EUV照明均一性二重補正システムおよび方法
【課題】照明ビーム均一性ドリフトを補償するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】
均一性補正システムを含むリソグラフィ装置が開示される。
本発明のある実施形態によると、放射ビームを調整するよう構成された照明システムを含むリソグラフィ装置が提供される。照明システムは、放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受け取るよう構成された面上に設置される均一性補正システムを備える。均一性補正システムはフィンガと、作動デバイスとを含む。フィンガは、放射ビームの各部分の照度を補正するよう放射ビームとの交差の内側へおよび外側へと移動可能に構成される。作動デバイスは、フィンガのうちの対応する一つに結合され、対応するフィンガを動かすよう構成される。
【解決手段】
均一性補正システムを含むリソグラフィ装置が開示される。
本発明のある実施形態によると、放射ビームを調整するよう構成された照明システムを含むリソグラフィ装置が提供される。照明システムは、放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受け取るよう構成された面上に設置される均一性補正システムを備える。均一性補正システムはフィンガと、作動デバイスとを含む。フィンガは、放射ビームの各部分の照度を補正するよう放射ビームとの交差の内側へおよび外側へと移動可能に構成される。作動デバイスは、フィンガのうちの対応する一つに結合され、対応するフィンガを動かすよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリソグラフィ装置および照明均一性補正システムに関する。本発明は概してリソグラフィに関し、特に、例えば照明ビームの移動、光カラム(optical column)均一性、均一性補償器ドリフト等に起因する均一性ドリフトを補償するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に転写する機械である。リソグラフィ装置は例えば集積回路(IC)の製造に用いられ得る。この場合、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に対応する回路パターンを作成することができる。このパターンを、放射感応性材料(レジスト)層を有する基板(例えばシリコンウエハ)上のターゲット部分(例えばダイの一部、1つまたは複数のダイを含む)に結像することができる。一般に一枚の基板にはネットワーク状に隣接する一群のターゲット部分が含まれ、これらは連続的に露光される。公知のリソグラフィ装置にはいわゆるステッパとスキャナとが含まれる。ステッパにおいては、ターゲット部分にパターン全体が一度に露光されるようにして各ターゲット部分は照射を受ける。スキャナにおいては、所与の方向(「走査」方向)にビームによりパターンを走査するとともに基板をこの方向に平行または逆平行に同期して走査するようにして各ターゲット部分は照射を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
典型的にはリソグラフィ装置は照明システムを含む。照明システムは、放射源によって生成された放射がパターニングデバイスに入射する前にその放射を調整する。放射システムは例えば、偏光および/または放射モードなどの放射の性質のうちの一つ以上を調整してもよい。放射システムは均一性補正システムを含んでもよい。均一性補正システムは、例えば照度の非均一性などの放射中に存在する非均一性を補正し、または軽減するよう構成される。均一性補正デバイスは、照度のばらつきを補正するために放射ビームの縁部に挿入される作動されたフィンガを用いてもよい。しかしながら、補正可能な照度のばらつきの空間的周期の幅は、均一性補正システムのフィンガを動かすために用いられる作動デバイスのサイズに依存する。さらに場合によっては、放射ビームの不規則性を補正するために用いられるフィンガのサイズまたは形が変更されると、均一性補正システムは、例えば放射ビームによって形成される瞳等の放射の一つ以上の性質を望ましくない方法で妥協することで解決し、または変更することがある。
【0004】
リソグラフィは集積回路(IC)並びに他のデバイス及び/または構成を製造する際の重要なプロセスのひとつとして広く認識されている。リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板、例えば基板のターゲット部分等に転写するリソグラフィにおいて用いられる機械である。リソグラフィ装置を用いたICの製造においては、(マスクまたはレチクルとも呼ばれる)パターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に形成されるべき回路パターンを作成することができる。このパターンが、基板(例えばシリコン基板)上のターゲット部分(例えば1つまたは複数のダイ、またはダイの一部を含む)に転写されうる。パターンの転写は典型的には、基板に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層へのイメージングを介して行われる。一般に一枚の基板にはネットワーク状に隣接する一群のターゲット部分が含まれ、これらは連続的にパターン形成される。ICの製造コストを低減するため、通例として各ICの複数の基板が露光される。同様に、通例、リソグラフィ装置はほぼ常時使用される。すなわち、あらゆるタイプのICの製造コストを最小限に抑えるため、基板の露光の間のアイドル時間もまた最小限に抑えられる。それ故リソグラフィ装置は熱を吸収し、熱により装置の構成要素の膨張が引き起こされ、ドリフト、移動、および均一性の変化の要因となる。
【0005】
パターニングデバイスおよび基板の優れたイメージング品質を確保するため、照明ビームの制御された均一性が維持される。すなわち、パターニングデバイスにおいて反射されまたはパターニングデバイスを透過する前の照明ビームは、不均一な照度プロファイルを有する可能性がある。リソグラフィプロセス全体において、照明ビームが少なくともある程度の均一性で制御されることが望ましい。均一性とは、照明ビーム全体にわたる一定照度を指すこともあり、また照明をターゲット照明に制御する能力を指すこともある。ターゲット照明の均一性は、平坦な(flat)または非平坦なプロファイルを有する。パターニングデバイスは放射ビームにパターンを付与し、このパターン付与された放射ビームは基板上に結像される。この投影された放射ビームのイメージ品質は、照明ビームの均一性の影響を受ける。
【0006】
市場は、製造能力を最大化してデバイスあたりのコストを低く抑えるために、リソグラフィ装置が可能な限り効率的にリソグラフィプロセスを行うことを要求する。これは製造上の欠陥を最小限に抑えることを意味する。この理由から照明ビームの均一性の影響を実用的な範囲で最小限にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書又はその他で特定されるひとつ以上の課題を克服する、又は軽減するリソグラフィ装置および方法を提供することが望まれる。
【0008】
本発明のある実施形態によると、放射ビームを調整するよう構成された照明システムを含むリソグラフィ装置が提供される。照明システムは、放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受け取るよう構成された面上に設置される均一性補正システムを備える。均一性補正システムはフィンガと、作動デバイスとを含む。フィンガは、放射ビームの各部分の照度を補正するよう放射ビームとの交差の内側へおよび外側へと移動可能に構成される。作動デバイスは、フィンガのうちの対応する一つに結合され、対応するフィンガを動かすよう構成される。
【0009】
本発明のある実施形態によると、各フィンガの先端(tip)の幅は、その先端を動かすよう構成される作動デバイスの幅よりも大きい。
【0010】
一実施形態では、リソグラフィ装置はさらに、サポート構造、基板テーブル、および投影システムを含む。このサポートデバイスは、調整された放射ビームの断面にパターンを付与するよう構成されるパターニングデバイスを保持するよう構成される。基板テーブルは、基板を保持するよう構成される。投影システムは、パターン付与された放射ビームを基板のターゲット部分に投影するよう構成される。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、以下のステップを備えるリソグラフィ方法が提供される。(1)放射ビームを第1の面においてフォーカスさせ、第1の面において実質的に一定な瞳を作るステップ。(2)第1の面の近傍に位置するフィンガを放射のビームの経路の内へおよび外へと動かすことにより、第1の面の近傍で放射ビーム照度を調整するステップ。ここで、各フィンガの先端(tip)の幅は、各対応するフィンガを動かすのに用いられる対応する作動デバイスの幅よりも大きい。(3)放射ビームにパターンを付与するために放射ビームをパターニングデバイスへと導くステップ。(4)パターン付与されたビームを基板に投影するステップ。
【0012】
添付の図面を参照して以下に、本発明のさらなる特徴および利点が本発明の種々の実施の形態の構成および動作と共に詳述される。本発明は本明細書で説明される特定の実施の形態に限定されないことを注記しておく。そのような実施の形態は本明細書では例示のみを目的として提示される。本明細書に含まれる教示に基づいた追加的な実施の形態は、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明を説明し、さらに詳細な説明と共に本発明の原理を説明するのに役立ち、また当業者が本発明を利用することを可能にするものである。
【図1】図1Aおよび1Bはそれぞれ 、均一性補償器と、関連づけられたセンサとを有する反射型および透過型リソグラフィ装置を示す図である。
【図2】極端紫外(EUV)リソグラフィ装置の例を示す図である。
【図3】照明ビームスリットに関する均一性補償器の例を示す図である。
【図4】照明ビームスリットの例を示す図である。
【図5】図5Aおよび5Bは、均一性補償器を含む反射型リソグラフィシステムの例を示す図である。
【図6】図6Aおよび6Bは、均一性補償器の例を示す図である。
【図7】均一性補償器の例の三次元モデルを示す図である。
【図8】均一性補償器の例においてフィンガの動きを制御するメカニズムの切欠図である。
【図9】図9Aおよび9Bは、それぞれ4mmおよび2mmピッチの重なり合うフィンガを有する均一性補償器の例を示す図である。
【図10】図10A〜10Dは、均一性補償システムの例の重なり合うフィンガを示す図である。
【図11】実施例にかかる4mmピッチの均一性補償システムの均一性誤差パフォーマンスを示す図である。
【図12】実施例にかかる2mmピッチの均一性補償システムの均一性誤差パフォーマンスを示す図である。
【図13】均一性リフレッシュのフローを示す図である。
【図14】均一性リフレッシュと(必須でない)オフライン較正の組み合わせである一般化されたメインフローを示す図である。
【図15】本発明の実施形態またはその一部がコンピュータ可読コードとして実装されうるコンピュータシステム1500の例を示す図である。
【0014】
図面と共に以下の詳細な説明によって、本発明の特徴および利点がより明らかとなるであろう。図面では一貫して、類似の参照符号は対応する要素を示す。図面では、類似の参照番号は一般に、同一の、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。ある要素が最初に現れる図面は、対応する参照番号において最も左の一以上の桁によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、例えば照明ビームの移動、光カラムの均一性、均一性補償器ドリフト等に起因する均一性ドリフトを補償する均一性補償器を用いる方法を対象とする。この明細書は、本発明の特徴を組み込んだ一以上の実施形態を開示する。開示された実施の形態は本発明の例示にすぎない。本発明の範囲は開示された実施の形態に限定されない。本発明は添付の請求項により定義される。
【0016】
説明される実施の形態および本明細書において「一実施形態」、「実施の形態」「実施例」などと指し示されるものは、説明される実施の形態が特定の特徴、構造、または特質を含んでいてもよいが、すべての実施の形態がその特定の特徴、構造、または特質を必ずしも含んでいなくてもよいことを示す。さらにまた、そのような文言は必ずしも同じ実施の形態を指すものではない。さらに、特定の特性、構造、または特徴をある実施の形態に関して説明するとき、明示的に説明するか否かにかかわらず、他の実施の形態に関してそのような特定の特性、構造、または特徴を作用させることは、当業者の知識の範囲内であるとして理解すべきである。
【0017】
しかしながら、そのような実施の形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施の形態が使用されうる例示的な環境を提示しておくことは有益である。
I.リソグラフィ環境の例
A.反射型および透過型リソグラフィシステムの例
【0018】
図1Aおよび1Bはそれぞれ、リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100'を模式的に示す図である。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100'はそれぞれ、放射ビームB(例えばDUVまたはEUV放射)を調節する照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク、レチクル、またはダイナミックパターニングデバイス)MAを支持し、パターニングデバイスを正確に位置決めする第1ポジショナPMに接続されているサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストでコーティングされたウエハ)Wを保持し、基板を正確に位置決めする第2ポジショナPWに接続されている基板テーブル(例えば基板テーブル)WTとを含む。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100'はまた、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影する投影システムPSを含む。リソグラフィ装置100においてはパターニングデバイスMAと投影システムPSは反射型であり、リソグラフィ装置100'においてはパターニングデバイスMAと投影システムPSは透過型である。
【0019】
照明システムILは放射Bを方向付けるか成形するかまたは制御するために、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含んでもよい。照明システムILはまた、(パルスごとの)エネルギ測定を提供するエネルギセンサESと、光ビームの動きを測定するための測定センサMSと、照明スリットの均一性を制御可能とする均一性補償器UCとを含んでもよい。
【0020】
サポート構造MTは、パターニングデバイスMAの向き、リソグラフィ装置100および100'のデザイン、及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否か等その他の条件に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。サポート構造MTは、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスMAを保持するその他の固定技術を用いてもよい。サポート構造MTは、例えばフレームまたはテーブルであってもよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。サポート構造MTは、パターニングデバイスを例えば投影システムPSに対して所望の位置に確実に位置決めしうる。
【0021】
「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するように放射ビームBの断面にパターンを付与するのに使用されうる任意のデバイスを意味するものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに付与されたパターンは、ターゲット部分Cにおいて生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応してもよい。
【0022】
パターニングデバイスMAは(図1Bのリソグラフィ装置100'のように)透過型であっても、(図1Aのリソグラフィ装置100のように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例としては、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルなどがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるものがある。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスにより反射された放射ビームBにパターンを付与する。
【0023】
「投影システム」PSなる用語は、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システムおよび静電光学システムまたはそれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを含んでもよい。投影システムは、使用される露光放射に応じて、あるいは真空の使用や液浸液の使用などのその他の要因に応じて適切とされる投影システムである。他の気体は放射や電子を吸収しすぎる可能性があるため、EUVまたは電子ビーム放射については真空が用いられてもよい。したがって、真空壁および真空ポンプを用いてビーム経路の全体に真空環境が提供されてもよい。
【0024】
リソグラフィ装置100および/またはリソグラフィ装置100'は 2つ(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)WTを有するタイプのものであってもよい。このような「マルチステージ」型の装置においては、追加的な基板テーブルWTが並行して使用されてもよく、あるいは1以上の基板テーブルWTが露光に使用されている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されてもよい。
【0025】
図1Aおよび図1Bを参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合には、放射源SOとリソグラフィ装置100、100'とは別体であってもよい。この場合、放射源SOはリソグラフィ装置100または100'の一部を構成しているとはみなされず、放射ビームBは放射源SOからビーム搬送系BD(図1B)によってイルミネータILへと到達する。ビーム搬送系BDは例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを備える。他の場合、例えば放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置100、100'と一体に構成されていてもよい。 放射源SOとイルミネータILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと称されることがある。
【0026】
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するアジャスタAD(図1B)を備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも外側半径範囲および/または内側半径範囲(通常それぞれσアウタ、σインナと呼ばれる)が調整されうる。さらに、イルミネータILはインテグレータINおよびコンデンサCOなどの種々の他の要素(図1B)を備えてもよい。イルミネータILは、放射ビームBの断面における所望の均一性及び照度分布を得るべく放射ビームBを調整するために用いられてもよい。エネルギセンサESと均一性補償器UCを用いることにより、この所望の均一性が維持されてもよい。ここでエネルギセンサESは、放射源の出力のばらつきを分配し、均一性補償器UCは、照明ビーム内へと挿入され、また照明ビームから除かれることにより照明ビームの均一性および照度を調整する複数の突出体(例えばフィンガ)を備える。
【0027】
図1Aを参照して、放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、そのパターニングデバイスによりパターンを付与される。リソグラフィ装置100において、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSは放射ビームBを収束させ、基板Wのターゲット部分Cに焦点を合わせて投影、すなわちフォーカスさせる。第2ポジショナPWと位置センサIF2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)とにより基板テーブルWTは正確に移動されうる。例えば、放射ビームBの経路に複数の異なるターゲット部分Cをそれぞれ位置決めするように基板テーブルWTが移動される。同様に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めするために、第1ポジショナPMと別の位置センサIF1が用いられてもよい。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を用いて位置合わせされてもよい。
【0028】
図1Bを参照して、放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、そのパターニングデバイスによりパターンを付与される。マスクMAを通過した後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cにフォーカスさせる。第2ポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)とにより基板テーブルWTは正確に移動されうる。例えば基板テーブルWTは放射ビームBの経路に複数の異なるターゲット部分Cをそれぞれ位置決めするように移動される。同様に、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めするために、例えばマスクライブラリからマスクを機械的に取得した後や走査中に、第1ポジショナPMと別の位置センサ(図1Bでは明示されていない)が用いられてもよい。同様に、図2において基板ステージスリットセンサWSが設けられる。基板ステージスリットセンサWSは、照明システムILから基板Wへのパルス毎に正規化された照度データをエネルギセンサESと共に生成する。
【0029】
一般にマスクテーブルMTの移動は、ロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現されうる。これらのモジュールは第1ポジショナPMの一部を形成する。同様に、基板テーブルWTの移動は第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールにより実現されうる。ステッパの場合(スキャナとは異なり)、マスクテーブルMTはショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、あるいは固定されていてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を使用して並べられてもよい。図においては基板アライメントマークが専用のターゲット部分を占拠しているが、基板アライメントマークはターゲット部分の間のスペースに配置されてもよい(これらはスクライブライン・アライメントマークとして知られる)。同様に、マスクMAに複数のダイがある場合にはマスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0030】
リソグラフィ装置100および100'は以下のモードのうち少なくとも1つで使用することができる。
【0031】
1.ステップモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンの全体が1回の照射でターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして、基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なるターゲット部分Cが露光される。
【0032】
2.スキャンモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められてもよい。
【0033】
3.別のモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTが移動され、または走査される。このモードではパルス放射源SOが用いられてもよく、プログラマブルパターニングデバイスは必要に応じて、走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、または走査中の連続する放射パルスと放射パルスの間に更新される。この動作モードは、本明細書で言及されるタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用されうる。
【0034】
上記の使用モードを組み合わせて適用してもよいし、使用モードに変更を加えて適用してもよく、また全く別の使用モードを適用してもよい。
【0035】
本明細書では具体例としてICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を説明しているが、ここで説明されるリソグラフィ装置は他の用途にも適用できるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用ガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドの製造などがある。このような代替的な適用に関して、本明細書において「ウエハ」あるいは「ダイ」という用語が使用される場合はいつでも、それぞれ「基板」あるいは「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされうると、当業者であれば理解するであろう。本明細書で言及される基板は露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に形成し、露光後のレジストを現像するツール)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにおいて処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はそのような又は他の基板処理装置に適用されてもよい。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は、処理されている多数の層を既に含む基板をも意味してもよい。
【0036】
別の実施の形態ではリソグラフィ装置100は、極端紫外(EUV)リソグラフィのためのEUV放射ビームを生成するよう構成されるEUV放射源を含む。一般的に、EUV放射源は、放射システム内(下記参照)で構成され、対応する照明システムは、EUV放射源のEUV放射を調整するよう構成される。
B.EUVリソグラフィ装置の例
【0037】
図2は、本発明のある実施形態に係るEUVリソグラフィ装置の例を模式的に示す図である。図2においてEUVリソグラフィ装置は、放射システム202と、照明光学ユニット204と、投影システムPSと、を含む。放射システム202は、放射源SOを含み、放射源SO内では例えば放電プラズマによって放射ビームが形成されてもよい。ある実施の形態では、EUV放射は例えばXeガスやLi蒸気、Sn蒸気などのガスまたは蒸気から生成されてもよい。これらのガスまたは蒸気内には、電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出するために非常に熱い放電プラズマが生成される。非常に高温なプラズマは、例えば放電によって少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを発生させることによって生成可能である。放射を効率的に生成するためには、例えばXe、Li、Sn蒸気または他の任意の適切なガスまたは蒸気の例えば10Paの分圧が必要とされるかもしれない。放射源SOによって放出された放射はソースチャンバ206からガスバリアまたは汚染物質トラップ210を通過してコレクタチャンバ208へと入る。ガスバリアまたは汚染物質トラップ210は、ソースチャンバ206の開口内または開口の後に配置される。ある実施の形態では、ガスバリア210はチャネル構造を含んでもよい。
【0038】
コレクタチャンバ208は放射コレクタ212(集光ミラーまたはコレクタとも呼ばれる)を含む。放射コレクタCOは斜入射型コレクタから形成されてもよい。放射コレクタ212は上流放射コレクタサイド214と、下流放射コレクタサイド216とを有する。コレクタ212を通過する放射は、コレクタチャンバ208の開口部において仮想ソース点220に収束されるように、格子スペクトルフィルタ218で反射されうる。放射コレクタ212は当業者には周知である。
【0039】
コレクタチャンバ208から、放射ビーム226は、照明光学ユニット204において法線入射リフレクタ222および224で反射され、レチクルテーブルまたはマスクテーブルMT上で位置決めされたレチクルまたはマスク(図示せず)に入射する。パターンが付与されたビーム228が形成され、投影システムPS内で反射要素230、232を介して基板ステージまたは基板テーブルWTに支持される基板(図示せず)上に結像される。様々な実施形態において、照明光学ユニット204及び投影システムPSは、図2に示されているよりも多い(または少ない)要素を含んでもよい。例えば、照明光学ユニット204は、(パルスごとの)エネルギ測定を提供するエネルギセンサESと、光ビームの動きを測定するための測定センサMSと、照明スリットの均一性を制御可能とする均一性補償器UCとを含んでもよい。さらに、リソグラフィ装置のタイプにより選択的に格子スペクトルフィルタ218が設けられてもよい。さらにある実施の形態では、照明光学ユニット204及び投影システムPSは、図2に示されているよりも多いミラーを含んでもよい。例えば投影システムPSには、反射要素230及び232に加えて、さらに1個から4個の反射要素が組み込まれてもよい。図2において、符号240は2個のリフレクタ間のスペース、例えばリフレクタ234と236との間のスペースを示す。
【0040】
ある実施の形態では、集光ミラー212は斜入射型ミラーに代えてまたは追加的に垂直入射コレクタを含んでもよい。さらに、集光ミラー212としてリフレクタ234、236、238を有する入れ子状のコレクタを参照して説明しているが、集光ミラー212はコレクタの一例として用いられているに過ぎない。
【0041】
また、図2に模式的に示される回折格子218に代えて、透過型の光学フィルタを適用してもよい。EUV透過型の光学フィルタは、UV透過性の低い光学フィルタまたはUV放射を実質的に吸収する光学フィルタと同様に、当業者に公知である。よって、本明細書において「格子スペクトル純度フィルタ」は、格子フィルタまたは透過フィルタを含む「スペクトル純度フィルタ」と置き換え可能である。図2には示されていないが、EUV透過光学フィルタが追加的な光学素子として含まれてもよい。EUV透過光学フィルタは例えば、コレクタミラー212の上流に設けられてもよいし、照明ユニット204及び/または投影システムPS内に設けられてもよい。
【0042】
光学素子に関して「上流」「下流」という場合には、1つまたは複数の光学素子が別の1つまたは複数の光学素子に対し「光学的に上流」「光学的に下流」に位置することを示す。リソグラフィ装置を通過する放射ビームの光路において、第2の光学素子よりも放射源SOに近い第1の光学素子は第2の光学素子の上流に設けられていると言えるし、第2の光学素子は第1の光学素子の下流に設けられていると言える。例えば、コレクタミラー212はスペクトルフィルタ218の上流に設けられており、光学素子222はスペクトルフィルタ218の下流に設けられている。
【0043】
図2に示されるすべての光学素子(及び本実施例で模式図に示されていないが追加可能である光学素子)は、放射源SOにより生成される汚染物質(例えばSn)の堆積に弱いかもしれない。放射コレクタ212(及びスペクトル純度フィルタ218がある場合にはそれも同様)において問題となり得る。このため、これらの光学素子の一つ以上を清浄化するクリーニングデバイスが設けられ、これらの光学素子に清浄化方法が適用されてもよい。垂直入射ミラー222、224及び反射素子230、232またはその他の光学素子(例えば追加されたミラー、格子等)にもクリーニングデバイスや清浄化方法が適用されてもよい。
【0044】
放射コレクタ212は斜入射型コレクタであってもよく、そのような実施例においてコレクタ212は光軸Oに沿って配置されている。放射源SOまたはその像もまた光軸Oに沿って配置されていてもよい。放射コレクタ212は、リフレクタ234、236、238(「シェル」、または複数のWolter型リフレクタを含むWolter型リフレクタとしても知られる)を備えてもよい。リフレクタ234、236、238は入れ子状かつ光軸Oに関し回転対称であってもよい。図2において、内側のリフレクタを符号234で示し、中間のリフレクタを符号236で示し、外側のリフレクタを符号238で示す。放射コレクタ212は、ある体積(例えば外側リフレクタ238の内部容積)を包囲する。通常は外側リフレクタ238の内部容積は周囲で閉じられているが、小さい開口が複数設けられてもよい。
【0045】
リフレクタ234、236、238はそれぞれ、少なくとも一部が、1つまたは複数の反射層である面を複数含んでもよい。このため、リフレクタ234、236、238(放射コレクタが4以上のリフレクタまたはシェルを有する実施例においては追加されたリフレクタも)の少なくとも一部は、放射源SOからのEUV放射を反射して集光するよう設計されている。また、リフレクタ234、236、238の少なくとも一部はEUV放射を反射及び集光するように設計されずともよい。たとえば、これらのリフレクタの裏面の少なくとも一部はEUV放射を反射及び集光するように設計されなくてもよい。これら反射層の表面にさらに保護用のキャップ層が設けられてもよい。キャップ層は反射層表面の少なくとも一部に光学フィルタとして設けられてもよい。
【0046】
放射コレクタ212は、放射源SOまたはその像の近傍に配置されていてもよい。各リフレクタ234、236、238は、少なくとも2つの隣接する反射面を備えてもよい。放射源SOから遠い反射面は、放射源SOの近傍の反射面に比べて光軸Oと小さい角度をなすよう配置されている。この構成により、斜入射型コレクタ212は、光軸Oに沿って伝播するEUV放射ビームを生成する。少なくとも2つのリフレクタが実質的に同軸に配置され、光軸Oに実質的に回転対称に延びている。なお、放射コレクタ212は、外側リフレクタ238の外表面または外側リフレクタ238の周囲に、例えば保護ホルダやヒータ等の更なる構成を備えてもよい。
【0047】
本明細書に記載の実施例において、「レンズ」「レンズ素子」なる用語は文脈が許す限り、屈折光学素子、反射光学素子、磁気光学素子、電磁光学素子、及び静電光学素子を含む種々のタイプの光学素子のいずれかまたは任意の組合せを指してもよい。
【0048】
また、本明細書における「放射」及び「ビーム」なる用語は、(例えば365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長λを有する)紫外(UV)放射、(例えば約5から20nmの範囲に含まれる波長(例えば13.5nm)を有する)極紫外(EUVまたは軟X線)放射、5nm未満で作動する硬X線を含むあらゆる電磁放射、及びイオンビームまたは電子ビーム等の粒子ビームを含む。一般に、約780から3000nm(またはそれ以上)の間の波長を有する放射は赤外放射とみなされる。UVとはおよそ100から400nmの波長を有する放射をいう。リソグラフィ分野においては、水銀放電ランプにより生成される波長にもしばしば適用される。436nmのG線、405nmのH線、365nmのI線である。真空UVまたはVUV(すなわち空気に吸収されるUV)とはおよそ100から200nmの波長を有する放射をいう。深紫外(DUV)とは一般に約126から約428nmの波長を有する放射をいう。ある実施の形態においては、エキシマレーザが、リソグラフィ装置で使用されるDUV放射を生成可能である。なお、例えば約5から20nmの波長を有する放射とは、ある波長域の放射であって少なくともその一部が5から20nmの範囲にある放射に関するものと理解されたい。
II.照明ビーム均一性のドリフトを補償するためのシステムおよび方法
【0049】
図3は、本発明の実施の形態に係る均一性リフレッシュ(uniformity refresh)補正システム300の機械的部分を示す。図3において、均一性リフレッシュ(UR)補正システム300は、エネルギセンサ(ES)310と、複数の均一性補償器320とを含む。UR補正システム300は、リソグラフィ稼働中に照明ビームを変更できる。本発明の少なくとも一実施形態では照明ビームは円弧形状に成形され、照明スリット330とよばれる。個々の均一性補償器320の照明スリット330内への動き、または照明スリット330から外への動きを制御することにより、照明スリット330の均一性を制御できる。均一性補償器320はフィンガとも呼ばれる。均一性補償器の動作の例は、本出願と出願人が共通であり同時に係属する2010年5月28日に出願された米国非仮出願12/789,795内に見いだせる。この仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0050】
一実施形態では、目標(ターゲット)とする均一性を達成するために照明スリットの照度を調整するよう図3に示されるフィンガが個々に制御されてもよい。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態にかかる照明スリット430の拡大図である。例えば、図4は少なくとも一実施形態における照明スリット430のサイズおよび形状を示す。照度均一性を調整するために照明スリットの経路に挿入され、また経路から引き出される均一性補償器のフィンガは、図4には示されていない。一実施形態では、均一性補償器は照明スリットの一方の側にのみ配置される。
【0052】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、均一性補償器514および528を含む反射型リソグラフィシステムの例を示す図である。第1の例では図5Aは、種々のミラー504、506、508、510および512によって反射される照明ビームを供給する放射源502を示す。ビームはレチクル516に達する前に、均一性補償器514のフィンガと相互作用する。このレチクルは反射型である。よって、パターン形成された放射ビーム518は基板(図示せず)へと伝播する際にレチクル516から反射される。
【0053】
図5Bには、均一性補償器528を用いた反射型リソグラフィシステムの別の例が示される。放射源520は、ミラー522、524および526によって反射される照明ビームを供給する。ビームはレチクル530に達する前に、均一性補償器528のフィンガと相互作用する。このレチクルは反射型である。したがって、放射ビームはレチクル530によってパターン形成され、パターン形成されたビーム532として反射され、基板(図示せず)へと伝播する。
【0054】
均一性補償器の例は、図6Aおよび6Bにより詳細に示される。 図6Aは、レチクルから下方を見た際の均一性補償器システムの一例の正面図を示す。図6Aは図3と同様であり、フィンガ602およびエネルギセンサ606が設けられた均一性補償器の例を示す。個々の均一性補償器602のビーム604内への動き、またはビーム604の外への動きを制御することにより、照明スリット608の均一性が制御可能となる。
【0055】
図6Aの均一性補償器の例の側面図が図6Bに示される。図6Aにおいて602に示されている均一性補償器フィンガは、図6Bにおいて602に示される。図6Bに示されるように、均一性補償フィンガはレチクル616の下方にあり、距離610によって隔てられている。フィンガ先端(fingertip)とレチクルの間の距離610は、数ミリメートルのオーダである。ある実施例では距離610は、10から20ミリメートルの間であってもよい。
【0056】
図6Bに示される入射および反射ビームは、フィンガ602およびレチクル616と相互作用し、614および620で示されるようにレチクル616とある角度をなすことがわかる。図6Bの残りの構造は、以下で議論されるようにフィンガの動きを制御する作動装置(アクチュエータ)と関連付けられる。
【0057】
均一性補償器の三次元モデルが図7に示される。均一性補償器フィンガ602がみられる。ビーム内へと延びるフィンガ先端602は、ビーム内へ、またはビームから外へと動かすことができる。フィンガ先端602はフィンガネック704に接続されている。フィンガの動きの測定及び制御は、エンコーダボックス706により制御される。マウンティングハードウェアの例が708に図示される。
【0058】
図8は、エンコーダボックス706の切欠図である。前述同様に、ビーム内へまたはビームから外へと動くフィンガ先端602はフィンガネック704に接続されている。フィンガの変位を測定する測定機構808に加えて、制御回路もまたエンコーダボックス706内に格納される。個々のフィンガはそれぞれ、磁石810を利用するリニアモータ812によって(並進運動するように)動かされる。この切欠図には、フレクサ(flexure)816及び818に加えて、フィンガボディ814もまた示されている。
【0059】
図9Aは、重なり合うフィンガによって所定のピッチ906が生じるある特定の実施形態を示す。図9Aの左側部分には、図8のフィンガ602がより詳細にフィーチャ902および904として示されている。これはフィンガを上から見た図である。この重なり合うフィンガ先端の集合は、図10Aおよび10Bにより詳細に示される。 図9Aの右側は、図8の切欠構造に対応する模式的な側面図である。一実施形態においては、所定のフィンガピッチ906は、3から5ミリメートルの間であり、好ましくは約4ミリメートルである。
【0060】
図10Aは、図9Aの左側部の重なり合うフィンガ先端の集合に対応する重なり合うフィンガ先端の集合を示す。個々のフィンガの形が図10Bに示される。図10Aの個々のフィンガを横方向に分離すると、図10Bの状態となる。フィンガ先端の形は、図10Bに示される「T」字型となるよう選択されており、これにより灰色のフィンガが白いフィンガの上に重なる。この実施例におけるフィンガ1008および1010の幅は7ミリメートルである。図10Aに示されるように重ねて並べられる配置によるピッチは4ミリメートルである。
【0061】
図8の切欠図に示される詳細な構造が図9Aの右側に抽象化されて示される。図8に示されるフィンガネック704は、図9Aにフィーチャ918として模式的に示される。フィーチャ918は、やはり模式的に示される上側のフィンガ920および下側のフィンガ922と共に示されている。図9の右の上側のフィンガ920および下側のフィンガ922は、図9A左の上面図の灰色のフィンガ902および白いフィンガ904によってそれぞれ示されるように、重なり合っている。
【0062】
図8の磁石810は、リニアモータ914(812)の他の詳細な構造とともに、図9Aではフィーチャ916として抽象化されている。図8のエンコーダボックス706は、図9Aでは灰色の矩形910として抽象化されている。このエンコーダボックスは、測定センサ912を用いてフィンガアクチュエータの動きを測定する。エンコーダボックス910はまた、フィンガの動きを制御する回路も含む。
【0063】
図8に示される垂直なフィンガネック704は、図9Aの左の上面図では斜線を付した領域908として示され、また図9Aの右の側面図では918として示される。ピッチ906は、一つのフィンガの右側の端と、隣り合うフィンガの対応する右側の端との間の距離として定められる。この例の所与のフィンガの幅は7ミリメートルであるが、フィンガの重なり合い方のために、ピッチはフィンガの幅よりも小さくなっている。特にこの場合、ピッチは4ミリメートルである。
【0064】
図9Bは、2セットのフィンガが互いにずらされる別の実施例を示す。図9Bの実施形態は、2セットのフィンガを配置(あるいは構成)し、一方を他方に対してずらすことにより生成される。したがって図9Bの左の図では、灰色のフィンガは図9Aに示される全てのフィンガに対応する。白いフィンガは、図9Bの右に模式的に示されるように横方向及び垂直方向にずらされた後の図9Aに示されるフィンガの配列に対応する。
【0065】
図9Bの上側のフィンガのセット928は、図9Aのフィンガ920とフィンガ922との完全なセットのコピーである。同じように、図9Bの下側のフィンガのセット930は、図9Aのフィンガ920とフィンガ922との完全なセットの同様なコピーである。したがって、図9Bの実施例は、図9Aの2倍の数のフィンガを備える。このような配置は、両面エンコーダボックス940を用いることにより実現可能である。上段のフィンガの集合用のモータ機構は、948として磁石946とともに示される。同様に、下段のフィンガの集合用の下段モータ952と磁石アセンブリ950が示されている。本実施形態において両面エンコーダボックスは、上段のフィンガのセットの位置をコード化する1個のエンコーダ942と、下段のフィンガのセットの位置をコード化する別のエンコーダ944とを用いる。フィンガの二つの集合の各ネックは、図9Bの右図において938で示され、また左側の上面図において斜線を付した領域934および936として示される。
【0066】
図9Aに示される実施例において、重なりあう28個のフィンガのセットが設けられる。各フィンガの幅は7ミリメートルであり、ピッチは4ミリメートルとなっている。対応する図9Bの実施形態は、28個のフィンガを2セット備える。それぞれのフィンガの幅は3ミリメートルである。第2のセットは、総計48個のフィンガが2ミリメートルピッチを有するように横方向に2ミリメートル移動されてもよい。図9Bの構成を適用するためには、フィンガの長さは図9Bのフィンガのセット928と930で異なる必要がある。これは、図10Aから10Dでより詳細に示される。
【0067】
図10Cは、2ミリメートルピッチを実現するように重なり合うフィンガの集合を示す。これらは、二つの重なり合うフィンガのセットを含む。図10Cに灰色で示されるフィンガは、図10Aの全てのフィンガに対応するが、図10Cおよび10Dのフィンガ先端の幅は3ミリメートルである。 同様に、図10Cに白色で1014として示されるフィンガもまた、図10Aに示される全てのフィンガの複製されたセットに対応するが、例えば幅は7ミリメートルから3ミリメートルへと縮小されている。前述のように、2セットのフィンガは、互いに2ミリメートルずらされている。
【0068】
図9A及び9Bに示される実施形態のビームの照明の均一性補正に関する性能が、図11及び12に示される。 図11及び図12は、様々なタイプの照明(例えば1.擬コンボ(quasi-conv)、2.大環状、3.小環状、4.ダイポールx90、5.ダイポールy90、6.クェーサ45、7.cクアッド45、8.ダイポールx120、9.ダイポールy120)について均一性誤差をプロットする。
【0069】
図11は、図9Aの4ミリメートルピッチの実施形態に対応し、一方図12は、図9Bの2ミリメートルピッチを有する実施形態の均一性誤差を示す。
【0070】
均一性誤差は、最大照度と最小照度の差と、最大照度と最小照度の和との比として定義される。理想的にはこの比は、完全に均一なビームにおいてゼロとなる筈である。非均一照明においては、この比は均一性補償器の性能を数値で表す。これにより、図11および図12において異なる照明に対するバラツキがみられる理由が説明される。 図12は、図9Bに示す構成を用いて同じ照明パターンの組について測定された均一性誤差を示す。図9Bの2ミリメートルピッチの実施形態の図12に示される均一性に関する性能は、図9Aの4ミリメートルピッチの実施形態の図11に示される性能に比べて、明らかに向上している。これは、図9Bの実施形態はピッチがより小さいため、照度のバラツキをより高い空間周波数で補正する能力を備えるためである。
【0071】
図13は、本発明の実施形態にかかる、システムの均一性ドリフトを補償するための方法を示す。このような方法は、基板ごとに成功裏にイメージングされるデバイスの数量を増やすことにより、生産効率を最大化するために利用できる。
【0072】
一実施形態では、基板の各ロット1310の先頭から方法が開始される。ステップ1320において、(例えばスリットで積分された照度、またはスリットに沿った不連続な照度サンプルを用いたスリットスキャン平均によって)照明スリット均一性が測定される。ステップ1330において、均一性リフレッシュ(UR)補正システムは、スリット全域で平坦な照度プロファイルに基づいて均一性補償器(例えばフィンガ)の位置を計算する。選択的にステップ1340において、均一性リフレッシュ(UR)補正システムは非平坦な照度プロファイルに基づいて(例えばオランダ国、ヴェルトホーフェン、ASMLにより製造されるDOSEMAPPERR(登録商標)すなわちDoMaのようなシステムを用いて)均一性補償器(例えばフィンガ)の位置を計算する。DOSEMAPPERRに関する実施例は2009年5月12日に発行された米国特許7,532,308内に見いだせる。その特許は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。ステップ1350において、均一性リフレッシュ(UR)補正システムは、複数の均一性補償器(例えばフィンガ)の位置を設定する。ステップ1360において、基板が露光される。一実施形態においては、各基板の露光中、多数の異なる非平坦プロファイル(例えばDOSEMAPPERRターゲット照明スリットプロファイル)が用いられてもよい(例えば露光されている基板の部分によって)。したがって、単一の基板の露光中であっても、均一性補償器フィンガ位置が変更されてもよい。ステップ1370において、そのロット中の他の基板を露光するか否か決定される。ステップ1370が「はい」であるならば、この方法はステップ1320へともどる。ステップ1370が「いいえ」であり、そのロット中に露光すべき基板がないことを示すならば、ステップ1390にてこの方法は終了する。
【0073】
本発明のある実施の形態では、ステップ1310の間に、単一のロットの続けて処理される基板と基板の間に、照明スリットの均一性が制御される(例えば補正される)。これにより、そのロットの各基板を独立に制御された均一な照明スリットによって露光できる。ステップ1320において、照明スリットの均一性が測定される。例えば、照明スリットの均一性は、例えば照明ビームの移動、光カラム均一性、均一性補償器フィンガのドリフトなどの多数の要素により変化しうる。
【0074】
一実施形態においては、スリット全域にわたって照明スリットの照度を積分することにより、照明スリット均一性が連続的な照度プロファイルとして測定される。追加的に又は代替的に、照明スリットの均一性は、スリットに沿った不連続な照度サンプルを用いたスリットスキャン平均された照度として測定されてもよい。
【0075】
ステップ1330において、ステップ1320で測定された照明スリット均一性を用いて、平坦なターゲット照明スリット均一性が生成されるようにフィンガの位置が計算される。選択的にステップ1340において、ステップ1320で測定された照明スリット均一性と共に非平坦な(DoMa)均一性プロファイルを用いてフィンガの位置を計算することもできる。ステップ1350において、照明ビーム均一性が平坦なターゲットプロファイルまたは非平坦なターゲットプロファイルとマッチするように、計算されたフィンガ位置が設定される。ステップ1360において、基板が露光される。
【0076】
一実施形態においては、基板の異なる部分が異なる照明スリットターゲットプロファイルを用いて露光されるように、フィンガが基板の露光中に動かされる。
【0077】
ステップ1370において、そのロット中に露光すべき基板がさらにあるか決定される。ステップ1370が「はい」であるならば、この方法はステップ1320へともどる。一実施例においては、照明スリット均一性の測定および補正は、単一のロットの基板と基板の間に行われることが望ましい。これは、システムの移動、熱の発生、および振動によって照明スリット均一性の変化が引き起こされた可能性があるからである。ステップ1370が「いいえ」であるならば、この方法はステップ1390で終了する。
【0078】
図14は、本発明の実施形態にかかる、システムの均一性ドリフトを補償するための方法を示す。例えばこの方法は、基板ごとに成功裏にイメージングされるデバイスの数量を増やすことにより、生産効率を最大化するために利用できる。図14に示す方法は、最初の基板が処理される前の初期較正ステップを含んでもよい。後続の基板は、較正ステップを有さずともよく、前の基板の終了(ending)測定値を初期測定値として用いてもよい。
【0079】
ステップ1410において、均一性補償器の位置のオフライン較正が実行される。ステップ1415において、均一性補償器は、機械的に調整される。ステップ1420において、放射ビームが生成される。ステップ1425において、放射ビームが、均一性補償器を含む光学システムを通過させられる。必須でない光学的ステップ1430において、ビームの動きが測定され、またはビームの動きが計算される。ステップ1435において、照明スリット均一性が測定され、または計算される(例えば測定される場合、スリットで積分された照度によって測定されたり、またはスリットに沿った不連続な照度サンプルを用いたスリットスキャン平均によって測定されうる)。ステップ1440において、均一性補償器(例えばフィンガ)の位置が現在の均一性、オフラインデータ、及び/またはビームの動きに基づいて決定される。ステップ1445において、均一性補償器(例えばフィンガ)の位置が調整される。ステップ1450において、図13に示される方法が再実行されるべきか決定される。ステップ1450が「はい」であるならば、図14に示される方法はステップ1420へともどる。ステップ1450が「いいえ」であるならば、図14に示される方法はステップ1455へと移り、ステップ1455において基板が露光される。
【0080】
一実施形態においては各基板の露光中、露光されている基板の部分によって多数の異なる非平坦プロファイル(例えばDOSEMAPPERRターゲット照明スリットプロファイル)が用いられてもよい。例えば単一の基板の露光中でさえも、均一性補償器フィンガ位置が変更がされてもよい。加熱および冷却サイクルの間、関連するパラメータを較正する間、及びこれらの結果を個々の減衰器の作動へ適用する間の均一性の変化のモデリングに関する例は2009年5月12日に発行された米国特許7,532,308内、および2002年9月24日に発行された米国特許6,455,862に見いだせるであろう。これらの特許は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0081】
本発明のある実施の形態では、図13に関して述べたように連続する基板と基板の間に、照明スリット均一性が制御される(例えば、補正される)。また、本発明のある実施の形態では、照明スリット均一性がターゲット照明スリット均一性にマッチするように均一性補償器を調整する方法は、基板毎に少なくとも二回の照明スリット均一性の測定を含む。すなわち、図14に示される方法がステップ1450に到達すると、「繰り返し」決定がなされる。「繰り返し」決定は通常、各基板について初回は「はい」である。決定1450が「はい」であるとき、ステップ1420が繰り返され、新たな放射ビームが生成される。ステップ1435で新たな放射ビームが光学システムを通過させられる。ステップ1435で照明スリット均一性を測定し、ステップ1440で均一性補償器の位置を決定する。そしてステップ1445で均一性補償器を調整する。
【0082】
図14に示す方法が繰り返される間、測定された照明スリット均一性が所定のターゲット照明スリット照度プロファイル(平坦または非平坦)の許容範囲内であるならば補償方法をさらに繰り返す必要はなく、ステップ1450において「いいえ」が選択される。そして、図13に関連して述べたようにステップ1455で基板が露光されうる。図14に示す方法はまた、所定の許容範囲と比較することなく実行されてもよい。ある実施形態では図14に示される方法は1回のみ実行され、ステップ1445の均一性補償器の調整によって照明スリット均一性がターゲット照明スリット照度プロファイル(平坦または非平坦)にマッチしたか否かの決定は繰り返されない。
【0083】
別の例では、測定された照明スリット均一性がターゲット照明スリット照度プロファイル(平坦または非平坦)の所定の許容範囲におさまらない場合、均一性補償器はさらなる調整を要するかもしれない。この場合、ステップ1450において、再び「はい」が選択される。照明スリット均一性は、ターゲット照明スリット照度プロファイルにより近くなるように微調整されうる。あるいはまた、ある基板についての初回の後でさえも、測定された照明スリット均一性がターゲット照明スリット照度プロファイルの所定の許容範囲内であれば、この方法の繰り返しは不要であろう。図13および14に示した本発明の制御方法は、ソフトウエア、ファームウエア、ハードウエア、またはそれらの組み合わせで実現されてもよい。図15は、本発明またはその一部がコンピュータにより読み出し可能なコードとして実装されうるコンピュータシステム1500の例を示す。
【0084】
図13および14のフローチャートで説明した方法は、コンピュータシステム1500で実現することができる。コンピュータシステム1500は、ディスプレイ1530に接続されたディスプレイインタフェイス1502を含む。本発明の種々の実施例をこのコンピュータシステム1500の例に関連して説明する。本明細書を読めば、本発明の実施形態を、他のコンピュータシステムおよび/またはコンピュータアーキテクチャを使用して実現する方法は当業者には明らかであろう。
【0085】
コンピュータシステム1500は例えばプロセッサ1504のような1つまたは複数のプロセッサを有する。プロセッサ1504は、専用プロセッサまたは汎用プロセッサであってよい。プロセッサ1504は通信インフラストラクチャ1506(例えばバスまたはネットワーク)と接続されている。
【0086】
コンピュータシステム1500はまた、好適にはRAMであるメインメモリ1505を含み、さらに二次メモリ1510を含んでもよい。二次メモリ1510は例えばハードディスクドライブ1512、取り外し可能記憶装置ドライブ1514および/またはメモリースティックを含んでもよい。取り外し可能記憶装置ドライブ1514は、例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリ等を備えてもよい。取り外し可能記憶装置ドライブ1514は取り外し可能記憶装置1518に対して公知の方法で読み書きすることができる。取り外し可能記憶装置1518はフロッピーディスク、磁気テープ、光学ディスク等を含んでもよく、取り外し可能記憶ドライブ1514により読み書きされる。取り外し可能記憶装置1518は、コンピュータソフトウエアおよび/またはデータを格納したコンピュータ使用可能媒体を含むことは、当業者には理解されるであろう。
【0087】
別の実装では、二次メモリ1510は、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータシステム1500にロードする他の類似デバイスを含んでもよい。このようなデバイスは例えば取り外し可能記憶装置1518およびインタフェイス1520を含んでもよい。このようなデバイスの例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェイス(例えばビデオゲームデバイスで使用される)、取り外し可能メモリチップ(例えばEPROMまたはPROM)および関連するソケット、他の取り外し可能記憶装置1518及びインタフェイス1520を含んでもよい。このようなデバイスは、ソフトウエアおよびデータを取り外し可能記憶装置1518からコンピュータシステム1500に伝送する。
【0088】
コンピュータシステム1500はまた通信インタフェイス1524を含んでもよい。通信インタフェイス1524により、ソフトウエアおよびデータをコンピュータシステム1500と外部デバイスとの間で伝送することができる。通信インタフェイス1524の例は、モデム、ネットワークインタフェイス(たとえばイーサネット(登録商標)カード)、通信ポート、PCMCIAスロットおよびカード等である。通信インタフェイス1524を介して伝送されるソフトウエアおよびデータは信号の形態をとり、例えば電子的、電磁的、光学的信号の形態、または通信インタフェイス1524により受信することのできる他の信号の形態であってもよい。これらの信号は通信インタフェイス1524に、通信経路1526および1528を介して供給される。通信経路1526および1528は信号を搬送する。これはワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、無線リンクおよび他の通信チャネルにより実現されうる。
【0089】
本明細書で用語「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」は一般的に、取り外し可能記憶装置1518、ハードディスクドライブ1512にインストールされたハードディスクのような媒体を指す。コンピュータプログラム媒体とコンピュータ使用可能媒体はまた、例えばメインメモリ1505、および二次メモリ1510のような半導体メモリ(例えばDRAM等)とすることのできるメモリを指してもよい。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム1500にソフトウェアを提供する。
【0090】
コンピュータプログラム(コンピュータコントロールロジックとも呼ばれる)はメインメモリ1505および/又は二次メモリ1510に格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェイス1524を介して受信されてもよい。このようなコンピュータプログラムが実行されると、コンピュータシステム1500は本発明の実施形態を本明細書で説明したように実現することができる。特に、コンピュータプログラムが実行されると、プロセッサ1504は、例えば上述の図13のフローチャートで示される方法のステップのように本発明のプロセスを実現することができる。したがってこのようなコンピュータプログラムはコンピュータシステム1500の制御部(コントローラ)の典型例である。本発明がソフトウエアにより実現される場合、ソフトウエアはコンピュータプログラム製品に格納され、取り外し可能記憶装置ドライブ1514、インタフェイス1520、ハードドライブ1512または通信インタフェイス1524によってコンピュータシステム1500にロードされうる。
【0091】
本発明の実施形態はまた、任意のコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウエアを含むコンピュータプログラム製品に関する。このようなソフトウエアが1つ又は複数のデータ処理デバイスで実行されると、データ処理デバイスは本明細書で説明したように動作する。本発明の実施形態は、現在又は将来知られる任意のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を用いる。コンピュータ使用可能媒体の例は、以下に制限されるものではないが、例えば一次記憶デバイス(例えば任意の種類のROM)、二次記憶デバイス(例えばハードドライブ、フロッピーディスク、CDROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、光学的記憶デバイス、MEMS、ナノテクノロジー記憶デバイス等)、および通信媒体(例えば有線または無線通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、イントラネット等)を含む。
(結論)
【0092】
サマリ(Summary)および要約(Abstract)の欄ではなく、詳細な説明(Detailed Description)の欄が特許請求の範囲の解釈に使用されるよう意図されていることを認識されたい。サマリおよび要約の欄には、本発明者が想定する本発明の全てではないひとつ以上の例示的な実施の形態が示されており、したがって本発明および添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも制限するよう意図されたものではない。
【0093】
本発明は上で、複数の特定の機能の実現およびそれらの間の関係を示す機能ブロックの助けを借りて説明された。これらの機能ブロックの境界は本明細書では説明の便宜のために任意に決められた。複数の特定の機能およびそれらの間の関係が適切に実行される限り、代替的な境界が決められてもよい。
【0094】
特定の実施の形態についての上記説明は十分に本発明の概要を明らかにするはずのものであるから、他者は当技術分野のスキルの範囲内の知識を適用することによって、種々のアプリケーションに対してそのような特定の実施の形態を、過度の実験に依らずとも、また本発明の概念から離れることなく、容易に変形および/または適合させることができる。したがって、本明細書で示された教示および示唆に基づいて、そのような適合や変形は開示された実施の形態の均等物の意味および範囲の中にあることが意図されている。本明細書における言語の使用法や用語の使用法は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではなく、本明細書における言語の使用法や用語の使用法は当業者によって本明細書の教示および示唆に照らして解釈されるべきであることは理解されるべきである。
【0095】
本発明の範囲と精神は上記の例示的な実施の形態のいずれによっても限定されず、請求項とその均等物によってのみ定義されるものである。
【0096】
本願における特許請求の範囲は、親出願またはその他の関連出願とは異なる。従って、出願人は、本願に関係する親出願または先行出願においてなされた特許請求の範囲のいかなるディスクレーマをも取り消す。それ故、審査官には以前のディスクレーマおよび引用文献について再調査が必要となる可能性があることを助言する。さらに、審査官は本願におけるいかなるディスクレーマも親出願に対して読み込まれるべきではないことを注意されたい。
【図1A】
【図1B】
【技術分野】
【0001】
本発明はリソグラフィ装置および照明均一性補正システムに関する。本発明は概してリソグラフィに関し、特に、例えば照明ビームの移動、光カラム(optical column)均一性、均一性補償器ドリフト等に起因する均一性ドリフトを補償するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に転写する機械である。リソグラフィ装置は例えば集積回路(IC)の製造に用いられ得る。この場合、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に対応する回路パターンを作成することができる。このパターンを、放射感応性材料(レジスト)層を有する基板(例えばシリコンウエハ)上のターゲット部分(例えばダイの一部、1つまたは複数のダイを含む)に結像することができる。一般に一枚の基板にはネットワーク状に隣接する一群のターゲット部分が含まれ、これらは連続的に露光される。公知のリソグラフィ装置にはいわゆるステッパとスキャナとが含まれる。ステッパにおいては、ターゲット部分にパターン全体が一度に露光されるようにして各ターゲット部分は照射を受ける。スキャナにおいては、所与の方向(「走査」方向)にビームによりパターンを走査するとともに基板をこの方向に平行または逆平行に同期して走査するようにして各ターゲット部分は照射を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
典型的にはリソグラフィ装置は照明システムを含む。照明システムは、放射源によって生成された放射がパターニングデバイスに入射する前にその放射を調整する。放射システムは例えば、偏光および/または放射モードなどの放射の性質のうちの一つ以上を調整してもよい。放射システムは均一性補正システムを含んでもよい。均一性補正システムは、例えば照度の非均一性などの放射中に存在する非均一性を補正し、または軽減するよう構成される。均一性補正デバイスは、照度のばらつきを補正するために放射ビームの縁部に挿入される作動されたフィンガを用いてもよい。しかしながら、補正可能な照度のばらつきの空間的周期の幅は、均一性補正システムのフィンガを動かすために用いられる作動デバイスのサイズに依存する。さらに場合によっては、放射ビームの不規則性を補正するために用いられるフィンガのサイズまたは形が変更されると、均一性補正システムは、例えば放射ビームによって形成される瞳等の放射の一つ以上の性質を望ましくない方法で妥協することで解決し、または変更することがある。
【0004】
リソグラフィは集積回路(IC)並びに他のデバイス及び/または構成を製造する際の重要なプロセスのひとつとして広く認識されている。リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板、例えば基板のターゲット部分等に転写するリソグラフィにおいて用いられる機械である。リソグラフィ装置を用いたICの製造においては、(マスクまたはレチクルとも呼ばれる)パターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に形成されるべき回路パターンを作成することができる。このパターンが、基板(例えばシリコン基板)上のターゲット部分(例えば1つまたは複数のダイ、またはダイの一部を含む)に転写されうる。パターンの転写は典型的には、基板に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層へのイメージングを介して行われる。一般に一枚の基板にはネットワーク状に隣接する一群のターゲット部分が含まれ、これらは連続的にパターン形成される。ICの製造コストを低減するため、通例として各ICの複数の基板が露光される。同様に、通例、リソグラフィ装置はほぼ常時使用される。すなわち、あらゆるタイプのICの製造コストを最小限に抑えるため、基板の露光の間のアイドル時間もまた最小限に抑えられる。それ故リソグラフィ装置は熱を吸収し、熱により装置の構成要素の膨張が引き起こされ、ドリフト、移動、および均一性の変化の要因となる。
【0005】
パターニングデバイスおよび基板の優れたイメージング品質を確保するため、照明ビームの制御された均一性が維持される。すなわち、パターニングデバイスにおいて反射されまたはパターニングデバイスを透過する前の照明ビームは、不均一な照度プロファイルを有する可能性がある。リソグラフィプロセス全体において、照明ビームが少なくともある程度の均一性で制御されることが望ましい。均一性とは、照明ビーム全体にわたる一定照度を指すこともあり、また照明をターゲット照明に制御する能力を指すこともある。ターゲット照明の均一性は、平坦な(flat)または非平坦なプロファイルを有する。パターニングデバイスは放射ビームにパターンを付与し、このパターン付与された放射ビームは基板上に結像される。この投影された放射ビームのイメージ品質は、照明ビームの均一性の影響を受ける。
【0006】
市場は、製造能力を最大化してデバイスあたりのコストを低く抑えるために、リソグラフィ装置が可能な限り効率的にリソグラフィプロセスを行うことを要求する。これは製造上の欠陥を最小限に抑えることを意味する。この理由から照明ビームの均一性の影響を実用的な範囲で最小限にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書又はその他で特定されるひとつ以上の課題を克服する、又は軽減するリソグラフィ装置および方法を提供することが望まれる。
【0008】
本発明のある実施形態によると、放射ビームを調整するよう構成された照明システムを含むリソグラフィ装置が提供される。照明システムは、放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受け取るよう構成された面上に設置される均一性補正システムを備える。均一性補正システムはフィンガと、作動デバイスとを含む。フィンガは、放射ビームの各部分の照度を補正するよう放射ビームとの交差の内側へおよび外側へと移動可能に構成される。作動デバイスは、フィンガのうちの対応する一つに結合され、対応するフィンガを動かすよう構成される。
【0009】
本発明のある実施形態によると、各フィンガの先端(tip)の幅は、その先端を動かすよう構成される作動デバイスの幅よりも大きい。
【0010】
一実施形態では、リソグラフィ装置はさらに、サポート構造、基板テーブル、および投影システムを含む。このサポートデバイスは、調整された放射ビームの断面にパターンを付与するよう構成されるパターニングデバイスを保持するよう構成される。基板テーブルは、基板を保持するよう構成される。投影システムは、パターン付与された放射ビームを基板のターゲット部分に投影するよう構成される。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、以下のステップを備えるリソグラフィ方法が提供される。(1)放射ビームを第1の面においてフォーカスさせ、第1の面において実質的に一定な瞳を作るステップ。(2)第1の面の近傍に位置するフィンガを放射のビームの経路の内へおよび外へと動かすことにより、第1の面の近傍で放射ビーム照度を調整するステップ。ここで、各フィンガの先端(tip)の幅は、各対応するフィンガを動かすのに用いられる対応する作動デバイスの幅よりも大きい。(3)放射ビームにパターンを付与するために放射ビームをパターニングデバイスへと導くステップ。(4)パターン付与されたビームを基板に投影するステップ。
【0012】
添付の図面を参照して以下に、本発明のさらなる特徴および利点が本発明の種々の実施の形態の構成および動作と共に詳述される。本発明は本明細書で説明される特定の実施の形態に限定されないことを注記しておく。そのような実施の形態は本明細書では例示のみを目的として提示される。本明細書に含まれる教示に基づいた追加的な実施の形態は、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明を説明し、さらに詳細な説明と共に本発明の原理を説明するのに役立ち、また当業者が本発明を利用することを可能にするものである。
【図1】図1Aおよび1Bはそれぞれ 、均一性補償器と、関連づけられたセンサとを有する反射型および透過型リソグラフィ装置を示す図である。
【図2】極端紫外(EUV)リソグラフィ装置の例を示す図である。
【図3】照明ビームスリットに関する均一性補償器の例を示す図である。
【図4】照明ビームスリットの例を示す図である。
【図5】図5Aおよび5Bは、均一性補償器を含む反射型リソグラフィシステムの例を示す図である。
【図6】図6Aおよび6Bは、均一性補償器の例を示す図である。
【図7】均一性補償器の例の三次元モデルを示す図である。
【図8】均一性補償器の例においてフィンガの動きを制御するメカニズムの切欠図である。
【図9】図9Aおよび9Bは、それぞれ4mmおよび2mmピッチの重なり合うフィンガを有する均一性補償器の例を示す図である。
【図10】図10A〜10Dは、均一性補償システムの例の重なり合うフィンガを示す図である。
【図11】実施例にかかる4mmピッチの均一性補償システムの均一性誤差パフォーマンスを示す図である。
【図12】実施例にかかる2mmピッチの均一性補償システムの均一性誤差パフォーマンスを示す図である。
【図13】均一性リフレッシュのフローを示す図である。
【図14】均一性リフレッシュと(必須でない)オフライン較正の組み合わせである一般化されたメインフローを示す図である。
【図15】本発明の実施形態またはその一部がコンピュータ可読コードとして実装されうるコンピュータシステム1500の例を示す図である。
【0014】
図面と共に以下の詳細な説明によって、本発明の特徴および利点がより明らかとなるであろう。図面では一貫して、類似の参照符号は対応する要素を示す。図面では、類似の参照番号は一般に、同一の、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。ある要素が最初に現れる図面は、対応する参照番号において最も左の一以上の桁によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、例えば照明ビームの移動、光カラムの均一性、均一性補償器ドリフト等に起因する均一性ドリフトを補償する均一性補償器を用いる方法を対象とする。この明細書は、本発明の特徴を組み込んだ一以上の実施形態を開示する。開示された実施の形態は本発明の例示にすぎない。本発明の範囲は開示された実施の形態に限定されない。本発明は添付の請求項により定義される。
【0016】
説明される実施の形態および本明細書において「一実施形態」、「実施の形態」「実施例」などと指し示されるものは、説明される実施の形態が特定の特徴、構造、または特質を含んでいてもよいが、すべての実施の形態がその特定の特徴、構造、または特質を必ずしも含んでいなくてもよいことを示す。さらにまた、そのような文言は必ずしも同じ実施の形態を指すものではない。さらに、特定の特性、構造、または特徴をある実施の形態に関して説明するとき、明示的に説明するか否かにかかわらず、他の実施の形態に関してそのような特定の特性、構造、または特徴を作用させることは、当業者の知識の範囲内であるとして理解すべきである。
【0017】
しかしながら、そのような実施の形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施の形態が使用されうる例示的な環境を提示しておくことは有益である。
I.リソグラフィ環境の例
A.反射型および透過型リソグラフィシステムの例
【0018】
図1Aおよび1Bはそれぞれ、リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100'を模式的に示す図である。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100'はそれぞれ、放射ビームB(例えばDUVまたはEUV放射)を調節する照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク、レチクル、またはダイナミックパターニングデバイス)MAを支持し、パターニングデバイスを正確に位置決めする第1ポジショナPMに接続されているサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストでコーティングされたウエハ)Wを保持し、基板を正確に位置決めする第2ポジショナPWに接続されている基板テーブル(例えば基板テーブル)WTとを含む。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100'はまた、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影する投影システムPSを含む。リソグラフィ装置100においてはパターニングデバイスMAと投影システムPSは反射型であり、リソグラフィ装置100'においてはパターニングデバイスMAと投影システムPSは透過型である。
【0019】
照明システムILは放射Bを方向付けるか成形するかまたは制御するために、屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含んでもよい。照明システムILはまた、(パルスごとの)エネルギ測定を提供するエネルギセンサESと、光ビームの動きを測定するための測定センサMSと、照明スリットの均一性を制御可能とする均一性補償器UCとを含んでもよい。
【0020】
サポート構造MTは、パターニングデバイスMAの向き、リソグラフィ装置100および100'のデザイン、及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否か等その他の条件に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。サポート構造MTは、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスMAを保持するその他の固定技術を用いてもよい。サポート構造MTは、例えばフレームまたはテーブルであってもよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。サポート構造MTは、パターニングデバイスを例えば投影システムPSに対して所望の位置に確実に位置決めしうる。
【0021】
「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成するように放射ビームBの断面にパターンを付与するのに使用されうる任意のデバイスを意味するものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに付与されたパターンは、ターゲット部分Cにおいて生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応してもよい。
【0022】
パターニングデバイスMAは(図1Bのリソグラフィ装置100'のように)透過型であっても、(図1Aのリソグラフィ装置100のように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例としては、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルなどがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッドマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるものがある。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスにより反射された放射ビームBにパターンを付与する。
【0023】
「投影システム」PSなる用語は、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システムおよび静電光学システムまたはそれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを含んでもよい。投影システムは、使用される露光放射に応じて、あるいは真空の使用や液浸液の使用などのその他の要因に応じて適切とされる投影システムである。他の気体は放射や電子を吸収しすぎる可能性があるため、EUVまたは電子ビーム放射については真空が用いられてもよい。したがって、真空壁および真空ポンプを用いてビーム経路の全体に真空環境が提供されてもよい。
【0024】
リソグラフィ装置100および/またはリソグラフィ装置100'は 2つ(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)WTを有するタイプのものであってもよい。このような「マルチステージ」型の装置においては、追加的な基板テーブルWTが並行して使用されてもよく、あるいは1以上の基板テーブルWTが露光に使用されている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されてもよい。
【0025】
図1Aおよび図1Bを参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合には、放射源SOとリソグラフィ装置100、100'とは別体であってもよい。この場合、放射源SOはリソグラフィ装置100または100'の一部を構成しているとはみなされず、放射ビームBは放射源SOからビーム搬送系BD(図1B)によってイルミネータILへと到達する。ビーム搬送系BDは例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを備える。他の場合、例えば放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置100、100'と一体に構成されていてもよい。 放射源SOとイルミネータILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと称されることがある。
【0026】
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するアジャスタAD(図1B)を備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも外側半径範囲および/または内側半径範囲(通常それぞれσアウタ、σインナと呼ばれる)が調整されうる。さらに、イルミネータILはインテグレータINおよびコンデンサCOなどの種々の他の要素(図1B)を備えてもよい。イルミネータILは、放射ビームBの断面における所望の均一性及び照度分布を得るべく放射ビームBを調整するために用いられてもよい。エネルギセンサESと均一性補償器UCを用いることにより、この所望の均一性が維持されてもよい。ここでエネルギセンサESは、放射源の出力のばらつきを分配し、均一性補償器UCは、照明ビーム内へと挿入され、また照明ビームから除かれることにより照明ビームの均一性および照度を調整する複数の突出体(例えばフィンガ)を備える。
【0027】
図1Aを参照して、放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、そのパターニングデバイスによりパターンを付与される。リソグラフィ装置100において、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSは放射ビームBを収束させ、基板Wのターゲット部分Cに焦点を合わせて投影、すなわちフォーカスさせる。第2ポジショナPWと位置センサIF2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)とにより基板テーブルWTは正確に移動されうる。例えば、放射ビームBの経路に複数の異なるターゲット部分Cをそれぞれ位置決めするように基板テーブルWTが移動される。同様に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めするために、第1ポジショナPMと別の位置センサIF1が用いられてもよい。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を用いて位置合わせされてもよい。
【0028】
図1Bを参照して、放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、そのパターニングデバイスによりパターンを付与される。マスクMAを通過した後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cにフォーカスさせる。第2ポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)とにより基板テーブルWTは正確に移動されうる。例えば基板テーブルWTは放射ビームBの経路に複数の異なるターゲット部分Cをそれぞれ位置決めするように移動される。同様に、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めするために、例えばマスクライブラリからマスクを機械的に取得した後や走査中に、第1ポジショナPMと別の位置センサ(図1Bでは明示されていない)が用いられてもよい。同様に、図2において基板ステージスリットセンサWSが設けられる。基板ステージスリットセンサWSは、照明システムILから基板Wへのパルス毎に正規化された照度データをエネルギセンサESと共に生成する。
【0029】
一般にマスクテーブルMTの移動は、ロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現されうる。これらのモジュールは第1ポジショナPMの一部を形成する。同様に、基板テーブルWTの移動は第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールにより実現されうる。ステッパの場合(スキャナとは異なり)、マスクテーブルMTはショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、あるいは固定されていてもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を使用して並べられてもよい。図においては基板アライメントマークが専用のターゲット部分を占拠しているが、基板アライメントマークはターゲット部分の間のスペースに配置されてもよい(これらはスクライブライン・アライメントマークとして知られる)。同様に、マスクMAに複数のダイがある場合にはマスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0030】
リソグラフィ装置100および100'は以下のモードのうち少なくとも1つで使用することができる。
【0031】
1.ステップモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンの全体が1回の照射でターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして、基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動されて、異なるターゲット部分Cが露光される。
【0032】
2.スキャンモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められてもよい。
【0033】
3.別のモードにおいては、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTが移動され、または走査される。このモードではパルス放射源SOが用いられてもよく、プログラマブルパターニングデバイスは必要に応じて、走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、または走査中の連続する放射パルスと放射パルスの間に更新される。この動作モードは、本明細書で言及されるタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用されうる。
【0034】
上記の使用モードを組み合わせて適用してもよいし、使用モードに変更を加えて適用してもよく、また全く別の使用モードを適用してもよい。
【0035】
本明細書では具体例としてICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を説明しているが、ここで説明されるリソグラフィ装置は他の用途にも適用できるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用ガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドの製造などがある。このような代替的な適用に関して、本明細書において「ウエハ」あるいは「ダイ」という用語が使用される場合はいつでも、それぞれ「基板」あるいは「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされうると、当業者であれば理解するであろう。本明細書で言及される基板は露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に形成し、露光後のレジストを現像するツール)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにおいて処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はそのような又は他の基板処理装置に適用されてもよい。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は、処理されている多数の層を既に含む基板をも意味してもよい。
【0036】
別の実施の形態ではリソグラフィ装置100は、極端紫外(EUV)リソグラフィのためのEUV放射ビームを生成するよう構成されるEUV放射源を含む。一般的に、EUV放射源は、放射システム内(下記参照)で構成され、対応する照明システムは、EUV放射源のEUV放射を調整するよう構成される。
B.EUVリソグラフィ装置の例
【0037】
図2は、本発明のある実施形態に係るEUVリソグラフィ装置の例を模式的に示す図である。図2においてEUVリソグラフィ装置は、放射システム202と、照明光学ユニット204と、投影システムPSと、を含む。放射システム202は、放射源SOを含み、放射源SO内では例えば放電プラズマによって放射ビームが形成されてもよい。ある実施の形態では、EUV放射は例えばXeガスやLi蒸気、Sn蒸気などのガスまたは蒸気から生成されてもよい。これらのガスまたは蒸気内には、電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出するために非常に熱い放電プラズマが生成される。非常に高温なプラズマは、例えば放電によって少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを発生させることによって生成可能である。放射を効率的に生成するためには、例えばXe、Li、Sn蒸気または他の任意の適切なガスまたは蒸気の例えば10Paの分圧が必要とされるかもしれない。放射源SOによって放出された放射はソースチャンバ206からガスバリアまたは汚染物質トラップ210を通過してコレクタチャンバ208へと入る。ガスバリアまたは汚染物質トラップ210は、ソースチャンバ206の開口内または開口の後に配置される。ある実施の形態では、ガスバリア210はチャネル構造を含んでもよい。
【0038】
コレクタチャンバ208は放射コレクタ212(集光ミラーまたはコレクタとも呼ばれる)を含む。放射コレクタCOは斜入射型コレクタから形成されてもよい。放射コレクタ212は上流放射コレクタサイド214と、下流放射コレクタサイド216とを有する。コレクタ212を通過する放射は、コレクタチャンバ208の開口部において仮想ソース点220に収束されるように、格子スペクトルフィルタ218で反射されうる。放射コレクタ212は当業者には周知である。
【0039】
コレクタチャンバ208から、放射ビーム226は、照明光学ユニット204において法線入射リフレクタ222および224で反射され、レチクルテーブルまたはマスクテーブルMT上で位置決めされたレチクルまたはマスク(図示せず)に入射する。パターンが付与されたビーム228が形成され、投影システムPS内で反射要素230、232を介して基板ステージまたは基板テーブルWTに支持される基板(図示せず)上に結像される。様々な実施形態において、照明光学ユニット204及び投影システムPSは、図2に示されているよりも多い(または少ない)要素を含んでもよい。例えば、照明光学ユニット204は、(パルスごとの)エネルギ測定を提供するエネルギセンサESと、光ビームの動きを測定するための測定センサMSと、照明スリットの均一性を制御可能とする均一性補償器UCとを含んでもよい。さらに、リソグラフィ装置のタイプにより選択的に格子スペクトルフィルタ218が設けられてもよい。さらにある実施の形態では、照明光学ユニット204及び投影システムPSは、図2に示されているよりも多いミラーを含んでもよい。例えば投影システムPSには、反射要素230及び232に加えて、さらに1個から4個の反射要素が組み込まれてもよい。図2において、符号240は2個のリフレクタ間のスペース、例えばリフレクタ234と236との間のスペースを示す。
【0040】
ある実施の形態では、集光ミラー212は斜入射型ミラーに代えてまたは追加的に垂直入射コレクタを含んでもよい。さらに、集光ミラー212としてリフレクタ234、236、238を有する入れ子状のコレクタを参照して説明しているが、集光ミラー212はコレクタの一例として用いられているに過ぎない。
【0041】
また、図2に模式的に示される回折格子218に代えて、透過型の光学フィルタを適用してもよい。EUV透過型の光学フィルタは、UV透過性の低い光学フィルタまたはUV放射を実質的に吸収する光学フィルタと同様に、当業者に公知である。よって、本明細書において「格子スペクトル純度フィルタ」は、格子フィルタまたは透過フィルタを含む「スペクトル純度フィルタ」と置き換え可能である。図2には示されていないが、EUV透過光学フィルタが追加的な光学素子として含まれてもよい。EUV透過光学フィルタは例えば、コレクタミラー212の上流に設けられてもよいし、照明ユニット204及び/または投影システムPS内に設けられてもよい。
【0042】
光学素子に関して「上流」「下流」という場合には、1つまたは複数の光学素子が別の1つまたは複数の光学素子に対し「光学的に上流」「光学的に下流」に位置することを示す。リソグラフィ装置を通過する放射ビームの光路において、第2の光学素子よりも放射源SOに近い第1の光学素子は第2の光学素子の上流に設けられていると言えるし、第2の光学素子は第1の光学素子の下流に設けられていると言える。例えば、コレクタミラー212はスペクトルフィルタ218の上流に設けられており、光学素子222はスペクトルフィルタ218の下流に設けられている。
【0043】
図2に示されるすべての光学素子(及び本実施例で模式図に示されていないが追加可能である光学素子)は、放射源SOにより生成される汚染物質(例えばSn)の堆積に弱いかもしれない。放射コレクタ212(及びスペクトル純度フィルタ218がある場合にはそれも同様)において問題となり得る。このため、これらの光学素子の一つ以上を清浄化するクリーニングデバイスが設けられ、これらの光学素子に清浄化方法が適用されてもよい。垂直入射ミラー222、224及び反射素子230、232またはその他の光学素子(例えば追加されたミラー、格子等)にもクリーニングデバイスや清浄化方法が適用されてもよい。
【0044】
放射コレクタ212は斜入射型コレクタであってもよく、そのような実施例においてコレクタ212は光軸Oに沿って配置されている。放射源SOまたはその像もまた光軸Oに沿って配置されていてもよい。放射コレクタ212は、リフレクタ234、236、238(「シェル」、または複数のWolter型リフレクタを含むWolter型リフレクタとしても知られる)を備えてもよい。リフレクタ234、236、238は入れ子状かつ光軸Oに関し回転対称であってもよい。図2において、内側のリフレクタを符号234で示し、中間のリフレクタを符号236で示し、外側のリフレクタを符号238で示す。放射コレクタ212は、ある体積(例えば外側リフレクタ238の内部容積)を包囲する。通常は外側リフレクタ238の内部容積は周囲で閉じられているが、小さい開口が複数設けられてもよい。
【0045】
リフレクタ234、236、238はそれぞれ、少なくとも一部が、1つまたは複数の反射層である面を複数含んでもよい。このため、リフレクタ234、236、238(放射コレクタが4以上のリフレクタまたはシェルを有する実施例においては追加されたリフレクタも)の少なくとも一部は、放射源SOからのEUV放射を反射して集光するよう設計されている。また、リフレクタ234、236、238の少なくとも一部はEUV放射を反射及び集光するように設計されずともよい。たとえば、これらのリフレクタの裏面の少なくとも一部はEUV放射を反射及び集光するように設計されなくてもよい。これら反射層の表面にさらに保護用のキャップ層が設けられてもよい。キャップ層は反射層表面の少なくとも一部に光学フィルタとして設けられてもよい。
【0046】
放射コレクタ212は、放射源SOまたはその像の近傍に配置されていてもよい。各リフレクタ234、236、238は、少なくとも2つの隣接する反射面を備えてもよい。放射源SOから遠い反射面は、放射源SOの近傍の反射面に比べて光軸Oと小さい角度をなすよう配置されている。この構成により、斜入射型コレクタ212は、光軸Oに沿って伝播するEUV放射ビームを生成する。少なくとも2つのリフレクタが実質的に同軸に配置され、光軸Oに実質的に回転対称に延びている。なお、放射コレクタ212は、外側リフレクタ238の外表面または外側リフレクタ238の周囲に、例えば保護ホルダやヒータ等の更なる構成を備えてもよい。
【0047】
本明細書に記載の実施例において、「レンズ」「レンズ素子」なる用語は文脈が許す限り、屈折光学素子、反射光学素子、磁気光学素子、電磁光学素子、及び静電光学素子を含む種々のタイプの光学素子のいずれかまたは任意の組合せを指してもよい。
【0048】
また、本明細書における「放射」及び「ビーム」なる用語は、(例えば365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長λを有する)紫外(UV)放射、(例えば約5から20nmの範囲に含まれる波長(例えば13.5nm)を有する)極紫外(EUVまたは軟X線)放射、5nm未満で作動する硬X線を含むあらゆる電磁放射、及びイオンビームまたは電子ビーム等の粒子ビームを含む。一般に、約780から3000nm(またはそれ以上)の間の波長を有する放射は赤外放射とみなされる。UVとはおよそ100から400nmの波長を有する放射をいう。リソグラフィ分野においては、水銀放電ランプにより生成される波長にもしばしば適用される。436nmのG線、405nmのH線、365nmのI線である。真空UVまたはVUV(すなわち空気に吸収されるUV)とはおよそ100から200nmの波長を有する放射をいう。深紫外(DUV)とは一般に約126から約428nmの波長を有する放射をいう。ある実施の形態においては、エキシマレーザが、リソグラフィ装置で使用されるDUV放射を生成可能である。なお、例えば約5から20nmの波長を有する放射とは、ある波長域の放射であって少なくともその一部が5から20nmの範囲にある放射に関するものと理解されたい。
II.照明ビーム均一性のドリフトを補償するためのシステムおよび方法
【0049】
図3は、本発明の実施の形態に係る均一性リフレッシュ(uniformity refresh)補正システム300の機械的部分を示す。図3において、均一性リフレッシュ(UR)補正システム300は、エネルギセンサ(ES)310と、複数の均一性補償器320とを含む。UR補正システム300は、リソグラフィ稼働中に照明ビームを変更できる。本発明の少なくとも一実施形態では照明ビームは円弧形状に成形され、照明スリット330とよばれる。個々の均一性補償器320の照明スリット330内への動き、または照明スリット330から外への動きを制御することにより、照明スリット330の均一性を制御できる。均一性補償器320はフィンガとも呼ばれる。均一性補償器の動作の例は、本出願と出願人が共通であり同時に係属する2010年5月28日に出願された米国非仮出願12/789,795内に見いだせる。この仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0050】
一実施形態では、目標(ターゲット)とする均一性を達成するために照明スリットの照度を調整するよう図3に示されるフィンガが個々に制御されてもよい。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態にかかる照明スリット430の拡大図である。例えば、図4は少なくとも一実施形態における照明スリット430のサイズおよび形状を示す。照度均一性を調整するために照明スリットの経路に挿入され、また経路から引き出される均一性補償器のフィンガは、図4には示されていない。一実施形態では、均一性補償器は照明スリットの一方の側にのみ配置される。
【0052】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、均一性補償器514および528を含む反射型リソグラフィシステムの例を示す図である。第1の例では図5Aは、種々のミラー504、506、508、510および512によって反射される照明ビームを供給する放射源502を示す。ビームはレチクル516に達する前に、均一性補償器514のフィンガと相互作用する。このレチクルは反射型である。よって、パターン形成された放射ビーム518は基板(図示せず)へと伝播する際にレチクル516から反射される。
【0053】
図5Bには、均一性補償器528を用いた反射型リソグラフィシステムの別の例が示される。放射源520は、ミラー522、524および526によって反射される照明ビームを供給する。ビームはレチクル530に達する前に、均一性補償器528のフィンガと相互作用する。このレチクルは反射型である。したがって、放射ビームはレチクル530によってパターン形成され、パターン形成されたビーム532として反射され、基板(図示せず)へと伝播する。
【0054】
均一性補償器の例は、図6Aおよび6Bにより詳細に示される。 図6Aは、レチクルから下方を見た際の均一性補償器システムの一例の正面図を示す。図6Aは図3と同様であり、フィンガ602およびエネルギセンサ606が設けられた均一性補償器の例を示す。個々の均一性補償器602のビーム604内への動き、またはビーム604の外への動きを制御することにより、照明スリット608の均一性が制御可能となる。
【0055】
図6Aの均一性補償器の例の側面図が図6Bに示される。図6Aにおいて602に示されている均一性補償器フィンガは、図6Bにおいて602に示される。図6Bに示されるように、均一性補償フィンガはレチクル616の下方にあり、距離610によって隔てられている。フィンガ先端(fingertip)とレチクルの間の距離610は、数ミリメートルのオーダである。ある実施例では距離610は、10から20ミリメートルの間であってもよい。
【0056】
図6Bに示される入射および反射ビームは、フィンガ602およびレチクル616と相互作用し、614および620で示されるようにレチクル616とある角度をなすことがわかる。図6Bの残りの構造は、以下で議論されるようにフィンガの動きを制御する作動装置(アクチュエータ)と関連付けられる。
【0057】
均一性補償器の三次元モデルが図7に示される。均一性補償器フィンガ602がみられる。ビーム内へと延びるフィンガ先端602は、ビーム内へ、またはビームから外へと動かすことができる。フィンガ先端602はフィンガネック704に接続されている。フィンガの動きの測定及び制御は、エンコーダボックス706により制御される。マウンティングハードウェアの例が708に図示される。
【0058】
図8は、エンコーダボックス706の切欠図である。前述同様に、ビーム内へまたはビームから外へと動くフィンガ先端602はフィンガネック704に接続されている。フィンガの変位を測定する測定機構808に加えて、制御回路もまたエンコーダボックス706内に格納される。個々のフィンガはそれぞれ、磁石810を利用するリニアモータ812によって(並進運動するように)動かされる。この切欠図には、フレクサ(flexure)816及び818に加えて、フィンガボディ814もまた示されている。
【0059】
図9Aは、重なり合うフィンガによって所定のピッチ906が生じるある特定の実施形態を示す。図9Aの左側部分には、図8のフィンガ602がより詳細にフィーチャ902および904として示されている。これはフィンガを上から見た図である。この重なり合うフィンガ先端の集合は、図10Aおよび10Bにより詳細に示される。 図9Aの右側は、図8の切欠構造に対応する模式的な側面図である。一実施形態においては、所定のフィンガピッチ906は、3から5ミリメートルの間であり、好ましくは約4ミリメートルである。
【0060】
図10Aは、図9Aの左側部の重なり合うフィンガ先端の集合に対応する重なり合うフィンガ先端の集合を示す。個々のフィンガの形が図10Bに示される。図10Aの個々のフィンガを横方向に分離すると、図10Bの状態となる。フィンガ先端の形は、図10Bに示される「T」字型となるよう選択されており、これにより灰色のフィンガが白いフィンガの上に重なる。この実施例におけるフィンガ1008および1010の幅は7ミリメートルである。図10Aに示されるように重ねて並べられる配置によるピッチは4ミリメートルである。
【0061】
図8の切欠図に示される詳細な構造が図9Aの右側に抽象化されて示される。図8に示されるフィンガネック704は、図9Aにフィーチャ918として模式的に示される。フィーチャ918は、やはり模式的に示される上側のフィンガ920および下側のフィンガ922と共に示されている。図9の右の上側のフィンガ920および下側のフィンガ922は、図9A左の上面図の灰色のフィンガ902および白いフィンガ904によってそれぞれ示されるように、重なり合っている。
【0062】
図8の磁石810は、リニアモータ914(812)の他の詳細な構造とともに、図9Aではフィーチャ916として抽象化されている。図8のエンコーダボックス706は、図9Aでは灰色の矩形910として抽象化されている。このエンコーダボックスは、測定センサ912を用いてフィンガアクチュエータの動きを測定する。エンコーダボックス910はまた、フィンガの動きを制御する回路も含む。
【0063】
図8に示される垂直なフィンガネック704は、図9Aの左の上面図では斜線を付した領域908として示され、また図9Aの右の側面図では918として示される。ピッチ906は、一つのフィンガの右側の端と、隣り合うフィンガの対応する右側の端との間の距離として定められる。この例の所与のフィンガの幅は7ミリメートルであるが、フィンガの重なり合い方のために、ピッチはフィンガの幅よりも小さくなっている。特にこの場合、ピッチは4ミリメートルである。
【0064】
図9Bは、2セットのフィンガが互いにずらされる別の実施例を示す。図9Bの実施形態は、2セットのフィンガを配置(あるいは構成)し、一方を他方に対してずらすことにより生成される。したがって図9Bの左の図では、灰色のフィンガは図9Aに示される全てのフィンガに対応する。白いフィンガは、図9Bの右に模式的に示されるように横方向及び垂直方向にずらされた後の図9Aに示されるフィンガの配列に対応する。
【0065】
図9Bの上側のフィンガのセット928は、図9Aのフィンガ920とフィンガ922との完全なセットのコピーである。同じように、図9Bの下側のフィンガのセット930は、図9Aのフィンガ920とフィンガ922との完全なセットの同様なコピーである。したがって、図9Bの実施例は、図9Aの2倍の数のフィンガを備える。このような配置は、両面エンコーダボックス940を用いることにより実現可能である。上段のフィンガの集合用のモータ機構は、948として磁石946とともに示される。同様に、下段のフィンガの集合用の下段モータ952と磁石アセンブリ950が示されている。本実施形態において両面エンコーダボックスは、上段のフィンガのセットの位置をコード化する1個のエンコーダ942と、下段のフィンガのセットの位置をコード化する別のエンコーダ944とを用いる。フィンガの二つの集合の各ネックは、図9Bの右図において938で示され、また左側の上面図において斜線を付した領域934および936として示される。
【0066】
図9Aに示される実施例において、重なりあう28個のフィンガのセットが設けられる。各フィンガの幅は7ミリメートルであり、ピッチは4ミリメートルとなっている。対応する図9Bの実施形態は、28個のフィンガを2セット備える。それぞれのフィンガの幅は3ミリメートルである。第2のセットは、総計48個のフィンガが2ミリメートルピッチを有するように横方向に2ミリメートル移動されてもよい。図9Bの構成を適用するためには、フィンガの長さは図9Bのフィンガのセット928と930で異なる必要がある。これは、図10Aから10Dでより詳細に示される。
【0067】
図10Cは、2ミリメートルピッチを実現するように重なり合うフィンガの集合を示す。これらは、二つの重なり合うフィンガのセットを含む。図10Cに灰色で示されるフィンガは、図10Aの全てのフィンガに対応するが、図10Cおよび10Dのフィンガ先端の幅は3ミリメートルである。 同様に、図10Cに白色で1014として示されるフィンガもまた、図10Aに示される全てのフィンガの複製されたセットに対応するが、例えば幅は7ミリメートルから3ミリメートルへと縮小されている。前述のように、2セットのフィンガは、互いに2ミリメートルずらされている。
【0068】
図9A及び9Bに示される実施形態のビームの照明の均一性補正に関する性能が、図11及び12に示される。 図11及び図12は、様々なタイプの照明(例えば1.擬コンボ(quasi-conv)、2.大環状、3.小環状、4.ダイポールx90、5.ダイポールy90、6.クェーサ45、7.cクアッド45、8.ダイポールx120、9.ダイポールy120)について均一性誤差をプロットする。
【0069】
図11は、図9Aの4ミリメートルピッチの実施形態に対応し、一方図12は、図9Bの2ミリメートルピッチを有する実施形態の均一性誤差を示す。
【0070】
均一性誤差は、最大照度と最小照度の差と、最大照度と最小照度の和との比として定義される。理想的にはこの比は、完全に均一なビームにおいてゼロとなる筈である。非均一照明においては、この比は均一性補償器の性能を数値で表す。これにより、図11および図12において異なる照明に対するバラツキがみられる理由が説明される。 図12は、図9Bに示す構成を用いて同じ照明パターンの組について測定された均一性誤差を示す。図9Bの2ミリメートルピッチの実施形態の図12に示される均一性に関する性能は、図9Aの4ミリメートルピッチの実施形態の図11に示される性能に比べて、明らかに向上している。これは、図9Bの実施形態はピッチがより小さいため、照度のバラツキをより高い空間周波数で補正する能力を備えるためである。
【0071】
図13は、本発明の実施形態にかかる、システムの均一性ドリフトを補償するための方法を示す。このような方法は、基板ごとに成功裏にイメージングされるデバイスの数量を増やすことにより、生産効率を最大化するために利用できる。
【0072】
一実施形態では、基板の各ロット1310の先頭から方法が開始される。ステップ1320において、(例えばスリットで積分された照度、またはスリットに沿った不連続な照度サンプルを用いたスリットスキャン平均によって)照明スリット均一性が測定される。ステップ1330において、均一性リフレッシュ(UR)補正システムは、スリット全域で平坦な照度プロファイルに基づいて均一性補償器(例えばフィンガ)の位置を計算する。選択的にステップ1340において、均一性リフレッシュ(UR)補正システムは非平坦な照度プロファイルに基づいて(例えばオランダ国、ヴェルトホーフェン、ASMLにより製造されるDOSEMAPPERR(登録商標)すなわちDoMaのようなシステムを用いて)均一性補償器(例えばフィンガ)の位置を計算する。DOSEMAPPERRに関する実施例は2009年5月12日に発行された米国特許7,532,308内に見いだせる。その特許は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。ステップ1350において、均一性リフレッシュ(UR)補正システムは、複数の均一性補償器(例えばフィンガ)の位置を設定する。ステップ1360において、基板が露光される。一実施形態においては、各基板の露光中、多数の異なる非平坦プロファイル(例えばDOSEMAPPERRターゲット照明スリットプロファイル)が用いられてもよい(例えば露光されている基板の部分によって)。したがって、単一の基板の露光中であっても、均一性補償器フィンガ位置が変更されてもよい。ステップ1370において、そのロット中の他の基板を露光するか否か決定される。ステップ1370が「はい」であるならば、この方法はステップ1320へともどる。ステップ1370が「いいえ」であり、そのロット中に露光すべき基板がないことを示すならば、ステップ1390にてこの方法は終了する。
【0073】
本発明のある実施の形態では、ステップ1310の間に、単一のロットの続けて処理される基板と基板の間に、照明スリットの均一性が制御される(例えば補正される)。これにより、そのロットの各基板を独立に制御された均一な照明スリットによって露光できる。ステップ1320において、照明スリットの均一性が測定される。例えば、照明スリットの均一性は、例えば照明ビームの移動、光カラム均一性、均一性補償器フィンガのドリフトなどの多数の要素により変化しうる。
【0074】
一実施形態においては、スリット全域にわたって照明スリットの照度を積分することにより、照明スリット均一性が連続的な照度プロファイルとして測定される。追加的に又は代替的に、照明スリットの均一性は、スリットに沿った不連続な照度サンプルを用いたスリットスキャン平均された照度として測定されてもよい。
【0075】
ステップ1330において、ステップ1320で測定された照明スリット均一性を用いて、平坦なターゲット照明スリット均一性が生成されるようにフィンガの位置が計算される。選択的にステップ1340において、ステップ1320で測定された照明スリット均一性と共に非平坦な(DoMa)均一性プロファイルを用いてフィンガの位置を計算することもできる。ステップ1350において、照明ビーム均一性が平坦なターゲットプロファイルまたは非平坦なターゲットプロファイルとマッチするように、計算されたフィンガ位置が設定される。ステップ1360において、基板が露光される。
【0076】
一実施形態においては、基板の異なる部分が異なる照明スリットターゲットプロファイルを用いて露光されるように、フィンガが基板の露光中に動かされる。
【0077】
ステップ1370において、そのロット中に露光すべき基板がさらにあるか決定される。ステップ1370が「はい」であるならば、この方法はステップ1320へともどる。一実施例においては、照明スリット均一性の測定および補正は、単一のロットの基板と基板の間に行われることが望ましい。これは、システムの移動、熱の発生、および振動によって照明スリット均一性の変化が引き起こされた可能性があるからである。ステップ1370が「いいえ」であるならば、この方法はステップ1390で終了する。
【0078】
図14は、本発明の実施形態にかかる、システムの均一性ドリフトを補償するための方法を示す。例えばこの方法は、基板ごとに成功裏にイメージングされるデバイスの数量を増やすことにより、生産効率を最大化するために利用できる。図14に示す方法は、最初の基板が処理される前の初期較正ステップを含んでもよい。後続の基板は、較正ステップを有さずともよく、前の基板の終了(ending)測定値を初期測定値として用いてもよい。
【0079】
ステップ1410において、均一性補償器の位置のオフライン較正が実行される。ステップ1415において、均一性補償器は、機械的に調整される。ステップ1420において、放射ビームが生成される。ステップ1425において、放射ビームが、均一性補償器を含む光学システムを通過させられる。必須でない光学的ステップ1430において、ビームの動きが測定され、またはビームの動きが計算される。ステップ1435において、照明スリット均一性が測定され、または計算される(例えば測定される場合、スリットで積分された照度によって測定されたり、またはスリットに沿った不連続な照度サンプルを用いたスリットスキャン平均によって測定されうる)。ステップ1440において、均一性補償器(例えばフィンガ)の位置が現在の均一性、オフラインデータ、及び/またはビームの動きに基づいて決定される。ステップ1445において、均一性補償器(例えばフィンガ)の位置が調整される。ステップ1450において、図13に示される方法が再実行されるべきか決定される。ステップ1450が「はい」であるならば、図14に示される方法はステップ1420へともどる。ステップ1450が「いいえ」であるならば、図14に示される方法はステップ1455へと移り、ステップ1455において基板が露光される。
【0080】
一実施形態においては各基板の露光中、露光されている基板の部分によって多数の異なる非平坦プロファイル(例えばDOSEMAPPERRターゲット照明スリットプロファイル)が用いられてもよい。例えば単一の基板の露光中でさえも、均一性補償器フィンガ位置が変更がされてもよい。加熱および冷却サイクルの間、関連するパラメータを較正する間、及びこれらの結果を個々の減衰器の作動へ適用する間の均一性の変化のモデリングに関する例は2009年5月12日に発行された米国特許7,532,308内、および2002年9月24日に発行された米国特許6,455,862に見いだせるであろう。これらの特許は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0081】
本発明のある実施の形態では、図13に関して述べたように連続する基板と基板の間に、照明スリット均一性が制御される(例えば、補正される)。また、本発明のある実施の形態では、照明スリット均一性がターゲット照明スリット均一性にマッチするように均一性補償器を調整する方法は、基板毎に少なくとも二回の照明スリット均一性の測定を含む。すなわち、図14に示される方法がステップ1450に到達すると、「繰り返し」決定がなされる。「繰り返し」決定は通常、各基板について初回は「はい」である。決定1450が「はい」であるとき、ステップ1420が繰り返され、新たな放射ビームが生成される。ステップ1435で新たな放射ビームが光学システムを通過させられる。ステップ1435で照明スリット均一性を測定し、ステップ1440で均一性補償器の位置を決定する。そしてステップ1445で均一性補償器を調整する。
【0082】
図14に示す方法が繰り返される間、測定された照明スリット均一性が所定のターゲット照明スリット照度プロファイル(平坦または非平坦)の許容範囲内であるならば補償方法をさらに繰り返す必要はなく、ステップ1450において「いいえ」が選択される。そして、図13に関連して述べたようにステップ1455で基板が露光されうる。図14に示す方法はまた、所定の許容範囲と比較することなく実行されてもよい。ある実施形態では図14に示される方法は1回のみ実行され、ステップ1445の均一性補償器の調整によって照明スリット均一性がターゲット照明スリット照度プロファイル(平坦または非平坦)にマッチしたか否かの決定は繰り返されない。
【0083】
別の例では、測定された照明スリット均一性がターゲット照明スリット照度プロファイル(平坦または非平坦)の所定の許容範囲におさまらない場合、均一性補償器はさらなる調整を要するかもしれない。この場合、ステップ1450において、再び「はい」が選択される。照明スリット均一性は、ターゲット照明スリット照度プロファイルにより近くなるように微調整されうる。あるいはまた、ある基板についての初回の後でさえも、測定された照明スリット均一性がターゲット照明スリット照度プロファイルの所定の許容範囲内であれば、この方法の繰り返しは不要であろう。図13および14に示した本発明の制御方法は、ソフトウエア、ファームウエア、ハードウエア、またはそれらの組み合わせで実現されてもよい。図15は、本発明またはその一部がコンピュータにより読み出し可能なコードとして実装されうるコンピュータシステム1500の例を示す。
【0084】
図13および14のフローチャートで説明した方法は、コンピュータシステム1500で実現することができる。コンピュータシステム1500は、ディスプレイ1530に接続されたディスプレイインタフェイス1502を含む。本発明の種々の実施例をこのコンピュータシステム1500の例に関連して説明する。本明細書を読めば、本発明の実施形態を、他のコンピュータシステムおよび/またはコンピュータアーキテクチャを使用して実現する方法は当業者には明らかであろう。
【0085】
コンピュータシステム1500は例えばプロセッサ1504のような1つまたは複数のプロセッサを有する。プロセッサ1504は、専用プロセッサまたは汎用プロセッサであってよい。プロセッサ1504は通信インフラストラクチャ1506(例えばバスまたはネットワーク)と接続されている。
【0086】
コンピュータシステム1500はまた、好適にはRAMであるメインメモリ1505を含み、さらに二次メモリ1510を含んでもよい。二次メモリ1510は例えばハードディスクドライブ1512、取り外し可能記憶装置ドライブ1514および/またはメモリースティックを含んでもよい。取り外し可能記憶装置ドライブ1514は、例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリ等を備えてもよい。取り外し可能記憶装置ドライブ1514は取り外し可能記憶装置1518に対して公知の方法で読み書きすることができる。取り外し可能記憶装置1518はフロッピーディスク、磁気テープ、光学ディスク等を含んでもよく、取り外し可能記憶ドライブ1514により読み書きされる。取り外し可能記憶装置1518は、コンピュータソフトウエアおよび/またはデータを格納したコンピュータ使用可能媒体を含むことは、当業者には理解されるであろう。
【0087】
別の実装では、二次メモリ1510は、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータシステム1500にロードする他の類似デバイスを含んでもよい。このようなデバイスは例えば取り外し可能記憶装置1518およびインタフェイス1520を含んでもよい。このようなデバイスの例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェイス(例えばビデオゲームデバイスで使用される)、取り外し可能メモリチップ(例えばEPROMまたはPROM)および関連するソケット、他の取り外し可能記憶装置1518及びインタフェイス1520を含んでもよい。このようなデバイスは、ソフトウエアおよびデータを取り外し可能記憶装置1518からコンピュータシステム1500に伝送する。
【0088】
コンピュータシステム1500はまた通信インタフェイス1524を含んでもよい。通信インタフェイス1524により、ソフトウエアおよびデータをコンピュータシステム1500と外部デバイスとの間で伝送することができる。通信インタフェイス1524の例は、モデム、ネットワークインタフェイス(たとえばイーサネット(登録商標)カード)、通信ポート、PCMCIAスロットおよびカード等である。通信インタフェイス1524を介して伝送されるソフトウエアおよびデータは信号の形態をとり、例えば電子的、電磁的、光学的信号の形態、または通信インタフェイス1524により受信することのできる他の信号の形態であってもよい。これらの信号は通信インタフェイス1524に、通信経路1526および1528を介して供給される。通信経路1526および1528は信号を搬送する。これはワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、無線リンクおよび他の通信チャネルにより実現されうる。
【0089】
本明細書で用語「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」は一般的に、取り外し可能記憶装置1518、ハードディスクドライブ1512にインストールされたハードディスクのような媒体を指す。コンピュータプログラム媒体とコンピュータ使用可能媒体はまた、例えばメインメモリ1505、および二次メモリ1510のような半導体メモリ(例えばDRAM等)とすることのできるメモリを指してもよい。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム1500にソフトウェアを提供する。
【0090】
コンピュータプログラム(コンピュータコントロールロジックとも呼ばれる)はメインメモリ1505および/又は二次メモリ1510に格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェイス1524を介して受信されてもよい。このようなコンピュータプログラムが実行されると、コンピュータシステム1500は本発明の実施形態を本明細書で説明したように実現することができる。特に、コンピュータプログラムが実行されると、プロセッサ1504は、例えば上述の図13のフローチャートで示される方法のステップのように本発明のプロセスを実現することができる。したがってこのようなコンピュータプログラムはコンピュータシステム1500の制御部(コントローラ)の典型例である。本発明がソフトウエアにより実現される場合、ソフトウエアはコンピュータプログラム製品に格納され、取り外し可能記憶装置ドライブ1514、インタフェイス1520、ハードドライブ1512または通信インタフェイス1524によってコンピュータシステム1500にロードされうる。
【0091】
本発明の実施形態はまた、任意のコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウエアを含むコンピュータプログラム製品に関する。このようなソフトウエアが1つ又は複数のデータ処理デバイスで実行されると、データ処理デバイスは本明細書で説明したように動作する。本発明の実施形態は、現在又は将来知られる任意のコンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体を用いる。コンピュータ使用可能媒体の例は、以下に制限されるものではないが、例えば一次記憶デバイス(例えば任意の種類のROM)、二次記憶デバイス(例えばハードドライブ、フロッピーディスク、CDROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、光学的記憶デバイス、MEMS、ナノテクノロジー記憶デバイス等)、および通信媒体(例えば有線または無線通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、イントラネット等)を含む。
(結論)
【0092】
サマリ(Summary)および要約(Abstract)の欄ではなく、詳細な説明(Detailed Description)の欄が特許請求の範囲の解釈に使用されるよう意図されていることを認識されたい。サマリおよび要約の欄には、本発明者が想定する本発明の全てではないひとつ以上の例示的な実施の形態が示されており、したがって本発明および添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも制限するよう意図されたものではない。
【0093】
本発明は上で、複数の特定の機能の実現およびそれらの間の関係を示す機能ブロックの助けを借りて説明された。これらの機能ブロックの境界は本明細書では説明の便宜のために任意に決められた。複数の特定の機能およびそれらの間の関係が適切に実行される限り、代替的な境界が決められてもよい。
【0094】
特定の実施の形態についての上記説明は十分に本発明の概要を明らかにするはずのものであるから、他者は当技術分野のスキルの範囲内の知識を適用することによって、種々のアプリケーションに対してそのような特定の実施の形態を、過度の実験に依らずとも、また本発明の概念から離れることなく、容易に変形および/または適合させることができる。したがって、本明細書で示された教示および示唆に基づいて、そのような適合や変形は開示された実施の形態の均等物の意味および範囲の中にあることが意図されている。本明細書における言語の使用法や用語の使用法は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではなく、本明細書における言語の使用法や用語の使用法は当業者によって本明細書の教示および示唆に照らして解釈されるべきであることは理解されるべきである。
【0095】
本発明の範囲と精神は上記の例示的な実施の形態のいずれによっても限定されず、請求項とその均等物によってのみ定義されるものである。
【0096】
本願における特許請求の範囲は、親出願またはその他の関連出願とは異なる。従って、出願人は、本願に関係する親出願または先行出願においてなされた特許請求の範囲のいかなるディスクレーマをも取り消す。それ故、審査官には以前のディスクレーマおよび引用文献について再調査が必要となる可能性があることを助言する。さらに、審査官は本願におけるいかなるディスクレーマも親出願に対して読み込まれるべきではないことを注意されたい。
【図1A】
【図1B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
前記調整された放射ビームにパターンを付与するパターニングデバイスを支持するサポート構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
パターン付与された放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
を備え、
前記照明システムは、放射ビームに照らされたとき実質的に一定の瞳を受ける面上に配置される均一性補正システムを備え、該均一性補正システムは、
放射ビームの各部分の照度を補正するために放射ビームとの交差の内側および外側へと移動可能であるフィンガと、
前記フィンガのうちの対応するフィンガと結合され、対応するフィンガを動かす作動デバイスとを含み、
各フィンガの先端の幅は、前記作動デバイスの幅よりも大きいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガによって補正される放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガの先端よりも小さいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項4】
請求項2に記載のリソグラフィ装置であって、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガ先端のサイズの約半分であることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項5】
請求項2に記載のリソグラフィ装置であって、前記先端の幅は約7mmであり、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は約4mmであることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガは、第1、第2、第3、第4グループにグループ化されてそれぞれ第1、第2、第3、第4の面に配置され、前記第1から第4の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガによって補正される放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガ先端の幅よりも小さいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項8】
請求項6に記載のリソグラフィ装置であって、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガ先端のサイズの約半分であることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項9】
請求項6に記載のリソグラフィ装置であって、前記先端の幅は約3mmであり、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は約2mmであることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項10】
デバイス製造方法であって、
放射ビームを第1の面において実質的に一定な瞳を形成するよう第1の面にてフォーカスさせるステップと、
第1の面の近傍に配置されたフィンガを放射ビームの経路内へおよび経路外へと動かすことにより、第1の面の近傍で放射ビーム照度を調整するステップとを備え、
放射ビームにパターンを付与するために放射ビームをパターニングデバイスへと導くステップと、
パターン付与された放射ビームを基板に投影するステップと、
を備え、
前記各フィンガの先端の幅はそのフィンガに対応する作動デバイスの幅よりも大きく、作動デバイスは前記フィンガのうち対応する一つのフィンガを動かすために用いられることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とする方法。
【請求項12】
放射ビームの各部分の照度を補正するために放射ビームとの交差の内側および外側へと移動可能であるフィンガであって、放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受ける面上に位置するフィンガと、
前記フィンガのうちの対応するフィンガと結合され、対応するフィンガを動かす作動デバイスとを備え、
前記各フィンガの先端の幅は、前記作動デバイスの幅よりも大きいことを特徴とする均一性補正システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項14】
放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受ける第1の面上に位置するフィンガを提供するステップと、
放射ビームの経路の内側へおよび外側へと移動することにより放射ビームの前記第1の面における照度を補正する前記フィンガの一つとそれぞれ接続される作動デバイスを提供するステップとを備え、
前記各フィンガの先端の幅はそのフィンガに対応する作動デバイスの幅よりも大きく、作動デバイスは前記フィンガのうち対応する一つのフィンガを動かすために用いられることを特徴とする均一性補正システム。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガは重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とする方法。
【請求項1】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
前記調整された放射ビームにパターンを付与するパターニングデバイスを支持するサポート構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
パターン付与された放射ビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムと、
を備え、
前記照明システムは、放射ビームに照らされたとき実質的に一定の瞳を受ける面上に配置される均一性補正システムを備え、該均一性補正システムは、
放射ビームの各部分の照度を補正するために放射ビームとの交差の内側および外側へと移動可能であるフィンガと、
前記フィンガのうちの対応するフィンガと結合され、対応するフィンガを動かす作動デバイスとを含み、
各フィンガの先端の幅は、前記作動デバイスの幅よりも大きいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガによって補正される放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガの先端よりも小さいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項4】
請求項2に記載のリソグラフィ装置であって、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガ先端のサイズの約半分であることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項5】
請求項2に記載のリソグラフィ装置であって、前記先端の幅は約7mmであり、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は約4mmであることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガは、第1、第2、第3、第4グループにグループ化されてそれぞれ第1、第2、第3、第4の面に配置され、前記第1から第4の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のリソグラフィ装置であって、前記フィンガによって補正される放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガ先端の幅よりも小さいことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項8】
請求項6に記載のリソグラフィ装置であって、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は、前記フィンガ先端のサイズの約半分であることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項9】
請求項6に記載のリソグラフィ装置であって、前記先端の幅は約3mmであり、放射の照度ばらつきの最小空間的周期は約2mmであることを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項10】
デバイス製造方法であって、
放射ビームを第1の面において実質的に一定な瞳を形成するよう第1の面にてフォーカスさせるステップと、
第1の面の近傍に配置されたフィンガを放射ビームの経路内へおよび経路外へと動かすことにより、第1の面の近傍で放射ビーム照度を調整するステップとを備え、
放射ビームにパターンを付与するために放射ビームをパターニングデバイスへと導くステップと、
パターン付与された放射ビームを基板に投影するステップと、
を備え、
前記各フィンガの先端の幅はそのフィンガに対応する作動デバイスの幅よりも大きく、作動デバイスは前記フィンガのうち対応する一つのフィンガを動かすために用いられることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とする方法。
【請求項12】
放射ビームの各部分の照度を補正するために放射ビームとの交差の内側および外側へと移動可能であるフィンガであって、放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受ける面上に位置するフィンガと、
前記フィンガのうちの対応するフィンガと結合され、対応するフィンガを動かす作動デバイスとを備え、
前記各フィンガの先端の幅は、前記作動デバイスの幅よりも大きいことを特徴とする均一性補正システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガが重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とするシステム。
【請求項14】
放射ビームに照らされたときに実質的に一定の瞳を受ける第1の面上に位置するフィンガを提供するステップと、
放射ビームの経路の内側へおよび外側へと移動することにより放射ビームの前記第1の面における照度を補正する前記フィンガの一つとそれぞれ接続される作動デバイスを提供するステップとを備え、
前記各フィンガの先端の幅はそのフィンガに対応する作動デバイスの幅よりも大きく、作動デバイスは前記フィンガのうち対応する一つのフィンガを動かすために用いられることを特徴とする均一性補正システム。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記フィンガは、第1および第2のグループにグループ化されてそれぞれ第1および第2の面に配置され、前記第1および第2の面はこれらの面に垂直な方向に沿って互いに隔てられ、隣り合うフィンガは重なり合うように各フィンガの幅はフィンガ間の間隔よりも大きいことを特徴とする方法。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−222363(P2012−222363A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−89438(P2012−89438)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【出願人】(503195263)エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. (232)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−89438(P2012−89438)
【出願日】平成24年4月10日(2012.4.10)
【出願人】(503195263)エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. (232)
【Fターム(参考)】
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