説明

E−UTRAN(EvolvedUniversalTerrestrialRadioAccessNetwork)においてハンドオーバーを行うための方法および装置

【課題】SFNを取り扱うのに効率的な方法を提供する。
【解決手段】無線送信/受信ユニット(WTRU)は、測定報告をソースeNBに送信し、ハンドオーバーコマンドをソースeNBから受信する。WTRUは、ハンドオーバーコマンドを受信した後に、ターゲットセルにおいてP−BCHの受信および処理を開始する。WTRUはその後、ランダムアクセスプリアンブルをターゲットeNBに送信し、ランダムアクセス応答をターゲットeNBから受信し、ハンドオーバー完了メッセージをターゲットeNBに送信する。P−BCHの受信および処理は、ハンドオーバーコマンドを受信した後またはハンドオーバー完了メッセージを送信した後ただちに開始することができる。WTRUは、ターゲットセルのSFNおよび/またはP−BCH情報が取得されるまで、ターゲットセル内でデフォルト構成またはソースセル構成を適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドオーバーは、継続中の呼またはデータセッションを、あるセルから別のセルへと転送する処理である。従来、無線送信/受信ユニット(WTRU)支援のネットワーク制御によるハンドオーバーは、WTRUが隣接セルおよびサービングセルの信号長を測定して、測定報告をネットワークに送信するように実施される。ネットワークはその後、別のセル(即ち、ターゲットセル)へのハンドオーバーを行うかどうかを判定する。
【0003】
図1は、3GPP(third generation partnership project)LTE(long term evolution)ネットワーク(MME(intra-mobility management entity))/サービングゲートウェイハンドオーバー手順)におけるハンドオーバー処理100のシグナリング図である。ソースeNB(source evolved Node-B)は、エリア制限情報に従ってWTRU測定手順を構成する(ステップ102)。WTRUは、システム情報、仕様等により設定されたルールに従って測定報告を送信する(ステップ104)。ソースeNBは、測定報告に基づいてハンドオーバーの決定を行う(ステップ106)。ソースeNBは、ハンドオーバー要求のメッセージをターゲットeNBに発行して、ターゲットeNBにおけるハンドオーバーを準備するのに必要な情報を渡す(ステップ108)。許可制御は、ターゲットeNBによって行われ得る(ステップ110)。いったんターゲットeNBがWTRUに許可することを決定すると、ターゲットeNBは、L1/L2のハンドオーバーを準備して、ハンドオーバー要求確認のメッセージをソースeNBに送信する(ステップ112)。ハンドオーバー要求確認メッセージは、無線リソース制御(RRC)メッセージとしてWTRUに送信される透過的コンテナを含む。ソースeNBは、ハンドオーバーコマンドをWTRUに送信する(ステップ114)。
【0004】
ハンドオーバーコマンドを受信すると、WTRUは、ソースセルから離れて、ターゲットセルに同期して、専用RACHプリアンブルがハンドオーバーコマンド内で指示された場合、コンテンションフリー(contention-free)手順に従って、または専用RACHプリアンブルがハンドオーバーコマンド内で指示されなかった場合、コンテンションベースのRACH手順に従ってRACH経由でターゲットセルにアクセスする(ステップ116)。ターゲットeNBは、アップリンク割当ておよびタイミング進み値を有するランダムアクセス応答をWTRUに送信する(ステップ118)。WTRUはその後、ハンドオーバー完了メッセージをターゲットeNBに送信する(ステップ120)。その後、通常動作が、WTRUとターゲットeNBとの間で開始する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
WTRUは、ハンドオーバーの後、ターゲットセル内でのWTRUの通常動作に対するシステムフレーム番号(SFN)を知る必要がある。特に、不連続受信(DRX)と動的ブロードキャストチャネル(D−BCH)受信の両方は、WTRUがSFNの情報を有するように要求する。従って、ハンドオーバーの最中および後に、SFNを取り扱うのに効率的な方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
E−UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)においてハンドオーバーを行うための方法および装置について開示される。WTRUは、測定報告をソースeNBに送信して、ハンドオーバーコマンドをソースeNBから受信する。WTRUは、ハンドオーバーコマンドを受信した後、ターゲットセルにおいてP−BCH(primary broadcast channel)の受信および処理を開始する。WTRUはその後、ランダムアクセスプリアンブルをターゲットeNBに送信して、ランダムアクセス応答をターゲットeNBから受信して、ハンドオーバー完了メッセージをターゲットeNBに送信する。ハンドオーバーコマンドを受信した後、または、ハンドオーバー完了メッセージを送信した後ただちに、P−BCHの受信および処理を開始することが可能である。WTRUは、あらかじめ決められた時間期間の後に、ターゲットセルのシステムフレーム番号(SFN)が取得されないという条件で無線リンクのリカバリ手順を開始することができる。WTRUは、ターゲットセルのSFNおよび/またはP−BCH情報が取得されるまで、ターゲットセル内でデフォルト構成またはソースセル構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
より詳細な理解は、添付図面とともに例として与えられた以下の説明から得られる。
【図1】3GPP LTEネットワークにおけるハンドオーバー処理のシグナリング図である。
【図2】第2実施形態に従う例示的処理のシグナリング図である。
【図3】第2実施形態の代替形態に従う例示的処理のシグナリング図である。
【図4】第3実施形態に従って、ターゲットセル内で媒体アクセス制御(MAC)リセットを行う、ならびに、DRXおよび/または半永続的スケジューリング(SPS)をアクティブにするための例示的処理のフロー図である。
【図5】例示的WTRUおよび例示的eNBのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
下記の説明において、「WTRU」という用語は、ユーザ装置(UE)、移動局、固定式もしくは移動式加入者ユニット、ページャ、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、コンピュータ、または、無線環境において動作可能な他の任意のタイプのユーザデバイスを含むが、これに限られない。下記の説明において、「eNB」という用語は、基地局、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または、無線環境において動作可能な他の任意のタイプのインタフェーシングデバイスを含むが、これに限られない。
【0009】
第1実施形態に従って、新しいハンドオーバーコマンドのフォーマットが定義される。
新しいハンドオーバーコマンドのフォーマットは、ハンドオーバーの割り込み時間を減らすが、WTRUがハンドオーバーコマンドを受信する時間と、WTRUがターゲットセル内でアップリンクおよびダウンリンクデータの送受信を再開する時間との差として定義される。
【0010】
WTRUがターゲットセル内で通常動作(データの送信、受信およびDRX等)を行うために、WTRUは、P−BCHおよびD−BCH上で運ばれるセルに特化したシステム情報を知る必要がある。しかしながら、(40ミリ秒の送信時間間隔(TTI)が4回繰り返される)P−BCHと、(スケジューリング単位が160ミリ秒と320ミリ秒の)D−BCHとを読み取るには、ハンドオーバーの割り込み時間を著しく増加させることになる。第1実施形態に従って、P−BCHおよびD−BCH上で運ばれる、ターゲットセル内のセルに特化したシステム情報は、ハンドオーバーコマンドに含まれる。ターゲットeNBがこの情報を、(例えば、ハンドオーバー要求確認の透過的コンテナに含まれる)ハンドオーバー要求確認メッセージによってソースeNBに提供することができる。
【0011】
ハンドオーバーコマンドに含まれるセルに特化したシステム情報は、以下のうち少なくとも1つとすることができる。
【0012】
(1)ダウンリンクシステム帯域幅
(2)物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)情報
(3)物理HARQインジケータチャネル(PHICH)情報(例えば、PHICH持続時間およびPHICHリソースサイズ)
(4)参照信号送信電力のシグナリングと、他のデータ/制御サブキャリアに対する参照信号の電力スケーリング
(5)RACH構成、即ち、WTRU用にターゲットセル内で確保された専用プリアンブルの情報(専用プリアンブルの有効性タイマは、同期ネットワークと非同期ネットワークの両方に提供される)とコンテンションベースのRACH情報(任意)
(6)アップリンク参照信号についての情報(周波数ホッピング)
(7)参照番号のサウンディング(sounding)についての情報(位置)
(8)物理アップリング制御チャネル(PUCCH)参照信号のシーケンスホッピング(肯定応答(ACK)/否定応答(NAK)および/またはチャネル品質インジケータ(CQI)についても同じ)
(9)物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のホッピング、即ち、セルの特化に基づいて2つのホッピングモード(サブフレーム間およびサブフレーム内のホッピング、または、サブフレーム間のみのホッピング)の半静的構成
(10)(セルに特化した)アップリンク電力制御パラメータ
(11)ターゲットセル内の、DRXに関連するパラメータ(任意)
(12)ターゲットセル内の新しいDRXサイクルの開始時間(任意)
(13)システムフレーム番号(任意)、即ち、ターゲットセルのすべてのSFN、または、ソースセルとターゲットセルとの間で相違するSFN
(14)ターゲットeNBにおける送信アンテナ数(これは、セルの探索中にWTRUによってブラインド検出され得るので任意である)
(15)マルチメディアブロードキャストの単一周波数ネットワーク(MBSFN)に関連するパラメータ(任意)
(16)隣接セルのリスト(任意)
(17)ターゲットセル内の半永続的スケジューリング(SPS)についての構成情報 (18)アップリンクおよび/またはダウンリンク永続スケジューリングのパラメータ(任意)
(19)ダウンリンク永続スケジューリングに起因するアップリンクACK/NACKリソース(任意)
【0013】
あるいは、上記のセルに特化した情報(即ち、ハンドオーバーパラメータ)を、1または複数の「デフォルト」値のセットで定義することができ、ターゲットeNBは、シグナリングをかなり圧縮するために、あらかじめ定義された値のセットのうちどれがWTRUによって使用され得るかを判定して、判定されたデフォルト値のセットのインデックスのみを送信することができる。
【0014】
あるいは、特定のシステム情報ブロック(SIB)フォーマットは、1もしくは複数のPLMN(public land mobile network)の範囲において(マスター情報ブロック(MIB)、または、ネットワークを共有する目的でもしくは特定のPLMNだけに対する他のSIBに含まれる複数のPLMNも同様)、あらかじめ定義されたハンドオーバーパラメータ値(上記で定義されたようなパラメータ)に提供することができることにより、ネットワーク/サービスプロバイダ(即ち、PLMNの所有者)は、ハンドオーバーの前にWTRUが取得するのに必要なハンドオーバー値(1または複数のセット)をあらかじめ定義することができる。eNBは、そのようなSIBにブロードキャストすることができる。ハンドオーバーコマンドはその後、ハンドオーバーパラメータ用にWTRUのインデックスのみをターゲットeNBに渡すことができる。
【0015】
WTRUは、SIBからハンドオーバーパラメータを取得したことをWTRUのアップリンクメッセージ(RRC再構成の完了メッセージまたはRRCの測定報告メッセージ等)の1つにより、ネットワークに示すまたは報告することができる。これを行うには1ビットで十分である。
【0016】
ネットワークは、全く新しいセットの値であるデフォルト値セットへのインデックスか、eNBによりSIBブロードキャスト内であらかじめ定義された値セットへのインデックスのどちらかで、ハンドオーバーパラメータ値をハンドオーバーコマンドでWTRUに送信するかを決定することができる。
【0017】
第2実施形態に従って、WTRUは、ソースeNBから(SFN情報なしで)ハンドオーバーコマンドを受信した後、P−BCHおよびD−BCHの受信および処理をただちに開始する。図2は、第2実施形態に従う例示的処理200のシグナリング図である。WTRUは、システム情報、仕様等によって設定されたルールに従って測定報告を送信する(ステップ202)。ソースeNBは、測定報告に基づいてハンドオーバーの決定を行って、ハンドオーバー要求のメッセージをターゲットeNBに発行して、ターゲットeNBにおけるハンドオーバーを準備するのに必要な情報を渡す(ステップ204)。ターゲットeNBは、WTRUに許可することを決定して、ハンドオーバー要求確認のメッセージをソースeNBに送信する(ステップ206)。ハンドオーバー要求確認のメッセージは、RRCメッセージとしてWTRUに送信される透過的コンテナを含む。ソースeNBは、ハンドオーバーコマンドをWTRUに送信する(ステップ208)。
【0018】
ソースeNBから(SFN情報なしで)ハンドオーバーコマンドを受信した後、WTRUは、P−BCHおよびD−BCHの受信および処理をただちに開始する(ステップ210)。WTRUは、ターゲットセルに同期して専用RACHプリアンブルがハンドオーバーコマンド内で示された場合はコンテンションフリー手順に従って、または、専用RACHプリアンブルがハンドオーバーコマンド内で示されなかった場合はコンテンションベースのRACH手順に従って、ランダムアクセスプリアンブルを送信する(ステップ212)。WTRUは、ランダムアクセスの機会(10または20のサブフレームのうち1サブフレーム)を待つ必要があり得るので、WTRUがRACHアクセスプリアンブルを送信し得る前に、P−BCHおよびD−BCHの受信を開始することができる。P−BCHおよびD−BCHの物理リソースが、RACH手順中、eNBメッセージ(即ち、RACH応答)の物理リソースとは異なるので、WTRUは、なんら問題なくその両方を受信して処理することができる。ターゲットeNBは、ランダムアクセス応答をWTRUに送信する(ステップ214)。WTRUはその後、ハンドオーバー完了メッセージをターゲットeNBに送信する(ステップ216)。その後、通常動作が、WTRUとターゲットeNBとの間で開始する(ステップ218)。
【0019】
ターゲットeNBは、WTRUがハンドオーバーコマンドを受信した後、WTRUがすでにターゲットセルのSFN、P−BCHおよびD−BCHの第Kサブフレームを取得したと想定して、WTRUに対して通常動作を開始することができる。ターゲットセルのSFNを取得する時間期間は、P−BCHおよびD−BCH情報を取得する時間期間よりも短い。その前では、ターゲットeNBが、WTRUに対して通常動作を開始することができない。このような通常動作は、DRXサイクル、L1フィードバック、動的および半永続的データの送受信、タイミング調整、RACH処理等を含むが、これに限られない。
【0020】
WTRUは、ターゲットセルのSFNおよび/またはBCH情報がいつ取得されるかをターゲットeNBに通知するためのシグナリングを暗示的または明示的に提供することができる。あるいは、WTRUがターゲットセルのSFNおよびP−BCHの受信に失敗して、第Kフレームの後にP−BCHタイミングを首尾よく検出した場合、WTRUは、それを無線リンクの不具合として扱って、無線リンクのリカバリ手順を開始することができる。
【0021】
WTRUが、ハンドオーバー完了のメッセージを送信した後、ターゲットセルのSFNおよび/またはBCH情報を取得するまで、動作のデフォルトモードをターゲットセル内で適用できる。一般的に、ハンドオーバー時にターゲットセルのSFNおよび/またはターゲットセル上の他のシステム情報を有しないことにより影響される機能(例えば、DRX)は、ターゲットセル情報が取得されて適用されるまで不能になることがあり、または選択的に、ソースセル内で行うかのように動作することがあり、その後、ターゲットセル情報が取得されて適用される時に切り替わる。例えば、DRX動作が不能になることがあり、L1フィードバックが発生しないまたは無視されることがある。
【0022】
図3は、第2実施形態の代替形態に従う例示的処理300のシグナリング図である。WTRUは、システム情報、仕様等によって設定されたルールに従って測定報告を送信する(ステップ302)。ソースeNBは、測定報告に基づいてハンドオーバーの決定を行って、ハンドオーバー要求のメッセージをターゲットeNBに発行して、ターゲットeNBにおけるハンドオーバーを準備するのに必要な情報を渡す(ステップ304)。ターゲットeNBは、WTRUに許可することを決定して、ハンドオーバー要求確認のメッセージをソースeNBに送信する(ステップ306)。ハンドオーバー要求確認のメッセージは、RRCメッセージとしてWTRUに送信される透過的コンテナを含む。ソースeNBは、ハンドオーバーコマンドをWTRUに送信する(ステップ308)。
【0023】
ハンドオーバーコマンドを受信すると、WTRUは、ソースセルから離れて、ターゲットセルに同期して、専用RACHプリアンブルがハンドオーバーコマンド内で指示された場合はコンテンションフリー手順に従って、または、専用プリアンブルがハンドオーバーコマンド内で示されなかった場合はコンテンションベースのRACH手順に従って、RACHアクセスプリアンブルをターゲットeNBに送信する(ステップ310)。ターゲットeNBは、アップリンク割当ておよびタイミング進み値を有するランダムアクセス応答をWTRUに送信する(ステップ312)。WTRUはその後、ハンドオーバー完了のメッセージをターゲットeNBに送信する(ステップ314)。ハンドオーバー完了のコマンドをターゲットeNBに送信した後、WTRUは、ターゲットセル上でP−BCHおよびD−BCHの受信および処理をただちに開始することができる(ステップ316)。ハンドオーバー完了のメッセージから第Kフレームの後に、WTRUとターゲットeNBとの間で通常動作を開始することができる(ステップ318)。
【0024】
WTRUが、ハンドオーバー完了のメッセージを送信した後、ターゲットセルのSFNおよび/またはBCH情報を取得するまで、動作のデフォルトモードをターゲットセル内で適用することができる。一般的に、ハンドオーバー時にターゲットセルのSFNおよび/またはターゲットセル上の他のシステム情報を有しないことにより影響される機能(例えば、DRX)は、ターゲットセル情報が取得されて適用されるまで不能になることがあり、または選択的に、ソースセル内で行うかのように動作することがあり、その後、ターゲットセル情報が取得されて適用される時に切り替わる。例えば、DRX動作が不能になることがあり、L1フィードバックが発生しないまたは無視されることがある。
【0025】
DRXに関連するパラメータが、ターゲットセル内のSIBのみに提供された場合、WTRUは、ソースセルからDRXパラメータを使用して、WTRUがターゲットセル上でSFNを読み取るまでDRX動作を継続できる。あるいは、WTRUは、WTRUがターゲットセル上のシステム情報からDRXパラメータを読み取るまでDRXを適用することができない。
【0026】
WTRUがターゲットセルに入る時に新しいSFN値がない場合、ターゲットeNBは、周期性、HARQ処理または無線リソース等のSPSパラメータを再構成することができる。あるいは、MIBは16ミリ秒以内に受信されてその割り込み時間は短くすることができるので、SPSは、WTRUがターゲットセル上のSFN情報を得るまで不能にすることができる。
【0027】
WTRUは、ソースセル内で使用されるように、DRXおよびSPS構成を維持することができる。ソースeNBスケジューラは、WTRUがターゲットeNBに対する新しい構成にいつ切り替わるかを暗示的または明示的に指示することができる。ソースeNBは、実施するDRX/SPSアクティビティパターンを、ターゲットeNBに通知することができる。ターゲットeNBは、ソースセルのDRX/SPSアクティビティパターンを拒否して、ターゲットセルのシステム情報が取得されるまで、WTRUを非アクティブにすることができる。
【0028】
第3実施形態に従って、ハンドオーバーに起因して媒体アクセス制御(MAC)がリセットされると、WTRUは、ソースセル構成(例えば、SPS semiPersistSchedInterval等のSPSおよび/またはDRX構成、DRXサイクル等)を廃棄しまたは無視することができる。ソースeNBからハンドオーバーコマンドを受信すると、WTRUは、MACリセットを行い、ソースセル構成を廃棄しまたは無視することができる。
【0029】
あるいは、WTRUは、ソースセル構成を維持して継続することができる。WTRU
MACエンティティは、MACリセット中にソースセル構成を保存することができる。あるいは、WTRU MACエンティティは、MACリセットに起因してソースセル構成を廃棄するが、WTRU RRCエンティティは、ソースセル構成を保存して、ハンドオーバーに従って(例えば、MACリセット手順が完了した時点またはその後)ソースセル構成を用いてMACエンティティを再構成することができる。
【0030】
ターゲットセル内の動作(例えば、SPSおよび/またはDRX動作)は、ソースセル内でWTRUにシグナリングを行うeNBにより、ターゲットセル内でWTRUにシグナリングを行うeNBシグナリングにより、または、あらかじめ定義されたルールに従って、アクティブにすることができる。
【0031】
図4は、第3実施形態に従って、ターゲットセル内でMACリセットを行う、ならびに、DRXおよび/またはSPSをアクティブにするための例示的処理400のフロー図である。WTRUは、ハンドオーバーコマンドをソースeNBから受信して、MACリセットを行う(ステップ402)。WTRUは、MACリセットの直後もしくはそれに起因して、または、ハンドオーバー手順の実行中に、DRXおよび/もしくはSPSを非アクティブにする(ステップ404)。WTRUは、MACリセットの直後に、または、それに起因してソースセルのDRXおよび/もしくはSPS構成を廃棄し、もしくは無視する(ステップ406)。WTRUは、ターゲットセルのDRXおよび/またはSPS構成を指示する第1のシグナリングメッセージ(例えば、RCCメッセージ、または、任意のL2もしくはL3メッセージ)をターゲットセル内のターゲットeNBから直接受信する(ステップ408)。ターゲットeNBは、ソースeNBからターゲットeNBに送信されたシグナリングメッセージ(例えば、ハンドオーバー要求メッセージまたは後続メッセージ)を通じて、WTRUに対するソースセルのDRXおよび/またはSPS構成を認識した。WTRUは、DRXおよび/もしくはSPSのアクティブ化、または、DRXおよび/もしくはSPSをいつアクティブにするかを指示する第2のシグナリングメッセージ(例えば、PDCCH信号、RRCメッセージ、または、任意のL2もしくはL3メッセージ)をターゲットセル内のターゲットeNBから直接受信する(ステップ410)。第1および第2のシグナリングメッセージは、同時にもしくは個別に送信され、または、1つのメッセージ内に組み合わせることも可能である。WTRUはその後、ターゲットセル構成およびアクティブ化情報に従って、ターゲットセル内のDRXおよび/またはSPSをアクティブにする(ステップ412)。
【0032】
第1のシグナリングメッセージで提供されたターゲットセルのDRXおよび/またはSPS構成は、以下の方法で解釈することが可能である。第1のシグナリングメッセージ内にDRXおよび/またはSPS構成IEが無ければ、WTRUによって保存を示すと解釈されて、既存のDRXおよび/またはSPS構成を継続する。第1のシグナリングメッセージ内にDRXおよび/またはSPS構成IEがあれば、第1シグナリングメッセージに含まれる構成に従って、WTRUによってWTRUのDRXおよび/またはSPS構成を再構成すると解釈される。表示ビットは、WTRUが既存のDRXおよび/もしくはSPS構成を保存して継続すべきか、または、既存の構成を無視すべきかどうかをWTRUに指示する第1のシグナリングメッセージに含められる。
【0033】
ターゲットeNBからの第1のシグナリングメッセージを通じて、ターゲットセルのDRXおよび/またはSPS構成を受信する代わりに、ターゲットセルのDRXおよび/またはSPS構成は、ハンドオーバーコマンドを通じて受信することができる。ターゲットeNBからソースeNBに送信されたハンドオーバーコマンドの透過的コンテナにおいて、ターゲットeNBは、DRXおよび/またはSPS構成を指示する。ターゲットeNBは、ソースeNBからターゲットeNBに送信されたシグナリングメッセージ(例えば、ハンドオーバー要求のメッセージまたは後続のメッセージ)を通じて、ソースeNB DRXおよび/またはSPS構成を認識した。ハンドオーバーコマンド内にDRXおよび/またはSPS構成IEが無ければ、WTRUによって保存を示すと解釈されて、既存のDRXおよび/またはSPS構成を継続し、ハンドオーバーコマンド内にDRXおよび/またはSPS構成IEがあれば、それに含まれる構成パラメータに従って、WTRUによってWTRUのDRXおよび/またはSPS構成を再構成すると解釈される。表示ビットは、WTRUが既存のDRXおよび/もしくはSPS構成を保存して継続すべきか、または、既存の構成を無視すべきかどうかをWTRUに指示するハンドオーバーコマンドに含められる。
【0034】
WTRUは、ターゲットeNBからの第2のシグナリングメッセージの代わりに、あらかじめ定義された基準に基づいて、DRXおよび/またはSPSをいつ(例えば、特定の時間、または、SFNの時点もしくはその後)アクティブにするかを決定することができる。
【0035】
図4で説明した例示的処理については、(文の反復を避けるために)DRXとSPSの両方を一緒にして説明しているが、それらを個別で、SPSから独立したDRXに、DRXから独立したアップリンクSPSおよびダウンリンクSPSに、DRXから独立したダウンリンクSPSもしくはアップリンクSPSに、または、他の任意の機能に適用することが可能であることに留意する。
【0036】
図5は、例示的WTRU510およびeNB520のブロック図である。WTRU510は、eNB520との通信を行い、その両方は、E−UTRANにおいてハンドオーバーを行う方法を実施するように構成されている。典型的なWTRUに見られるコンポーネントに加えて、WTRU510は、送信機512、受信機514、プロセッサ516、メモリ518およびアンテナ519を含む。メモリ518は、オペレーティングシステム、アプリケーション等を含むソフトウェアを格納するために提供される。プロセッサ516は、上記開示の実施形態の1つに従ってハンドオーバーを行う方法を、単独でまたはソフトウェアと関連して行うために提供される。送信機512および受信機514は、プロセッサ516との通信を行う。アンテナ519は、送信機512と受信機514の両方との通信を行って、無線データの送受信を容易にする。
【0037】
典型的なeNBに見られるコンポーネントに加えて、eNB520は、送信機522、受信機524、プロセッサ526およびアンテナ528を含む。プロセッサ526は、上記開示の実施形態の1つに従ってハンドオーバーを行う方法を行うために提供される。送信機522および受信機524は、プロセッサ526との通信を行う。アンテナ528は、受信機524と送信機522の両方との通信を行って、無線データの送受信を容易にする。
実施形態
【0038】
1.ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバーを行うためにWTRUにおいて実施される方法。
【0039】
2.測定報告をソースeNBに送信することを備えることを特徴とする実施形態1の方法。
【0040】
3.ハンドオーバーコマンドを前記ソースeNBから受信することを備えることを特徴とする実施形態2の方法。
【0041】
4.前記ハンドオーバーコマンドを受信した後に、前記ターゲットセルにおいてP−BCHの受信および処理を開始することを備えることを特徴とする実施形態3の方法。
【0042】
5.ランダムアクセスプリアンブルを前記ターゲットeNBに送信することを備えることを特徴とする実施形態4の方法。
【0043】
6.ランダムアクセス応答を前記ターゲットeNBから受信することを備えることを特徴とする実施形態5の方法。
【0044】
7.ハンドオーバー完了のメッセージを前記ターゲットeNBに送信することを備えることを特徴とする実施形態6の方法。
【0045】
8.前記ランダムアクセスプリアンブルは、専用RACHプリアンブルが前記ハンドオーバーコマンド内で示されるという条件で、コンテンションフリー手順を使用して送信されることを特徴とする実施形態5ないし7のいずれか1つにおける方法。
【0046】
9.前記ランダムアクセスプリアンブルは、専用RACHプリアンブルが前記ハンドオーバーコマンド内で全く示されないという条件で、コンテンションベースのRACH手順を使用して送信されることを特徴とする実施形態5ないし7のいずれか1つにおける方法。
【0047】
10.前記P−BCHの受信および処理は、前記ハンドオーバーコマンドを受信した後ただちに開始されることを特徴とする実施形態4ないし9のいずれか1つにおける方法。
【0048】
11.前記P−BCHの受信および処理は、前記ハンドオーバー完了のメッセージを送信した後に開始されることを特徴とする実施形態4ないし9のいずれか1つにおける方法。
【0049】
12.ターゲットセルのSFNがあらかじめ決められた時間期間の後に取得されないという条件で、無線リンクリカバリ手順を開始することをさらに備えることを特徴とする実施形態4ないし11のいずれか1つにおける方法。
【0050】
13.デフォルト構成は、ターゲットセルのSFNが取得されるまで、前記ターゲットセル内で適用されることを特徴とする実施形態4ないし11のいずれか1つにおける方法。
【0051】
14.ソースセル構成は、ターゲットセルのSFNが取得されるまで、前記ターゲットセル内で適用されることを特徴とする実施形態4ないし11のいずれか1つにおける方法。
【0052】
15.ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバーを行うように構成されているWTRU。
【0053】
16.信号を送信するように構成されている送信機を備えることを特徴とする実施形態15のWTRU。
【0054】
17.信号を受信するように構成されている受信機を備えることを特徴とする実施形態15ないし16のいずれかにおけるWTRU。
【0055】
18.測定報告をソースeNBに送信し、ハンドオーバーコマンドを前記ソースeNBから受信し、前記ハンドオーバーコマンドを受信した後に前記ターゲットセルにおいてP−BCHの受信および処理を開始し、ランダムアクセスプリアンブルを前記ターゲットeNBに送信し、ランダムアクセス応答を前記ターゲットeNBから受信し、かつ、ハンドオーバー完了メッセージを前記ターゲットeNBに送信するように構成されているプロセッサを備えることを特徴とする実施形態15ないし17のいずれか1つにおけるWTRU。
【0056】
19.前記プロセッサは、専用RACHプリアンブルが前記ハンドオーバーコマンド内で示されるという条件で、コンテンションフリー手順を使用して前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するように構成されていることを特徴とする実施形態18のWTRU。
【0057】
20.前記プロセッサは、専用RACHプリアンブルが前記ハンドオーバーコマンド内で全く示されないという条件で、コンテンションベースのRACH手順を使用して前記ランダムアクセスプリアンブルを送信するように構成されていることを特徴とする実施形態18のWTRU。
【0058】
21.前記プロセッサは、前記ハンドオーバーコマンドを受信した後ただちに前記P−BCHの受信および処理を開始するように構成されていることを特徴とする実施形態18ないし20のいずれか1つにおけるWTRU。
【0059】
22.前記プロセッサは、前記ハンドオーバー完了メッセージを送信した後に、前記P−BCHの受信および処理を開始するように構成されていることを特徴とする実施形態18ないし20のいずれか1つにおけるWTRU
【0060】
23.前記プロセッサは、ターゲットセルのSFNがあらかじめ決められた時間期間の後に取得されないという条件で、無線リンクリカバリ手順を開始するように構成されていることを特徴とする実施形態18ないし22のいずれか1つにおけるWTRU。
【0061】
24.前記プロセッサは、ターゲットセルのSFNが取得されるまで、前記ターゲットセル内でデフォルト構成を適用するように構成されていることを特徴とする実施形態18ないし22のいずれか1つにおけるWTRU。
【0062】
25.前記プロセッサは、ターゲットセルのSFNが取得されるまで、前記ターゲットセル内でソースセル構成を適用するように構成されていることを特徴とする実施形態18ないし22のいずれか1つにおけるWTRU。
【0063】
特徴および要素は特定の組み合わせで上述したが、各特徴または各要素は、他の特徴および要素を用いずに単独で、または、他の特徴および要素をもつ様々な組み合わせもしくは他の特徴および要素をもたない様々な組み合わせを使用することが可能である。本明細書で提供された方法またはフローチャートは、汎用コンピュータもしくはプロセッサにより実行されるためのコンピュータ可読記憶媒体に組み込まれる、コンピュータプログラム、ソフトウェア、または、ファームウェアに実装することが可能である。コンピュータ可読記憶媒体の例では、ROM(read only memory)、RAM(randam access memory)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスク等の磁気媒体、磁気光媒体、ならびに、CD−ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)等の光媒体を含む。
【0064】
適切なプロセッサは、例を挙げると、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1もしくは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途集積回路(ASIC)、FPGA(Field Programmable Gate Arrays)回路、他の任意のタイプの集積回路(IC)、および/またはステートマシンを含む。
【0065】
ソフトウェアと連動するプロセッサは、無線送受信ユニット(WTRU)、ユーザ機器(UE)、端末、基地局、無線ネットワークコントローラ(RNC)、または、任意のホストコンピュータに使用するための無線周波数送信機を実施するために使用され得る。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、ビデオフォン、スピーカフォン、振動デバイス、スピーカ、マイクロフォン、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、液晶表示(LCD)ディスプレイユニット、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザおよび/または任意の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)もしくは超広帯域(UWB)モジュール等のハードウェア、ならびに/またはソフトウェアに実装されるモジュールとともに使用することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースセルからターゲットセルへのハンドオーバーを行うための無線送信/受信ユニット(WTRU)において実行される方法であって、
前記ソースセルに関連するeNB(evolved Node B)からハンドオーバーコマンドを受信した後に、前記ターゲットセルのP−BCH(primary broadcast channel)の受信および処理を開始するステップと、
ランダムアクセスプリアンブルを前記ターゲットセルに関連するeNBに送信するステップであって、前記ランダムアクセスプリアンブルは、専用RACHプリアンブルが前記ハンドオーバーコマンド内で全く示されないという条件で、コンテンションベースのランダムアクセスチャネル(RACH)手順を使用して送信される、ステップと、
ランダムアクセス応答を前記ターゲットに関連する前記eNBから受信ステップと、
ハンドオーバー完了のメッセージを前記ターゲットに関連する前記eNBに送信するステップと、
前記ターゲットセルのシステムフレーム番号(SFN)が必要ないように、前記ターゲットセルの前記SFNを取得するのに先立って、動作の第1のモードを適用するステップと、
前記ターゲットセルの前記SFNを取得すると動作の第2のモードを適用するステップであって、前記動作の第2のモードは、前記ターゲットセルの前記SFNを利用する、ステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ランダムアクセスプリアンブルは、専用ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルが前記ハンドオーバーコマンド内で示されるという条件で、コンテンションフリー手順を使用して送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記P−BCHの受信および処理は、前記ハンドオーバーコマンドを受信した後ただちに開始されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ハンドオーバーコマンドを受信することに応答して、媒体アクセス制御(MAC)
をリセットするステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲットセルの前記SFNがあらかじめ決められた時間期間の後に前記ターゲットeNBから取得されないという条件で、無線リンクリカバリ手順を開始するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−34229(P2013−34229A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221315(P2012−221315)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2011−516648(P2011−516648)の分割
【原出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】