説明

DNA触媒分子

【課題】部位特異的エンドヌクレアーゼ活性をもつDNA触媒分子およびそのDNA触媒分子を含む組成物、その調製法並びに使用方法を提供する。
【解決手段】DNA触媒分子は、基質核酸配列内の一本鎖核酸を含む切断部位を特定するヌクレオチド配列に特異的なエンドヌクレアーゼ活性を有する。更に、DNA触媒分子のビオチン標識物及びそのアビジン結合固体表面への結合による固定化方法、および、DNA触媒分子を用いたホスホエノール結合の切断方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の核酸分子、特にRNAを切断することができる核酸酵素又はDNA触媒(酵素)分子に関する。本発明は、また、その開示されたDNA酵素分子を含む組成物及びその酵素及び組成物の作製及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然の場面以外で操作したり、天然には示さない反応を触媒する触媒が求められたことにより、“酵素操作”技術の開発がもたらされた。酵素操作に用いられた通常の経路は、新しい酵素の構築を援助するために天然酵素の理解に頼る“合理的設計”方法であった。残念ながら、タンパク質の構造及び化学の領域における熟達の状態は、新規な生物学的触媒を日常的に作製するには不十分である。
最近、新規な触媒を開発する別の方法が用いられた。その方法には、高分子の不均一プールの構築及び該プールから所望の反応を触媒する分子を単離する試験管内選択方法の適用が必要である。高分子のプールから触媒を選択することは、それらの構造及び化学的性質の包括的理解に依存しない。従って、その方法は、“非合理的設計”と称された(Brenner & Lerner, PNAS USA 89: 5381-5383(1992))。
【0003】
RNA酵素分子又はリボザイムの合理的設計を含む現在までのたいていの努力は、本質的に新しいか又は改良された触媒作用を有する分子をもたらさなかった。しかしながら、実際に生物のダーウィン的進化後にパターン化される“定方向分子進化”又は“試験管内進化”として我々が記載した方法による合理的設計法を適用すると所望の機能的特性を有するDNA分子の生産に至る可能性がある。
その手法は、溶液中のRNA分子(例えば、Mills ら,PNAS USA 58: 217(1967); Green ら,Nature 347: 406(1990); Chowrira ら,Nature 354:320(1991); Joyce,Gene 82: 83(1989); Beaudry & Joyce,Science 257: 635-641(1992); Robertson & Joyce,Nature 344: 467(1990)参照)及び固体支持体に結合されるリガンドに結合したRNA(Tuerkら,Science 249: 505(1990); Ellington ら,Nature 346: 818(1990))にいろいろな程度の成功で適用された。また、固体支持体に直接結合したペプチド(Lamら,Nature 354: 82(1991));及びウイルスコートタンパク質内で発現したペプチドエピトープ(Scottら,Science 249: 386(1990); Devlinら,Science 249: 249(1990); Cwirlaら,PNAS USA 87:6378(1990))にも適用された。
【0004】
触媒RNAの発見から10年が過ぎた(Krugerら,Cell 31: 147-157(1982); Guerrier-Takada ら,Cell 35: 849-857(1983))。既知の天然に存在するリボザイムのリストは増えつづけており(Cech, The RNA World, Gesteland & Atkins(eds.),pp.239-269,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1993); Pyle,Science 261: 709-714(1993); Symons,Curr. Opin. Struct. Biol. 4: 322-330(1994)参照)、近年、試験管内進化によって得られた合成リボザイムが増加してきた。(例えば、Joyce,Curr. Opin. Struct. Biol. 4: 331-336(1994); Breaker & Joyce,Trends Biotech.12: 268-275(1994); Chapman & Szostak, Curr. Opin. Struct. Biol. 4: 618-622(1994) を参照されたい。) DNAが同様に触媒活性をもつことができることを前提にしてほとんどの官能基がRNAと同じであると考えることは合理的なようである。しかしながら、ある種のウイルスゲノム及び複製中間体を除いて、生物内のほとんど全てのDNAは完全な二重らせんとして存在し、複雑な二次及び三次構造をとることを妨げている。即ち、DNA酵素が天然に見られなかったことは驚くことではない。
【0005】
本発明の出現まで、ヌクレオチド切断能力をもつDNA触媒分子の設計、合成及び使用は開示又は証明されなかった。従って、本明細書に開示された発見及び発明は、それらが他の核酸、特にRNAを切断するDNA酵素分子を含むますます効率のよい触媒分子を設計する手段として試験管内進化の可能性を強調している点で特に重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、基質核酸(NA)配列を特定の切断部位で切断することができる合成又は操作した(即ち、天然に存在しない)触媒DNA分子(又はDNA酵素分子)を企図する。本発明は、また、エンドヌクレアーゼ活性をもつDNA酵素分子を企図する。
【0007】
1好適態様においては、エンドヌクレアーゼ活性は、基質核酸配列内に一本鎖核酸を含む切断部位を特定するヌクレオチド配列に特異的である。他の好適態様においては、その切断部位は二本鎖核酸である。同様に、基質核酸配列は、一本鎖、二本鎖、部分的一本鎖又は二本鎖、ループ又はその組合わせであってもよい。
企図された別の実施態様においては、基質核酸配列は、1以上のヌクレオチド類縁体を含む。1態様においては、基質核酸配列は、大きな分子の一部であるか又はそれに結合される。
種々の実施態様においては、大きな分子は、RNA、修飾RNA、DNA、修飾DNA、ヌクレオチド類縁体又はその複合物からなる群より選ばれる。他の実施例においては、大きな分子は、核酸配列及び非核酸配列の複合物を含む。
【0008】
別の実施態様においては、本発明は、基質核酸配列が1以上のヌクレオチド類縁体を含むことを企図する。他の態様は、更に、一本鎖核酸がRNA、DNA、修飾RNA、修飾DNA、1以上のヌクレオチド類縁体又はその複合物を含む。開示された発明の1実施態様においては、エンドヌクレアーゼ活性は、切断部位でのホスホエステル結合の加水分解切断を含む。
種々の好適実施態様においては、本発明のDNA触媒分子は、全部又は一部が一本鎖である。それらのDNA触媒分子は、好ましくは、その触媒活性と一致したさまざまな形をとることができる。即ち、1態様においては、本発明のDNA触媒分子は、1以上のヘアピンループ構造を含む。他の態様においては、DNA触媒分子は、“ハンマーヘッド”リボザイムと同様の形をとることができる。別の実施態様においては、DNA触媒分子は、テトラヒメナ・サーモフィラ(Tetrahymena thermophila)、例えば、グループIイントロン由来のものと同様のコンホメーションをとることができる。
【0009】
同様に、本発明の好ましいDNA触媒分子は、基質分子のもとの配向に無関係に部位特異的エンドヌクレアーゼ活性を示すことができる。従って、1好適実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、DNA酵素分子から分離する基質核酸配列を切断することができる--即ち、DNAzymeに結合されない。他の好適実施態様においては、DNA酵素分子は、結合した基質核酸配列を切断することができる--即ち、自己切断と同様の反応を行うことができる。
本発明は、また、エンドヌクレアーゼ活性をもつDNA酵素分子(DNA触媒分子、デオキシリボザイム又はDNAzyme)を企図し、該エンドヌクレアーゼ活性には2価のカチオンの存在が必要である。他の種々の好適実施態様においては、2価のカチオンは、Pb2+、Mg2+、Zn2+及びCa2+からなる群より選ばれる。別の態様は、エンドヌクレアーゼ活性には1価のカチオンの存在が必要であることを企図する。そのような他の実施態様においては、1価のカチオンは、好ましくはNa+及びK+からなる群より選ばれる。
【0010】
本発明の種々の好適実施態様においては、DNA酵素分子は、配列番号3、配列番号14;配列番号15;配列番号16;配列番号17;配列番号18;配列番号19;配列番号20;配列番号21;及び配列番号22からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む。他の好適実施態様においては、本発明のDNA触媒分子は、配列番号23、配列番号24;配列番号25;配列番号26;配列番号27;配列番号28;配列番号29;配列番号30;配列番号31;配列番号32;配列番号33;配列番号34;配列番号35;配列番号36;配列番号37;配列番号38;及び配列番号39からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む。
【0011】
別の好適実施態様は、本発明のDNA触媒分子が配列番号50及び配列番号51からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含むことを企図する。他の好適実施態様においては、本発明のDNA触媒分子は、配列番号52〜101からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む。本明細書に開示されるように、本明細書に開示されたものと実質的に同様の配列を有するDNA触媒分子も企図される。即ち、種々の他の有用なDNA触媒分子を生じるように種々の置換、欠失、挿入、重複及び他の変異が本明細書に記載された分子に行われる。前記分子が本明細書に開示された部位特異的切断活性を示すかぎりは本開示の範囲内である。
【0012】
本発明の他の態様においては、本発明のDNA酵素分子の基質結合親和性は好ましくは約1μM 以下である。他の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、KD約0.1μM 未満で基質を結合する。
本発明は、また、有用な代謝回転速度を有するDNA酵素分子開示する。1実施態様においては、代謝回転速度は、5hr-1未満であり、好ましい実施態様においては、約2hr-1未満であり、更に好ましい実施態様においては、約1hr-1未満であり、なお更に好ましい実施態様においては、約0.6hr-1以下である。
別の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、kobsが1 min-1未満、好ましくは0.1 min-1未満、更に好ましくは0.01 min-1未満、なお更に好ましくは0.005 min-1未満である有用な代謝回転を示す。1態様においては、kobs値は、約0.002 min-1以下である。
【0013】
本発明は、また、開示されたDNA酵素の触媒速度が十分に最適化される実施態様を企図する。即ち、種々の好適実施態様においては、Mg2+の存在によって増強された反応のKm は約0.5〜20mM、好ましくは約1〜10mM、更に好ましくは約2〜5mMである。
本発明は、また、切断部位を特定するヌクレオチド配列が少なくとも1ヌクレオチドを含む実施態様を企図する。他の種々の好適実施態様においては、本発明のDNA触媒分子は、2以上のヌクレオチドの切断部位を特定するヌクレオチド配列を認識及び切断することができる。
【0014】
種々の好適実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、1以上の基質結合領域が隣接した保存コアを含む。1実施態様においては、DNA酵素分子は、第1及び第2基質結合領域を含む。他の実施態様においては、DNA酵素分子は、2以上の基質結合領域を含む。
前述のように、本発明の好ましいDNA触媒分子は保存コアを含むことができる。1好適実施態様においては、保存コアは1以上の保存領域を含む。他の好適態様においては、1以上の保存領域は、CG; CGA; AGCG; AGCCG; CAGCGAT; CTTGTTT;及び CTTATTTからなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む(例えば、図3参照)。
本発明の1実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、更に、保存コア内の保存領域間に1以上の可変又はスペーサーヌクレオチドを含む。他の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、更に、保存コアと基質結合領域間に1以上の可変又はスペーサーヌクレオチドを含む。
【0015】
1態様においては、第1基質結合領域は、好ましくは、CATCTCT; GCTCT; TTGCTTTTT; TGTCTTCTC; TTGCTGCT; GCCATGCTTT(配列番号40); CTCTATTTCT(配列番号41); GTCGGCA; CATCTCTTC;及びACTTCTからなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む。他の好適態様においては、第2基質結合領域は、TATGTGACGCTA(配列番号42); TATAGTCGTA(配列番号43); ATAGCGTATTA(配列番号44); ATAGTTACGTCAT(配列番号45); AATAGTGAAGTGTT(配列番号46); TATAGTGTA; ATAGTCGGT; ATAGGCCCGGT(配列番号47); AATAGTGAGGCTTG(配列番号48);及びATGNTGからなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む。
【0016】
本発明の種々の実施態様においては、基質結合領域は長さが異なる。従って、例えば、基質結合領域は単一ヌクレオチドから数十個のヌクレオチドを含むことができる。しかしながら、長さが約3〜25ヌクレオチド、好ましくは約3〜15ヌクレオチド、更に好ましくは約3〜10ヌクレオチドの基質結合領域が特に好ましいことが理解される。種々の実施態様においては、基質結合領域における個々のヌクレオチドは基質分子のヌクレオチドと相補的塩基対を形成することができ、他の実施態様においては、非相補的塩基対が形成される。相補的及び非相補的塩基対合の混合物も、本発明の開示された実施態様の範囲内に包含するものとして企図される。
【0017】
他の好適実施態様においては、本発明のDNA触媒分子は、更に、第3基質結合領域を含むことができる。ある好適実施態様においては、第3領域は、TGTT; TGTTA;及びTGTTAGからなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む。本発明の別の好適実施態様は、基質結合領域間に1以上の可変又は“スペーサー”領域を更に含むDNA酵素分子を開示する。
他の開示された実施態様においては、本発明は、エンドヌクレアーゼ活性をもつ、他のDNA分子から分離された精製合成DNA酵素分子を企図し、該エンドヌクレアーゼ活性は基質核酸配列内に一本鎖又は二本鎖核酸を含む切断部位を特定するヌクレオチド配列に特異的である。1態様においては、エンドヌクレアーゼ活性をもつ合成(又は操作)DNA酵素分子が開示され、該エンドヌクレアーゼ活性は実質的に基質核酸配列の一本鎖又は二本鎖領域からなる切断部位を特定するヌクレオチド配列に特異的である。
【0018】
別の実施態様においては、本発明は、核酸含有基質を加水分解して基質切断産物を作製する触媒活性をもつデオキシリボヌクレオチドポリマーを含むDNA酵素分子を企図する。1態様においては、加水分解は部位特異的方法で行われる。
前述のように、該ポリマーは一本鎖、二本鎖、又は双方の組合わせとすることができる。
本発明は、更に、基質が核酸配列を含むことを企図する。種々の実施態様においては、核酸配列基質は、RNA、修飾RNA、DNA、修飾DNA、1以上のヌクレオチド類縁体、又はそれらの複合物を含む。1実施態様は、基質が一本鎖セグメントを含むことを企図し、他の実施態様は、基質が二本鎖であることを企図する。
【0019】
本発明は、また、核酸含有基質を加水分解して切断産物を作製する触媒活性をもつデオキシリボヌクレオチドポリマーを含むDNA酵素分子を企図する。1態様においては、DNA酵素分子は、基質に効果的な結合親和性があり、切断産物に効果的な結合親和性がない。
1好適実施態様においては、本発明は、認識ドメイン、可変領域、及びスペーサー領域が隣接した保存コアを特定するヌクレオチド配列を含む天然に存在しないDNA酵素分子を開示する。即ち、1好適実施態様においては、ヌクレオチド配列は、該分子の5′末端に相接又は隣接した第1可変領域、3′末端から該第1可変領域までの位置にある第1認識ドメイン、3′末端から該第1認識ドメインまでの位置にある第1スペーサー領域、3′末端から該第1スペーサー領域までの位置にある第1保存領域、3′末端から該第1保存領域までの位置にある第2スペーサー領域、3′末端から該第2スペーサー領域までの位置にある第2保存領域、3′末端から該第2保存領域までの位置にある第2認識ドメイン、及び3′末端から該第2認識ドメインまでの位置にある第2可変領域を特定する。
【0020】
他の実施態様においては、ヌクレオチド配列は、該分子の5′末端に相接又は隣接する第1可変領域、3′末端から該第1可変領域までの位置にある第1認識ドメイン、3′末端から該第1認識ドメインまでの位置にある第1スペーサー領域、3′末端から該第1スペーサー領域までの位置にある第1保存領域、3′末端から該第1保存領域までの位置にある第2スペーサー領域、3′末端から該第2スペーサー領域までの位置にある第2保存領域、3′末端から該第2保存領域までの位置にある第2認識ドメイン、3′末端から該第2認識ドメインまでの位置にある第2可変領域、及び3′末端から該第2認識ドメインまでの位置にある第3認識ドメインを特定する。
上記分子の1態様においては、該分子は、2つの基質結合ドメインが隣接した保存コア領域を含み、他の態様においては、保存コア領域は、1以上の保存ドメインを含む。他の好適実施態様においては、保存コア領域は、更に、1以上の可変又はスペーサーヌクレオチドを含む。別の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、更に、1以上のスペーサー領域を含む。
本発明は、更に、種々の組成物を企図する。例えば、上記のDNA酵素分子を含む組成物が本明細書に開示及び企図される。他の実施態様においては、本発明の組成物は、上記のDNA酵素分子の2集団以上を含み、DNA酵素分子の各集団は基質内の異なる配列を切断することができる。他の態様においては、組成物は、上記のDNA酵素分子の2集団以上を含み、DNA酵素分子の各集団は異なる基質を認識することができる。種々の実施態様においては、組成物は1価又は2価のカチオンを含むことも好ましい。
【0021】
本発明は、更に、本発明のDNA酵素分子を作成、選択及び単離する方法を企図する。1態様においては、核酸配列(例えば、RNA)を特定部位で切断するDNA酵素分子を選択する方法は、次の工程を含む。(a)推定DNA酵素分子の1集団--配列は天然に存在するものか或いは合成のもののいずれか--好ましくは、一本鎖DNA分子を得る工程、(b)ヌクレオチド含有基質配列を前述のDNA分子の集団と混合して混合物をつくる工程;(c)該集団内の推定DNA酵素分子が該基質配列の切断を引き起こすのに十分な時間及び所定の反応条件下に該混合物を維持して基質切断産物を作製する工程;(d)該DNA分子の集団を該基質配列と基質切断産物から分離する工程;及び(e)基質核酸配列(例えば、RNA)を特定部位で切断するDNA分子を該集団から単離する工程。
上記方法の1態様においては、基質核酸配列を特定部位で切断するDNA分子は、固定化物質で標識される。1実施例においては、該物質はビオチンを含む。
【0022】
前述の方法の他の態様においては、そのために操作されたDNA酵素分子を用いて切断したい配列--例えば、所定の“標的”ヌクレオチド配列--を選択することにより開始する。従って、1実施態様においては、予め選択された(又は所定の)“標的”配列を用いてそれを1以上のランダム化配列又はセグメントを含むデオキシリボ核酸配列に結合又は“標識”することにより基質核酸配列を特定部位で切断することができるDNA分子の集団を作成する。1態様においては、ランダム化配列の長さは約40ヌクレオチドであり、他の態様においては、ランダム化配列の長さは約50ヌクレオチドである。長さが1〜40、40〜50、及び50〜100ヌクレオチドであるランダム化配列も本発明によって企図される。
【0023】
本発明の1実施態様においては、DNA酵素分子の集団を作成するために用いられるヌクレオチド配列は、配列番号4、23、50及び51からなる群より選ばれる。他の実施態様においては、“標的”又は“基質”ヌクレオチド配列は、1以上のリボヌクレオチドの配列を含む--例えば、配列番号4及び23及び配列番号49の適切な部分参照。また、有用な“標的”又は“基質”ヌクレオチド配列が、DNA、RNA又はその複合物を含むことができることも本発明によって企図される。
【0024】
本発明は、また、単離工程が、更に、標識DNA分子をアビジンの結合した固体表面に曝露して標識DNA分子が該固体表面に結合される上記の方法を企図する。前のように、基質は、RNA、DNA、双方の複合物又はヌクレオチド配列を含む分子とすることができる。
本発明は、また、下記の工程を含む、基質核酸配列を特定の切断部位で特異的に切断する方法を企図する。(a)基質核酸配列を特定の切断部位で切断することができるDNA酵素分子を供給する工程;及び(b)該DNA酵素分子を該基質核酸配列と接触させて特定部位での該核酸配列の特異的切断を引き起こす工程。1態様においては、DNA酵素分子は、天然に存在する(又は合成)DNA分子である。他の態様においては、DNA酵素分子は一本鎖である。
【0025】
上記方法の他の態様においては、基質は核酸を含む。種々の実施態様においては、基質核酸は、RNA、修飾RNA、DNA、修飾DNA、1以上のヌクレオチド類縁体、又はそれらの複合物を含む。別の実施態様においては、特異的切断は、DNA酵素分子のエンドヌクレアーゼ活性による。反応条件の変化--例えば、pHの調整、温度、カチオン%、酵素%、基質%、及び産物%--も本明細書中に企図される。
本発明は、また、下記の工程を含む、ホスホエステル結合の切断方法を企図する。(a)基質核酸配列を特定の切断部位で切断することができるDNA触媒分子とホスホエステル結合含有基質とを混合して反応混合物をつくる工程;及び(b)該DNA酵素分子が該ホスホエステル結合を切断することができる所定の反応条件下に該混合物を維持して基質産物の集団を作製する工程。1実施態様においては、該DNA酵素分子は、部位特異的方法でホスホエステル結合を切断することができる。他の実施態様においては、該方法は、更に、(c)該産物を該DNA触媒分子から分離する工程;及び(d)追加の基質を該DNA酵素分子に加えて新しい反応混合物をつくる工程を含む。
【0026】
本発明は、また、ホスホエステル結合を切断するDNA酵素分子を操作する方法を企図する。具体的な1方法は次の工程を含む。(a)一本鎖DNA分子の集団を得る工程;(b)遺伝的変化を該集団に導入して変異集団を作製する工程;(c)所定の選択基準を満たす該変異集団から個体を選択する工程;(d)該選択した個体を該変異集団の残りから分離する工程;及び(e)該選択した個体を増幅する工程。
【0027】
ここで、図1は、標的RNAホスホエステルを切断するDNAを単離する選択的増幅スキームを示す図である。図示されるように、50ランダムヌクレオチドの伸長物を含む二本鎖DNA(“N50”を有する分子は上で示した)は、アデノシンリボヌクレオチド(rA)によって3′端で終わる5′ビオチニル化DNAプライマーを用いてPCRで増幅される。(ビオチン標識は丸で囲まれた文字“B”で示される。) そのプライマーは、Taqポリメラーゼで伸長されてはめ込み単一リボヌクレオチドを含むDNA産物を得る。得られた二本鎖DNAは、ストレプトアビジンマトリックスに固定化され、非ビオチニル化DNA鎖は0.2N NaOHで洗浄することにより除去される。カラムを緩衝化溶液で再平衡化した後、カラムは1mMPbOAcを加えた同様の溶液で洗浄される。Pb2+依存性自己切断を行うDNAがカラムから遊離し、溶離液に集められ、PCRで増幅される。次に、次のラウンドの選択的増幅を開始するためにそのPCR産物が用いられる。
【0028】
図2は、出発DNAプール(G0)及び鉛カチオン(Pb2+)存在下に1〜5ラウンドの選択(G1〜G5)後に得られた集団の自己切断活性を示す写真である。記号Preは、108ヌクレオチド前駆体DNA(配列番号4);Clvは、28ヌクレオチド5′切断産物(配列番号5);及びMは長さが5′切断産物に対応するプライマー3a(配列番号6)を表す。
【0029】
図3は、5ラウンドの選択後の集団から単離した個々の変異体の配列アラインメントを示す図である。固定した基質ドメインは、上方に示され、標的リボアデニレートは逆三角で確認される。推定塩基対合相互作用に共通して関係する基質ヌクレオチドは、垂直の棒で示される。50個の初期ランダム化ヌクレオチドに対応する配列は、基質ドメインに逆平行で配列される。変異体は、全て固定した配列5′-CGGTAAGCTTGGCAC-3′(図示されず;配列番号1)の3′で終わる。基質ドメインを有する塩基対をつくると考えられる初期ランダム化領域内のヌクレオチドは、図の左右側に示され、DNA酵素分子の推定塩基対形成領域は示された各配列において個々にボックスで仕切られる。保存領域は、2つの大きな中央に位置したボックスで示される。
【0030】
図4A及び図4Bは、触媒代謝回転で進行する分子間反応におけるRNAホスホエステルのDNA触媒切断を示す図である。
図4Aは、19量体基質(3′-TCACTATrAGGAAGAGATGG -5′、配列番号2)及び38量体DNA酵素(5′-ACACATCTCTGAAGTAGCGCCGCCGTATAGTGACGCTA -3′、配列番号3)間に形成された複合体の図式である。基質は、デオキシリボヌクレオチドが隣接した単一アデノシンリボヌクレオチド(“rA”、矢印に隣接した)を含有する。DNA合成酵素は、図3に示された最も頻繁に生じる変異体の38ヌクレオチド部分である。推定触媒ドメイン内に位置した高度保存ヌクレオチドは“ボックス”で仕切られる。示されるように、一方の保存配列は“AGCG”であり、もう一方は“CG”である(5′−3′方向で読み取る)。
【0031】
図4Bは、試験管内選択で用いたものと同じ条件下の[5′−32P]標識基質のDNA触媒切断についてKm(負の勾配)及びVmax(y切片)を求めるために用いられるイーディー・ホフステープロットを示すグラフである。初期切断速度は、5nMDAN酵素及び0.125、0.5、1、2、或いは4μM 基質を含む反応について求めた。
【0032】
図5は、選択触媒DNAの4ファミリーの特異的エンドヌクレアーゼ活性を証明するポリアクリルアミドゲルを示す写真である。分子のPb2+依存性ファミリーの選択を、対照として関連様式で繰り返した(第1グループ)。第2グループにおいては、Zn2+をカチオンとして用い、第3グループにおいては、カチオンはMn2+であり、第4グループにおいては、カチオンはMg2+である。ゲル上の第5の位置は、マーカーとして切断産物のみからなる。
わかるように、上記4グループの各々に3レーンがある。3レーンの各グループにおいて、第1レーンは、金属カチオンの存在しないときの選択集団の活性のないことを示し、第2レーンは、金属カチオンの存在するときの実測活性を示し、第3レーンは、出発プール(G0)の活性のないことを示す。
【0033】
図6A及び図6Bは、各々“前駆体”触媒DNA分子及び本明細書に開示された選択的増幅法で得られた数種の触媒DNA分子の1種の2次元図を示す。図6Aは、出発プールからの具体的な分子であり、配列番号23で示される分子の全体配置を示す。示されるように、種々の相補的ヌクレオチドは、ランダム(N40)領域を隣接する。図6Bは、本明細書に記載された手順によって作成されたMg2+依存性触媒DNA分子(又は“DNAzyme”)の1種の図式である。基質核酸におけるリボヌクレオチドの位置は、図6A及び図6B共に矢印で示される。
【0034】
図7は、実質的に下記の実施例5に記載されるように行われた10ラウンドの試験管内選択的増幅の結果のいくつかを示すグラフである。示されるように、2つの位置と触媒の2ファミリーが標的配列の最も効率のよい切断を示すものとしてはめ込まれた。切断条件は、実質的に図7に示される通り、即ち、10mM Mg2+、pH7.5、及び37℃であり、反応を2時間行った後に集めたデータが示されている。切断(%)は、世代数(ここでは0〜10)に対してプロットしたものが示される。基質内の指示された部位で標的配列を切断することができるDNA触媒分子の数/有効性は垂直のバーで示され、G↓UAACUAGAGAU での切断は縞のバーで示され、GUAACUA↓GAGAU での切断は白い(輪郭の)バーで示される。
【0035】
図8は、本発明の2つのDNA触媒分子、クローン8〜17及び10〜23のヌクレオチド配列、切断部位及び代謝回転速度を示す図である。反応条件は、示されるとおり、即ち、10mMMg2+、pH7.5、及び37℃とした。クローン8〜17として同定されたDNAzymeは左側に示され、RNA基質の切断部位は矢印で示される。基質配列(5′-GGAAAAAGUAACUAGAGAUGGAAG -3′)--DNAzymeから分離する(即ち、分子間切断が示される)--はそれだけで標識される。同様に、10〜23として同定されたDNAzymeは右側に示され、RNA基質の切断部位は矢印で示される。また、基質配列も示される。8〜17酵素については、代謝回転速度は約0.6hr-1であり、10〜23酵素については、代謝回転速度は約1hr-1であった。非相補的対合は黒い丸(・)で示され、相補的対合は縦の線(|)で示される。
【0036】
図9は、更に、本発明の2つのDNA触媒分子、クローン8〜17及び10〜23のヌクレオチド配列、切断部位及び代謝回転速度を示す図である。反応条件は、示されるとおり、即ち、10mMMg2+、pH7.5、及び37℃とした。図8のように、クローン8〜17として同定されたDNAzymeは左側に示され、RNA基質の切断部位は矢印で示される。基質配列(5′-GGAAAAAGUAACUAGAGAUGGAAG -3′)--DNAzymeから分離する(即ち、分子間切断が示される)--はそれだけで標識される。同様に、10〜23として同定されたDNAzymeは右側に示され、RNA基質の切断部位は矢印で示される。また、基質配列も示される。8〜17酵素については、kobsは約0.002 min-1であり、10〜23酵素については、kobs値は約0.01 min-1であった。非相補的対合は黒い丸(・)で示され、相補的対合は縦の線(|)で示される。
【0037】
A.定義
本明細書に用いられる“デオキシリボザイム”という語は、酵素として機能することができるDNA含有核酸を記載するために用いられる。本開示においては、“デオキシリボザイム”という語は、エンドリボヌクレアーゼ及びエンドデオキシリボヌクレアーゼを含むが、エンドリボヌクレアーゼ活性をもつデオキシリボザイムが特に好ましい。本明細書にデオキシリボザイムと同じ意味で用いられる他の語は、“DNA酵素分子”、“DNAzyme”、又は“DNA触媒分子”であり、合成で作製されても生物又は他の供給源由来であっても全てその酵素的に活性な部分を含むことを理解されなければならない。
“DNA酵素分子”という語は、また、指定されたオリゴヌクレオチド標的又は基質に対して基質結合領域内に相補性を有するDNA分子を含み、かかる分子も、オリゴヌクレオチド基質を特異的に切断するのに活性な酵素活性を有する。
【0038】
他の言い方で述べると、DNA酵素分子は、オリゴヌクレオチド基質を分子間で切断することができる。その相補性は、基質の分子間切断を引き起こすことができる基質オリゴヌクレオチドに対するDNA酵素分子の十分なハイブリッド形成を可能にするように機能する。100パーセント(100%)相補性が好ましいが、75〜100%の範囲の相補性も有効であり本発明によって企図される。
本発明のDNA酵素分子は、また、ヌクレアーゼ又はリボヌクレアーゼ活性を有するものとして記載される。それらの用語は、本明細書においては同じ意味で用いられる。
本明細書に用いられる“酵素核酸”という語は、酵素RNA又はDNA分子、酵素RNA−DNAポリマー、及びその酵素的に活性な部分又は誘導体を包含するが、DNA酵素分子が本発明の酵素的に活性な分子の特に好ましい種類である。
【0039】
本明細書に用いられる“エンドデオキシリボヌクレアーゼ”という語は、主としてDNAを含む基質を切断することができる酵素である。本明細書い用いられる“エンドリボヌクレアーゼ”という語は、主としてRNAを含む基質を切断することができる酵素である。
本明細書に用いられる“塩基対”(bp)という語は、一般的には、アデニン(A)とチミン(T)もしくはウラシル(U)又はシトシン(C)とグアニン(G)の組合わせを記載するために用いられるが、塩基A、T、C及びG(及びU)の共通というほどでない類縁体がときおり塩基対合に関与することは理解されなければならない。DNA又はRNAが二本鎖配置をとる場合に通常対になるヌクレオチドも、本明細書で“相補的塩基”と呼ばれる。
【0040】
“相補的ヌクレオチド配列”は、一般的には、結果として生じる水素結合で特異的にハイブリッド形成する他の単一オリゴヌクレオチド鎖に十分相補的なDNA又はRNAの一本鎖分子又はセグメント内のヌクレオチド配列を意味する。
“ヌクレオチド”は、一般的には、糖部分(ペントース)、リン酸基、及び含窒素複素環塩基からなるDNA又はRNAのモノマー単位を意味する。塩基は、グリコシド炭素(ペントースの1′炭素)で糖部分に結合され、塩基及び糖のその組合わせが“ヌクレオシド”である。ヌクレオシドがペントースの3′又は5′位に結合したリン酸基を含む場合、ヌクレオチドと呼ばれる。作用上結合したヌクレオチドの配列は、典型的には、本明細書で“塩基配列”又は“ヌクレオチド配列”及び分法上の等価物と呼ばれ、本明細書では特にことわらない限り、左から右への向きが5′末端から3′末端への慣用の向きである式で示される。
【0041】
“ヌクレオチド類縁体”は、一般的には、A、T、G、C、又はUと構造上異なるが核酸分子内の正規のヌクレオチドを置き換えるのに十分に同じであるプリン又はピリミジンヌクレオチドを意味する。本明細書に用いられる“ヌクレオチド類縁体”という語は、改変塩基、異種又は特異糖(即ち、“通常の”ペントース以外の糖)、又はその2つの組あわせを包含する。塩基が変わった具体的な類縁体の表は、下記のCの項で示される。
“オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド”は、一般的には、一本鎖又は二本鎖ヌクレオチドのポリマーを意味する。本明細書に用いられる“オリゴヌクレオチド”及びその文法上の等価物は、全範囲の核酸を含む。オリゴヌクレオチドは、典型的には、リボヌクレオチドの線状鎖を含む核酸分子を意味する。正確なサイズは、多くの要因に左右され、当該技術において周知であるように最後の使用条件に左右される。
【0042】
本明細書に用いられる“生理的条件”という語は、哺乳類生物、特にヒトに見られるものに匹敵する反応条件を示すことを意味する。温度、カチオンの有効性及びpH範囲のような可変部分が下記に詳細に記載されるように変動させることができるが、“生理的条件”は、一般的には、約35〜40℃の温度を含み、37℃が特に好ましく、pHは約7.0〜8.0であり、7.5が特に好ましく、更に、カチオンの有効性、好ましくは2価及び/又は1価のカチオンを含み、約2〜15mMMg2+及び0〜1.0M Na+の濃度が特に好ましい。本明細書に用いられる“生理的条件”は、ヌクレオシド補助因子の存在を任意に含んでもよい。前に述べたように、好ましい条件は下記に詳細に記載される。
【0043】
B.DNA酵素分子
種々の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、付加、欠失及び置換を含む1以上の修飾又は突然変異を合わせることができる。別の実施態様においては、かかる突然変異又は修飾は、ランダム又は特定の突然変異又は修飾を生じる方法を用いて作成される。それらの突然変異は、例えば、ループ、スペーサー領域又は認識配列(又はドメイン)の長さを変えるか又はそのヌクレオチド配列を変えることができる。1つの触媒的に活性なDNA酵素分子内の1以上の突然変異を第2の触媒的に活性なDNA酵素分子内の1以上の突然変異と合わせて双方の分子の突然変異を含む新しいDNA酵素分子を作製することができる。
【0044】
他の好適実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、当業者に周知の種々の方法を用いて導入されたランダム突然変異をもつことができる。例えば、カドウェル&ジョイス(PCR Methods and Applications 2: 28-33(1992))によって記載された方法は、変更して下記の実施例に記載されるように本明細書に開示された使用に特に好ましい。(Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applications 3(Suppl.): S136-S140(1994)も参照されたい。) その修飾PCR法に従って、ランダム点突然変異はクローン化遺伝子に導入される。
上述の方法は、例えば、配列分析で求めた位置あたりの突然変異率0.66%±0.13%(95%信頼間隔)でリボザイムをコード化する遺伝子に突然変異を誘発させるために用いられ、塩基置換の種類に強い優先は認められなかった。
【0045】
これにより、本発明のDNA酵素分子内のいずれの位置でもランダム突然変異の導入が可能である。
特定又はランダム突然変異を導入するのに有効な他の方法は、Joyce & Inoue, Nucleic Acids Research 17: 711-722(1989)に開示されている。その後者の方法は、二本鎖DNAの鋳型(コーディング)鎖の切出し、突然変異原性オリゴヌクレオチドの封入による鋳型鎖の再構築、及び引き続き部分的ミスマッチ鋳型の転写が必要である。これにより、選択された位置に既知の又はランダムヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドが含まれることにより分子内のいずれかの位置に特定又はランダム突然変異の導入が可能である。
本発明のDNA酵素分子は、適切なように種々の長さ及び折りたたみパターンを有し、分子の種類及び機能に左右される。例えば、DNA酵素分子は長さが約15〜約400以上のヌクレオチドとすることができるが、約250を超えるヌクレオチドは大き過ぎるか又は扱いにくくすることにより分子の治療上の有用性を制限することを避けるために好ましくない。種々の好適実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は長さが少なくとも約20ヌクレオチドであり、有用な分子は長さが100ヌクレオチドを超えてもよいが、好ましい分子は長さが通常約100ヌクレオチドを超えない。
【0046】
種々の治療用途においては、本発明のDNA酵素分子は、酵素的に活性な部分のデオキシリボザイムを含む。種々の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、好ましくは約200ヌクレオチドを超えない。他の実施態様においては、本発明のデオキシリボザイムは、約100ヌクレオチドを超えない。別の好適実施態様においては、本発明のデオキシリボザイムは長さが約20〜75ヌクレオチド、更に好ましくは約20〜65ヌクレオチドである。他の好ましいDNA酵素分子は、長さが約10〜50ヌクレオチドである。
他の用途においては、DNA酵素分子は、“ハンマーヘッド”リボザイムと同様の配置をとることができる。かかるDNA酵素分子は、長さが約75〜100ヌクレオチドを超えないことが好ましく、約20〜50ヌクレオチドの長さが特に好ましい。
【0047】
通常、本明細書に開示された有用な分子を合成するものである場合には、核酸酵素分子が大きいほど、合成が困難になる。当業者は、それらの設計拘束を確かに理解するであろう。しかし、かかる大きな分子も本発明の範囲内である。
また、本発明のDNA酵素分子がデオキシリボザイムの酵素的に活性な部分を含むことができ、1以上の突然変異、例えば、1以上の塩基対形成配列を含むか又はスペーサーが存在しないか又は修飾されたデオキシリボザイムを含むことができることも、かかる欠失、付加又は修飾が酵素として分子の性能に大きな逆影響を及ばさない限り理解されるべきである。
【0048】
本発明のDNA酵素分子の認識ドメインは、典型的には、触媒ドメインを隣接する2つのヌクレオチド配列を含み、典型的には、DNA酵素分子に高配列特異性を与える基質核酸内の塩基の相補的配列に対してハイブリッド形成することができる少なくとも約3〜約30塩基、好ましくは約6〜約15塩基の配列を含む。周知の方法による認識部位の修飾又は突然変異は、核酸酵素分子の配列特異性を変えることができる。(例えば、Jolyceら,Nucleic Acids Research 17: 711-712(1989)を参照されたい。)
本発明の核酸酵素分子は、また、認識部位又はドメインの変化したものも含まれる。種々の実施態様においては、これらの変化した認識ドメインは、かかる認識ドメインを含む核酸酵素分子についてユニークな配列特異性を与える。認識ドメインに存在する正確な塩基は、切断が行われる塩基配列を決定する。基質核酸の切断は、認識ドメイン内で起こる。その切断により、基質切断配列の2′、3′又は2′,3′−環状リン酸基及びもとの基質でははじめはすぐに3′の基質切断配列であったヌクレオチドの5′ヒドロキシルが残る。切断は、認識部位に存在する塩基を変えることにより選択部位に特定される(内部ガイド配列)。Murphyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86: 9218-9222(1989)を参照されたい。
【0049】
更に、DNA酵素分子とその基質間の認識及び結合を容易にするためにポリアミンを加えることも有効である。有効なポリアミンの例としては、スペルミジン、プトレッシン又はスペルミンが挙げられる。個々の実施態様においては、約1mMのスペルミジン濃度が有効であるが、約0.1〜約10mMの範囲の濃度が有効である。
他の種々の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、核酸基質、好ましくはRNA基質の切断能が増強又は最適化される。当業者が理解するように、酵素触媒反応の速度は、基質と酵素の濃度によって変動し、通常、高基質又は酵素濃度で一様になる。かかる効果を考慮すると、酵素触媒反応の速度論は、反応を定義する次の条件で記載される。
RNA基質を切断する本発明のDNA酵素分子の増強又は最適化は、DNA酵素分子の存在下に種々の量の標識RNA基質との切断反応で求められる。基質の切断能は、一般的には、ミカエリス定数(KM)で除した触媒速度(kcat)で定義される。記号kcatは、基質が飽和値に近づく場合の酵素反応の最大速度を表す。KMは、反応速度が最大の1/2である基質濃度を表す。
例えば、KMとkcatの値は、本発明においては基質濃度[S]がDNA酵素分子濃度[E]より過剰にある実験で求められる。基質濃度範囲にわたる反応の初速度(V0)は、初期直線相、通常、反応の最初の5%以下から推定される。データの点は、次式で示された理論的直線の最小方格法にあてはまる:v=−KM(V0/[S])+Vmax。 即ち、kcat及びKMは、反応の初速度、V0及び基質濃度[S]で求められる。
【0050】
他の種々の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、核酸基質、好ましくはRNA基質の切断能力が増強又は最適化される。好適実施態様においては、RNA基質を切断するDNA酵素分子の増強又は最適化能力は、非触媒速度より約10〜109倍の改良を示している。更に好適な実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、“前駆体”のものより約103〜107倍改良された速度でRNA基質を切断することができる。更に好適な実施態様においては、RNA基質の切断能力の増強又は最適化は、前駆体のものより104〜106倍の改良として示される。当業者は、DNA酵素分子の核酸基質を切断する能力の増強又は最適化が本発明の試験管内進化手順で加えられた選択拘束によって変動することができることを理解するであろう。
本発明のデオキシリボザイム及び他のDNA酵素分子及びヌクレアーゼを修飾する種々の好ましい方法は、更に、下記の実施例1〜3に記載される。
【0051】
C.ヌクレオチド類縁体
上で述べたように、本明細書に用いられる“ヌクレオチド類縁体”という語は、一般的には、A、T、G、C、又はUと構造上異なるが核酸分子内のそのような“正規の”ヌクレオチドを置換するのに十分に類似したプリン又はピリミジンヌクレオチドを意味する。本明細書に用いられる“ヌクレオチド類縁体”という語は、改変塩基、異種(又は特異)糖、改変リン酸塩骨格又はそれらの改変の組み合わせを包含する。本発明に有用なヌクレオチド類縁体の例は下記の表に示されるものが含まれ、ほとんどが37CFR§1.822の修飾塩基の承認された表に見られる(参考として本明細書に引用する)。
【0052】


【0053】

【0054】
他の有用な類縁体は、公開された国際出願第WO92/20823号(その開示を参考として本明細書に引用する)、又はその中に開示された方法に従って作製された類縁体が含まれる。DeMesmaekerら,Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33: 226-229(1994); DeMesmaekerら,Synlett: 733-736(Oct.1993); Nielsenら, Science 254: 1497-1500(1991); 及びIdziakら, Tetrahedron Letters 34: 5417-5420(1993)に記載された類縁体も本明細書に開示された発明によれば有用であり、前記開示も参考として本明細書に引用する。
【0055】
D.DNA酵素分子の操作方法
本発明は、また、所定の活性をもつ核酸分子の作製方法を企図する。1好適実施態様においては、核酸分子はDNA酵素分子である。他の態様においては、所望の活性は触媒活性である。
1実施態様においては、本発明は、特定の又は所定の反応を触媒するように“操作”されるDNA酵素分子の合成法を企図する。DNA酵素分子の調製方法は、本明細書に記載される。例えば、下記実施例1〜3を参照されたい。他の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、アデノシン三リン酸(ATP)のような小分子又はリガンドを結合するように操作される。(例えば、Sassanfar ら,Nature 364: 550-553(1993)を参照されたい。)
他の実施態様においては、本発明は、DNA酵素分子の集団が突然変異DNA酵素分子(“デオキシリボザイム”又は“DNAzyme”とも言われる)の異種集団を作製する突然変異誘発条件に供されることを企図する。その後、所望の特性を有するDNA酵素分子が該集団から選択及び/又は分離され、引き続いて増幅される。
【0056】
また、突然変異は、DNA酵素分子の認識ドメインの長さを変えることによりDNA酵素分子に導入される。DNA酵素分子の認識ドメインは、基質核酸配列内の塩基の相補的配列と会合する。認識ドメインの長さを変える方法は、当該技術において既知であり、例えば、PCRを含み、有効な手法は下記実施例に記載される。
DNA酵素分子の認識ドメインの長さを変えると、DNA酵素分子の結合特異性に望ましい効果を与えることができる。例えば、認識ドメインの長さが増加すると、DNA酵素分子と基質内のオリゴヌクレオチドの相補的塩基配列間の結合特異性が増大し、ハイブリッド基質内の特定の配列の認識も促進される。更に、認識ドメインの長さが増加すると、基質に結合する親和性も高められる。種々の実施態様においては、DNA酵素分子内のそれらの改変認識ドメインが、DNA酵素分子とその基質間の結合特異性及び親和性の増大を与える。
【0057】
最近、ある種のオリゴヌクレオチドが相補的配列を有するオリゴヌクレオチド以外の分子を認識及び結合することができることがわかった。それらのオリゴヌクレオチドは、よく“アプタマー”という名で示される。例えば、Ellington & Szostak は、種々の有機染料を結合することができるRNA分子を記載し(Nature, 346: 818-822(1990))、Bockらは、ヒトトロンビンを結合するssDNA分子を記載している(Nature 355: 564-566(1992))。同様に、Jellinekらは、塩基性線維芽細胞成長因子に対するRNAリガンドを記載している(PNAS USA 90: 11227-11231(1993))。即ち、本発明の触媒的に活性なDNA酵素が本明細書に記載された方法に従って操作されてアプタマーと典型的に会合した種々の能力を示すことも本明細書に企図される。
従って、当業者は、本発明のDNA酵素分子がPCR及び3SRを含む本明細書に開示された種々の方法で認識ドメインのようなヌクレオチド配列で変えられることも理解しなければならない(自己維持配列の複製--下記実施例1参照)。
【0058】
例えば、追加のヌクレオチドが、プライマーに追加のヌクレオチドを含めることによりDNA酵素分子の5′端に付加される。
本発明のDNA酵素分子は、また、部位特定変異誘発のような方法の使用による非ランダム様式で調製又は操作される。例えば、部位特定変異誘発は、実質的にMorinagaら,Biotechnology 2: 636(1984)に記載されるように行われ、デオキシリボザイムに用いるために本明細書に記載されるように変更される。DNA酵素分子を操作する有効な方法は、下記実施例に記載される。
開示された実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、塩基対合相互作用によって基質と相互作用する2つの基質結合(又は認識)ドメイン又は配列が隣接した保存コアを含む。種々の実施態様においては、該保存コアは、1以上の保存ドメイン又は配列を含む。他の態様においては、DNA酵素分子は、更に、塩基対合に関係した領域(又は配列)間に“スペーサー”領域(又は配列)を含む。別の実施態様においては、該保存コアは、1以上の保存されない可変又は“スペーサー”ヌクレオチドによって種々の間隔で“分断”される。
【0059】
種々の実施態様においては、DNA酵素分子の集団は、少なくとも2種類の異なるデオキシリボザイム分子から調製される。例えば、1態様においては、該分子は異なる配列を有する。他の実施態様においては、デオキシリボザイムは、ヌクレオチド配列の5′末端に相接又は隣接する認識ドメインを特定する核酸配列を有する核酸分子である。他の種々の実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、更に、3′末端から認識ドメインまでの位置にある1以上のスペーサー領域、3′末端から認識ドメインまでの位置にある1以上のループ及び/又はスペーサー領域を含む。他の態様においては、本発明のデオキシリボザイムは、同じ分子の他の領域に対してハイブリッド形成することができる1以上の領域を含むことができる。現在開示されている方法に従って作製されたDNA酵素分子の他の特性は、本明細書の別の所に記載される。
【0060】
他の実施態様においては、突然変異を誘発させる条件は、DNA酵素分子内に特定或いはランダムヌクレオチド置換を導入する条件が含まれる。典型的な突然変異誘発条件の例は、本明細書の他の部分に開示された条件及び Joyceら,Nucl. Acids Res.17: 711-722(1989); Joyce,Gene 82: 83-87(1989); 及び Beaudry & Joyce, Science 257: 635-41(1992)に記載された方法が含まれる。
別の実施態様においては、本発明の突然変異核酸酵素分子の異種集団は、ヌクレオチド配列が厳密に同じでない少なくとも2つの核酸分子を有するものである。他の態様においては、かかる異種集団から所定の活性をもつDNA酵素分子又は他の酵素核酸が所定の活性の性能に基づいて選ばれる。種々の実施態様においては、所定の活性は、触媒活性の増大、KMの低下、基質結合能力の増強、基質特異性の変化等を含むが限定されない。
【0061】
酵素性能の態様を考慮することができる他のパラメーターは、触媒活性又は能力、基質結合能、酵素代謝回転速度、フィードバック機構に対する酵素感受性等が含まれる。ある態様においては、基質特異性は、酵素性能の態様を、特に、各々が他の基質に関して酵素性能に影響する2つ以上の競合基質を酵素が認識及び結合することができる状態で考慮することができる。
本明細書に用いられる基質特異性は、リボヌクレオチドのみ、デオキシリボヌクレオチドのみ又は双方の複合物を含むもののような個々の基質に対する本明細書に記載される核酸酵素分子の特異性を意味するものである。基質分子は、また、ヌクレオチド類縁体を含むことができる。種々の実施態様においては、本発明の核酸酵素分子は、ハイブリッド又は非ハイブリッド基質の特定領域に優先的に結合することができる。
“基質特異性”として本明細書で確認された用語又はパラメーターも配列特異性が含まれる。即ち、本発明の核酸酵素分子は、特定の核酸配列を有する核酸基質を“認識”及びそれに結合することができる。例えば、本発明の核酸酵素分子の基質認識ドメインが1列に一連の1又は2リボヌクレオチド(例えば、rA)を有する基質分子にのみ結合する場合には、核酸酵素分子はかかる配列を欠く核酸基質分子を認識又は結合しない傾向にする。
【0062】
選択工程に関して、種々の実施態様においては、選択は突然変異酵素核酸の異種集団から所定の活性をもつ突然変異酵素核酸を物理的に分離する手段を含む。
たいてい、選択は、サイズ、触媒活性の存在、又は変異核酸を他の核酸、ペプチド、又は溶液中の又は固体マトリックスに結合される他の分子に対してハイブリッド形成することによる分離を含む。
種々の実施態様においては、所定の活性は、所定の活性をもつ突然変異酵素核酸が活性によってある方法で標識されるようなものである。例えば、所定の活性は、DNA酵素分子活性であり、基質上の突然変異酵素核酸の活性が突然変異酵素核酸を共有結合で結合するようにさせる。次に、突然変異酵素核酸は、共有結合によって選択される。
他の実施態様においては、所定の活性をもつ突然変異酵素核酸の選択は、変異酵素核酸の増幅が含まれる(例えば、Joyce,Gene 82: 83-87(1989); Beaudry & Joyce,Science 257: 635-41(1992)参照)。所定の特性又は活性をもつ核酸酵素分子を選択する他の方法は、実施例の項に記載される。
【0063】
E.組成物
本発明は、また、本発明のDNA酵素分子の1以上の種類又は集団を含む組成物を企図する。例えば、異なる種類又は集団は、異なるヌクレオチドハイブリッド形成を認識及び切断することができる。組成物は、更に、リボ核酸含有基質が含まれる。本発明の組成物は、更に、鉛イオン、マグネシウムイオン、又は本明細書に述べられる他の2価又は1価のカチオンを含むことができる。
好ましくは、DNA酵素分子は、約0.05〜約2μM の濃度で存在する。典型的には、DNA酵素分子は、DNA酵素分子の基質に対する濃度比約1:5〜約1:50で存在する。更に好ましくは、DNA酵素分子は、組成物中に約0.1〜約1μM の濃度で存在する。更に好ましくは、組成物は、DNA酵素分子を約0.1〜約0.5μM の濃度で含む。好ましくは、基質は、組成物中に約0.5〜約1000μM の濃度で存在する。
【0064】
当業者は、天然に存在する供給源及び合成供給源を含む核酸含有基質の多くの供給源があることを理解するであろう。適切な基質の供給源としては、HIV−1、HIV−2、HILV−1、及びHILV−2を含む種々のウイルス及びレトロウイルス性物質が含まれるが限定されない。
他の適切な基質としては、ピコルナウイルス、ヘパドナウイルス科(例えば、HBV、HCV)、パピローマウイルス(例えば、HPV)、γヘルペスウイルス科(例えば、EBV)、リンフォクリプトウイルス、白血病ウイルス(例えば、HTLV−1及びII)、フラビウイルス、トガウイルス、ヘルペスウイルス(αヘルペスウイルス及びβヘルペスウイルスを含む)、サイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザウイルス及び免疫不全症及び症候群の原因となるウイルス及びレトロウイルス(例えば、HIV−1及び2)を含むか又は作製されたものを含むウイルス及びレトロウイルス性物質が挙げられるが限定されない。
更に、適切な基質は、サル及びネコ免疫不全症及びウシ白血病ウイルスを限定せずに含む非ヒト霊長類及び他の動物に感染するウイルス及びレトロウイルス性物質が含まれる。
【0065】
前述したように、マグネシウムイオン、鉛イオン、又は他の適切な1価又は2価カチオンも組成物中に約1〜100mMの範囲の濃度で存在させることができる。更に好ましくは、予め選択されたイオンは、組成物中に約2〜約50mMの濃度で存在し、約5mMの濃度が特に好ましい。当業者は、イオン濃度がその原料(例えば、マグネシウム)の水溶液中の溶解度限度及び同じ組成物中に存在するDNA酵素分子を活性コンホメーションに保つ希望でのみ拘束されることを理解するであろう。
本発明は、また、本発明のDNA酵素分子、ハイブリッドデオキシリボヌクレオチド−リボヌクレオチド分子、及び上記濃度のマグネシウム又は鉛イオンを含む組成物を企図する。前述のように、マグネシウムの代わりに他の1価又は2価のイオン(例えば、Ca2+)も用いられる。
【0066】
また、本発明のDNA酵素分子、核酸含有基質(例えば、RNA)、及び約1ミリモルより大きい濃度の予め選択されたイオンを含む組成物であって、前記基質の長さがDNA酵素分子上に存在する認識ドメインより大きい組成物も本発明によって企図される。
1態様においては、組成物は、DNA酵素分子とその基質間の塩基対合が相接しているDNA酵素分子−基質複合体を含む。他の実施態様においては、DNA酵素分子とその基質間の塩基対合は1以上の非相補対で分断される。他の種々の実施態様においては、本発明の組成物は、更に、1価カチオン、2価カチオン又は双方を含むことができる。
他の態様では、本発明のDNA酵素分子は、2価カチオンの存在又は不在下に効率よく機能することができる。1態様においては、2価カチオンが存在し、Pb2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、又はCa2+を含む。また、本発明のDNA酵素分子は、1価カチオンの存在又は不在下に効率よく機能することができる。Pb2+又はMg2+について本明細書に記載されたものと同様の1価又は2価カチオン濃度が本明細書に開示されるように有効であることが予想される。
【0067】
任意により、1価カチオンが2価カチオンの他に又はそれの“代替物”として存在してもよい。例えば、ナトリウム(Na+)又はカリウム(K+)のような1価カチオンが解離イオン或いはNaCl又はKClのような解離可能化合物として存在することができる。
1実施態様においては、組成物内に存在する1価カチオンの濃度は0〜1.0Mの範囲である。他の実施態様においては、1価カチオンは約0〜200mMの範囲にある濃度で存在する。別の実施態様においては、1価カチオンは約1〜100mMの範囲にある濃度で存在する。また、1価カチオンの濃度は約2〜50mMの範囲にある。また別の実施態様においては、濃度は約2〜25mMの範囲にある。
【0068】
F.DNA酵素分子の使用方法
本明細書に開示されるようにDNA酵素分子の使用方法は実に多い。前述のように、隣接核酸を連結する結合(例えば、ホスホエステル結合)を切断することができる分子は、種々の用途を包含する多数の使用がある。例えば、本明細書に開示された能力、構造及び/又は機能を有するDNA酵素分子は、医薬品(例えば、創傷清拭、血餅溶解用等)及び家庭用品(例えば、清浄剤、歯科衛生用品、肉軟化剤)に有効である。本明細書に開示される化合物、組成物及び方法の工業用途も企図され十分に本発明の範囲内である。
【0069】
本発明は、また、一本鎖核酸、ループ核酸、部分的又は完全な二本鎖核酸を切断する有効な方法を記載し、それらの方法の大多数は本発明の新規な酵素的に活性な核酸分子を使用する。種々の実施態様においては、基質の一本鎖核酸セグメント又は部分(又は基質全体)は、DNA、修飾DNA、RNA、修飾RNA、又はその複合物を含む。好ましくは、核酸基質は、基質切断配列で又はその近傍で1本鎖のみであることを必要とするので、本発明の核酸酵素分子は酵素の認識配列によって基質切断配列に対してハイブリッド形成することができる。
本発明の方法によって切断される核酸基質は、化学的に合成されるか又は酵素的に作製され、動物細胞、植物細胞、酵母細胞及び細菌細胞を含むファージ、ウイルス、原核細胞又は真核細胞のような種々の供給源からも単離される。化学的に合成された一本鎖及び二本鎖核酸は、Research Genetics(アラバマ州ハンツビル)を含むが限定しない多くの製造元から市販されている。
【0070】
RNA基質は、また、Applied Biosystems(カリフォルニア州フォスターシティ)オリゴヌクレオチドシンセサイザーを用いて製造業者の説明書に従って合成される。一本鎖ファージも、核酸基質の供給源である。(例えば、Messingら,PNAS USA 74: 3642-3646(1977)及びYanisch-Perronら,Gene 33: 103-119(1985)を参照されたい。)一本鎖ファージを含む細菌細胞も、適切な一本鎖核酸配列のすぐに間に合う供給源である。
本発明の方法によって切断可能な一本鎖RNAは、ピコルナウイルス、トガウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、コロナウイルス、アレナウイルス又はレトロウイルスのようなRNAウイルスのいずれかによって供給される。前述のように、種々の原核細胞及び真核細胞も適切な核酸基質の優れた供給原とすることができる。
【0071】
本発明の方法は、真核細胞、原核細胞、植物細胞、動物細胞、酵母細胞又は細菌細胞を含む細胞内部に存在する一本鎖核酸又はループ又は二本鎖核酸の一本鎖部分に用いられる。それらの条件下に本発明の核酸酵素分子(例えば、DNA酵素分子又はデオキシリボザイム)は、抗ウイルス剤又は遺伝子発現の調節剤として作用することができる。本発明のDNA酵素分子のかかる使用の実施例は、下記に記載される。
本発明の方法の大多数においては、一本鎖核酸の切断が所定の塩基配列の3′末端で生じる。その所定の塩基配列又は基質切断配列は、典型的には、1〜約10ヌクレオチドを含む。他の好適実施態様においては、本発明のDNA酵素分子は、切断部位の上流或いは上流と下流のヌクレオチドを認識することができる。
種々の実施態様においては、DNA酵素分子は、切断部位の上流の約2〜10ヌクレオチドを認識することができる。他の実施態様においては、DNA酵素分子は、切断部位の上流の約2〜10ヌクレオチド及び下流の約2〜10ヌクレオチドを認識することができる。他の好適実施態様は、長さが約30ヌクレオチドまでのヌクレオチド配列を認識することができるDNA酵素分子を企図し、約20ヌクレオチドまでの長さが更に好ましい。
本明細書に開示される方法は、DNA酵素分子の認識ドメインのヌクレオチド配列を変えることにより任意のヌクレオチド配列で切断することができる。これにより、選択された位置の制限エンドヌクレアーゼの不在下に一本鎖核酸の切断が可能である。
【0072】
本発明のDNA酵素分子は、適切な切断部位の部位特異的加水分解によりDNA酵素分子に結合したままである一本鎖核酸基質の任意の部分から分離される。
DNA酵素分子を基質(又は“切断産物”)から分離するとDNA酵素分子が他の切断反応を行うことを可能にする。
一般的には、核酸基質は、適切な核酸切断条件下に--好ましくは生理的条件下に--本発明のDNA酵素分子の有効量で処理される。核酸基質がDNAを含む場合には、切断条件は、2価カチオンの存在が約2〜10mMの濃度で含まれる。
【0073】
DNA酵素分子の有効量は、一本鎖核酸内に存在する所定の塩基配列を切断するのに要する量である。好ましくは、DNA酵素分子は、基質切断部位に対するDNA分子のモル比1〜20で存在する。その比は、使用される個々の核酸切断条件下に個々のDNA酵素分子の処理の長さ及び効率によって変動させることができる。
従って、1好適実施態様においては、処理は、典型的には、RNA含有基質と酵素を水溶液中で混合して切断混合液をつくる工程及びそのようにしてつくった混合液をRNA切断条件下にDNA酵素分子がRNA基質をRNA内に存在する所定のヌクレオチド配列のいずれかで切断するのに十分な時間維持する工程を含む。種々の実施態様においては、イオン源、即ち、1価又は2価カチオン又はその双方も供給される。
本発明の1実施態様においては、DNA酵素分子が一本鎖核酸を切断するのに要する時間量は予め決められた。時間量は約1分〜約24時間であり、反応成分の濃度及び反応の温度によって変動する。通常、その時間は、DNA酵素分子が存在する所定のヌクレオチド反応のいずれかで一本鎖核酸を切断する約10分〜約2時間である。
【0074】
本発明は、更に、核酸切断条件が約2〜100mM濃度の2価カチオンの供給源(例えば、PbOAc)の存在を含むことを企図する。典型的には、核酸切断条件は、約2〜約10mM濃度の2価カチオンを含み、約5mM濃度が特に好ましい。
核酸切断条件に含まれる最適カチオン濃度は、一定のカチオン濃度で切断した一本鎖核酸の量を定量することにより容易に求められる。当業者は、最適濃度が使用される個々のDNA酵素分子によって変動することを理解するであろう。
本発明は、更に、核酸切断条件がpH約6.0〜約9.0を含むことを企図する。他の好適実施態様においては、pHは生理的条件に匹敵する。即ち、pHは約7.0〜7.8であり、pH約7.5が特に好ましい。
当業者は、DNA酵素分子が活性コンホメーションに保たれるような核酸切断に用いられるpHである限り本発明の方法は広いpH範囲にわたって適用することを理解するであろう。活性コンホメーションでのDNA酵素分子は、一本鎖核酸を所定のヌクレオチド配列で切断する能力によって容易に検出される。
【0075】
種々の態様においては、核酸切断条件は、種々の温度範囲も含まれる。前述したように、生理的条件と一致した温度範囲が好ましいが、工業用途と一致した温度範囲も本明細書に企図される。1実施態様においては、温度は約15〜約60℃の範囲にある。他の態様においては、核酸切断条件は、約30〜約56℃の範囲にある温度が含まれる。別の態様においては、核酸切断条件は、約35〜約50℃の温度が含まれる。好適実施態様においては、核酸切断条件は、約37〜約42℃の温度範囲を含む。核酸切断条件と一致した温度範囲は、所望の切断速度及びその個々の温度におけるその個々のDNA酵素分子の安定性によってのみ拘束される。
種々の方法においては、本発明は、ポリアミンの存在を含む核酸切断条件を企図する。本発明を実施するのに有効なポリアミンとしては、スペルミジン、プトレッシン、スペルミン等が挙げられる。1態様においては、ポリアミンは、約0.01〜約10mMの濃度で存在する。他の態様においては、ポリアミンは、約1〜約10mMの濃度で存在する。核酸切断条件は、また、約2〜約5mMの濃度でポリアミンの存在を含むことができる。種々の好適実施態様においては、ポリアミンはスペルミジンである。
【0076】
G.ベクター
本発明は、また、ベクター内に位置した本発明のDNA酵素分子をコード化する核酸セグメントを、好ましくは標的細胞(例えば、植物又は動物細胞)内でそのDNA酵素分子の発現を可能にする方法で含む発現ベクターを特徴とする。
従って、一般的には、本発明のベクターは、好ましくはプラスミド、コスミド、ファージミド、ウイルス又はファージベクターが含まれる。好ましくは、適切なベクターは、一本細胞DNA(ssDNA)--例えば、環状ファージミドssDNAを含む。また、本発明の有効なベクターが環状である必要がないことも理解されなければならない。
1態様においては、追加のDNA酵素分子コード化配列の各々を隣接するヌクレオチド配列が供給されることが好ましく、それらの配列は最初のDNA酵素分子によって認識される。介在配列又は隣接配列の長さは、好ましくは少なくとも1ヌクレオチドを含み、更に好ましくは約2〜20ヌクレオチドであり、長さが約5〜10ヌクレオチドの配列が特に好ましい。
【0077】
ポリヌクレオチド尾部の付加も、本発明のDNA酵素分子の3′端を保護するために有効となる。それらは、酵素末端トランスフェラーゼを用いて高分子配列を結合することにより供給される。
本発明のベクターは、2種以上のDNA酵素分子を含む。1実施態様においては、第1DNA酵素分子は分子内切断活性をもちかつヌクレオチド配列を認識及び切断して他のDNA酵素配列を遊離することができる。即ち、他のDNA酵素分子をベクターから“遊離”するために機能することができる。例えば、ベクターは、第1DNA酵素分子が発現される場合にその第1分子が第2DNA酵素分子、第3DNA酵素分子等をコード化する追加のヌクレオチド配列を隣接するヌクレオチド配列を切断することができるように構築されることが好ましい。前記第1DNA酵素分子(即ち、“遊離している”分子)がオリゴヌクレオチド配列を分子内で切断することができると仮定すると、追加の(例えば、第2、第3等)DNA酵素分子(即ち、“遊離した”分子)は“遊離している”分子と同じ特性をもつ必要がない。例えば、1実施態様においては、“遊離した”(即ち、第2、第3等)DNA酵素分子は特定のRNA配列を切断することができるが、第1(“遊離している”)DNA酵素分子は“遊離した”分子を遊離させることができるヌクレアーゼ活性をもつ。他の実施態様においては、“遊離した”DNA酵素分子は、アミド結合切断活性をもつが、第1(“遊離している”)DNA酵素分子はヌクレアーゼ活性をもつ。
【0078】
また、第1DNA酵素分子は、第2(及び第3、第4等)DNA酵素分子からの別個のベクターにコード化することができ、分子内活性をもつことができる。
本明細書に述べられるように、第1DNA酵素分子は、自己切断DNA酵素分子(例えば、デオキシリボザイム)とすることができ、第2DNA酵素分子は、所望の種類のDNA酵素分子とすることができる。ベクターがそれらの核酸配列からDNAを発現させる場合、そのDNAは、隣接領域の各々を切断するのに適切な条件で能力があり、第2DNA酵素分子の1コピー以上を遊離する。所望される場合には、数種の異なる第2DNA酵素分子を異なるデオキシリボザイムを生じるように同じ細胞又はキャリヤーに入れることができる。また、1種以上のベクターが1種以上のリボザイム又はデオキシリボザイムを“遊離している”及び“遊離した”核酸酵素分子の組合わせで、かかる組合わせが所望の結果、即ち、所定の核酸配列を切断することができる核酸酵素分子の遊離を得る限り含むことができる。
【0079】
本発明のDNA酵素分子の単離及び精製方法も企図される。本明細書に記載される方法のほかに、種々の精製法(例えば、HPLCを用いる方法)及びクロマトグラフィー単離法が当該技術において有効である。例えば、公開された国際出願第WO93/23569号に記載された方法を参照されたい。その出願の開示を参考として本明細書に引用する。
また、本明細書に記載された実施態様の種々の組合わせが本発明の範囲内に含まれることも理解されなければならない。本発明の他の特徴及び利点は、上記の説明、下記の実施例及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【0080】
実施例
下記の実施例は、本発明を具体的に説明するものであり、限定するものではない。
実施例1
DNA酵素分子の試験管内進化:
総説
試験管内選択及び試験管内進化手法は、新しい触媒をその組成又は構造の前知識なしに単離することができる。かかる方法は、新規な触媒特性をもつRNA酵素を得るために用いられた。例えば、鉛カチオンで自己分解的切断を行うリボザイムは、tRNAphe分子のランダム化プールから誘導された(Pan & Uhlenbeck, Biochemistry 31: 3887-3895(1992))。DNAを切断することができ(Beaudry & Joyce, Science 257: 635-641(1992))、金属依存性が変わった(Lehman & Joyce,Nature 361: 182-185(1993))グループIリボザイム変異体が単離された。ランダムRNA配列のプールから開始すると、ポリメラーゼ様配列を触媒する分子が得られた(Bartel & Szostak,Science 261: 1411-1418(1993))。本実施例においては、試験管内進化手順で選択拘束の変化により進化した酵素の特定の触媒特性の精製が記載される。
【0081】
ダーウィン的進化には、次の3種類の工程の反復操作が必要である。(a)遺伝的変異の導入;(b)適合度基準に基づく個体の選択;及び(c)選択した個体の増幅。これらの工程の各々は、試験管内で実現される(Joyce,Gene 82: 83(1989))。遺伝子は、化学的修飾、突然変異原性ランダム化オリゴデオキシヌクレオチド、又はポリメラーゼによる不正確なコピーによって突然変異が誘発される。(例えば、Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applications 2: 28-33(1992); Cadwell & Joyce, PCR Methods and Applications 3(Suppl.): S136-S140(1994); Chuら, Virology 98: 168(1979); Shortle ら,Meth.Enzymol.100:457(1983); Myersら,Science 229: 242(1985); Matteucci ら, Nucleic Acids Res. 11: 3113(1983); Wellsら,Gene 34: 315(1985); McNeilら, Mol. Cell. Biol. 5: 3545(1985); Hutchisonら,PNAS USA 83: 710(1986); Derbyshireら,Gene 46: 145(1986); Zakourら, Nature 295: 708(1982); Lehtovaara ら,Protein Eng.2: 63(1988); Leung ら,Technique 1: 11(1989); Zhou ら,Nucl. Acids Res.19: 6052(1991)を参照されたい。)
【0082】
遺伝子産物は、例えば、リガンドの結合能力又は化学反応の実施能力によって選択される。(例えば、Joyce,同書(1989); Robertson & Joyce,Nature 344: 467(1990); Tuerkら,Science 249: 505(1990)を参照されたい。)選択された遺伝子産物に対応する遺伝子は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような相互プライマー法によって増幅される。(例えば、Saikiら,Science 230: 1350-54(1985); Saiki ら,Science 239: 487-491(1988)を参照されたい。)
また、核酸増幅は、自己維持配列複製(3SR)を用いて行われる。(例えば、Guatelliら,PNAS USA 87: 1874(1990)を参照されたい。その文献の開示を参考として本明細書に引用する。)3SR法によれば、標的核酸配列は、レトロウイルス複製に必須な3種類の酵素活性:(1)逆転写酵素、(2)RNaseH、及び(3)DNA依存性RNAポリメラーゼを用いることにより等温条件下に試験管内で指数的に増幅(複製)される。cDNA中間体によるRNA複製のレトロウイルス戦略をまねることにより、その反応はもとの標的のcDNA及びRNAコピーを蓄積する。
【0083】
要するに、DNA酵素分子の集団の進化を企図している場合には、連続系の逆転写及び転写反応がcDNA中間体によってRNA標的配列を複製する。その設計の重要な要素は、(a)オリゴヌクレオチドプライマーが共に標的を指定しかつT7RNAポリメラーゼ結合部位をコード化する5′拡張を含むので、得られたcDNAは応答能のある転写鋳型である;(b)RNaseHによる中間体RNA−DNAハイブリッド内の鋳型RNAの分解のためにcDNA合成が両鎖の完結まで進行することができる;及び(c)反応産物(cDNA及びRNA)が次の工程の鋳型として機能することができ、指数的複製が可能であることである。
DNA酵素分子を進化している場合には、その設計の種々の重要な要素は、それらの実施例に開示されるようにいくらか異なる。例えば、(1)オリゴヌクレオチドプライマーは、標的を指定し、好ましくはある方法--例えば、ビオチニル化--で“マーク”又は標識されるので、得られた応答能のある鋳型鎖は容易に同定され;(2)使用される試験管内選択手順は、最も有利な遊離機構の確認によることが好ましい。
試験管内ダーウィン的進化実現に対する主な障害は、突然変異及び増幅を組込む要求であり、共に遺伝子型に関係し、選択は表現型に関係する。遺伝子型及び表現型が同一分子で具体化される核酸酵素の場合には、仕事は単純化される。
【0084】
A.DNA酵素分子の設計
一本鎖DNAが興味深い3次構造をとることができることは周知である。“tDNA”の構造は、例えば、対応するtRNAに極めて似ている。(Paquetteら,Eur. J. Biochem. 189: 259-265(1990)を参照されたい。) 更に、ハンマーリボザイム内の31〜35リボヌクレオチド程度を少なくともいくらか触媒活性を保持しつつ置き換えることが可能である。(Perreaultら, Nature 344: 565-567(1990); Williams ら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 918-921(1992); Yangら, Biochemistry 31: 5005-5009(1992)を参照されたい。)
試験管内選択法は、ランダム配列DNAの大集団に適用されており、高親和性で標的リガンドを結合する特異的DNA“アプタマー”の回収をもたらした(Bock ら,Nature 355: 564-566(1992); Ellington & Szostak,Nature 355: 850-852(1992); Wyatt & Ecker,PNAS USA 91: 1356-1360(1994))。最近、2つのグループがアプタマー、G四分子構造を形成しかつ高親和性でタンパク質トロンビンを結合する15量体DNAのNMR一次構造決定を行った(Wangら,Biochemistry 32: 1899-1904(1993); Macayaら,PNAS USA 90: 3745-3749(1993))。これらの知見は、X線結晶学的分析によって確証された(Padmanabhanら,J.Biol. Chem. 268: 17651-17654(1993))。
【0085】
高い親和性と特異性で基質分子に結合する能力は、良好な酵素の必要条件である。更に、酵素は、個々の化学的形質転換を促進するためにそれ自体或いは補助因子内のよい位置にある官能基を利用しなければならない。更に、該酵素は、反応の過程で一定のままでありかつ触媒代謝回転により操作することができなければならない。特定の順序が触媒活性に関与するサブユニットを含む情報高分子であることを要求に加えるものがある。それらの基準は、意味論及び化学的根拠双方を討論中であり、簡単な溶媒効果から基質拡散限度で操作する生物学的酵素までの範囲にある化学速度増強現象を区別するのに役立つ(Albery & Knowles,Biochemistry 15: 5631-5640(1976))。
下記に詳細に記載されるように、我々は、ランダム配列から出発するDNA触媒及びDNA酵素を迅速に得る一般法を開発することを探究した。最初の標的として、我々は、DNAの能力の範囲内で良好であると感じた反応:2価金属補助因子によって援助されたRNAホスホジエステルの加水分解切断を選んだ。これは、ハンマーヘッド及びヘアピンモチーフを含む種々の天然に存在するRNA酵素によって行われる同様の反応である。(例えば、Foster A.C. & Symons R.H., Cell 49: 211-220(1987); Uhlenbeck,Nature 328: 596-600(1987); Hampel & Tritz,Biochemistry 28: 4929-4933(1989)を参照されたい。)
【0086】
tRNA分子のランダム化ライブラリーから始めて、中性pHでPb2+依存性部位特異的RNAホスホエステラーゼ活性をもつリボザイムを得ることができることがわかった(Pan & Uhlenbeck,Biochemistry 31: 3887-3895(1992); Pan & Uhlenbeck,Nature 358: 560-563(1992))。これは、酵母tRNAPheの偶然の自己切断反応に類似しており(Dirheimer & Werner,Biochimie 54: 127-144(1972))、tRNA内の特定部位でのPb2+イオンの特異的配位に左右される。(Rubin & Sundaralingam, J. Biomol. Struct. Dyn. 1: 639-646(1983); Brownら,Biochemistry 24: 4785-4801(1985)を参照されたい。)
本明細書に開示されるように、我々の目標は、始めはDNAの5′端に結合した短いリーダー反応内に存在し、最後は急速な触媒代謝回転で分子内様式で切断される別個の分子内に位置する特定のRNAホスホエステルのPb2+イオン依存性切断を行うことができるDNAの開発が含まれた。これらの目標は、下記のように巧く達成された。
【0087】
DNAが標的ホスホエステル及び周囲のヌクレオチドとどのように相互作用するかについては想定されなかった。約1014ランダム50量体配列のプールから始めて、試験管内選択はその過程を行うことを可能にした。5ラウンドの選択が4日間かけて行われた後、集団は全体として1mMPb2+の存在下に約0.2 min-1の速度で標的ホスホエステルを切断する能力を得た。これは、同様の反応条件下の自然切断速度と比べて約105倍増加した。
個体を集団から単離し、配列を決定し、触媒活性を分析した。その情報に基づいて、反応を分子間形式に変え、38量体DNA酵素による19量体基質の部位特異的切断を1mMPbOAcの存在下に代謝回転速度1 min-1、23℃及びpH7.0で進行する反応で可能になるように単純化した。
【0088】
B.試験管内選択スキーム
約1014一本鎖DNA分子の出発プールに続いて、全てが5′ビオチン部分を含む、単一リボヌクレオチドを含む固定ドメイン、50ランダムデオキシリボヌクレオチドを含む潜在的触媒ドメイン、及び3′末端にある第2固定ドメインを順次作成した(図1)。
プライマー結合部位が隣接した50ランダムヌクレオチドを含む合成DNAから開始する繰込みPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術によってプールを構築した。繰込みPCRプライマーは、3′末端アデノシンリボヌクレオチドを含む5′ビオチニル化合成オリゴデオキシヌクレオチドとした。リボヌクレオチド末端オリゴヌクレオチドは、PCRの組合わせにおいては鋳型特定伸長を効率よく開始し(L.E.Orgel、個人的論文)、この場合にははめ込み単一リボヌクレオチドを含む拡張産物を生じた。
図1は、標的RNAホスホエステルを切断するDNA単離の選択的増幅スキームを示す図である。50ランダムヌクレオチドの伸長物を含む二本鎖DNAを、3′端のアデノシンリボヌクレオチド(記号“N”又は“rN”で示され、N及びrNは共にアデノシンリボヌクレオチドを表す)で終わる5′ビオチニル化DNAプライマー(例えば、プライマー3--3a又は3b)を用いるPCRで増幅される。このプライマーをTaqポリメラーゼで伸長してはめ込み単一リボヌクレオチドを含むDNA産物を得る。得られた二本鎖DNAをストレプトアビジンマトリックスに固定化し、0.2NaOHで洗浄して非ビオチニル化DNA鎖が除去される。カラムを緩衝化溶液で再び平衡化した後、カラムを1mMPbOAcを加えた同じ溶液で洗浄する。Pb2+依存性自己切断を行うDNAをカラムから遊離し、溶離液に集め、PCRで増幅する。次に、PCR産物を用いて次のラウンドの選択的増幅を開始する。
【0089】
PCR産物をストレプトアビジン親和性マトリックスを通過し、二重らせんDNAの5′ビオチニル化鎖の非共有結合付着物を得た。非ビオチニル化鎖を0.2NNaOHで簡単に洗浄して除去し、結合鎖を0.5M NaCl、0.5M KCl、50mMMgCl2、及び50mMHEPES(pH7.0)、23℃を含むバッファーで平衡化した。次に、同じバッファーに1mMPbOAcを加え、Pb2+依存性切断を標的ホスホエステルで生じることを可能にし、ストレプトアビジンマトリックスからDNAサブセットを遊離した。主に、個々のDNAは、ビオチンとストレプトアビジン間の相互作用の破壊又はデオキシリボヌクレオチド結合の1つの切断のような種々の手段によってそれ自体の遊離を促進することができた。リボヌクレオチド3′−O−P結合の切断がおそらくその結合の相対的不安定性に基づく遊離機構であると共にPb2+依存性加水分解切断が遊離を最も速く起こすことを可能にすると思われた。しかしながら、主に、試験管内選択的手順は、最も好ましい遊離機構及びその機構を行うことができる最良の個体を確認しなければならない。
Pb2+添加時にマトリックスから遊離したDNA分子を溶離液に集め、エタノールで沈殿して濃縮し、繰込みPCR増幅に供した。出発分子プールの構築でのように、最初のPCR増幅はランダム領域を隣接するプライマー(プライマー1及び2)を使用し、次に3′末端リボアデニル化をもつ5′ビオチニル化プライマー(プライマー3b)を使用して標的RNAホスホエステルを再び導入した。
選択的増幅手順全体には3〜4時間が必要である。
【0090】
その手順の各ラウンドでは3つの方法で分子を精製する。第1に、PCR増幅後にはフェノールで2回及びクロロホルム/イソアミルアルコールで1回抽出し、エタノールで沈殿する;第2に、DNAをストレプトアビジンに付着した後に強い変性条件下に非ビオチニル化分子全てを洗い流す;第3に、Pb2+で溶離した後にはエタノールで沈殿する。ゲル電気泳動精製工程がないので、分子を特定の長さに拘束する選択的強制がない。
【0091】
C.触媒DNAの選択
我々は、5連続ラウンドの試験管内選択を行い、Pb2+の添加後の反応時間を次第に減らして選択の緊縮性を次第に増した。1〜3ラウンドでの反応時間は1時間とし、4ラウンドでの反応時間は20分とし、5ラウンドでは1分とした。
一本鎖DNAの出発プールを各ラウンドの選択後に得られた分子の集団と共に試験管内選択で使用したものと同じ条件下に自己切断活性を分析した(図2参照)。
【0092】
その分析については、5′ビオチン部分ではなくて5′−32Pを含む分子を調製し、出発材料と5′切断産物の双方の検出を可能にした。5分インキュベートした後に、最初のプール(G0)に検出可能な活性がなく、集団では第1及び第2ラウンドの選択後に得られた。第3ラウンド(G3)後に得られたDNAは、適度なレベルの活性を示し、その活性は着実に増え、第5ラウンドの選択(G5)後に得られたDNAについては約50%自己切断に達した。長時間のインキュベーション後でさえ、標的ホスホエステルでのみ切断が検出された。その活性は、Pb2+を反応混合液から取り除いた場合に消失した。
図2は、出発DNAプール(G0)及び第1〜第5ラウンドの選択(G1〜G5)後に得られた集団の自己切断活性を示す図である。反応混合液は、50mM MgCl2、0.5M NaCl、0.5M KCl、50mMHEPES(pH7.0、23℃)、及び3nM[5′−32P]標識DNAを含有し、1mMPbOAcの存在或いは不在下に23℃で5分間インキュベートした。記号Preは108ヌクレオチド前駆体DNA(配列番号4);Clvは28ヌクレオチド5′切断産物(配列番号5);Mは長さが5′切断産物に相当するプライマー3a(配列番号6)を表す。
28ヌクレオチド5′切断産物(Clv)は、好ましくは配列
5′-GGGACGAATTCTAATACGACTCACTATN- 3′を有し、“N”は3′端に2′、3′−環状リン酸を付加したアデノシンリボヌクレオチドを表す(配列番号5)。他の実施態様においては、“N”は分子の3′端に2′又は3′リン酸を付加したアデノシンリボヌクレオチドを表す。
【0093】
図2においては、“G0”レーン“Pre”バンドは、各々が50ランダムヌクレオチドを含む108ヌクレオチド前駆体DNAの試料を含む。従って、ある“Pre”試料は、種々の前駆体DNAを含み、各試料は、前後の試料と異なると思われる。“G1”〜“G5”レーンは、“Pre”バンドを有し、DNA触媒分子が著しく豊富であるが、まだ多数の異種DNA配列を有する(即ち、50ヌクレオチドランダム化ドメインが異なる)。“G5Pre”DNAからのそれらの異種配列の試料を図3に示す。
G5集団から個体を単離するためにショットガンクローニング技術を用い、次に、20のこれらのサブクローンの完全ヌクレオチド配列を求めた(図3参照)。(例えば、Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applications 2: 28-33(1992); Cadwell & Joyce, PCR Methods and Applications 3(Suppl.): S136-S140(1994)も参照されたい。)20配列のうち、5つはユニークであり、2つは2回あり、1つは3回あり、1つは8回あった。個々の変異体は、全て出発DNAプールにおいてランダム化された50ヌクレオチド領域内に共通配列要素を共有する。全て2つの推定鋳型領域を有し、一方は切断部位からすぐ上流にあるヌクレオチドの伸長物に相補性であり、他方は少なくとも4ヌクレオチド下流にあるヌクレオチドの伸長物に相補性である。それらの2つの推定鋳型領域間に1〜11ヌクレオチドの可変ドメインがあり、続いて固定配列 5′-AGCG -3′、次に、3〜8ヌクレオチドの第2可変ドメイン、最後に固定配列 5′-CG -3′又は 5′-CGA-3′がある。2つの推定鋳型領域の外部にあるヌクレオチドは、配列及び長さ共にかなり変化しうる。全ての配列決定したサブクローンにおいては、最初にランダム化した50ヌクレオチドに相当する領域は長さが全体の50ヌクレオチドのままである。
【0094】
図3は、5ラウンドの選択後の集団から単離した個々の変異体の配列アラインメントを示す図である。固定基質ドメイン
(5′- GGGACGAATTCTAATACGACTCACTATrAGGAAGAGATGGCGAC- 3′
又は5′-GGGACGAATTCTAATACGACTCACTATNGGAAGAGATGGCGAC-3′、
Nはアデノシンリボヌクレオチドを表す)(配列番号13)を上方に示し、標的リボアデニル化は逆三角で確認される。推定塩基対合相互作用に共通して関係する基質ヌクレオチドを縦の棒で示す。最初にランダム化された50ヌクレオチドに対応する配列を基質ドメインに逆平行に並べる。変異体は、全て固定配列5′-CGGTAAGCTTGGCAC-3′(配列番号1)(“プライマー部位”;図示されていない)の3′で終わる。基質ドメインと塩基対をつくるものと推定される最初にランダム化された領域内のヌクレオチドを図の左右側に示す。DNA酵素分子の推定塩基対形成(又は基質結合)領域は、示された各配列において個々にボックスに仕切られる。推定触媒ドメイン内の高度に保存されたヌクレオチドを2つのボックスに仕切られた縦列に示す。
【0095】
追加データは触媒ドメインの意味のある二次構造モデルを構築するのに有効であると予想されるが、ハンマーヘッド及びヘアピンリボザイムと同様に、DNA酵素分子の触媒ドメインが塩基対合相互作用によって基質と相互作用する2つの基質結合領域(又は認識ドメイン)が隣接した保存コアを含むと考えられることを我々は指摘する。ハンマーヘッド及びヘアピンリボザイムと同様に、触媒DNAも塩基対合に関係する2つの領域間に不対基質ヌクレオチドの短い伸長物--この場合には 5′-GGA-3′が必要であると考えられる。
また、9個の異なる変異体の各々が基質ドメインと推定相補性の異なるパターンを示すことがわかったことも興味深いことである。ある場合には、塩基対合は相接していたが、他のものでは1以上の非相補的対で分断された。一般的傾向は、下流にあるものと比べて切断部位から上流にあるヌクレオチドとしっかりした相互作用を形成することになると考えられる。結合実験及び部位特定突然変異誘発分析により、我々は更に洞察しかつこの推測を更に実証することを可能にしなければならない。
【0096】
触媒機能に要求される配列を更に洞察するために、9種の変異体のうち6種の自己切断活性を本明細書に記載される選択条件下に試験及び評価した(図3参照)。驚くことではないが、20のうちの8サブクローンに存在した配列は、一次速度定数1.4 min-1で最も反応性であることがわかった。実験した変異体は、全て自己切断分析に活性であり、全て標的RNAホスホエステルでの切断に対応する単一5′標識産物を生じた。
優性サブクローンを、更に、種々の反応条件下に分析した。その自己切断活性は、Pb2+に依存性であるが、反応混合液からMg2+を取り除いた場合には影響されなかった。1価のカチオンが同様に要求され、Na+或いはK+で適合される。反応速度は、0〜1.0M の範囲にわたる1価カチオンの濃度が増大すると共に直線的に増加した(r=0.998)。pH、温度、及び他の2価金属の存在のような反応に影響することがある他の変数は評価中である。
【0097】
実施例2
材料及び方法
A.オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類縁体 合成DNA及びDNA類縁体を Operon Technologiesから購入した。19ヌクレオチド基質、
5′-pTCACTATrAGGAAGAGATGG-3′(又は 5′-pTCACTATNGGAAGAGATGG- 3′、
“N”はアデノシンリボヌクレオチドを表す)(配列番号7)を、鋳型 5′-CCATCTCTTCCTATAGTGAGTCCGGCTGCA- 3′(配列番号9)
を用いて以前に記載されたように(Breaker,Banerji,& Joyce,Biochemistry 33: 11980-11986(1994))5′-pTCACTATrA- 3′(又は 5′-pTCACTATN-3′、“N”はアデノシンリボヌクレオチドを表す)(配列番号8)の逆転写酵素触媒拡張によって調製した。プライマー3、
【0098】
5′-GGGACGAATTCTAATACGACTCACTATrA-3′
(又は5′-GGGACGAATTCTAATACGACTCACTATN- 3′、
“N”はアデノシンリボヌクレオチドを表す)(配列番号6)を[Y−32P]ATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(プライマー3a)で5′標識するか或いは[Y−S]ATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼで5′チオリン酸化し、引き続きN−ヨードアセチル−N′−ビオチニルヘキシレンジアミン(プライマー3b)でビオチニル化した。
【0099】
B.DNAプール標品
出発DNAプールを合成オリゴマー
5′- GTGCCAAGCTTACCG-N50-GTCGCCATCTCTTCC-3′(配列番号4)(NはG、A、T及びCの等モル混合物である)を用いてPCRで調製した。500ピコモルのランダム化オリゴマー、1,000ピコモルのプライマー1(5′-GTGCCAAGCTTACCG-3′、配列番号10)、500ピコモルのプライマー2
(5′- CTGCAGAATTCTAATACGACTCACTATAGGAAGAGATGGCGAC-3′、配列番号11)、500ピコモルのプライマー3b、10μCi[α−32P]dATP、及び0.2Uμl-1TaqDNAポリメラーゼを含有する2mlのPCRを50mMKCl、1.5mMMgCl2、10mMトリス−HCl(pH8.3、23℃)、0.01%ゼラチン、及び0.2mMの各dNTPの存在下に92℃で1分間、50℃で1分間、及び72℃で2分間、次に5サイクルの92℃で1分間、50℃で1分間、及び72℃で1分間インキュベートした。得られた混合液をフェノールで2回及びクロロホルム/イソアミルアルコールで1回抽出し、そのDNAをエタノールで沈殿することにより単離した。
【0100】
C.試験管内選択
出発DNAプールを500μl のバッファーA(1M NaCl及び50mMHEPES(pH7.0、23℃)に再懸濁し、ストレプトアビジンカラム(AffiniTipStrep 20,Genosys,テキサス州ウッドランド)を繰り返し通過させた。カラムを、100μl 量のバッファーAで5回、次に、100μl 量の0.2N NaOHで5回洗浄し、100μl 量のバッファーB(0.5M NaCl、0.5M KCl、50mMMgCl2、及び50mMHEPES(pH7.0、23℃))で5回平衡化した。固定化一本鎖DNAを1mMPbOAcを添加した20μl 量のバッファーBで3回1時間かけて溶離した。固定化及び溶離全工程を23℃で行った。溶離液を同量のバッファーC(50mMHEPES(pH7.0、23℃)及び80mMEDTA)に集め、そのDNAをエタノールで沈殿した。
【0101】
得られたDNAを、20ピコモルのプライマー1、20ピコモルのプライマー2、0.05U μl-1TaqDNAポリメラーゼ、50mMKCl、1.5mMMgCl2、10mMトリス−HCl(pH8.3、23℃)、0.01%ゼラチン、及び0.2mMの各dNTPを含有する100μl PCRに30サイクルの92℃で10秒間、50℃で30秒間、及び72℃で30秒間増幅した。反応産物をフェノールで2回及びクロロホルム/イソアミルアルコールで1回抽出し、そのDNAをエタノールで沈殿することにより回収した。約4ピコモルの増幅DNAを、100ピコモルのプライマー1、100ピコモルのプライマー3b、20μCi[α−32P]dATP、及び0.1U μl-1TaqDNAポリメラーゼを含有する第2繰込みPCRに全量200μl で加え、10サイクルの92℃で1分間、50℃で1分間、及び72℃で1分間増幅した。PCR産物を1回以上抽出し、沈殿し、得られたDNAを50μl のバッファーAに再懸濁し、これを用いて次のラウンドの選択を開始した。
【0102】
第3ラウンドの終わりの繰込みPCRを100μl 量で行った以外は上記のように第2及び第3ラウンドを行った。第4ラウンドで、Pb2+の添加後の溶離時間を20分に短縮し(20μl の溶離量で2回)、回収DNAの1/2だけを15温度サイクルのみ含む最初のPCRに用いた。第15ラウンドで、溶離時間を1分に短縮し(20μl 溶離量で2回)、回収したDNAの1/4だけを15温度サイクルを含む最初のPCRに用いた。第15ラウンドの選択後に得られたDNAを以前に記載されたようにサブクローン化及び配列決定した(Tsang & Joyce ,Biochemistry 33: 5966-5973(1994))。
【0103】
D.触媒DNAの速度論的分析
DNA集団及び種々のサブクローン化個体を10ピコモルのプライマー3a、0.5ピコモルの導入DNA、及び0.1U μl-1TaqDNAポリメラーゼを含有する25μl の反応混合液中非対称的PCRによる5′−32P標識を用いて上記の条件下に10サイクルの92℃で1分間、50℃で1分間、及び72℃で1分間調製した。得られた[5′−32P]標識増幅産物を10%ポリアクリルアミド/8M ゲル中の電気泳動で精製した。
そのDNAをバッファーB中で10分間プレインキュベートした後、自己切断分析を行った。PbOAcを1mMの最終濃度まで添加することにより反応を開始し、同量のバッファーCを添加することにより終結させた。反応産物を10%ポリアクリルアミド/8M ゲル中の電気泳動で分離した。重複代謝回転条件下に速度論的分析を、容器壁への材料の付着を防止するために50μg ml-1BSAを含むバッファーB中で行った。基質及び酵素分子を、Pb2+を欠く反応バッファー中で5分間別個にプレインキュベートし、合わせ、PbOAcを1mMの最終濃度まで添加することにより反応を開始した。
【0104】
実施例3
分子間で切断するデオキシリボザイムの進化
A.分子間形式への変換
実験した変異体の触媒ドメインと基質ドメイン間の推定塩基対合相互作用の可変パターンに基づき、DNA触媒反応を分子間形式に変換することはかなり端的であると考えられた。そのようにするにあたり、我々は、各々が基質と7〜8塩基対の分断されない伸長物を形成するように触媒の2つの基質結合領域を単純化したいと考えた。更に、我々は、2つの塩基対合領域に限定された最小基質及び介在配列 5′-GGA-3′を得たいと考えた(図4A)。
図4A及び図4Bは、触媒代謝回転で進行する分子間反応におけるRNAホスホエステルのDNA触媒切断を示す図である。図4Aは、19量体基質と38量体DNA酵素間に形成された複合体の図式である。基質は、デオキシリボヌクレオチドが隣接した単一アデノシンリボヌクレオチド(矢印に隣接した“rA”又は“N”)を有する。合成DNA酵素は、図3に示された最もよく出てくる変異体の38ヌクレオチド部分である。推定触媒ドメイン内に位置した高度に保存されたヌクレオチドは、“ボックス”に仕切られている。示されるように、1つの保存配列は“AGCG”であり、もう1つは“CG”である(5′−3′方向で読み取る)。
【0105】
図4http://www6.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjitemdrw.ipdl?N0000=231&N0500=1E_N/;>?:>?>9:///&N0001=246&N0552=9&N0553=000059Bは、試験管内選択で用いられたものと同じ条件下に[5′−32P]標識基質のDNA触媒切断についてKm(負の勾配)及びVmax(y切片)を求めるために用いたイーディー・ホステープロットを示すグラフである。初期切断速度は、5nMDNA酵素及び0.125、0.5、1、2、或いは4μM 基質を含む反応について求めた。
触媒ドメインを設計するにあたり、我々は、最も反応性のある変異体の組成物を強くあてにし、5′端の2ヌクレオチド及び3′端の11ヌクレオチドだけ端を切り取った。2つの鋳型領域間にある15ヌクレオチドは不変のままにし、単一ヌクレオチドを3′鋳型領域に挿入して基質と塩基対を形成することができるヌクレオチドの連続伸長物をつくった。基質は、配列5′−TCACTATrA・GGAAGAGATGG−3′(又は5′−TCACTATN・GGAAGAGATGG−3′、“N”はアデノシンリボヌクレオチドを表す)(配列番号12)に単純化され、ここで、下線のヌクレオチドはDNA触媒分子との塩基対合に関係する2つの領域に対応する。
【0106】
デオキシヌクレオチドを全部含む38量体DNA触媒分子(触媒)及び別の全DNA配列内にはめ込まれた単一リボヌクレオチドを有する19量体基質を用いる単純化反応系は、代謝回転の速い効率のよいDNA触媒ホスホエステル切断を可能にする。0.01μM 触媒及び1μM 基質の存在下の90分インキュベーションを用いて、触媒の46代謝回転に相当する基質の46%が切断される。この反応の予備的速度論的分析を行い、重複代謝回転条件下に評価した。DNA触媒は、ミカエリス・メンテン速度論を示し、kcat及びKm値は各々1 min-1及び2μM である(図4B参照)。Km値は、ワトソン・クリック相互作用に基づき触媒と基質間の予想された解離定数よりかなり大きい。基質を同じ反応条件下に(触媒を存在させないで)インキュベートし、kuncat値4×10-6 min-1が得られた。これは、pH7.0及び37℃において0.5mMPb2+の存在下の不安定な1−ニトロフェニル−1,2−プロパンジオールの加水分解の文献値5×10-3 min-1と一致している(Breslow & Huang,PNAS USA 88: 4080-4083(1991))。
【0107】
ここで、ホスホエステル切断反応が隣接リン酸についてリボヌクレオチド2′ヒドロキシルによる攻撃を含み、末端2′(3′)−環状リン酸を有する5′産物及び末端5′ヒドキシルを有する3′産物を生じる加水分解機構によって進行することが推測される。この機構の支持として、3′切断産物がT4ポリヌクレオチドキナーゼ及び[Y-32P]ATPで効率よくリン酸化され、遊離の5′ヒドロキシルの利用可能性と一致する(データは示されていない)。
【0108】
B.検討
5ラウンドの試験管内選択後、標的RNAホスホエステルの効率のよいPb2+依存性切断を触媒する1本鎖DNA分子の集団が得られた。この集団から単離した代表的個体の共通の特徴に基づき、触媒ドメイン及び基質ドメイン双方の単純化した転換が構築され、分子間組合わせにおいて急速な触媒代謝回転の証明をもたらした。即ち、38量体触媒ドメインは、DNA酵素、又は“デオキシリボザイム”と呼ばれるものの一例である。
速い代謝回転で進行しかつミカエリス・メンテン速度論に従う反応において化学的転換を促進することができる情報高分子である事実に基づいてこの分子を酵素と呼ぶことは、酵素を構成するものの概念を満足させるものではない。当然、酵素はポリペプチドでなければならないと主張するものがいる。しかしながら、RNA酵素の概念を容認する場合には、DNA酵素に関する同様の見解を採用することは合理的であると思われる。我々がどのように速やかにこの分子をランダム配列DNAのプールから作成することができたかを考慮すると、合成DNA酵素の多くの他の例が近い将来出現するであろうことが予想される。
【0109】
RNAホスホエステルのPb2+依存性切断がDNA触媒作用の最初の標的として選ばれたのは、切断部位に隣接してある2′ヒドロキシルの脱プロトン化を促進するために配位Pb2+ヒドロキシルの適切な位置が単に必要であるという端的反応であるからである。(例えば、Panら,The RNA World, Gesteland & Atkins(eds.),pp.271-302,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1993)を参照されたい。)Pb2+は、プリンのN7位、グアニンの06位、ウラシルの04位、及びシトシンのN3位に配位することが既知である(Brownら,Nature 303: 543-546(1993))。従って、RNAと比べてDNAの糖組成及びコンホメーションの違いは、DNAがはっきりしたPb2+結合ポケットを形成することを防止しないように思われた。
別の全DNA配列内に単一リボヌクレオチドを有する基質が、切断にユニークな好ましい位置を与えかつ得られた触媒活性がDNAのみによるものであることを保証することから選ばれた。基質認識は、触媒と基質間の塩基対合相互作用の2つの領域によると考えられる。しかしながら、これらの2つの領域にある不対基質ヌクレオチド、5′−GGA−3′は、基質認識、金属配位、又は触媒作用の他の態様に重要な役割を果たすことができる。
【0110】
更に、全RNA分子、他のRNA−DNA複合物、及び1以上のヌクレオチド類縁体を有する分子が許容しうる基質であることも予想される。本明細書に開示されるように、本明細書に記載された試験管内進化手順は、所望の特異性を有するDNA酵素分子を作成するために巧く用いられ、更に、これらのラインに沿った分析は現在進行中である。
更に、酵素と基質間の推定塩基対相互作用が配列について一般化可能であるかを求める実験は、現在記載している方法を用いて進行中である。本明細書に開示されたPb2+依存性デオキシリボザイムもDNAの構造及び酵素特性を調べるモデル化合物と考えられる。
DNA触媒の速やかな開発について本開示に用いられる方法は、かなり普遍性があり、潜在的触媒ドメインに結合した標的結合の切断の引き金となる他の補助因子を使用することを可能にする。この点で、標的RNAを生理的条件下に特異的に切断するMg2+依存性DNA酵素の開発は、他のカチオンの存在下に機能するDNA酵素の開発であるように興味深い(実施例4参照)。かかる分子は、標的mRNAの特定不活性化の伝統的アンチセンス及びリボザイム方法の代わりとなる。
【0111】
このようにして、DNAは、酵素活性を示すことができる生物学的高分子の表のRNA及びタンパク質に加えられる。完全なDNA触媒能力は、依然として調べられているが、これらの調査は、本実験に用いられたもののような試験管内選択法に基づいて速やかに続けなければならない。
DNA酵素は、他の高分子触媒に比べていくつかの重要な利点を与える。第1に、たいていの実験が自動DNAシンセサイザーにアセクセスする時代で調製が容易であり、DNAホスホルアミダイトの価格がかなり下がった。第2に、特にRNAに比べて非常に安定な化合物であり、生物物理実験での使用に容易である。第3に、現在RNA切断活性を欠くアンチセンスDNAを利用している治療用途に適応されることが予想される。試験管内選択は、ホスホロチオエート含有DNAのようなヌクレアーゼ耐性のある化合物を含むDNA類縁体を用いて、これらの類縁体がデオキシヌクレオシド5′三リン酸として調製されかつDNA依存性ポリメラーゼにより基質として受容される限り行われる。更に、DNA酵素は、触媒機能の高分子に基づく理解に新しい窓を開く。例えば、同様の化学転換を触媒するタンパク質系、RNA系、及びDNA系酵素の比較分析を行うことは興味深いことである。
【0112】
実施例4
他の触媒DNAファミリー
出発DNAプールを、出発DNAプールが40ランダムヌクレオチドを有する分子を含む以外は実質的に上記実施例2.B.に記載されたように調製した。即ち、ここに記載される出発DNAプールを、合成オリゴマー 5′GGG ACG AAT TCT AAT ACG ACT CAC TAT rAGG AAG AGA TGG CGA CAT CTC N40GT GAC GGT AAG CTT GGC AC 3′(配列番号23)(NはG、A、T及びCの等モル混合物であり、DNA分子内の標的rAの次のホスホエステルを切断する能力を選択した)を用いてPCRにより調製した。(図6Aも参照。)
選択的増幅を、Pb2+、Zn2+、Mn2+、又はMg2+の存在下に行い、DNA触媒分子の少なくとも4“ファミリー”を生成した。図5に示されるように、比活性を示すDNA触媒分子は種々のカチオンの存在下に作成した。
図5は、選択した触媒DNAの4ファミリーの特定のエンドリボヌクレアーゼ活性を証明するポリアクリルアミドゲルを示す写真である。Pb2+依存性ファミリーの分子の選択を、対照として同様の方法で繰り返した。各グループの3レーンにおいては、第1レーンは金属カチオンの不在下に選択集団の活性のないことを示し、第2レーンは金属カチオンの存在下の実測活性を示し、第3レーンは出発プール(G0)の活性のないことを示す。現在、反応性の順序はPb2+>Zn2+>Mn2+>Mg2+であることが認められ、対応する金属酸化物のpKaを反映している。
【0113】
予め選択された2価カチオンの存在下の5(G5)或いは6(G6)ラウンドの選択的増幅後に、所望のエンドヌクレアーゼ活性が得られた。Mg2+の存在下の選択的増幅の下記の説明は例示である。
6ラウンドの試験管内選択的増幅を、使用した2価金属が1mMPb2+ではなくMg2+である以外は上記実施例2に記載される方法に従って行った。(実質的に同様の手順を記載している Breaker & Joyce,Chem. & Biol. 1: 223-229(1994)も参照されたい。この文献を参考として本明細書に引用する。)
第6ラウンド後に個々のクローンを単離し、これらのクローンの24のヌクレオチド配列を求めた。配列は、全て 5′GGG ACG AAT TCT AAT ACG ACT CAC TAT rA GG AAG AGA TGG CGA CA(配列番号23位置1〜44)から開始し、CGG TAA GCT TGG CAC 3′(配列番号23位置93〜107)で終わる。
出発プールにおいて TCTC N40 GTGA(配列番号23位置45〜92)に対応する中央のセグメントは下記のように変動する。
【0114】

【0115】
始めの括弧内の数字は、その特定配列をもつクローン数を示す。ある突然変異(太文字で強調された)は最初にランダム化されたもの以外の位置のヌクレオチドに存在することに留意されたい。
24クローンのうちの5つに存在した上記の2番目の配列(即ち、配列番号25)を次の実験のリード(即ち、最初の)化合物として選んだ。その切断活性を種々の2価金属の1mM濃度及び1M NaCl、pH7.0及び23℃の存在下に測定した。
【0116】
金属 kobs(min-1
なし n.d.
Mg2+ 2.3×10-3
Mn2+ 6.8×10-3
Zn2+ 4.2×10-2
Pb2+ 1.1×10-2
【0117】
従って、リード化合物は、Mg2+の存在下での活性を選択したとしても4種の2価金属全ての存在下に活性である。逆に、Mn2+、Zn2+、又はPb2+の存在下での活性を選択したDNA分子は、Mg2+の存在下に活性を示さなかった 更に、全ホスホロチオエート含有DNA類縁体として調製した場合、Mg2+の存在下に6ラウンドの試験管内選択後に得られたDNAの集団は、実測速度〜10-3 min-1でMg2+依存性切断活性を示した。ホスホロチオエート含有類縁体を、各立体中心にRp配置を有するように酵素的に調製した。かかる化合物は、非修飾DNAに比べて細胞ヌクレアーゼによる分解に比較的耐性がある。
【0118】
リード化合物を、40ヌクレオチドの位置(下線部分)で再びランダム化し、15%の頻度で突然変異を導入した(3ヵ所の可能な塩基置換の各々が5%の確率)。再ランダム化集団を更に7ラウンドの試験管内選択に供した。最後の4ラウンドで、1mMPb2+の存在下に反応性のある分子を集団から取り出し、その後、残りを攻撃して1mMMg2+の存在下に反応させた。第7ラウンドの後に個々のクローンを単離し、これらのクローンの14のヌクレオチド配列を求めた。配列は、全て 5′GGG ACG AAT TCT AAT ACG ACT CAC TAT rA GG AAG AGA TGG CGA CAT CTC(配列番号23、位置1〜48)から始まり、GTG ACG GTA AGC TTG GCA C 3′(配列番号23、位置89〜107)で終わる。
40の部分的ランダム化位置に対応する中央のセグメント(N40、配列番号23、位置49〜88)は下記のように変動する。
【0119】

【0120】
括弧内の数字は、その特定の配列を有するクローン数を示す。太字で示されたヌクレオチドは、リード化合物と比べて異なるものである。
これらのクローンの切断活性の形式分析は進行中である。集団は、全体としてPb2+の存在下の活性と匹敵しうるレベルで実測速度〜10-2 min-1のMg2+依存性切断活性を示す。
図6A及び図6Bは、各々本明細書に開示された選択的増幅法で得られた“前駆体”DNA触媒分子及び数種のDNA触媒分子の1つを示す2次元図である。
図6Aは、出発プールからの具体的な分子を示し、配列番号23で示される分子の全配置を示す。示されるように、種々の相補的ヌクレオチドがランダム(N40)領域に隣接する。
図6Bは、本明細書に記載された手順で作成したMg2+依存性DNA触媒分子(又は“DNAzyme”)の1種の図式である。基質核酸におけるリボヌクレオチドの位置を矢印で示す。(図示した分子は、配列番号25として同定した配列、及び配列番号23の“開始”及び“最終”配列を含む。)
【0121】
エンドヌクレアーゼ活性は、本明細書に開示される試験管内進化により上記“ファミリー”の各々において増強され続けているので、ますます望ましい特異性を有するDNA酵素分子が本明細書に開示されたガイドラインを用いて巧く作成されることが期待される。
【0122】
実施例5
大きなRNA配列の切断
前述の拡張として、我々は、上記で証明された別の全DNA基質内にはめ込まれた単一リボヌクレオチドではなくて全RNA基質を切断するDNA酵素を開発した。(R.R.Breaker & G.F.Joyce,Chem. & Biol. 1: 223-229(1994);R. R. Breaker & G.F.Joyce,Chem. & Biol. 2: 655-660 (1995)も参照されたい)。標的配列として、我々は、配列 5′GUAACUAGAGAU 3′(配列番号49)を有するHIV−1RNAのU5LTR領域内の12の高度に保存されたヌクレオチドの伸長物を選択した。
前の実施例に記載された方法に従って、我々は、下記の組成を有する1014DNA分子のプールを作成した。
【0123】

【0124】
ここで、NはデオキシリボヌクレオチドG、A、T、及びCの等モル混合物であり、“r(GUAACUAGAGAU)”として同定された配列はリボヌクレオチドを含む。(任意により、例えば、追加のdA残基を5′端のリボヌクレオチド部分の前にある配列に付加することにより最初の5′ヌクレオチド配列を変えることができ、最初の配列を“GGAAAAA”と読み、配列番号50の長さを99残基とする。これは、本明細書に詳細に開示された特定のDNA酵素分子を操作するために行われる修飾の1例に過ぎないことは明らかである。)
このように作製されたDNA酵素分子について、はめ込みRNA標的配列内にあるホスホエステルを切断する能力を選択した。10mMMg2+、pH7.5及び37℃の存在下にDNA酵素分子の活性に基づき10ラウンドの試験管内選択的増幅を行った。選択工程で、“好適”切断部位及びかかる各々の好適部位で切断する“最良”触媒が競合した。2つの部位及び触媒の2つのファミリーが最も効率のよい切断能力をもつものとして出てきた(図7参照)。
【0125】
図7は、実質的に本明細書に記載されたように行われた試験管内選択的増幅の10ラウンドの結果を示すグラフである。示されるように、2つの部位と触媒の2つのファミリーが標的配列の最も効率のよい切断を示すものとして出てきた。
切断条件は、実質的に図7に示されるとおり、即ち、Mg2+、pH7.5、及び37℃とした。反応を2時間行った後に集めたデータを示す。世代数(ここでは0〜10)に対してプロットした切断(%)を示す。標的配列を基質内の指示した位置で切断することができるDNA触媒分子の数/有効性を縦のバーで示し、 G↓UAACUAGAGAU での切断を縞のバーで示し、GUAACUA↓GAGAU での切断を白い(輪郭の)バーで示す。ここでのように、図7では、矢印(↓)は切断が生じる2つの隣接ヌクレオチド間の位置を示す。
【0126】
第8及び第10ラウンドの選択的増幅後に得られた集団からの種々の個体をクローン化した。次に、第8ラウンドからの29個体及び第10ラウンドからの32個体を求めた(各々表2及び表3参照)。
表2及び表3の各々の項目“ヌクレオチド配列”の下に出発プールでランダム化された50ヌクレオチド(即ち、N50)に対応する各同定クローン部分を示す。即ち、示したクローンの全ヌクレオチド配列は、一般的には、“N50”セグメントの前後及びそれを含むヌクレオチド配列を含み、基質配列が結合すると推測され、その自己切断は生じない。例えば、(非自己切断)クローンの全配列は、一般的には、配列番号50の残基 No.1〜33、続いてランダム化N50領域を示す残基、続いて配列番号50の残基 No.84〜98又は配列番号51の残基 No.1〜34、続いてランダム化N50領域を示す残基、続いて配列番号51の残基 No.85〜99を含むことができる。しかしながら、各クローンのN50(又はN40)領域--又はその一部--が特定のDNA酵素分子の特異性及び/又は活性を求めるのに特に重要であると思われる。これは、基質及びDNAzymeが別個の分子である反応において特に明らかである(例えば、図8及び図9参照)。
クローン数は、第8又は第10ラウンド後に得られた個体について各々8×又は10×と示す。配列番号も示され、各クローンの“N50”領域に対応する。











































【0127】





【0128】

【0129】



【0130】

【0131】
引き続き、種々のクローンの自己切断活性を測定した。クローン8−5、8−17、及び10−3は位置 5′GUAACU↓AGAGAU 3′で効率よく切断することがわかり、クローン10−14、10−19及び10−27は位置 5′ G↓UAACUAGAGAU 3′で効率よく切断することがわかった。分子のRNA部分が配列 5′GGAAAAAGUAACUAGAGAUGGAAG 3′(配列番号51の残基 No.1−24)まで拡張される場合、クローン8−17、10−14、及び10−27は十分な活性を保持し、クローン8−5、10−3、及び10−19は活性の消失を示した。引き続き、クローン10−23は伸長したRNAドメインを含む自己切断配列において高レベルの活性を示すことがわかった。
【0132】
当業者が上のことを理解しない場合には、本発明の開示の教示に従って操作したポリヌクレオチド分子の“N50”のセグメントの前後のヌクレオチド配列を種々の方法で変えて個々の特異性を有するDNA酵素分子を作成することができることも留意されなければならない。例えば、配列番号51の残基 No.1〜24は本明細書にはRNAヌクレオチドとして記載されるが、DNA、RNA、又はその複合物を含むこともできる。(従って、例えば、配列番号51は核酸残基 No.1〜7がDNAを含み、残基 No.8〜19がRNAを含み、残基 No.20〜99がDNAを含む等のように容易に変えることができる。) 同様に、“N50”領域の後のヌクレオチドは、RNA、DNA、又はその複合物を含むことができる。“N50”(又は“N50”--実施例4参照)の前後の長さも本明細書に開示されるように変えることができる。更に、N50又はN40領域の前及び/又は後の配列は。そのままで縮小、拡大又は削除することができる。
更に、上記のように、我々は、本実施例に記載された方法における標的配列としてHIV−1RNAの特定領域を選択した。かかる配列は、標的として使用することができる唯一の配列ではない。当業者が我々の教示に従って他の標的配列の特異性を有するDNA酵素分子を操作及び設計することができることは明らかである。本明細書に開示されるように、かかる標的配列は、配列番号50及び51で示されるようにDNA、RNA、又はその複合物を含む大きな配列に構築又は挿入することができる。
【0133】
自己切断反応を、酵素ドメイン及び基質ドメインを別個の分子に分けることにより分子間切断反応に容易に変換した。始原型分子としてクローン8−17及び10−23を選んだ。共に重複代謝回転で進行する反応において別々の全RNA基質の切断においてDNA酵素として作用することを示した(図8)。引き続き、基質結合アームを、切断部位を分離する各不対ヌクレオチド側の塩基対を7に減じた(図9)。
図8は、本発明の2つのDNA触媒分子、クローン8−17及び10−23のヌクレオチド配列、切断部位、及び代謝回転速度を示す図である。反応条件は、示されるとおり、即ち10mMMg2+、pH7.5、及び37℃とした。クローン8−17として同定されたDNAzymeを左側に示し、RNA基質の切断部位を矢印で示す。基質配列(5′-GGAAAAAGUAACUAGAGAUGGAAG -3′)--DNAzymeから分離する(即ち、分子間切断を示す)--はそれだけで標識される。同様に、10−23として同定されたDNAzymeを右側に示し、RNA基質の切断部位を矢印で示す。また、基質配列も示す。8−17酵素については代謝回転速度は約0.6hr-1であり、10−23酵素については代謝回転速度は約1hr-1であった。
【0134】
図8に示されるとおり、別個の基質分子を切断することができるクローン8−17DNA触媒分子のヌクレオチド配列は次のとおりであった:
5′-CTTCCACCTTCCGAGCCGGACGAAGTTACTTTTT- 3′(配列番号56の残基 No.1〜34)。同図においては、別個の基質分子を切断することができるクローン10〜23DNA触媒分子のヌクレオチド配列は次のとおりであった:
5′-CTTTGGTTAGGCTAGCTACAACGATTTTTCC-3′(配列番号85の残基 No.3〜33)。
【0135】
図9は、本発明の2つのDNA触媒分子、クローン8−17及び10−23のヌクレオチド配列、切断部位、及び代謝回転速度を示す図である。反応条件は、示されるとおり、即ち10mMMg2+、pH7.5、及び37℃とした。図8のように、クローン8−17として同定されたDNAzymeを左側に示し、RNA基質の切断部位を矢印で示す。基質配列(5′-GGAAAAAGUAACUAGAGAUGGAAG- 3′)--DNAzymeから分離する(即ち、分子間切断を示す)--はそれだけで標識される。同様に、10−23として同定されたDNAzymeを右側に示し、RNA基質の切断部位を矢印で示す。また、基質配列を示す。8−17酵素についてはkobsは約0.002 min-1であり、10−23酵素についてはkobs値は約0.01hr-1であった。
【0136】
図9に示されるとおり、別個の基質分子を切断することができるクローン8−17DNA触媒分子のヌクレオチド配列は次のとおりであった:
5′-CCACCTTCCGAGCCGGACGAAGTTACT- 3′(配列番号56の残基 No.4〜30)。同図においては、別個の基質分子を切断することができるクローン10−23DNA触媒分子のヌクレオチド配列は次のとおりであった:
5′-CTAGTTAGGCTAGCTACAACGATTTTTCC-3′(配列番号85の残基 No.5〜33、5′端の“TTG”が“CTA”に置き換わった)。
RNA切断DNA酵素の触媒速度はなお完全に最適化されなければならない。
上記に開示されたように及び前の実験に報告されたように、我々は、始原型分子を部分的にランダム化しかつ追加ラウンドの選択的増幅を行うことにより触媒速度を改善することができた。しかしながら、pH7.5及び37℃で測定したMg2+のKmは8−17及び10−23DNA酵素について各々約5mM及び2mMであることがわかった。その測定条件は、確かに細胞内条件と一致する。
個々の実施態様と実施例を含む上記の説明は、本発明を具体的に説明するものであり限定するものではない。他の多くの変更及び修正が本発明の真意及び範囲を逸脱することなく行われる。
【0137】
配列表

配列番号:1:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 15
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CGGTAAGCTT GGCAC 15

配列番号:2:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 20
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(8, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンリボヌクレオチド
(xi) 配列:

TCACTATNAG GAAGAGATGG 20

配列番号:3:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 38
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ACACATCTCT GAAGTAGCGC CGCCGTATAG TGACGCTA 38

配列番号:4:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 80
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

GTGCCAAGCT TACCGNNNNN NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN 60

NNNNNGTCGC CATCTCTTCC 80

配列番号:5:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 28
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な特徴(misc_feature)
(B) 存在位置: 28
(D) 他の情報: 標準名= 2'3' 環状リン酸塩
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(28, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンリボヌクレオチド
(xi) 配列:

GGGACGAATT CTAATACGAC TCACTATN 28

配列番号:6:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 28
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(28, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンリボヌクレオチド
(xi) 配列:

GGGACGAATT CTAATACGAC TCACTATN 28

配列番号:7:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 19
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(8, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンリボヌクレオチド
(xi) 配列:

TCACTATNGG AAGAGATGG 19

配列番号:8:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 8
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(8, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンヌクレオチド
(xi) 配列:

TCACTATN 8

配列番号:9:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 30
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CCATCTCTTC CTATAGTGAG TCCGGCTGCA 30

配列番号:10:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 15
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

GTGCCAAGCT TACCG 15

配列番号:11:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 43
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CTGCAGAATT CTAATACGAC TCACTATAGG AAGAGATGGC GAC 43

配列番号:12:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 19
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(8, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンリボヌクレオチド
(xi) 配列:

TCACTATNGG AAGAGATGG 19

配列番号:13:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 43
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(28, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンリボヌクレオチド
(xi) 配列:

GGGACGAATT CTAATACGAC TCACTATNGG AAGAGATGGC GAC 43

配列番号:14:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TCACACATCT CTGAAGTAGC GCCGCCGTAT GTGACGCTAG GGGTTCGCCT 50

配列番号:15:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

GGGGGGAACG CCGTAACAAG CTCTGAACTA GCGGTTGCGA TATAGTCGTA 50

配列番号:16:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CGGGACTCCG TAGCCCATTG CTTTTTGCAG CGTCAACGAA TAGCGTATTA 50

配列番号:17:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CCACCATGTC TTCTCGAGCC GAACCGATAG TTACGTCATA CCTCCCGTAT 50

配列番号:18:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

GCCAGATTGC TGCTACCAGC GGTACGAAAT AGTGAAGTGT TCGTGACTAT 50

配列番号:19:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATAGGCCATG CTTTGGCTAG CGGCACCGTA TAGTGTACCT GCCCTTATCG 50

配列番号:20:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TCTGCTCTCC TCTATTCTAG CAGTGCAGCG AAATATGTCG AATAGTCGGT 50

配列番号:21:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TTGCCCAGCA TAGTCGGCAG ACGTGGTGTT AGCGACACGA TAGGCCCGGT 50

配列番号:22:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TTGCTAGCTC GGCTGAACTT CTGTAGCGCA ACCGAAATAG TGAGGCTTGA 50

配列番号:23:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 107
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な差異(misc_difference)
(B) 存在位置: 置換(28, "")
(D) 他の情報: 標準名= アデノシンリボヌクレオチド
標識= rA
(xi) 配列:

GGGACGAATT CTAATACGAC TCACTATNGG AAGAGATGGC GACATCTCNN NNNNNNNNNN 60

NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN NNNNNNNNGT GACGGTAAGC TTGGCAC 107

配列番号:24:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CCGCCCACCT CTTTTACGAG CCTGTACGAA ATAGTGCTCT TGTTAGTAT 49

配列番号:25:

(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 48
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TCTCTTCAGC GATGCACGCT TGTTTTAATG TTGCACCCAT GTTAGTGA 48

配列番号:26:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 46
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TCTCATCAGC GATTGAACCA CTTGGTGGAC AGACCCATGT TAGTGA 46

配列番号:27:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CCGCCCACCT CTTTTACGAG CCTGTACGAA ATAGTGTTCT TGTTAGTAT 49

配列番号:28:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CCGCCCACCT CTTTTACGAG CCTGTACGAA ATAGTGCTCT CGTTAGTAT 49

配列番号:29:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 48
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TCTCAGACTT AGTCCATCAC ACTCTGTGCA TATGCCTGCT TGATGTGA 48

配列番号:30:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 42
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CTCTCATCTG CTAGCACGCT CGAATAGTGT CAGTCGATGT GA 42

配列番号:31:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TACAGCGATT CACCCTTGTT TAAGGGTTAC ACCCATGTTA 40

配列番号:32:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATCAGCGATT AACGCTTGTT TCAATGTTAC ACCCATGTTA 40

配列番号:33:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TTCAGCGATT AACGCTTATT TTAGCGTTAC ACCCATGTTA 40

配列番号:34:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATCAGCGATT CACCCTTGTT TTAAGGTTGC ACCCATGTTA 40

配列番号:35:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATCAGCGATT CACCCTTGTT TAAGCGTTAC ACCCATGTTG 40

配列番号:36:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATCAGCGATT CACCCTTGTT TTAAGGTTAC ACCCATGTTA 40

配列番号:37:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATCAGCGATT AACGCTTATT TTAGCGTTAC ACCCATGTTA 40

配列番号:38:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATCAGCGATT AACGCTTGTT TTAGTGTTGC ACCCATGTTA 40

配列番号:39:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 40
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATCAGCGATT AACGCTTATT TTAGCATTAC ACCCATGTTA 40

配列番号:40:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 10
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

GCCATGCTTT 10

配列番号:41:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 10
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

CTCTATTTCT 10

配列番号:42:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 12
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TATGTGACGC TA 12

配列番号:43:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 10
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

TATAGTCGTA 10

配列番号:44:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 11
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATAGCGTATT A 11

配列番号:45:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 13
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATAGTTACGT CAT 13

配列番号:46:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 14
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

AATAGTGAAG TGTT 14

配列番号:47:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 11
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

ATAGGCCCGG T 11

配列番号:48:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 14
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(xi) 配列:

AATAGTGAGG CTTG 14

配列番号:49:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 12
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic RNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

GUAACUAGAG AU 12

配列番号:50:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 98
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な特徴(misc_feature)
(B) 存在位置: 7..18
(D) 他の情報: 注意=部位7〜18はRNAであり、残りはDNAである。
(xi) 配列:

GGAAAAGUAA CUAGAGAUGG AAGAGATGGC GACNNNNNNN NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN 60

NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN NNNCGGTAAG CTTGGCAC 98

配列番号:51:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 99
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(ix) 配列の特徴:
(A) 特徴を表す記号: 雑多な特徴(misc_feature)
(B) 存在位置: 1..24
(D) 他の情報: 注意=部位1〜24はRNAであり、残りはDNAである。
(xi) 配列:

GGAAAAAGUA ACUAGAGAUG GAAGAGATGG CGACNNNNNN NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN 60

NNNNNNNNNN NNNNNNNNNN NNNNCGGTAA GCTTGGCAC 99

配列番号:52:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCAATAGTGC TACTGTGTAT CTCAATGCTG GAAACACGGG TTATCTCCCG 50

配列番号:53:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCAAAACAGT GGAGCATTAT ATCTACTCCA CAAAGACCAC TTTTCTCCCG 50

配列番号:54:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

ATCCGTACTA GCATGCAGAC AGTCTGTCTG CTTTTTCATT ACTCACTCCC 50

配列番号:55:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAATTCATGA TGACCAACTC TGTCAACACG CGAACTTTTA ACACTGGCA 49

配列番号:56:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CTTCCACCTT CCGAGCCGGA CGAAGTTACT TTTTATCACA CTACGTATTG 50

配列番号:57:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

GGCAAGAGAT GGCATATATT CAGGTAACTG TGGAGATACC CTGTCTGCCA 50

配列番号:58:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CTAGACCATT CACGTTTACC AAGCTATGGT AAGAACTAGA ATCACGCGTA 50

配列番号:59:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CGTACACGTG GAAAAGCTAT AAGTCAAGTT CTCATCATGT ACCTGACCGC 50

配列番号:60:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAGTGATACA TGAGTGCACC GCTACGACTA AGTCTGTAAC TTATTCTACC 50

配列番号:61:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

ACCGAATTAA ACTACCGAAT AGTGTGGTTT CTATGCTTCT TCTTCCCTGA 50

配列番号:62:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAGGTAGATA TAATGCGTCA CCGTGCTTAC ACTCGTTTTA TTAGTATGTC 50

配列番号:63:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCCTACAACA CCACTGGGCC CAATTAGATT AACGCTATTT TATAACTCG 49

配列番号:64:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCAAACGGTT ATAAGACTGA AAACTCAATC AATAGCCCAA TCCTCGCCC 49

配列番号:65:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CACATGTATA CCTAAGAAAT TGGTCCCGTA GACGTCACAG ACTTACGCCA 50

配列番号:66:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CACAACGAAA ACAATCTTCC TTGGCATACT GGGGAGAAAG TCTGTTGTCC 50

配列番号:67:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CACACGAACA TGTCCATTAA ATGGCATTCC GTTTTTCGTT CTACATATGC 50

配列番号:68:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAGAACGAGG GTCTTGTAAG ACTACACCTC CTCAGTGACA ATAATCCTG 49

配列番号:69:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CACTACAGCC TGATATATAT GAAGAACAGG CAACAAGCTT ATGCACTGG 49

配列番号:70:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

GGGTACATTT ATGATTCTCT TATAAAGAGA ATATCGTACT CTTTTCCCCA 50

配列番号:71:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCAAAGTACA TTCCAACCCC TTATACGTGA AACTTCCAGT AGTTTCCTA 49

配列番号:72:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CTTGAAGATC CTCATAAGAC GATTAAACAA TCCACTGGAT ATAATCCGGA 50

配列番号:73:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CGAATAGTGT CCATGATTAC ACCAATAACT GCCTGCCTAT CATGTTTATG 50

配列番号:74:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCAAGAGAGT ATCGGATACA CTTGGAACAT AGCTAACTCG AACTGTACCA 50

配列番号:75:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 48
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCACTGATAA ATAGGTAACT GTCTCATATC TGCCAATCAT ATGCCGTA 48

配列番号:76:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCCAAATTAT AAACAATTTA ACACAAGCAA AAGGAGGTTC ATTGCTCCGC 50

配列番号:77:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAATAAACTG GTGCTAAACC TAATACCTTG TATCCAAGTT ATCCTCCCCC 50

配列番号:78:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCGAATGACA TCCGTAGTGG AACCTTGCTT TTGACACTAA GAAGCTACAC 50

配列番号:79:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCATAACAAA TACCATAGTA AAGATCTGCA TTATATTATA TCGGTCCACC 50

配列番号:80:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAGAACAAAG ATCAGTAGCT AAACATATGG TACAAACATA CCATCTCGCA 50

配列番号:81:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCTTTAGTTA GGCTAGCTAC AACGATTTTT CCCTGCTTGG CAACGACAC 49

配列番号:82:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CTCCCTACGT TACACCAGCG GTACGAATTT TCCACGAGAG GTAATCCGCA 50

配列番号:83:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 36
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CGGCACCTCT AGTTAGACAC TCCGGAATTT TTCCCC 36

配列番号:84:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CGGCACCTCT AGTTAGACAC TCCGGAATTT TAGCCTACCA TAGTCCGGT 49

配列番号:85:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 47
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCCTTTGGTT AGGCTAGCTA CAACGATTTT TCCCTGCTTG AATTGTA 47

配列番号:86:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 51
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCCTTTGGTT AGGCTAGCTA CAACGATTTT TCCCTGCTTG ACCTGTTACG A 51

配列番号:87:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 48
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCTTTAGTTA GGCTAGCTAC AACGATTTTT CCCTGCTTGG AACGACAC 48

配列番号:88:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CATGGCTTAA TCATCCTCAA TAGAAGACTA CAAGTCGAAT ATGTCCCCCC 50

配列番号:89:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAACAGAGCG AGTATCACCC CCTGTCAATA GTCGTATGAA ACATTGGGCC 50

配列番号:90:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

TACCGACAAG GGGAATTAAA AGCTAGCTGG TTATGCAACC CTTTTCGCA 49

配列番号:91:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CTCGAAACAG TGATATTCTG AACAAACGGG TACTACGTGT TCAGCCCCC 49

配列番号:92:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCAATAACGT AACCCGGTTA GATAAGCACT TAGCTAAGAT GTTTATCCTG 50

配列番号:93:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAATACAATC GGTACGAATC CAGAAACATA ACGTTGTTTC AGAATGGTCC 50

配列番号:94:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

GCAACAACAA GAACCAAGTT ACATACACGT TCATCTATAC TGAACCCCCA 50

配列番号:95:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCTTTGAGTT CCTAAATGCC GCACGGTAAG CTTGGCACAC TTTGACTGTA 50

配列番号:96:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 49
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAAAGATCTC ACTTTGGAAA TGCGAAATAT GTATATTCGC CCTGTCTGC 49

配列番号:97:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CCACGTAGAA TTATCTGATT TATAACATAA CGCAGGATAA CTCTCGCCCA 50

配列番号:98:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 48
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CACAAGAAAG TGTCGTCTCC AGATATTTGA GTACAAGGAA CTACGCCC 48

配列番号:99:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CATGAAGAAA TAGGACATTC TACAGGCTGG ACCGTTACTA TGCCTGTAGG 50

配列番号:100:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 46
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CATAGGATAA TCATGGCGAT GCTTATGACG TGTACATCTA TACCTT 46

配列番号:101:
(i) 配列の特徴:
(A) 配列の長さ: 50
(B) 配列の型: 核酸
(C) 鎖の数: 一本鎖
(D) トポロジー: 直鎖状
(ii) 配列の種類: Genomic DNA
(iii) ハイポセティカル: NO
(iv) アンチセンス: NO
(xi) 配列:

CAGATGATCT TCCTTTAAAG ACTACCCTTT AAAGAAACAT AAGGTACCCC 50
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】標的RNAホスホエステルを切断するDNAを単離する選択的増幅スキームを示す図である。
【図2】出発DNAプール(G0)及び鉛カチオン(Pb2+)存在下に1〜5ラウンドの選択(G1〜G5)後に得られた集団の自己切断活性を示す写真である。
【図3】5ラウンドの選択後の集団から単離した個々の変異体の配列アラインメントを示す図である。
【図4A】触媒代謝回転で進行する分子間反応におけるRNAホスホエステルのDNA触媒切断を示す図である。
【図4B】触媒代謝回転で進行する分子間反応におけるRNAホスホエステルのDNA触媒切断を示す図である。
【図5】選択触媒DNAの4ファミリーの特異的エンドヌクレアーゼ活性を証明するポリアクリルアミドゲルを示す写真である。
【図6A】各々“前駆体”触媒DNA分子及び本明細書に開示された選択的増幅法で得られた数種の触媒DNA分子の1種の2次元図を示す。
【図6B】各々“前駆体”触媒DNA分子及び本明細書に開示された選択的増幅法で得られた数種の触媒DNA分子の1種の2次元図を示す。
【図7】実質的に下記の実施例5に記載されるように行われた10ラウンドの試験管内選択的増幅の結果のいくつかを示すグラフである。
【図8】本発明の2つのDNA触媒分子、クローン8〜17及び10〜23のヌクレオチド配列、切断部位及び代謝回転速度を示す図である。
【図9】本発明の2つのDNA触媒分子、クローン8〜17及び10〜23のヌクレオチド配列、切断部位及び代謝回転速度を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部位特異的エンドヌクレアーゼ活性をもつDNA触媒分子。
【請求項2】
前記エンドヌクレアーゼ活性が、基質核酸配列内の一本鎖核酸を含む切断部位を特定するヌクレオチド配列に特異的である請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項3】
前記一本鎖核酸が、RNA、DNA、修飾RNA、修飾DNA、ヌクレオチド類縁体、又はその複合物を含む請求項2記載のDNA触媒分子。
【請求項4】
前記基質核酸が、RNA、DNA、修飾RNA、修飾DNA、ヌクレオチド類縁体、又はその複合物を含む請求項2記載のDNA触媒分子。
【請求項5】
前記エンドヌクレアーゼ活性が前記切断部位でのホスホエステル結合の加水分解切断を含む請求項2記載のDNA触媒分子。
【請求項6】
前記分子が、一本鎖である請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項7】
前記分子が、1以上のヘアピンループ構造を含む請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項8】
前記基質核酸配列が、前記DNA触媒分子に結合される請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項9】
前記基質核酸配列が、前記DNA触媒分子に結合されない請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項10】
前記DNA触媒分子が、配列番号3及び配列番号14〜22からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項11】
前記DNA触媒分子が、配列番号23〜30からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項12】
前記DNA触媒分子が、配列番号31〜39からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項13】
前記DNA触媒分子が、配列番号52〜101からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項14】
前記エンドヌクレアーゼ活性が、Mg2+の存在によって増強される請求項11、12又は13記載のDNA触媒分子。
【請求項15】
前記DNA触媒分子の基質結合親和性が、約1μM 以下である請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項16】
前記DNA触媒分子が基質にKD約0.1μM 未満で結合する請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項17】
前記切断部位を特定する前記ヌクレオチド配列が少なくとも1ヌクレオチドを含む請求項2記載のDNA触媒分子。
【請求項18】
前記エンドヌクレアーゼ活性が、2価カチオンの存在によって増強される請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項19】
前記2価カチオンが、Pb2+、Mg2+、Mn2+、Zn2+、及びCa2+からなる群より選ばれる請求項18記載のDNA触媒分子。
【請求項20】
前記エンドヌクレアーゼ活性が、1価カチオンの存在によって増強される請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項21】
前記1価カチオンが、Na+及びK+からなる群より選ばれる請求項20記載のDNA触媒分子。
【請求項22】
前記DNA触媒分子が、第1及び第2基質結合領域が隣接した保存コアを含む請求項1記載のDNA触媒分子。
【請求項23】
前記保存コアと前記基質結合領域間に1以上のスペーサーヌクレオチドを更に含む請求項22記載のDNA触媒分子。
【請求項24】
前記保存コアが、1以上の保存領域を含む請求項22記載のDNA触媒分子。
【請求項25】
前記1以上の保存領域が、下記の配列からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む請求項24記載のDNA触媒分子。
CG;
CGA;
AGCG;
AGCCG;
CAGCGAT;
CTTGTTT;及び CTTATTT。
【請求項26】
前記保存コア内の前記保存領域間に1以上の可変又はスペーサーヌクレオチドを更に含む請求項24記載のDNA触媒分子。
【請求項27】
前記第1基質結合領域が、下記の配列からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む請求項22記載のDNA触媒分子。
CATCTCT;
GCTCT;
TTGCTTTTT;
TGTCTTCTC;
TTGCTGCT;
GCCATGCTTT;
CTCTATTTCT;
GTCGGCA;
CATCTCTTC;及び ACTTCT。
【請求項28】
前記第2基質結合領域が、下記の配列からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む請求項22記載のDNA触媒分子。
TATGTGACGCTA;
TATAGTCGTA;
ATAGCGTATTA;
ATAGTTACGTCAT;
AATAGTGAAGTGTT;
TATAGTGTA;
ATAGTCGGT;
ATAGGCCCGGT;
AATAGTGAGGCTTG;及び ATGNTG。
【請求項29】
下記の配列からなる群より選ばれたヌクレオチド配列を含む第3基質結合領域を更に含む請求項22記載のDNA触媒分子。
TGTT;
TGTTA;及び TGTTAG。
【請求項30】
前記基質結合領域間に1以上のスペーサー領域を更に含む請求項29記載のDNA触媒分子。
【請求項31】
DNA触媒分子の各集団が基質内の異なるヌクレオチド配列を切断することができる請求項1記載のDNA触媒分子の2集団以上を含む組成物。
【請求項32】
DNA触媒分子の各集団が、異なる基質を認識することができる請求項1記載のDNA触媒分子の2集団以上を含む組成物。
【請求項33】
下記の工程を含む、基質核酸配列を特定部位で切断するDNA触媒分子の選択方法。
a.一本鎖DNA分子の集団を得る工程;
b.ヌクレオチド含有基質分子と前記一本鎖DNA分子の集団とを混合して混合物をつくる工程;
c.前記集団内の一本鎖DNA分子が前記基質配列の切断を引き起こすのに十分な時間及び所定の反応条件下に前記混合物を維持して基質切断産物を作製する工程;
d.前記一本鎖DNA分子の集団を前記基質配列と基質切断産物から分離する工程;及び e.ヌクレオチド含有基質を特定部位で切断する一本鎖DNA分子を前記集団から単離する工程。
【請求項34】
前記基質がRNAを含む請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記基質を特定部位で切断する前記DNA分子が、固定化物質で標識される請求項33記載の方法。
【請求項36】
前記物質がビオチンを含む請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記単離工程が、前記標識DNA分子をアビジンの結合した固体表面に曝露して前記標識DNA分子が前記固体表面に結合される工程を更に含む請求項35記載の方法。
【請求項38】
下記の工程を含むホスホエステル結合の切断方法。
a.基質核酸配列を特定切断部位で切断することができるDNA触媒分子とホスホエステル結合含有基質とを混合して反応混合物をつくる工程;及び
b.前記混合物を、前記DNA触媒分子が前記ホスホエステル結合を切断することができる所定の反応条件下に維持して基質産物の集団を作製する工程。
【請求項39】
下記の工程を更に含む請求項38記載の方法。
a.前記産物を前記DNA触媒分子から分離する工程;及び
b.追加の基質を前記DNA触媒分子に加えて新しい反応混合物をつくる工程。
【請求項40】
前記基質がRNAを含む請求項38記載の方法。
【請求項41】
前記所定の反応条件が1価カチオン、2価カチオン、又はその双方の存在を含む請求項38記載の方法。
【請求項42】
下記の工程を含む、ホスホエステル結合を切断するDNA触媒分子の操作方法。
a.一本鎖DNA分子の集団を得る工程;
b.遺伝的変異を前記集団内に導入して変異集団を作製する工程;
c.前記変異集団から所定の選択基準を満たす個体を選択する工程;
d.前記変異集団の残りから前記選択個体を分離する工程;及び
e.前記選択個体を増幅する工程。
【請求項43】
1以上の認識ドメイン、可変領域、及びスペーサー領域が隣接した保存コアを特定するヌクレオチド配列を含む天然に存在しないDNA触媒分子。
【請求項44】
前記ヌクレオチド配列が、該分子の5′末端に相接又は隣接した第1可変領域、3′末端から該第1可変領域までの位置にある第1認識ドメイン、3′末端から該第1認識ドメインまでの位置にある第1スペーサー領域、3′末端から該第1スペーサー領域までの位置にある第1保存領域、3′末端から該第1保存領域までの位置にある第2スペーサー領域、3′末端から該第2スペーサー領域までの位置にある第2保存領域、3′末端から該第2保存領域までの位置にある第2認識ドメイン、及び3′末端から該第2認識ドメインまでの位置にある第2可変領域を特定する請求項43記載のDNA触媒分子。
【請求項45】
前記ヌクレオチド配列が、該分子の5′末端に相接又は隣接した第1可変領域、3′末端から該第1可変領域までの位置にある第1認識ドメイン、3′末端から該第1認識ドメインまでの位置にある第1スペーサー領域、3′末端から該第1スペーサー領域までの位置にある第1保存領域、3′末端から該第1保存領域までの位置にある第2スペーサー領域、3′末端から第2スペーサー領域までの位置にある第2保存領域、3′末端から該第2保存領域までの位置にある第2認識ドメイン、3′末端から該第2認識ドメインまでの位置にある第2可変領域、及び3′末端から該第2可変領域までの位置にある第3認識ドメインを特定する請求項43記載のDNA触媒分子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部位特異的エンドヌクレアーゼ活性をもつDNA触媒分子。
【請求項2】
DNA触媒分子の各集団が基質内の異なるヌクレオチド配列を切断することができる請求項1記載のDNA触媒分子の2集団以上を含む組成物。
【請求項3】
DNA触媒分子の各集団が、異なる基質を認識することができる請求項1記載のDNA触媒分子の2集団以上を含む組成物。
【請求項4】
下記の工程を含む、基質核酸配列を特定部位で切断するDNA触媒分子の選択方法。
a.一本鎖DNA分子の集団を得る工程;
b.ヌクレオチド含有基質分子と前記一本鎖DNA分子の集団とを混合して混合物をつくる工程;
c.前記集団内の一本鎖DNA分子が前記基質配列の切断を引き起こすのに十分な時間及び所定の反応条件下に前記混合物を維持して基質切断産物を作製する工程;
d.前記一本鎖DNA分子の集団を前記基質配列と基質切断産物から分離する工程;及び e.ヌクレオチド含有基質を特定部位で切断する一本鎖DNA分子を前記集団から単離する工程。
【請求項5】
下記の工程を含むホスホエステル結合の切断方法。
a.基質核酸配列を特定切断部位で切断することができるDNA触媒分子とホスホエステル結合含有基質とを混合して反応混合物をつくる工程;及び
b.前記混合物を、前記DNA触媒分子が前記ホスホエステル結合を切断することができる所定の反応条件下に維持して基質産物の集団を作製する工程。
【請求項6】
下記の工程を含む、ホスホエステル結合を切断するDNA触媒分子の操作方法。
a.一本鎖DNA分子の集団を得る工程;
b.遺伝的変異を前記集団内に導入して変異集団を作製する工程;
c.前記変異集団から所定の選択基準を満たす個体を選択する工程;
d.前記変異集団の残りから前記選択個体を分離する工程;及び
e.前記選択個体を増幅する工程。
【請求項7】
1以上の認識ドメイン、可変領域、及びスペーサー領域が隣接した保存コアを特定するヌクレオチド配列を含む天然に存在しないDNA触媒分子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−136333(P2006−136333A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368510(P2005−368510)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【分割の表示】特願平8−519067の分割
【原出願日】平成7年12月1日(1995.12.1)
【出願人】(593052785)ザ スクリップス リサーチ インスティテュート (91)
【Fターム(参考)】