説明

FPC及びFPCコネクタ

【目的】 複数の基板を相互接続する場合に使用して、その使用数を削減することができ、基板の実装面積を拡大することのできるFPC及びFPCコネクタを得る。
【構成】 FPCは、その中間部にコネクタのコンタクトとの接触を行う接触ランドが設けられる。また、コネクタは、FPCを貫通させることが可能な可能穴を有し、コネクタコンタクトと前記FPCの中間部の接触ランドとを接触させるさせることができるように構成される。この結果、複数の基板を相互に接続する場合、両端以外の基板にも、1個のコネクタを搭載するのみで接続可能となる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子回路基板等を相互に接続するために使用して好適なFPC(フレキシブル プリント サーキット)及びFPCコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のFPC及びFPCコネクタに関する従来技術として、例えば、特開昭55−88384号公報等に記載された技術が知られている。
【0003】この従来技術は、FPCとコネクタとを嵌合する構造に関するものであり、FPCの端部にコネクタのコンタクトに接続するためのランドを設け、このランドを介してFPCとコネクタとを接続するというものである。
【0004】図11は前記従来技術によるFPCとFPCコネクタとを使用して4枚の回路基板を接続した状態を示す図である。図11において、5a〜5dは回路基板である。
【0005】前述した従来技術の場合、FPCとFPCコネクタとの接続は、FPCの端部でしか行うことができない。このため、複数の回路基板相互間をこのようなFPCとFPCコネクタとを使用して接続する場合、図1010に示すように、両端となる基板以外の基板、図示例では基板5b、5cには、最低2個のコネクタを搭載して接続を行う必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、多数の基板相互間を、FPC及びFPCコネクタを使用して直列的に接続する場合、両端となる基板以外の各基板にFPCコネクタを最低2個搭載する必要があり、余分な実装面積を要し、基板を有効に利用することができないという問題点を有している。
【0007】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、前述のような場合にも、FPCコネクタの使用数の低減を図ることができ、回路基板を有効に利用することを可能にするFPC及びFPCコネクタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的は、1枚のFPCの中間部分にコネクタのコンタクトと接触させるランドを多数設け、FPCコネクタを、その内部に前述のFPCを貫通させることのできる貫通穴を設け、この穴部でFPCと嵌合させることができる構造とすることにより達成される。
【0009】
【作用】FPCコネクタをFPCの中間で嵌合させることができるので、複数の回路基板相互間を直列的に接続する場合、両端以外の回路基板上に搭載するFPCコネクタの必要数を1個とすることができる。このため、FPC及びFPCコネクタの使用数を削減することができ、回路基板の高密度実装化を図ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明によるFPC及びFPCコネクタの実施例を図面により詳細に説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例によるFPCの構成を示す平面図、図2は本発明の一実施例によるFPCコネクタの構成を示す斜視図、図3はFPCコネクタにFPCを貫通させた状態を示す斜視図、図4は図3の状態における縦断面図、図5は図3の状態における横断面図である。図1〜図5において、1a〜1cはランド、2a〜2eは導体パターン、3はコネクタの固定部、4a〜4eはコネクタのコンタクトである。
【0012】本発明の一実施例によるFPCは、図1に示すように、複数の導体パターン2a〜2eを備え、その両端に従来技術の場合と同様にコネクタのコンタクトに接続する接触ランド1aが設けられ、FPCの端部以外の中間部分に、本発明によるコネクタのコンタクトに接続する接触ランド1b、1cを設けて構成されている。
【0013】図示実施例において、接触ランド1bは、FPCの全導体パターン2a〜2eに対して設けられた接触ランドであり、接触ランド1cは、FPCの導体パターン2c、2dに対して設けられた接触ランドである。これらの、FPCの中間に設けられる接触ランドは、図示例に限らず、任意の導体パターンに対して設けることができる。
【0014】前述したFPCの中間部に設けられた接触ランドと接触するコンタクトを有するコネクタは、図2R>2、図3に示すように、前述の接触ランド2a〜2eに接触するコンタクト4a〜4eを備え、かつ、その両側にFPC挿入口持ち、FPCを貫通させることができるような貫通穴を備えて構成されている。
【0015】このため、図1のFPCをコネクタに貫通させスライドさせて、コネクタのコンタクトと接触ランドとの位置合わせを行い、FPCの固定部3を閉じることにより、FPCの固定部3によりFPCが押えつけられ、FPCコネクタのコンタクト4a〜4eとFPCのランド1a〜1eとが確実に接触させられる。
【0016】FPCコネクタのコンタクト4a〜4eとFPCのランド1a〜1eとが接触した状態における縦横の断面が図4、図5に示されている。このコネクタは、本発明を基板挿入タイプのコネクタに適用したものであり、コネクタの下部には、基板との接続を行うためのコンタクト対応のピンが設けられている図6は本発明の他の実施例によるFPCコネクタの構成を示す斜視図、図7はFPCコネクタにFPCを貫通させた状態を示す斜視図、図8は図7の状態における縦断面図、図9は図7の状態における横断面図である。図示実施例のコネクタは、基板面付タイプのコネクタに本発明を適用したものであり、図6〜図9の符号は図1〜図5の場合と同一である。
【0017】このコネクタは、コンタクトを4c、4dのみとし、基板との接続を面付タイプとしたコネクタに本発明を適用したものであり、他は図2〜図5により説明した実施例と同様に構成されている。すなわち、このコネクタは、2つのコンタクトをFPC導体パターン2c、2dだけの接触ランド1cと対応させたものであり、前述と同様に、FPCを嵌合することによって接触を得ることができる。もちろん、コンタクトを全導体パターンに対応して設けることができる。
【0018】図10は前述した本発明の実施例によるFPCとFPCコネクタとを使用して4枚の回路基板を接続した状態を示す図であり、図の符号は図11の場合と同一である。
【0019】この図10及び前述した図11から判るように、従来技術の場合、FPCコネクタを2個搭載しなければならなかった中間の基板5b、5cも、本発明の実施例により、1個のFPCコネクタを搭載するだけよく、このため、少ないコネクタ数で複数の基板相互間の接続を行うことができ、基板上の実装面積の拡大を図ることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、FPCの中間部分でFPCコネクタとの接触を行わせることができるので、回路基板を複数個相互接続する場合に、FPCコネクタの使用数の低減を図ることができ、回路基板の実装面積の拡大、有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるFPCの構成を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施例によるFPCコネクタの構成を示す斜視図である。
【図3】FPCコネクタにFPCを貫通させた状態を示す斜視図である。
【図4】図3の状態における縦断面図である。
【図5】図3の状態における横断面図である。
【図6】本発明の他の実施例によるFPCコネクタの構成を示す斜視図である。
【図7】FPCコネクタにFPCを貫通させた状態を示す斜視図である。
【図8】図7の状態における縦断面図である。
【図9】図7の状態における横断面図である。
【図10】本発明の実施例によるFPCとFPCコネクタとを使用して4枚の回路基板を接続した状態を示す図である。
【図11】従来技術によるFPCとFPCコネクタとを使用して4枚の回路基板を接続した状態を示す図である。
【符号の説明】
1a〜1c ランド
2a〜2e 導体パターン
3 コネクタの固定部
4a〜4e コネクタのコンタクト
5a〜5d コネクタ搭載基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の基板相互間を接続するFPCにおいて、FPCの端部以外の中間部分にコネクタのコンタクトと接続される接触ランドを設けたことを特徴とするFPC。
【請求項2】 FPCを接続するコネクタにおいて、FPCを貫通させる貫通穴を備え、該貫通穴部で、FPCの中間に設けた接触ランドとコネクタのコンタクトとを接続することを特徴とするFPCコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開平5−114774
【公開日】平成5年(1993)5月7日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−302593
【出願日】平成3年(1991)10月23日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000153454)株式会社日立コンピユータエレクトロニクス (41)