説明

IDカード発行システム及びIDカード発行方法

【課題】より効率良くIDカードを発行するIDカード発行システム及びIDカード発行方法を提供する。
【解決手段】複写撮影装置100に、申請者の顔を撮影して顔画像データを取得する撮影部42と、撮影部42により撮影された顔画像データを確定するための操作部45と、申請書のイメージデータを取得するスキャナ43と、CPU47に、確定された顔画像データを申請者のID番号と対応づけて顔画像データファイル49Aに記憶させる撮影プログラム49Cと、スキャナ43により取得されたイメージデータをID番号と対応づけてイメージデータファイル49Bに記憶させる読取プログラム49Dと、操作部45により顔画像データが確定されると、確定された顔画像データをIDカード発行装置へ送信させる第1送信制御プログラム49Eと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IDカード発行システム及びIDカード発行方法にかかるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、社員証や各種免許証等のIDカードを発行するIDカード発行システムでは、例えば、まず、直接撮影装置において、OCR装置等により申請書に記載されたID番号が読み取られ、次いで、申請者の顔が撮影されて顔画像データが取得され、次いで、当該申請書のイメージ画像がスキャナにより読み取られ、撮影により得られた顔画像データがIDカード発行装置に送信されるとともに、読み取られた申請書のイメージ画像データと撮影により取得された顔画像データとがファイルサーバに送信される。そして、IDカード発行装置において、直接撮影装置により送信された顔画像データに基づく画像が印刷されたIDカードが発行され、ファイルサーバにおいて、直接撮影装置により送信された申請書のイメージ画像と顔画像データとが記憶保管される(例えば、特許文献1,2)。
【特許文献1】特開平11−221985号公報
【特許文献2】特開平5−162490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、申請書の搬送時にエラーが発生した場合には、通常、オペレータにより当該直接撮影装置における作業を取り消す操作がなされるため、申請者の顔の撮影が成功しているのにも関わらず、再度、撮影からやり直さなければならず、IDカードの発行に時間がかかってしまって効率が悪いという問題がある。
【0004】
本発明の課題は、より効率良くIDカードを発行するIDカード発行システム及びIDカード発行方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、IDカードの発行を申請する申請者の顔を撮影する撮影装置と、IDカードを発行する発行装置と、申請書のイメージデータを記憶するファイルサーバと、を備えるIDカード発行システムにおいて、
前記撮影装置は、
前記申請者の顔を撮影して顔画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された顔画像データを確定するための確定手段と、
前記確定手段により確定された顔画像データを前記申請者の識別情報と対応づけて顔画像記憶手段に記憶させる顔画像記憶制御手段と、
前記申請書のイメージデータを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたイメージデータを前記識別情報と対応づけてイメージデータ記憶手段に記憶させるイメージデータ記憶制御手段と、
前記確定手段により前記顔画像データが確定されると、当該顔画像データを前記発行装置へ送信する第1送信制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のIDカード発行システムにおいて、
前記撮影装置は、
前記確定手段による確定後、所定時間が経過したか否かを判断する計時手段と、
前記計時手段により前記所定時間が経過したと判断された場合に、前記イメージデータ記憶手段を検索して、前記確定手段により確定された前記顔画像データと対応付けられた前記識別情報に対応する前記イメージデータがあるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記イメージデータがあると判断された場合に、当該イメージデータと前記顔画像データと前記識別情報とを対応付けて前記ファイルサーバへ送信する第2送信制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のIDカード発行システムにおいて、
前記判断手段により、前記イメージデータが取得されていないと判断された場合に、所定の通知を行う通知手段と、
を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のIDカード発行システムにおいて、
前記撮影装置を、複数備え、
第1撮影装置において、前記判断手段により、前記イメージデータが取得されていないと判断された場合に、第2撮影装置の前記イメージデータ記憶手段から前記顔画像データと対応付けられた前記識別情報に対応する前記イメージデータを検索する検索手段を備え、
前記第2送信制御手段は、
前記検索手段により、前記第2撮影装置の前記イメージデータ記憶手段から前記顔画像データと対応付けられた前記識別情報に対応する前記イメージデータが取得された場合に、当該イメージデータと前記第1撮影装置の顔画像データ記憶手段に記憶された前記顔画像データと前記識別情報とを対応付けて前記ファイルサーバへ送信することを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のIDカード発行システムを用いてIDカードの発行を行うIDカード発行方法であって、
前記撮影手段により前記申請者の顔を撮影して顔画像データを取得する撮影工程と、
前記確定手段により前記撮影工程において撮影された顔画像データを確定するための確定工程と、
前記顔画像記憶制御手段により前記確定工程において確定された顔画像データを前記申請者の識別情報と対応づけて顔画像記憶手段に記憶させる顔画像記憶制御工程と、
前記取得手段により前記申請書のイメージデータを取得する取得工程と、
前記イメージデータ記憶制御手段により前記取得工程において取得されたイメージデータを前記識別情報と対応づけてイメージデータ記憶手段に記憶させるイメージデータ記憶制御工程と、
前記第1送信制御手段により前記確定工程により確定された前記顔画像データを前記発行装置へ送信する第1送信制御工程と、
を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1又は5に記載の発明によれば、例えば、申請書の搬送時にエラーが発生しても、確認手段により確認された顔画像データが当該エラーとは関係なく発行装置に送信されてIDカードが発行されることとなって、より効率良くIDカードを発行することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、ファイルサーバ側では、顔画像データとイメージデータとを対応付ける処理を行わずに済み、ファイルサーバにおける処理負荷を低減できる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、例えば、申請書の搬送時にエラーが発生して所定時間内にイメージデータが取得されていない場合に、通知により、オペレータがイメージデータが取得されていないことを把握できることとなって、再び申請書のイメージデータの取得をさせる等の対応を迅速に行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、例えば、第1撮影装置において、撮影手段による顔画像データの取得を行い、第2撮影装置において、申請書のイメージデータの取得を行った場合でも、第2撮影装置のイメージデータ記憶手段から当該申請書のイメージデータが検索されて、当該イメージデータと顔画像データと識別情報とが対応付けられてファイルサーバへ送信されるので、第1撮影装置において、例えば、取得手段による申請書のイメージデータの取得ができない場合でも、当該申請書のイメージデータを第2撮影装置において取得することができ、直接撮影動作の効率をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の最良の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。また、限定的な表現をする場合があるが、これに限られるものではない。
【0015】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るIDカード発行システム100は、例えば、図1に示すように、ホストコンピュータ1,ファイルサーバ2,登録装置3,撮影装置4,発行装置としてのIDカード発行装置5等を備えている。
また、ホストコンピュータ1,ファイルサーバ2,登録装置3,撮影装置4,IDカード発行装置5等は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線Nを介して通信可能に接続されている。
【0016】
ホストコンピュータ1は、例えば、通信部(図示省略),入力部(図示省略),CPU(Central Processing Unit)(図示省略),RAM(Random Access Memory)(図示省略),記憶部(図示省略)等を備えて構成され、データベース(DB)1aと接続されている。
【0017】
データベース1aは、例えば、識別情報としてのID番号と、申請者の個人情報とを対応づけて記憶している。
【0018】
ファイルサーバ2は、例えば、通信部(図示省略),CPU(図示省略),RAM(図示省略),記憶部(図示省略)等を備えて構成され、撮影装置4から送信される申請書のイメージデータと顔画像データとID番号とを対応づけて記憶している。
【0019】
登録装置3は、例えば、通信部(図示省略),表示部(図示省略),入力部(図示省略),プリンタ(図示省略),CPU(図示省略),RAM(図示省略),記憶部(図示省略)等を備えて構成されている。
そして、例えば、登録装置3において、オペレータにより入力部から申請者のID番号と当該申請者の個人情報とが入力され、当該ID番号と当該個人情報とが対応付けられてホストコンピュータ1に送信され、データベース1aに記憶されるようになっている。
また、登録装置3において、申請者のID番号等が印字された申請書がプリンタにより出力されるようになっている。
【0020】
撮影装置4は、例えば、図2に示すように、ID番号読取部41,撮影手段としての撮影部42,取得手段としてのスキャナ43,通信部44,操作部45,表示部46,CPU47,RAM48,記憶部49等を備えている。
【0021】
ID番号読取部41は、例えば、バーコードリーダや、スキャナ、光学式文字読取装置(OCR装置)、磁気読取装置等を備えて構成され、申請書を挿入するための挿入口(図示省略)等を備え、申請書に印字されているID番号を読み取る。
【0022】
撮影部42は、例えば、デジタルカメラ(図示省略)等を備えて構成され、IDカードの発行を申請する申請者の顔を撮影して、申請者の顔画像データを取得する。
【0023】
スキャナ43は、例えば、申請書を走査して、当該申請書の記載内容を光学的に読み取って、申請書のイメージデータを取得する。
【0024】
通信部44は、例えば、撮影装置4とIDカード発行システム100内の他の装置との間の通信を行う。より具体的には、通信部44は、例えば、撮影部42により取得された顔画像データと、スキャナ43により取得された申請書のイメージデータと、ID番号とを対応づけてファイルサーバ2に送信する。
【0025】
操作部45は、各種の操作ボタン,カーソルキー等を備え、各種の操作信号をCPU47に出力する。例えば、操作部45は、確定キー(図示省略)を備え、当該確定キーがオペレータにより押下されることにより、撮影部42により取得された顔画像データを確定するための操作信号をCPU47に出力し、確定手段として機能する。
【0026】
表示部46は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成され、例えば、CPU47が後述する通知プログラム49Hを実行することにより制御されて、所定の通知を表示する。
【0027】
CPU47は、例えば、記憶部49に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM48に展開して実行することにより、撮影装置4全体の制御を行う。
【0028】
RAM48は、例えば、CPU47により実行された処理プログラム等を、RAM48内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0029】
記憶部49は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部49は、CPU47が撮影装置4全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部49は、例えば、図2に示すように、顔画像データファイル49A,申請書イメージデータファイル49B,撮影プログラム49C,読取プログラム49D,第1送信制御プログラム49E,計時プログラム49F,判断プログラム49G,通知プログラム49H,第2送信制御プログラム49I等を格納している。
【0030】
顔画像データファイル49Aは、例えば、ID番号と撮影部42により取得された顔画像データとを対応づけて記憶している。記憶部49は、かかる顔画像データファイル49Aを格納することにより、顔画像記憶手段として機能する。
【0031】
申請書イメージデータファイル49Bは、例えば、ID番号とスキャナ43により取得された申請書のイメージデータとを対応づけて記憶している。記憶部49は、かかる申請書イメージデータファイル49Bを格納することにより、イメージデータ記憶手段として機能する。
【0032】
撮影プログラム49Cは、例えば、CPU47に、撮影部42を制御して、申請者の顔を撮影させて申請者の顔画像データを取得させ、操作部45から撮影部42により取得された顔画像データを確定するための操作信号が入力されたか否かを判断することにより、撮影部42による撮影が完了したか否かを判断し、操作部45から撮影部42により取得された顔画像データを確定するための操作信号が入力された場合に、当該申請者のID番号と当該顔画像データとを対応づけて顔画像データファイル49Aに記憶させる機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる撮影プログラム49Cを実行することにより、顔画像記憶制御手段として機能する。
【0033】
読取プログラム49Dは、例えば、CPU47に、スキャナ43を制御して、申請書を走査させて申請書のイメージデータを取得させ、当該申請者のID番号と当該申請書のイメージデータとを対応づけて申請書イメージデータファイル49Bに記憶させる機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる読取プログラム49Dを実行することにより、イメージデータ記憶制御手段として機能する。
【0034】
第1送信制御プログラム49Eは、例えば、CPU47に、撮影プログラム49Cを実行することにより、撮影部42に顔画像データを取得させ、操作部45が操作されることにより顔画像データが確定された場合に、通信部44を制御して、確定された当該顔画像データとID番号とを対応づけてIDカード発行装置5へ送信させる機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる第1送信制御プログラム49Eを実行することにより、第1送信制御手段として機能する。
【0035】
計時プログラム49Fは、例えば、CPU47に、撮影部42により取得された顔画像データを確定するための操作信号が入力されてからの時間を計時し、所定時間が経過したか否かを判断する機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる計時プログラム49Fを実行することにより、計時手段として機能する。
【0036】
判断プログラム49Gは、例えば、CPU47に、計時プログラム49Fを実行することにより撮影部42による撮影が完了してから所定時間が経過したと判断した場合に、申請書イメージデータファイル49Bを検索して、撮影部42により取得され、オペレータにより確定された顔画像データと対応付けられたID番号に対応する申請書のイメージデータがあるか否かを判断することにより、申請書のイメージデータが取得されているか否かを判断する機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる判断プログラム49Gを実行することにより、判断手段として機能する。
【0037】
通知プログラム49Hは、例えば、CPU47に、判断プログラム49Gを実行することにより、申請書のイメージデータが取得されていないと判断した場合に、表示部46を制御して、例えば、「申請書のイメージデータが取得されませんでした」等の所定の通知を表示させる機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる通知プログラム49Hを実行することにより、通知手段として機能する。
【0038】
第2送信制御プログラム49Iは、例えば、CPU47に、判断プログラム49Gを実行することにより、申請書のイメージデータが取得されていると判断した場合に、通信部44を制御して、当該申請書のイメージデータと顔画像データとID番号とを対応づけてファイルサーバ2へ送信させる機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる第2送信制御プログラム49Iを実行することにより、第2送信制御手段として機能する。
【0039】
IDカード発行装置5は、例えば、通信部(図示省略),CPU(図示省略),RAM(図示省略),記憶部(図示省略),プリンタ(図示省略)等を備えて構成され、撮影装置4から送信される顔画像データを用いて、IDカードを発行する。
【0040】
次に、上述のような構成の第1の実施形態に係るIDカード発行システム100におけるIDカード発行動作の一例を図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
まず、撮影装置4のID番号読取部41により、申請書に印字されたID番号が読み取られる(ステップS1)。
【0042】
次に、CPU47は、撮影プログラム49Cを実行することにより、撮影部42を制御して申請者の顔の撮影を開始させる(ステップS2:撮影工程)。
【0043】
次に、CPU47は、読取プログラム49Dを実行することにより、スキャナ43を制御して、申請書を走査させ申請書のイメージデータの取得を開始させ、申請書のイメージデータが取得された場合には当該イメージデータをID番号と対応づけて申請書イメージデータファイル49Bに記憶させる(ステップS3:取得工程,イメージデータ記憶制御工程)。
【0044】
次に、CPU47は、撮影プログラム49Cの実行に基づいて、撮影部42により取得された顔画像データを確定するための操作信号が入力されたか否かを判断することにより、撮影部42による撮影が完了したか否かを判断する(ステップS4:確定工程)。
【0045】
ステップS4において、CPU47が、撮影が完了していないと判断した場合には(ステップS4;No)、ステップS4の処理を繰り返す。
ステップS4において、CPU47が、撮影が完了していると判断した場合には(ステップS4;Yes)、CPU47は、撮影プログラム49Cの実行に基づいて、申請者のID番号と確定された顔画像データとを対応づけて顔画像データファイル49Aに記憶させるとともに、第1送信制御プログラム49Eを実行することにより、通信部44を制御して、確定された顔画像データとID番号とを対応づけてIDカード発行装置5に送信し(ステップS5:顔画像記憶制御工程,第1送信制御工程)、計時プログラム49Fを実行することにより、計時を開始する。
【0046】
次に、CPU47は、計時プログラム49Fの実行に基づいて、撮影部42による撮影が完了してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS6)。
【0047】
ステップS6において、CPU47が、所定時間が経過していないと判断した場合には(ステップS6;No)、ステップS6の処理を繰り返す。
ステップS6において、CPU47が、所定時間が経過したと判断した場合には(ステップS6;Yes)、CPU47は、判断プログラム49Gを実行することにより、申請書イメージデータファイル49Bを検索して、撮影部42により取得されて確定された顔画像データと対応付けられたID番号に対応する申請書のイメージデータがあるか否かを判断することにより、申請書のイメージデータが取得されているか否かを判断する(ステップS7)。
【0048】
ステップS7において、CPU47が、申請書のイメージデータが取得されていないと判断した場合には(ステップS7;No)、CPU47は、通知プログラム49Hを実行することにより、表示部46に所定の通知を表示させる(ステップS8)。
【0049】
次に、オペレータにより当該申請書が再度撮影装置4に投入され、CPU47が読取プログラム49Dを実行することにより、スキャナ43が制御されて、当該申請書のイメージデータの取得が行われ(ステップS9)、ステップS7に戻る。
【0050】
ステップS7において、CPU47が、申請書のイメージデータが取得されていると判断した場合には(ステップS7;Yes)、CPU47は、第2送信制御プログラム49Iを実行することにより、通信部44を制御して、当該申請書のイメージデータと当該顔画像データとID番号とを対応づけてファイルサーバ2へ送信させ(ステップS10)、本処理を終了する。
【0051】
以上に説明した、本発明の第1の実施形態に係るIDカード発行システム100及びIDカード発行方法によれば、撮影装置4において、撮影部42により、申請者の顔が撮影されて顔画像データが取得され、オペレータが操作部45を操作することにより、撮影部42によって撮影された顔画像データが確定され、CPU47が撮影プログラム49Cを実行することにより、確定された顔画像データが申請者のID番号と対応づけられて顔画像データファイル49Aに記憶され、スキャナ43により、申請書のイメージデータが取得され、CPU47が読取プログラム49Dを実行することにより、スキャナ43によって取得されたイメージデータがID番号と対応づけられて申請書イメージデータファイル49Bに記憶され、CPU47が第1送信制御プログラム49Eを実行することにより、確定された顔画像データがIDカード発行装置5へ送信されるので、例えば、申請書の搬送時にエラーが発生しても、オペレータが操作部45を操作することにより確認された顔画像データが当該エラーとは関係なくIDカード発行装置5に送信されてIDカードが発行されることとなって、より効率良くIDカードを発行することができる。
【0052】
また、CPU47が計時プログラム49Fを実行することにより、顔画像データの確定後、所定時間が経過したか否かが判断され、CPU47が判断プログラム49Gを実行することにより、計時プログラム49Fを実行することによって所定時間が経過したと判断した場合に、申請書イメージデータファイル49Bが検索され、オペレータが操作部45を操作することによって確定された顔画像データと対応付けられたID番号に対応するイメージデータがあるか否かが判断され、CPU47が第2送信制御プログラム49Iを実行することにより、判断プログラム49Gを実行することによって、イメージデータがあると判断した場合に、当該イメージデータと顔画像データとID番号とが対応付けられてファイルサーバ2へ送信されるので、ファイルサーバ2側では、顔画像データとイメージデータとを対応付ける処理を行わずに済み、ファイルサーバ2における処理負荷を低減できる。
【0053】
また、CPU47が通知プログラム49Hを実行することにより、判断プログラム49Gを実行することによって、イメージデータが取得されていないと判断された場合に、所定の通知が行われるので、例えば、申請書の搬送時にエラーが発生して所定時間内にイメージデータが取得されていない場合に、通知によりオペレータがイメージデータが取得されていないことを把握できることとなって、再び申請書のイメージデータの取得をさせる等の対応を迅速に行うことができる。
【0054】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るIDカード発行システム200は、複数の撮影装置(第1撮影装置4A、第2撮影装置4B)を備える構成、記憶部490の構成のみが第1の実施形態に係るIDカード発行システム100と異なるので、同一の構成については、同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0055】
本発明の第2の実施形態に係るIDカード発行システム200は、例えば、図4に示すように、ホストコンピュータ1,ファイルサーバ2,登録装置3,第1撮影装置4A,第2撮影装置4B,IDカード発行装置5等を備えている。
また、ホストコンピュータ1,ファイルサーバ2,登録装置3,第1撮影装置4A,第2撮影装置4B,IDカード発行装置5等は、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信回線Nを介して通信可能に接続されている。
なお、複数の撮影装置として、第1撮影装置4A,第2撮影装置4Bを例示したが、撮影装置の数はこれに限られるものではない。
【0056】
第1撮影装置4Aと第2撮影装置4Bは、同一の構成をしているので、第1撮影装置4Aの構成のみを説明する。
【0057】
第1撮影装置4Aは、例えば、図5に示すように、ID番号読取部41,撮影部42,スキャナ43,通信部44,操作部45,表示部46,CPU47,RAM48,記憶部490等を備えている。
【0058】
記憶部490は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部490は、CPU47が撮影装置4全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部490は、例えば、図5に示すように、顔画像データファイル49A,申請書イメージデータファイル49B,撮影プログラム49C,読取プログラム49D,第1送信制御プログラム49E,計時プログラム49F,判断プログラム49G,検索プログラム490A,通知プログラム490B,第2送信制御プログラム490C等を格納している。
【0059】
検索プログラム490Aは、例えば、CPU47に、通信部44を介して、第2撮影装置4Bの申請書イメージデータファイル49Bを参照し、撮影部42により取得された顔画像データに対応づけられたID番号に対応する申請書のイメージデータを検索する機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる検索プログラム490Aを実行することにより検索手段として機能する。
【0060】
通知プログラム490Bは、例えば、CPU47に、検索プログラム490Aを実行することにより、第2撮影装置4Bの申請書イメージデータファイル49Bした結果、撮影部42により取得された顔画像データに対応づけられたID番号に対応する申請書のイメージデータがなかった場合に、表示部46を制御して、例えば、「申請書のイメージデータが取得されませんでした」等の所定の通知を表示させる機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる通知プログラム490Bを実行することにより、通知手段として機能する。
【0061】
第2送信制御プログラム490Cは、例えば、CPU47に、判断プログラム49Gを実行することにより、申請書のイメージデータが取得されていると判断した場合、又は、検索プログラム490Aを実行することにより、第2撮影装置4Bの申請書イメージデータファイル49Bを検索した結果、撮影部42により取得された顔画像データに対応づけられたID番号に対応する申請書のイメージデータがあった場合に、通信部44を制御して、当該申請書のイメージデータと顔画像データとID番号とを対応づけてファイルサーバ2へ送信させる機能を実現させるプログラムである。CPU47は、かかる第2送信制御プログラム490Cを実行することにより、第2送信制御手段として機能する。
【0062】
次に、上述のような構成の第2の実施形態に係るIDカード発行システム200におけるIDカード発行動作の一例を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
ステップS101〜ステップS107までの処理は、図3に示すフローチャートにおけるステップS1〜ステップS7までの処理と同じであるので、その説明を省略する。
【0064】
ステップS107において、CPU47が、申請書のイメージデータが取得されていると判断した場合には(ステップS107;Yes)、CPU47は、第2送信制御プログラム490Cを実行することにより、通信部44を制御して、当該申請書のイメージデータと当該顔画像データとID番号とを対応づけてファイルサーバ2へ送信させ(ステップS108)、本処理を終了する。
【0065】
ステップS107において、CPU47が、申請書のイメージデータが取得されていないと判断した場合には(ステップS107;No)、CPU47は、検索プログラム490Aを実行することにより、第2撮影装置4Bの申請書イメージデータファイル49Bを参照し、撮影部42により取得された顔画像データに対応づけられたID番号に対応する申請書のイメージデータがあるか否かを判断する(ステップS109)。
【0066】
ステップS109において、CPU47が、申請書のイメージデータがないと判断した場合には(ステップS109;No)、CPU47は、通知プログラム490Bを実行することにより、表示部46に所定の通知を表示させる(ステップS110)。
【0067】
次に、オペレータにより当該申請書が再度第1撮影装置4Aに投入され、CPU47が読取プログラム49Dを実行することにより、スキャナ43が制御されて、当該申請書のイメージデータの取得が行われ(ステップS111)、ステップS107に戻る。
【0068】
ステップS109において、CPU47が、申請書のイメージデータがあると判断した場合には(ステップS109;Yes)、CPU47は、第2送信制御プログラム490Cを実行することにより、通信部44を制御して、ステップS115で検索した申請書のイメージデータと顔画像データとID番号とを対応づけてファイルサーバ2へ送信させ(ステップS112)、本処理を終了する。
【0069】
以上に説明した、本発明の第2の実施形態に係るIDカード発行システム200及びIDカード発行方法によれば、第1の実施形態に係るIDカード発行システム100と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、CPU47が検索プログラム490Aを実行することにより、第1撮影装置4Aにおいて、判断プログラム49Gを実行することによって、イメージデータが取得されていないと判断された場合に、第2撮影装置4Bの申請書イメージデータファイル49Bから、確定された顔画像データと対応付けられたID番号に対応するイメージデータが検索され、CPU47は第2送信制御プログラム490Cを実行することにより、検索プログラム490Aを実行することにより、第2撮影装置4Bの申請書イメージデータファイル49Bから顔画像データと対応付けられたID番号に対応するイメージデータが取得された場合に、当該イメージデータと第1撮影装置4Aの顔画像データファイル49Aに記憶された顔画像データとID番号とを対応付けてファイルサーバ2へ送信するので、例えば、第1撮影装置4Aにおいて、撮影部42による顔画像データの取得を行い、第2撮影装置4Bにおいて、申請書のイメージデータの取得を行った場合でも、第2撮影装置4Bの申請書イメージデータファイル49Bから当該申請書のイメージデータが検索されて、当該イメージデータと顔画像データとID番号とが対応付けられてファイルサーバ2へ送信されるので、例えば、第1撮影装置4Aにおいて、スキャナ43による申請書のイメージデータの取得ができない場合でも、当該申請書のイメージデータを第2撮影装置4Bにおいて取得することができ、直接撮影動作の効率をさらに向上させることができる。
【0070】
なお、顔画像データファイル49Aと申請書イメージデータファイル49Bは一つのデータファイルとして備えられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るIDカード発行システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る撮影装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るIDカード発行システムにおけるIDカード発行動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るIDカード発行システムの概略構成図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る撮影装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るIDカード発行システムにおけるIDカード発行動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
2 ファイルサーバ
4 撮影装置
4A 第1撮影装置
4B 第2撮影装置
42 撮影部(撮影手段)
43 スキャナ(取得手段)
45 操作部(確定手段)
47 CPU(顔画像記憶制御手段,イメージデータ記憶制御手段,第1送信制御手段,計時手段,判断手段,通知手段,第2送信制御手段,検索手段)
49,490 記憶部(顔画像記憶手段,イメージデータ記憶手段)
49A 顔画像データファイル(顔画像記憶手段)
49B 申請書イメージデータファイル(イメージデータ記憶手段)
49C 撮影プログラム(顔画像記憶制御手段)
49D 読取プログラム(イメージデータ記憶制御手段)
49E 第1送信制御プログラム(第1送信制御手段)
49F 計時プログラム(計時手段)
49G 判断プログラム(判断手段)
49H,490B 通知プログラム(通知手段)
49I,490C 第2送信制御プログラム(第2送信制御手段)
490A 検索プログラム(検索手段)
5 IDカード発行装置(発行装置)
100,200 IDカード発行システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IDカードの発行を申請する申請者の顔を撮影する撮影装置と、IDカードを発行する発行装置と、申請書のイメージデータを記憶するファイルサーバと、を備えるIDカード発行システムにおいて、
前記撮影装置は、
前記申請者の顔を撮影して顔画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された顔画像データを確定するための確定手段と、
前記確定手段により確定された顔画像データを前記申請者の識別情報と対応づけて顔画像記憶手段に記憶させる顔画像記憶制御手段と、
前記申請書のイメージデータを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたイメージデータを前記識別情報と対応づけてイメージデータ記憶手段に記憶させるイメージデータ記憶制御手段と、
前記確定手段により前記顔画像データが確定されると、当該顔画像データを前記発行装置へ送信する第1送信制御手段と、
を備えることを特徴とするIDカード発行システム。
【請求項2】
前記撮影装置は、
前記確定手段による確定後、所定時間が経過したか否かを判断する計時手段と、
前記計時手段により前記所定時間が経過したと判断された場合に、前記イメージデータ記憶手段を検索して、前記確定手段により確定された前記顔画像データと対応付けられた前記識別情報に対応する前記イメージデータがあるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記イメージデータがあると判断された場合に、当該イメージデータと前記顔画像データと前記識別情報とを対応付けて前記ファイルサーバへ送信する第2送信制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のIDカード発行システム。
【請求項3】
前記判断手段により、前記イメージデータが取得されていないと判断された場合に、所定の通知を行う通知手段と、
を備えることを特徴とする請求項2記載のIDカード発行システム。
【請求項4】
前記撮影装置を複数備え、
第1撮影装置において、前記判断手段により、前記イメージデータが取得されていないと判断された場合に、第2撮影装置の前記イメージデータ記憶手段から前記顔画像データと対応付けられた前記識別情報に対応する前記イメージデータを検索する検索手段を備え、
前記第2送信制御手段は、
前記検索手段により、前記第2撮影装置の前記イメージデータ記憶手段から前記顔画像データと対応付けられた前記識別情報に対応する前記イメージデータが取得された場合に、当該イメージデータと前記第1撮影装置の顔画像データ記憶手段に記憶された前記顔画像データと前記識別情報とを対応付けて前記ファイルサーバへ送信することを特徴とする請求項2又は3に記載のIDカード発行システム。
【請求項5】
請求項1に記載のIDカード発行システムを用いてIDカードの発行を行うIDカード発行方法であって、
前記撮影手段により前記申請者の顔を撮影して顔画像データを取得する撮影工程と、
前記確定手段により前記撮影工程において撮影された顔画像データを確定する確定工程と、
前記顔画像記憶制御手段により前記確定工程において確定された顔画像データを前記申請者の識別情報と対応づけて顔画像記憶手段に記憶させる顔画像記憶制御工程と、
前記取得手段により前記申請書のイメージデータを取得する取得工程と、
前記イメージデータ記憶制御手段により前記取得工程において取得されたイメージデータを前記識別情報と対応づけてイメージデータ記憶手段に記憶させるイメージデータ記憶制御工程と、
前記第1送信制御手段により、前記確定工程において確定された前記顔画像データを前記発行装置へ送信する第1送信制御工程と、
を備えることを特徴とするIDカード発行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−307858(P2007−307858A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141550(P2006−141550)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】