説明

ICチップ、ICチップにおける処理方法、ICチップ用処理プログラム、及び携帯端末

【課題】処理時間の制約が厳しいサービスを効率的かつ迅速に処理するICチップ、ICチップにおける処理方法、ICチップ用処理プログラム、及び携帯端末等を提供する。
【解決手段】UIM13は、コマンドを受信した際に、開始イベントテーブルを参照し、受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行するか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のインターフェースを備えるICチップにおける処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、接触型IC(Integrated Circuit)チップが搭載されたUIM(User Identity Module)が適用されるタイプと、非接触型ICチップが適用されるタイプとに大別される。そして、接触型ICが適用されるICカードは、クレジットカードやキャッシュカードに用いられ、ICカードリーダライタ装置等の接触インターフェースを介して(当該装置にICカードが挿入され)、ICチップに対してデータの読取り及び書込みが行われている。また、非接触型ICカードは、一部のIDカード(例えば、入退出管理カード等)や交通系カード(例えば、SUICA(登録商標)等)に用いられ、非接触ICカード用のリーダライタ装置を介して、ICチップに対してデータの読取り及び書込みが行われている。
【0003】
近年、日本においては、UIMが搭載された携帯電話に、非接触ICチップ用リーダライタ装置等との間で通信を行うための非接触通信用コイル(アンテナ)と非接触通信用のプロトコルや非接触アプリケーションを処理するマイコンを内蔵することで、接触インターフェースのUIM(携帯電話サービス)に加えて、非接触インターフェースを用いた様々なサービスが提供されている。この携帯電話には接触アプリケーションを実行する専用のマイコンと、非接触アプリケーションを実行する専用のマイコンがそれぞれ搭載されている。従って、当該携帯電話は、接触アプリケーションと非接触アプリケーションを同時に実行(機能)することが可能である。具体的には、例えば、当該携帯電話では、接触アプリケーションの実行により実現される携帯電話への着信処理と、非接触アプリケーションの実行により実現されるゲートの通過処理(入退室管理処理)を同時に実行することが可能である。
【0004】
一方、欧州を中心に、UIMが搭載された携帯端末に備えられた非接触通信用コイルと非接触通信用のプロトコル処理を主に担当するマイコンを、UIMが備える既存の接触インターフェースとは別のインターフェースに接続することにより、UIM内で接触アプリケーションに加え、非接触アプリケーションを管理する方法が検討され、関連技術の標準化が進められている。この方式の実施形態の1つとして、接触用アプリケーションと非接触用アプリケーションは共にUIMに格納されUIMのハードウェアリソース(CPU、記憶装置、各種周辺回路)を共有することになるが、これらのアプリケーションがリムーバブル(Removable)であるUIMに統合して格納されるため、アプリケーションの管理や移行が容易であるなどのメリットが存在する(以下、NFC(Near Field Communication)方式と呼ぶ)。
【0005】
先に述べたように、接触用、非接触用のアプリケーションがUIMへ格納されることで、コスト低減効果があること、アプリケーションの管理・移行がし易いことなどNFC方式には利点もあるが、ユーザの利用状況等により、接触・非接触からそれぞれ非同期にアプリケーション処理依頼を受け付ける必要があるため、1Chipでは処理依頼の競合が避けられない。
【0006】
このような状況に対して、特許文献1では、複数のインターフェースを備えたICカードにおいて、あるインターフェースから受信したコマンド実行中に、他のインターフェースでコマンド受信が発生した場合、実行中のコマンド処理を中断してコマンドの受信処理を行うことで、複数のインターフェース上に非同期で送られるコマンドを取りこぼすこと無く受信する方法が提案されている。
【0007】
また、特許文献2では、複数のコマンドから成るプロシージャをサービスと定義し、このサービス単位で優先処理を行う方法が提案されている。さらには、サービスの優先処理が開始されると(サービスを構成する最初のコマンド処理が開始されると)、コマンド処理結果を応答した後、一定時間コマンド受信のために待機することで、サービスを構成する次コマンドの受信処理とコマンド処理を優先し、サービス処理の切替えオーバーヘッドを低減する方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−090800号公報
【特許文献2】特開2008−059423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、非接触インターフェースを使うサービスを利用する際には、ユーザ自身がICチップ(ICカード)をリーダ(リーダライタ装置)に翳すため、ユーザビリティを考慮すると、ICカードをリーダに翳した後にできるだけ短時間で処理が完了することが望ましい。また、非接触インターフェースが適用された交通系サービスでは、ユーザがGate(改札口等)を通過するときに、ICカードをリーダに翳すため、ある一定の短い時間内でアプリケーション処理を完了させる必要がある。このような非接触インターフェースを使うサービスの特徴を考慮した上で特許文献1を見直すと、受信済のコマンド処理中に、他のインターフェース上へ送られてきたコマンドの受信処理を効率的に行うための方法であり、サービス(例えば、上記改札口を通過することによる清算処理全体)を短時間で処理するための効果は限定的である。即ち、特許文献1に記載された技術では、サービス全体を短期間で確実に処理することはできなかった。
【0010】
また、特許文献2に記載された技術では、サービスを構成するコマンドを優先処理するために、予め決められた時間だけコマンド応答後に待機するが、この時、携帯端末が非接触リーダの通信可能距離外に出た場合(もはや次のコマンドを受信することはない)、同様に待機する恐れがあり、優先度が低いことで待機状態のサービスが存在する場合に、すばやく処理復帰できない可能性がある。また、サービスを可能な限り速く処理するためには、サービスを構成する各コマンドを受信するための待機時間管理を全コマンドに行う方法は、時間管理のオーバーヘッドを考慮すると効率的とは言えなかった。
【0011】
そこで、本発明は上記各問題点に鑑みてなされたものであり、処理時間の制約が厳しいサービスを効率的かつ迅速に処理するICチップ、ICチップにおける処理方法、ICチップ用処理プログラム、及び携帯端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理するICチップであって、受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶手段と、コマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行手段と、前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、処理時間の制約が厳しいサービスを効率的かつ迅速に処理することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のICチップであって、前記解除イベントには、前記優先処理期間に移行してから所定の時間経過後に、前記優先処理期間を終了する条件が含まれていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、処理時間の制約が厳しいサービスを確実に処理することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の何れか一項に記載のICチップであって、前記ICチップは、UIM(User Identity Module)に搭載されていることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のICチップであって、前記UIMは、携帯端末に装着されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理するICチップにおける処理方法であって、受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶工程と、コマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行工程と、前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理するICチップに含まれるコンピュータを、受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶手段、コマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定手段、前記判定手段によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行手段、前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了手段、として機能させることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明は、複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理する接触型ICチップと、当該ICチップと第一の前記インターフェースを介して通信可能なコントローラとを備える携帯端末において、前記接触型ICチップは、受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶手段と、前記コントローラから第一の前記インターフェースを介してコマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行手段と、前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、コマンドを受信した際に、受信したコマンドが示すサービスを優先して実行する優先処理期間に移行する開始イベントに該当する条件が検出された場合には、前記優先処理期間に移行するように構成したため、処理時間の制約が厳しいサービスを効率的かつ迅速に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係る携帯端末の概要構成例を示すブロック図である。
【図2】開始イベントテーブル及び解除イベントテーブルを示す概念図である。
【図3】第1実施例に係る携帯端末1の動作を示す概念図である。
【図4】第2実施例に係る携帯端末1の動作を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1.携帯端末の構成及び機能概要]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、携帯端末に対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0024】
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る携帯端末の構成及び機能概要について説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る携帯端末の概要構成例を示すブロック図である。図1に示すように、携帯端末1は、携帯端末1の機能を担うコントローラ11、CLF12、及びUIM13等を備えて構成されている。なお、携帯端末1には、例えば操作キー、ディスプレイ、スピーカ、及び移動体通信部(W−CDMA又はCDMA2000の通信方式による一般的な通信制御機能、URLを指定することで所定のサーバにアクセスして所定の情報を受けるブラウザ機能、及びメーラ機能等の通信処理を行う。)等を備える携帯電話機やPDA等を適用できる。なお、端末装置1におけるこれらの機能は公知であるため詳しい説明を省略する。
【0026】
コントローラ11は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、各種プログラム及びデータを記憶する不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ等)、データを一時記憶するRAM、UIM13との間のインターフェースを担うI/Oポート等を備えている。コントローラ11は、UIM13との間でインターフェースを介して通信可能になっている。そして、コントローラ11は、携帯端末1の通信処理(移動体通信網やインターネットを介して行われる通信)や携帯端末1のユーザからの操作キーを介した操作指示に応じて各種処理を実行する。このような処理の過程で、コントローラ11は、例えば、基地局3との間で行われる通話処理(着信処理を含む)、Webアクセス、メール送受信等の通信処理に関するサービス、その他暗号化処理や認証処理等のサービス(本願の所定のサービスの一例)を実行するためのコマンド(信号)を、インターフェース(後述する接触I/Oポートを含む)を介してUIM13へ送信する。
【0027】
本実施形態において、コントローラ11とUIM13との間におけるコマンドの送受信に基づいて実行されるサービス(上記通信処理に関するサービス等)を、接触サービスと称する。また、接触サービスを実行するためのコマンド(例えば、データの読み出し命令等)を、接触コマンドと称する(図1イ参照)。なお、上記接触サービスを実行するために必要な接触コマンドの送受信は、1回だけでなく複数回行われる場合もある。
【0028】
CLF12は、NFCの規格で規定される非接触通信を行う非接触型ICチップであり(即ち、NFC方式を採用)、図示しないが、CPU、各種プログラム及びデータを記憶する不揮発性メモリ、データを一時記憶するRAM、UIM13との間のインターフェースを担うI/Oポート(SWIO)等を備えている。このNFC規格で規定されるCLF12では、Type−A、Type−Bの通信方式に加えて、FeliCa(登録商標)の通信方式もType−Fとしてサポートしている。このようなCLF12は、非接触のフィールド内で非接触リーダ2との間で上記通信方式に準じた各種信号の送受信を行うためのアンテナ12aに接続されている。そして、ユーザが携帯端末1を非接触リーダ2に翳すと、CLF12は、非接触リーダ2から送信されたサービス(本願の所定のサービスの一例)を実行するためのコマンドを、インターフェース(後述する非接触I/Oポートを含む)を介してUIM13へ送信するようになっている。
【0029】
上記サービスとしては、例えば、鉄道及びバス等の交通機関のプリペイドカード及び定期券、クレジットカードや電子マネー等の決算サービス、施設の入退出管理等が該当する。
【0030】
本実施形態において、CLF12と非接触リーダ2との間のコマンドの送受信に基づいて実行されるサービス(上記プリペイドカード等)を、非接触サービスと称する。また、非接触サービスを実行するためのコマンドを、非接触コマンドと称する(図1ロ参照)。なお、上記非接触サービスを実行するために必要な非接触コマンドの送受信は、1回だけでなく複数回行われる場合もある。
【0031】
UIM13は、UICC(Universal Integrated Circuit Card)の一つであり、従来のSIM(Subscriber Identity Module)をベースに機能を拡張された接触型ICチップを搭載する。そして、UIM13は、CPU(本実施形態における判定手段、移行手段及び終了手段の一例)、各種プログラム及びデータを記憶する不揮発性メモリ(本実施形態における記憶手段の一例)、データを一時記憶するRAM、コントローラ11との間のインターフェースを担う接触I/Oポート(本願の複数のインターフェースの一例)、及びCLF12との間のインターフェースを担う非接触I/Oポート(本願の複数のインターフェースの一例)等を備えている。なお、CLF12とUIM13間のインターフェースには、SWP(Single Wire Protocol)が適用される。また、以下単にUIM13を記す場合には、UIM13のCPUを含むものとする。
【0032】
また、UIM13の不揮発性メモリに記憶されるプログラムには、UIM13全体の動作を統括的に制御するオペレーティングシステム(以下、「OS」とする)の他、CLF12から受信した非接触コマンドを処理する非接触インターフェースアプリケーションプログラム(以下、「非接触アプリ」という)と、コントローラ11から受信した接触コマンドを処理する接触インターフェースアプリケーションプログラム(以下、「接触アプリ」という)が実装されている。本実施形態における携帯端末1では、非接触アプリの制御によって非接触サービスが実行され、また、接触アプリの制御によって接触サービスが実行されるようになっている。
【0033】
さらに、UIM13の不揮発性メモリには、開始イベントテーブル及び解除イベントテーブルが記憶されている。
【0034】
ここで、開始イベントテーブル及び解除イベントテーブルについて、図2を用いて説明する。図2は、開始イベントテーブル及び解除イベントテーブルを示す概念図である。
【0035】
上述したように本実施形態における携帯端末1では、UIM13が接触コマンド及び非接触コマンドを実行処理するようになっているため、UIM13は、接触コマンド及び非接触コマンドを非同期に受信する場合がある。この場合、上述したように非接触サービスを利用する際には、ユーザ自身が携帯端末1(CLF12)をリーダ(非接触リーダ2)に翳すため、ユーザビリティ(Usability)を考慮すると、ICカードをリーダに翳した後にできるだけ短時間で非接触サービスに関する処理が完了すること(即ち、途中で中断されたり、中止されたりしないこと)が望ましい。
【0036】
具体的な事案を例に説明すると、例えば、携帯端末1を用いてユーザが通話をしながら(接触サービスの一例としての通話処理中)に、交通機関の改札口を通過(非接触サービスの一例としての定期券の機能)する場合には、UIM13は、通話処理を実行させるための接触コマンドの処理中に、定期券の機能を実行させるための非接触コマンドを受信することとなる。この場合、UIM13が新たに受信した非接触コマンドの処理を無視して、通話処理を継続すると、ユーザは、改札口を通過できないこととなり、上記ユーザビリティを著しく損なうこととなる。
【0037】
そこで、本実施形態においては、受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、UIM13が当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件を示す開始イベントテーブルと、上記優先処理期間を終了する条件である解除イベントテーブルを夫々規定し、UIM13の不揮発性メモリに記憶されるようになっている。そして、UIM13は、コマンドを受信した際に、上記記憶された開始イベントテーブルを参照し、上記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定し、上記開始イベントに該当すると判定された場合に、上記優先処理期間に移行するし、上記優先処理期間中に、上記解除イベントテーブルに該当する条件が検出された場合に、上記優先処理期間を終了するようになっている。
【0038】
以下、記憶される開始イベントテーブルと解除イベントテーブルの詳細について説明する。
【0039】
図2に示すように、開始イベントテーブル131には、開始イベントとして、(a)非接触通信用の搬送波をUIM13が認知(非接触インターフェースを使うサービス優先)、(b)特定のPacket/Frame受信(特定のプロトコルを使うサービス優先)、(c)サービスを構成するコマンド受信(サービス処理の先頭コマンド)が記憶されている。
【0040】
(a)非接触通信用の搬送波をUIM13が認知について説明する。例えば、携帯端末1は、非接触のフィールドに入った場合、UIM13は、非接触I/Oポート(SWP)を介して、非接触リーダ2からフィールドオン信号を受信し、次いで、非接触リーダ2からポーリングコマンド信号(UIM13がType−A、Type−B又は、FeliCaのうちどの通信方式で通信を行うかを決めるためのコマンド)を受信する。そして、UIM13は、ポーリングコマンド信号に対する応答として、例えばType−Aで通信を行うことを示すポーリングレスポンス信号を送信する。そして、非接触リーダ2は、非接触サービスを実行するためのコマンドを、UIM13へ送信する。本実施形態におけるUIM13は、上記フィールドオン信号を受信した場合に、続いて送信される非接触サービスを実行するためのコマンドを処理するようになっている。
【0041】
(b)特定のPacket/Frame受信とは、例えば非接触リーダ2から送信される搬送波が示す通信プロトコルが、Type−A、Type−B又は、FeliCaであることをUIM13が検知した場合を示す。この場合、UIM13は、上記非接触通信用の搬送波によって送信される非接触コマンドを優先して処理する。
【0042】
(c)サービスを構成するコマンド受信とは、UIM13が、特定のサービスを実行するためのコマンドを受信した場合を示す。この場合、UIM13は、上記非接触通信用の搬送波によって送信される特定のサービスを実行するためのコマンドを優先して処理する。
【0043】
また、解除イベントテーブル132には、解除イベントとして、(d)非接触通信用の搬送波を失ったことをUIM13が認知(通信可能距離の外に出た)、(e)所定のコマンド数の正常終了、(f)所定のコマンドシークエンスを正常終了、(g)サービスを構成するコマンド応答が異常終了、(h)搬送波を認知することで優先処理(期間)が開始されてから一定の時間T0が経過、(i)特定のPacket/Frame受信により優先処理が開始されてから一定の時間T1が経過、(j)特定のコマンド受信により優先処理が開始されてから一定の時間T2が経過、(k)サービス(アプリケーション)セッションの明示的な終了通知の受信(ISO14443-4 DESELECT)が記憶されている。
【0044】
(d)非接触通信用の搬送波を失ったことをUIM13が認知とは、UIM13が、上述したフィールドオン信号を受信しなくなった場合を示す。
【0045】
(e)所定のコマンド数の正常終了について以下に説明する。上述したサービスは、UIM13が予め定められた数のコマンドを処理した場合に、終了するようになっている。本実施形態に係るUIM13は、サービスが終了するために必要なコマンドを全て処理した場合に、上記優先処理期間を終了するようになっている。
【0046】
(f)所定のコマンドシークエンスを正常終了とは、予め定められた複数のコマンド処理順序が正常に実施された場合に、UIM13は、上記優先処理期間を終了することを示す。
【0047】
(g)サービスを構成するコマンド応答が異常終了とは、UIM13がサービスを実行するためのコマンドを処理中に、何らかの異常が発生し終了した場合を示す。この場合、UIM13は、上記優先処理期間を終了する。
【0048】
(h)搬送波を認知することで優先処理が開始されてから一定の時間T0が経過とは、例えば、UIM13が、上記フィールドオン信号を受信して優先処理期間が開始(上記(a))されてから所定の時間T0(例えば、100msec等)経過した場合に、上記優先処理期間を終了ことを示す。上述したように非接触サービスを利用する際には、ユーザ自身が携帯端末1を非接触リーダ2に翳し、当該サービスが終了したと判断した場合に、携帯端末1を非接触リーダ2から遠ざける。しかし、ユーザによっては、携帯端末1を非接触リーダ2に翳したまま(載置したまま)にする場合も考えられる。この場合、UIM13が、サービスを実行するためのコマンドの処理を全て終了したにも係らず優先処理期間を維持してしまうと、他のコマンドの処理を実行できず、ユーザのユーザビリティを著しく損なう結果となる。このような問題点を解消するために、UIM13は、上記フィールドオン信号を受信して優先処理期間が開始されてから所定の時間T0経過した場合に、上記優先処理期間を終了するようになっている。
【0049】
(i)特定のPacket/Frame受信により優先処理が開始されてから一定の時間T1が経過とは、例えば、UIM13が、非接触リーダ2から送信される搬送波が示す通信プロトコルが、Type−A、Type−B又は、FeliCaであることをUIM13が検知し優先処理期間に移行した後(上記(b))、所定の時間T1が経過した場合には、上記優先処理期間を終了することを示す。
【0050】
(j)特定のコマンド受信により優先処理が開始されてから一定の時間T2が経過とは、例えば、UIM13が、特定のサービスを実行するためのコマンドを受信し優先処理期間に移行した後(上記(c))、所定の時間T2が経過した場合には、上記優先処理期間を終了することを示す。
【0051】
(k)サービスセッションの明示的な終了通知の受信(ISO14443-4 DESELECT)とは、例えば、非接触リーダ2から送信されるサービス終了通知としてのS(DESELECT)要求を受信した場合に、UIM13が、上記優先処理期間を終了することを示す。
【0052】
なお、上記T0、T1、及びT2の値は任意に設定(例えば、外部から入力)することができる。また、開始イベント及び終了イベントは上述した例に限られず、適宜設定することが可能である。
【0053】
[2.第1実施例に係る携帯端末1の動作]
まず、図3を参照して、第1実施例に係る携帯端末1の動作について説明する。
【0054】
図3は、第1実施例に係る携帯端末1の動作を示す概念図である。
【0055】
なお、第1実施例は、携帯端末1を用いてユーザが通話をしながら(接触サービスの一例としての通話処理中)に、交通機関の改札口を通過(非接触サービスの一例としての定期券の機能)する場合など、UMI13が、接触コマンドの処理中に、非接触コマンドを受信する場合の形態である。また、第1実施例では、開始イベントテーブル131のc)サービスを構成するコマンド受信に示すサービスとして、UIM13が、定期券の機能を実行するためのコマンドを受信した場合に優先処理期間に移行することが記憶されているものとする。
【0056】
図3に示す例では、接触IF(Interface。接触I/Oポート)及び非接触IF(非接触I/Oポート)からUIM13へのコマンド(非接触コマンド及び接触コマンドの双方を含む)の送信をS、UIM13から接触IF及び非接触IFへ送信したレスポンスの受信をRとしている。また、OSの制御のもとUIM13が受信したコマンドの受信処理を行う期間を矩形の外枠で囲った範囲で、接触アプリの制御のもとUIM13が受信したコマンドの処理を行う期間を交差する斜めの格子を矩形の外枠で囲った範囲で、非接触アプリの制御のもとUIM13が受信したコマンドの処理を行う期間を交差する格子を矩形の外枠で囲った範囲でそれぞれ表す。また、横軸を時間軸とする。そして、優先処理期間をT2とする。
【0057】
図3に示すように、上述した通話処理を実行するための接触コマンド(コマンドAとする)が、UIM13へ送信されると(S1)、UIM13は、コマンドの受信処理を行い(S2)、次いで、接触アプリの制御のもと接触コマンドの処理を行う(S3)。この場合、携帯端末1は、他の携帯端末と通信状態にある。
【0058】
次に、ユーザが改札口を通過すると、非接触リーダ2から携帯端末1へ、非接触コマンド(コマンドBとする)が送信される。すると、UIM13は、非接触コマンドを受信する(S4)。
【0059】
UIM13は、接触IFで受信済のコマンド処理をしているかどうかに関わらず、非接触IF上に送信されたコマンド(コマンドA)を喪失しないためにコマンド受信処理を実行し(S5。必要であれば、接触インターフェース上で受信済でかつ実行中のコマンドA処理を中断し)、受信したコマンドBに関する情報を基に、開始イベントテーブル131を参照して、上記優先処理期間に移行するか否かを判定する。コマンドBは、定期券の機能を実行するためのコマンドであるため、上述した(c)の条件に該当する。従って、UIM13は、優先処理期間に移行し、コマンドAについての処理を中断し、コマンドBの処理を実行する(S6)。
【0060】
なお、中断したコマンドAの処理があれば、コマンドAの処理優先度と受信したコマンドBの処理優先度を比較し、コマンドAの優先度が高い場合は、中断した処理を再開し、コマンドBの優先度が高い場合は、中断を維持して、受信したコマンドBから成るサービスの優先処理期間(T2)を開始するようにしてもよい。この場合の処理優先度は任意に設定することが可能である。
【0061】
そして、コマンドBの処理結果を送信する処理を実行し(S7)、非接触IFへ、処理結果を送信する(S8)。さらに定期券の機能を実行するためコマンドBがUIM13へ送信され(S9)、UIM13は、コマンド受信処理を実行し(S10)、コマンド処理を実行し(S11)、コマンドBの処理結果を送信する処理を実行し(S12)、非接触IFへ、処理結果を送信する(S13)。
【0062】
その後、サービスを構成するコマンドが非接触IF上で順次正しく処理されると、ユーザはサービス処理の終了を何らかのアクション(改札口のゲートが開く、音が鳴る等)により認識した後、ユーザは携帯端末1を非接触リーダ2の通信可能距離外へ移動させる。この場合、携帯端末1は、非接触リーダ2からの搬送波を失ったことを認知した結果、CLF12がUIM13に対して通信可能距離外へ出たことを通知するコマンドを送信する(S14)。
【0063】
すると、UIM13は、解除イベントテーブル132を参照し、当該テーブルに記憶された(d)に該当する条件を検出し、優先処理期間を終了する。
【0064】
そして、中断していたコマンドAの処理の実行を再開し(S15)、コマンドBの処理結果を送信する処理を実行し(S16)、非接触IFへ、処理結果を送信する(S17)。
【0065】
なお、ICカードの接触IFプロトコルでは、ISO7816−03(Part3)において、WTX(waiting time extension待ち時間延長)応答が規格化されている。これは、UIM13が、ICカードから接触IFを介してコマンドを受信後、ある一定時間内に応答を返せないときには、必ずWTX(waiting time extension。待ち時間延長要求)の応答を端末(コントローラ11)に返すよう決められている。具体的には、UIM13は、コマンドを受信すると、OS処理の一部としてタイマーをスタートさせる。その後、ある一定時間が経過してもなおUIM13が、コマンド処理を継続している場合に限り、OSはコマンド処理を中断して、上記WTXとして特定のキャラクタを、接触I/Oを介してコントローラ11へ送信するようになっている。
【0066】
これは、ICカードが何らかの理由で処理を中断してしまい無応答になってしまったような状態を端末が検出するために有効な処理として用いられている。即ち、端末はコマンドを送信してから、上記ある一定時間は無条件に待機する。その後、端末は待ち時間延長要求がICカードから送信されない場合は、なんらかの理由によりICカードが暴走又は停止し、レスポンスを送信することができなくなったと想定するようになっている。
【0067】
本実施形態(第1実施例及び後述する第2実施例を含む)におけるUIM13は上記規格に準拠しており、上記優先処理期間内であったとしてもUIM13は待ち時間延長要求を出力することができる。従って、UIM13が、優先処理期間に移行し、接触コマンドについての処理を中断し、非接触コマンドの処理を実行している間も、UIM13は、待ち時間延長要求を出力するようになっているため、非接触コマンドの処理が終了するまで、接触コマンドについての処理を中断することができる。
【0068】
[3.第2実施例に係る携帯端末1の動作]
次に、図4を参照して、第2実施例に係る携帯端末1の動作について説明する。
【0069】
図4は、第2実施例に係る携帯端末1の動作を示す概念図である。
【0070】
なお、第2実施例は、交通機関の改札口を通過中(非接触サービスの一例としての定期券の機能)に、携帯端末1に着信(接触サービスの一例としての通話処理を実行するためのコマンドを受信)があった場合の形態である。また、第2実施例では、開始イベントテーブル131のc)サービスを構成するコマンド受信に示すサービスとして、UIM13が、定期券の機能を実行するためのコマンドを受信した場合に優先処理期間に移行することが記憶されているものとする。また、図4に示す部材及び図表において、図3に示す部材及び図表と同一のものについては、少なくとも同一の機能及び性質を有するものとする。
【0071】
図4に示すように、ユーザが改札口を通過すると、非接触リーダ2から携帯端末1へ、非接触コマンド(コマンドBとする)が送信される。すると、UIM13は、非接触コマンドを受信する(S21)。
【0072】
UIM13は、コマンド受信処理を実行し(S22)、受信したコマンドBに関する情報を基に、開始イベントテーブル131を参照して、上記優先処理期間に移行するか否かを判定する。コマンドBは、定期券の機能を実行するためのコマンドであるため、上述した(c)の条件に該当する。従って、UIM13は、優先処理期間に移行し、コマンドBの処理を実行する(S23)。
【0073】
次いで、携帯端末1に着信があり、接触コマンドがUIM13へ送信されると(S24)、UIM13は、接触IF上に送信されたコマンド(コマンドA)を喪失しないためにコマンド受信処理を実行する(S25)。ここで、開始イベントテーブル131には、優先処理期間に移行するための条件として「UIM13が接触コマンドを受信すること」が含まれていない。従って、UIM13は、現在の優先処理期間を継続し、通話処理を実行するためのコマンドの処理及び送受信を継続する(S26〜S38)。
【0074】
そして、UIM13は、定期券の機能を実行するためのコマンドを受信し優先処理期間に移行した後、所定の時間T2が経過したことを計測すると、解除イベントテーブル132を参照し、当該テーブルに記憶された(j)に該当する条件を検出し、優先処理期間を終了する。
【0075】
そして、通話処理を実行するためのコマンドを処理する(S39)。
【0076】
なお、サービスのコマンドシークエンスが可変である場合、サービスを構成するコマンド処理時間が何らかの状況(例えば、搬送波の受信状況)にかなり長くなる場合、又は、いくつかの優先サービスが存在し、かつT2の設定をサービスごとに設定しないことで、最も制約時間の短い値をT2とした場合には、優先処理対象サービスの処理想定時間(サービスを構成する全コマンドの処理時間の合計)に対して、T2の設定時間が短い可能性がある。この場合には、再度、非接触コマンドがUIM13へ送信されることとなるため、UIM13は、当該コマンドを処理すべく優先処理期間に移行し、処理を実行するようになっている(S40〜S44)。
【0077】
そして、優先処理期間にて処理すべきコマンドの処理が終了した場合には、接触コマンドの処理を実行し(S46)、接触IFへ、処理結果を送信する(S47、S48)。
【0078】
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、UIM13は、コマンドを受信した際に、開始イベントテーブル131を参照し、開始イベントに該当するか否かを判定し、開始イベントに該当すると判定された場合に、上記優先処理期間に移行し、解除イベントテーブル132に該当する条件が検出された場合に、優先処理期間を終了するように構成したため、処理時間の制約が厳しいサービスを効率的かつ迅速に処理することができる。
【0080】
なお、上記実施形態においては、本願を携帯端末1に搭載されたUIMに対して適用した場合を例に説明したが、インターフェースを介して複数のプロトコル(例えば、USB等)によって他の携帯端末と通信を行うことが可能なその他の携帯端末に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 携帯端末
2 非接触リーダ
3 基地局
11 コントローラ
12 CLF
13 UIM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理するICチップであって、
受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶手段と、
コマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行手段と、
前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了手段と、
を備えることを特徴とするICチップ。
【請求項2】
請求項1に記載のICチップであって、
前記解除イベントには、前記優先処理期間に移行してから所定の時間経過後に、前記優先処理期間を終了する条件が含まれていることを特徴とするICチップ。
【請求項3】
請求項1又は2の何れか一項に記載のICチップであって、前記ICチップは、UIM(User Identity Module)に搭載されていることを特徴とするICチップ。
【請求項4】
請求項3に記載のICチップであって、前記UIMは、携帯端末に装着されていることを特徴とするICチップ。
【請求項5】
複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理するICチップにおける処理方法であって、
受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶工程と、
コマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行工程と、
前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了工程と、
を有することを特徴とする処理方法。
【請求項6】
複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理するICチップに含まれるコンピュータを、
受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶手段、
コマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定手段、
前記判定手段によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行手段、前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了手段、
として機能させることを特徴とするICチップ用処理プログラム。
【請求項7】
複数のインターフェースを有し、前記インターフェースを介して受信した所定のサービスを実行させるためのコマンドを処理する接触型ICチップと、当該ICチップと第一の前記インターフェースを介して通信可能なコントローラとを備える携帯端末において、
前記接触型ICチップは、
受信したコマンドが示すサービスを優先して実行させるため、当該サービスに係るコマンドを優先して処理する優先処理期間に移行する条件である開始イベント、及び前記優先処理期間を終了する条件である解除イベントをそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記コントローラから第一の前記インターフェースを介してコマンドを受信した際に、前記記憶された開始イベントに該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記開始イベントに該当すると判定された場合に、前記優先処理期間に移行する移行手段と、
前記優先処理期間中に、前記記憶された解除イベントに該当する条件が検出された場合に、前記優先処理期間を終了する終了手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−48640(P2012−48640A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192421(P2010−192421)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】