説明

ICカード処理システム

【課題】欠落外字の画像に関する情報を取得するICカード処理システムを提供する。
【解決手段】ICカード処理システム10において、ICチップ読出部22により、第2表面情報50がICチップ12から読み出される。また、表面スキャナ23により、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像が取得される。さらに、欠落外字特定部32により、第2表面情報50の欠落外字情報62d,62eに基づいて、ICカード11の所定配列を考慮して、欠落外字16d,16eが印字されている位置が特定される。そして、欠落外字特定部32からの情報に基づいて、表面スキャナ23により得られた画像から、欠落外字画像抽出部33により、欠落外字16d,16eの画像が抽出される。第2表面情報50および欠落外字16d,16eの画像からなる情報は、データベース34に記録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを有するICカードに対して情報処理を施すICカード処理システムに係り、とりわけ、ICカードの表面に印字された文字に関する情報を処理するICカード処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
身分証明証などの身分確認時に用いられるカードとして、電子情報が記録されたICチップを有するICカードが知られている。このようなICカードのICチップには、例えば、ICカードの表面に印字されている氏名、住所などの文字に関する情報や、ICカードの表面に印画されている顔写真などの画像に関する情報が電子情報として記録されている。このうち文字に関する情報は、一般に、所定の規格に沿って文字を符号化することにより得られる符号化情報として記録される。
【0003】
ICカードのICチップに記録されている電子情報は、ICチップの電子情報を接触式または非接触式で読み出すICカードリーダライタ(ICチップ読出部)によって取り出される。例えば特許文献1により、非接触式のICカードに対し、電子情報の読み込みまたは書き込みが可能なICカードリーダライタが知られている。このようなICカードリーダライタを用いてICチップの電子情報を取り出すことにより、ICカードに印字または印画されている様々な情報を電子情報として得ることができる。このようにして得られた電子情報は、ICカード保有者に関する書類などを作成する際に利用され得る。この場合、得られた電子情報に基づいて自動的に書類などを作成することが可能であり、このため、書類作成などの事務作業を効率化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−134054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ICカードの表面に印字される氏名、住所などの文字には、所定の文字コードに沿って符号化可能な標準的な文字(標準文字)だけでなく、符号が割り当てられていない特殊な文字(外字)が含まれている場合がある。このような外字は、例えば、外字を撮像して得られる画像からなる外字画像情報としてICチップに記録される。
【0006】
しかしながら、ICチップに記録され得る情報のデータ容量には制限があり、このため、ICカードの表面の文字に多くの外字が含まれている場合、全ての外字の画像情報をICチップに記録できないことが考えられる。すなわち、ICカードの表面に印字されている外字のうち、その画像情報がICチップ内に記録されていない外字(欠落外字)が存在することが考えられる。この場合、ICカードリーダライタを用いてICチップの電子情報を取り出したとしても、ICカードに印字されている全ての外字に関する画像情報を得ることができず、このため、ICカードの保有者に関する書類などを自動的に作成することができない。
【0007】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るICカード処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明は、表面に標準文字および外字を含む第1表面情報が所定配列で印字され、標準文字および外字に関する第2表面情報が記録されたICチップを有するICカードに対して情報処理を施すICカード処理システムにおいて、前記ICチップの前記第2表面情報は、前記第1表面情報の標準文字が符号化された符号化情報と、前記第1表面情報の外字のうち一部の外字の画像からなる外字画像情報と、前記第1表面情報の他の欠落外字が前記所定配列中に存在することを示す欠落外字情報と、を含み、ICカード処理システムは、前記第2表面情報を前記ICチップから読み出すICチップ読出部と、前記ICカードの表面を読み込んでICカードの表面に印字された前記第1表面情報の画像を取得する表面スキャナと、前記第2表面情報の前記欠落外字情報に基づいて、前記所定配列を考慮して、前記ICカードの表面に印字された前記第1表面情報に含まれる外字のうち前記外字画像情報に含まれない欠落外字が印字されている位置を特定する欠落外字特定部と、前記欠落外字特定部からの情報に基づいて、前記表面スキャナにより得られた画像から、前記欠落外字の画像を抽出する欠落外字画像抽出部と、を備えたことを特徴とするICカード処理システムである。
【0009】
第2の本発明は、表面に標準文字および外字を含む第1表面情報が印字され、標準文字および外字に関する第2表面情報が記録されたICチップを有するICカードに対して情報処理を施すICカード処理システムにおいて、前記ICチップの前記第2表面情報は、前記第1表面情報の標準文字が符号化された符号化情報と、前記第1表面情報の外字のうち一部の外字の画像からなる外字画像情報と、を含み、ICカード処理システムは、前記第2表面情報を前記ICチップから読み出すICチップ読出部と、前記ICカードの表面を読み込んでICカードの表面に印字された前記第1表面情報の画像を取得する表面スキャナと、前記ICカード表面の画像を解析して、前記ICカードの表面に印字された第1表面情報に含まれる外字を特定する外字特定部と、前記ICチップにより読み出された前記第2表面情報と、前記外字特定部からの情報とに基づいて、前記ICカードの表面に印字された前記第1表面情報に含まれる外字のうち前記外字画像情報に含まれない欠落外字を特定する欠落外字特定部と、前記欠落外字特定部からの情報に基づいて、前記ICカード表面の画像から、前記欠落外字の画像を抽出する欠落外字画像抽出部と、を備えたことを特徴とするICカード処理システムである。
【0010】
本発明によるICカード処理システムは、前記第2表面情報および前記欠落外字の画像からなる情報を記録するデータベースをさらに備えていてもよい。この場合、前記欠落外字の画像からなる情報は、圧縮されて前記データベースに記録されてもよい。
【0011】
本発明によるICカード処理システムは、前記第2表面情報および前記欠落外字の画像からなる情報を記録するデータベースをさらに備えていてもよい。この場合、前記欠落外字の画像からなる情報は、前記第2表面情報の外字画像情報と同一の形式で前記データベースに記録されてもよい。
【0012】
本発明によるICカード処理システムにおいて、前記欠落外字画像抽出部により抽出される前記欠落外字の画像の画素数が、前記ICチップの前記第2表面情報に含まれている外字画像情報における各外字の画像の画素数と同一になるよう、前記表面スキャナの読み取り解像度が調整されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のICカード処理システムによれば、ICカードの表面に印字されている全ての外字に関する画像情報を自動的に得ることができる。このため、ICカードの保有者に関する書類などを自動的に作成することができ、このことにより、書類作成などの事務作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態におけるICカード処理システムを示す図。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態におけるICカード処理システムを示すブロック図。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態におけるICカードのフォーマットを示す図、図3(b)は、表面に標準文字および外字がフォーマットに沿って印字されたICカードを示す図。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態において、ICカードのICチップに記録されている第2表面情報を示す図。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態において、ICカード処理システムによりICカードに施される情報処理を示すフローチャート。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態において、データベースに記録される情報を示す図。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態におけるICカード処理システムを示す図。
【図8】図8は、本発明の第2の実施の形態において、ICカード処理システムによりICカードに施される情報処理を示すフローチャート。
【図9】図9は、ICカード処理システムのICカードリーダライタの変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の実施の形態
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。はじめに図3(a)(b)を参照して、ICカード11について説明する。
【0016】
ICカード
本実施の形態において、ICカード11(例えば運転免許証)の表面11aには、標準文字および外字を含む第1表面情報が、所定のフォーマットに沿って所定配列で印字されている。図3(a)は、ICカード11のフォーマットの一例を示す図である。図3(a)に示すように、ICカード11においては、ICカード11保有者の氏名が印字される氏名印字領域13a、住所が印字される住所印字領域13b、本籍が印字される本籍印字領域13c、発行日が印字される発行日印字領域13d、有効期限が印字される有効期限印字領域13e、運転条件などが印字される条件印字領域13f、および電話番号が印字される電話番号印字領域13gが予め定められている。従って、氏名などを表現するための文字は、対応する印字領域内に所定配列で印字される。
【0017】
また図3(a)に示すように、ICカード11の表面11aには、顔写真18(図3(b)参照)を印画するための顔写真印画領域17も画定されている。またICカード11の内部には、表面11aに印字された標準文字および外字に関する情報(後述する第2記録情報)が記録されたICチップ12が埋め込まれている。
【0018】
(第1表面情報)
図3(b)は、所定のフォーマットに沿って第1表面情報14が印字されたICカード11を示す図である。図3(b)に示すように、ICカード11の表面11aに印字される第1表面情報14は、標準文字15および外字16a〜16eを含んでいる。ここで「標準文字」とは、特定の文字集合(文字コードなど)に含まれている文字のことであり、例えば、JIS規格の文字コード(JIS X 0208など)に含まれる文字のことである。従って、標準文字は、所定の文字コードに従って符号化され得る文字となっている。一方「外字」とは、特定の文字集合に含まれていない文字のことである。従って、外字は、所定の文字コードに従って符号化され得ない文字となっている。なお外字16a〜16eは各々、互いに異なる文字からなっているが、図3(b)においては、便宜上、全ての外字16a〜16eが記号「○」で示されている。
【0019】
(第2表面情報)
次に図4を参照して、表面11aに印字された標準文字15および外字16a〜16eに関する第2表面情報50であって、ICチップ12に記録された第2表面情報50について説明する。図4は、ICカード11のICチップ12に記録されている第2表面情報50を示す表である。図4に示すように、ICチップ12において、表面11aに印字された標準文字15および外字16a〜16eは、各印字領域13a〜13gの文字ごとに区画されて記録されている。例えば第2表面情報50の「氏名」という項目には、ICカード11の氏名印字領域13aに印字されている「日本○子」という文字が、左から順に記録されている。
【0020】
上述のとおり、ICカード11に印字されている文字のうち、標準文字15は、所定の文字コードに従って符号化され得る文字となっている。このため、図4に示すように、「日本○子」という文字のうち「日」、「本」および「子」の標準文字15は、それぞれ「467C」、「4B5C」および「3B52」という符号(符号化情報51)としてICチップ12に記録されている。一方、「日本○子」という文字のうち「○」の外字(第1外字)16aは、上述のとおり符号化され得ない文字となっている。このため、図4において「外字1」の項目に示されているように、第1外字16aは、50×50画素からなるイメージデータ(第1外字画像情報53a)としてICチップ12に記録されている。
【0021】
同様に、ICカード11の住所印字領域13bに印字されている「東京都○○町」という文字のうちの2つの外字(第2外字16bおよび第3外字16c)は、図4に示すように、50×50画素からなる第2外字画像情報53bおよび第3外字画像情報53cとしてICチップ12に記録されている。
【0022】
なお、図4において符号52aで示されている「FFF1」は、ICカード11に所定配列で印字されている文字のうち、氏名印字領域13aにおける左から三番目の文字が第1外字16aであることを示す情報(第1外字情報)となっている。同様に、図4において符号52bで示されている「FFF2」、および符号52cで示されている「FFF3」は、ICカード11に所定配列で印字された文字のうち、住所印字領域13bにおける左から四番目および五番目の文字が第2外字16bおよび第3外字16cであることを示す情報(第2外字情報および第3外字情報)となっている。このため、これらの外字情報52a〜52cに基づいて、ICカード11の所定配列(所定のフォーマット)を考慮することにより、ICカード11において外字16a〜16cが印字されている位置を特定することが可能となっている。従って、ICチップ12に記録されている第2表面情報50に基づいて、ICカード11に印字されている氏名および住所を所定の書類上に印字する場合、第2表面情報50の符号化情報51に基づいて標準文字15を書類上に配置するとともに、外字情報52a〜52cから特定された外字16a〜16cの印字位置に外字画像情報53a〜53cを配置することにより、標準文字15と外字16a〜16cとからなる氏名および住所を所定の書類上に印字することができる。
【0023】
ところで、図4に示されているように、標準文字15はそれぞれ16ビットの符号化情報51としてICチップ12に記録されており、一方、外字16a〜16cはそれぞれ50×50画素の外字画像情報53a〜53cとしてICチップ12に記録されている。すなわち、外字画像情報53a〜53cのデータ量は、符号化情報51のデータ量に比べて著しく大きくなっている。このため、ICチップ12に記録可能な外字画像情報の数は制限されることになり、本実施の形態によるICチップ12においては、記録可能な外字画像情報の数が3個となっている。
【0024】
一方、図3(b)に示すように、ICカード11の表面11aには、合計で5つの外字16a〜16eが印字されている。従って、外字16a〜16eのうち本籍印字領域13cに印字されている2つの外字16d,16eは、その画像情報をICチップ12に記録することができない外字(以下、第1欠落外字16dおよび第2欠落外字16e)となっている。
【0025】
なお、図4において符号52d,52eで示すように、ICチップ12の第2表面情報50には、上述の欠落外字16d,16eがICカード11の所定配列中に存在することを示す欠落外字情報「FFFA」が含まれている。すなわち、欠落外字情報52d,52eに基づいて、ICカード11の所定配列(所定のフォーマット)を考慮することにより、ICカード11において欠落外字16d,16eが印字されている位置を特定することが可能となっている。
【0026】
ICカード処理システム
次に図1および図2を参照して、ICカード処理システム10について説明する。
【0027】
図1は、ICカード処理システム10の装置構成を示す図である。図1に示すように、ICカード処理システム10は、ICカード11に対応したICカードリーダライタ20と、ICカードリーダライタ20に接続されたコンピュータ30と、を備えている。またコンピュータ30には、ICカード11に対して施した情報処理の結果などをプリントアウトするためのプリンタ40が接続されている。
【0028】
次に、図2に示すブロック図を参照して、ICカード処理システム10についてより詳細に説明する。
【0029】
(ICカードリーダライタ)
図2に示すように、ICカード処理システム10のICカードリーダライタ20は、第2表面情報50をICチップ12から読み出すICチップ読出部22と、ICカード11の表面11aを読み込んで、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像を所定の解像度で取得する表面スキャナ23と、を有している。このうちICチップ読出部22は、図1に示すように、ICカードリーダライタ20の蓋部分に設けられている。一方、表面スキャナ23は、図1に示すように、ICカードリーダライタ20の本体部分に設けられている。従って、ICチップ読出部22と表面スキャナ23とをICカード11に対して同時に作用させることができる。
【0030】
また、表面スキャナ23は、画像を読み取る際の解像度を調整する解像度調整部(図示せず)を有している。このため、欠落外字画像抽出部(後述)により抽出される欠落外字16d,16eの画像の画素数が所望の画素数となるよう、解像度調整部により表面スキャナ23の解像度を調整することが可能となっている。この際、ICカード11に印字される文字の所定フォーマットから算出される、欠落外字16d,16eが印字される領域の面積が考慮されてもよい。
解像度調整部により調整される表面スキャナ23の解像度は特には限定されないが、好ましくは、欠落外字画像抽出部(後述)により抽出される欠落外字16d,16eの画像の画素数が、第2表面情報50に含まれている外字画像情報53a,53b,53cにおける各外字16a,16b,16cの画像の画素数(本実施の形態においては50×50画素)と同一になるよう、表面スキャナ23の解像度が調整される。
【0031】
(コンピュータ)
図2に示すように、ICカード処理システム10のコンピュータ30は、欠落外字特定部32と、欠落外字画像抽出部33と、データベース34と、を有している。このうち欠落外字特定部32は、第2表面情報50の欠落外字情報52d,52eに基づいて、ICカード11に印字される文字の所定配列(所定のフォーマット)を考慮して、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14に含まれる欠落外字16d,16eの位置を特定するものである。例えば、欠落外字特定部32は、はじめに、図4に示す第2表面情報50において「FFFA」で示されている欠落外字情報52d,52eが、「本籍」の項目の左から4番目および5番目に記録されていることを検出する。次に、欠落外字特定部32は、図3(a)に示すICカード11のフォーマットを考慮して、第1欠落外字16dおよび第2欠落外字16eの位置が本籍印字領域13cにおける左から4番目および5番目の位置であることを特定する。
【0032】
また欠落外字画像抽出部33は、欠落外字特定部32からの情報に基づいて、表面スキャナ23により得られた画像から、欠落外字16d,16eの画像を抽出するものである。例えば、欠落外字画像抽出部33は、表面スキャナ23により取得されたICカード11の表面11aの画像から、欠落外字特定部32により特定された第1欠落外字16dおよび第2欠落外字16eの位置にある画像、すなわち第1欠落外字16dおよび第2欠落外字16eの画像を抽出する。このようにして抽出された欠落外字16d,16eの画像に関する欠落外字画像情報は、ICチップ読出部22によりICチップ12から読み出された第2表面情報50とともに、コンピュータ30のデータベース34に記録される。
【0033】
欠落外字特定部32、欠落外字画像抽出部33およびデータベース34は、図2に示すように、制御部31により制御される。また図2に示すように、ICカードリーダライタ20のICチップ読出部22および表面スキャナ23、またはプリンタ40も、コンピュータ30の制御部31により制御される。
【0034】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、ICカード11のICチップ12において欠落していた欠落外字画像情報を補完することにより、データ抜けの無いデータベース34を構築する作用について説明する。
【0035】
はじめに、図5に示すように、ICカードリーダライタ20内にICカード11を載置する(S101)。この場合、図1に示すように、ICカード11の表面11aがICカードリーダライタ20の表面スキャナ23に向くようにICカード11を載置する。
【0036】
次に、コンピュータ30を用いて、ICカード11のICチップ12用の暗証番号をICチップ12に入力する(S102)。これによって、ICチップ12のロックが解除され、このことにより、ICチップ12に記録されている第2表面情報50が読み出し可能状態となる。
【0037】
その後、制御部31を介してICチップ読出部22を制御することにより、ICチップ12に記録されている第2表面情報50を読み出す(S103)。これによって、第2表面情報50に含まれている符号化情報51、外字画像情報53a〜53c、外字情報52a〜52cおよび欠落外字情報52d,52eなどが得られる。
【0038】
第2表面情報50が読み出されると、まず、欠落外字が存在しているかどうかが判定される(S104)。すなわち、第2表面情報50内に、「FFFA」で示されている欠落外字情報が存在しているかどうかが判定される。欠落外字情報が存在していない場合、図5においてS108で示されているステップが実施される。一方、欠落外字情報が存在している場合、図5においてS105〜107で示されているステップが実施され、その後、S108で示されているステップが実施される。以下、図5においてS105〜107で示されているステップについて説明する。なお、欠落外字が存在しているかどうかの判定を実施する部分が特に限られることはない。例えば、当該判定は、制御部31において行われてもよく、または、欠落外字特定部32において行われてもよい。
【0039】
欠落外字情報が存在している場合、はじめに、制御部31を介して表面スキャナ23を制御することにより、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像を所定の解像度で取得する(S105)。次に、欠落外字特定部32が、第2表面情報50の欠落外字情報52d,52eに基づいて、ICカード11に印字される文字の所定配列を考慮して、ICカード11における欠落外字16d,16eの位置を特定する(S106)。これによって、欠落外字16d,16eの位置が、本籍印字領域13cにおいて左から4番目および5番目の位置であることが特定される。
【0040】
その後、欠落外字特定部32により特定された欠落外字16d,16eの位置に関する情報に基づいて、欠落外字画像抽出部33が、ICカード11の表面11aの画像から欠落外字16d,16eの画像を抽出する(S107)。これによって、欠落外字16d,16eの画像が取得され、このようにして、欠落外字画像情報63d,63eが得られる。
【0041】
次に、コンピュータ30のディスプレイ35を介して、得られた欠落外字画像情報63d,63eが適切かどうかが確認される(S108)。得られた欠落外字画像情報63d,63eが適切である場合、当該欠落外字画像情報63d,63eが、ICチップ12から読み出された第2表面情報50とともにデータベース34に記録される(S109)。なお、ICカード処理システム10における欠落外字16d,16eの画像の抽出精度が十分に高い場合、上述の確認工程(S108)が省略されてもよい。
【0042】
このようにしてデータベース34に記録された情報の一例を図6に示す。図6において、符号化情報61、外字情報62a〜62cおよび外字画像情報63a〜63cは、図4における符号化情報51、外字情報52a〜52cおよび外字画像情報53a〜53cと略同一になっている。一方、図6において「欠落外字1」および「欠落外字2」の項目で示されているように、データベース34に、欠落外字16d,16eの画像からなる欠落外字画像情報63d,63eが記録されている。欠落外字画像情報63d,63eは、例えば図6に示すように、ICチップ12の第2表面情報50における外字画像情報53a〜53cと同一の形式(画素数、画像フォーマット、圧縮形式など)でデータベース34に記録される。
【0043】
また、図6に示すように、欠落外字が存在していることを示す欠落外字情報62d,62eに対応する符号は、欠落外字ごとに異なる符号が用いられている。すなわち、図6に示すように、第1欠落外字16dに関する第1欠落外字情報62dに対応する符号として「FFE1」が用いられ、第2欠落外字16eに関する第2欠落外字情報62eに対応する符号として「FFE2」が用いられている。このことにより、欠落外字画像情報63d,63eと、欠落外字情報62d,62eから得られる欠落外字16d,16eの位置と、を確実に対応させることができる。
【0044】
このようにして得られたデータベース34の情報は、ICカード11の保有者に関する書類などを作成するために適宜利用される。例えば、制御部31によりデータベース34内の情報を所定形式でプリンタ40に送信することにより、ICカード11に印字された文字が全て印字された帳票(図示せず)をプリントアウトすることができる(図5のS110)。
【0045】
このように本実施の形態によれば、ICカード処理システム10は、第2表面情報50をICチップ12から読み出すICチップ読出部22と、ICカード11の表面11aを読み込んで、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像を取得する表面スキャナ23と、第2表面情報50の欠落外字情報62d,62eに基づいて、ICカード11の所定配列を考慮して、欠落外字16d,16eが印字されている位置を特定する欠落外字特定部32と、欠落外字特定部32からの情報に基づいて、表面スキャナ23により得られた画像から、欠落外字16d,16eの画像を抽出する欠落外字画像抽出部33と、第2表面情報50および欠落外字16d,16eの画像からなる情報(欠落外字画像情報63d,63e)を記録するデータベース34と、を備えている。このため、その画像情報がICチップ内に記録されていない欠落外字が存在する場合であっても、ICカードに印字されている全ての文字(標準文字、外字および欠落外字)に関する情報を自動的に取得することができる。このことにより、ICカード11の保有者に関する書類などを自動的に容易に作成することができる。
【0046】
また本実施の形態によれば、欠落外字画像情報63d,63eが、ICチップ12の第2表面情報50における外字画像情報53a〜53cと同一の形式でデータベース34に記録される。このため、データベース34に記録されている情報に基づいてICカード11の保有者に関する書類などを作成する際、画像形式の調整処理などを施すことなく欠落外字画像情報63d,63eを利用することができる。このように本実施の形態によれば、データベース34に記録されている情報を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0047】
また本実施の形態によれば、欠落外字画像抽出部33により抽出される欠落外字16d,16eの画像の画素数が、ICチップ12の第2表面情報50に含まれている外字画像情報53a,53b,53cにおける各外字16a,16b,16cの画像の画素数と同一になるよう、表面スキャナ23の解像度が調整される。このため、画像形式の調整処理などを追加で施すことなく、欠落外字16d,16eの画像からなる欠落外字画像情報63d,63eの画素数と、外字16a,16b,16cの画像からなる外字画像情報53a,53b,53cの画素数とを容易に同一にすることができる。従って、上述のように、データベース34に記録されている情報に基づいてICカード11の保有者に関する書類などを作成する際、画像形式の調整処理などを施すことなく欠落外字画像情報63d,63eを利用することができる。このように本実施の形態によれば、欠落外字16d,16eの画像に対して画像形式の調整処理などを追加で施すことなく、データベース34に記録されている情報を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0048】
なお本実施の形態において、まず、表面スキャナ23によりICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像が取得され(S105)、その後、欠落外字特定部32によりICカード11における欠落外字16d,16eの位置が特定される(S106)例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、まず、欠落外字特定部32により、ICカード11における欠落外字16d,16eの位置を特定し、その後、表面スキャナ23により、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像を取得してもよい。この際、表面スキャナ23は、ICカード11の表面11aのうち、欠落外字16d,16eに対応する部分の画像のみを選択的に取得してもよい。
【0049】
第2の実施の形態
次に図7および図8を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。ここで図7は、第2の実施の形態におけるICカード処理システムを示すブロック図であり、図8は、本発明の第2の実施の形態において、ICカード処理システムによりICカードに施される情報処理を示すフローチャートである。
【0050】
図7および図8に示す第2の実施の形態においては、コンピュータ30が、制御部31と、外字特定部35と、欠落外字特定部32と、欠落外字画像抽出部33と、データベース34と、を有する点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図6に示す第1の形態と略同一である。図7および図8に示す第2の実施の形態において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0051】
本実施の形態においては、外字特定部35が、表面スキャナ23により得られたICカード11の表面11aの画像を解析することにより、ICカード11に印字されている外字16a〜16eを特定することができる。このため、ICチップ12に記録されている第2表面情報50の欠落外字情報62d,62eを用いることなく、ICカード11における欠落外字16d,16eの位置を特定することが可能となっている。以下、本実施の形態におけるICカード処理システム10についてより詳細に説明する。
【0052】
図7に示すように、ICカードリーダライタ20は外字特定部35を有している。この外字特定部35は、いわゆるOCR(光学文字認識)処理のような、画像中の文字を解析処理する機能を含んでいる。このため、表面スキャナ23によって得られたICカード11の表面11aの画像を外字特定部35によって解析することにより、ICカード11の表面11aに印字されている標準文字15と外字16a〜16eとが特定される。具体的には、例えば、OCR処理において解析処理されて導出された文字のうち、ICチップ12から読み出された第2表面情報50に含まれる符号化情報51に対応する文字のいずれかと一致する文字が標準文字15として特定される。また、OCR処理において解析処理されて導出された文字のうち、ICチップ12から読み出された第2表面情報50に含まれる符号化情報51に対応する文字のいずれにも一致しない文字が外字16a〜16eとして特定される。
【0053】
このようにして画像中の文字を解析処理することにより、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14に含まれる外字の有無、および外字の数を特定することができる。例えば本実施の形態においては、外字16a〜16eの数は5個となっている。一方、ICチップ12の第2表面情報50に含まれる外字画像情報を参照することにより、その画像情報がICチップ12に記録されている外字16a〜16cの数を特定するこができる。この場合、ICカード11の表面11aに印字されている外字16a〜16eの数から、その画像情報がICチップ12に記録されている外字16a〜16cの数を引くことにより、その画像情報がICチップ12に記録されていない外字、すなわち欠落外字16d,16eの数を特定することができる。
【0054】
なお、一般に、ICカード11の表面11aに印字されている外字16a〜16eのうちどの外字の画像に関する情報がICチップ12に記録されるかは、所定の規則に沿って定められている。例えば、ICカード11の表面11aに印字されている外字16a〜16eのうち、より上方(図3(b)における上方)に印字されている外字から順に、その画像に関する情報がICチップ12に記録される。従って、ICカード11の表面11aに印字されている外字16a〜16eの数が5個で、その画像情報がICチップ12に記録されている外字16a〜16cの数が3個となっている場合、ICカード11の表面11aにおいてより下方に印字されている外字が欠落外字16d,16eとなっている。このため、欠落外字16d,16eの数が特定される場合、特定される数に基づいて、ICカード11の表面11aにおける欠落外字16d,16eの位置を特定することが可能である。
【0055】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について、図8を参照して説明する。
【0056】
はじめに図8に示すように、ICカードリーダライタ20にICカード11を載置する(S201)。次に、コンピュータ30を用いて、ICカード11のICチップ12用の暗証番号をICチップ12に入力する(S202)。その後、ICチップ読出部22により、ICチップ12に記録されている第2表面情報50を読み出す(S203)。これらのステップは、図5に示す第1の実施の形態におけるステップS101〜103と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0057】
次に、表面スキャナ23により、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像を取得する(S204)。その後、外字特定部35によって当該画像を解析することにより、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14に含まれる外字16a〜16eの位置および数を特定する。その後、ICカード11の表面11aに印字されている外字16a〜16eの数から、その画像情報がICチップ12に外字画像情報53a〜53cとして記録されている外字16a〜16cの数が差し引かれる。そして、差し引いた結果が1以上となっているかどうかに基づいて、欠落外字が存在しているかどうかが判定される(S205)。
本実施の形態においては、ICカード11の表面11aに印字されている外字16a〜16eの数から、その画像情報がICチップ12に外字画像情報53a〜53cとして記録されている外字16a〜16cの数を差し引いた結果が2となっている。従って、「欠落外字有り」と判定される。
【0058】
そして、上述の差し引いた結果(=2)から、欠落外字16d,16eの数が2個と特定される(S206)。次に、欠落外字16d,16eの数に関する情報と、外字特定部35により特定された外字16a〜16eの位置に関する情報と、に基づいて、欠落外字16d,16eの位置が特定される(S207)。例えば、外字特定部35により特定された外字16a〜16eのうち、より下方に位置する2つの外字の位置が、それぞれ第1欠落外字16dの位置、および第2欠落外字16eの位置として特定される。
【0059】
その後、欠落外字画像抽出部33が、表面スキャナ23により得られたICカード11の画像から、欠落外字特定部32により特定された欠落外字16d,16eの位置に関する情報に基づいて、欠落外字16d,16eの画像を抽出する(S208)。このようにして欠落外字画像情報63d,63eが得られる。その後、得られた欠落外字画像情報63d,63eの確認が適宜実施され(S209)、次に、当該欠落外字画像情報63d,63eと、ICチップ12から読み出された第2表面情報50と、がデータベース34に記録される(S210)。また、プリンタ40により、ICカード11に印字された文字が全て印字された帳票が適宜プリントアウトされる(S211)。
【0060】
このように本実施の形態によれば、ICカード処理システム10は、第2表面情報50をICチップ12から読み出すICチップ読出部22と、ICカード11の表面11aを読み込んで、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14の画像を取得する表面スキャナ23と、ICカード11の表面11aの画像を解析して、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14に含まれる外字16a〜16eを特定する外字特定部35と、ICチップ12により読み出された第2表面情報50および外字特定部35からの情報に基づいて、ICカード11の表面11aに印字された第1表面情報14に含まれる外字16a〜16eのうち外字画像情報53a〜53cに含まれない欠落外字16d,16eを特定する欠落外字特定部32と、欠落外字特定部32からの情報に基づいて、表面スキャナ23により得られたICカード11の表面11aの画像から、欠落外字16d,16eの画像を抽出する欠落外字画像抽出部33と、第2表面情報50および欠落外字16d,16eの画像からなる情報(欠落外字画像情報63d,63e)を記録するデータベース34と、を備えている。このため、その画像情報がICチップ内に記録されていない欠落外字が存在する場合であっても、ICカード11に印字されている全ての文字(標準文字、外字および欠落外字)に関する情報を自動的に取得することができる。このことにより、ICカード11の保有者に関する書類などを自動的に容易に作成することができる。
【0061】
なお上記各実施の形態において、ICチップ読出部22および表面スキャナ23が、ICカードリーダライタ20の蓋部分および本体部分にそれぞれ設けられており、従って、ICチップ読出部22と表面スキャナ23とがICカード11に対して同時に作用させられ得る例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図9に示すように、ICカードリーダライタ20において、ICチップ読出部22と表面スキャナ23とが離れて配置されていてもよい。
【0062】
この場合、はじめに、ICカードリーダライタ20に挿入されたICカード11が、表面スキャナ23により表面11aの画像を取得するための所定位置まで搬送される。この際、ICカード11の位置が、カード検出センサ25により検出される。そして、所定位置において、表面用光源23aと表面用撮像器23bとからなる表面スキャナ23により、ICカード11の表面11aの画像が取得される。次に、ICカード11がICチップ読出部22まで搬送され、その後、ICチップ読出部22によりICカード11のICチップ12に記録されている第2表面情報50が読み出される。
【0063】
なお、図9に示すように、ICカードリーダライタ20において、ICカード11の裏面11bの画像を取得する裏面スキャナ24がさらに設けられていてもよい。これによって、ICカード11の表面11aに印字されている文字に関する情報だけでなく、ICカード11の裏面11bに印字されている文字に関する情報を得ることも可能となる。
【0064】
また上記各実施の形態において、ICカード11のICチップ12に記録されている第2表面情報50に、一部の外字16a〜16cの画像に関する外字画像情報53a〜53cが含まれている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、ICチップ12に記録されている第2表面情報50に外字画像情報が全く含まれていなくてもよい。この場合、ICカード11に印字されている全ての外字の画像に関する情報が、ICカード処理システム10により取得される。
【0065】
また上記各実施の形態において、欠落外字画像情報63d,63eが、ICチップ12の第2表面情報50における外字画像情報53a〜53cと同一の形式(画素数、画像フォーマット、圧縮形式など)でデータベース34に記録される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、欠落外字画像情報63d,63eを、ICチップ12の第2表面情報50における外字画像情報53a〜53cとは異なる形式でデータベース34に記録してもよい。例えば、欠落外字画像情報63d,63eを、ICチップ12の第2表面情報50における外字画像情報53a〜53cよりも圧縮された形式でデータベース34に記録してもよい。また、外字画像情報63a〜63cを、ICチップ12の第2表面情報50における外字画像情報53a〜53cよりも圧縮された形式でデータベース34に記録してもよい。これによって、データベース34において欠落外字画像情報63d,63eまたは外字画像情報63a〜63cを記録するために割り当てられる容量をより小さくすることができ、このことにより、データの利便性をより向上させるとともに、データベースのコストをより抑制することができる。
【0066】
また上記各実施の形態において、欠落外字16d,16eの画像に関する欠落外字画像情報と、ICチップ読出部22によりICチップ12から読み出された第2表面情報50とが、ともにデータベース34に記録される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、欠落外字16d,16eの画像に関する欠落外字画像情報と、ICチップ読出部22によりICチップ12から読み出された第2表面情報50とを、データベース34に記録することなく所定の処理において用いてもよい。例えば、欠落外字16d,16eの画像に関する欠落外字画像情報と、ICチップ読出部22によりICチップ12から読み出された第2表面情報50とを、データベース34に記録することなくプリンタ40に送信し、これによって、Cカード11に印字された文字が全て印字された帳票(図示せず)をプリントアウトしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 ICカード処理システム
11 ICカード
11a ICカードの表面
11b ICカードの裏面
12 ICチップ
13 印字領域
14 第1表面情報
15 標準文字
16a〜16c 外字
16d〜16e 欠落外字
17 顔写真印画領域
18 顔写真
20 ICカードリーダライタ
22 ICチップ読出部
23 表面スキャナ
23a 表面用光源
23b 表面用撮像器
24 裏面スキャナ
24a 裏面用光源
24b 裏面用撮像器
25 カード検出センサ
30 コンピュータ
31 制御部
32 欠落外字特定部
33 欠落外字画像抽出部
34 データベース
35 ディスプレイ
40 プリンタ
50 第2表面情報
51 符号化情報
52a〜52c 外字情報
52d〜52e 欠落外字情報
53a〜53c 外字画像情報
60 データベース情報
61 符号化情報
62a〜62c 外字情報
62d〜62e 欠落外字情報
63a〜63c 外字画像情報
63d〜63e 欠落外字画像情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に標準文字および外字を含む第1表面情報が所定配列で印字され、標準文字および外字に関する第2表面情報が記録されたICチップを有するICカードに対して情報処理を施すICカード処理システムにおいて、
前記ICチップの前記第2表面情報は、前記第1表面情報の標準文字が符号化された符号化情報と、前記第1表面情報の外字のうち一部の外字の画像からなる外字画像情報と、前記第1表面情報の他の欠落外字が前記所定配列中に存在することを示す欠落外字情報と、を含み、
ICカード処理システムは、
前記第2表面情報を前記ICチップから読み出すICチップ読出部と、
前記ICカードの表面を読み込んでICカードの表面に印字された前記第1表面情報の画像を取得する表面スキャナと、
前記第2表面情報の前記欠落外字情報に基づいて、前記所定配列を考慮して、前記ICカードの表面に印字された前記第1表面情報に含まれる外字のうち前記外字画像情報に含まれない欠落外字が印字されている位置を特定する欠落外字特定部と、
前記欠落外字特定部からの情報に基づいて、前記表面スキャナにより得られた画像から、前記欠落外字の画像を抽出する欠落外字画像抽出部と、を備えたことを特徴とするICカード処理システム。
【請求項2】
表面に標準文字および外字を含む第1表面情報が印字され、標準文字および外字に関する第2表面情報が記録されたICチップを有するICカードに対して情報処理を施すICカード処理システムにおいて、
前記ICチップの前記第2表面情報は、前記第1表面情報の標準文字が符号化された符号化情報と、前記第1表面情報の外字のうち一部の外字の画像からなる外字画像情報と、を含み、
ICカード処理システムは、
前記第2表面情報を前記ICチップから読み出すICチップ読出部と、
前記ICカードの表面を読み込んでICカードの表面に印字された前記第1表面情報の画像を取得する表面スキャナと、
前記ICカード表面の画像を解析して、前記ICカードの表面に印字された第1表面情報に含まれる外字を特定する外字特定部と、
前記欠落外字特定部からの情報に基づいて、前記ICカード表面の画像から、前記欠落外字の画像を抽出する欠落外字画像抽出部と、を備えたことを特徴とするICカード処理システム。
【請求項3】
前記第2表面情報および前記欠落外字の画像からなる情報を記録するデータベースをさらに備え、
前記欠落外字の画像からなる情報は、圧縮されて前記データベースに記録されることを特徴とする請求項1または2に記載のICカード処理システム。
【請求項4】
前記第2表面情報および前記欠落外字の画像からなる情報を記録するデータベースをさらに備え、
前記欠落外字の画像からなる情報は、前記第2表面情報の外字画像情報と同一の形式で前記データベースに記録されることを特徴とする請求項1または2に記載のICカード処理システム。
【請求項5】
前記欠落外字画像抽出部により抽出される前記欠落外字の画像の画素数が、前記ICチップの前記第2表面情報に含まれている外字画像情報における各外字の画像の画素数と同一になるよう、前記表面スキャナの解像度が調整されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のICカード処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−233105(P2011−233105A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105508(P2010−105508)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】