説明

GIP上昇抑制剤

【課題】医薬品、食品等に利用することのできるGIP上昇抑制剤の提供。
【解決手段】炭素数20以上の超長鎖脂肪酸又はその塩を有効成分とするGIP上昇抑制剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GIP上昇抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
GIP(ガストリックインヒビトリーポリペプチド又はグルコースディペンデントインスリノトロピックポリペプチド)は、グルカゴン・セクレチンファミリーに属する消化管ホルモンの1つである。GIPはGLP−1(グルカゴン様ペプチド1)と共にインクレチンと称され、脂質や糖質の摂食時に小腸に存在するK細胞より分泌され、膵β細胞においてグルコースによるインスリン分泌を促進することや、脂肪組織において糖質や脂質の取り込みを亢進することが報告されている。そのため、GIPの上昇を抑制することは肥満の予防もしくは改善に有効であると考えられる。また、GIPは、胃酸分泌抑制作用や胃運動抑制作用を有することが知られている(非特許文献1〜3)ことから、GIPの上昇抑制は、食後の消化促進や胃もたれの改善に有効であると考えられる。
【0003】
これまでの研究によって、GIPの機能を阻害する物質として、3−ブロモ−5−メチル−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オール(BMPP)が知られ、食後GIPの分泌を抑制するものとして、グアガム等が知られている(特許文献1、非特許文献4〜9)。また、近年では、GIP受容体アンタゴニストである(Pro3)GIPが知られている。しかし、これらの物質は、安全性や効果の面で十分とはいえない。
【0004】
一方、炭素数20以上の超長鎖脂肪酸は、動物の脳に多く見られ、また、植物では種子油中のトリグリセリドの構成成分として存在する。従来、GT01ポリペプチドに対するGT01アゴニスト及びアンタゴニストである炭素数10〜24の遊離脂肪酸が、CCK放出を調節し摂食障害及びそれに伴う疾患等の症状の改善すること(特許文献2)、また、GT01アゴニスト及びアンタゴニストが、GLP−1を分泌し、血糖値の上昇を抑制することが報告されている(特許文献3)。
しかしながら、超長鎖脂肪酸とGIP分泌との関係については何ら報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/87341号パンフレット
【特許文献2】特開2005−15358号公報
【特許文献3】特表平05−83070号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Brown JCら、Canadian J Physiol Pharmacol. 1969,47:113−114
【非特許文献2】Falko JMら、J Clin Endocrinol Metab.1975,41:260−265
【非特許文献3】織田敏次ら、消化管 機能と病態、1981年、中外医学社、P205−216
【非特許文献4】Gatenby SJら、Diabet Med. 1996,13:358−364
【非特許文献5】Ellis PRら、Br J Nutr. 1995,74:539−556
【非特許文献6】Simoes Nunes Cら、Reprod Nutr Dev. 1992,32:11−20
【非特許文献7】Morgan LMら、Br J Nutr. 1990,64:103−110
【非特許文献8】Requejo Fら、Diabet Med. 1990,7:515−520
【非特許文献9】Morgan LMら、Br J Nutr. 1985,53:467−475
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、医薬品、食品等に利用することのできるGIP上昇抑制剤を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、GIPの上昇をコントロールできる素材について検討したところ、パルミチン酸やオレイン酸等の脂肪酸は血中GIP分泌を促すのに対し、全く意外にも、炭素数20以上の超長鎖脂肪酸ではGIPの上昇を著しく抑制することを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、炭素数20以上の超長鎖脂肪酸又はその塩を有効成分とするGIP上昇抑制剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のGIP上昇抑制剤は、GIPの上昇を抑制することができ、肥満の発症可能性の低下、予防もしくは改善、食後の消化促進や胃もたれの改善をするための素材として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において「GIP上昇抑制」とは、脂質及び糖質を含む食事、特に脂質を多く含む食事、そのなかでもトリアシルグリセロールを多く含む食事を摂取することにより、小腸に存在するK細胞から分泌されたGIPの上昇を抑制することをいう。すなわち、「GIP上昇抑制」とは、主として、食後に生じるGIP上昇を抑制することをいう。そして、本発明における「GIP上昇抑制作用」は、K細胞からのGIP分泌を抑制することでGIP上昇を抑制するGIP分泌抑制作用、及び血中GIP濃度を低下させることによりGIP上昇を抑制するGIP低下作用のいずれをも含む概念である。
【0012】
本発明に用いられる超長鎖脂肪酸は、炭素数20以上の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和脂肪酸である。脂肪酸の炭素数は、GIP上昇抑制効果の点から、炭素数20〜32が好ましく、更に炭素数20〜26、特に炭素数20〜24が好ましい。
【0013】
飽和脂肪酸の具体例としては、例えば、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等が挙げられる。
【0014】
また、不飽和脂肪酸は、1価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸のいずれでもよく、例えば、ガドレイン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ネルボン酸、ヘキサコセン酸、オクタコセン酸等が挙げられる。
【0015】
本発明の超長鎖脂肪酸の塩としては、医薬又は食品等において使用できるものならば特に制限されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、エタノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。
本発明の超長鎖脂肪酸又はその塩は、公知の化学合成法により得てもよく、これらを含有する天然物等からの抽出、又はこれらを組み合わせることにより得ることができる。また、市販品を用いてもよい。
【0016】
後記実施例に示すように、本発明の超長鎖脂肪酸は、トリアシルグリセロール摂取による血中GIP濃度を有意に低下させる作用を示した。従って、超長鎖脂肪酸又はその塩は、GIP上昇抑制剤として使用することができる。また、オレイン酸等の炭素数18以下の長鎖脂肪酸はGIP上昇効果が高いことが知られているが、本発明の超長鎖脂肪酸は、これらの長鎖脂肪酸に比べてGIP上昇効果が低いか、もしくはGIP上昇を抑制できることから、例えば、超長鎖脂肪酸又はその塩をGIP上昇を抑制できる素材として、脂肪酸を含む組成物の成分の少なくとも一部に長鎖脂肪酸の代わりに用いることができる。これにより、長鎖脂肪酸を含む組成物に比してGIP上昇を抑制できる組成物が得られる。当該組成物中の超長鎖脂肪酸又はその塩の含有量は、組成物中の脂肪酸含有量の0.01〜100質量%であるのが好ましく、1〜100質量%であるのがさらに好ましい。
GIP上昇を抑制することは、肥満の発症可能性の低下、予防又は改善に有効である。また、GIPの上昇抑制は、胃酸分泌の抑制及び胃運動の抑制を軽減させることから、超長鎖脂肪酸又はその塩は、肥満の発症可能性の低下、予防又は改善剤、更には消化促進剤及び胃もたれ改善剤(以下、「GIP上昇抑制剤等)とする)ともなり得、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。このとき、当該GIP上昇抑制剤等には、当該超長鎖脂肪酸又はその塩を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて適宜選択した担体等の、配合すべき後述の対象物において許容されるものを使用してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。
【0017】
当該GIP上昇抑制剤等は、肥満の発症可能性の低下、予防又は改善、食後の消化促進や胃もたれ改善等の各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、又は飼料の有効成分として配合して使用することができる。また、GIP上昇抑制剤等は、例えば肥満の発症可能性の低下、予防又は改善、食後の消化促進や胃もたれ改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品に応用できる。
【0018】
本発明のGIP上昇抑制剤等を医薬品の有効成分として用いる場合、当該医薬品は任意の投与形態で投与され得る。投与形態としては、経口、経腸、経粘膜、注射等が挙げられる。経口投与のための製剤の剤型としては、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、徐放性製剤、懸濁液、エマルジョン剤、内服液、糖衣錠、丸剤、細粒剤、シロップ剤、エリキシル剤等が挙げられる。非経口投与としては、静脈内注射、筋肉注射剤、吸入、輸液、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。
【0019】
また、斯かる製剤では、本発明のGIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の薬学的に許容される担体と組み合わせて使用してもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、流動性促進剤、吸収助剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、矯味剤、矯臭剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、香料、被膜剤等が挙げられる。
【0020】
これらの投与形態のうち、経口投与が好ましく、GIP上昇抑制剤等を含む経口投与用製剤中の超長鎖脂肪酸又はその塩の含有量は、通常、製剤全質量の0.001〜100質量%であり、0.01〜50質量%であるのが好ましく、0.01〜10質量%であるのがより好ましい。
【0021】
また、本発明のGIP上昇抑制剤等を食品の有効成分として配合して用いる場合、一般食品のほか、肥満の発症可能性の低下、予防や改善、食後の消化促進や胃もたれの改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨表示した美容食品、病者用食品、栄養機能食品又は特定保健用食品等の機能性食品に応用できる。
【0022】
本発明のGIP上昇抑制剤等を食品の有効成分として用いる場合、当該食品の形態は、固形、半固形または液状であり得る。食品の例としては、パン類、麺類、クッキー等の菓子類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、インスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、コーヒー飲料等の飲料、スープ類、調味料、栄養補助食品等、及びそれらの原料が挙げられる。また、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。
【0023】
種々の形態の食品を調製するには、GIP上昇抑制剤等を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
【0024】
また、GIP上昇抑制剤等を含む食品中における超長鎖脂肪酸又はその塩の含有量は、その使用形態により異なるが、通常、飲料の形態では、通常0.001〜50質量%であり、0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。また、錠剤や加工食品などの固形食品形態では、通常0.001〜100質量%であり、0.01〜50質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
【0025】
上記製剤等の投与又は摂取量は、患者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与又は摂取の場合、通常、成人1人1日あたり当たり超長鎖脂肪酸として0.1〜20gが好ましい。また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与又は摂取され得るが、1日1回〜数回に分けて投与又は摂取することが好ましい。
また、本発明のGIP上昇抑制剤を配合した製剤等は、摂食・摂餌時或いは摂食・摂餌前に投与又は摂取するのが好ましく、特に摂食・摂餌前5分から30分以内に投与又は摂取するのが好ましい。
【実施例】
【0026】
実施例1 超長鎖脂肪酸のGIP上昇抑制作用
評価には、オレイン酸(C18:1)(シグマ)、パルミチン酸(C16:0)(シグマ)、ベヘン酸(C22:0)(シグマ)、リグノセリン酸(C24:0)(シグマ)、アラキドン酸(C20:4)(シグマ)を用いた。脂肪酸負荷量が1.13μmol/g体重になるように、脂肪酸、0.2%卵黄レシチン(和光純薬工業)及び蒸留水を表1に示すような組成で混合し、70℃にて加熱した後に、超音波処理し、各乳剤を作製した。
【0027】
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。1群8〜10匹として体重がほぼ同一になるように群分けした。その後、17時間絶食し、ジエチルエーテル麻酔下、初期採血を眼窩静脈叢より行った(ヘパリン処理ヘマトクリット微量採血管、VITREX製)後、各乳剤を胃内投与後10、30、60、120分後にジエチルエーテル麻酔下、眼窩静脈叢より採血を行った。採血した血液は氷中保存した後、11000rpm、6分間、遠心分離し、血漿を得た。得られた血漿は測定まで−80℃で保管した。また、血漿中のGIP濃度をELISA法(Rat/Mouse GIP(Total)ELISA Kit、Linco Research/Millipore co.)より定量し、グラフの曲線下面積(AUC)を算出した。
【0028】
【表1】

【0029】
オレイン酸投与60分後までのGIP上昇AUCを100とした場合の、各脂肪酸投与60分後までのGIP上昇AUC(相対値)を表2に示す。群間の統計学的有意差については、Tukey−Kramerによる検定を行い、両側検定でp値が0.05以下の場合を有意差ありとし、表に*(vsオレイン酸)あるいは♯(vsパルミチン酸)を示した。
【0030】
【表2】

【0031】
血中GIP濃度は、オレイン酸群及びパルミチン酸群で上昇が認められたが、ベヘン酸群、リグノセリン酸群及びアラキドン酸群ではオレイン酸群あるいはパルミチン酸群と比べて有意に低下し、GIP上昇抑制効果が認められた。
【0032】
実施例2 超長鎖脂肪酸のGIP上昇抑制作用
評価には、オレイン酸(C18:1)(シグマ)、ドコサヘキサエン酸(C22:6)(シグマ)、エイコサペンタエン酸(C20:5)(シグマ)を用いた。脂肪酸負荷量が1.13μmol/g体重になるように、脂肪酸、0.2%卵黄レシチン(和光純薬工業)及び蒸留水を表3に示すような組成で混合し、70℃にて加熱した後に、超音波処理し、各乳剤を作製した。
【0033】
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。1群8〜10匹として体重がほぼ同一になるように群分けした。その後、17時間絶食し、ジエチルエーテル麻酔下、初期採血を眼窩静脈叢より行った(ヘパリン処理ヘマトクリット微量採血管、VITREX製)後、各乳剤を胃内投与後10、30、60、120分後にジエチルエーテル麻酔下、眼窩静脈叢より採血を行った。採血した血液は氷中保存した後、11000rpm、6分間、遠心分離し、血漿を得た。得られた血漿は測定まで−80℃で保管した。また、血漿中のGIP濃度をELISA法(Rat/Mouse GIP(Total)ELISA Kit、Linco Research/Millipore co.)より定量した。
【0034】
【表3】

【0035】
ドコサヘキサエン酸投与群、エイコサペンタエン酸投与群のGIP濃度は、初期値に対して有意な上昇が見られなかった。血中GIP濃度が最大となる各脂肪酸投与10分後のGIP上昇を表4に示す。群間の統計学的有意差についてはTukey−Kramerによる検定を行い、両側検定でp値が0.05以下の場合を有意差ありとし、表に*(vsオレイン酸)を示した。
【0036】
【表4】

【0037】
脂肪酸投与10分後のGIP上昇は、ドコサヘキサエン酸群、エイコサペンタエン酸群ではオレイン酸群と比べて有意に低く、GIP上昇抑制効果が認められた。
【0038】
実施例3 超長鎖脂肪酸のGIP上昇抑制作用
評価には、トリオレイン(シグマ)、アラキドン酸(シグマ)を用いた。トリオレイン負荷量が2mg/g体重、あるいはトリオレイン負荷量2mg/g体重+アラキドン酸負荷量0.4mg/g体重になるように、0.2%卵黄レシチン(和光純薬工業)及び蒸留水と表5に示すような組成で混合し、70℃にて加熱した後に、超音波処理し、各種乳剤を作製した。
【0039】
7週齢雄性C57BL/6Jマウス(日本クレア)を標準粉末飼料CE−2(日本クレア)において1週間予備飼育した。飼育環境は室温を22±2℃、湿度を55±10%とし、照明時間を7時から19時とした。1群3〜4匹として体重がほぼ同一になるように群分けした。その後、17時間絶食し、ジエチルエーテル麻酔下、初期採血を眼窩静脈叢より行った(ヘパリン処理ヘマトクリット微量採血管、VITREX製)後、各乳剤を胃内投与後10、30、60、120分後にジエチルエーテル麻酔下、眼窩静脈叢より採血を行った。採血した血液は氷中保存した後、11000rpm、6分間、遠心分離し、血漿を得た。得られた血漿は測定まで−80℃で保管した。また、血漿中のGIP濃度をELISA法(Rat/Mouse GIP(Total)ELISA Kit、Linco Research/Millipore co.)より定量し、グラフの曲線下面積(AUC)を算出した。
【0040】
【表5】

【0041】
トリオレイン投与60分後までのGIP上昇AUCを100とした場合の、トリオレイン+アラキドン酸投与60分後までのGIP上昇AUC(相対値)を表6に示す。群間の統計学的有意差については、t検定を行ない、両側検定でp値が0.05以下の場合には、表上に*を示した。
【0042】
【表6】

【0043】
投与60分後までのGIP上昇AUCは、トリオレイン群に比べて、トリオレイン+アラキドン酸群において有意に低下し、GIP上昇抑制効果が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数20以上の超長鎖脂肪酸又はその塩を有効成分とするGIP上昇抑制剤。
【請求項2】
脂肪酸含有組成物の成分の少なくとも一部に、長鎖脂肪酸又はその塩の代わりに炭素数20以上の超長鎖脂肪酸又はその塩を使用する脂肪酸含有組成物の製造方法。

【公開番号】特開2011−225458(P2011−225458A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94101(P2010−94101)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】