抗炎症効果は造影剤に必要とされないが、これらの化合物が、インドメタシンと同等、又はより優れた効果を有するという事実は、それらがインビボでCOX−2に到達し、それに結合すること、すなわち所望の特性を立証するものである。
【0241】
(実施例15)
単色X線造影剤の評価
多数のヨウ素原子を含む化合物を、単色X線画像化に使用することが可能である。これらの化合物を評価するために、ヨウ素K端の下方、及び上方のCT構造において、腫瘍マウス、及び対照マウスを単色X線ビームで画像化する。X線ビームの減衰を助長させ、照射を正常化するために、円筒形の水塊でマウスを取り囲む。次いで、造影剤の静脈内投与に続いて、その手順を繰り返す。「ブラインデッドな」放射線科医によってCT調査を解釈して、COX−2薬剤の投与によって発生した腫瘍、及び任意の減衰変化の可視性を判断する。
【0242】
(実施例16)
PET造影剤の評価
画像化に向けて、COX−2選択性造影剤を0.5〜1mCiの陽電子放射剤18Fで標識する。試験動物に鎮静剤を与え、マイクロPETシステムに配置した後、注射に続いて動的3Dモードで画像化する。注射量は小量(0.1〜0.3ml)である。最初の1時間にわたって5分毎に動画像を取得し、次いで3時間にわたって30分毎に連続静止画像を取得する。静止画像は、実際の注射活性レベルにもよるが、持続時間が約15分間である。正常領域と腫瘍領域の双方に対して時間−活性曲線を生成し、腫瘍拡大度を定量するために、標準的な吸収率の値を求める。
【0243】
(実施例17)
MRI造影剤の評価
全身画像化に対する4cmの立体コイル、又は移植腫瘍に対する2.5cm(内径)の表面コイルを用いてMR画像化を行う。すべての調査において、ガドリニウム標識COX−2選択性造影剤の注射の前後に動物を画像化する。注射後、連続的に画像を作成する。画像は、30分間にわたってほぼ毎分取得され、次いで4時間の合計時間にわたって15分毎に取得される。最初は、24時間で動物を再度画像化することになる。米国国立衛生研究所(NIH)が供給した画像解析ソフトウェアパッケージImageJを用いて、画像を解析する。正常領域と腫瘍領域の両方に対する画像信号の増強を、時間、及び投与量の関数として定量する。
【0244】
(実施例18)
インビボのCOX−2選択性造影剤の評価:
HCA−7ヒト結腸癌異種移植片
インビボのCOX−2酵素を標的とする造影剤を使用して、この酵素の腫瘍発現隆起レベルを検出することが可能である。記載の方法を用いて有望と断定された薬剤を、いくつかの腫瘍モデルを用いてインビボで試験する。模範的なモデル系は、HCA−7ヒト結腸腺癌細胞系統である。HCA−7は、インビトロで容易に培養され、インビボで腫瘍異種移植片として評価されうる。それらは、COX−2を発現し、NSAID、及び選択性COX−2阻害剤は、これらの細胞が軟寒天、又はマトリゲル(matrigel)で成長したときにこれらの細胞によって形成されたコロニーのサイズ、及び数を低下させることが明確に示されている。同様に、NSAID、及びCOX−2阻害剤は、ヌードマウスにおける腫瘍形成、及びHCA−7細胞異種移植片の成長を低下させる(Shengらの論文(1997)、Williamsらの論文(2000b)、及びMannらの論文(2001))。
【0245】
腫瘍異種移植は、0.2mLの培地に懸濁された10のHCA−7細胞を、無胸腺ヌードマウスの脊椎皮下組織に注射することによって確立される。測定可能な固形腫瘍は、1から2週間以内に検出され、その時点では画像化調査に好適である。このモデルは、腫瘍が、明確な皮下箇所に迅速に形成され、ほぼ理想的な条件下ですべての画像化様式の試験が可能になるため、特に有用である。HCT−116細胞、すなわちCOX−2依存性のない結腸癌細胞系統の異種移植片は、陰性対照として使用される(Shengらの論文(1997))。HCT−116異種移植片は、腫瘍を取り囲む組織におけるCOX−2の発現のレベル、すなわち腫瘍血管形成、及び成長に寄与することが証明された因子を評価するのにも使用される(Williamsらの論文(2000a))。
【0246】
(実施例19)
インビボのCOX−2選択性造影剤の評価:
ネズミルイス肺癌
HCA−7異種移植モデルで有望性を示す化合物をネズミルイス肺癌細胞系統に対して試験する。この細胞系統は、腫瘍拒絶を心配することなくC57BL/6マウスで使用できる同遺伝子型腫瘍モデルを提供する。ルイス肺癌細胞は、インビトロ、及びインビボでCOX−2を発現することが証明されており、NSAID、又はCOX−2阻害剤の投与は、インビトロの細胞増殖、及び生存を低減するとともに、インビボの腫瘍化、及び腫瘍成長を低減することが証明されている(Stolinaらの論文(2000)、及びEliらの論文(2001))。ルイス肺癌細胞(5×10)の静脈注射は、30から40日以内に肺腫瘍の形成をもたらす。その細胞(5×10)の皮下注射は、局所的な固形腫瘍の形成をもたらす。したがって、HCA−7異種移植の場合と同様に、このモデルは、明確な皮下腫瘍の試験を可能にするばかりでなく、より困難な胸腔内箇所の腫瘍を画像化するための化合物を評価する機会を提供する。
【0247】
(実施例20)
インビボのCOX−2選択性造影剤の評価:
結腸直腸のネズミモデル
HCA−7、及びルイス肺癌モデルは、知られている箇所の限定された固形腫瘍における造影剤の調査を可能にするという点で有利である。しかし、究極的な臨床用途では、生体置で生じる小さな自然発生腫瘍の検出が必要になる。これらの状況下で造影剤の評価を可能にする結腸発癌の2つのモデル、すなわちAPCMin−マウスモデル、及びアゾキシメタン腫瘍化モデルが利用可能である。
【0248】
(APCMin−マウスモデル)
ヒトの家族性腺腫様ポリープ症(FAP)は、経時的に癌へと進行する初期の多数の小腸腺腫の発生に関連づけられる。この条件は、APC(腺腫様結腸ポリープ症)遺伝子の突然変異に起因し、この遺伝子を化学的曝露、又は部位特異的突然変異発生によって改変したいくつかのモデルが存在する。APC遺伝子のコドン850における科学的誘発生殖系列を通じてAPCMin−(多発性小腸癌)マウスモデルが開発された(Suらの論文(1992)、及びMoserらの論文(1995))。これらのマウスは、生後100日までに多発性小腸、及び結腸腺腫を発生する。腺種、及び周囲の間質においてCOX−2の発現が増加することが実証され、NSAID、及び選択性COX−2阻害剤を投与すると、腺種形成の数、及びサイズの両方が低減される(Boolbolらの論文(1996)、Williamsらの論文(1996)、Barnes and Leeの論文(1998)、Jacobyらの論文(2000))。同様のモデルAPCΔ716において、APC突然変異とCOX−2遺伝子の誘導的削除の同時発現は、COX−2に対するマウスノルモジガス(normozygous)におけるAPC突然変異の発現と比較した場合における腺種の数、及びサイズの低下をもたらした(Oshimaらの論文(1996))。
【0249】
(アゾキシメタン誘発結腸癌)
齧歯類の結腸腫瘍化の第2の確実なモデルは、離乳期のラット、及びマウスにおけるアゾキシメタンの皮下注射より導かれる。このモデルでは、2から6週間の期間にわたって、10から15mg/kgの毎週投与量でアゾキシメタンを皮下、又は腹腔内投与する。処理後30〜50週目で、十分に成長した腺癌が観察される。ラットにおける実験により、正常な結腸組織と比較した場合にアゾキシメタン誘発結腸腫瘍におけるCOX−2の発現が増加することが証明された(DuBoisらの論文(1996)、Jacobyらの論文(2000)、Takahashiらの論文(2000)、及びKishimotoらの論文(2002a))。また、NSAID、及びCOX−2阻害剤は、ラット、及びマウスの両方においてアゾキシメタン処理に起因する結腸腫瘍の数、及びサイズの両方を低下させることが証明されている(Yoshimaらの論文(1997)、Fukutakeらの論文(1998)、Reddyらの論文(2000)、及びKishimotoらの論文(2002b))。造影剤の有用性を評価するのに用いる腫瘍を生成するために、生後6週間の雄のマウスを、10mg/kgのアゾキシメタンを毎週腹腔注射することにより6週間にわたって処理する(Fukutakeらの論文(1998))。
【0250】
APCMin−マウスモデルとマウスアゾキシメタン誘発結腸癌モデルの両方を用いて、有望な造影剤の効果を判断する。アゾキシメタンモデルは、腫瘍形成に7ヶ月以上要するという欠点がある。しかし、このモデルで生成された腫瘍はCOX−2依存性が高炒め、またこのモデルにおける先の研究は広範であるため、このモデルは、化合物を評価するのに貴重なシステムである。両モデルでは、初期段階で腫瘍を検出する各薬剤の効果を判断するために、疾病の進行時の様々な時点で造影剤を評価する。結果は、小腸組織の病理学的評価と関連づけられる。
【0251】
(参考文献)
以下に列記された参考文献、ならびに本明細書に引用された参考文献は、本明細書に採用された手法、技術、及び/、又は組成を補足し、説明し、それらの背景を提示し、教示する範囲で、参照により本明細書に組み込まれている。
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Jacoby, R.F., Seibert, K., Cole, C.E., Kelloff, G.、及びLubet, R.A.の論文(2000)、「シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤セレコキシブは腺腫様ポリープ症のminマウスモデルにおける効果的な予防、及び治療薬である」(Cancer Res. 60, 5040-5044)
Jalilian, A.R., Afarideh, H., Najafi, R., Shafiee, A.、及びBineshmarvasti, M.の論文(2000)、「副腎悪性腫瘍の検出における放射性トレーサであるコレステリル4−[18F]−フルオロベンゾエート([18F]−CFB)の一工程担体無添加合成の新たな方法」(J. Pharm. Pharmaceut. Sci. 3, 114-124)
Kalgutkar, A.S., Crews, B.C., Rowlinson, S.W., Garner, C., Seibert, K.、及びMarnett, L.J.の論文(1998a)、「シクロオキシゲナーゼ−2を共有結合で不活性化させるアスピリン状分子」(Science 280, 1268-1270)
Kalgutkar, A.S., Kozak, K.R., Crews, B.C., Hochgesang Jr., G.P.、及びMarnett, L.J.の論文(1998b)、「新たな種類の選択性COX−2失活剤である2−(アセトキシフェニル)アルキルスルフィドによるシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)の共有結合修飾(J. Med. Chem. 41, 4800-4818)
【0255】
Kalgutkar, A.S., Crews, B.C., Rowlinson, S.W., Marnett, A.B., Kozak, K.R., Remmel, R.P.、及びMarnett, L.J.の論文(2000a)、「シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤の生化学的設計:効果的で選択性の高いCOX−2阻害剤への非ステロイド系抗炎症薬の容易な変換」(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97, 925-930)
Kalgutkar, A.S., Marnett, A.B., Crews, B.C., Remmel, R.P.、及びMarnett, L.J.の論文(2000b)、「選択性シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤としての非ステロイド系抗炎症薬インドメタシンのエステル、及びアミド誘導体(J. Med. Chem. 43, 2860-2870)
Kalgutkar, A.S., Rowlinson, S.W., Crews, B.C.、及びMarnett, L.J.の論文(2002)、「選択性シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤としてのメクロフェナムさんのアミド誘導体」(Bioorg. Med. Chem. Lett. 12, 521-524.
Kandil, H.M., Tanner, G., Smalley, W., Halter, S., Radhika, A.、及びDubois, R.N.の論文(2001)、「バレット食道におけるシクロオキシゲナーゼー2の発現」(Dig. Dis. Sci. 46, 785-789)
Kargman, S.L., O'Neill, G.P., Vickers, P.J., Evans, J.F., Mancini, J.A.、及びJothy, S.の論文(1995)、「ヒト結腸癌におけるプロスタグラジンG/Hシンターゼ−1、及び−2タンパク質の発現」(Cancer Res. 55, 2556-2559)
Kawamori, T., Rao, C.V., Seibert, K.、及びReddy, B.S.の論文(1998)、「特異的なシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤であるセレコキシブの結腸発癌に対する化学的防御活性」(Cancer Res. 58, 409-412)
【0256】
Kishimoto, Y., Morisawa, T., Hosoda, A., Shiota, G., Kawasaki, H.、及びHasegawa, J.の論文(2002a)、「アゾキシメタンで処理されたラットにおける結腸発癌の初期段階での分子変化」(J. Exp. Clin. Cancer Res. 21, 203-211)
Kishimoto, Y., Yashima, K., Morisawa, T., Shiota, G., Kawasaki, H.、及びHasegawa, J.の論文(2002b)、「アゾキシメタンによって誘発されたラット結腸発癌におけるAPC、及びc−myc発現に対するシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤NS−398の効果」(J. Gastroenterol. 37, 186-193)
Kozak, K.R., Rowlinson, S.W.、及びMarnett, L.J.の論文(2000)、「シクロオキシゲナーゼ−2によるエンドカナビノイド(2−アラキドニルグリセロール)のグリセリルプロスタグラジンへの酸素化(J. Biol. Chem. 275, 33744-33749)
Kujubu, D.A., Fletcher, B.S., Varnum, B.C., Lim, R.W.、及びHerschman H.R.の論文(1991)、「スイス3T3細胞からのホルボールエステル腫瘍プロモータ誘発性mRNAであるTIS10は、新奇のプロスタグラジンシンターゼ/シクロオキシゲナーゼ同族体をコード化する(J. Biol. Chem. 266, 12866-12872)
Kurumbail, R.G., Stevens, A.M., Gierse, J.K., McDonald, J.J., Stegeman, R.A., Pak, J.Y., Gildehaus, D., Miyashiro, J.M., Penning, T.D., Seibert, K., Isakson, P.C.、及びStallings, W.C.の論文(1996)、「抗炎症薬によるシクロオキシゲナーゼ−2の選択性阻害の構造的基礎(Nature 384, 644-648)
Lamanna, C.、及びHart, E.R.の論文(1968)、「マウスの体重に対する致死毒性投与量の関係」(Toxicol. Appl. Pharmacol. 13, 307-315)
Langenbach, R., Morham, S.G., Tiano, H.F., Loftin, C.D., Ghanayem, B.I., Chulada, P.C., Mahler, J.F., Lee, C.A., Goulding, E.H., Kluckman, K.D., Kim, H.S.、及びSmithies, O.の論文(1995)、「マウスにおけるプロスタグラジンシンターゼ1遺伝子破壊は、アラキドン酸誘発炎症、及びインドメタシン誘発胃潰瘍形成を抑える(Cell 83, 483-492)
【0257】
Lanzo, C.A., Sutin, J., Rowlinson, S.W., Talley, J.、及びMarnett, L.J.の論文(2000)、「シクロオキシゲナーゼ−1、及びシクロオキシゲナーゼ−2に対するジアリール複素環の結合、及び解離の蛍光消光分析:シクロオキシゲナーゼ−2選択性の動力学的基礎(Biochemistry 39, 6228-6234)
Lee S.H., Soyoola E., Chanmugam P., Hart S., Sun W., Zhong H., Liou S., Simmons D.、及びHwang D.の論文(1992)、「リポ多糖でシミュレートしたマクロファージにおけるミトゲン誘発性シクロオキシゲナーゼの選択性発現」(J. Biol. Chem. 267, 25934-25938)
Luong, C., Miller, A., Barnett, J., Chow, J., Ramesha, C.、及びBrowner, M.F.の論文(1996)、「ヒトシクロオキシゲナーゼ−2の構造におけるNSAID結合部位の柔軟性」(Nature Struct. Biol. 3, 927-933)
Mann, M., Sheng, H., Shao, J., Williams, C.S., Pisacane, P.I., Sliwkowski, M.X.、及びDuBois, R.N. (2001)、「標的シクロオキシゲナーゼ2、及びHER−2/neu経路は、結腸直腸癌成長を抑制する」(Gastroenterology 120, 1713-1719)
Manning, H.C., Goebel, T., Marx, J.N.、及びBornhop, D.J.の論文(2002)、「三官能ランタニドキレートの周辺ベンゾジアゼピン受容体リガンドへの容易で効率的な結合」(Org. Lett. 4, 1075-1078)
Marnett, L.J., Siedlik, P,H,, Ochs, R.C., Pagels, W.R., Das, M., Honn, K.V., Warnock, R.H., Tainer, B.E.、及びEling, T.E.の論文(1984)、「抗血栓・転移抑制剤ナファザトロムによるプロスタグラジンHシンターゼ、及びプロスタシクリンシンターゼのシミュレーションのメカニズム」(Mol Pharmacol 26, 328-35)
Marnett, L.J.の論文(1992)、「アスピリン、及び結腸癌におけるプロスタグラジンの潜在的役割」(Cancer Res. 52, 5575-5589)
Marnett, L.J.、及びDuBois, R.N.の論文(2002)、「結腸癌予防のための標的」(Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 42, 55-80)
【0258】
Masferrer, J.L., Leahy, K.M., Koki, A.T., Zweifel, B.S., Settle, S.L., Woerner, B.M., Edwards, D.A., Flickinger, A.G., Moore, R.J.、及びSeibert, K.の論文(2000)、「シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤の抗血管形成、及び抗腫瘍活性」(Cancer Res. 60, 1306-1311)
McCarthy, T.J., Sheriff, A.U., Graneto, M.J., Talley, J.J.、及びWelch, M.J.の論文(2002)、「18F標識COX−1、及びCOX−2阻害剤の放射線合成、インビトロ評価、及びインビボ評価」(J. Nucl. Med. 43, 117-124)
Meade, E.A., Smith, W.L.、及びDeWitt, D.L.の論文(1993)、「アスピリン、及び他の非ステロイド系抗炎症薬によるプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ(シクロオキシゲナーゼ)アイソザイムの差別的阻害(J. Biol. Chem. 268, 6610-6614)
Meyer et al.の論文(1990)(Invest. Radiol. 25, S53)
Morham, S.G., Lagenbach, R., Loftin, C.D., Tiano, H.F., Vouloumanos, N., Jennette, J.C., Mahler, J.F., Kluckman, K.D., Ledford, A., Lee, C.A.、及びSmithies, O.の論文(1995)、「プロスタグランジンシンターゼ2遺伝子破壊は、マウスの重度腎臓病を引き起こす」(Cell 83, 473-482)
Moser, A.R., Luongo, C., Gould, K.A., McNeley, M.K., Shoemaker, A.R.、及びDove, W.F. の論文(1995)、「ApcMin:小腸、及び乳腫瘍形成に対するマウスモデル」(Eur. J. Cancer 31A, 1061-1064)
Mujumdar R.B., Ernst L.A., Mujumdar S.R., Lewis C.J.、及びWaggoner A.S.の論文(1993)、「シアニン染料標識試薬:スルホムドシアニンスクシンイミジルエステル」(Bioconjugate Chemistry 4, 105-111)
Odenwaller, R., Chen, Y.N.、及びMarnett, L.J.の論文(1990)、「アポプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼの調製、及びタンパク質分解開裂(Methods Enzymol 187, 479-85)
【0259】
Ohki, S., Ogino, N., Yamamoto, S. and Hayaishi, O.の論文(1979)、「ウシ精嚢ミクロソームからのプロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼの主要部であるプロスタグランジンヒドロペルオキシダーゼ(J. Biol. Chem. 254, 829-836)
Oshima, M., Dinchuk, J.E., Kargman, S., Oshima, H., Hancock, B., Kwong, E., Trzaskos, J.M., Evans, J.F.、及びTaketo, M.M.の論文(1996)、「シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)の阻害によるApcΔ716−ノックアウトマウスにおける小腸ポリープ症の抑制(Cell 87, 803-809)
O'Sullivan, M.G., Huggins, E.M. Jr.,、及びMcCall C.E.の論文(1993)、「肺胞マクロファージにおけるプロスタグランジンHシンターゼ2のリポ多糖誘発発現は、アスピリンではなく、デキサメタソンによって阻害される」(Biochem. Biophys. Res. Commun. 191, 1294-1300)
PCT国際公開WO96/17628
PCT国際公開WO98/22146
PCT国際公開WO98/48838
PCT国際公開WO98/48846
【0260】
Peters, R.A.の論文(1952)、「致死的合成」(Proc. R. Soc. Lond. B. 139, 143-170)
Peters, R.A., Wakelin, R.W.、及びBuffa, P.の論文(1953)、「フルオロアセテート中毒の生化学:クエン酸塩代謝のフルオロカルボン酸阻害剤の単離、及びいくつかの特性」(Proc. Roy. Soc. (London) B140, 497-506)
Picot, D., Loll, P.J.、及びGaravito, R.M.の論文(1994)、「膜タンパク質プロスタグランジンHシンターゼ−1のX線結晶構造」(Nature 367, 243-249)
Pomper M.G.、及びPort J.D.の論文(2000)、「脳腫瘍のMR画像化における新たな技術」(Magn Reson Imaging Clin N Am 8, 691-713)
Reddy, B.S., Hirose, Y., Lubet, R., Steele, V., Kelloff, G., Paulson, S., Seibert, K.、及びRao, C.V.の論文(2000)、「異なる発癌段階において投与される特異的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤セレコキシブによる結腸癌の化学的防御」(Cancer Res. 60, 293-297)
Ristimaki, A., Nieminen, O., Saukkonen, K., Hotakainen, K., Nordling, S.、及びHaglund, C.の論文(2001)、「膀胱のヒト移行上皮細胞癌におけるシクロオキシゲナーゼ−2の発現」(Am. J. Pathol. 158, 849-853)
Ristimaki, A., Sivula, A., Lundin, J., Lundin, M., Salminen, T., Haglund, C., Joensuu, H.、及びIsola, J.の論文(2002)、「乳癌における隆起シクロオキシゲナーゼ−2発現の予知診断の重要性」(Cancer Res. 62, 632-635)
Sheng, H., Shao, J., Kirkland, S.C., Isakson, P., Coffey, R.J., Morrow, J.D., Beauchamp, R.D.、及びDuBois, R.N.の論文(1997)、「シクロオキシゲナーゼ−2の選択性阻害によるヒト結腸癌細胞成長の阻害」(J. Clin. Invest. 99, 2254-2259)
Sheng, H., Shao, J., Washington, M.K.、及びDuBois, R.N.の論文(2001)、「プロスタグランジンE2は、結腸直腸癌細胞の成長、及び運動を増強させる」(J. Biol. Chem. 276, 18075-18081)
Smith, C.J., Morrow, J.D., Roberts, L.J.I.、及びMarnett, L.J.の論文(1993)、「ホルボールエステルによる単球様THP−1細胞の差別化は、プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ−1(COX−1)の発現を誘発する」(Biochem. Biophys. Res. Commun. 192, 787-793)
【0261】
Smith, W.L., DeWitt, D.L.、及びGaravito, R.M.の論文(2000)、「シクロオキシゲナーゼ:構造、細胞、及び分子生物学」(Annu. Rev. Biochem. 69, 145-182)
Smith, W.L., Garavito, R.M.、及びDeWitt, D.L.の論文(1996)、「プロスタグランジンエンドペルオキシドHシンターゼ(シクロオキシゲナーゼ)−1、及び−2(J. Biol. Chem. 271, 33157-33160)
Soslow, R.A., Dannenberg, A.J., Rush, D., Woerner, B.M., Khan, K.N., Masferrer, J.、及びKoki, A.T.の論文(2000)、「COX−2は、ヒト肺動脈、結腸、及び乳腫瘍に発現する」(Cancer 89, 2637-2645)
Steinbach, G., Lynch, P.M., Phillips, R.K., Wallace, M.H., Hawk, E., Gordon, G.B., Wakabayashi, N., Saunders, B., Shen, Y., Fujimura, T., Su, L.K.、及びLevin, B.の論文(2000)、「家族性腺腫様ポリープ症におけるシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤であるセレコキシブの効果」(N. Engl. J. Med. 342, 1946-1952)
Stolina, M., Sharma, S., Lin, Y., Dohadwala, M., Gardner, B., Luo, J., Zhu, L., Kronenberg, M., Miller, P.W., Portanova, J., Lee, J.C.、及びDubinett, S.M.の論文(2000)m「シクロオキシゲナーゼ2の特異的阻害は、IL−10、及びIL−12合成のバランスを変えることによって抗腫瘍活性を回復させる」(J. Immunol. 164, 361-370)
Su, L.-K., Kinzler, K.W., Vogelstein, B., Preisinger, A.C., Moser, A.R., Luongo, C., Gould, K.A.、及びDove, W.F.の論文(1992)、「ネズミのAPC遺伝子の同族体における突然変異によって生じる多発性小腸新生物形成」(Science 256, 668-670)
Tada, M., Oikawa, A., Iwata, R., Sato, K., Kubota, K., Fujiwara, T., Sugiyama, H., Abe, Y., Sato, T., Matsuzaa, T., Takahashi, H., Wakui, A.、及びIdo, T.の論文(1990)、「2−デオキシ−2−「18F」フルオロ−アセトアミド−D−マンノピラノース、及び−D−ガアクトピラノース」(J. Labelled Compd. Radiopharm. 23, 847-853)
Takahashi, M., Mutoh, M., Kawamori, T., Sugimura, T.、及びWakabayashi, K.の論文(2000)、「アゾキシメタン誘発ラット結腸発癌におけるベータカテニン、誘発性酸化窒素シンターゼ、及びシクロオキシゲナーゼ−2の変容発現(Carcinogenesis 21, 1319-1327)
【0262】
Timofeevski, S.L., Prusakiewicz, J.J., Rouzer, C.A.、及びMarnett, L.J.の論文(2002)、「リアルタイム蛍光、阻害運動、及び部位誘導突然変異によって調査したシクロオキシゲナーゼ−2とインドメタシンアミドとのイソ型選択性相互作用」(Biochemistry 41, 9654-9662)
Tsujii, M.、及びDuBois, R.N.の論文(1995)、「プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ2を過剰発現させる上皮細胞における細胞固着、及び細胞消滅の変化」(Cell 83, 493-501)
Tucker, O.N., Dannenberg, A.J., Yang, F.K., Zhang, F., Teng, L.S., Daly, J.M., Soslow, R.A., Masferrer, J.L., Woerner, B.M., Koki, A.T.、及びFahey, T.J.I.の論文(1999)、「シクロオキシゲナーゼ−2発現をヒト膵臓癌において情報制御する」(Cancer Res. 59, 987-990)
米国特許第4,885,363号
米国特許第5,087,440号
米国特許第5,155,215号
米国特許第5,188,816号
米国特許第5,219,553号
米国特許第5,262,532号
米国特許第5,358,704号
米国特許第5,453,505号
米国特許第5,865,754号
米国特許第5,928,627号
米国特許第6,083,486号
米国特許第6,207,700号
米国特許第6,246,901号
米国特許第6,306,890号
米国特許第6,399,647号
米国特許第6,403,625号
【0263】
van den Hoff, J., Burchert, W., Borner, A.R., Fricke, H., Kuhnel, G., Meyer, G.J., Otto, D., Weckesser, E., Wolpers, H.G.、及びKnapp, W.H.の論文(2001)、「心筋PETにおける定量的灌流トレーサとしての[1−(11)C]アセテート(J. Nucl. Med. 42, 1174-1182)
Van Der Ouderaa, F.J., Buytenhek, M., Nugteren, D.H.、及びVan Dorp, D.A.の論文(1980)、「アセチルサリチル酸によるプロスタグランジンエンドペルオキシドシンセターゼのアセチル化」(Eur. J. Biochem. 109, 1-8)
Vane, J.R.、及びBotting, R.M.の論文(1996)、「抗炎症薬の作用のメカニズム」(Scand. J. Rheumatol. 25(Suppl. 102), 9-21)
Vane, J.R., Bakhle, Y.S.、及びBotting, R.M.の論文(1998)、「シクロオキシゲナーゼ1、及び2」(Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 38, 97-120)
Ward, J.C.、及びSpencer, D.A.の論文(1947)、「フルオロ酢酸ナトリウム:化合物1080の薬理作用についての解説」(J. Am. Pharm. Assoc. 36, 59-62)
Weissleder, R.の論文(2001)、「インビボ画像化に対するより明確な展望」(Nat. Biotechnol. 19, 316-317)
Weissleder R., Tung C.H., Mahmood U.、及びBogdanov A. Jr.の論文(1999)、「プロスターゼ活性近赤外蛍光プローブによる腫瘍のインビボ画像化」(Nat Biotechnol 17, 375-378)
Williams, C.S., Luongo, C., Radhika, A., Zhang, T., Lamps, L.W., Nanney, L.B., Beauchamp, R.D.、及びDuBois, R.N.の論文(1996)、「Minマウスの腺腫のシクロオキシゲナーゼ−2レベルの上昇」(Gastroenterology 111, 1134-1140)
Williams, C.S., Tsujii, M., Reese, J., Dey, S.K.、及びDuBois, R.N.の論文(2000a)、「宿主シクロオキシゲナーゼ−2は癌成長を変調する」(J. Clin. Invest. 105, 1589-1594)
Williams, C.S., Watson, A.J., Sheng, H., Helou, R., Shao, J.、及びDuBois, R.N.の論文(2000b)、「セレコキシブは、正常な腸への毒性を伴わずにインビボで腫瘍成長を防止する:インビトロモデルとインビボモデルの相関性の欠如」(Cancer Res. 60, 6045-6051)
【0264】
Wilson, K.T., Fu, S., Ramanujam, K.S.、及びMeltzer, S.J.の論文(1998)、「バレット食道における誘発性酸化窒素シンターゼ、及びシクロオキシゲナーゼ−2の発現の増強、及びそれに伴う腺癌」(Cancer Res. 58, 2929-2934)
Wilsonの論文(1991)、「組織の光学特性」(Encyclopedia of Human Biology, 5, 587-597)
Xie, W., Chipman, J.G., Robertson, D.L., Erikson, R.L.、及びSimmons, D.L.の論文(1991)、「プロスタグランジンシンセターゼをコード化するミトゲン応答性遺伝子の発現をmRNAスプライシングによって規制する」(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88, 2692-2696)
Yoshimi, N., Kawabata, K., Hara, A., Matsunaga, K., Yamada, Y.、及びMori, H.の論文(1997)、「F344ラットの結腸発癌におけるアゾキシメタン誘発異常陰窩病巣に対する、選択性シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤であるNS−398の阻害効果」(Jpn. J. Cancer Res. 88, 1044-1051)
Yokoyama, C.、及びTanabe, T.の論文(1989)、「プロスタグランジンエンドペルオキシドシンセターゼをコード化するヒト遺伝子のクローニング、及び酵素の一次構造」(Biochem. Biophys. Res. Commun. 165, 888-894)
【0265】
記載の主題の範囲から逸脱することなく、記載の主題のそれぞれの詳細を変更できることが理解されるであろう。また、先述の説明は、例示のみを目的とし、限定を目的としたものではない。
【図面の簡単な説明】
【0266】
【図1】アラキドン酸をプロスタグラジンG(PGG)に変換し、次いでプロスタグラジンH(PGH)に変換する、シクロオキシゲナーゼにより触媒される一般反応を示す図である。
【図2】アスピリンのo−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)への変換を示す図である。
【図3】インドメタシンのCOX−2選択性リガンド化合物1、及び2への変換を示す図である。
【図4】インドメタシンのエタノールアミドのクマリン誘導エステルである化合物3を示す図である。
【図5】開示の変換プロセスが正常に適用された4つのNSAIDである5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、メクロフェナム酸、ケトロラク、及びインドメタシンの構造を示す図である。
【図6】COX−2に結合するいくつかのインドメタシン誘導体の構造を示す図である。示された化合物は、いずれも66μMまでCOX−1を阻害しない。
【図7】ヨウ素含有造影剤である化合物4、及び5の合成を示す図である。EDCl:2−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン。
【図8】様々な長さのアミド結合を介する2つのヨウ素含有造影剤の合成を示す図である。EDCl:2−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、DMF:ジメチルホルムアミド。
【図9】ヨウ素含有造影剤化合物8、及び10〜12の合成のための代替的な合成スキームを示す図である。EDCl:1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン、TEA:トリエチルアミン、DMF:ジメチルホルムアミド、INDO:インドメタシン。
【図10】インドメタシンに結合された重金属キレート化剤である化合物14の合成を示す図である。
【図11】インドメタシン誘導体である化合物16〜18を示す図である。
【図12】18F−APHSの合成の2つの代替経路を示す図である。Et:エチル基CHCH
【図13】11C−APHSの合成を示す図である。
【図14】18F含有化合物18の合成を示す図である。それぞれフッ化ケトロラク、及びジアリールピラゾール誘導体である化合物19、及び20も示されている。
【図15】NIR発光画像化のためのインドメタシン系染料の合成を示す図である。
【図16】フッ素標準物質である化合物389と、PET前駆体である化合物390とを含むインドメタシンのインドイルアミド誘導体を合成するためのスキームを示す図である。各工程では、各反応の成分が、円で囲まれた小文字で表されている。各反応の成分は以下の通りである。a:塩化アンモニウム、EDCl、HOBt、DIPEA、及びDMF、b:LAH、及びTHF、c:(BOC)O、及びDMF、d:NaH、ブロモベンジルブロミド、及びDMF、e:HCl(g)、及びジクロロメタン、f:4−F−CCOH、EDCl、HOBt、DIPEA、及びDMF、g:4−NO−CCOH、EDCl、HOBt、DIPEA、及びDMF、h:KRYPTOFIX2、2、2(登録商標)、18F−KF、及びACN。
【図17】インドメタシンの様々なジアミド誘導体を合成するためのスキームを示す図である。各工程では、各反応の成分が、円で囲まれた小文字で表されている。各反応の成分は以下の通りである。a:N−BOC−エチレンジアミン、EDCl、HOBt、DIPEA、及びDMF、b:HCl(g)、及びジクロロメタン、c:EDCl、HOBt、DIPEA、及びDMF(X=I、F、NO、OH、又はNMe)、d:CFSOCH、及びジクロロメタン、e:Ts−Cl、及びジクロロメタン、f:KRYPTOFIX2、2、2(登録商標)、18F−KF、及びACN。
【図18】インドメタシンのアミド誘導体を合成するためのスキームを示す図である。各工程では、各反応の成分が、円で囲まれた小文字で表されている。各反応の成分は以下の通りである。a:10N NaOH、及びDMF、b:4−フルオロアニリン、EDCl、HOBt、DMAP、及びジクロロメタン、c:NaH、塩化4−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル、及びDMF、d:SOCl、ピリジン、及びDMF、e:NaH、塩化4−クロロ−2−フルオロベンゾイル、及びDMF、f:KRYPTOFIX2、2、2(登録商標)、18F−KF、及びACN。
【図19】18Fの製造、及びNSAID(例えばインドメタシン)誘導体を放射標識して、COX−2標的造影剤を作るのに使用できる置換化学作用のためのスキームを示す図である。各工程では、各反応の成分が、円で囲まれた小文字で表されている。各反応の成分は以下の通りである。a:10KVボンバードメント、b:KCO、c:X=F、NO、I、OTs、又はNMeのKRYPTOFIX2、2、2(登録商標)、DMSO(85℃)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
COX−2選択性リガンドと、検出可能な基を含む化合物とを反応させることを含み、前記COX−2選択性リガンドは、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である、放射線造影剤を合成するための方法。
【請求項2】
前記NSAIDのカルボン酸基は、エステル、又は第二級アミンに誘導体化されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記NSAIDは、フェナム酸、インドール、フェニルアルカン酸、フェニル酢酸、それらの医薬として許容し得る塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、6−メトキシ−α−メチル−2−ナフチル酢酸、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ジクロフェナク、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、スリンダク、トルメチン、スプロフェン、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、アセロフェラク、アルコフェナク、アムフェナク、ベノキサプロフェン、ブロムフェナク、カルプロフェン、クリダナク、ジフルニサル、エフェナム酸、エトドリン酸、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェノプロフェン、フレクロジン酸、インドプロフェン、イソフェゾラク、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナメート、ナプロキセン、オルパノキシン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、トルフェナム酸、ザルトプロフェン、ゾメピラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ケトロラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第二級アミド誘導体は、インドメタシン−N−メチルアミド、インドメタシン−N−エタン−2−オールアミド、インドメタシン−N−オクチルアミド、インドメタシン−N−ノニルアミド、インドメタシン−N−(2−メチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(4−メチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−[(R)−α,4−ジメチルベンジル]アミド、インドメタシン−N−((S)−α,4−ジメチルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(2−フェネチル)アミド、インドメタシン−N−(4−フルオロフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−クロロフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−アセトアミドフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−メチルメルカプト)フェニルアミド、インドメタシン−N−(3−メチルメルカプトフェニル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3−エトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミド、インドメタシン−N−(3−ピリジル)アミド、インドメタシン−N−5−[(2−クロロ)ピリジル]アミド、インドメタシン−N−5−[(1−エチル)ピラゾロ]アミド、インドメタシン−N−(3−クロロプロピル)アミド、インドメタシン−N−メトキシカルボニルメチルアミド、インドメタシン−N−2−(2−L−メトキシカルボニルエチル)アミド、インドメタシン−N−2−(2−D−メトキシカルボニルエチル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシカルボニルベンジル)アミド、インドメタシン−N−(4−メトキシカルボニルメチルフェニル)アミド、インドメタシン−N−(2−ピラジニル)アミド、インドメタシン−N−2−(4−メチルチアゾリル)アミド、インドメタシン−N−(4−ビフェニル)アミド、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検出可能な基は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ハロゲン含有部分は、塩素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、又はそれらの放射性同位体を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項1に記載の方法:
【化1】


(式中、Rは、
【化2】


からなる群から選択され、
R1は、
【化3】


からなる群から選択され、Xは、芳香族環の1つ、又は複数の位置におけるハロゲン、又はその放射性同位体であり、
R2は、検出可能な基、又はハロ置換アリールを含み、
R3、R4、R5、及びR6は、それぞれ独立に、水素、ハロ、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、又は分枝アルコキシ、ベンジルオキシ、SCH、SOCH、SOCH、SONH、及びCONHからなる群から選択され、
nは0〜5であり、R1、及びR2の少なくとも一方は、検出可能な基を含む)、前記方法。
【請求項10】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項9に記載の方法:
【化4】


(式中、R7はハロゲンを含み、R8は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、及びC〜Cアリール、又は分枝アリールからなる群から選択される)。
【請求項11】
R7、及びR8の少なくとも一方は18Fを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項10に記載の方法。
【化5】

【請求項13】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項10に記載の方法:
【化6】



【請求項14】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項10に記載の方法:
【化7】



(式中、m=0〜8の整数である)
【請求項15】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項10に記載の方法:
【化8】



【請求項16】
配位金属イオンをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記配位金属イオンは、Gd3+、Eu3+、Fe3+、Mn2+、Yt3+、Dy3+、及びCr3+からなる群から選択される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記配位金属イオンは、Gd3+、又はEu3+である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項10に記載の方法:
【化9】



(式中、Xは、ハロゲン、又はその放射性同位体である)
【請求項20】
Xは18Fである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項10に記載の方法:
【化10】



【請求項22】
Xは18Fである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項10に記載の方法:
【化11】


(式中、q=0〜8の整数である)。
【請求項24】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項9に記載の方法:
【化12】


(式中、R9はハロゲンであり、R2はp−ハロベンゼンであり、s=1〜4である)。
【請求項25】
R9はBrであり、n=2であり、R2はp−18F−ベンゼンである請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項1に記載の方法:
【化13】



【請求項27】
前記フッ素原子は18Fである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項1に記載の方法:
【化14】



【請求項29】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項1に記載の方法:
【化15】


(式中、Rは検出可能な基を含む)。
【請求項30】
R10は、下記の構造を有する請求項29に記載の方法:
【化16】



【請求項31】
対象の標的組織を画像化するための方法であって:
(a)放射線造影剤を、該放射性造影剤を前記標的組織に結合させるのに十分な条件下で前記対象に投与すること、ここで、該放射線造影剤は、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の誘導体を含み、検出可能な基をさらに含み;かつ
(b)該標的組織における該検出可能な基を検出することを含む、前記方法。
【請求項32】
前記非ステロイド系抗炎症薬のカルボキシル基は、エステル、又は第二級アミドに誘導体化されている請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記標的組織は、炎症性病変、腫瘍、新生物発生前病変、新生細胞、新生物発生前細胞、及び癌細胞からなる群から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記新生物発生前病変は、結腸ポリープ、及びバレット食道からなる群から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記腫瘍は、原発腫瘍、転移腫瘍、及び癌からなる群から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記対象は哺乳動物である請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記哺乳動物はヒトである請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記投与は、経口、静脈内、腹腔内、吸入、及び腫瘍内からなる群から選択される経路を介する請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記(NSAID)は、フェナム酸、インドール、フェニルアルカン酸、フェニル酢酸、それらの医薬として許容し得る塩、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項30に記載の方法。
【請求項40】
前記NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、6−メトキシ−α−メチル−2−ナフチル酢酸、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ジクロフェナク、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、スリンダク、トルメチン、スプロフェン、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、アセロフェラク、アルコフェナク、アムフェナク、ベノキサプロフェン、ブロムフェナク、カルプロフェン、クリダナク、ジフルニサル、エフェナム酸、エトドリン酸、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラク、フェノプロフェン、フレクロジン酸、インドプロフェン、イソフェゾラク、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナメート、ナプロキセン、オルパノキシン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、トルフェナム酸、ザルトプロフェン、ゾメピラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記NSAIDは、アスピリン、o−(アセトキシフェニル)ヘプト−2−イニルスルフィド(APHS)、インドメタシン、メクロフェナム酸、5,8,11,14−エイコサテトライン酸(ETYA)、ケトロラク、及びそれらの医薬として許容し得る塩、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記検出可能な基は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記検出は、陽電子放射型断層撮影法、近赤外発光、又は単色X線による請求項31に記載の方法。
【請求項44】
前記放射線造影剤が、下記の構造を含む請求項31に記載の方法:
【化17】


(式中、Rは、
【化18】


からなる群から選択され、
R1は、
【化19】


からなる群から選択され、Xは、芳香族環の1つ、又は複数の位置におけるハロゲン、又はその放射性同位体であり、
R2は、検出可能な基、又はハロ置換アリールであり、
R3〜R6は、それぞれ独立に、水素、ハロ、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、又は分枝アルコキシ、ベンジルオキシ、SCH、SOCH、SOCH、SONH、及びCONHからなる群から選択され、
nは0〜5であり、R1、及びR2の少なくとも一方は、検出可能な基を含む。)。
【請求項45】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項44に記載の方法:
【化20】


(式中、R7はハロゲンを含み、R3は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、及びC〜Cアリール、又は分枝アリールからなる群から選択される)。
【請求項46】
R7、及びR8の少なくとも一方は18Fを含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項45に記載の方法:
【化21】



【請求項48】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項45に記載の方法:
【化22】



【請求項49】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項45に記載の方法:
【化23】


(式中、m=0〜8の整数)。
【請求項50】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項45に記載の方法:
【化24】



【請求項51】
さらに配位金属イオンを含む請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記配位金属イオンは、Gd3+、Eu3+、Fe3+、Mn2+、Yt3+、Dy3+、及びCr3+からなる群から選択される請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記配位金属イオンは、Gd3+、又はEu3+である請求項52に記載の方法。
【請求項54】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項45に記載の方法:
【化25】


(式中、Xは、ハロゲン、又はその放射性同位体である)。
【請求項55】
Xは18Fである請求項54に記載の方法。
【請求項56】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項45に記載の方法:
【化26】



【請求項57】
R8は18Fである請求項56に記載の方法。
【請求項58】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項45に記載の方法:
【化27】


(式中、q=0〜8の整数である)。
【請求項59】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項44に記載の方法:
【化28】


(式中、R1はハロゲンであり、R2はp−ハロベンゼンであり、s=1〜4である)。
【請求項60】
R9はBrであり、n=2であり、R2はp−18F−ベンゼンである請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項31に記載の方法:
【化29】



【請求項62】
前記フッ素原子は18Fである請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項31に記載の方法:
【化30】



【請求項64】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項31に記載の方法:
【化31】


(式中、Rは検出可能な基を含む)。
【請求項65】
R10は、下記の構造を有する請求項64に記載の方法:
【化32】



【請求項66】
検出可能な基とCOX−2選択性リガンドとを含み、前記リガンドは、エステル部分、又は第二級アミド部分を含む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の誘導体である放射線造影剤。
【請求項67】
前記非ステロイド系抗炎症薬のカルボキシル基は、エステル、又は第二級アミドに誘導体化されている請求項66に記載の放射線造影剤。
【請求項68】
下記の構造を含む請求項66に記載の放射線造影剤:
【化33】


(式中、Rは、
【化34】


からなる群から選択され、
R1は、
【化35】


からなる群から選択され、Xは、芳香族環の1つ、又は複数の位置におけるハロゲン、又はその放射性同位体であり、
R2は、検出可能な基、又はハロ置換アリールを含み、
R3〜R6は、それぞれ独立に、水素、ハロ、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、C〜Cアルコキシ、又は分枝アルコキシ、ベンジルオキシ、SCH、SOCH、SOCH、SONH、及びCONHからなる群から選択され、
nは0〜5であり、R1、及びR2の少なくとも一方は、検出可能な基を含む)。
【請求項69】
下記の構造を含む請求項68に記載の放射線造影剤:
【化36】


(式中、R7はハロゲンを含み、R8は、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル、又は分枝アルキル、及びC〜Cアリール、又は分枝アリールからなる群から選択される)。
【請求項70】
R7、及びR8の少なくとも一方は18Fを含む請求項69に記載の方法。
【請求項71】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項69に記載の放射線造影剤:
【化37】



【請求項72】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項69に記載の放射線造影剤:
【化38】



【請求項73】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項69に記載の放射線造影剤:
【化39】


(式中、m=0〜8の整数である)。
【請求項74】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項69に記載の放射線造影剤:
【化40】



【請求項75】
さらに配位金属イオンを含む請求項74に記載の放射線造影剤。
【請求項76】
前記配位金属イオンは、Gd3+、Eu3+、Fe3+、Mn2+、Yt3+、Dy3+、及びCr3+からなる群から選択される請求項75に記載の放射線造影剤。
【請求項77】
前記配位金属イオンは、Gd3+、又はEu3+である請求項76に記載の放射線造影剤。
【請求項78】
R7はClであり、R2は、下記の構造を有する請求項69に記載の放射線造影剤:
【化41】


(式中、Xは、ハロゲン、又はその放射性同位体である)。
【請求項79】
Xは18Fである、請求項78に記載の放射線造影剤。
【請求項80】
R7はClであり、かつR2は、下記の構造を有する請求項69に記載の放射線造影剤:
【化42】



【請求項81】
Xは18Fである、請求項80に記載の放射線造影剤。
【請求項82】
R7はClであり、かつR2は、下記の構造を有する請求項69に記載の放射線造影剤:
【化43】


(式中、q=0〜8の整数である)。
【請求項83】
下記の構造を含む請求項68に記載の放射線造影剤:
【化44】


(式中、R1はハロゲンであり、R2はp−ハロベンゼンであり、s=1〜4である)。
【請求項84】
R9はBrであり、n=2であり、R2はp−18F−ベンゼンである請求項83に記載の放射線造影剤。
【請求項85】
下記の構造を含む請求項66に記載の放射線造影剤:
【化45】



【請求項86】
前記フッ素原子は18Fである、請求項85に記載の放射線造影剤。
【請求項87】
下記の構造を含む請求項66に記載の放射線造影剤:
【化46】



【請求項88】
下記の構造を含む請求項66に記載の放射線造影剤:
【化47】


(式中、Rは検出可能な基を含む)。
【請求項89】
R10は、下記の構造を有する請求項88に記載の放射線造影剤:
【化48】



【請求項90】
前記放射線造影剤は、下記の構造を含む請求項66に記載の放射線造影剤:
【化49】


(式中、R11は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される検出可能な基を含む)。
【請求項91】
下記の構造を含む請求項66に記載の放射線造影剤:
【化50】


(式中、R12は、ハロゲン含有部分、蛍光部分、金属イオンキレート化部分、染料、放射性同位体含有部分、及びそれらの組合せからなる群から選択される検出可能な基を含む)。
【請求項92】
検出可能な基と、
【化51】



からなる群から選択されるインドメタシン誘導体とを含む放射線造影剤。
【請求項93】
存在する1つ、又は複数のフッ素原子は18Fである請求項92に記載の放射線造影剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2007−524630(P2007−524630A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517674(P2006−517674)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020455
【国際公開番号】WO2005/002293
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(501271033)バンダービルト・ユニバーシティ (9)
【氏名又は名称原語表記】VANDERBILT UNIVERSITY
【Fターム(参考)】