説明

EPDドライバIC用の不揮発性メモリ内のユーザプログラム可能グラフィックス

【課題】ホストプロセッサのメモリストレージおよび計算労力を節約するために内部不揮発性メモリを有するディスプレイドライバのシステムおよび方法。
【解決手段】本ディスプレイドライバは、電子ペーパーディスプレイについて適用される。ディスプレイドライバ内には、ユーザ定義可能なディスプレイグラフィックスビットマップ、複雑なディスプレイイメージをアセンブルするのに使用される複数の記憶されたビットマップ、および複数のフェーズテーブルが含まれ、各テーブルは、任意の長さを有する。本ホストプロセッサは、ディスプレイイメージおよび/または数値データのディスプレイイメージデコードを記憶する要件を除去し、記憶されたビットマップからディスプレイイメージを構成するのに必要なプロセスを簡単化する。さらに、事前にプログラムされる複数のフェーズテーブルを提供し、簡単な機構が、温度変動、イメージの更新の前のディスプレイのブランキングなどに対処するのに必要な、波形生成を変更することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にはディスプレイドライバに関し、より具体的には、受動的にセグメント化された電子ペーパーディスプレイ(EPD)ドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペーパーディスプレイ、イーペーパー(イーペーパー)ディスプレイ、または電子インクディスプレイは、通常の紙の上のインクの外見を模倣するように設計されたディスプレイ技術である。その画素を照らすのにバックライトを使用する従来のフラットパネルディスプレイとは異なって、電子ペーパーは、通常の紙のように光を反射し、イメージを後に変更することを可能にしながら、電子的に描くことなくいつまでもテキストおよびイメージを保持することができる。
【0003】
イーペーパーを作るために、複数の異なる技術が存在し、その一部は、プラスチック基板およびエレクトロニクスを使用し、その結果、ディスプレイが柔軟になる。イーペーパーは、従来のディスプレイより読むのが快適であると考えられる。これは、常にリフレッシュされる必要がない安定したイメージ、より広い視野角、およびイーペーパーがそれ自体の光を発するのではなく環境光を反射するという事実に起因する。イーペーパーディスプレイを、イメージフェーディングなしで直射太陽光の下で読むことができる。軽量で耐久性のあるイーペーパーは、現在、カラーディスプレイを提供することができる。入手可能なディスプレイでのコントラスト比は、新聞のコントラスト比に近いと説明することができる。
【0004】
たとえばSolomon Systech Limited社のTri−Level Generic Display Driver SSD1623などの現在の受動セグメント化された電子ペーパーディスプレイ(EPD)ドライバは、表示されるイメージデータがコントローラマイクロプロセッサによって生成されることを必要とする。例として、従来技術のバイレベルEPDドライバについて、ホストプロセッサは、OLD/NEW(旧/新)データをフェーズ/遅延波形要件と組み合わせることによって、完全なドライブ波形を生成しなければならない。
【0005】
他のより新しいEPDドライバは、フェーズ/遅延波形を記憶するためにいくらかの内部OTP(1回プログラム可能)不揮発性メモリを含むが、完全なドライブ波形を生成するために、OLD/NEWデータをホストプロセッサからロードすることを必要とする。
【0006】
ホストプロセッサがディスプレイイメージおよび/または数値データのディスプレイイメージデコードを記憶する要件を除去すること、記憶されたビットマップからディスプレイイメージを構成するのに必要なプロセスを簡単化すること、および事前にプログラムされた複数のフェーズテーブル(簡単な機構が波形生成を変更することを可能にするフェーズ/遅延波形定義)を提供することが、EPDドライバの設計者にとっての難題である。
【0007】
EPDドライバを扱う解決策は、次の特許に記載されている。
Barclay他の米国特許出願公告第2009/0109468号は、印刷文書を電子ペーパーディスプレイに表示するためのポータブルペーパーレス電子プリンタを開示する。このペーパーレス電子プリンタは、コンピュータ化された電子デバイスのプリンタドライバの出力から印刷データを受け取る入力と、紙に印刷された時の前記文書ページを模倣するために前記文書ページの記憶された前記印刷データの電子ペーパーディスプレイを
提供する不揮発性電気泳動ディスプレイと、前記入力、不揮発性メモリ、および前記不揮発性電気泳動ディスプレイに結合され、前記印刷データを入力し、前記印刷データから導出された前記データを前記不揮発性メモリ内に記憶し、前記記憶されたデータから導出された前記文書ページを表示するためのデータを前記不揮発性電気泳動ディスプレイに提供するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0008】
Matsuo他の米国特許第6,906,705号は、高い動作性能を有する電子ペーパーファイルの提供を提案する。電子ペーパーファイルは、柔軟なディスプレイ媒体の電子ペーパーと、複数の電子ペーパーを取り付け可能なカバーとを含むと仮定される。この発明では、第1記憶手段が、電子ペーパーに表示すべきディスプレイデータを記憶する。第1ディスプレイ制御手段が、ページ選択手段によって選択された所望のページに対応するディスプレイデータを第1記憶手段から入手し、その後、それらを電子ペーパー上に表示する。したがって、電子ペーパーの膨大なページが電子ペーパーファイルに取り付けられない場合であっても、この発明は、百科事典データまたは論文データなどの大量データの全体を表示することができる。したがって、電子ペーパーファイルの動作性能を改善することが可能である。
【0009】
Stevens他の米国特許出願第2004/0041785号は、電子ペーパーの方法およびシステムを提案する。一実施形態によれば、電子ペーパードライバは、提供され、アプリケーションから第1フォーマットで文書を受け取り、第1フォーマットの文書を電子ペーパーでのディスプレイをレンダリングするのに使用できる第2フォーマットに変換するように構成される。
【0010】
さらに、Solomon Systech Limited社のTri−Level Generic Display Driver SSD1623のデータシートは、コントローラを有するCMOS汎用ドライバを説明する。SD1623は、ハードウェアアドレスマップセッティングピンを有するSPIインターフェースを備え、複数のSD1623を同一のSPIバスに接続することを可能にし、使用可能なセグメント数を増やす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公告第2009/0109468号
【特許文献2】米国特許第6,906,705号
【特許文献3】米国特許出願第2004/0041785号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Solomon Systech Limited社のTri−Level Generic Display Driver SSD1623のデータシート
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主な目的は、関連するホストコンピュータの最小限のメモリストレージおよび計算労力を必要とするディスプレイドライバを達成することである。
本発明のさらなる目的は、関連するホストコンピュータの最小限のメモリストレージおよび計算労力を必要とする電子ペーパーディスプレイドライバを達成することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、ビットマップおよびフェーズテーブルを記憶する内部不揮発性メモリを有するディスプレイドライバを達成することである。
本発明のさらなる目的は、記憶されたビットマップからディスプレイイメージを構成す
るのに必要なプロセスを簡単化することである。
【0015】
さらに、本発明の目的は、簡単な機構が波形生成を変更することを可能にする複数のフェーズテーブルを提供することである。
さらに、本発明の目的は、充電ポンプおよびセグメント出力を制御する内部シーケンサを展開することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的に従って、ホストプロセッサのメモリストレージおよび計算労力を節約するディスプレイドライバの方法が達成された。発明された方法は、まず、(1)不揮発性メモリ、DC−DCコンバータおよびセグメント出力を制御するディスプレイシーケンサ、ならびにNEWディスプレイデータおよびOLDディスプレイデータを記憶するレジスタを含むディスプレイドライバICを提供するステップと、(2)フェーズテーブルデータおよびディスプレイグラフィックスビットマップを不揮発性メモリに記憶するステップと、(3)表示されるイメージデータを作成するためにアイコンデータを選択するステップとを含む。さらに、発明された方法は、(4)必要な波形のフェーズテーブルデータを選択すること、(5)ディスプレイ波形を生成するために以前に選択されたアイコンデータにフェーズテーブルデータを適用すること、(6)イメージデータを表示するためにセグメント出力を駆動することを含む。
【0017】
本発明の目的に従って、ホストプロセッサのメモリストレージおよび計算労力を節約するディスプレイドライバが達成される。発明されたディスプレイドライバは、まず、不揮発性メモリと、充電ポンプおよびセグメント出力を制御するシーケンサを含むディジタルブロックと、イメージのディスプレイを駆動する電力を提供する前記充電ポンプを含むアナログ回路網とを含む。さらに、このディスプレイドライバは、前記充電ポンプおよびアナログ回路網を含む回路ブロックと、セグメント出力をディスプレイに提供する高電圧出力ブロックと、NEWディスプレイデータおよびOLDディスプレイデータが保持され、フェーズデコードが実行される、レジスタの配置とを含む。最後に、このディスプレイドライバは、インターフェースブロックを含む。
【0018】
この説明の関連部分を形成する添付図面では、次が示される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】データ処理の観点から、発明されたEPDドライバの輪郭を示す構造化流れ図である。
【図2】発明されたEPDドライバの好ましい実施形態の内部構造を示すブロック図である。
【図3】7セグメントタイプディスプレイを使用する、発明されたEPDドライバに接続される簡単なEPDディスプレイを示す図である。
【図4】OTPメモリがどのようにプログラムされるのかを示すOTPメモリマップを示す図である。
【図5】フェーズ「ティック」クロックおよび2つのフェーズを有する結果のフェーズ期間を示す図である。
【図6】ホストプロセッサのメモリストレージおよび計算労力を節約するディスプレイドライバの、発明された方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
トライボルテージ(tri−voltage)EPDディスプレイドライバのシステムおよび方法を説明する。本発明の好ましい実施形態は、2つのカスケード接続されたドライバを用いて合計192個のセグメントを駆動するためにマスタ/スレーブ配置として構
成可能な96個のセグメント出力を有する。このデバイスは、±15Vの集積された充電ポンプ、内部フェーズテーブル生成、および使い易さのためのパネルグラフィックスデコーディングを含む。インターフェースは、ピン選択可能IC(Inter Integrated Circuit:内部集積回路)または4ワイヤSPI(serial peripheral interface:シリアル周辺インターフェース)である。
【0021】
図1に、データ処理の観点から、発明されたEPDドライバの輪郭を示す構造化流れ図を示す。入力コマンド1は、「アイコン」データ2を選択するか、表示されるイメージデータを作成するために一緒にORをとられる複数の「アイコン」データ2を選択する。「アイコン」データとは、表示されるイメージデータのビットマップ表現である。必要なディスプレイ波形を生成するために、データビット遷移ごとのマッピング情報および波形のセグメントごとのドウェルタイムを含むフェーズテーブルデータ3が選択される。
【0022】
図2に、発明されたEPDドライバの好ましい実施形態の内部構造のブロック図を示す。図2に示されたすべてのコンポーネントが、1つのダイの中に集積される。EPDドライバ20は、内部OTP(One Time Programmable:1回プログラム可能、たとえばEPROM)メモリ21を含み、この内部OTPメモリ21は、好ましい実施形態では2Kバイトを有し、32バイトがトリムおよびレジスタセットアップ用に予約される。ユーザエリアは、フェーズテーブルおよびパネルグラフィックスデータを含む。複数の事前にプログラムされたフェーズテーブルをOTPメモリ21に記憶することができ、簡単な機構が波形生成を変更することが可能になる。波形生成のそのような変更は、たとえば温度変動、イメージを更新する前のディスプレイのブランキングなどに関して必要である。OTPメモリ21のディジタル構造は、EPDドライバ20のユーザが、フェーズテーブルとデータパターンとの両方をOTPメモリ21内で定義することを可能にし、その結果、ディジタルシーケンス制御ブロック25の処理が、最小限に保たれるようになる。OTPメモリの他のサイズも可能である。
【0023】
内部OTPメモリ21は、ディスプレイグラフィックスデータとフェーズテーブルデータ(ディスプレイ波形定義)との両方を記憶している。どのような不揮発性メモリでも、この目的に適用可能である。内部OTPメモリ21を、パネルアプリケーションに応じて、固定「アイコン」イメージまたは数値デコードイメージの両方を記憶するために、その/任意のエンドユーザによって事前にプログラムすることができる。記憶された「アイコン」イメージは、セグメントドライバ出力に対するデータビットの直接の1対1対応を有し、この1対1対応は、すべてのEPDパネル設計およびセグメント割当に対処するための完全な自由を可能にする。
【0024】
さらに、EPDドライバ20は、LDO 22ならびにアナログおよび充電ポンプブロック23を含む。アナログおよび充電ポンプブロック23は、パワーオンリセット(POR)パルスのジェネレータ、内部バイアス電流ジェネレータ、バンドギャップ電圧源、バンドギャップフィルタ、充電ポンプおよびEPDドライバの論理部分の除算器用の高周波数クロック、マルチステージ充電ポンプ、ならびに高電圧(HV)出力ブロック24用の種々の内部カスコード電圧を生成する内部バイアス電圧ジェネレータを含む。好ましい実施形態では、HV出力ブロック24は、約±15Vの範囲内で動作し、出力電圧の他の範囲も可能である。アナログおよび充電ポンプブロック23は、追加コンポーネントを含むこともできる。
【0025】
シーケンサおよび制御ブロック25は、EPDドライバ20の動作を制御するディジタルブロックである。シーケンサおよび制御ブロック25は、たとえばディスプレイ制御、OTPメモリ21からのフェーズデータロード、およびOTPメモリ21からのデータパターンロードを実行する、主シーケンサおよびステートマシンを含む。他の機能、たとえ
ばトリム機能およびテスト機能を、ステートマシンによって実行することもできる。他のデータ処理手段、たとえば、マイクロプロセッサを、シーケンサおよび制御ブロック25に使用することもできる。
【0026】
さらに、EPDドライバ20は、単一バイトコマンドとマルチバイトコマンドとの両方を可能にするIC/SPIインターフェースブロック26を含む。さらに、EPDドライバ20は、レジスタの配置、特に、表示されるデータを含むNEW/OLDレジスタ27を含む。
【0027】
ディスプレイイメージを変更するために、ディスプレイ波形は、現在の(一般に「OLD」と呼ばれる)ディスプレイイメージデータと「NEW」ディスプレイイメージデータとの両方を必要とする。これは、ディスプレイ波形生成が、黒/白および白/黒から変化するセグメントと黒および白のいずれかで変化しないままになるセグメントとの両方に対処することを可能にする。
【0028】
本発明が、黒/白EPDに適用可能であるのみならず、「カラー」EPDペインにも適用されることに留意されたい。相違は、使用されるEPDインクの染料の色である。
ホストプロセッサは、ユーザがOLDデータおよびNEWデータを定義することを可能にする、発明されたEPDドライバ内で実施される8つのコマンドを有する。
【0029】
【表1】

【0030】
ホストプロセッサすなわち、EPDドライバICと通信するシステムコントローラに対する制約は、ホストプロセッサがIC要件およびSPI要件に従う通信プロトコルを有する限り、ない。EPDドライバICを制御するコマンドは、ホストプロセッサから開始される。EPDドライバICは、本質的に「ダンプ」周辺機器であり、インターフェース通信を開始することが全くできない。
【0031】
これは、ユーザが、ホストプロセッサまたは指定されたOTPアドレスのいずれかからデータをロードすることを可能にする。その後、ユーザは、データをNEW/OLDレジスタに直接にロードする(以前に記憶されたデータを置換する)か、NEW/OLDレジスタへのデータの論理「OR」を実行する(以前に記憶されたデータに追加する)かのいずれかを行うことができる。ホストプロセッサからデータを供給する時には、送られるバイト数は、接続されたEPDパネルサイズに依存し、これは、通信データ長を最小限に保つために行われる。
【0032】
たとえば、EPDディスプレイドライバは、携帯電話機のプログラマブルキーボード凡例を生成するのに使用され、携帯電話機の使用に応じて、キーボード凡例は、現在の状況に対応するために、たとえば電話番号入力用の数字キー、テキスト入力用のアルファベットキーなどに変化する。この例では、ユーザは、キー凡例ビットマップをOTPメモリ内の異なるアドレスに事前にプログラムする。表示されるキーボード凡例を変更するために、ホストプロセッサは、必要な凡例を含むOTPアドレスからNEWレジスタにロードするコマンドを発行する。その後、EPDディスプレイドライバを、所与のOTPアドレスの定義されたフェーズテーブルを使用してディスプレイ波形シーケンスを開始し、その波
形シーケンスの終りに、NEWレジスタをOLDレジスタにコピーし、次のディスプレイコマンドの準備ができているようになるように構成することができる。
【0033】
第2の例として、ユーザは、2進化10進数(BCD)からの複数桁に関する7セグメントディスプレイデコードを必要とする。これは、BCDセグメントデコードのそれぞれをOTPメモリ内で別々に記憶すること、その後、「新しいOTPアドレスのORをとる」コマンドを使用してディスプレイイメージを構築することによって管理される。「OTP LOAD NEW」コマンドおよび「OTP OR NEW」コマンドを使用することによって、新しいディスプレイイメージを構築することができる。これは、7セグメントタイプディスプレイが使用される時に特に有用である。というのは、各桁のデコードを、簡単な算術によってアドレッシングできるからである。7セグメントタイプのディスプレイだけを本発明と共に使用できるのではなく、他の個数のセグメントを有するディスプレイも使用できることは、明白である。
【0034】
上の例を例示するために、図3は、7セグメントタイプディスプレイを使用する、発明されたEPDドライバに接続される簡単なEPDディスプレイを示す。発明されたディスプレイドライバが、他の個数のセグメントをサポートすることもできることに留意されたい。
【0035】
図4は、OTPメモリがどのようにプログラムされるのかを示すOTPメモリマップを示し、フェーズテーブルが、アドレス「0x00」にあり、23個の記憶されたパネルグラフィックス(それぞれ24バイト長)が、アドレス0x0B8から始まる。
【0036】
図3および4は、非限定的な例であり、記憶されるパネルグラフィックスの個数および長さは、その代わりに、図示の例とは異なることができる。
本発明は、ホストプロセッサがディスプレイイメージおよび/または数値データのディスプレイイメージデコードを記憶するという要件を除去し、記憶されたビットマップからディスプレイイメージを構成するのに必要なプロセスを簡単にする。さらに、本発明は、事前にプログラムされる複数のフェーズテーブル(フェーズ/遅延波形定義)を提供し、簡単な機構が、たとえば温度変動、イメージの更新の前のディスプレイのブランキングなどに対処するのに必要な、波形生成を変更することを可能にする。
【0037】
各フェーズテーブルは、任意の長さを有し、ここで、各フェーズ遅延は、好ましい実施形態では1から31個までの「ティック」の選択されたステップを有する。図5に、10msの長さを有するフェーズ「ティック」クロックを示す。プログラム可能な「ティック」長は、通常、好ましい実施形態では5msと15msとの間で変更することができる。プログラム可能な「ティック」長の他の範囲、たとえば、最小約3msおよび最大約17msの範囲も、可能である。さらに、図5は、2つのフェーズすなわち、+15Vの電圧レベルおよびたとえば17フェーズ「ティック」サイクル(または図5の10msティック長によれば170ms)の長さを有する第1フェーズ1と、−15Vの電圧レベルおよびたとえば3フェーズ「ティック」サイクル(または30ms)の長さを有するフェーズ2とを有する結果のフェーズ期間を示す。フェーズ期間は、
フェーズ期間=電圧期間×ティッククロックサイクル数
になる。
【0038】
要約すると、本発明の主要なポイントは、
・制約を一切伴わずにディスプレイ上のどこにでも配置できる、内部で不揮発性メモリに記憶されるユーザ定義可能なディスプレイグラフィックスビットマップ、ただし、このビットマップは、直接にロードされるか、新しいディスプレイイメージを作成するためにディスプレイデータと「OR」をとられるかのいずれかとすることができる。
【0039】
・複雑なディスプレイイメージをアセンブルするのに使用される、内部で不揮発性メモリに記憶される複数の記憶されたビットマップ。
・各フェーズ遅延が好ましい実施形態では1から31までの「ティック」の選択されたステップを有する、内部で不揮発性メモリに記憶され、各テーブルが任意の長さを有する複数のフェーズテーブル。
【0040】
・NEWデータは、ディスプレイシーケンスが完了する時にOLDデータに転送される。
・内部ディスプレイシーケンサは、充電ポンプおよびセグメント出力を制御する。
【0041】
代替案では、±15Vを生成する他のDC−DCコンバータを使用することもできる。たとえば、ブーストコンバータ(外部インダクタを有する)の使用は、十分であるが、より多くの外部コンポーネントを必要とするはずである。外部容量性DC/DCコンバータも可能であるはずである。
【0042】
本発明を、EPDディスプレイドライバだけではなく、複数の他のディスプレイ技術にも適用できることに留意されたい。
固定された「アイコン」イメージまたはたとえばLCD、LED、OLEDなど、一緒にORされる複数の「ピクチャ」から作られるイメージを必要とするすべてのディスプレイ技術は、本発明に適用可能である。±15Vの生成およびディスプレイを駆動するシーケンサの詳細は、主にEPD技術に関する。
【0043】
図6に、ホストプロセッサのメモリストレージおよび計算労力を節約するディスプレイドライバの方法の流れ図を示す。第1ステップ60は、不揮発性メモリ、DC−DCコンバータおよびセグメント出力を制御するディスプレイシーケンサ、ならびにNEWディスプレイデータおよびOLDディスプレイデータを記憶するレジスタを含むディスプレイドライバICの提供を記述する。次のステップ61は、フェーズテーブルデータおよびディスプレイグラフィックスビットマップを不揮発性メモリに記憶することを表す。次のステップ62は、表示されるイメージデータを作成するためにアイコンデータを選択することを示す。ステップ63は、必要な波形のフェーズテーブルデータを選択することを記述する。ステップ64は、ディスプレイ波形を生成するために、以前に選択されたアイコンデータにフェーズテーブルデータを適用することを開示する。最後のステップ65は、イメージデータを表示するためにセグメント出力を駆動することを示す。
【0044】
本発明を、その好ましい実施形態を参照して具体的に示し、説明したが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに形態および詳細における種々の変更を行えることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストプロセッサのメモリストレージおよび計算労力を節約するディスプレイドライバの方法であって、
(1)不揮発性メモリ、DC−DCコンバータおよびセグメント出力を制御するディスプレイシーケンサ、ならびにNEWディスプレイデータおよびOLDディスプレイデータを記憶するレジスタを含むディスプレイドライバICを提供するステップと、
(2)フェーズテーブルデータおよびディスプレイグラフィックスビットマップを前記不揮発性メモリに記憶するステップと、
(3)表示されるイメージデータを作成するためにアイコンデータを選択するステップと、
(4)必要な波形のフェーズテーブルデータを選択するステップと、
(5)ディスプレイ波形を生成するために以前に選択されたアイコンデータにフェーズテーブルデータを適用するステップと、
(6)イメージデータを表示するためにセグメント出力を駆動するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ディスプレイは、電子ペーパーディスプレイである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子ペーパーディスプレイは、カラー電子ペーパーディスプレイである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記イメージデータは、前記メモリに記憶された事前定義のビットマップからのロード機能によって構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記イメージデータは、ディスプレイデータとの論理OR機能によって構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数の記憶されたビットマップを、複雑なディスプレイイメージをアセンブルするのに使用することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
複数のフェーズテーブルを、前記不揮発性メモリに記憶することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フェーズテーブルは、任意の長さを有することができる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
各フェーズステップは、可変遅延を有することができる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
各フェーズステップは、1ティックと31ティックとの間の遅延を有することができる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ティックは、プログラム可能な長さを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記プログラム可能な長さは、最小約3msと最大約17msとの範囲内である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ホストプロセッサは、前記ディスプレイドライバ内で実施される複数のコマンドを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のコマンドは、新しいデータをロードする、新しいデータの論理ORをとる、
古いデータをロードする、および古いデータの論理ORをとることを含み、これらのコマンドのそれぞれは、ホストプロセッサまたは前記不揮発性メモリのいずれかを参照する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
2進化10進数は、7セグメントディスプレイにデコードされる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
不揮発性メモリと、
充電ポンプおよびセグメント出力を制御するシーケンサを含むディジタルブロックと、
イメージのディスプレイを駆動する電力を提供する前記充電ポンプを含むアナログ回路網と、
前記充電ポンプおよびアナログ回路網を含む回路ブロックと、
セグメント出力を前記ディスプレイに提供する高電圧出力ブロックと、
NEWディスプレイデータおよびOLDディスプレイデータが保持され、フェーズデコードが実行される、レジスタの配置と、
インターフェースブロックと、
を含む、ホストプロセッサのメモリストレージおよび計算労力を節約するディスプレイドライバ。
【請求項17】
前記ディスプレイは、電子ペーパーディスプレイである、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項18】
前記電子ペーパーディスプレイは、カラー電子ペーパーディスプレイである、請求項17に記載のディスプレイドライバ。
【請求項19】
前記不揮発性メモリは、2Kバイトの容量を有する、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項20】
前記メモリは、ビットマップおよびフェーズテーブルを記憶する、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項21】
前記インターフェースブロックは、ICインターフェースを含む、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項22】
前記インターフェースブロックは、SPIインターフェースを含む、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項23】
DC−DCコンバータは、セグメント出力ピン用の高電圧を生成する、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項24】
アナログ回路網は、パワーオンリセット(POR)パルスのジェネレータ、内部バイアス電流ジェネレータ、バンドギャップ電圧源、バンドギャップフィルタ、充電ポンプおよびEPDドライバの論理部分の除算器用の高周波数クロック、マルチステージ充電ポンプ、ならびに高電圧(HV)出力ブロック用の種々の内部カスコード電圧を生成する内部バイアス電圧ジェネレータを含む、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項25】
前記インターフェースブロックは、単一バイトコマンドとマルチバイトコマンドとの両方を可能にする、請求項16に記載のディスプレイドライバ。
【請求項26】
前記ディジタルブロックは、ステートマシンを含む、請求項16に記載のディスプレイ
ドライバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−221533(P2011−221533A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−85440(P2011−85440)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(502281138)ディアローク・セミコンダクター・ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】