説明

GHRH分子の医薬製剤

活性成分としてGHRH分子を含む安定化された固体および液体医薬製剤、およびより具体的には、[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドを含むGHRH類似体を開示する。該製剤には陰イオン界面活性剤および非還元糖を含み、約4.0乃至約7.5のpHを有する。また、様々な状態の治療のための該製剤の使用、該製剤を調製する方法、さらに、それを含むキットを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体医薬製剤および固体医薬製剤を含む、GHRH分子の医薬製剤に関する。さらに、本発明は、こうしたGHRH分子の医薬製剤の調製の方法、およびその使用に関する
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、35 U.S.C.§ 119(e)に基づいて、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれている、2007年4月4日に出願された米国暫定出願第60/909,985号の利益を主張するものである。
【0003】
成長ホルモン(GH)またはソマトトロピンは、脳下垂体によって分泌される。その活性は若い生命体の線形成長だけでなく、その成体の段階における完全性の維持のために必須である。GHは、成長因子(インスリン様成長因子−1またはIGF−I)またはその受容体(表皮性成長因子またはEGF)の合成を刺激することにより、末梢器官に直接または間接的に作用する。GHの直接作用は反インスリンと称される種類のものであり、脂肪組織レベルで脂肪分解に有利に働く。IGF−I(ソマトメジンC)合成および分泌におけるその作用によって、GHは、軟骨および骨の成長(構造的成長)、タンパク質合成、および筋肉および皮膚を含む複数の末梢器官における細胞増殖を刺激する。成体において、GHはタンパク質同化状態の維持に関与し、外傷の後の組織の再生現象において主要な働きをする。
【0004】
脳下垂体によるGHの分泌は、主に2つの視床下部のペプチドである、ソマトスタチンおよび成長ホルモン放出ホルモン(GHRH、成長ホルモン放出因子またはGRFとしても知られる)によって制御される。ソマトスタチンがその分泌を抑制する一方で、GHRHはこれを刺激する。
【0005】
全ての公知のGHRH分子の中で、本発明において定義される、疎水性尾部を含むGHRH類似体は、生物学的環境においてより高いタンパク質分解の安定性を有することがわかっているヒトGHRHの改変型または類似体で構成されており、このため、これらの類似体は、より長い作用の持続時間を示し、その結果、成長ホルモン分泌およびインスリン様成長因子−1の合成が促進される(米国特許第5,861,379号および第5,939,386号)。天然のGHRH(1−44)アミドと比較して、そのプラズマ安定性および薬理学的な特性が優れているため、これらのGHRH類似体は、例えば嚢胞性線維症およびCOPDに関連する衰弱(国際出願第WO 05/037307号)、股関節骨折からの回復、高齢世代における虚弱、免疫反応およびHIV関連のリポジストロフィの向上(米国特許第7,316,997号)におけるいくつかの医学的状態において治療効果をもたらすことが示された。
【0006】
実用上、その製造プロセス、以降の処理および保管時において、薬学的な関心対象となるペプチドまたはタンパク質化合物の物理的および化学的な完全性を保全することは非常に重要である。生物学的有効性および効力の損失は、物理的(例えば、二次的およびより高次の構造における凝集、変性、変更)および化学的(例えば、個々のアミノ酸の酸化、脱アミド化、異性化)完全性における変化と関連している。
【0007】
タンパク質およびペプチドは、特に高温で分解しやすい。低温では、概して、ペプチド/タンパク質分解は減少する。しかし、室温、すなわち約20℃乃至25℃でタンパク質を保管することがより経済的である。概して、室温(約20℃乃至約25℃)または冷蔵(約2℃乃至約8℃)における保管のために製剤安定性が望ましい。
【0008】
さらに、製造時の処理、その長期の保管、および投与前の処理に関する、安定性の問題も存在する。長期の保管は、凍結、凍結乾燥、乾燥または脱水化によって実行可能である。これらの生物学的タンパク質の長期の保管方法は、分解、凝集、天然の構造の変性、アンフォールディングおよび/または非特異的吸着を妨げる。しかし、凍結乾燥プロセスそのものが困難を示している。凍結プロセス時に液体の容量が減少するにつれて、有効な塩濃度は劇的に増加し、これによって、タンパク質が変性し、再構成において有効な治療的活性が低下することがある。さらに、凍結プロセスにおける氷晶の形成は変性を引き起こし、さらに、利用可能な生物活性ペプチドまたはタンパク質の有効量を低減させることがある。
【0009】
いくつかの変性の問題は、タンパク質分解、酵素分解、酸化、pHに関する変性等の特定のアミノ酸またはいくつかのアミノ酸配列に特有である。GHRHのアミノ酸配列は、液体の状態における長期の保管時および凍結乾燥または他の固化プロセス時の変性に左右されることが公知である。
【0010】
したがって、長期の保管後にその生物活性の保持を向上させるために、GHRH分子の改善された製剤を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、GHRH分子の医薬製剤または組成物、その調製方法、およびその使用に関する。
【0012】
したがって、一態様において、本発明は、GHRH分子、陰イオン界面活性剤、および非還元糖を含む乾燥または固体医薬製剤に関する。一実施形態において、該製剤は、水に懸濁させた際に計測すると約4.0乃至約7.5のpHを有する。さらなる実施形態において、該製剤は、水に懸濁させた際に計測すると約4.0乃至約7.0のpHを有する。一実施形態において、固体製剤は凍結乾燥製剤である。一実施形態において、固体製剤は無水製剤である。本発明に従い、「固体」という用語は、凍結乾燥形態、無水形態、凍結形態および任意の他の固体形態を含むが、これらに限定しない。
【0013】
本発明はまた、GHRH分子、陰イオン界面活性剤、および非還元糖を含み、約4.0乃至7.5のpHを有する液体医薬製剤に関する。一実施形態において、該製剤は約4.0乃至約7.0のpHを有する。
【0014】
本発明は、さらに、上記の液体製剤を凍結乾燥または脱水化することによって調製される凍結乾燥または無水医薬製剤に関する。
【0015】
本発明の液体医薬製剤は凍結乾燥または脱水に適しており、少なくとも1週、少なくとも2週、少なくとも3週、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月または少なくとも6ヶ月等の長期間、凍結乾燥形態、乾燥形態または固体形態で製剤を保存する場合に、高いGHRH分子安定性を提供する。本発明の液体医薬製剤は、凍結乾燥または脱水に適しており、約2℃乃至約8℃、約20℃乃至約25℃、約40℃、または約40℃未満等の異なる温度条件において凍結乾燥/乾燥形態で製剤を保存する場合により高いGHRH分子安定性を提供する。
【0016】
一実施形態によると、GHRH分子は式AのGHRH類似体:X−GHRHペプチド(A)であって、
GHRHペプチドは式B:
A1−A2−Asp−Ala−lle−Phe−Thr−A8−Ser−Tyr−Arg−Lys−A13−Leu−A15−GlN−Leu−A18−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−A24−A25−lle−A27−A28−Arg−A30−R0(B)(配列番号1)のペプチドであって、
式中、
A1はTyrまたはHisであり、
A2はValまたはAlaであり、
A8はAsnまたはSerであり、
A13はValまたはlleであり、
A15はAlaまたはGlyであり、
A18はSerまたはTyrであり、
A24はGlnまたはHisであり、
A25はAspまたはGluであり、
A27はMet、lleまたはNleであり、
A28はSerまたはAsnであり、
A30は結合、または1個乃至最大15個の残基のアミノ酸配列であり、
R0はNH2またはNH−(CH2)n−CONH2(n=1〜12)であり、
Xは、ペプチドのN末端を介して固定された疎水性尾部であり、疎水性尾部は、5個乃至7個の原子の主鎖を画定し、主鎖は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはC6-12アリルによって置換することができ、主鎖は、前記主鎖の少なくとも2個の原子に連結される少なくとも1つの剛直化部分を含み、前記部分は、二重結合、三重結合、飽和または不飽和C3-9シクロアルキル、またはC6-12アリルである。
【0017】
さらなる実施形態において、式AのXは、
【化1】

【0018】
【化2】

【0019】
【化3】

【0020】
【化4】

【0021】
である。
【0022】
一実施形態において、式BのA30は、
(a)結合、
(b)天然GHRHペプチド(配列番号6)の30位〜44位に対応するアミノ酸配列、および
(c)そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有する、配列番号6のアミノ酸配列である。
【0023】
一実施形態において、GHRHペプチドは、
(a)配列番号2または3のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(b)配列番号4または5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、または
(c)(a)そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有するポリペプチドである。
【0024】
一実施形態において、GHRHペプチドは、
(a)配列番号2または3のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(b)配列番号4または5のアミノ酸配列を有するポリペプチド、または
(c)(a)そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有するポリペプチドである。
【0025】
別の実施形態において、GHRH類似体は(ヘキセノイルトランス−3)hGHRH(1−44)NH2(配列番号7)である。
【0026】
一実施形態において、上記固体製剤は凍結乾燥製剤である。
【0027】
上記の液体製剤内のGHRH分子濃度は、特定の範囲に制限されない。例えば、上記の液体製剤内のGHRH分子濃度は、約1mg乃至約20mg/mlの間(例えば1mg/ml、2mg/ml、4mg/ml、6mg/ml、8mg/ml、10mg/ml、12mg/ml、14mg/ml、16mg/ml、18mg/mlまたは20mg/ml)とし得る。
【0028】
本発明の実施形態によると、固体製剤および/または液体製剤の非還元糖はトレハロースまたはスクロースである。非還元糖は好適には安定化に効力がある量で存在する。一実施形態において、非還元糖はトレハロースである。別の実施形態において、非還元糖はスクロースである。一実施形態において、非還元糖は約0.1%(w/w)乃至約5%(w/w)の濃度で存在する。さらなる実施形態において、非還元糖は約2%(w/w)の濃度で存在する。非還元糖濃度および本明細書中に記載される以下の部分のいずれかの濃度は、液体製剤または固体製剤の懸濁によって得られる溶液の濃度に相当する。
【0029】
本発明の実施形態によると、固体製剤および/または液体製剤の陰イオン界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルである。さらなる実施形態において、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルはポリソルベート−20である。一実施形態において、陰イオン界面活性剤は界面に関する応力を防ぐために有効な量で存在する。界面に関する応力は、凝集、沈殿、アンフォールディング等を含むが、これらに限定しない。別の実施形態において、界面活性剤は、約0.001%(w/w)乃至約0.1%(w/w)の濃度で存在する。さらなる実施形態において、界面活性剤は約0.01%(w/w)の濃度で存在する。
【0030】
本発明の実施形態によると、固体製剤および/または液体製剤は、任意で、さらに増量剤を含む。一実施形態において、増量剤は、液体製剤または固体製剤を懸濁することによって得られる溶液の所望の等張性を与えるために有効な量で存在する。一実施形態において、増量剤はマンニトールである。別の実施形態において、増量剤は約1%(w/w)乃至約10%(w/w)の濃度で存在する。さらなる実施形態において、増量剤は約4%(w/w)の濃度で存在する。
【0031】
本発明の別の実施形態によると、固体製剤および/または液体製剤は、任意で、さらに抗酸化剤を含む。一実施形態において、抗酸化剤はメチオニンである。一実施形態において、抗酸化剤は抗酸化作用に有効な量で存在する。別の実施形態において、抗酸化剤は約0.1mM乃至約10mMの濃度で存在する。さらなる実施形態において、抗酸化剤は約1mMの濃度で存在する。
【0032】
本発明の実施形態によると、固体製剤および/または液体製剤は、実質的にポリエチレングリコールを含まない。さらなる実施形態において、固体製剤および/または液体製剤はポリエチレングリコールを含まない。一実施形態において、固体製剤および/または液体製剤のポリエチレングリコール濃度は、安定化に有効な濃度未満である。一実施形態において、固体製剤および/または液体製剤は約0.1%(w/w)未満のポリエチレングリコールを含む。別の実施形態において、固体製剤および/または液体製剤は、約0.01%未満のポリエチレングリコールを含む。さらなる実施形態において、固体製剤および/または液体製剤は、約0.001%(w/w)未満のポリエチレングリコールを含む。
【0033】
本発明の一実施形態によると、製剤は約5.0乃至約6.0のpHを有する。別の実施形態によると、製剤は約5.0のpHを有する。さらなる実施形態によると、製剤は約5.5のpHを有する。別のさらなる実施形態によると、製剤は約6.0のpHを有する。一実施形態において、製剤はさらに緩衝液を含む。別の実施形態において、緩衝液は(i)琥珀酸緩衝液、(ii)ヒスチジン緩衝液、(iii)リン酸塩緩衝液、または(iv)(i)乃至(iii)の任意の組み合わせを含む。実施形態において、pHは凍結乾燥または固化以前の液体製剤のもの、または凍結乾燥製剤または固体製剤の液体形態への懸濁によって調製される液体製剤のものである。
【0034】
一実施形態によると、製剤は[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド、約0.01%(w/w)のポリソルベート−20、約2%(w/w)の(i)トレハロース、(ii)スクロース、または(iii)(i)および(ii)の任意の組み合わせ、約4%(w/w)のマンニトール、ならびに(i)琥珀酸緩衝液、(ii)ヒスチジン緩衝液、または(iii)(i)および(ii)の任意の組み合わせを含み、製剤は約5.0乃至約6.0のpHを有する。
【0035】
さらなる実施形態によると、製剤は、[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド、約0.01%(w/w)のポリソルベート−20、約2%(w/w)のスクロース、約4%(w/w)のマンニトール、およびヒスチジン緩衝液を含み、製剤は約6.0のpHを有する。
【0036】
さらなる実施形態によると、製剤は[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド、約0.01%(w/w)のポリソルベート−20、約2%(w/w)のスクロース、約4%(w/w)のマンニトール、および琥珀酸緩衝液を含み、製剤は約5.5のpHを有する。
【0037】
さらなる実施形態によると、製剤は[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド、約0.01%(w/w)のポリソルベート−20、約2%(w/w)のスクロース、約4%(w/w)のマンニトール、および琥珀酸緩衝液を含み、製剤は約5.0のpHを有する。
【0038】
さらなる実施形態によると、製剤は[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド、約0.01%(w/w)ポリソルベート−20、約2%(w/w)トレハロース、約4%(w/w)マンニトール、および琥珀酸緩衝液を含み、製剤は約5.5のpHを有する。
【0039】
本発明はさらに、薬剤の調製のための、または薬剤としての(a)上記の液体医薬製剤、(b)滅菌水溶液によって上記の固体医薬製剤を懸濁することにより調製された液体医薬製剤、または(c)滅菌水溶液によって上記の液体医薬製剤を凍結乾燥させることにより得られる凍結乾燥医薬製剤を懸濁することにより調製される液体医薬製剤の使用に関する。
【0040】
本発明はさらに、HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、GH欠乏、腹部肥満、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患に関連する衰弱、あるいは慢性疾患に関連する栄養失調の治療のための、(a)上記の液体医薬製剤、(b)上記の固体医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、または(c)上記の液体医薬製剤を凍結乾燥することで得られる凍結乾燥医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤の使用に関する。
【0041】
本発明はさらに、HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、腹部肥満、GH欠乏、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する衰弱、あるいは慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の少なくとも1つの治療のための薬剤を調製するための、(a)上記の液体医薬製剤、(b)上記の固体医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、または(c)上記の液体医薬製剤を凍結乾燥することで得られる凍結乾燥医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤の使用に関する。
【0042】
本発明はさらに、HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、腹部肥満、GH欠乏、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する衰弱、または慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の少なくとも1つの治療で使用するための、上記の液体医薬製剤、固体医薬製剤または凍結乾燥医薬製剤に関する。
【0043】
本発明はさらに、被験体に対する、(a)上記の液体医薬製剤、(b)上記の固体医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、または(c)上記の液体医薬製剤を凍結乾燥することで得られる凍結乾燥医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤の投与を含む、HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、腹部肥満、GH欠乏、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する衰弱、あるいは慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の少なくとも1つを治療するための方法に関する。
【0044】
慢性的疾患には、HIV感染、AIDS、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、股関節骨折、外傷、および大手術が含まれるが、これらに限定しない。
【0045】
滅菌水溶液は、一実施形態において、約4.0乃至約7.5のpHを有し、一実施形態において約4.0乃至約7.0のpHを有し、さらなる実施形態においては約5.0乃至約6.0のpHを有する滅菌水または滅菌緩衝溶液である。
【0046】
本発明の実施形態によると、液体医薬製剤または懸濁(suspended)固体医薬製剤あるいは凍結乾燥医薬製剤は、皮下、筋肉内、静脈内または腹腔内経路によって投与される。
【0047】
本発明はさらに、滅菌容器において、上記の固体医薬製剤または凍結乾燥医薬製剤を含むGHRH分子製剤を懸濁するためのキットまたはパッケージに関する。一実施形態において、キットまたはパッケージはさらに、滅菌水溶液を含む。さらなる実施形態において、滅菌水溶液は滅菌水である。一実施形態において、キットまたはパッケージはさらに、液体形態において固体医薬製剤を懸濁または再構成するための指示を含む。
【0048】
本発明はさらに、GHRH分子の安定化された凍結乾燥医薬製剤を調製する方法に関し、該方法は、
(a)水溶液においてGHRH分子と、非還元糖と、陰イオン界面活性剤とを混合することにより、液体医薬製剤を得るステップを含む。
【0049】
一実施形態において、安定化された医薬製剤を調製する上記の方法はさらに、(b)ステップ(a)の液体製剤を凍結乾燥させるステップ、を含む。
【0050】
一実施形態において、上記のGHRH分子の安定化された医薬製剤は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月または少なくとも6ヶ月の間安定している。一実施形態において、上記のGHRH分子の安定化された医薬製剤は、約2℃乃至約8℃、約20℃乃至約25℃、約40℃または約40℃未満等の異なる温度の状態で安定している。
【0051】
別の実施形態において、安定化されたGHRH分子の医薬製剤を調製する上記の方法はさらに、(c)凍結乾燥製剤を滅菌水溶液で懸濁するステップを含む。一実施形態において、滅菌水溶液は滅菌水である。
【0052】
本発明の他の目的、利点および特徴は、添付の図面を参照し、例としてのみ記載されているその具体的な実施形態の以下の非制限的な説明を一読することにより、より明らかとなるであろう。
【0053】
本記載内容は多数の文書を参照しており、その内容は参照することによって、その全体として本明細書中に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】40℃で凍結乾燥および保管される場合の[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの安定性における、4.0、5.0および6.0のpHの影響を示す(RP−HPLCデータ)。
【図2】40℃で凍結乾燥および保管される場合の安定剤である乳糖、トレハロースおよびスクロースの効果、および[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの安定性における抗酸化作用のとしてのメチオニンの効果を示す(RP−HPLCデータ)。
【図3】40℃で凍結乾燥および保管される場合の[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの安定性における増量剤であるマンニトール、グリシンおよびPEGの効果を示す(RP−HPLCデータ)。
【図4】40℃での保管時の異なる凍結乾燥製剤における[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの純度を示す(RP−HPLCデータ)。
【図5】15ヶ月(RP−HPLCデータ)の期間4℃で保管された、安定化されていない製剤(5F644)と比較した、凍結乾燥製剤(F13およびF14)における[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの純度を示す。
【図6】15ヶ月の期間25℃で保管された、非安定化製剤(5F644)と比較した、凍結乾燥製剤(F13およびF14)における[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの純度を示す(RP−HPLCデータ)。
【図7】粉末形態および液体形態(200mg/mlで水に可溶化)における凍結乾燥製剤F4、F7およびF10ならびに主活性成分(API)のみを重ね合わせた比較を示す、FT/IR分析結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
例示的な実施形態の説明
本発明は、GHRH分子を含む医薬製剤、より具体的には、本明細書において以下に記載される式AのGHRH類似体を提供する。[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドのいくつかの製剤を、本明細書において例示として示し、比較する。
【0056】
本明細書で使用する「生物学的に容認可能」(または「薬事的に容認可能」)とは、生体内において有毒または有害な生物学的影響がない(または制限されている)ことを特徴とする物質を指す。また、これは、正常な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題または合併症を伴わずに、妥当な利点/リスクの比率に見合う、対象(例えばヒト、動物)の体液および/または生体組織および/または生体器官と接触して使用するために適した、これらの化合物、製剤、製剤および/または薬剤形態を指す。
【0057】
本明細書で使用する「製剤」または「医薬製剤」という用語は、活性剤(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド)等のGHRH分子を有効にするような形態であり、製剤を投与する対象にとって有毒である添加物を含まない調製を指す。これは、活性製剤(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)および任意の緩衝液、増量剤、アジュバント、担体、安定剤、界面活性剤および製造、保管、処理、ならびに使用の際に活性剤の活性および安定性の容認可能なレベルを維持するために必要と考えられるこうした他の添加剤を指す。本発明の医薬製剤は、凍結乾燥形態における活性剤(例えば、[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)の凍結乾燥および長期の保管に適している。
【0058】
本発明の文脈で用いる「GHRH分子」という用語は、変異体のアミノ酸配列が天然のアミノ酸配列と少なくとも約90%の相同性を有し、一実施形態においては天然のアミノ酸配列と少なくとも約95%の相同性を有するように、ヒトの天然GHRH(1−44)およびフラグメント(1−40)、(1−29)、1−29および1−44配列の範囲のフラグメント、および任意の他のフラグメント、他の種からのGHRHおよびそのフラグメント、アミノ酸置換、添加および/または欠失を含むGHRH変異体を含むがこれらに限定しない。一実施形態において、天然のGHRH、例えば有機基を有するGHRHまたはフラグメントあるいはその変異体の誘導体、またはN末端、C末端あるいは側鎖でGHRHアミノ酸配列と結合する部分、および(ヒトのまたは他の種からの)GHRHの塩、さらに、GHRHフラグメント、変異体、類似体および誘導体の塩と比較して、上記のフラグメント/変異体は刺激性のGH分泌の少なくとも約10%の活性を保持する。本発明のGHRH分子はさらに、アルブミン共役GHRH(米国特許第7,268,113号)、ペグ化されたGHRHペプチド(米国特許第7,256,258号および第6,528,485号)、ブタGHRH(1−40)(米国特許第6,551,996号)、イヌGHRH(米国特許出願第2005/0064554号)、1−29〜1−44のアミノ酸長のGHRH変異体(米国特許第5,846,936号、第5,696,089号、第5,756,458号および第5,416,073号、および米国特許出願第2006/0128615号および第2004/0192593号)、ならびにPro°−GHRHペプチドおよびその変異体(米国特許第5,137,872号)を含むが、これらに限定しない、現在当業者に公知のGHRH分子も含む。
【0059】
GHRH類似体は、同様にその合成方法が記載されている米国特許第5,681,379号および第5,939,386号に記載されているものを含む。より具体的には、これらのGHRH類似体は以下の式Aによって定義される。
X−GHRHペプチド(A)
【0060】
GHRHペプチドは式B:A1−A2−Asp−Ala−lle−Phe−Thr−A8−Ser−Tyr−Arg−Lys−A13−Leu−A15−GlN−Leu−A18−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−A24−A25−lle−A27−A28−Arg−A30−R0(B)(配列番号1)のペプチドであり、
式中、
A1はTyrまたはHisであり、
A2はValまたはAlaであり、
A8はAsnまたはSerであり、
A13はValまたはlleであり、
A15はAlaまたはGlyであり、
A18はSerまたはTyrであり、
A24はGlnまたはHisであり、
A25はAspまたはGluであり、
A27はMet、lleまたはNleであり、
A28はSerまたはAsnであり、
A30は1〜15残基の結合またはアミノ酸配列であり、
R0はNH2またはNH−(CH2)n−CONH2(n=1〜12)である。
基Xは、5個〜7個の原子の主鎖を画定するペプチドおよび疎水性尾部のN末端へのアミド結合によって固定される疎水性尾部である。主鎖は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはC6-12アリルに置換可能であり、主鎖は、主鎖の少なくとも2個の原子に結合される少なくとも1つの剛直化部分を含む。剛直化部分は二重結合、三重結合、飽和または不飽和C3-9シクロアルキル、またはC6-12アリルである。
【0061】
一実施形態において、基Xは、
【0062】
【化5】

【0063】
【化6】

【0064】
【化7】

【0065】
である。
【0066】
一実施形態において、式Bでは、A30は、
(a)結合、
(b)天然GHRHペプチド(配列番号6)の30位〜44位に対応するアミノ酸配列、または
(c)そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有する、(b)(配列番号6)のアミノ酸配列、である。
【0067】
一実施形態において、GHRHペプチドは、
(a)配列番号2または3のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(b)配列番号4または5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、または
(c)そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有する(a)のポリペプチド、である。
【0068】
一実施形態において、GHRHペプチドは、
(a)配列番号2または3のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(b)配列番号4または5のアミノ酸配列を有するポリペプチド、または
(c)そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有する(a)のポリペプチド、である。
【0069】
一実施形態において、GHRH分子は、(ヘキセノイルトランス−3)hGHRH(1−44)NH2(配列番号7)である。[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド((ヘキセノイルトランス−3)hGHRH(1−44)NH2とも称される)は、ヘキセノイル部分、C6側鎖がN末端においてTyr1上に固定されているヒト成長ホルモン放出因子(hGHRH)の44−アミノ酸配列を含む合成ヒト成長ホルモン放出因子類似体である。
【0070】
[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドは、以下の構造を有する。(トランス)CH3−CH2−CH=CH−CH2−CO−Tyr−Ala−Asp−Ala−lle−Phe−Thr−Asn−Ser−Tyr−Arg−Lys−Val−Leu−Gly−Gln−Leu−Ser−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−Gln−Asp−lle−Met−Ser−Arg−Gln−Gln−Gly−Glu−Ser−Asn−Gln−Glu−Arg−Gly−Ala−Arg−Ala−Arg−Leu−NH2(配列番号7)
【0071】
本発明の製剤の文脈において本明細書で使用する「固体」という用語は、水分が実質的に存在しない形態における製剤、例えば固体(例えば粉末)形態を指す。こうした固体の製剤は、例えば凍結乾燥、脱水化、または他の乾燥方法によって、水分を除去する任意の方法によって調製され得る。
【0072】
本明細書で使用される「懸濁」という用語は、文脈により、懸濁、再懸濁、再構成および/または可溶化を指すことを意図する。用語の一貫性のため、本明細書で使用する「懸濁」という用語は、概して、適切な液体を固体製剤に添加することを指す。
【0073】
本明細書で使用される「増量剤」という用語は、固体製剤の懸濁によって生成される溶液の適正または所望の等張性を与えるために用いられる化合物を指す。好適には、溶液の適正または所望の等張性は、溶液を投与する対象の生理液の等張性と等しいまたは近似である。例えば、1つ以上の糖を増量剤として使用することができる。本明細書で使用する糖は単糖類、オリゴ糖および多糖類を含むが、これらに限定しない。適切な糖の実施例はマンノース、ソルボース、キシロース、麦芽糖、乳糖、スクロース、およびデキストランを含むが、これらに限定しない。糖はさらにマンニトール、イノシトール、ズルシトール、キシリトールおよびアラビトール等の糖アルコールを含む。本発明に従うと、糖の混合物も使用し得る。一実施形態において、増量剤はマンニトールである。例えば、グリシン等の1つ以上のアミノ酸を増量剤として使用し得る。増量剤は、製剤において約1%(w/w)乃至約10%(w/w)の濃度である。一実施形態において、増量剤は、約3%(w/w)乃至約5%(w/w)の濃度である。さらなる実施形態において、増量剤は約4%(w/w)の濃度である。
【0074】
一実施形態において、本発明の医薬製剤は約4.0乃至約7.5のpHを有する。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤は約4.0乃至約7.0のpHを有する。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤は約5.0乃至約6.0のpHを有する。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤は約6.0のpHを有する。別の実施形態において、本発明の医薬製剤は約5.5のpHを有する。別の実施形態において、本発明の医薬製剤は約5.0のpHを有する。別の実施形態において、本発明の医薬製剤は5.0よりも高いpHを有する。
【0075】
一実施形態において、本発明の製剤はさらに緩衝液を含む。緩衝液の適切な量は、使用される緩衝液の種類およびその緩衝能に依存して変化する。緩衝液は、最終的な製剤のpHを、上記のpH範囲に維持するために、適切な種類のものであり、かつ十分な量で製剤内に存在する必要がある。一実施形態において、緩衝液は琥珀酸ナトリウム(琥珀酸)である。別の実施形態において、緩衝液はL−ヒスチジン(ヒスチジン)である。別の実施形態において、緩衝液はリン酸塩ナトリウム(リン酸塩)である。これらの緩衝液は、頻繁に、塩として入手可能である。一実施形態において、本発明の医薬製剤における緩衝液濃度は約0.1mM乃至約50mMである。別の実施形態において、本発明の医薬製剤における緩衝液濃度は約1mM乃至約30mMである。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤における緩衝液濃度は約5mM乃至約20mMである。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤における緩衝液濃度は約10mMである。
【0076】
本発明の医薬製剤に含まれる主活性成分(例えば、[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)の量は、治療対象の疾病の性質および/または重症度、患者の特徴(年齢、体重等)および他の因子によって決定可能である。概して、本発明の医薬製剤は約1μg/ml乃至約40000μg/mlの主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)を含む。一実施形態において、本発明の医薬製剤は、約1000μg/ml乃至約8000μg/ml(約0.099重量%乃至約0.792重量%)の主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)を含む。別の実施形態において、本発明の医薬製剤は、約1000μg/ml乃至約4000μg/ml(約0.099重量%乃至約0.396重量%)の主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)を含む。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤は、約1000μg/ml(約0.099重量%)の主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)を含む。別の実施形態において、本発明の医薬製剤は、約4000μg/ml(約0.396重量%)の主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)を含む。実施形態において、製剤は、約1mg以上であり、さらなる実施形態において、約1mg、さらなる実施形態において、約2mg、さらなる実施形態において、約2mg以上である、主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)の投与量に効力を与える主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)の量を含む。主活性成分(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド等のGHRH分子)が高濃度であると、より高い濃度の緩衝液を使用してもよい。例えば、本明細書で記載している研究において、10mg/mlまたは30mg/mlの[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドを含む製剤のpHは、30mMのヒスチジン緩衝液で維持されている。
【0077】
一実施形態において、本発明の医薬製剤は、1つ以上の界面活性剤をさらに含むことができる。界面活性剤の典型的な例には以下のものが挙げられる。
【0078】
A)非イオン界面活性剤、例えばモノカプリル酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルチミン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノカプリル酸グリセリン、モノミリスチン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルチミン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビトール、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノステアレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油)等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトールビーワックス等のポリオキシエチレンビーワックス誘導体、ポリオキシエチレンラノリン等のポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレン脂肪酸アミド。
【0079】
B)陰イオン界面活性剤、例えばセチル硫酸塩ナトリウム、ラウリル硫酸塩ナトリウム、オレイル硫酸塩ナトリウム等のC10-18アルキル基を有するアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ラウリルスルホ琥珀酸ナトリウム等のC8-18アルキル基を有するアルキルスルホ琥珀酸エステル塩。
【0080】
C)天然界面活性剤、例えばレシチン、グリセロリン脂質、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、C12-18脂肪酸のスクロース脂肪酸エステル。1つ以上のこれらの界面活性剤を、本発明の製剤に組み合わせて添加し得る。
【0081】
一実施形態において、本発明の医薬製剤の界面活性剤は陰イオン界面活性剤である。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤の界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルである。また別のさらなる実施形態において、本発明の医薬製剤の界面活性剤はポリソルベート−20(T20またはTween−20(商標)である。
【0082】
別の実施形態において、本発明の医薬製剤内の界面活性剤の量は約0.0001%(w/w)乃至約10%(w/w)である。さらなる実施形態において、本発明の医薬製剤内における界面活性剤の量は約0.001%(w/w)乃至約5%(w/w)である。また別のさらなる実施形態において、本発明の医薬製剤内の界面活性剤の量は約0.01%(w/w)である。
【0083】
一実施形態において、本発明の医薬製剤はさらに1つ以上の安定化剤または安定剤を含んでもよい。本明細書で使用するように、「安定剤」という用語は薬剤の治療的活性を低減させるであろう物理的、化学的、および/または生化学的プロセスに対し、治療薬を安定化させるために使用される化合物を意味することを意図する。適切な安定剤としては、例えば、スクロース(またはサッカロース)およびトレハロースが挙げられるが、これらに限定しない非還元糖、および、例えば、ソルビトール、マンニトール、麦芽糖、キシリトール、グリコール、グリセロールおよびエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定しない、非還元ポリオールである。市販のポリエチレングリコール源は、GHRH分子の分解をひきおこす可能性のある混入物質を含むことが多いため、適切ではない。一実施形態において、上記の製剤にはポリエチレングリコールは実質上含まれていない。さらなる実施形態において、上記の製剤にはポリエチレングリコールは含まれていない。
【0084】
一実施形態において、本発明の医薬製剤は、非還元糖を含む。本明細書で使用する「非還元糖」は、ヘミアセタールを含有しない糖(例えば単糖類または多糖類)、例えば、糖単位の還元末端間にグリコシド結合が形成されており、ある糖単位の還元末端ともう一方の糖単位の非還元末端との間には形成されていないことを特徴とする炭水化物または糖を指す。さらなる実施形態において、上記の非還元糖はトレハロースまたはスクロースである。さらなる実施形態において、上記の非還元糖はスクロースである。別のさらなる実施形態において、上記の非還元糖はトレハロースである。非還元糖は本発明の製剤において、約0.1%(w/w)乃至約5%(w/w)の濃度である。一実施形態において、非還元糖は約1%(w/w)乃至約3%(w/w)の濃度である。さらなる実施形態において、非還元糖は約2%(w/w)の濃度である。
【0085】
別の実施形態において、非還元糖は、医薬製剤において、約1%(w/w)乃至約5%(w/w)の量で存在する。さらなる実施形態において、非還元糖は、前記製剤において、約2%(w/w)の量で存在する。
【0086】
本発明の医薬製剤はさらに、所望する場合、希釈剤、可溶化剤、賦形剤、pH改変剤、緩和剤、緩衝液、硫黄含有の還元剤、抗酸化剤等を含むことができる。例えば、硫黄含有の還元剤は、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸およびその塩、チオ硫酸塩ナトリウム、グルタチオン、メチオニンおよび1個〜7個の炭素原子を有するチオアルカン酸等のスルフヒドリル含有化合物を含む。抗酸化剤は、メチオニン、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、L−アスコルビン酸およびその塩、L−パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸L−アスコルビル、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミル、没食子酸プロピルまたは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ニナトリウム(disodium)等のキレート試薬、ピロリン酸塩ナトリウム、メタリン酸塩ナトリウムを含む。さらに、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸塩ナトリウム、リン酸塩カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機塩類、およびクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム等の有機塩類等、他の一般に添加される材料を含有し得る。
【0087】
安定製剤とは、製剤内の主活性成分、つまりGHRH分子(例えば[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド)が、保管時においてその物理的および化学的安定性および完全性を保持する製剤である。タンパク質またはペプチド安定性を計測するための様々な分析技術が当業者に利用可能であり、Peptide and Protein Drug Delivery,247−301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York、N.Y.,Pubs.(1991)、およびJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29−90(1993)で再考される。安定性は、選択した期間、選択した温度で計測することができる。迅速にスクリーニングを行うには、製剤は例えば、2週間乃至1ヶ月(最長6ヶ月)の間、約40℃で保管してもよく、この間に安定性を計測する。製剤はさらに、例えば、約2℃乃至約8℃(例えば約4℃)で、または少なくとも6ヶ月環境温度の状態(約15℃乃至約30℃、好適には約20℃乃至約25℃)で保管してもよく、このときに安定性を計測する。本発明の製剤はその液体または固体形態においてGHRH分子のより良好な安定性を提供し、高温(例:40℃)、室温(つまり20℃〜25℃)、冷蔵温度(つまり2℃〜8℃)での保管期間において固体または凍結乾燥形態でのGHRH分子の安定性を保持するためにも適している。保管期間は例えば、週、月または年で表してもよく、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも6週間、少なくとも8週間、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月または少なくとも6ヶ月としてもよい。例えば、「安定」製剤は、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上の非分解活性剤が製剤内に存在するとし得る。本発明の製剤の安定性は、RP−HPLCを使用して計測し得る(例えば以下の実施例を参照)。本明細書で使用する「安定化に有効な量または濃度」とは、約80%以上、約90%以上、約95%以上、約96%以上、約97%以上、約98%以上、または約99%以上の非分解活性剤が製剤内に存在する、安定した製剤を得るために有効な量または濃度を指定することを意図している。
【0088】
本発明の製剤は、例えば、リポジストロフィ(例:HIV関連のリポジストロフィ)、脂肪肥大症、GH欠乏、腹部肥満、脂質異常症、高トリグリセリド血症、X症候群、生活の質の向上、虚弱、日中不眠症、思考、理性、問題解決および記憶を含む軽度の認知障害(または認知機能)、免疫不全、慢性的または長期にわたる疾患に関連する筋肉衰弱、または慢性的または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の治療のための治療的な投与のための薬剤として有用である。慢性的または長期にわたる疾患には、HIV感染、AIDS、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、股関節骨折、外傷、および大手術を含むが、これらに限定しない。一実施形態において、本発明の製剤は、HIV関連のリポジストロフィの治療に有用である。別の実施形態において、本発明の製剤は、慢性閉塞性肺疾患の治療に有用である。別の実施形態において、本発明の製剤は、嚢胞性線維症の治療に有用である。
【0089】
本明細書で使用する、「対象」または「患者」という用語は、哺乳類、例えば、ネコ、イヌ、マウス、モルモット、ウマ、ウシ、ヒツジおよびヒト等の温血動物を意味する。一実施形態において、対象は哺乳類である。さらなる実施形態において、上記の対象はヒトである。
【0090】
本明細書で使用する「治療」という用語は、疾患/疾病、疾患/疾病の症状、または疾患/疾病に対する素因を治療、治癒、緩和、遅延、変化、是正、改善、向上または影響することを目的とする、疾患、疾病、疾患もしくは疾病の症状、疾患もしくは疾病の素因を有する対象、または対象からの分離組織または細胞系への治療薬の適用もしくは投与として定義される。
【0091】
本発明はさらに、本明細書に記載されている製剤を調製するための方法を提供する。該方法は、所望の製剤(例えば製剤、濃度、pH等に関して)を得るための、条件下における成分の製剤化または化合(例えば溶解、混合)を含む。例えば、pHに関して、製剤のpHを、所望の範囲内になるように、適宜決定および調整し得る。こうした方法の実施例を、以下の実施例に記載する。
【0092】
さらに詳細に、以下の非制限的な実施例によって本発明を説明する。
【実施例】
【0093】
実施例1:材料および方法
[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの合成[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドは、Ramage Tricyclic Amide Resinから開始されるFMOC固相ペプチド合成を使用して合成される。保護アミノ酸およびトランス−3−ヘキセノイル酸を結合のために使用し、これによって、各保護アミノ酸およびトランス−3−ヘキセノイル酸が、DMFに溶解され、酸化アルミニウムで処理してラセミ化を低減するためにTBTUと、および結合前の活性化を促進するためにDIPEAとともに処理する。結合の完了は、Kaiserニンヒドリン試験(E.Kaiser et al.Anal.Biochem.“Color test for Detection of Free Terminal Amino Groups in the Solid Phase Synthesis of Peptides”)およびTNBS試験(Means and Feeney, 1971, Holden−Day Inc. San Francisco “Chemical Modification of Proteins”p.217)によって監視される。
【0094】
側鎖保護基およびペプチド樹脂結合は、90%のTFA、5%のEDTおよび5%の水で構成される開裂カクテルにおいて保護ペプチド樹脂をかき混ぜることにより、開裂される。粗ペプチドを、緩衝液(0.1%のMSA、pH6.5のTEAPおよび2%のHOAc)を使用した三段階の精製方法による、HPLCによって精製し、純[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド(≧98.5%)をる。精製ペプチドのロットは0.5%酢酸で貯蔵および再構成され、凍結乾燥される。
【0095】
凍結乾燥プロセス。試料は−50℃での凍結、および保持、−10℃でのアニール、および保持、100mTorrでの−10℃の一次乾燥、および100mTorrでの25℃の二次乾燥によって、凍結乾燥した。
【0096】
製剤。表Iは、活性成分としての[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドのいくつかの試験した製剤の構成要素の詳細を示す。[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドは、製剤F12を除き、表Iに記載される全ての製剤において4mg/mlの濃度で存在し、ここで活性成分は8mg/mlの濃度で示されている。
【0097】
【表1】

【0098】
製剤を作製するためのプロセス
成分の組み合わせ、混合、および必要に応じたpH調整により、製剤を調製された。例として、製剤13および14(F13およびF14、表Iを参照)の調製の詳細について以下に記載する。
【0099】
F13の調製方法
【0100】
以下の原液を調製した。
0.1MのHCL原液、
10mMのヒスチジン原液、および
1%のポリソルベート20原液(1gのポリソルベート20を10mMヒスチジン原液と混合し、容量100mlにした)。
【0101】
成分は表IIにより、次のように混合した。
【0102】
【表2】

【0103】
成分を以下のように混合した。
・容器を0.90kgの滅菌水で充填した。
・混合しながら、1.55gのヒスチジン(遊離塩基)を容器に加え、次に環境温度にて10分間ゆっくりと攪拌した。
・混合しながら、40gのマンニトールを容器に加え、次に環境温度にて10分間ゆっくりと攪拌した。
・混合しながら、20gのスクロースを容器に加え、次に環境温度にて10分間ゆっくりと攪拌した。
・10mlのポリソルベート1%原液を加え、次に環境温度にて15分間ゆっくりと攪拌した。
・製剤のpHを測定し、必要な場合、0.1MのHCL原液または10mMのヒスチジン原液を使用して、製剤を6.6±0.2のpHまで滴定した。
・4gの[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドを追加し、混合物を、[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドが完全に溶解するまで、または環境温度で少なくとも30分間、ゆっくりと攪拌した。
・製剤のpHを測定し、0.1MのHCI原液または10mMのヒスチジン原液を必要に応じて使用して、製剤を6.0±0.2のpHまで滴定した。
・滅菌水で溶液を1kgにし、0.22μmの膜でろ過した。
【0104】
F14の調製方法
【0105】
以下の原液を調製した。
0.1MのNaOH原液
10mMの琥珀酸ナトリウム原液、および
1%のポリソルベート20原液(1gのポリソルベート20を10mMの琥珀酸ナトリウム原液と混合し、容量100mlにした)
【0106】
次に、以下の表IIIのように成分を組み合わせた。
【0107】
【表3】

【0108】
成分を以下のように組み合わせた。
・容器を0.90kgの滅菌水で充填した。
・混合しながら、2.70gの琥珀酸ナトリウムを容器に加え、次に環境温度にて10分間ゆっくりと攪拌した。
・混合しながら、40gのマンニトールを容器に加え、次に環境温度にて10分間ゆっくりと攪拌した。
・混合しながら、20gのスクロースを容器に加え、次に環境温度にて10分間ゆっくりと攪拌した。
・10mlの1%ポリソルベート原液を容器に加え、次に環境温度にて15分間ゆっくりと攪拌した。
・製剤のpHを測定し、必要な場合、0.1MのNaOH原液または10mMの琥珀酸ナトリウム原液を使用して、製剤を6.1±0.2のpHまで滴定した。
・4gの[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドを追加し、混合物を、[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドが完全に溶解するまで、または環境温度で少なくとも30分間、ゆっくりと攪拌した。
・製剤のpHを測定し、0.1MのNaOH原液または10mM琥珀酸ナトリウム原液を必要に応じて使用して、製剤を5.5±0.2のpHまで滴定した。
・滅菌水で溶液を1kgにし、0.22μmの膜でろ過した。
【0109】
逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)。
HPLC分析を、Agilent 1100(商標)のHPLCシステム、WATERS DeltaPak(商標)HPI C18カラム、1.0ml/分での移動相(アセトニトリル/ミリQ水)および214nmでの紫外検出を使用して実行した。
【0110】
逆相HPLCを使用した[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの識別および定量化
[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの同定および定量化を、同じロットからの[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドから生成した調製したての較正した標準的な[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミド溶液の各保持時間と、試料におけるその保持時間を比較することで、実行した。試料における[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの量を、公知の濃度の連続希釈で得られた標準曲線と比較することで、算出した。
【0111】
実施形態2:結果
図1は、3つの異なる緩衝液(リン酸塩、ヒスチジンおよび琥珀酸)を使用して調製され、40℃での凍結乾燥形態での保管後に3つの異なるpH(4.0、5.0および6.0)を有する、製剤の組み合わせの[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドの純度レベルを比較する。凍結乾燥前、および1週間、2週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月および6ヶ月の40℃での凍結乾燥期間後に再構成した際に試料を試験した。pH6.0(F5)のリン酸塩緩衝液、pH6.0(F4)のヒスチジン緩衝液およびpH5(F1)の琥珀酸緩衝液の使用により、製剤は40℃での保管において良好な安定性を有することが観察される。pH4(F3)の琥珀酸緩衝液は、40℃での保管時において安定性が低くなっていたが、依然として適切な製剤を提供することができる。
【0112】
図2は、40℃で凍結乾燥形態での保管後の、異なる安定剤(トレハロース、ラクトース、およびスクロース)および抗酸化剤(メチオニン)の有無を比較する。凍結乾燥前、および1週間、2週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月および6ヶ月の40℃での凍結乾燥期間後の再構成の際に、試料を試験した。非還元糖のトレハロース(F1およびF11)およびスクロース(F10)が40℃において良好な安定化を提供していることが観察される。抗酸化剤(F11)としてのメチオニンの添加は、メチオニン(F1)を含まない同じ製剤と比較して安定性についてわずかにプラスの影響がある。対照的に、還元糖のラクトース(F9は)、40℃において安定化を提供しない。
【0113】
図3は、40℃で凍結乾燥形態で保管した後の様々な増量剤(マンニトール、グリシン、PEG、マンニトールおよびPEG)を比較する。試料を、凍結乾燥の前、および40℃で1週間、2週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月および6ヶ月の凍結乾燥期間後の再構成時に試験した。マンニトール(単独で使用)(F1)およびグリシン(F6)によって、40℃での保管後に製剤の良好な安定性が提供さることが観察される。
【0114】
40℃で凍結乾燥形態で1週間、2週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月および6ヶ月の保管した後の製剤F1、F3、F4、F5、F6、F7、F8、F9、F10、F11およびF12のRP−HPLCの結果を図4に示す。負荷の大きい条件である40℃で6ヶ月保管した後、最も安定した製剤は、製剤F1、F4、F5、F6、F10、F11およびF12であった。
【0115】
図1、図2、図3および図4の結果に基づき、製剤F13およびF14に対応する構成要素の組み合わせを以下のように設計した。ヒスチジン緩衝液(F13)中の4%マンニトール、2%スクロース、0.01%ポリソルベート20pH6.0、および琥珀酸ナトリウム緩衝液(F14)中の4%マンニトール、2%スクロース、0.01%ポリソルベート20pH5.5。
【0116】
図5は、15ヶ月において4℃で凍結乾燥形態の、製剤F13およびF14ならびに非安定化製剤(5F644)の安定性プロファイルを図示する。滅菌水による再構成は、純度試験の前に行われる。安定化されていない製剤(5F644)は、4%マンニトール、1mg/mlの[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドを含み、pH6.0はNaOH添加によって得られる。図5は、純度プロファイルは4℃で製剤F13およびF14および安定化されていない製剤(5F644)と同様であることを示す。表Iの他の全ての製剤は、4℃(図示せず)で安定化されていない製剤(5F644)と同様の純度プロファイルを有する。
【0117】
図6は、製剤F13およびF14、および15ヶ月間における25℃での凍結乾燥形態の非安定化製剤の安定性プロファイルを示す。滅菌水による再構成は、純度試験の直前に行う。安定化されていない製剤(5F644)は、6ヶ月目で顕著な分解を示し、一方で、製剤F13およびF14は15ヶ月後も安定していることを示す。
【0118】
2ヶ月目の全ての凍結乾燥製剤の含水量は、Karl Fisher Moisture Analysisにより1%未満であるという利点があった。Karl Fisher Moisture Analysis(KF)は、生成物または組成物の含水量を測定するための標準的で、公知の試験である。
【0119】
図7は、粉末形態および液体形態(200mg/mlで水に可溶化)で主活性成分(API)のみと比較した、製剤F4、F7およびF10の凍結乾燥試料のFT/IR分析を比較する。この場合、APIは(ヘキセノイルトランス−3)hGHRH(1−44)NH2である。概して、FT/IR分析は、活性成分の二次構造に関する情報を提供する。より具体的に、図7は、[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドペプチドが、試験した製剤においてその天然構造を保持することを示す。1660cm-1のシグナルは、保存された[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドペプチドのα−らせん構造を示す。
【0120】
本発明をその特定の実施形態によって上述してきたが、添付の請求項に定義されているように、本発明の精神および本質から逸脱しない限り、これを修正することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体医薬製剤であって
−GHRH分子と、
−陰イオン界面活性剤と、
−非還元糖と、を含み、
前記GHRH分子は式A:
X−GHRHペプチド(A)
のGHRH類似体であり、
前記GHRHペプチドは式B:
A1−A2−Asp−Ala−lle−Phe−Thr−A8−Ser−Tyr−Arg−Lys−A13−Leu−A15−Gln−Leu−A18−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−A24−A25−lle−A27−A28−Arg−A30−R0(B)(配列番号1)
のペプチドであり、式中、
A1はTyrまたはHisであり、
A2はValまたはAlaであり、
A8はAsnまたはSerであり、
A13はValまたはlleであり、
A15はAlaまたはGlyであり、
A18はSerまたはTyrであり、
A24はGlnまたはHisであり、
A25はAspまたはGluであり、
A27はMet、lleまたはNleであり、
A28はSerまたはAsnであり、
A30は結合、または1個乃至最大15個の残基のアミノ酸配列であり、
R0はNH2またはNH−(CH2)n−CONH2(n=1〜12)であり、
Xは、前記ペプチドのN末端を介して固定された疎水性尾部であり、前記疎水性尾部は、5個乃至7個の原子の主鎖を画定し、
前記主鎖は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはC6-12アリルによって置換することができ、前記主鎖は、前記主鎖の少なくとも2個の原子に連結される少なくとも1つの剛直化部分を含み、
前記部分は、二重結合、三重結合、飽和または不飽和C3-9シクロアルキル、またはC6-12アリルである、製剤。
【請求項2】
Xは、
【化1】

【化2】

【化3】

である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
A30は、
(a) 結合、
(b) 天然GHRHペプチド(配列番号6)の30位〜44位に対応するアミノ酸配列、および
(c) そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有する、配列番号6の前記アミノ酸配列である、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
前記GHRHペプチドは、
(a)配列番号2または3のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(b)配列番号4または5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
または
(c)(a)そのC末端からの1乃至14のアミノ酸欠失を有する前記ポリペプチドである、請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
前記GHRH類似体は(ヘキセノイルトランス−3)hGHRH(1−44)NH2(配列番号7)である、請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
前記製剤は凍結乾燥される、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
前記非還元糖はトレハロースまたはスクロースである、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項8】
前記非還元糖はトレハロースである、請求項7に記載の製剤。
【請求項9】
前記非還元糖はスクロースである、請求項7に記載の製剤。
【請求項10】
前記陰イオン界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルである、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項11】
前記陰イオン界面活性剤はポリソルベート−20である、請求項10に記載の製剤。
【請求項12】
水に懸濁させた際に計測すると約4.0乃至約7.5のpHを有する、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項13】
前記製剤は増量剤をさらに含む、請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項14】
前記増量剤はマンニトールである、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
前記製剤は抗酸化剤をさらに含む、請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項16】
前記抗酸化剤はメチオニンである、請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
液体医薬製剤であって、
−GHRH分子と、
−陰イオン界面活性剤と、
−非還元糖と、を含み、
前記製剤は約4.0乃至約7.5のpHを有し、
前記GHRH分子は、式A:
X−GHRHペプチド(A)、
のGHRH類似体であって、
前記GHRHペプチドは式B:
A1−A2−Asp−Ala−lle−Phe−Thr−A8−Ser−Tyr−Arg−Lys−A13−Leu−A15−Gln−Leu−A18−Ala−Arg−Lys−Leu−Leu−A24−A25−lle−A27−A28−Arg−A30−R0(B)(配列番号1)
のペプチドであり、式中、
A1はTyrまたはHisであり、
A2はValまたはAlaであり、
A8はAsnまたはSerであり、
A13はValまたはlleであり、
A15はAlaまたはGlyであり、
A18はSerまたはTyrであり、
A24はGlnまたはHisであり、
A25はAspまたはGluであり、
A27はMet、lleまたはNleであり、
A28はSerまたはAsnであり、
A30は結合、または1個乃至最大15個の残基のアミノ酸配列であり、
R0はNH2またはNH−(CH2)n−CONH2(n=1〜12)であり、
Xは、ペプチドのN末端を介して固定された疎水性尾部であり、前記疎水性尾部は、5個乃至7個の原子の主鎖を画定し、
前記主鎖は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、またはC6-12アリルによって置換することができ、前記主鎖は、前記主鎖の少なくとも2個の原子に連結される少なくとも1つの剛直化部分を含み、
前記部分は、二重結合、三重結合、飽和または不飽和C3-9シクロアルキル、またはC6-12アリルである、製剤。
【請求項18】
Xは、
【化4】

【化5】

【化6】

である、請求項17に記載の製剤。
【請求項19】
A30は、
(a) 結合、
(b) 天然GHRHペプチド(配列番号6)の30位〜44位に対応するアミノ酸配列、または
(c) そのC末端からの1〜14のアミノ酸欠失を有する、前記配列番号6である、請求項17に記載の製剤。
【請求項20】
前記GHRHペプチドは、
(a) 配列番号2または3のアミノ酸配列を含むポリペプチド、
(b) 配列番号4または5のアミノ酸配列を含むポリペプチド、または
(c) そのC末端からの1乃至14のアミノ酸欠失を有する、前記(a)のポリペプチド、である、請求項17に記載の製剤。
【請求項21】
前記GHRH類似体は(ヘキセノイルトランス−3)hGHRH(1−44)NH2(配列番号7)である、請求項17に記載の製剤。
【請求項22】
前記非還元糖はトレハロースまたはスクロースである、請求項17乃至請求項21のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項23】
前記非還元糖はトレハロースである、請求項22に記載の製剤。
【請求項24】
前記非還元糖はスクロースである、請求項22に記載の製剤。
【請求項25】
前記非還元糖は約0.1%乃至約5%(w/w)の濃度で存在する、請求項17乃至請求項24のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項26】
前記非還元糖は約2%(w/w)の濃度で存在する、請求項25に記載の製剤。
【請求項27】
前記陰イオン界面活性剤はポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルである、請求項17乃至請求項26のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項28】
前記陰イオン界面活性剤はポリソルベート−20である、請求項27に記載の製剤。
【請求項29】
前記界面活性剤は約0.001%(w/w)乃至約0.1%(w/w)の濃度で存在する、請求項17乃至請求項28のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項30】
前記界面活性剤は約0.01%(w/w)の濃度で存在する、請求項29に記載の製剤。
【請求項31】
約5.0乃至約6.0のpHを有する、請求項17乃至請求項30のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項32】
約5.0のpHを有する、請求項31に記載の製剤。
【請求項33】
約5.5のpHを有する、請求項31に記載の製剤。
【請求項34】
約6.0のpHを有する、請求項31に記載の製剤。
【請求項35】
緩衝液をさらに含み、前記緩衝液は、(i)琥珀酸緩衝液、(ii)ヒスチジン緩衝液、(iii)リン酸塩緩衝液、または(iv)(i)乃至(iii)のいずれかの組み合わせである、請求項17乃至請求項34のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項36】
前記製剤は増量剤をさらに含む、請求項17乃至請求項35のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項37】
前記増量剤はマンニトールである、請求項36に記載の製剤。
【請求項38】
前記増量剤は約1%乃至約10%(w/w)の量で存在する、請求項36または37に記載の製剤。
【請求項39】
前記増量剤は約4%(w/w)の量で存在する、請求項38に記載の製剤。
【請求項40】
前記製剤は抗酸化剤をさらに含む、請求項17乃至請求項39のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項41】
前記抗酸化剤はメチオニンである、請求項40に記載の製剤。
【請求項42】
−[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドと、
−約0.01%(w/w)のポリソルベート−20と、
−約2%(w/w)の(i)トレハロース、(ii)スクロース、または(iii)(i)および(ii)のいずれかの組み合わせと、
−約4%(w/w)のマンニトールと、
−(i)琥珀酸緩衝液、(ii)ヒスチジン緩衝液、または(iii)(i)および(ii)のいずれかの組み合わせと、を含み、
前記製剤は約5.0乃至約6.0のpHを有する、請求項17に記載の製剤。
【請求項43】
−[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドと、
−約0.01%(w/w)のポリソルベート−20のと、
−約2%(w/w)のスクロースと、
−約4%(w/w)のマンニトールと、
−ヒスチジン緩衝液と、を含み、
前記製剤は約6.0のpHを有する、請求項17に記載の製剤。
【請求項44】
−[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドと、
−約0.01%(w/w)のポリソルベート−20と、
−約2%(w/w)のスクロースと、
−約4%(w/w)のマンニトールと、
−琥珀酸緩衝液と、を含み、
前記製剤は約5.5のpHを有する、請求項17に記載の製剤。
【請求項45】
−[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドと、
−約0.01%(w/w)のポリソルベート−20と、
−約2%(w/w)のスクロースと、
−約4%(w/w)のマンニトールと、
−琥珀酸緩衝液と、を含み、
前記製剤は約5.0のpHを有する、請求項17に記載の製剤。
【請求項46】
−[トランス−3−ヘキセノイル]hGHRH(1−44)アミドと、
−約0.01%(w/w)のポリソルベート−20と、
−約2%(w/w)のトレハロースと、
−約4%(w/w)のマンニトールと、
−琥珀酸緩衝液と、を含み、
前記製剤は約5.5のpHを有する、請求項17に記載の製剤。
【請求項47】
請求項17乃至請求項46のいずれか1項に記載の液体製剤を凍結乾燥させることによって調製される、凍結乾燥医薬製剤。
【請求項48】
HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、腹部肥満、GH欠乏、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する衰弱、あるいは慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の少なくとも1つの治療のための、(a)請求項17乃至請求項46のいずれか1項に記載の液体医薬製剤、(b)請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の固体医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、または(c)請求項47に記載の凍結乾燥医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、の使用。
【請求項49】
前記滅菌水溶液は滅菌水である、請求項48に記載の使用。
【請求項50】
液体医薬製剤(a)、(b)または(c)は、皮下、筋肉内、静脈内または腹腔内経路によって投与するためのものである、請求項48または請求項49に記載の使用。
【請求項51】
HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、腹部肥満、GH欠乏、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する衰弱、または慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の少なくとも1つの治療の薬剤の調製のための、(a)請求項17乃至請求項46のいずれか1項に記載の液体医薬製剤、(b)請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の固体医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、または(c)請求項47に記載の凍結乾燥医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、の使用。
【請求項52】
前記滅菌水溶液は滅菌水である、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
前記液体医薬製剤(a)、(b)または(c)は、皮下、筋肉内、静脈内または腹腔内経路によって投与するためのものである、請求項51または52に記載の使用。
【請求項54】
HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、腹部肥満、GH欠乏、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する衰弱、または慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の少なくとも1つの治療で使用するための、(a)請求項17乃至請求項46のいずれか1項に記載の液体医薬製剤、(b)請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の固体医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、または(c)請求項47に記載の凍結乾燥医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤。
【請求項55】
前記液体医薬製剤(a)、(b)または(c)は、皮下、筋肉内、静脈内または腹腔内経路によって投与するためのものである、請求項54に記載の製剤。
【請求項56】
被験体において、HIV関連のリポジストロフィ、HIV脂肪肥大症、腹部肥満、GH欠乏、虚弱、軽度の認知障害、免疫不全、慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する衰弱、または慢性疾患または長期にわたる疾患に関連する栄養失調の少なくとも1つを治療するための方法であって、前記被験体に対して、(a)請求項17乃至請求項46のいずれか1項に記載の液体医薬製剤、(b)請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の固体医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤、または(c)請求項47に記載の凍結乾燥医薬製剤を滅菌水溶液に懸濁することで調製される液体医薬製剤を投与するステップを含む、方法。
【請求項57】
前記投与は、皮下、筋肉内、静脈内または腹腔内経路によるものである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
滅菌容器において、請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の固体医薬製剤、または請求項47に記載の凍結乾燥製剤を含む、キット。
【請求項59】
滅菌水溶液をさらに含む、請求項58に記載のキット。
【請求項60】
前記滅菌水溶液は滅菌水である、請求項59に記載のキット。
【請求項61】
GHRH分子の安定化された凍結乾燥医薬製剤を調製する方法であって、
(a)水溶液においてGHRH分子と、非還元糖と、陰イオン界面活性剤とを混合することにより、液体医薬製剤を得るステップ、を含む、方法。
【請求項62】
(b)ステップ(a)の前記液体製剤を凍結乾燥させるステップ、をさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記凍結乾燥製剤は、約40℃以下において少なくとも6ヶ月間安定している、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記凍結乾燥製剤は、約40℃以下において少なくとも4ヶ月間安定している、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記凍結乾燥製剤は、約40℃以下において少なくとも3ヶ月間安定している、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
前記凍結乾燥製剤は、約40℃以下において少なくとも2ヶ月間安定している、請求項62に記載の方法。
【請求項67】
前記凍結乾燥製剤は、約40℃以下において少なくとも1ヶ月間安定している、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記滅菌水溶液によって前記凍結乾燥製剤を懸濁させるステップ(c)をさらに含む、請求項62乃至請求項67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記滅菌水溶液は滅菌水である、請求項68に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−523501(P2010−523501A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501341(P2010−501341)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000637
【国際公開番号】WO2008/122118
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(504431544)セラテクノロジーズ インコーポレイティド (2)
【Fターム(参考)】