説明

GPS受信装置およびGPS受信方法

【課題】 測位を完了するまでの時間を短縮すると共に、電池で駆動されるGPS受信装置において、電池の著しい電圧降下のために装置自体が機能停止になることを防止する。
【解決手段】 GPS信号処理部3は、衛星からのデータを受信する複数の受信チャネルを有するサーチ・エンジン4と、サーチ・エンジン4の任意の受信チャネルが任意の衛星からの必要なデータを受信したときは、連続して他の衛星からのデータを受信するようにサーチ・エンジン4を制御するサーチ・エンジン制御部5と、4個の衛星からの必要なデータがサーチ・エンジン4によって受信されたときは、そのデータに基づいて現在位置を検出する位置演算部7と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS受信装置およびGPS受信方法に関し、特に、GPS信号の航法メッセージに基づいて現在位置を測定するGPS受信装置およびGPS受信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)は、複数の衛星からの電波を受信して、現在位置を検出するシステムである。この場合の衛星は静止衛星ではなく、高度2万kmを周回し、地球に対して刻々と位置が変化する32個の衛星である。現在位置を検出するためには、32個の衛星の中の最低3個の衛星からGPS信号を受信する必要がある。実際は、4個の衛星からGPS信号を受信して現在位置を検出している。各衛星からの航法メッセージのGPS信号は、決まった順番で50bps(ビット/秒)の速度で30秒のメインフレームが送信される。このメインフレームは、各フレームが6秒の5個のサブフレームで構成され、各サブフレームは300ビットのデータで構成されている。第1ないし第5の5個のサブフレームのうち、第1のサブフレーム(サブフレーム#1)には、各衛星の状態とクロック補正係数、第2、第3のサブフレーム(サブフレーム#2、#3)には、各衛星の軌道情報である「エフェメリス」が格納され、第4および第5の2個のサブフレーム(サブフレーム#4、#5)には、32個のすべての衛星に共通の概略軌道情報である「アルマナック」が格納されている。
【0003】
GPSを利用した位置検出の技術に関しては、多くの提案がなされている。
例えば、ある提案のGPS航法装置においては、エフェメリスのデータをサブフレーム単位に分割収集し、メモリに保存することによって、データ収集に要する時間を短くするようになっている。具体的には、サブフレーム収集フラグを設けて、サブフレームの収集に応じてこのフラグを1(有効)にセットする。したがって、一度収集したサブフレームであるか否かをフラグで判定するので、そのサブフレームを再度収集する必要がなくなり、収集する時間を短縮できる。(特許文献1参照)
また、ある提案のGPS受信機においては、複数のチャネルを持つ検波部と、検波部で復調した衛星から送信される航法メッセージを収集するメッセージ収集部と、収集したメッセージを解析するメッセージ解析部と、伝搬時間と衛星の位置から受信機の位置を算出する測位部と、各チャネルのメッセージ収集部に対して航法メッセージを走査するタイミングを指定するタイミング指定部とを備え、1チャネル以上で航法メッセージを収集した場合に、他のチャネルに対してメッセージの収集タイミングを指定する。したがって、GPS衛星から送信される航法メッセージの先頭を示すビットパターンであるプリアンブルパターンを早く検出し、すべてのチャネルでプリアンブルパターンを検出するまでの時間を短縮し、航法メッセージをすばやく収集することにより、測位不能時間を短縮する。(特許文献2参照)
また、ある提案のGPS受信装置においては、複数のチャネルにおいてそれぞれGPS衛星を捕捉することができ、その捕捉したGPS衛星からの衛星データから取り出した時間情報と、GPS受信装置側にて計時した現在時間とに基づいて、GPS衛星と現在位置(GPS受信装置の位置)との間の距離を測定する。また衛星データに含まれる詳細軌道情報(エフェメリス)を取り出して衛星位置を計算し、さらに測定した距離を加味して、GPS受信装置の位置を算出する。これにより、衛星データとの同期確立を早期に行えるようにし、測位を開始するまでの時間を短縮する。(特許文献3参照)
また、ある提案のGPS位置検出装置においては、GPSアンテナと、GPS電波の受信強度を推測するための周囲の環境条件を検知する環境センサと、GPS衛星捕捉のための行列サーチ処理回路を含んだGPS測位演算処理部とを備え、行列サーチ処理回路に所定の積算演算処理を実行する機能を付加し、環境センサの出力によって推測されたGPS電波の受信強度に応じて、積算演算処理を選択的に実行させて、GPS衛星からのGPS電波を捕捉して航法メッセージを解読する。(特許文献4参照)
上記特許文献1ないし特許文献4を含め、GPSを利用した従来のGPS受信装置では、複数の受信チャネルを時分割で切り替えながら、各受信チャネルによって1個の衛星をサーチして、捕捉された衛星からの情報を記憶し、位置検出に必要な個数(装置自身の高さ情報が既知の場合は3個、高さ情報が未知の場合は4個)の衛星からの情報を順次(シーケンシャル)に取得していた。
【0004】
図4は、従来のGPS受信装置による航法メッセージの取得方法を示すフローチャートである。図4の例では、4個の受信チャネルによって衛星A,B,C,Dからの航法メッセージである5個のサブフレームをそれぞれ同時に受信して現在位置を検出する。
チャネル1によって衛星Aをサーチし(ステップS101)、衛星Aを捕捉する(ステップS102)。そして、衛星Aから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS103)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは受信処理を完了する(ステップS104)。この後は、衛星Aを追尾して、記憶されている衛星Aの情報を逐次更新する(ステップS105)。
チャネル2によって衛星Bをサーチし(ステップS111)、衛星Bを捕捉する(ステップS112)。そして、衛星Bから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS113)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは受信処理を完了する(ステップS114)。この後は、衛星Bを追尾して、記憶されている衛星Bの情報を逐次更新する(ステップS115)。
チャネル3によって衛星Cをサーチし(ステップS121)、衛星Cを捕捉する(ステップS122)。そして、衛星Cから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS123)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは受信処理を完了する(ステップS124)。この後は、衛星Cを追尾して、記憶されている衛星Cの情報を逐次更新する(ステップS125)。
チャネル4によって衛星Dをサーチし(ステップS131)、衛星Dを捕捉する(ステップS132)。そして、衛星Dから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS133)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは受信処理を完了する(ステップS134)。この後は、衛星Dを追尾して、記憶されている衛星Aの情報を逐次更新する(ステップS135)。
衛星A,B,C,Dからの情報をそれぞれ更新した後は、更新した情報に基づいて位置を確定する(ステップS141)。
このように、従来のGPS受信方法においては、各受信チャネルによって1つの衛星からのデータを受信し、その後は、その衛星を追尾して、記憶されているその衛星の情報を逐次更新しながら現在位置を検出するようになっている。
【特許文献1】特開平3−42793号公報
【特許文献2】特開平11−304899号公報
【特許文献3】特開2000−292521号公報
【特許文献4】特開2002−250764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のGPS受信装置においては、任意の受信チャネルで衛星を捕捉した後は、その衛星を追尾しながらデータを受信して、受信したデータによって記憶されているデータを逐次更新しながら測位を行うので、測位を完了するまでの時間であるTime To First Fix(TTFF)が長くなると共に、電力消費が大きくなり、特に、コイン型電池を使用した携帯型のGPS受信装置の場合には、電池の著しい電圧降下のために装置自体が機能停止になるおそれがある。
本発明の目的は、このような従来の課題を解決するためのものであり、測位を完了するまでの時間を短縮すると共に、電池で駆動されるGPS受信装置において、電池の著しい電圧降下のために装置自体が機能停止になることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のGPS受信装置は、衛星からのデータを受信する複数の受信チャネルを有する受信手段(実施形態においては、図1のサーチ・エンジン4に相当する)と、受信手段の任意の受信チャネルが任意の衛星からの必要なデータを受信したときは、連続して他の衛星からのデータを受信するように受信手段を制御する制御手段(実施形態においては、図1のサーチ・エンジン制御部5に相当する)と、所定数の衛星(実施形態においては、4個の衛星に相当する)からの必要なデータが受信手段によって受信されたときは、当該データに基づいて現在位置を検出する検出手段(実施形態においては、図1の位置演算部7に相当する)と、を備えた構成になっている。
【0007】
請求項1のGPS受信装置において、請求項2に記載したように、受信手段によって受信された所定数の衛星からの必要なデータを記憶する記憶手段(実施形態においては、図1の航法メッセージ用メモリ6に相当する)をさらに備えたような構成にしてもよい。
【0008】
また、請求項2のGPS受信装置において、請求項3に記載したように、制御手段は、現在位置の検出指令の入力に応じて受信手段によって所定数の衛星から必要なデータが受信されたときは、前回の検出指令の入力に応じて受信手段によって受信されて記憶手段に記憶されたデータを更新するような構成にしてもよい。
【0009】
請求項4に記載のGPS受信方法は、衛星からのデータを受信する複数の受信チャネルを有する受信手段(実施形態においては、図1のサーチ・エンジン4に相当する)の任意の受信チャネルが任意の衛星からの必要なデータを受信したときは、連続して他の衛星からのデータを受信するように受信手段を制御するステップAと、所定数の衛星(実施形態においては、4個の衛星に相当する)からの必要なデータが受信手段によって受信されたときは、当該データに基づいて現在位置を検出するステップBと、を実行する構成になっている。
ステップAは、図1のサーチ・エンジン制御部5によって実行され、ステップBは、図1の位置演算部7によって実行される。
【0010】
請求項4のGPS受信方法において、請求項5に記載したように、受信手段によって受信された所定数の衛星からの必要なデータを記憶手段(実施形態においては、図1の航法メッセージ用メモリ6に相当する)に記憶するステップCをさらに実行するような構成にしてもよい。
ステップCは、図1のサーチ・エンジン制御部5によって実行される。
【0011】
請求項5のGPS受信方法において、請求項6に記載したように、現在位置の検出指令の入力に応じて受信手段によって所定数の衛星から必要なデータが受信されたときは、前回の検出指令の入力に応じて受信手段によって受信されて記憶手段に記憶されたデータを更新するステップDをさらに実行するような構成にしてもよい。
ステップDは、図1のサーチ・エンジン制御部5によって実行される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、測位を完了するまでの時間を短縮すると共に、電池で駆動されるGPS受信装置において、電池の著しい電圧降下のために装置自体が機能停止になることを防止するという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明によるGPS受信装置の実施形態について、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明は、その技術的範囲の属する限り、当業者によって容易に考えられる様々な変形例が可能である。
【0014】
図1は、本発明の実施形態におけるGPS受信装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施形態のGPS受信装置は、アンテナ1、高周波処理部2、GPS信号処理部3で構成されている。なお、図には示していないが、ユーザの指示を入力する操作部やGPS信号処理部3から出力される時間情報および位置情報を表示するディスプレイなどを有するシステム、各部に電力を供給する電源等がこの装置に含まれている。また、このGPS受信装置は携帯型であり、コイン型の電池で駆動されている。
【0015】
アンテナ1は、衛星からの電波を受信して高周波処理部2に入力する。高周波処理部2は、入力された電波を必要なレベルに増幅してGPS信号処理部3に入力する。GPS信号処理部3は、サーチ・エンジン4、サーチ・エンジン制御部5、航法メッセージ用メモリ6、位置演算部7などを有する。
【0016】
サーチ・エンジン4は、8個乃至10個の複数の受信チャネルを有し、高周波処理部2から入力された高周波信号の中から航法メッセージのデータを抽出して復調し、アナログ信号からデジタル信号のベースバンド信号に変換する。
航法メッセージ用メモリ6は、サーチ・エンジン4から入力された航法メッセージのデータを記憶する。
位置演算部7は、サーチ・エンジン4によって所定数(3個又は4個)の衛星から必要なデータが受信されて、航法メッセージ用メモリ6に記憶されたときは、そのデータを演算して現在位置を検出する。
サーチ・エンジン制御部5は、任意の受信チャネルが任意の衛星からの必要なデータ(後述するサブフレーム#1乃至サブフレーム#5)を受信したときは、連続して他の衛星からのデータを受信するように、サーチ・エンジン4を制御する。また、サーチ・エンジン制御部5は、現在位置の検出指令の入力に応じて、サーチ・エンジン4によって所定数の衛星から必要なデータが受信されたときは、前回の検出指令の入力に応じてサーチ・エンジン4によって受信されて、航法メッセージ用メモリ6に記憶されたデータを更新する。
【0017】
すなわち、データの更新は、従来のように衛星を追尾しながら逐次に行うのでなく、ユーザから現在位置の検出指令の入力がされるごとに行うようになっている。したがって、サーチ・エンジン制御部5は、現在位置の検出指令の入力がされたときに、サーチ・エンジン4を動作状態に遷移させ、3個又は4個の衛星から必要なデータが受信されて、航法メッセージ用メモリ6に記憶されたときは、サーチ・エンジン4を非動作状態に遷移させる。
【0018】
図2は、GPS信号の航法メッセージであるサブフレームのフォーマットを示す図である。5個のサブフレームで1フレームが構成され、サブフレーム#1からサブフレーム#5まで順番に送信される。上記したように、各衛星は、サブフレーム#1ないしサブフレーム#3によって固有のデータ(「エフェメリス」と称する)を送信している。また、各衛星は、サブフレーム#4およびサブフレーム#5の2つを用いて共通のデータ(「アルマナック(軌道情報)」と称する)を送信している。現在位置を検出するためには、最低3個の衛星のそれぞれに対応するサブフレーム#1ないしサブフレーム#3を取得する必要がある。
【0019】
図2に示すように、各サブフレームは、6秒の時間長からなる300ビットで構成されている。したがって、メインフレームは30秒の時間長からなる1500ビットで構成され、32個の衛星から30秒ごとにメインフレームが送信される。通常、各サブフレームの先頭には、30ビットのTLM(Telemetry)のデータがあり、次に、同じく30ビットのHOW(Handover Word)のデータが続き、その後に、240ビットのクロック、各衛星の状態を示すデータ(サブフレーム#1)、各衛星に固有の詳細軌道情報などのエフェメリスのデータ(サブフレーム#2、#3)、32個の衛星に共通する概略軌道情報や電離層補正情報などのアルマナックのデータ(サブフレーム#4、#5)がある。ただし、サブフレーム#4、#5については、1回ではアルマナックの全てのデータを送信できないので、25ページに分割して送信される。
【0020】
図3は、図1のGPS信号処理部3によって実行されるGPS受信方法を示すフローチャートである。図3の例では、チャネル1乃至チャネル3によって、最初は同時に3個の衛星A,B,Cからの航法メッセージを受信する。
図3において、チャネル1によって衛星Aをサーチし(ステップS201)、衛星Aを捕捉する(ステップS202)。そして、衛星Aから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS203)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは、その情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶して受信処理を完了する(ステップS204)。
チャネル2によって衛星Bをサーチし(ステップS211)、衛星Bを捕捉する(ステップS212)。そして、衛星Bから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS213)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは、その情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶して受信処理を完了する(ステップS214)。
チャネル3によって衛星Cをサーチし(ステップS221)、衛星Cを捕捉する(ステップS222)。そして、衛星Cから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS223)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは、その情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶して受信処理を完了する(ステップS224)。
【0021】
チャネル1が衛星Aからの5個のサブフレームの情報を読み込んで、その情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶した後は、連続して他の衛星Dをサーチし(ステップS205)、衛星Dを捕捉する(ステップS206)。そして、衛星Dから送信される航法メッセージの情報を読み込み(ステップS207)、5個のサブフレームの情報を読み込んだときは、その情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶して受信処理を完了する(ステップS208)。
【0022】
この結果、チャネル2が衛星Bからの5個のサブフレームの情報を読み込んで、その情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶した後に、連続して衛星Eのサーチを開始し(ステップS215)、同様に、チャネル3が衛星Cからの5個のサブフレームの情報を読み込んで、その情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶した後に、連続して衛星Fのサーチを開始するが(ステップS225)、4個の衛星A,B,C,Dからの情報を航法メッセージ用メモリ6に記憶した後は、チャネル2およびチャネル3は以後の処理を中断する。そして、4個の衛星A,B,C,Dからの情報に基づいて現在位置を検出する(ステップS231)。
【0023】
以上のように、上記実施形態のGPS受信装置によれば、GPS信号処理部3は、衛星からのデータを受信する複数の受信チャネルを有するサーチ・エンジン4と、サーチ・エンジン4の任意の受信チャネルが任意の衛星からの必要なデータを受信したときは、連続して他の衛星からのデータを受信するようにサーチ・エンジン4を制御するサーチ・エンジン制御部5と、4個の衛星からの必要なデータがサーチ・エンジン4によって受信されたときは、そのデータに基づいて現在位置を検出する位置演算部7と、を備えている。
したがって、サーチして捕捉した衛星を追尾してデータを逐次更新する処理がないので、測位を完了するまでの時間を短縮すると共に、電池で駆動されるGPS受信装置において、電池の著しい電圧降下のために装置自体が機能停止になることを防止することができる。
【0024】
また、上記実施形態のGPS受信装置によれば、サーチ・エンジン4によって受信された所定数の衛星からの必要なデータを記憶する航法メッセージ用メモリ6をさらに備えた構成になっている。
したがって、所定数の衛星からの必要なデータを記憶した後は、迅速に現在位置を検出することができる。
【0025】
さらに、サーチ・エンジン制御部5は、現在位置の検出指令の入力に応じてサーチ・エンジン4によって4個の衛星から必要なデータが受信されたときは、前回の検出指令の入力に応じてサーチ・エンジン4によって受信されて航法メッセージ用メモリ6に記憶されたデータを更新する。
したがって、ユーザから現在位置の検出指令の入力があるごとに、航法メッセージ用メモリ6に記憶されたデータを更新するので、短時間の測位と正確な現在位置の検出とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態におけるGPS受信装置の構成を示すブロック図。
【図2】GPS信号の航法メッセージであるサブフレームのフォーマットを示す図。
【図3】実施形態におけるGPS受信方法を示すフローチャート。
【図4】従来のGPS受信方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0027】
1 アンテナ
2 高周波処理部
3 GPS信号処理部
4 サーチ・エンジン
5 サーチ・エンジン制御部
6 航法メッセージ用メモリ
7 位置演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星からのデータを受信する複数の受信チャネルを有する受信手段と、
前記受信手段の任意の受信チャネルが任意の衛星からの必要なデータを受信したときは、連続して他の衛星からのデータを受信するように前記受信手段を制御する制御手段と、
所定数の衛星からの必要なデータが前記受信手段によって受信されたときは、当該データに基づいて現在位置を検出する検出手段と、
を備えたことを特徴とするGPS受信装置。
【請求項2】
前記受信手段によって受信された前記所定数の衛星からの必要なデータを記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のGPS受信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、現在位置の検出指令の入力に応じて前記受信手段によって所定数の衛星から必要なデータが受信されたときは、前回の検出指令の入力に応じて前記受信手段によって受信されて前記記憶手段に記憶されたデータを更新することを特徴とする請求項2に記載のGPS受信装置。
【請求項4】
衛星からのデータを受信する複数の受信チャネルを有する受信手段の任意の受信チャネルが任意の衛星からの必要なデータを受信したときは、連続して他の衛星からのデータを受信するように当該受信手段を制御するステップAと、
所定数の衛星からの必要なデータが前記受信手段によって受信されたときは、当該データに基づいて現在位置を検出するステップBと、
を実行することを特徴とするGPS受信方法。
【請求項5】
前記受信手段によって受信された前記所定数の衛星からの必要なデータを記憶手段に記憶するステップCをさらに実行することを特徴とする請求項4に記載のGPS受信方法。
【請求項6】
現在位置の検出指令の入力に応じて前記受信手段によって所定数の衛星から必要なデータが受信されたときは、前回の検出指令の入力に応じて前記受信手段によって受信されて前記記憶手段に記憶されたデータを更新するステップDをさらに実行することを特徴とする請求項5に記載のGPS受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−101915(P2008−101915A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−282098(P2006−282098)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】